(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】缶デコレータ用インク補充システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20241121BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20241121BHJP
B41M 1/30 20060101ALI20241121BHJP
B41F 17/26 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B05C11/10
B05D1/02 B
B41M1/30 Z
B41F17/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532176
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022080528
(87)【国際公開番号】W WO2023102358
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコーリー,イアン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,ジョセフ ジョン アレン
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,ステフェン ディー.
【テーマコード(参考)】
2H113
4D075
4F042
【Fターム(参考)】
2H113AA01
2H113AA05
2H113BB24
4D075AA71
4D075AA76
4D075AC84
4D075DC42
4F042AA12
4F042AB00
4F042CA01
4F042CB01
4F042CB24
4F042DH09
(57)【要約】
【解決手段】 複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めを有する缶デコレータのためのインク補充システムは、複数のインク容器のうちの選択された1つからインクを抜き取って、抜き取られたインクを複数のインク溜めのうちの選択された1つに配置するように構成されたロボットアームと、ロボットアームの動作を制御するように構成されたコントローラとを含む。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めを有する缶デコレータ用のインク補充システムであって、
前記複数のインク溜めと前記複数のインク容器との間を移動して、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取って、抜き取られたインクを前記複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つに配置するように構成されたロボットアームと、
前記ロボットアームの動作を制御するコントローラと、
を備える、インク補充システム。
【請求項2】
前記ロボットアームは、ノズル及びリザーバを含むノズルアセンブリを備えており、前記ロボットアームは、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの1つから前記ノズルを介してインクを抜き取り、抜き取られたインクを前記リザーバに貯蔵するように構成されており、前記ロボットアームは、前記リザーバに貯蔵された前記抜き取られたインクを、前記ノズルを介して前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの別の1つに配置するように構成されている、請求項1に記載のインク補充システム。
【請求項3】
前記ロボットアームは、
回転するように構成されたベースと、
前記ベースに枢動可能に取り付けられた第1の端部を有する第1のアームと、
前記第1のアームの第2の端部に枢動可能に取り付けられた第1の端部を有する第2のアームと、
を備えており、
前記ノズルアセンブリは、前記第2のアームの第2の端部に枢動可能に取り付けられている、請求項2に記載のインク補充システム。
【請求項4】
前記ロボットアームは回転及び枢動して、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの1つから前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの別の1つに移動するように構成されている、請求項3に記載のインク補充システム。
【請求項5】
前記複数のインク溜めと前記複数のインク容器との間に配置されたトラックを更に備えており、
前記ロボットアームは、前記トラックに取り付けられて、前記トラックに沿って移動するように構成されており、前記ノズルアセンブリは、回転及び/又は枢動するように構成されている、請求項2に記載のインク補充システム。
【請求項6】
前記ロボットアームは、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの1つに近接する第1の位置から、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの別の1つに近接する第2の位置まで、前記トラックに沿って移動するように構成されており、
前記ノズルアセンブリは、前記第1の位置で回転及び/又は枢動して、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの前記1つからインクを抜き取り、前記第2の位置で回転及び/又は枢動して、抜き取ったインクを前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの前記別の1つに配置するように構成されている、請求項5に記載のインク補充システム。
【請求項7】
前記複数のインク溜めは円弧状に配置され、前記トラックは、前記複数のインク溜めの配置に対応して円弧状にされており、前記複数のインク容器は円弧状に配置される、請求項5に記載のインク補充システム。
【請求項8】
前記ロボットアームによって抜き取られて配置されたインクの量を感知するように構成されたセンサを更に備えており、前記コントローラは、所定量のインクを抜き取って配置するように前記ロボットアームを制御するように構成されている、請求項1に記載のインク補充システム。
【請求項9】
前記所定のインク量は、一連の缶を装飾するのに必要なインク量に基づいている、請求項8に記載のインク補充システム。
【請求項10】
前記缶デコレータは、前記複数のインク溜めに対応しており、前記複数のインク溜めのインクの量を感知するように構成された複数のインク溜めセンサを含んでおり、前記コントローラは、前記ロボットアームを制御して、前記複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取り、前記複数のインク溜めにおける感知されたインクの量に基づいて、抜き取られたインクを前記複数のインク溜めのうちの1つに配置するように構成されている、請求項1に記載のインク補充システム。
【請求項11】
前記コントローラは前記ロボットアームを制御して、前記複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取り、抜き取られたインクを前記複数のインク溜めのうちの1つに配置するように構成されている、請求項1に記載のインク補充システム。
【請求項12】
前記コントローラは前記ロボットアームを制御して、前記複数のインク溜めのうちの1つからインクを抜き取り、抜き取られたインクを前記複数のインク容器のうちの1つに配置するように構成されている、請求項1に記載のインク補充システム。
【請求項13】
複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めを有する缶デコレータにインクを補充するための方法であって、
前記複数のインク溜めのうちの1つ又は複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取るようにロボットアームを制御する工程であって、前記ロボットアームは、前記複数のインク溜めと前記複数のインク容器との間を移動するように構成されている、工程と、
前記ロボットアームを制御して、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの別の1つに移動させる工程と、
前記ロボットアームを制御して、前記抜き取られたインクを前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの前記別の1つに配置する工程と、を含む方法。
【請求項14】
前記ロボットアームによって抜き取られて配置されたインクの量を感知する工程と、
所定量のインクを抜き取って配置するように前記ロボットアームを制御する工程と、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定量のインクは、一連の缶を装飾するために必要なインクの量に基づいている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のインク溜めのインクの量を感知する工程と、
前記複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取って、前記数のインク溜めにおけるインクの感知された量に基づいて、抜き取られたインクを前記複数のインク溜めのうちの1つに配置するように前記ロボットアームを制御する工程と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取るように前記ロボットアームを制御する工程と、
前記ロボットアームを制御して、前記複数のインク溜めのうちの1つに移動させる工程と、
前記ロボットアームを制御して、抜き取られたインクを前記複数のインク溜めのうちの前記1つに配置する工程と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のインク溜めのうちの1つからインクを抜き取るように前記ロボットアームを制御する工程と、
前記ロボットアームを制御して、前記複数のインク容器のうちの1つに移動させる工程と、
前記ロボットアームを制御して、抜き取られたインクを前記複数のインク容器のうちの前記1つに配置する工程と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
缶デコレータシステムであって、
複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めと、
複数のインク容器と、
前記複数のインク溜めと前記複数のインク容器との間を移動して、前記複数のインク溜め又は前記複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取って、抜き取られたインクを前記複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つに配置するように構成されたロボットアームと、
前記ロボットアームの動作を制御するコントローラと、
を備える、缶デコレータシステム。
【請求項20】
前記ロボットアームによって抜き取られて配置されたインクの量を感知するように構成されたセンサを更に備えており、
前記コントローラは、所定量のインクを抜き取って配置するように前記ロボットアームを制御するように構成されており、前記所定量のインクは、一連の缶を装飾するために必要なインクの量に基づいている、
請求項19に記載の缶デコレータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年11月30日に出願された発明の名称「INK REPLENISHING SYSTEM AND METHOD FOR CAN DECORATOR」の米国特許出願第17/538,377号の優先権を主張する。
【0002】
開示される概念は概ね缶デコレータに関しており、より具体的には、缶デコレータ用インク補充システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
缶を装飾するための高速連続動作機械は、一般的に「缶装飾装置」又は単に「缶デコレータ」と呼ばれており、広く知られている。典型的には、複数のインクステーションを介して、缶デコレータは、様々な色のインクを缶に塗布して缶に画像を生成することによって缶を装飾する。各インクステーションは、缶に塗布されるインクを貯蔵するためのインク溜めと称されるリザーバを含んでいる。
【0004】
種々の色のインクは、通常、対応するインク溜めに手作業で装填される。しかしながら、インク溜めへのアクセスは困難であって、運転中の缶デコレータに接近することは、オペレータにとって安全ではない。また、オペレータが手作業でインク溜めを満たすと時間がかかる。加えて、一連の缶に装飾された後、缶デコレータは、異なる画像を用いる一連の缶に対して再構成される必要があり得る。例えば、各インクステーションによって使用されるインクの色及び量は、それらの新しい缶に対して変化し得る。前の缶の運転の後に残ったインクをインク溜めから洗浄することは、缶デコレータの再構成時間を増加させ、缶デコレータに休止時間を追加する可能性がある。
【0005】
インク溜めを手作業で補充することに関する時間及び安全性が問題である。したがって、缶装飾装置及び缶デコレータにインクを補充するためのシステムには、改善の余地がある。
【発明の概要】
【0006】
開示される概念の一態様によれば、複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めを有する缶デコレータ用のインク補充システムは、複数のインク溜めと複数のインク容器との間を移動し、複数のインク溜め又はインク容器のうちの1つからインクを抜き取り、抜き取られたインクを複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つに配置するように構成されたロボットアームと、ロボットアームの動作を制御するように構成されたコントローラとを備える。
【0007】
開示される概念の一態様によれば、複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めを有する缶デコレータにインクを補充する方法は、複数のインク溜めのうちの1つ又は複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取るようにロボットアームを制御する工程であって、ロボットアームは、複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つに移動するように構成されている、工程と、複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つへ移動するようにロボットアームを制御する工程と、抜き取られたインクを複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つに配置するようにロボットアームを制御する工程と、を含む。
【0008】
開示される概念の一態様によれば、缶デコレータシステムは、複数のインクステーションアセンブリに対応する複数のインク溜めと、複数のインク容器と、複数のインク溜めと複数のインク容器との間を移動し、複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの1つからインクを抜き取り、抜き取られたインクを複数のインク溜め又は複数のインク容器のうちの別の1つに配置するように構成されたロボットアームと、ロボットアームの動作を制御するように構成されたコントローラとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0010】
【
図1】
図1は、開示される概念の例示的な実施形態に基づく缶装飾装置の側面図である。
【
図2】
図2は、開示された概念の実施形態に基づく、缶装飾装置及びそのインクステーションアセンブリの一部を示す等角図である。
【
図3】
図3は、
図2のインクステーションアセンブリの1つの一部の概略を示す等角図である。
【
図4】
図4は、
図3のインクステーションアセンブリの側面図であって、側板の1つが取り除かれている。
【
図5】
図5は、インクトレインを模式的に示すインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図6A】
図6A~
図6Cは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく、異なる動作段階における缶デコレータのインク補充システムとインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図6B】
図6A~
図6Cは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく、異なる動作段階における缶デコレータのインク補充システムとインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図6C】
図6A~
図6Cは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく、異なる動作段階における缶デコレータのインク補充システムとインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図7A】
図7A~
図7Cは、開示された概念の例示的な別の実施形態に基づく、異なる動作段階における缶デコレータのインク補充システムとインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図7B】
図7A~
図7Cは、開示された概念の例示的な別の実施形態に基づく、異なる動作段階における缶デコレータのインク補充システムとインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図7C】
図7A~
図7Cは、開示された概念の例示的な別の実施形態に基づく、異なる動作段階における缶デコレータのインク補充システムとインクステーションアセンブリの側面図である。
【
図8】
図8は、開示された概念の例示的な実施形態に基づくインク補充システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に示されており、以下の説明に記載されている具体的な要素は単に、開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されることは理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特徴は、開示される概念の範囲に関する限定とみなされるべきではない。
【0012】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、請求項に明示されない限り請求項を限定するものではない。
【0013】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0014】
図1は、缶デコレータ100を示している。
図1に示すように、缶デコレータ100は、インフィードコンベア15を含む缶搬送アセンブリ102を含んでおり、インフィードコンベア15は、缶供給装置(図示せず)から缶16を受け取って、ポケットホイール12に固定された離間した平行リングの周縁に沿って設けられた弧状のクレードル又はポケット17に導く。ポケットホイール12は、連続的に回転するマンドレルキャリアホイール18に固定されており、マンドレルキャリアホイール18は、連続的に回転する水平な駆動シャフト19にキー結合されている。複数の水平スピンドル又はマンドレル(図示せず)は、各々がそれ自身の軸を中心に回転可能であって、マンドレルキャリアホイール18にその周縁部に隣接して取り付けられている。インフィードコンベア15の下流側では、各スピンドル又はマンドレルが個々のポケット17と近接して軸方向に揃えられており、未装飾缶16がポケット17からそれらマンドレルに送られる。マンドレルの軸方向通路を通じて印加される吸引力により、缶16はマンドレルにおける最終的な着座位置まで引き寄せられる。
【0015】
マンドレルに装着されている間、各缶16は、インク塗布アセンブリ104のブランケットホイールに配置されたブランケット(例えば、限定ではないが、交換可能な裏面粘着式ゴム片)と係合することで装飾される。その後、マンドレルに装着されたまま、装飾された缶16の各々の外側にはワニスの保護膜が施され、当該保護膜は、全般的に符号24で示されるオーバーワニスユニットのシャフト23上で回転するワニス塗布ロール(図示せず)の外周との係合により塗布される。そして、装飾及び保護コーティングがなされた缶16は、マンドレルから、搬送ユニット27のシャフト28上で回転する搬送ホイール(図示せず)の外縁に隣接して取り付けられた吸引カップ(図示せず)へと送られる。搬送ユニット27から缶16は、チェーン型出力コンベア30が持っている略水平なピン29に配置され、チェーン型出力コンベア30は缶16を硬化炉(図示せず)に通す。
【0016】
未装飾缶16との係合に向けて移動する間、ブランケットは複数の印刷シリンダ222と係合し、その各々は個々のインクステーションアセンブリ200(例示的な8つのインクステーションアセンブリ200が
図1に示されている)に関連している。典型的には、各インクステーションアセンブリ200は異なる色のインクを提供し、各印刷シリンダ222はブランケットに異なるインク画像セグメントを適用する。全ての「インク画像」セグメントが組み合わされて「メイン画像」を生成し、その「メイン画像」は、缶ボディに付されるように構成される。その後、「メイン画像」は未装飾缶16に転写されて、本明細書で言うところの、「缶ボディ適用画像」となる。
【0017】
各インクステーションアセンブリ200は、複数のローラ、即ち、本明細書で言うところの複数の「ロール」を含んでおり、それらのロールは、リザーバ、即ち本明細書で言うところの「インク溜め(ink fountain)」からブランケットへと、インクを移すように構成されている。インクが移動する経路は、本明細書では「インクトレイン(ink train)」と称される。つまり、インクが移動するそれらのロールが「インクトレイン」を規定する。さらに、本明細書で使用される場合、「インクトレイン」は、インク溜めがインクトレインの「上流」端にあり、印刷シリンダ222がインクトレインの「下流」端にある方向を有する。
【0018】
インクトレインは幾つかのロールにわたって広がっており、各ロールが目的を有している。このように、インクトレインはインク溜めから始まり、最初は膜としてファウンテンロール(fountain roll)に塗布される。ファウンテンロールは、ダクターロール(ductor roll)と間欠的に係合する。ダクターロールがファウンテンロールと係合することで、ダクターロールにインクが移される。また、ダクターロールは下流側のロールと間欠的に係合して、インクを移す。ダクターロールは「デューティサイクル」を有しており、本明細書では、「デューティサイクル」は、ダクターロールがファウンテンロールに接触している持続時間を全サイクル(ダクターロールがファウンテンロールに接触、第1の下流側ロールに移動、第1のスチールロールに接触、ファウンテンロールに戻る)の時間で除した割合を意味する。
【0019】
その他のロールには、分配ロール、オシレーターロール、トランスファーロールなどが挙げられるが、これらに限定さない。一般に、これらのロールは、適切な量のインクが印刷シリンダ222にほぼ均一に塗布されるようにインクを分配するように構成される。例えば、オシレーターロールは、それらの回転軸を中心にして長手方向に往復して、次の下流側のロールに塗布されたインクを広げることができるように構成されている。最後のロールは、ブランケットにインクを塗布する印刷シリンダ222である。各インクステーションアセンブリ200は、単一の選択された色の「インク画像」をブランケットに塗布し、各インクステーションアセンブリ200は、主画像がオフセットインク画像を有しないように、他のインク画像に対して適切な位置にそのインク画像を塗布しなければならないことが理解される。
【0020】
故に、本明細書では、「インク画像」とは、「メイン画像」の一部である、単一のインク色の画像を意味する。本明細書では、「メイン画像」とは、複数のインク画像から生成される画像であって、「缶ボディ適用画像」として缶ボディに付される画像を意味する。「メイン画像」は、幾つかの、典型的には複数のインク画像を含むことは理解される。例えば、メイン画像がフランス国旗(青(ホイスト側)、白、及び赤に着色された3本の縦帯を特徴とする三色旗である)であるならば、青インクのインクステーションアセンブリ200は、青色の長方形であるインク画像を提供し、白インクのインクステーションアセンブリ200は、白色の長方形であるインク画像を提供し、赤インクのインクステーションアセンブリ200は赤色の長方形であるインク画像をもたらすであろう。更に、メイン画像がホイスト側を左側にしたフランス国旗の画像であると仮定すると、青色インクのインクステーションアセンブリ200は、ブランケットの左側に青色の長方形インク画像をもたらし、白色インクのインクステーションアセンブリ200は、青色の長方形インク画像の直ぐ隣であるブランケットの中央部に白色の長方形インク画像をもたらし、赤色インクのインクステーションアセンブリ200は、白色の長方形インク画像の直ぐ隣であるブランケットの右側に赤色長方形インク画像をもたらすであろう。全てのインク画像がブランケットに付されると、メイン画像が形成されて缶ボディに付される。
【0021】
各インクステーションアセンブリ200は、印刷シリンダ222の前の最終ロールが印刷シリンダ222に適切な量のインクを付するように構成されている。当業者であれば、意図した明瞭度、解像度、及び色調を有する画像を作成するために必要とされるインクの量を知っている。故に、当業者には理解されるように、また、本明細書では、「適切な」量のインクとは、少なすぎず(これは通常、淡い画像をもたらす)、そして、多すぎない(これは通常、ぼやけた画像をもたらす)量であって、即ち、「適切な」量のインクとは、意図した明瞭度、解像度、及び色調の画像が生成されることになるインクの量である。更に、印刷シリンダ222に塗布される「適正」な量のインクはまた、厚さが実質的に一定である膜である。当業者であれば、意図した明瞭度、解像度、及び色調を有する画像を生成するために必要とされる、缶ボディに限定されないが、そのような基材に塗布されるべきインクの量を知っているものと理解される。
【0022】
図2は、開示される概念の実施例に基づく缶装飾装置100とインクステーションアセンブリ200の一部を示す等角図であって、特に、開示される概念の実施例に基づくインクステーションアセンブリ200をより詳細に示している。
図2に示すように、缶装飾装置100は、缶搬送アセンブリ102(概略的に示す)とインク塗布システム104とを含んでいる。缶搬送アセンブリ102は、
図1に関して上述した缶搬送構造と実質的に同様であり、その説明は本明細書に組み込まれる。概して、缶搬送アセンブリ102は、インク塗布システム104と、図示されているように、以下で説明されるブランケットホイール112及び/又は画像転写セグメント114とに、幾つかの未装飾缶ボディ16を接触させるように構成されている。
【0023】
インク塗布システム104は、各缶ボディ300の外側に、選択されたパターンでインクを塗布するように構成されている。即ち、インク塗布システム104は、複数のインクステーションアセンブリ200(8個が示されている)と、ブランケットホイール112とを含む。ブランケットホイール112は、ホイールフレーム113(即ち、概ねディスク状の本体を形成するフレーム)を含むアセンブリであって、その径方向面に配置された複数の画像転写セグメント114(
図4に仮想線図にて示す)を有する。好ましくは、ブランケットホイール112は、各画像転写セグメント114から対応する1つの缶ボディ16にメイン画像(結合された複数の「インク画像」を含む)を転写するように構成されている。
【0024】
前述したように、缶デコレータ100は、複数のインクステーションアセンブリ200を更に含む。本明細書に記載及び説明される例示の缶デコレータ100は8つのインクステーションアセンブリ200を含むが、開示される発明の範囲から逸脱することなく、任意の既知の或いは適切な別の個数及び/又は構成のインクステーションアセンブリ(図示せず)を代替的に含んでよいことは理解されるであろう。更に、開示の効率及び図示の簡略化から、インクステーションアセンブリ200のうちの1つだけが本明細書に詳細に記載及び説明されることは理解されるであろう。
【0025】
図3及び
図4は、インクステーションアセンブリ200の非限定的な一例の実施形態をより詳細に示している。具体的には、インクステーションアセンブリ200は、インク400(
図3に簡略化して仮想線画で示す;
図5も参照のこと)の供給を行うように構成されているインク溜め202を含む。ファウンテンロール204は、インク溜め202からインク400を受け取る。インクステーションアセンブリ200は、分配ロール206とダクターロール208を更に含んでおり、ダクターロール208は、ファウンテンロール204から分配ロール206にインク400を送るために、ファウンテンロール204と分配ロール206の両方と共働する。即ち、ダクターロール208は、ダクターロールアセンブリの一部分であって、ダクターロールアセンブリは、2つの位置の間でダクターロール208を往復運動させるように構成されたデューティサイクル調整アセンブリ209を含む。それら2つの位置は、ダクターロール208がファウンテンロール204と係合してインクをファウンテンロール204からダクターロール208に移動させ、ダクターロール208は分配ロール206からは離間している第1の位置と、ダクターロール208がファウンテンロール204からは離間しており、ダクターロール208が分配ロール206に係合してインクをダクターロール208から分配ロール206に移動させる第2の位置である。デューティサイクル調整アセンブリ209は、ダクターロール208のデューティサイクルを変更するように構成されている(
図4にて仮想線で示すダクターロール208の調整位置を参照のこと)。即ち、デューティサイクル調整アセンブリ209は、ダクターロール208がファウンテンロール204と係合する時間の長さを変更するように構成されている。
【0026】
更に、幾つかのオシレーターロール210,212(2個を図示)は、それぞれ長手方向軸214,216を有している。オシレーターロール210,212は、それらの長手方向軸214,216に沿って前後に振動するように構成されている。例では、限定ではないが、オシレーターロール212は、軸216に沿って、概して矢印217で示される方向に往復振動する。オシレーターロール210は、同様に長手方向軸214に沿って前後に振動する。
【0027】
例示的なインクステーションアセンブリ200はまた、2つのトランスファーロール218、220を含んでおり、これらの各々は、オシレーターロール210,212の少なくとも1つと協働する。しかしながら、本明細書に記載及び説明されているもの以外の、任意の既知の又は適切な別の個数及び/又は構成のトランスファーロール(図示せず)が、開示された概念の範囲から逸脱せずに採用されてよいことは理解されるであろう。
【0028】
印刷版胴アセンブリは、印刷版(概して符号224で示される)を有する印刷版胴222を含む。印刷版胴222は、複数のフォームロール230と協働して、インク400を印刷版224に塗布する。上述したように、印刷版胴222は、ブランケットホイール112及び/又は画像転写セグメント114に係合する。ブランケットホイール112(
図2及び
図4)及び/又は画像転写セグメント114(
図2及び
図4)は、缶ボディ300(
図2)に係合してインクを缶ボディ300(
図2の仮想線図に簡略化して示す)に転写する。従って、概ね、各インクステーションアセンブリ200は、
図5に示すように、「インクトレイン402」を規定しており、それによって、インク400は、上述のようにファウンテンロール204からフォームロール230に移される。更に、上述した様々なロールの主要な目的は、薄いインク膜を形成するようにインクを広げて、印刷版224に付された場合においてインク膜が実質的に均一な厚さを有するようにインクを分散させることである。即ち、例えば分配ロール206のような各種ロール上のインク400は、順次薄くされて、ロールの表面に均一に分散した膜になる。
【0029】
図3に最もよく示されているように、インクステーションアセンブリ200は、対向する第1のサイドプレート260及び第2のサイドプレート262と、駆動アセンブリ264と、駆動アセンブリ264を少なくとも部分的に囲むハウジング266とを更に含んでいる。第1のサイドプレート260は、第1の側面268と反対側の第2の側面270とを有する。ファウンテンロール204、分配ロール206、ダクターロール208、オシレーターロール210,212、トランスファーロール218,220、及び単一のフォームロール230は何れも、第1のサイドプレート260と第2のサイドプレート262との間に回転可能に配置されている。駆動アセンブリ264は、第1のサイドプレート260の第2の側面270に配置されており、一般によく知られた方法で、少なくともファウンテンロール204、分配ロール206、及びオシレーターロール210,212を駆動するように構成されている。
【0030】
図6A~
図6Cは、開示される概念の例示的な実施形態に基づいた、様々な動作段階における缶デコレータ100のインクステーションアセンブリ200とインク補充システム500の側面図である。インク補充システム500は、複数のインク容器502とロボットアーム504とを含んでいる。各インク容器502は、缶デコレータ100で使用するインクを収容する。例えば、各インク容器502は、1色のインクを収容することができるが、複数のインク容器502が同じ色のインクを収容してよいことは理解されるであろう。ロボットアーム504は、選択されたインク容器502からインクを抜き取って、選択されたインクステーションアセンブリ200のインク溜め202にインクを入れるように構成される。例えば、インク溜め202のインクが少なくなると、ロボットアーム504は、インク溜め202に対応するインク色を保持するインク容器502からインクを抜き取って、インク溜め202にインクを補充するためにインク溜め202にインクを配置することができる。幾つかの例示的な実施形態では、補充は、センサフィードバックに基づいて自動的に開始されてよい。しかしながら、幾つかの例示的な実施形態では、補充は、オペレータによって手動で開始されてよいことは理解されるであろう。
【0031】
幾つかの例示的な実施形態では、ロボットアーム504は、選択されたインクステーションアセンブリ200のインク溜め202からインクを抜き出して、選択されたインク容器502に入れるように構成されてよい。例えば、一連の缶の装飾後、ロボットアーム504は、インク溜め202内の残りのインクを抜き取って、缶デコレータ100のクリーニング及び再構成時間を短縮するために、後の使用のためにインクを保存し、選択されたインク容器502内にそれを配置することができる。
【0032】
ロボットアーム504は、ノズルアセンブリ506、ベース508、第1のアーム510、及び第2のアーム512を含む。ノズルアセンブリ506は、ノズル及びリザーバを含む。インクは、インク容器502又はインク溜め202からノズルを介して抜き取られ、リザーバに貯蔵されてよい。同様に、リザーバに貯蔵されたインクは、ノズルを介してインク溜め202又はインク容器502に配置されてよい。
【0033】
ロボットアーム504のベース508は、第1のアーム510に取り付けられており、回転するように構成されている。第1のアーム510の一端はベース508に枢動可能に取り付けられており、第1のアーム510の他端は第2のアーム512に枢動可能に取り付けられている。第2のアーム512は、一端で第1のアーム510に枢動可能に取り付けられ、ノズルアセンブリ506は、第2のアーム512の反対端で枢動可能に取り付けられる。ロボットアーム504は、ベース508の回転と、第1のアーム510及び第2のアーム512並びにノズルアセンブリ506の枢動とを容易にするために、モータ、サーボ、又は他の機構を含んでよい。ロボットアーム504の様々な構成要素の回転及び枢動運動により、ロボットアーム504は、インク容器502の何れかと缶デコレータ100のインク溜め202の何れかとにノズルアセンブリ506を選択的に位置決めすることができる。
図6A~
図6Cには、インクステーションアセンブリ200及びインク溜め202のうちの1つのみが詳細に示されているが、ロボットアーム504は、ノズルアセンブリ506をインク溜め202の何れかに位置決めすることができることは理解されるであろう。ロボットアーム504は、ノズルアセンブリ506によるインクの抜き取りと配置を容易にするためのポンプ機構を含んでよい。
【0034】
図6A~
図6Cは、選択されたインク容器502から選択されたインク溜め202にインクを移動させる動作を示している。
図6Aにおいて、ノズルアセンブリ506は、選択されたインク容器502にロボットアーム504によって配置される。この配置で、ノズルアセンブリ506は、インクを抜き取って、それをノズルアセンブリ506のリザーバに格納するように動作する。インクが抜き取られると、ロボットアーム504は、選択されたインク溜め202への移動を開始する。
図6Bは、選択されたインク溜め202への移動過程におけるロボットアーム504を示す。例えば、第1のアーム510及び第2のアーム512の枢動運動により、ノズルアセンブリ506がインク容器502から持ち上げられて、ベース508の回転運動により、ノズルアセンブリ506は選択されたインク溜め202に向かって移動する。
図6Bに示された位置から、ロボットアーム504は回転及び枢動運動を継続して、ノズルアセンブリ506を選択されたインク溜め202に配置する。
図6Cに示すように、ノズルアセンブリ506は選択されたインク溜め202に配置される。この位置から、ノズルアセンブリ506を、インク容器502から先ほど抜き取られてそのリザーバに格納されたインクを選択されたインク溜め202に入れるように動作させてよい。
【0035】
あるインク容器502からインクを抜き取って、1つのインク溜め202に入れる動作が
図6A~
図6Cに図示されているが、ロボットアーム504は、インク容器502の何れかからインクを抜き取って、インク溜め202の何れかにインクを入れるように構成されることは理解されるであろう。幾つかの例示的な実施形態では、ロボットアーム504は、インク溜め202の何れかからインクを抜き取って、インク容器502の何れかにインクを入れるように構成されている。
【0036】
図7A~
図7Cは、開示される概念の例示的な実施形態に基づいた、様々な動作段階における缶デコレータ100のインクステーションアセンブリ200とインク補充システム600の側面図である。インク補充システム600は、複数のインク容器602と、トラック620に沿って移動可能なロボットアーム604とを含む。インク容器602の各々は、缶デコレータ100で使用するためのインクを収容する。例えば、各インク容器602は、1色のインクを収容してよい。ロボットアーム604は、選択されたインク容器602に近接する位置までトラック620に沿って移動し、選択されたインク容器602からインクを抜き取るように構成されている。ロボットアーム604は、選択されたインク溜め202までトラック620に沿って移動し、選択されたインク溜め202にインクを入れる。例えば、インク溜め202のインクが少なくなると、ロボットアーム604は、そのインク溜め202に対応するインク色を保持するインク容器602からインクを抜き取り、インク溜め202にインクを入れてインクを補充することができる。幾つかの例示的な実施形態では、補充は、センサフィードバックに基づいて自動的に開始されてよい。しかしながら、幾つかの例示的な実施形態では、補充は、オペレータによって手動で開始されてよいことは理解されるであろう。
【0037】
幾つかの例示的な実施形態では、ロボットアーム604は、選択されたインクステーションアセンブリ200のインク溜め202からインクを抜き取って選択されたインク容器602に入れるように構成されてよい。例えば、一連の缶の装飾後、ロボットアーム604は、インク溜め202内の残りのインクを抜き取って、缶デコレータ100のクリーニング及び再構成時間を短縮するために、後の使用のためにインクを保存し、選択されたインク容器602内にそれを配置することができる。
【0038】
ロボットアーム604は、ノズル及びリザーバを含むノズルアセンブリを含む。ロボットアーム604は、ノズルを介してインクを抜き取って、それをリザーバに格納するように構成されている。ロボットアーム604はその後、リザーバに貯蔵されたインクを選択されたインク溜め202又はインク容器602に配置することができる。ノズルアセンブリは、選択されたインク容器602又はインク溜め202内にノズルを位置決めするために、ロボットアーム604のベース周りで回転可能及び/又は枢動可能であってよい。ロボットアーム604のベースは、ロボットアーム604がトラック620に沿って移動できるようにしてトラック620に結合されてよい。
図7A~
図7Cに図示した例示的な実施形態では、トラック620は、一連のインク溜め202の円弧状配置に対応した円弧状形状を有している。一連のインク容器602は、トラック620の円弧状形状に対応した円弧状配置を有してよい。この例示的な実施形態では、一連のインク容器602とトラック620とは対応する円弧状形状を有するが、開示される概念の範囲から逸脱することなく、他の対応する形状を有する一連のインク容器とトラックが使用されてよいことは理解されるであろう。例えば、矩形の格子状配列を有する一連のインク容器に対しては、対応する矩形形状を有するトラックが使用されてよい。ロボットアーム604は、ノズルアセンブリの回転及び/又は枢動と、トラック620に沿ったロボットアーム604の移動とを容易にするために、種々のモータ及び/又はサーボ、或いはその他の機構を有してよい。ロボットアーム604は、インクを抜き取り、インク溜め202又はインク容器602にインクを配置することを容易にするためのポンプ機構を含んでよい。
【0039】
図7A~
図7Cは、選択されたインク容器602からインクを抜き取り、選択されたインク溜め202にインクを配置する動作の様々な段階におけるロボットアーム604を示している。
図7Aでは、ロボットアーム604は、インクを抜き取りも配置もしていない遷移状態にある。ロボットアーム604が制御されて、選択されたインク容器602からインクを抜き取ると、ロボットアーム604は、選択されたインク容器602に近接する位置までトラック620に沿って移動し、ノズルアセンブリは、選択されたインク容器602に位置するように回転及び/又は枢動する。
図7Bは、選択されたインク容器602にノズルアセンブリが配置されているロボットアーム604を示す。この配置から、ノズルアセンブリは、インク容器602からインクを抜き取ってノズルアセンブリのリザーバに格納するように動作する。ロボットアーム604がインク容器602からインクを抜き取ると、ロボットアーム604は、ノズルアセンブリを回転及び/又は枢動させて、選択されたインク容器602からノズルアセンブリを取り去って、選択されたインク溜め202までトラック620に沿って移動し、ノズルアセンブリを回転及び/又は枢動させて、選択されたインク溜め202にノズルアセンブリを配置する。
図7Cは、選択されたインク溜め202にノズルアセンブリが配置されているロボットアーム604を示す。この配置から、ノズルアセンブリは、そのリザーバに格納されたインクを選択されたインク溜め202に配置するように動作する。選択されたインク溜め202にインクを入れた後、ノズルアセンブリを回転及び/又は枢動させて、選択されたインク溜め202からそれを取り去ってよい。そして、ロボットアーム604は、インク容器602又はインク溜め202から抜き出すように制御されるまで、遷移状態にある。
【0040】
図7A~
図7Cは、選択されたインク容器602からインクを抜き出して選択されたインク溜め202に配置する動作を示しているが、ロボットアーム604は、任意のインク容器602からインクを抜き出して任意のインク溜め202に配置するように構成されていることは理解されるであろう。幾つかの例示的な実施形態では、ロボットアーム604はまた、任意のインク溜め202からインクを取り出して任意のインク容器602に配置するように構成されている。
【0041】
図8は、開示された概念の例示的な実施形態に基づくインク補充システムの概略図である。
図8の概略図は、
図6A~
図6Cのロボットアーム504及びインク容器502と共に示されているが、
図7A~
図7Cのロボットアーム604及びインク容器602にも適用可能であることは理解されるであろう。開示される概念の幾つかの例示的な実施形態によれば、インク補充システムは、ロボットアーム604の動作を制御するように構成されたコントローラ700を更に含む。例えば、コントローラ700は、ロボットアーム604の移動とそのノズルアセンブリの動作とを制御してよい。
【0042】
開示される概念の幾つかの例示的な実施形態では、インク溜め202は、インク溜め202のインクの量を感知するように構成されたインク溜めセンサ203を含む。同様に、インク容器502は、インク容器502のインクの量を感知するように構成されたインク容器センサ503を含んでよい。加えて、ロボットアーム504は、ノズルアセンブリのリザーバのインクの量を感知するように構成されたセンサ505を含んでよい。
【0043】
幾つかの例示的な実施形態では、コントローラ700は、ロボットアーム504によって抜き取られて配置されるインクの量を制御するように構成される。センサ505の出力はコントローラ700によって使用されて、抜き取られた又は配置されたインクの量を感知し、ノズルアセンブリの動作を制御して、所望の量のインクを抜き取る又は配置することができる。一連の缶を装飾するために必要な各色のインクの正確な量は、一般に知られているか、又は容易に決定される。このようにして、一連の動作において、ロボットアーム504は、コントローラ700を介して制御され、インク容器502から一連の缶の装飾に必要な各色のインクを正確な量で抜き取り、その量の各色のインクをその対応するインク溜め202に配置することができる。このようにして、一連の缶の装飾が終わると、インク溜め202にはインクがほとんど又は全く残っておらず、これにより、一連の缶の別の装飾のために缶デコレータを再構成する際の清掃時間が短縮される。
【0044】
幾つかの例示的な実施形態では、コントローラ700は、インク溜めセンサ203の出力に基づいて、インク溜め202にインクを補充するようにロボットアーム504を制御してよい。例えば、コントローラ700は、インク溜め202のインクの量が閾値レベルを下回ると、対応するインク容器502からインクを抜き取ってインク溜め202に配置するようにロボットアーム504を制御してよい。
【0045】
幾つかの例示的な実施形態では、コントローラ700は、インク容器センサ503の出力に基づいてインク容器502のインクの量を監視してよい。コントローラ700は、感知されたインクの量に基づいて、選択されたインク容器502からインクを抜き取るようにロボットアーム504を制御してよい。例えば、インク容器502が空になると、コントローラ700は、今なおインクを収容しており、色が同じである別のインク容器502にロボットアーム504を移動させてよい。このようにして、缶デコレータの動作を継続することができる。
【0046】
缶デコレータの例示的な実施形態について本明細書で説明してきたが、開示された概念は、例えば、限定ではないが、デジタルデコレータなどの多くのタイプの缶デコレータと共に使用されてよいことは理解されるであろう。開示された概念は缶デコレータに限定されず、他の種類の缶製造過程又は他の種類の機械と共に使用されてよいことは理解されるであろう。例えば、ロボットアームの例示的な実施形態は、インクを補充するのではなく、他の種類の機械内の他の種類の流体を補充するために使用されてよい。
【0047】
発明の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲に対する限定ではない。
【国際調査報告】