IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハイネケン サプライ チェーン ベー.フェー.の特許一覧

特表2024-544173飲料製造分析を提供するための方法及びデバイス
<>
  • 特表-飲料製造分析を提供するための方法及びデバイス 図1
  • 特表-飲料製造分析を提供するための方法及びデバイス 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】飲料製造分析を提供するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241121BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20241121BHJP
   C12C 7/00 20060101ALN20241121BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/04
C12C7/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531365
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 NL2022050679
(87)【国際公開番号】W WO2023096487
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】21210311.3
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591211799
【氏名又は名称】ハイネケン サプライ チェーン ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】Tweede Weteringplantsoen21 1017 ZD Amsterdam The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴィレム・ヘリット・デーレン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒール・ヘルマン・マーヒト
(72)【発明者】
【氏名】シャオユン・ビン
(72)【発明者】
【氏名】ラモン・マリン・ラミレス
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィット・パヴロヴィッチ
【テーマコード(参考)】
4B128
5L010
5L050
【Fターム(参考)】
4B128CP21
5L010AA04
5L050CC03
(57)【要約】
ビール、パン、ワインなどの天然製品の品質は、多くのパラメータによって判定される。変更される可能性があるか又は変更されない可能性がある処理パラメータ、外部パラメータ、及び原料のパラメータである。複雑な処理及び多くの処理工程では、可能であれば、パラメータを品質に関連付けることは非常に困難である。処理制御に関するデータ、製品及びプロセス関連のパラメータの値、並びに品質の指標として解釈され得る値、製品(最終若しくは中間のいずれか)の中に見られる物質及びその量、他のパラメータ、又はそれらの組み合わせである。パラメータに関して得られた値の間で、処理最適化のために使用され得る関係が判定され得る。これは、1つ以上の処理工程、処理内の1つ以上のパラメータ、及び1つ以上の品質パラメータに対して実行され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子処理分析デバイスにおいて、製造処理の一部として第1の処理工程を経た第1の製品量について、前記第1の処理工程の一組の処理パラメータのうちの少なくとも1つと、一組の原料パラメータと、少なくとも1つの製品成分パラメータとの間の関係を判定する方法であって、
処理データ取得制御システムから、前記一組の処理パラメータの処理パラメータの少なくとも1つの第1の処理パラメータ値を含む処理データを得ることであって、前記第1の処理パラメータ値が、前記第1の製品量の前記第1の処理工程に関連している、得ることと、前記処理データ取得制御システムから、前記一組の原料パラメータの原料パラメータの少なくとも1つの第1の原料パラメータ値を含む原料データを得ることであって、前記第1の原料値が、前記第1の製品量の基礎を形成する原料に関連している、得ることと、のうちの少なくとも1つと、
前記第1の製品量中に潜在的に存在する少なくとも1つの製品成分を識別することと、
第1の成分に関する前記第1の製品量に対して少なくとも1つの第1の製品成分パラメータ値を得ることと、
前記第1の処理パラメータ値のうちの少なくとも1つ、並びに一方で前記第1の原料パラメータ値及び他方で前記製品成分パラメータ値に基づいて、前記処理パラメータ値のうちの少なくとも1つと、一方で前記原料パラメータ値との間の関係、他方で前記製品成分パラメータ値との間の関係を示す関係スコアを判定することと、を含む、方法。
【請求項2】
処理データ取得制御システムから、第2の製品量の前記第1の処理工程に関する少なくとも1つの第1の処理パラメータ値を含む処理データを得ることと、前記処理データ取得制御システムから、前記第2の製品量の基礎を形成する前記原料に関する少なくとも1つの第1の原料パラメータ値を含む原料データを得ることと、のうちの少なくとも1つを更に含み、
前記処理パラメータ値のうちの前記少なくとも1つと、一方で前記原料パラメータ値との間の前記関係スコア、他方で前記製品成分パラメータ値との間の前記関係スコアを前記判定することがまた、前記第2の処理パラメータ値及び前記第2の原料パラメータ値のうちの少なくとも1つに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の製品量の前記第1の処理工程に関する複数の処理パラメータ値を得ることと、前記第1の製品量の基礎を形成する複数の原料に関する複数の原料パラメータ値を得ることと、のうちの少なくとも1つと、
前記複数の処理パラメータ値、並びに一方で前記複数の原料パラメータ値及び他方で前記製品成分パラメータ値に基づいて、前記複数の前記処理パラメータ値の各々と、一方で前記複数の前記原料パラメータ値の各々との間の関係、他方で前記製品成分パラメータ値との間の関係を判定することと、
前記製品成分パラメータ値との最も強い関係を示す関係スコアを有する、前記複数の処理パラメータ及び前記複数の原料パラメータのうちの少なくとも1つの所定の数を選択することと、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記製造処理が、バッチ処理を含み、前記第1の製品量が、少なくとも1つのバッチを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の処理パラメータ値が、前記第1の処理工程の開始点を示す、それに関連付けられた第1の処理パラメータタイムスタンプを有し、
前記第1の原料パラメータ値が、前記第1の原料が前記第1の製品量に追加される時間における瞬間を示す、それに関連付けられた第1の成分タイムスタンプを有するうちの少なくとも1つである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記製造処理が、前記第1の処理工程を経ている前記第1の製品量を示す、前記第1の処理工程のスループット時間間隔を得ることを更に含む、連続処理である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の処理パラメータ値が、制御値及び測定値のうちの1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の原料パラメータ値が、前記第1の原料の量の重量、前記第1の原料の体積、及び前記第1の原料の品質のうちの1つである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの製品パラメータに関する客観的な品質スコアパラメータデータ間の客観的な品質関係を得ることと、
前記品質関係及び前記少なくとも1つの製品パラメータの値に基づいて、前記第1の量の客観的な品質スコア値を判定することと、を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の量に対する第1の品質スコア値を得ることと、
前記第2の量に対する第2の品質スコア値を得ることと、
前記第1の品質スコア値、前記第2の品質スコア値、前記第1の量の少なくとも1つの製品成分パラメータ値、及び前記第2の量の少なくとも1つの製品成分パラメータ値に基づいて、前記製品成分パラメータと品質スコアとの間の品質関係と、を更に含む、請求項2及び、請求項2に従属する限りにおける請求項3から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の量に対する第1の品質スコア値を得ることと、
前記第2の量に対する第2の品質スコア値を得ることと、
前記第1の品質スコア値、前記第2の品質スコア値、前記第1の量の少なくとも1つの処理パラメータ値、及び前記第2の量の少なくとも1つの処理パラメータ値に基づいて、前記処理パラメータと品質スコアとの間の品質関係と、を更に含む、請求項2及び、請求項2に従属する限りにおける請求項3から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の量に対する第1の品質スコア値を得ることと、
前記第2の量に対する第2の品質スコア値を得ることと、
前記第1の品質スコア値、前記第2の品質スコア値、前記第1の量の少なくとも1つの原料パラメータ値、及び前記第2の量の少なくとも1つの原料パラメータ値に基づいて、前記原料パラメータと品質スコアとの間の品質関係と、を更に含む、請求項2及び、請求項2に従属する限りにおける請求項3から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記関係スコアが、適用可能なパラメータ間の相関を示す、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
得られた前記第1の処理パラメータ値及び得られた前記第1の原料パラメータ値が、ニューラルネットワークに提供され、前記関係スコアが、前記ニューラルネットワークによって提供される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の処理パラメータ値が、
温度、
伝導性、
色、
可視光に対する透明度、
相対的重量、
酸性度、
糖含有量、
粘度、
追加されたエネルギー、
前記第1の処理工程を実行する機械の温度制御のうちの1つである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記製品成分パラメータが、以下:
エタノール含有量、
メタノール含有量、
糖含有量、
二酸化炭素含有量のうちの少なくとも1つである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の処理工程が、以下:
冷却すること、
加熱すること、
撹拌すること、
発酵すること、
濾過すること、
マッシングすること、
梱包することのうちの少なくとも1つである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
製造処理の一部として第1の処理工程を経た第1の製品量について、前記第1の処理工程の一組の処理パラメータのうちの少なくとも1つと、一方で一組の原料パラメータとの間の関係と、他方で少なくとも1つの製品成分パラメータとの間の関係と、を判定するための電子プロセス分析デバイスであって、
入力であって、
-処理データ取得制御システムから、前記一組の処理パラメータの処理パラメータの少なくとも1つの第1の処理パラメータ値を含む処理データを得ることであって、前記第1の処理パラメータ値が、前記第1の製品量の前記第1の処理工程に関連している、得ることと、前記処理データ取得制御システムから、前記一組の原料パラメータの原料パラメータの少なくとも1つの第1の原料パラメータを含む原料データを得ることであって、前記第1の原料値が、前記第1の製品量の基礎を形成する原料に関連している、得ることと、のうちの少なくとも1つと、
-前記第1の製品量中に潜在的に存在する少なくとも1つの製品成分を識別することと、
-第1の成分に関する前記第1の製品量に対して少なくとも1つの第1の製品成分パラメータ値を得ることと、を実施するように構成された入力と、
前記第1の処理パラメータ値のうちの少なくとも1つ、並びに一方で前記第1の原料パラメータ値及び他方で前記製品成分パラメータ値に基づいて、前記処理パラメータ値のうちの前記少なくとも1つと、一方で前記原料パラメータ値との間の関係、他方で前記製品成分パラメータ値との間の関係を示す関係スコアを判定するように構成された処理ユニットと、
前記関係又は関係を示す前記関係スコアのうちの少なくとも1つに関するデータを提供するように構成される出力と、を備える、電子プロセス分析デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な態様及びその変形例は、飲料製造プラント、特にビール用醸造所のための処理分析及び制御の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料の製造、特にビールの醸造は、多くの異なる工程を伴う複雑な処理である。処理は、主に化学的及び生物学的処理であり、そのコース並びに結果は、各工程で多くの要因によって判定され、それらの各々は、最終結果に影響を与える可能性がある。試行錯誤によって、醸造条件が改善される可能性があるが、各要因の値の非常に小さい変化で1つの及び同じ要因に影響を与え得る多くの要因により、試行錯誤を使用することが、改善された処理制御パラメータに到達するための実行可能な方法ではない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
処理パラメータ値の取得、及びこれらの処理パラメータと最終製品の品質との間の関係を提供することが好ましい。かかる関係に基づいて、処理制御のための設定点値は、改善された品質及び好ましい最適品質を有する最終製品に到達するために提供され得る。
【0004】
第1の態様は、電子処理分析デバイスにおける実行に関して、製造処理の一部として第1の処理工程を経た第1の製品量について、第1の処理工程の一組の処理パラメータのうちの少なくとも1つと、一方で一組の原料パラメータとの間の関係と、他方で少なくとも1つの製品成分パラメータとの間の関係と、を判定する方法を提供する。方法は、処理データ取得制御システムから、第1の製品量の第1の処理工程に関する少なくとも1つの第1の処理パラメータ値を含む処理データを得ることと、処理データ取得制御システムから、第1の製品量の基礎を形成する原料に関する少なくとも1つの第1の原料パラメータ値を含む原料データを得ることと、のうちの少なくとも1つを含む。したがって、第1の処理パラメータ値若しくは第1の原料パラメータ値のいずれかが得られるか、又はその両方が得られる。方法は、第1の製品量中に潜在的に存在する少なくとも1つの製品成分を識別することと、第1の成分に関する第1の製品量の少なくとも1つの第1の製品成分パラメータ値を得ることと、を更に含む。第1の処理パラメータ値のうちの少なくとも1つ、並びに一方で第1の原料パラメータ値及び他方で製品成分パラメータ値に基づいて、処理パラメータ値のうちの少なくとも1つと一方で原料パラメータ値との間の関係、他方で製品成分パラメータ値との間の関係を示す関係スコアが判定される。
【0005】
飲料の品質は、飲料中に存在する(又は存在しない)特定の成分によって主に判定され得、存在する場合、飲料全体として、又は飲料の単位体積若しくは質量のいずれかで、飲料中に存在する成分の量によって判定され得る。かかる成分の存在は、任意の処理パラメータ、原料、他の要因、又はそれらの組み合わせに関し得、第1の態様による方法では、かかる関係が判定され得る。かかる関係に関する情報とともに、処理パラメータ及び原料パラメータは、改善された成分パラメータ値に到達することを目的として、後続のバッチのために微調整され得、これが、飲料の改善された品質を提供し得る。
【0006】
第2に、第1の態様のものとしての方法は、改善された処理初期化及びランプアップ、並びに飲料製造ライン及び飲料製造プラントの自動較正を可能にし得る。反応器容器の寸法を得ること、センサ及びシミュレーションを較正することによって、以前のプラントとは異なり得る(わずかに異なるか、又は非常に異なるかのいずれか)機械装置を有する既知の処理のために新しいプラントを特徴付けるのではなく、適切な処理パラメータに関する情報が、1つ以上のパイロットランを実行し、第1の態様の方法を適用することによって得られ得る。
【0007】
第1の態様の変形例は、処理データ取得制御システムから、第2の製品量の第1の処理工程に関する少なくとも1つの第1の処理パラメータ値を含む処理データを得ることと、処理データ取得制御システムから、第2の製品量の基礎を形成する原料に関する少なくとも1つの第1の原料パラメータ値を含む原料データを得ることと、のうちの少なくとも1つを含む。この変形例では、処理パラメータ値のうちの少なくとも1つと、一方で原料パラメータ値との間の関係スコア、他方で製品成分パラメータ値との間の関係スコアを判定することがまた、第2の処理パラメータ値及び第2の原料パラメータ値のうちの少なくとも1つに基づいている。
【0008】
通常、該当するパラメータの異なる値を有する複数のバッチからのデータを使用して、関係は、より正確に判定され得る。より多くのデータで、分析は、よりフォールトトレラントになり得る。更に、これは、値間の関係が線形、二次、立方、指数関数、単調/非単調、強/弱、特定の境界内で相関するかどうか、他又はそれらの組み合わせであるかどうかを判定することを可能にし得る。
【0009】
別の変形例は、第1の製品量の第1の処理工程に関する複数の処理パラメータ値を得ることと、第1の製品量の基礎を形成する複数の原料に関する複数の原料パラメータ値を得ることと、複数の処理パラメータ値、一方で複数の原料パラメータ値、及び他方で製品成分パラメータ値に基づいて、複数の処理パラメータ値の各々と、一方で複数の原料パラメータ値の各々との間の関係、及び他方で製品成分パラメータ値との間の関係を判定することと、のうちの少なくとも1つを更に含む。分析の結果に基づいて、製品成分パラメータ値との最も強い関係を示す関係スコアを有する、複数の処理パラメータ及び複数の成分パラメータのうちの所定の数の少なくとも1つが選択される。
【0010】
この変形例は、第1の態様を採用するシステムのユーザに直接的かつコンパクトなフィードバックを提供する。このようにして、ユーザ(例えば、処理制御オペレータ又は処理監督者)は、修正する最も関連性の高いパラメータに焦点を当てることができる。代替的又は追加的に、人間は関与せず、電子コンピューティングシステムは、最も関連性の高いパラメータに基づいて、処理を制御する。任意選択的に、最も関連性の高いパラメータの1つの値が、最適値又は最適値に近い値に設定され、他のパラメータは、後のパラメータの値の微調整を可能にするためのユーザへの提示用に選択され得る。
【0011】
更なる実施態様では、製造処理は、バッチ処理を含み、第1の製品量は、少なくとも1つのバッチを含む。バッチ処理では、飲料の量は、互いに十分に分離されている。これにより、バッチ当たりの分析における様々なパラメータ間の関係の便利かつ実用的な分析を可能にする。
【0012】
更に別の実施態様では、第1の処理パラメータ値のうちの少なくとも1つは、第1の処理工程の開始点を示す、それに関連付けられた第1の処理パラメータタイムスタンプを有し、第1の原料パラメータ値は、第1の原料が第1の製品量に追加される瞬間を示す、それに関連付けられた第1の原料タイムスタンプを有する。
【0013】
処理中の具体的な瞬間に原料を追加すること、特定の瞬間における温度設定を変更すること、又は特定の瞬間におけるその温度の実際の変化は、最終結果に関連し得る。データを登録している間及び関係を判定するときにタイミングデータを考慮することによって、関係の判定は、より正確な方法で行われ得、特定の処理パラメータのタイミングは、処理の出力で提供され得る。
【0014】
再び更なる実施態様では、製造処理は、第1の処理工程を経ている第1の製品量を示す第1の処理工程のスループット時間間隔を得ることを更に含む、連続処理である。
【0015】
定義された量の飲料を、おそらく他の処理を経た他の量の飲料と混合する一方で、特定の量の飲料が識別され、導管及び反応器を通る流量を監視することが続き得る。かかるデータにより、時間は、定義された量が反応器又は特定の処理工程に入るとき、及び定義された量が反応器又は特定の処理工程を離れるときに判定され得る。
【0016】
更に別の実施態様では、第1の処理パラメータ値は、制御値及び測定値のうちの1つである。制御値は、例えば、ガス、電圧、電流、他、又はそれらの組み合わせの特定の圧力でアクチュエータを制御することによって、達成される、又は達成されると予想されるアクチュエータの設定点であり得る。次いで、測定値は、飲料が提供される反応器又は他の容器又は導管内の実際の値であり得る。
【0017】
なお更なる実施態様は、少なくとも1つの製品パラメータに関する客観的な品質スコアパラメータデータ間の客観的な品質関係を得ることと、品質関係及び少なくとも1つの製品パラメータの値に基づいて、第1の量の客観的な品質スコア値を判定することと、を更に含む。上で示されるように、飲料の品質は、エステルなどの存在する成分によって判定され得る。追加的又は代替的に、品質は、粘度、色、苦味、透明度、半透明度、甘味、酸性度、酸味、他、又はこれらの特徴のうちの2つ以上の任意の組み合わせなど、飲料の他の特徴によって判定され得る。よく知られているように、かかる特性は、存在する成分及びその量によって判定され得るが、泡の粘度又は硬さなどの物理的特性は、登録することがより便利であり得る。
【0018】
再び、別の実施態様は、第1の量に対する第1の品質スコア値を得ることと、第2の量に対する第2の品質スコア値を得ることと、第1の品質スコア値、第2の品質スコア値、第1の量の少なくとも1つの製品成分パラメータ値、第2の量の少なくとも1つの製品成分パラメータ値に基づいて、製品成分パラメータと品質スコアとの間の品質関係を含む。これにより、関係に関するより多くの可能な改善されたデータ及び精度を得ることが可能になる。
【0019】
更なる実施態様は、第1の量に対する第1の品質スコア値を得ることと、第2の量に対する第2の品質スコア値を得ることと、第1の品質スコア値、第2の品質スコア値、第1の量の少なくとも1つの処理パラメータ値及び第2の量の少なくとも1つの処理パラメータ値に基づいて、処理パラメータと品質スコアとの間の品質関係を更に含む。これにより、関係に関するより多くの可能な改善されたデータ及び精度を得ることが可能になる。
【0020】
別の実施態様は、第1の量に対する第1の品質スコア値を得ることと、第2の量に対する第2の品質スコア値を得ることと、第1の品質スコア値、第2の品質スコア値、第1の量の少なくとも1つの原料パラメータ値、及び第2の量の少なくとも1つの原料パラメータ値に基づいて、原料パラメータと品質スコアとの間の品質関係を更に含む。これにより、関係に関するより多くの可能な改善されたデータ及び精度を得ることが可能になる。
【0021】
製造処理の一部として第1の処理工程を経た第1の製品量について、第1の処理工程の一組の処理パラメータのうちの少なくとも1つと、一方で一組の原料パラメータとの間の関係と、他方で少なくとも1つの製品成分パラメータとの間の関係と、を判定するための電子プロセス分析デバイスである。デバイスは、入力、出力、及び処理ユニットを備える。入力は、処理データ取得制御システムから、第1の製品量の第1の処理工程に関する少なくとも1つの第1の処理パラメータ値を含む処理データを得ることと、処理データ取得制御システムから、第1の製品量の基礎を形成する原料に関する少なくとも1つの第1の原料パラメータ値を含む原料データを得ることと、第1の製品量中に潜在的に存在する少なくとも1つの製品成分を識別することと、第1の成分に関する第1の製品量に関する少なくとも1つの第1の製品成分パラメータ値を得ることと、のうちの少なくとも1つを実施するように構成される。処理ユニットは、第1の処理パラメータ値のうちの少なくとも1つ、及び一方で第1の原料パラメータ値及び他方で製品成分パラメータ値に基づいて、処理パラメータ値のうちの少なくとも1つと、一方で原料パラメータ値との間の関係、製品成分パラメータ値との間の関係を示す関係スコアを判定するように構成される。出力は、関係又は関係を示す関係スコアのうちの少なくとも1つに関するデータを提供するように構成される。
【0022】
別の態様は、実行可能コードが、電子処理ユニットをプログラミングするためにコンピュータによって構成される電子処理ユニットに接続されたメモリにロードされたときに、第1の態様又はその任意の変形例若しくはその置換に従って方法を実行させるように構成されたコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム製品を提供する。更なる態様は、その中又はその上に記憶されたかかるコンピュータプログラム製品を有する非一時的メモリを提供する。
【0023】
ここで、様々な態様及びその変形例を、図面と併せて更に詳細に考察する。図面は以下の通りである:
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】醸造所及びデータ処理システムの少なくとも一部の概略図を示す。
図2】フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、飲料の製造及び処理の監視のためのシステム100を示す。この特定の場合において、処理は、ビールを醸造することである。システムの一部は、醸造所110である。明瞭化のために、醸造機器の一部のみが描写される。図1は、マッシングタンク112、沸騰タンク114、及び冷却器116を示す。明瞭化のために、発酵タンク、ブライトタンク、及びフィルタは、省略されている。当業者は、他の工程も醸造ラインに追加され得ることを認識するであろう。冷却器の下流には、貯蔵庫118が示されている。貯蔵庫118は、発酵前の中間貯蔵であり得、発酵タンク、別のタイプの容器、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0026】
マッシングタンク112では、第1の原料供給ライン132が提供される。第1の原料供給ライン132を介して、水及び麦芽がマッシングタンク112に提供される。水及び麦芽は、1つの及び同じ導管を通して提供され得、他の実施態様では、第1の原料供給ライン132は、複数の導管、例えば、原料の各タイプに対して1つを備える。マッシングタンク112には、第1の電動機126によって駆動される、処理アクチュエータとして第1のラダー(rudder)122が提供される。更なる処理アクチュエータは、加熱器、別の機械的撹拌器、他、又はそれらの組み合わせなどを提供され得る。
【0027】
マッシングタンク112は、第1の醸造導管134を介して沸騰タンク114に接続され、沸騰タンク114内でデバウチングする。マッシングタンクと第1の醸造導管134との間の接続は、バルブによって制御され得る。このように、麦汁は、バッチ方式で、又はマッシングタンク112から沸騰タンク114に連続方式で移送され得る。
【0028】
沸騰タンク114では、第2の原料供給ライン138が提供される。この実施態様では、第2の原料供給ライン138は、沸騰タンク114にホップを提供し、任意選択的に、スパイス、ハーブ、柑橘類の皮、他、又はそれらの組み合わせなどの更なる原料を提供するように構成される。沸騰タンクには、第2の電動機128によって駆動される第2のラダー124が提供され得る。また、沸騰タンク114には、加熱器、別の機械的撹拌器、他、又はそれらの組み合わせのように、更なる処理アクチュエータが提供され得る。
【0029】
沸騰タンク114は、第2の醸造導管138を介して冷却器116に接続され、冷却器116内でデバウチングする。沸騰タンクと第2の醸造導管138との間の接続は、バルブによって制御され得る。このように、麦汁は、沸騰タンク114から冷却器116に連続方式でバッチ方式で移送され得る。
【0030】
沸騰した麦汁は、好ましくは、冷却器を連続的に通過し、貯蔵庫118に提供される。貯蔵庫から、当業者によって既知であるように、醸造処理の残りの部分が継続され得る。
【0031】
図1の左側に、監視及び制御データバス108が提供される。データバス108は、監視及び制御システムの中央処理ユニット102に接続される。データバス108はまた、醸造所110内の様々なセンサ及びアクチュエータコントローラに接続される。監視及び制御システムは、データ記憶モジュールとしてのメモリ104と、入力/出力モジュールとしてのタッチスクリーン106と、を更に備える。タッチスクリーンの代わりに、別個の電子表示画面、キーボード、マウス、トラッキングボール、ディスプレイプロジェクタ、スピーカ、他、又はそれらの組み合わせもまた、データを受信及び提供するために提供され得る。かかるデータは、ユーザ、他のシステム、若しくはそれらの組み合わせに提供され得、及び/又はそれらから受信され得る。中央処理ユニット102は、監視及び制御システムの機能、特にデータの取り扱いを制御するように構成される。メモリ104は、監視及び制御システムによって受信及び処理されかつ処理されたデータを記憶し、中央処理ユニット102がプログラムされ、以下に説明するように任意の処理又はその一部を実行することを可能にするデータを記憶するように構成される。
【0032】
第1の原料センサモジュール152は、第1の原料供給ライン132上に、又は第1の原料供給ライン132内に提供される。第1の原料センサモジュール152は、マッシングタンク112に追加された1つ以上の原料に関して、原料のタイプ、原料の品質レベル、原料の量、別の原料パラメータの別の値、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに対する値を含むデータを得るように構成される。このように、第1のセンサモジュール152は、流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0033】
第1の原料センサモジュール152はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0034】
第2の原料センサモジュール154は、第2の原料供給ライン136上に、又は第1の原料供給ライン132内に提供される。第2の原料センサモジュール154は、沸騰タンク114に追加された1つ以上の原料に関して、原料のタイプ、原料の品質レベル、原料の量、別の原料パラメータの別の値、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに対するデータを得るように構成される。このように、第2のセンサモジュール154は、流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0035】
第2の原料センサモジュール154はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0036】
第1の処理センサモジュール156は、マッシングタンク112と併せて提供される。第1のセンサモジュール156は、流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。このように、第1の処理センサモジュール156は、マッシングタンク112内の麦汁の様々な特徴を得るように構成される。
【0037】
更に、第1の処理センサモジュール156は、任意の加熱手段によって麦汁に追加されたエネルギー、マッシングタンク112内で利用可能な麦汁の体積、加熱手段の制御温度若しくは設定温度、他、又はそれらの組み合わせに関するデータを得るように構成され得る。第1の処理センサモジュール156はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0038】
第2の処理センサモジュール158は、沸騰タンク114と併せて提供される。第2のセンサモジュール158は、流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。このように、第2の処理センサモジュール158は、マッシングタンク112内の麦汁の様々な特徴を得るように構成される。
【0039】
更に、第2の処理センサモジュール158は、任意の加熱手段によって麦汁に追加されたエネルギー、沸騰タンク114内で利用可能な麦汁の体積、加熱手段の制御温度若しくは設定温度、他、又はそれらの組み合わせに関するデータを得るように構成され得る。第2の処理センサモジュール158はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0040】
第1のアクチュエータセンサモジュール162には、第1の電動機126が提供される。第1のアクチュエータモジュール162は、角速度、提供されるトルク、特定のパラメータを有する第1のラダー122を駆動する期間、他、又はそれらの組み合わせを制御するために、特定の電圧又は電流を提供することによって第1の電動機126を制御するように構成される。第1のアクチュエータセンサモジュール162はまた、提供される実際の電圧若しくは電流、又は第1の電動機によって提供される実際の角速度若しくはトルクのうちの少なくとも1つを感知するか、又は別様にデータを得るように構成され得る。
【0041】
第1のアクチュエータセンサモジュール162はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。示されるように、他のアクチュエータはまた、マッシングタンク112と併せて提供され得る。第1のアクチュエータセンサモジュール162は、かかるアクチュエータを制御し、加熱手段によってマッシングタンク112内の麦汁に追加されるエネルギーのように、かかるアクチュエータに関連する任意のデータを感知するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0042】
第2のアクチュエータセンサモジュール164には、第2の電動機128が提供される。第2のアクチュエータモジュール164は、角速度、提供されるトルク、特定のパラメータを有する第2のラダー124を駆動する期間、他、又はそれらの組み合わせを制御するために、特定の電圧又は電流を提供することによって第2の電動機128を制御するように構成される。第2のアクチュエータモジュール164はまた、提供される実際の電圧若しくは電流、又は第2の電動機によって提供される実際の角速度若しくはトルクのうちの少なくとも1つを感知するか、又は別様にデータを得るように構成され得る。
【0043】
第2のアクチュエータモジュール164はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。示されるように、他のアクチュエータはまた、沸騰タンク114と併せて提供され得る。第2のアクチュエータモジュール164は、かかるアクチュエータを制御し、加熱手段によって沸騰タンク114内の麦汁に追加されるエネルギーのように、かかるアクチュエータに関連する任意のデータを感知するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0044】
第1の導管センサモジュール166は、第1の醸造導管134と併せて提供される。第1の導管センサモジュール166は、第1の醸造導管132内の物質の流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。このように、第1の導管センサモジュール166は、第1の醸造導管134を通って輸送される麦汁の物理的及び化学的特性のうちの少なくとも1つを感知するように構成され得る。第1の導管センサモジュール166はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成された任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0045】
第2の導管センサモジュール168は、第2の醸造導管136と併せて提供される。第2の導管センサモジュール168は、第2の醸造導管134内の物質の流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。このように、第2の導管センサモジュール168は、第2の醸造導管136を通って輸送される麦汁の物理的及び化学的特性のうちの少なくとも1つを感知するように構成され得る。第2の導管センサモジュール168はまた、好ましくは、物質を感知することによって、生成される任意のデータを有するタイムスタンプを提供するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0046】
冷却センサモジュール172は、冷却器116と併せて提供される。冷却センサモジュール172は、冷却器116内の物質の流れ、流速、流量、重量、化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。このように、冷却センサモジュール172は、冷却器116を通って輸送される麦汁の物理的及び化学的特性のうちの少なくとも1つを感知するように構成され得る。冷却センサモジュール172はまた、冷却剤の流れを制御し、設定温度、制御温度、他、又はそれらの組み合わせを提供することによって、冷却器116の動作を制御するように構成され得る。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0047】
サンプルセンサモジュール174は、ビール又は麦汁又は醸造所の別の中間製品のサンプルを感知するために、データバス108に接続される。サンプルセンサモジュール174は、サンプルの物質の化学的特徴、伝導性、温度、可視光若しくは不可視光に対する透明度、酸性度、糖含有量、粘度、色、他又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するために、光学センサ、磁気センサ、電気センサ、機械センサ、化学センサ、又は他のセンサのうちの少なくとも1つを備え得る。このように、サンプルセンサモジュール174は、エタノール、メタノール、糖類、好ましくは、特定の糖分子、二酸化炭素、特定のエステル、他、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つなど、サンプル中の1つ以上の物質を判定するために使用され得、好ましくは、重量及び体積のうちの少なくとも1つの標準尺度に関連して、検出された物質の重量比及び体積比のうちの少なくとも1つを含む。このように得られたデータは、データバス108を介して監視及び制御システムに送信され、好ましくは、メモリ104内に記憶される。
【0048】
醸造所から得られたデータを有する監視及び制御システムの動作は、図2によって描写されるフローチャート200と併せて更に詳細に考察される。フローチャート200の様々な部分は、以下のように要約され得る。
202 処理を開始する
204 評価する量を定義する
206 処理工程を開始する
208 原料を追加する
210 原料パラメータを登録する
212 処理アクチュエータを実行する
214 アクチュエータパラメータを登録する
216 処理パラメータを感知する
218 処理パラメータを登録する
220 処理工程は完了?
222 処理は完了?
224 組成物を分析する
226 成分パラメータを登録する
228 全ての量が完了?
230 登録されたパラメータを分析する
232 品質パラメータを得る
234 成分パラメータを処理中に登録されたパラメータに関連付ける
236 成分パラメータを品質パラメータに関連付ける
238 品質パラメータを処理中に登録されたパラメータに関連付ける
240 成分パラメータをアクチュエータパラメータに関連付ける
242 関係に基づいて、処理制御パラメータの最良の品質を判定する
244 判定された処理制御パラメータを出力する
246 終了
250 中間製品に関する次の工程
【0049】
手順は、ターミネータ202において開始し、分析する飲料の量が定義される工程204に進む。分析する量は、飲料のバッチであり得、これは、全体として、特定の機器によって特定の処理工程を経る全く同じ飲料に関する。代替的又は追加的に、飲料の量は、処理を経る間に処理工程を通って流れる飲料の連続的又は半連続的な流れの体積として定義され得る。
【0050】
連続流量は、流れ(時間単位当たりの距離、時間単位当たりの質量、時間単位当たりの体積、又はそれらの組み合わせにおける流れの速さとしての流速)、並びに監視ポイント当たりの開始時間及び終了時間を監視することによって定義され得る。流れ及び中央時間の進行は、いつ定義された量が次の処理工程に到達し、次の処理工程を離れるかを判定するために使用され得る。醸造所では、醸造処理が開始する、識別された量が、水の量であり得る。
【0051】
206において、処理工程は、定義された量で開始される。処理がバッチ処理である場合、定義された数量の処理が開始される。処理工程が連続処理である場合、識別された量の第1の部分は、処理容器、処理導管、別の処理エンティティ、又はそれらの組み合わせに入る。
【0052】
工程208において、1つ以上の原料が、識別された量に追加される。例えば、麦芽が、水に追加され得る。工程210において、追加される原料は、第1の原料センサモジュール152によって感知され、データは、例えば、メモリ104内に登録される。各原料は、パラメータとして登録され得る。原料パラメータで、自動又は手動入力を介して感知された、又は別様に受信された、いくつかの値が受信され、このため関連付けられ得る。値は、品質、糖含有量、タイプ、上記で指定された他のもの、他、又はそれらの組み合わせに関し得る。
【0053】
関連する値又は複数の値は、(離散的、実質的、合理的、若しくは複合的な)数値、ブール値、英数字値、他、又はそれらの組み合わせであり得る。更に、タイムスタンプは、値の取得の瞬間に原料パラメータに関連付けられ得る。代替的又は追加的に、個々のタイムスタンプは、個々のパラメータ値に関連付けられ得る。タイムスタンプは、システムを通る物質のスループット速度とともに、特に連続処理において、パラメータの値を特定の定義された量に割り当てるために使用され得る。
【0054】
工程212において、適用可能な処理工程の開始時又は開始後に、第1のラダー122が開始される。工程214において、アクチュエータパラメータの値が、例えば、メモリ104において得られ、かつ登録される。かかるパラメータは、第1のラダー122の作動であり得、関連する値は、秒又は分などの時間単位当たりの回転数で感知された回転速度、角速度、トルク、他、又はそれらの組み合わせであり得る。値は、例えば、センサによって得られる実際の値、又は設定点、例えば、処理ユニットが第1のラダー122を制御する角速度の値であり得る。また、例えば、加熱器の他のアクチュエータパラメータが得られ得る。
【0055】
関連する値又は複数の値は、(離散的、実質的、合理的、若しくは複合的な)数値、ブール値、英数字値、他、又はそれらの組み合わせであり得る。ブール値は、例えば、特定のバルブが開放するか又は閉鎖するかを示し得、英数字値は、機械からのステータスメッセージ又はエラーメッセージに関し得る。
【0056】
タイムスタンプは、値の取得の瞬間にアクチュエータパラメータに関連付けられ得る。代替的又は追加的に、個々のタイムスタンプは、個々のパラメータ値に関連付けられ得る。タイムスタンプは、システムを通る物質のスループット速度とともに、特に連続処理において、パラメータの値を特定の定義された量に割り当てるために使用され得る。値は、値が変化するか、又は所定の閾値を超えて変化する瞬間に登録され得る。代替的又は追加的に、値は、周期的な間隔で又は連続的に得られ得る。
【0057】
工程216において、処理パラメータは、例えば、第1の処理センサモジュール156によって感知される。工程218において、処理パラメータの感知を通して得られた値が、例えば、メモリ104において登録される。処理パラメータは、上で考察されるように、麦汁の温度、透明度、伝導性、若しくは任意の他の値、又はそれらの組み合わせであり得る。処理パラメータはまた、生産ホール内、生産ホールの外、野外、他、又はそれらの組み合わせにおける温度、湿度、他、又はそれらの組み合わせなどの外部パラメータであり得る。
【0058】
タイムスタンプは、値の取得の瞬間に処理パラメータに関連付けられ得る。代替的又は追加的に、個々のタイムスタンプは、個々のパラメータ値に関連付けられ得る。タイムスタンプは、システムを通る物質のスループット速度とともに、特に連続処理において、パラメータの値を特定の定義された量に割り当てるために使用され得る。値は、値が変化するか、又は所定の閾値を超えて変化する瞬間に登録され得る。代替的又は追加的に、値は、周期的な間隔で又は連続的に得られ得る。
【0059】
工程220において、識別された量が、適用可能な処理工程によって処理されたかどうかが検証される。処理工程がバッチ処理である場合、処理工程は、終了点に達したときに終了し得る。かかる終了点は、経過した時間間隔、到達した温度値、登録された値の別の値、又は到達した1つ以上の特定のパラメータ、他、又はそれらの組み合わせとして定義され得る。処理工程が連続処理である場合、識別された量に対する処理工程は、完全に定義された量によって終了したものが、処理工程が行われるか、又は処理工程が行われた該当する反応器を離れたものとして定義され得る。
【0060】
処理工程がまだ終了していない場合、処理は、工程208に戻って、追加の原料を追加し(又は追加しない)、様々なパラメータの更なる値を得て、かつ登録する。処理工程が上で考察されたように終了した場合、手順は、工程222に進む。工程222において、全処理が定義された数量に対して終了したかどうかがチェックされる。全処理が終了していない場合、手順は、次の処理工程が定義された量に対して定義される工程250を介して、後続の処理工程のために工程206に戻る。
【0061】
全処理が終了した場合、手順は工程224に進み、工程224において全処理の最終製品が分析される。かかる分析は、物理的、化学的、生物学的、他、又はそれらの組み合わせであり得る。物理的分析は、透明度、色、伝導性、泡の硬さ、他、又はそれらの組み合わせなどの最終製品の物理的パラメータを判定することに関する。化学分析は、エステル、酸、他、又はそれらの組み合わせ、二酸化炭素含有量、他、又はそれらの組み合わせなどの、酸性度、糖含有量、特定の物質又は物質の種類の含有量を判定することに関し得る。生体分析は、一般的な酵母、特定の酵母、他、又はそれらの組み合わせの量の存在を判定することに関し得る。好ましくは、最終製品の組成が判定され、すなわち、最終製品の単位体積又は単位質量における特定の成分(物質)の量が判定される。結果は、工程226においてメモリ104内に記憶され得る。
【0062】
工程230において、様々なパラメータの登録された値が、分析され、任意選択的に、処理される。かかる分析は、閾値若しくは閾値帯若しくは間隔、他、又はそれらの組み合わせと比較する、外れ値の検出に関し得る。処理は、別のパラメータ、他、又はそれらの組み合わせの値に対する関数として、外れ値の除去、経時的な導関数若しくは積分値、他の値又はそれらの組み合わせの判定、経時的な値における工程に関し得る。かかる分析及び処理は、分析されたパラメータ又は他のパラメータの追加の値を生じさせる可能性がある。
【0063】
工程228において、全ての識別された量が処理され、識別されたパラメータ値が得られかつ登録されているかどうかがチェックされる。これが当てはまらない場合、手順は、工程204に戻るか、又は更なる量が定義されている場合は、工程206に戻る。分析される全てのデータが、評価される識別された量から得られた場合、手順は、工程232に進む。
【0064】
工程232において、各量に対して品質パラメータが得られ得る。かかる品質パラメータは、客観的パラメータが採取されるサンプル中の特定の物質の量などの、物理的、化学的又は生物学的パラメータに関し得る客観的パラメータであり得る。この意味で、「客観的」とは、パラメータの値が、人間の知覚に関する「主観的」とは反対に、質量、時間、体積、伝導性、温度などの値を測定すること、カウントすることなどによって取得され得ることを意味する。
【0065】
泡の硬さが十分である場合、すなわち、特定の体積を所定量の時間を超えて保持する場合、パラメータは、第1のブール値を有し、そうでない場合、パラメータは、第2のブール値を有する。同様に、閾値に対する単位又は量当たりの特定の成分及びその量の酸性度及び存在は、客観的品質パラメータを構成し得る。ブール値の代わりに、例えば、0~9又は1~10のスケールで、数値が使用され得る。
【0066】
相対的な品質パラメータ又は主観的な品質パラメータの値は、例えば、最終製品を味わうこと、最終製品を嗅ぐこと、又は別様に彼らの感覚を使用して最終製品を評価することによって、試験者を通じて得られ得る。
【0067】
工程232はまた、工程230の前に配置され得るが、全ての処理工程からの飲料物質が、特に品質及び主観的品質について評価される場合、全ての量が利用可能になると、品質を比較することがより実行可能であり得る。
【0068】
後続の工程において、様々なパラメータ間の関係は、パラメータの値に基づいて、評価される。考察されるように、複数の値は、特定のパラメータのサブパラメータの値を示す、パラメータに関連付けられ得る。かかる関係は、例えば、パラメータ及びサブパラメータの値の相関を計算することによって判定され得る。サブパラメータの値は、同じパラメータ又は他のパラメータに関し得る。パラメータ間の関係は、1つの定義された量(バッチ内)内又は複数の定義された量(バッチ間)にわたって判定され得る。
【0069】
相関を計算することに加えて、他のアルゴリズムもまた、パラメータ間の関係を判定するために使用され得、追加的又は代替的に、ニューラルネットワーク又は他の機械学習アルゴリズムが、パラメータの様々な値に基づいて、入力側及び複数の入力側の様々なパラメータとパラメータセットとの間の関係を判定するために採用され得る。更に別の実施態様では、追加的又は代替的に、最小二乗法を使用して、線形、二次、三次、指数曲線、別の曲線、又はそれらの組み合わせであり得る曲線にパラメータ関係を適合させ得る。
【0070】
より具体的には、工程234において、成分パラメータ間の関係は、処理中に得られたパラメータに関する。後者のパラメータは、処理パラメータ、原料パラメータ、他、又はそれらの組み合わせであり得る。工程236において、成分パラメータと、処理中に値が得られたパラメータとの間の関係が判定される。工程238において、品質パラメータ(客観的、主観的、又はその両方)と成分パラメータとの間の関係が判定される。工程240において、成分パラメータとアクチュエータパラメータとの間の関係が判定される。また、値が得られるパラメータ間の更なる関係が評価されかつ判定され得る。
【0071】
判定された関係及びそれらの関係がどれほど強いかに基づいて(例えば、0の相関は非常に弱い関係であり、1若しくは-1の相関、又はこれらの値のうちのいずれかに近い相関は強力な関係である)、品質パラメータと最も強い関係を有する値が得られるパラメータが得られる。かかるパラメータは、アクチュエータパラメータ、処理パラメータ、原料パラメータ、他、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0072】
工程246において、処理の結果(関係、関係の強さ、最も関連する関係、品質に最も関連する関係、客観的、主観的、又はその両方、統計的値、他、又はそれらの組み合わせ)が、データの処理のためにユーザ又は別のシステムに提供される。このように、原料パラメータ、アクチュエータパラメータ、処理パラメータ、他のパラメータ、又はそれらの組み合わせの最適値が判定され、ユーザ又は制御デバイスに提供され得る。1つ以上のパラメータは、機械設定を自動的に最適化するために使用され得る。その後、処理は、工程246で終了する。
【0073】
処理は、反復によって、上で説明されたような処理を実行することによって微調整されかつ最適化され得、処理及び処理パラメータを自動的に又は手動のいずれかで更に改善かつ最適化する反復処理として実装され得る。最適化のために、限定されるものではないが、最小二乗法、回帰、補間、外挿、訓練されたニューラルネットワークの使用、又は機械学習に使用される他の人工知能、他、又はこれらの技術のうちの2つ以上の組み合わせを含む、既知の若しくは新しいアルゴリズム又は他の技術が使用され得る。
【0074】
これまでに考察された処理は、醸造処理である。上で考察されたように、マッシング、調理、及び冷却処理が、詳細に考察され、フローチャート200の手順及びその変形例が、これらの処理に適用され得る。フローチャート200の同じ手順及びその変形例は、醸造処理の発酵、清澄化、炭化、濾過、及び他の処理工程に適用され得る。
【0075】
追加的又は代替的に、手順及びその変形例は、廃水の処理、醸造機器の洗浄、並びにボトル、樽、及び缶を充填するためのボトリング処理に適用され得る。
【0076】
要約すると、上記は、ビール、パン、ワインなどの天然製品の品質が多くのパラメータによって判定される点に関する。変更され得るか又は変更されない可能性がある処理パラメータ、外部パラメータ及び原料のパラメータである。複雑な処理及び多くの処理工程では、可能であれば、パラメータを品質に関連付けることは非常に困難である。処理制御に関するデータ、製品及びプロセス関連のパラメータの値、品質の指標と解釈され得る値、製品(最終又は中間のいずれか)の中に見られる物質及びその量、他のパラメータ又はそれらの組み合わせである。パラメータに関して得られた値の間で、処理最適化のために使用され得る関係が判定され得る。これは、1つ以上の処理工程、処理内の1つ以上のパラメータ、及び1つ以上の品質パラメータに対して実行され得る。
【符号の説明】
【0077】
100 システム
102 中央処理ユニット
104 メモリ
106 タッチスクリーン
108 制御データバス
108 データバス
110 醸造所
112 マッシングタンク
114 沸騰タンク
116 冷却器
118 貯蔵庫
122 第1のラダー
124 第2のラダー
126 第1の電動機
128 第2の電動機
132 第1の原料供給ライン
132 第1の醸造導管
134 第2の醸造導管
136 第2の醸造導管
138 第2の原料供給ライン
152 第1の原料センサモジュール
154 第2の原料センサモジュール
156 第1の処理センサモジュール
158 第2の処理センサモジュール
162 第1のアクチュエータセンサモジュール
164 第2のアクチュエータセンサモジュール
166 第1の導管センサモジュール
168 第2の導管センサモジュール
172 冷却センサモジュール
174 サンプルセンサモジュール
図1
図2
【国際調査報告】