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特表2024-544276円錐形ネジで固定するベッセルホルダー
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  • 特表-円錐形ネジで固定するベッセルホルダー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】円錐形ネジで固定するベッセルホルダー
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/26 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G02B21/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535556
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 KR2022002817
(87)【国際公開番号】W WO2023158007
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0020050
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518232386
【氏名又は名称】クリオシス インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】4F, IS BLDG., 10, TEHERAN-RO 38-GIL, GANGNAM-GU, SEOUL 06221, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン,ソンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ボンウ
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AD15
2H052AE13
(57)【要約】
本発明は、生物顕微鏡等に用いられる円錐形ネジで固定するベッセルホルダーに関するものであって、より詳しくは、だった1本のネジだけでベッセルホルダーがステージ上面に密着するようにすると同時に衝撃振動に対して位置変化することなく、基準側面に正確に固定されるようにし、使用上の利便性と、細胞観察の能率および正確度を向上させるように改善された円錐形ネジで固定するベッセルホルダーに関するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダー着座溝を有するステージと、前記ホルダー着座溝に着座するベッセルホルダーを含むステージ組立体において;
前記ホルダー着座溝の一側面は、基準側面となり、前記基準側面には楔挿入溝が形成され、前記基準側面の反対側のホルダー着座溝上にはネジホールが形成され;
前記ベッセルホルダーの一端には前記楔挿入溝に挿入される突出形楔が形成され、前記突出形楔の反対側のベッセルホルダー上にはネジ穴が形成され;
前記ネジ穴と前記ネジホールには固定ネジが締結されたことを特徴とする、円錐形ネジで固定するベッセルホルダー。
【請求項2】
前記ネジ穴は、コーン状であり、前記固定ネジのネジ頭の下部は円錐状に形成され、突出形楔240が楔挿入溝130に完全に挿入されても、離隔距離Dは「0」にならないため、完全に型合わせされ組み立てられず、型合わせしていく中間地点で組立が完了することを特徴とする、請求項1に記載の円錐形ネジで固定するベッセルホルダー。
【請求項3】
前記楔挿入溝は「∠」形状であり、前記突出形楔は、前記楔挿入溝と対応する形状であることを特徴とする、請求項1に記載の円錐形ネジで固定するベッセルホルダー。
【請求項4】
前記突出形楔の両端は、斜め方向に面取りされ、傾斜面が形成され、突出形楔の先端幅が楔挿入溝の幅よりも小さく形成されたことを特徴とする、請求項3に記載の円錐形ネジで固定するベッセルホルダー。
【請求項5】
前記ベッセルホルダーのネジ穴と間隔をおいて押さえ台をさらに備え、前記押さえ台は、前記ベッセルホルダーの上面に軸固定され、一定角度の範囲内で旋回されるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の円錐形ネジで固定するベッセルホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物顕微鏡等に用いられる円錐形ネジで固定するベッセルホルダーに関するものであって、より詳しくは、だった1本のネジだけでベッセルホルダーがステージ上面に密着するようにすると同時に衝撃振動に対して位置変化することなく、基準側面に正確に固定されるようにし、使用上の利便性と、細胞観察の能率および正確度を向上させるように改善された円錐形ネジで固定するベッセルホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、生物顕微鏡は、生物等の透明試料を観察する用途の顕微鏡であって、光をベッセルホルダー(vessel holder)の下または上から透過させると、試料の各部分の吸収の差によって像に明暗が形成されるようにした顕微鏡である。
【0003】
このとき、ベッセルホルダーは、細胞を観察するための多様な形態のプラスチックウェア(Plastic ware)を観測用ステージに固定させるためのアダプタである。
【0004】
このような、ベッセルホルダーは、図1の例に示すように、ステージ上面に密着させるために、四隅または対角線隅にネジを締結する方式で固定されることが一般的である。
【0005】
ところで、このような構造は、ステージ上面とベッセルホルダーの底面が完全に密着するという長所があるものの、各隅毎にネジを4回締結する必要があるため、煩わしく、特に突出したネジ頭がベッセルホルダーの上部空間に突き出た構造である場合、ネジ頭との干渉によって活用スペースが狭くなる短所もある。
【0006】
それだけでなく、基準側面を利用しなければならない装備に適用する場合、ユーザが基準側面にベッセルホルダーを直接押して装着しなければならない不便さもある。
【0007】
これを改善するために、図2の例に示すように、ネジを締結することなく、ベッセルホルダーの外郭サイズに合ったホールに載置する方式が開示されている。
【0008】
しかし、この構造は、外部の振動及び衝撃に弱いため、ベッセルホルダーが最初に設けられた位置を外れる場合が発生し、これによって観察する位置を再び探さなければならない短所がある。
【0009】
なお、観察の倍率が非常に高いため、観察の位置を再び探すことが非常に難しく、大変であるという短所を含む。
【0010】
また、ステージの上面とベッセルホルダーの底面が完全に密着されないため、浮いてしまう問題も発生する。
【0011】
他の例として、図示していないが、クリップで固定したり側面からバネで固定する例もある。
【0012】
しかし、クリップで固定する場合には、固定器具であるクリップがベッセルホルダーの上方に突出するため、前で説明したネジ頭が突出する場合と同様の問題が発生し、バネで固定する場合には、ベッセルホルダーの上方に突出する問題は解決されるが、ステージの上面とベッセルホルダーの底面が完全に密着されずに、浮いてしまう問題を依然として解決することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1234604号(2013.02.13.)生体試料の電子顕微分析を観察するためのクライオステージ
【特許文献2】大韓民国特許公開第10-2014-0130279号(2014.11.10.)細胞及び溶液条件のスクリーニングシステム
【特許文献3】大韓民国特許公開第10-2018-0036537号(2018.04.09.)、顕微鏡機能付き無線実物画像装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述したような従来技術における諸般の問題点を勘案して、これを解決すべく創出されたものであって、だった1本のネジだけでベッセルホルダーがステージ上面に密着されるようにすると同時に衝撃振動に対して位置変化することなく、基準側面に正確に固定されるようにし、使用上の利便性と、細胞観察の能率および正確度を向上させるように改善された円錐形ネジで固定するベッセルホルダーを提供することにその主たる目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記した目的を達成するための手段であって、ホルダー着座溝を有するステージと、前記ホルダー着座溝に着座するベッセルホルダーを含むステージ組立体において;前記ホルダー着座溝の一側面は、基準側面となり、前記基準側面には楔挿入溝が形成され、前記基準側面の反対側のホルダー着座溝上にはネジホールが形成され;前記ベッセルホルダーの一端には前記楔挿入溝に挿入される突出形楔が形成され、前記突出形楔の反対側のベッセルホルダー上にはネジ穴が形成され;前記ネジ穴と前記ネジホールには固定ネジが締結されたことを特徴とする、円錐形ネジで固定するベッセルホルダーを提供する。このとき、前記ネジ穴は、コーン状であり、前記固定ネジのネジ頭の下部は円錐状に形成され、突出形楔240が楔挿入溝130に完全に挿入されても、離隔距離Dは「0」にならないため、完全に型合わせされ組み立てられず、型合わせしていく中間地点で組立が完了することにもその特徴がある。
【0016】
また、前記楔挿入溝は「∠」形状であり、前記突出形楔は、前記楔挿入溝と対応する形状であることにもその特徴がある。
【0017】
また、前記突出形楔の両端は斜め方向に面取りされ、傾斜面が形成され、突出形楔の先端幅が楔挿入溝の幅よりも小さく形成されたことにもその特徴がある。
【0018】
また、前記ベッセルホルダーのネジ穴と間隔をおいて押さえ台をさらに備え、前記押さえ台は、前記ベッセルホルダーの上面に軸固定され、一定角度の範囲内で旋回されるように構成されたことにもその特徴がある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0020】
第一に、だった1本のネジだけでベッセルホルダーがステージ上面に密着するようにすると同時に衝撃振動に対して位置変化することなく、基準側面に正確に固定することができる。
【0021】
第二に、従来4本あったネジを1本に減らすことで、費用節減はもちろんのこと、突出
していた3本のネジ箇所のスペースを確保することができるため、相対的に多様なプラスチックウェアを適用することができる。
【0022】
第三に、ネジ締結が頻繁なため、その使用において煩わしい製品を固定する分野に幅広く適用することが可能である。
【0023】
第四に、ベッセルホルダーに適用される場合、細胞イメージング装備以外に観測、テスト用ステージに適用される多様なアプリケーションホルダーにもそのまま適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来のベッセルホルダーの構造を示す例示的なサンプル写真である。
図2】従来のベッセルホルダーの構造を示す例示的なサンプル写真である。
図3】本発明による組立体の例示的な斜視図である。
図4図3の例示的な分解図である。
図5図3の例示的な平面図およびA-A線断面図である。
図6図5の要部を拡大して示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付された図面を参照して本発明による好ましい実施例をより詳細に説明する。
【0026】
本発明の説明に先立って、以下の特定の構造ないし機能的説明は、単に本発明の概念による実施例を説明するための目的で例示されたものであって、本発明の概念による実施例は多様な形態で実施することができ、本明細書にて説明する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。
【0027】
また、本発明の概念による実施例は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施例は図面に例示し、本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明の概念による実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変形物、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0028】
本発明による円錐形ネジで固定するベッセルホルダーは、固定ネジを一本のみ用いてベッセルホルダー(vessel holder)をステージ上面に堅固に固定してあげ、ステージの基準側面に自動に密着されるようにした形態を有する。
【0029】
このとき、使用する1本の固定ネジは、ネジ頭の下側が円錐状からなっており、この形状は、2つの機能を有する。
【0030】
第1の機能は、ベッセルホルダーの固定ネジの周辺部位をステージ上面に密着するネジ固有の役割である。
【0031】
第2の機能は、ネジ頭部の下側の円錐状がベッセルホルダーを基準側面に押し付けて密着させる機能である。
【0032】
そのため、ベッセルホルダーのネジ穴は、ステージに固定ネジが組み込まれるステージのネジホールと中心が一致せず、ベッセルホルダーを基準側面に押し付けたい方向にネジホールの位置よりも遠くに形成される。
【0033】
これにより、固定ネジをベッセルホルダーのネジ穴に通過させて、ステージのネジホールに締結する際、ベッセルホルダーのネジ穴とステージのネジホールの中心が一致しないため、基準側面の方向にネジ頭の下側の円錐状とベッセルホルダーのネジ穴の円錐状が互いに線接触をするようになる。
【0034】
このとき、固定ネジの締結力が大きくなるほど、固定ネジとネジ穴とが当接している傾斜面がベッセルホルダーを基準側面により強く押し付けてあげる。
【0035】
そして、ベッセルホルダーを固定するために、ベッセルホルダーと基準側面が当接するベッセルホルダーの一側面には、突出形楔が形成され、前記基準側面の下部には前記突出形楔が挿入され得るように「∠」状の楔挿入溝が形成される。
【0036】
したがって、「∠」状の楔挿入溝の前記突出形楔が挿入されるように配置された状態で、ステージの基準側面の方向に圧力を加えると、ベッセルホルダーが移動しながら前記突出形楔が「∠」状の楔挿入溝に挿入されながら、係止固定され、ベッセルホルダーをステージの上面に緊密に密着固定させる。
【0037】
このようにネジ頭の下側が円錐状からなるネジ一本を用いて、ネジの周辺は、直接に密着させ、ネジと距離が離隔した部分においては、基準側面、そして「∠」状の「楔挿入溝-突出形楔」の組み合わせにより、ベッセルホルダーをステージ上面に完全に密着固定させることができるようになる。
【0038】
このような過程により、ベッセルホルダーがステージ上面に密着し、衝撃振動に位置が変わらないように基準側面に密着する必須機能をネジ一本で具現しただけでなく、4本のネジを1本に減らし、組立にかかる手間を省くことができ、更なる側面固定器具が必要とされなくなるため、コスト削減のみならず、形状の簡素化と単純化により審美的な利得、3本のネジ突出空間を確保することができるため、相対的に様々なプラスチックウェアを適用することができる利点まで得ることが可能となる。
【0039】
さらに、本発明は、傾斜面を2回用いて、2つの基準面(ステージ上面、基準側面)に密着させることもでき、3つの基準面に密着されるようにし、完全な正位置に固定が可能なように構成することもできる。
【0040】
特に、傾斜面の角度を変えることで密着する程度を調節することもでき、密着する2本の部品の傾斜角度が正確に一致しなくても、傾斜面に沿って摺接と滑走が起きるため、固定力を維持することができ、これによって深く狭い隙間に部品を押し込み、外部に露出する部分のみにネジを締め付けることができる構造、あるいは頻繁なネジ締結のため、ユーザーの手間を減らす必要がある分野に幅広く適用することが可能であり、特に、ホルダーに適用される場合、セルイメージング(cell imaging)装備以外に観測、テスト用ステージに適用される多様なアプリケーションホルダーにも適用することが可能である。
【0041】
より具体的には、本発明による円錐形ネジで固定するベッセルホルダーは、図3図5に例示するように、ステージ100と、前記ステージ100に結合されるベッセルホルダー200を含む。
【0042】
このとき、前記ステージ100には、前記ベッセルホルダー200が着座するようにホルダー着座溝110が形成される。
【0043】
特に、前記ホルダー着座溝110の一側は、基準側面120となる。
【0044】
ここで、基準側面120は、ベッセルホルダー200が固定される基準点となる地点である。
【0045】
併せて、前記基準側面120には、内側に凹入された「∠」状の楔挿入溝130が形成される。
【0046】
すなわち、前記楔挿入溝130は、基準側面120の面上から内側に凹入されるように形成されるが、図6の(a)に拡大図示されたところを参照すると理解しやすい。
【0047】
そして、前記ベッセルホルダー200は、細胞を観察するための多様な形態のプラスチックウェア(Plastic ware)をステージ100上面に密着させてあげる手段である。
【0048】
これのため、前記ベッセルホルダー200には、ウェア着座部210が設けられる。
【0049】
この場合、前記ウェア着座部210は、プラスチックウェアの形状によって多様な形態を有することができる。
【0050】
また、前記ベッセルホルダー200の一側上面には、前記ウェア着座部210に着座したプラスチックウェアが動かないように固定する押さえ台220が具備される。
【0051】
前記押さえ台220は、前記ベッセルホルダー200の上面に軸固定され、一定角度の範囲内で旋回され得るように構成され、プラスチックウェアがウェア着座部210に着座した際に横に回して、その側面を押さえ付けるように回転移動される。
【0052】
それだけでなく、前記押さえ台220と間隔をおいてネジ穴230が形成され、前記ネジ穴230が形成された側の端部と反対側の端部の端面には、前記楔挿入溝130に挿入される突出形楔240が形成される。
【0053】
併せて、前記ネジ穴230は、図4及び図6の(b)に示すようにコーン状に形成される。
【0054】
そして、前記ベッセルホルダー200の突出形楔240の傾斜面と、前記楔挿入溝130の傾斜面を互いに一致させた状態で、前記ネジ穴230の直下方位置のホルダー着座溝110地点と離隔距離(D)だけ間隔をおいた地点にネジホール140が形成される。すなわち、前記ネジ穴230とネジホール140は、図6の(b)に示すように、各中心垂直線が互いにずれている。
【0055】
また、前記ネジ穴230には、固定ネジ250が締結されるが、前記固定ネジ250のネジ頭の下部面は円錐状に形成される。
【0056】
すなわち、コーン状のネジ穴230にネジ頭の下部面が円錐状に形成された固定ネジ250が互いに締結されるとき、中心垂直線が互いにずれているため、コーン状と円錐状は線接触して締結される。
【0057】
これは、傾斜面同士が線接触しながらネジの中心に向かって側方荷重が発生するので、ベッセルホルダーが線接触方向に押し出される効果を持たせる。
【0058】
併せて、ネジホール140の直径は、固定ネジ250の下端とネジ穴230の直径より
も大きいので、ずれた段差に関係なく、ネジを固定することが可能であり(固定ネジ250の孔を介してネジ穴230の完全な様子を確認することができるため、テーパ面142の下端のネジとネジホール140に干渉されることなく組み立てることが可能である)、テーパ面142を介してネジがより着座しやすくなるため、組立の利便性を図る。
【0059】
このようにして、固定ネジ250がネジホール140に食い込むと、ずれていた離隔距離(D)により突出形楔240が楔挿入溝130の内に緊密に挿入固定される。
【0060】
加えて、前記ベッセルホルダー200の滑走性を良くするために、前記ホルダー着座溝110の表面には摺動コーティング層がさらに形成されることができる。
【0061】
前記摺動コーティング層は、耐久性と透明性に優れたポリカーボネート樹脂100重量部に対して、水素化ホウ素ナトリウム15重量部、ルーチン5重量部、窒化ホウ素2.5重量部、ダンマルガム5重量部が添加混合されたコーティング液を塗布して形成される。
【0062】
このとき、水素化ホウ素ナトリウムは、摩擦を減少させ、ベッセルホルダー200のスリップ性を増大させ、ルーチン(Rutin)は、コーティング層の界面分離を抑制し、窒化ホウ素は、コーティング層の放熱性を維持し、耐熱性を強化させるために添加される。
【0063】
また、ダンマルガム(gum dammar)は、松から得られる樹脂であって、線膨張を抑制し、潤滑性を付与してコーティング面での滑走性を向上させる。
【0064】
このような構成からなる本発明は、次のような作動関係を有する。
【0065】
まず、ベッセルホルダー200の突出形楔240のある端部をステージ100の基準側面120側に配置させる。
【0066】
その後、突出形楔240を楔挿入溝130と一致するようにした後、突出形楔240を一種のヒンジ基準点にして、反対方向に回転させてホルダー着座溝110に置く。
【0067】
そうすると、図5に示すように、突出形楔240が楔挿入溝130に挿入されながらベッセルホルダー200がステージ100のホルダー着座溝110に正確に結合されるようになる。
【0068】
この状態で、固定ネジ250をネジ穴230に入れて締め付けると、固定ネジ250の下端のネジ部がホルダー着座溝110に設けられたネジホール140にネジ締結される。
【0069】
結局のところ、段差の離隔距離(D)により、ベッセルホルダー200は、基準側面120とステージ上面に最大限に堅実に密着固定される。
【0070】
すなわち、「∠」状の楔挿入溝130内にそれと対応する形状の突出形楔240が嵌合され型合わせられるとき、楔結合をするためにより高い固定安定性を確保することができるようになる。
【0071】
さらに、前記突出形楔240の両端は、斜め方向に面取りされ、傾斜面242が形成されており、楔挿入溝130に挿入されるとき、突出形楔240の先端幅が楔挿入溝130の幅よりも小さいため、より円滑に挿入案内されるように構成することもできる。
【0072】
特に、円錐状を有する固定ネジ250の固定力は、コーン状を有するネジ穴230に相
互型合わせされながら外部の衝撃や振動に対しても前記ベッセルホルダー200が流動されずに安定的に常に固定位置を維持できるようにする。
【0073】
言い換えれば、ネジ穴230のホールの大きさは、ネジホール140のホールの大きさよりも大きいため、離隔距離D(中心垂直線がずれた大きさ)があってもネジがネジ穴230を通過して干渉されることなく組み立てが可能である。
【0074】
すなわち、固定ネジ250の円錐状がネジ穴230のコーン状に完全に型合わせされることなく、突出形楔240方向に線接触しながらベッセルホルダー200を基準側面120方向に押し付ける役割をする。
【0075】
結局、突出形楔240が楔挿入溝130に完全に挿入されても、離隔距離Dは「0」にならないため(線接触の箇所が持続的にベッセルホルダー200を基準側面に押していなければならないため)、完全に型合わせされて組み立てられず、型合わせされていく中間地点で組み立てが完了するようになる。
【0076】
これにより、1本のネジだけでも堅固で安定した密着構造を維持することができるため、使用上の便利性が増大し、組立作業による効率性が高くなり、固定安定性により細胞観察時、正確度を高めることができる。
【符号の説明】
【0077】
100:ステージ
110:ホルダー着座溝
120:基準側面
130:楔挿入溝
140:ネジホール
200:ベッセルホルダー
210:ウェア着座部
220:押さえ台
230:ネジ穴
240:突出形楔
250:固定ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】