(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】コンシクエントポール超電導同期機械
(51)【国際特許分類】
H02K 55/04 20060101AFI20241121BHJP
H01F 6/06 20060101ALI20241121BHJP
H02K 3/02 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02K55/04
H01F6/06 110
H02K3/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533792
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 US2021062091
(87)【国際公開番号】W WO2023107095
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513131419
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック レノバブレス エスパーニャ, エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】レネド・アングラダ,ハイメ
(72)【発明者】
【氏名】パリッシュ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トレイ,デイヴィッド・アラン
(72)【発明者】
【氏名】タパディア,ニディシュリ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,アンボー
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603BB02
5H603BB09
5H603BB12
5H603CA05
5H603CB01
5H603CC07
5H603CC14
5H603CD21
5H603CE02
(57)【要約】
【解決手段】コンシクエントポール超電導同期機械を提供する。
【解決方法】超電導機械は、メインシャフトと、メインシャフトに対して配置された少なくとも1つの電機子巻線を有する電機子と、メインシャフトの周囲に周方向に配置され、周方向外面を規定するキャリア構造と、周方向外面に固定された複数の超電導コイルとを含む。複数の超電導コイルの各々は、第1の共通極性を有する。超電導機械は、複数の超電導コイルの各々の間にボイドスペースをさらに含む。さらに、各ボイドスペースは、超伝導コイルの第1の共通極性と反対の第2の共通極性を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超電導機械であって
メインシャフトと、
メインシャフトに対して配置された少なくとも1つの電機子巻線を含む電機子と、
メインシャフトの周囲に周方向に配置され、周面を画定するキャリア構造体と、
キャリア構造体の周面に固定された複数の超伝導コイルであって、複数の超伝導コイルの各々が第1の共通極性を有する、複数の超伝導コイルと、
複数の超伝導コイルのそれぞれの間のボイドスペースと、を含み、各ボイドスペースは第2の共通極性を有し、各第2の共通極性は第1の共通極性と反対である、超電導機械。
【請求項2】
第1の共通極性はそれぞれN極を構成し、第2の共通極性はS極を構成する、またはその逆である、請求項1記載の超電導機械。
【請求項3】
複数の超電導コイルの各々は、四辺形の形状を画定する、請求項1または2に記載の超電導機械。
【請求項4】
複数の超電導コイルの各々は、円弧状の断面形状を画定する、請求項1乃至3のいずれかに記載の超電導機械。
【請求項5】
円弧状の断面形状が、円、楕円、レーストラック形状のうちの少なくとも1つを含み、レーストラック形状が、平行な直線状側部と対向する湾曲端部を画定する、請求項4に記載の超電導機械。
【請求項6】
複数の超電導コイルの各々は、レーストラック形状を画定し、ボイドスペースは、複数の超電導コイルの各々の平行な直線路側部間の距離に等しい幅を有する、請求項5に記載の超電導機械。
【請求項7】
複数の超電導コイルの隣接する超電導コイルの直進方向側部が等間隔に配置されている、請求項6に記載の超電導機械。
【請求項8】
複数の超電導コイルの各超電導コイルの直進方向側部は、極境界を越えて延び、それにより、物理コイルとボイドスペースのための不等面積が形成される、請求項6に記載の超電導機械。
【請求項9】
ボイドスペースが真空を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の超電導機械。
【請求項10】
ボイドスペースが非強磁性材料で構成されている、請求項1乃至9のいずれかに記載の超電導機械。
【請求項11】
複数の超電導コイルの各々はコイル幅を有し、コイル幅は、複数の超電導コイルの磁極ピッチより小さいか、等しいか、またはそれより大きく、コイル幅は磁極ピッチの2倍以下である、請求項1乃至10のいずれかに記載の超電導機械。
【請求項12】
超電導機械を組み立てる方法であって、
メインシャフトを提供するステップと、
メインシャフトに電機子を結合するステップであって、電機子は少なくとも1つの電機子巻線を有する、前記ステップと、
メインシャフトと電機子の周囲にキャリア構造を配置するステップと、
少なくとも1つの超伝導コイルをキャリア構造体の周方向内面または外面に結合するステップであって、少なくとも1つの超伝導コイルは第1の極性を画定する、前記ステップと、
キャリア構造体の周方向内面または外面上の少なくとも1つの超伝導コイルに隣接してボイドスペースを提供するステップと、を含み、ボイドスペースが、少なくとも1つの超伝導コイルの第1の極性に対して結果的に反対の第2の極性を含む、方法。
【請求項13】
キャリア構造体の周方向内面または外面に複数の超伝導コイルを結合するステップをさらに含み、少なくとも1つの超伝導コイルは、複数の超伝導コイルのうちの1つであり、複数の超伝導コイルの各々は、第1の極性を規定する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数の超伝導コイルは、複数のボイドスペースを介して間隔を置いて配置され、ボイドスペースは、複数のボイドスペースの1つであり、複数のボイドスペースの各々は、結果的に対向する第2の極性を規定する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
第1の極性はそれぞれN極を構成し、第2の極性はS極を構成するか、またはこれらの逆である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には超電導機械に関し、より詳細には、コンシクエントポール超電導機械(consequent pole superconducting machines)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、超電導発電機や超電導モータなどの超電導回転機械(superconducting rotating machines、電気機械と総称される)は、静磁場または回転磁場(a static or rotating magnetic field)を発生させるための複数の超電導コイルと、超電導コイルからの磁場と相互作用する電機子(armature)の運動に関連して回転磁場または静磁場を発生させるための少なくとも1つの電機子コイル(armature coil)とを含む。さらに、超伝導回転機械は、電気抵抗を有する常伝導材料(例えば、銅、アルミニウムなど)の代わりに、超伝導材料(「超伝導体:superconductor」)で界磁コイル(constructing field coils、通常、直流電流を流す)を構成することによって作られる。超伝導材料の超伝導状態での通電容量は、特に直流動作や低周波数において、アルミニウムや銅のような従来の導体の室温での通電容量(current-carrying capacity)よりも一般的に一桁以上高い。したがって、風力タービン発電機などの電力用途に超電導体を使用することで、より効率的な性能、ギアボックスを使用しないダイレクトドライブ運転(non-gearbox direct drive operation)、製造コストや設置コストの削減の可能性、磁界を方向付けるための強磁性材料が少なくて済むため磁界が強くなることによる発電機の軽量化など、数多くの利点が得られる。このような利点は、特に洋上風力タービンの用途に有用である。
【0003】
一般的に、超電導回転機械は、超電導界磁コイルによって確立される交互の磁気極性(alternating magnetic polarities)を利用する。すなわち、N極がS極の間に配置され(north poles are located between south poles)、規則的なN、S、N、Sなどの磁場パターンが形成される。これらの交互の極性は、反対方向に電流を流す超伝導体でできた超伝導界磁巻線に依存して生成される。界磁コイルから発生する磁界は電機子コイルの磁極と相互作用してトルクを発生させる。トルクは、整列しようとする2つの磁界の相互作用によって発生する。トルクの大きさは磁界の強さとそれらが相互作用する半径に結びつく。安定した運動のためには、2つの磁場が同じ速度で動く必要がある。これは、交流電流を流す巻線を使用して一方の磁場を空間移動させることで達成される。ここで説明する超電導機械では、界磁巻線は直流電流を流す。電機子巻線は交流電流を流し、その周波数は固定部材と回転部材の相対運動(the relative motion of the stationary and rotating members)によって設定される。界磁コイルによって生成される磁場は、超電導線材の通電能力が非常に高いため、機械のトルク密度を向上させる。
【0004】
しかし、機械のトルク密度を最大にしようと超電導コイルを近接配置した結果、機械的相互作用(mechanical interactions)が発生することがある。超伝導コイル間の機械的相互作用(mechanical interactions between superconducting coils)は、コイルの近接性に結びついている(tied to the proximity of the coils)。超電導コイル間の機械的相互作用は、近接性と界磁強度のため、超電導コイルと電機子コイル間の相互作用よりも大幅に大きくなる。このため、メーカーは超電導コイル間の機械的相互作用を低減する手段を模索している。
【0005】
従って、産業界は、前述の問題に対処する新規かつ改良された超電導機械を継続的に求めている。従って、本開示は、空芯二極超電導機械に向けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開3186505号公報
【発明の概要】
【0007】
本開示の態様および利点は、以下の説明において部分的に記載されるか、または説明から明らかであるか、または本開示の実施を通じて知ることができる。
【0008】
一態様において、本開示は超電導機械に向けられる。超電導機械は、メインシャフトと、メインシャフトに対して配置された少なくとも1つの電機子巻線を有する電機子と、メインシャフトの周囲に周方向に配置され、周方向外面を画定するキャリア構造と、周方向外面に固定された複数の超電導コイルとを含む。複数の超電導コイルの各々は、第1の共通極性を有する。超電導機械は、複数の超電導コイルの各々の間にボイドスペース(void space:空隙空間)をさらに含む。さらに、各ボイドスペースは、超電導コイルの第1の共通極性と反対の第2の共通極性を有する。第2の共通極性は磁束保存の結果(a consequence of the conservation of magnetic flux)であり、したがって本明細書では一般にコンシクエントポール(consequent pole)と呼ばれる。
【0009】
さらなる実施形態では、複数の超伝導コイルの第1の共通極性はN極であってもよく、一方、ボイドスペースの第2の共通極性はS極であってもよく、あるいはその逆であってもよい。
【0010】
追加の実施形態では、複数の超伝導コイルの各々は円弧状断面形状を画定する。例えば、実施形態において、1以上の円弧状断面形状は、円、楕円、またはレーストラック形状(racetrack shape:陸上競技トラック形状)であってよい。したがって、一実施形態では、レーストラック形状は、平行な直線状側部と対向する湾曲端部を規定することができる。
【0011】
特定の実施形態では、レーストラック形状の平行な直線状側部は、互いに等間隔(evenly spaced from each other)であってもよい。別の実施形態では、隣接するレーストラック形状の超伝導コイルの直線状側部は、互いに等間隔であってもよい。さらに別の実施形態では、隣接する超伝導コイルの直線状側部は、互いから不均等な間隔を空けていてもよい。
【0012】
特定の実施形態では、複数の超伝導コイルのそれぞれの間のボイドスペースには、超伝導コイルの磁場を修正するような強磁性材料や他のコイルがない。別の実施形態では、ボイドは真空であってもよいし、単に空気を含んでいてもよい。
【0013】
他の実施形態では、複数の超伝導コイルの各々は特定のアンペアターン数(specific number of Ampere-turns:特定のアンペア回数)を含むことができ、かかるアンペアターン数は磁気設計のパラメータである。本明細書で使用されるように、例えば、アンペアターン数は、一般に、導体電流とターンの巻数との積(a product of the conductor current and a turn count in the turn)である。このような実施形態では、アンペアターン数は、超伝導コイルのサイズ、線材を流れる電流、および/または超伝導コイルによって生成される磁場に依存する場合があり、超伝導コイルの数は磁気設計の別のパラメータである。
【0014】
別の態様において、本開示は、超電導回転機械を組み立てる方法に向けられている。この方法は、メインシャフトを提供することを含む。本方法はまた、少なくとも1つの電機子巻線を有する電機子をメインシャフトに結合することを含む。さらに、本方法は、メインシャフトと電機子の周囲にキャリア構造(carrier structure)を配置することを含む。さらに、本方法は、少なくとも1つの超伝導コイルをキャリア構造の周方向外面に結合することを含み、1以上の超伝導コイルは第1の共通極性(a first common polarity)を有する。したがって、本方法は、キャリア構造体の周方向外面上の1以上の超伝導コイルに隣接してボイドスペースを設けることをさらに含む。このように、ボイドスペースは、1以上の超伝導コイルの第1の極性に対して結果的に反対の第2の極性(a consequent, opposing second polarity)を持つ。
【0015】
さらに別の態様において、本開示は風力タービンに向けられている。風力タービンは、タワーと、タワーに取り付けられたナセルと、ナセルに結合され、回転可能なハブと、回転可能なハブに固定された少なくとも1つのロータブレードとを有するロータと、超伝導発電機とを含む。超電導発電機は、メインシャフトと、メインシャフトに対して配置された少なくとも1つの電機子巻線を有する電機子と、メインシャフトの周囲に円周方向に配置され、円周方向の外面を画定するキャリア構造と、外面に固定され、各超電導コイルが第1の共通極性を有する複数の超電導コイルと、各超電導コイル間のボイドスペースとを含む。さらに、各ボイドスペースは、第1の共通極性と反対の第2の共通極性を有する。
【0016】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、本明細書と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
当業者に向けられた、その最良の態様を含む本開示の完全かつ有効な開示は、添付の図を参照する本明細書に記載されている。
【
図1】本開示による超電導発電機を備えた風力タービンの一実施形態の側方透視図である。
【
図2】
図1の風力タービンのナセルの一実施形態の内部透視図であり、特に、本開示によるナセルに収容された超伝導発電機を示している。
【
図3】本開示による超電導発電機の一実施形態を示す断面図である。
【
図4】本開示による超電導発電機の一部の実施形態の詳細図である。
【
図5】本開示による
図4の超伝導発電機の一部の詳細な透視図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、本開示による超電導コイルの一実施形態の上面図および断面図を示す。
【
図7】従来の構造による超電導コイルの配置を示す図である。
【
図8】
図8A及び
図8Bは、本開示による超伝導コイルの実施形態の複数の配置を示している。
【
図9A】本開示による超伝導コイルの異なる形状の複数の実施形態を示す。
【
図9B】本開示による超伝導コイルの異なる形状の複数の実施形態を示す。
【
図9C】本開示による超伝導コイルの異なる形状の複数の実施形態を示す。
【
図9D】本開示による超伝導コイルの異なる形状の複数の実施形態を示す。
【
図10】
図10A及び
図10Bは、本開示による超電導発電機の超電導コイルによって発生する磁束の一実施形態のグラフを示し、特に、従来の超電導コイル配置と比較して、コイル間にボイドスペースを有するコンシクエントポール超電導コイル配置間のピーク磁束連関の類似性を示している。
【
図11】本開示による超電導機械を組み立てる方法の一実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本開示の実施形態を詳細に参照し、その1つ以上の例を図面に例示する。各実施例は、本開示の説明のために提供されるものであって、本開示を限定するものではない。実際、当業者には、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、本開示において様々な修正および変形を行うことができることが明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として図示または説明された特徴は、別の実施形態と共に使用され、さらなる実施形態を得ることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るような修正および変形をカバーすることが意図される。
【0019】
本明細書において、「第1」、「第2」および「第3」という用語は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用される場合があり、個々の構成要素の位置または重要性を意味することを意図していない。
【0020】
「結合された」、「固定された」、「に取り付けられた」などの用語は、本明細書で特に規定しない限り、直接的な結合、固定、または取り付け、ならびに1つまたは複数の中間構成要素または特徴を介した間接的な結合、固定、または取り付けの両方を指す。
【0021】
本明細書および特許請求の範囲を通じて使用される近似的な表現は、それが関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容可能に変化し得るあらゆる定量的表現を修正するために適用される。したがって、「約」、「およそ」、「実質的に」などの用語によって修正される値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な表現は、値を測定するための計器の精度、または構成要素および/またはシステムを構築もしくは製造するための方法もしくは機械の精度に対応することがある。例えば、近似的な表現は、10%のマージンの範囲内であることを指す場合がある。
【0022】
本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限定は組み合わされ、交換され、そのような範囲は、文脈または文言がそうでないことを示さない限り、特定され、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。例えば、本明細書で開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は互いに独立して組み合わせ可能である。
【0023】
一般に、本開示は、超伝導発電機などの電気機械を含む、風力タービン発電システムなどのエネルギー変換システムに向けられている。本開示は、一般に超伝導発電機、より詳細には風力タービン超伝導発電機を参照して本明細書で説明されるが、超伝導発電機に限定されるものではない。例えば、本開示は、各々が巻線を有する電機子及び界磁を含む発電機に向けられている。さらに、一方の要素(電機子または界磁のいずれか)は回転し(ロータ)、他方の要素は静止している(ステータ)。超電導発電機は、キャリア構造の周面に配置されたコイルをさらに含むことができ、コイルは第1の共通極性を有する。コイルを配置する際、超電導発電機は、各コイル間にボイドスペースをさらに含んでいてもよい。このようにコイルを配置することにより、各コイル間に存在するボイドスペース内に第2の共通極性が結果として形成される(implicitly created)場合がある。
【0024】
したがって、従来の構成に対する本開示の利点は、超伝導コイルまたは電機子コイルを互いに近接させすぎることによって生じる機械的相互作用を低減することである。このような機械的相互作用は、超伝導コイルが著しく高い電流を流し、その間に高い磁力が発生するために起こる。もう一つの利点は、超伝導コイル間の距離が広がる結果、超伝導コイルの許容できる形状の数(number of allowable geometries of superconducting coils)が増えることである。さらに別の利点は、超電導コイルの総数が極数の半分に減少するため、所定の定格の機械を支えるのに必要な超電導線材のコストが高い結果として発生する発電機の製造費用の削減である。本開示に従って本明細書に記載されるように、複数の超電導コイルと、複数の超電導コイルの各々の間のボイドスペースとを利用することにより、少なくとも前述の利点が得られる。
【0025】
次に図面を参照すると、
図1は、本開示による超伝導発電機114を有する風力タービン100の一実施形態の側面透視図である。図示されるように、風力タービン100は、一般に、支持面から延びるタワー108と、タワー108に取り付けられたナセル102と、ナセル102に結合されたロータ104とを含む。ロータ104は、回転可能なハブ110と、ハブ110に結合され、ハブ110から外側に延びる少なくとも1つのロータブレード112(3つが示されている)とを含む。各ロータブレード112は、回転軸106を中心にロータ104を回転させて、運動エネルギーを風から利用可能な機械エネルギー、ひいては電気エネルギーに変換できるように、ハブ110に対して間隔をあけて配置される。この目的のために、ロータ104はシャフト(図示せず)を介して発電機114に連結される。本開示の目的上、発電機114はダイレクトドライブ超伝導発電機(direct drive superconducting generator)である。
【0026】
ここで
図2を参照すると、
図1に示された風力タービン100のナセル102の実施形態の簡略化された内部図が、本開示に従って図示されている。図示されるように、発電機114は、ナセル102内に収容され、界磁アセンブリ(field assembly)120および電機子(armature)118を含む。さらに、図示のように、発電機114は、一般に、ロータ104によって生成される回転エネルギーから電力を生成するためにロータ104に結合される。例えば、図示の実施形態に示すように、ロータ104は、ハブ110にその回転のために結合されたロータシャフト122を含むことができる。ロータシャフト122は、今度は、発電機114の電機子118に回転可能に結合されることがある。一般に理解されるように、ロータシャフト122は、ロータブレード112およびハブ110の回転に応答して、発電機114の電機子にトルク入力を提供することができる。
【0027】
一実施形態では、次いで、発電機114の電機子118にトルク入力を印加することによって、一般に知られている誘導の原理を用いて電力が生成され得る。電機子118は、その後、発電機114の界磁アセンブリ120によって提供される磁界内で(例えば、内部ロータ構成で)回転することができる。
【0028】
しかしながら、他の実施形態では、外側構成要素(outer component)は、発電機114の電機子118であってもよく、内側構成要素(inner component)は、発電機114の界磁アセンブリ120(例えば、外部ロータ構成)であってもよい。さらに、図示されているように、外側構成要素と内側構成要素との間には、その間の移動(例えば、回転)を可能にするように追加の空間が画定されてもよい。他の実施形態では、電機子118はまた、界磁巻線の回転によって確立される回転磁界内で動作する静止要素であってもよいことを理解すべきである。
【0029】
さらに、
図2を参照すると、電機子118によって発生する磁界は、電機子118を流れる電流によって設定される起磁力(MMF:magneto-motive force)によるものである(
図2および
図3に示すように)。MMFは、コイルの離散化および鋼構造内の磁気飽和(the discretization of the coils and the magnetic saturation within the steel structures)に起因して、それに関連する空間的高調波および時間的高調波の両方(both spatial and temporal harmonics)を有する。
【0030】
ここで
図3を参照すると、本開示による発電機114の一実施形態の切断透視図が提供される。特に、示されるように、発電機114は、その内部構成要素、例えば、ロータシャフト122に固定され得る本明細書に記載される電機子118、および静止ハウジング(stationary housing)116に固定され得る界磁アセンブリ120を収容するためのハウジング116を含み得る。さらに、図示のように、超伝導発電機114は、少なくとも1つの巻線セットを含むこともできる。例えば、示されるように、1以上の巻線セットは、電機子118または界磁アセンブリ120などのキャリア構造に取り付けられ得るコイル124に形成された1つまたは複数の通電導体(one or more current carrying conductors)を含み得る。
【0031】
ここで
図4~5を参照すると、本開示による超伝導発電機114の複数の実施形態の様々な図が図示されている。特に、
図4は、本開示による超伝導発電機114の一部の実施形態の詳細図を示し、
図5は、本開示による
図4の超伝導発電機の一部の詳細な透視図を示す。
【0032】
特に、図示されているように、超伝導発電機114はまた、複数のボイドスペース128を含むことができ、ボイドスペース128の1つは、複数の超伝導コイル124のそれぞれの間にある。本明細書で使用するボイドスペースとは、一般に、電磁気的に受動的な空間を指す。従って、超伝導コイル124の各々の間にボイドスペース128を残すことによって、超伝導コイル124によって生成される磁束の保存を強制する自然法則(the natural law that forces conservation of the magnetic flux)によって、結果として、そのボイドスペース128に反対の磁場(例えば、第2の共通極性)が生成され得る。さらに、実施形態では、ボイドスペース128内の第2の共通極性は、超伝導コイル124によって生成される第1の共通極性とは逆である。さらに、一実施形態では、超伝導コイル124の各々の間のボイドスペース128は、空間が空(the spaces are empty)であるという意味で、真空であってもよい。別の実施形態では、ボイドスペース128は空気を含んでいてもよい。さらに別の実施形態では、超伝導コイル124の各々の間の1以上のボイドスペース128は、強磁性材料などの磁性材料がなく、非磁性構造材料(non-magnetic structural material)を含んでいてもよい。
【0033】
したがって、特定の実施形態では、本明細書で説明するボイドスペースの磁場は、超伝導コイル124の総アンペアターン数(total Ampere-turns)に比例する。したがって、コンシクエントポール構成で同じ磁束連鎖を発生させる(generate the same flux linkage in a consequent pole configuration)ためには、各コイル124は、(総アンペアターンが同程度になるように)同様の寸法の従来の構成よりも多くのターンを有することになる。
【0034】
さらに、一実施形態では、
図6A~6Bに示すように、コイル124の数は機械設計のパラメータであり、各コイル124は特定の巻数(number of turns)126を含み、巻数は機械の磁気設計のパラメータである。特定の実施形態では、巻数126は、使用される超伝導線材、コイルを流れる電流、およびコイルによって生成される磁場に依存する場合がある。図示の実施形態では、例えば、超伝導コイル124は20巻(twenty turns)126を含む。
【0035】
さらに、超電導コイル124は、低温、磁場、電流密度において超電導特性を有する場合がある。従って、超電導コイル124は、選択された超電導体に適した1つ以上の低温ゾーン内で動作させることができる。運転温度は、超電導線の臨界温度よりも低くする必要がある。例えば、一実施形態では、超電導コイルの動作温度は77ケルビン(K)以下とすることができる。ここで使用される77Kは、一般に、大気圧における気体から液体への窒素の転移に関連する基準点を指す。別の実施形態では、動作温度は、大気圧における液体水素の沸騰温度である20ケルビンに近い場合がある。別の実施形態では、動作温度は、大気圧での液体ヘリウムの沸騰温度である4.2ケルビンに近いかもしれない。
【0036】
従って、超伝導コイル124は励磁電流(excitation current)を流し、そこを流れる電流は磁場(例えば、第1の共通極性:first common polarity)を生成し、電機子コイルは発電機114の出力に(例えば、出力端子を介して)接続され、出力電流および電力出力を伝導する。いくつかのコイルが描かれているが、例えば、発電機114の極数を構成し、それによって発電機114の発生周波数および/または他の動作特性を構成するために、様々な実施形態において、電機子118および界磁アセンブリ120に関するコイル124および/またはその巻線は、より多くても少なくてもよい。生成されるこの磁場の極性は、電流の流れを方向に設定することによって構成されてもよい。次いで、磁場の極性は、逆方向の電流の流れを反転させることによって、反対の極性に切り替えられてもよい。例えば、一実施形態では、第1の共通極性の極性は、電流の流れの結果としてNに設定されてもよい。別の実施形態では、第1の共通極性は、電流の流れの結果としてSに設定されてもよい。
【0037】
特定の実施形態では、1以上のボイドスペース128と超伝導コイル124とによって発生する磁場は、超伝導コイル124を互いからある距離を置いて配置することによってさらに強化される場合がある。例えば、
図7に示すように、従来の構造に従って超伝導コイル24の配置が設けられているのに対し、
図8A~8Bは、本開示による超伝導コイル124の複数の配置を示している。したがって、従来の配置を示す
図7に示すように、各コイル24は、極(NまたはS)に連結されている。したがって、各コイルの幅(例えば、τ
coil)は、常に磁極ピッチ(pole pitch:τ
p)以下である。対照的に、
図8Aおよび
図8Bに示すように、本開示の超伝導コイル124を有するコンシクエントポール機械の場合、コイル幅(τ
coil)は磁極ピッチよりも小さく、等しく、または大きくすることができ、唯一の制限は以下の通りである。
(数1)
τ
coil≦2τ
p
【0038】
さらに、
図9A~9Dに示すように、超伝導コイル124の形状を変更することによって、超伝導コイル124によって発生する磁場を変更することができる。そのような実施形態では、超伝導コイル124の形状を変更することは、ボイドスペース128の形状を変更するようにも構成される。特定の実施形態では、
図8A、
図8B、
図9A、
図9C、及び
図9Dに示すように、超伝導コイル124は、平行な直線路(parallel straightaways)132及び湾曲した端部134を有するレーストラック形状(
図9A)のような円弧形状を有してもよい。他の実施形態では、
図9Bに示すように、超伝導コイル124は概ね矩形形状140を有してよい。さらなる実施形態では、例えば、
図9C~9Dに示されるように、超伝導コイル124は、レーストラック形状に近似するための円形形状136または異なる半径の円弧の複合体などの任意の他の適切な円弧形状を有してもよい。同様に、
図9Dでは、超伝導コイル124は楕円形状138を有していてもよい。別の実施形態では、磁場は、超伝導コイル124のサイズを大きくすることによって変化させることができる。
【0039】
追加的な実施形態では、超伝導コイル124は、ニオブ-チタン(NbTi:niobium-titanium)、ニオブ-スズ(Nb3Sn:niobium-tin)、二ホウ化マグネシウム(MgB2:magnesium- diboride)などの低温超伝導材料、またはYBCOやReBCOなどの高温超伝導材料で構成することができる。一般的に、一実施形態では、電機子コイルは銅またはアルミニウムから構成される。
【0040】
ここで
図10Aおよび
図10Bを参照すると、本開示の利点を説明するために、超伝導発電機114内の電機子巻線128の磁束鎖交(magnetic flux linkage)を比較する波形グラフの様々なグラフが提供されている。特に、
図10Aは、その間にボイドスペース128を有する複数の超伝導コイル124を含む超伝導発電機114のような、本開示による超伝導機械の1つの電機子巻線128の磁束鎖交に対応する磁束鎖交の波形グラフ300を、同様の形状および同じアンペアターン数を有するが超伝導コイルの数が2倍である従来の超伝導発電機と対比して示している。このように、磁束のレベルの変化は、電機子巻線128に対する超伝導コイル124の機械的角度の変化によって達成される。従って、機械的角度(mechanical angle)を変化させることにより、従来の超伝導極302の波形とコンシクエントポール304の波形が生成され得る。さらに、従来の超電導コイルのピーク磁束(peak magnetic flux)308とコンシクエントポールのピーク磁束310は、ピーク機械角306に対応する機械角を求めることによって定義することができる。例えば、図示のような実施形態では、ピーク機械角306は、電気角90度以上、電気角270度以下であってもよい。このような実施形態では、示されるように、従来の超伝導コイルのピーク磁束308は、単位(pu:per unit)当たり-0.4以下であってもよい。代替実施形態では、図示のように、コンシクエントポールのピーク磁束310は-0.4pu以下であってもよい。
【0041】
したがって、
図10Aと
図10Bとを比較して示すように、従来の超電導機械と、本開示による超電導コイルのそれぞれの間にボイドスペースを有する超電導機械とについて、隣接する界磁極の下に(under adjacent field poles)直列に接続された2つの電機子コイル128の総磁束連関を比較すると、ピーク磁束に取るに足らない差が見られる。
【0042】
ここで
図11を参照すると、超伝導機械を組み立てる方法500の一実施形態の流れ図が提供されている。方法500は、例えば、
図1~10を参照して上述した本開示の超伝導発電機114を用いて実施されてもよいことを理解されたい。
図11は、説明および議論の目的で特定の順序で実行されるステップを描いている。本明細書で提供される開示を使用する当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、方法500の様々なステップ、または本明細書で開示される方法のいずれかを様々な方法で適合、修正、再配置、同時実行、または変更することができることを理解するであろう。
【0043】
(502)に示すように、方法500はメインシャフトを提供することを含む。(504)に示すように、方法500は電機子をメインシャフトに結合することを含み、電機子は少なくとも1つの電機子巻線を有する。(506)に示すように、方法500はメインシャフトと電機子の周りにキャリア構造を配置することを含む。(508)に示すように、方法500は、キャリア構造の周面に少なくとも1つの超伝導コイルを結合することを含み、少なくとも1つの超伝導コイルは第1の極性を規定する。(510)に示すように、方法500は、キャリア構造の周方向外面上の1以上の超伝導コイルに隣接してボイドスペースを提供することを含み、ボイドスペースは、少なくとも1つの超伝導コイルの第1の極性に対して結果的に反対の第2の極性を含む(the void space contains a consequent, opposing second polarity to the first polarity of the at least one superconducting coil)。
【0044】
本開示の様々な態様および実施形態は、以下の番号付けされた節によって定義される。
[実施態様1]
超電導機械器であって、
メインシャフトと、
前記メインシャフトに対して配置された少なくとも1つの電機子巻線を含む電機子と、
前記メインシャフトの周囲に周方向に配置され、円周方向面を画定するキャリア構造体と、
前記キャリア構造体の円周方向面に固定された複数の超伝導コイルであって、前記複数の超伝導コイルの各々が第1の共通極性を有する、前記複数の超伝導コイルと
前記複数の超伝導コイルのそれぞれの間のボイドスペースとを含み、各ボイドスペースは第2の共通極性を有し、各第2の共通極性は第1の共通極性と反対である、超電導機械。
[実施態様2]
第1の共通極性がそれぞれN極を構成し、第2の共通極性がS極を構成するか、またはその逆である、実施態様1に記載の超電導機械。
[実施態様3]
複数の超電導コイルの各々は、四辺形の形状を画定する、先行する実施態様のいずれかに記載の超電導機械。
[実施態様4]
前記複数の超電導コイルの各々は、円弧状の断面形状を画定している、先行する実施態様のいずれかに記載の超電導機械。
[実施態様5]
前記円弧状断面形状が、円、楕円、またはレーストラック形状のうちの少なくとも1つを含み、レーストラック形状が、平行な直線状側部と対向する湾曲端部を画定する、実施態様4に記載の超電導機械。
[実施態様6]
前記複数の超電導コイルの各々は、前記レーストラック形状を規定し、前記ボイドスペースは、前記複数の超電導コイルの各々の平行な直線路側部間の距離に等しい幅を有する、実施態様5に記載の超電導機械。
[実施態様7]
前記複数の超電導コイルの隣接する超電導コイルの直進方向側部が等間隔に配置されている、実施態様6に記載の超電導機械。
[実施態様8]
前記複数の超伝導コイルの各超伝導コイルの直線方向側部は、極境界を越えて延び(extend beyond the pole boundaries)、それにより、物理的コイルおよびボイドスペースのための不均等な面積を形成する、実施態様6に記載の超電導機械。
[実施態様9]
前記ボイドスペースが真空を含む、先行する実施態様のいずれかに記載の超電導機械。
[実施態様10]
前記ボイドスペースが非強磁性材料で構成されている、先行する実施態様のいずれかに記載の超電導機械。
[実施態様11]
前記複数の超電導コイルの各々はコイル幅を有し、前記コイル幅は、前記複数の超電導コイルの磁極ピッチ未満、等しいか、またはそれより大きく(less than, equal to, or greater than)、前記コイル幅は前記磁極ピッチの2倍以下である、先行する実施態様のいずれかに記載の超電導機械。
[実施態様12]
超電導機械を組み立てる方法であって、
メインシャフトを提供するステップと、
前記メインシャフトに電機子を結合するステップであって、前記電機子は少なくとも1つの電機子巻線を有する、前記ステップと、
前記メインシャフトと前記電機子の周囲にキャリア構造を配置するステップと、
少なくとも1つの超伝導コイルを前記キャリア構造体の周方向内面または外面に結合するステップであって、前記少なくとも1つの超伝導コイルは第1の極性を画定する、前記ステップと、
前記キャリア構造体の周方向内面または外面上の前記少なくとも1つの超伝導コイルに隣接するボイドスペースを提供するステップと、
を含み、前記ボイドスペースが、前記少なくとも1つの超伝導コイルの前記第1の極性に対して結果的に反対の第2の極性を含む、方法。
[実施態様13]
前記キャリア構造体の周方向内面または外面に複数の超伝導コイルを結合するステップをさらに含み、前記少なくとも1つの超伝導コイルは、前記複数の超伝導コイルのうちの1つであり、前記複数の超伝導コイルの各々は、第1の極性を規定する、実施態様12に記載の方法。
[実施態様14]
前記複数の超伝導コイルが、複数のボイドスペースを介して間隔を置いて配置され、前記ボイドスペースは、前記複数のボイドスペースのうちの1つであり、前記複数のボイドスペースの各々が、結果的に対向する第2の極性を規定する、実施態様12~13に記載の方法。
[実施態様15]
前記第1の極性がそれぞれN極を構成し、前記第2の極性がS極を構成するか、またはその逆である、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
前記複数の超伝導コイルの各々が断面形状を画定し、該断面形状が、四辺形形状または円弧形形状の少なくとも1つを含み、該円弧形形状が、円、楕円、またはレーストラック形状の1つを含み、該レーストラック形状が、平行な直線状の側部を有する対向する湾曲端部を画定する、実施態様12~15に記載の方法。
[実施態様17]
前記ボイドスペースが真空または非強磁性材料の一方を含む、実施態様12~16に記載の方法。
[実施態様18]
前記複数の超伝導コイルの各々がコイル幅を有し、前記コイル幅が、前記複数の超伝導コイルの磁極ピッチより小さいか、等しいか、またはそれより大きく、前記コイル幅が、前記磁極ピッチの2倍以下である、実施態様12~17に記載の方法。
[実施態様19]
風力タービンであって
タワーと、
前記タワーに取り付けられたナセルと、
前記ナセルに結合されたロータであって、前記ロータは、回転可能なハブと、それに固定された少なくとも1つのロータブレードを含む、前記ロータと、
前記ロータに結合された超伝導発電機と、を含み、前記超伝導発電機は、
メインシャフトと、
前記メインシャフトに対して配置された少なくとも1つの電機子巻線を含む電機子と、
前記メインシャフトの周囲に円周方向に配置され、円周方向の外面を画定するキャリア構造体と、
前記キャリア構造体の周方向内面または外面に固定された複数の超伝導コイルであって、前記複数の超伝導コイルの各々が第1の共通極性を有する、前記複数の超伝導コイルと、
前記複数の超伝導コイルのそれぞれの間のボイドスペースと、
を含み、
各ボイドスペースは第2の共通極性を有し、各第2の共通極性は第1の共通極性と反対である、風力タービン。
【0045】
本明細書は、最良の態様を含む本開示を開示するため、また、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実行を含む本開示を当業者が実施できるようにするために、実施例を用いて説明する。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
100:風力タービン 102:ナセル 104:ロータ 106:回転軸 108:タワー 110:ハブ 112:ロータブレード 114:超伝導発電機 116:ハウジング 118:電機子 120:界磁アセンブリ 122:ロータシャフト 124:コイル 126:巻数 128:ボイドスペース 132:平行な直線 134:湾曲端 136:円形形状 138:楕円形 140:略矩形形状
【国際調査報告】