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特表2024-544301少なくともメロシアニン及びヒドロトロープを含む化粧用又は皮膚用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】少なくともメロシアニン及びヒドロトロープを含む化粧用又は皮膚用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20241121BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20241121BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20241121BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241121BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/44
A61K8/49
A61K8/365
A61K8/46
A61K8/36
A61K8/41
A61K8/55
A61K8/42
A61Q19/00
A61Q17/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535979
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2022085439
(87)【国際公開番号】W WO2023110772
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】2113867
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フラヴィ・ジラン
(72)【発明者】
【氏名】マルタン・ジョソ
(72)【発明者】
【氏名】マノン・ドマンジュ
(72)【発明者】
【氏名】マリー-リーズ・シロン
(72)【発明者】
【氏名】マックス・ドンブロウスキー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB152
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC311
4C083AC331
4C083AC332
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC511
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC611
4C083AC621
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD222
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD662
4C083CC02
4C083CC19
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE12
4C083EE17
(57)【要約】
少なくともメロシアニン及びヒドロトロープを含む化粧用又は皮膚用組成物
本発明は、水性相と、式(I)のメロシアニン:
と、ニコチンアミド、カフェイン、サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープとを含む、化粧用又は皮膚用組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にケラチン物質をメイクアップ及び/又はケアするための、化粧用又は皮膚用組成物であって、少なくとも水性相と、
- 以下の式(I)の少なくとも1種のメロシアニン及びそのE/E又はE/Z幾何異性体形態:
【化1】
(式中、
- Aは、-O-又は-NHであり、
- Rは、C1~C22アルキル基、C2~C22アルケニル基、C2~C22アルキニル基、C3~C22シクロアルキル基、又はC3~C22シクロアルケニル基であり、前記基が1つ又は複数のOによって中断されることが可能である)と、
- ニコチンアミド、カフェイン、サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープと
を含む、化粧用又は皮膚用組成物。
【請求項2】
少なくとも式(I)のメロシアニンとして、以下の化合物及びそのE/E又はE/Z幾何異性体形態から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【表1A】
【表1B】
【請求項3】
式(I)のメロシアニンが、以下の構造を有するそのE/Z幾何立体配置:
【化2】
及び/又は以下の構造を有するそのE/E幾何立体配置:
【化3】
にある化合物2-エトキシエチル(2Z)-シアノ{3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン}エタノエート(C)である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のメロシアニンの含有量が、前記組成物の総質量に対して0.1質量%~25質量%、優先的には0.2質量%~20質量%、より優先的には0.5質量%~10質量%、なおも更により良好には1質量%~5質量%の範囲に及ぶ、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ニコチンアミド、カフェイン、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加のヒドロトロープ、好ましくは少なくとも1種のサリチル酸塩を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
ヒドロトロープとして少なくともニコチンアミドを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ヒドロトロープの含有量が、前記組成物の総質量に対して0.1質量%~20質量%、具体的には0.1質量%~10質量%、好ましくは0.5質量%~10質量%、特に0.5質量%~3質量%の範囲に及ぶ、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
式(I)のメロシアニン/ヒドロトロープの質量比が、0.01~8、好ましくは0.02~5、具体的には0.05~3、より具体的には0.1~1.5の範囲に及ぶ、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ニコチンアミド、カフェイン、及びサリチル酸ナトリウムから選択される少なくとも2種の異なるヒドロトロープを含み、式(I)のメロシアニン/ヒドロトロープの質量比が、0.01~5、好ましくは0.02~3、具体的には0.05~2、より優先的には0.1~1.5の範囲に及ぶ、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ニコチンアミド及びカフェインから選択される2種の異なるヒドロトロープを含み、これらの2種のヒドロトロープ間の質量比が、0.2~5、具体的には0.5~3、より優先的には0.8~1.2の範囲に及ぶ、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種のアルコール、具体的にはモノアルコール、好ましくはエタノールを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の炭酸アルキレン、好ましくは炭酸プロピレンを更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のポリオール、特にエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、カプリリルグリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)、及びこれらの混合物から選択されるもの、具体的にはプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びこれらの混合物から選択されるもの、好ましくはジプロピレングリコールであるものを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
好ましくは前記組成物の総質量に対して0.5質量%~80質量%、好ましくは1質量%~40質量%、より優先的には3質量%~20質量%の範囲に及ぶ少なくとも1種の脂肪相を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
式(I)のメロシアニンとは異なる少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤を更に含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
ケラチン物質、特に身体又は顔面、好ましくは顔面のケラチン物質をケアするための化粧用組成物であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
ケラチン物質、特に身体及び/又は顔面のケラチン物質をケアするための美容方法であって、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物を前記ケラチン物質に適用する少なくとも1つの工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン物質のケア及び/又はメイクアップ、具体的には、ケラチン物質、特に皮膚のケアの分野に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、日焼け止めの分野に関し、より具体的には、感覚認知及び安定性の点で有利な特性を有するケラチン物質の抗UV防護に特化した光防護性化粧用又は皮膚用組成物に関する。
【0003】
本発明の目的で、「ケラチン物質」という用語は、特に、皮膚、唇、及び/又はまつ毛、具体的には皮膚及び/又は唇、好ましくは身体及び/又は顔面、より優先的には顔面の皮膚を指す。
【背景技術】
【0004】
280nmから400nmの間の波長の照射がヒトの表皮の日焼けを可能にすること、及びUVB線という名称で知られている280から320nmの間の波長の照射が自然な日焼けの進行に害をなすことが、知られている。曝露はまた、表皮の生体力学的特性の有害な変化ももたらしやすく、この変化はしわの出現に反映され、皮膚の早期老化をもたらす。
【0005】
また、320から400nmの間の波長のUVA線は、UVB線よりも皮膚に深く浸透することが知られている。UVA線は、皮膚の即時的及び持続的な日焼けを引き起こす。通常の条件下での日常的なUVA線への曝露は、たとえ短期間であっても、コラーゲン線維及びエラスチンに損傷をもたらす可能性があり、これは、皮膚のマイクロレリーフの変性、しわの出現、及び偏在する色素沈着(肝斑、顔肌の不均一性)に反映される。
【0006】
したがって、UVA及びUVB照射からの防護が必要である。有効な光防護性製品は、UVA照射とUVB照射のいずれに対しても防護すべきである。
【0007】
現在までに、UVA及び/又はUVB照射によって誘発される影響を克服するために、広範な光防護性組成物が提案されてきた。それらは一般に、有機UV遮蔽剤及び/又は無機UV遮蔽剤を含有し、それら自体の化学的性質によって、及びそれら自体のUV照射の吸収、反射、又は散乱による特性によって機能する。それらは一般に、脂溶性有機遮蔽剤及び/又は水溶性UV遮蔽剤を、二酸化チタン又は酸化亜鉛等の金属酸化物顔料と組み合わせた混合物を含有する。
【0008】
これまでに、皮膚の黒ずみを制限し、顔肌の色調及び均一性を改善するための化粧用組成物が、多く提案されてきた。日焼け止め製品の分野では周知であるが、そのような組成物は、UV遮蔽剤、特にUVB遮蔽剤を使用することによって得ることができる。一部の組成物は、UVA遮蔽剤も含有する場合がある。この遮蔽系は、全体的な色素沈着を促進するメラニンの新合成を制限及び制御する目的でUVB防護を含まなければならないが、皮膚の色の黒ずみをもたらす既存のメラニンの酸化を制限及び制御するためにはUVA防護も含まなければならない。
【0009】
しかしながら、皮膚の光防護、並びに特に皮膚の質を色及びその機械的弾性特性の両方の点で改善するのに特に好適である、UV遮蔽剤の特定の組合せを含有する組成物を見出すことは、極めて困難である。
【0010】
有利なことに、この改善は、メラニン色素の負荷又は既に皮膚に存在するメラニンの構造のいずれも増強させない目的で、既に色素沈着した皮膚において特に所望される。
【0011】
有機UV遮蔽剤の大半は、280から370nmの間の波長範囲で吸収する芳香族化合物からなる。それらの太陽光照射遮蔽能力に加えて、所望される光防護性化合物はまた、良好な化粧特性、通常の溶媒中への良好な溶解度、及び単独又は他のUV遮蔽剤との組合せでの良好な光安定性も有する必要がある。それらはまた、無色又は少なくとも消費者に化粧用として許容される色でなければならない。
【0012】
これらの組成物のこれまでに知られている主要な欠点のうちの1つは、これらの遮蔽系が、UVスペクトル全体にわたってUV照射を遮蔽する系によって光に誘発される色素沈着及びその進行を制御する目的で、UV照射、特に波長が370nmを超える長波長UVA照射に対して、有効性が不十分であることである。
【0013】
この目的に推奨されている全ての化合物でもとりわけ、炭素を保有するメロシアニン誘導体からなるUV遮蔽剤の有益な一系統が、提案されている。
【0014】
具体的には、メロシアニン型のUV遮蔽剤を含む多くの化粧用組成物が、先行技術分野、例えば、米国特許第4,195,999号、出願WO2004/006878、2004年3月4日に公開された文書IP COM Journal 4 (4)、16 No.IPCOM000011179D、又は出願WO2014/111570において公知である。
【0015】
これらの化合物は、長波長UVA照射範囲において非常に良好な遮蔽特性を有する。更に、化粧料におけるこれらの遮蔽剤の使用は、安全であると考えられ、急性毒性を示さず、目の刺激も、皮膚の敏感さも、遺伝子毒性も誘発しない。
【0016】
結果として、その多数の有益な特性に起因して、化粧用及び皮膚用の分野においてメロシアニン型のUV遮蔽剤を、様々なガレヌス形態(galenic form)で、特に、例えば0.1質量%~3質量%程度の多量で配合することが長期にわたり求められている。
【0017】
しかしながら、これらのUV遮蔽剤は、通常の溶媒中にはあまり十分な溶解度を有さず、ある特定のメロシアニンについては不十分な光安定性を有する。
【0018】
通常の溶媒中へのより良好な溶解度及びより良好な光安定性を有する他のメロシアニンを探求する目的で、出願WO2013/011094は、良好な長波長UVA遮蔽効率を示すヒドロキシル及びエーテル官能基から構成される極性基を含むメロシアニンを提案している。しかしながら、これらの特定のメロシアニンの油中への溶解度は、依然として完全に十分というわけではなく、手間のかかる配合方法を必要とすることが多い。更に、この種類のメロシアニンを溶解させるために必要とされる大量の溶媒により、適用時のべたつき及び油っぽさといった化粧上の問題が生じ得る。
【0019】
加えて、多くの化粧用ガレヌス形態、例えば、セラム又は水性ゲルは、脂肪相が欠如している。したがって、この解決策は、そのような組成物で遭遇する問題に対して対応することを可能にするものではない。
【0020】
したがって、水性媒体中にメロシアニン型のUV遮蔽剤を配合することを可能にすることが必要である。具体的には、化粧用の品質及び性能の利益のために、この水性媒体は、単相媒体であることが有利である。しかしながら、この遮蔽剤は、そのような媒体中への可溶性が非常に弱いことが判明している。例えば、以下の実施例A4において合成したメロシアニン(C)は、20℃で0.5g/l程度の水溶性しか有さず、これは、その遮蔽性能を発揮するには有害であることを示す。
【0021】
結果として、十分な感覚的結果を保持しながら、可能な限り低い環境上の影響で、水性相においてメロシアニン型の化合物を使用することは、非常に困難なままである。
【0022】
本発明の開示
本発明の目的は、上述の技術的問題を解決することである。
【0023】
上記に関して、したがって、特に適用時の感覚特性に関して、十分な化粧特性を有しながら、水性相中にメロシアニン型のUV遮蔽剤を含む化粧用及び/又は皮膚用組成物を消費者に提供する必要が残っていることは、明らかである。
【0024】
したがって、光防護性配合物において、特に長期間にわたり、これらのメロシアニンの水溶性を改善する必要性が残っている。
【0025】
具体的には、感覚への影響を有する共溶媒の使用を制限することによって、メロシアニン型の遮蔽剤の水溶性を増加させる必要性が残っている。
【0026】
したがって、水性相中にメロシアニン型の遮蔽剤を含有し、皮膚への適用中であるか乾燥した後であるかに関係なく良好なレベルの感覚的心地よさを提供する、化粧用及び/又は皮膚用組成物、特に光防護性組成物に対する必要性が残っている。
【0027】
最後に、特に環境に関する現在の消費者の需要に適合する組成物を有する必要性もまた、残っている。
【0028】
本発明は、これらの必要性を満たすことを特に対象としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第4,195,999号
【特許文献2】WO2004/006878
【特許文献3】米国特許第4,749,643号
【特許文献4】WO2014/111570
【特許文献5】WO2013/011094
【特許文献6】WO2007/071582
【特許文献7】WO2008/155059
【特許文献8】米国特許第5624663号
【特許文献9】欧州特許第0669323号
【特許文献10】米国特許第2463264号
【特許文献11】米国特許第5237071号
【特許文献12】米国特許第5166355号
【特許文献13】英国特許第2303549号
【特許文献14】ドイツ特許第19726184号
【特許文献15】欧州特許第893119号
【特許文献16】EP0832642
【特許文献17】EP1027883
【特許文献18】EP1300137
【特許文献19】DE10162844
【特許文献20】WO93/04665
【特許文献21】DE19855649
【特許文献22】EP0967200
【特許文献23】DE19746654
【特許文献24】DE19755649
【特許文献25】EP1008586
【特許文献26】EP1133980
【特許文献27】EP0133981
【特許文献28】WO2007/071584
【特許文献29】WO2009/063392
【特許文献30】米国特許第6225467号
【特許文献31】WO2004/085412
【特許文献32】WO06/035000
【特許文献33】WO06/034982
【特許文献34】WO06/034991
【特許文献35】WO06/035007
【特許文献36】WO2006/034992
【特許文献37】WO2006/034985
【特許文献38】欧州特許第0841341号
【特許文献39】EP0518773
【特許文献40】フランス特許第2977490号
【特許文献41】WO2013/004777
【特許文献42】US2014/0134120
【特許文献43】特開2003-128788
【特許文献44】特開2000-191789
【特許文献45】特開平09-188830
【特許文献46】特開平10-158450
【特許文献47】特開平10-158541
【特許文献48】特開平07-258460
【特許文献49】特開平05-017710
【特許文献50】EP-A-1086683
【特許文献51】米国特許第4077441号
【特許文献52】米国特許第4850517号
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】IP COM Journal 4 (4)、16 No.IPCOM000011179D
【非特許文献2】J. Org. Chem. USSR (English Translation) 26(8)、p.1562f (1990)
【非特許文献3】J. Heterocycl. Chem. 33(3)、763~766頁(1996)
【非特許文献4】Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 11、1537~1543頁(1984)
【非特許文献5】Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 3、397~404頁(1982)
【非特許文献6】Chem. Heterocycl. Comp. (English Translation)、24(8)、914~919頁(1988)
【非特許文献7】Synthetic Communications、33巻、3号、2003、367~371頁
【非特許文献8】IP.com Journal (2009)、9(5A)、29-30 IPCOM000182396D、表題「Process for producing 3-amino-2-cyclohexan-1-ylidene compounds」
【非特許文献9】B. Winklerら、Tetrahedron Letters、55 (2014) 1749~1751頁、表題「A cyclic merocyanine UV-A absorber: mechanism of formation and crystal structure」
【非特許文献10】1992年3月11日のEuropean Council Directive 1999/13/Ecの記事2:「Any organic compound having, at a temperature of 293.15 K, a vapour pressure of 0.01 kPa or more」
【非特許文献11】「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM IPCOM000031257 Journal, INC、West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)
【非特許文献12】Kirk-Othmer、「Encyclopedia of Chemical Technology」、第22巻、333~432頁、第3版、1979、Wiley
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
したがって、第1の態様によると、本発明は、特にケラチン物質をメイクアップ及び/又はケアするための、化粧用又は皮膚用組成物であって、少なくとも水性相と、
- 以下の式(I)の少なくとも1種のメロシアニン及びそのE/E又はE/Z幾何異性体形態:
【0032】
【化1】
【0033】
(式中、
- Aは、-O-又は-NHであり、
- Rは、C1~C22アルキル基、C2~C22アルケニル基、C2~C22アルキニル基、C3~C22シクロアルキル基、又はC3~C22シクロアルケニル基であり、前記基が1つ又は複数のOによって中断されることが可能である)と、
- ニコチンアミド、カフェイン、サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープと
を含む、化粧用又は皮膚用組成物に関する。
【0034】
本出願者は、驚くべきことに、特定のヒドロトロープを使用することによって、水性相中で長期的に及び低温で、これらのメロシアニンの溶解度を改善することが可能であることを発見した。この発見は、本発明の基礎を形成する。
【0035】
具体的には、本発明による組成物において使用される特定のヒドロトロープは、これらのメロシアニンの水溶性を増加させること、及びそれらを含有する組成物の相分離を予防することを可能にする。
【0036】
この態様の別のものによると、本発明はまた、ケラチン物質、特に身体及び/又は顔面のケラチン物質をケアするための美容方法、特に、非治療的方法であって、上記に定義される組成物を前記ケラチン物質に適用する少なくとも1つの工程を含む、方法にも関する。
【0037】
本発明の他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を読めば明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明による組成物は、化粧用及び/又は皮膚用、好ましくは化粧用である。
【0039】
本発明による組成物は、一般に、皮膚への局所適用に好適であり、したがって、一般に、生理学的に許容される媒体、即ち、皮膚と適合性のある媒体を含む。
【0040】
これは、好ましくは、化粧用として許容される媒体、即ち、心地よい色、香り、及び感覚を有し、使用者がこの組成物の適用を避けたくなるような、任意の許容できない不快感、即ち、刺すような痛みも、つっぱり感も、発赤も引き起こすことのない、媒体である。
【0041】
メロシアニン
前述のように、本発明による組成物は、以下の式(I)の少なくとも1種のメロシアニン及びそのE/E又はE/Z幾何異性体形態:
【0042】
【化2】
【0043】
(式中、
- Aは、-O-又は-NHであり、
- Rは、C1~C22アルキル基、C2~C22アルケニル基、C2~C22アルキニル基、C3~C22シクロアルキル基、又はC3~C22シクロアルケニル基であり、前記基が1つ又は複数のOによって中断されることが可能である)を含む。
【0044】
上記に示されるように、本発明のメロシアニン化合物は、そのE/E-幾何異性体形態又はE/Z-幾何異性体形態:
【0045】
【化3】
【0046】
であり得る。
【0047】
好ましくは、式(1)の化合物において、Aは、-O-であり、Rは、1つ又は複数のOで中断されてもよいC1~C22アルキルである。
【0048】
式(I)の化合物のなかでも、より具体的には、以下の化合物及び更にはそれらのE/E又はE/Z幾何異性体形態から選択される少なくとも1種の化合物が、使用されることになる。
【0049】
【表1】
【0050】
本発明のより具体的に好ましい様式によると、化合物(A)及び/又は(C)並びにこれらの混合物、更により優先的には、化合物(C)のそのE/E及び/若しくはE/Z幾何立体配置にあるものが、使用されることになる。
【0051】
したがって、好ましくは、本発明による組成物は、メトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテートとしても知られている2-エトキシエチル(2Z)-シアノ{3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン}エタノエート(C)の、そのE/E及び/又はE/Z幾何立体配置にあるものを含む。
【0052】
E/Z形態は、以下の構造:
【0053】
【化4】
【0054】
を有する。
【0055】
E/E形態は、以下の構造:
【0056】
【化5】
【0057】
を有する。
【0058】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、上記に定義される式(I)の少なくとも1種のメロシアニンを、組成物の総質量に対して0.1質量%~25質量%、優先的には0.2質量%~20質量%、より優先的には0.5質量%~10質量%、なおも更により良好には1質量%~5質量%の範囲の含有量で含む。
【0059】
一般に、メロシアニン型の化合物は、例えば、J. Org. Chem. USSR (English Translation) 26(8)、p.1562f (1990)、J. Heterocycl.Chem.33(3)、763~766頁(1996)、Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 11、1537~1543頁(1984)、Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 3、397~404頁(1982)、Chem. Heterocycl. Comp. (English Translation)、24(8)、914~919頁(1988)、及びSynthetic Communications、33巻、3号、2003、367~371頁に記載される公知の方法に従って調製することができる。
【0060】
本発明に従ってより具体的に考察され、6個の炭素原子を含有する炭素環式環を有するという特定の特徴を有する、式(I)による化合物に関して、それらは、特許出願WO2007/071582、表題「Process for producing 3-amino-2-cyclohexan-1-ylidene compounds」のIP.com Journal (2009)、9(5A)、29-30 IPCOM000182396D、及び米国特許第4,749,643号の13段66行~14段57行、並びにこの関連で引用された参考文献に記載されているプロトコルに従って調製され得る。
【0061】
具体的には、上記のTable 1(表1)からの式(I)の化合物は、B. Winklerら、Tetrahedron Letters、55 (2014) 1749-1751、表題「A cyclic merocyanine UV-A absorber: mechanism of formation and crystal structure」の刊行物において記載される合成スキームに従って合成することができ、これは、式(I)の化合物について以下に示されている。
【0062】
【化6】
【0063】
Table 1(表1)からの化合物(C)に関しては、以下の合成スキームが好ましい。
【0064】
【化7】
【0065】
このスキームによって示される合成は、具体的には、以下の実施例A4に詳述されている。
【0066】
ヒドロトロープ
前述のように、本発明による組成物は、ニコチンアミド、カフェイン、サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープを含む。
【0067】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、ニコチンアミド、カフェイン、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープを含む。具体的には、そのような組成物は、サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加のヒドロトロープ、好ましくは少なくとも1種のサリチル酸塩を更に含み得る。
【0068】
変化形の実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種のサリチル酸塩と組み合わされた、ニコチンアミド、カフェイン、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープを含む。
【0069】
サリチル酸塩は、具体的には、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸リジン、サリチル酸アルギニン、サリチル酸マグネシウム、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0070】
好ましくは、サリチル酸塩は、サリチル酸ナトリウムである。
【0071】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、ヒドロトロープとして少なくともニコチンアミドを含む。
【0072】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、ニコチンアミド及びサリチル酸ナトリウムを含む。
【0073】
ヒドロトロープは、上述の式(I)のメロシアニンを水中に溶解させるのに有効な量で、本発明による組成物中に存在する。
【0074】
本発明による組成物中に存在する本発明によるヒドロトロープの含有量は、組成物の総質量に対して0.1質量%~20質量%、具体的には0.1質量%~10質量%、好ましくは0.5質量%~10質量%、具体的には0.5質量%~3質量%の範囲に及び得る。
【0075】
具体的には、本発明による組成物の本発明による式(I)のメロシアニン/ヒドロトロープの質量比は、0.01~8、好ましくは0.02~5、具体的には0.05~3、より具体的には0.1~1.5の範囲に及ぶ。
【0076】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、ニコチンアミド、カフェイン、及びサリチル酸ナトリウムから選択される少なくとも2種の異なるヒドロトロープを含み、本発明による組成物の式(I)のメロシアニン/ヒドロトロープの質量比は、0.01~5、好ましくは0.02~3、具体的には0.05~2、より優先的には0.1~1.5の範囲に及ぶ。
【0077】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、2種の異なるヒドロトロープ、好ましくは、ニコチンアミド及びカフェインを含み、これらの2種のヒドロトロープ間の質量比は、0.2~5、具体的には0.5~3、より優先的には0.8~1.2の範囲に及ぶ。
【0078】
水性相
本発明による組成物は、水性相及び任意選択で油性相を含む。
【0079】
水性相は、水及び任意選択で水溶性有機溶媒を含み、好ましくは、単相である。
【0080】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して10質量%から98質量%の間、好ましくは25質量%から90質量%の間、より優先的には35質量%から85質量%の間の水含有量を有する。
【0081】
本発明によると、「水溶性有機溶媒」という用語とは、室温で液体であり、水混和性(25℃及び大気圧で50質量%を超える水との混和性)である化合物を意味する。
【0082】
また、本発明の組成物において使用することができる水溶性溶媒は揮発性であってもよい。具体的には、0.9%を上回るBC3含有量を有する組成物を得るために、ヒドロトロープに加えて水溶性共溶媒が使用されることになる。
【0083】
本発明による組成物において使用することができる水溶性溶媒のなかでもとりわけ、1~5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、例えば、エタノール及びイソプロパノール、ポリオール、更には炭酸アルキレンを、特に具体的に挙げることができる。
【0084】
1つの好ましい実施形態によると、本発明による組成物はまた、少なくとも1種のアルコール、具体的にはモノアルコール、好ましくはエタノールを含む。
【0085】
好ましくは、本発明による組成物において、アルコールは、前記組成物の総質量に対して0.5質量%~30質量%、なおもより良好には2.0質量%~25質量%、好ましくは3.0質量%~15質量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0086】
変化形の実施形態によると、本発明による組成物の水性相は、少なくとも1種のC2~C32ポリオールを含み得る。
【0087】
本発明の意味の範囲内で、「ポリオール」という用語は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味すると理解されるべきである。
【0088】
好ましくは、本発明によるポリオールは、室温において液体形態で存在する。
【0089】
本発明における使用に好適なポリオールは、アルキル鎖に少なくとも2個の-OH官能基、具体的には少なくとも3個の-OH官能基、より具体的には少なくとも4個の-OH官能基を保有する、直鎖状、分枝状、又は環状の飽和又は不飽和アルキル型化合物であり得る。
【0090】
本発明による組成物を配合するのに好適であるポリオールは、具体的には、特に2~32個の炭素原子、好ましくは3~16個の炭素原子を含有するものである。
【0091】
ポリオールは、例えば、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、C3及びC4ケトン並びにC2~C4アルデヒド、カプリリルグリコール、グリセロール、ポリグリセロール、例えばグリセロールオリゴマー、例えばジグリセロール、ポリエチレングリコール、並びにこれらの混合物から選択され得る。
【0092】
本発明の好ましい実施形態によると、前記ポリオールは、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、カプリリルグリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)、及びこれらの混合物から選択される。
【0093】
1つの特定の実施形態によると、本発明の組成物は、少なくとも1種のポリオール、具体的にはグリセロール、カプリリルグリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、PEG-8、及びこれらの混合物から選択されるものを含み得る。
【0094】
好ましい実施形態によると、本発明の組成物は、少なくとも1種のポリオール、具体的にはプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、及びこれらの混合物から選択されるものを含み得る。
【0095】
好ましくは、本発明の組成物は、ポリオールとして、少なくともジプロピレングリコール(DPG)を含み得る。
【0096】
存在する場合、ポリオールは、好ましくは、本発明による組成物中に、前記組成物の総質量に対して0.5質量%~40質量%、なおもより良好には3質量%~30質量%、好ましくは5質量%~25質量%の範囲の含有量で存在する。
【0097】
別の特定の実施形態によると、本発明の組成物は、少なくとも1種の炭酸アルキレン、具体的には以下の式(II)のものから選択されるものを含み得る:
【0098】
【化8】
【0099】
(式中、
R'は、水素原子、直鎖状若しくは分枝状C1~C6アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状C1~C4ヒドロキシアルキル基を指し、
R''は、水素原子、直鎖状若しくは分枝状C1~C6アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状C1~C4ヒドロキシアルキル基を表し、
mは、1、2、又は3である)。
【0100】
好ましくは、R'基は、水素原子、直鎖状若しくは分枝状C1~C4アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状C1~C2ヒドロキシアルキル基を表す。
【0101】
R''は、水素原子、直鎖状若しくは分枝状C1~C2アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状C1~C2ヒドロキシアルキル基を表す。
【0102】
好ましくは、mは、1である。
【0103】
炭酸アルキレンの特に有益な例として、R'基が、水素原子(炭酸エチレンに対応する)、メチル基(炭酸プロピレンに対応する)、エチル基(1,2-ブチレンカーボネートに対応する)、ヒドロキシメチル基(R'=-CH2OH、炭酸グリセロールに対応する)を表す化合物を挙げることができる。
【0104】
好ましくは、使用される炭酸アルキレンは、炭酸プロピレンである。
【0105】
炭酸アルキル又は炭酸アルキレンは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%~98質量%、具体的には0.5質量%~50質量%、より優先的には1質量%~20質量%、更により具体的には1質量%~10質量%、特に1質量%~6質量%の範囲の濃度で存在し得る。
【0106】
以下に示される実施例から明らかとなるように、上述の有機溶媒のうちの1種が少なくとも1種のヒドロトロープと一緒に使用される場合、式(I)のメロシアニンの溶解度の増加が観察され得る。この効果は、水性媒体中に、多量のメロシアニンを溶解させるのに特に有利である。
【0107】
したがって、1つの変化形の実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種のヒドロトロープ、少なくとも1種の有機溶媒、特にアルコール、具体的にはポリオールから選択されるもの、及び炭酸アルキレンを更に含有し得る。
【0108】
上述の溶媒の他に、本発明による組成物はまた、
- 室温で液体であるケトン、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、又はアセトン、
- 環状エーテル、例えば、γ-ブチロラクトン、
- 短鎖エステル(合計で3~8個の炭素原子を有する)、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸メトキシプロピル、又は乳酸ブチル、
- 室温で液体であるエーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、又はジクロロジエチルエーテル、
- 室温で液体であるアルカン、例えば、デカン、ヘプタン、ドデカン、又はシクロヘキサン、
- アルキルスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド、
- 室温で液体であるアルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド又はアセトアルデヒド、
- 3-エチルエトキシプロピオネート、
- アセタール、例えば、メチラール、及び
- これらの混合物
から選択される少なくとも1種の有機溶媒を含み得る。
【0109】
水性相はまた、水性相と相溶性である任意の水溶性又は水分散性化合物、例えば、安定化剤、ゲル化剤、皮膜形成性ポリマー、増粘剤、界面活性剤、及びこれらの混合物も含み得る。
【0110】
好ましくは、水性相は、本発明による組成物中に、前記組成物の総質量に対して30質量%~100質量%、好ましくは35質量%~99.5質量%、より優先的には45質量%~99質量%の範囲の含有量で存在する。
【0111】
脂肪相
上述のように、本発明による組成物は、少なくとも1種の脂肪相を含み得る。
【0112】
本発明の目的で、「脂肪相」という用語は、少なくとも1種の油と、本発明の組成物の配合に使用される全ての脂溶性及び親油性成分並びに脂肪性物質とを含む相を意味する。
【0113】
具体的には、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して0.5質量%~80質量%、好ましくは1質量%~40質量%、より優先的には3質量%~20質量%の範囲の脂肪相を含み得る。
【0114】
本発明による組成物の脂肪相は、油、ワックス、ペースト状化合物、及び/又はシリコーン化合物、並びに好ましくは少なくとも1種の油、特に化粧用油を含み得る。
【0115】

「油」という用語は、室温(20℃)及び大気圧(760mmHg)で液体である、水非混和性の非水性化合物を意味する。
【0116】
本発明による組成物、特に化粧用組成物の調製に好適である脂肪相は、炭化水素油、シリコーン油、フルオロ油若しくは非フルオロ油、又はこれらの混合物を含み得る。
【0117】
油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0118】
油は、動物、植物、鉱物、又は合成起源のものであってもよい。
【0119】
脂肪相は、メロシアニン遮蔽剤及び任意選択で親油性の追加の遮蔽剤の他に、少なくとも1種の揮発性若しくは不揮発性の炭化水素油、並びに/又は1種の揮発性及び/若しくは不揮発性のシリコーン油、並びに/又は1種の揮発性及び/若しくは不揮発性のフルオロ油を含み得る。
【0120】
本発明の目的で、「炭化水素油」という用語は、主として水素原子及び炭素原子を含有する油を意味することが意図される。
【0121】
「シリコーン油」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子、特に少なくとも1個のSi-O基を含む油を意味することが意図される。
【0122】
「フルオロ油」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子を含む油を意味する。
【0123】
油は、任意選択で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及び/又はリン原子を、例えば、ヒドロキシル基又は酸基の形態で含んでもよい。
【0124】
揮発性油
本発明の目的で、「揮発性油」という用語は、室温及び大気圧で、皮膚に接触すると1時間未満で蒸発することが可能である任意の油を意味する。揮発性油は、室温で液体であり、具体的には室温及び大気圧において、ゼロでない蒸気圧を有し、具体的には0.13Pa~40000Pa(10-3~300mmHg)の範囲、具体的には1.3Pa~13000Pa(0.01~100mmHg)の範囲、より具体的には1.3Pa~1300Pa(0.01~10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する、揮発性化粧用化合物である。
【0125】
揮発性油は、炭化水素油であってもよく、又はシリコーン油であってもよい。
【0126】
8~16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素油のなかでもとりわけ、分枝状C8~C16アルカン、例えばC8~C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、例えば、商標名Isopar又はPermethylで販売されている油、分枝状C8~C16エステル、例えばネオペンタン酸イソヘキシル、並びにこれらの混合物を、特に挙げることができる。
【0127】
また、8~16個の炭素原子、具体的には10~15個の炭素原子、より具体的には11~13個の炭素原子を含む揮発性直鎖状アルカン、例えば、Sasol社によってそれぞれ参照名Parafol 12-97及びParafol 14-97で販売されているn-ドデカン(C12)及びn-テトラデカン(C14)、並びにこれらの混合物、ウンデカン-トリデカン混合物、Cognis社による特許出願国際公開第WO2008/155059号の実施例1及び2において得られるn-ウンデカン(C11)及びn-トリデカン(C13)の混合物、並びにこれらの混合物も、挙げることができる。
【0128】
挙げることができる揮発性シリコーン油としては、揮発性直鎖状シリコーン油、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサンが挙げられる。
【0129】
挙げることができる揮発性環状シリコーン油としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン、具体的にはシクロヘキサシロキサンが挙げられる。
【0130】
揮発性フルオロ油、例えば、ノナフルオロメトキシブタン、デカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ドデカフルオロペンタン、及びこれらの混合物もまた、使用され得る。
【0131】
不揮発性油
「不揮発性」という用語は、室温及び大気圧でのその蒸気圧がゼロではなく、10-3mmHg(0.13Pa)未満である油を意味することが意図される。
【0132】
不揮発性油は、特に、不揮発性の炭化水素油、フルオロ油、及び/又はシリコーン油から選択され得る。
【0133】
特に挙げることができる不揮発性炭化水素油としては、
- 動物起源の炭化水素油、
- 鉱物起源又は合成起源の直鎖状又は分枝状炭化水素、例えば、ワセリン、ポリデセン、Parleam等の水素化ポリイソブテン、スクアラン、及びこれらの混合物、
- 不揮発性アルカン、好ましくは、Lamy Rheology社のRheomat Rm100(登録商標)粘度計を用いて測定して20℃で20mPa.s未満の粘度を有するもの。「不揮発性アルカン」という用語は、室温で液体であり、特に、1992年3月11日のEuropean Council Directive 1999/13/Ecの記事2:「Any organic compound having, at a temperature of 293.15 K, a vapour pressure of 0.01 kPa or more」のVolatile Organic Compound(VOC)の定義に従って、20℃で0.01kPa未満の蒸気圧を有する、炭化水素化粧用油を意味する。具体的には、不揮発性アルカンは、10~30個の炭素原子、具体的には12~26個の炭素原子、より具体的には15~19個の炭素原子、好ましくは15~19個の炭素原子を含有するアルカンの混合物、例えば、SEPPIC社から参照名Emogreen L19及びEmosmart L19で販売されている製品、
- 植物起源の炭化水素油、例えば一般に脂肪酸とグリセロールとのトリエステルであるグリセリドトリエステル、その脂肪酸は、4~24個の炭素原子の多様な鎖長を有し得、これらの鎖は、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状であることが可能であり、これらの油は、特に、コムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、トウモロコシ油、アンズ油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ゴマ油、マロー油、クロフサスグリ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、サフラワー油、ククイナッツ油、トケイソウ油、及びモスカータバラ油、又は他にはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearinerie Dubois社によって販売されているもの若しくはDynamit Nobel社によって名称Miglyol 810、812、及び818で販売されているもの、
- 10~40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えば、ジカプリルエーテル、
- 合成エステル、例えば、式R1COOR2の油(式中、R1は、1~40個の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状脂肪酸残基を表し、R2は、特に分枝状の1~40個の炭素原子を含む炭化水素鎖を表すが、ただし、R1+R2が、10以上であることを条件とする)、例えば、パーセリン油(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、12個から15個の間の炭素原子を有する安息香酸アルキル、例えば、Witco社によって商標名Finsolv TN若しくはWitconol TNで、又はEvonik Goldschmidt社によってTegosoft TNで販売されている製品、安息香酸2-エチルフェニル、例えば、ISP社によって名称X-Tend 226で販売されている市販製品、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、例えば、Stearinerie Dubois社によって名称Dub Disで販売されている製品、アルコール又はポリアルコールのオクタン酸エステル、デカン酸エステル、又はリシノール酸エステル、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリル、マレイン酸ジイソステアリル;並びにペンタエリスリトールエステル;クエン酸エステル、例えば、C3~C22トリカルボン酸及びC1~C6アルコールのエステル、INCI名クエン酸トリエチル、例えば、Jungbunzlauer社によって名称Citrofol AI Extraで販売されているもの;酒石酸エステル、例えば、12及び13個の炭素原子を有する直鎖状の酒石酸ジアルキル、例えば、Enichem Augusta Industriale社によって名称Cosmacol ETIで販売されているもの、並びに更には14個から15個の間の炭素原子を有する直鎖状の酒石酸ジアルキル、例えば、同社によって名称Cosmacol ETLで販売されているもの、並びに酢酸エステル、
- 脂肪族アミド、例えば、N-ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、例えば、Ajinomoto社から商標名Eldew SL205で販売されている製品、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えば、テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリトール、
- 室温で液体であり、12~26個の炭素原子を含有する分枝状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する、脂肪族アルコール、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、又は2-ウンデシルペンタデカノール、
- C12~C22高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物、
- 炭酸エステル、例えば、炭酸ジカプリリル、例えばCognis社によって名称Cetiol CCで販売されている製品、
- 非フェニルシリコーン油、例えば、カプリリルメチコン、並びに
- フェニルシリコーン油、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、100cSt以下の粘度を有するジメチコン又はフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、及びこれらの混合物、
並びに更にはこれらの様々な油の混合物
が挙げられる。
【0134】
他の脂肪性物質
本発明による脂肪相は、油と混合した又は油に溶解された、他の脂肪性物質を更に含み得る。
【0135】
油性相中に存在し得る他の脂肪性物質は、例えば、
- 8~30個の炭素原子を含む脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸、
- トリヒドロキシステアリン酸グリセリル以外のワックス、例えば、ラノリン、ビーズワックス、カルナウバワックス若しくはキャンデリラワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス若しくは微晶性ワックス、セレシン若しくはオゾケライト、又は合成ワックス、例えば、ポリエチレンワックス若しくはフィッシャー・トロプシュワックス、
- シリコーン樹脂、例えば、トリフルオロメチル(C1~C4)アルキルジメチコン及びトリフルオロプロピルジメチコン、
- シリコーンエラストマー、例えば、Shin-Etsu社によって名称KSGで販売されている製品、Dow Corning社によって名称Trefil若しくはBY29で販売されている製品、又はGrant Industries社によって名称Gransilで販売されている製品、
- シリコーンガム(ジメチコノール)から選択されるガム、
- ペースト状化合物、例えば、ポリマー性又は非ポリマー性シリコーン化合物、オリゴマー性グリセロールのエステル、プロピオン酸アラキジル、脂肪酸トリグリセリド、及びこれらの誘導体、
- 並びにこれらの混合物
である。
【0136】
脂肪性物質として、本発明による組成物は、少なくとも1種の脂肪族アルコールワックスを含み得る。このようなワックスは、ラウリン又はラウリルアルコール、ミリスチン又はミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、モンタニルアルコール、ミリシルアルコール、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0137】
脂肪性物質として、本発明による組成物は、少なくとも1種のバター、具体的には植物性バターを含み得る。
【0138】
本発明における使用に好適な植物性バターは、好ましくは、アボカドバター、カカオバター、シアバター、コクムバター、マンゴーバター、ムルムルバター、ココナッツバター、アプリコットカーネルバター、サルバター、及びウルクムバター、並びにこれらの混合物を含む群から選択され、具体的には、シアバターである。
【0139】
これらの脂肪性物質は、例えば、粘稠度又はテクスチャの観点で、所望される特性を有する組成物を調製するために、当業者によって様々な様式で選択され得る。
【0140】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種の不揮発性油、好ましくは少なくとも1種の不揮発性炭化水素油、具体的には鉱物又は合成起源のものである直鎖状又は分枝状の炭化水素、不揮発性アルカン、植物起源の炭化水素油、合成エステル、脂肪族アミド、炭酸エステル、並びに更にはこれらの様々な油の混合物から選択されるものを含有する。
【0141】
具体的には、そのような不揮発性炭化水素油は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して2.0質量%~20.0質量%、好ましくは2.0質量%~15.0質量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0142】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、スクアラン、15~19個の炭素原子を含有するアルカンの混合物、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、12個から15個の間の炭素原子を有する安息香酸アルキル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、クエン酸エステル、クエン酸トリエチルというINCI名称を有するC3~C22トリカルボン酸及びC1~C6アルコールのエステル、N-ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、並びにこれらの混合物から選択される、少なくとも1種の油を含有する。
【0143】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、2.0質量%未満のシリコーン油、具体的には1.0質量%未満のシリコーン油、好ましくは0.5質量%未満のシリコーン油を含み、より優先的にはシリコーン油を含まない。
【0144】
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種の脂肪性物質を含有する脂肪相を含む。
【0145】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種の不揮発性炭化水素油、好ましくは少なくとも1種の不揮発性エステル油を含む。
【0146】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種の固体脂肪性物質、具体的には、8~30個の炭素原子を含む脂肪酸、より優先的にはステアリン酸を更に含む。
【0147】
追加のUV遮蔽剤
本発明による組成物は、前述の式(I)のメロシアニン以外に、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤を含み得る。
【0148】
具体的には、本発明による組成物は、前述の式(I)のメロシアニン以外に、UVA及び/又はUVBを遮蔽するための少なくとも1種の化合物を含み得る。
【0149】
本発明による組成物はまた、したがって、親水性、親油性、若しくは不溶性の有機UV遮蔽剤、及び/又は1種若しくは複数種の鉱物系顔料から選択される、1種又は複数種の追加のUV遮蔽剤を含有し得る。これは、優先的には、少なくとも1種の親水性、親油性、又は不溶性の有機UV遮蔽剤から構成される。
【0150】
「親水性UV遮蔽剤」という用語は、液状の水性相に分子形態で完全に溶解され得るか、又はそれ以外では液状の水性相にコロイド形態で(例えばミセル形態で)溶解され得る、UV照射を遮蔽するための任意の化粧用又は皮膚用の有機又は無機化合物を意味することが意図される。
【0151】
「親油性遮蔽剤」という用語は、液状の脂肪相に分子形態で完全に溶解され得る、又は液状の脂肪相にコロイド形態で(例えばミセル形態で)溶解され得る、UV照射を遮蔽するための任意の化粧用又は皮膚用の有機又は無機化合物を意味することが意図される。
【0152】
「不溶性有機UV遮蔽剤」という用語は、水中に0.5質量%未満の溶解度を有し、且つほとんどの有機溶媒、例えば、流動パラフィン、脂肪族アルコールベンゾエート、及び脂肪酸トリグリセリド、例えばDynamit Nobel社から販売されているMiglyol 812(登録商標)中に0.5質量%未満の溶解度を有する、UV照射を遮蔽するための任意の化粧用又は皮膚用の有機又は無機化合物を意味することが意図される。70℃で測定されるこの溶解度は、室温に戻した後の懸濁液中の過剰な固体と平衡状態にある溶媒中の溶液における生成物の量として定義される。それは、実験室において容易に評価することができる。
【0153】
追加の有機UV遮蔽剤は、具体的には、ケイ皮酸化合物;アントラニル酸化合物;サリチル酸化合物;ジベンゾイルメタン化合物;ベンジリデンカンファー化合物;ベンゾフェノン化合物;β,β-ジフェニルアクリレート化合物;トリアジン化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ベンザルマロネート化合物、特に米国特許第5624663号に列挙されているもの;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン化合物;ビス-ベンゾアゾリル化合物、例えば、欧州特許第0669323号及び米国特許第2463264号に記載されているもの;p-アミノ安息香酸(PABA)化合物;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、例えば、米国特許第5237071号、同第5166355号、英国特許第2303549号、ドイツ特許第19726184号、及び欧州特許第893119号に記載されているもの;ベンゾオキサゾール化合物、例えば、特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137、及びDE10162844に記載されているもの;遮蔽用ポリマー及び遮蔽用シリコーン、例えば、具体的には特許出願WO93/04665号に記載されているもの;α-アルキルスチレンに由来する二量体、例えば、特許出願DE19855649号に記載されているもの;4,4-ジアリールブタジエン化合物、例えば、EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP1008586、EP1133980、及びEP0133981に記載されているもの;並びにこれらの混合物から選択される。
【0154】
有機光防護剤の例としては、以下にINCI名称で示されるものを挙げることができる。
ケイ皮酸化合物:
- メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、特に、DSM Nutritional Products社によって商標名Parsol MCXで販売されているもの、
- メトキシケイ皮酸イソプロピル、
- p-メトキシケイ皮酸イソアミル、Symrise社によって商標名Neo Heliopan E 1000(登録商標)で販売されているもの、
- メトキシケイ皮酸DEA、
- メチルケイ皮酸ジイソプロピル、
- ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
ジベンゾイルメタン化合物:
- ブチルメトキシジベンゾイルメタン、特に、DSM Nutritional Products社によって商標名Parsol 1789で販売されているもの、
- イソプロピルジベンゾイルメタン。
パラ-アミノ安息香酸化合物:
- PABA、
- エチルPABA、
- エチルジヒドロキシプロピルPABA、
- ジメチルPABAエチルヘキシル、特に、ISP社によって名称Escalol 507(登録商標)で販売されているもの、
- グリセリルPABA、
- PEG-25 PABA、BASF社によって名称Uvinul P25(登録商標)で販売されているもの。
サリチル酸化合物:
- ホモサレート、Rona/EM Industries社によって名称Eusolex HMSで販売されているもの、
- サリチル酸エチルヘキシル、Symrise社によって名称Neo Heliopan OSで販売されているもの、
- サリチル酸ジプロピレングリコール、Scher社によって名称Dipsalで販売されているもの、
- サリチル酸TEA、Symrise社によって名称Neo Heliopan TS(登録商標)で販売されているもの。
β,β-ジフェニルアクリレート化合物:
- オクトクリレン、特に、BASF社によって商標名Uvinul N 539(登録商標)で販売されているもの、
- エトクリレン、特に、BASF社によって商標名Uvinul N 35(登録商標)で販売されているもの。
ベンゾフェノン化合物:
- ベンゾフェノン-1、BASF社によって商標名Uvinul 400(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-2、BASF社によって商標名Uvinul D 50(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、BASF社によって商標名Uvinul M 40(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-4、BASF社によって商標名Uvinul MS 40(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-5、
- ベンゾフェノン-6、Norquay社によって商標名Helisorb 11(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-8、American Cyanamid社によって商標名Spectra-Sorb UV-24(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-9、BASF社によって商標名Uvinul DS 49(登録商標)で販売されているもの、
- ベンゾフェノン-12、
- 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-へキシル、BASF社によって商標名Uvinul A Plus(登録商標)で、又はメトキシケイ皮酸オクチルとの混合物として商標名Uvinul A Plus B(登録商標)で販売されているもの、
- 1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン](CAS 919803-06-8)、出願WO2007/071584号に記載されているもの;この化合物は、有利なことには微粉化形態(平均粒径が0.02~2μm)で使用され、例えば出願英国特許第2303549号及び欧州特許0893119号に記載されている微粉化方法に従って、特に水性分散体の形態で得ることができる。
ベンジリデンカンファー化合物:
- 3-ベンジリデンカンファー、Chimex社によって名称Mexoryl SD(登録商標)で製造されているもの、
- 4-メチルベンジリデンカンファー、Merck社によって名称Eusolex 6300(登録商標)で販売されているもの、
- ベンジリデンカンファースルホン酸、Chimex社によって名称Mexoryl SL(登録商標)で製造されているもの、
- カンファーメト硫酸ベンザルコニウム、Chimex社によって名称Mexoryl SO(登録商標)で製造されているもの、
- テレフタリリデンジカンファースルホン酸、Chimex社によって名称Mexoryl SX(登録商標)で製造されているもの、
- ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、Chimex社によって名称Mexoryl SW(登録商標)で製造されているもの。
フェニルベンズイミダゾール化合物:
- フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、特に、Merck社によって商標名Eusolex 232(登録商標)で販売されているもの。
ビス-ベンゾアゾリル化合物:
- フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、Haarmann and Reimer社によって商標名Neo Heliopan AP(登録商標)で販売されているもの。
フェニルベンゾトリアゾール化合物:
- ドロメトリゾールトリシロキサン、Rhodia Chimie社によって名称Silatrizole(登録商標)で販売されているもの。
メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物:
- メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、特に固体形態のもの、例えば、Fairmount Chemical社によって商標名Mixxim BB/100(登録商標)で販売されている製品、又は平均粒径が0.01~5μm、より優先的には0.01~2μm、より具体的には0.020~2μmの範囲の微粒子化した粒子と、構造CnH2n+1O(C6H10O5)xH(式中、nは8~16の整数であり、xは(C6H10O5)単位の平均重合度であり、1.4~1.6の範囲に及ぶ)を有する少なくとも1種のアルキルポリグリコシド界面活性剤との水性分散体の形態のもの、例えば、特許英国第2303549号に記載される、特にBASF社によって商標名Tinosorb M(登録商標)で販売されているもの、又はグリセロール重合度が少なくとも5である少なくとも1種のポリグリセリルモノ(C8~C20)アルキルエステルの存在下における平均粒径が0.02~2μm、より優先的には0.01~1.5μm、より具体的には0.02~1μmの範囲の微粒子化した粒子の水性分散体の形態のもの、例えば、出願WO2009/063392に記載されている水性分散体。
トリアジン化合物:
- 3,3'-(1,4-フェニレン)ビス(5,6-ジフェニル-1,2,4-トリアジン)、INCI名称がフェニレンビス-ジフェニルトリアジンであり、以下の化学構造:
【0155】
【化9】
【0156】
を有するもの、
- ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、BASF社によって商標名Tinosorb S(登録商標)で販売されているもの、
- エチルヘキシルトリアゾン、特に、BASF社によって商標名Uvinul T 150(登録商標)で販売されているもの、
- ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、Sigma 3V社によって商標名Uvasorb HEB(登録商標)で販売されているもの、
- 2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
- 2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
- 2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
- 2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
- ナフタレニル基又はポリフェニル基により置換された対称トリアジン遮蔽剤、米国特許第6225467号、出願WO2004/085412(化合物6及び9を参照されたい)、又は文献「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM IPCOM000031257 Journal, INC、West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)に記載されているもの、特に2,4,6-トリス(ジフェニル)トリアジン及び2,4,6-トリス(テルフェニル)トリアジン、これはまた出願WO06/035000、WO06/034982、WO06/034991、WO06/035007、WO2006/034992、及びWO2006/034985でも言及されており、これらの化合物は、有利なことには微粒子化された形態(平均粒径が0.02~3μm)で使用され、これは、例えば、出願GB-A-2303549号及び欧州第EP-A-893119号に記載されている微粒子化方法に従って、特に水性分散体の形態で得ることができる、
- 2つのアミノベンゾエート基で置換されたシリコーントリアジン、欧州特許第0841341号に記載されているもの、特に、2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン。
アントラニル酸化合物:
- アントラニル酸メンチル、Symrise社によって商標名Neo Heliopan MA(登録商標)で販売されているもの。
イミダゾリン化合物:
- エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
ベンザルマロネート化合物:
- ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、ポリシリコーン-15、Hoffmann-LaRoche社によって商標名Parsol SLX(登録商標)で販売されているもの。
4,4-ジアリールブタジエン化合物:
- 1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
ベンゾオキサゾール化合物:
- 2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、Sigma 3V社によって名称Uvasorb K2A(登録商標)で販売されているもの。
【0157】
優先的な有機遮蔽剤は、
- メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
- サリチル酸エチルヘキシル、
- ホモサレート、
- ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
- オクトクリレン、
- フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
- ベンゾフェノン-3、
- ベンゾフェノン-4、
- ベンゾフェノン-5、
- 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
- 4-メチルベンジリデンカンファー、
- テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
- フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
- メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、
- ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
- エチルヘキシルトリアゾン、
- ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
- 2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
- 2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
- 2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンゾアート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
- 2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾアート)-s-トリアジン、
- 2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ)]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
- 2,4,6-トリス(ジフェニル)トリアジン、
- 2,4,6-トリス(テルフェニル)トリアジン、
- ドロメトリゾールトリシロキサン、
- ポリシリコーン-15、
- 1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
- 2,4-ビス-[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)-イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
- 及びこれらの混合物
から選択される。
【0158】
特に好ましい有機遮蔽剤は、
- サリチル酸エチルヘキシル、
- ホモサレート、
- ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
- オクトクリレン、
- 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
- テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
- ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
- エチルヘキシルトリアゾン、
- ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
- 2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
- ドロメトリゾールトリシロキサン、
- 及びこれらの混合物
から選択される。
【0159】
本発明に従って使用される無機UV遮蔽剤は、金属酸化物顔料である。より優先的には、本発明の無機UV遮蔽剤は、0.5μm以下、より優先的には0.005から0.5μmの間、より優先的には0.01から0.2μmの間、なおもより良好には0.01から0.1μmの間、より具体的には0.015から0.05μmの間の平均基本粒径を有する金属酸化物粒子である。
【0160】
それらは、具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウム、又はこれらの混合物から選択され得る。
【0161】
このような被覆又は非被覆金属酸化物顔料は、特に、特許出願EP0518773に記載されている。市販の顔料としては、Sachtleben Pigments社、Tayca社、Merck社、及びDegussa社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0162】
金属酸化物顔料は、被覆であっても非被覆であってもよい。
【0163】
被覆顔料は、アミノ酸、ビーズワックス、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩、若しくはアルミニウム塩、(チタン若しくはアルミニウムの)金属アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、又はヘキサメタリン酸ナトリウム等の化合物による、化学的、電子的、機械化学的、及び/又は機械的性質の1種又は複数種の表面処理を受けている顔料である。
【0164】
被覆顔料は、より具体的には、
- シリカで被覆された酸化チタン、例えば、Ikeda社のSunveil(登録商標)という製品、
- シリカ及び酸化鉄で被覆された酸化チタン、例えば、Ikeda社のSunveil F(登録商標)という製品、
- シリカ及びアルミナで被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のMicrotitanium Dioxide MT 500 SA(登録商標)及びMicrotitanium Dioxide MT 100 SA(登録商標)、並びにTioxide社のTioveilという製品、
- アルミナで被覆された酸化チタン、例えば、Ishihara社のTipaque TTO-55(B)(登録商標)及びTipaque TTO-55(A)(登録商標)、並びにSachtleben Pigments社のUVT 14/4という製品、
- アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のMicrotitanium Dioxide MT 100 T(登録商標)、MT 100 TX(登録商標)、MT 100 Z(登録商標)、及びMT-01(登録商標)という製品、Uniqema社のSolaveil CT-10 W(登録商標)及びSolaveil CT 100(登録商標)という製品、並びにMerck社のEusolex T-AVO(登録商標)という製品、
- シリカ、アルミナ、及びアルギン酸で被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のMT-100 AQ(登録商標)という製品、
- アルミナ及びラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のMicrotitanium Dioxide MT 100 S(登録商標)という製品、
- 酸化鉄及びステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のMicrotitanium Dioxide MT 100 F(登録商標)という製品、
- 酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のBR 351(登録商標)という製品、
- シリカ及びアルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン、特に、Tayca社のMicrotitanium Dioxide MT 600 SAS(登録商標)、Microtitanium Dioxide MT 500 SAS(登録商標)、又はMicrotitanium Dioxide MT 100 SAS(登録商標)という製品、
- シリカ、アルミナ、及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン、例えば、Titan Kogyo社のSTT-30-DS(登録商標)という製品、
- シリカで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン、例えば、Sachtleben Pigments社のUV-Titan X 195(登録商標)という製品、
- アルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン、例えば、Ishihara社のTipaque TTO-55(S)(登録商標)、又はSachtleben Pigments社のUV Titan M 262(登録商標)という製品、
- トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン、例えば、Titan Kogyo社のSTT-65-Sという製品、
- ステアリン酸で被覆された酸化チタン、例えば、Ishihara社のTipaque TTO-55(C)(登録商標)という製品、
- ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社のMicrotitanium Dioxide MT 150 W(登録商標)という製品、
- オクチルトリメチルシランで処理されたTiO2、Degussa Silices社によって商標名T 805(登録商標)で販売されているもの、
- ポリジメチルシロキサンで処理されたTiO2、Cardre社によって商標名70250 Cardre UF TiO2SI3(登録商標)で販売されているもの、
- ポリジメチル水素シロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiO2、Color Techniques社によって商標名Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic(登録商標)で販売されているもの、
- トリエチルヘキサノイン、ステアリン酸アルミニウム、及びアルミナで被覆されたTiO2、Croda社によって商標名Solaveil CT-200-LQ-(WD)で販売されているもの、
- ステアリン酸アルミニウム、アルミナ、及びシリコーンで被覆されたTiO2、Croda社によって商標名Solaveil CT-12W-LQ-(WD)で販売されているもの、
- ラウロイルリジンで被覆されたTiO2、Daito Kasei Kogyo社によって商標名LL 5 Titanium Dioxide CR 50で販売されているもの、
- フルオロC9~C15アルコールリン酸及び水酸化アルミニウムで被覆されたTiO2、Daito Kasei Kogyo社によって商標名PFX-5 TiO2 CR-50で販売されているもの
である。
【0165】
少なくとも1種の遷移金属、例えば、鉄、亜鉛、又はマンガン、より具体的にはマンガンでドープされたTiO2顔料をもまた、挙げることができる。好ましくは、前記ドープされた顔料は、油性分散体の形態である。油性分散体に存在する油は、好ましくは、カプリン酸/カプリル酸のトリグリセリドを含む、トリグリセリド類から選択される。酸化チタン粒子の油性分散体は、1種又は複数種の分散剤、例えば、ソルビタンエステル、例えばイソステアリン酸ソルビタン、又はグリセロールのポリオキシアルキレン化脂肪酸エステル、例えばクエン酸TRI-PPG-3ミリスチルエーテル及びポリリシノレイン酸ポリグリセリル-3を更に含み得る。好ましくは、酸化チタン粒子の油性分散体は、グリセロールのポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種の分散剤を含む。より具体的には、クエン酸TRI-PPG-3ミリスチルエーテル及びポリリシノレイン酸ポリグリセリル-3及びイソステアリン酸ソルビタンの存在下において、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド中のマンガンでドープされたTiO2粒子の油性分散体であり、INCI名称:二酸化チタン(及び)クエン酸Tri-PPG-3ミリスチルエーテル(及び)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-3(及び)イソステアリン酸ソルビタンを有するもの、例えば、Crodaによって商標名Optisol TD50(登録商標)で販売されている製品を、挙げることができる。
【0166】
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、Tayca社によって商標名Microtitanium Dioxide MT 500 B又はMicrotitanium Dioxide MT 600 B(登録商標)で、Degussa社によって名称P 25で、Wacker社によって名称Transparent titanium oxide PW(登録商標)で、Miyoshi Kasei社によって名称UFTR(登録商標)で、Tomen社によって名称ITS(登録商標)で、及びTioxide社によって名称Tioveil AQで販売されている。
【0167】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
- Sunsmart社によって名称Z-Coteで販売されているもの、
- Elementis社によって名称Nanox(登録商標)で販売されているもの、
- Nanophase Technologies社によって名称Nanogard WCD 2025(登録商標)で販売されているもの
である。
【0168】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
- Toshibi社によって名称Zinc Oxide CS-5(登録商標)で販売されているもの(ポリメチル水素シロキサンで被覆されたZnO)、
- Nanophase Technologies社によって名称Nanogard Zinc Oxide FN(登録商標)で販売されているもの(Finsolv TN(登録商標)、C12~C15アルコールの安息香酸エステル中の40%分散体として)、
- Daito社によって名称Daitopersion ZN-30(登録商標)及びDaitopersion ZN-50(登録商標)で販売されているもの(シリカ及びポリメチル水素シロキサンで被覆された酸化亜鉛を30%又は50%含有する、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中の分散体)、
- Daikin社によって名称NFD Ultrafine ZnO(登録商標)で販売されているもの(シクロペンタシロキサン中の分散体として、ペルフルオロアルキルホスフェート及びペルフルオロアルキルエチルをベースとするコポリマーで被覆されたZnO)、
- Shin-Etsu社によって名称SPD-Z1(登録商標)で販売されているもの(シクロジメチルシロキサン中に分散させた、シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されたZnO)、
- ISP社によって名称Escalol Z100(登録商標)で販売されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコンの混合物中に分散させた、アルミナで処理したZnO)、
- Fuji Pigment社によって名称Fuji ZnO-SMS-10(登録商標)で販売されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO)、
- Elementis社によって名称Nanox Gel TN(登録商標)で販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸の重縮合物を含むC12~C15アルコールの安息香酸エステル中に55%の濃度で分散させたZnO)
である。
【0169】
非被覆酸化セリウム顔料は、例えば、Rhone-Poulenc社によって名称Colloidal Cerium Oxide(登録商標)で販売されているものであり得る。
【0170】
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社によって名称Nanogard WCD 2002(登録商標)(FE 45B(登録商標))、Nanogard Iron FE 45 BL AQ、Nanogard FE 45R AQ(登録商標)、及びNanogard WCD 2006(登録商標)(FE 45R)で、又はMitsubishi社によって名称TY-220(登録商標)で販売されている。
【0171】
被覆酸化鉄顔料はまた、例えば、Arnaud社によって名称Nanogard WCD 2008(FE 45B FN(登録商標))、Nanogard WCD 2009(登録商標)(FE 45B 556(登録商標))、Nanogard FE 45 BL 345(登録商標)、及びNanogard FE 45 BL(登録商標)で、又はBASF社によって名称Transparent Iron Oxide(登録商標)で販売されている。
【0172】
また、金属酸化物の混合物、特に、二酸化チタンと二酸化セリウムとの混合物、例えば、シリカで被覆された二酸化チタンと二酸化セリウムとの等質量混合物、Ikeda社によって名称Sunveil A(登録商標)で販売されているもの、並びにアルミナ、シリカ、及びシリコーンで被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛との混合物、例えば、Sachtleben Pigments社によって販売されているM 261(登録商標)という製品、又はアルミナ、シリカ、及びグリセロールで被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛との混合物、例えば、Sachtleben Pigments社によって販売されているM 211(登録商標)という製品を挙げることもできる。
【0173】
本発明によると、被覆又は非被覆酸化チタン顔料が、特に好ましい。
【0174】
1つの好ましい実施形態によると、組成物は、1種又は複数種の親油性UV遮蔽剤を含む。
【0175】
1つの好ましい実施形態によると、組成物は、親油性UVA遮蔽剤及び/又は親油性UVB遮蔽剤から選択される1種又は複数種のUV遮蔽剤を含む。
【0176】
より優先的には、組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体、サリチル酸誘導体、β,β'-ジフェニルアクリレート誘導体、トリアジン誘導体、及びベンジリデンカンファー誘導体から選択される1種又は複数種のUV遮蔽剤を含む。
【0177】
1つの特に好ましい実施形態によると、組成物は、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、エチルヘキシルトリアゾン、及びこれらの混合物から選択される1種又は複数種のUV遮蔽剤を含む。
【0178】
一実施形態によると、本発明による組成物中に存在する有機UV遮蔽剤の量は、組成物の総質量に対して0.5質量%~50質量%の範囲に及び得る。それは、例えば、組成物の総質量に対して、1質量%~40質量%、又はそれ以外では例えば5質量%~35質量%の範囲に及び、更に例えば10質量%~35質量%の範囲に及ぶ。
【0179】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物におけるUV遮蔽剤の濃度は、組成物の総質量に対して1質量%~50質量%、好ましくは1質量%~40質量%の範囲に及ぶ。
【0180】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種の鉱物系UV遮蔽剤を含む。
【0181】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物中に存在する鉱物系UV遮蔽剤の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%~20質量%の範囲に及び得る。それは、例えば、組成物の総質量に対して1質量%~15質量%の範囲に及ぶ。
【0182】
特定の実施形態によると、本発明による組成物はまた、1種若しくは複数種の有機UV遮蔽剤及び1種若しくは複数種の鉱物系UV遮蔽剤を含む。
【0183】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物はまた、フランス特許第2977490号、出願WO2013/004777、又は出願US2014/0134120に記載されるUV遮蔽剤の組合せを含む。
【0184】
界面活性剤
好ましい実施形態によると、本発明による組成物はまた、少なくとも1種の界面活性剤を含み得る。
【0185】
界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物から選択され得る。界面活性剤の乳化特性及び機能の定義については、Kirk-Othmer、「Encyclopedia of Chemical Technology」、第22巻、333~432頁、第3版、1979、Wileyを参照してもよく、アニオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤については、特にこの文献の347~377頁を参照してもよい。
【0186】
非イオン性界面活性剤
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。
【0187】
非イオン性界面活性剤は、具体的には、ポリ(エチレンオキシド)のアルキル及びポリアルキルエステル、オキシアルキレン化アルコール、ポリ(エチレンオキシド)のアルキル及びポリアルキルエーテル、ソルビタンの任意選択的ポリオキシエチレン化アルキル及びポリアルキルエステル、ソルビタンの任意選択的ポリオキシエチレン化アルキル及びポリアルキルエーテル、アルキル及びポリアルキルグリコシド又はポリグリコシド、特に、アルキル及びポリアルキルグルコシド又はポリグルコシド、スクロースのアルキル及びポリアルキルエステル、グリセリルエステル、グリセロールの任意選択的ポリオキシエチレン化アルキル及びポリアルキルエステル、グリセロールの任意選択的ポリオキシエチレン化アルキル及びポリアルキルエーテル、双性界面活性剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、並びにこれらの混合物から選択され得る。
【0188】
グリセリルエステルとしては、特に、グリセロールのC16~C22脂肪酸エステル、具体的には、18個の炭素原子を有する脂肪酸のグリセリルエステル、及び8~12個の炭素原子を含有する脂肪酸のポリグリセリルエステルを挙げることができる。
【0189】
特に挙げることができるC18脂肪酸のグリセリルエステルとしては、ステアリン酸グリセリル(モノステアリン酸、ジステアリン酸、及び/若しくはトリステアリン酸グリセリル)(CTFA名称:ステアリン酸グリセリル)、又はリシノレイン酸グリセリル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0190】
グリセロールの脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸グリセリルベースの混合物、例えば、ステアリン酸グリセリルとモノステアリン酸OEポリエチレングリコール100との混合物、並びに具体的にはCroda社によって名称Arlacel 165(登録商標)で販売されている50/50混合物を含むもの、又はそれ以外にはステアリン酸グリセリル(モノ-ジステアリン酸グリセリル)及びステアリン酸カリウムを含有する、Goldschmidt社によって名称Tegin(登録商標)(CTFA名称:ステアリン酸グリセリルSE)で販売されているものを挙げることができる。
【0191】
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種の界面活性剤、特に、非イオン性界面活性剤、好ましくはグリセリルエステルから選択される界面活性剤を含む。
【0192】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸エーテル、カルボン酸塩、アミノ酸誘導体、スルホン酸塩、イセチオン酸塩、タウリン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、リン酸塩及びアルキルリン酸塩、ポリペプチド、C10~C30、特にC16~C25脂肪酸の金属塩、具体的には金属のステアリン酸塩及びベヘニル酸塩、セチルリン酸のアルカリ金属塩、並びにこれらの混合物から選択され得る。
【0193】
セチルリン酸のアルカリ金属塩として、特に、セチルリン酸カリウムを挙げることができる。特に、DSM Nutritional Products社によって名称「Amphisol K」で販売されている、モノセチルリン酸の一カリウム塩(INCI名称:セチルリン酸カリウム)を使用することができる。
【0194】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤は、アルキルイミダゾリジニウム、例えば、エト硫酸イソステアリルエチルミドニウム、アンモニウム塩、例えば、(C12~30-アルキル)-トリ(C1~4-アルキル)アンモニウムハライド、例えば、N,N,N-トリメチル-1-ドコサンアミニウムクロリド(又はベヘントリモニウムクロリド)から選択され得る。
【0195】
両性界面活性剤
本発明による組成物はまた、1種又は複数種の両性界面活性剤、例えば、N-アシルアミノ酸、例えばN-アルキルアミノアセテート及びココアンホ二酢酸二ナトリウム、並びにアミンオキシド、例えばステアラミンオキシド、或いはシリコーン界面活性剤、例えば、リン酸ジメチコンコポリオール、例えばPhoenix Chemical社によって名称Pecosil PS 100(登録商標)で販売されている製品も含有し得る。
【0196】
シリコーン界面活性剤
組成物はまた、少なくとも1種のシリコーン界面活性剤を含み得る。例としては、単独又は混合物として使用される25℃で8以上のHLBを有する非イオン性界面活性剤として、ジメチコンコポリオール又はジメチコンコポリオールベンゾエートを挙げることができ、単独又は混合物として使用される25℃で8未満のHLBを有する非イオン性界面活性剤として、シクロメチコン/ジメチコンコポリオール混合物を挙げることができる。
【0197】
好ましくは、本発明による組成物は、2質量%未満のシリコーン界面活性剤、具体的には1質量%未満のシリコーン界面活性剤、好ましくは0.5質量%未満のシリコーン界面活性剤を含み、より優先的にはシリコーン界面活性剤を含まない。
【0198】
界面活性剤は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して0.5質量%~10%質量%、好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲の割合で存在し得る。
【0199】
ゲル化剤/増粘剤
得ることが所望される組成物の流動性に応じて、1種又は複数の増粘剤及び/又はゲル化剤、具体的には親水性である、即ち水溶性又は水分散性であるものが、組成物に組み込まれてもよい。
【0200】
挙げることができる親水性ゲル化剤の例としては、変性又は非変性カルボキシビニルポリマー、例えば、Goodrich社によって名称Carbopol(CTFA名称:カルボマー)及びPemulen(CTFA名称:アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー)で販売されている製品;ポリアクリルアミド;任意選択で架橋及び/又は中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー、例えば、Hoechst社によって名称Hostacerin AMPS(CTFA名称:アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド)で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸);アクリルアミド及びAMPSの架橋したアニオン性コポリマー(W/Oエマルションの形態にあり、例えば、SEPPIC社によって名称Sepigel 305(CTFA名称:ポリアクリルアミド/C13~14イソパラフィン/ラウレス-7)及び名称Simulgel 600(CTFA名称:アクリルアミド/アクリロイルジメチル酒石酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)で販売されているもの);多糖バイオポリマー、例えば、キサンタンガム、グアーガム、アルギネート、及び変性セルロース、並びにこれらの混合物が挙げられる。ゲル化剤の量は、所望される目的に依存する。
【0201】
一実施形態によると、ゲル化剤の量は、組成物の総質量に対して、例えば0.01質量%~10質量%、例えば0.05質量%~5質量%の範囲に及ぶ。
【0202】
充填剤
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物はまた、1種又は複数種の充填剤、具体的にはケア用及び/又はメイクアップ用組成物において従来的に使用されるものから選択されるものを、更に含み得る。
【0203】
本発明の目的で、「充填剤」という用語は、組成物の媒体中に不溶性であり且つその媒体に分散される形態にある、任意の形態の無色又は白色の鉱物系又は有機の天然又は合成の固形粒子を意味すると理解される。
【0204】
当然ながら、これらの充填剤は、組成物の特性に有害とならないように、適切な含有量且つ適切な条件下において使用される。
【0205】
これらの充填剤は、それらを含有する組成物に柔らかさ、マット感、及び均一性を与えることを可能にする。加えて、これらの充填剤は、有利なことには、皮脂又は汗等の様々な攻撃因子を阻止することを可能にする。
【0206】
これらの充填剤の例証として、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのもの等の中空ポリマーマイクロスフェア、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマーマイクロスフェア、シリコーン樹脂マイクロビーズ(例えば、Toshiba社のTospearls(登録商標))、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合充填剤、中空シリカマイクロスフェア、並びにガラス又はセラミックマイクロカプセルを挙げることができる。また、特許出願である特開2003-128788及び特開2000-191789に記載されているような、中空スフェア部分の形態にある粒子も使用することができる。
【0207】
着色剤
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の微粒子又は非微粒子、水溶性又は水不溶性着色剤を、好ましくは、組成物の総質量に対して少なくとも0.0001質量%の割合で含み得る。
【0208】
明白な理由から、この量は、所望される色効果の強さ及び検討される着色剤により与えられる色の強さに関して有意に変化しがちであり、その調整は、明らかに当業者の能力の範囲内である。
【0209】
上述のように、本発明における使用に好適である着色剤は、水溶性であり得るが、また、脂溶性であってもよい。
【0210】
水溶性染料
本発明の目的で、「水溶性着色剤」という用語は、水性相又は水混和性溶媒中に可溶性であり、且つ色をつけることができる、任意の天然若しくは合成の、一般には有機化合物を意味する。
【0211】
本発明における使用に好適な水溶性染料としては、特に、合成又は天然の水溶性染料、例えば、FDC Red 4、DC Red 6、DC Red 22、DC Red 28、DC Red 30、DC Red 33、DC Orange 4、DC Yellow 5、DC Yellow 6、DC Yellow 8、FDC Green 3、DC Green 5、FDC Blue 1、ベタニン(ビートルート)、カルミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン、ブラックキャロット、ハイビスカス、ニワトコ)、カラメル、並びにリボフラビンを挙げることができる。
【0212】
水溶性染料は、例えば、ビートルートジュース及びカラメルである。
【0213】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、少なくとも1種の水溶性染料を含む。
【0214】
水溶性染料は、それを含有する組成物の総質量に対して0.0001質量%~2質量%の割合で存在し得る。
【0215】
脂溶性染料
本発明の目的で、「脂溶性着色剤」という用語は、油性相又は脂肪性物質と混和性の溶媒中に可溶性であり、且つ色をつけることができる、任意の天然又は合成の、一般には有機化合物を意味することが意図される。
【0216】
本発明における使用に好適な脂溶性染料としては、特に、合成又は天然の脂溶性染料、例えば、DC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、Sudan red、カロテン(β-カロテン、リコペン)、キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン)、パーム油、Sudan brown、キノリンイエロー、アナトー、及びクルクミンを挙げることができる。
【0217】
着色性粒子材料は、それを含有する組成物の総質量に対して0.0001質量%~10質量%の割合で存在し得る。
【0218】
それらは、特に、顔料、真珠光沢剤、及び/又は金属の色合いを有する粒子であり得る。
【0219】
顔料
「顔料」という用語は、それらを含有する組成物を着色及び/又は不透明化することを意図した、水溶液中に不溶性である白色又は有色の鉱物系又は有機粒子を意味すると理解されるべきである。
【0220】
顔料は、白色又は有色であってもよく、鉱物系及び/又は有機であってもよい。
【0221】
鉱物系顔料としては、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム、又は二酸化セリウム、更には酸化亜鉛、酸化鉄、又は酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、及びクロム水和物、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0222】
それらはまた、例えば、セリサイト/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカ型のものであり得る構造を有する顔料であってもよい。そのような顔料は、例えば、Chemicals and Catalysts社によって参照名Coverleaf NS又はJSで販売されており、30の領域にコントラスト比を有する。
【0223】
それらはまた、例えば、酸化鉄を含有するシリカマイクロスフェア型のものであり得る構造を有する顔料であってもよい。この構造を有する顔料の例は、Miyoshi社によって参照名PC Ball PC-LL-100 Pで販売されている製品であり、この顔料は、黄酸化鉄を含有するシリカマイクロスフェアから構成されている。
【0224】
有利なことには、顔料は、酸化鉄及び/又は二酸化チタンであり得る。
【0225】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、1質量%未満の顔料を含む。
【0226】
真珠光沢剤
「真珠光沢剤」という用語は、虹色であってもそうでなくてもよく、特に、ある特定の軟体動物によってその殻中で生成されるか、又は代替的には合成され、且つ光学干渉による色効果を有する、任意の形態の有色粒子を意味すると理解されるべきである。
【0227】
真珠光沢剤は、真珠光沢顔料、例えば、酸化チタンで被覆されたマイカを酸化鉄で覆ったもの、酸化チタンで被覆されたマイカをオキシ塩化ビスマスで覆ったもの、酸化チタンで被覆されたマイカを酸化クロムで覆ったもの、酸化チタンで被覆されたマイカを有機染料で覆ったもの、更にはオキシ塩化ビスマスをベースとする真珠光沢顔料から選択することができる。それらはまた、その表面に、金属酸化物及び/又は有機着色剤の少なくとも2つの連続する層が重ねられたマイカ粒子であってもよい。
【0228】
更に挙げることができる真珠光沢剤の例としては、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料、又はオキシ塩化ビスマスで覆われた天然マイカが挙げられる。
【0229】
市販入手可能な真珠光沢剤のなかでもとりわけ、Engelhard社によって販売されている真珠光沢剤Timica、Flamenco、及びDuochrome(マイカベース)、Merck社によって販売されている真珠光沢剤Timiron、Eckartによって販売されているマイカベースの真珠光沢剤Prestige、並びにSun Chemical社によって販売されている合成マイカベースの真珠光沢剤Sunshineを挙げることができる。
【0230】
真珠光沢剤は、より具体的には、黄、ピンク、赤、青銅、オレンジ、茶、金、及び/又は銅の色又は色調を有し得る。
【0231】
有利なことには、本発明による真珠光沢剤は、二酸化チタン又は酸化鉄、更にはオキシ塩化ビスマスで覆われたマイカである。
【0232】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、1質量%未満の真珠光沢剤を含む。
【0233】
金属の色合いを有する粒子
本発明の目的で、「金属の色合いを有する粒子」という用語は、その性質、サイズ、構造、及び表面仕上げが、入射光を具体的には虹色ではない様式で反射することを可能にする、任意の化合物を意味する。
【0234】
本発明において使用することができる金属の色合いを有する粒子は、具体的には、少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体の粒子、単一の材料又は複数の材料から作製され、少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体を含む金属の色合いを有する粒子を有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的に覆われた、有機又は鉱物系基質を含む粒子、並びに前記粒子の混合物から選択される。
【0235】
前記粒子中に存在し得る金属のなかでもとりわけ、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、及びSe、並びにこれらの混合物又は合金を挙げることができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo、及びCr、並びにこれらの混合物又は合金(例えば青銅及び黄銅)が、好ましい金属である。
【0236】
「金属誘導体」という用語は、金属から誘導される化合物、具体的には酸化物、フッ化物、塩化物、及び硫化物を指す。
【0237】
挙げることができるこれらの粒子の例証としては、アルミニウム粒子、例えば、Siberline社によって名称Starbrite 1200 EAC(登録商標)で販売されているもの及びEckart社によって名称Metalure(登録商標)で販売されているもの、並びに金属層で被覆されたガラス粒子、特に特開平09-188830、特開平10-158450、特開平10-158541、特開平07-258460、及び特開平05-017710に記載されているものが挙げられる。
【0238】
1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、1%未満の金属の色合いを有する粒子を含む。
【0239】
着色剤の疎水性処理
前述の粉体着色剤は、それらを本発明の組成物の油性相とより適合性にするように、特に、それらが油との良好な濡れ性を有するように、疎水性剤で全体的又は部分的に表面処理され得る。したがって、これらの処理された顔料は、油性相中に良好に分散される。疎水性処理された顔料は、特に、EP-A-1086683に記載されている。
【0240】
疎水性処理剤は、シリコーン、例えば、メチコン、ジメチコン、及びペルフルオロアルキルシラン;脂肪酸、例えば、ステアリン酸;金属石鹸、例えば、ジミリスチン酸アルミニウム、水素化タロウグルタメートのアルミニウム塩;ペルフルオロアルキルホスフェート;ヘキサフルオロプロピレンポリオキシド;ペルフルオロポリエーテル;アミノ酸;N-アシルアミノ酸又はその塩;レシチン;イソプロピルトリイソステアリルチタネート、セバシン酸イソステアリル、並びにこれらの混合物から選択され得る。
【0241】
上記に引用された化合物において言及される「アルキル」という用語は、特に、1~30個の炭素原子を含有する、好ましくは5~16個の炭素原子を含有するアルキル基を指す。
【0242】
添加剤
本発明による組成物はまた、従来的な化粧用アジュバント、特に、活性剤、軟化剤、湿潤剤、不透明化剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、極性添加剤、保存剤、具体的にはフェノキシエタノール、ポリマー、例えば、皮膜形成性ポリマー、噴射剤、分散剤、抗汚染剤、キレート剤、塩基性化剤若しくは酸性化剤、又は化粧用及び/若しくは皮膚科の分野において一般的に使用される任意の他の成分から選択されるものを含み得る。
【0243】
酸性化剤のなかでもとりわけ、挙げることができる例としては、鉱酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸又は乳酸、及びスルホン酸が挙げられる。
【0244】
塩基性化剤のなかでもとりわけ、挙げることができる例としては、アンモニア水、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えば、モノ、ジ、及びトリエタノールアミン、並びにこれらの誘導体、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムが挙げられる。
【0245】
好ましくは、化粧用組成物は、アルカノールアミン、具体的にはトリエタノールアミン、及び水酸化ナトリウムから選択される1種又は複数種の塩基性化剤を含む。
【0246】
順相(direct)エマルションの場合、本発明による組成物のpHは、一般的に、およそ3から12の間、好ましくはおよそ5から11の間、更により具体的には5.5から8である。
【0247】
ケラチン物質、例えば、皮膚、唇、頭皮、毛髪、まつ毛、又は爪をケアするための活性剤のなかでもとりわけ、例えば、単独又は混合物としてのビタミン類及びその誘導体又は前駆体;抗酸化剤;フリーラジカルスカベンジャー;抗汚染物質;セルフタンニング剤;抗糖化剤;鎮静剤;デオドラント剤;エッセンシャルオイル;NO合成酵素阻害剤;真皮又は表皮巨大分子の合成を刺激するため及び/又はその分解を予防するための薬剤;線維芽細胞増殖を刺激するための薬剤;ケラチノサイト増殖を刺激するための薬剤;筋弛緩剤;清涼剤;テンション付与剤(tensioning agent);マット化剤;脱色素沈着剤;色素沈着促進剤;角質溶解剤;落屑剤;保湿剤;抗炎症剤;抗微生物剤;粘稠低下剤(thinning agent);細胞エネルギー代謝に作用する薬剤;昆虫忌避剤;サブスタンスPアンタゴニスト又はCRGPアンタゴニスト;脱毛予防剤;抗しわ剤;抗老化剤を挙げることができる。
【0248】
当業者であれば、皮膚、毛髪、まつ毛、眉毛、又は爪に対する所望される効果の機能として、前記活性剤を選択するであろう。
【0249】
言うまでもなく、当業者であれば、この若しくはこれらの任意選択の追加の化合物、及び/又はその量を、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加によって有害な影響を受けないか又は実質的に受けないように、選択することに気を付けるであろう。
【0250】
組成物
本発明による組成物は、エマルション、例えば、水中油(O/W)型若しくは油中水(W/O)型エマルション、ゲル、例えば、水中油型若しくは油中水型乳化ゲル、水性組成物の形態、又はそれ以外ではゲル/ゲル型の組成物の形態にあり得る。
【0251】
一実施形態によると、本発明による組成物は、エマルションである。
【0252】
1つの変化形によると、本発明による組成物は、単相エマルションである。
【0253】
1つの変化形によると、本発明による組成物は、多相エマルションである。それは、三相エマルションであってもよい。
【0254】
1つの変化形によると、本発明による組成物は、順相単相エマルションである。したがって、一実施形態によると、本発明による組成物は、水中油(O/W)型エマルションである。
【0255】
1つの変化形によると、本発明による組成物は、逆相単相エマルションである。したがって、一実施形態によれば、本発明による組成物は、油中水(W/O)型エマルションである。
【0256】
1つの変化形によると、本発明による組成物は、水性ゲル又は溶液型の水性配合物である。
【0257】
好ましくは、組成物は、エマルション、特に、油中水型又は水中油型エマルションである。
【0258】
水中油型又は油中水型エマルション形態の組成物の場合、使用することができる乳化方法は、パドル又はプロペラ、ローターステーター、及びHPH型のものである。
【0259】
低含有量のポリマー(油/ポリマーの比>25)で、安定なエマルションを得るために、濃縮相中に分散体を調製し、次いで分散体を残りの水性相で希釈することが可能である。
【0260】
また、HPH(50から800barの間)を介して、100nm程度に小さくてもよい液滴サイズの安定な分散体を得ることもできる。
【0261】
本発明による組成物は、程度の差はあっても流体であり得、白色又は有色のクリーム、軟膏、乳液、ローション、セラム、ペースト、又は泡状体の外観を有し得る。それは、任意選択で、エアロゾルの形態で皮膚に適用されてもよい。それはまた、固体形態、例えば、スティックの形態であってもよい。
【0262】
本発明による組成物は、ケラチン物質をケア及び/又はメイクアップするための化粧用組成物、好ましくは、ケラチン物質、特に身体又は顔面、好ましくは顔面のケラチン物質をケアするための化粧用組成物の形態であり得る。
【0263】
本発明による組成物は、皮膚、唇、及び毛髪(頭皮を含む)のため、具体的には、皮膚、唇、及び/若しくは毛髪を防護及び/若しくはケアするため、並びに/又は皮膚及び/若しくは唇をメイクアップするための、多数の処置、特に美容処置において用途を見出す。
【0264】
本発明の別の主題は、皮膚、唇、爪、毛髪、まつ毛、眉毛、及び/又は頭皮の美容処置のための製品、具体的にはケア製品、日焼け止め製品、及びメイクアップ製品の製造における、上記に定義される本発明による組成物の使用から構成される。
【0265】
本発明による組成物は、皮膚又は半粘膜をケアするための製品、例えば、顔面、唇、手、足、身体構造上のひだ、又は身体の防護用又は美容用ケア組成物(例えば、日中用クリーム、夜用クリーム、日中用セラム、夜用セラム、メイクアップ除去クリーム、メイクアップベース、日焼け止め組成物、防護用若しくはケア用ボディ乳液、アフターサン乳液、スキンケア若しくは頭皮ケアローション、ゲル若しくは泡状体、セラム、マスク、又はアフターシェーブ組成物)の形態であり得る。
【0266】
本発明による化粧用組成物は、例えば、液体から半液体の粘稠度を有する顔面及び/又は身体用のケア製品及び/又は日焼け止め製品、例えば、ローション、乳液、程度の差はあっても濃厚なクリーム、ゲル、及びクリーム-ゲルとして、使用され得る。それらは、任意選択で、エアロゾルとしてパッケージ化することができ、泡状体又はスプレーの形態で提供することができる。
【0267】
本発明による蒸発性の流体ローションの形態の本発明による組成物は、加圧デバイスによって微粒子の形態で皮膚又は毛髪に適用される。本発明によるデバイスは、当業者に周知であり、これには、非エアロゾルポンプ又は「アトマイザー」、噴射剤を含むエアロゾル容器、及び噴射剤として圧縮空気を使用するエアロゾルポンプが挙げられる。これらのデバイスは、米国特許第4077441号及び同第4850517号に記載されている。
【0268】
本発明によりエアロゾルの形態でパッケージ化される組成物は、一般に、従来的な噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン、又はトリクロロフルオロメタンを含有する。それらは、好ましくは、組成物の総質量に対して15質量%~50質量%の範囲の量で存在する。
【0269】
組成物は、手で、又はアプリケーターを使用して、皮膚に適用され得る。
【0270】
別の態様によると、本発明は、
i)閉鎖部材によって閉鎖され、任意選択で封止されていない、1つ又は複数の区画に区切ってある容器と、
ii)前記区画内に入れられた本発明によるメイクアップ及び/又はケア組成物と
を含む、化粧用アセンブリにも関する。
【0271】
容器は、例えば、瓶又はケースの形態であり得る。
【0272】
閉鎖部材は、前記メイクアップ及び/若しくはケア組成物を収容する容器に対して並動することによって、又は軸回転することによって移動できるように取り付けられたキャップを含む蓋の形態であってもよい。
【0273】
そのような組成物は、特に、当業者の一般的知識に従って調製される。
【0274】
上記に定義されるそのような組成物は、特に、本発明による化粧用使用に利用され得る。
【0275】
したがって、本発明はまた、ケラチン物質のケア及び/又はメイクアップのため、好ましくは、ケラチン物質、特に身体及び/又は顔面の皮膚のケアのための、本発明による組成物の使用にも関する。
【0276】
本発明はまた、ケラチン物質、特に皮膚のメイクアップ及び/又はケアのための美容方法であって、上記に定義される組成物を、前記ケラチン物質に適用する少なくとも1つの工程を含む、方法にも関する。
【0277】
好ましくは、本発明はまた、ケラチン物質、特に、身体及び/又は顔面のケラチン物質をケアするための美容方法であって、上記に定義される組成物を、前記ケラチン物質に適用する少なくとも1つの工程を含む、方法にも関する。
【0278】
ケラチン物質、特に皮膚をメイクアップ及び/又はケアするための美容方法は、非治療的である。
【0279】
具体的には、本発明は、ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇及び/又は毛髪を太陽光照射から防護するための、上述の組成物の非治療的美容使用に関する。
【0280】
本発明はまた、ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇及び/又は毛髪の光に誘発される早期老化の兆候を阻止又は予防するための、上記に定義される組成物の非治療的美容使用にも関する。
【0281】
一実施形態によると、本発明はまた、UVA線、UVB線、及び長波長UVA線によって誘発される色素沈着を低減させるための、本発明による組成物の使用にも関する。
【0282】
本発明はまた、皮膚の黒ずみを予防するため、並びに/又は顔肌の色及び/若しくは均一性を改善するための、上記に定義される組成物の美容使用にも関する。
【0283】
加えて、本発明は、ケラチン物質、特に皮膚、特に顔面、首周り、腕、手、及び/又は肩の早期老化、具体的には化学線起源の皮膚老化、例えば、光老化の兆候を予防するための、上記に定義される組成物の美容使用に関する。
【0284】
本発明はまた、皮膚の引き締まり(firmness)及び/若しくは弾力性及び/若しくは張り及び/若しくは柔軟性の消失、しわ及び小じわの形成、顔肌のくすみ、並びに/又はしわだらけな皮膚の外観を予防するための、上記に定義される組成物の美容使用にも関する。
【0285】
本発明はまた、ケラチン物質、特に皮膚及び/又は唇及び/又は毛髪を太陽光照射から防護するための非治療的美容方法であって、ケラチン物質の表面への、本発明による少なくとも1種の組成物の適用を含む、方法にも関する。
【0286】
これはまた、ケラチン物質の老化の兆候を予防及び/又は処置するための非治療的美容方法であって、ケラチン物質の表面への、本発明による少なくとも1種の組成物の適用を含む、方法にも関する。
【0287】
本発明の目的で、「予防する」という用語は、少なくとも部分的に、所与の現象の発生の危険性を低減させることを意味すると理解される。
【0288】
特許請求の範囲を含めた説明全般にわたって、「1つの~を含む(including a)」という表現は、別途示されない限り、「少なくとも1つの~を含む(including at least one)」と同義であると理解されるべきである。
【0289】
「~から~の間」、「~から~を含む」、「~から~を形成する」、及び「~から~の範囲に及ぶ」という表現は、別途示されない限り、両端を含むと理解されるべきである。
【0290】
本明細書及び実施例において、別途示されない限り、百分率は、質量に基づく百分率である。百分率は、したがって、組成物の総質量に対する質量によって表される。温度は、別途示されない限り、摂氏度で表され、圧力は、別途示されない限り、大気圧である。
【0291】
本発明を、下に提示される非限定的実施例によって、より詳細に例証する。
【実施例
【0292】
(実施例A)
本発明によるメロシアニンの調製
【0293】
(実施例A1)
化合物(A)の調製
【0294】
【化10】
【0295】
122.23gの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチル硫酸又は代替的にはジエチル硫酸でアルキル化し、塩基及び任意選択で溶媒の存在下において、およそ等モルの割合の75.45gのシアノ酢酸エチルで処理した。
【0296】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用した。
【0297】
【表2】
【0298】
アルキル化反応の完了は、例えば、TLC、GC、又はHPLC等の方法によってモニタリングすることができた。162.30gの化合物(14)を、褐色の油の形態で得た。結晶化後、生成物を、黄色がかった結晶の形態で得た。
融点: 92.7℃。
【0299】
(実施例A2)
化合物(B)の調製
【0300】
【化11】
【0301】
101.00gの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチル硫酸又は代替的にはジエチル硫酸でアルキル化し、塩基及び任意選択で溶媒の存在下において、およそ等モルの割合の86.00gの2-シアノ-N-(3-メトキシプロピル)アセトアミドで処理した。
【0302】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用した。
【0303】
【表3】
【0304】
粗生成物(B)を、暗褐色の油の形態で得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 99/1トルエン/メタノール)の後に、81.8gの生成物を、黄色がかった結晶の形態で得た。
融点: 84.7~85.3℃。
【0305】
(実施例A3)
化合物(D)の調製
【0306】
【化12】
【0307】
13.09gの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチル硫酸又は代替的にはジエチル硫酸でアルキル化し、塩基及び任意選択で溶媒の存在下において、10.12gのシアノ酢酸イソブチルで処理した。
【0308】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用した。
【0309】
【表4】
【0310】
15.97gの粗生成物(27)を、暗褐色の油の形態で得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:トルエン/アセトン)の後に、13.46gの生成物を、黄色がかった結晶の形態で得た。
融点: 96.3℃。
【0311】
(実施例A4)
化合物(C)の調製
【0312】
【化13】
【0313】
148.4gの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチル硫酸又は代替的にはジエチル硫酸でアルキル化し、有機塩基及び溶媒の存在下において、130.00gのシアノ酢酸2-エトキシエチルで処理した。
【0314】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用した。
【0315】
【表5】
【0316】
(実施例1)
飽和単一溶液における実施例A4において調製したメトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテート(C)の可溶化の試験
様々な溶媒及び溶媒の混合物中のメトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテート遮断剤を過剰量で含む単一溶液を、以下の表に詳述される質量割合を使用して調製した。値は、組成物の総質量に対する質量百分率で表す。
【0317】
【表6】
【0318】
メトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテート遮蔽剤を、様々な溶媒及び溶媒の混合物におけるその溶解度を計算するために、アッセイした。配合物のそれぞれにおいて、遮蔽剤は、同程度の飽和で溶解度測定を行うために、5%過剰量で存在する。
【0319】
溶液を、アッセイの前に0.2μmで濾過した。アッセイを、組成物の調製の72時間後に室温で行った。
【0320】
配合物4について、追加のアッセイを、組成物の調製の2カ月後に室温で行った。
【0321】
アッセイは、以下の条件下においてHPLC/UVにより行った:系: WatersのAcquity UPLC、BEH Shield RP18カラム、1.7μm(2.1mm×100mm)、溶離剤:メタノール/H3PO4酸性化水、溶離剤勾配0.1%。試料は、メタノール中への希釈によって調製する。
【0322】
結果を、以下の表に詳述する。
【0323】
【表7】
【0324】
溶解度測定は、メトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテート遮蔽剤(C)の水溶性が、ニコチンアミド及び/又はカフェインを含む本発明による組成物において、ヒドロトロープを含まない配合物1と比較して、増加することを示す。
【0325】
この溶解度は、本発明による組成物4に行った測定によって示されるように、組成物の調製の2カ月後に安定なままであるため、長期にわたり検証される。
【0326】
化合物(C)の水性媒体における溶解度はまた、性質及び質量割合が以下のTable 5(表5)に詳述されている単一のヒドロトロープ及び1種又は複数種の有機溶媒の組合せの存在下においても検証した。値は、組成物の総質量に対する質量百分率で表す。
【0327】
配合物1A~Gを、以下の手順に従って調製した:
- 化合物25を、透明な混合物が得られるまで65℃で加熱することによって、炭酸プロピレン中に溶解させる。
- およそ45℃まで冷まし、次いで、他の成分を導入し、最後にエタノールを添加する。
- 混合物を再度65℃で加熱する。
- ヒドロトロープが添加されている場合(実施例2、3、5、6、及び7)、透明な混合物が得られるまでボルテックスを行う。
- 65℃で1時間放置し、次いで、24時間室温に戻す。
- 混合物を4000rpmで10分間遠心分離して、相分離を加速させる。
- 混合物を、次いで、室温で保管し、相分離が2週間後に観察される。
【0328】
【表8】
【0329】
【表9】
【0330】
水(配合物A)又は少なくとも1種の有機溶媒を含有する水性混合物(配合物D)における化合物(C)の溶解度の欠如は、例えば、ニコチンアミド又はサリチル酸ナトリウム又はカフェイン等のヒドロトロープの存在によって克服されることが観察される。
【0331】
(実施例2)
本発明による組成物6
ゲル形態にある本発明による組成物6を、以下の表に詳述される質量割合を使用して調製する。値は、組成物の総質量に対する質量百分率で表す。
【0332】
【表10】
【0333】
組成物を、以下の手順に従って調製する。
Rayneriパドルを備えるビーカーにおいて、相Aの水、ジプロピレングリコール、及びナイアシンアミドを混合する。溶液が透明になったときに、カフェインを導入し、次いで、メトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテートを導入し、溶液を40℃で撹拌及び加熱したまま放置する。溶液が透明になったら、保存剤を添加し、次いで、ゲル化剤を導入し、組成物を放置して膨張させる。次いで、pHを測定し、組成物を、NaOHで中和して、6に等しいpHを得る。次いで、相Dの水を添加する。
【0334】
得られる組成物は、有利なことに、単相組成物である。
【0335】
(実施例3)
本発明による組成物7及び8
水中油型エマルションの形態にある本発明による組成物7及び8を、以下の表に詳述される質量割合を使用して調製する。値は、組成物の総質量に対する質量百分率で表す。
【0336】
【表11】
【0337】
組成物7を、以下の手順に従って調製する。
相B1の成分を、Rayneriパドルを備える乳化装置において混合し、70℃で10分間ホモジナイズする。相Aの成分を、乳化のために60℃で添加し、組成物を10分間撹拌したまま放置する。相B2、B3、及びCの成分を、ゲル化のために40℃で添加する。組成物を、15分間撹拌したまま放置する。組成物を30℃に冷却する。相Eの充填剤を組み込み、組成物を、15分間撹拌したまま放置する。
【0338】
【表12】
【0339】
組成物8を、以下の手順に従って調製する。
Rayneriパドルを備えるビーカーにおいて、水、ジプロピレングリコール、フェノキシエタノール、及びナイアシンアミドを混合する。溶液が透明になったときに、カフェインを導入し、次いで、メトキシプロピルアミノシクロヘキセニリデンエトキシエチルシアノアセテートを導入し、溶液を40℃で撹拌及び加熱したまま放置する。溶液が透明になったら、事前に55℃で融解させた相B1の化合物を乳化のために添加し、次いで、相B2の成分を添加する。相Cの成分を導入し、次いで、相Dの成分を導入し、組成物を放置して膨張させる。
【0340】
組成物7及び8は、いずれも単相組成物である。換言すると、化合物(C)は、溶質形態でそこに配合される。
【0341】
(実施例4)
組成物9
組成物9を、以下の表に詳述される質量割合を使用して調製する。値は、組成物の総質量に対する質量百分率で表す。
【0342】
【表13】
【0343】
手順:
- 相A1、B1、及びCを、それぞれの相を構成する成分を混合し、透明な混合物が得られるまで磁気撹拌下において65℃で加熱することによって、別個に調製する。
- 相B2の成分を、セチルリン酸カリウムの微細な分散体が得られるまで、撹拌下で相B1に導入する。
- 相A2を、ゲル化剤をグリコール中に分散させた後、水を添加し、Ultraturraxミキサーを用いて27 000rpmで5分間混合することによって調製する。
- 相Cを、透明な混合物が得られるまで65℃で加熱しながら化合物25を機械的撹拌下において炭酸プロピレンに導入することによって調製する。次いで、混合物が室温に戻ったら、エタノールを組み込む。
- 相A1及びA2を、Ultraturraxミキサーを用いて27 000rpmで5分間混合することによって相B1+B2に導入して、エマルションを得る。相Cを、次いで、Ultraturraxミキサーを用いて27 000rpmで5分間混合することによって組み込む。
組成物9は、有利なことに、エマルションである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粧用又は皮膚用組成物であって、少なくとも水性相と、
- 以下の式(I)の少なくとも1種のメロシアニン及びそのE/E又はE/Z幾何異性体形態:
【化1】
(式中、
- Aは、-O-又は-NHであり、
- Rは、C1~C22アルキル基、C2~C22アルケニル基、C2~C22アルキニル基、C3~C22シクロアルキル基、又はC3~C22シクロアルケニル基であり、前記基が1つ又は複数のOによって中断されることが可能である)と、
- ニコチンアミド、カフェイン、サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープと
を含む、化粧用又は皮膚用組成物。
【請求項2】
少なくとも式(I)のメロシアニンとして、以下の化合物及びそのE/E又はE/Z幾何異性体形態から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【表1A】
【表1B】
【請求項3】
式(I)のメロシアニンが、以下の構造を有するそのE/Z幾何立体配置:
【化2】
及び/又は以下の構造を有するそのE/E幾何立体配置:
【化3】
にある化合物2-エトキシエチル(2Z)-シアノ{3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン}エタノエート(C)である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のメロシアニンの含有量が、前記組成物の総質量に対して0.1質量%~25質量%の範囲に及ぶ、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ニコチンアミド、カフェイン、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種のヒドロトロープを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
サリチル酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(PCAナトリウム)、1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、4-ピリジンカルボン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(NaPTS)、ブチルモノグリコール硫酸ナトリウム(NaBMGS)、4-アミノ安息香酸HCl、クメンスルホン酸ナトリウム、N,N-ジエチルニコチンアミド、N-ピコリルニコチンアミド、N-アリルニコチンアミド、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、レゾルシノール、ピロガロール、N-ピコリルアセトアミド、プロカインHCl、プロリンHCl、ピリジン、3-ピコリルアミン、イブプロフェンナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、カルバミン酸エチル、ピリドキサール塩酸塩、安息香酸ナトリウム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、イソニアジド、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の追加のヒドロトロープを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
ヒドロトロープとして少なくともニコチンアミドを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ヒドロトロープの含有量が、前記組成物の総質量に対して0.1質量%~20質量%の範囲に及ぶ、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
式(I)のメロシアニン/ヒドロトロープの質量比が、0.01~8の範囲に及ぶ、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ニコチンアミド、カフェイン、及びサリチル酸ナトリウムから選択される少なくとも2種の異なるヒドロトロープを含み、式(I)のメロシアニン/ヒドロトロープの質量比が、0.01~5の範囲に及ぶ、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ニコチンアミド及びカフェインから選択される2種の異なるヒドロトロープを含み、これらの2種のヒドロトロープ間の質量比が、0.2~5の範囲に及ぶ、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種のアルコールを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の炭酸アルキレンを更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のポリオールを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
なくとも1種の脂肪相を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
式(I)のメロシアニンとは異なる少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤を更に含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
ケラチン物質をケアするための化粧用組成物であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
ケラチン物質をケアするための美容方法であって、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物を前記ケラチン物質に適用する少なくとも1つの工程を含む、方法。
【国際調査報告】