(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】焼結石熱間曲げ炉及び焼結石の熱間曲げ加工方法
(51)【国際特許分類】
C04B 41/80 20060101AFI20241121BHJP
C04B 38/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
C04B41/80 Z
C04B38/00 303Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534105
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2022139207
(87)【国際公開番号】W WO2023221485
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】202210544277.5
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266393
【氏名又は名称】蒙娜麗莎集団股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 一軍
(72)【発明者】
【氏名】潘 利敏
(72)【発明者】
【氏名】李 惠文
(72)【発明者】
【氏名】胡 志斌
(72)【発明者】
【氏名】覃 増成
【テーマコード(参考)】
4G019
【Fターム(参考)】
4G019FA12
(57)【要約】
本発明は、焼結石加工の技術分野に属し、焼結石熱間曲げ炉及び焼結石の熱間曲げ加工方法を開示する。前記焼結石熱間曲げ炉は、断熱板のように構成され、前記断熱板に炉室と連通するガス通路が設けられている炉蓋と、炉体の外部に設置され、炉蓋のガス通路と連通して炉室内に空気流を供給する送風ユニットと、炉体の内壁に固定的に設置されて炉室の環境温度を調整する第1の加熱装置と、炉体の垂直方向及び/又は水平方向に移動して焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所加熱温度を調整する第2の加熱装置とを含む加熱装置と、を備える。前記焼結石熱間曲げ炉は、エネルギー消費量を低減し、冷却時間を短縮できるだけでなく、製造された熱間曲げ焼結石の曲げ弧度が設計要求に適合し、金型との適合度が高く、焼結石の表面の平坦度や色の装飾に影響を及ぼさない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉体と、
炉室に内置され、熱間曲げ加工すべき焼結石を載置するための金型と、
断熱板のように構成され、前記断熱板に炉室と連通するガス通路が設けられている炉蓋と、
炉体の外部に設置され、炉蓋のガス通路と連通して炉室内に空気流を供給する送風ユニットと、
炉体の内壁に固定的に設置されて炉室の環境温度を調整する第1の加熱装置と、炉体の垂直方向及び/又は水平方向に移動して焼結石における熱間曲げ加工すべき箇所の局所加熱温度を調整する第2の加熱装置とを含む加熱装置と、
炉体の外壁に設置され、炉室の環境温度と焼結石における熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を表示する温度制御装置と、
温度制御装置と加熱装置と相互に接続し、温度制御装置を調整することによって加熱装置の加熱パワーを調整する温度感知装置と、
炉体の外壁に設置され、炉室内の焼結石の熱間曲げ状况を観察するための観察口と、を含み、
焼結石熱間曲げ炉を用いて焼結石を熱間曲げ加工する際に、第1の加熱装置の加熱パワーを高めて焼結石が軟化するまで再加熱して、焼結石が自己重力で初期成形されることを促進し、第2の加熱装置と初期成形された焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整するように第2の加熱装置を移動させるとともに、焼結石と金型との適合度を高めように第2の加熱装置をオンにして焼結石を局所的に加熱し、第1の加熱装置と第2の加熱装置とをオフにしかつ送風ユニットをオンにして空気流が炉室内に導入され、前記空気流の流れ方向を、焼結石の金型の円弧に向かう成形方向と一致させることで、焼結石が空気流による力で金型にさらに適合する、焼結石熱間曲げ炉。
【請求項2】
前記断熱板には、1つまたは複数の気孔が設けられてガス通路が形成され、外部の送風ユニットと連通する、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項3】
前記断熱板は、第1の断熱板と、第1の断熱板に内嵌される第2の断熱板とを含み、第2の断熱板は多孔質材料からなり、第1の断熱板には、1つ又は複数の気孔が開設されてガス通路が形成され、前記ガス通路と第2の断熱板の多孔質構造は、送風ユニットと連通して炉室内に空気流を供給する、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項4】
前記第2の断熱板は、表面及び内部に多孔質構造が分布しているハニカムセラミックスからなる、請求項3に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項5】
前記炉蓋の断熱板には、第2の加熱装置が取り付けられる伸縮ブラケットが配置され、伸縮ブラケットを制御することによって第2の加熱装置の移動を調整する、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項6】
前記温度感知装置は、炉体の内壁に設置されて炉室内の環境温度を感知する第1の温度感知装置と、第2の加熱装置に直交し且つ間隔をあけて配置される第2の温度感知装置とを含む、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項7】
伸縮ブラケットには、第2の加熱装置に接続される第2の温度感知装置が取り付けられ、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を感知する、請求項6に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の焼結石熱間曲げ炉を用いた焼結石の熱間曲げ加工方法であって、
熱間曲げ加工すべき焼結石を金型に載置し、炉室を閉じるステップS1と、
第1の加熱装置をオンにし、炉室を予熱するステップS2と、
第1の加熱装置の加熱パワーを高め、焼結石が軟化するまで再加熱し、焼結石が自己重力で初期成形されることを促進するステップS3と、
第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整するように第2の加熱装置を移動させるとともに、焼結石と金型との適合度を高めるように第2の加熱装置をオンにして焼結石を局所的に加熱するステップS4と、
第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにしかつ送風ユニットをオンにし、炉室内に空気流を導入して焼結石を急冷し、空気流の流れ方向を、焼結石の金型の円弧に向かう成形方向と一致させることで、焼結石が空気流による力で金型にさらに適合するステップS5と、
送風ユニットをオフにし、炉室を室温まで自然冷却し、熱間曲げされた焼結石を取り出すステップS6と、を含む、焼結石の熱間曲げ加工方法。
【請求項9】
局所加熱温度は1200~1300℃である、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁器スラブ(ceramic slab)加工技術分野に関し、特に焼結石熱間曲げ炉及び焼結石の熱間曲げ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板形状の焼結石は単一の構造を持ち、使用範囲が限られるため、焼結石の生産能力の発展が制限されている。現在市場に出回っている焼結石茶卓、焼結石手洗い器などはいずれも焼結石を裁断した後に接着剤を使って接着して形成されるものであり、その角が直角であり、かつ長時間使用すると接着箇所で黄変、黒変しやすく、美観に影響を与える。特許文献1では、裁断した焼結石を金型に置いて、加熱により焼結石を軟化温度まで昇温させ、自己重力のみで金型の形状に適合する熱加工焼結石に成形した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開公報第111960653号明細書
【特許文献1】中国特許出願公開公報第114646218号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開公報第102372423号明細書
【特許文献3】中国実用新案登録公報第209259924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の方法では、熱間曲げ焼結石と金型が完全に適合しない欠陥があり、曲げ弧度は設計要求に適合しない。また、加工プロセスにおいて熱間曲げ炉は焼結石の軟化温度まで全体的に昇温する必要があり、さらに、熱間曲げ焼結石を取り出す前に自然冷却で降温する必要があり、製品の製造期間が長く、エネルギー消費量が高く、生産コストが高い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に対して、本発明は、焼結石熱間曲げ炉及び焼結石の熱間曲げ加工方法を提供しており、局所的な再加熱を採用し、指向性空気流を導入して急冷することにより、エネルギー消費量を低減し、冷却時間を減らし、製造期間を短縮し、製作コストを低減することができるのみならず、製造された熱間曲げ焼結石の曲げ弧度が設計要件に適合し、金型との適合度が高く、焼結石の表面平坦度や色彩装飾に影響を及ぼさない。
【0006】
第1の局面において、本発明は、焼結石熱間曲げ炉を提供している。前記焼結石熱間曲げ炉は、
炉体と、
炉室に内置され、熱間曲げ加工すべき焼結石を載置するための金型と、
断熱板のように構成され、前記断熱板に炉室と連通するガス通路が設けられている炉蓋と、
炉体の外部に設置され、炉蓋のガス通路と連通して炉室内に空気流を供給する送風ユニットと、
炉体の内壁に固定的に設置されて炉室の環境温度を調整する第1の加熱装置と、
炉体の垂直方向及び/又は水平方向に移動して焼結石における熱間曲げ加工すべき箇所の局所加熱温度を調整する第2の加熱装置とを含む加熱装置と、
炉体の外壁に設置され、炉室の環境温度と焼結石における熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を表示する温度制御装置と、
温度制御装置と加熱装置と相互に接続し、温度制御装置を調整することによって加熱装置の加熱パワーを調整する温度感知装置と、
炉体の外壁に設置され、炉室内の焼結石の熱間曲げ状况を観察するための観察口と、を含む。
【0007】
好ましくは、空気流の流れ方向は、焼結石の金型の円弧に向かう成形方向と一致し、焼結石は、空気流による力で金型方向に向けて適合する。
【0008】
好ましくは、前記断熱板には、1つまたは複数の気孔が開設されてガス通路が形成され、外部の送風ユニットと連通する。
【0009】
好ましくは、前記断熱板は、第1の断熱板と、前記第1の断熱板に内嵌される第2の断熱板とを含み、第2の断熱板は多孔質材料からなり、前記第1の断熱板は、1つ又は複数の気孔が開設されてガス通路が形成され、前記ガス通路と前記第2の断熱板の多孔質構造は、送風ユニットと連通して、炉室内に空気流を供給する。
【0010】
好ましくは、前記第2の断熱板は、表面及び内部に多孔質構造が分布しているハニカムセラミックスからなる。
【0011】
好ましくは、前記炉蓋の断熱板には、第2の加熱装置が取り付けられる伸縮ブラケットが配置され、伸縮ブラケットを制御することによって第2の加熱装置の移動を調整する。
【0012】
好ましくは、前記温度感知装置は、炉体の内壁に設置されて炉室内の環境温度を感知する第1の温度感知装置と、第2の加熱装置に直交しかつ間隔をあけて配置される第2の温度感知装置と、を含む。
【0013】
好ましくは、伸縮ブラケットには、前記第2の加熱装置に接続される第2の温度感知装置が取り付けられ、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を感知する。
【0014】
第2の局面において、本発明は、上記のいずれかに記載の焼結石熱間曲げ炉を用いた焼結石の熱間曲げ加工方法を提供している。前記方法は、
熱間曲げ加工すべき焼結石を金型に載置し、炉室を閉じるステップS1と、
第1の加熱装置をオンにし、炉室を予熱するステップS2と、
第1の加熱装置の加熱パワーを高め、焼結石が軟化するまで再加熱し、焼結石が自己重力で初期成形されることを促進するステップS3と、
第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整するように第2の加熱装置を移動させるとともに、焼結石と金型との適合度を高めるように第2の加熱装置をオンにして焼結石を局所的に加熱するステップS4と、
第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにしかつ送風ユニットをオンにし、炉室内に空気流を導入して焼結石を急冷し、空気流の流れ方向を、焼結石の金型の円弧に向かう成形方向と一致させることで、焼結石が空気流による力で金型にさらに適合するステップS5と、
送風ユニットをオフにし、炉室を室温まで自然冷却し、熱間曲げされた焼結石を取り出すステップS6と、を含む。
【0015】
好ましくは、局所加熱温度は1200~1300℃である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本発明の焼結石熱間曲げ炉を用いた焼結石の熱間曲げ加工方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明の焼結石熱間曲げ炉の斜視図(一部の構成要素は図示せず)である。1はガス通路、2は断熱板、3は炉体、4は温度感知装置、5は温度制御装置、6は観察口である。
【
図3】
図3は本発明の焼結石熱間曲げ炉の断面図である。1はガス通路、2-1は第1の断熱板、2-2は第2の断熱板、3は炉体、4-1は第1の温度感知装置、4-2は第2の温度感知装置、7は第1の加熱装置、8は第2の加熱装置、9は焼結石、10は金型、11は伸縮ブラケットである。
【
図4】
図4は既存の焼結石熱加工装置を用いて製造した濃色熱間曲げ焼結石の変色欠陥図である。
【
図5】
図5は既存の焼結石熱加工装置を用いて製造したロットの異なる熱間曲げ焼結石の弧度誤差欠陥図である。
【
図6】
図6は実施例1で製造されたロットの異なる熱間曲げ焼結石の弧度誤差の模式図である。
【
図7】
図7は実施例1で製造された濃色熱間曲げ焼結石の画像である。
【
図8】
図8は実施例2で製造された熱間曲げ焼結石茶卓の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術的方案及び技術的効果をより明確にするために、以下、図面の簡単な説明及び発明を実施するための形態を結び付けて本発明をさらに詳しく説明する。
【0018】
本発明は、焼結石熱間曲げ炉を提供している。前記焼結石熱間曲げ炉の炉体は保温機能を有する。好ましくは、炉体は耐火保温材からなるものである。耐火保温材の組成は制限されず、その分野でよく使用される耐火保温材を採用すればよい。炉体の形状と寸法は需要に応じて適応的に調整することができる。いくつかの実施形態において、炉体は直方体構造である。
【0019】
金型は、炉室内に配置される。熱間曲げ加工すべき焼結石を載置するために使用される。前記金型は熱伝導の速い特性を有し、高温に耐える黒鉛金型を採用してもよい。金型製作工程及び金型構造は本分野の通常のものであり、ここで詳しい説明は省略する。実際には、熱間曲げ焼結石の設計図に基づいて黒鉛金型が形成され、金型の形状、寸法、曲げ効果を熱間曲げ焼結石の設計図と一致させる。金型は、炉蓋の反対側の台座に載置されてもよい。好ましくは、台座の上面は金型の下面に固定的に連結される。
【0020】
焼結石熱間曲げ炉の炉蓋は、炉体に適合される形状と寸法を有するものである。例えば、炉体が直方体構造である場合には、炉蓋も対応して直方体に構成される。炉蓋を炉体にかけて、特別に設計されたガス通路を除いて相対的に閉鎖される空間(炉室)を形成する。前記炉蓋は断熱板として構成される。断熱板は、一体成形であってもよく、ツーピースであってもよく、当然マルチピースの設計であってもよい。前記断熱板には、炉室と連通するガス通路が設けられている。
【0021】
送風ユニットは、炉体の外部に設置され、炉蓋のガス通路と連通して炉室内に空気流を供給する。送風ユニットは、電気送風機であってもよい。空気流の流れ方向は、焼結石(表面は平面であってもよい)の金型の円弧への変化(即ち、成形)方向と一致し、空気流による力で焼結石を金型方向に向けて適合させる。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記炉蓋は、一体成形された断熱板である。前記断熱板には、1つまたは複数の気孔が開設されて、ガス通路が形成され、外部の送風ユニットと連通する。急冷時には、送風ユニットによって供給される空気流は、このガス通路を通って炉室内に直接吹き込まれる。空気流の流れ方向は、焼結石の金型の円弧に応じた変化方向と一致する場合、空気流による力は焼結石を金型に向けて成形させる。金型が炉蓋と反対側の台座に載置されるため、金型に載置される焼結石も炉蓋の気孔に対応することができ、空気流による力の方向と強度を外的要因から最大限に維持することができる。
【0023】
いくつかの実施形態においては、前記炉蓋は、ツーピースのように形成された断熱板である。前記断熱板は、第1の断熱板と、第1の断熱板に内嵌される第2の断熱板とを含む。第2の断熱板は、第1の断熱板に合う形状を有する。第1の断熱板及び第2の断熱板には、貫通する貫通孔がガス通路として1つ又は複数設けられてもよい。好ましくは、第2の断熱板は多孔質材料からなり、第1の断熱板には1つ又は複数の気孔が開設されてガス通路を形成する。このようにして、前記ガス通路及び第2の断熱板の多孔質構造は、送風ユニットと連通して炉室内に空気流を供給する。このようにして、急冷時に送風ユニットによって供給される空気流は、このガス通路を通って炉室内に直接吹き込まれ、且つ、空気流の流れ方向は、焼結石の金型の円弧に沿う変化方向と一致する場合、空気流による力は焼結石を金型に向けて適合させる。
【0024】
好ましくは、第2の断熱板は、表面及び内部に多孔質構造が分布しているハニカムセラミックスからなる。送風ユニットによって輸送される空気流は、第1の断熱板のガス通路を通って第2の断熱板の内部に入り、孔隙を通って炉室内に入り、さらに、焼結石に作用する。
【0025】
加熱装置は、第1の加熱装置と第2の加熱装置を含む。第1の加熱装置は、炉体の内壁に固定的に設置され、炉室の全体的な環境温度を調整するように機能する。第1の加熱装置は、本分野の通常の電気加熱部品を採用すればよい。電熱線(線材加熱炉)、電熱管、電熱板を含むが、これらに限定されない。例えば、線材加熱炉であってもよい。第1の加熱装置の加熱部品の数は、実際の状況に応じて適応的に調整することができる。いくつかの実施形態において、炉体の対向する両側の内壁にそれぞれ1つ又は複数の線材加熱炉が配置される。第1の加熱装置の加熱パワーを調整することによって炉室の環境温度を変更することができる。
【0026】
第2加熱装置は炉室に内置され、炉体の垂直方向及び/又は水平方向に移動可能である。第2の加熱装置は、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所又はその近傍に配置される。第2の加熱装置を移動することにより、第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との間の距離を調整し、さらに、その位置における焼結石の局所加熱温度を変更する。第2の加熱装置は、本分野でよく用いられる移動式加熱部品を採用すればよい。例えば、移動式のシリコニットであってもよい。第2の加熱装置の数は、実際の状況に応じて適応的に調整することができる。第2の加熱装置の加熱パワーを調整することによって局所加熱温度を変更することができる。
【0027】
炉蓋の断熱板に、第2の加熱装置が取り付けられる伸縮ブラケットが配置される。伸縮ブラケットを制御することによって第2の加熱装置の移動を調整する。例えば、伸縮ブラケットの長さを調整することにより、第2の加熱装置と熱間曲げ焼結石との間の距離を調整する。このようにして、第2の加熱装置と金型とは対向する両側に位置し、熱間曲げ加工工程をより便利に制御することができる。
【0028】
第2の加熱装置は、焼結石熱間曲げ炉に移動可能な配置されて熱間曲げ焼結石の熱間曲げすべき箇所を局所加熱し、これにより焼結石の熱間曲げすべき箇所を金型に緊密かつ迅速に適合させ、設計標準を達成することができる。
【0029】
温度制御装置は、炉体の外壁に設置されて炉室の環境温度と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を表示する。いくつかの実施形態において、前記温度制御装置は、温度を表示するパネルを含む。
【0030】
温度感知装置は、温度制御装置及び加熱装置と相互に接続され、温度制御装置を制御することによって加熱装置の加熱パワーを調整する。いくつかの実施形態において、前記温度感知装置は、炉体の内壁に設置されて炉室の環境温度を感知する第1の温度感知装置と、第2の加熱装置に直交しかつ間隔をあけて配置される第2の温度感知装置と、を含む。
【0031】
前記温度感知装置は、温度測定用熱電対であってもよい。第1の温度感知装置について、炉体の対向する両側の内壁にそれぞれ1つ又は複数の熱電対を設けて、炉室の各領域の環境温度を検出することができる。第2の温度感知装置について、第2の加熱装置との間隔が3~6cmであることが好ましく、この距離は、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を良好に反映することができる。好ましくは、伸縮ブラケットに前記第2の加熱装置に接続される第2の温度感知装置を取り付けて、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を感知する。
【0032】
観察口は、炉体の外壁に設置され、炉室内の焼結石の熱間曲げ状况を観察するためのものである。前記観察口は、1つ又は複数の観察孔又は観察窓である。
【0033】
既存の焼結石熱間曲げ炉は、焼結石を熱間曲げ加工する生産プロセスにおいて、焼結石全体を加熱することにより、焼結石の平面部が過熱して反り或いは色変化が発生し、熱間曲げ加工すべき箇所は加熱不足或いは加熱不均一で同様に色変が発生しやすく、金型に精密に適合することができない。本発明の焼結石熱間曲げ炉は、上記課題を克服し、得られる熱間曲げ焼結石と金型との精度の一致性が高く、設計要求に適合し、焼結石の表面平坦度や色彩装飾に影響を与えない。
【0034】
以下、上記焼結石熱間曲げ炉を用いた焼結石の熱間曲げ加工方法を例示して説明する。
【0035】
熱間曲げ加工すべき焼結石を選択する。焼結石の組成は限定されず、本分野でよく使用される焼結石の組成を採用する。焼結石の規格は同様に制限されないが、焼結石の規格は炉室の寸法に適合する必要がある。具体的な実施例では、Monalisa Group Co., Ltd.製の焼結石を使用する。
【0036】
熱間曲げ加工すべき焼結石を金型表面に載置し、炉室を閉じる。例えば、熱間曲げ加工すべき焼結石を炉室内の金型上に載置し、炉蓋を被せて炉室を閉じる。
【0037】
予熱する。焼結石は、高度な技術を駆使して作られた磁器スラブであって脆性材料であり、加熱時に熱応力の影響を受けて割れが発生することが多い。また、焼結石は熱の不良導体であり、伝熱速度が比較的遅く、最初の加熱プロセスでは、温度が低く、熱放射が小さく、焼結石表面がまず加熱され、同時に炉室内の金型の温度が低く、焼結石の厚さ方向に大きな温度差があり、焼結石が不均一に加熱され、焼結石の熱膨張が一致せず、応力が発生する。熱応力が焼結石の強度を超えると、焼結石が炸裂する。一定の範囲内において、加熱速度が速いほど、温度差が大きく、熱応力が大きくなる。そのため、予熱を行い、焼結石の厚さ方向に均一に加熱させて、室温から再加熱までのプロセスで焼結石が炸裂しないようにする必要がある。第1の加熱装置を利用して予熱を行う。前記予熱は、25~50分内に炉室を800~900℃まで等速昇温する。
【0038】
再加熱する。第1の加熱装置のパワーを高めて、焼結石を再加熱して軟化させ、自己重力で初期成形させる。初期成形の形状は金型とほぼ一致する。前記再加熱は、30~40分内に炉室の環境温度を800~900℃から1000~1100℃まで昇温する。
【0039】
局所的に高温で適合処理をする。第2の加熱装置を移動させて、第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整する。同時に、第2加熱装置をオンにして焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所を局所的に加熱し、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所と金型との(保温)適合を促す。コンピュータプログラムによって第2の加熱装置の移動を制御することができる。第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離は、1~3cmであることが好ましい。第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離が近すぎると、焼結石の局所温度が高すぎて熱間曲げ孔などの欠陥が発生してしまい、距離が遠すぎると、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所を有効に局所加熱できず、曲げ効果に影響を与える。局所加熱温度は1200~1300℃であってもよい。焼結石の焼結温度範囲は1250~1270℃であり、上記局所加熱温度は、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所をさらに軟化させ、金型に完全に適合させることができる。
【0040】
急冷する。第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにし、炉室内に空気を導入して急冷を行い、導入された空気が炉室内に形成する(下向きの)作用力により、焼結石を金型にさらに適合させる。具体的には、炉室内に空気流を導入して焼結石を急冷し、前記空気流の流れ方向が、焼結石の金型円弧への変化方向と一致して、空気流による力で焼結石をさらに金型に適合させる。従来の技術は、温度制御により高温焼鈍し、又は自然冷却により焼結石をゆっくり降温させていたが、風力の作用がないため、焼結石をさらに金型に適合して成形することができない。送風ユニットの出力を制御することにより、送風ユニットの風量を調整して、急冷の速度を制御することができる。風量が多い場合、炉体内に入る空気が多くて、急冷速度が速く、風量が少ない場合、炉体内に入る空気が少なくて、急冷速度が遅い。
【0041】
好ましくは、前記急冷は、30~50分内に炉室を800~900℃まで降温する。例えば、前記急冷は、30~50分内に炉室を850℃まで降温する。炉室内に指向性空気流を導入して、焼結石を迅速に冷却させることにより、降温速度を高め、製品の生産期間を短縮するとともに、軟化した焼結石を風力によりさらに金型に適合させて成形する。
【0042】
いくつかの実施形態において、送風ユニットがオンにし、空気が第1の断熱板のガス通路から第2の断熱板の孔隙を通って炉室内に入り、ガスが入った後に一定の下向きの力が形成されて軟化した焼結石に作用し、軟化した焼結石を風力によりさらに金型に適合させて成形する。同時に、この空気は迅速冷却の目的も達成できる。
【0043】
自然冷却する。送風ユニットをオフにし、炉室を室温まで自然冷却させて、金型に適合し、曲げ弧度設計要件を満たす熱間曲げ焼結石を得る。
【0044】
上記熱間曲げ焼結石は、凸弧状焼結石、凹弧状焼結石、波状焼結石、折板型焼結石等を含むが、これらに限定されない。また、前記熱間曲げ焼結石は、内側曲げ焼結石又は外側曲げ焼結石を含むが、これらに限定されず、その曲げ弧度が固定角度に制限されない。
【0045】
本発明の熱間曲げ加工方法は、第1の加熱装置を用いて炉室の環境温度を1000~1100℃まで上昇させ、焼結石を自己重力により金型に適合した基礎形状に成形し、第2の加熱装置を用いて熱間曲げ焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所を局所的に加熱し、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所を金型に緊密且つ迅速に適合させ、設計標準を達成する。
【0046】
特許文献1の熱加工装置及び方法を用いて、濃色の熱間曲げ製品を製造する際に、
図4に示されるように、焼結石の熱間曲げ部に局所的な変色が見られ、円弧状の熱間曲げ製品を製造する際に、大きな弧度誤差が発生する。
図5に示されるように、ロットの異なる円弧状熱間曲げ製品の円弧一致度の偏差は10mmに達している。
【0047】
以下、実施例を通じて、本発明をさらに詳しく説明する。同様に、以下の実施例は、本発明をさらに説明するためのものであり、本発明の特許範囲を制限するものではない。当業者が本発明の上記内容により行う非本質的な改良及び調整は、共に本発明の特許範囲に属する。下記の例における具体的な工程変量なども適合範囲内の例に過ぎず、即ち、当業者が本発明の説明に基づいて適当な範囲内で選択できるものであり、下記例の具体的な数値に限定されるものではない。
【0048】
図2及び
図3に示されるように、熱間曲げ炉は、耐火保温材からなる炉体3を含む。炉体3の上部に断熱板2は設計されている。断熱板2は、ツーピースのように形成された断熱板であり、第1の断熱板2-1と第2の断熱板2-2とを含む。第2の断熱板2-2は、第1の断熱板2-1に内嵌される。第2の断熱板2-2は、表面及び内部に多孔質が分布しているハニカムセラミックスからなる。第1の断熱板2-1にはガス通路1が設けられている。前記ガス通路と、第2の断熱板の多孔質構造の孔隙と、外部の送風ユニットとが連通して、炉室内に空気流を供給する。炉体3の炉室底部には金型10が載置されている。金型10の上面には、熱間曲げ加工すべき焼結石9が載置されている。炉体3の炉室内には、第1の加熱装置7と第2の加熱装置8とが取り付けられている。第1の加熱装置は、線材加熱炉であり、炉室の内壁に固定されている。第2の加熱装置は、移動式のシリコニットであり、炉室内に取り付けられており、移動式のシリコニットは炉体の垂直方向及び水平方向に移動可能であり、これにより、移動式のシリコニットと焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整する。炉体3の側壁には、温度測定用の第1の温度感知装置4-1が取り付けられている。炉蓋の断熱板2には、第2の温度感知装置4-2が取り付けられている伸縮ブラケット11を配置する。炉体3の外壁には温度制御装置5が取り付けられている。温度制御装置5は、第1の加熱装置7と、第2の加熱装置8と、伸縮ブラケット11と、第1の温度感知装置4-1と、第2の温度感知装置4-2と接続されている。温度制御装置5を調整することにより、熱間曲げプロセスにおける焼結石熱間曲げ炉内の環境温度の調整を実現する。また、温度制御装置5を調整することによって第2の加熱装置の移動を制御し、具体的には、伸縮ブラケット11の伸縮長さを調整することにより、第2加熱装置8と焼結石9との距離を制御する。炉体3の外壁には、炉内の焼結石の熱間曲げ状況を観察するための観察口(3つの観察孔)6がさらに設けられている。
【0049】
実施例1
焼結石を前処理する。厚さ5.5mmの被処理焼結石を切断して四方のエッジを研磨処理した後、洗浄及び乾燥処理を行う。切断後の焼結石の寸法偏差は±0.3mmに制御される。
【0050】
熱間曲げ加工する。黒鉛金型を台座に載置し、金型を固定する。熱間曲げすべき焼結石を金型上に載置し、焼結石を金型の四辺と平行にして、炉蓋を被せて、熱間曲げ炉を閉じる。第1の加熱装置をオンにして加熱炉を予熱し、前記予熱は、25分内に炉室を800℃まで等速昇温する。
【0051】
続いて再加熱する。焼結石を高温条件下で軟化させて、自己重力で金型形状に従って初期成形させる。前記再加熱は30分内に炉室を1000℃までゆっくり昇温する。
【0052】
局所的に高温で適合処理をする。第2の加熱装置を移動させて、第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を3cmに制御するとともに、第2の加熱装置の電源をオンにして、熱間曲げ加工すべき箇所を1200℃まで局所的に加熱する。焼結石が自己重力で金型に適合するまで、観察孔を介して炉室内の焼結石と金型との適合状況を観察する。
【0053】
急冷する。第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにして、送風ユニットをオンにし、空気が第1の断熱板のガス通路から第2の断熱板の孔隙を通して炉室内に入り、ガスが入った後に一定の下向きの力が形成されて軟化した焼結石に作用し、焼結石を風力の影響により更に金型に適合させて成形するとともに、迅速冷却の目的を達成する。前記急冷は、30分内に炉室を850℃まで降温する。
【0054】
送風ユニットをオフにして室温まで自然冷却し、曲げ弧度が125°の内側曲げの熱間曲げ焼結石に加工する。
【0055】
図6は、実施例1で製造されたロットの異なる焼結石の弧度誤差の模式図である。弧度誤差が顕著に縮小していることが分かった。ロットの異なる熱間曲げ焼結石の円弧一致度の偏差の最大値は3mmだけであった。
【0056】
図7は、実施例1で製造された濃色熱間曲げ焼結石の画像である。前記濃色熱間曲げ焼結石には局所的な変色が発生していない。
【0057】
実施例2
焼結石を前処理する。厚さ15.5mmの被処理焼結石を切断して四方のエッジを研磨処理した後、洗浄及び乾燥処理を行う。切断後の焼結石の寸法偏差は±0.3mmに制御される。
【0058】
熱間曲げ加工する。黒鉛金型を台座に載置し、金型を固定する。熱間曲げすべき焼結石を金型上に載置し、焼結石を金型の四辺と平行にして、炉蓋を被せて、熱間曲げ炉を閉じる。第1の加熱装置をオンにして加熱炉を予熱し、前記予熱は、50分内に炉室を850℃まで等速昇温する。
【0059】
続いて再加熱する。焼結石を高温条件下で軟化させて、自己重力で金型形状に従って初期成形させる。前記再加熱は40分内に炉室を1100℃までゆっくり昇温する。
【0060】
局所的に高温で適合処理をする。第2の加熱装置を移動させて、第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を1.5cmに制御するとともに、第2の加熱装置の電源をオンにして、熱間曲げ加工すべき箇所を1300℃まで局所的に加熱する。焼結石が自己重力で金型に適合するまで、観察孔を介して炉室内の焼結石と金型との適合状況を観察する。
【0061】
急冷する。第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにして、送風ユニットをオンにし、空気が第1の断熱板のガス通路から第2の断熱板の孔隙を通して炉室内に入り、ガスが入った後に一定の下向きの力が形成されて軟化した焼結石に作用し、焼結石を風力の影響下で更に金型に適合させて成形するとともに、迅速冷却の目的を達成する。前記急冷は、50分内に炉室を850℃まで降温する。
【0062】
送風ユニットをオフにして室温まで自然冷却し、曲げ角度が90°の熱間曲げ焼結石茶卓に加工する。
【0063】
図8は、実施例2で製造された熱間曲げ焼結石茶卓の画像である。前記熱間曲げ焼結石茶卓の曲げ弧度は設計要求に適合している。
【0064】
実施例3
焼結石を前処理する。厚さ10.5mmの被処理焼結石を切断して四方のエッジを研磨処理した後、洗浄及び乾燥処理を行う。切断後の焼結石の寸法偏差は±0.3mmに制御される。
【0065】
熱間曲げ加工する。黒鉛金型を台座に載置し、金型を固定する。熱間曲げすべき焼結石を金型上に載置し、焼結石を金型の四辺と平行にして、炉蓋を被せて、熱間曲げ炉を閉じる。第1の加熱装置をオンにして加熱炉を予熱し、前記予熱は、40分内に炉室を900℃まで等速昇温する。
【0066】
続いて再加熱する。焼結石を高温条件下で軟化させて、自己重力で金型形状に従って初期成形させる。前記再加熱は45分内に炉室を1050℃までゆっくり昇温する。
【0067】
部分高温で適合処理をする。第2の加熱装置を移動させて、第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を1.0cmに制御するとともに、第2の加熱装置の電源をオンにして、熱間曲げ加工すべき箇所を1250℃まで局所加熱する。焼結石が自己重力で金型に適合するまで、観察孔を介して炉室内の焼結石と金型との適合状況を観察する。
【0068】
急冷する。第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにして、送風ユニットをオンにし、空気が第1の断熱板のガス通路から第2の断熱板の孔隙を通して炉室内に入り、ガスが入った後に一定の下向きの力が形成されて軟化した焼結石に作用し、焼結石を風力の影響下で更に金型に適合させて成形するとともに、迅速冷却の目的を達成する。前記急冷は、45分以内に炉室を850℃まで降温する。
【0069】
送風ユニットをオフにして室温まで自然冷却し、熱間曲げ焼結石手洗い器に加工する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉体と、
炉室に内置され、熱間曲げ加工すべき焼結石を載置するための金型と、
前記炉室と連通するガス通路が設けられている炉蓋と、
炉体の外部に設置され、炉蓋のガス通路と連通して炉室内に空気流を供給する送風ユニットと、
炉体の内壁に固定的に設置されて炉室の環境温度を調整する第1の加熱装置と、
炉体の垂直方向及び/又は水平方向に移動して焼結石における熱間曲げ加工すべき箇所の局所加熱温度を調整する第2の加熱装置とを含む加熱装置と、
炉体の外壁に設置され、炉室の環境温度と焼結石における熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を表示する温度制御装置と、
温度制御装置と加熱装置と相互に接続し、温度制御装置を調整することによって加熱装置の加熱パワーを調整する温度感知装置と、
炉体の外壁に設置され、炉室内の焼結石の熱間曲げ状况を観察するための観察口と、を含み、
焼結石熱間曲げ炉を用いて焼結石を熱間曲げ加工する際に、第1の加熱装置の加熱パワーを高めて焼結石が軟化するまで再加熱して、焼結石が自己重力で初期成形されることを促進し、第2の加熱装置と初期成形された焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整するように第2の加熱装置を移動させるとともに、焼結石と金型との適合度を高めように第2の加熱装置をオンにして焼結石を局所的に加熱し、第1の加熱装置と第2の加熱装置とをオフにしかつ送風ユニットをオンにして空気流が炉室内に導入され、前記空気流の流れ方向を、焼結石の金型の円弧に向かう成形方向と一致させることで、焼結石が空気流による力で金型にさらに適合する、焼結石熱間曲げ炉。
【請求項2】
前記
炉蓋には、1つまたは複数の気孔が設けられてガス通路が形成され、外部の送風ユニットと連通する、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項3】
前記
炉蓋は、第1の断熱板と、第1の断熱板に内嵌される第2の断熱板とを含み、
第2の断熱板は多孔質材料からなり、
第1の断熱板には、1つ又は複数の気孔が開設されてガス通路が形成され、
前記ガス通路と第2の断熱板の多孔質構造は、送風ユニットと連通して炉室内に空気流を供給する、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項4】
前記第2の断熱板は、表面及び内部に多孔質構造が分布しているハニカムセラミックスからなる、請求項3に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項5】
前記炉
蓋には、第2の加熱装置が取り付けられる伸縮ブラケットが配置され、伸縮ブラケットを制御することによって第2の加熱装置の移動を調整する、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項6】
前記温度感知装置は、
炉体の内壁に設置されて炉室内の環境温度を感知する第1の温度感知装置と、
第2の加熱装置に直交し且つ間隔をあけて配置される第2の温度感知装置とを含む、請求項1に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項7】
伸縮ブラケットには、第2の加熱装置に接続される第2の温度感知装置が取り付けられ、焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所の局所温度を感知する、請求項6に記載の焼結石熱間曲げ炉。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の焼結石熱間曲げ炉を用いた焼結石の熱間曲げ加工方法であって、
熱間曲げ加工すべき焼結石を金型に載置し、炉室を閉じるステップS1と、
第1の加熱装置をオンにし、炉室を予熱するステップS2と、
第1の加熱装置の加熱パワーを高め、焼結石が軟化するまで再加熱し、焼結石が自己重力で初期成形されることを促進するステップS3と、
第2の加熱装置と焼結石の熱間曲げ加工すべき箇所との距離を調整するように第2の加熱装置を移動させるとともに、焼結石と金型との適合度を高めるように第2の加熱装置をオンにして焼結石を局所的に加熱するステップS4と、
第1の加熱装置と第2の加熱装置をオフにしかつ送風ユニットをオンにし、炉室内に空気流を導入して焼結石を急冷し、空気流の流れ方向を、焼結石の金型の円弧に向かう成形方向と一致させることで、焼結石が空気流による力で金型にさらに適合するステップS5と、
送風ユニットをオフにし、炉室を室温まで自然冷却し、熱間曲げされた焼結石を取り出すステップS6と、を含む、焼結石の熱間曲げ加工方法。
【請求項9】
局所加熱温度は1200~1300℃である、請求項8に記載の方法。
【国際調査報告】