(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電気駆動可能な車両の充電接続装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241121BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532993
(86)(22)【出願日】2022-12-03
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2022084319
(87)【国際公開番号】W WO2023104676
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021006077.6
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】マルク・レンナー
(72)【発明者】
【氏名】カリーナ・コーラー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・ベネッケ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・シュタイン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
(57)【要約】
本発明は、電気駆動可能な車両の充電接続装置(100)に関するものであり、2つの充電接続部(12、22)を備え、これらは隣り合って配置され、共通の電路(30)を介して電気的に接続され、かつそれぞれ少なくとも1つの充電モードに割り当てられる。更に、充電接続装置(100)は、可動に取り付けられたカバー要素(40)を備え、カバー要素(40)は、覆い位置において、2つの充電接続部(12、22)を覆うものであり、第1の開放位置において、第1の充電接続部(12)を開放し、かつ第2の充電接続部(22)を覆い、そして第2の開放位置において、第1の充電接続部(12)を覆い、かつ第2の充電接続部(22)を開放するものであり、それにより充電プロセス中に、現在の充電モードに割り当てられた1つの充電接続部(12、22)のみが接触のためにアクセス可能とされるのに対して、2つの充電接続部(12、22)のうちの別の充電接続部はカバー要素(40)によって覆われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動可能な車両の充電接続装置(100)であって、
-2つの充電接続部(12、22)、特に充電ソケットを備え、前記2つの充電接続部(12、22)は、隣り合って配置され、共通の電路(30)を介して電気的に接続され、かつそれぞれ少なくとも1つの充電モードに割り当てられるものであり、及び
-可動に取り付けられたカバー要素(40)を備え、
前記カバー要素(40)は、覆い位置において、前記2つの充電接続部(12、22)を覆うものであり、
第1の開放位置において、第1の充電接続部(12)を開放し、かつ第2の充電接続部(22)を覆い、そして
第2の開放位置において、前記第1の充電接続部(12)を覆い、かつ前記第2の充電接続部(22)を開放するものであり、
それにより充電プロセス中に、現在の充電モードに割り当てられた1つの充電接続部(12、22)のみが接触のためにアクセス可能とされるのに対して、前記2つの充電接続部(12、22)のうちの別の充電接続部は前記カバー要素(40)によって覆われ、特に接触できないように覆われる、前記充電接続装置。
【請求項2】
前記2つの充電接続部(12、22)が共通の充電窪み(10)に配置されている、請求項1に記載の充電接続装置。
【請求項3】
前記カバー要素(40)は、2つの覆い部分(41、42)を有し、前記覆い位置において、各前記部分(41、42)がそれぞれ充電接続部(12、22)を覆うものであり、前記第1の開放位置において、第1の覆い部分(41)が前記第2の充電接続部(22)を覆い、前記第2の開放位置において、第2の覆い部分(42)が前記第1の充電接続部(12)を覆う、請求項1又は2に記載の充電接続装置。
【請求項4】
前記開放位置のそれぞれにおいて、前記覆い部分(41、42)が少なくとも部分的に前記充電窪み(10)の横断面を越えて突出する、及び/又は収容部に配置される、請求項3に記載の充電接続装置。
【請求項5】
前記カバー要素(40)は、少なくとも1つの覆い部分(41、42)と開放部分とを有し、前記覆い位置において、前記少なくとも1つの覆い部分(41、42)が前記充電接続部(12、22)を覆うものであり、前記第1の開放位置において、前記少なくとも1つの開放部分が前記第1の充電接続部(12)を少なくとも部分的に開放し、かつ前記少なくとも1つの覆い部分(41、42)が前記第2の充電接続部(22)を覆い、前記第2の開放位置において、前記少なくとも1つの開放部分が前記第2の充電接続部(22)を少なくとも部分的に開放し、かつ前記少なくとも1つの覆い部分(42)が前記第1の充電接続部(12)を覆う、請求項1又は2に記載の充電接続装置。
【請求項6】
前記2つの充電接続部(12、22)の間に少なくとも1つのシールバー(26)が配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項7】
前記2つの充電接続部(12、22)のうちの少なくとも1つが2種類のコンタクト要素(16、17)を有する直流交流複合充電接続部(12)として設計されており、追加の充電接続部カバー(14)が、直流コンタクト要素(17)に割り当てられ、前記直流コンタクト要素(17)を開放する位置と、前記直流コンタクト要素(17)を覆う位置とを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項8】
前記カバー要素(40)及び/又は前記充電接続部カバー(14)が並進運動可能に、及び/又は回転運動可能に取り付けられたフラップとして設計されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項9】
少なくとも1つの駆動装置が前記カバー要素(40)及び/又は前記充電接続部カバー(14)を駆動する、請求項1から8のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの駆動装置に接続された少なくとも1つのセンサアセンブリが現在の充電モードを検知する、請求項9に記載の充電接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの充電接続部を備えた電気駆動可能な車両の充電接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1の直流充電接続部と第2の直流及び/又は交流充電接続部である、互いに隣り合って配置された2つの充電接続部を備えた電気駆動な車両の充電接続装置を開示している。更に、充電接続装置は、2つの充電接続部のうちの少なくとも1つを覆う少なくとも1つの充電接続部カバーを備える。その場合、充電接続部カバーは、2つの充電接続部のうちの1つのみが接触のためにアクセス可能であり、2つの充電接続部のうちのもう1つは充電接続部カバーによって覆われるように設計されている。
【0003】
従来技術によれば、電気自動車は充電標準規格ごとに独自の充電接続部を必要とし、したがって異なる標準規格の2つの充電可能性がある場合、車両にも2つの充電接続部が設けられる。
【0004】
充電標準規格は、直流での充電と理解される直流充電、又は交流での充電と理解される交流充電を含むことができる。
【0005】
例えば、欧州で現在使用されている充電標準規格は、いわゆるコンバインド・チャージング・システム(CCS)である。この場合、充電は直流と交流で可能である。日本で開発された標準規格である別の標準規格チャデモ=「Charge de Move」は、最大50kWの充電出力を提供する。
代替又は将来の充電標準規格が数百キロワットの出力を有するか、又はそれ以上の、少なくとも1メガワット以上の出力さえ有する場合には、代替的プラグ規格に対応した別の充電接続部、特に直流電圧接続部が設けられる。複数の充電接続部を1つの電路に電気的に接続することができ、それにより充電ソケットが同時に電圧下にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、2つの充電接続部を備えた電気駆動可能な車両の改良された充電接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、独立請求項の特徴によって解決される。
【0009】
本発明の有利な実施形態及び利点は、以下の特許請求の範囲、説明及び図面から明らかになる。
【0010】
本発明の一態様によれば、共通の電路を介して電気的に接続され、かつそれぞれ少なくとも1つの充電モードに割り当てられる、隣り合って配置された2つの充電接続部を備えた、電気駆動可能な車両の充電接続装置が提案される。充電接続装置は、可動に取り付けられたカバー要素を備える。カバー要素は、覆い位置において、2つの充電接続部を覆う。第1の開放位置において、カバー要素は第1の充電接続部を開放し、かつ第2の充電接続部を覆う。第2の開放位置において、カバー要素は第1の充電接続部を覆い、かつ第2の充電接続部を開放する。それにより充電プロセス中に、現在の充電モードに割り当てられた1つの充電接続部のみが接触のためにアクセス可能とされるのに対して、2つの充電接続部のうちの別の充電接続部はカバー要素によって覆われ、特に接触できないように覆われる。
【0011】
以下において、充電接続部は、エネルギー貯蔵器に電気的に接続されている、かつ電圧源に電気的に接続された対応するプラグに電気的に接続できる装置、例えば充電ソケットと理解される。接続状態において、電気駆動可能な車両のエネルギー貯蔵器が電圧源によって充電される。充電接続部は、差込み面の形態で配置されたコンタクト要素を有し、プラグは、充電接続部のコンタクト要素に一致して配置されたコンタクト要素を含む差込み面を有する。2つの充電接続部は、コンタクト要素の配置及び/又は設計の点で異なる。
【0012】
2つの充電接続部が電路を共同で利用することによって、車両の高電圧車載電気システムの電気的アーキテクチャにおいて、電気エネルギー貯蔵器を接続するためのコンタクタを1つだけ使用することで十分である。したがって、2つのコンタクタを用いる接続に比べて、コスト、設置スペース、重量を節減することができる。2つの充電接続部が、共同で利用される電路に配置されている場合、両方の充電接続部が同時に電圧下にある。
【0013】
カバー要素によって、それぞれの充電接続部若しくは現在の充電モードに必要とされないコンタクト要素が機械的にカバーされる。
【0014】
可動に取り付けられたカバー要素によって、充電接続装置は実質的に3つの状態を有することができ、第1の状態において、両方の充電接続部が同じカバー要素によって覆われる。充電接続装置の第2の状態において、第2の充電接続部のコンタクト要素をカバー要素によって覆うことができる。それによって、第2の状態において、少なくとも1つの第1の充電モードのための第1の充電接続部のコンタクト要素のみが開放される。充電接続装置の第3の状態において、第1の充電接続部をカバー要素によって覆うことができる。それによって、第3の状態において、少なくとも1つの第2の充電モードのための第2の充電接続部のコンタクト要素のみが開放される。
【0015】
充電接続装置のこれらの状態によって、別の充電接続部若しくは必要でないコンタクト要素がカバー要素によって接触しないように覆われている場合にのみ、充電ケーブルの充電プラグを充電接続部の対応するコンタクト要素に接続することが可能である。それによって、有利にも、エネルギー貯蔵器の充電中に電圧下にある利用されないコンタクト要素が接触しないように覆われることを確保することができる。更に、電圧下にある利用されないコンタクト要素を汚れや水などの環境の影響から有利に保護することができる。更に、カバー要素は、車両が充電されない走行中又は駐車中に充電接続部を確実に覆い、環境の影響や接触の可能性から充電接続部を保護する。この場合、これらの状態は、単一のカバー要素と、カバー要素をさまざまな位置に移す単純な機構とによって安価に実装できる。
【0016】
カバー要素により、充電接続部のうちの1つを無電圧に切り替えることを有利にも省略することができる。それによって、対応する切替装置、いわゆるスイッチボックスを省略でき、それにより追加のコストと追加の設置スペースを節約することができる。
【0017】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、2つの充電接続部を共通の充電窪みに配置することができる。共通の充電窪みに配置される場合、充電接続部を車両に省スペース的に配置することができる。更に、カバー要素を充電窪みカバー要素として設計することができる。この場合、充電窪みカバー要素は、覆い位置において、2つの充電接続部を有する充電窪みを覆い、密封することができる。
【0018】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、カバー要素は2つの覆い部分を有することができ、覆い位置において、各部分がそれぞれ充電接続部を覆うことができる。第1の開放位置において、第1の覆い部分が第2の充電接続部を覆うことができる。第2の開放位置において、第2の覆い部分が第1の充電接続部を覆うことができる。この場合、カバー要素の横断面は、充電窪みの横断面に相当し得る。カバー要素は、覆い位置から側方に移動することができ、それにより第1の部分が第1の充電接続部から第2の充電接続部の方向に移動される。カバー要素を覆い位置から別の側に移動させることができ、それにより第2の部分が第2の充電接続部から第1の充電接続部の方向に移動される。
【0019】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、開放位置において、それぞれ覆い部分は少なくとも部分的に充電窪みの横断面を越えて突出することができる。この場合、開放位置のうちの1つに移すために、カバー要素を本体外殻の前で外側に変位させることができる。代替的又は追加的に、開放位置において、それぞれ覆い部分を収容部に配置することができる。この場合、開放位置のうちの1つに移すために、カバー要素を本体外殻の下へ内側に変位させることができる。
【0020】
充電接続装置の代替実施形態によれば、カバー要素は、少なくとも1つの覆い部分と開放部分とを有することができる。覆い位置において、少なくとも1つの覆い部分が充電接続部を覆うことができる。第1の開放位置において、少なくとも1つの開放部分が第1の充電接続部を少なくとも部分的に開放することができ、少なくとも1つの覆い部分が第2の充電接続部を覆うことができる。第2の開放位置において、少なくとも1つの開放部分が第2の充電接続部を少なくとも部分的に開放することができ、少なくとも1つの覆い部分は第1の充電接続部を覆うことができる。この場合、カバー要素を、例えば穴あきマスクとして、特に、曲げ可能な、取り囲むように配置された、或いは巻き取り可能及び巻出し可能な穴あき板として設計することができる。
【0021】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、少なくとも1つのシールバーを2つの充電接続部の間に配置することができる。このシールバーはプラスチックで作ることができる。この場合、シールバーは2つの充電接続部の間に延びることができる。代替的に、シールバーは充電接続部のうちの1つを取り囲んで配置されてもよい。特に、2つの充電接続部の周りにそれぞれシールバーが延びることができる。覆われた充電接続部は、シールバーによって、追加的に接触及び環境の影響から保護される。
【0022】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、2つの充電接続部のうちの少なくとも1つを直流交流複合充電接続部として、特に2種類のコンタクト要素を有するCCS充電接続部として設計することができる。交流コンタクト要素は、車両若しくは車両のエネルギー貯蔵器を交流で充電するために、一致するコンタクト要素を有するプラグの差込み面に接続することができる第1の差込み面を形成する。直流コンタクト要素は第2の差込み面を形成する。車両若しくは車両のエネルギー貯蔵器を直流で充電するために、直流交流複合充電接続部に接続されるプラグは2つの差込み面を有し、これらの差込み面を、直流交流複合充電接続部の2つの差込み面に接続することができる。追加の充電接続カバーを、直流交流複合充電接続部の直流コンタクト要素に割り当てることができる。追加の充電接続部カバーは、直流コンタクト要素を開放する位置と、直流コンタクト要素を覆う位置とを有することができる。この場合、追加の充電接続部カバーを直流交流複合充電接続部とカバー要素との間に配置することができ、カバー要素は、別の充電接続部を開放する位置及び覆い位置において追加の充電接続部カバーも覆う。追加の充電接続部カバーによって、充電接続装置は、更に別の状態を有することができる。この場合、カバー要素が直流交流複合充電接続部を開放する第1の状態では、覆い位置において追加の充電接続部カバーによって交流コンタクト要素のみが開放される。直流コンタクト要素は追加の充電接続部カバーによって覆われる。第4の状態では、カバー要素は、直流交流複合充電接続部を開放する位置を有し、追加の充電接続部カバーは、直流コンタクト要素を開放する位置を有する。それによって、交流コンタクト要素と直流コンタクト要素が開放される。第1の状態及び第2の状態で覆われる別の充電接続部を、直流充電接続部として、又は交流充電接続部として、又は更なる直流交流充電接続部として設計することができる。別の充電接続部も、異なる充電モードのための異なるコンタクト要素を有する場合、充電接続部カバーの更なる状態が考えられる。
【0023】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、カバー要素及び/又は充電接続部カバーを並進運動可能及び/又は回転運動可能に取り付けられたフラップとして設計することができる。この場合、充電接続部カバーは、開放位置に移るために、開放位置において交流コンタクト要素を覆わないように移動することができる。位置間での移行のために、多数の適切な運動可能性が2つのフラップに可能にされる。この場合、フラップ、特に充電接続部カバーを、開放位置に移すために、適切な軸で充電接続部又は充電窪みから下へ、又は側方へ、又は斜め外側に畳むか、又は旋回させることができる。例えば、フラップは、従来のタンクのフラップと類似の方法で、直流交流複合充電接続部の横に配置することができる。代替的に、フラップを充電窪みに対して平行な平面において回転させることができる。代替的に、開放位置のうちの1つに移すために、フラップを対応するガイドを介して上へ、又は下へ、又は側方に変位させることができる。この場合、それぞれのフラップを、開放位置のうちの1つに移すために、本体外殻の前で外側に変位させ得るか、又は本体外殻の下へ内側に変位させることができる。旋回と回転、又は旋回と変位、又は回転と変位の組み合わせも考えられる。更に、カバー要素と充電接続部カバーを異なるように動かすことができる。代替的に、充電接続部カバー及び/又はカバー要素を巻き取ることができるか、又は内側に移動させるか、又はS字形に内側に畳むことができるロールブラインドとして設計することができる。ロールブラインドを薄板のアセンブリとして、又は曲げ可能なばね板として形成することができる。
【0024】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの駆動装置がカバー要素及び/又は充電接続部カバーを駆動することができる。カバー要素及び/又は充電接続部カバーの移動は、1つの電気的サーボモータ又は複数のサーボモータを介して完全自動又は部分自動で行うことができる。
【0025】
充電接続装置の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの駆動装置に接続された少なくとも1つのセンサアセンブリが現在の充電モードを検知することができる。現在の充電モードを検知することによって、現在の充電モードに割り当てられた必要なコンタクト要素を検知することができる。少なくとも1つの駆動装置は、センサ装置によって認識された充電モードに応じて、充電モードに割り当てられた充電接続部又は充電モードに割り当てられた充電接続部のコンタクト要素のみが開放される位置へカバー要素、及び場合によっては充電接続部カバーを移すことができる。これによって、必要なコンタクト要素の完全自動又は部分自動の開放が可能である。少なくとも1つのセンサアセンブリは、リミットスイッチ及び/又は光センサ及び/又はカメラを含むことができる。更に、センサアセンブリは、選択された充電モードに関する情報を取得するために、通信システムを介して充電ステーションに接続することができる。
【0026】
本発明による充電接続装置を用いて、それぞれ1つの充電接続部又は特定のコンタクト要素のみが接触のためにアクセス可能であり、別の充電接続部又は別のコンタクト要素はそれぞれ接触しないように覆われることを有利にも確保することができる。
【0027】
更なる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。本発明の例示的実施形態が図面に示されている。図面、説明、及び特許請求の範囲は、多数の特徴の組み合わせを含む。当業者は、これらの特徴を合目的的に個別に検討し、統合して有意義な他の組み合わせとするであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】充電接続部が完全に覆われている2つの充電接続部を備えた電気駆動可能な車両の充電接続装置を示す図である。
【
図2】直流交流複合充電接続部の交流コンタクト要素が開放された
図1による充電接続装置を示す図である。
【
図3】直流交流複合充電接続部の交流コンタクト要素と直流コンタクト要素が開放された
図1及び
図2による充電接続装置を示す図である。
【
図4】別の充電接続部が開放された
図1~
図3による充電接続装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図において、同一の要素又は機能が同一の要素には同じ参照符号を付している。図は、例を示すにすぎず、限定するものとして理解されるべきではない。
【0030】
図1~
図4は、2つの充電接続部12、22を備えた電気駆動可能な車両の充電接続装置100を示している。
【0031】
図1~
図4から分かるように、電気駆動可能な車両の充電接続装置100の図示の例示的実施形態は、それぞれ、互いに隣り合って配置された2つの充電接続部12、22を含む。
【0032】
図1~
図4から更に分かるように、充電接続部12、22は充電ソケットに相当するが、他の適切な充電接続部12、22も考えられる。
図2及び
図3から更に分かるように、左側に配置された充電接続部12は、充電接続装置100の対応する例示的実施形態では直流交流複合充電接続部12として設計されている。右側に配置された充電接続部22は、直流充電接続部22として、又は交流充電接続部22として、又は更に直流交流複合充電接続部22として設計することができる。充電接続部12、22はそれぞれ、少なくとも1つの充電モードに割り当てられる。
【0033】
当然のことながら、左側及び右側というのは例示的なものである。図示の直流交流複合充電接続部12は、当然のことながら右側に配置することもできる。更に、両方の充電接続部12、22を上下に配置することもできる。更に、両方の充電接続部はそれぞれ1種類のコンタクト要素16、17、24のみを有することができる。
【0034】
図1~
図4から分かるように、充電接続部12、22は、共通の電路30を介して電気的に接続されている。共通の電路30に互いに隣り合って配置された2つの充電接続部12、22は、並列に接続されている。この場合、各充電接続部12、22はそれぞれ電気的接続部31、32を有する。この場合、充電接続部12、22を分離するための分離要素は必要ない。両方の充電接続部12、22が電圧下にある。
【0035】
図3から更に分かるように、直流交流複合充電接続部12は、2種類のコンタクト要素16、17を有する。交流コンタクト要素16は、直流コンタクト要素17の上に配置されている。
【0036】
図1~
図4から更に分かるように、充電接続装置100は、可動に取り付けられたカバー要素40を含む。カバー要素40は、覆い位置(
図1)で両方の充電接続部12、22を覆う。第1の開放位置(
図2)において、カバー要素40は、直流交流複合充電接続部12として設計された第1の充電接続部12を開放し、第2の充電接続部22を覆う。第2の開放位置(
図4)において、カバー要素40は第1の充電接続部12を覆い、第2の充電接続部22を開放する。それによって、充電プロセス中に現在の充電モードに割り当てられた1つの充電接続部12、22のみが接触のためにアクセス可能であるのに対して、2つの充電接続部12、22のうちのもう1つは、カバー要素40によって覆われ、特に接触しないように覆われている。それによって、別の充電接続部12、22、又はプラグに割り当てられた充電モードに割り当てられていない別のコンタクト要素16、17、24が接触しないように覆われている場合、対応する充電接続部12、22にプラグを差し込むこと、又は対応するコンタクト要素16、17、24に接続することのみが可能である。それによって、電圧下にある利用されない充電接続部12、22又は利用されないコンタクト要素16、17、24が充電中に接触しないように覆われることが確保されている。更に、電圧下にある利用されない充電接続部12、22又は利用されないコンタクト要素16、17、24が、汚れや水などの環境の影響から保護される。
【0037】
図1~
図4から更に分かるように、2つの充電接続部12、22は共通の充電窪み10に配置されている。カバー要素40は充電窪みカバー要素として設計されており、覆い位置で充電窪み10を覆う。
【0038】
図1~
図4から更に分かるように、カバー要素40は2つの覆い部分41、42を有し、各部分41、42はそれぞれ充電接続部12、22を覆う。図示の実施形態では、覆い位置において、第1の部分41が第1の充電接続部12を覆い、第2の部分42が第2の充電接続部22を覆う。第1開放位置(
図2、
図3)において、第1の覆い部分41が第2の充電接続部22を覆う。第2の開放位置(
図4)において、第2の覆い部分42が第1の充電接続部12を覆う。このために、図示の例示的実施形態では、覆い部分41、42は、カバー要素40の覆い位置のポジションから別の充電接続部12、22の方向に変位してこれを覆う。カバー要素40の覆い位置においてこの充電接続部12、22を覆う部分41、42は、この変位中に充電接続部12、22から離れる方向に移動される。この場合、カバー要素40は、並進運動可能に取り付けられたフラップとして設計されており、カバー要素40は本体外殻の前を変位し、それによって、開放位置においてそれぞれ部分41、42が少なくとも部分的に充電窪み10の横断面を越えて突出する。図示されない代替の例示的実施形態では、本体外殻の後ろをカバー要素が変位することも可能である。この場合、開放位置においてそれぞれ部分41、42を少なくとも収容部に配置することができる。
【0039】
図示されない代替実施形態では、カバー要素40と、したがってその部分41、42を移動させるために、覆い部分41、42の別の配置、及び図示のスライド運動とは別の動きも可能である。
【0040】
図1~
図4から更に分かるように、破線で示された少なくとも1つのシールバー26が、2つの充電接続部12、22の間に配置されている。シールバー26は、2つの充電接続部12、22の間に延びている。代替の図示されない例示的実施形態では、各充電接続部12、22を取り囲んでそれぞれシールバー26が配置されている。シールバー26は、プラスチック又は他の適切な材料から作ることができる。
【0041】
図1~
図4から更に分かるように、図示される例示的実施形態では、追加の充電接続部カバー14が、直流交流複合充電接続部12の直流コンタクト要素17に割り当てられる。充電接続部カバー14は、直流コンタクト要素17を開放する位置(
図3)と、直流コンタクト要素(17)を覆う位置(
図2)とを有する。
【0042】
図示の例示的実施形態では、充電接続部カバー14は、並進運動可能に取り付けられたフラップとして設計されている。この場合、フラップを左へ、右へ、及び下へスライドさせることによって開放位置に移すことができる。代替の、図示されない例示的実施形態では、充電接続部カバー14を回転運動可能に取り付けられたフラップ又はロールブラインドとして設計することもできる。
【0043】
図示されない駆動装置は、カバー要素40及び/又は充電接続部カバー14を駆動することができる。更に、少なくとも1つの駆動装置に接続された図示されない少なくとも1つのセンサアセンブリが現在の充電モードを検知することができる。それによって、少なくとも1つの駆動装置は、センサアセンブリによって認識された充電モードに応じて、充電モードに割り当てられた充電接続部12、22又は充電モードに割り当てられた充電接続部のコンタクト要素16、17、24のみが開放される位置にカバー要素40及び/又は充電接続部カバー14を移すことができる。これによって、必要なコンタクト要素の完全自動又は部分自動の開放が可能である。
【0044】
図1に示される充電接続装置100の状態では、充電接続部16、16、24と充電接続部カバー14はカバー要素40によって覆われている。
【0045】
図2に示される充電接続装置100の状態では、直流交流複合充電接続部12の直流コンタクト要素17が充電接続部カバー14によって覆われ、別の充電接続部22はカバー要素40によって覆われている。それによって、図示の状態では、直流交流複合充電接続部12の交流コンタクト要素16のみがCCS交流充電モードのために開放されている。
【0046】
図3に示される充電接続装置100の状態では、別の充電接続部22がカバー要素40によって覆われている。直流コンタクト要素17は開放されている。それによって、図示の状態では、直流交流複合充電接続部12の交流コンタクト要素16と直流コンタクト要素17がCCS直流充電モードのために開放される。
【0047】
図4に示される充電接続装置100の状態では、直流交流複合充電接続部12及び充電接続部カバー14は、覆い位置においてカバー要素40によって覆われ、別の充電接続部22及びそのコンタクト要素24は、対応する充電モードのために開放される。別の充電接続部22も異なる充電モードのためのさまざまな種類のコンタクト要素24を有する場合、更なる状態が考えられる。
【0048】
図示されない代替の例示的実施形態では、カバー要素40は、少なくとも1つの覆い部分41、42と1つの開放部分を有することができる。覆い位置では、少なくとも1つの覆い部分41、42が充電接続部12、22を覆うことができる。第1の開放位置において、少なくとも1つの開放部分が第1の充電接続部12を開放することができ、少なくとも1つの覆い部分41、42が第2の充電接続部22を覆うことができる。第2の開放位置において、少なくとも1つの開放部分が第2の充電接続部22を開放することができ、少なくとも1つの覆い部分42が第1の充電接続部12を覆うことができる。この場合、カバー要素40を変位可能な穴あきマスクとして設計することができ、開放部分は、充電モードに割り当てられた差込み面の形態の、又は充電モードに割り当てられた充電接続部12、22の形態の切抜き部又は開口又は空所を有する。例えば、カバー要素40は、覆い部分41、42と2つの開放部分を有することができる。覆い部分41、42は、カバー要素40の中央に配置されてもよく、かつ中央位置に覆い位置を有していてもよい。覆い部分41、42の左右にそれぞれ開放部分が配置され、それにより充電接続部12、22を開放するために、カバー要素40が右又は左へそれぞれの開放位置に変位され、それにより開放部分は、開放されるべき充電接続部12、22上を移動する。この場合、穴あきマスクを折り畳み可能、巻き取り可能、又は曲げ可能なロールブラインドとして設計することができる。ロールブラインドは、プラスチック又は金属板で作ることができ、巻き取り、折り畳み、又は内側に移動させることができる。更に、ロールブラインドを内側にS字形に畳むことができる。移動は上、下、左又は右へ行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
10 充電窪み
12 充電接続部
14 充電接続部カバー
16 交流コンタクト要素
17 直流コンタクト要素
22 充電接続部
24 コンタクト要素
26 シールバー
30 電路
31、32 電気的接続部
40 カバー要素
41 第1の覆い部分
42 第2の覆い部分
100 充電接続装置
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動可能な車両の充電接続装置(100)であって、
-2つの充電接続部(12、22)、特に充電ソケットを備え、前記2つの充電接続部(12、22)は、隣り合って配置され、共通の電路(30)を介して電気的に接続され、かつそれぞれ少なくとも1つの充電モードに割り当てられるものであり、及び
-可動に取り付けられたカバー要素(40)を備え、
前記カバー要素(40)は、覆い位置において、前記2つの充電接続部(12、22)を覆うものであり、
第1の開放位置において、第1の充電接続部(12)を開放し、かつ第2の充電接続部(22)を覆い、そして
第2の開放位置において、前記第1の充電接続部(12)を覆い、かつ前記第2の充電接続部(22)を開放するものであり、
それにより充電プロセス中に、現在の充電モードに割り当てられた1つの充電接続部(12、22)のみが接触のためにアクセス可能とされるのに対して、前記2つの充電接続部(12、22)のうちの別の充電接続部は前記カバー要素(40)によって覆われ、特に接触できないように覆われる、前記充電接続装置
において、
少なくとも1つの駆動装置が前記カバー要素(40)及び/又は充電接続部カバー(14)を駆動することを特徴とする、前記充電接続装置。
【請求項2】
前記2つの充電接続部(12、22)が共通の充電窪み(10)に配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の充電接続装置。
【請求項3】
前記カバー要素(40)は、2つの覆い部分(41、42)を有し、前記覆い位置において、各前記部分(41、42)がそれぞれ充電接続部(12、22)を覆うものであり、前記第1の開放位置において、第1の覆い部分(41)が前記第2の充電接続部(22)を覆い、前記第2の開放位置において、第2の覆い部分(42)が前記第1の充電接続部(12)を覆う
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の充電接続装置。
【請求項4】
前記開放位置のそれぞれにおいて、前記覆い部分(41、42)が少なくとも部分的に前記充電窪み(10)の横断面を越えて突出する、及び/又は収容部に配置される
ことを特徴とする、請求項3に記載の充電接続装置。
【請求項5】
前記カバー要素(40)は、少なくとも1つの覆い部分(41、42)と開放部分とを有し、前記覆い位置において、前記少なくとも1つの覆い部分(41、42)が前記充電接続部(12、22)を覆うものであり、前記第1の開放位置において、前記少なくとも1つの開放部分が前記第1の充電接続部(12)を少なくとも部分的に開放し、かつ前記少なくとも1つの覆い部分(41、42)が前記第2の充電接続部(22)を覆い、前記第2の開放位置において、前記少なくとも1つの開放部分が前記第2の充電接続部(22)を少なくとも部分的に開放し、かつ前記少なくとも1つの覆い部分(42)が前記第1の充電接続部(12)を覆う
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の充電接続装置。
【請求項6】
前記2つの充電接続部(12、22)の間に少なくとも1つのシールバー(26)が配置されている
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項7】
前記2つの充電接続部(12、22)のうちの少なくとも1つが2種類のコンタクト要素(16、17)を有する直流交流複合充電接続部(12)として設計されており、追加の充電接続部カバー(14)が、直流コンタクト要素(17)に割り当てられ、前記直流コンタクト要素(17)を開放する位置と、前記直流コンタクト要素(17)を覆う位置とを有する
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項8】
前記カバー要素(40)及び/又は前記充電接続部カバー(14)が並進運動可能に、及び/又は回転運動可能に取り付けられたフラップとして設計されている
ことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の充電接続装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの駆動装置に接続された少なくとも1つのセンサアセンブリが現在の充電モードを検知する
ことを特徴とする、請求項
1又は2に記載の充電接続装置。
【国際調査報告】