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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】オストミーパウチ閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535561
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 US2022053767
(87)【国際公開番号】W WO2023129463
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/294,411
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591000414
【氏名又は名称】ホリスター・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボッテン、ロナルド、エス.
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC24
(57)【要約】
排水可能なストーマ器具の閉鎖部材であって、ストーマ器具は、それぞれの周縁部の一部に沿って互いにシールされて収集キャビティを画定する、身体側の側壁および非身体側の側壁と、排出口で終端するネック部を備える。閉鎖部材は身体側の側壁に第1の部分を備え、身体側の側壁は第1及び第2の閉鎖部材を備え、第1及び第2の閉鎖部材は互いの間にギャップを有し、非身体側の側壁に第2の部分を備え、非身体側の側壁は第3及び第4の閉鎖部材を備える。開状態では、前記ネック部は展開され、閉鎖状態では、前記第1の閉鎖部材は、緩い折り目で前記第3の閉鎖部材上に折り畳まれ、前記第1、第2、および第3の閉鎖部材は、前記第4の閉鎖部材上に折り畳まれ、第1の閉鎖部材は前記第4の閉鎖部材の近位にあり、きつい折り目で前記第3の閉鎖部材と第4の閉鎖部材との間にシールを形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水可能なストーマ器具であって
それぞれの周縁部の一部に沿って互いにシールされて収集キャビティを画定する可撓性シート材料の側壁であって、前記側壁は身体側の側壁および非身体側の側壁であり、前記側壁は下向きに延在し、排出口で終端するネック部を画定し、前記側壁が排出口では互いにシールされず、前記ネック部を上方に折り畳むことによって前記排出口が閉じられ、ネック部を下方に展開することによって排出口が開かれてキャビティから内容物を排出する、側壁と、
前記身体側の側壁の入口と、
閉鎖システムと、を備え、前記閉鎖システムは、
前記身体側の側壁の閉鎖システムの第1部分と、非身体側の側壁の閉鎖システムの第2部分と、締結システムと、を備え、
前記閉鎖システムの第1部分は、第1の閉鎖部材と第2の閉鎖部材とを含み、前記第1の閉鎖部材は排出口の近位にあり、第2の閉鎖部材は排出口の遠位にあり、前記第1の閉鎖部材及び前記第2の閉鎖部材は、その間にギャップを画定し、
前記非身体側の側壁の閉鎖システムの第2部分は第3の閉鎖部材及び第4の閉鎖部材を含み、
開放状態では、前記ネック部は展開され、閉鎖状態では、前記第1の閉鎖部材は、緩い折り目で前記第3の閉鎖部材上に折り畳まれ、前記第1、第2、および第3の閉鎖部材は、前記第4の閉鎖部材上に折り畳まれ、第1の閉鎖部材は前記第4の閉鎖部材の近位にあり、きつい折り目で前記第3の閉鎖部材と第4の閉鎖部材との間にシールを形成し、前記ネック部は、前記締結システムを使用して閉鎖状態で固定される、ストーマ器具。
【請求項2】
前記第1、第2、第3、および第4の閉鎖部材は、剛性で可撓性のバネ状の材料から形成される、請求項1に記載のストーマ器具。
【請求項3】
前記材料はポリマー材料である、請求項2に記載のストーマ器具。
【請求項4】
前記ポリマー材料がポリエチレン(PE)またはエチレンビニルアセテート(EVA)である、請求項3に記載のストーマ器具。
【請求項5】
前記第1、第2、第3、および第4の閉鎖部材は、その内部に形成された優先的折り目ラインを有する、請求項1に記載のストーマ器具。
【請求項6】
優先的折り目ラインが前記第1、第2、第3、及び第4の閉鎖部材の一部に形成された所定の溝である、クレーム1に記載のストーマ器具。
【請求項7】
優先的折り目ラインが前記第1、第2、第3および第4の閉鎖部材の一部に形成されるスリットである、クレーム1に記載のストーマ器具。
【請求項8】
前記開放状態にあるとき、前記第1及び第2の閉鎖部材における優先的折り目線が整列し、前記第2及び第3の閉鎖部材における優先折り目線が整列し、第3及び第4の閉鎖部材における優先折り目線が整列する、請求項5に記載のストーマ器具。
【請求項9】
前記第1および第3の閉鎖部材が、排出口の対向する側で部分的に互いに重なり合う、請求項1に記載のストーマ器具。
【請求項10】
前記第1および第2の閉鎖部材が前記身体側の側壁に取り付けられ、前記第1及び第2の閉鎖部材それぞれの一部が前記身体側の側壁に接着され、前記第1及び第2の閉鎖部材それぞれの別の部分が前記身体側の側壁に接着されない、請求項1に記載のストーマ器具。
【請求項11】
前記第3および第4の閉鎖部材が前記非身体側の側壁に取り付けられ、前記第3及び第4の閉鎖部材のそれぞれの一部が前記非身体側の側壁に接着され、前記第3及び第4の閉鎖部材のそれぞれの別の部分が前記非身体側の側壁に接着されない、請求項1に記載のストーマ器具。
【請求項12】
前記第3および第4の閉鎖部材が非身体側の側壁に取り付けられ、前記第3及び第4の閉鎖部材のそれぞれの一部が前記非身体側の側壁に接着され、前記第3及び第4の閉鎖部材のそれぞれの別の部分が前記非身体側の側壁に接着されない、請求項10に記載のストーマ器具。
【請求項13】
前記第1及び第2の閉鎖部材の前記身体側の側壁に接着されていない部分は、互いに近位にある、請求項10に記載のストーマ器具。
【請求項14】
前記第3及び第4の閉鎖部材の前記非身体側の側壁に接着されていない各々の部分は、互いに近位にある、請求項11に記載のストーマ器具。
【請求項15】
さらに、使用者の身体への固定のための2部品連結装置を含む、請求項1に記載のストーマ器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、概して、ストーマパウチ閉鎖具に関するシステム、より詳細には排水可能なストーマパウチ閉鎖システムに関する。
【背景技術】
【0002】
体内排泄物を採取するためのオストミーパウチは、コロストミー、イレオストミー、またはウロストミーなどの手術を受けた患者が使用する。パウチは、典型的には、その周辺縁部に沿って互いに固定されて収集キャビティを画定する平坦で対向する側壁を含む。ストーマを受け入れる開口部が側壁の1つに形成されており、ストーマを通って排出された体の排泄物がキャビティ内に受け入れられるように、パウチを使用者に固定するために接着バリアのような固定手段またはシステムを備えている。
【0003】
一部のストーマパウチは単回使用に設計された閉鎖端パウチであってもよく、その場合、周辺エッジの全体が互いにシールされ、パウチは、実質的に排出物で満たされた後に廃棄される。他のストーマ式パウチは下端部に、排泄物の収集中に閉じることができる排出開口部を含み、使用期間後にパウチから体の排泄物を排出するために開いてもよい排出パウチである。このような排出可能なパウチは、例えば、米国特許No.3,523,534、Nolanおよび米国特許No.4,411,659、Jensen et al.に開示されている。これらの開示を参照することによりその全体が本明細書に組み込まれている
【0004】
排出可能パウチの排出口は、典型的には端部に形成される。ネック部の端部は、排泄物がパウチから排出されるまで排出口を密閉状態に維持するための閉鎖手段(または閉鎖システム)を有する。一部の閉鎖システムは、前述のNolan特許のようなクランプ、または上向きに巻かれた状態でネック部を固定するための従来のワイヤタイまたはラップのような装置を含む。
【0005】
排出可能なパウチは、人、衣服や周囲が汚れるリスクがなく、排出が容易である必要がある。パウチはまた、排出された後にしっかりと閉じることが容易であり、排出された後、再度閉じることができるために洗浄できる必要もある。これによって不快な臭いのリスクが実質的に低減される。最も重要なことは、閉鎖システムは、閉鎖されたときに漏洩の危険性を最小限にするために安全なシールを提供すべきである。
【0006】
閉鎖、洗浄、排出を容易にする多数の異なる閉鎖システムソリューションが知られている。例えば、多数の一体のバネ状の付勢部材を有するネックの上方への折り畳み部分を含むシステムには、米国特許番号8,672,907、Villefrance et al. 米国特許番号No.7,879,015 Friske et al.がある。これらは本出願とともに出願人に譲渡され、これらの開示を参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0007】
一体の閉鎖システムを有するその他の排出可能パウチには、米国特許番号No.9,011,395 Friske etal.が含まれる。特許は4つの閉鎖部材と、2部品式固定システムとを含む。1つの閉鎖部材がボディ側パウチ出口に設けられ、3つの閉鎖部材が遠位側パウチ出口に設けられる。特許は本出願人に譲渡され、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらのシステムはすべて良好に機能するが、閉鎖システムが適切に機能するために満たされなければならない補剛リブの位置決めについて重要な許容誤差が存在する。
【0009】
従って、ストーマ器具、例えば補剛リブを使用して適切な閉鎖を行う閉鎖システムを備えたストーマパウチを提供することが望ましい。望ましくは、このようなシステムは、パウチフィルム上の互いに対する補剛リブの位置決めにあまり依存せずに、安全な閉鎖を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によれば、排水可能なストーマ器具は可撓性シート材料の側壁を含み、側壁それぞれの周辺の一部に沿って互いにシールされて収集キャビティを画定する。側壁は、身体側の側壁および非身体側の側壁である。身体側の側壁にはインレットが形成される。
【0011】
側壁は、下方に伸びるネック部を画定し、排出口で終端する。排出口では側壁は互いにシールされない。排出口は、ネック部を上方に折り畳むことによって閉鎖され、キャビティから内容物を排出するためにネック部を下方に拡げることによって開放される。
【0012】
閉鎖システムは、第1部分および第2部分を含む。第1部分は身体側の側壁にあり、第2部分は非身体側の側壁にある。第1部分は、第1の閉鎖部材と第2の閉鎖部材とを含む。第1の閉鎖部材は、排出口の近位にあり、第2の閉鎖部材は、排出口の遠位にある。第1および第2の閉鎖部材は、その間に間隙を画定する。閉鎖システムの第2部分は、非身体側の側壁にあり、第3の閉鎖部材と第4の閉鎖部材とを含む。
【0013】
開いた状態では、ネック部は展開される。閉じた状態で、第1の閉鎖部材は緩い折り目で第3の閉鎖部材上に折り畳まれ、第1、第2及び第3の閉鎖部材は第4の閉鎖部材上に折り畳まれ、第1の閉鎖部材は密な折り目で第4の閉鎖部材の近位にあり、第3の閉鎖部材と第4の閉鎖部材との間にシールを形成する。ネック部は、締結システムを用いて閉状態で固定されてもよい。
【0014】
実施形態において、第1、第2、第3および第4の閉鎖部材は堅くて柔軟なバネのような材料から形成される。材料は、ポリマー材料であってもよい。適切なポリマー材料は、ポリエチレン(PE)およびエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。
【0015】
実施形態において、第1、第2、第3、および第4の閉鎖部材はその中に形成される優先折り目ラインを備える。一実施形態においては、優先折り目ラインは、第1、第2、第3および第4の閉鎖部材の一部に形成されたスリットまたは予め規定された溝である。開放状態では、第1および第2の閉鎖部材における優先折り目ラインは整列し、第2および第3の閉鎖部材の優先折り目ラインは整列し、第3および第4の閉鎖部材における優先折り目ラインは整列する。実施形態において、優先折り目ラインは、閉鎖部材の所定の溝である。
【0016】
実施形態では、第1および第3の閉鎖部材は、排出口の反対側で互いに部分的に重なる。
【0017】
実施形態において、第1および第2の閉鎖部材は、前記身体側の側壁へ取り付けられて、第1及び第2の閉鎖部材の各々の一部が身体側の側壁に接着され、第1及び第2の閉鎖部材の各々の別の部分が身体側の側壁に接着されない。第3および第4の閉鎖部材は、第3および第4の閉鎖部材のそれぞれの一部が非身体側の側壁に接着され、第3および第4の閉鎖部材のそれぞれの別の部分が非身体側の側壁に接着されないように、非身体側の側壁に取り付けることができる。
【0018】
第1および第2の閉鎖部材のそれぞれの身体側の側壁に接着されていない部分は、互いに近位にあり、非身体側の側壁に接着されていない第3および第4の閉鎖部材のそれぞれの部分は、互いに近位にある。
【0019】
開示の他の目的、特徴、および利点は以下の説明と添付の図面と併せて明らかであろう。同様の番号は、同様の部品、要素、構成要素、ステップ、およびプロセスを指す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態のストーマパウチの身体側の側面図である。
図2】パウチ下部の身体側の側面図であり、図示している一実施形態による閉鎖システムの部分である。
図3】パウチ下部の非身体側の側面図であり、図示している一実施形態による閉鎖システムの部分である。
図4A】パウチの閉鎖システムの折畳みを示す断面図であり、開いた状態又は広げられた状態のパウチを示す。
図4B】閉鎖システムの第1の折り目を図示する。
図4C】閉鎖状態への閉鎖システムの第2の折り目を図示する。
図5】一実施形態の閉鎖システムを示すパウチの断面図であり、パウチフィルムへの補強部材のアンカーポイントを示す。
図6図4Cの閉鎖状態にあるパウチの断面図であり、一実施形態による2部締結システムを介して固定される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は種々の実施形態の影響を受けやすいが、図面に示されており、1つ以上の実施形態を説明するが、以下では、本開示が単に例示的なものとみなされるべきであり、記載または図示された特定の実施形態に限定することを意図していない。
【0022】
図1は、一実施形態による、排水可能なストーマ器具又はパウチ10を示し、身体対向側面12およびストーマパウチ閉鎖システム14を示す。排水可能パウチは、外壁(または非身体側の側壁)16と身体側の側壁12とを含み、これらは、それらの周縁18に沿って接合されて、ストーマ排出を収集するための収集キャビティ20を画定する。パウチ10は、ストーマ及び部材24を受け入れる開口部22を備え、部材24はパウチを使用者に固定し、この部材24が開口部22を囲んでいる。部材24は、例えば、嵌合結合リング(図示せず)を含むワンピースバリアまたはツーピースバリアとすることができる。ワンピースおよびツーピースのバリアは、当業者には理解されるであろう。
【0023】
排水可能パウチ10はまた、下方に延在するネック部26を有し、使用期間後にキャビティ20内に集められた内容物を排出するための排出開口部または排出口28で終端する。排出口28は、使用中にネック部26を上方に折り曲げ、上方に折り曲げられた位置に固定することによって閉鎖される。
【0024】
側壁12、16は、適切な可撓性シート材料、例えばポリマーフィルムとして、単層または多層フィルムとすることができる。側壁12、16の各々は、ネック部26を含むパウチ10全体を規定するために、1つの連続した可撓性フィルムから形成することができる。あるいは、ネック部26の壁12、16は、パウチ10本体の壁12、16とは別の可撓性フィルムで形成することもできる。すなわち、ネック部26の壁は、パウチ本体の壁とは異なるポリマーフィルムで形成することができる。
【0025】
図2を参照すると、パウチ10の下部の身体側の側面図が示されている。壁12、16の周縁部18は、それぞれの側部に沿ってシールされるが、符号32で示すように底部でシールされず、このシールされていない領域が排出口28を画定し、これを介してストーマ排出物をパウチ10から空にするよう排出できる。
【0026】
閉鎖システム14は、身体側の側壁12の第1部分34(図3に示すように)、非身体側の側壁16の第2部分36を備える。身体側の第1及び第2の閉鎖部材38、40は、身体側の側壁12上に位置決めされ、第1の閉鎖部材38が排出口28の近位に、第2閉鎖部材40が排出口28から遠位に位置する。身体側の第1および第2の閉鎖部材38、40は、互いに間隔をあけて、それらの間にギャップ42を画定する。第1及び第2の身体側の閉鎖部材38、40は、以下のような構造(薄膜よりも薄いフィルム)を備え、ユーザが、排出口28を開くためにパウチネック部26を保持し、制御することができるように構成できる。幾つかの実施形態では、第1の部分34は、1つの身体側の閉鎖部材38のみを含むことができる。一実施形態では、第2の身体側の閉鎖部材40は、パウチネック部26がきつい角を作ることなく完全に開くことができるように、周囲シール18の内側に適合する大きさにされてよい。
【0027】
図3を参照すると、パウチ10の下部30の非身体側の側壁16の図が示されている。身体側の側壁12と同様に、非身体側の側壁16は、第3及び第4閉鎖部材と呼ばれる閉鎖部材(44)、(46)を含み、非身体側の第3閉鎖部材44は排出口28の近位にあり、第4閉鎖部材46は排出口28の遠位にある。一実施形態では、第3および第4(非身体側)閉鎖部材44、46は、互いに当接する。
【0028】
実施形態において、閉鎖部材38、40、44、46は、堅くても柔軟なバネ状のポリマー材料から形成される。部材38、40、44、46は、平坦であり、互いに真っ直ぐ平行な関係に配置されている。材料は、ある程度剛性であるが、排出口28を開放するために、曲げられるか又は撓むことができる。すなわち、弛緩状態にある場合、閉鎖部材38、40、44、46は、開口部28を相対的に閉鎖状態に維持する。しかし、部材38、40、44、46の端部48が共に押しつぶされると(排出口28の中心線A28に向かって押しつぶされると)、部材38、40、44,46は、排出口28を開放するように外側に屈曲又は湾曲する。閉鎖部材38、40、44、46に好適な材料としては、ポリエチレン(PE)、エチレンビニルアセテート(EVA)等が挙げられる。
【0029】
実施形態では、外側への屈曲または湾曲を容易にするために、閉鎖部材38、40、44、46は、部材38、40、44、46の中に優先的折り目ライン50を含むことができる。優先的折り目ライン50は、部材38、40、44、46に予め規定された溝又は部分的なスリットとして形成することができ、溝又はスリット50は、部材38、40、44、46を完全に貫通しないという点で部分的である。実施形態において、優先的折り目ライン50は、部材38、40、44、46に形成された所定の溝として形成できる。図2及び図3に示すように、身体側の部材38、40内の折り目ライン50は、非身体側の部材44、46内の折り目ライン50よりも互いに近く、第1及び第3部材38、44内の折り目ラインは、第2及び第4部材40、46内の折り目ライン50よりも互いに近くなっている。第2部材40が第3部材44の一部分の上に重なる実施形態では、第2部材40内の折り目ライン50と第3部材44内の折り目線ライン50は、互いに重なることができる。このようにして、部材38、40、44、46の端部48が互いに向かって絞られて排出口28を開放すると、折り目ライン50は全体として互いに整列してパウチ10用の漏斗状排出部を形成する。
【0030】
次に、図4A~4Cを参照して、パウチネック部26の折り畳みが排出口28を塞ぐことについて説明する。図4Aは、ネック部26が展開されたパウチ10を示す。上述したように、身体側の閉鎖部材38、40は間隙42によって互いに離間されている。非身体側閉鎖部材44、46は、当接関係にあってもよい。
【0031】
図4Bを参照すると、第1の折り目(52で示される)が作られるにつれて、閉鎖部材38は、第3の閉鎖部材44上に折り畳まれる。第1および第2の部材38、40の間の空間または間隙42は、部材38、40の間の間隙42のサイズに依存する緩い折り目を可能にする。
【0032】
次に、図4Cを参照すると、第2の折り目(54で示される)が作られるにつれて第1、第2の部材38,40及び第3の部材44は、第4の部材46上に折り畳まれている。第3および第4の部材44、46の間の折り目54におけるパウチ材料の緊密な折り目および引き延ばしは、パウチ10のシールを確立する。部材、例えば部材40、44の厚さと、例えば間隙42の大きさとの関係は、部材38、40、44、46の高い配置公差なしに、閉鎖シールを確立するのに必要な張力を発生させる。
【0033】
実施形態において、閉鎖部材38、40、44、46は、例えば接着剤60や、ヒートシール等により、パウチ10に接着される。実施形態において、部材38、40、44、46は、パウチ10に完全に接着される必要はない。図5に見られるように、パウチの長さの方向、すなわち排出口28の中心線A28に沿った方向に、閉鎖部材の全体38、40、44、46がパウチ10に完全に接着されている必要はない。互いに近くにある第1の部材38および第2の部材40の符号56で示すような部分は、パウチ10に固定されていなくてもよく、または部材38、40は、パウチ10に完全に接着されてもよい。互いに近くにある第3及び第4の部材44、46の符号58で示すような部分は、パウチ10に接着されていなくてもよい。これにより、(図4Cに見られるように)折り畳むときの(折り目線54でのような)第3及び第4の部材44、46の間のパウチ10のフィルムの弾性変形、例えば伸張が可能になる。
【0034】
既知の閉鎖システムとは異なり、閉鎖システム14は、第1及び第2の(身体側)38、40と、第3及び第4の(身体側ではない)44、46の閉鎖部材との間の位置公差に全く依存しないことは理解されるであろう。つまり、身体側閉鎖部材38、40と、非身体側閉鎖部材44、46との位置合わせは、従来の公知の閉鎖システムのように重要ではない。本発明の閉鎖システム14は、第1及び第2の(身体側)部材38,40の52における緩い折り目を使用し、第3および第4の(非身体側)部材44,46の間の54のきつい折り目を使用するので、第3および第4の部材44,46に対する第1および第2の部材38,40の正確な位置に依存せず、正確な公差または厳密な公差を必要としない。また、第3および第4の部材44,46に対する第1および第2の部材38,40の位置合わせは、重要ではない。
【0035】
周知のように、図1~5には示されていないが、当該技術分野においては、ストーマパウチ閉鎖システム14は、例えば、図4Cに示すように第2の折り目の後に、折り目を上げて閉じた位置にパウチネック部26を固定するための締結システムも含むことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、ストーマパウチ閉鎖システム14は、フック及びループファスナなどの第1及び第2のファスナストリップを備える2部品締結システムを含むことができる。一実施形態では、閉鎖システム14は、第4の閉鎖部材46に隣接して非身体側の側壁16に取り付けられたフラップ70を含むことができ、このフラップは第1のファスナストリップを含み、第2の閉鎖部材40は、第1のファスナストリップと係合して折り畳まれたネック部を図6に示すように閉鎖位置に固定するように構成された第2のファスナストリップを含む。あるいは、第2の閉鎖部材40を第2締結ストリップと置き換えてもよい。別の実施形態では、第2ファスナストリップは、第2閉鎖部材40に隣接して身体側の側壁12に取り付けられてもよく、ここでパウチネック部26は、3回(図4Cに示す第2の折り目の後の3回目の折り目)折り曲げられて、フラップ70上に設けられた第1のファスナストリップを第2のファスナストリップに係合させることによる閉鎖位置に固定されるように構成されてもよい。
【0036】
本明細書中で言及される全ての特許は、本開示の本文中に具体的に示されているか否かにかかわらず、参照によって本明細書に組み込まれる。本開示において、「a」または「an」という語は、単数形および複数形の両方を含むものとされるべきである。逆に、複数の項目への言及は、適切な場合には、単数を含むものとする。追加として、上記の実施形態のいずれかに関して説明した種々の特徴を、上記の他の実施形態のいずれかにおける特徴と一緒に使用したり、組み入れたり、置き換えたりすることができる。
【0037】
前述のことから、本発明の新規な概念の真の精神および範囲から逸脱することなく、多数の変更及び変形を実施することができる。図示されている特定の実施形態は、意図されているか、または推測されるべきであり、限定されないことを理解されたい。この開示は、このような全ての変更が、特許請求の範囲に含まれ、特許請求の範囲によってカバーされることを意図するものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【国際調査報告】