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特表2024-544244ハイブリッド車両のバッテリの充電の状態を判断するためおよびリセットするための方法
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  • 特表-ハイブリッド車両のバッテリの充電の状態を判断するためおよびリセットするための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両のバッテリの充電の状態を判断するためおよびリセットするための方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241121BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20241121BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20241121BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241121BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60W10/26 900
B60W10/26 ZHV
B60L53/10
B60L58/12
B60L58/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534402
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2022082383
(87)【国際公開番号】W WO2023104472
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2113122
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャントレル, セドリック
(72)【発明者】
【氏名】クレギュー, サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ダグーセット, ロール
(72)【発明者】
【氏名】イロン, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ルオングル, クロード
(72)【発明者】
【氏名】メンスラー, ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】モンティ, アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
3D202
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3D202BB19
3D202CC57
3D202DD45
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503CA11
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA06
5G503HA00
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BC05
5H125BC16
5H125BC21
5H125BC24
5H125BC28
5H125DD02
5H125EE23
5H125EE27
(57)【要約】
発明は、第1のバッテリ、第2のバッテリおよび熱エンジンを備えるハイブリッド車両の少なくとも一方のバッテリの充電の状態を判断するためおよびリセットするための方法に関する。方法は、車両スタンバイフェーズ中に、第2のバッテリを用いて第1のバッテリを充電する第1のステップを含み、第1のステップ中に、(i)第1のバッテリが充電され、(ii)第1のバッテリの電圧の値V1mesが測定され、(iii)V1mesが、第1のバッテリの最大の充電の状態SOC1maxに対応するしきい値電圧値V1seuilmaxと比較され、(iv)V1mesが前記しきい値電圧値V1seuilmaxに達するのであれば、第1のバッテリを充電することを停止し、第1のバッテリが最大の充電の状態SOC1maxにあることを判断し、第1のバッテリの充電の状態の値SOC1をSOC1maxに設定し、そうでなければ、充電し続ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車両の少なくとも1つのバッテリの充電の状態を判断するためおよび再校正するための方法であって、前記ハイブリッド車両が第1のバッテリ、第2のバッテリおよび内燃機関エンジンを備え、前記方法が、車両スタンバイフェーズ中に、前記第2のバッテリを用いて前記第1のバッテリを充電する第1のステップを含み、前記ステップでは、
(i)前記第1のバッテリが充電され、
(ii)前記第1のバッテリの電圧の値V1mesが測定され、
(iii)前記測定された電圧の前記値V1mesが、前記第1のバッテリの最大の充電の状態SOC1maxに対応するしきい値電圧値V1threshmaxと比較され、
(iv)前記測定された電圧の前記値V1mesが前記しきい値電圧値V1threshmaxに達するのであれば、前記第1のバッテリを充電することが停止され、前記第1のバッテリが最大の充電の状態SOC1maxにあることが判断され、前記第1のバッテリの充電の状態の値SOC1が、前記最大の充電の状態の値SOC1maxに設定され、そうでなければ、前記第1のバッテリを充電することが続けられる、
方法。
【請求項2】
前記充電する第1のステップ中に、
ステップ(ii)では、前記第2のバッテリの電圧の値V2mesが測定され、
ステップ(iii)では、前記測定された電圧の前記値V2mesが、前記第2のバッテリの最小の充電の状態SOC2minに対応するしきい値電圧値V2threshminと比較され、
ステップ(iv)では、前記第2のバッテリの前記測定された電圧の前記値V2mesが前記しきい値電圧値V2threshminに達するのであれば、前記第2のバッテリが最小の充電の状態SOC2minに達したと判断され、前記第1のバッテリを充電することが停止され、そして前記第2のバッテリの充電の状態の値SOC2が前記最小の充電の状態の値SOC2minに設定され、そうでなければ、前記第1のバッテリを充電することが続けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
同じ車両スタンバイフェーズ中で且つ前記充電する第1のステップの後に、前記第1のバッテリを用いて前記第2のバッテリを充電する第2のステップを含み、前記第2のステップ中に、
(i)前記第2のバッテリが充電される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記充電する第2のステップでは、
(ii)前記第2のバッテリの電圧の値V2mesが測定され、
(iii)前記測定された電圧の前記値V2mesが、前記第2のバッテリの最大の充電の状態SOC2maxに対応するしきい値電圧値V2threshmaxと比較され、
(iv)前記測定された電圧の前記値V2mesが、前記しきい値電圧値V2threshmaxに達するのであれば、前記第2のバッテリを充電することが停止され、前記第2のバッテリが最大の充電の状態SOC2maxにあると判断され、そして前記第2のバッテリの前記充電の状態の値SOC2が前記最大の充電の状態の値SOC2maxに設定され、そうでなければ、前記第2のバッテリを充電することが続けられる、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
同じ車両スタンバイフェーズ中で且つ前記充電する第2のステップの後に、前記第2のバッテリを用いて前記第1のバッテリを充電する第3のステップを含み、前記第3のステップでは、
(i)前記第1のバッテリが充電され、
(ii)前記2つのバッテリのうちの少なくとも一方の電圧の値V1mes、V2mesが測定され、
(iii)前記測定された電圧の各々の値V1mes、V2mesが、車両運転フェーズにとって最適である前記バッテリの充電の状態に対応する最適電圧値V1opt、V2optと比較され、
(iv)前記測定された電圧値V1mes、V2mesのうちの少なくとも一方が、前記対応する最適電圧値に達するのであれば、前記第1のバッテリを充電することが停止され、そうでなければ、充電することが続けられる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記充電する第2のステップでは、
(ii)前記2つのバッテリのうちの少なくとも一方の電圧の値V1mes、V2mesが測定され、
(iii)各々の測定された電圧値V1mes、V2mesが、車両運転フェーズにとって最適である前記バッテリの充電の状態に対応する最適電圧値V1opt、V2optと比較され、
(iv)前記測定された電圧値V1mes、V2mesのうちの少なくとも一方が、前記対応する最適電圧値に達するのであれば、前記第2のバッテリを充電することが停止され、そうでなければ、充電することが続けられる、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
同じ車両スタンバイフェーズ中で且つ前記充電する第1または第2のステップの直後に、前記充電する第1または第2のステップ中に充電される前記バッテリの構成セルをバランスさせるステップを含む、請求項1または4に記載の方法。
【請求項8】
前記スタンバイフェーズに直ちに続く車両運転フェーズでは、
少なくとも1つのバッテリの現在の充電の状態の値を予め定められたしきい値の値と比較するステップを含み、
バッテリの前記現在の充電の状態の値が前記しきい値の値よりも小さいときに、前記車両の前記内燃機関エンジンを用いて前記バッテリを充電するステップを始め、前記充電するステップでは、(i)前記バッテリが充電され、そして任意選択で、
(ii)前記バッテリの開回路電圧値が決定され、
(iii)前記決定した開回路電圧値が、前記バッテリの最大の充電の状態に対応するしきい値電圧値と比較され、
(iv)前記決定した開回路電圧値が前記しきい値電圧値に達するのであれば、前記バッテリを充電することが停止され、前記バッテリが最大の充電の状態にあると判断され、前記バッテリの前記充電の状態の値が前記最大の充電の状態の値に設定され、そうでなければ、前記バッテリを充電することが続けられる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のバッテリがトラクションバッテリであり、前記第2のバッテリが前記車両の補助バッテリである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1のバッテリ、第2のバッテリおよびハイブリッド車両に向けられた内燃機関エンジンと、
バッテリ管理デバイスと
を備えるシステムであって、
前記バッテリ管理デバイスが、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を使用して前記バッテリのうちの少なくとも一方の充電の状態を判断し、そして再校正するように構成される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両のバッテリの充電の状態を判断するためおよび再校正するための方法に関する。
【0002】
電気車両およびハイブリッド車両の非限定的な分野では、トラクションバッテリを管理するためのシステムの主な難題のうちの1つは、バッテリの充電の状態(SoC)の推定である。この情報は、「バッテリゲージ」の形式でダッシュボードに表示され、そして運転者が残っている航続距離を知ることを可能にする。電気車両の航続距離が内燃機関車両の航続距離よりも小さいので、運転者が再確認するために可能な最も信頼できる情報を運転者に提供することが重要である。バッテリゲージの推定の際の誤差は、運転者自身が不快な状況(燃料/充電の枯渇)またはそれどころか危険な状況(追い越し中のパワーの欠如)にあることに運転者が気付くことにつながり得る。
【0003】
現時点で、バッテリの充電の状態は、いずれか、電圧を測定することにより、または電量測定を介して、すなわちバッテリに出入りするアンペアー時(Ah)を計測することにより判断されてもよい。
【0004】
その上、リサイクルすることに関する将来的な制約が、車両からの重金属の排除およびリチウム-イオン電池による、そして特にリチウム-鉄-リン酸電池(LFP電池)による現在の鉛酸電池の置き換えをもたらすだろう。
【0005】
現在、リチウム-イオン電池、そして特に、LFP電池は、図1に示したタイプの1つまたは複数のプラトーを内包する充電の状態の関数として開回路電圧の曲線を有する。充電の状態の正確な判断は、そのときには、これらのプラトーをともなうレベル、すなわち、充電の状態が図1の例の問題のバッテリに関して40%と70%との間および75%と95%との間のレベルであるときに、電圧の測定によっては事実上不可能である。
【0006】
電流の積分に基づく方法である電量測定は、経時的に蓄積する電流の測定におけるドリフト、誤差をその一部に対して本来仮定する。この方法は、それゆえに、電圧の測定を介した定期的な再校正を必要とする。充電の状態の関数としての電圧の曲線が図1に示されたタイプのものであるバッテリに関して、充電の状態が正確に判断され得る曲線の領域で電圧測定を行うことが可能であるようにするために、バッテリをほぼ完全に再充電するまたは放電することが、そのときには必要である。これは、車両のタイプに応じて様々な方法で実現されてもよい。
【0007】
したがって、車両が全電気車両または「プラグインハイブリッド」である、すなわち主電力網を介して再充電可能な車両であるときに、車両の2つのバッテリ(トラクションバッテリおよび補助バッテリ)は、同時に再充電されてもよく、そして再校正は、充電がほぼ完了したときに実行されてもよい。
【0008】
ハイブリッド車両(内燃機関エンジン、トラクションバッテリおよび補助バッテリを備える)または「マイルドハイブリッド」車両(そこではブレーキングの運動エネルギーを回収することによって、バッテリが運転中に再充電されることがある)では、バッテリは、車両が運転されている間に内燃機関エンジンを介して再充電される。バッテリの充電の状態の再校正は、そのときには運転している間に実行される。運転している間に再充電する/再校正するこのフェーズでは、しかしながらブレーキングの運動エネルギーを回収することが可能ではなく、これが車両のエネルギーの最適管理を妨げる。特に、2つのバッテリがLFP電池であるときに、補助バッテリが電圧を測定することによってゲージングされてもよいような充電の状態にすることが可能である。対照的に、最適なエネルギー管理を確実にするために、トラクションバッテリは、電圧に基づいてゲージングすることが不十分な精度であるという理由で電圧に基づくゲージングが可能でないプラトー領域に設置されなければならない。そのときには、ドリフトの付随するリスクのある状態で、充電の状態を判断するための電量測定に基づく方法だけが残る。ドリフトのこれらのリスクは、電圧を測定することによって正確なゲージングを可能にするために、トラクションバッテリを十分に高い充電の状態にすることによりトラクションバッテリを定期的に再校正することによって現在は補償される。再校正は、そのときには運転している間に実行され、これが、ハイブリッドエネルギー管理を複雑にし、自動車の動きに影響を及ぼし、そしてブレーキングの運動エネルギーが使用されない限りにおいて再校正の時点でのCOフットプリントを増加させる。
【0009】
それゆえに、充電の状態が正確に判断されることならびにトラクションバッテリおよび補助バッテリが運転中に車両のエネルギーの管理を妨げないでまたはわずかしか妨げないで再校正されることを可能にする方法に対する必要性がある。
【0010】
WO201937012A1という文書は、車両がスタンバイ状態であるときにバッテリの充電の状態を判断するため/再校正するための方法を開示する。この方法は、車両が停止されそしてスタンバイ状態にある状態で、2つの別々の時間間隔でバッテリの電圧を測定すること、次いでバッテリの開回路電圧(OCV)をパラメータとして有する2つの電圧測定値同士の間の相関を使用することからなる。OCVは、そのときには、回帰的最小二乗アルゴリズムにより決定される。充電の状態は、そのときには、例えば、マッピング等を介してOCVに応じて判断される。充電の状態を判断するためのこの方法は、したがって、比較的複雑な計算を使用し、そして化学物質のタイプに応じて常に信頼できるものではないことがある。
【0011】
本発明は、前述の欠点のすべてまたは一部を救済することを目的とする。
【0012】
この目的を達成するために、方法は、ハイブリッド車両の少なくとも1つのバッテリの充電の状態を判断するためにおよび再校正するために提供され、ハイブリッド車両が第1のバッテリ、第2のバッテリおよび内燃機関エンジンを備え、前記方法が、車両スタンバイフェーズ中に、第2のバッテリを用いて第1のバッテリを充電する第1のステップを含み、第1のステップでは、
(i)第1のバッテリが、特に時刻t1において、充電され、
(ii)第1のバッテリの電圧の値V1mesが測定され、
(iii)測定された電圧の値V1mesが、第1のバッテリの最大の充電の状態SOC1maxに対応するしきい値電圧値V1threshmaxと比較され、
(iv)測定された電圧の値V1mesが前記しきい値電圧値V1threshmaxに達するのであれば、第1のバッテリを充電することが停止され、第1のバッテリが最大の充電の状態SOC1maxにあることが判断され、第1のバッテリの充電の状態の値SOC1が最大の充電の状態の値SOC1maxに設定され、そうでなければ、第1のバッテリを充電することが続けられる。
【0013】
したがって、スタンバイの終わりに、再校正されたバッテリのうちの少なくとも1つのゲージを用いて車両を再始動することが可能である。車両を運転するフェーズの外でこの再校正を実行することによって、運転フェーズ中に、特に簡単な方式で、車両のエネルギーの管理を最適化することが可能である。
【0014】
しかしながら、スタンバイフェーズでは、第1の充電ステップにおいて、第1のバッテリが最大の充電の状態まで充電されることを可能にするためには不十分であることが第2のバッテリの充電の状態に関して可能である。それゆえに、有利なことに、第1の充電ステップ中に、
- ステップ(ii)では、第2のバッテリの電圧の値V2mesが測定され、
- ステップ(iii)では、測定された電圧の値V2mesが、第2のバッテリの最小の充電の状態SOC2minに対応するしきい値電圧値V2threshminと比較され、
- ステップ(iv)では、第2のバッテリの測定された電圧の値V2mesがしきい値電圧値V2threshminに達するのであれば、第2のバッテリが最小の充電の状態SOC2minに達したと判断され、第1のバッテリを充電することが停止され、そして第2のバッテリの充電の状態の値SOC2が最小の充電の状態の値SOC2minに設定され、そうでなければ、第1のバッテリを充電することが続けられる。
【0015】
第2のバッテリの充電の状態をこのようにモニタリングすることによって、その容量を超えて放電されることがなく、このことが、バッテリの寿命が維持され延長されることを可能にする。
【0016】
一旦、第1の充電ステップが終了すると、いずれか、第1のバッテリが最大の充電の状態に達したという理由で、または第2のバッテリが最小の充電の状態に達したという理由で、第2のバッテリがそのときには充電されてもよい。
【0017】
方法は、したがって、同じ車両スタンバイフェーズ中で且つ第1の充電ステップの後で、第1のバッテリを用いた第2のバッテリを充電する第2のステップを有利に含んでもよく、第2のステップ中に、
(i)第2のバッテリが充電される。
【0018】
第2のバッテリは、そのときには、車両運転フェーズまでおよび/または第2のバッテリがその端子をまたいで測定される電圧をモニタリングすることによって判断される最大もしくは最適な充電の状態に達するまで充電されてもよい。
【0019】
したがって、1つの実施形態では、第2の充電ステップでは、
(ii)第2のバッテリの電圧の値V2mesが測定され、
(iii)測定された電圧の値V2mesが、第2のバッテリの最大の充電の状態SOC2maxに対応するしきい値電圧値V2threshmaxと比較され、
(iv)測定された電圧の値V2mesが、前記しきい値電圧値V2threshmaxに達するのであれば、第2のバッテリを充電することが停止され、第2のバッテリが最大の充電の状態SOC2maxにあると判断され、そして第2のバッテリの充電の状態の値SOC2が最大の充電の状態の値SOC2maxに設定され、そうでなければ、第2のバッテリを充電することが続けられる。
【0020】
この実施形態は、第2のバッテリのゲージがスタンバイフェーズにおいて再校正されることを可能にする。第1のバッテリのゲージが、第1の充電ステップにおいてそれ自体再校正されているときに、すなわち、第1のバッテリが最大の充電の状態に達することを可能にするために、第2のバッテリが十分に充電されるケースでは特に有利である。好ましくはないけれども、この実施形態はまた、それにも拘らず、第1の充電ステップにおいて、最小の充電の状態に達した第2のバッテリは、第1のバッテリのゲージが再校正されることを妨げるケースでも想定されることがある。
【0021】
この実施形態では、方法は、同じ車両スタンバイフェーズ中で且つ第2の充電ステップの後で、第2のバッテリを用いて第1のバッテリを充電する第3のステップを有利に含んでもよく、第3のステップでは、
(i)第1のバッテリが充電され、
(ii)2つのバッテリのうちの少なくとも一方の電圧の値V1mes、V2mesが測定され、
(iii)各々の測定された電圧値V1mes、V2mesが、車両運転フェーズにとって最適であるバッテリの充電の状態に対応する最適電圧値V1opt、V2optと比較され、
(iv)測定された電圧値V1mes、V2mesのうちの少なくとも一方が、前記対応する最適電圧値に達するのであれば、第1のバッテリを充電することが停止され、そうでなければ、充電することが続けられる。
【0022】
この第3のステップは、次の運転フェーズにおいて、2つのバッテリのうちの少なくとも一方の充電に関して最適である条件下で車両が再始動されることを可能にする。一般に、第2のバッテリ(典型的には補助バッテリ)を最適な充電の状態に置くように選択されるだろう。
【0023】
もう1つの実施形態では、発明による方法の第2の充電ステップで、
(ii)2つのバッテリのうちの少なくとも一方の電圧の値V1mes、V2mesが測定され、
(iii)各々の測定された電圧値V1mes、V2mesが、車両運転フェーズにとって最適であるバッテリの充電の状態に対応する最適電圧値V1opt、V2optと比較され、
(iv)測定された電圧値V1mes、V2mesのうちの少なくとも一方が、前記対応する最適電圧値に達するのであれば、第2のバッテリを充電することが停止され、そうでなければ、充電することが続けられる。
【0024】
この実施形態は、第1の充電ステップにおいて、第1のバッテリのゲージが再校正されること(第1の充電ステップの早まった停止)を妨げられる最小の充電の状態に達したケースでは特に有利である。具体的に、これが、複数のバッテリのうちの少なくとも1つが運転フェーズにとって最適である充電の状態に達することを単純に満足させながら、第1のバッテリを過放電させることを回避することを可能にさせる。一般に、第2のバッテリ(典型的には補助バッテリ)を最適な充電の状態に置くように選択されるだろう。この実施形態はまた、好ましくはないけれども、第1のバッテリのゲージが第1の充電ステップでそれ自体再校正されているケースも想定できる。
【0025】
有利なことに、発明による方法は、同じ車両スタンバイフェーズ中で且つ特に充電されるバッテリの測定される電圧の値が最大の充電の状態に対応するしきい値電圧値に達する第1または第2の充電ステップの直後に、第1または第2の充電ステップ中に充電されるバッテリの構成セルをバランスさせるステップを含んでもよい。このケースでは、引き続く充電ステップが、このバランシングステップの最後に実行される。
【0026】
第1または第2の充電ステップにおいて、いずれか、第2のバッテリが十分に充電されずそして最初に(第1のバッテリにとって)最小の充電の状態に達したという理由で、または第1もしくは第2のバッテリが最大の充電の状態に達する前にスタンバイフェーズが終了したという理由で、バッテリが最大の充電の状態に達することができなかったケースでは、準備が、運転フェーズにおいてこのバッテリを充電するために有利に行われてもよい。
【0027】
したがって、有利には、発明による方法は、前記スタンバイフェーズに直ちに続く車両運転フェーズでは、
- 複数のバッテリのうちの少なくとも1つの、またはそれどころかバッテリの各々の現在の充電の状態の値を予め定められたしきい値の値と比較するステップ
を含んでもよく、
- バッテリの現在の充電の状態の値がしきい値の値よりも小さいときに、車両の内燃機関エンジンを用いてバッテリを充電するステップを始め、充電するステップでは、(i)前記バッテリが充電され、そして任意選択で、
(ii)前記バッテリの開回路電圧の値が決定され、
(iii)決定した開回路電圧値が、前記バッテリの最大の充電の状態に対応するしきい値電圧値と比較され、
(iv)決定した開回路電圧値が前記しきい値電圧値に達するのであれば、前記バッテリを充電することが停止され、前記バッテリが最大の充電の状態にあることが判断され、前記バッテリの充電の状態の値が最大の充電の状態の値に設定され、そうでなければ、前記バッテリを充電することが続けられる。
【0028】
各々のバッテリまたは複数のバッテリのうちの少なくとも1つの現在の充電の状態の値が、このしきい値の値以上であるときには、充電行為は、運転中に始められない。車両のエネルギー管理システムが、そのときには最適化されてもよい。
【0029】
有利なことに、発明による方法は、車両が始動されるときに、トラクションバッテリの充電の状態が車両のトラクションを確実にするために常に十分であることを確実にするために、トラクションバッテリに優先順位を与えてもよい。
【0030】
したがって、有利なことに、発明による方法では、第1のバッテリがトラクションバッテリであり、第2のバッテリが車両の補助バッテリである。典型的には、トラクションバッテリの公称電圧(放電フェーズでの平均電圧)は、補助バッテリの公称電圧よりも高い。
【0031】
発明はまた、
- 第1のバッテリ、特にトラクションバッテリ、第2のバッテリ、特に補助バッテリ、およびハイブリッド車両に向けられた内燃機関エンジンと、
- バッテリ管理デバイスと
を備えるシステムにも関し、
バッテリ管理デバイスが、発明による方法を使用して前記バッテリのうちの少なくとも一方の充電の状態を判断するように、そして再校正するように構成される。
【0032】
最後に、発明は、そのようなシステムを備えるハイブリッド車両に関する。
【0033】
発明は、ここで非限定的な添付した図面を参照して説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】LFP電池のパーセント充電の状態SOCの関数として電圧で開回路電圧(OCV)をプロットする曲線を示す図である。
図2】発明による方法の1つの実施形態にしたがって、時間の関数としてハイブリッド車両のバッテリの充電の状態を模式的に示す図である。
図3】発明による方法のもう1つの実施形態にしたがって、時間の関数としてハイブリッド車両のバッテリの充電の状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ハイブリッド車両は、典型的には:
- 車両のトラクションを確実にするものであるトラクションバッテリ、また高電圧バッテリとも呼ばれる。トラクションバッテリは、一般に、48Vの公称電圧を有するバッテリである。
- 車両搭載の電気デバイス/電子デバイスに電力を与えるために使用される補助バッテリ、また低電圧バッテリとも呼ばれる。補助バッテリは、一般に、12Vの公称電圧を有するバッテリである。
- さらに車両のトラクションを確実にするものでもある内燃機関エンジン。
を備える。
【0036】
発明による方法では、トラクションバッテリおよび補助バッテリの各々は、いずれか、スタンバイフェーズの他のバッテリにより、または運転フェーズでは内燃機関エンジンにより再充電されてもよい。
【0037】
この目的を達成するために、バッテリおよび内燃機関エンジンは、発明による方法を実施するように構成されたバッテリ管理デバイスに接続される。この管理デバイスは、典型的には、特に発明による方法を実施するようにプログラムされた1つまたは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、等)を備える。管理デバイスはまた、バッテリを有する通信の手段、任意選択で双方向通信の手段、および電圧測定手段を備えてもよい。1つまたは複数のプロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去書き込み可能読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、外部メモリ、等であってもよい記憶手段を備えてもよい。これらの記憶手段は、とりわけ、受信したデータ、制御モデル、1つまたは複数のマップ、および1つまたは複数のコンピュータプログラムを記憶してもよい。管理デバイスは、例えば、車両のバッテリ管理システム(BMS)の一部を形成する、または形成する。
【0038】
図2および図3では、BATT1がトラクションバッテリを示し、そしてBATT2がハイブリッド車両の補助バッテリを示す。実線の曲線は、バッテリiのゲージにより指示される充電の状態SOCiを表し、そして破線の曲線は、バッテリiの実際の充電の状態SOCriを表す。
【0039】
図2は、発明による方法の1つの実施形態を図示し、上記の方法では、2つのバッテリのゲージが再校正される。この図では、フェーズPR1は、車両運転フェーズであり、上記フェーズでは、トラクションバッテリBATT1は連続的に充電することおよび放電することを経験し、この充電することは、例えば、ブレーキングの運動エネルギーを回収することに対応し、そして放電することは、車両のトラクションに対応する。補助バッテリBATT2の充電の状態は、変化しないまたはほとんど変化しない。
【0040】
PKは、運転フェーズPR1に引き続くスタンバイフェーズである。このスタンバイフェーズPKは、適切なセンサから受信される車両の状態を表すパラメータ(トルク、等)に基づいて、従来の方式で管理デバイスによって検出されてもよい。発明によれば、このスタンバイフェーズPKは、いかなるタイプのバッテリに対しても、充電の状態が測定される電圧に基づいて正確に判断され得る最大の充電の状態に複数のバッテリが達するように、複数のバッテリを次から次へと充電するために使用される。
【0041】
この例では、スタンバイフェーズPKが検出されると、管理デバイスは、時刻t1において、第1の充電ステップ(E1と表示される)をトリガし、この第1の充電ステップでは、(i)トラクションバッテリが補助バッテリを用いて充電される。ここで補助バッテリが十分に充電されているので、この第1の充電ステップE1は、トラクションバッテリが、時刻t1+Δtにおいて、最大の充電の状態に達するまで続く。この目的を達成するために、下記のステップが繰り返されるだろう:(ii)トラクションバッテリの端子をまたぐ電圧の値V1mesが測定され、(iii)測定された電圧の値V1mesがトラクションバッテリの最大の充電の状態SOC1maxに対応するしきい値電圧値V1threshmaxと比較され、そして(iv)測定された電圧の値V1mesがこのしきい値電圧値V1threshmaxに達するのであれば、トラクションバッテリを充電することが停止され、トラクションバッテリが最大の充電の状態SOC1maxにあると判断され、そしてトラクションバッテリの充電の状態の値SOC1が最大の充電の状態の値SOC1maxに設定され、そうでなければ、トラクションバッテリを充電することが続けられる。
【0042】
当業者は、バッテリのタイプに応じて繰り返し頻度を決定することができるだろう。バッテリの端子をまたいで測定される電圧の値V1mesは、開回路電圧にここでは対応し、車両はスタンバイフェーズにある。しきい値電圧値V1threshmaxおよび対応する最大の充電の状態SOC1maxは、図1に示されたタイプの曲線に基づいてバッテリのタイプに応じて当業者により判断されてもよい。しきい値電圧値V1threshmaxおよび最大の充電の状態の値SOC1maxは、例えば、マップまたは図1に示されたタイプの曲線の形式で管理デバイスに記録されてもよい。
【0043】
第1の充電ステップE1の終わりに(時刻t1+Δtにおいて)、トラクションバッテリは、したがって完全に再充電され、そしてそのゲージが再校正される。バランシングステップEQ1でトラクションバッテリの構成セルを再バランスさせることがそのときには有利に可能である。そのような再バランシングは、当業者にはよく知られており、非常に詳細には説明されないだろう。上記は、バッテリのセルに接続された適切な電子部品により典型的には実行される。
【0044】
この任意選択のバランシングステップEQ1の後で、第2の充電ステップE2が時刻t2において実行され、そしてこの第2の充電ステップでは、(i)補助バッテリがトラクションバッテリを用いて充電される。この第2の充電ステップE2は、時刻t2+Δtにおいて、補助バッテリが最大の充電の状態に達するまで続く。この目的を達成するために、手順は、第1のステップE1で続いたものに類似しており、下記のステップが繰り返される:(ii)補助バッテリの端子をまたぐ電圧の値V2mesが測定され、(iii)測定された電圧の値V2mesが補助バッテリの最大の充電の状態SOC2maxに対応するしきい値電圧値V2threshmaxと比較され、そして(iv)測定された電圧の値V2mesがしきい値電圧値V2threshmaxに達するのであれば、補助バッテリを充電することが停止され、補助バッテリが最大の充電の状態SOC2maxにあると判断され、そして補助バッテリの充電の状態の値SOC2が最大の充電の状態の値SOC2maxに設定され、そうでなければ、補助バッテリを充電することが続けられる。
【0045】
この第2の充電ステップは、したがって第1の充電ステップとまったく同様であり、しきい値電圧値および最大の充電の状態の値は、補助バッテリに特有である。
【0046】
この第2の充電ステップE2の終わりに、補助バッテリの構成セルを再バランスさせる任意選択のステップEQ2を実行することもまた可能である。
【0047】
この任意選択の再バランシングステップEQ2の後で、補助バッテリを用いてトラクションバッテリを充電する第3のステップE3が通常実行されるだろう、その第3のステップでは、(i)トラクションバッテリが充電され、(ii)2つのバッテリのうちの少なくとも一方の電圧の値V1mes、V2mesが測定され、(iii)各々の測定された電圧値V1mes、V2mesが、車両運転フェーズにとって最適である対応するバッテリの充電の状態SOC1opt、SOC2optに対応する最適電圧値V1opt、V2optと比較され、そして(iv)測定された電圧値V1mes、V2mesのうちの少なくとも一方が、対応する最適電圧値に達するのであれば、トラクションバッテリを充電することが停止され、そうでなければ、充電することが続けられる。
【0048】
このように、ステップE3の終わりに、時刻t3+Δtにおいて、バッテリのうちの少なくとも一方、または実際には両方のバッテリが、次の運転フェーズにとって最適である充電の状態にある。これらの最適な充電の状態は、バッテリのタイプおよび運転フェーズにおける車両のエネルギー管理に応じて、当業者により判断されてもよい。当業者は、補助バッテリもしくはトラクションバッテリにとって、またはそれどころか両者にとって最適な充電の状態を、特に好ましく選択してもよい。
【0049】
バッテリを判断することおよび再校正することの全体のプロセスは、このように終了し、バッテリ管理デバイスは、すべての他の充電行為または放電行為をトリガせずに次の運転フェーズを待機する。
【0050】
図3は、発明による方法の1つの実施形態を図示し、上記の方法では、トラクションバッテリのゲージは再校正されることがない。この図では、フェーズPR1は、図2を参照して説明したものに類似の車両運転フェーズである。PKは、運転フェーズPR1に引き続くスタンバイフェーズであり、PR2は、パーキングフェーズPKに引き続く運転フェーズである。
【0051】
図3は、トラクションバッテリが完全に再充電されることを可能にするために車両がスタンバイにされるときに、補助バッテリが十分には充電されていないケースを図示する。第1の充電ステップE1は、補助バッテリの電圧の値のモニタリング中に、管理デバイスが、補助バッテリの端子をまたいで測定される電圧の値V2mesが補助バッテリの最小の充電の状態SOC2minに対応するしきい値電圧V2threshminに達したことを判断すると、そのときには中断される。これは、上に説明したステップ(ii)から(iv)に加えて、それぞれ、補助バッテリの電圧の値V2mesの測定およびしきい値電圧値V2threshminとの測定した値V2mesの比較を繰り返すことにより、そしてこのしきい値の値に達したときに充電することを停止することを要求することにより行われる。補助バッテリの充電の状態の値SOC2は、そのときには最小の充電の状態の値SOC2minに設定される。これは、ステップ(iv)では、補助バッテリの充電の状態に優先順位を付けるための量である。それにも拘らず補助バッテリのゲージが再校正されることを可能にする、この第1の充電ステップの終わりに、トラクションバッテリで補助バッテリを充電する第2のステップE2は、時刻t2において、複数のバッテリのうちの少なくとも1つが最適な充電の状態SOC1opt、SOC2optに達するまで、そのときには都合よく実行される。この第2の充電ステップE2は、図2を参照して説明したステップE3にそのときには類似する。一般に、この第2の充電ステップE2では、優先順位を与えられそしてその充電の状態が最適化することを探し求められているものが補助バッテリである。管理デバイスは、次の運転フェーズPR2をそのときには待機する。このケースでは、トラクションバッテリが一般に最適な充電の状態ではない限りにおいて、補助バッテリを用いるのではなくハイブリッド車両の内燃機関エンジンを用いてトラクションバッテリを充電するステップErが、時刻trにおいて、そして特に運転フェーズPR2の始まりにおいて実行される。トラクションバッテリの電圧の値は、そのときには、第1のステップE1のものと類似のステップ(ii)から(iv)を繰り返すことによってモニタされる。このケースでは、トラクションバッテリの端子をまたいで測定される電圧は、バッテリの端子をまたぐ開回路電圧にもはや対応しないことに留意されたい。そのときには、測定された電圧を最大しきい値電圧値と比較する前に、例えば、カルマンフィルタリングタイプのモデリングを介して、測定された電圧から開回路電圧を決定する必要があり得る。このしきい値の値は、スタンバイフェーズで使用されるしきい値の値と同一であってもよいし同一でなくてもよい。
【0052】
運転している間に実行されるこの再校正ステップの終わりに、時刻tr+Δtにおいて、管理デバイスは、特に、車両をブレーキングする間に回収された運動エネルギーを用いてトラクションバッテリを再充電することによって、ステップEgで最適にハイブリッド車両のエネルギーを管理できるだろう。
【0053】
したがって、両方のケース(図2および図3)では、車両の安全な動作を保証する補助バッテリは、車両がプロセスの途中で始動されない限り、運転が始まると充電されるだろう。
【0054】
後者のケースでは、補助バッテリを充電することは、補助バッテリを可能な限り早くその最大の充電の状態へと戻すため、そして、例えば、運転フェーズの始まりにおいて、内燃機関エンジンを用いて安全性の条件を満足させるために始められてもよい。ステップErでトラクションバッテリについて説明したように進めることが、そのときには可能である。このケースではまた、トラクションバッテリの再校正が、エネルギー管理の最適化を悪化させることを意味する場合でさえ、トラクションバッテリのゲージを再校正するためにトリガされる。
【0055】
2つのバッテリのうちの一方が、例えば、2つの異なるスタンバイフェーズで、最小の充電の状態および最大の充電の状態に達する場合に、バッテリの残存する容量を決定すること、および適切である場合にこの残存する容量が少なすぎる、例えば、しきい値の値よりも少ないと判断される場合にメンテナンス動作を実行するための予測を行うことが可能であることに留意されたい。
【0056】
発明による方法は、したがって、実行されるべき複雑な計算、スタンバイフェーズにおいて必須であるバッテリゲージの正確な再校正を必要とせずに可能にし、その結果、運転フェーズでは、車両のエネルギーの管理が妨げられない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】