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特表2024-544261ハンドヘルドパーソナルケアデバイスにおける解放可能な電気接続
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ハンドヘルドパーソナルケアデバイスにおける解放可能な電気接続
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20241121BHJP
   B26B 19/14 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B26B19/38 S
B26B19/14 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535270
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2022083975
(87)【国際公開番号】W WO2023110416
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21214325.9
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペトレッリ マルクス コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ネイダム イェルン クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】パストールズ マルク アレキサンダー
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056ED03
3C056JD00
(57)【要約】
ハンドヘルドパーソナルケアデバイスにおいて、デバイスの主ユニット及び機能的アタッチメントの一方は、第1の結合軸Cと、主ユニット及び機能的アタッチメントの前記一方の電気的構成要素に電気的に接続される第1の電気的接触要素41とを有する第1の結合部材1を含み、主ユニット及び機能的アタッチメントの他方は、第2の結合軸Cと、主ユニット及び機能的アタッチメントの前記他方の電気的構成要素に電気的に接続される第2の電気的接触要素61とを有する第2の結合部材2を含む。第1の電気接触要素41は、金属ばね要素12を含み、第2の電気接触要素61は、ばね要素12によって係合されるように構成されている、第2の結合部材2の面に設けられる又はその面によって含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ユニットと、前記主ユニットに対して結合可能及び分離可能であるとともに機能的パーソナルケアユニットを有する機能的アタッチメントとを備える、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスであって、
前記主ユニット及び前記機能的アタッチメントの一方は、第1の結合軸と、受容チャンバと、前記受容チャンバ内に配置された金属ばね要素とを有する第1の結合部材を含み、
前記主ユニット及び前記機能的アタッチメントの他方は、第2の結合軸と、前記第2の結合軸に対して斜めに延びる係合面が設けられた結合要素とを有する第2の結合部材を含み、
前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材は、前記第1の結合軸及び前記第2の結合軸を位置合わせすることによって、また、位置合わせされた前記第1の結合軸及び前記第2の結合軸に沿って前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材を互いに向けて、結合状態にするように動かすことによって、相互に結合可能であり、
前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材は、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の一方に、位置合わせされた前記第1の結合軸及び前記第2の結合軸に対して平行であるとともに前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の他方から離れる軸方向へ、所定の閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、前記結合状態から相互に分離可能であり、
前記受容チャンバは、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の前記結合状態において前記結合要素を受容し、
前記ばね要素は、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の前記結合状態において、前記ばね要素のばね力の影響下で前記係合面と係合して、前記主ユニットに結合された前記機能的アタッチメントを前記軸方向に対して平行な方向に保持する実質的に唯一の力である保持力をもたらし、
前記主ユニット及び前記機能的アタッチメントの前記一方は、前記主ユニット及び前記機能的アタッチメントの前記一方の電気的構成要素に電気的に接続される第1の電気的接触要素を含むこと、
前記主ユニット及び前記機能的アタッチメントの前記他方は、前記主ユニット及び前記機能的アタッチメントの前記他方の電気的構成要素に電気的に接続される第2の電気的接触要素を含むこと、
前記結合状態において、前記第1の電気的接触要素及び前記第2の電気的接触要素は、前記主ユニットの前記電気的構成要素と前記機能的アタッチメントの前記電気的構成要素との間に電気接続をもたらすように相互接触状態であること、
前記第1の電気的接触要素は、前記第1の結合部材の前記ばね要素を含むこと、
前記第2の電気的接触要素は、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の前記結合状態において、前記第2の電気的接触要素が前記ばね要素の前記ばね力の影響下で前記ばね要素と接触状態にあるように、前記第2の結合部材の前記係合面に設けられる又は前記係合面によって含まれることを特徴とする、ハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項2】
前記第2の電気的接触要素は、前記係合面に設けられたノッチに配置される、請求項1に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項3】
前記第2の電気的接触要素の接触面は、前記係合面と略面一である、請求項2に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項4】
前記ばね要素は細長であり、前記第1の結合軸に対して垂直な仮想平面内に主延長方向を有し、
前記第2の電気的接触要素は細長であり、前記第2の結合軸を含む仮想平面内に主延長方向を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項5】
前記結合要素はシャフト状であり、前記係合面は、前記結合要素の周面に設けられた凹部内に設けられる、請求項1から4までのいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項6】
前記第2の結合部材は、前記結合要素において前記第2の結合軸に対して対向し合う位置に配置された一対の係合面を含み、
一対の第2の電気的接触要素は、それぞれ前記一対の係合面に設けられる又は前記一対の係合面によって含まれ、
前記第1の結合部材は、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の前記結合状態において前記一対の第2の電気的接触要素とそれぞれ接触状態であるように配置された一対のばね要素を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項7】
前記主ユニットの前記電気的構成要素は、電源又は電子プロセッサを含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項8】
前記機能的アタッチメントにおける前記電気的構成要素は、モータ、アクチュエータ、光源、熱源、センサ又は検出器を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項9】
前記パーソナルケアデバイスは、電気シェーバであり、
前記機能的アタッチメントは、少なくとも1つの毛切断ユニットを含むシェービングユニットであり、
前記主ユニットは、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の前記結合状態において前記少なくとも1つの毛切断ユニットを駆動するモータを収容する、請求項1から8までのいずれか一項に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。
【請求項10】
前記シェービングユニットは、少なくとも2つの毛切断ユニットを含み、
前記主ユニットは、前記第1の結合部材を含み、前記シェービングユニットは、前記第2の結合部材を含み、
前記第2の結合部材の前記結合要素は、前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の前記結合状態において前記主ユニット内の前記モータに結合される、前記シェービングユニットの中心駆動シャフトを収容し、
前記シェービングユニットは、前記毛切断ユニットを駆動するために前記中心駆動シャフトの回転を前記毛切断ユニットのそれぞれに伝達するための伝達ユニットを含む、請求項9に記載のハンドヘルドパーソナルケアデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主ユニットと、主ユニットに対して結合可能及び分離可能であるとともに機能的パーソナルケアユニットを有する機能的アタッチメントとを備える、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスであって、
主ユニット及び機能的アタッチメントの一方は、第1の結合軸と、受容チャンバと、受容チャンバ内に配置された金属ばね要素とを有する第1の結合部材を含み、
主ユニット及び機能的アタッチメントの他方は、第2の結合軸と、第2の結合軸に対して斜めに延びる係合面が設けられた結合要素とを有する第2の結合部材を含み、
第1の結合部材及び第2の結合部材は、第1の結合軸及び第2の結合軸を位置合わせすることによって、また、位置合わせされた第1の結合軸及び第2の結合軸に沿って第1の結合部材及び第2の結合部材を互いに向けて、結合状態にするように動かすことによって、相互に結合可能であり、
第1の結合部材及び第2の結合部材は、第1の結合部材及び第2の結合部材の一方に、位置合わせされた第1の結合軸及び第2の結合軸に対して平行であるとともに第1の結合部材及び第2の結合部材の他方から離れる軸方向へ、所定の閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、結合状態から相互に分離可能であり、
受容チャンバは、第1の結合部材及び第2の結合部材の結合状態において結合要素を受容するように構成及び配置され、
ばね要素は、第1の結合部材及び第2の結合部材の前記結合状態において、ばね要素のばね力の影響下で係合面と係合して、主ユニットに結合された機能的アタッチメントを軸方向に対して平行な方向に保持する実質的に唯一の力である保持力をもたらすように構成及び配置される、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2008/062339(A1)号が、ヘッド構造体及びベース構造体を有するシェービングデバイスを開示している。ヘッド構造体は、少なくとも1つのヘッドを支持するように構成されている。ヘッド構造体は、ベース構造体上で解放可能に保持可能である。ベース構造体は、ヘッド構造体がベース構造体に結合されたときにその外周の領域に支持されないように、ヘッド構造体の外周の領域において支持要素が存在しない。ヘッド構造体は、ベース構造体に結合されたときに、ベース構造体の保持構造体により与えられた保持力のみにより実質的にベース構造体上で保持される。
【0003】
ヘッド構造体は、ヘッド構造体の中心領域に配置された結合要素を有する。既知のシェービングデバイスの一実施形態では、結合要素は、ヘッド構造体の中心領域から突出するシャフト状の要素であって、その遠位端において、ヘッド構造体の支持構造体に面する傾斜面を有するシャフト状要素であり、支持構造体は、少なくとも1つのシェービングヘッドを支持する役目を果たし、保持構造体は、結合要素を受けるための保持凹部と、保持凹部内に少なくとも部分的に設けられたばね要素とを有し、ばね要素は、結合要素が保持凹部において保持可能であるように、結合要素の傾斜面に係合するように配置される。ばね要素は、傾斜面に係合することによって結合要素をクランプすることが可能である。結合要素を解放するためには、ばね要素は、大きな負荷、特にトルクにより傾斜面上をシフトするように力を加えなければならない。負荷が十分に大きい場合、ばね要素は、傾斜面からシフトして外れ、これにより、結合要素を解放する。傾斜面は、シャフト状の要素からの突出部として提供されるか又はシャフト状の要素における結合凹部内に提供されるかのどちらかで提供されてもよい。
【0004】
既知のシェービングデバイスのヘッド構造体に外部負荷がかけられると、その負荷が結合要素に伝達される。結合状態において、ヘッド構造体はその外周の領域において支持されないため、外周の領域は、ベース構造体に外部負荷を伝達することに寄与することができない。結果として、結合要素は、外部負荷のかなりの部分を伝達しなければならない。加えて、結合要素がヘッド構造体の中心領域に配置されるため、外部負荷に関連付けられる機械的なトルクは、結合要素上に比較的高い力をもたらすことになる。外部負荷が十分に大きい場合、結合要素は、保持構造体から解放され、これにより、過負荷が少なくとも1つのシェービングヘッド又はヘッド構造体へのダメージを生じさせること防止する。
【0005】
国際公開第2021/013608(A1)号が、ベース構造体と、ベース構造体に解放可能に保持可能であるヘッド構造体とを備えたシェービングデバイスであって、ヘッド構造体は、ヘッド構造体の中心領域から突出するシャフト状の結合要素を有し、ベース構造体は、結合要素を受け入れるための保持凹部と、保持凹部内に少なくとも部分的に設けられたばね要素とを有する保持構造体を備える、シェービングデバイスの別の例を開示している。結合要素及び保持構造体は、シェービングデバイスのユーザがヘッド構造体をベース構造体から分離することを望む場合、ヘッド構造体及びベース構造体を引き離すことを意図された力をヘッド構造体及びベース構造体にかけることによってそのように分離するものとすると同時に、ユーザは、ヘッド構造体及びベース構造体を互いに対してねじることが許され、これにより、結合要素を保持構造体から分離しやすくするように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、国際公開第2008/062339(A1)号から既知のシェービングデバイス又は国際公開第2021/013608(A1)号から既知のシェービングデバイスなどの、主ユニットと、主ユニットに対して結合可能及び分離可能であるとともに機能的パーソナルケアユニットを有する機能的アタッチメントとを備える、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスを提供することであり、また、このデバイスが結合状態にある場合に主ユニットと機能的アタッチメントとの間に電気接続を確立する機構をデバイスに装備することである。例えば、機能的アタッチメントに1つ又は複数の電力消費部材を有すること、及び、それらの1つ又は複数の電力消費部材に給電するために主ユニット内に電源を有することが実用できである。シェービングデバイスのコンテキストにおいて、機能的アタッチメント、特に機能的アタッチメントの機能的パーソナルケアユニットにおいて使用される電力消費部材の例は、シェービングプロセス中に皮膚効果を提供するLED、及び様々な種類のセンサを含む。
【0007】
機能的アタッチメントが主ユニットから解放されることを可能にするために、主ユニットと機能的アタッチメントとの間の電気接続も解放可能であるべきである。既知の解決策は、機能的アタッチメントにおける電気コイルに誘導結合される、主ユニットにおける電気コイルによって、誘導結合を提供することを伴う。しかしながら、そのような種類の電気接続を介して伝達することができるパワーの量は限られている。既知の別の解決策は、主ユニットにおける電気的接触要素及び機能的アタッチメントにおける電気的接触要素によって機械的結合を提供することを伴う。そのような機械的結合は、比較的高いパワー量の伝達を可能にする。本発明は、比較的高いパワー量を伝達することが可能であるとともに、ロバスト性及び確実性があるが、複雑さの顕著な/著しい増加及び/又は主ユニット及び機能的アタッチメントの設計のかさばりを伴わない、解放可能な電気接続を、主ユニットと機能的アタッチメントとの間に得る実現性をもたらすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、主ユニットと、主ユニットに対して結合可能及び分離可能であるとともに機能的パーソナルケアユニットを有する機能的アタッチメントとを備える、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスであって、
主ユニット及び機能的アタッチメントの一方は、第1の結合軸と、受容チャンバと、受容チャンバ内に配置された金属ばね要素とを有する第1の結合部材を含み、
主ユニット及び機能的アタッチメントの他方は、第2の結合軸と、第2の結合軸に対して斜めに延びる係合面が設けられた結合要素とを有する第2の結合部材を含み、
第1の結合部材及び第2の結合部材は、第1の結合軸及び第2の結合軸を位置合わせすることによって、また、位置合わせされた第1の結合軸及び第2の結合軸に沿って第1の結合部材及び第2の結合部材を互いに向けて、結合状態にするように動かすことによって、相互に結合可能であり、
第1の結合部材及び第2の結合部材は、第1の結合部材及び第2の結合部材の一方に、位置合わせされた第1の結合軸及び第2の結合軸に対して平行であるとともに第1の結合部材及び第2の結合部材の他方から離れる軸方向へ、所定の閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、結合状態から相互に分離可能であり、
受容チャンバは、第1の結合部材及び第2の結合部材の結合状態において結合要素を受容するように構成及び配置され、
ばね要素は、第1の結合部材及び第2の結合部材の前記結合状態において、ばね要素のばね力の影響下で係合面と係合して、主ユニットに結合された機能的アタッチメントを軸方向に対して平行な方向に保持する実質的に唯一の力である保持力をもたらすように構成及び配置され、さらに、
主ユニット及び機能的アタッチメントの前記一方は、主ユニット及び機能的アタッチメントの前記一方の電気的構成要素に電気的に接続される第1の電気的接触要素を含み、
主ユニット及び機能的アタッチメントの前記他方は、主ユニット及び機能的アタッチメントの前記他方の電気的構成要素に電気的に接続される第2の電気的接触要素を含み、
結合状態において、第1の電気的接触要素及び第2の電気的接触要素は、主ユニットの電気的構成要素と機能的アタッチメントの電気的構成要素との間に電気接続をもたらすように相互接触状態であり、
第1の電気的接触要素は、第1の結合部材のばね要素を含み、
第2の電気的接触要素は、第1の結合部材及び第2の結合部材の結合状態において、第2の電気的接触要素がばね要素のばね力の影響下でばね要素と接触状態にあるように、第2の結合部材の係合面に設けられる又は係合面によって含まれる、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスを提供する。
【0009】
本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスの上記の定義からすると、このデバイスは、解放可能な電気接続が可能にされるように設計され、電気的接触要素が使用されるということになる。主ユニットの電気的構成要素の実用例は、電源及び電子プロセッサを含む。機能的アタッチメントにおける電気的構成要素の実用例は、モータ、アクチュエータ、光源、熱源、センサ及び検出器を含む。したがって、電気接続は、主ユニットから機能的アタッチメントへの電力の伝達、又は、主ユニットと機能的アタッチメントとの間の電子データ送信、又は、そのような電力伝達及びそのような電子データ送信の両方に用いることができる。
【0010】
本発明のコンテキストにおいて、解放可能な電気接続は、主ユニットと機能的パーソナルケアユニットとの間の機械的結合インタフェースと適合性があり、機械的結合インタフェースは、第1の結合部材及び第2の結合部材を含み、第1の結合部材は、受容チャンバと、受容チャンバ内に配置された金属ばね要素とを含み、第2の結合部材は、第2の結合軸に対して斜めに延びる係合面が設けられた結合要素を含む。解放可能な電気接続は、第1の電気的接触要素として結合インタフェースの金属ばね要素を用い、その一方、結合インタフェースの係合面は、第2の電気的接触要素を設けている又は含む。機能的パーソナルケアユニットが主ユニットに結合されると、第2の電気的接触要素は、ばね要素、すなわち第1の電気的接触要素と電気接触状態にある。第1の電気的接触要素と第2の電気的接触要素との間の電気接触は、斜めに向いた係合面にばね要素によってかけられるばね力の結果として堅固性を有する。本発明によるデバイスにおいて、ばね要素のばね力が、主本体に結合された機能的アタッチメントを軸方向に対して平行な方向に保持する実質的に唯一の力であるということに鑑み、ばね力は、主ユニットに結合された機能的アタッチメントを通常の使用条件下で維持するのに十分に高いものであるべきである。このことは本来的に、第1の電気的接触要素と第2の電気的接触要素との間の堅固な電気的接触を提供する。
【0011】
本発明の第1の顕著な利点は、所望に応じてハンドヘルドパーソナルケアデバイスにおいて解放可能な電気接続を実現するために、機械的結合インタフェースを妨げることなく、また、複雑な構造上の措置をとる必要なく、デバイスの主ユニット及び機能的パーソナルケアユニットの機械的結合インタフェースが設計されるやり方で巧みな使用がなされることにある。さらなる構成要素の数、すなわち、既存の機械的結合部に加えられる構成要素の数は、最小限に保たれ、コンパクト性のレベルが高いものとすることができる。さらに、上記で既に述べたように、ばね要素の使用により、第1の電気的接触要素と第2の電気的接触要素との間の電気接触は堅固性を有することが達成される。本発明の第2の顕著な利点は、機能的アタッチメントが主ユニットに対して結合又は分離される場合、電気的接触要素間の接触が確立又は中断されると、ばね要素が第2の電気的接触要素の上を摺動し、そのため、電気的接触要素間の電気伝達を妨げる可能性がある、電気的接触要素の表面上のいかなる汚染物も、擦り落とされることにある。これに関して、そのような汚染物は、特にパーソナルケアデバイスが、シャワー下などの濡れた状態下で使用されるのに適切であるとともにそのように使用されることを意図されている場合の、汚染又は腐食に起因する可能性があることに留意されたい。
【0012】
本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスの実用的な実施形態では、第2の電気的接触要素は、係合面に設けられたノッチに配置される。そのようにして、第2の電気的接触要素は、第2の結合部材の結合要素によって十分に支持されることが達成される。さらに、ばね要素が凹凸のない滑らかな表面の上を摺動するとともにそのような表面に支承することができるとともに、ばね要素が第2の電気的接触要素及び係合面の残りの部分の両方と略等しく堅固な係合状態にあることができるように、第2の電気的接触要素の接触面が係合面と略面一である場合が、有利である。
【0013】
ばね要素及び第2の電気的接触要素は両方とも、細長い設計とすることができる。これに関して、ばね要素が、第1の結合軸に対して垂直な仮想平面内に主延長方向を有するとともに、第2の電気的接触要素が、第2の結合軸を含む仮想平面内に主延長方向を有する場合が、実用的である。ばね要素及び第2の電気的接触要素のそのような設計及び向きを有することは、所望に応じてハンドヘルドパーソナルケアデバイスにおける解放可能な電気接続を確立することの容易性及び確実性の両方に寄与し、これは、ばね要素及び第2の電気的接触要素の設計及び向きに関する他の可能性も本発明によってカバーされることを変えるものではない。
【0014】
結合要素がシャフト状であり、係合面が、結合要素の周面に設けられた凹部内に設けられる場合が、実用的である、有利には、凹部の形状及びサイズは、ばね要素が凹部内に十分にフィットし、凹部内に受容されるとともに凹部から摺動式に解放されることができるように選択される。
【0015】
本発明は、解放可能な機械的結合と解放可能な電気接続との組み合わせの二重形態(double-version)、すなわち、
第2の結合部材が、結合要素において第2の結合軸に対して対向し合う位置に配置された一対の係合面を含み、
一対の第2の電気的接触要素がそれぞれ、一対の係合面に設けられる又は一対の係合面によって含まれ、
第1の結合部材が、第1の結合部材及び第2の結合部材の結合状態において一対の第2の電気的接触要素とそれぞれ接触状態にあるように配置された一対のばね要素を含む、形態をカバーする。
【0016】
1つの実用的な選択肢によれば、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスは、電気シェーバであり、機能的アタッチメントは、少なくとも1つの毛切断ユニットを含むシェービングユニットであり、主ユニットは、第1の結合部材及び第2の結合部材の結合状態において少なくとも1つの毛切断ユニットを駆動するように構成されたモータを収容する。他の選択肢も実行可能である。本発明は、主ユニットと、主ユニットに対して結合可能及び分離可能である機能的アタッチメントとを備え、主ユニットの電気的構成要素と機能的アタッチメントの電気的構成要素との間の解放可能な電気接続が確立される必要がある、任意の種類のハンドヘルドパーソナルケアデバイスに関する。よく知られた例は、電動歯ブラシ及びスキンケアデバイスである。
【0017】
本明細書において前に示唆したようにハンドヘルドパーソナルケアデバイスが電気シェーバである場合、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスは特に、以下のようなもの、すなわち
シェービングユニットが、少なくとも2つの毛切断ユニットを含み、
主ユニットが、第1の結合部材、すなわち、受容チャンバと金属ばね要素とを含む結合部材を含み、シェービングユニットが、第2の結合部材、すなわち、斜めに向けられた係合面が設けられた結合要素を含む結合部材を含み、
第2の結合部材の結合要素が、第1の結合部材及び第2の結合部材の結合状態において、主ユニットのモータに結合される、シェービングユニットの中心駆動シャフトを収容し、
シェービングユニットは、毛切断ユニットを駆動するために中心駆動シャフトの回転を毛切断ユニットのそれぞれに伝達するための伝達ユニットを含む、ものである。
【0018】
本発明の上述の及び他の態様は、主本体と、主本体に対して結合可能及び分離可能なシェービングユニットとを備える電気シェーバにおける解放可能な電気接続に含まれる構成要素の以下の詳細な説明から明らかになるとともにその詳細な説明を参照しながら解明されるであろう。
【0019】
ここで、等しい又は同様の部品が同じ参照符号によって示されている図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるハンドヘルドパーソナルケアデバイスの実用例として、主本体とシェービングユニットとを備える電気シェーバを概略的に示す。
図2】電気シェーバの結合状態における主ユニット及びシェービングユニットの部品を概略的に示す。
図3】電気シェーバの結合状態における主ユニット及びシェービングユニットの部品をその一部が切り欠かれた状態で示す。
図4】電気シェーバの結合状態において主ユニットの2つの金属ばね要素のうちの一方がシェービングユニットの2つの電気的接触要素のうちの一方とどのように接触しているかを断面図で示す。
図5】シェービングユニットの2つの電気的接触要素のうちの一方と導電性延長ストリップとの全体を概略的に示す。
図6】シェービングユニットの電気的接触要素がシェービングユニットの結合要素の係合面においてどのように配置されているかを示す。
図7】2つの電気的接触要素と結合要素とを含む、シェービングユニットの一部を概略的に示す。
図8図7の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、主ユニットと、主ユニットに対して結合可能及び分離可能であるとともに機能的パーソナルケアユニットを有する機能的アタッチメントとを備える、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスに関する。以下で、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスの一例として電気シェーバ100のコンテキストで本発明を説明するが、このことは、本発明が他の種類のハンドヘルドパーソナルケアデバイスもカバーすることを変えるものではない。電気シェーバ100において、電気シェーバ100の主本体10が、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスの主ユニットであり、電気シェーバ100のシェービングユニット20が、ハンドヘルドパーソナルケアデバイスの機能的アタッチメントである。
【0022】
図1を参照すると、シェービングユニット20は、支持部材21と、支持部材21によって支持された3つの毛切断ユニット22とを含む。本例のコンテキストにおいて、毛切断ユニット22の数は自由に選択することができ、必ずしも3つである必要はないが、その数は少なくとも1つである。図1は、シェービングユニット20が主本体10とどのように組み合わされるかを示し、シェービングユニット20の支持部材21が主本体10に結合される。主本体10は、任意の適切な設計を有することができ、破線によって単に概略的に示されている。電気シェーバ100によって皮膚にシェービング動作を行うため、シェーバ100のユーザは、主本体10を保持し、皮膚にシェービングユニット20をあて、シェービングユニット20を皮膚の上で動かすことになる。電気シェーバ100は、シェービングユニット20が主本体10の上に配置される向きである通常の向きで示されている。
【0023】
シェービングユニット20は、シェーバ100のうち、皮膚から毛を切断する作用を実際に行うことができる部分を構成し、その一方、主ハウジング10は、そのような作用に関係する、シェービングユニット20の構成要素を駆動するモータ30を収容することに役目がある。主ハウジング10は、モータ30に給電する充電式バッテリなどの手段をさらに含んでもよい。毛切断ユニット22の回収部は、シェービングユニット20の機能的パーソナルケアユニットの一部である。
【0024】
シェービングユニット20及び主ハウジング10は、互いに解放可能に接続可能であり、シェービングユニット20は、シェービングユニット20と主本体10との接続状態においてモータ30に結合される中心駆動シャフト50を収容するシャフト状の結合要素23を含む。この選択肢は、図1に示され、モータ30の中心駆動シャフト50及び出力シャフト31の両方が破線により示されている。有利には、シェービングユニット20の毛切断ユニット22は、個別の駆動シャフト(図示せず)を含み、シェービングユニット20は、中心駆動シャフト50の回転をそのような個別の駆動シャフトの回転に変換するための伝達システム(図示せず)をさらに含む。そのような伝達システムは、例えば、多くのギヤホイールを含んでもよい。
【0025】
図1において、シェービングユニット20の結合要素23にはその周面に凹部24が設けられていることを見てとることができる。結合要素23における正反対の位置、したがって、結合要素23の、図1に見ることができない側に、同様の凹部24が設けられている。結合要素23における凹部24は、主本体10とシェービングユニット20との間の解放可能な機械的結合に関係する。以下で、図2図4を参照しながら、主本体10とシェービングユニット20との間の解放可能な機械的結合部の詳細を説明し、また、主本体10とシェービングユニット20との機械的インタフェースにおける幾何学形状を用いた解放可能な電気接続の詳細を説明する。
【0026】
解放可能な電気接続を確立するため、主本体10は、第1の結合軸Cを有する第1の結合部材1を含み、シェービングユニット20は、第2の結合軸Cを有する第2の結合部材2を含み、この第2の結合部材200は、本明細書において前述した結合要素23を含む。結合要素23には、結合要素23において第2の結合軸Cに対して対向し合う位置に配置された一対の係合面25が設けられており、係合面25は、第2の結合軸Cに対して斜めに延び、それぞれの係合面25は、本明細書において前述したそれぞれの凹部24に設けられている。第1の結合部材1は、受容チャンバ11と、受容チャンバ11内に配置された一対の金属ばね要素12とを含む。
【0027】
第1の結合部材1及び第2の結合部材2は、第1の結合軸C及び第2の結合軸Cを位置合わせすることによって、また、位置合わせされた第1の結合軸C及び第2の結合軸Cに沿って第1の結合部材1及び第2の結合部材2を互いに向けて、結合状態にするように動かすことによって、相互に結合可能であり、結合要素23は、受容チャンバ11内に受容され、それぞれのばね要素12は、それぞれの凹部24内に受容され、第1の結合部材1及び第2の結合部材2は、第1の結合部材1及び第2の結合部材2の一方に、位置合わせされた第1の結合軸C及び第2の結合軸Cに対して平行であるとともに第1の結合部材1及び第2の結合部材2の他方から離れる軸方向Aへ、所定の閾値力よりも大きい分離力をかけることによって、結合状態から相互に分離可能であり、分離要素23は、受容チャンバ11から取り外され、それぞれのばね要素12は、それぞれの凹部24から取り外される。第1の結合部材1及び第2の結合部材2の結合状態において、ばね要素12のそれぞれは、ばね要素12のばね力の影響下でそれぞれの係合面25と係合する。このようにして、保持力がもたらされ、この保持力は、主本体10に結合されたシェービングユニット20を軸方向Aに対して平行な方向に保持する実質的に唯一の力である。
【0028】
2つのばね要素12はさらに、主本体10の、充電式バッテリ40などの電気的構成要素に電気的に接続される、2つの第1の電気的接触要素41として機能するように構成されている。シェービングユニット20は、電気的構成要素60も含み、その電気的構成要素60に電気的に接続される2つの第2の電気的接触要素61が備わっている。例えば、シェービングユニット20は、1つ又は複数のLEDを含んでもよく、及び/又は、皮膚接触検出のための容量検知を可能にするように構成されてもよい。電気シェーバ100が結合状態にあり、それぞれのばね要素12の形態の、主本体10のそれぞれの電気的接触要素41と、シェービングユニット20のそれぞれの電気的接触要素61とが互いに接触すると、シェービングユニット20における電気的構成要素60を動作させるのに必要な電力が主本体10から取得される。シェービングユニット20の電気的構成要素60は単に、破線での楕円として図1に概略的に示されていることに留意されたい。
【0029】
第1の電気的接触要素41としてのばね要素12と、シェービングユニット20の第2の電気的接触要素61とが、本明細書において前述した解放可能な電気接続の構成要素であり、電気接続において2つの極性をもたらす。注目すべきことは、それぞれの第2の電気的接触要素61がそれぞれの係合面25の位置に配置されることである。このようにして、電気シェーバ100の結合状態において、それぞれの第2の電気的接触要素61がばね要素12のばね力の影響下でそれぞれのばね要素12と接触することが達成される。このことは、常に高い機械的接触力が存在し、その結果として、電気接続が常に確実であるとともに安定していることを示唆する。そのうえ、それぞれのばね要素12がそれぞれの凹部24におけるその位置に対して動くプロセスにおいて、ばね要素12の表面及び/又は第2の電気的接触要素61の表面に存在する可能性があるいかなる汚染物も、ばね強制接触の影響下で自動的に擦り落とされる。
【0030】
第2の電気的接触要素61のうちの一方と導電性延長ストリップ62との全体が、図5に示されている。導電性延長ストリップ62を有することは、シェービングユニット20の、電力を供給されるべき1つ又は複数の構成要素に、第2の電気的接触要素61を電気的に結合することに関して実用的である、1つの選択肢である。シェービングユニット20に実際上、第2の電気的接触要素61と導電性延長ストリップ62又は別の導電体との全体が備わっている場合、そのような全体は、一体性を有し、その場合、その全体を製造することは、金属ストリップを用意することと、第2の電気的接触要素61を形成する膨出部(bulge)をストリップに設けることとを伴うか、又は、何らかの箇所において接合された少なくとも2つの部品を含む。
【0031】
図6は、それぞれの係合面25に設けられたノッチ26に第2の電気的接触要素61が配置されるという実用的な選択肢を示し、また、第2の電気的接触要素61の接触面63が係合面25と略面一であることも示す。第2の結合軸Cの周りの方向に見られるようにもっぱら寸法が限定されているため、第2の電気接触部61のそれぞれは細長く、ばね要素12のそれぞれは、電気シェーバ100の結合状態において異なる方向において、すなわち、軸方向Aに対して略垂直な仮想平面I内の方向においてであろうとも、そのように細長く、その一方、第2の電気接触部61は、第1の仮想平面Iに対して略垂直な仮想平面I内に主延長方向を有する。両方の仮想平面I、Iの配向を図2の斜視図に示し、図2において、仮想平面I、Iの部分を表す2つの破線矩形が示されている。
【0032】
図7は、第2の電気要素61がどのように結合要素23に配置されているかを明確に示す。図8は、凹部24のうちの1つ及び第2の電気的接触要素61のうちの1つを含む、結合要素23の一部を拡大的に示す。
【0033】
解放可能な電気接続の上述の実施形態の一変形形態は、単一のばね要素12及び単一の第2の電気的接触要素61を含む変形形態である。そのような例においてもまた、解放可能な機械的結合と解放可能な電気接続との巧みな組み合わせを有することから以下の利点が得られ、特に、解放可能な機械的結合において用いるためのばね力を提供する機能と、電気的接触機能との両方が、1つの同じ構成要素、すなわち金属ばね要素12によって行われ、その一方、第2の電気的構成要素61は、機械的結合が確立されると第2の電気的構成要素61の一部がばね要素12によって接触されるように配置される。
【0034】
本明細書において前述したように、主本体10の第1の結合部材1の第1の電気的接触要素41を形成するばね要素12は、金属から作製される。本明細書において前述した実施形態では、シェービングユニット20の第2の結合部材2の第2の電気的接触要素61は、金属ストリップから作製される。金属ばね要素12及び第2の電気的接触要素61の腐食が、ばね要素12と第2の電気的接触要素61との間の電気的接触抵抗の増加を引き起こす可能性がある。そのような腐食を防止するために、ばね要素12及び第2の電気的接触要素61は、ニッケルから作製されてもよい。本明細書において前述した実施形態では、ばね要素12は糸状であり、ばね要素12を純粋にニッケルから製造することは困難である可能性がある。そのような実施形態では、ばね要素12はそれぞれ、鋼などの、ニッケル以外の金属から作製された糸状芯要素を有してもよく、芯要素にはそれぞれ、例えば、化学蒸着方法によって、少なくとも25マイクロメートルの厚さを有するニッケルコーティングが設けられる。代替的に、ばね要素12のそれぞれの上記芯要素には、例えばプラスチックから形成された電気絶縁層が局所的に設けられてもよく、薄いニッケルプレートが、芯要素及び絶縁層に巻き付けられ、折り返される。上記ニッケルプレートの位置は、第1の結合部材1及び第2の結合部材2の結合状態において、上記ニッケルプレートのそれぞれが第2の電気的接触要素61のうちのそれぞれの1つと電気的に接触するようなものであるべきである。その場合、それぞれのばね要素12を主本体10の電気的構成要素(例えば、充電式バッテリ40)に接続する電気接続ワイヤが、上記折り返されたニッケルプレートのそれぞれにはんだ付けされる。
【0035】
本発明の範囲は、上記で論じた例に限定されず、したがって、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの修正及び変更が可能であることが、当業者には明らかであろう。本発明は、そのような修正及び変更が請求項の範囲又はその均等物内にある限り、それらをすべて含むものと解釈されることが意図される。本発明を図面及び明細書において詳細に例示及び説明してきたが、そのような例示及び説明は、単に説明的又は例示的とみなされ、限定的とみなされるべきではない。本発明は、開示される実施形態に限定されない。図面は概略的であり、本発明を理解するのに必要とされない詳細は省かれており、必ずしも縮尺通りではない。
【0036】
開示される実施形態に対する変形形態は、図面、明細書及び添付の特許請求の範囲の精査から、特許請求された発明を実施する上で当業者が理解するとともに行うことができる。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他のステップ又は要素を排除せず、単数形の要素は複数を排除しない。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0037】
特定の実施形態について又は関して論じた要素及び態様は、そうでないことが明示的に述べられていない限り、他の実施形態の要素及び態様と適切に組み合わされてもよい。したがって、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に用いることができないことを示すものではない。
【0038】
本書において使用される「備える」及び「含む」という用語は、当業者によって「からなる)」という用語をカバーするものと理解されるであろう。したがって、「備える」又は「含む」という用語は、一実施形態に関して「からなる」を意味することがあり、別の実施形態では、「少なくとも定義された種と任意選択的に1つ又は複数の他の種とを含む/有する/備える」ことを意味することがある。
【0039】
本発明の注目すべき態様を以下の通り要約する。電気シェーバなどのハンドヘルドパーソナルケアデバイス100において、パーソナルケアデバイス100の主ユニット10及び機能的アタッチメント20の一方は、第1の結合軸Cと、主ユニット10及び機能的アタッチメント20の前記一方の電気的構成要素40に電気的に接続される第1の電気的接触要素41とを有する第1の結合部材1を含み、主ユニット10及び機能的アタッチメント20の他方は、第2の結合軸Cと、主ユニット10及び機能的アタッチメント20の前記他方の電気的構成要素60に電気的に接続される第2の電気的接触要素61とを有する第2の連結部材2を含む。第1の電気的接触要素41は、第1の結合部材1の金属ばね要素12を含み、第2の電気的接触要素61は、ばね要素12によって係合されるように構成されている、第2の結合部材2の面25に設けられる又は面25によって含まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】