IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノベリス・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-544311コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法
<>
  • 特表-コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法 図1
  • 特表-コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法 図2
  • 特表-コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法 図3
  • 特表-コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法 図4
  • 特表-コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】コーティング除去サイクロンダストの冷却システムと関連方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20241121BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20241121BHJP
   F27B 17/00 20060101ALI20241121BHJP
   F27B 9/24 20060101ALI20241121BHJP
   F27B 9/40 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B09B5/00 N
B09B3/40 ZAB
F27B17/00 D
F27B9/24 Z
F27B9/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536227
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2022080693
(87)【国際公開番号】W WO2023133009
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/266,465
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヤング ソン
【テーマコード(参考)】
4D004
4K050
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AA50
4K050AA00
4K050BA03
4K050CD27
4K050CD30
4K050CG24
4K050EA05
(57)【要約】
冷却システムは、センサと冷却コンベアとを備える。センサは、コーティング除去システムのダストサイクロンから排出されるダストのダスト特性を測定する。冷却コンベアは、ダストサイクロンからダストを受け取り、冷却速度でダストを冷却し、冷却速度は、測定されたダスト特性に基づいて制御することができる。冷却システムを備えたコーティング除去システムのダストサイクロンからのダストを冷却する方法は、ダストサイクロンから冷却システムの冷却コンベアに排出されるダストのダスト特性を測定することを含む。方法はまた、冷却コンベアに沿ってダストを前進させることと、測定されたダスト特性に基づいた冷却速度でダストを冷却することとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却システムであって、
コーティング除去システムのダストサイクロンから排出されたダストのダスト特性を測定するように構成されたセンサと、
前記ダストサイクロンから前記ダストを受け取り、前記ダストを冷却速度で冷却するように構成された冷却コンベアと、を備え、
前記冷却システムは、前記測定されたダスト特性に基づいて前記冷却速度を制御するように構成されている、
前記冷却システム。
【請求項2】
前記冷却コンベアが、前記ダストを入口温度から冷却温度まで冷却するように構成され、
前記冷却温度は150℃以下である、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記冷却温度が50℃~150℃である、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記冷却コンベアが、トラフ内に回転可能に配置されたスクリューを備え、
前記冷却システムが、前記トラフ内の前記スクリューの回転速度を制御することによって前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記冷却システムが、前記ダストが前記冷却コンベア内に留まる時間を制御するようにコンベア速度を調整することにより、前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記冷却コンベア内の前記ダストに冷却剤を放出するように構成された少なくとも1つの冷却剤ディスペンサをさらに備え、
前記冷却システムが、前記少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって放出される前記冷却剤の量、流量、または温度を制御することによって前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記センサ及び前記冷却コンベアに通信可能に結合されたコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記測定されたダスト特性に基づいて前記冷却コンベアの前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記ダスト特性が、ダスト温度またはダスト量の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記センサが前記冷却コンベアの上流にあり、前記冷却コンベアの入口の上流の前記ダスト特性を測定する、請求項1に記載の冷却コンベア。
【請求項10】
前記冷却コンベアが入口と出口とを備え、
前記センサが前記入口と前記出口との間の前記ダスト特性を測定するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記冷却コンベア内の前記ダストに冷却剤を放出するように構成された冷却剤ディスペンサをさらに備え、
前記冷却システムが、前記冷却剤を最小放出速度で放出するように前記冷却剤ディスペンサを制御することによって、前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記冷却システムが、
前記ダストに直接接触する冷却剤の冷却特性、または
前記ダストを間接的に冷却する冷却剤の冷却特性
のうちの少なくとも1つを制御することによって、前記冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項13】
ダストサイクロンと請求項1に記載の冷却システムとを備えるコーティング除去システムであって、
前記ダストサイクロンは、コーティング除去キルンから排気ガスを受け取り、前記排気ガスから粒子状物質をダストとして濾過し、前記ダストを排出するように構成されている、前記コーティング除去システム。
【請求項14】
冷却システムを備えたコーティング除去システムのダストサイクロンからのダストを冷却する方法であって、
前記ダストサイクロンから前記冷却システムの冷却コンベアに排出される前記ダストのダスト特性を測定することと、
前記冷却コンベアに沿って前記ダストを前進させることと、
前記測定されたダスト特性に基づいた冷却速度で前記ダストを冷却することと、
を含む、前記方法。
【請求項15】
前記ダスト特性を測定することが、ダスト温度またはダスト量のうちの少なくとも1つを測定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記冷却速度で前記ダストを冷却することが、前記測定されたダスト特性に基づいて前記冷却速度を調整することを含み、前記冷却速度を調整することは、
前記冷却コンベアのトラフ内のスクリューの回転速度、
前記冷却コンベアに供給される冷却剤の流量、
前記冷却コンベアに供給される前記冷却剤の温度、
少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の量、
少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の流量、または、
少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の温度、
のうちの少なくとも1つを制御することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
冷却システムであって、
トラフと前記トラフ内のスクリューとを備える冷却コンベアであって、前記スクリューは前記トラフ内で回転可能であり、前記スクリューまたは前記トラフのうちの少なくとも一方は冷却剤で内部冷却され、冷却剤入口及び冷却剤出口を備え、前記冷却コンベアは、コーティング除去システムのダストサイクロンから排出されるダストを受け取り、冷却速度で前記ダストを冷却するように構成されている、前記冷却コンベアと、
前記冷却剤の特性を測定するように構成されたセンサと、を備え、
前記冷却システムは、前記冷却剤の前記測定された特性に基づいて前記冷却速度を制御するように構成されている、
前記冷却システム。
【請求項18】
前記センサは、前記冷却剤が前記冷却剤入口に入る前、及び/または前記冷却剤が前記冷却剤出口から出た後、前記冷却剤の前記特性を測定するように構成されている、請求項17に記載の冷却システム。
【請求項19】
前記冷却システムが、
前記冷却コンベアのトラフ内のスクリューの回転速度、
前記冷却コンベアに供給される前記冷却剤の流量、
前記冷却コンベアに供給される前記冷却剤の温度、
少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の量、
少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の流量、または
少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の温度、
のうちの少なくとも1つを制御することによって、前記冷却速度を制御するように構成されている、
請求項17に記載の冷却システム。
【請求項20】
ダスト計量及び警報システムをさらに備え、
前記ダスト計量及び警報システムは、
前記冷却コンベアから排出されるダストを受け取り、
前記ダストの少なくとも1つの特性を測定し、
前記測定された少なくとも1つの特性が所定のしきい値外であることに基づいて警報を生成する、
ように構成される、
請求項17に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2022年1月6日に出願された「COOLING SYSTEM FOR DECOATER CYCLONE DUST AND RELATED METHODS」と題された米国仮特許出願第63/266,465号の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、金属リサイクル、より詳細には金属リサイクル用のコーティング除去システムに関する。
【背景技術】
【0003】
金属のリサイクルでは、金属スクラップ(アルミニウムやアルミニウム合金など)を粉砕、破砕、細断、またはその他の方法で小さな金属スクラップにする。多くの場合、金属スクラップには、油、塗料、ラッカー、プラスチック、インク、接着剤などの様々なコーティングや、紙、ビニール袋、ポリエチレンテレフタレート(PET)、砂糖の残留物などの他の有機汚染物質を有しており、金属スクラップをさらに処理して回収する前に、コーティング除去プロセスでこれらを除去する必要がある。
【0004】
コーティング除去システムによるコーティング除去中に、非揮発性有機化合物は熱分解され、有機化合物の一部は凝縮され、他の微細物質(アルミニウム微粒子、粘土、ガラス、顔料などの様々な無機物質など)とともに、コーティング除去システムのダストサイクロンを通してダストとして除去される。このダストには高濃度の有機化合物や金属粉などの可燃物が含まれており、また(コーティング除去プロセスによって)高温であるため、コーティング除去システムから排出されるとき、燃焼しやすく、ダスト火災が発生しやすくなる。これらの火災は、水や消火器を使っても消火するのが非常に困難である。さらに、水を使用してダストを湿らせて水とダストのスラリ混合物にすると、スラリ混合物の含有のために混合物を処分する費用がかさみ、毎日必要な水の量によってプロセスの実施に費用がかさみ、かつ、混合物は潜在的な安全性と環境上の問題を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0005】
本特許の適用を受ける実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって規定される。この発明の概要は、様々な実施形態の高レベルの概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介する。この発明の概要は、特許を請求する主題の重要または必須の特徴を特定することを意図しておらず、また、特許を請求する主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、任意もしくはすべての図面、ならびに各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0006】
特定の実施形態によれば、冷却システムは、コーティング除去システムのダストサイクロンから排出されるダストのダスト特性を測定するためのセンサを備える。冷却システムは、ダストサイクロンからダストを受け取り、冷却速度でダストを冷却するための冷却コンベアも備える。様々な実施形態において、冷却システムは、測定されたダスト特性に基づいて冷却速度を制御することができる。
【0007】
一部の実施形態によれば、コーティング除去システムは、ダストサイクロンと冷却システムとを備える。ダストサイクロンは、コーティング除去キルンからの排気ガスを受け取り、排気ガスから粒子状物質をダストとして濾過し、ダストを排出することができる。冷却システムは、センサと冷却コンベアとを備える。センサは、ダストサイクロンから排出されるダストのダスト特性を測定し、冷却コンベアは、ダストサイクロンから排出されるダストを受け取って、冷却速度でダストを冷却することができる。特定の実施形態において、冷却システムは、測定されたダスト特性に基づいて冷却速度を制御する。
【0008】
様々な実施形態によれば、冷却システムを備えたコーティング除去システムのダストサイクロンからのダストを冷却する方法は、ダストサイクロンから冷却システムの冷却コンベアに排出されるダストのダスト特性を測定することを含む。方法は、冷却コンベアに沿ってダストを前進させることと、測定されたダスト特性に基づいた冷却速度でダストを冷却することとを含む。
【0009】
特定の実施形態によれば、冷却システムは、トラフと、トラフ内のスクリューとを有する冷却コンベアを備え、スクリューはトラフ内で回転可能である。様々な実施形態において、スクリューまたはトラフの少なくとも一方は、冷却剤によって内部冷却され、冷却剤入口及び冷却剤出口を備える。冷却コンベアは、コーティング除去システムのダストサイクロンから排出されるダストを受け取り、冷却速度でダストを冷却することができる。冷却システムは、冷却剤の特性を測定するためのセンサも備える。特定の実施形態では、冷却システムは、冷却剤の測定された特性に基づいて冷却速度を制御することができる。
【0010】
本明細書に説明される様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含んでよく、これらは、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。すべてのこのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0011】
本明細書は以下の添付図面を参照する。異なる図における同様の参照番号の使用は、同様または類似の構成要素を示すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態による、冷却システムを備えたコーティング除去システムを示す。
図2】実施形態による、冷却システムを備えたコーティング除去システムを示す。
図3】実施形態による、冷却システムのスクリューを示す。
図4】実施形態による、冷却コンベアのトラフを示す。
図5】実施形態による、冷却システムを備えたコーティング除去システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、金属リサイクル用のコーティング除去システムの冷却システム、及び関連する方法について説明する。冷却システムは金属リサイクル用のコーティング除去システムと共に説明するが、これに限定されるものではなく、必要に応じて他のシステムと共に使用されてもよい。特定の態様では、本明細書で提供される冷却システムは、冷却コンベア内のダストの冷却を改善し、また、冷却システムは、オプションで、ダストの1つまたは複数の特性に基づいて可変の冷却を提供することができる。従来のシステムと比較して、本明細書で提供される冷却システムは、冷却コンベア内に直接噴霧される水または冷却剤を最小限に抑えることができ、これにより、ダスト火災のリスクを排除または最小限に抑えるとともに、環境問題(ダストから漏れる可能性のある汚染水など)も最小限に抑えることができる。一部の実施形態では、冷却システムは従来のシステムに比べて長さが短く、ダスト火災を排除または最小限に抑えながら設置を容易にすることができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の冷却システムは、ダストの入口温度に関係なく、ダストを目標冷却温度まで冷却することを可能にし得る。本明細書に記載の冷却システムにより、他の様々な利益及び利点を実現することができ、上述の説明は制限的であると見なされるべきではない。
【0014】
図1は、様々な実施形態による、ダストサイクロン102及び冷却システム104を有するコーティング除去システム100を示す。特定の態様では、コーティング除去システム100を使用して、金属スクラップからコーティングを除去することができる。コーティング除去システム100は一般に、ダストサイクロン102と冷却システム104とを備える。図1には示されていないが、様々な実施形態において、コーティング除去システム100は、金属スクラップからコーティングを除去するための他のコンポーネントまたはシステムを備えてよく、これらには、キルン、アフターバーナー、ガス再循環システム、ガス排気システム、それらの組み合わせ、及び/または必要に応じて他のコンポーネントまたはシステムの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
ダストサイクロン102は、コーティング除去システム100のキルンから排気ガスを受け取り、排気ガスから大きな粒子をダストとして分離することができる。図1に示すように、ダストサイクロン102は、出口106を備えており、ダストサイクロン102は、分離された微粒子を出口106からダストとして排出することができる。特定の実施形態では、排気ガスから分離された粒子は、様々な金属固体、非金属固体、及び/または炭素質材料を含み得る。一部の実施形態では、ダスト粒子は、オプションで、400ミクロン未満、300ミクロン未満、200ミクロン未満、及び/または100ミクロン未満などの500ミクロン未満の直径を有し得るが、他の実施形態では、ダストサイクロン102によって分離されたダストは、必要に応じて他の直径を有する場合がある。特定の実施形態では、ダストサイクロン102は、排気ガスから粒子を分離し、ダストが高温の状態でダストを排出することができる。特定の実施形態では、ダストサイクロン102から排出されるダストは、約250℃~約400℃の温度で排出される場合があり、この温度は、冷却システム104のダストの入口温度であってよい。オプションで、ダストサイクロン102は、ダストサイクロン102からダストが排出される速度及び/またはタイミングを制御するためのダンパ108を備えてよい。図1に示す特定のダストサイクロン102は制限的であるとみなすべきではなく、ダストサイクロン102は、必要に応じて、様々な適切な固体/ガス分離器であってよい。
【0016】
冷却システム104は、ダストサイクロン102から排出されたダストを受け取り、それを入口温度から冷却温度まで冷却する。冷却温度は、ダストの発火温度よりも低い温度であり、特定の実施形態では、約175℃~約300℃であってよい。様々な例において、冷却温度は約150℃未満、例えば約100℃未満である。一部の例では、冷却温度は約50℃である。冷却システム104は、ダストをダストの発火温度より低いダスト処理温度まで冷却することにより、ダスト火災のリスクを軽減及び/または排除し、必要に応じてダストをさらに処理できるようにする。オプションで、以下で詳細に説明するように、冷却システム104がダストを冷却する冷却速度は、可変及び/または調整可能であってよい。冷却システム104によって提供される可変冷却速度により、ダストの入口温度に関係なく、ダストを所定の冷却温度まで冷却することができ、及び/または、冷却システム104をコンパクトなサイズにすることができる。
【0017】
図1に示すように、様々な実施形態において、冷却システム104は、ダストサイクロン102から排出されるダストを受け取る冷却コンベア110と、冷却コンベア110に冷却剤を供給する冷却剤システム112とを備える。冷却システム104は、以下で詳細に説明するように、オプションでダストセンサ114、冷却剤センサ116、及び/またはコントローラ118を備えてよい。
【0018】
冷却コンベア110は、ダストサイクロン102からダストを受け取ることができる任意の適切なタイプのコンベアであってよい。図1に示す例では、冷却コンベア110は、トラフ120とスクリュー122とを備えたスクリューコンベアである。トラフ120は入口124と出口126とを備え、スクリュー122はトラフ120内にある。冷却コンベア110は、トラフ120内でスクリュー122を回転させる駆動手段125を備え、トラフ120内でスクリュー122が回転することにより、ダストが冷却コンベア110を通って入口124から出口126まで移動することができる。駆動手段125は、スクリュー122を回転させるための様々な適切なデバイスまたは機構であり、モータまたはエンジンを含むが、これらに限定されない。図1の矢印128は、冷却コンベア110を通るダストの動きを表している。一部のオプションの実施形態では、冷却コンベア110は、その長さに沿って(すなわち、入口124から出口126の方向に)傾斜していてよく、これにより、冷却コンベア110によって提供される冷却をさらに改善することができる。他の実施形態では、冷却コンベア110は傾斜している必要はない。
【0019】
図1では、冷却コンベア110としてスクリューコンベアが示されているが、他の例では、冷却コンベア110は、バケットコンベア、振動コンベア、及び/またはダストサイクロン102からダストを受け取るのに適した他の様々なタイプのコンベアを含むがこれらに限定されない、必要に応じて他のタイプのコンベアであってもよい。一部の例では、コーティング除去システム100は複数のコンベアを備えてよく、それらは同じタイプのコンベアであってもなくてもよい。他の例では、冷却コンベア110に加えて、または冷却コンベア110なしで、ダストを冷却できる他の様々なデバイスまたはコンポーネントが使用されてよい。非制限的な例として、場合によっては、冷却コンベア110の代わりに、または冷却コンベア110に加えて、様々な冷却機能を備えたリボンミキサなどの様々なミキサが使用されてもよい。
【0020】
特定の実施形態では、冷却コンベア110の少なくとも1つのコンポーネントが内部冷却されて、ダストと接触する冷却表面が提供され、それによってダストが冷却コンベア110を通って移動するときにダストが冷却される。これらの実施形態では、冷却コンベア110は、冷却剤入口130及び冷却剤出口132を備え、冷却剤システム112は、冷却剤が冷却剤システム112の冷却剤冷却及び/または供給システム134から冷却コンベア110に供給されるように、少なくとも冷却剤入口130と流体連通している。オプションで、図1に示すように、冷却システム112は冷却剤出口132と流体連通しており、冷却剤出口132を出る加熱された冷却剤は、冷却剤冷却及び/または供給システム134に送られ、そこで冷却剤システム112によって再冷却されてから、冷却剤入口130に再循環される。図1の矢印138は冷却剤の流れを表す。図1に示す実施形態では、トラフ120とスクリュー122は両方とも、冷却システム112からの冷却剤によって内部冷却されるが、他の実施形態では、両方のコンポーネントを内部冷却する必要はなく、トラフ120のみ、またはスクリュー122のみを内部冷却してもよい。内部冷却トラフ及びスクリューの非制限的な例が図3及び4に示されており、以下で詳細に説明される。
【0021】
冷却システム112によって提供される冷却剤は、必要に応じて、水ベースの冷却剤、グリコールベースの冷却剤、石油化学ベースの冷却剤、生物ベースの冷却剤、溶融塩ベースの冷却剤、水、エチレングリコール、油、窒素及び/またはその他のガス、及び/またはその他の流体冷却剤を含むがこれらに限定されない、様々なタイプの冷却剤であってよい。様々な実施形態において、冷却剤システム112は、冷却剤冷却及び/または供給システム134への冷却剤の流量及び/または冷却剤供給システム134からの冷却剤の流量を制御するための1つまたは複数の流量コントローラ136をオプションで備える。図1に示す実施形態では、冷却剤システム112は、冷却剤冷却及び/または供給システム134と冷却剤入口130との間に1つの流量コントローラ136を備えて、冷却剤入口130への冷却剤の流量を制御する。1つまたは複数の流量コントローラ136を備えるとき、冷却剤の流量を制御するための様々な適切なデバイスまたは機構がこれに該当する。図示の実施形態では、流量コントローラ136は制御弁であり、オプションで流量計も含まれる。
【0022】
前述のように、冷却システム104内の冷却剤の1つまたは複数の特性を測定または検出するために、1つまたは複数の冷却剤センサ116がオプションで提供されてよい。冷却剤の1つまたは複数の特性には、流量、冷却剤温度、流体圧力、冷却剤組成、及び/または必要に応じてその他の特性もしくは特性の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。図示の実施形態では、冷却システム104は4つの冷却剤センサ116A~116Dを備える。冷却剤センサ116Aは、冷却及び/または供給システム供給134と冷却剤入口130の間に設けられ、冷却コンベア110に入る冷却剤の流量を検出し(例えば、冷却剤センサ116Aは流量計であってよいが、流量計である必要はない)、冷却剤センサ116Bは、冷却剤冷却及び/または供給システム134と冷却剤入口130の間に設けられ、冷却コンベア110に入る冷却剤の温度を検出し、冷却剤センサ116Cは、冷却剤出口132と冷却剤冷却及び/または供給システム134の間に設けられ、冷却コンベア110を出る冷却剤の流量を検出し(例えば、冷却剤システム116Cは流量計であってよいが、流量計である必要はない)、冷却剤センサ116Dは、冷却剤出口132と冷却剤冷却及び/または供給システム134との間に設けられ、冷却コンベア110を出る冷却剤の温度を検出する。図示の実施形態では、冷却剤センサ116Cは、戻り側の冷却剤流量を測定できる流量計である。オプションで、冷却剤流量センサ116C及び/またはコントローラは、戻り側の冷却剤流量と供給側の冷却剤流量を比較し、この比較に基づいて、冷却システム104は、冷却コンベア110を通る冷却剤の流れに漏れやその他の問題があるかどうかをチェック及び/または判断することができる。非制限的な例として、冷却剤センサ116Cによって検出された冷却剤流量が、供給側の冷却剤流量(例えば、冷却剤センサ116Aによって検出されたもの)よりも小さい場合、このような差は、冷却剤の一部が冷却コンベア110内で漏れていることを示している可能性がある。
【0023】
前述の冷却剤センサ116は説明目的で提供されており、冷却剤センサ116の数、冷却剤センサ116のタイプ、及び冷却剤センサ116の場所は限定とみなされるべきではなく、必要に応じて、冷却剤センサ116のタイプ、冷却剤センサ116の数、及び/または冷却剤センサ116の場所の様々な組み合わせが使用されてよい。
【0024】
オプションで、冷却システム104は、コーティング除去システム100によって処理されている間、及び/または冷却システム104によって冷却されている間に、ダストの1つまたは複数の特性を検出または測定するための1つまたは複数のダストセンサ114を備える。1つまたは複数の特性は、ダスト温度、ダスト量、または必要に応じて他の特性もしくは特性の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。図1に示す実施形態では、冷却システム104は3つのダストセンサ114A~114Cを備える。ダストセンサ114Aはダストサイクロン102を出るダストの温度を測定し、ダストセンサ114Bは冷却コンベア110内及び入口124付近のダストの温度を測定し、ダストセンサ114Cは冷却コンベア110の出口126のダストの温度を測定する。冷却剤センサ116と同様に、ダストセンサ114の数、タイプ、及び場所は限定と見なされるべきではなく、ダストセンサ114のタイプ、ダストセンサ114の場所、及び/またはダストセンサ114の数の様々な組み合わせが、必要に応じて使用されてよい。さらに、図1の冷却システム104には、ダストセンサ114と冷却剤センサ116の両方が示されているが、他の実施形態では、冷却システム104は、ダストセンサ114のみ、冷却剤センサ116のみ、またはダストセンサ114も冷却剤センサ116も備えていない場合がある(例えば、冷却システムの別の特性を検出する別のタイプのセンサが使用される場合がある)。
【0025】
コントローラ118は、冷却システム104が所望の冷却速度でダストを冷却するように、冷却システム104を選択的に制御するために、冷却システム104の様々なコンポーネントに通信可能に結合されてよい。図示の実施形態では、コントローラ118は、ダストセンサ114A~114C、冷却剤センサ116A~D、冷却コンベア110、及び冷却剤システム112に通信可能に結合されている。
【0026】
コントローラ118は、汎用処理ユニット、ダスト冷却制御分析もしくは適用のために特に設計されたプロセッサ、無線通信用に特に設計されたプロセッサ(Cypress Semiconductor製プログラマブルシステムオンチップなど)、または他の適切なプロセッサもしくはコンピューティングデバイスのうちの1つまたは複数を含み得る。メモリがコントローラ118と共に設けられており、メモリが備えられる場合、そのメモリは長期記憶メモリ、短期作業メモリ、またはその両方を含み得る。メモリは、プロセッサ命令の作業セットを記憶するためにコントローラ118によって使用されてよい(すなわち、プロセッサは、メモリにデータを書き込むことができる)。一部の実施形態では、メモリは、ディスクベースのストレージデバイス、及び/またはメモリディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、遠隔接続された記憶媒体、仮想ディスクドライブなどを含むがこれらに限定されないいくつかの他のタイプの記憶媒体のうちの1つを含み得る。通信回路/ユニット、オプションのディスプレイ、オプションのスピーカ、及び/または電力貯蔵ユニットを含むが、これらに限定されない多様な他の特徴も、コントローラ118に備えられてよい。一部の実施形態では、コントローラ118のコンポーネントの一部またはすべては、同じエンクロージャ内など、単一のパッケージまたはセンサスイートにともに備えられてよい。追加の態様または代替の態様では、コンポーネントの一部は、エンクロージャ内にともに備えられてよく、他のコンポーネントは別個であってよい(すなわち、コントローラ118は分散システムであってよい)。コントローラ118の他の構成が、必要に応じて利用されてよい。一部の例では、コントローラ118はオプションで、ユーザインタフェースを備えてよい、またはユーザインタフェースに通信可能に結合されてよく、ユーザインタフェースはオプションでディスプレイを含み得る。ディスプレイは、コーティング除去システム100の操作者に対して、コーティング除去システム100の操作に関連する通知、アラート、または任意の他の適切な通信を表示するように構成されてよい。
【0027】
ダスト冷却プロセス中、コントローラ118は、ダストセンサ114及び/または冷却剤センサ116から信号を受信する場合がある。ダストセンサ114からの信号には、ダストの1つまたは複数の特性に関する情報が含まれる場合があり、一方、冷却剤センサ116からの信号には、冷却剤の1つまたは複数の特性に関する情報が含まれる場合がある。特定の例では、センサ114及び/または116は信号を連続的に送信し得るが、他の実施形態では、センサ114及び/または116は、所定の時間に、1つまたは複数の特性の検出された変化に応答して、コントローラ118からの要求に応答して、及び/またはその他の必要に応じて、信号を送信してよい。
【0028】
コントローラ118は、特定のセンサからの情報を分析し、検出された特性を所定の特性及び/または別のセンサから検出された特性と比較することができ、この比較に基づいて、コントローラ118は、ダストが冷却されている冷却速度を決定し、冷却コンベア110を出るダストの出口温度を予測し、及び/または必要に応じて他の決定を行うことができる。特定の態様では、コントローラ118は、決定された冷却速度、予測された冷却温度などを、所望の冷却速度、所望の冷却温度などと比較することができる。非制限的な例として、所望の冷却温度は、ダストの発火温度よりも低くてよく、特定の実施形態では、約175℃~約300℃であってよい。様々な例において、所望の冷却温度は約150℃未満、例えば約100℃未満である。一部の例では、所望の冷却温度は約50℃である。
【0029】
分析及び比較に基づいて、コントローラ118は、冷却システム104が所望の冷却速度でダストを冷却するように、及び/またはダストが所望の冷却温度まで冷却されるように、冷却コンベア110及び/または冷却システム112を制御することができる。特定の実施形態では、コントローラ118は、冷却システム104が必要に応じてダストを冷却するように、スクリュー122の回転速度(例えば、駆動手段125を制御することによって)、スクリュー122の回転方向、冷却コンベア110に供給される冷却剤の温度(例えば、冷却剤冷却及び/または供給システム134の加熱または冷却要素を制御することによって)、冷却剤の流量(例えば、流量コントローラ136を制御することによって)、及び/または他の所望の方法の1つまたは複数を制御することによって、冷却コンベア110及び/または冷却システム112を制御することができる。このようにして、冷却システム104は、必要に応じて調整可能な可変冷却速度を提供することもできる。
【0030】
非制限的な例として、コントローラ118は、ダストがシステムから排出される速度を制御するように、及び/または、ダストが排出される速度が冷却コンベア110内のダストに比例するように、冷却コンベア110の速度を制御することができる。例として、サイクロン102からのダストの量及び/またはサイクロン102からのダストの特性は、コーティング除去プロセス中に一定でない場合があり、コントローラ118は、冷却コンベア110がダストで溢れたり詰まったりしないように、冷却コンベア110の速度を制御することができる。一部の実施形態では、コントローラ118は、冷却コンベア110が少なくともコンベヤの最小速度になるように冷却コンベア110を制御してよく、この最小速度は、コンベヤのダストの詰まり及び/または溢れを最小限に抑えるために必要な最小速度に対応し得る。
【0031】
他の非制限的な例として、コントローラ118は、ダストセンサ114Cからダストの温度を受信し、受信した温度を予想温度及び/またはダストセンサ114Bから受信した温度と比較することができる(例えば、ダストの温度の変化を決定するために)。比較に基づいて、コントローラ118が、現在の冷却プロセスが所望の冷却速度及び/または所望の冷却温度を達成しているか、または達成すると判断した場合、コントローラ118は、冷却システム104の動作条件を変更しない。ただし、コントローラ118は、現在の冷却プロセスが所望の冷却速度及び/または所望の冷却温度を達成していないと判断した場合、冷却システムの1つまたは複数のコンポーネントを調整して冷却速度を調整することができる。非制限的な例として、冷却速度が遅すぎる場合、及び/または予測された冷却温度が所望の冷却温度を超えている場合、コントローラ118は、スクリュー122の回転速度を下げて、ダストが冷却コンベア110内に留まる時間を長くする(したがって、提供される冷却の量を増やす)ことができる。逆に、冷却速度が速すぎる場合、及び/または予測された冷却温度が所望の冷却温度より低い場合、コントローラ118は、スクリュー122の回転速度を上げて、ダストが冷却コンベア110内に留まる時間を長くする(したがって、提供される冷却の量を減らす)ことができる。
【0032】
他の非制限的な例として、コントローラ118は、冷却剤センサ116Dから冷却剤の温度を受信し、受信した温度を予想温度及び/または冷却剤センサ116Bから受信した温度と比較することができる(例えば、冷却剤の温度の変化を決定するために)。前述のプロセスと同様に、コントローラ118はこれらの温度を使用して、現在の冷却プロセスが所望の冷却速度及び/または所望の冷却温度を達成しているかどうか、または達成する予定であるかどうかを判断し、必要に応じて冷却コンベア110及び/または冷却剤システム112の制御を実施することができる。
【0033】
コントローラ118による制御の他の非制限的な例としては、ダスト温度が入口温度から所望の冷却温度まで冷却されるように冷却剤の流量を制御すること、ダストが特定の温度(例えば、入口で200℃を超える、及び/または出口で50℃を超える)にある場合に冷却剤がダストに直接放出されるように冷却剤ディスペンサ(複数可)242を制御すること、冷却剤チラーのオン/オフに基づいて冷却剤の流量を制御すること、冷却剤ポンプのオン/オフに基づいて、及び/または貯蔵容器内の冷却剤の高低レベルセンサに基づいて冷却剤の流量を制御することなどが挙げられるが、これらに限定されない。冷却コンベア110及び/または冷却剤システム112のその他の様々な制御は、必要に応じて、ダストセンサ(複数可)114及び/または冷却剤センサ(複数可)116からの情報に基づいて、コントローラ118によって実施されてよい。
【0034】
図1を参照すると、コーティング除去システム100によるコーティング除去プロセスまたは方法は、コーティング除去システム100のキルンに金属スクラップを受け入れることを含み、加熱されたガスをキルンに注入してキルン内の温度を上昇させ、金属スクラップを溶かすことなくコーティング及び/または他の汚染物質を蒸発及び/または熱分解する。一部の例では、コーティング除去システム100内の酸素濃度は、有機コーティングが発火しないように低いレベル(例えば、約6%~約8%の酸素)に維持される。非制限的な例として、コーティング除去システム100内では、コーティング除去プロセスにより有機化合物が高温になっても発火しないように、雰囲気は7%酸素であってよい。コーティングが除去されたスクラップ金属はキルンから取り出され、さらに処理され、最終的に新しいアルミニウム製品に加工される。スクラップがキルンを通過するとき、ガスによって加熱され、それによってガスが冷却される。この熱プロファイルにより、以前に気化していた特定の有機化合物が粒子状物質の表面に再凝縮する。
【0035】
気化した有機化合物及び粒子状物質を含む排気ガスはキルンを出て、ダストサイクロン102(または他の適切な固体/ガス分離器)に送られる。特定の実施形態では、キルンからダストサイクロン102に送られるガスの温度は、約250℃~約400℃であってよい。ダストサイクロン102内では、凝縮した有機化合物を含む大きな粒子が排気ガスからダストとして除去され、最終的にダストサイクロン102から排出されて廃棄される。ダストサイクロン102から、排気ガスはアフターバーナーに送られ、アフターバーナーは排気ガス内の残りの有機化合物を焼却し、加熱されたガスを排気システム、大気に排出、またはキルンに戻す。
【0036】
ダストサイクロン102によって排気ガスから分離された粒子状物質は、ダストサイクロン102の出口106からダストとして排出される。従来、ダストサイクロン102から排出されたダストは、ビンまたはホッパで収集される。しかしながら、ダストは、比較的高温でダストサイクロンを出るため、また、低温発火化合物や触媒物質及び化合物を含み得るため、ダストサイクロン102から排出されホッパ内に保持されたダストは、燃焼して火災が発生しやすい。この状況は、ダスト粒子の押し固めが緩いこと、ダストの山への空気の侵入率が比較的高いこと(つまり、ダストの山に侵入する空気が多くなると、空気と接触するダストが増える)、及び局所的な反応部位から離れる熱伝導率が比較的低いことなどによってさらに悪化する。これらのダスト火災は、水や消火器を使っても消火するのが非常に困難である。さらに、水を使用してダストを湿らせて水とダストのスラリ混合物にすると、スラリ混合物の含有及び材料の量のために混合物を処分する費用がかさむ。このプロセスは、毎日必要な水の量のために実施にさらに費用がかかり、かつ、混合物は潜在的な安全性と環境上の問題を引き起こし得る。
【0037】
図1に示すように、本プロセスでは、ダストサイクロン102からダストを直接ビンまたはホッパに排出するのではなく、ダストサイクロン102から冷却システム104にダストを排出する。オプションで、ダストはシュート140を通して排出されてよいが、他の実施形態ではシュート140は省略されてもよい。冷却システム104は、ダストの温度を入口温度から所望の冷却温度まで下げる。前述のように、一部の実施形態では、ダストサイクロン102から排出されるダストは、約250℃~約400℃の温度(すなわち、入口温度)で排出されてよい。冷却システム104から排出されるダストは、所望の冷却温度で排出されてよい。所望の冷却温度は、ダストの発火温度よりも低い温度であり、特定の実施形態では、約175℃~約300℃であってよい。様々な例において、冷却温度は約150℃未満、例えば約100℃未満である。一部の例では、冷却温度は約50℃である。
【0038】
様々な実施形態において、プロセスは、ダストの特性を測定すること、及び/または冷却剤の特性を測定すること、ならびに測定されたダストの特性及び/または測定された冷却剤特性に基づいて冷却システム104からの冷却を制御することを含み得る。前述のように、ダストの特性は、ダスト温度及び/またはダスト量を含み得るが、これらに限定されない。また、冷却剤の特性は、流量、冷却剤温度、流体圧力、及び/または冷却剤組成を含み得るが、これらに限定されない。冷却システム104からの冷却を制御することは、冷却コンベア110のトラフ120内のスクリュー122の回転速度を制御すること、及び/または冷却コンベア110に供給される冷却剤の流量を制御することを含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、このような制御により、ダスト温度の連続的な変化及び/またはダスト量の連続的な変化に関わらず、ダストを収容し、冷却することができる。ダストを、ダストの発火温度よりも低い所望の冷却温度(例えば、ダスト処理温度)まで冷却することにより、ダスト火災のリスクが低減または排除され、必要に応じてダストをさらに処理することができる。
【0039】
図2は、様々な実施形態によるコーティング除去システム200の別の実施形態を示す。コーティング除去システム200はコーティング除去システム100と実質的に類似しており、ダストサイクロン102及び冷却システム204を備える。冷却システム204は、冷却システム104と類似しているが、冷却コンベア110内及び/または冷却コンベア110内のダストに直接冷却剤246を選択的に放出する1つまたは複数の冷却剤ディスペンサ242をさらに備える。図示の実施形態では、単一の冷却剤ディスペンサ242が設けられており、冷却剤ディスペンサ242は噴霧器である。ただし、冷却剤ディスペンサの数、場所、及びタイプは、開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0040】
特定の実施形態では、冷却コンベア110内に冷却剤246を放出する冷却剤ディスペンサ(複数可)242は、冷却コンベア110内のダストを直接冷却することを可能にし得る。特定の実施形態では、冷却剤ディスペンサ(複数可)242はオプションで、コーティング除去システム200に補助的な冷却を提供することができる。オプションで、冷却剤ディスペンサ(複数可)242により、冷却コンベア110の長さを短くすることができ、システムがコンパクトになり、作業環境における床面積が最小限に抑えられる。一部の実施形態では、冷却剤ディスペンサ(複数可)242はオプションで、冷却コンベア110内のダストの火花を消すように制御されてよく、そうしないと、ダストが排出された後にダスト火災を引き起こす可能性がある。一部の実施形態では、冷却ディスペンサ(複数可)242は、冷却剤を連続的に放出することができるが、他の実施形態では、冷却剤ディスペンサ(複数可)242は、選択的に冷却剤を放出するように制御され、冷却剤を連続的に放出する必要はない。非制限的な例として、冷却剤ディスペンサ(複数可)242はオプションで、冷却コンベア110の入口124及び/または出口126でダストの温度が特定の温度を超えた場合にのみ冷却剤が放出されるように制御されてもよい。他の実施形態では、冷却剤ディスペンサ242(複数可)は、必要に応じて他の方法で制御されてよい。
【0041】
この実施形態では、冷却剤システム112は2つの流量コントローラ116A~116Bを備え、流量コントローラ136Aは冷却コンベア110への冷却剤の流量を制御し、流量コントローラ136Bは冷却剤ディスペンサ242への冷却剤の流量を制御する。この実施形態では、冷却剤ディスペンサ242に流れる冷却剤の特性を測定または検出するための追加の冷却剤センサ116Eが設けられている。図示の実施形態では、冷却剤センサ116Eは流量計であるが、必要に応じて他のタイプの冷却剤センサが利用されてよい。
【0042】
様々な実施形態において、コントローラ118は、冷却剤ディスペンサ242に供給される冷却剤に関する情報を冷却剤センサ116Eから受信し、この情報に少なくとも部分的に基づいて冷却システム204の様々なコンポーネントを制御することができる。さらに、または代替的に、コントローラ118は、冷却剤ディスペンサ242を選択的に制御して、冷却剤ディスペンサ242によって放出される冷却剤を制御し、所望の冷却速度及び/または所望の冷却温度が達成されるようにすることができる。一部の非制限的な例として、コントローラは、冷却剤ディスペンサ242からの冷却剤246の噴霧パターン、冷却剤ディスペンサ242からの冷却剤246の噴霧角度、冷却剤ディスペンサ242を流れる冷却剤の流量または量、冷却剤ディスペンサ242によって放出される冷却剤の温度を、及び/またはその他必要に応じて制御することができる。一部の非制限的な例では、直接的かつ効率的なダスト冷却のために、最小量の冷却剤を冷却コンベア110に直接噴霧することが必要な場合があり、コントローラ118は、特定の量の冷却剤を放出及び/または少なくとも最小の放出速度で放出するように冷却剤ディスペンサ242を制御してよい。
【0043】
前述のように、特定の実施形態では、冷却コンベア110の1つまたは複数のコンポーネントが内部冷却される場合がある。図3は、内部冷却式スクリューコンベア用のスクリュー322の非制限的な例を示しており、図4は、内部冷却式スクリューコンベア用のトラフ420の非制限的な例を示している。スクリュー322及びトラフ420は説明目的のみで提供されており、必要に応じて他のタイプの内部冷却スクリュー及び/またはトラフが利用されてよい。
【0044】
図3を参照すると、特定の実施形態では、内部冷却スクリュー322は、螺旋状のフライト350を有する中空体348を含み得る。この実施形態では、ダストよりも低温の冷却剤が冷却剤入口330から中空体348内に導入される(冷却剤の流れは矢印352で示される)。冷却剤が中空体348を流れると、スクリュー322がダストと接触して冷却剤の温度が上昇し、ダストの温度は、低温冷却剤によって冷却されるスクリュー322のフライト350及び/または他の表面と接触して低下する。加熱された冷却剤は、次に、中空体348から冷却剤出口332に向けられる(冷却剤の流れは矢印354で表される)。
【0045】
図4を参照すると、様々な実施形態において、トラフ420は中空であり、冷却剤が流れる内部通路456を画定し、動作中に表面458に露出したダストがトラフ420によって冷却される。オプションで、冷却剤は入口430からトラフ420に導入され、その後、矢印462で表される流れで通路456を通って導かれる。
【0046】
図5は、様々な実施形態による、コーティング除去システム500の別の例を示す。コーティング除去システム500はコーティング除去システム100と類似しており、ダストサイクロン102及び冷却システム504を備える。冷却システム504は、冷却システム104と実質的に類似しているが、冷却剤システム112は、冷却剤が冷却コンベア110を出た後に冷却剤を再冷却するための戻り経路を備えていない。さらに、冷却コンベア110は、トラフ120内のスクリュー(図5では見えない)を覆うカバー568も備える。
【0047】
冷却システム504は、冷却システム104と比較して、ダスト計量及び警報システム564をさらに備える。この実施形態では、ダスト計量及び警報システム564は、冷却コンベア110から排出されたダストを受け取るダストホルダ566(例えば、容器、バッグなど)をサポートすることができる。オプションで、ダスト計量及び警報システム564は、コントローラ118に通信可能に結合されてよいが、他の実施形態ではそうである必要はない。特定の態様では、ダスト計量及び警報システム564は、ダストを計量し、及び/またはダストの少なくとも1つの特性を測定し、測定された重量及び/または別の特性が所定のしきい値外であることに基づいて警報を生成することができる。非制限的な例として、ダスト計量及び警報システム564は、ダストが輸送するには重すぎる、ダストが輸送するには熱すぎる、ダストの水分含有量が環境制限を超えている、ダストバッグを新しいダストバッグに交換する必要があること、及び/またはその他の必要に応じて、警報を生成することができる(またはコントローラ118がダスト計量及び警報システム564に警報を生成させることができる)。他の実施形態では、ダスト計量及び警報システム564は省略されてもよい。
【0048】
本明細書に記載された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「説明例」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態の集合を以下に記載する。これらの説明例は、相互に排他的、網羅的、または制限的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの例示的な説明例に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の全ての可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0049】
説明例1.コーティング除去システムのダストサイクロンから排出されるダストのダスト特性を測定するように構成されたセンサと、前記ダストサイクロンから前記ダストを受け取り、冷却速度で前記ダストを冷却するように構成された冷却コンベアとを備え、前記冷却システムは、前記測定されたダスト特性に基づいて前記冷却速度を制御するように構成されている、前記冷却システム。
【0050】
説明例2.前記冷却コンベアが、前記ダストを入口温度から冷却温度まで冷却するように構成され、前記冷却温度は、150℃以下である、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0051】
説明例3.前記冷却温度が、50℃~150℃である、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0052】
説明例4.前記冷却コンベアが、トラフ内に回転可能に配置されたスクリューを備え、前記冷却システムが、前記トラフ内の前記スクリューの回転速度を制御することによって前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0053】
説明例5.前記冷却システムが、コンベア速度を調整または制御して前記ダストが前記冷却コンベア内に留まる時間を制御することにより、前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0054】
説明例6.前記冷却コンベア内の前記ダストに冷却剤を放出するように構成された少なくとも1つの冷却剤ディスペンサをさらに備え、前記冷却システムが、前記少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって放出される前記冷却剤の量、流量、または温度を制御することによって前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0055】
説明例7.前記センサ及び前記冷却コンベアに通信可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記測定されたダスト特性に基づいて前記冷却コンベアの前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0056】
説明例8.前記ダスト特性が、ダスト温度またはダスト量の少なくとも1つを含む、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0057】
説明例9.前記センサが、前記冷却コンベアの上流にあり、前記冷却コンベアの入口の上流の前記ダスト特性を測定する、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0058】
説明例10.前記冷却コンベアが、入口と出口を備え、前記センサが、前記入口と前記出口の間の前記ダスト特性を測定するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0059】
説明例11.前記冷却コンベア内の前記ダストに冷却剤を放出するように構成された冷却剤ディスペンサをさらに備え、前記冷却システムが、前記冷却剤を最小放出速度で放出するように前記冷却剤ディスペンサを制御することによって、前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0060】
説明例12.前記冷却システムが、前記ダストに直接接触する冷却剤の冷却特性、または前記ダストを間接的に冷却する冷却剤の冷却特性のうち少なくとも1つを制御することによって前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0061】
説明例13.ダストサイクロンと、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の前記冷却システムとを備えるコーティング除去システム。
【0062】
説明例14.コーティング除去キルンからの排気ガスを受け取り、前記排気ガスから粒子状物質をダストとしてろ過し、前記ダストを排出するように構成されたダストサイクロンと、センサ及び冷却コンベアを備える冷却システムとを備えるコーティング除去システムであって、前記センサは、前記ダストサイクロンから排出された前記ダストのダスト特性を測定するように構成され、前記冷却コンベアは、前記ダストサイクロンから排出された前記ダストを受け取り、冷却速度で前記ダストを冷却するように構成され、前記冷却システムは、前記測定されたダスト特性に基づいて、前記冷却速度を制御するように構成されている、前記コーティング除去システム。
【0063】
説明例15.前記測定されたダスト特性が、ダスト温度またはダスト量の少なくとも1つを含む、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載のコーティング除去システム。
【0064】
説明例16.前記冷却システムが、前記冷却コンベアのトラフ内のスクリューの回転速度、前記冷却コンベアに供給される冷却剤の流量、前記冷却コンベアに供給される冷却剤の温度、少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される冷却剤の量、前記冷却コンベア内の前記ダストに少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって放出される冷却剤の流量、または前記冷却コンベア内の前記ダストに少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって放出される前記冷却剤の温度のうちの少なくとも1つを制御することによって、前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載のコーティング除去システム。
【0065】
説明例17.前記センサ及び前記冷却コンベアに通信可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記測定されたダスト特性に基づいて、前記冷却コンベアの前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載のコーティング除去システム。
【0066】
説明例18.冷却システムを備えたコーティング除去システムのダストサイクロンからのダストを冷却する方法であって、前記ダストサイクロンから前記冷却システムの冷却コンベアに放出される前記ダストのダスト特性を測定することと、前記ダストを前記冷却コンベアに沿って前進させて、前記測定されたダスト特性に基づいた冷却速度で前記ダストを冷却することとを含む、前記方法。
【0067】
説明例19.前記ダスト特性を測定することが、ダスト温度またはダスト量の少なくとも1つを測定することを含む、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の方法。
【0068】
説明例20.前記冷却速度で前記ダストを冷却することが、前記測定されたダスト特性に基づいて前記冷却速度を調整することを含み、前記冷却速度を調整することは、前記冷却コンベアのトラフ内のスクリューの回転速度、前記冷却コンベアに供給される冷却剤の流量、前記冷却コンベアに供給される冷却剤の温度、前記冷却コンベア内の前記ダストに少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって放出される冷却剤の量、前記冷却コンベア内の前記ダストに少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって放出される冷却剤の流量、または少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の温度のうちの少なくとも1つを制御することを含む、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の方法。
【0069】
説明例21.前記冷却速度で前記ダストを冷却することが、前記測定されたダスト特性を受信することと、前記ダストが前記冷却コンベアの出口で所定の冷却温度を有するように冷却速度を決定することと、前記決定された冷却速度で前記ダストを冷却するように前記冷却システムを制御することとを含む、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の方法。
【0070】
説明例22.前記所定の冷却温度が150℃以下である、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の方法。
【0071】
説明例23.冷却システムであって、トラフと前記トラフ内にスクリューとを備える冷却コンベアであって、前記スクリューは、前記トラフ内で回転可能であり、前記スクリューまたは前記トラフのうちの少なくとも一方は、冷却剤で内部冷却され、冷却剤入口及び冷却剤出口を備え、前記冷却コンベアは、コーティング除去システムのダストサイクロンから放出されたダストを受け取り、前記ダストを冷却速度で冷却するように構成された、前記冷却コンベアと、前記冷却剤の特性を測定するように構成されたセンサとを備え、前記冷却システムは、前記冷却剤の前記測定された特性に基づいて前記冷却速度を制御するように構成されている、前記冷却システム。
【0072】
説明例24.前記センサは、前記冷却剤が前記冷却剤入口に入る前に、前記冷却剤の特性を測定するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0073】
説明例25.前記センサが、前記冷却剤が前記冷却剤出口を出た後、前記冷却剤の前記特性を測定するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0074】
説明例26. 前記冷却システムが、前記冷却コンベアのトラフ内のスクリューの回転速度、前記冷却コンベアに供給される前記冷却剤の流量、前記冷却コンベアに供給される前記冷却剤の温度、少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の量、少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の流量、または少なくとも1つの冷却剤ディスペンサによって前記冷却コンベア内の前記ダストに放出される前記冷却剤の温度のうちの少なくとも1つを制御することによって、前記冷却速度を制御するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0075】
説明例27.ダスト計量及び警報システムをさらに備え、前記ダスト計量及び警報システムは、前記冷却コンベアから排出されたダストを受け取り、前記ダストの少なくとも1つの特性を測定し、前記測定された少なくとも1つの特性が所定のしきい値外であることに基づいて警報を生成するように構成されている、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0076】
説明例28.前記少なくとも1つの特性が、前記排出されたダストの重量である、いずれかの先行もしくは後続の説明例、または説明例の組み合わせに記載の冷却システム。
【0077】
実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性をもって本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許を請求する主題は、他の方法で具現化されてよく、異なる要素またはステップを含んでよく、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用されてよい。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されるときを除き、様々なステップまたは要素の間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。「上」、「下」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向の参照はとりわけ、構成要素及び方向が参照している図(複数可)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。本開示全体を通して、文字を伴う参照数字は、要素の特定の例を指し、文字が付随しない参照数字は、要素を一般的にまたは集合的に指す。したがって、一例として(図示せず)、デバイス「12A」は、デバイスクラスのあるインスタンスを指し、デバイスクラスはまとめてデバイス「12」と称されてよく、それらのうちの任意の1つは総称的にデバイス「12」と称される場合がある。図面及び説明において、同様の数字は同様の要素を表すことを意図している。本明細書に記載のシステム及び方法は、任意の金属に使用することができるが、これらは特にアルミニウムまたはアルミニウム合金に有用であり得る。
【0078】
上述の態様は、実施態様の可能な例に過ぎず、単に、本開示の原理の明確な理解のために記載されている。本開示の主旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に、多くの変形及び修正を加えてもよい。そのようなすべての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対するすべての可能な特許請求の範囲は、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された実施形態または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】