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特表2024-544265デジタル表示手段を備えるパッケージ
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  • 特表-デジタル表示手段を備えるパッケージ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】デジタル表示手段を備えるパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B65D25/20 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535307
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 EP2022085756
(87)【国際公開番号】W WO2023110964
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】2113895
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パスカル ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ マフル
(72)【発明者】
【氏名】ピエール アラン コット
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB07
3E062AC02
3E062DA02
3E062DA06
(57)【要約】
本発明は物体の輸送のためのパッケージ(1)に関し、そのパッケージ(1)は、
-底部(21)と、互いに接するパネル(4)から形成された周縁部とを有するケース(2)と、
-パッケージ(1)上に配達情報を表示することを可能にするデジタル表示手段(5)と、を備え、
デジタル表示手段(5)は減衰システムを備え、減衰システムは、パッケージ(1)の外側から内側へ及びパッケージ(1)の内側から外側へのデジタル表示手段(5)の移動を減衰させる弾性的に変形可能なカバーを備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の輸送のためのパッケージ(1)であって、
底部(21)と、互いに接するパネル(4)から形成された周縁部とを有するケース(2)と、
前記パッケージ(1)上に配達情報を表示することを可能にするデジタル表示手段(5)と、を備え、
前記デジタル表示手段(5)は、前記パッケージ(1)の外側からアクセス可能なように前記パネル(4)の1つに統合され、
前記デジタル表示手段(5)は、
前記パッケージ(1)の外側にある前壁(51a)と、前記パッケージ(1)の内側にある後壁(51b)とを有するシェル(51)と、
前記前壁(51a)と前記後壁(51b)との間で前記シェル(51)内に、移動可能に取り付けられたスクリーン(52)と、
前記前壁(51a)から前記後壁(51b)の方への前記スクリーン(52)の移動を減衰させるように、前記スクリーン(52)と前記シェル(51)との間に挿入されたショックアブソーバ(61)を備える減衰システム(6)と、を備え、
前記減衰システム(6)は、さらに、前記シェル(51)を囲む弾性的に変形可能なカバー(62)を備え、前記カバー(62)は、前記パッケージ(1)の外側から内側へ及び前記パッケージの内側から外側への前記デジタル表示手段(5)の移動を減衰させることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記デジタル表示手段(5)が統合された前記パネル(4)は、
前記カバー(62)が固定された骨組み(41)と、
前記骨組み(41)が埋め込まれた外皮(42)と、を備え、
前記外皮(42)は弾性的に変形可能な材料から作られることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記外皮(42)は発泡ポリプロピレンから作られることを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記ショックアブソーバ(61)は衝撃吸収型の圧縮性の発泡体を含むことを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記圧縮性の発泡体は、16と22との間に含まれるショアO型の硬度を有することを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記デジタル表示手段(5)は、さらに、
前記シェル(51)の前記後壁(51b)に固定された電子カード(53)と、
前記スクリーン(52)と前記電子カード(53)との間で広がる金属板(57)と、を備え、前記ショックアブソーバ(61)は前記金属板(57)と前記スクリーン(52)との間に挿入されることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記シェル(51)の前記後壁(51b)は、前記シェル(51)の内側に向かって突出する補強バー(512)を有し、前記補強バー(512)は前記電子カード(53)の支えを形成することを特徴とする、請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記補強バー(512)は、前記電子カード(53)に固定された電気部品を収容するためのハウジングを形成する格子の形で配置されることを特徴とする、請求項7に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記表示手段(5)は、前記スクリーン(52)を覆う強化ガラス保護部(55)を備え、前記強化ガラス保護部(55)は、前記スクリーン(52)と前記シェル(51)の前記前壁(51a)との間に挿入されることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記カバー(62)はエラストマー材料から作られることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項11】
前記エラストマー材料は、25と35との間に含まれるショアAの硬度を有する熱可塑性型のものであることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野は物流の分野である。
【0002】
より具体的に、本発明は、物体の輸送のためのコネクテッドパッケージの設計及び製造に関する。
【背景技術】
【0003】
2つの目的地の間で物体を輸送するために、ユーザーは、しばしば、コンピューティングプラットフォームを介してリアルタイムで追跡し得るパッケージを使用する。
【0004】
パッケージは、ますます、コネクテッド化されている。即ち、それらの地理的な位置を捜し出せるだけでなく、それらによって、情報を配達員にリアルタイムで表示することが可能になって、それらの配達が容易になる。
【0005】
このために、パッケージは、開発され、特に配達情報のデジタル表示の手段を備える。
【0006】
この従来既知のデジタル表示手段は、情報がリアルタイムで表示されるスクリーンを備える。
【0007】
特に、パッケージは、底部と、互いに接するパネルから形成された周縁部とを有するケースを備える。
【0008】
周縁部は、底部から伸びて、収容空間を形成する。
【0009】
デジタル表示手段は、パッケージの外側から、発送人、配達員、又は受取人にとってアクセス可能なようにパネルの1つに統合される。
【0010】
さらに、この表示手段は、遠隔サーバーを相手に情報を受信及び交換するためだけでなく、パッケージの使用状況に応じて特定の表示を生成するための計算機又は電子チップに繋がれる。
【0011】
例えば、パッケージが位置する地理的な地域に応じて、スクリーン上に表示される情報は適合するだろう。
【0012】
換言すれば、パッケージが、輸送段階、例えば国際水域上でコンテナ内にある場合、表示又はスクリーン上に表示される情報は、必要最小限であり、即ちパッケージを識別するためのバーコード及び目的地の国だけを含み得る。
【0013】
他方、パッケージが物流センターにある場合、スクリーン上に表示される情報は、より正確であり、特に、パッケージ識別バーコードに加えて、パッケージの目的地に関する詳細な情報、即ち、県、市どころか、通り及び家屋番号さえ含み得る。
【0014】
パッケージをその最終目的地まで運ぶサイクルの間、配達員はパッケージと情報をやりとりすることを求められるかもしれない。
【0015】
このため、スクリーンは、一般に、配達員が操作し得る物理的なボタンに関連づけられ又はますますタッチスクリーンになっている。
【0016】
使用中、物理ボタン及び/又はスクリーンを繰り返し押すと、それらはすぐに劣化し得る。
【0017】
さらに、パッケージをそれらの輸送中に輸送手段内に保管すると、でこぼこ道又は輸送手段の急な方向転換の場合、パッケージは、輸送手段内で制御されていない動きをして、例えば他のパッケージにぶつかり得る。
【0018】
これは、スクリーンの破壊、又は少なくともスクリーンの部分的な性能低下を引き起こすかもしれず、それは、パッケージの識別か、配達情報の読み取りかのどちらか、それ故、適切な場合、パッケージをその受取人へ正しく配達することを妨げる。
【0019】
加えて、デジタル表示手段への損傷がパッケージの配達中に発生した場合、偶然、パッケージの識別の失敗又は配達員が判読できる配達記載の失敗のために、パッケージをその受取人に配達できないかもしれない。
【0020】
その場合、同じ受取人のための新たな包装を行うために、パッケージを発送人に返送することが必要である。
【0021】
これは、パッケージの発送人のブランドイメージ、配達会社のブランドイメージのためにならず、これは、パッケージの配達の遅れを経験する受取人が好むものではない。
【0022】
さらに、少なくともデジタル表示手段のスクリーンを交換して、パッケージの新たな使用を可能にすることが必要である。
【0023】
これは、大きな額になり、交換されたデジタル表示手段を再生利用する段階で環境汚染の危険を潜在的に構成し得る修理費用を発生させる。なぜなら、全てのその部品が完全に再生利用可能とは限らないかもしれないからである。
【0024】
スクリーン上に置かれた保護フィルム型の従来の解決策は、例えばスクリーン上のひっかき傷の発生を制限することを可能にするが、デジタル表示手段が受けるかもしれない衝撃に対する十分な保護を保証するものを提供しない。
【発明の概要】
【0025】
本発明は、特に従来技術の欠点を克服することを目的とする。
【0026】
より具体的に、本発明は、パッケージに統合されたデジタル表示手段を、それがパッケージの配達中に受けるかもしれない衝撃から保護すること、又は、少なくとも、デジタル表示手段への衝撃の有害な影響を制限することを可能にする解決策を提案することを目的とする。
【0027】
本発明は、さらに、パッケージに統合することが容易なそのような解決策を提供することを目的とする。
【0028】
本発明は、さらに、軽量であり、十分な内部の収容空間をパッケージ内に維持することを可能にするそのような解決策を提供することを目的とする。
【0029】
これらの目的は、後に現れる他の目的と同様に、物体の輸送のためのパッケージに関する本発明のおかげで達成され、そのパッケージは、
-底部と、互いに接するパネルから形成された周縁部とを有するケースと、
-パッケージ上に配達情報を表示することを可能にするデジタル表示手段と、を備え、
デジタル表示手段は、パッケージの外側からアクセス可能なようにパネルの1つに統合され、
デジタル表示手段は、
-パッケージの外側にある前壁と、パッケージの内側にある後壁とを有するシェルと、
-前壁と後壁との間でシェル内に、移動可能に取り付けられたスクリーンと、
-前壁から後壁の方へのスクリーンの移動を減衰させるように、スクリーンとシェルとの間に挿入されたショックアブソーバを備える減衰システムと、を備え、
減衰システムは、さらに、シェルを囲む弾性的に変形可能なカバーを備え、カバーは、パッケージの外側から内側へ及びパッケージの内側から外側へのデジタル表示手段の移動を減衰させることを特徴とする。
【0030】
ショックアブソーバ及びカバーは、それぞれ、デジタル表示手段の第1減衰レベル及び第2減衰レベルを形成する。
【0031】
従って、スクリーンに加えられた全ての力がショックアブソーバによって吸収されるわけではない場合、カバーは、力の他の部分を吸収するように変形し、従ってデジタル表示手段のスクリーンを保護し得る。
【0032】
有利な一態様によれば、デジタル表示手段が統合されたパネルは、
-カバーが固定された骨組みと、
-骨組みが埋め込まれた外皮と、を備え、
外皮は弾性的に変形可能な材料から作られる。
【0033】
このパネル構造によって、デジタル表示手段の第3減衰レベルを形成することができる。
【0034】
実際、パネルの外皮は、2つの最初の減衰レベルと並行して、スクリーンに加えられた力の一部を吸収できるように変形し得る。
【0035】
さらに、骨組みは、パネルの全ての要素の間で、機械的接続、特に力の優れた伝達を可能にすることで、パネルの優れた剛性を保証する。それ故、これは、力が例えばスクリーンにかけられた場合、機械的応力が少しの点だけに集中することを防ぐ。そのような集中はパネルの破損を引き起こすかもしれない。
【0036】
別の有利な態様によれば、外皮は発泡ポリプロピレンから作られる。
【0037】
発泡ポリプロピレンは、その変形を可能にする可撓性を維持しながら、優れた機械抵抗を提供する。
【0038】
それ故、パネルは、丈夫でもあり可撓性もあり、それらの変形を保証し、従ってデジタル表示手段を保護する。
【0039】
別の有利な態様によれば、ショックアブソーバは衝撃吸収型の圧縮性の発泡体を含む。
【0040】
圧縮性の衝撃吸収発泡体は、低重量を提供しながら、例えば、ユーザーが力をかけてスクリーンと情報をやりとりした場合、又はスクリーンへの衝撃の間、スクリーンへの衝撃エネルギーの吸収を保証する。
【0041】
別の有利な態様によれば、圧縮性の発泡体は、16と22との間に含まれるショアO型の硬度を有する。
【0042】
そのような硬度によって、スクリーンをパッケージ内に過度に押し下げることが許されることなく、デジタル表示手段のスクリーンに加えられた力の優れた吸収が保証される。
【0043】
また、これはパッケージの質的な側面を明らかにする。なぜなら、衝撃又はユーザーからの強すぎる押圧に続いて、スクリーンが押し下げられた場合、かけられた力が中断されると、それはその最初の位置を取り戻し、それにより、パッケージの外観の損傷が防がれるからである。
【0044】
別の有利な態様によれば、デジタル表示手段は、さらに、
-シェルの後壁に固定された電子カードと、
-スクリーンと電子カードとの間に広がる金属板と、を備え、ショックアブソーバは金属板とスクリーンとの間に挿入される。
【0045】
この構造のおかげで、電子カード、金属板、スクリーン、及び減衰システムを備えるデジタルアセンブリを形成でき、そして、電子カードを金属板に固定できる。
【0046】
従って、デジタル表示手段の修理の場合、例えば、シェルだけが損傷を受けた場合、又はスクリーンだけが損傷を受けた場合、修理費用のため、しかし、生み出される廃棄物の最小化のためにも、デジタル表示手段の一部、例えば前述のデジタルアセンブリのみを交換することができる。
【0047】
別の有利な態様によれば、シェルの後壁は、シェルの内側に向かって突出する補強バーを有し、補強バーは電子カードの支えを形成する。
【0048】
従って、電子カードは、シェル内に取り付けられると、少なくともスクリーンの周囲で、シェルの後壁によって支えられ、それにより、シェル、より具体的にシェルの後壁と、電子カードとの間の隙間を回避することができる。その隙間は、特にパッケージの輸送に関連する振動のために、最終的に電子カードに損傷を与え得る。
【0049】
他方、スクリーンの下では、電子カードが金属板と補強バーとの間に挟まれ、それは、シェルがより抵抗力を示すことを可能にし、電子カード及びスクリーンのためのより優れた抵抗力及びより優れた保護を提供する。
【0050】
別の有利な態様によれば、補強バーは、電子カードに固定された電気部品を収容するためのハウジングを形成する格子の形で配置される。
【0051】
そのような格子は、特に、スクリーンの周囲の前方シェルと後方シェルとの間、及びスクリーンの下の後方シェルと金属板との間のアセンブリの機械抵抗を増加させる。
【0052】
別の有利な態様によれば、表示手段は、スクリーンを覆う強化ガラス保護部を備え、強化ガラス保護部は、スクリーンとシェルの前壁との間に挿入される。
【0053】
そのような強化ガラス保護部によって、(特にスクリーンの曲げ又は局部的な打撃による)衝撃によって起こり得る破損からスクリーンを保護することができる。
【0054】
その上、強化ガラス保護部は、使い古された際に、適切な場合、取り外されて、交換され得る。
【0055】
別の有利な態様によれば、カバーはエラストマー材料から作られる。
【0056】
従って、カバーは、数多くの変形にもかかわらず、変形し、その最初の形状を取り戻し得る。
【0057】
さらに、エラストマー材料の使用はデジタル表示手段の移動の順応性を提供し、例えば、それは、ユーザーがスクリーンを押す場合、ユーザーの動作に追従する。
【0058】
別の有利な態様によれば、エラストマー材料は、25と35との間に含まれるショアAの硬度を有する熱可塑性型のものである。
【0059】
この型の材料は、パッケージを低重量に維持しながら、デジタル表示手段の優れた保護を保証するために、望ましい弾力性及び軽さを提供する。
【0060】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい一実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭に見えてくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1図1は、本発明によるパッケージの斜視上面図である。
図2図2は、第2実施形態による、本発明によるパッケージ表示手段の分解図である。
図3図3は、本発明によるパッケージのデジタル表示手段の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は本発明によるパッケージ1を示す。
【0063】
そのようなパッケージ1はケース2を備える。
【0064】
ケース2は、底部21と、互いに接する複数のパネル4から形成された周縁部とを備える。
【0065】
さらに、パッケージ1は、パッケージの内部の収容空間を閉じることを可能にする蓋3を備える。この内部の収容空間の範囲は、底部21とパネル4によって形成された周縁部とによって定められる。
【0066】
この内部の収容空間によって、送り元と送り先との間で輸送される物体を収容することができる。
【0067】
パッケージ1をその送り先まで運べるように、パッケージ1は目的地情報を表示するための領域を備える。
【0068】
特に、この表示領域は、ケース2のパネル4の1つに固定されたデジタル表示手段5を備える。
【0069】
図2及び3を参照して、デジタル表示手段5は、
-シェル51と、
-スクリーン52と、
-スクリーン52が電気的に接続され、スクリーン52に表示命令を送信するように意図された電子カード53と、
-金属板7と、
-強化ガラス保護部55と、を備える。
【0070】
より具体的に、シェル51は、パッケージ1の外側に位置する前壁51aと、前壁51aと反対の側にあり、パッケージ1の内側に位置する後壁51bとを備える。
【0071】
前壁51a及び後壁51bは、それぞれ、少なくともスクリーン52及び電子カードを収容するための空間をシェルの内部に形成するように、互いに接することを意図された側縁部を備える。
【0072】
加えて、前壁51aは、シェル51に収容されたスクリーン52へのアクセス及びスクリーン52の可視性を可能する開口511を有する。
【0073】
図2及び3に見られるように、強化ガラス保護部55はシェル51の前壁51aとスクリーン52との間に配置される。
【0074】
より具体的に、強化ガラス保護部55は、シェル51の前壁51aに接して配置されて、開口511を覆い、従ってシェル51の外側からスクリーン52への直接のアクセスを防ぐ。
【0075】
換言すれば、強化ガラス保護部55はスクリーン52を覆う。
【0076】
図2の分解図に見られるように、シェル51の後壁51bは、シェル51の内側に向かって突出するリブを形成する補強バー512を有する。
【0077】
補強バー512は、シェル51内で電子カード53を適切な位置に保持し、スクリーン52の下でデジタル表示手段5の機械抵抗を増加させることを可能にする電子カード53の支えを形成する。
【0078】
より具体的に、補強バー512は、電子カード53に固定された電子部品を収容するためのハウジングを形成する格子の形に配置される。
【0079】
デジタル表示手段5の機械抵抗は、さらに、スクリーン52の周囲、特に補強バー512の間で改善される。補強バー512はそれらの間に電子カード53を捕まえる。
【0080】
電子カード53は、可撓性の留め具によって後壁51bに固定される。この可撓性の留め具は、電子カード53の拘束されない移動を可能して、敏感な部品埋め込み領域で電子カードの伸長を最小限にする。スクリーン52の下で、電子カード53は、有利に、金属板7と後壁51bとの間に挟まれる。
【0081】
例えば、可撓性の留め具は、電子カード53上の長円形の孔、及びシェル51の後壁51bに固定された保持部材の存在によって得られ、保持部材は、長円形の孔に受け入れられて、後壁51bに対する電子カード53の制御された移動を可能にする。
【0082】
ユーザーからの強い圧力によって、又はスクリーン52に衝突する物体によって引き起こされるスクリーン52の劣化を回避するために、デジタル表示手段5は、さらに、減衰システム6を備える。
【0083】
この減衰システム6は、スクリーン52とシェル51との間に挿入され、前壁51aから後壁51bの方へのスクリーン52の移動を減衰させる傾向にある。
【0084】
減衰システム6はショックアブソーバ61を備える。ショックアブソーバ61は、有利に、衝撃吸収型の圧縮性の発泡体層から形成される。
【0085】
好ましくは、圧縮性の発泡体は、16と22との間に含まれるショアO型の硬度を有する。
【0086】
衝撃吸収型の圧縮性の発泡体の使用は、変形後、発泡体が、緩やかに、即ち時間と共に徐々に、その最初の形状を取り戻しやすくなることを可能にし、従って、前壁51aの方向へのスクリーン52の猛烈すぎる移動を防ぐ。換言すれば、衝撃吸収型の圧縮性の発泡体は、再使用可能なショックアブソーバを形成し、デジタル表示手段5の永続的な保護を可能にする。
【0087】
さらに、図2に見られるように、デジタル表示手段5はさらに金属板7を備える。
【0088】
この金属板7はスクリーン52と電子カード53との間に配置される。
【0089】
金属板は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金から作られて、電子カード53の保護を保証する。アルミニウム又はアルミニウム合金の使用によって、デジタル表示手段5の重量を制限することができる。
【0090】
変形例として、金属板は、さらに、マグネシウム合金から作られ得、それは、アルミニウム又はアルミニウム合金より、低重量を有しながら、高い剛性を提供する。
【0091】
図2及び3に見られるように、減衰システム6はスクリーン52と金属板7との間に挿入される。
【0092】
図3を参照して、シェル51が、前壁51aから後壁51bに向かって、
-強化ガラス保護部55と、
-スクリーン52と、
-ショックアブソーバ61と、
-金属板7と、
-電子カード53と、を含むことが見られる。
【0093】
このアセンブリによって、デジタル表示手段5の第1の減衰を提供することができる。なぜなら、それに力が加えられた場合、この力は、次の通り、異なる要素、
-強化ガラス保護部55と、
-スクリーン52と、
-ショックアブソーバ61と、
-金属板7と、
-電子カード53と、に連続して加えられることで減衰するからである。
【0094】
強化ガラス保護部55の存在のおかげで、スクリーン52は過度に強烈な力から保護され、電子カード53は減衰システム6のショックアブソーバ61の存在によって保護される。その上、金属板7は、その剛性によって、電子カード53の変形を制限することを可能にする。
【0095】
従って、ショックアブソーバ61はデジタル表示手段5の第1減衰レベルを形成する。
【0096】
大きな力に対するその保護をさらに改善するために、減衰システム6は、さらに、弾性的に変形可能なカバー62を備える。カバー62は、図2及び3に見られるようにシェル51を囲む。
【0097】
カバー62によって、パッケージ1の外側から内側へ及びパッケージ1の内側から外側へのデジタル表示手段5の移動を減衰させることができる。
【0098】
図2及び3を参照して、カバー62はその周囲に複数のラグ621を有する。
【0099】
これらのラグ621によって、カバーをパネル4に保持することができる。
【0100】
図2及び3に示された実施形態によれば、ラグは円錐台の形状を有する。しかし、他の形状も使用され得る。
【0101】
カバー62は、有利に、エラストマー材料から作られる。
【0102】
例えば、エラストマー材料は、25と35との間に含まれるショアAの硬度を有する熱可塑性型のものである。
【0103】
有利に、この型の材料は、TPUファミリー、即ちエラストマーの弾性特性と熱可塑性プラスチックの機械的特性とを合わせ持つエラストマー熱可塑性材料のファミリーからより広く選択される。
【0104】
従って、カバー62はデジタル表示手段5の第2減衰レベルを形成する。
【0105】
図3を参照して、デジタル表示手段5が統合されたパネル4は、
-カバー62が固定された骨組み41、
-骨組み41が埋め込まれた外皮42と、を備える。
【0106】
外皮42は特に弾性的に変形可能な材料から作られる。
【0107】
例えば、骨組み41は射出されたポリプロピレンから作られ、外皮42は発泡ポリプロピレンから作られる。
【0108】
ポリプロピレンの使用によって、パネル4の質量を制限しながら、パネル4に優れた機械抵抗を与えることができる。
【0109】
発泡ポリプロピレンの使用によって、優れた剛性に加えて可撓性をパネル4に与えることができる。
【0110】
そして、パネル4の可撓性はデジタル表示手段5の第3減衰レベルを形成する。
【0111】
実際、デジタル表示手段5に力が加えられた場合、それは外皮42の可撓性によって部分的に吸収される。
【0112】
減衰システム6は、大きすぎる力がスクリーン52上にかけられた場合にスクリーン52の移動を可能にして、この力がスクリーン52上にもたらすかもしれない損傷を制限する。
【0113】
換言すれば、減衰システムによって、スクリーン52の寿命のために、それ故にスクリーン52上の配達情報の可読性のために、スクリーン52に加えられた大きな特別の力を吸収することができる。
【0114】
それ故、本発明によるパッケージ1は、スクリーン52の保護を可能にするデジタル表示手段5の3重の減衰レベルを提供する。
【0115】
第1減衰レベルは、スクリーン52に加えられた力の一部を直接に吸収するショックアブソーバ61によって達成される。
【0116】
第2減衰レベルは、ショックアブソーバ61がもはや力を吸収できない場合、スクリーン52に加えられた力の別の一部を吸収するカバー62によって達成される。その場合、ショックアブソーバ61は、力をシェル51の後壁51bに伝達するための単純な要素として働く。
【0117】
しかし、第2減衰レベルは第1減衰レベルと並行して達成される。実際、それぞれの減衰レベルの活動は、順次ではなく、第1減衰レベルが飽和する(その場合、第1減衰レベルは活動しなくなる)まで連続的に行われる。
【0118】
第3減衰レベルは、パネル4によって、特にスクリーン52に加えられた力の残りを吸収するパネル4の外皮42によって達成される。減衰システム6、即ちショックアブソーバ61及びカバー62が力を完全に吸収することができない場合、今度は、パネル4の外皮42が、弾性的に変形して、スクリーン52に加えられた力の残りを吸収する。
【0119】
しかし、この3重の減衰レベルでは、破壊行為又は(特に事故の際の)大規模な衝撃(その場合、パッケージは不可逆的に破壊されるかもしれない)からパッケージ1を保護することはできない。
【0120】
変形例として、デジタル表示アセンブリ5は、シェル51が、前壁51aから後壁51bに向かって、
-強化ガラス保護部55と、
-スクリーン52と、
-金属板7と、
-ショックアブソーバ61と、
-電子カード53と、を含むように設けられ得る。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の輸送のためのパッケージ(1)であって、
底部(21)と、互いに接するパネル(4)から形成された周縁部とを有するケース(2)と、
前記パッケージ(1)上に配達情報を表示することを可能にするデジタル表示手段(5)と、を備え、
前記デジタル表示手段(5)は、前記パッケージ(1)の外側からアクセス可能なように前記パネル(4)の1つに統合され、
前記デジタル表示手段(5)は、
前記パッケージ(1)の外側にある前壁(51a)と、前記パッケージ(1)の内側にある後壁(51b)とを有するシェル(51)と、
前記前壁(51a)と前記後壁(51b)との間で前記シェル(51)内に、移動可能に取り付けられたスクリーン(52)と、
前記前壁(51a)から前記後壁(51b)の方への前記スクリーン(52)の移動を減衰させるように、前記スクリーン(52)と前記シェル(51)との間に挿入されたショックアブソーバ(61)を備える減衰システム(6)と、を備え、
前記減衰システム(6)は、さらに、前記シェル(51)を囲む弾性的に変形可能なカバー(62)を備え、前記カバー(62)は、前記パッケージ(1)の外側から内側へ及び前記パッケージの内側から外側への前記デジタル表示手段(5)の移動を減衰させることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記デジタル表示手段(5)が統合された前記パネル(4)は、
前記カバー(62)が固定された骨組み(41)と、
前記骨組み(41)が埋め込まれた外皮(42)と、を備え、
前記外皮(42)は弾性的に変形可能な材料から作られることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記外皮(42)は発泡ポリプロピレンから作られることを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記ショックアブソーバ(61)は衝撃吸収型の圧縮性の発泡体を含むことを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記圧縮性の発泡体は、16と22との間に含まれるショアO型の硬度を有することを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記デジタル表示手段(5)は、さらに、
前記シェル(51)の前記後壁(51b)に固定された電子カード(53)と、
前記スクリーン(52)と前記電子カード(53)との間で広がる金属板(57)と、を備え、前記ショックアブソーバ(61)は前記金属板(57)と前記スクリーン(52)との間に挿入されることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記シェル(51)の前記後壁(51b)は、前記シェル(51)の内側に向かって突出する補強バー(512)を有し、前記補強バー(512)は前記電子カード(53)の支えを形成することを特徴とする、請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記補強バー(512)は、前記電子カード(53)に固定された電気部品を収容するためのハウジングを形成する格子の形で配置されることを特徴とする、請求項7に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記表示手段(5)は、前記スクリーン(52)を覆う強化ガラス保護部(55)を備え、前記強化ガラス保護部(55)は、前記スクリーン(52)と前記シェル(51)の前記前壁(51a)との間に挿入されることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記カバー(62)はエラストマー材料から作られることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項11】
前記エラストマー材料は、25と35との間に含まれるショアAの硬度を有する熱可塑性型のものであることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ(1)。
【国際調査報告】