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特表2024-544269衝突の検知および位置特定装置、装置の作動方法および装置を含む自動車
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  • 特表-衝突の検知および位置特定装置、装置の作動方法および装置を含む自動車 図1
  • 特表-衝突の検知および位置特定装置、装置の作動方法および装置を含む自動車 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】衝突の検知および位置特定装置、装置の作動方法および装置を含む自動車
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/0136 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B60R21/0136
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535467
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2022081931
(87)【国際公開番号】W WO2023110259
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021214553.1
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】バス,スビン
(57)【要約】
自動車(10)と外部物体との衝突の検知および位置特定装置であって、検出ユニット(104)を含む装置について記載されている。ここでは、前記検出ユニット(104)が、衝突の結果として前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化を検出するように構成されていることが企図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(10)と外部物体との衝突の検知および位置特定装置であって、
検出ユニット(104)を含み、
前記検出ユニット(104)が、衝突の結果として前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化を検出するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記検出ユニット(104)が、管状に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出ユニット(104)が、前記検出ユニット(104)に第1の信号(U)を生成し送信するための信号発生器と、検出ユニット(104)から第2の信号(U)を受信するための信号受信器とを有する測定ユニット(106)に電子的に連結されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記測定ユニット(106)が、前記第1の信号と前記第2の信号(U、U)との間の比率(SWV)を計算するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の検出ユニット(104)および測定ユニット(106)を備える装置を用いた、自動車(10)と外部物体との衝突の検知および位置特定方法であって、
衝突の結果として、前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化が、前記検出ユニット(104)によって検出されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
前記測定ユニット(106)から前記検出ユニット(104)に第1の信号(U)が送信され、前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化が前記検出ユニット(104)によって検出されると、前記検出ユニット(104)から前記測定ユニット(106)に第2の信号(U)が送信されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記自動車(10)の衝突の発生箇所は、少なくとも前記管状に構成されている検出ユニット(104)の長さと、前記第2の信号(U)が前記測定ユニット(106)によって受信されるまでの期間とを考慮して、前記測定ユニット(106)によって特定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
衝突の強さは、前記第1の信号と前記第2の信号(U、U)との間の比率(SWV)に基づいて、前記測定ユニット(106)によって特定されることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記装置の検出ユニット(104)が、前記自動車(10)の外部物体との衝突がその外部領域で予期される、前記自動車(10)の内部領域に配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置を含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立特許請求の前提部に係る、自動車と外部物体との衝突の検知および位置特定装置、装置の作動方法および装置を含む自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
中国特許出願公開第105128796号の文書からは、自動車の衝突を監視するためのフィードバックシステムが公知であり、フィードバックシステムは、少なくとも1つの力センサを含む。
【0003】
独国特許出願公開第102012008974号の文書からは、自動車の第3の対象物との衝突を検出するための少なくとも1つのセンサ手段を含む自動車が公知である。少なくとも1つのセンサ手段は、ここでは、表面領域にわたって延在し、少なくとも1つの通電ラインからなるグリッドの形態で構成されており、このグリッドには、衝突によって生じるラインの変形の結果としての電流の流れの変化に基づいて衝突を検知する、検出装置が対応付けられている。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、独立特許請求項の特徴的な特徴を備えた、自動車と外部物体との衝突の検知および位置特定装置が提供される。
本発明に係る装置は、衝突の結果として検出ユニットの少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化を検出するように構成されている検出ユニットを含む。
【0005】
本発明に係る装置によって、衝突が感知され、自動車上でのその発生箇所が決定される。この衝突関連情報に基づいて、例えば乗員を保護するために、安全上重要な衝突の場合には、例えばエアバッグが作動する。重要でない衝突の場合には、エアバッグの不要な作動が回避される。一方、自動車の運転手には、重要でない衝突が発生したことが通知されるため、運転手は例えば作業場を探すことができる。しかしながら、衝突が発生した箇所を作業場で長時間調査する必要はなくなる。
【0006】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
検出ユニットが管状に構成されていると有利である。
管状に構成されている検出ユニットは要件に応じて任意の長さに形成することができるため、自動車のより広い範囲が管状に構成されている検出ユニットによってカバーされる。このようにして、衝突を検知し、位置特定するために必要な検出ユニットの数を減らすことができる。
【0007】
さらに、検出ユニットが測定ユニットに電子的に連結されていると有利であり、この測定ユニットは、第1の信号を生成して検出ユニットに送信するための信号発生器と、第2の信号を検出ユニットから受信するための信号受信器とを有する。
【0008】
測定ユニットは、例えば、管状に構成されている検出ユニットの一端に電子的に接続され、管状に構成されている検出ユニットの他端は、例えば、測定ユニットに電気的に接続されているため、検出ユニットに測定ユニットの内部抵抗が負荷として荷重される。
【0009】
さらに、測定ユニットが、検出ユニットに沿って第1の信号と第2の信号との間の比率を計算するように構成されていると有利である。
第1の信号と第2の信号との間の比率を計算することにより、高価な視覚センサを使用せずに衝突が検知される。比率が1より大きい値を有する場合、衝突が存在する。この比率は、例えば管状に構成されている検出ユニットの線路特性インピーダンスと、その負荷抵抗との一致を表す定在波比である。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、検出ユニットと測定ユニットとを備えた本発明に係る装置を用いた、自動車と外部物体との衝突の検知および位置特定方法が提供される。
本発明に係る方法では、衝突の結果としての検出ユニットの少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化が検出ユニットによって検出される。
【0011】
測定ユニットから検出ユニットへ第1の信号が送信され、検出ユニットから測定ユニットへ第2の信号が送信され、検出ユニットの少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化が検出ユニットによって検知されると有利である。
【0012】
さらに、少なくとも管状に構成されている検出ユニットの長さと、測定ユニットによって第2の信号が受信されるまでの期間とを考慮して、測定ユニットによって自動車上の衝突発生箇所が特定されると有利である。
【0013】
さらに、衝突の強さが、第1の信号と第2の信号との間の比率に基づいて、測定ユニットによって特定されると有利である。
本発明の第3の態様によれば、自動車が提供される。
【0014】
本発明に係る自動車は、自動車と外部物体との衝突を検知し、位置特定するための上述の装置を含む。この装置の検出ユニットが、自動車の外部物体との衝突がその外部領域で予期される自動車の内部領域に配置されることが企図される。
【0015】
本発明の有利な実施形態を図面に示し、以下の図の説明においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る自動車の例示的な平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る自動車と外部物体との衝突の検知および位置特定方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る検出ユニット104および測定ユニット106を備えた自動車10の平面図である。
自動車10は、例えば、車体102を含み、その内部には、およびその内部領域に沿って、例えば検出ユニット104が取り付けられている。検出ユニット104は、例えば、第1および第2の端部114、124を有する同軸ケーブルとして構成されている。検出ユニット104の第1の端部114は、例えば、測定ユニット106の第1の接続部118に電子的に接続され、検出ユニット104の第2の端部124は、例えば、第2の接続部128に電気的に接続されている。ここで、測定ユニット106は、例えば信号送信器と信号受信器とを含む。
【0018】
測定ユニット106の信号送信器は、例えば、検出ユニット104に第1の信号を送信するために使用され、第1の信号は、第1の電圧パルスUの形態で存在し、検出ユニット104をその第1の端部114からその第2の端部124まで通過する。一方、測定ユニット106の信号受信器は、例えば、検出ユニット104の第2の信号を検出するために使用され、第2の信号は、第2の電圧パルスUの形態で存在し、検出ユニット104をその第2の端部124からその第1の端部114まで通過する。
【0019】
ここで、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号は、検出ユニット104の一部の電気抵抗の変化が衝突によって引き起こされた場合にのみ存在する。
第2の電圧パルスUの形態の第2の信号が存在する場合、第1の電圧パルスUの形態の第1の信号と、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号との間の定在波比SWVは、例えば、以下の式に従って計算される。
【0020】
【数1】
【0021】
この時、第1の電圧パルスと第2の電圧パルスU、Uのそれぞれの絶対値|U|、|U|が考慮される。定在波比SWVが1より大きい値を有する場合、自動車10と、例えば他の静止自動車などの外部物体との衝突が存在する。定在波比が大きいほど、例えば自動車10の衝突が強くなる。
【0022】
自動車10の衝突の位置特定は、例えば、測定ユニット106のデジタル信号プロセッサによって特定される。例えば、第1の電圧パルスUの形態の第1の信号の送信から始まり、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号の受信までの期間が考慮される。また、例えば、検出ユニット104の長さや、第1および第2の電圧パルスU、Uのそれぞれの波長も考慮される。このようにして、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号が、検出ユニット104内部のどこから測定ユニット106に送信されたかが特定される。検出ユニット104内での第2の電圧パルスUの形態の第2の信号の発生箇所は、衝突が生じた自動車10上の外部領域に相当する。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る、自動車、例えば図1に記載の自動車10と外部物体との衝突の検知および位置特定方法20の例示的なフローチャートである。同じ参照符号は、図1と同じ構成要素を示す。
【0024】
第1の方法ステップ21において、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号が存在するかどうかが特定される。第2の電圧パルスUの形態の第2の信号が測定ユニット106の信号受信器によって受信されない場合、第1の終了方法ステップ22において、自動車10の衝突が発生しなかったと判定される。
【0025】
第2の信号が第2の電圧パルスUの形態で存在する場合、第2の方法ステップ23において、定在波比SWVが式(1)に従って計算される。定在波比SWVが1より大きい値を有する場合、第3の方法ステップ25において衝突が検知され、少なくとも検出ユニット104の長さと、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号が測定ユニット106の信号受信器によって受信されるまでの期間とを考慮して、衝突の発生箇所が特定される。さらに、第3の方法ステップ25では、例えば、測定ユニット106の信号受信器によって、第2の電圧パルスUの形態の第2の信号の振幅が検出される。第2の電圧パルスUの振幅が大きいほど、自動車10の衝突が強い。衝突の強さに応じて、第2の終了方法ステップ27において、例えば自動車10の運転手に対して、自動車10に設置されたスクリーンに衝突に関する情報が表示される。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(10)と外部物体との衝突の検知および位置特定装置であって、
検出ユニット(104)を含み、
前記検出ユニット(104)が、衝突の結果として前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化を検出するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記検出ユニット(104)が、管状に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出ユニット(104)が、前記検出ユニット(104)に第1の信号(U)を生成し送信するための信号発生器と、検出ユニット(104)から第2の信号(U)を受信するための信号受信器とを有する測定ユニット(106)に電子的に連結されていることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記測定ユニット(106)が、前記第1の信号と前記第2の信号(U、U)との間の比率(SWV)を計算するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
請求項に記載の検出ユニット(104)および測定ユニット(106)を備える装置を用いた、自動車(10)と外部物体との衝突の検知および位置特定方法であって、
衝突の結果として、前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化が、前記検出ユニット(104)によって検出されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
前記測定ユニット(106)から前記検出ユニット(104)に第1の信号(U)が送信され、前記検出ユニット(104)の少なくとも1つの領域の電気抵抗の変化が前記検出ユニット(104)によって検出されると、前記検出ユニット(104)から前記測定ユニット(106)に第2の信号(U)が送信されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記自動車(10)の衝突の発生箇所は、少なくとも前記管状に構成されている検出ユニット(104)の長さと、前記第2の信号(U)が前記測定ユニット(106)によって受信されるまでの期間とを考慮して、前記測定ユニット(106)によって特定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
衝突の強さは、前記第1の信号と前記第2の信号(U、U)との間の比率(SWV)に基づいて、前記測定ユニット(106)によって特定されることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記装置の検出ユニット(104)が、前記自動車(10)の外部物体との衝突がその外部領域で予期される、前記自動車(10)の内部領域に配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置を含む、自動車。
【国際調査報告】