(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】船舶用の蒸発ガスの再液化システム
(51)【国際特許分類】
B63B 25/16 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B63B25/16 D
B63B25/16 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535714
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 KR2022020861
(87)【国際公開番号】W WO2023121234
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0187200
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517430897
【氏名又は名称】ハンファ オーシャン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】アン,ス キョン
(57)【要約】
船舶用の蒸発ガスの再液化システムが開示される。本発明の船舶用の蒸発ガスの再液化システムは、前記液化ガスから発生して前記カーゴタンクから排出された蒸発ガスを、再液化させるガス再液化ラインと、前記ガス再液化ラインに設けられて、前記蒸発ガスを圧縮する圧縮部と、前記ガス再液化ラインに設けられて、前記圧縮部で圧縮された蒸発ガスを冷却して再液化させる凝縮器とを備え、前記圧縮部は、前記蒸発ガスを圧縮する第1圧縮機;と、前記第1圧縮機で圧縮された蒸発ガスを追加圧縮して前記凝縮器に供給する第2圧縮機とを備え、前記第1圧縮機及び第2圧縮機が遠心式圧縮機であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に設けられて液化ガスが貯蔵されるカーゴタンク;と、
前記液化ガスから発生して前記カーゴタンクから排出された蒸発ガスを、再液化させるガス再液化ライン;と、
前記ガス再液化ラインに設けられて、前記蒸発ガスを圧縮する圧縮部;と、
前記ガス再液化ラインに設けられて、前記圧縮部で圧縮された蒸発ガスを冷却して再液化させる凝縮器;とを備え、
前記圧縮部は、前記蒸発ガスを圧縮する第1圧縮機;と、前記第1圧縮機で圧縮された蒸発ガスを追加圧縮して前記凝縮器に供給する第2圧縮機;とを備え、
前記第1圧縮機及び第2圧縮機が遠心式圧縮機であることを特徴とする、
船舶用の蒸発ガスの再液化システム。
【請求項2】
前記凝縮器で再液化した液化ガスを収容する再液化ガス容器;と、
前記凝縮器よりも下流側の圧力を検出する圧力トランスミッタ;と、
前記再液化ガス容器からベントガスを排出させるベントラインに、並列に設けられた第1バルブと第2バルブ;とをさらに備え、
前記圧力トランスミッタで検出された圧力を基に第1バルブを制御して、前記ガス再液化ラインの前記第2圧縮機よりも下流側の圧力を所定の圧力に維持し、再液化システムの非常時に前記第2バルブにより前記再液化ガス容器内の圧力の過度な上昇を防止することを特徴とする、
請求項1記載の船舶用の蒸発ガスの再液化システム。
【請求項3】
前記再液化ガス容器と前記カーゴタンクとを接続する再液化ガス回収ライン;と、
前記再液化ガス回収ラインに設けられる中間冷却器;とをさらに備え、
前記第1圧縮機で圧縮された蒸発ガスは、前記中間冷却器で冷却された後、前記第2圧縮機で圧縮されることを特徴とする、
請求項2記載の船舶用の蒸発ガスの再液化システム。
【請求項4】
前記第1圧縮機は、第1段圧縮部と第2段圧縮部とがモータ軸に接続された遠心式圧縮機で構成され、
前記第1段圧縮部で圧縮された蒸発ガスは、前記中間冷却器に供給されて、前記再液化ガス容器から前記カーゴタンクに供給される液化ガスにより冷却された後、前記第2段圧縮部で圧縮されて、前記第2圧縮機で追加圧縮されることを特徴とする、
請求項3記載の船舶用の蒸発ガスの再液化システム。
【請求項5】
前記ガス再液化ラインの圧縮部よりも上流側に、前記カーゴタンクから排出された蒸発ガスが供給されて、気体成分を前記圧縮部に供給するノックアウトドラムが設けられることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の船舶用の蒸発ガスの再液化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用の蒸発ガスの再液化システムに関し、より詳細には、液化ガスから発生した蒸発ガスを遠心式圧縮機で圧縮して再液化させる、船舶用の蒸発ガス再液化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LNG(Liquefied Natural Gas)やLPG(Liquefied Petroleum Gas)等の液化ガスの消費量が、世界中で急増している。液化ガスは、陸上または海上のガスパイプラインにより気体状態で移送され、または液化ガス運搬船により液体状態で貯蔵されて遠方の消費先に輸送される。LNGやLPG等の液化ガスは、天然ガスや石油ガスを極低温(LNGの場合は約-163℃)に冷却することで得られる。また、液化ガスは、気体状態に比べて、その体積が大幅に減少することから、海上ルートによる長距離運送に非常に適している。
【0003】
ところで、従来のLPG運搬船等では、船舶の推進機関の燃料として比較的安価なバンカーC油等の重油を使用する燃料供給システムが採用されている。このような重油を燃料として使用する燃料供給システムは、重油燃料の使用に関する国際的な排気ガスの排出規制の強化により、硫黄成分の少ない低硫黄重油(LSHFO)の燃料タンクを別途設置することが求められている。このような事情からも、国際的な環境規制基準に適合する環境性に優れた燃料供給システムが求められている。
【0004】
近年、LPG運搬船やLNG運搬船では、LPGやLNGまたはこれらから発生した蒸発ガスを推進用エンジンの燃料として使用する燃料供給システムが適用された船舶が増加している。また、国際的な排気ガスの排出規制の強化に伴って、LPG運搬船やLNG運搬船以外の船舶でも、LPGやLNG等を推進用エンジンの燃料として使用する船舶が増加している。
【0005】
特に、LPGは、極低温で液化させる必要があるLNGに比べて貯蔵が容易であり、また、比エネルギー(Specific energy)やエネルギー密度(Energy density)はHFOと遜色がなく、さらに、HFOに比べてSOx,NOx,CO2,PM等の排出量を低減できるといった点で優れた特性を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
石油ガスの液化温度は、標準大気圧下で約-42℃の低温であり、また、18バール(bar)の圧力下では約45℃の温度まで、7バールの圧力下では約20℃の温度まで、液体状態での貯蔵が可能である。また、標準圧力下で-42℃よりも温度が高くなると、LPGが蒸発することから、LPGが貯蔵される船舶の貯蔵タンクには、断熱処理が施されている。しかし、貯蔵タンクの外部からの熱が、貯蔵タンク内のLPGに継続して伝熱されるため、LPGの輸送過程で貯蔵タンク内のLPGが自然気化して、貯蔵タンク内で蒸発ガス(Boil-Off Gas,ボイルオフガス)が発生する。
【0007】
貯蔵タンク内で蒸発ガスが発生し続けると、貯蔵タンク内の圧力が過度に上昇し、船舶や乗組員の安全を脅かす虞がある。このため、貯蔵タンクは耐圧構造を備えており、また、貯蔵タンク内で発生した蒸発ガスを処理するために、蒸発ガスの再液化装置が利用されている。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、LPG等の液化ガスから発生した蒸発ガスを再液化させて貯蔵タンクに回収すると共に、再液化システムの価格競争力の向上や設置面積の削減、また、再液化システムの安定した運転が可能な再液化システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明の実施形態では、船舶に設けられて液化ガスが貯蔵されるカーゴタンクと、前記液化ガスから発生して前記カーゴタンクから排出された蒸発ガスを、再液化させるガス再液化ラインと、前記ガス再液化ラインに設けられて、前記蒸発ガスを圧縮する圧縮部と、前記ガス再液化ラインに設けられて、前記圧縮部で圧縮された蒸発ガスを冷却して再液化させる凝縮器とを備え、前記圧縮部は、前記蒸発ガスを圧縮する第1圧縮機と、前記第1圧縮機で圧縮された蒸発ガスを追加圧縮して前記凝縮器に供給する第2圧縮機とを備え、前記第1圧縮機及び第2圧縮機が遠心式圧縮機であることを特徴とする、船舶の蒸発ガス再液化システムが提供される。
【0010】
好ましくは、前記凝縮器で再液化した液化ガスを収容する再液化ガス容器と、前記凝縮器よりも下流側の圧力を検出する圧力トランスミッタと、前記再液化ガス容器からベントガスを排出させるベントラインに、並列に設けられた第1バルブと第2バルブとをさらに備え、前記圧力トランスミッタで検出された圧力を基に第1バルブを制御して、前記ガス再液化ラインの前記第2圧縮機よりも下流側の圧力を所定の圧力に維持し、再液化システムの異常時に前記第2バルブにより前記再液化ガス容器内の圧力の過度な上昇を防止することができる。
【0011】
好ましくは、前記再液化ガス容器と前記カーゴタンクとを接続する再液化ガス回収ラインと、前記再液化ガス回収ラインに設けられる中間冷却器とをさらに備え、前記第1圧縮機で圧縮された蒸発ガスは、前記中間冷却器で冷却された後、前記第2圧縮機で圧縮される。
【0012】
好ましくは、前記第1圧縮機は、第1段圧縮部と第2段圧縮部とがモータ軸に接続された遠心式圧縮機で構成され、前記第1段圧縮部で圧縮された蒸発ガスは、前記中間冷却器に供給されて、前記再液化ガス容器から前記カーゴタンクに供給される液化ガスにより冷却された後、前記第2段圧縮部で圧縮されて、前記第2圧縮機で追加圧縮される。
【0013】
好ましくは、前記ガス再液化ラインの圧縮部よりも上流側に、前記カーゴタンクから排出された蒸発ガスが供給されて、気体成分を前記圧縮部に供給するノックアウトドラムが設けられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、カーゴタンクに貯蔵される液化ガスから発生した蒸発ガスを、圧縮及び冷却して再液化させて、再液化した液化ガスをカーゴタンクに回収する再液化システムであり、蒸発ガスを圧縮する圧縮部に、遠心式圧縮機が用いられる。本発明の再液化システムは、小型の遠心式圧縮機を用いたことで、往復動圧縮機(Reciprocating compressor)を用いるものと比べて、再液化システムの設置面積を削減して船舶内の空間確保に寄与すると共に、再液化システムの設置費用を削減でき、価格競争力が向上する。また、本発明のシステムは、遠心式圧縮機を用いたことで、往復動圧縮機を用いる場合に設けられる往復ピストンによる振動や騒音を低減させる緩衝装置(Dampener)等の付属設備が不要となり、また、脈動(Pulsation phenomena)等によるシステムの維持補修費用の増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】LPGから発生した蒸発ガスを再液化させる再液化システムの例を示す。
【
図2】本発明の実施形態の船舶用の蒸発ガスの再液化システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の作用上の利点及び本発明の実施形態によって達成される目的について、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を例に説明する。
【0017】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の構成及び作用について説明する。なお、本明細書及び添付の図面において、同じ構成要素には、同じ参照符号を付する。
【0018】
後述する本発明の実施形態の船舶には、あらゆる種類の船舶が含まれる。代表的なものとしては、LPG運搬船、VLGC(Very Large Gas Carrier)、LNG運搬船(LNG Carrier)、液体水素運搬船、LNG RV(Regasification Vessel)等の自航式船舶をはじめ、LNG FPSO(Floating Production Storage Offloading)、LNG FSRU(Floating Storage Regasification Unit)等の自航能力を有しない浮遊式海上構造物も含まれる。
【0019】
また、本発明の実施形態は、低温で液化させて輸送することができ、貯蔵時に蒸発ガスが発生する、あらゆる種類の液化ガスの再液化システムに適用することができる。このような液化ガスとしては、例えば、LNG(Liquefied Natural Gas)、LEG(Liquefied Ethane Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、液化エチレンガス(Liquefied Ethylene Gas)、液化プロピレンガス(Liquefied Propylene Gas)等の液化石油化学ガスやアンモニア等がある。また、後述する実施形態では、代表的な液化ガスの1つであるLPGを例に説明する。
【0020】
図1に、LPGから発生した蒸発ガスを再液化させる再液化システムの例を示す。
【0021】
図1を参照して、このような再液化システムでは、カーゴタンクT内で発生してカーゴタンクTから排出された蒸発ガスは、ノックアウトドラム10に供給された後、圧縮部20で圧縮され、凝縮器30で冷却されて再液化される。再液化した液化ガスは、再液化ガス容器40及び中間冷却器50等に供給された後、カーゴタンクTに供給される。
【0022】
また、このような再液化システムでは、蒸発ガスを圧縮する圧縮部20として、例えばBuckhardt AG社製の往復動圧縮機が用いられる。しかし、この種の往復動圧縮機は、往復ピストンによる振動や騒音が大きく、これらを低減させる緩衝装置(Dampener)等の付属設備を設置する必要がある。また、脈動(pulsation phenomena)による再液化システムの維持補修費用が増加するといった問題がある。さらに、世界的な独占供給業者の地位を利用した特定企業による高価格維持政策が展開されており、これにより、船舶の価格競争力が低下し、また、供給スケジュールの調整が難しいことから、船舶の納期日程の管理を円滑に行えないといった問題がある。
【0023】
このような問題を解決するため、後述する実施形態では、遠心式圧縮機を用いて蒸発ガスを圧縮すると共に、それに対応する蒸発ガスの流路を効果的に構成して、圧縮機よりも下流側の圧力を、蒸発ガスを完全に再液化させることが可能な圧力に維持する再液化システムを提供する。
【0024】
図2に、本発明の実施形態の船舶用の蒸発ガスの再液化システムを概略的に示す。
【0025】
図2を参照して、本実施形態の蒸発ガスの再液化システムは、船舶に設けられて液化ガスが貯蔵されるカーゴタンクTと、カーゴタンクT内に貯蔵される液化ガスから発生した蒸発ガスを、カーゴタンクTから排出させて再液化させるガス再液化ラインGLと、ガス再液化ラインGLに設けられて蒸発ガスを圧縮する圧縮部100と、ガス再液化ラインGLに設けられて圧縮部100で圧縮された蒸発ガスを冷却する凝縮器200とを備える。
【0026】
また、本実施形態の蒸発ガスの再液化システムは、ガス再液化ラインGLの圧縮部100よりも上流側に、カーゴタンクTから排出された蒸発ガスが供給されて、気体成分を圧縮部100に供給するノックアウトドラム(Knock-out drum)Dが設けられている。なお、カーゴタンクT内で発生した蒸発ガスには、プロパン(Propane)やブタン(I-Butane/N-Butane)の他に、エタン(Ethane)、プロピレン(Propylene)、アンモニア(Ammonia)等の様々な成分が含まれ得る。このようなカーゴタンクT内で発生した様々な成分を含む蒸発ガスは、ガス再液化ラインGLよりノックアウトドラムDに供給された後、ノックアウトドラムDから排出される気体成分が圧縮部100に供給される。そして、再液化過程によって再液化させた後、カーゴタンクTに回収される。
【0027】
圧縮部100は、ノックアウトドラムDから排出された蒸発ガスを圧縮する第1圧縮機110と、第1圧縮機で圧縮された蒸発ガスをさらに圧縮(追加圧縮)して凝縮器200に供給する第2圧縮機120とを備える。本実施形態では、第1圧縮機110及び第2圧縮機120の両方に、遠心式圧縮機(Centrifugal Compressor)が用いられている。
【0028】
また、第1圧縮機110は、モータ軸を介して夫々接続された第1段圧縮機110Aと第2段圧縮機110Bとを備える遠心式圧縮機で構成されている。なお、各圧縮機の圧縮段数(Stage)は、必要に応じて追加してもよい。このように、本実施形態では、圧縮部110に、往復動圧縮機に比べて安価で軽量及び小型の遠心式圧縮機を用いたことで、再液化システムの重量や設置面積を削減して、船舶に再液化システムを設置し易くすると共に船舶内の空間確保に寄与し、また、再液化システムが適用される船舶の価格競争力が向上する。また、遠心式圧縮機は、往復ピストンを備える往復動圧縮機に比べて振動や騒音が小さいため、騒音や振動を低減させる緩衝装置等の付属装備を設置するために必要な費用や空間を削減できる。また、脈動が最小限に抑えられるため、維持補修費用を削減し、安定した連続運転が可能となる。
【0029】
また、第1及び第2圧縮機110,120の3段(Stage)の遠心式圧縮機で圧縮された蒸発ガスは、凝縮器200に供給される。
【0030】
凝縮器200では、圧縮部100で圧縮された蒸発ガスが、熱交換により冷却されて再液化される。なお、凝縮器200で、蒸発ガスを冷却するための熱源としては、例えば、船舶で入手が容易な海水を用いることができる。
【0031】
凝縮器200で再液化した液化ガスは、再液化ガス容器300に収容され、再液化ガス容器300とカーゴタンクTとを接続する再液化ガス回収ラインLLよりカーゴタンクTに供給される。
【0032】
また、ガス再液化ラインGLの凝縮器200よりも下流側には、凝縮器200よりも下流側の圧力を検出する圧力トランスミッタPTが設けられている。また、再液化ガス容器300からベントガスが排出されるベントラインには、第1バルブV1と第2バルブV2とが並列に設けられている。そして、圧力トランスミッタPTで検出された圧力を基に、第1及び第2のバルブV1,V2の開閉が制御される。
【0033】
ところで、蒸発ガスを完全に液化(Full-liquefaction)させるために必要となる蒸発ガスの圧縮圧力は、蒸発ガスの成分組成によって変化する。そこで、本実施形態では、圧力トランスミッタPTで検出された圧力を基に第1バルブV1の開度を制御することで、第2圧縮機120よりも下流側の圧力を、蒸発ガスを完全に再液化させるために必要な圧力に維持する。
【0034】
また、第2バルブV2は、再液化システムの非常時に、再液化ガス容器300内の圧力が過度に上昇することを防止するために使用され、非常時には、第2バルブを開放して再液化ガス容器300に過度の圧力がかかることを防止する。
【0035】
また、再液化ガス回収ラインLLには、中間冷却器400が設けられている。中間冷却器400では、第1圧縮機110で圧縮された蒸発ガスと、カーゴタンクTに供給される再液化した液化ガスとを熱交換させる。
図2に示すように、第1圧縮機110の第1段圧縮部110Aで圧縮された蒸発ガスは、中間冷却器400に供給されて、再液化ガス容器300からカーゴタンクTに供給される再液化した液化ガスにより冷却された後、第2段圧縮部110Bで圧縮され、第2圧縮機120でさらに圧縮(追加圧縮)された後、凝縮器200で冷却されて完全に再液化される。
【0036】
凝縮器200で再液化した液化ガス(LPG)は、再液化ガス容器300及び中間冷却器400に供給された後、カーゴタンクTに供給される。このように、本実施形態では、蒸発ガスを再液化させてカーゴタンクTに回収することで、LPGの輸送効率が向上すると共に、カーゴタンクT内の圧力を安全な圧力に維持することができる。
【0037】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的要旨を超えない範囲内で様々な変更や変形ができることは、本発明が属する技術分野の当業者にとって自明である。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】