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特表2024-544221圧縮性の表面部材を有する移送パック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】圧縮性の表面部材を有する移送パック
(51)【国際特許分類】
   B65H 27/00 20060101AFI20241121BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65H27/00 B
B65G47/86 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534038
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022081155
(87)【国際公開番号】W WO2023108052
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/265,124
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127956
【氏名又は名称】カート ジー.ジョア、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ,クリストファ,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ホーネス,ダレン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ,ジェフリー,ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ギフェイ,ザカリー,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ランマー,メーガン,エー.
【テーマコード(参考)】
3F072
3F104
【Fターム(参考)】
3F072AA06
3F072GG01
3F072KC03
3F072KC07
3F104BA09
3F104BA10
3F104HA03
3F104JA08
(57)【要約】
装置(10)は、個別物品(50)を受け部材(54)に移送する移送機構(12)を備える。移送機構は、その上に個別物品を搬送する複数の移送パック(18)を備える。移送パックの各々は、真空を介してその上に個別物品を保持するために真空孔が形成された物品搬送面を有するパック本体(60)を備える。物品搬送面は、中央領域と、中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域とを備え、側部領域は、パック本体に沿って長手方向に整列している。移送パックの各々はまた、移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上の弾性パックインサート(64)を備え、各パックインサートはそれぞれの側部領域でパック本体と係合する。パックインサートは、物品搬送面の上方に突出するように寸法決めされ、力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品受取場所から物品配置場所へ複数の個別物品を移送するように構成された移送機構であって、前記移送機構が、前記物品受取場所から前記物品配置場所への移送経路に沿って移動する複数の移送ユニットを備え、前記複数の移送ユニットの各々が、前記物品受取場所と前記物品配置場所との間を移送パックが移動するときに、個別物品をその上に搬送するように選択的に動作可能な前記移送パックを備える、移送機構と、
前記移送機構から前記複数の個別物品を受け入れるように前記物品配置場所に配置された受け部材と、を備え、
前記移送パックの各々が、
パック本体であって、前記パック本体が、背面、および、真空を介してその上に前記個別物品を保持するために内部に形成された真空孔を有する物品搬送面を備え、前記物品搬送面が、中央領域、および前記中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域を備え、前記少なくとも1つの側部領域が、前記パック本体に沿って長手方向に整列している、パック本体と、
前記移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上のパックインサートを含むパックインサート構成であって、前記1つ以上のパックインサートの各々が、それぞれの側部領域で前記パック本体と係合し、前記物品搬送面の上方に突出するように寸法決めされている、パックインサート構成と、を備え、
前記1つ以上のパックインサートの各々が、力を加えると前記物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体を備える、装置。
【請求項2】
前記パックインサート構成が一対のパックインサートを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの側部領域が、前記中央領域の両側に一対の側部領域を含み、
前記パック本体が、前記一対の側部領域の各側部領域に形成されたインサートチャネルを備え、前記1つ以上のパックインサートのパックインサートが、各それぞれのインサートチャネルと摺動可能に係合する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記パック本体の少なくとも1つの端部に固定されたエンドキャップをさらに備え、前記エンドキャップが前記インサートチャネルを閉鎖して前記パックインサートを前記インサートチャネル内に固定する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記パック本体が、前記背面から前記物品搬送面の前記真空孔まで真空のための流体流路を提供するように内部に形成された1つ以上の真空チャネルを備え、
前記1つ以上のパックインサートの各々が、内部チャンバを画定する中空部材を備え、前記内部チャンバが、前記パック本体の前記真空チャネルと流体連通する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のパックインサートの各々が、
内部に形成された前記真空孔を備える上壁と、
内部に形成された1つ以上の開口部を備える底壁と、
前記上壁と前記底壁との間に配置され、前記上壁を前記底壁から離間させる一対の側壁と、を備え、
前記上壁、前記底壁、及び前記1対の側壁が、前記内部チャンバを画定し、
真空が、前記パック本体の前記真空チャネルから、前記底壁の前記開口部を通って、及び前記内部チャンバを通って、前記上壁の前記真空孔に連通する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上のパックインサートの各々が、前記1対の側壁が平行である台形状の部材を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上のパックインサートの各々について、前記上壁が、前記中央領域に隣接して配置された上縁部から前記パック本体の長手方向縁部に隣接して配置された下縁部まで傾斜している、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上のパックインサートの各々が、力を加えると内側に屈曲して押し下げるベローズ形状部材を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ以上のパックインサートの各々が、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマ(TPE)、又はネオプレンフォームから構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記移送機構が、前記複数の移送ユニットの各々を前記物品配置場所において前記受け部材と強制的に接触させて、前記複数の個別物品を前記受け部材上に移送するように構成され、前記強制的な接触が、前記弾性構造体を前記物品搬送面に向かって内側に押し下げる、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記パックインサート構成が、前記物品配置場所で前記受け部材と最初に接触する前記移送パックの前縁部に配置された単一のパックインサートを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
個別物品を受け面上に移送して配置するための移送パックであって、
パック本体であって、前記パック本体が、背面、および、真空を介してその上に前記個別物品を保持するために内部に形成された真空孔を有する物品搬送面を備え、前記物品搬送面が、中央領域、および前記中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域を備え、前記少なくとも1つの側部領域が、前記パック本体に沿って長手方向に整列している、パック本体と、
前記移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上のパックインサートを備えるパックインサート構成であって、前記1つ以上のパックインサートの各々が、それぞれの側部領域で前記パック本体と係合して前記物品搬送面の上方に突出する、パックインサート構成と、を備え、
前記1つ以上のパックインサートの各々が、力を加えると前記物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体を備える、移送パック。
【請求項14】
前記少なくとも1つの側部領域が、前記中央領域の両側に配置された一対の側部領域を含み、
前記パック本体が、前記一対の側部領域の各それぞれの側部領域に形成されたインサートチャネルを備え、前記1つ以上のパックインサートの各パックインサートが、それぞれのインサートチャネルと摺動可能に係合する、請求項13に記載の移送パック。
【請求項15】
前記パックインサート構成が一対のパックインサートを含み、前記一対のパックインサートの各パックインサートがそれぞれのインサートチャネルと係合する、請求項14に記載の移送パック。
【請求項16】
前記パック本体が、前記背面から前記物品搬送面の前記真空孔まで真空のための流体流路を提供するように内部に形成された1つ以上の真空チャネルを備え、
前記1つ以上のパックインサートの各々が、内部チャンバを画定する中空部材を備え、前記内部チャンバが、前記パック本体の前記真空チャネルと流体連通する、請求項13~15のいずれか一項に記載の移送パック。
【請求項17】
前記1つ以上のパックインサートの各々が、
内部に形成された前記真空孔を備える上壁と、
内部に形成された1つ以上の開口部を備える底壁と、
前記上壁と前記底壁との間に配置され、前記上壁を前記底壁から離間させる一対の側壁と、を備え、
前記上壁、前記底壁、及び前記1対の側壁が、前記内部チャンバを画定し、
真空が、前記パック本体の前記真空チャネルから、前記底壁の前記開口部を通って、及び前記内部チャンバを通って、前記上壁の前記真空孔に連通する、請求項16に記載の移送パック。
【請求項18】
前記1つ以上のパックインサートの各々について、前記上壁が、前記中央領域に隣接して配置された上縁部から前記パック本体の長手方向縁部に隣接して配置された下縁部まで傾斜している、請求項17に記載の移送パック。
【請求項19】
前記1つ以上のパックインサートの各々が、力を加えると内側に屈曲して押し下げるベローズ形状部材を備える、請求項13~18のいずれか一項に記載の移送パック。
【請求項20】
前記中央領域が凹状領域を含み、前記側部領域及び前記1つ以上のパックインサートの各々が前記凹状領域の上方に突出している、請求項13~19のいずれか一項に記載の移送パック。
【請求項21】
個別物品を移送パックから受け面に移送する方法であって、
前記移送パックを介して連通した真空を介して前記移送パックの物品搬送面上に個別物品を保持する工程であって、前記移送パックが、前記移送パックの周囲の一部の周りに配置されるように、その1つ以上の側部領域で前記物品搬送面に付けられた1つ以上のパックインサートを備え、前記1つ以上のパックインサートの各々が、前記物品搬送面の上方に突出し、力を加えると前記物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体を備える、工程と、
前記個別物品を前記移送パックから物品配置場所の前記受け面上に移送する工程と、を含み、
前記個別物品を移送する工程が、
前記物品配置場所において、前記物品搬送面に保持された前記個別物品を前記受け面に接触させることと、
前記個別物品が前記物品搬送面に接触するときに前記移送パックから前記受け面に押圧力を加えて、前記個別物品を前記物品搬送面から前記受け面に移送することと、
前記押圧力が、前記1つ以上のパックインサートを前記物品搬送面に向かって内側に押し下げることと、を含む、方法。
【請求項22】
前記押圧力が、前記物品配置場所で前記受け面と最初に接触する前記移送パックの前縁部に配置された前記1つ以上のパックインサートのうちのパックインサートを押し下げる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記押圧力が、前記前縁部の反対側の前記移送パックの後縁部に配置された前記1つ以上のパックインサートのうちのパックインサートを押し下げる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記移送パックを介して連通する前記真空が、前記物品搬送面及び前記1つ以上のパックインサートに形成された真空孔を介して連通する、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、個別構成要素又は物品が生産ラインに沿って前進するときにそれらを移送するための装置に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、個別構成要素を移送パックから移送するのを助ける圧縮性又は可撓性の表面部材を備えるそのような装置に採用される移送パックに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品の生産及び製造において、製品の1つの構成要素を製造し、次いでその構成要素を製造プロセスの別のステップで使用するために別の場所に移送することがしばしば必要である。おむつなどの使い捨て吸収性製品の例では、吸収性コア又はインサートなどの個別構成要素は、第1の場所で製造され、次いで第2の場所に、例えば前側及び後側ベルト部分のウェブなどの構成要素の1つ以上の可動ウェブを備えることができる受け面上に移送されてもよい。
【0003】
個別構成要素の上述の移送は、個別構成要素を保持し、ピックアップ位置とドロップオフ位置との間の制御された移送を実施するパックを採用する移送装置によって達成され、パックは、個別構成要素の適切な適用及び受け面への接合を補助する。典型的な移送装置は、受け入れ場所で個別構成要素を受け入れ又は形成し、配置場所で受け面上に位置するために構成要素を移送するように機能する。さらに、装置はまた、構成要素を所定の角度にスピンさせ、及び/又は構成要素間の速度及びピッチを制御して、受け面上に所望の位置ピッチを達成するように機能してもよい。
【0004】
移送装置は、個別構成要素の移送並びに任意選択のスピニング及び再ピッチングを提供するように選択的に動作可能な複数の回転パックが固定された大型ホイール(「パックホイール」)を備えることができる。パックホイールは、装置の駆動側から延在するシャフトによって駆動及び支持され、移送パックは次いで、ホイールとともに回転する。さらに、各移送パックは、個別物品の回転(例えば、90度回転)を提供するように、それ自体のスピン軸を中心にスピン/回転するように機能する。動作中、個別構成要素は、受け入れ場所において移送パックによって受け入れられ、移送パックは、移送パックがパックホイールとともに受け入れ場所から配置場所まで回転する(及びスピン軸を中心にスピンする)ときに真空によって構成要素を固定する。受け入れ場所では、移送パックにおける真空を停止させて、個別構成要素を受け面上に解放することができる。
【0005】
真空を選択的に作動及び停止させて個別構成要素を移送パック上に保持し、次いで個別構成要素を移送パックから受け面上に解放する移送装置の上記の動作は、使い捨て製品に使用される吸収パッドの移送を含む多くの構成要素の移送に有効であることが知られている。しかしながら、いくつかの構成要素では、構成要素の特性が、パック表面での真空の停止を介して構成要素を受け面上に適切に解放及び移送する移送パックの能力を阻害し得ることが認識されている。すなわち、例えば、サイズ、厚さ、及び/又は材料密度が増加した構成要素の場合、構成要素は、より小さいサイズ、厚さ、又は材料密度を有する構成要素ほど容易には移送パックから解放されない場合があり、これは、(少なくとも部分的に)真空の停止又はパック表面を通る空気流の反転(すなわち、ブローオフ)によるものであり、構成要素をパック表面から分離する効果はそれほど劇的ではない。個別構成要素は、力を加えて移送パック及び構成要素を受け面に押し下げることなどによって、配置場所で受け面上により強制的に移送することができるが、そのような力の印加は、移送パックの剛性構造に起因して構成要素又は受け面(例えば、ウェブの受け入れ)を損傷する可能性がある。
【0006】
したがって、異なる種類及びサイズの個別物品の移送に対応するように、広範囲の個別構成要素の受け面への効率的な移送を提供する移送パック及び移送装置全体を提供することが望ましい。移送パックは、個別構成要素が受け面上に正確に移送され、個別構成要素の適用及び移送中に力が加えられた場合でも、個別構成要素又は受け面を損傷することなく移送されることを保証する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、独立請求項において表現及び特徴付けられ、従属請求項は、本発明の他の特徴及び変形を説明する。従属請求項に記載された特徴及び変形は、本発明の実施形態に従って、互いに組み合わせて又は互いに分離して使用することができる。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、装置は、複数の個別物品を物品受取場所から物品配置場所へ移送するように構成された移送機構を備え、移送機構は、物品受取場所から物品配置場所への移送経路に沿って移動する複数の移送ユニットを備え、複数の移送ユニットの各々は、移送パックが物品受取場所と物品配置場所との間を移動するときに、個別物品をその上に搬送するように選択的に動作可能な移送パックを備える。装置はまた、移送機構から複数の個別物品を受け入れるために物品配置場所に配置された受け部材を備える。各移送パックは、背面と、真空を介してその上に個別物品を保持するために内部に形成された真空孔を有する物品搬送面とを有するパック本体を備え、物品搬送面は、中央領域と、中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域とを備え、少なくとも1つの側部領域は、パック本体に沿って長手方向に整列している。移送パックの各々はまた、移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上のパックインサートを含むパックインサート構成を備え、1つ以上のパックインサートの各々は、それぞれの側部領域でパック本体と係合し、物品搬送面の上方に突出するように寸法決めされる。1つ以上のパックインサートの各々は、力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体である。
【0009】
いくつかの実施形態では、パックインサート構成は、一対のパックインサートを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの側部領域は、中央領域の両側に一対の側部領域を含み、パック本体は、一対の側部領域の各側部領域に形成されたインサートチャネルを備え、1つ以上のパックインサートのパックインサートは、各それぞれのインサートチャネルと摺動可能に係合する。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置は、パック本体の少なくとも1つの端部に固定されたエンドキャップをさらに備え、エンドキャップはインサートチャネルを閉鎖してパックインサートをインサートチャネル内に固定する。
【0012】
いくつかの実施形態では、パック本体は、背面から物品搬送面の真空孔まで真空のための流体流路を提供するように内部に形成された1つ以上の真空チャネルを備え、1つ以上のパックインサートの各々は、内部チャンバを画定する中空部材を備え、内部チャンバは、パック本体の真空チャネルと流体連通する。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々は、内部に形成された真空孔を備える上壁と、内部に形成された1つ以上の開口部を備える底壁と、上壁と底壁との間に配置され、上壁を底壁から離間させる一対の側壁とを備え、上壁、底壁、及び1対の側壁が、内部チャンバを画定し、真空は、パック本体の真空チャネルから、底壁の開口部を通って、及び内部チャンバを通って、上壁の真空孔に連通する。
【0014】

いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々は、1対の側壁が平行である台形状の部材を備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々について、上壁は、中央領域に隣接して配置された上縁部からパック本体の長手方向縁部に隣接して配置された下縁部まで傾斜している。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々は、力を加えると内側に屈曲して押し下げるベローズ形状部材を備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々は、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマ(TPE)、又はネオプレンフォームから構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、移送機構は、複数の移送ユニットの各々を物品配置場所で受け部材と強制的に接触させて、複数の個別物品を受け部材上に移送するように構成され、強制的な接触は、弾性構造体を物品搬送面に向かって内側に押し下げる。
【0019】
いくつかの実施形態では、パックインサート構成は、物品配置場所で受け部材と最初に接触する移送パックの前縁部に配置された単一のパックインサートを備える。
【0020】
他の実施形態によれば、個別物品を受け面上に移送及び配置するための移送パックが提供される。移送パックは、背面と、真空を介してその上に個別物品を保持するために内部に形成された真空孔を有する物品搬送面とを有するパック本体を備え、物品搬送面は、中央領域と、中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域とを備え、少なくとも1つの側部領域は、パック本体に沿って長手方向に整列している。移送パックはまた、移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上のパックインサートを含むパックインサート構成を備え、1つ以上のパックインサートの各々は、それぞれの側部領域でパック本体と係合し、物品搬送面の上方に突出する。1つ以上のパックインサートの各々は、力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体である。
【0021】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの側部領域は、中央領域の両側に配置される一対の側部領域を含み、パック本体は、一対の側部領域の各それぞれの側部領域に形成されたインサートチャネルを備え、1つ以上のパックインサートの各パックインサートは、それぞれのインサートチャネルと摺動可能に係合する。
【0022】
いくつかの実施形態では、パックインサート構成は一対のパックインサートを含み、一対のパックインサートの各パックインサートはそれぞれのインサートチャネルと係合する。
【0023】
いくつかの実施形態では、パック本体は、背面から物品搬送面の真空孔まで真空のための流体流路を提供するように内部に形成された1つ以上の真空チャネルを備え、1つ以上のパックインサートの各々は、内部チャンバを画定する中空部材を備え、内部チャンバは、パック本体の真空チャネルと流体連通する。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々は、内部に形成された真空孔を備える上壁と、内部に形成された1つ以上の開口部を備える底壁と、上壁と底壁との間に配置され、上壁を底壁から離間させる一対の側壁とを備え、上壁、底壁、及び1対の側壁が、内部チャンバを画定し、真空は、パック本体の真空チャネルから、底壁の開口部を通って、及び内部チャンバを通って、上壁の真空孔に連通する。
【0025】

いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々について、上壁は、中央領域に隣接して配置された上縁部からパック本体の長手方向縁部に隣接して配置された下縁部まで傾斜している。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパックインサートの各々は、力を加えると内側に屈曲して押し下げるベローズ形状部材を備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、中央領域は凹状領域を含み、側部領域及び1つ以上のパックインサートの各々は凹状領域の上方に突出している。
【0028】
また他の実施形態によれば、個別物品を移送パックから受け面に移送する方法が提供される。本方法は、個別物品を、移送パックを介して連通する真空を介して移送パックの物品搬送面上に保持することを含み、移送パックは、移送パックの周囲の一部の周りに配置されるように、その1つ以上の側部領域で物品搬送面に付けられた1つ以上のパックインサートを備え、1つ以上のパックインサートの各々は、物品搬送面の上方に突出し、物品搬送面に力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体を備える。本方法はまた、個別物品を移送パックから物品配置場所の受け面に移送することを含み、個別物品を移送することは、物品搬送面に保持された個別物品を物品配置場所の受け面に接触させることと、個別物品が物品搬送面に接触して、個別物品を物品搬送面から受け面に移送する際に、移送パックから受け面に押圧力を加えることとを含む。押圧力は、1つ以上のパックインサートを物品搬送面に向かって内側に押し下げる。
【0029】
いくつかの実施形態では、押圧力は、物品配置場所で受け面と最初に接触する移送パックの前縁部に配置された1つ以上のパックインサートのうちのパックインサートを押し下げる。
【0030】
いくつかの実施形態では、押圧力は、前縁部の反対側の移送パックの後縁部に配置された1つ以上のパックインサートのうちのパックインサートを押し下げる。
【0031】
いくつかの実施形態では、移送パックを介して連通する真空は、物品搬送面及び1つ以上のパックインサートに形成された真空孔を介して連通する。
【0032】
これら及び他の利点及び特徴は、添付の図面に関連して提供される本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面は、本発明を実行するために現在企図されている実施形態を示す。
【0034】
図において、
【0035】
図1】本発明の実施形態による、本発明の実施形態を実装することができる切断移送装置の正面図である。
【0036】
図2A】本発明の実施形態による、図1の装置に備えられる移送パックの上面斜視図である。
図2B】本発明の実施形態による、図1の装置に備えられる移送パックの底面斜視図である。
【0037】
図3】パック本体から分解されたパックインサート及びエンドキャップを示す、図2A及び図2Bの移送パックの分解図である。
【0038】
図4】線4-4に沿った図2Aの移送パックの断面図である。
【0039】
図5A図2の移送パックに備えられるパックインサートの上面斜視図である。
図5B図2Bの移送パックに備えられるパックインサートの底面斜視図である。
【0040】
図6A】本発明の別の実施形態による、図1の装置に備えられる移送パックの上面斜視図である。
図6B】本発明の別の実施形態による、図1の装置に備えられる移送パックの底面斜視図である。
【0041】
図7】パック本体から分解されたパックインサート及びエンドキャップを示す、図6A及び図6Bの移送パックの分解図である。
【0042】
図8】線8-8に沿った図6の移送パックの断面図である。
【0043】
図9A図6Aの移送パックに備えられるパックインサートの上面斜視図である。
図9B図6Bの移送パックに備えられるパックインサートの底面斜視図である。
【0044】
図10】本発明の実施形態による、図1の装置に備えられる移送パックの斜視図である。
【0045】
図11A】本発明の実施形態による、個別物品の移送中に受け部材と相互作用するパックの側面概略図である。
図11B】本発明の実施形態による、個別物品の移送中に受け部材と相互作用するパックの側面概略図である。
図11C】本発明の実施形態による、個別物品の移送中に受け部材と相互作用するパックの側面概略図である。
図11D】本発明の実施形態による、個別物品の移送中に受け部材と相互作用するパックの側面概略図である。
【0046】
図12】本発明の実施形態による、本発明の実施形態を実装することができる製品ターナ及びプレーサである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の実施形態は、個別物品の移送を容易にするための切断移送装置又はピックアンドプレースシステムとともに使用するための圧縮性の移送パックに関する。本明細書の開示は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分詳細に提供されているが、本明細書に開示された物理的実施形態は、他の特定の構造で具体化され得る本発明を例示するにすぎない。以上、好ましい実施形態について説明したが、本発明から逸脱することなく、詳細を変更してもよい。
【0048】
図1を参照すると、本発明の実施形態を実装することができる切断移送装置10(又は「装置10」)が示されている。装置10は、好ましくは、移送機構12及び切断システム14を備える。移送機構12は、各々が、そこから係合及び係合解除され得る移送パッド又はパック18(以下、「移送パック18」と呼ぶ)を備える複数の移送ユニット16を備える。移送ユニット16は、例示的な実施形態では中央プレート20である移送機構12の取り付け構造に結合されている(移動可能である)。移送ユニット16及び中央プレート20は、所望の構成のパックホイール22を集合的に形成する。図示の実施形態では、パックホイール22は、中央プレート20上に配置された合計9つの移送ユニット16及び移送パック18を備えるが、より多くの又はより少ない移送ユニット16及び移送パック18を設けることができることが認識される。
【0049】
中央プレート20は、実質的に動作的に一定の回転力を中央プレート20に提供するモータ駆動シャフト24に固定して結合される。したがって、中央プレート20は、移送ユニット16及びそれに取り付けられた移送パック18とともに、回転の長軸であるパック移送軸26を中心に回転され、移送経路28を中心に移送パック18を移動させる。好ましい実施形態の説明全体を通して使用されるように、「回転する」及びその変形は、移送軸26を中心とした移送パック18(及び移送ユニット16)全体の移動を指し、「スピン」及びその変形は、以下でさらに説明するように、パック移送軸26に実質的に垂直なパックスピン軸30を中心とした移送パック18の半径方向のスピンを指す。移送機構12の個々の移送ユニット16及び移送パック18に真空を提供する真空システム32も装置10に備えられる。真空は、それらの間に結合された複数の真空通路又は真空管(図示せず)を介して中央プレート20の領域から移送ユニット16に移送される。
【0050】
図1に示すように、切断システム14は、好ましくは、切断移送装置10に設けられる連続ウェブから個別物品を切断するために互いに相互作用するアンビルホイール34及びナイフロール36を備える。切断システム14は、アンビルホイール34及びナイフロール36を備えるものとして本明細書に記載されているが、これらの構成要素は、図示の実施形態と比較して、ナイフホイール及びアンビルロールを利用して逆にすることができることが認識される。アンビルホイール34は、中央アンビルハブ38を備え、そこから複数のアンビルアーム40がアンビルホイール34の約360°の範囲で半径方向外側に延在する。アンビルアーム40の各々は、それぞれのアンビル42がナイフブレード44に隣接する切断場所に配置されたときに材料を切断するために、ナイフロール36上の1つ以上のナイフブレード44と相互作用するように構成されたアンビル42をその端部に備える。代替的な実施形態では、アンビルホイール34の複数のアンビルアーム40は、単一の接触面で置き換えられてもよい。
【0051】
動作中、装置10は、供給源から連続ウェブ46を受け入れ、ウェブ46は、受け入れ場所48で移送パック18と接触する。次いで、アンビル42の一方は、ナイフロール36上のナイフブレード44と整列されるように所定の位置に回転させられ、それと協働して(すなわち、接触して)、移送パック18の前縁部に近接してウェブ46を切断する。ウェブ46及び前縁部の近くでなされた切断を受けた後、移送パック18は、移送経路28に沿ってナイフロール36を通過するように進み、その時点で、アンビルホイール34上の次のアンビル42は、ナイフブレード44と協働して、移送パック18の後縁部に近接してウェブ46を切断してウェブ46から個別部分を切断し、インサート又はパッドなどの個別物品50を形成するための位置に回転する。個別物品50は、真空によって移送パック18に支持され、移送経路28を中心に物品配置場所52まで回転させられ、この部分は、以下により詳細に説明するように、移送パック18から受け面又は部材54に移送される。
【0052】
移送経路28を中心に回転する際に、(すなわち、移送ユニット16間のピッチ)互いに対する移送ユニット16の速度及び位置決めを制御する場合があり、続いて、個別物品50を受け部材54上に所望のピッチで配置することが可能である。すなわち、移送機構12の移送ユニット16は、中央プレート20に移動可能に結合されている。移送ユニット16(及びその上の移送パック18)の各々は、移送パック18のピッチ変更又は変更された円周方向間隔を可能にするために、機械方向55に中央プレート20に対して円周方向に変位することができる。
【0053】
移送機構12は、移送軸26を中心とした移送ユニット16及び移送パック18の回転を提供することに加えて、移送機構12はまた、パックスピン軸30を中心とした各移送パック18の半径方向のスピンを提供する。一実施形態によれば、各移送パック18の半径方向のスピニングは、90度(90°)のパック回転であってもよいが、他の量のパック回転が移送機構12によって提供され得ることが認識される。
【0054】
物品配置場所52において、個別物品50は、様々な実施形態によれば、材料のウェブ、ドラム、コンベヤベルト、又は例としてドラム又はコンベヤベルト上を移動する材料のウェブであってもよい受け面又は部材54上に移送される。例示的な実施形態では、受け部材54は、配置場所52で回転移送ドラム56の表面の周りを運搬される材料のウェブである。接着剤ディスペンサ59を使用して、移送ドラム56の上流のウェブ54に接着剤58を塗布することができる。接着剤58は、ウェブ54が移送ドラム56上を移動する前に、ウェブ54の一部に塗布されてもよい。結果として、ウェブ54に(移送ドラム56上にある間に)移送されている個別物品50は、ウェブ54に接着剤で付着され得る。
【0055】
実施形態によれば、個別物品50を受け部材54上に強制的に適用することによって、個別物品50を移送パック18から受け部材54に移送することが望ましい場合があることが認識される。個別物品50を搬送した移送パック18が物品配置場所52に到達すると、移送パック18が受け部材54に接触する。移送パック18及び受け部材54は、移送パック18が所望の量の移送力で受け部材54を押し込むように物品配置場所52に配置される。したがって、一実施形態では、個別物品50は、受け部材54(すなわち、材料ウェブ)上に設けられた接着剤58に接触し、接着剤58内に押し込まれて、個別物品50を受け部材54上の所定の位置に固定する。
【0056】
個別物品50の受け部材54へのこの強制的な移送をより良好に収容し、可能にするために、移送パック18は、以下でパックインサート構成と呼ばれる1つ以上の弾性表面部材を備える。パックインサート構成は、個別物品50を受け部材54に固着、付着、接着、又は接合するのを助けるために、移送パック18の物品搬送面上に配置された1つ以上の弾性インサート部材を備える。弾性インサート部材(複数の場合もある)は、個別物品50を受け部材54に移送する間に圧縮力が加えられる場合など、圧力を加えると、移送パック18の物品搬送面に向かって内側に押し下げられるように構成される。
【0057】
ここで図2A図2B図3図4図5A及び図5Bを参照し、引き続き図1を参照すると、実施形態による、装置10に備えられ得る移送パック18の構造が、その個々の構成要素/部品とともに示されている。移送パック18は、一般に、パック本体60と、パック本体60と嵌合するパックインサート構成62とから構築される。パックインサート構成62は、1つ以上の弾性パックインサート64、例えば、図示の実施形態では2つのインサートを備える。上述したように、弾性パックインサート64は、個別物品50を移送パック18から移送し、個別物品50を受け部材54に対して所定の位置に固定するのを助けることができる。弾性パックインサート64は、個別物品50を受け部材54上に移送する間に圧縮力が弾性パックインサート64に加えられるときなど、加えられた圧力によって内側に押し下げられる。
【0058】
パック本体60は、剛性材料から構成され、単一の一体型本体構造として、又はパック本体60を形成する複数の構成要素の接合を介して形成することができる。パック本体60は、物品搬送面66と、対向する背面68とを備える。パック本体60の物品搬送面66は、個別物品50と係合し、物品を受け部材54上に移送することを容易にするように構成される。パック本体60の背面68は、移送パック18をそれぞれの移送ユニット16に係合させ、真空を移送パック18に連通するように構成される。
【0059】
図2Bに示すように、移送パック18の背面68は、装置10内の移送パック18と真空システム32との間の真空連通を可能にする開口部70の構成を備える。パック本体60の背面68の開口部70は、パック本体60の内部に形成された1つ以上の真空通路72(図4)と流体結合される。真空通路72は、物品搬送面66及びパックインサート64の真空孔74(例えば、図2A及び図3)と流体連通しており、その結果、真空は移送パック18を通って転流可能である。図2Bには示されていないが、移送パック18の背面68はまた、移送パック18を移送ユニット16に結合するパックコネクタを備えることが認識される。一例では、そのようなパックコネクタは、移送機構12の特定の設定に基づいて、移送パック18を移送ユニット16上で容易に取り替える及び交換することを可能にする「クイック接続」タイプのコネクタとして構成することができる。パックコネクタはまた、背面68の開口部70と整列する真空チャネルをその中に形成する。
【0060】
移送パック18の物品搬送面66は、一般に、中央領域76及び一対の側部領域78を備えることを特徴とすることができる。側部領域78は、パック本体60(すなわち、パック本体60の長手方向縁部80に平行に延びる)に沿って長手方向に整列し、中央領域76の両側に配置される。図示の実施形態では、中央領域76は、凹状内部領域82と、凹状内部領域82の周りに周囲を形成する隆起リム84とによって画定され、凹状内部領域82は、特に物品の厚さが増加している場合に、物品搬送面66上の個別物品50の位置決めを収容する。他の実施形態では、中央領域76は、(図6Aの表面136によって示されるように)平坦又は実質的に平坦な物品搬送面又は弓形の物品搬送面を提示することができる。一実施形態では、中央領域76の対向する端部の各々は、その中に形成された複数の真空孔74を備え、真空孔は、パック本体60の内部に形成された真空通路72と流体連通するように物品搬送面66を貫通して延在する。
【0061】
物品搬送面66の各側部領域78は、パック本体60に沿って長手方向に延在するインサートチャネル88をその中に形成するように構築される。インサートチャネル88は、パック本体60の全長に沿って延在するように形成され、各インサートチャネル88は、一方の側ではパック本体60の長手方向縁部80に/隣接して配置された縁壁90によって画定され、他方の側では中央領域76のリム84から下方に延在する内壁92によって画定され得る。一実施形態では、縁壁90は、縁壁90が中央領域76のリム84よりも低いレベルに配置されるように、内壁92よりも短くてもよい。インサートチャネル88は、パック本体60の端壁94によって一端が閉じられ、インサートチャネル88の対向する端部は、インサートチャネル88へのパックインサート64の挿入後にパック本体60(例えば、締結具98を介して)に固定されるエンドキャップ96によって閉じられる。インサートチャネル88は、パック本体60の内部に形成された1つ以上の真空通路72と流体連通するように構築され、インサートチャネル88の底面及び/又は真空通路72とインサートチャネル88との間の真空の移送を可能にする開口部又は開口領域100を備えるチャネル(すなわち、内壁92)の内側面を有する。チャネルの長さに沿って延びるインサートチャネル88の各々に、1つ以上の嵌合溝102及び隆起部104を設けることができる。嵌合溝102及び隆起部104は、以下でさらに詳細に説明するように、パックインサート64の対応する特徴と嵌合してインサートをインサートチャネル88に保持するように構成される。
【0062】
パック本体60は、物品搬送面66に形成された一対のチャネル88を備えるものとして図2図5に示されているが、パック本体60の他の実施形態は、一方の側部領域78に形成された単一のチャネル88のみを備えることができることが認識される。より具体的には、インサートチャネル88は、移送パック18が物品配置場所52に並進するときに最初に受け部材54と接触する(後縁部80bとは反対の)移送パック18の前縁部80aであると決定される側部領域78に形成することができる。
【0063】
前述のように、移送パック18は、パック本体60と嵌合するパックインサート構成62を備える。図示の実施形態では、パックインサート構成62は、一対のパックインサート64を備え、パックインサート64は、パック本体60の各側部領域78(及びインサートチャネル88)に対応する。しかしながら、パックインサート構成62は、代わりに単一のパックインサート64のみを備えることができ、パックインサート64は、前述のように、移送パック18の前縁部80aに隣接して形成された側部領域78(及びインサートチャネル88)に対応することが認識される。移送パック18の他の実施形態は、例えば、複数のパックインサート64が各インサートチャネル88に対応する場合など、より多数のパックインサート64(例えば、4つのインサート)を備えることができる。したがって、パック本体60の1つ以上の関連付けられる側部領域78に設けられた1つ以上のパックインサート64を用いて、パックインサート64(複数の場合もある)は、移送パック18の周囲106の一部の周りに配置され、パック本体60の中央領域76は、その中に配置されたパックインサート64を有さない。
【0064】
図3図5に最もよく示されているように、パックインサート64の各々は、上壁108、底壁110、及び一対の側壁112を備える略ベローズ形状の部材として構築される。一対の側壁112は、上壁108及び底壁110の縁部から挿入され、圧力がパックインサート64に加えられると内側及び外側に屈曲することができる湾曲壁として形成される。側壁112は、上壁108及び底壁110の一部とともに、パックインサート64が中空又は半中空の部材として構築されるように、パックインサート64内に形成された内部チャンバ114を画定する。パックインサート64の上壁108は、その中に形成された複数の真空孔74を備え、それによって真空吸引が、移送パック18上に保持されている個別物品50に適用され得る。パックインサート64の底壁110は、その中に形成された複数の開口部116(図5B)を備え、これらはインサートチャネル88の開口領域100と整列している。真空孔74及び開口部116の各々は、パックインサート64の内部チャンバ114と流体連通しており、それにより、真空がパックインサート64を通って移送され得る。したがって、真空は、パック本体60内の真空通路72から、インサートチャネル88の開口領域100を通って、底壁110の開口部116を通って連通することができ、それによって真空は、内部チャンバ114を通って、パックインサート64の上壁108を通って形成された真空孔74にさらに連通する。一実施形態では、図2A及び図3に示すように、真空孔74のより高密度のパターンがパックインサート64の対向する端部に設けられ、移送パック18に固定された個別物品50(図1)の角部により大きな保持力を提供する。
【0065】
パックインサート64をパック本体60に固定する際に、パックインサート64の各々は、物品搬送面66のそれぞれのインサートチャネル88に着座する。インサートチャネル88の各々に設けられた嵌合溝102及び隆起部104は、パックインサート64の底壁110との係合を介して、パックインサート64をインサートチャネル88内の所定の位置に固定するように構成される。すなわち、嵌合溝102とインサートチャネル88の隆起部104との間に画定された空間は、パックインサート64の底壁110が着座するトラック118を画定する。前述のように、一対の湾曲した側壁112は、底壁110の縁部から挿入され、したがって、底壁110がそこから横方向外側に突出し、インサートチャネル88の嵌合溝102及び隆起部104によって画定されたトラック118に係合することができる。インサートチャネル88の隆起部104は、側壁112がその中に配置される貫通部120を設け、底壁110はその下のトラック118に固定され、それにより、パックインサート64をインサートチャネル88に効果的にロックし、パック本体60に対してパックインサート64を固定する。図4に最もよく示されているように、インサートチャネル88に着座したとき、パックインサート64の上壁とインサートチャネル88の隆起部104との間に間隙122が存在する。上壁108の下に存在するこの間隙122は、個別物品50が受け部材54に移送されて押圧されるときに起こり得るような、圧縮力がパックインサート64に加えられたときに上壁108が内側に押し下げられることを可能にする。
【0066】
移送パック18は、パックインサート64がパック本体60のインサートチャネル88に着座したときに、パックインサート64が物品搬送面66のレベル(すなわち、物品搬送面66の側部領域78及び中央領域76を過ぎて上方に)を超えて上方に延在するように構築される。図4に示すように、各パックインサート64の上壁108が物品搬送面66を越えて上に延在する高さHは、少なくとも部分的に、パックインサート64の圧縮率、及び力が加えられたときにそれらが内側にどれだけ圧縮するかによって決定することができる。例示的な実施形態では、各パックインサート64の上壁108は、パック本体60の輪郭に略一致するように構成された傾斜部材として設けられる(中央領域76のリム84は、側部領域78の縁壁に対して持ち上げられる)。すなわち、各パックインサート64の上壁108は、中央領域76に隣接して配置された上縁部124から、パック本体60の長手方向縁部80に隣接して配置された下縁部126まで下方に傾斜するように傾いている。上述のように傾斜しているとき、パックインサート64の傾いた上壁108は、個別物品50を移送パック18から受け部材54に移送するのに役立つ。例えば、移送パック18の前縁部80aに配置されたパックインサート64の場合、上壁108の下縁部126は、移送パック18が物品配置場所52に並進すると、最初に受け部材54と接触する。上壁108が下縁部126から上方に傾斜した状態で、パックインサート64(個別物品50が依然としてその上に配置されている)は、受け部材54と転がり接触し、移送パック18から受け部材54に向かって/受け部材に加えられる押圧力が転がり方式で加えられ、したがって、移送パック18から受け部材54への個別物品50の効率的な移送につながる。
【0067】
上壁108、底壁110、及び一対の側壁112を備えるパックインサート64は、力が加えられたときにパックインサート64が押し下げられることを可能にする圧縮性の弾性材料から構成される。したがって、実施形態によれば、パックインサート64は、非限定的な例として、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、熱可塑性ポリアミド(TPA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマ(TPE)、又はネオプレンフォームなどの1つ以上の圧縮性、変形性、及び/又は弾性材料から構成することができる。弾性パックインサート64は、個別物品50を受け部材54に移送する間に圧縮力が加えられる場合など、圧力を加えると、移送パック18の物品搬送面66に向かって内側に押し下げるように構成される。弾性パックインサート64は、個別物品50が受け部材54上に移送された後など、圧縮力が取り除かれると元の構成に戻る。
【0068】
実施形態では、少なくともパックインサート64の上壁108又は上面にシリコーンゴムなどの材料を使用して、移送パック18によって搬送される個別物品50がその上に移送される受け部材54(例えば、ウェブ材料)上に存在し得るような、接着剤の蓄積に耐える非粘着表面を提供することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの例では、個別物品50が移送パック18によってウェブ上に押圧されると、ウェブ上の接着剤が個別物品50を通ってパックインサート64上に浸透することができる。
【0069】
パックインサート64は、3D印刷プロセス又は他の適切な製造技術によって製造することができる。パックインサート64は、パックインサート64をその開口端からインサートチャネル88内に摺動させることによってパック本体60内に組み立てられる。各パックインサート64の底壁110は、それぞれのインサートチャネル88に画定されたトラック118と嵌合する。パックインサート64をインサートチャネル88内に配置すると、エンドキャップ96が(例えば、締結具98を介して)パック本体60に固定されて、インサートチャネル88の開口端を閉じる。したがって、パックインサート64は、エンドキャップ96とパック本体60の反対側の端部の閉じた端壁94との間に保持される。
【0070】
ここで図6A図6B図7図8図9A及び図9Bを参照し、引き続き図1を参照すると、別の実施形態による、装置10に備えられ得る移送パック18の構造が、その個々の構成要素/部品とともに示されている。移送パック18は、一般に、パック本体130と、パック本体130と嵌合するパックインサート構成132とから構築される。パックインサート構成132は、その中に1つ以上の弾性パックインサート134、例えば、図示の実施形態では2つのインサートを備える。
【0071】
パック本体130は、物品搬送面136と、対向する背面138とを備える。図6Bに示すように、移送パック18の背面138は、装置10内の真空システム32から移送パック18に連通する真空を提供する開口部140の構成を備える。パック本体130の背面138の開口部140は、パック本体130の内部に形成された1つ以上の真空通路142(図8)と流体結合され、真空通路142は、移送パック18を通して真空が転流可能であるように、物品搬送面136及びパックインサート134の真空孔144(例えば、図6A及び図7)と流体連通する。
【0072】
移送パック18の物品搬送面136は、一般に、中央領域146及び一対の側部領域148を備えることを特徴とすることができる。側部領域148は、パック本体130(すなわち、パック本体130の長手方向縁部150に平行に延びる)に沿って長手方向に整列し、中央領域146の両側に配置される。実施形態によれば、中央領域146は、その中に形成された複数の真空孔144を備える平らな又は平坦な部分として設けられ、真空孔は、パック本体130の内部に形成された真空通路142と流体連通するように物品搬送面136を貫通して延在する。図示の実施形態では、真空孔144は物品搬送面136の中央領域146の対向する端部に設けられているが、追加の真空孔144が中央領域146の他の場所に設けられてもよい。
【0073】
物品搬送面136の各側部領域148は、パック本体130に沿って長手方向に延在するインサートチャネル152をその中に形成するように構築される。インサートチャネル152は、パック本体130の全長に沿って延在するように形成され、各インサートチャネル152は、一方の側ではパック本体130の長手方向縁部150に/隣接して配置された縁壁154によって画定され、他方の側では中央領域146に隣接する内壁156によって画定され得る。一実施形態では、縁壁154は、縁壁154が中央領域146よりも低いレベルに配置されるように、内壁156よりも短くてもよい。インサートチャネル152は、パック本体130の端壁158によって一端が閉じられ、インサートチャネル152の対向する端部は、チャネル152へのパックインサート134の挿入後にパック本体130(例えば、締結具163を介して)に固定されるエンドキャップ160によって閉じられる。インサートチャネル152は、パック本体130の内部に形成された1つ以上の真空通路142と流体連通するように構築され、インサートチャネル152の底面及び/又は真空通路142とインサートチャネル152との間の真空の移送を可能にする開口部又は開口領域162を備えるチャネル152の内側面を有する。チャネル152の長さに沿って延びるインサートチャネル152の各々に、嵌合溝164を設けることができる。嵌合溝164は、以下でさらに詳細に説明するように、パックインサート134の対応する特徴と嵌合してインサートをインサートチャネル152に保持するように構成される。
【0074】
前述のように、移送パック18は、パック本体130と嵌合するパックインサート構成132を備える。図示の実施形態では、パックインサート構成132は、一対のパックインサート134を備え、パックインサート134は、パック本体130の各側部領域148(及びインサートチャネル152)に対応する。図7図9に最もよく示されているように、パックインサート134の各々は、パックインサート134が中空部材として構成されるように、上壁166、底壁168、及びパックインサート134内に形成された内部チャンバ172を集合的に画定する一対の側壁170を備える略台形状の部材として構築される。パックインサート134の上壁166は、その中に形成された複数の真空孔144を備え、それによって真空吸引が、移送パック18上に保持されている個別物品50に適用され得る。パックインサート134の底壁168は、その中に形成された複数の開口部174(図9B)を備え、これらはインサートチャネル152の開口領域162と整列している。真空孔144及び開口部の各々は、パックインサート134の内部チャンバ172と流体連通しており、それにより、真空がパックインサート134を通って移送され得る。したがって、真空は、パック本体130内の真空通路142から、インサートチャネル152の開口領域162を通って、底壁168の開口部174を通って連通することができ、それによって真空は、内部チャンバ172を通って、パックインサート134の上壁166上の真空孔144にさらに連通する。
【0075】
パックインサート134をパック本体130に固定する際に、パックインサート134の各々は、物品搬送面136のそれぞれのインサートチャネル152に着座する。インサートチャネル152の各々の嵌合溝164は、パックインサート134の底壁168との係合を介して、パックインサート134をインサートチャネル152内の所定の位置に固定するように構成される。すなわち、パックインサート134をインサートチャネル152内に効果的にロックし、パック本体130に対してパックインサート134を固定するために、インサートチャネル152の溝164と係合するように側壁170を越えて延在する底壁168上の角状突起176。一実施形態では、締結ピン178を使用して、パックインサート134をインサートチャネル152に固定することもでき、締結ピン178は、上壁166の締結具開口部180を通って下方に延在し、パックインサート134の内部チャンバ172を通って下方に延在し、インサートチャネル152の下のパック本体130の側部領域148に形成されたピン孔182と係合する。
【0076】
図8に最もよく示されているように、移送パック18は、パックインサート134がパック本体130のインサートチャネル152に着座したときに、パックインサート134が物品搬送面136のレベル(すなわち、物品搬送面136の側部領域148及び中央領域146を過ぎて上方に)を超えて上方に延在するように構築される。各パックインサート134の上壁166が物品搬送面136を越えて上に延在する高さHは、少なくとも部分的に、パックインサート134の圧縮率、及び力が加えられたときにそれらが内側にどれだけ圧縮するかによって決定することができる。例示的な実施形態では、すなわち、各パックインサート134の上壁166は、中央領域146に隣接して配置された上縁部184から、パック本体130の長手方向縁部150に隣接して配置された下縁部186まで下方に傾いた傾斜部材として設けられる。
【0077】
図2図5のパックインサート64に関して前述したように、上壁166、底壁168、及び一対の側壁170を備えるパックインサート134は、力が加えられたときにパックインサート134が押し下げられることを可能にする圧縮性、変形性、及び/又は弾性材料から構成される。したがって、実施形態によれば、パックインサート134は、非限定的な例として、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、TPA、TPU、TPE、又はネオプレンフォームなどの1つ以上の圧縮性、変形性、又は弾性材料から構成することができる。弾性パックインサート134は、個別物品50が受け部材54上に移送された移送後など、圧縮力が取り除かれると元の構成に戻る。
【0078】
別の実施形態によれば、パックインサート134は、図8に示す中空構造とは対照的に中実構造を有してもよい。そのような実施形態では、パックインサート134は、非限定的な例として、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、TPA、TPU、TPE、又はネオプレンフォームのような変形性の材料で構築される。中実インサート構造では、真空孔144は、パック本体130内の真空通路142からの真空を、インサート134を通って、移送パック18の物品搬送面136に連通させるために、パックインサート134の全高を貫通して形成される。
【0079】
図2図5の実施形態及び図6図9の実施形態に示され説明された移送パック18に関して前述したように、移送パック18は、一対のパックインサートではなく単一のパックインサートのみを備えるように構成することができることが認識される。図10は、単一のパックインサート64のみを内部に備える移送パック18の実施形態を示し、パックインサート64は、図2図5に示し説明したパックインサート64の実施形態のものと一致する。しかしながら、代わりに、図6図9のパックインサート134と一致する単一のパックインサートを備える移送パック18を設けることができることが認識される。
【0080】
図10の実施形態では、パックインサート64は、移送パック18が物品配置場所52に並進するときに最初に受け部材54と接触する移送パック18の前縁部80aに隣接して配置される。(図2図5について)前述したように、パックインサート64は、移送パック18の前縁部80aに沿って、物品搬送面66の側部領域78に形成されたインサートチャネル88と嵌合する。パック本体60の対向する後縁部80bに沿った側部領域78は、インサートチャネル88(及びそれと嵌合するパックインサート64)を備えず、代わりに中央領域76の延長部として構成される。すなわち、後縁部80bに沿った側部領域78は、隆起リム84から縁部80bに隣接するリム84に隣接する側部からわずかに下方に傾斜することができる滑らかな移行部でそこから延在する表面を呈し、側部領域78はその中に複数の真空孔74を備える。
【0081】
ここで図11A図11Dを参照すると、個別物品50の移送中の移送パック18及び受け部材54の側面概略図が提供されており、移送パック18と受け部材54との相互作用をよりよく説明及び図示する。図2図5及び図6図9の実施形態で前述したように、図示の実施形態では、移送パック18は一対のパックインサート64、134を備えるものとして示されているが、以下の説明は、移送パック18が前縁部80aに隣接して配置された単一のパックインサートのみを含む図10の実施形態にも同様に適用可能であることが認識される。
【0082】
図11Aに示すように、移送パック18は、個別物品50が受け部材54に付着される物品配置場所52に向かって機械方向55に移動する。この場所では、弾性パックインサート64、134は、それらが移送パック18の物品搬送面66の上方に突出する静止構成(すなわち、非圧縮状態又は非押し下げ状態)にある。
【0083】
図11Bに示される場所において、移送パック18の前縁部80aは、物品配置場所52に到達しており、移送パック18の移動経路と受け部材54との間の干渉に起因して、受け部材54(例えば、ウェブ54及び移送ドラム56)と接触する。移送パック18が受け部材54と接触すると、移送パック18と受け部材54との間に、移送パック18から受け部材54への個別物品50の移送を助ける印加力が生成される。生成されたこの印加力により、前縁部80aに隣接するパックインサート64、134が移送パック18の物品搬送面66に向かって内側に押し下げられ、その結果、一実施形態では、パックインサート64、134の上面が物品搬送面66とほぼ同じレベルになる。パックインサート64、134のこの押し下げは、個別物品50及び受け部材54に付与される力及び応力を低減し、個別物品50の移送中にそれに生じ得る損傷を防止しながら、個別物品50の受け部材54への効果的な移送を可能にする。
【0084】
ここで図11Cを参照すると、移送パック18の前縁部80aは、前縁部80aに隣接するパックインサート64、134がもはや受け部材54と接触しないように、物品配置場所52を過ぎて回転している。さらに、後縁部80bに隣接するパックインサート64、134は、物品配置場所52に到達しており、移送パック18の移動経路と受け部材54との間の干渉に起因して、受け部材54(例えば、ウェブ54及び移送ドラム56)と接触する。前縁部80aに隣接するパックインサート64、134がもはや受け部材54と接触していない状態で、パックインサート64、134は、以前に作用していた印加力がこの場所で除去されているため、物品搬送面66(すなわち、その非圧縮状態又は非押し下げ状態)の上方に突出する静止構成に戻るか、又は後退することができる。逆に、ここで物品配置場所52に到達した後縁部80bに隣接するパックインサート64、134の場合、パックインサート64、134は、受け部材54と接触する。後縁部パックインサート64、134が受け部材54と接触するので、パックインサート64、134が移送パック18の物品搬送面66に向かって内側に押し下げられる印加力が生成され、その結果、一実施形態では、パックインサート64、134の上面が物品搬送面66とほぼ同じレベルになる。パックインサート64、134のこの押し下げは、個別物品50及び受け部材54に付与される力及び応力を低減し、個別物品50の移送中にそれに生じ得る損傷を防止しながら、個別物品50の受け部材54への効果的な移送を可能にする。
【0085】
図11Dに示す位置では、移送パック18は、前縁部及び後縁部パックインサート64、134がもはや受け部材54と接触しないように、物品配置場所52を完全に過ぎて回転している。パックインサート64、134の両方がもはや受け部材54と接触していない状態で、パックインサート64、134の両方は、以前に作用していた印加力がこの場所で除去されているため、物品搬送面66(すなわち、その非圧縮状態又は非押し下げ状態)の上方に突出するそれらの静止構成に戻るか、又は後退することができる。
【0086】
図2図10で上述した移送パックは、本発明の追加の実施形態による、図1の切断移送装置10以外の他のシステム又は装置に実装することができることが認識される。そのようなシステム又は装置は、前述した装置10とは異なる構造の切断移送装置、又は製品又は構成要素部品を或る向きで受け入れ、構成要素部品を所望の所定の角度までスピン(又は「回転」)させ、次いで構成要素部品を別のウェブ又は受け部材上に移送(又は「配置」)して、製造プロセスの別のステップで使用するように動作可能なターンアンドプレース装置を備えることができる。
【0087】
実施形態によるターンアンドプレース装置の一例が図12に示されている。ターンアンドプレース装置190は、回転デバイスとして構成され、中心軸196を中心に回転するセンターハブ194に取り付けられた複数の移送パック192を備える。装置190は、例えば真空ドラム(図示せず)からなど、ピックアップポイント又は受け入れ場所200で個別物品198を受け入れ、物品198は移送パック192によって連続的かつ個別にピックアップされる。移送パック192は、個別物品198を、それらが中心プレート194上で中心軸196を中心にして受け入れ場所200から物品配置場所202まで回転するときにその上に保持する。受け入れ場所200と物品配置場所202との間を移動する間、移送パック192の各々はまた、そのスピン軸204の周りをスピンして、その上に支持された個別物品198を再配向させる。一実施形態では、個別物品198は、90度回転させることができる。個別物品198が90度回転された後、それらは、物品移送場所202において、ドラム208を中心に回転されているコンベヤ206上に堆積される。次いで、コンベヤ206は、特定の用途によって必要とされるように、さらなる処理のために又は包装デバイスに個別物品198を搬送する。
【0088】
さらに他の実施形態では、図2図10で上述した移送パックは、例えば、第1の間隔(ピッチ)で移動する個別ピースをピックアップし、個別ピースの回転方向を変更することなく、より大きな間隔(ピッチ)で物品配置場所に個別ピースを移送する再ピッチングユニットなどの、受け入れ場所から物品配置場所に個別物品を移送するように構成された他のタイプのユニットで利用することができる。さらに別の非限定的な例として、図2図10で上述した移送パックは、個別ピース間のピッチ又は間隔を変更することなく個別ピースの向きを変更するように、個別ピースをピックアップして堆積させるデバイスで利用することができる。
【0089】
さらに他の実施形態では、図2図10で上述したような弾性インサートは、材料のウェブ又は個別物品を扱うように構成された他のタイプのユニットで利用することができる。そのようなユニットは、非限定的な例として、アンビル、ナイフシャフト、移送ロール、スクラップイヤー(NoSE)パックなし、及びウエストバンド部を含むことができる。
【0090】
したがって、有益なことに、本発明の実施形態は、異なる種類及びサイズの個別物品の移送に対応するように、広範囲の個別構成要素の受け面へ効率的に移送する移送パック及び移送装置全体を提供する。移送パックは、個別構成要素が受け面上に正確に移送され、個別構成要素の適用及び移送中に力が加えられた場合でも、個別構成要素又は受け面を損傷することなく移送されることを保証する。
【0091】
したがって、本発明の一実施形態によれば、装置は、複数の個別物品を物品受取場所から物品配置場所へ移送するように構成された移送機構を備え、移送機構は、物品受取場所から物品配置場所への移送経路に沿って移動する複数の移送ユニットを備え、複数の移送ユニットの各々は、移送パックが物品受取場所と物品配置場所との間を移動するときに、個別物品をその上に搬送するように選択的に動作可能な移送パックを備える。装置はまた、移送機構から複数の個別物品を受け入れるために物品配置場所に配置された受け部材を備える。各移送パックは、背面と、真空を介してその上に個別物品を保持するために内部に形成された真空孔を有する物品搬送面とを有するパック本体を備え、物品搬送面は、中央領域と、中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域とを備え、少なくとも1つの側部領域は、パック本体に沿って長手方向に整列している。移送パックの各々はまた、移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上のパックインサートを含むパックインサート構成を備え、1つ以上のパックインサートの各々は、それぞれの側部領域でパック本体と係合し、物品搬送面の上方に突出するように寸法決めされる。1つ以上のパックインサートの各々は、力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体である。
【0092】
本発明の別の実施形態によれば、個別物品を受け面上に移送及び配置するための移送パックが提供される。移送パックは、背面と、真空を介してその上に個別物品を保持するために内部に形成された真空孔を有する物品搬送面とを有するパック本体を備え、物品搬送面は、中央領域と、中央領域に隣接する少なくとも1つの側部領域とを備え、少なくとも1つの側部領域は、パック本体に沿って長手方向に整列している。移送パックはまた、移送パックの周囲の一部の周りに配置された1つ以上のパックインサートを含むパックインサート構成を備え、1つ以上のパックインサートの各々は、それぞれの側部領域でパック本体と係合し、物品搬送面の上方に突出する。1つ以上のパックインサートの各々は、力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体である。
【0093】
本発明のまた別の実施形態によれば、個別物品を移送パックから受け面に移送する方法が提供される。本方法は、個別物品を、移送パックを介して連通する真空を介して移送パックの物品搬送面上に保持することを含み、移送パックは、移送パックの周囲の一部の周りに配置されるように、その1つ以上の側部領域で物品搬送面に付けられた1つ以上のパックインサートを備え、1つ以上のパックインサートの各々は、物品搬送面の上方に突出し、物品搬送面に力を加えると物品搬送面に向かって内側に押し下げ可能な弾性構造体を備える。本方法はまた、個別物品を移送パックから物品配置場所の受け面に移送することを含み、個別物品を移送することは、物品搬送面に保持された個別物品を物品配置場所の受け面に接触させることと、個別物品が物品搬送面に接触して、個別物品を物品搬送面から受け面に移送する際に、移送パックから受け面に押圧力を加えることとを含む。押圧力は、1つ以上のパックインサートを物品搬送面に向かって内側に押し下げる。
【0094】
本発明を限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明してきたが、本発明はそのような開示された実施形態に限定されないことを容易に理解されたい。むしろ、本発明は、これまでに記載されていないが、本発明の精神及び範囲に相応する任意の数の変形、変更、置換、又は同等の構成を組み込むように修正することができる。さらに、本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の態様は、説明した実施形態の一部のみを含んでもよいことを理解されたい。したがって、本発明は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
【国際調査報告】