(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電気自動車充電ステーションのネットワークにおける障害を処理するためのスケーラブルな方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20241121BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20241121BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F11/07 181
G06F11/07 140R
B60L53/68
B60L53/67
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535973
(86)(22)【出願日】2023-04-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 FI2023050192
(87)【国際公開番号】W WO2023203278
(87)【国際公開日】2023-10-26
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520154346
【氏名又は名称】リイケンネヴィルタ オイ / ヴィルタ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】アハティカリ ユッシ
【テーマコード(参考)】
5B042
5H125
【Fターム(参考)】
5B042KK13
5B042KK20
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC27
5B042MC30
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC22
5H125BE01
5H125CC04
5H125EE61
(57)【要約】
例示的な実施形態は、数千もの電気自動車充電ステーションを含む電気自動車充電ステーションの広範なネットワークの障害を管理するためのスケーラブルな方法(200)を可能にする。発生した障害は、可能な場合、自動的に解決され得る。障害は、1つ以上の基準に基づいて優先順位付けされ得る。障害をより効率的に処理するための方法(200)及び装置(600)が提供される。装置(600)は、少なくとも1つのプロセッサ(602)と、プログラムコード(606)を含む少なくとも1つのメモリ(604)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(600)によって実行される方法(200)であって、
少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガを検出するステップ(202)と、
前記電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、前記オフライン状態の頻度、障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内の拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含む1つ以上の障害指標を決定するステップ(204)と、
前記1つ以上の障害指標の値を組み合わせることによって前記障害優先度指数を計算するステップ(206)と、
前記障害優先度指数に基づいて前記少なくとも1つの充電ステーションにおける障害を管理するための少なくとも1つのアクションを開始するステップ(206)と
を含む、方法(200)。
【請求項2】
前記トリガが、前記電気自動車充電ステーションがオフラインであることの表示、前記電気自動車充電ステーションからの障害ステータスの通知、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドの拒否、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドに対する応答の失敗、又は前記電気自動車充電ステーションによる正常状態への復帰のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法(200)。
【請求項3】
前記オフライン状態の前記頻度が、前記所定の間隔内の前記電気自動車充電ステーションの前記オフライン状態の合計継続時間に基づいて決定される、請求項1又は2に記載の方法(200)。
【請求項4】
前記障害の前記頻度が、前記所定の間隔内の前記電気自動車充電ステーションの前記障害の合計継続時間に基づいて決定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクションが、前記障害優先度指数に基づく緊急度の順に前記電気自動車充電ステーションのリストを提供すること、前記障害を修正する方法の推奨を提供すること、前記電気自動車充電ステーションを再起動すること、前記電気自動車充電ステーションに対してファームウェア更新を実行すること、前記充電ステーションのインターネット接続をリセットすること、リモートメンテナンスにアラートすること、又はオンサイトメンテナンスにアラートすることのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項6】
前記障害優先度指数についての異なる所定の閾値を有する複数の優先度レベルに基づいて前記障害優先度指数の優先度レベルを決定するステップ(302)と、
前記障害優先度指数の前記優先度レベルに基づいて前記少なくとも1つのアクションを開始するステップ(304)と
をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアクションを実行した後に、前記電気自動車充電ステーションの前記障害優先度指数を更新するステップ(306)と、
更新された前記障害優先度指数が、前記障害がまだ存在することを示す場合、前記障害優先度指数の前記優先度レベルに従って別のアクションを開始するステップ(310)と
をさらに含む、請求項6に記載の方法(200)。
【請求項8】
複数の電気自動車充電ステーションを複数の子グループにグループ分けするステップと、
前記複数の子グループを1つ以上の親グループにグループ分けするステップと、
各グループに対するエスカレーション指数を、前記グループ内の障害のある電気自動車充電ステーションの数に、前記グループ内の前記障害優先度指数の合計を乗算し、その値を前記グループ内の障害のない電気自動車充電ステーションの数で除算することにより、決定するステップと、
前記エスカレーション指数が前記子グループに対する所定の制限を超えた場合、前記親グループの連絡先担当者に通知を提供するステップと
をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項9】
電気自動車充電ステーションの障害を管理するための装置(600)であって、前記装置が、少なくとも1つのプロセッサ(602)と、少なくとも1つのメモリ(604)とを備え、前記少なくとも1つのメモリ(604)が、前記少なくとも1つのプロセッサ(602)により、前記装置(600)に、少なくとも
少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガを検出させ、
前記電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、前記オフライン状態の頻度、前記障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内の拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含む1つ以上の障害指標を決定させ、
前記1つ以上の障害指標の値を組み合わせることによって前記障害優先度指数を計算させ、
前記障害優先度指数に基づいて前記少なくとも1つの充電ステーションにおける障害を管理するための少なくとも1つのアクションを開始させる
ように構成されたプログラムコード(606)を含む、装置(600)。
【請求項10】
前記トリガが、前記電気自動車充電ステーションがオフラインであることの表示、前記電気自動車充電ステーションからの障害ステータスの通知、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドの拒否、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドに対する応答の失敗、又は前記電気自動車充電ステーションによる正常状態への復帰のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の装置(600)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアクションが、前記障害優先度指数に基づく緊急度の順に前記電気自動車充電ステーションのリストを提供すること、前記障害を修正する方法の推奨を提供すること、前記電気自動車充電ステーションを再起動すること、前記電気自動車充電ステーションに対してファームウェア更新を実行すること、前記充電ステーションのインターネット接続をリセットすること、リモートメンテナンスにアラートすること、又はオンサイトメンテナンスにアラートすることのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(600)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に、
前記障害優先度指数についての異なる所定の閾値を有する複数の優先度レベルに基づいて前記障害優先度指数の優先度レベルを決定させ、
前記障害優先度指数の前記優先度レベルに基づいて前記少なくとも1つのアクションを開始させる
ように構成されたプログラムコードをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(600)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に、
前記少なくとも1つのアクションの後に、前記電気自動車充電ステーションの前記障害優先度指数を更新させ、
更新された前記障害優先度指数が、前記障害がまだ存在することを示す場合、前記障害優先度指数の前記優先度レベルに従って別のアクションを開始させる
ように構成されたプログラムコードをさらに含む、請求項12に記載の装置(600)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に、
複数の電気自動車充電ステーションを複数の子グループにグループ分けさせ、
前記複数の子グループを1つ以上の親グループにグループ分けさせ、
各グループに対するエスカレーション指数を、前記グループ内の障害のある電気自動車充電ステーションの数に、前記グループ内の前記障害優先度指数の合計を乗算し、その値を前記グループ内の障害のない電気自動車充電ステーションの数で除算することにより、決定させ、
前記エスカレーション指数が前記子グループに対する所定の制限を超えた場合、前記親グループの連絡先担当者に通知を提供させる
ように構成されたプログラムコードをさらに含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の装置(600)。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法(200)を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、電気自動車充電ステーションに関する。特に、本出願のいくつかの例示的な実施形態は、電気自動車充電ステーションのネットワークの障害管理に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車充電ステーションには、時々、様々な理由で障害が発生する。障害が原因で充電ステーションが作動しなくなることも、あるいは充電ステーションが正常に作動しなくなることもある。障害の処理には多くのリソースが必要であり得る。したがって、これらの欠点の少なくとも一部を軽減することは有益であろう。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、詳細な説明で以下にさらに記載される簡略化された形式で概念の選択を導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。
【0004】
例示的な実施形態は、電気自動車充電ステーションにおける障害のより効率的かつ合理的な管理を可能にすることができる。提案された方法は、例えば、毎日数百の障害が発生する場合がある、数千の電気自動車充電ステーションのネットワークにおける障害の管理に特に有用である。
【0005】
第一の態様によれば、電気自動車充電ステーションの障害を管理するための方法が提供される。この方法は装置によって実行され、この方法は、少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガ(trigger)を検出するステップと、電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、オフライン状態の頻度、障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内の拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含む1つ以上の障害指標を決定するステップと、1つ以上の障害指標の値を組み合わせることによって障害優先度指数を決定するステップと、障害優先度指数に基づいて少なくとも1つの充電ステーションにおける障害を管理するための少なくとも1つのアクションを開始するステップとを含む。
【0006】
実施形態では、トリガは、電気自動車充電ステーションがオフラインであることの表示、電気自動車充電ステーションからの障害ステータスの通知、電気自動車充電ステーションによるコマンドの拒否、電気自動車充電ステーションによるコマンドに対する応答の失敗、又は電気自動車充電ステーションによる正常状態への復帰のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
実施形態では、追加的又は代替的に、オフライン状態の頻度は、所定の間隔内の電気自動車充電ステーションのオフライン状態の合計継続時間に基づいて決定される。
【0008】
実施形態では、追加的又は代替的に、障害の頻度は、所定の間隔内の電気自動車充電ステーションの障害の合計継続時間に基づいて決定される。
【0009】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのアクションは、障害優先度指数に基づく緊急度の順に電気自動車充電ステーションのリストを提供すること、障害を修正する方法の推奨を提供すること、電気自動車充電ステーションを再起動すること、電気自動車充電ステーションに対してファームウェア更新を実行すること、充電ステーションのインターネット接続をリセットすること、リモートメンテナンスにアラートすること、又はオンサイトメンテナンスにアラートすることのうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
実施形態では、追加的又は代替的に、方法は、障害優先度指数についての異なる所定の閾値を有する複数の優先度レベルに基づいて障害優先度指数の優先度レベルを決定するステップと、障害優先度指数の優先度レベルに基づいて少なくとも1つのアクションを開始するステップとをさらに含む。
【0011】
実施形態では、追加的又は代替的に、方法は、少なくとも1つのアクションを実行した後に、電気自動車充電ステーションの障害優先度指数を更新するステップと、更新された障害優先度指数が、障害がまだ存在することを示す場合、障害優先度指数の優先度レベルに従って別のアクションを開始するステップとをさらに含む。
【0012】
実施形態では、追加的又は代替的に、方法は、複数の電気自動車充電ステーションを複数の子グループにグループ分けするステップと、複数の子グループを1つ以上の親グループにグループ分けするステップと、各グループに対するエスカレーション指数を、グループ内の障害のある電気自動車充電ステーションの数に、グループ内の障害優先度指数の合計を乗算し、その値をグループ内の障害のない電気自動車充電ステーションの数で除算することにより、決定するステップと、エスカレーション指数が子グループに対する所定の制限を超えた場合、親グループの連絡先担当者に通知を提供するステップとをさらに含む。
【0013】
第二の態様によれば、電気自動車充電ステーションの障害を管理するための装置が提供され、その装置は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリが、少なくとも1つのプロセッサにより、装置に、少なくとも、少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガを検出させ、電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、オフライン状態の頻度、障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内の拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含む1つ以上の障害指標を決定させ、1つ以上の障害指標の値を組み合わせることによって障害優先度指数を決定させ、障害優先度指数に基づいて少なくとも1つの充電ステーションにおける障害を管理するための少なくとも1つのアクションを開始させるように構成されたプログラムコードを含む。
【0014】
実施形態では、トリガは、電気自動車充電ステーションがオフラインであることの表示、電気自動車充電ステーションからの障害ステータスの通知、電気自動車充電ステーションによるコマンドの拒否、電気自動車充電ステーションによるコマンドに対する応答の失敗、又は電気自動車充電ステーションによる正常状態への復帰のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのアクションは、障害優先度指数に基づく緊急度の順に電気自動車充電ステーションのリストを作成すること、障害を修正する方法の推奨を提供すること、電気自動車充電ステーションを再起動すること、電気自動車充電ステーションに対してファームウェア更新を実行すること、充電ステーションのインターネット接続をリセットすること、リモートメンテナンスにアラートすること、又はオンサイトメンテナンスにアラートすることのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサにより、装置に、障害優先度指数についての異なる所定の閾値を有する複数の優先度レベルに基づいて障害優先度指数の優先度レベルを決定させ、障害優先度指数の優先度レベルに基づいて少なくとも1つのアクションを開始させるように構成されたプログラムコードをさらに含む。
【0017】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサにより、装置に、少なくとも1つのアクションの後に、電気自動車充電ステーションの障害優先度指数を更新させ、更新された障害優先度指数が、障害がまだ存在することを示す場合、障害優先度指数の優先度レベルに従って別のアクションを開始させるように構成されたプログラムコードをさらに含む。
【0018】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサにより、装置に、複数の電気自動車充電ステーションを複数の子グループにグループ分けさせ、複数の子グループを1つ以上の親グループにグループ分けさせ、各グループに対するエスカレーション指数を、グループ内の障害のある電気自動車充電ステーションの数に、グループ内の障害優先度指数の合計を乗算し、その値をグループ内の障害のない電気自動車充電ステーションの数で除算することにより、決定させ、エスカレーション指数が子グループに対する所定の制限を超えた場合、親グループの連絡先担当者に通知を提供させるように構成されたプログラムコードをさらに含む。
【0019】
第三の態様によれば、コンピュータによって実行されると、第一の態様の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0020】
付随する特徴の多くは、添付の図面と関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるようになるので、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
例示的な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、説明と共に例示的な実施形態の原理を解釈するのに役立つ。
【0022】
【
図1】例示的な実施形態による電気自動車充電ステーションのネットワークの障害管理システムの例を示す。
【
図2】例示的な実施形態による電気自動車充電ステーションのネットワークの障害を管理するための方法のフローチャートの例を示す。
【
図3】例示的な実施形態によるメンテナンスアラートを作成するためのプロセスのフローチャートの例を示す。
【
図4】例示的な実施形態による障害優先度指数の閾値に基づいて実行されるアクションの例示的な構成を示す。
【
図5】例示的な実施形態によるメンテナンスアラートを作成するための電気自動車充電ステーションのネットワークの階層モデルの例を示す。
【
図6】1つ以上の例示的な実施形態を実施するように構成された装置の例を示す。
【0023】
同様の参照番号は、添付の図面において同様の部分を指定するために使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、例示的な実施形態について詳細に参照し、その実施例は、添付の図面に示されている。添付の図面に関連して以下で提供される詳細な説明は、本実施例の説明として意図されており、本実施例が構築又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図していない。本説明は、実施例の機能及び実施例を構築し、操作するための可能な操作順序を示す。しかしながら、同じ又は同等の機能及び順序は、異なる実施例によって達成されてもよい。
【0025】
電気自動車充電ステーション(CS)は、電気自動車(EV)を充電するために使用される。本開示において、電気自動車充電ステーションは充電ステーションと呼ばれ得る。充電ステーションは、OCPPプロトコル(Open Charge Point Protocol)で充電ステーション管理システム(CSMS)に接続され得る。EVドライバは電気自動車(EV)を所有し、充電ステーションでそれらのEVを充電する。
【0026】
充電ステーションは、多くの場合、異なる技術的障害(fault)を有する。数千、又はさらに数万もの充電ステーションを備え得る大きな充電ステーションネットワークでは、少なくとも数百、又は場合によってはさらに数千の充電ステーションが一度に何らかの理由で故障することがあり得る。
【0027】
中央組織が手作業で障害を処理するのは、かなり費用がかかる。例えば、毎日1000を超える充電ステーションの障害を管理し、解決するには、大規模なチームの人員が必要であり、グローバルに障害を管理するには、全ての障害を手作業で処理する大規模で高価な手配が必要になる。
【0028】
ネットワークを管理するために、どの充電ステーションが障害を有するか、どのような障害であるか、障害の修正方法、及び障害が修正されたかどうかの情報が必要であり得る。例えば、各障害に対してチケットが作成さ得、次いでサポート担当者が各チケットをチェックし得る。しかしながら、数千もの充電ステーションがある場合、発券システムはあまりにも多くの作業を引き起こす可能性がある。また、発券を自動化し、各充電ステーションに責任のあるメンテナンス(maintenance)担当者を置き、この担当者のために、障害ごとに自動的にチケットを作成することもできる。しかしながら、実際には、非常に多くのチケットが存在し、多くの誤報が発生する可能性がある。このため、人々はチケット及びアラートをいとも簡単に無視し始める可能性がある。メンテナンス担当者がチケットの更新を維持することを忘れることもあり、どの充電ステーションに実際に障害があるのか、どれがすでに修正されているのかがわかりにくくなる。
【0029】
充電ステーションが障害のアラート(alert)を送信した場合、充電ステーションは自動的に再起動されることもある。これはいくつかの問題を解決するかもしれないが、それらの全てではない。さらに、充電ステーションはオフラインであり得るため、リモートで再起動され得ないか、又はそもそも充電ステーションが再起動のトリガとなるアラートさえ送信しないかもしれない。
【0030】
一般的に、充電ステーションの障害は3つの標準的な方法によって検出され得る。第一の方法では、例えば、ウェブソケット接続の切断に基づいて障害が検出され得る。ウェブソケット接続が切断されると、充電ステーションはCSMSとの接続を失い、オフラインになり得る。さらに、ハートビートの欠落、すなわち、正常操作、及び/又は同期について示すために充電ステーションによって生成される周期信号に基づいて障害が検出され得る。1つ以上のハートビート/信号が欠落した場合、充電ステーションは、たとえウェブソケットが開かれていても、もはや通信しなくなる場合がある。さらに、充電ステーションに障害があることを示す障害ステータスを有する充電ステーションから受信されたステータス通知に基づいて障害が検出され得る。
【0031】
しかしながら、上記の検出方法には2つの問題がある。充電ステーションは、多くの場合、例えば、1日に数千もの多くのステータス通知を送信する。さらに、多くの場合、充電ステーションが報告する障害は自動的に解決される。そのため、個々の障害又はオフライン期間の各々を常にメンテナンス担当者にアラートする(alert)ことは合理的ではない場合がある。また、充電ステーションがオンラインであり、ハートビートを送信し、いかなる障害通知を送信していないにもかかわらず、何らかの理由でその充電ステーションにおいて充電が機能していないこともよくあることであり得る。
【0032】
目的は、電気自動車充電ステーションにおける障害を認識し、管理するための自動システムを提供することである。この方法によって、どの障害が自動的に解決され、どの障害が解決されていないかを追跡することができる。
【0033】
実施形態では、充電ステーションが障害情報を送信していないときでも、障害を認識することができる。実施形態では、障害に関するアラートは階層的に作成され得る。したがって、障害が自動的に解決されていない場合、最初に注意を要する障害が、重要度の低い障害よりも先に処理され得るように、障害の優先順位が付けられ得る。この方法は、改善された障害管理によって、電気自動車充電ステーションのネットワークの性能を向上させることができる。
【0034】
図1は、例示的な実施形態による電気自動車充電ステーションのネットワーク100の障害管理システムの例を示す。ネットワーク100は、数百の充電ステーションを備え得る。実施形態では、ネットワーク100は、少なくとも千の充電ステーションを備え得る。実施形態では、ネットワーク100は、数十万の充電ステーションを備え得る。
【0035】
各充電ステーションは、CSMSサーバ102に通信可能に結合され得る。CSMSサーバ102は、ネットワーク100から受信したトリガに基づいて1つ以上のアクションを実行するように構成され得る。CSMSサーバ102は、それぞれの充電ステーションから受信したトリガに基づいて、充電ステーションの各々についての障害優先度指数(index)を決定する(determine)ように構成され得る。
【0036】
1つ以上のアクションは、障害優先度指数に基づいて実行され得る。障害優先度指数は、一部の障害を他の障害より優先するためにCSMSサーバ102によって使用され得る。各障害104をメンテナンス106に報告する代わりに、メンテナンスが注意を払う必要があると判断された障害のみについて通知を作成するように、障害に優先順位を付けることができる。通知は、CSMSサーバ102によって開始された自動アクションが障害を解決しなかった後、及び障害優先度指数が所定の閾値を超えたときに作成され得る。したがって、メンテナンス担当者106が注意を払う必要があるアラートの数が削減され、それらの緊急性に基づいて焦点を絞ることができるため、ネットワーク100のメンテナンスが自動化され、高速化され得る。
【0037】
図2は、例示的な実施形態による電気自動車充電ステーションのネットワークの障害を管理するための方法200のフローチャートの例を示す。
【0038】
202において、方法は、少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガを検出するステップを含み得る。実施形態では、トリガは、充電ステーションがオフラインになったこと、又は何らかの他のタイプの障害が発生したことを示す健全な充電ステーションから得ることができる。健全な充電ステーションとは、充電ステーションがオンラインであり、本来の機能を果たしていること、すなわち障害がないことを指すことがある。実施形態では、トリガは、充電ステーションが回復していることを示している障害のある充電ステーションから得ることができる。これは、充電ステーションがオンラインに復帰し得、もはや障害がないこと、すなわち、本来の機能を果たしていることを意味する。
【0039】
204において、方法は、1つ以上の障害指標(indicator)を決定するステップを含み得る。障害指標は、電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、オフライン状態の頻度、障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内に拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0040】
オフライン継続時間は、それぞれの充電ステーションがどのくらいの時間オフラインであったかに関する情報を与えることができる。障害の継続時間は、それぞれの充電ステーションがどのくらいの時間障害状態にあったかに関する情報を与えることができる。継続時間は、例えば、分単位で測定され得る。実施形態では、継続時間を計算する際にトリガを使用することができる。例えば、継続時間の計算は、障害を示す第一のトリガに応答して開始され、回復を示す第二のトリガに応答して停止され得る。
【0041】
オフライン頻度は、充電ステーションが過去7日間のような所定の期間中に、合計でどのくらいの時間オフラインであったかに関する情報を与えることができる。障害の頻度は、過去7日間のような所定の期間中に、充電ステーションが報告した障害の数に関する情報を与えることができる。実施形態では、障害の数は、第二のトリガの受信後に受信した第一のトリガが新たな障害を示し得るようなトリガに基づいて決定することができる。
【0042】
拒否されたコマンドの数は、例えば、CSMSによって充電ステーションに送信されたコマンド(例えば、OCPPコマンド)のうち、充電ステーションが拒否したか、又は全く応答しなかったコマンドの数に関する情報を与えることができる。拒否されたコマンドの数は、過去7日間のような所定の期間中に受け入れられたコマンドの数と比較することができる。
【0043】
206において、方法は、1つ以上の障害指標の値を組み合わせることによって障害優先度指数を決定するステップを含み得る。障害優先度指数は、ネットワーク内の各充電ステーションについて計算することができる。実施形態では、障害優先度指数は、0~100のスケールの値を有することができ、ここで、100は、最も緊急の問題を示す。しかしながら、このスケールは、一例に過ぎない。実施形態では、計算は、以前に障害又はオフラインであると示された充電ステーションが正常な状態に戻ったとき、すなわち、充電ステーションが正常な(障害のない)ステータスの通知を送信し得るとき、又は充電ステーションが再びオンラインになったときにもトリガされ得る。
【0044】
障害優先度指数に基づいて、障害がどの程度緊急であるかが決定され得る。例えば、充電ステーションが5分間オフラインになっただけであれば、まだ緊急の問題ではないかもしれず、問題の調査が開始されるまでしばらく待つ場合がある。したがって、障害優先度指数の合計は、オフライン継続時間(オフラインから現在時刻までの時間)に基づいて決定された値を含み得る。例えば、充電ステーションが10分未満オフラインであった場合、障害指標についての障害優先度指数は0ポイントであり得る。充電ステーションが24時間を超えてオフラインであった場合、障害指標についての障害優先度指数は20ポイントであり得る。1から19までの他のポイントは、最小(例えば、10分)と最大(例えば、24時間)の時間の間で直線的に決定することができる。これは一例に過ぎず、ポイント及び時間の限界は設定可能である。
【0045】
オフライン頻度は、障害が初めての問題であるか、又は充電ステーションが以前にも問題を起こしたことがあるかを示し得る。充電ステーションに問題が多ければ多いほど、その障害は緊急性が高くなり得る。オフライン頻度に対する障害優先度指数は、所定時間中の全てのオフライン期間の継続時間を合計し、オフラインの割合を計算することによって計算することができ、オフラインの割合=オフライン継続時間(分)/所定時間の合計(分)である。オフライン継続時間が1%未満である場合、障害優先度指数値は、例えば、0ポイントであり得る。オフライン継続時間が80%超である場合、障害優先度指数値は、例えば、20ポイントであり得る。その他のポイントは、オフライン継続時間の最小(1%)と最大(80%)の間で直線的に計算することができる。これは一例に過ぎず、ポイント及び割合の限界は設定可能である。
【0046】
障害の継続時間は障害の緊急性を示し得る。例えば、充電ステーションに5分間だけ障害が発生した場合、まだ緊急の問題ではない場合がある。したがって、問題の調査が開始され得る前にしばらく待つ場合がある。障害優先度指数の合計は、直近の障害時間の継続時間(障害状態から非障害状態までの時間)に基づいて決定された値を含み得る。例えば、充電ステーションが10分未満しか障害を発生していない場合、障害指標についての障害優先度指数は0ポイントであり得る。充電ステーションが24時間を超えて障害を発生している場合、障害指標についての障害優先度指数は、例えば、20ポイントであり得る。0~20ポイントの間のその他のポイントは、最小(10分)と最大(24時間)の時間の間で直線的に決定することができる。これは一例に過ぎず、ポイント及び時間の限界は設定可能である。
【0047】
障害の頻度は、障害が初めての問題であるか、又は充電ステーションが以前にも問題を起こしたことがあるかを示し得る。充電ステーションに問題が多ければ多いほど、その障害は緊急性が高くなり得る。障害の頻度についての障害優先度指数は、所定時間中の全ての障害時間の継続時間を合計し、障害の割合を計算することによって計算することができ、オフラインの割合=障害の継続時間(分)/所定時間の合計(分)である。障害の継続時間が1%未満である場合、障害優先度指数値は、例えば、0ポイントであり得る。障害の継続時間が80%超である場合、障害優先度指数値は、例えば、20ポイントであり得る。その他のポイントは、障害の継続時間の最小(1%)と最大(80%)の間で直線的に計算することができる。これは一例に過ぎず、ポイント及び割合の限界は設定可能である。
【0048】
充電ステーションがオンラインであり、いかなる障害通知を送信していなくても、障害が発生している場合がある。例えば、充電ステーションがいくつかのメッセージに応答していない場合、充電ステーションは本来の機能を果たしていないと決定され得る。例えば、充電ステーションは、「充電を許可する」、「充電を開始する」、及び「充電を停止する」などの主要なOCPPメッセージに応答しない場合がある。障害優先度指数値は、所定の時間の間の応答されていないメッセージと拒否されたメッセージの全てを合計することによって、拒否されたコマンドの数について計算され得る。実施形態では、障害優先度指数値は、特定の主要なメッセージタイプの非応答及び/又は拒否されたメッセージの数に基づいて決定され得る。総カウントが50メッセージより多い場合、障害優先度指数値は、例えば、20ポイントであり得る。メッセージの総数が5未満の場合、障害優先度指数値は、例えば、0ポイントであり得る。1から19のその他のポイントは、例えば、5から50の間のメッセージのメッセージ数に対して直線的に計算することができる。これは一例に過ぎず、メッセージについてのポイント及び限界は設定可能である。
【0049】
208において、方法は、障害優先度指数に基づいて少なくとも1つのアクションを開始するステップを含み得る。少なくとも1つのアクションは、例えば、充電ステーションにおける1つ以上の設定を再起動又は変更するように構成された1つ以上のコマンドを送信することを含み得る。コマンドの少なくともいくつかは自動的に送信され得る。このようなリモートのアクションで問題が解決しない場合、次のアクションは、さらなる調査のためにメンテナンス担当者にメッセージを送信することであり得る。
【0050】
異なるアラートは、異なる方法で処理され得る。アラートは、作成又は更新された障害優先度指数を指すことがある。1つの選択肢は何もしない(例えば、状況がどのように進展するのかを待ち、見守る)ことである。これは、例えば、優先度の低いアラートの場合であり得る。優先度の低いアラートは、ある特定の閾値を下回る更新された障害優先度指数を指すことがある。優先度の低いアラートは、それ自体で消えるいくつかのランダムなエラーによって引き起こされる場合があり、相互作用は必要ない場合がある。
【0051】
別の選択肢は、いくつかの自動化されたアクションを使用することである。多くの場合、充電ステーションの再起動が、障害を修正するのに役立つ。再起動に加えて、例えば、ファームウェアを最新のファームウェアバージョンに更新することも、問題を克服するのに役立ち得る。さらに、自動化されたアクションは、充電ステーションのインターネット接続をリセットするために、充電ステーションのsimカードに「位置取り消し(cancel location)」メッセージを送信することを含み得る。
【0052】
1つ以上の自動アクションが実行された後、方法は、手動アクションが必要かどうかを決定するステップを含み得る。必要である場合、方法は、リモートのメンテナンス担当者又はオンサイトのメンテナンス担当者へのチケットを階層的に作成するステップを含み得る。
【0053】
例えば、まず再起動を試みることができ、それでも障害が解決しない場合、次に方法はリモートファームウェア更新を試みるステップを含み得る。それでも役立たない場合は、方法はインターネット接続のリセットを試みるステップを含み得る。1つのさらなる選択肢は、リモートメンテナンスにアラートすることである。いくつかの障害は、例えば、無効な設定、古いファームウェアバージョンなどによって引き起こされ得、これは、メンテナンス担当者によってリモートで解決することができる。1つのさらなる選択肢は、オンサイトメンテナンスにアラートすることである。例えば、何かが物理的に壊れた場合、充電ステーションの1つ以上のコンポーネントを交換するため、又は他のメンテナンス作業をオンサイトで行うために、メンテナンス担当者にアラートする必要があり得る。
【0054】
障害優先度指数は、新しいトリガが検出されるたびに更新され得る。方法は、ネットワーク内の充電ステーションの更新されたレポートを提供するステップを含み得る。レポートは、最も高い障害優先度指数を有する充電ステーションが最初になるように、障害優先度指数に基づいて障害優先度順の充電ステーションを含み得る。したがって、レポートは最も緊急の障害を示す。これは、メンテナンス担当者が、どのアラートに対応すべきかを選択するのに役立ち得る。レポートはさらに、どの会社が充電ステーションを所有し、誰がメンテナンス連絡先であるかに関する情報を含み得る。
【0055】
レポートは、充電ステーションの所有者及び連絡先担当者などの充電ステーションに関する詳細な情報を含み得る。ユーザは、報告された充電ステーションのいずれかを選択して、個々の障害に関するさらなる詳細を見ることができる。詳細な障害レポートは、例えば、充電ステーションの名前、場所、会社、連絡先情報、POI(ポイントオブインタレスト)情報などの充電ステーションの基本情報を含み得る。レポートは、障害の優先度指数がどのようなもの(障害指標)から来ているのか、問題はどの程度深刻であるか、問題を解決するために必要な可能なアクションを詳細に示すことができる。
【0056】
例示的な実施形態は、自動化されたアクションにより、手作業を可能な限り回避することを可能にし得る。さらに、手作業が必要な場合、発生した障害を手作業で修正し得る場所の可能な限り近くで行うことができるように、作業を広範囲に分散させることができる。例えば、グローバルプラットフォーム会社は、数十カ国の異なる国で事業を展開し得る。ある国から優先順位の高いアラートを受信した場合、プラットフォーム会社の中央担当者はそれを解決することができない場合がある。そのため、障害情報がどの国から受信されたのか、障害が発生した充電ステーションがどの会社に関連しているのか、その会社のどの場所にあるのかをレポートに基づいて決定し、可能な場合、その場所のメンテナンス担当者に直接アラートして、充電ステーションの何が問題なのかを確認させることができる。優先度の高いアラートは、ある特定の閾値を上回る更新された障害優先度指数を指すことがある。
【0057】
例えば、レポートは、1.1.2022~7.1.2022などの選択された時間間隔内の選択された充電ステーションの問題を示すことができる。レポートは、充電ステーションが、例えば、その時間内に3つの障害を発生していたことを示すことができる。第一の問題は、充電ステーションがオフラインであったことであり得、これは優先度の高い障害としてマークされ得る。レポートは、充電ステーションが過去7日間に73%オフラインであったことなどの、イベントに関する詳細を示すことができる。さらに、レポートは、障害のタイプ及びその優先度に基づいて、推奨されるアクションを示すことができる。第二の問題は、優先度が中程度の障害であり得、詳細は、充電ステーションが選択された時間内に15回GSM(登録商標)信号が不良であったことを示すことができる。再び、レポートは、障害及びそれらの優先度に基づいて、推奨されるアクションを示すことができる。第三の問題は、優先度の低い障害であり得る。詳細は、充電ステーションが、選択された時間間隔内に2回のコネクタロック障害を報告したことを示すことができる。優先度の低い障害は、障害のタイプ及び優先度に基づいて現在アクションを必要としない場合、推奨されるアクションがなくてもよい。
【0058】
充電ステーションに何らかの障害が発生した場合、時間が経つにつれてますます悪化する可能性がある。他方で、ファームウェアの更新のような、何らかのメンテナンスアクションによって状況が改善されることもある。したがって、現在の状況だけでなく、障害の傾向を追跡することは有益であり得る。各トリガはタイムスタンプと関連付けられ得る。障害の傾向は、ネットワーク全体の全体的なステータス及び方向性を追跡することを可能にし得る。ネットワークの障害の傾向は、タイムスタンプに基づいて、所与の期間のネットワーク内の全ての充電ステーションからの全ての障害優先度指数値を合計することによって決定することができる。各トリガはタイムスタンプと関連付けられ得る。代替的に、又は追加的に、個々の充電ステーションの障害の傾向は、所与の期間の個々の充電ステーションの障害優先度指数値を合計することによって追跡され得る。実施形態では、方法は、ユーザに表示されるこのような障害の傾向を提供することを含み得る。
【0059】
実施形態では、自動化されたアクションは階層的に実行され得る。方法は、障害優先度指数値に基づく複数の優先度レベルと、異なる優先度レベルに対するそれぞれのアクションとを決定することを含み得る。それぞれの優先度レベル専用のアクションも階層的な順序であってもよく、その結果、最初のアクションが問題を解決しない(障害優先度指数を減少させない)場合、次のアクションなどが実行され得るようになる。
【0060】
図3は、例示的な実施形態によるメンテナンスアラートを作成するためのプロセス300のフローチャートの例を示す。
【0061】
302において、方法は、充電ステーションの現在の障害優先度指数を決定するステップを含み得る。現在の障害優先度指数に基づいて、方法は、充電ステーションの優先度レベルを決定するステップを含み得る。方法は、障害優先度指数についての異なる閾値を有する複数の優先度レベルを設定するステップを含み得る。優先度レベルに基づいて、方法は、1つ以上のアクションが実行されるべきかどうか、及びそれらのアクションが何であるかを決定するステップを含み得る。
【0062】
図4は、例示的な実施形態による障害優先度指数についての閾値に基づいて実行されるアクションの例示的な構成400を示す。優先度レベル及びそれぞれのアクションはユーザによって設定可能であり得る。したがって、異なるエンティティ(entity)の異なるサービスレベルなどの異なるニーズ及び慣行(practice)を考慮することができる。実施形態では、方法は、304において、充電ステーションが属するグループを決定するステップと、そのグループについての閾値及びそれぞれのアクションの設定(configuration)に基づいて実行されるべきアクションを決定するステップとを含み得る。
【0063】
例えば、0~4ポイント(100のうち)の値を有する障害優先度指数は、最も低い優先度レベルであり得、アクションを必要としなくてもよい。第二の優先度レベルは、5~25ポイントの障害優先度指数に対して決定することができる。第二の優先度レベルでは、方法は、充電ステーションを再起動し得る第一の自動アクションを実行するステップを含み得る。第三の優先度レベルは、25~59ポイントの障害優先度指数に対して決定することができる。第三の優先度レベルでは、方法は、第一の自動アクションを実行するステップを含み得る。第一の自動アクションが障害を修正しない場合、問題はリモートメンテナンス担当者にアラートされ得る。第四の優先度レベルは、50~79ポイントの障害優先度指数に対して決定することができる。第四の優先度レベルでは、自動アクションは、第一の自動アクション及び第二の自動アクションを含み得る。第二の自動アクションは、より新しいファームウェアバージョンが存在する場合、リモートファームウェア更新を行うことを含み得る。第一の自動アクション及び第二の自動アクションが問題を修正しない場合、問題はリモートメンテナンスに報告され得る。第五の優先度レベルは、80~100ポイントの障害優先度指数に対して決定することができる。第五の優先度レベルでは、自動アクションは、第一、第二、及び第三の自動アクションを含み得る。第三の自動アクションは、充電ステーションのインターネット接続をリセットすることを含み得る。例えば、方法は、アラートに応答して自動アクションの各々を実行するステップを含み得る。あるいは、自動アクションは、問題が修正されるまで、又は問題が修正されずに各自動アクションが実行され、例えば、アラートがリモートメンテナンス又はローカルメンテナンスに転送されるまで、1つずつ実行され得る。
【0064】
306において、方法は、自動アクションの後に新しい障害優先度指数値を計算するステップを含み得る。308において、方法は、新たな障害優先度指数値が依然としてメンテナンスアクションを必要とするかどうかを決定するステップを含み得る。例えば、優先度レベルが変化していない場合、310において、その優先度レベルのために設定された別の自動アクションが実行され得る。自動アクションのいずれによっても障害が修正されない場合、問題はリモートメンテナンスに報告され得る。それでも役立たない場合、問題はローカルメンテナンスに報告され得る。
図4の例に示されているように、設定された自動アクションが問題を解決するのに十分ではない場合、優先度のより高いレベルの問題だけがリモート又はオンサイトメンテナンスに通知され得る。したがって、自動又はリモートで解決できない最も緊急性の高い問題だけが、オンサイトメンテナンスに報告され得る。
【0065】
図5は、例示的な実施形態による、メンテナンスアラートを作成するための電気自動車充電ステーションのネットワーク500の階層モデルの例を示す。
【0066】
各電気自動車充電ステーションは、1つ以上のグループ502、504、506、508、510、512、514に属し得る。グループは、1つの親グループ514が複数の子グループ502、504、506、508、510、512を有し得る階層を形成し得る。より高いレベルの子グループ506、512は、より低いレベルの子グループ502、504、508、510についての親グループでもあり得る。各グループレベルは、専用のメンテナンス連絡先を有し得る。メンテナンス連絡先は、リモートメンテナンスタスク又はオンサイトメンテナンスタスクのうちの少なくとも一方を担当することができる。したがって、メンテナンスは複数のレベルで検討され得、必要に応じてグループレベルに沿ってアラートがエスカレート(escalate)され得る。例えば、あるグループが何らかの理由でいくつかの障害を管理及び修正しない場合、その問題は親グループにエスカレートされ得る。一般的に、親グループはそれらの子グループに対して責任を負い得る。
【0067】
実施形態では、方法は、アラートを階層的に優先順位付けするステップを含み得る。アラート及びアラートの緊急度は、各グループに対して決定することができる。親グループレベルでは、いくつかの親グループは、いくつかのグループのピクチャ(picture)を見るために一緒に計算され得る。さらに、障害がどこにあるかというドリルダウンの可能性を作り出すために、グループはいくつかのレベルで一緒にグループ化され得る。これはさらに、グループの階層レベルで、あるレベルから別のレベルへのエスカレーションロジックを可能にし得る。
【0068】
各子グループ502、504、506、508、510、512は、ある特定の数の障害を有し得る。さらに、障害の障害優先度指数ポイントの合計を、グループに対して決定することができる。親グループ514の障害及び障害優先度指数は、全ての子グループ502、504、506、508、510、512の値の合計に基づいて決定される。あるより低いレベルのグループ502、504、506、508、510、512が1つ以上の障害の管理及び修正に失敗した場合、問題は親グループ514にエスカレートされ得る。しかしながら、問題をすぐに、又は非常に安易にエスカレートさせるべきではない。目的は、1つ以上の充電ステーションに深刻な問題があり得る場合のみに問題をエスカレートすることである。
【0069】
実施形態では、方法は、エスカレーション指数を決定するステップを含み得る。エスカレーション指数とは、あるグループの充電ステーションにおいて、障害に関するアラートがより高いレベルのグループにエスカレートされる前に、どれだけの深刻な障害があるかを示す数値を指す。エスカレーション指数は、障害の単純な合計値又は平均値だけとは限らない場合がある。
【0070】
例えば、あるグループに10箇所の充電ステーションがあり、そのうちの1箇所に深刻な障害があった場合、障害の平均数は高く、すなわち、充電ステーションの10%に障害がある。この場合、1箇所の充電ステーションに障害があるだけなので、エスカレーションを発生させる必要はない。
【0071】
エスカレーションロジックをより適切にするために、それぞれのグループ内の障害を有する充電ステーションの合計、及びそれらの障害の障害優先度指数である、2つの指標がエスカレーション指数のために組み合わされる。したがって、優先度の低い障害を有する充電ステーションが多い場合、エスカレーションの必要はなくてもよい。他方で、優先度の高い障害を有する充電ステーションが多い場合、エスカレーションがトリガされ得る。
【0072】
実施形態では、エスカレーション指数は、25ポイント以上の障害優先度指数値を有する障害充電ステーションの数、25ポイント以上の障害優先度指数ポイントの合計、及び25ポイント未満の障害優先度指数値を有する健全な充電ステーションの数に基づいて決定することができる。エスカレーション指数は、以下のように決定することができる:
エスカレーション指数=(障害充電ステーションの数*障害優先度指数ポイントの合計)/(健全なステーションの数)。
【0073】
例えば、第一のグループには、920(1000ポイントが最大である)の障害優先度指数ポイントの合計数を有する10箇所の充電ステーションが存在し得る。さらに、第一のグループは500箇所の健全な充電ステーションを有し得る。したがって、エスカレーション指数は、(10*920)/500=18.4となる。
【0074】
別の例として、第二のグループには、500(最大ポイントは2000である)の障害優先度指数ポイントの合計数を有する20箇所の充電ステーションが存在し、30箇所の健全な充電ステーションが存在し得る。ここで、エスカレーション指数は、(20*500)/30=333となる。したがって、障害優先度指数ポイントの合計数が第一のグループの方が高いにもかかわらず、エスカレーション指数に基づくと、第二のグループの状況が第一のグループの状況よりもはるかに悪い。
【0075】
実施形態では、方法は、障害の管理がそれぞれの親グループにエスカレートされる前に、各子グループに対するエスカレーション指数制限を決定するステップを含み得る。例えば、グループ1の506に対するエスカレーション指数制限は150であり得、グループ2の512に対するエスカレーション指数制限は100であり得、グループ1.1の504に対するエスカレーション指数制限は130であり得る。したがって、グループ1の506は、より低いレベル(グループ1.1の504及びグループ1.2の502)のエスカレーション指数が150以上である場合、エスカレーションアラートを受信することができる。エスカレーション指数制限のいずれかは、例えば、グループ内の充電ステーションの数が変化したときに更新され得る。エスカレーション指数制限が超過されると、方法は、メンテナンスにレポートを送信するステップを含み得る。例えば、各グループは、主要なメンテナンス連絡先担当者を有し得る。レポートは、例えば、電子メール又はウェブページを介して送信することができる。レポートは、どの組織がどこに問題を抱えているかの概要を含み得、詳細へのドリルダウンも可能である。
【0076】
実施形態では、レポートは、グループについての全体的な障害優先度指数、不健全な充電ステーションの数、健全な充電ステーションの数、及びグループの障害指標の1つ以上の合計に関するデータを含み得る。メンテナンス担当者は、グループ内の障害を発生した充電ステーションのリスト及びそれらの個々の障害優先度指数などの、さらなる詳細を検索することができる。さらに、レポートは、メンテナンス担当者が、発生した各障害、障害の優先度レベル、障害指標、推奨されるアクション、及び実行されたアクションなどの、個々の充電ステーションに関する詳細を調査することを可能にすることができる。したがって、緊急の障害の管理を最適化することができる。
【0077】
図6は、1つ以上の例示的な実施形態を実行するように構成された装置600の例を示す。
【0078】
装置600は、少なくとも1つのプロセッサ602を備えてもよい。少なくとも1つのプロセッサ602は、例えば、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、DSPが付属するか又は付属しない処理回路などの、例えば、様々な処理デバイス、又は例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータチップなどの集積回路を含む様々な他の処理デバイスのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0079】
装置600は、少なくとも1つのメモリ604をさらに備えてもよい。メモリは、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアを操作する、例えば、コンピュータプログラムコード606などを記憶するように構成され得る。メモリ604は、1つ以上の揮発性メモリデバイス、1つ以上の不揮発性メモリデバイス、及び/又はそれらの組み合わせを備えてもよい。例えば、メモリは、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスクドライブ、磁気テープなど)、光磁気記憶デバイス、又は半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能なPROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)など)として具現化され得る。
【0080】
装置200が、充電ステーションなどの他の装置に/他の装置から、情報を送信及び/又は受信することを可能にするように構成された通信インタフェース608を装置600はさらに備えてもよい。通信インタフェースは、例えば、3GPP(登録商標)モバイルブロードバンド接続(例えば、3G、4G、5G)などの少なくとも1つの無線通信接続を提供するように構成され得る。しかしながら、通信インタフェースは、1つ以上の他のタイプの接続、例えば、IEEE802.11シリーズ又はWi-Fiアライアンスで規格化されたものなどの、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)接続、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(近距離無線通信)又はRFID接続などの近距離無線ネットワーク接続、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続又は光ネットワーク接続などの有線接続、又は有線インターネット接続を提供するように構成され得る。通信インタフェース208は、無線周波数信号を送信及び/又は受信するように、少なくとも1つのアンテナを含むことができるか、又は少なくとも1つのアンテナに結合されるように構成され得る。様々なタイプの接続のうちの1つ以上は、また、複数のアンテナに結合され得るか、又は結合されるように構成され得る別個の通信インタフェースとして実装され得る。装置600は、入力デバイス及び/又は出力デバイスを備えるユーザインタフェース610をさらに備えてもよい。
【0081】
装置600がいくつかの機能を実装するように構成されている場合、例えば、少なくとも1つのプロセッサ602及び/又はメモリ604などの装置600のいくつかのコンポーネント及び/又は複数のコンポーネントが、この機能を実装するように構成され得る。さらに、少なくとも1つのプロセッサ602がいくつかの機能を実装するように構成されている場合、この機能は、例えば、メモリ604内に含まれるプログラムコード606を使用して実装され得る。
【0082】
本明細書に記載される機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェアコンポーネントなどの1つ以上のコンピュータプログラム製品コンポーネントによって実行され得る。実施形態によれば、装置は、実行されたときにプログラムコードによって、本明細書に記載された操作及び機能の実施形態を実行するように構成される、例えばマイクロコントローラなどのプロセッサ又はプロセッサ回路を備える。代替的又は追加的に、本明細書に記載される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実行され得る。例えば、限定されないが、使用され得るハードウェア論理コンポーネントの例示的なタイプには、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、グラフィック処理ユニット(GPU)が含まれる。
【0083】
装置600は、本明細書に記載される少なくとも1つの方法を実行するための手段を備える。一実施例では、手段は、少なくとも1つのプロセッサ602を備え、少なくとも1つのプロセッサ602によって実行されると、装置600に方法を実行させるように構成されるプログラムコード606を含む少なくとも1つのメモリ604を備える。
【0084】
装置600は、例えば、サーバデバイス、クライアントデバイス、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップなどのコンピューティングデバイスを備えてもよい。装置600は単一のデバイスとして示されているが、適用可能であれば、装置600の機能は複数のデバイスに分散されてもよいことが理解される。一実施例では、装置600はCSMSサーバデバイスを備えてもよい。
【0085】
技術の進歩に伴い、本発明の基本概念が様々な方法で実装され得ることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明及びその実施形態は、上記の実施例に限定されず、代わりに特許請求の範囲内において変化し得る。
【0086】
方法のさらなる特徴は、添付の特許請求の範囲及び明細書全体に記載された装置の機能性及びパラメータから直接的に生じるものであり、したがってここでは繰り返さない。方法の1つ以上の操作は、異なる順序で実行されてもよいことに留意されたい。
【0087】
装置は、本明細書に記載される方法の任意の態様を実行するか、又は実行させるように構成され得る。さらに、コンピュータプログラムは、実行されたときに、本明細書に記載される方法の任意の態様を装置に実行させるための命令を含み得る。さらに、装置は、本明細書に記載される方法の任意の態様を実行するための手段を含み得る。例示的な実施形態によれば、手段は、少なくとも1つのプロセッサ、及びプログラムコードを含むメモリを備え、少なくとも1つのメモリ及びプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、方法の任意の態様を実行させるように構成される。
【0088】
本明細書で与えられる任意の範囲又はデバイスの値は、求められる効果を失うことなく、拡張又は変更され得る。また、明示的に禁止されない限り、いずれかの実施形態を別の実施形態と組み合わせることができる。
【0089】
構造的特徴及び/又は行為に特有の言語で主題を説明しているが、添付の特許請求の範囲で規定されている主題は、必ずしも上述した特定の特徴又は行為に限定されるとは限らないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実装する例として開示され、他の等価な特徴及び行為は、特許請求の範囲内にあると意図されている。
【0090】
上述した利益及び利点は、一実施形態に関連し得るか、又は複数の実施形態に関連し得ることを理解されたい。実施形態は、記載された問題のいずれか又は全てを解決するもの、あるいは記載された利益及び利点のいずれか又は全てを有するものに限定されない。さらに、「1つの」項目への言及は、それらの項目のうちの1つ以上を指し得ることを理解されたい。
【0091】
本明細書で説明された方法の操作は、任意の適切な順序で、又は必要に応じて同時に実行することができる。さらに、個々のブロックは、本明細書に記載される主題の範囲から逸脱することなく、方法のいずれかから削除されてもよい。上述した実施形態のいずれかの態様は、求められる効果を失うことなく、さらなる実施形態を形成するために説明される他の実施形態のいずれかの態様と組み合わされてもよい。
【0092】
「含む」という用語は、特定された方法、ブロック又は要素を含むことを意味するために本明細書で使用されるが、そのようなブロック又は要素は、排他的なリストを含まず、方法又は装置は、追加のブロック又は要素を含んでもよい。
【0093】
本出願で使用される場合、「回路」という用語は、以下の1つ以上又は全てを指すことがある:(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログ回路及び/又はデジタル回路のみの実装など)、及び(b)ハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせ、例えば(該当する場合):(i)アナログ及び/又はデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、ならびに(ii)携帯電話又はサーバなどの装置に様々な機能を実行させるために協働するソフトウェアを伴うハードウェアプロセッサの任意の部分(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェア、及びメモリ、ならびに(c)操作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするマイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部などのハードウェア回路及び/又はプロセッサ(しかし、操作のために必要とされない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい)。回路のこの定義は、あらゆる特許請求の範囲を含む、本出願におけるこの用語の全ての使用に適用される。
【0094】
さらなる例として、本出願で使用される場合、回路という用語は、単にハードウェア回路又はプロセッサ(又は複数のプロセッサ)、あるいはハードウェア回路又はプロセッサの一部、並びにそれ(又はそれら)に付随するソフトウェア及び/又はファームウェアの実装も対象とする。また、回路という用語は、例えば、特定の特許請求の範囲の要素に適用可能であれば、モバイルデバイス用のベースバンド集積回路又はプロセッサ集積回路、あるいはサーバ、セルラーネットワークデバイス、又は他のコンピューティング又はネットワークデバイスにおける同様の集積回路も対象とする。
【0095】
上記の説明は、単に例として与えられており、当業者であれば様々な修正を行うことができることを理解されたい。上記の明細書、実施例及びデータは、例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。様々な実施形態が、ある程度の特殊性で、又は1つ以上の個々の実施形態を参照して上記に説明されているが、当業者であれば、本明細書の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して多数の変更を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(600)によって実行される方法(200)であって、
少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガを検出するステップ(202)と、
前記電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、前記オフライン状態の頻度、障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内の拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含む
複数の障害指標を決定するステップ(204)と、
前記障害指標の値を組み合わせることによって前記障害優先度指数を計算するステップ(206)と、
前記障害優先度指数についての異なる所定の閾値を有する複数の優先度レベルに基づいて前記障害優先度指数の優先度レベルと、前記優先度レベルに専用の1つ以上のアクションとを決定するステップ(302)と、
前
記障害優先度指数
の前記優先度レベルに基づいて前記少なくとも1つの充電ステーションにおける障害を管理するため
に、前記電気自動車充電ステーションで再起動又は1つ以上の設定の変更の少なくとも1つを行うように構成された1つ以上のコマンドを自動的に送信することを含む少なくとも1つのアクションを開始するステップ(206)と、
前記少なくとも1つのアクションを実行した後に、前記電気自動車充電ステーションの前記障害優先度指数を更新するステップ(306)と、
更新された前記障害優先度指数が、前記障害がまだ存在することを示す場合、前記障害優先度指数の前記優先度レベルに従って別のアクションを開始するステップ(310)と
を含む、方法(200)。
【請求項2】
前記トリガが、前記電気自動車充電ステーションがオフラインであることの表示、前記電気自動車充電ステーションからの障害ステータスの通知、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドの拒否、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドに対する応答の失敗、又は前記電気自動車充電ステーションによる正常状態への復帰のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法(200)。
【請求項3】
前記オフライン状態の前記頻度が、前記所定の間隔内の前記電気自動車充電ステーションの前記オフライン状態の合計継続時間に基づいて決定される、請求項1又は2に記載の方法(200)。
【請求項4】
前記障害の前記頻度が、前記所定の間隔内の前記電気自動車充電ステーションの前記障害の合計継続時間に基づいて決定される、請求項1
又は2に記載の方法(200)。
【請求項5】
前記
1つ以上のアクションが、前記障害優先度指数に基づく緊急度の順に前記電気自動車充電ステーションのリストを提供すること、前記障害を修正する方法の推奨を提供すること、前記電気自動車充電ステーションを再起動すること、前記電気自動車充電ステーションに対してファームウェア更新を実行すること、前記充電ステーションのインターネット接続をリセットすること、リモートメンテナンスにアラートすること、又はオンサイトメンテナンスにアラートすることのうちの少なくとも1つを含む、請求項1
又は2に記載の方法(200)。
【請求項6】
複数の電気自動車充電ステーションを複数の子グループにグループ分けするステップと、
前記複数の子グループを1つ以上の親グループにグループ分けするステップと、
各グループに対するエスカレーション指数を、前記グループ内の障害のある電気自動車充電ステーションの数に、前記グループ内の前記障害優先度指数の合計を乗算し、その値を前記グループ内の障害のない電気自動車充電ステーションの数で除算することにより、決定するステップと、
前記エスカレーション指数が前記子グループに対する所定の制限を超えた場合、前記親グループの連絡先担当者に通知を提供するステップと
をさらに含む、請求項1
又は2に記載の方法(200)。
【請求項7】
電気自動車充電ステーションの障害を管理するための装置(600)であって、前記装置が、少なくとも1つのプロセッサ(602)と、少なくとも1つのメモリ(604)とを備え、前記少なくとも1つのメモリ(604)が、前記少なくとも1つのプロセッサ(602)により、前記装置(600)に、少なくとも
少なくとも1つの電気自動車充電ステーションに対する障害優先度指数を計算するためのトリガを検出させ、
前記電気自動車充電ステーションにおける、オフライン状態の継続時間、前記オフライン状態の頻度、前記障害の継続時間、障害の頻度、又は所定の間隔内の拒否されたコマンドの数のうちの少なくとも1つを含む
複数の障害指標を決定させ、
前記
複数の障害指標の値を組み合わせることによって前記障害優先度指数を計算させ、
前記障害優先度指数についての異なる所定の閾値を有する複数の優先度レベルに基づいて前記障害優先度指数の優先度レベルと、前記優先度レベルに専用の1つ以上のアクションとを決定させ(302)、
前記障害優先度指数
の前記優先度レベルに基づいて前記少なくとも1つの充電ステーションにおける障害を管理するため
に、前記電気自動車充電ステーションで再起動又は1つ以上の設定の変更の少なくとも1つを行うように構成された1つ以上のコマンドを自動的に送信することを含む少なくとも1つのアクションを開始させ、
前記少なくとも1つのアクションを実行した後に、前記電気自動車充電ステーションの前記障害優先度指数を更新させ(306)、
更新された前記障害優先度指数が、前記障害がまだ存在することを示す場合、前記障害優先度指数の前記優先度レベルに従って別のアクションを開始させる(310)
ように構成されたプログラムコード(606)を含む、装置(600)。
【請求項8】
前記トリガが、前記電気自動車充電ステーションがオフラインであることの表示、前記電気自動車充電ステーションからの障害ステータスの通知、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドの拒否、前記電気自動車充電ステーションによるコマンドに対する応答の失敗、又は前記電気自動車充電ステーションによる正常状態への復帰のうちの少なくとも1つを含む、請求項
7に記載の装置(600)。
【請求項9】
前記
1つ以上のアクションが、前記障害優先度指数に基づく緊急度の順に前記電気自動車充電ステーションのリストを提供すること、前記障害を修正する方法の推奨を提供すること、前記電気自動車充電ステーションを再起動すること、前記電気自動車充電ステーションに対してファームウェア更新を実行すること、前記充電ステーションのインターネット接続をリセットすること、リモートメンテナンスにアラートすること、又はオンサイトメンテナンスにアラートすることのうちの少なくとも1つを含む、請求項
7又は8に記載の装置(600)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に、
複数の電気自動車充電ステーションを複数の子グループにグループ分けさせ、
前記複数の子グループを1つ以上の親グループにグループ分けさせ、
各グループに対するエスカレーション指数を、前記グループ内の障害のある電気自動車充電ステーションの数に、前記グループ内の前記障害優先度指数の合計を乗算し、その値を前記グループ内の障害のない電気自動車充電ステーションの数で除算することにより、決定させ、
前記エスカレーション指数が前記子グループに対する所定の制限を超えた場合、前記親グループの連絡先担当者に通知を提供させる
ように構成されたプログラムコードをさらに含む、請求項
7又は8に記載の装置(600)。
【請求項11】
コンピュータによって実行されると、請求項
1に記載の方法(200)を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】