(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】順次トルク印加保持システム
(51)【国際特許分類】
B25B 15/00 20060101AFI20241121BHJP
B25B 23/02 20060101ALI20241121BHJP
B25B 23/14 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B25B15/00 610A
B25B15/00 620B
B25B23/02 A
B25B23/14 610M
B25B23/14 640J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535677
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 US2022046647
(87)【国際公開番号】W WO2023113911
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,ウィリアム エム.
(72)【発明者】
【氏名】リクソン,レイモンド エス.
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA01
3C038AA06
3C038BB04
3C038CB03
3C038EA03
(57)【要約】
順次トルク印加保持システムは、シャフトを有するドライバー機構と、先端に結合されたセンタードライブと、先端に結合されたアウトボードドライブと、中心レシーバーを有するネジ頭を含むネジであって、中心レシーバーがセンタードライブに対応し、中心レシーバーがセンタードライブを受けるように構成された、ネジと、アウトボードドライブに対応するネジ頭に形成された一対のアウトボードレシーバーであって、一対のアウトボードレシーバーが、アウトボードドライブを受けるように構成されている、一対のアウトボードレシーバーと、を備え、センタードライブが、初期トルクに応じて中心レシーバーにおいてネジ頭と係合し、アウトボードドライブが、次のトルクに応じて一対のアウトボードレシーバーにおいてネジ頭と係合し、アウトボードレシーバーが初期トルクに応じてアウトボードドライブと係合しないように、アウトボードレシーバーが配置される、順次トルク印加システムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを有するドライバー機構であって、前記シャフトは、シャンク端および前記シャフトの反対側の先端を有する、前記ドライバー機構と、
前記先端に結合されたセンタードライブと、
前記先端に結合されたアウトボードドライブと、
ネジ頭を含むネジと、
前記ネジ頭に形成された中心レシーバーであって、前記中心レシーバーが前記センタードライブに対応し、前記中心レシーバーが前記センタードライブを受けるように構成されている、前記中心レシーバーと、
前記アウトボードドライブに対応する前記ネジ頭に形成された一対のアウトボードレシーバーであって、前記一対のアウトボードレシーバーが、前記アウトボードドライブを受けるように構成されている、前記一対のアウトボードレシーバーと、を備え、
前記センタードライブが、初期トルクに応じて前記中心レシーバーにおいて前記ネジ頭と係合し、前記アウトボードドライブが、次のトルクに応じて前記一対のアウトボードレシーバーにおいて前記ネジ頭と係合し、
前記アウトボードレシーバーが前記初期トルクに応じて前記アウトボードドライブと係合しないように、前記アウトボードレシーバーが配置される、
順次トルク印加保持システム。
【請求項2】
前記先端に形成されたソケットであって、前記ソケットが、挿入可能なビットを受けるように構成され、前記挿入可能なビットが、前記センタードライブとして採用される、前記ソケットをさらに備える、請求項1に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項3】
前記アウトボードドライブが、径方向に離間してセットされ、前記シャフトの共通の放射軸に沿って整列された一対のアウトボードドライブとして構成された、請求項1に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項4】
前記ソケットが、前記ドライバー機構で採用されることになる所定のサイズおよび形状を有する相互交換可能な挿入可能なビットを受けるように構成されている、請求項2に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項5】
前記相互交換可能な挿入可能なビットの各々が、長さ寸法および直径寸法を含み、前記長さ寸法および直径寸法の各々が、所定の初期トルク値および所定の次のトルク値によって判定され、それにより、前記挿入可能なビットが、前記次のトルクに応じて前記挿入可能なビットの軸周りに回転方式で偏向できるようになっている、請求項4に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項6】
前記挿入可能なビットが、前記センタードライブおよび前記アウトボードドライブを含む、請求項2に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項7】
前記ネジ頭が、2つの対のアウトボードレシーバーを含む、請求項1に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項8】
ヘックスシャンク端および前記ヘックスシャンク端の反対側の先端を有するシャフトを有するドライバー機構と、
前記先端に形成されたソケットであって、前記ソケットが、セットネジを介して前記ソケットに取り外し可能に結合された挿入可能なビットを受けるように構成されている、前記ソケットと、
前記挿入可能なビットによって形成されたセンタードライブと、
前記先端に形成されたアウトボードドライブであって、前記アウトボードドライブが、径方向に離間してセットされ、前記シャフトの共通の放射軸に沿って整列された一対のアウトボードドライブスタッドを含む、前記アウトボードドライブと、
ネジ頭を含むネジと、
前記ネジ頭に形成された中心レシーバーであって、前記中心レシーバーが、前記センタードライブに対応し、前記中心レシーバーが、前記センタードライブを受けるように構成されている、前記中心レシーバーと、
前記アウトボードドライブに対応する前記ネジ頭に形成された一対のアウトボードレシーバーであって、前記一対のアウトボードレシーバーが、前記アウトボードドライブスタッドの各々を受けるように構成されている、前記一対のアウトボードレシーバーと、を備え、
前記センタードライブが、初期トルクに応じて前記中心レシーバーにおいて前記ネジ頭と係合し、前記アウトボードドライブが、次のトルクに応じて前記一対のアウトボードレシーバーにおいて前記ネジ頭と係合し、
前記アウトボードレシーバーが、前記初期トルクに応じて前記アウトボードドライブと係合しないように、前記アウトボードレシーバーが配置される、
順次トルク印加保持システム。
【請求項9】
前記挿入可能なビットが、前記センタードライブとして採用される、請求項8に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項10】
前記ソケットが、前記ドライバー機構で採用されることになる所定のサイズおよび形状を有する相互交換可能な挿入可能なビットを受けるように構成されている、請求項8に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項11】
前記相互交換可能な挿入可能なビットの各々が、長さ寸法および直径寸法を含み、前記長さ寸法および直径寸法の各々が、所定の初期トルク値および所定の次のトルク値によって判定され、それにより、前記挿入可能なビットが、前記次のトルクに応じて前記挿入可能なビットの軸周りにねじれを介して偏向できるようになっている、請求項10に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項12】
前記挿入可能なビットが、前記センタードライブおよび前記アウトボードドライブを含む、請求項8に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項13】
前記中心レシーバーが、前記ネジ頭に挿入可能である、請求項8に記載の順次トルク印加保持システム。
【請求項14】
請求項1に記載の順次トルク印加保持システムを使用してネジを締結するためのプロセスであって、
挿入可能なビットを前記先端に形成されたソケットに挿入することであって、前記ソケットが、前記挿入可能なビットを受けるように構成されている、前記挿入することと、
前記センタードライブを、前記中心レシーバーにおいて前記ネジ頭と係合させる初期トルクを印加することと、
前記アウトボードドライブを、前記一対のアウトボードレシーバーにおいて前記ネジ頭と係合させる次のトルクを印加することと、を含み、
前記アウトボードドライブが、前記初期トルクに応じて前記一対のアウトボードレシーバーにおいて前記ネジ頭と係合しない、
プロセス。
【請求項15】
前記アウトボードドライブが、径方向に離間してセットされ、前記シャフトの共通の放射軸に沿って整列された一対のアウトボードドライブとして構成された、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記挿入可能なビットが、第1の所定のサイズおよび第1の所定の形状を有する第1の挿入可能なビットであり、当該プロセスが、
前記第1の挿入可能なビットを前記ソケットから取り外し、第2の所定のサイズおよび第2の所定の形状を有する第2の挿入可能なビットを前記ソケット内に挿入することをさらに含む、
請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
前記挿入可能なビットが長さ寸法および直径寸法を含み、
所定の初期トルク値および次のトルク値に応じて前記長さ寸法および直径寸法の少なくとも一方を変化させ、
前記次のトルクに応じて前記挿入可能なビットの軸周りのねじれで前記挿入可能なビットを偏向させる、
請求項14に記載のプロセス。
【請求項18】
前記挿入可能なビットを、前記ドライバー機構に採用されることになる所定のサイズおよび形状に関して相互交換可能に構成することをさらに含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項19】
前記挿入可能なビットが、前記センタードライブおよび前記アウトボードドライブを含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項20】
前記アウトボードレシーバーを維持しつつ、前記ネジ頭の外径を低減させることをさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改良された締結具および締結具ドライバーシステムを対象としている。
【背景技術】
【0002】
小さい寸法で高いトルクを必要とする締結具が幅広く使用されている。これまでの試みでは、従来のスロット付きネジ、Philips(登録商標)、Torx(登録商標)、および他の凹状形状が使用されてきたが、これらすべては、トルク印加ツールが中心軸と整列していないか、またはヘッドに対して向けられていない場合に故障する傾向にある。一般的な故障モードは、トルク印加ツールが、締結具ヘッドとの軸アライメントから外れた位置になること、および、アライメントから外れることである。従来の締結具は、ネジの軸に沿って整列された単一の駆動機能(たとえば、TORX)を介してトルクを印加する。すべてのトルクはこの単一の機能を使用して印加される。
【0003】
必要とされているのは、センタードライブ機能とアウトボードドライブ機能との間で連続してトルクを駆動するように構成されたドライバーシステムおよび締結具である。
【発明の概要】
【0004】
本開示によれば、順次トルク印加保持システムであって、シャフトであって、シャンク端およびシャフトの反対側の先端を有するシャフトを有するドライバー機構と、先端に結合されたセンタードライブと、先端に結合されたアウトボードドライブと、ネジ頭を含むネジと、ネジ頭に形成された中心レシーバーであって、中心レシーバーがセンタードライブに対応し、中心レシーバーがセンタードライブを受けるように構成された、中心レシーバーと、アウトボードドライブに対応するネジ頭に形成された一対のアウトボードレシーバーであって、一対のアウトボードレシーバーが、アウトボードドライブを受けるように構成されている、一対のアウトボードレシーバーと、を備え、センタードライブが、初期トルクに応じて中心レシーバーにおいてネジ頭と係合し、アウトボードドライブが、次のトルクに応じて一対のアウトボードレシーバーにおいてネジ頭と係合し、アウトボードレシーバーが初期トルクに応じてアウトボードドライブと係合しないように、アウトボードレシーバーが配置される、順次トルク印加システムが提供される。
【0005】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、順次トルク印加保持システムが、先端に形成されたソケットであって、ソケットが、挿入可能なビットを受けるように構成され、挿入可能なビットが、センタードライブとして採用される、ソケットをさらに備えていることも含み得る。
【0006】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、アウトボードドライブが、径方向に離間してセットされ、シャフトの共通の放射軸に沿って整列された一対のアウトボードドライブとして構成されていることを含み得る。
【0007】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、ソケットが、ドライバー機構で採用されることになる所定のサイズおよび形状を有する相互交換可能な挿入可能なビットを受けるように構成されていることを含み得る。
【0008】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、相互交換可能な挿入可能なビットの各々が、長さ寸法および直径寸法を含み、長さ寸法および直径寸法の各々が、所定の初期トルク値および所定の次のトルク値によって判定され、それにより、挿入可能なビットが、次のトルクに応じて挿入可能なビットの軸周りに回転方式で偏向できるようになっていることを含み得る。
【0009】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、挿入可能なビットが、センタードライブおよびアウトボードドライブを含むことを含み得る。
【0010】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、ネジ頭が2つの対のアウトボードレシーバーを含むことを含み得る。
【0011】
本開示によれば、順次トルク印加保持システムであって、ヘックスシャンク端およびヘックスシャンク端の反対側の先端を有するシャフトを有するドライバー機構と、先端に形成されたソケットであって、ソケットが、セットネジを介してソケットに取り外し可能に結合された挿入可能なビットを受けるように構成されている、ソケットと、挿入可能なビットによって形成されたセンタードライブと、先端に形成されたアウトボードドライブであって、アウトボードドライブが、径方向に離間してセットされ、シャフトの共通の放射軸に沿って整列された一対のアウトボードドライブスタッドを含む、アウトボードドライブと、ネジ頭を含むネジと、ネジ頭に形成された中心レシーバーであって、中心レシーバーがセンタードライブに対応し、中心レシーバーがセンタードライブを受けるように構成された、中心レシーバーと、アウトボードドライブに対応するネジ頭に形成された一対のアウトボードレシーバーであって、一対のアウトボードレシーバーが、アウトボードドライブスタッドの各々を受けるように構成されている、一対のアウトボードレシーバーと、を備え、センタードライブが、初期トルクに応じて中心レシーバーにおいてネジ頭と係合し、アウトボードドライブが、次のトルクに応じて一対のアウトボードレシーバーにおいてネジ頭と係合し、アウトボードレシーバーが初期トルクに応じてアウトボードドライブと係合しないように、アウトボードレシーバーが配置される、順次トルク印加システムが提供される。
【0012】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、挿入可能なビットがセンタードライブとして採用されることを含み得る。
【0013】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、ソケットが、ドライバー機構で採用されることになる所定のサイズおよび形状を有する相互交換可能な挿入可能なビットを受けるように構成されていることを含み得る。
【0014】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、相互交換可能な挿入可能なビットの各々が、長さ寸法および直径寸法を含み、長さ寸法および直径寸法の各々が、所定の初期トルク値および所定の次のトルク値によって判定され、それにより、挿入可能なビットが、次のトルクに応じて挿入可能なビットの軸周りにねじれを介して偏向できるようになっていることを含み得る。
【0015】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、挿入可能なビットが、センタードライブおよびアウトボードドライブを含むことを含み得る。
【0016】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、中心レシーバーがネジ頭内に挿入可能であることを含み得る。
【0017】
本開示によれば、請求項1に記載の順次トルク印加保持システムを使用してネジを締結するためのプロセスであって、プロセスが、挿入可能なビットを先端に形成されたソケットに挿入することであって、ソケットが、挿入可能なビットを受けるように構成されている、挿入することと、センタードライブを、中心レシーバーにおいてネジ頭と係合させる初期トルクを印加することと、アウトボードドライブを、一対のアウトボードレシーバーにおいてネジ頭と係合させる次のトルクを印加することと、を含み、アウトボードドライブが、初期トルクに応じて一対のアウトボードレシーバーにおいてネジ頭と係合しない、プロセスが提供される。
【0018】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、アウトボードドライブが、径方向に離間してセットされ、シャフトの共通の放射軸に沿って整列された一対のアウトボードドライブとして構成されていることを含み得る。
【0019】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、挿入可能なビットが、第1の所定のサイズおよび第1の所定の形状を有する第1の挿入可能なビットであり、プロセスが、第1の挿入可能なビットをソケットから除去し、第2の所定のサイズおよび第2の所定の形状を有する第2の挿入可能なビットをソケット内に挿入することをさらに含むことを含み得る。
【0020】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、挿入可能なビットが長さ寸法および直径寸法を含み、所定の初期トルク値および次のトルク値に応じて長さ寸法および直径寸法の少なくとも一方を変化させ、次のトルクに応じて挿入可能なビットの軸周りのねじれで挿入可能なビットを偏向させることを含み得る。
【0021】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、プロセスが、挿入可能なビットを、ドライバー機構に採用されることになる所定のサイズおよび形状に関して相互交換可能に構成することをさらに含むことを含み得る。
【0022】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、挿入可能なビットが、センタードライブおよびアウトボードドライブを含むことを含み得る。
【0023】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的および/または代替的に、プロセスが、アウトボードレシーバーを維持しつつ、ネジ頭の外径を低減させることをさらに含むことを含み得る。
【0024】
順次トルク印加保持システムの他の詳細は、以下の詳細な説明および添付図面に説明されており、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】例示的なネジを有する例示的なドライバー機構の等角図である。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【
図6】例示的なドライバーレシーバーの断面部分図である。
【0031】
【
図7】例示的なネジを有する例示的なドライバー機構の等角部分図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【
図11】例示的なドライブビットおよびドライバー機構の部分図である。
【0036】
【
図12】例示的なドライブビットおよびドライバー機構の部分図である。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【
図17】例示的なドライバー機構のトルク対負荷のグラフである。
【0042】
【
図18】例示的なドライバー機構のトルク対負荷のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで
図1から
図4を参照すると、例示的な順次トルク印加保持システム10が示されている。順次トルク印加保持システム10は、ドライバー機構12とネジ14とを含んでいる。ドライバー機構12は、ヘックスシャンク端18およびヘックスシャンク端18とは反対側の先端20を有するシャフト16を有している。ヘックスシャンク端18は、ドライバー機構にトルクを印加するために、チャック(図示せず)に取り付けられるように構成されている。インジケータ19は、シャフト16上に配置することができ、ネジ14に対するドライバー機構12の整列を示すように構成されている。先端20は、ソケット22を含んでいる。ソケット22は、挿入可能なビット24を受けるように構成されている。挿入可能なビット24は、センタードライブ26として採用することができる。アウトボードドライブ28をセンタードライブ26に加えて採用することができる。見られるように、径方向に離れてセットされた一対のアウトボードドライブスタッド29が存在し得る。アウトボードドライブスタッド29は、
図3に見られるように、シャフト16の共通の直径/放射軸30に沿って整列させることができる。アウトボードドライブスタッド29は、シャフト16の先端20内にセットすることができる。
【0044】
図5および
図6も参照されたい。ネジ14は、ネジ頭34内の対応する形状のレシーバー32を有して構成することができる。たとえば、図示のネジ14は、センタードライブ26にマッチするように構成された中心レシーバー33と、成形されたアウトボードドライブ28にマッチするように構成された一対のアウトボードレシーバー35とを含んでいる。レシーバー32、33、35は、ドライバー26、28の形状にマッチするように、スロット状、六角形形状、星形形状、十字形状、正方形形状、楕円形形状、円形形状などを含む様々な設計で成形することができることが考えられる。
【0045】
セットネジ36は、挿入可能なビット24に対して直角に向けられた先端20内にねじ込むことができる。セットネジ36を調整して、挿入可能なビット24をソケット22内に固定することができる。挿入可能なビット24は、相互交換可能であり、ドライバー機構12に様々なサイズおよび形状を採用することを可能にする。
【0046】
図6も参照すると、先端20が断面図で示されている。センタードライブ26の挿入可能なビット24が、セットネジ36によってソケット22内に保持されている。挿入可能なビット24の長さLは変化させることができる。挿入可能なビット24の長さを変化させることにより、センタードライブ26のトルク値を変化させることができる。挿入可能なビット24の直径も変更可能である。センタードライブ26が長い/短い、または厚い/薄いほど、センタードライブ26の挿入可能なビット24のねじれまたは回転偏向RDが、所与のトルク値に応じより反応しやすくなる。挿入可能なビット24の軸Aを中心とした回転偏向RDの値を変化させることにより、センタードライブ26によって印加されるトルクの量を変化させ、ネジ14および締結用途にマッチするように調整することができる。回転偏向は、印加されたトルクに起因した対象のねじれであるねじれと解することができる。
【0047】
順次トルク印加システム10は、ビット24の長さLに基づいて第1の、または初期トルク値を印加するセンタードライブ26を使用することによって機能する。アウトボードドライブ28が係合したネジ頭34においてレシーバー32に対してアウトボードドライブ28が係合することに応じて、第2の、または次のトルク値をネジ14に印加することができる。したがって、ネジ14に適用されるトルクは、連続的にすることができる。センタードライブ26が初期トルク値でネジ14を回転させると、次いで、ネジ14が締め付けられるにつれて、第2の、または次のトルク値が得られ、センタードライブ26が偏向する。次いで、アウトボードドライブ28がレシーバーと係合して、ネジ頭34上の次のトルクを開始し、ネジ14の締結を完了する。アウトボードドライブ28は、初期トルクの適用中は、対応するレシーバー28と係合しない。
【0048】
図7から
図10を同様に参照すると、ドライバー機構12の例示的な実施形態を見ることができる。図示の実施形態には、修正された挿入可能なビット24が含まれる。挿入可能なビット24は、センタードライブ26とアウトボードドライブ28との両方を含んでいる。センタードライブ26は、ネジ14の頭34の対応するスロットを有するフラットな頭として構成されている。アウトボードドライブ28が一対の、または平行な2つの対38のドライバー28さえも含むことができることも考えられる。アウトボードドライバー28の第1の対40は先端20に取り付けることができ、アウトボードドライバー28の第2の対42は挿入可能なビット24に取り付けることができる。挿入可能なビット24は、センタードライブ26から径方向に遠位に延びるティー部分44を含むことができる。ティー部分44は、アウトボードドライバー28の第2の対42をサポートすることができる。挿入可能なビット24を有するアウトボードドライバー28の第2の対42を含むことにより、さらなる形状およびサイズを採用することが可能になり、さらなる多機能製を提供する。
【0049】
図11および
図12を同様に参照すると、挿入可能なビット24の相互交換可能性を見ることができる。挿入可能なビット24は、
図11および
図12に示すように、取り外し、別の挿入可能なビット46と交換することができる。この構成は、同じドライバー機構12に関して、センタードライブ26の様々なサイズおよびスタイルを採用することを可能にする。
【0050】
図13および
図14をも参照すると、順次トルク印加システム10を採用することで、ネジ頭34を変更することができる。
図13のネジ頭34は、
図14のネジ頭34と比較して変更されている。直径D
1は直径D
2よりも大きい。順次トルク印加システム10を利用してトルクを順次印加することができるため、レシーバー32を順次係合させることができる。アウトボードドライブ28は、接点48において対応するレシーバー32と係合する。したがって、レシーバー32の外側部分50を保持する必要はない。低減された外径D
2により、ネジ14の完全な状態を損なうことなく、ネジ14の重量およびサイズを低減させることができる。所与のネジ設計に関する応力分析に応じて、外径D
1を低減させることができる。
【0051】
図15および
図16も参照すると、例示的なネジ頭34のレシーバー32の設計が示されている。アウトボードドライブ28に対応するレシーバー32は、円形、楕円形の形状に限定する必要はない。これらレシーバー32は、利用される多くの他の幾何学的形状を伴う様々な形状を有することができる。例示的な実施形態では、センタードライブ26に関連付けられたレシーバー32は、レシーバー32のサイズを変更するように相互交換可能とすることができる。レシーバー32は、容易に挿入および除去することを可能にするために、ネジ山を付すことができる。センタードライブ26は、サイズを低減させることができる。したがって、センタードライブ26に対応するレシーバー32のサイズを低減させることができ、ネジ頭34から除去される材料が少なくなり、より強いネジ14を提供する。
【0052】
図17および
図18をも参照すると、順次トルク印加システムのトルクの分割の図を見ることができる。
図17では、全負荷のパーセンテージとしてのトルクがY軸に示されており、負荷のパーセンテージがX軸に示されている。上述のように、ドライバー機構12がネジ14と係合し、トルクが印加されると、初期トルク値がネジ14に、センタードライブ26を通して印加される。アウトボードドライブ28は係合しない。すべての印加されるトルクがセンタードライブ26を通る。グラフは、各ドライブ26、28に関するトルク値を示している。センタードライブ26のトルク値は、センタードライブ26のビット24が偏向する際に、初期トルク値からポイントT
1(次のトルク値)に増大する。ポイントT
1では、アウトボードドライブ28がネジ頭34のレシーバー32と係合する。より大きなトルクが加えられると、センタードライブ26とアウトボードドライブ28との両方がネジ頭34と係合し、ネジ頭34にトルクを印加する。センタードライブ26のトルクは、グラフ上では一定のものとして示される。アウトボードドライブ28のトルクは、グラフに示すように、増大し続ける。全体のトルクTTは、グラフ上では増大するように示されている。
【0053】
図18は、異なる挿入可能なビット24を使用することによってグラフが変化し得ることを示している。挿入可能なビット24が変更されると、おそらくそれにより、挿入可能なビット24の偏向が、比較的高いトルク値で発生する。したがって、
図17と
図18とでグラフを比較すると、ポイントT
1におけるトルク値は30%である。
図18は、ポイントT
2において、40%であることを示している。したがって、挿入可能なビット24を変化させることを使用することは、ドライバー機構12の特性を変更することができる。トルク値は、ネジ14および締結具の用途にマッチするように調整することができる。
【0054】
開示されている順次トルク印加保持システムの技術的利点は、ネジの頭において応力を低減しつつ、トルクを印可する順次トルクドライブ機能を採用することを含む。
【0055】
開示されている順次トルク印加保持システムの別の技術的利点は、残りのトルクをアウトボードドライブを通して印加しつつ、中心のドライブビットによって印加されるトルクを制限するように、ドライブビットを屈曲させることを含んでいる。
【0056】
開示されている順次トルク印加保持システムの別の技術的利点は、印加されるトルクを、複数のドライブ機能にわたって分散させることを含んでいる。
【0057】
開示されている順次トルク印加保持システムの別の技術的利点は、ネジ頭の厚さの低減を可能にすることを含んでいる。
【0058】
開示されている順次トルク印加保持システムの別の技術的利点は、センタードライブ機能のサイズを低減させ、ネジの強度を向上させる能力を含んでいる。
【0059】
開示されている順次トルク印加保持システムの別の技術的利点は、干渉防止締結具の複数の設計の可能性を可能にすることを含んでいる。
【0060】
順次トルク印加保持システムが提供されている。順次トルク印加保持システムが、その特定の実施形態の文脈において記載されてきたが、他の予期されない代替形態、変更形態、および変形形態が、前述の記載を読んだ当業者に明らかとなり得る。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲内にあるそれらの代替形態、変更形態、および変形形態を包含することが意図されている。
【国際調査報告】