(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】固体組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20241121BHJP
B01J 13/02 20060101ALI20241121BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20241121BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20241121BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20241121BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20241121BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241121BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241121BHJP
A61K 9/58 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61K8/34
B01J13/02
C11B9/00 Z
A61Q13/00 102
A61K8/11
A61K8/365
A61K47/26
A61K47/12
A61K9/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533892
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022084353
(87)【国際公開番号】W WO2023104688
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オサン,エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ラディス プティプレズ,シンディー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4G005
【Fターム(参考)】
4C076AA64
4C076CC50
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4C076GG10
4C083AA071
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4G005AA01
4G005DA04X
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4G005DC18Z
4G005EA01
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4G005EA07
(57)【要約】
本発明は、固体の水溶性生分解性担体と、利益剤をカプセル化するポリマーからなるマイクロカプセル組成物とからなる固体組成物を提供し、ここで、利益剤は、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルにカプセル化されている。本発明は、固体組成物を含む消費者製品も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 固体の水溶性生分解性担体;
b) 利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物、ここで利益剤は、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルにカプセル化されている;
c) 任意に、結晶化添加剤;
d) 任意に、染料;
e) 任意に、充填剤;および
f) 任意に、少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分
からなる固体組成物。
【請求項2】
担体が、糖アルコールまたはその混合物であり、ここで任意に、糖アルコールが、キシリトール、ソルビトール、アラビトール、マンニトール、エリスリトールまたはその混合物などの、nが4、5または6である一般式(CHOH)
nH
2を有し;ここで任意に、糖アルコールがキシリトールまたはソルビトールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
担体の融点が約70℃~約200℃である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
マイクロカプセルのシェルが、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ポリウレアまたはポリウレタンポリマー、ポリアミド、ポリアクリラート、ポリカーボナート、ポリマー界面活性剤と少なくとも1種のアミノシランとの組み合わせにより形成されるポリマー安定剤、少なくとも1つのタンパク質の第1の架橋剤および少なくとも1つの多糖との架橋により形成される複合コアセルベート、または水和ポリマー、およびアミノシランと多官能性イソシアナートとの反応によって形成されるポリマー安定剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
利益剤が、フレグランス成分、化粧品成分、生理活性剤、基質エンハンサー、酵素、染料、顔料およびニュートラシューティカルからなる群から選択される、ここで任意に利益剤がフレグランス成分である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
結晶化添加剤が、ポリオール、デンプン誘導体および有機酸からなる群から選択される;ここで任意に、結晶化添加剤がクエン酸、ギ酸などの有機酸であり、ここで任意に結晶化添加剤がクエン酸である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
染料が、カロテノイド(E160)、キサンチン(E161)、サフラン(E164)、クロロフィル(E140)、クロロフィルおよび/またはクロロフィリンの銅錯体(E141)、アントシアニン(E163)、カルミン(E120)、クルクミン(E100)およびこれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
充填剤が、シリカ、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびベントナイトからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の構成要素b)、c)、d)、e)およびf)の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、好ましくはすべてが生分解性である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
a) 約70%~約99%w/wの固体の水溶性生分解性担体;
b) 約1~約30重量%のマイクロカプセル組成物、これは利益剤をカプセル化するポリマーを含み、ここで利益剤は、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルに専らカプセル化されている;
c) 0~約5%w/wの結晶化添加剤;
d) 0~約5%w/wの染料または視覚調整剤;
e) 0~約5%w/wの充填剤;
f) 0~約29%w/wの少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
i) 固体の水溶性生分解性担体を、担体の融点程度の温度に加熱し、担体の溶融組成物を得る;
ii) 任意に、ステップi)において得られた担体の溶融組成物に結晶化添加剤を添加する;
iii) 利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物であって、利益剤が、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルに専らカプセル化されている、前記組成物を、ステップi)においてまたはステップii)において得られた溶融組成物に添加する;
iv) 任意に、ステップiii)の組成物に、染料または視覚調整剤を添加する;
v) 任意に、ステップiv)の組成物に、充填剤を添加する;
vi) 任意に、ステップv)の組成物に、少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分を添加する;
vii) ステップiii)、ステップiv)、ステップv)またはステップvi)において得られた組成物を室温まで冷却する、
のステップを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物の作製方法。
【請求項12】
ステップiii)のマイクロカプセル組成物が、カプセル化されていないフレグランス成分をさらに含む、請求項11に記載の組成物の作製方法。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を含む消費者製品であって、消費者製品がパーソナルケア製品、ファブリックケア製品、ホームケア製品またはペットケア製品からなる群から選択される、前記消費者製品。
【請求項14】
消費者製品がフレグランスブースターである、請求項13に記載の消費者製品。
【請求項15】
消費者製品における利益剤の知覚を改善し、または性能を増強するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物または請求項13~14に記載の消費者製品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利益剤の制御された放出のための固体組成物に関する。とりわけ、本発明は、固体の水溶性生分解性担体および、利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物からなる固体組成物に関するものであり、ここで、利益剤は、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルにカプセル化されている。本発明はまた、本明細書に定義される固体組成物の作製方法、本明細書に定義される固体組成物を含む消費者製品、および消費者製品における利益剤の知覚を改善または性能を増強するための固体組成物および消費者製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
家庭用ケア、パーソナルケア、ファブリックケア製品など、効果的なレベルの利益剤への受容部位の曝露を長期間にわたって最適に行う消費者製品の開発は大きな課題である。いくつかの研究は、利益剤は、ターゲットサイトの特定の時点で個別にカスタマイズされたレベルで利用可能であれば、より効果的であると認識されることを示している。この課題は、カプセル化された利益剤を利用することで解決することができる。
【0003】
家庭用ケア、パーソナルケア、ファブリックケアおよびペットケア製品などの消費者製品に、カプセル化された利益剤を組み込むことは知られている。利益剤は、例えばフレグランス、化粧剤、食品成分、ニュートラシューティカル、薬物および基質エンハンサーを包含する。
【0004】
利益剤は、様々な理由のためにカプセル化される。マイクロカプセルは、かかる材料がその中で不適合であるかまたは不安定である、消費者製品ベースなどの外部の懸濁媒体からそれらを分離および保護することができる。それらは、皮膚、毛髪、ファブリックまたは硬い家庭表面などの基質への利益剤の堆積を助けるためにも使用される。それらはまた、利益剤の時空間的放出を制御する手段としても機能する。
【0005】
フレグランスは消費者製品のかなりの部分を占める。フレグランスは揮発性である。それらは、他の構成要素と反応し、熱、水分、様々な他の要因の影響を受けやすい。したがって、消費者製品中のフレグランスの放出を所望の部位および所望の速度で制御することが重要である。
【0006】
香りブースターは、消費者製品のアプリケーションにおいて、ある時点でフレグランスを送達するために使用される消費者製品のカテゴリを構成する。香りブースターは、固体または液体形態のいずれかで入手可能である。
【0007】
典型的には、固体の香りブースターは洗濯サイクルを開始する前に洗濯機に直接追加される。香りブースターの機能は、洗濯およびすすぎのサイクルを通じて、洗濯機から洗濯物を取り出した瞬間、洗濯物乾燥中、洗濯物乾燥後に、消費者にフレグランスの知覚を高めることである。
【0008】
かかる放出プロファイルは、遊離のカプセル化されていないフレグランス構成要素をカプセル化されたフレグランス構成要素と一緒に組み合わせることにより達成され、ここで遊離のフレグランス構成要素は、本質的に、濡れたファブリック上でのフレグランス知覚を増強することに寄与し、一方、カプセル化された構成要素は、本質的に、乾燥したファブリック上でのフレグランス知覚を増強することに寄与する。加えて、カプセル化された構成要素は、典型的には機械的な力の作用下において、ファブリックの取り扱い中に放出される場合がある。コアシェルマイクロカプセルが使用されることがあり、ここでコアはカプセル化されたフレグランス構成要素を含み、不透過性の壊れやすいシェルに取り囲まれている。遊離のフレグランス構成要素およびカプセル化されたフレグランス構成要素の両方が香りブースターに分散される。
【0009】
「クリーンラベル」という概念は、この10年で最も大きなトレンドの1つである。この用語自体には、持続可能な、自然由来の、生分解性の成分だけでなく、最小限の加工および環境への影響を含む多くの定義がある。消費者は、使用する製品の持続可能性に対する懸念を強めているが、一般的に、生分解性および/または自然由来の原材料は、それらのより確立された非生分解性同等品と同等の性能を発揮しないため、消費者の期待を満たすことができない。
【0010】
WO 2011/056938は、コアシェルマイクロカプセルにカプセル化されたフレグランスと、ポリエチレングリコールのマトリックス内に分散した遊離フレグランスとの両方を含むパスティル製剤の洗濯用香り添加組成物を開示している。
【0011】
US 2017/226690は、コアシェルマイクロカプセルにカプセル化されたフレグランスと、粘土およびポリエチレングリコールのマトリックスに分散した遊離フレグランスとの両方を含むパスティル製剤の香りブースター組成物を開示している。
【0012】
しかしながら、粘土もポリエチレングリコールもどちらも生分解性ではない。そのため、生分解性の固体香りブースターを提供する必要がある。バイオベースである香りブースターの提供も求められている。
【発明の概要】
【0013】
発明の概要
第1の態様において、本発明は、以下からなる固体組成物を提供する:
a)固体の水溶性生分解性担体;および
b)利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物、ここで利益剤が、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルにカプセル化されている。
さらなる側面において、本発明は、本明細書に記載の組成物を調製する方法を提供する。
【0014】
本発明は、さらに、本明細書に記載の組成物を含む消費者製品を提供する。
消費者製品における利益剤の知覚を改善または性能を増強するための、本明細書に記載の固体組成物および消費者製品の使用が、さらなる側面において提供される。
【0015】
定義
用語「利益剤」は、製品に添加された場合に、消費者による本製品に対する認識を改善させたり、アプリケーションにおける本製品の作用を増強したりする可能性のある物質を指す。利益剤の例は、香水またはフレグランス成分、化粧品成分、生理活性剤(殺菌剤、防虫剤およびフェロモンなど)、基質エンハンサー(シリコーンおよび増白剤など)、酵素(リパーゼおよびプロテアーゼなど)、染料、色素、およびニュートラシューティカルを包含する。
【0016】
用語「バイオベース」は、材料の起源に関し、石油由来の材料とは対照的に、生きている(またはかつて生きていた)生物に由来する材料から意図的に作られた材料を指す。 当該定義は、自然抽出されたタンパク質および多糖などの天然材料および、セルロース繊維などのある程度加工された材料の両方を包含する。
【0017】
「生分解性」材料は、物理的および化学的性質が劣化し、環境にさらされると完全に分解する材料と定義される。この性質は、したがって、材料の寿命の尽きと関連する。バイオベース材料は、生分解性または非分解性であることができる。同様に、多くのバイオベース材料は生分解性(例として、デンプン)であるが、すべての生分解性材料がバイオベースではない。
【0018】
本発明の文脈において、「生分解性」成分は、少なくとも1つのOECD生分解性試験において、「本質的生分解性(inherently biodegradable)」および/または「易生分解性(readily biodegradable)」の合格基準を満たす成分である。曖昧さを避けるため、これは、ある成分がある試験に合格するが他の1以上の試験に不合格である場合、合格結果が他の試験結果に優先することを意味する。
【0019】
「易生分解性」の合格基準の査定のために、OECD Method 301C、OECD Method 301D、OECD Method 301FおよびOECD Method 310などの標準化された方法を用いて、生分解性試験を実施することができる。
【0020】
OECD Method 301C、OECD Method 301DおよびOECD Method 301Fは、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 301: Ready Biodegradability(採択:1992年7月17日;https://doi.org/10.1787/9789264070349-en)において記載されている。
【0021】
OECD Method 301は、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 301: Ready Biodegradability - CO2 in sealed vessels (Headspace Test)(採択:2006年3月23日;修正2014年9月26日;https://doi.org/10.1787/9789264070349-en)に記載されている。
【0022】
本発明の文脈において、「易生分解性」のための合格基準は、マノメトリックレスピロメトリに言及するOECD Method 301Fにしたがって評価される。この方法において、「易生分解性」のための合格基準は、理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の60%に達することである。この合格値は、試験期間28日間のうち、10日間で達成されなければならない。10日間の枠は、生分解の程度が理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の10%に達したときに始まり、試験28日目までに終了しなければならない。易生分解性の試験において肯定的な結果が得られた場合、当該化学物質が、当該環境において迅速なおよび究極の生分解を受けると仮定される(Introduction to the OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Part 1: Principles and Strategies Related to the Testing of Degradation of Organic Chemicals;採択:2003年7月)。
【0023】
用語「固体」は、材料が約40℃未満の温度で凝集の固体状態にあることを示す。
用語「水溶性」は、材料が約10℃より高い温度で水に完全に溶けることを示す。
本発明の文脈において、特に指示がない限り、すべての割合は重量割合(%w/w)を指す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細説明
ここで、本発明の好ましい、および/または任意の特色を述べる。文脈上別段の要求がない限り、本発明のいずれの側面も、本発明のいずれの他の側面と組み合わされてよい。文脈上別段の要求がない限り、いずれの側面の好ましいまたは任意の特色は、単独でまたは組み合わせて、本発明のいずれかの側面と、ならびにいずれかの他の好ましいまたは任意の特色と、組み合わされてよい。
【0025】
本出願人は、驚くべきことにおよび予想外に、
a)固体の水溶性生分解性担体;および
b)利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物であって、利益剤が、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルにカプセル化されている
からなる固体組成物が、従来の非生分解性組成物と比較して、ファブリック上の全体的なフレグランスの知覚を増強することができることを見出した。
【0026】
本発明は、したがって、以下からなる固体組成物を提供する:
a)固体の水溶性生分解性担体;および
b)利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物であって、利益剤が、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルにカプセル化されている。
【0027】
担体
本発明において用いられる担体は、固体であり、水溶性であり、生分解性である。
本発明のために好適な担体は、炭水化物、たとえばスクロース、単糖、二糖、多糖および誘導体、たとえばデンプン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース;水素化炭水化物;加水分解炭水化物;ポリオール、たとえばスレイトール、アラビトール、リビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、キシリトールおよびエリスリトール;またはこれらの組合せを包含する。
【0028】
一態様において、担体はポリマーではない。
固体組成物は、あらゆる水溶性ポリマー、たとえばデンプン、加工デンプン、マルトデキストリン、多糖、炭水化物、キトサン、アラビアガム、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、 ポリビニルアルコール、アクリルアミド、アクリラート、ポリアクリル酸および関連、無水マレイン酸コポリマー、アミン官能性ポリマー、ビニルエーテル、スチレン、ポリスチレンスルホン酸、ビニル酸、エチレングリコール-プロピレングリコールブロックコポリマー、およびこれらの混合物を含まない。
【0029】
一態様において、担体は糖アルコールである。糖アルコール(多価アルコール、ポリアルコール、アルジトール、グリシトールとも呼ばれる)は有機化合物で、典型的には糖から誘導され、各炭素原子に結合した1つの水酸基(-OH)を含有する。それらは複数の-OH基を含むため、ポリオールに分類される。それらは、白色の水溶性固体で、天然に発生するか、または糖の水素化により工業的に生産される。このように、糖アルコール類はバイオベース成分と考えられるため、原料調達の観点からも、組成物をより持続可能なものにする。
【0030】
糖アルコールは一般式(CHOH)nH2を有し、同一の化学式内ではこれらの-OH基の相対配向(立体化学)によってさらに区別される。
一態様において、糖アルコールはキシリトール、ソルビトール、アラビトール、マンニトール、エリスリトールまたはその混合物など、nが4、5または6である一般式(CHOH)nH2を有する。任意に、糖アルコールはキシリトールまたはソルビトールである。
【0031】
一態様において、担体の融点は、約70℃~約200℃、任意に80℃~約150℃である。担体の融点が低いほど、組成物はより持続可能である。
【0032】
一態様において、担体の割合は、固体組成物の全重量に対して約70wt.-%~約99wt.-%、好ましくは約80wt.-%~約98.5wt.-%、さらに好ましくは約85wt.-%~約98wt.-%である。
【0033】
異なる材料の吸湿性は相対湿度によって変化する。水分のピックアップは、材料が主要な構成要素である消費者製品の保存期間を制限する。一態様において、したがって、担体は吸湿性ではない。かかる担体の利点は、固体組成が貯蔵中に水分を吸収しないことである。
【0034】
利益剤
本発明のコアシェルマイクロカプセルのコアに組み込むのに適した利益剤は、香水成分、化粧品成分、生理活性剤(殺菌剤、防虫剤およびフェロモンなど)、基質エンハンサー(シリコーンおよび増白剤など)、酵素(リパーゼおよびプロテアーゼなど)、染料、色素、およびニュートラシューティカルを包含する。
【0035】
一態様において、利益剤は、少なくとも1つのフレグランス成分を含み、任意にこれからなる。本発明に従ってカプセル化され得るフレグランス成分の包括的なリストは、香水の文献、例えば“Perfume & Flavor Chemicals”, S. Arctander (Allured Publishing, 1994)において見出すことができる。本発明に従うカプセル化されたフレグランス成分は、好ましくは、以下からなる群から選択されるフレグランス成分を含む:ACETYL ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニルアセタート);ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 MOA(2-メチルデカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA PURE(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE C 8 OCTYLIC(オクタナール);ALDEHYDE C 9 ISONONYLIC(3,5,5-トリメチルヘキサナール);ALDEHYDE C 9 NONYLIC FOOD GRADE(ノナナール);ALDEHYDE C 90 NONENYLIC((E)-ノナ-2-エナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALDEHYDE MANDARINE((E)-ドデカ-2-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート);ALLYL CAPROATE(プロパ-2-エニルヘキサノアート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(プロパ-2-エニルヘプタノアート);AMBER CORE(1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール);AMBERKETAL(3,8,8,11a-テトラメチルドデカヒドロ-1H-3,5a-エポキシナフト[2,1-c]オキセピン);AMBERMAX(1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベータ,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタル-エン-8-エタノール);AMBRETTOLIDE((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);AMBROFIX((3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);AMYL BUTYRATE(ペンチルブタノアート);AMYL CINNAMIC ALDEHYDE((Z)-2-ベンジリデンヘプタナール);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);ANETHOLE SYNTHETIC((E)-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン);ANISYL ACETATE(4-メトキシベンジルアセタート);APHERMATE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート);AUBEPINE PARA CRESOL(4-メトキシベンズアルデヒド);AURANTIOL((E)-メチル2-((7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクチリデン)アミノ)ベンゾアート);
BELAMBRE((1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン]);BENZALDEHYDE(ベンズアルデヒド);BENZYL ACETATE(ベンジルアセタート);BENZYL ACETONE(4-フェニルブタン-2-オン);BENZYL BENZOATE(ベンジルベンゾアート);BENZYL SALICYLATE(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);BERRYFLOR(エチル6-アセトキシヘキサノアート);BICYCLO NONALACTONE(オクタヒドロ-2H-クロメン-2-オン);BOISAMBRENE FORTE((エトキシメトキシ)-シクロドデカン);BOISIRIS((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン);BORNEOL CRYSTALS((1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);BOURGEONAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)プロパナール);BUTYL BUTYRO LACTATE(1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブタノアート);BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);BUTYL QUINOLINE SECONDARY(2-(2-メチルプロピル)キノリン);CAMPHOR SYNTHETIC((1S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン);CARVACROL(5-イソプロピル-2-メチルフェノール);CARVONE LAEVO((5R)-2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オン);CASHMERAN(1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン);CASSYRANE(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン);CEDRENE((1S,8aR)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CEDRYL ACETATE((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);CEDRYL METHYL ETHER((1R,6S,8aS)-6-メトキシ-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CETONE V((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ヘプタ-1,6-ジエン-3-オン);CINNAMIC ALCOHOL SYNTHETIC((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);CINNAMIC ALDEHYDE((2E)-3-フェニルプロパ-2-エナール);CINNAMYL ACETATE((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-イルアセタート);CIS JASMONE((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);CIS-3-HEXENOL((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);CITRAL TECH((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRATHAL R((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);CITRONELLAL(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール);CITRONELLOL EXTRA(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);CITRONELLYL FORMATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート);CITRONELLYL NITRILE(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル);CLONAL(ドデカンニトリル);CORANOL(4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);COUMARIN PURE CRYSTALS(2H-クロメン-2-オン);CRESYL ACETATE PARA((4-メチルフェニル)アセタート);CRESYL METHYL ETHER PARA(1-メトキシ-4-メチルベンゼン);CUMIN NITRILE(4-イソプロピルベンゾニトリル);CYCLAL C(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド);CYCLAMEN ALDEHYDE EXTRA(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);CYCLOGALBANATE(アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート);CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE(2-シクロヘキシルエチルアセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);CYCLOMYRAL(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド);CYMENE PARA(1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン);
DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE DELTA(1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オン);DECALACTONE GAMMA(5-ヘキシルオキソラン-2-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DELPHONE(2-ペンチルシクロペンタノン);DELTA-3 CARENE((1S,6S)-3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エン);DIHEXYL FUMARATE(ジヘキシル-ブタ-2-エンジオアート);DIHYDRO ANETHOLE(1-メトキシ-4-プロピルベンゼン);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);DIMETHYL ANTHRANILATE(メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート);DIMETHYL BENZYL CARBINOL DIMETHYL BENZYL CARBINOL(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート);DIMETHYL OCTENONE(4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DIPENTENE(1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン);DIPHENYL OXIDE(オキシジベンゼン);DODECALACTONE DELTA(6-ヘプチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);DODECALACTONE GAMMA(5-オクチルオキソラン-2-オン);DODECENAL((E)-ドデカ-2-エナール);DUPICAL((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール);EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ESTERLY(エチルシクロヘキシルカルボキシラート);ETHYL ACETATE(エチルアセタート);ETHYL ACETOACETATE(エチル3-オキソブタノアート);ETHYL CINNAMATE(エチル3-フェニルプロパ-2-エノアート);ETHYL HEXANOATE(エチルヘキサノアート);ETHYL LINALOO((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ETHYL LINALYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);ETHYL MALTOL(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン);ETHYL METHYL-2-BUTYRATE(エチル2-メチルブタノアート);ETHYL OCTANOATE(エチルオクタノアート);ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート);ETHYL PHENYL GLYCIDATE(エチル3-フェニルオキシラン-2-カルボキシラート);ETHYL SAFRANATE(エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート);ETHYL VANILLIN(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);ETHYLENE BRASSYLATE(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);EUGENOL(4-アリル-2-メトキシフェノール);EVERNYL(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート);
FENCHYL ACETATE((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);FENCHYL ALCOHOL((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);FENNALDEHYDE(3-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパナール);FIXAMBRENE(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン);FIXOLIDE(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);FLORALOZONE(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLORIDILE((E)-ウンデカ-9-エンニトリル);FLOROCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロパノアート);FLOROPAL(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン);FLOROSA HC(テトラヒドロ-4-メチル-2-(2-メチルプロピル)-2H-ピラン-4-オール);FRESKOMENTHE(2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン);FRUCTONE(エチル2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)アセタート);FRUITATE((3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート);FRUTONILE(2-メチルデカンニトリル);GALBANONE PURE(1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDENOL(1-フェニルエチルアセタート);GARDOCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル2-メチルプロパノアート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);GERANYL CROTONATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルブタ-2-エノアート);GERANYL ISOBUTYRATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル2-メチルプロパノアート);GIVESCONE(エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート);HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HELIOTROPINE CRYSTALS(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド);HERBANATE((2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート);HEXENAL-2-TRANS((E)-ヘキサ-2-エナール);HEXENOL-3-CIS((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);HEXENYL-3-CIS ACETATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルアセタート);HEXENYL-3-CIS BUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブタノアート);HEXENYL-3-CIS ISOBUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-メチルプロパノアート);HEXENYL-3-CIS SALICYLATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);HEXYL ACETATE(ヘキシルアセタート);HEXYL BENZOATE(ヘキシルベンゾアート);HEXYL BUTYRATE(ヘキシルブタノアート);HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE((E)-2-ベンジリデンオクタナール);HEXYL ISOBUTYRATE(ヘキシル2-メチルプロパノアート);HEXYL SALICYLATE(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);HYDROXYCITRONELLAL(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);
INDOFLOR(4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン);INDOLE PURE(1H-インドール);INDOLENE(8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISANTHEME((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRONE ALPHA((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISO E SUPER(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ISOAMYL ACETATE(3-メチルブチルアセタート);ISOAMYL BUTYRATE(3-メチルブチルブタノアート);ISOBUTYL METHOXY PYRAZINE(2-メチルプロピル3-メトキシピラジン);ISOCYCLOCITRAL(2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール);ISOJASMONE B 11(2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン);ISOMENTHONE DL(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン);ISONONYL ACETATE(3,5,5-トリメチルヘキシルアセタート);ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE(イソプロピル2-メチルブタノアート);ISOPROPYL QUINOLINE(6-イソプロピルキノリン);ISORALDEINE((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);JASMACYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート);JASMONE CIS((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);JASMONYL(3-ブチル-5-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);JASMOPYRANE FORTE(3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);JAVANOL((1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール);KOAVONE((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン);LAITONE(8-イソプロピル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);LEAF ACETAL((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン);LIFFAROME((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルメチルカルボナート);LILIAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール);#N/ALINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALOOL OXIDE(2-(5-メチル-5-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)プロパン-2-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);
MAHONIAL((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デセナール);MALTOL(3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン);MALTYL ISOBUTYRATE(2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル2-メチルプロパノアート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MAYOL((4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール);MEFROSOL(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);#N/A#N/AMERCAPTO-8-METHANE-3-ONE(メルカプト-パラ-メンタン-3-オン);METHYL ANTHRANILATE(メチル2-アミノベンゾアート);METHYL BENZOATE(メチルベンゾアート);METHYL CEDRYL KETONE(1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン);METHYL CINNAMATE(メチル3-フェニルプロパ-2-エノアート);METHYL DIANTILIS(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール);METHYL DIHYDRO ISOJASMONATE(メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタン-1-カルボキシラート);METHYL HEPTENONE PURE(6-メチルヘプタ-5-エン-2-オン);METHYL LAITONE(8-メチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);METHYL NONYL KETONE(ウンデカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート);METHYL PAMPLEMOUSSE(6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン);METHYL SALICYLATE(メチル2-ヒドロキシベンゾアート);MUSCENONE((Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン);MYRALDENE(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);MYRCENE(7-メチル-3-メチレンオクタ-1,6-ジエン);MYSTIKAL(2-メチルウンデカン酸);NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOBERGAMATE FORTE(2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート);NEOCASPIRENE EXTRA(10-イソプロピル-2,7-ジメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLEX((2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);NEROLIDOL((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール);NEROLIDYLE((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート);NEROLINE CRYSTALS(2-エトキシナフタレン);NEROLIONE(1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン);NERYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NIRVANOLIDE((E)-13-メチルオキサシクロペンタデカ-10-エン-2-オン);NONADIENAL((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール);NONADIENOL-2,6((2Z,6E)-2,6-ノナジエン-1-オール);NONADYL(6,8-ジメチルノナン-2-オール);NONALACTONE GAMMA(5-ペンチルオキソラン-2-オン);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NONENOL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エン-1-オール);NOPYL ACETATE(2-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)エチルアセタート);NYMPHEAL(3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール);OCTALACTONE DELTA(6-プロピルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);METHYL HEXYL KETONE(オクタン-2-オン);ORANGER CRYSTALS(1-(2-ナフタレニル)-エタノン);ORIVONE(4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン);
PANDANOL((2-メトキシエチル)ベンゼン);PARA TERT BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);PARADISAMIDE(2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド);PEACH PURE(5-ヘプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);PELARGENE(2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);PELARGOL(3,7-ジメチルオクタン-1-オール);PEONILE(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル);PETALIA(2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル);PHARAONE(2-シクロヘキシルヘプタ-1,6-ジエン-3-オン);PHENOXY ETHYL ISOBUTYRATE(2-(フェノキシ)エチル2-メチルプロパノアート);PHENYL ACETALDEHYDE(2-フェニル-エタナール);PHENYL ETHYL ACETATE(2-フェニルエチルアセタート);PHENYL ETHYL ALCOHOL(2-フェニルエタノール);PHENYL ETHYL ISOBUTYRATE(2-フェニルエチル2-メチルプロパノアート);PHENYL ETHYL PHENYL ACETATE(2-フェニルエチル2-フェニルアセタート);PHENYL PROPYL ALCOHOL(3-フェニルプロパン-1-オール);PINENE ALPHA(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン);PINENE BETA(6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン);PINOACETALDEHYDE(3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)プロパナール);PIVAROSE(2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート);POMAROSE((2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン);POMELOL(2,4,7-トリメチル-6-オクテン-1-オール);PRECYCLEMONE B(1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);PRENYL ACETATE(3-メチルブタ-2-エン-1-イルアセタート);PRUNOLIDE(5-ペンチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);RADJANOL SUPER((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);RASPBERRY KETONE(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);RHUBAFURAN(2,4-ジメチル-4-フェニルテトラヒドロフラン);ROSACETOL(2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセタート);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSE OXIDE(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSE OXIDE CO(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSYFOLIA(1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピルメタノール);ROSYRANE SUPER(4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);SAFRALEINE(2,3,3-トリメチル-1-インダノン);SAFRANAL(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエンカルバルデヒド);SANDALORE EXTRA(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);SCENTAURUS CLEAN(エチル(Z)-2-アセチル-4-メチルトリデカ-2-エノアート);SCENTAURUS JUICY(4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン);SERENOLIDE(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);SILVANONE SUPRA(シクロペンタデカノン、ヘキサデカノリド);SILVIAL(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);SPIROGALBANONE(1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);STEMONE((E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム);STYRALLYL ACETATE(1-フェニルエチルアセタート);SUPER MUGUET((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);
TERPINENE ALPHA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,3-ジエン);TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINEOL(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINEOL ALPHA(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-オール);TERPINEOL PURE(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TERPINYL ACETATE(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルアセタート);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TETRAHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタン-2-オール);THIBETOLIDE(オキサシクロヘキサデカン-2-オン);THYMOL(2-イソプロピル-5-メチルフェノール);TOSCANOL(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン);TRICYCLAL(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);TRIFERNAL(3-フェニルブタナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);UNDECATRIENE((3E,5Z)-ウンデカ-1,3,5-トリエン);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);VANILLIN(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド);VELOUTONE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);VELVIONE((Z)-シクロヘキサデカ-5-エノン);VIOLET NITRILE((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエンニトリル);YARA YARA(2-メトキシナフタレン);ZINARINE(2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン);BOIS CEDRE ESS CHINE(シダーウッド油);EUCALYPTUS GLOBULUS ESS CHINA(ユーカリ油);GALBANUM ESS(ガルバナム油);GIROFLE FEUILLES ESS RECT MADAGASCAR(丁子油);LAVANDIN GROSSO OIL FRANCE ORPUR(ラバンディン油);MANDARIN OIL WASHED COSMOS(マンダリン油);ORANGE TERPENES(オレンジテルペン);PATCHOULI ESS INDONESIE(パッチュリ油);およびYLANG ECO ESSENCE(イラン油)。これらのフレグランス成分は、それらの有利な親油性および嗅覚性能のおかげで、安定でありかつ性能を発揮できるマイクロカプセルを得ることにとりわけ好適である。
【0036】
本発明の一態様において、フレグランス成分の75%超、好ましくは80%超、なおより好ましくは85%超、なおさらにより好ましくは90%超、なおよりさらにより好ましくは95%超が生分解性であり、かつ、以下からなる群から選択される:ACETYL ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニルアセタート);ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE C 8 OCTYLIC(オクタナール);CYCLAMEN ALDEHYDE EXTRA(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(プロパ-2-エニルヘプタノアート);AMBRETTOLIDE((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);AMBROFIX((3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);AUBEPINE PARA CRESOL(4-メトキシベンズアルデヒド);BENZYL ACETATE(ベンジルアセタート);BENZYL SALICYLATE(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);
CARVACROL(5-イソプロピル-2-メチルフェノール);CEDRENE((1S,8aR)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CEDRYL ACETATE((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);CEDRYL METHYL ETHER((1R,6S,8aS)-6-メトキシ-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CITRAL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRONELLOL(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);CRESYL METHYL ETHER PARA(1-メトキシ-4-メチルベンゼン);CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE(2-シクロヘキシルエチルアセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DECALACTONE GAMMA(5-ヘキシルオキソラン-2-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DIHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);DIPHENYL OXIDE(オキシジベンゼン);DIHYDRO ANETHOLE(1-メトキシ-4-プロピルベンゼン);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIMETHYL ANTHRANILATE(メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DODECALACTONE DELTA(6-へプチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);DODECALACTONE GAMMA(5-オクチルオキソラン-2-オン);DODECENAL((E)-ドデカ-2-エナール);EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ETHYL HEXANOATE(エチルヘキサノアート);ETHYL METHYL-2-BUTYRATE(エチル2-メチルブチラート);ETHYL MALTOL(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン);ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート);ETHYL VANILLIN(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);ETHYLENE BRASSYLATE(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);EUGENOL(4-アリル-2-メトキシフェノール);EVERNYL(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート);
FIXAMBRENE(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLORIDILE((E)-ウンデカ-9-エンニトリル);GALBANONE PURE(1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDENOL(1-フェニルエチルアセタート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HEXENAL-2-TRANS((E)-ヘキサ-2-エナール);HEXENOL-3-CIS((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);HEXENYL-3-CIS ACETATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルアセタート);HEXENYL-3-CIS SALICYLATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);HEXYL ACETATE(ヘキシルアセタート);INDOLENE(8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISANTHEME((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISOAMYL ACETATE(3-メチルブチルアセタート);ISOAMYL BUTYRATE(3-メチルブチルブタノアート);ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール);ISOJASMONE B 11(2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン);ISORALDEINE((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);JASMONYL(3-ブチル-5-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);LAITONE(8-イソプロピル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);LEMONILE((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル);LINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALOOL OXIDE(2-(5-メチル-5-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)プロパン-2-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MAYOL((4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール);MEFROSOL(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);MERCAPTO-8-METHANE-3-ONE(メルカプト-パラ-メンタン-3-オン);METHYL ANTHRANILATE(メチル2-アミノベンゾアート);METHYL BENZOATE(メチルベンゾアート);METHYL DIANTILIS(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール);METHYL HEPTENONE PURE(6-メチルへプタ-5-エン-2-オン);METHYL LAITONE(8-メチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート);METHYL SALICYLATE(メチル2-ヒドロキシベンゾアート);
NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLEX((2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);NEROLIDOL((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール);NEROLINE CRYSTALS(2-エトキシナフタレン);NEROLIONE(1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン);NERYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NONADIENAL((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NONENOL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エン-1-オール);NYMPHEAL(3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール);OCTALACTONE DELTA(6-プロピルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);ORANGER CRYSTALS(1-(2-ナフタレニル)-エタノン);PARA TERT BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);PEACH PURE(5-へプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);PELARGOL(3,7-ジメチルオクタン-1-オール);PHENYL ETHYL ACETATE(2-フェニルエチルアセタート);PINENE ALPHA(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]へプタ-2-エン);PINENE BETA(6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン);POMAROSE((2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン);POMELOL FF(2,4,7-トリメチル-6-オクテン-1-オール);PRENYL ACETATE(3-メチルブタ-2-エン-1-イルアセタート);PRUNOLIDE(5-ペンチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);RASPBERRY KETONE(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSE OXIDE CO(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSYRANE SUPER(4-メチル-2-フェニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン);SAFRANAL(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエンカルバルデヒド);SCENTAURUS JUICY(4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン);SILVIAL(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);STYRALLYL ACETATE(1-フェニルエチルアセタート);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);
TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINEOL(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TOSCANOL(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);TRIFERNAL(3-フェニルブタナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);YARA YARA(2-メトキシナフタレン);BOIS CEDRE ESS CHINE(シダーウッド油);EUCALYPTUS GLOBULUS ESS CHINA(ユーカリ油);GALBANUM ESS(ガルバナム油);GIROFLE FEUILLES ESS RECT MADAGASCAR(丁子油);LAVANDIN GROSSO OIL FRANCE ORPUR(ラバンディン油);MANDARIN OIL WASHED COSMOS(マンダリン油);ORANGE TERPENES(オレンジテルペン);PATCHOULI ESS INDONESIE(パッチュリ油);およびYLANG ECO ESSENCE(イラン油)。
【0037】
前記成分は、いずれも前記生分解性基準の少なくとも1つを満たすだけでなく、それらの物理的および化学的性質、たとえば親油性、分子サイズおよびシェル材料に対する反応性に関して、カプセル化に適していることが確認されている。それらは、したがって、より持続可能なフレグランスのカプセルを、容易におよび確実に提供するための香水成分の有用な選択肢を提供する。
【0038】
一態様において、利益剤は、少なくとも1つのフレグランス前駆体(温度の変化、酸化剤の存在、酵素の作用または光の作用などの刺激の手段によってフレグランス成分を放出することを可能とする材料を意味する)を含んでもよい。かかるフレグランス前駆体は、当該技術分野に周知である。
【0039】
一態様において、利益剤は、少なくとも1つの機能性化粧品成分を含んでもよい。カプセル化された組成物における使用のための機能的化粧品成分は、好ましくは疎水性である。任意に、化粧品成分は、1.5以上、任意に3以上の、オクタノール/水分配係数(ClogP)計算値を有する。代替的に、化粧品成分のClogPは、2~7である。
【0040】
特に有用な機能的化粧品成分は、エモリエント、スムージング成分、ハイドレーティング成分、スージングおよびリラックス成分、デコレーション成分、デオドラント、アンチエイジング成分、細胞再生(cell rejuvenating)成分、ドレイニング成分、リモデリング成分、スキンレベリング成分、防腐剤、抗酸化剤、抗菌または静菌成分、洗浄成分、潤滑成分、構造化成分、ヘアコンディショニング成分、美白成分、テクスチャー成分、柔軟成分、フケ防止成分、および角質除去成分からなる群から選択してもよい。
【0041】
好適な機能的化粧品成分の例は、これらに限定されないが、以下を包含する:アルキルジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、スチレン-エチレン-スチレンおよびスチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー等、などの疎水性ポリマー;水素化されたイソパラフィン、シリコーン油等、などの鉱油;アルガン油、ホホバ油、アロエベラ油等、などの植物油;脂肪酸および脂肪アルコールおよびそれらのエステル;糖脂質;リン脂質;セラミドなどのスフィンゴ脂質;ステロールおよびステロイド;テルペン、セスキテルペン、トリテルペンおよびそれらの誘導体;アルニカ油、アルテミシア油、バークツリー油、バーチリーフ油、カレンデュラ油、シナモン油、エキナセア油、ユーカリ油、ジンセン油、ナツメ油、ヘリアンサス油、ジャスミン油、ラベンダー油、ロータスシード油、シソ油、ローズマリー油、サンダルウッド油、ティーツリー油、タイム油、バレリアン油、アブサン油、イランイラン油、およびユッカ油などの精油。
【0042】
とりわけ、当該少なくとも1つの機能的化粧品成分は、Fusanus Spicatusカーネルオイルなどのサンダルウッドオイル;トリ酢酸パンテニル;酢酸トコフェロール;トコフェロール;ナリンギニン;リノール酸エチル;酢酸ファルネシル;ファルネソール;シトロネリルメチルクロトン酸;およびセラミド-2(1-ステアロイル-C18-スフィンゴシン、CAS番号:100403-19-8)からなる群から選択されてもよい。
【0043】
一態様において、利益剤は、臭気の吸着によって、悪臭およびその知覚を抑制または低減する剤、温暖または冷却効果を与える剤、防虫剤または紫外線吸収剤を含んでもよい。
【0044】
マイクロカプセル組成物
本発明のマイクロカプセルは、コアシェルマイクロカプセルの形態で提示され、ここで利益剤を含むコアは、シェル材料内にカプセル化される。
コアシェルマイクロカプセル組成物は、一般にスラリー、すなわち60wt-%程度の水をどこかを含んでもよい水媒体中のマイクロカプセルの分散または懸濁、の形態で提供される。必要に応じて、スラリーを乾燥させて、粉末またはケーキの形態でマイクロカプセル組成物を提供することができ、これは、一般的に5wt-%前後の水を含む。
【0045】
一態様において、コアシェルマイクロカプセルのシェルは、本明細書に定義されるとおり、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリラート、ポリカーボナートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0046】
熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、典型的には、アミン、イソシアナート、アルコールまたはフェノール、クロロカルボン酸、(メタ)アクリラート、エポキシド、シランおよびアルデヒドなどの多官能性モノマーを反応させることによって得られる。
【0047】
アミノプラスト、ポリウレアおよびポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂およびその組み合わせが、コアシェルマイクロカプセルの調製において、シェル材料として一般的に使用される。それらは、水性懸濁液に分散させた場合の、界面活性剤含有媒体においても、漏洩防止効果が特に評価されている。
【0048】
一態様において、シェルは、メラミン-ホルムアルデヒドポリマーを含んでもよい。このタイプのコアシェルカプセルは、利益剤カプセル化に特に適していることが証明されており、例えば、WO 2008/098387 A1、WO 2016/207180 A1、WO 2017/001672 A1に記載されている。
【0049】
一態様において、シェルは、ポリウレアまたはポリウレタンポリマーを含んでもよい。また、このタイプのコアシェルカプセルは、利益剤カプセル化に成功しており、組成物中の残留ホルムアルデヒドに関する消費者の懸念に対処できるという利点を有する。かかるカプセルは、例えばWO 2019/174978 A1にも記載されている。
【0050】
一態様において、シェルは、ポリアクリラート、1以上の重合形態のモノエチルエニカル不飽和および/またはポリエチルエニカル不飽和モノマーを含んでもよい。このタイプのコアシェルカプセルは、利益剤カプセル化にも成功している。かかるカプセルは、例えばWO 2013/111912 A1またはWO 2014/032920 A1において、先行技術で説明されている。
【0051】
ポリマー安定剤
シェルは、ポリマー界面活性剤と少なくとも1つのアミノシランとの組み合わせによって形成されるポリマー安定剤を含んでもよい。シェルはさらに、多糖、好ましくはベータ(1→4)連結単糖単位を含む多糖、さらに好ましくはセルロース誘導体、特にヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロースおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択され、好ましくはヒドロキシエチルセルロースを含んでもよい。
【0052】
用語「ポリマー界面活性剤」は、油相および水相の一方または両方に溶解した場合に、油相と水相との界面張力を低下させる性質を有するポリマーまたは少なくとも1つのポリマーを含む混合物をいう。この界面張力を下げる機能を「界面活性」という。
【0053】
本文脈における、用語「組み合わせによって形成される」は、ポリマー界面活性剤および少なくとも1つのアミノシランが互いに接触して、ポリマー安定剤を生成することを意味する。理論によって拘束されることは望まないが、この形成は分散力、静電力または水素結合などの、ポリマー界面活性剤と少なくとも1つのアミノシランとの相互作用の結果である可能性がある。厳密な意味では、共有結合を形成する化学反応もこの用語に網羅される。
【0054】
換言すれば、ポリマー安定剤は、ポリマー界面活性剤由来の部分および少なくとも1つのアミノシラン由来の部分を含む集合体とみなすことができる。
ポリマー界面活性剤は、水相または水にそれぞれ、可溶または分散可能である。これは、個々のポリマー界面活性剤巨大分子がこれらの液体中で実質的に互いに分離されていることを意味する。その結果得られるシステムは、人間の目で検査すると透き通っているかまたは霞んで見える。
【0055】
ポリマー安定剤は、貯蔵中の利益剤漏洩および使用条件下での利益剤放出の両方に関して、マイクロカプセルの安定性のバランスに関係のある要因となり得る。特に、油水界面の追加安定化を提供することの重要性が認識されている。ポリマー安定剤は、したがって、安定したプラットフォームを提供し、これは、さらなるシェル材料および/またはシェル前駆体の添加を可能にして、新規カプセル化利益剤組成物を形成する。具体的には、多糖、好ましくはベータ(1→4)連結単糖単位を含む多糖、さらに好ましくはセルロース誘導体の添加が、優れた放出プロファイルを有する持続性の高いマイクロカプセルをもたらす。
【0056】
多糖は、ポリマー安定剤によって形成されたカプセルシェルの外面に沈着してもよい。これは、少なくとも1層のポリマー安定剤および1層の多糖を有する多層シェルをもたらす。カプセル化材の量を増やすことで、カプセル化シェルの不浸透性を改善することもある。
【0057】
曖昧さを避けるために、本発明は、鋭角的に定義された個別的な層を有するシェルに限定されないが、これは1つの可能な態様である。より具体的には、層は段階的で個別的ではない場合もある。一方、その反対の極端では、シェルは本質的に均質であることさえある。
【0058】
多糖は、ポリマー安定剤の未反応基と反応し、架橋シェルの密度を増大させることもある。多糖は、水素結合、イオン相互作用、疎水性相互作用、電子移動相互作用などの物理的力、物理的相互作用によってもポリマー安定剤と相互作用することがある。
【0059】
多糖をさらに含むシェルは、安定化剤でさらに安定化できる。好ましくは、安定化剤は、少なくとも2のカルボキシル基を含む。さらにより好ましくは、安定化剤は、クエン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、イタコン酸、ポリ(イタコン酸)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
本発明の特定の態様において、ポリマー界面活性剤は、カルボキシラート基を含む多糖を含み、特にこれからなる。かかるポリマー界面活性剤を少なくとも1つのアミノシランと組み合わせると、特に環境および資源保護の面で、先行技術で知られていた安定化剤よりもより持続可能である、ポリマー安定化剤が形成されることが見出された。理論によって拘束されることは望まないが、カルボキシラート基は、少なくとも1つのアミノシランと上で言及した様式で、相互作用する可能性があると考えらる。
【0061】
カルボキシラート基を含む多糖は、ウロン酸ユニット、とりわけヘキスロン酸ユニットを含み得る。ウロン酸ユニット、とりわけヘキスロン酸ユニットを有する多糖は、自然界で広く入手可能である。
【0062】
ヘキスロン酸ユニットは、ガラクツロン酸ユニット、グルクロン酸ユニット、とりわけ4-O-メチル-グルクロン酸ユニット、グルクロン酸ユニットおよびマンヌロン酸ユニットからなる群から選択される。
【0063】
カルボキシラート基を含む多糖は、分岐であってもよい。カルボキシラート基を含む分岐状の多糖は、直鎖状の多糖よりもコンパクトなネットワークを形成する利点を有し、したがって、カプセル化シェルの不浸透性が有利になり、結果として現象した漏れおよびより高いカプセル化効率をもたらすこともある。
【0064】
ポリマー界面活性剤は、ペクチン、アラビアガムおよびアルギン酸塩から選択できる。これらの多糖は、溶解性、粘度および界面活性の最も好適な組み合わせを提供し、これは、取り扱い、保管安定性および嗅覚性能の面でマイクロカプセルを特に優れたものにする。ポリマー界面活性剤はまた、ヒアルロン酸であってもよい。
【0065】
カルボキシラート基は、対応するカルボン酸塩、とりわけ対応するナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムカルボン酸塩の形態で少なくとも部分的に存在することができる。
本発明の具体的な態様において、ポリアニオンは、ペクチン、アラビアガムおよびアルギナートからなる群から選択される。
【0066】
ペクチンのなかで、カルボキシラート基は、対応するメチルエステルの形態で部分的に存在することができる。対応するメチルエステルの形態で存在するカルボキシラート基のパーセンテージは、3%~95%、好ましくは4%~75%、より好ましくは5~50%であることができる。50%以上が対応するメチルエステルの形態で存在するカルボキキシル基を含むペクチンは、「高メトキシル化」と称される。50%未満が対応するメチルエステルの形態で存在するカルボキシラート基を含むペクチンは、「低メトキシル化」と称される。
【0067】
アラビアガムの2つのバリアント、すなわちガムアカシアSenegalおよびガムアカシアSeyalのうち、ガムアカシアSenegalは、ガムアカシアSenegalにおける高いレベルのグルクロン酸のおかげで好ましい。
【0068】
ポリマー安定剤の形成において用いられるアミノシランは、式(I)で表される化合物から選択することができる。
Si(R1)(R2)f(OR3)(3-f) 式(I)
式中、R1は、アミン官能基を含む直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル残基であり;R2は、それぞれ独立して、1~4炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基であり;R3は、それぞれ独立して、H、または1~4炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基であり;およびfは、0、1または2である。
【0069】
シラン基は互いに多縮合反応を起こして油/水界面にシリカネットワークを形成し、この界面をさらに安定化することもある。
一態様において、R2およびR3は、それぞれ独立してメチルまたはエチルである。
一態様において、fは、0または1である。
【0070】
一態様において、R1は、アミン官能基を含むC1~C12の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル残基である。任意に、R1は、アミン官能基を含むC1~C4の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル残基である。
一態様において、アミン官能基は、一級アミン、二級アミンまたは三級アミンである。
【0071】
一態様において、少なくとも1つのアミノシランは、二峰性アミノシランである。「二峰性アミノシラン」は、少なくとも1つのアミノ基および2つの残基を含み、それらの残基の各々が少なくとも1つのアルコキシシラン部分を有する分子を意味する。二峰性アミノシランは、従来のアミノシランと比較して、安定した油-水界面を形成するために特に有利である。理論によって拘束されることは望まないが、この有益な役割は、二峰性アミノシランの分子内のシランの部分の特定の双方向配列により、油水界面でより緊密に連結されたシリカネットワークの形成が可能になるためと考えられている。
【0072】
一態様において、二峰性アミノシランは式(II)の化合物である。
(O-R
3)
(3-f)(R
2)
fSi-R
4-X-R
4-Si(O-R
3)
(3-f)(R
2)
f 式(II)
式中、Xは、-NR
5-、-NR
5-CH
2-NR
5-、-NR
5-CH
2-CH
2-NR
5-、-NR
5-CO-NR
5-、または
【化1】
であり、
R
2は、各々独立して、1~4炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
R
3は、各々独立して、Hまたは1~4炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基である。
R
4は、各々独立して、1~6炭素原子を有する直鎖または分岐アルキレン基である。
R
5は、それぞれ独立して、H、CH
3またはC
2H
5であり;および
fは、それぞれ独立して、0、1または2である。
【0073】
一態様において、R2は、CH3またはC2H5である。
一態様において、R3は、CH3またはC2H5である。
一態様において、R4は、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2-CH2-CH2-CH2-である。
一態様において、R5は、HまたはCH3である。
一態様において、fは、0または1である。
【0074】
好適な二峰性アミノシランの例は、これらに限定されないが、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミン、N,N’-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)尿素、ビス(3-(メチルジエトキシシリル)プロピル)アミン、N,N’-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エタン-1,2-ジアミン、ビス(3-(メチルジメトキシシリル)プロピル)-N-メチルアミンおよびN,N’-ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ピペラジンを包含する。
【0075】
一態様において、二峰性アミノシランは、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンであり、これはエトキシシラン基の多縮合の間に、より有毒で好ましくないメタノールの代わりにエタノールを放出するという利点を有する。
【0076】
二峰性アミノシランは、二級アミノシランであることができる。一級アミノシランの代わりの二級二峰性アミノシランを使用することは、求電子性種、とりわけアルデヒドに対するポリマー安定剤の反応性を低下させる。ゆえに、高レベルのアルデヒドを含有する利益剤を、コア-形成材料およびシェル-形成材料に間の有害な相互作用の低い傾向で、カプセル化してもよい。
【0077】
他のアミノシランを、先述の二峰性アミノシラン、とりわけ本明細書で上述したアミノシランと組み合わせても使用することができる。
アミノシランとポリマー界面活性剤の重量比は、0.1~1.1、特に0.2~0.9、さらには0.3~0.7、例えば0.5であることができる。
【0078】
ポリマー安定剤は、ポリマー界面活性剤の、少なくとも1つのアミノシランと、さらに多官能性イソシアナートとの組み合わせにより形成することができる。多官能性イソシアナートは、油/水界面におけるポリマー界面活性剤の配列を高密度化することもある。理論によって拘束されることは望まないが、多官能性イソシアナートは、ポリウレアおよびポリウレタン結合を形成することによって、アミノシランおよび多糖の両方を架橋すると考えられる。
【0079】
多官能性イソシアナートは、イソシアナート基が、有機残基(R-N=C=OまたはR-NCO)に結合した有機イソシアナートから選択してもよい。多官能性イソシアナートは、2以上(例として3、4、5等々)のイソシアナート基を分子中に有する、アルキル、脂環式、芳香族およびアルキル芳香族、ならびにアニオン性に修飾された多官能性イソシアナートから選択してもよい。
【0080】
好ましくは、少なくとも1つの多官能性イソシアナートは、芳香族またはアルキル芳香族多官能性イソシアナートであり、アルキル芳香族多官能性イソシアナートは、好ましくは芳香環に付いたメチルイソシアナート基を有する。芳香族およびメチルイソシアナート-置換アルキル芳香族多官能性イソシアナートは両方とも、アルキルおよび脂環式多官能性イソシアナートと比較して秀でた反応性を有する。これらの中でも、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナトメチル)フェニル)カルバマート)は、分子間架橋の形成に有利なその三峰性の性質のおかげで、およびネットワーク均一性に有利なその中間体反応性のおかげで特に好ましい。このアルキル芳香族多官能性イソシアナートは、市販されており、MitsuiによりTakenate D-100 Nの商標で販売されているか、またはCovestroによりDesmodur(登録商標)Quix175の商標で販売されている。
【0081】
芳香族またはアルキル芳香族多官能性イソシアナートの代替として、油/水界面で、さらには油/水界面に近い水相において反応するかかる多官能性イソシアナートの能力のおかげで、アニオン性に修飾された多官能性イソシアナートを添加することも有利でありえる。特に好適なアニオン性に修飾された多官能性イソシアナートは、式(III)を有する。
【化2】
式(III)
【0082】
式(III)は、市販のアニオン性に修飾されたポリイソシアナートを示し、これは、CovestroによりBayhydur(登録商標)XP2547の商標で販売されているヘキサメチレンジイソシアナートの修飾イソシアヌレートである。
本発明の好ましい態様において、多官能性イソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナトメチル)フェニル)カルバマート)である。
【0083】
本発明の特に好ましい態様において、ペクチンのビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンとの組み合わせによりポリマー安定剤が形成される。好ましくは、ポリマー安定剤は、ペクチンのビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンおよび2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス(((3-(イソシアナトメチル)フェニル)カルバマート)との組み合わせにより形成される。これらの天然ポリマー界面活性剤と二峰性二次アミノシランとの組み合わせは、特に有利な界面の安定性および放出特性を提供する。安定化された界面は、コアに含まれた少なくとも1の利益剤を効果的にカプセル化するために充分に不浸透性である。ポリマー安定剤は、コアに含まれた利益剤をカプセル化したシェルを効果的に形成する。
【0084】
コアセルベート
さらなる代替として、一態様において、シェルは少なくとも1つのタンパク質および少なくとも1つの多糖で形成された複合コアセルベートを含むことができる。かかるコアシェルカプセルは、利益剤カプセル化に適していることが証明されており、例えばWO 1996/020612 A1、WO 2001/03825 A1またはWO 2015/150370 A1に記載されている。
【0085】
少なくとも1つのタンパク質を第1の架橋剤で架橋すると、複数のコア組成物液滴を含む、安定したコア組成物エマルジョンの形成に繋がる。これらは液滴が合体するのを防ぐという点でエマルジョンを安定させる。これらの安定化液滴は、マイクロカプセル化がさらに行われるテンプレートとして機能する。理論によって拘束されることは望まないが、少なくとも1つのタンパク質の第1の架橋剤との架橋反応は、コア組成物液滴の周囲に第1のシェルを形成するためにコア組成物-水相界面で界面重合として、または単純なコアセルベートの形成によって起こることができる。また、これらの2つのプロセス間の連続も可能である。
【0086】
本発明の具体的な態様において、シェルは、単純なコアセルベートを形成するために少なくとも1つのタンパク質を第1の架橋剤で架橋することにより、形成される。
「コアセルベート」は、高分子電解質が豊かな液滴が、水性の、高分子電解質に乏しい連続相と共存していることを意味する。液滴は、界面で凝集し、界面層を形成する。
【0087】
本発明の文脈において、コアセルベート液滴は、コア組成物および水相の間の界面で凝集する。その結果、水中の安定なコア組成物エマルジョンが形成され、これは、複数のコア組成物の液滴を含み、各液滴はコアセルベート液滴に取り囲まれる。これらは液滴の合体を防ぐという点でエマルジョンを安定させる。
【0088】
「単純なコアセルベート」は、本文脈において、単一の高分子電解質を含む界面層の形成を意味する。
「複合コアセルベーション」は、高分子電解質の混合物を含む界面層の形成を意味する。
【0089】
単純または複合コアセルベーションの現象は、光学顕微鏡で観察することができ、ここで、コア組成物の液滴の周りにリングが出現することによって示される。このリングは、先述の高分子電解質が豊かな相からなり、これを取り囲む水相とは異なる屈折率を有する。
【0090】
高分子電解質のコアセルベーションは、一般に、高分子電解質をその等電点、つまり高分子電解質の正味電荷がゼロまたはゼロに近い点に近づけることで誘導される。これは、塩濃度または媒体のpHを変えることで達成できる。複合コアセルベーションにおいて、高分子電解質の一方が全体的に正の電荷(ポリカチオン)を有し、他方の高分子電解質が全体的に負の電荷(ポリアニオン)を有するpHで複合化が起こり、複合体の全体的な電荷は中性になる。
【0091】
最初にコア組成物/水相界面で架橋タンパク質を、特に単純なコアセルベートとして構築し、次にこの架橋タンパク質を第2の高分子電解質、すなわち少なくとも1つの多糖と複合コアセルベートすると、増強した不浸透性を有するシェルが形成されることが見出されてた。特に、シェルは、低分子量材料、すなわち250g/molよりも低い分子量を有する材料、たとえば利益剤に対して増強された不浸透性を示す。
【0092】
さらにまた、従来のコアセルベートマイクロカプセルと比較して、かかるプロセスで得られたカプセルは、液体消費者製品、特にファブリックケアコンディショナーなどの水ベースの消費者製品において増大した安定性を示す。
【0093】
さらに、本出願人は、前述のプロセスを実施することにより、従来の複合コアセルベーションと比較して、マイクロカプセルのサイズをより適切に制御できることを見出した。特に、75μm未満のサイズのマイクロカプセルを得ることが可能となる。これは先行技術で報告されたマイクロカプセルのサイズよりもはるかに低い。また、75μm未満のサイズを有するマイクロカプセルは、より大きなマイクロカプセルよりも、リンスオフアプリケーションの間に基質に良好に堆積することが知られており、これははるかに有利である。
【0094】
シェルは、少なくとも1つのタンパク質と多官能性求核剤とを第1の架橋剤で架橋して形成してもよい。架橋プロセスにおいて、多官能性求核剤を添加することにより、上記の液体消費者製品製剤におけるカプセルの安定性がさらに改善することが見い出された。
【0095】
本発明のこの側面に特に適したタンパク質は、ゼラチン、ホエイタンパク質、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、カゼインおよびアルブミン、例えばウシ血清アルブミンを包含する。
好ましい態様において、少なくとも1つのタンパク質はゼラチンであり、好ましくはタイプBゼラチンである。タイプBゼラチンは、コラーゲンのアルカリ処理から得られ、弱酸性条件下で負に帯電した多糖などのアニオン性高分子電解質と複合体を形成する能力でよく知られている。
【0096】
ゼラチンは通常、所謂「ブルーム強度」によって特徴付けられる。本文脈において、ブルーム強度は、米国ゼラチン製造者協会(Gelatin Manufacturers Institute of America, Inc.)の公式手順書、2019年改訂、Chapter 2.1に従って、いわゆる「ブルーム・ゲロメーター(Bloom Gelometer)」によって測定される、ゼラチンフィルムの剛性を指す。この手順に従って、Bloomで表されるブルーム強度は、直径12.5mmの標準化されたプランジャーを、4mmの深さまで、制御された条件下で、すなわち、標準化された瓶の中で、60℃の脱イオン水に6.67wt.-%のゼラチンを溶解し、10℃で17時間ゲルを形成させることによって調製されたゼラチンゲル中に垂直に移動させるのに必要な、gで表される重量に等しい。重量が大きいほど、試験されたゲルの作製に使用したゼラチンのブルーム強度が高い。
【0097】
好ましい態様において、タイプBゼラチンは、200~250Blomのブルーム強度を有する。ブルーム強度が低すぎる場合、ゲルは機械的に弱く、そこから得られるコアセルベートはコア組成物の周囲にゼラチンが豊かな相の自立層を形成しない可能性がある。ブルーム強度が高すぎると、コアセルベートおよびそこから得られるゼラチンが豊かな相が脆くなりすぎる。
【0098】
タイプBゼラチンは、魚類から得られるものであり得、なぜなら、魚類ゼラチンは、主に健康上の懸念、社会的背景または宗教的規則により、牛肉または豚肉ゼラチンよりも消費者により良く受け入れられるからである。
代替的に、タンパク質は、植物性タンパク質、特にヴィーガンであるという利点を持つピータンパク質および/または大豆タンパク質であってもよい。
【0099】
好ましい態様において、第1の架橋剤は、三官能性アルキル芳香族イソシアナートである。先に述べたように、および理論によって拘束されることは望まないが、本出願人は、アルキル芳香族イソシアナート基は、反応性の高い芳香族イソシアナートおよび反応性の乏しい脂肪族イソシアナートに比べて中間的な反応性を有するという利点があると考えている。
【0100】
より好ましくは、三官能性アルキル芳香族イソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールまたは2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオールと、1-イソシアナート-2-(イソシアナトメチル)ベンゼン、1-イソシアナト-3-(イソシアナトメチル)ベンゼンおよび/または1-イソシアナト-4-(イソシアナトメチル)-ベンゼンとの付加体である。
【0101】
特に好ましい態様において、三官能性アラリファチンイソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールの1-イソシアナト-3-(イソシアナトメチル)ベンゼンとの付加体である。2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールの1-イソシアナト-3-(イソシアナトメチル)ベンゼンとの付加体は、Takenate D110-N(ex Mitsui Chemicals)またはQuix 175(ex Covestro)の商品名で市販されている。
多官能性求核剤は、ポリアミン、特にジアミンおよびトリアミン、ポリオール、尿素、ウレタンおよびチオールからなる群から選択することができる。
【0102】
特に、多官能性求核剤は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,3-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、ビス(ヘキサンエチレン)トリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、キトサン、ナイシン、アルギニン、リジン、オルニチン、ビウレット、N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、分岐ポリエチレンイミン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2,2’-エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、および4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミンレゾルシノールからなる群から選択することができる。
【0103】
さらにまた、多官能性求核剤は、グアニジン、グアニジン塩(例えば炭酸グアニジンまたは塩酸グアニジン)、1,3-ジアミノ-グアニジン、1,1-ジメチルビグアニドおよび2,4,6-トリアミノピリミジングアナゾールからなる群から選択することができる。
【0104】
多官能性求核剤は、芳香族ポリアミン、好ましくはアリールアルキルアミン、たとえばm-キシリレンジアミンまたはp-キシリレンジアミンであることができる。
さらまたに、多官能性求核剤はまた、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4-シクロヘキサンビスメチルアミン、イソフォロンジアミンまたは1,4-ジアザシクロヘプタンなどのシクロ脂肪族ジアミンであることもできる。
【0105】
さらに、多官能性求核剤は、ポリフェノールまたは多糖などのポリオール、特にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセロール、ポリグリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ポリグリシトール、ポリフェノール、およびタンニン酸から選択することができる。
【0106】
本発明の好ましい態様において、多官能性求核剤はメラミンおよび尿素からなる群から選択される。
好ましくは、多官能性求核剤は水溶性である。
本発明の好ましい態様において、多官能性求核剤、特にメラミンの、少なくとも1つのタンパク質、特にゼラチンに対する重量比は、0.01~1.0、好ましくは0.05~0.5、さらに好ましくは0.08~0.2、よりさらに好ましくは0.1~0.15である。
【0107】
好ましい態様において、少なくとも1つの多糖は、好ましくはカルボキシレート基を含む。カルボキシラート基を含む多糖は、タンパク質との、とりわけタイプBゼラチンとの複合コアセルベーションに特に好適である。これは、これらの多糖の正味の電荷がpHを調整することによって調整され、両性タンパク質との複合化が促進されることに起因する。複合化は、タンパク質が全体として正の電荷を持つpHで起こるのに対し、多糖は全体として負の電荷を持つため、複合体の全体的な電荷は中性となる。これらの多糖は、ネイティブな多糖、すなわち自然界からの多糖を包含する。これらの多糖の1価アルカリ金属塩もまた、使用してもよい。
【0108】
とりわけ、少なくとも1つの多糖は、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、アルギン酸、ペクチン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ゼランガムおよびこれらの1価アルカリ金属塩からなる群から選択される。カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびアラビアガムが特に好ましい。
アラビアガムの2つのバリアント、すなわちガムアカシアSenegalおよびガムアカシアSeyalのうち、ガムアカシアSenegalは、ガムアカシアSenegalにおける高いレベルのグルクロン酸のおかげで好ましい。
【0109】
少なくとも1つの多糖は、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択することができ、ここで、カルボキシメチルセルロースおよび/またはカルボキシメチルセルロースナトリウムは、50’000~250’000g/mol、好ましくは75’000~125’000g/molの分子量、および0.5~1.0、好ましくは0.6~0.8の置換度を有する。
【0110】
好ましい態様において、シェルの不浸透性および安定性は、第2の架橋剤で複合コアセルベートを架橋することによりさらに改善されることもある。特に好ましい態様において、第2の架橋剤は、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ベンゼン-1,2-ジアルデヒド、ベンゼン-1,3-ジアルデヒド、ベンゼン-1,4-ジアルデヒド、ピペラジン-N,N-ジアルデヒド、および2,2’-ビピリジル-5,5’-ジアルデヒドからなる群から選択される二官能性アルデヒドである。二官能性アルデヒドは、タンパク質の有効な架橋剤として知られている。
【0111】
これに関連して、第1の架橋剤、とりわけ三官能性アラ脂肪族イソシアナートの、少なくとも1つのタンパク質、とりわけゼラチンに対する重量比は、0.08~1.2、好ましくは0.12~0.8、さらに好ましくは0.16~0.6、さらに好ましくは0.2~0.4であることができる。かかる第1の架橋剤のタンパク質に対する重量比により、とりわけ漏れに対するマイクロカプセルの良好な安定性を実現すると同時に、生分解性を確保することができる。
【0112】
多糖のタンパク質に対する重量比は、典型的に多糖の性質に依存する。理論によって拘束されることは望まないが、この重量比は多糖の、(該当する場合)とりわけカルボキシラート基またはカルボキシラート基での、置換度に依存すると仮定される。好ましくは、少なくとも1つの多糖および少なくとも1つのタンパク質の間の重量比は、0.05~0.5、好ましくは0.08~0.2である。
【0113】
代替的に、一態様において、シェルは、水和ポリマー相およびポリマー安定剤をシェルとコアとの間の界面に含む。かかる配置において、ポリマー安定剤は、不浸透性カプセル化材料を提供し、一方で、水和ポリマー相は、基質への所望される堆積および接着を提供する。さらにまた、理論によって拘束されることは望まないが、水和ポリマー相は、微生物分解のために最適な攻撃ポイントも提供すると考えられる。
【0114】
ポリマー安定剤は、広い範囲のフィルム形成材料および樹脂から選択してよい。好ましくは、ポリマー安定剤は、シェルを通してカプセル化された利益剤の拡散を有意に減少するために、高度に架橋されている。好ましくは、シェルの不浸透性は、界面活性剤を含む消費者製品などの、抽出ベース中の利益剤の漏出を有意に防止するために充分に高い。
【0115】
本発明の好ましい態様において、ポリマー安定剤は、熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂は、上記の定義のとおりである。
【0116】
本発明の具体的に好ましい態様において、ポリマー安定剤は、アミノシランと多官能性イソシアナートとの反応によって形成される。かかるポリマー安定剤は、高度に架橋され、シェル形成を完了させるために追加材料を固定化するために使用することができる表面アンカー基を提供しやすいという利点を有する。これらの追加材料は、追加のカプセル化材料、コーティング、および下文により詳細に記載するように、単純および複合コアセルベート、およびハイドロゲルを含んでもよい。
【0117】
アミノシランおよび多官能性イソシアナートは、上記の定義のとおりである。
本発明の好ましい態様において、多官能性イソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナトメチル)フェニル)カルバマート)である。特に好ましくは、ポリマー安定剤は、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンと、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナトメチル)フェニル)カルバマート)との反応により形成される。この具体的な二峰性二級アミノシランおよび多官能性イソシアナートの組み合わせは、有利な界面安定性および放出特性を提供する。安定化された界面は、コアに含まれた少なくとも1の利益剤を有効にカプセル化するために充分に不浸透性であり、所望される表面官能基を有する。
【0118】
本発明の好ましい態様において、水和ポリマー相はコアセルベート、とりわけ複合コアセルベートであることができる。複合コアセルベートは、上記の定義のとおりである。
本発明の好ましい態様において、コアセルベートはポリカチオンおよびポリアニオンから形成されてよい。
【0119】
好ましくは、pHを、コアセルベーションを駆動するパラメータとして使用する。よって、ポリカチオンは好ましくはpHに依存した電荷を有する。これは、ポリアミン、例えばキトサン、およびほとんどのタンパク質、例えばゼラチンなどの、一級、二級および三級アミノ基を持つポリマーの場合である。タンパク質は、温度に依存した構造変化を起こしやすいという追加の利点を有し、これを使用してコアセルベートの形態を制御することもできる。とりわけ、いくつかのタンパク質の温度を変化させると、タンパク質の二次構造、三次構造、四次構造の形成が誘導され、これを使用して、コアセルベートの特性を制御することができる。
【0120】
キトサンは、天然ポリマーであるキチンに由来すという利点を有する。
本発明の好ましい態様において、ポリカチオンは、タンパク質およびキトサンからなる群から選択される。
より具体的には、ポリカチオンは、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、ポリリシン、大豆タンパク質、ピータンパク質、ライスタンパク質およびヘンプタンパク質からなる群から選択されるタンパク質であることができる。
【0121】
本発明のとくに好ましい態様において、少なくとも1つのタンパク質は、ゼラチンであり、さらにより好ましくはタイプBゼラチンである。タイプBゼラチンは、上記の定義のとおりである。
ポリカチオンは、変性タンパク質であってもよい。ネイティブタンパク質とは逆に、変性タンパク質は、二次構造、三次構造または四次構造を形成する能力を奪われ、本質的にアモルファスである。かかるアモルファスタンパク質は、ネイティブタンパク質と比較して、より不浸透性の膜を形成し得、したがって、シェルのカプセル化力にも寄与する。変性は、タンパク質を化学的または物理的手段、たとえば、酸またはアルカリ処理、熱、または水素結合破壊剤への暴露などで処理することにより達成できる。
【0122】
ポリカチオンがキトサンである場合において、キトサンは、3’000~1’000’000g/molの間、より具体的には10’000~500’000g/molの間、さらにより具体的には30’000~300’000g/molの間の分子量を有することができる。
【0123】
ポリアニオンは、あらゆる負に帯電したポリマーであってよい。しかしながら、pHがコアセルベーションを制御するために好ましく使用されるので、ポリマーの電荷がpH依存性であることがより有利であり得る。かかるポリマーは、ペンダントカルボキシル基を有するポリマー、たとえばメタクリル酸およびアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、加水分解された無水マレイン酸コポリマーおよびカルボキシル基を有する多糖から選択してもよい。
【0124】
本発明の好ましい態様において、ポリアニオンは、カルボキシラート基および/またはスルファート基を含む多糖である。カルボキシラート基を含む多糖は、上記の定義のとおりである。
水和ポリマー相は、ハイドロゲルであることができる。
【0125】
本発明の文脈において、「ハイドロゲル」は、個々のポリマー鎖の化学的または物理的架橋に起因して構造を維持しながら、水中で膨潤することができる親水性ポリマーの3次元(3D)ネットワークである。
【0126】
かかるハイドロゲルは、界面で、数個の方法によって、とくに既存の界面の周囲での高分子電解質の自己集合、溶液中でのあらかじめ形成されたハイドロゲル粒子の共有結合グラフト化、界面で開始される水溶性モノマーの重合、および界面上での水可溶性ポリマーの相分離によって、形成することができる。
【0127】
曖昧さを避けるため、本発明の文脈において、とりわけ共有結合によって架橋された、コアセルベート、とくに複合コアセルベートは、ハイドロゲルとみなされる。
ハイドロゲルの使用が、基質上、とりわけファブリック上のマイクロカプセルの堆積および接着の両方を特に増強することを見出した。
【0128】
ハイドロゲルは、ポリマー安定剤と、とりわけこの安定剤の表面に存在する官能基を介して、相互連結することができる。
これは、液滴界面に存在するポリマー安定剤上に、ハイドロゲル層をロックし、ブレンドだけの代わりに、ポリマー複合物から構成されるシェルを作製することを可能とする。
ハイドロゲル架橋およびポリマー安定剤とのハイドロゲル相互連結の両方を、連続してまたは同時に行うことができる。
【0129】
本発明の好ましい態様において、ハイドロゲルは、架橋コアセルベート、とりわけ多官能性アルデヒドと架橋した複合コアセルベート、より具体的にはスクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ベンゼン-1,2-ジアルデヒド、ベンゼン-1,3-ジアルデヒド、ベンゼン-1,4-ジアルデヒド、ピペラジン-N,N-ジアルデヒドおよび2,2’-ビピリジル-5,5’-ジアルデヒドからなる群から選択される二官能性アルデヒドである。二官能性アルデヒドは、タンパク質の有効な架橋剤として知られている。
【0130】
ハイドロゲルは、感温性であり、とりわけ20℃~50℃の間、好ましくは25℃~40℃の間のゲル化温度を有することができる。かかるハイドロゲルを使用する場合、ファブリックをハイドロゲルゲル化温度より高い温度で洗濯するときに、ファブリックにおけるカプセルの堆積性能を高めることができる。
【0131】
シェルは、安定化剤でさらに安定化することができる。安定化剤は、上記の定義のとおりである。
本発明の文脈において、マイクロカプセルのシェルは、生分解性材料または非生分解性材料で作ることができる。一態様において、マイクロカプセルは生分解性の材料で作られている。
【0132】
本発明の好ましい態様において、複数のコアシェルマイクロカプセルの体積中央値直径Dv(50)は、1~100μm、好ましくは5~75μm、さらに好ましくは8~60μm、さらに好ましくは10~30μmである。10~30μmの範囲の体積中央値の直径を有するマイクロカプセルは、ファブリックおよび毛髪など、様々な基質への最適な堆積を示す。
【0133】
水懸濁媒体に懸濁したマイクロカプセルのスラリーの形態で提示される、結果として生じるカプセル化組成物は、消費者製品ベースにそのまま組み込んでもよい。必要に応じて、しかしながら、スラリーを乾燥させて、乾燥粉末の形態でカプセル化組成物を提示してもよい。マイクロカプセルのスラリーの乾燥は慣習的であり、噴霧乾燥、蒸発、凍結乾燥、または乾燥剤の使用などの、当該技術分野において知られている技術に従って実施してもよい。典型的には、当該技術分野において慣習的であるように、乾燥したマイクロカプセルは、バルク剤またはフローエイドとして機能することができる粉末シリカなどの適切な粉末中に分散または懸濁される。かかる適切な粉末は、乾燥ステップの前、間、または後にカプセル化組成物に添加してもよい。
【0134】
本発明によるマイクロカプセル組成物において、利益剤の割合は、マイクロカプセル組成物の全重量に対して、約10~約50wt.-%、好ましくは約20~約47.5wt.-%、さらに好ましくは約30~約45wt.-%とすることができる。
【0135】
本明細書に上述の通りのマイクロカプセル組成物の割合は、固体組成物の全重量に対して、約1wt.-%~約30wt.-%、好ましくは約1.5wt.-%~約20wt.-%、より好ましくは約2wt.-%~約10wt.-%であってもよい。
【0136】
結晶化添加剤
本文脈において、結晶化剤の役割は結晶化プロセスの速度を上げることである。
好適な結晶化添加剤は、ポリオール、二糖または多糖、デンプン誘導体および有機酸からなる群から選択される。
【0137】
好適なポリオールの例は、ソルビトールおよびマルチトールである。好適な二糖または多糖の例は、スクロース、サッカロースおよびフルクトースである。好適な有機酸の例は、クエン酸、酒石酸およびギ酸である。
【0138】
任意に、結晶化添加剤はクエン酸である。クエン酸は、固体担体の結晶化速度論、よって組成物の固化に影響を与えることができる、費用対効果の高いバイオベースおよび生分解性化合物である。
【0139】
結晶化添加剤を用いる場合、固体組成物中のその割合は、固体組成物の全重量に対して、約0.1wt.-%~約5.0wt.-%、好ましくは約0.2wt.-%~約4.0wt.-%、さらに好ましくは約0.5wt.-%~約3.0wt.-%であってもよい。
【0140】
染料
任意に、固体組成物は、染料、とくにカロテノイド (E160)、キサンチン (E161)、サフラン (E164)、クロロフィル (E140)、クロロフィルおよび/またはクロロフィリンの銅錯体 (E141)、アントシアニン (E163)、カルミン (E120)、クルクミン (E100)およびそれらの誘導体からなる群から選択される染料、または視覚調整剤、特に雲母粉末または酸化チタンなどの無機および有機顔料を含んでもよい。
【0141】
染料または視覚調整剤を用いる場合、その割合は、固体組成物の全重量に対して、約0.01wt.-%~約5.0wt.-%、好ましくは約0.1wt.-%~約4.0wt.-%、より好ましくは約0.2wt.-%~約2.0wt.-%であることができる。
【0142】
充填剤
任意に、固体組成物は、充填剤、とりわけシリカ、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ベントナイト、イオン交換樹脂、ドデシル硫酸ナトリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択される充填剤を含んでもよい。
充填剤を用いる場合、固体組成物中の割合は、固体の香りブースター組成物の全重量に対して、約0.1wt.-%~約5wt.-%、好ましくは約1wt.-%~4wt.-%であってもよい。
【0143】
カプセル化されていないフレグランス
任意に、固体組成物は、カプセル化されていないフレグランス成分を含んでもよい。
フレグランス成分は、上記の定義のとおりである。
【0144】
カプセル化されていないフレグランス成分は、上記マイクロカプセル組成物に使用されるフレグランス成分と同一であっても異なっていてよい。これは、カプセル材が湿気にさらされているか機械的ストレスにさらされているかに依存して、同一のまたは異なる匂い印象の変調された放出をもたらす。とりわけ、フレグランスの逐次的な放出が想定される。
【0145】
本発明の固体組成物は、例えば消臭剤または制汗剤用途において、機械的作用によるまたは水分による活性のいずれかを通して、フレグランス成分放出を可能にする。しかし、かかる組成物は、最適な香水効果を送達するために、例えば洗濯洗剤のように、これが塗布された基材に接着するためのコアシェルマイクロカプセルを必要とする消費者製品において、フレグランス送達手段として採用される場合にも特に有用である。
【0146】
カプセル化されていないフレグランス成分は、好ましくは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、さらにより好ましくは少なくとも8つ、よりさらに好ましくは少なくとも16の生分解性成分(単数または複数)を含むことができ、好ましくはそれからなる。生分解性成分(単数または複数)は、フレグランス成分の全重量に対して、少なくとも75wt.-%以上、好ましくは80wt.-%以上、さらに好ましくは85wt.-%以上、さらに好ましくは90wt.-%以上、さらに好ましくは95wt.-%以上の全濃度で存在することができる。生分解性成分(単数または複数)は、上記に定義された群から選択することができる。
【0147】
カプセル化されていないフレグランス成分を用いる場合、その割合は、固体組成物の全重量に対して、約0.1wt.-%~約29wt.-%、好ましくは約1wt.-%~約15wt.-%、より好ましくは約10wt.-%~約15wt.-%であることができる。
【0148】
一態様において、前記の組成物の構成要素b)、c)、d)、e)およびf)の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、好ましくはすべてが生分解性である。
【0149】
一態様において、組成物はヴィーガンである。
一態様において、組成物は持続可能である、
一態様において、組成物はバイオベースである。
一態様において、組成物はハラルまたはコーシャである。
【0150】
本発明の固体組成物は、複数のパスティルの形態であることもできる。パスティルの各々は、0.01g~15.0g、好ましくは0.01g~5.0g、より好ましくは0.015g~2.0gの質量を有することができる。さらにまた、パスティルの各々は、50mm未満、好ましくは20mm未満、より好ましくは8mm未満の最大寸法を有することができる。さらに、パスティルの各々は、多面体、多角形プリズム、球形、半球形、圧縮半球形、レンズ豆形および楕円形からなる群から選択される形状を有することができる。
【0151】
方法
第2の側面において、本明細書に記載のとおりの組成物を作製する方法が提供される。
当該方法は、次のステップを含む:
i) 固体の水溶性生分解性担体を、担体の融点程度の温度に加熱し、担体の溶融組成物を得る;
ii) 任意に、ステップi)において得られた担体の溶融組成物に結晶化添加剤を添加する;
iii) 利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物であって、利益剤が、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコアシェルを含むマイクロカプセルに専らカプセル化されている、前記組成物を、ステップi)においてまたはステップii)において得られた溶融組成物に添加する;
iv) 任意に、ステップiii)の組成物に、染料または視覚調整剤を添加する;
v) 任意に、ステップiv)の組成物に、充填剤を添加する;
vi) 任意に、ステップv)の組成物に、少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分を添加する;
vii) ステップiii)、ステップiv)、ステップv)またはステップvi)において得られた組成物を室温まで冷却する。
【0152】
一態様において、ステップi)またはステップii)において得られた溶融組成物にマイクロカプセル組成物を添加する前に、ステップiii)の利益剤をカプセル化するポリマーを含むマイクロカプセル組成物にカプセル化されていないフレグランス成分を添加する。
融点の低い担体を用いる利点は、組成物の生産に必要なエネルギーが最小であることである。
【0153】
消費者製品
本発明はまた、本明細書に上述の固体組成物を含む消費者製品に関する。消費者製品は、パーソナルケア、ファブリックケア、家庭用(ホーム)ケアおよびペットケア製品からなる群から選択してもよい。
【0154】
好適なホームケア製品は、エアケア組成物、硬い表面クリーナー、ヘビーデューティ洗剤および洗剤粉末、カーペットクリーナーを包含する。
好適なパーソナルケア製品は、デオドラント組成物、バスソルト、クレンジング組成物(ソープバーなど)、 オーラルケア組成物、制汗組成物、スキンケア製品を包含する。
好適なファブリックケア組成物は、ランドリーケア洗剤、ファブリックリフレッシュ剤、香りブースターを包含する。
【0155】
一態様において、消費者製品は固体の香りブースターである。本発明による香りブースター組成物は、特に消費者への訴求力の観点で、それらの低減された環境への影響のため、特に魅力的である。本明細書において上述した組成物は、乾燥した形態で、水分含有量が非常に少ない香水組成物を提供することを可能とするため、固体の香りブースターの製造に非常に適していることが証明された。
本発明は、以下の非限定例を手段として、さらに説明される:
【0156】
例1:コアシェルカプセル化フレグランスを用いたキシリトールベースの固体の香りブースター組成物の調製(非カプセル化フレグランス成分なし)
固体の香りブースター組成物を、以下のステップを実施することにより調製した:
a) キシリトール粉末(100g)を150mlのビーカーの中に添加し、室温で5分間撹拌する;
b) 温度を95℃まで上げ、混合物が完全に溶融するまで維持する;
c) 3.75gの55%液体クエン酸溶液を、ステップb)のホットメルト溶液に添加する;
d) ホットメルトを、50RPMで5分間攪拌する;
e) 2gのコアシェルマイクロカプセルのスラリー(WO 2017/001672に従って調製)を添加し、カプセルが均一に分散するまで攪拌を維持する;
f) 混合物を、シリコーン基材上に半球状の液滴としてポンピングし、分配する;
g) 半球状の液滴を、室温で4時間結晶化させる;
h) カプセル化フレグランスを含む固体の香りブースターパスティルを得る。
【0157】
例2:コアシェルカプセル化フレグランスおよびカプセル化されていないフレグランス成分の両方を有するキシリトールベースの固体の香りブースター組成物の調製
固体の香りブースター組成物を、以下のステップを実施することにより調製した:
a) キシリトール粉末(100g)を150mlのビーカーの中に添加し、室温で5分間撹拌する;
b) 温度を95℃まで上げ、混合物が完全に溶融するまで維持する;
c) 3.75gの55%液体クエン酸溶液を、ステップb)のホットメルト溶液に添加する;
d) ホットメルトを、50RPMで5分間攪拌する;
e) 1.4gのコアシェルマイクロカプセルのスラリー(WO 2017/001672に従って調製)および4gの遊離のカプセル化されていないフレグランスの混合物を加え、カプセルが均一に分散するまで攪拌を維持する;
f) 混合物を、シリコーン基材上に半球状の液滴としてポンピングし、分配する;
g) 半球状の液滴を、室温で4時間結晶化させる;
h) 固体の香りブースターパスティルを得る。
【0158】
例3(比較):カプセル化されていないフレグランス成分を有するが、コアシェルカプセル化フレグランスを有さない、キシリトールベースの固体の香りブースターブースター組成物の調製
固体の香りブースター組成物を、以下のステップを実施することにより調製した:
a) キシリトール粉末(100g)を150mlのビーカーの中に添加し、室温で5分間撹拌する;
b) 温度を95℃まで上げ、混合物が完全に溶融するまで維持する;
c) 3.75gの55%液体クエン酸溶液を、ステップb)のホットメルト溶液に添加する;
d) ホットメルトを、50RPMで5分間攪拌する;
e) 5gの遊離のカプセル化されていないフレグランスを加え、攪拌を維持する;
f) 混合物を、シリコーン基材上に半球状の液滴としてポンピングし、分配する;
g) 半球状の液滴を、室温で4時間結晶化させる;
h) カプセル化フレグランスを含む固体の香りブースターパスティルを得る。
【0159】
例4(比較):コアシェルカプセル化フレグランスを有する、PEGベースの固体の香りブースター組成物の調製
a) PEG6000粉末(100g)を150mlのビーカーの中に添加し、室温で5分間攪拌する;
b) 温度を95℃まで上げ、混合物が完全に溶融するまで維持する;
c) コアシェルスラリーのコア2gを添加し、カプセルが均一に分散するまで攪拌を維持する;
d) 混合物を、シリコーン基材上に半球状の液滴としてポンピングし、分配する;
e) 半球状の液滴を、室温で4時間結晶化させる;
f) カプセル化フレグランスを含む固体の香りブースターパスティルを得る。
【0160】
例5:嗅覚パフォーマンスの比較
香りブースターの嗅覚性能を、4人の専門家からなるパネルによって評価し、匂いの強さを1~5のスケール(1=ほとんど目立たない、2=弱い、3=中程度、4=強い、5=非常に強い)で査定した。関係のある場合には、知覚された匂いの方向に関する定性的なコメントを記録した。
【0161】
実施例1~4の香りブースターを、以下の条件で試験した:
18gの固体の香りブースターを、洗濯ファブリックロード2kgを含有する洗濯機の洗浄剤ディスペンサー内に置いた。洗濯温度は40℃であった。「濡れた」(すなわち、洗濯機の外)匂い強度は、洗濯機からファブリックを取り出した後、5分以内に濡れたファブリックで評価した。摩擦前嗅覚評価を、室温で24時間ファブリックを乾燥させた後に行った。摩擦後評価は、ファブリックの一部分を優しく擦って行った。香りブースターの性能を表1に示す。
【0162】
表1:実施例1~4の組成物の嗅覚パフォーマンス
【表1】
【0163】
表から、コアシェルマイクロカプセルにカプセル化されたカプセル化フレグランスを含むキシリトールベースの組成物(例1、例2)は、カプセル化フレグランスを欠いたキシリトールベースの組成物(例3)に比べて、摩擦前および摩擦後の強度が著しく高く、カプセル化フレグランスを用いたPEGベースの香りブースター(例4)と比較しても優れた性能を示すことが観察できる。
【国際調査報告】