(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】建物エンベロープ
(51)【国際特許分類】
E04B 1/94 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
E04B1/94 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536435
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 FI2022050486
(87)【国際公開番号】W WO2023111381
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524229820
【氏名又は名称】ワルキ グループ オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジラール、ピエリック
(72)【発明者】
【氏名】ウッコネン、アン-マリー
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001FA51
2E001GA22
2E001GA42
2E001HA33
2E001HB04
2E001HF12
(57)【要約】
本発明は、耐火性テープ(20)及び耐火性バリア材料(10)を備える建物エンベロープ(100)に関し、前記耐火性テープ(20)は、前記耐火性バリア材料の第1のシート(10a)と前記耐火性バリア材料の第2のシート(10b)との間のシームをシールし、前記耐火性バリア材料(10)は、金属層(13)、支持層(15)、及び前記金属層(13)と前記支持層(15)との間の接着剤層(14)を備え、前記耐火性テープは、金属層(23)、支持層(25)、前記金属層(23)と前記支持層(25)との間の接着剤層(24)、及び前記支持層(25)上のアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)を備える。本発明はさらに、耐火性シームテープにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性テープ(20)及び耐火性バリア材料(10)を備え、前記耐火性テープ(20)は、前記耐火性バリア材料の第1のシート(10a)と前記耐火性バリア材料の第2のシート(10b)との間のシームをシールする、建物エンベロープ(100)であって、
A)前記耐火性バリア材料(10)は、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、前記耐火性バリア材料(10)の金属層(13)、
- 前記耐火性バリア材料(10)の支持層(15)であって、
・ 50g/m
2~500g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
・ 5g/m
2~50g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(15)、
及び
- 前記金属層(13)と前記支持層(15)との間にある、前記耐火性バリア材料(10)の接着剤層(14)であって、前記接着剤層の接着剤は、0.5g/m
2~15g/m
2の範囲の比質量を有する、接着剤層(14)、
を備え、
並びに
B)前記耐火性テープは、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、前記耐火性テープ(20)の金属層(23)、
- 前記耐火性テープ(20)の支持層(25)であって、
- 50g/m
2~500g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m
2~50g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(25)、
- 前記耐火性テープの前記金属層(23)と前記耐火性テープの前記支持層(25)との間にあり、0.5g/m
2~15g/m
2の範囲の比質量を有する、前記耐火性テープ(20)の接着剤層(24)、及び
- 前記耐火性テープの前記支持層(25)上にあり、20g/m
2~200g/m
2の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)、
を備える、建物エンベロープ(100)。
【請求項2】
建物用の耐火性シームテープであって、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、金属層(23)、
- 支持層(25)であって、
- 50g/m
2~500g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m
2~50g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(25)、
- 前記金属層(23)と前記支持層(25)との間にあり、0.5g/m
2~15g/m
2の範囲の比質量を有する接着剤層(24)、及び
- 前記支持層(25)上にあり、20g/m
2~200g/m
2の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)、
を備える、耐火性シームテープ。
【請求項3】
欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすように構成された請求項1に記載の建物エンベロープ、又は
欧州防火規格ユーロクラスB-s2、d0を満たすように構成された請求項2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項4】
前記接着剤層(14、24)が、二成分型又は多成分型接着剤、好ましくは難燃性の二成分型又は多成分型接着剤を含む、請求項1又は請求項3に記載の建物エンベロープ、又は
前記接着剤層(24)が、二成分型又は多成分型接着剤、好ましくは難燃性の二成分型又は多成分型接着剤を含む、請求項2又請求項3に記載の耐火性シームテープ。
【請求項5】
前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)の前記比質量が、30g/m
2~80g/m
2の範囲である、請求項1若しくは請求項3~請求項4のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項6】
前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)が、少なくとも1つの難燃性成分を含む難燃性のアクリル系感圧粘着剤コーティング層である、請求項1若しくは請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は請求項2~請求項5のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項7】
前記接着剤層(14、24)の前記比質量が、0.7g/m
2~3g/m
2の範囲である、請求項1若しくは請求項3~請求項6のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は
前記接着剤層(24)の前記比質量が、0.7g/m
2~3g/m
2の範囲である、請求項2~請求項6のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項8】
前記ガラス繊維ファブリックを備え、各ガラス繊維ファブリックが、70g/m
2~90g/m
2の範囲の比質量を有する、請求項1若しくは請求項3~請求項7のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は
前記ガラス繊維ファブリックを備え、前記ガラス繊維ファブリックが、70g/m
2~90g/m
2の範囲の比質量を有する、請求項2~請求項7のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項9】
前記金属層(13、23)の厚さが、30μm~50μmの範囲である、請求項1若しくは請求項3~請求項8のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は
前記金属層(23)の厚さが、30μm~50μmの範囲である、請求項2~請求項8のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項10】
前記支持層(15、25)が、各支持層の総重量に対して、少なくとも90重量%のガラス繊維を備える、請求項1若しくは請求項3~請求項9のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は
前記支持層(25)が、各支持層の総重量に対して、少なくとも90重量%のガラス繊維を備える、請求項2~請求項9のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項11】
前記支持層(15、25)のうちの少なくとも1つが、ポリビニルアルコールを含むことが好ましいサイジング処理されたガラス繊維を備える、請求項1若しくは請求項3~請求項10のいずれか一項に記載の建物エンベロープ、又は
前記支持層(25)が、ポリビニルアルコールを含むことが好ましいサイジング処理されたガラス繊維を備える、請求項2~請求項10のいずれか一項に記載の耐火性シームテープ。
【請求項12】
前記耐火性シームテープの総量が、前記建物エンベロープの総外面面積に対して15%以下である、請求項1又は請求項3~請求項11のいずれか一項に記載の建物エンベロープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、耐火性建物エンベロープに関する。本明細書はさらに、建物用の耐火性シームテープに関する。
【背景技術】
【0002】
建物エンベロープは、建物の調節された環境と調節されていない環境との間の物理的な分離物として用いられ得る。建物エンベロープは、液体及び蒸気の水、熱、光、並びに騒音の伝達から屋内を保護するために用いられ得る。前記建物エンベロープにより、例えば暖かい空気又は冷たい空気を屋内に保つことが可能であり得る。
【0003】
建物は、例えば湿気などの水分が壁アセンブリの中に浸入することを防止するための、例えば蒸気バリアを有し得る。しかし、建物用の改善された建物エンベロープが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書の目的は、耐火性バリア材料及び耐火性テープを備える建物エンベロープを提供することである。さらに、本明細書の目的は、建物用の耐火性シームテープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、独立請求項に記載された内容を特徴とする。好ましい実施形態は、従属請求項に開示されている。これらの及び他の実施形態は、本明細書及び図面に開示されている。
【0006】
建物は、燃焼しやすい材料を含み得る。火災に対する作用を強化するために、新規な建物エンベロープは、少なくともある程度改善された耐火性のために、耐火性バリア材料及び耐火性シームテープを開示する。
【0007】
さらに、前記耐火性バリア材料と前記耐火性テープとを含む組み合わせにより、前記建物エンベロープのいくつかのバリア性の制御性が改善される可能性があり、この場合、前記テープは、前記耐火性バリア材料と同様のバリア性を有し得る。前記新規の建物エンベロープは、例えば、建物内の人々の安全性を改善するために、火災に対するより良好な作用を提供し得る。
【0008】
前記耐火性バリア材料は、耐火性シート材料であってよい。前記耐火性バリア材料は、建物用の積層シートであってもよい。前記耐火性バリア材料は、好ましくは、少なくとも実質的に気密であり得る耐火性水密性水蒸気バリア材料である。
【0009】
前記耐火性テープは、建物用の耐火性シームテープであり得る。前記耐火性シームテープは、前記耐火性バリア材料のシート間のシームをシールするように配置され得る。
【0010】
前記建物エンベロープは、前記耐火性テープ、及び前記耐火性バリア材料の少なくとも2枚のシート、すなわち、第1のシート及び第2のシート、を備えてよく、前記耐火性テープは、前記シート間のシームをシールする。前記第1のシートは、前記第2のシートと重なり合ってよく、前記テープは、前記重なり合ったシート間のシームをシールし得る。
【0011】
前記耐火性バリア材料及び前記耐火性テープを備える前記建物エンベロープは、耐火、防水、防風、及び/又は水蒸気バリアの目的で設置され得る。
【0012】
前記耐火性バリア材料は、
A)6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であってよい金属層、
B)支持層であって、
- 50g/m2~500g/m2の範囲の比質量(specific mass)を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m2~50g/m2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層、
及び
C)前記金属層と前記支持層との間にあり、0.5g/m2~15g/m2の範囲の比質量を有する接着剤層、
を備え得る。
【0013】
上述した前記耐火性バリア材料の構造のために、難燃性、さらには水蒸気バリア性などのいくつかのバリア性も改善され得る。
【0014】
前記バリア材料の前記接着剤層は、二成分型又は多成分型接着剤を含み得る。前記バリア材料の前記接着剤層は、難燃性接着剤を含み得る。好ましくは、前記バリア材料の前記接着剤層は、難燃性の二成分型又は多成分型接着剤である。
【0015】
前記耐火性テープは、
A)6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であってよい、前記テープの金属層、
B)前記テープの支持層であって、
- 50g/m2~500g/m2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m2~50g/m2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層、
C)前記金属層と前記支持層との間にあり、0.5g/m2~15g/m2の範囲の比質量を有する、前記テープの接着剤層、及び
D)前記テープの前記テープの支持層上にあり、20g/m2~200g/m2の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層、
を備え得る。
【0016】
したがって、前記耐火性テープの難燃性、さらにはいくつかのバリア性も改善され得る。さらに、前記アクリル系感圧粘着剤は、前記耐火性シートのシール性の改善をもたらし得る。
【0017】
前記耐火性テープの前記接着剤層は、二成分型又は多成分型接着剤を含み得る。前記耐火性テープの前記接着剤層は、難燃性接着剤を含み得る。好ましくは、前記テープの前記接着剤層は、難燃性の二成分型又は多成分型接着剤である。
【0018】
前記感圧粘着剤コーティング層は、難燃性アクリル系感圧粘着剤コーティング層であり得る。好ましくは、前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層の比質量は、30g/m2~80g/m2の範囲である。
【0019】
前記耐火性テープ及び前記耐火性バリア材料の前記接着剤層の比質量は、0.7g/m2~3g/m2の範囲であり得る。さらに、前記耐火性テープ及び前記耐火性バリア材料の前記ガラス繊維ファブリックが用いられる場合、その比質量は、好ましくは70g/m2~90g/m2の範囲であり得る。さらに、前記耐火性テープ及び前記耐火性バリア材料の前記金属層の厚さは、好ましくは30μm~50μmの範囲であり得る。
【0020】
この新規なソリューションにより、改善された耐火性及び良好な強度特性を有する建物エンベロープを得ることが可能である。さらに、前記建物エンベロープの蒸気バリア性も改善することができる。
【0021】
前記耐火性テープは、欧州防火規格ユーロクラスB-s2、d0を満たすことができる。さらに、前記耐火性バリア材料は、欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすことができる。
【0022】
驚くべきことに、ユーロクラスA2-s1、d0に従う前記耐火性バリア材料シート及びユーロクラスB-s2、d0に従う前記耐火性シームテープの両方を備える前記建物エンベロープは、前記建物エンベロープの総外面面積から特定される前記耐火性シームテープの量が15%以下である限りにおいて、欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすことが可能であり得る。
【0023】
前記耐火性テープは、いくつかの技術的効果を有し得る。前記アクリル系粘着剤層は、前記耐火性テープと前記耐火性バリア材料との間の粘着性を改善し得る。したがって、前記アクリル系粘着剤は、前記テープの水蒸気シール性を改善し得る。さらに、前記耐火性テープは、良好な機械的特性を有し得る。なおさらに、前記耐火性テープは、適切な疎水性を有し得、したがって、前記耐火性テープ及び前記耐火性バリア材料を備える前記建物エンベロープは、低い吸水値を有し得る。これにより、前記耐火性バリア材料及び前記耐火性テープを備える前記建物エンベロープの有用性が実質的に改善され得る。
【0024】
前記耐火性バリア材料を前記耐火性テープと共に備える前記建物エンベロープは、建物を、少なくともある程度火災から保護するように配置され得る。これにより、個人が前記建物から脱出するための追加の時間が、ある程度得られ得る。
【0025】
さらに、前記耐火性バリア材料は、前記耐火性テープと共に、前記建物を湿気及び/又は空気の拡散から保護するようにも配置され得る。さらに、前記耐火性バリア材料は、前記耐火性テープと共に、前記建物を水蒸気から保護するようにも配置され得る。前記耐火性バリア材料を前記耐火性テープと共に備える前記建物エンベロープの一部のバリア性は、前記耐火性テープによって従来よりも制御が容易となり得、このテープは、前記耐火性バリア材料と同様のバリア性を、又はさらには前記耐火性バリア材料よりも良好なバリア性を有し得る。
【0026】
前記耐火性バリア材料は、好ましくは水蒸気バリアシートである。前記新規な建物エンベロープは、火災への安全性が必須である高層の建物及び公共の建物の蒸気バリアとして用いることができる。
【0027】
前記耐火性バリア材料は、良好なバリア性を得るために、例えば微細な貫通孔又は他の種類のいかなる孔も有していなくてよい。さらに、前記耐火性バリア材料は、いわゆる通気性材料でなくてもよい。
【0028】
前記建物エンベロープは、環境に優しいソリューションであり得る。例えば、前記建物エンベロープのVOC(揮発性有機化合物)排出量は、低い可能性がある。
【0029】
IACゴールド認証は、低製品排出量要件を満たす製品に与えられ得る。本明細書に従う前記耐火性バリア材料及び前記耐火性テープを備える前記建物エンベロープは、Eurofins Indoor Air Comfort GOLD(IACゴールド)のVOC要件に従う低排出量を有し得る。
【0030】
以下では、添付の図面を参照して、本発明についてより詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図3a】
図3aは、耐火性バリア材料及び耐火性テープを備える建物エンベロープの構造の例を示す。
【
図3b】
図3bは、耐火性バリア材料及び耐火性テープを備える建物エンベロープの一部を示す写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図は、模式的であり、開示されるソリューションの一般的な原理を示すことを意図している。したがって、図面中の図は、必ずしも縮尺通りではなく、システム構成成分の正確なレイアウトを示唆するものでもない。
【0033】
前記ソリューションを、いくつかの実施形態を参照しながら以下でより詳細に記載するが、これらは限定するものとして見なされてはならない。
本明細書において、以下の参照番号及び記号が用いられた図面を参照する。
10 耐火性バリア材料
10a 耐火性バリア材料の第1のシート
10b 耐火性バリア材料の第2のシート
t10 耐火性バリア材料の厚さ
11 耐火性バリア材料の第1の面
12 耐火性バリア材料の第2の面
13 耐火性バリア材料の金属層
t13 耐火性バリア材料の金属層の厚さ
14 耐火性バリア材料の接着剤層
15 耐火性バリア材料の支持層
16 耐火性バリア材料のラッカー層
17 耐火性バリア材料の印刷
20 耐火性テープ
20a 耐火性テープによって形成されたシールされたシーム
t20 耐火性テープの厚さ
21 耐火性テープの第1の面
22 耐火性テープの第2の面
23 耐火性テープの金属層
t23 耐火性テープの金属層の厚さ
24 耐火性テープの接着剤層
25 耐火性テープの支持層
26 耐火性テープのラッカー層
27 耐火性テープの印刷
28 耐火性テープの粘着剤コーティング
100 耐火性バリア材料及び耐火性テープを備える建物エンベロープ
【0034】
本明細書において、用語「含む」は、非限定的用語として使用され得るが、それはまた、限定的用語「から成る」も含む。
【0035】
本明細書全体を通して、材料の量に関するパーセント値は、特に断りのない限り、重量基準のパーセント(重量%)である。パーセント値はすべて、特に断りのない限り、乾燥重量を意味する。
【0036】
本明細書全体を通して、「比質量」という用語は、材料層の質量を前記層の面積で割ったもの(g/m2)を意味し、すなわち坪量である。
【0037】
「gsm」という用語は、1平方メートルあたりのグラム数(g/m2)を意味する。
【0038】
本明細書において、「MD」の用語は、縦方向を意味する。「縦方向」の用語は、当業者に公知である。「縦方向」の用語は、ウェブの製造方向を意味し、ウェブの長手方向である。ロールの場合、前記縦方向は、ロールの周方向である。
【0039】
本出願において、「CD」の用語は、横方向を意味する。「横方向」の用語は、当業者に公知である。前記横方向は、前記縦方向に対して横切る方向を意味する。
【0040】
火災に対する作用は、欧州防火規格EN 13501-1:2007+A1:2009(2021年有効)に従って判定され、分類される。
【0041】
坪量は、規格EN 1849-2(2021年有効)に従って測定することができる。さらに、厚さは、規格EN 1849-2に従って特定することができる。
【0042】
耐火性バリア材料
図1a~
図1bを参照すると、前記耐火性バリア材料10は、第1の面11及び第2の面12を備え得る。前記耐火性バリア材料10は、耐火性バリア材料シート材料10a、10bであってもよい。
【0043】
前記耐火性バリア材料は、金属層13、支持層15、及び前記金属層と前記支持層との間の接着剤層14を備え、この接着剤層14は、好ましくは難燃性接着剤層である。
【0044】
一実施形態では、前記耐火性バリア材料10は、
- 金属層13、
- ガラス繊維ファブリックを備える耐火性支持層であってもよい支持層15、
- 前記金属層と前記支持層との間にあり、好ましくは難燃性接着剤層である、接着剤層14、
- 所望に応じて、前記金属層上のラッカー層16、及び
- 所望に応じて、前記ラッカー層上の印刷17、
から成る。
【0045】
前記接着剤層14は、前記金属層を前記支持層に付着させるために、前記金属層13と前記支持層15との間に置かれ得る。
【0046】
前記耐火性支持層15は、前記耐火性バリア材料の耐火性を改善すると同時に、前記金属層13を外部応力から効率的に支持し得る。さらに、前記金属層は、前記耐火性バリア材料の耐火性をさらに改善すると同時に、製品の剛性を改善し得る。さらに、前記難燃性接着剤を用いることにより、前記耐火性バリア材料10の耐火性能が、実質的に改善され得る。
【0047】
いくつかの改善された特性を得るために、前記耐火性バリア材料の総坪量は、100gsm~300gsmの範囲、好ましくは150gsm~190gsmの範囲であってよい。さらに、一実施形態では、前記耐火性バリア材料の厚さは、100μm~300μmの範囲、好ましくは130μm~180μmの範囲であってよい。
【0048】
前記耐火性バリア材料は、規格EN 1931(2021年有効)に従って測定したSd(水蒸気透過度)値が1500m以上となるように配置され得る。
【0049】
前記耐火性バリア材料は、EN 13984:2013で特定されるように、2kPaの圧力で、規格EN 1928:2000の方法Aに従って測定されるW1水密性を有するように配置され得る。
【0050】
前記耐火性バリア材料は、EN 13984:2013で特定されるように、EN 13859-1:2020、別紙Aで改変された規格EN 12311-1に従って測定される引張強度(縦方向で測定)が少なくとも700N/50mm、好ましくは少なくとも750N/50mmとなるように配置され得る。
【0051】
前記耐火性バリア材料は、EN 13984:2013で特定されるように、EN 13859-1:2020、別紙Aで改変された規格EN 12311-1に従って測定される引張強度(横方向で測定)が少なくとも700N/50mm、好ましくは少なくとも750N/50mmとなるように配置され得る。
【0052】
前記耐火性バリア材料は、EN 13984:2013で特定されるように、EN 13859-1:2020、別紙Aで改変された規格EN 12311-1に従って測定される、MD及びCDでの最大力時伸びが少なくとも2.5%、及び好ましくは6%未満となるように配置され得る。
【0053】
耐火性バリア材料の金属層
前記耐火性バリア材料10、10a、10bは、前記金属層13を備える。前記金属層13は、アルミニウム層であり得る。したがって、前記金属層13は、好ましくはアルミニウムから作製される。アルミニウムは、その低いガス拡散性、耐火性、及び軽量という点で有益である。したがって、アルミニウムは、例えば前記耐火性バリア材料の耐火性を改善すると同時に、前記耐火性バリア材料の重量を過度に増加させない可能性がある。
【0054】
前記耐火性バリア材料10の前記金属層13は、厚さが6μm~100μmの範囲、好ましくは30μm~50μmの範囲であるアルミニウム層であり得る。前記金属層の厚さは、良好な水蒸気バリア性を提供し、さらには前記耐火性バリア材料の耐火性及び剛性を改善するために、少なくとも6μm、好ましくは少なくとも15μm、より好ましくは少なくとも25μm、最も好ましくは少なくとも30μmであってよい。さらに、前記金属層の厚さは、コストを低減するために、100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下、最も好ましくは50μm以下であってよい。さらに、製品の重量が充分に小さい場合、設置プロセスも容易と成り得る。
【0055】
前記金属層は、1又は複数のアルミニウム層から作製され得る。前記金属層は、1層だけのアルミニウム層を備え得る。一実施形態では、前記金属層13は、前記金属層の総厚さが20μm~100μmの範囲、好ましくは50μm~90μmの範囲となるように、各々が6μm~50μmの範囲、好ましくは20μm~40μmの範囲の厚さを有する2層又は3層のアルミニウム層から作製される。前記金属層が少なくとも2層のアルミニウム層を備える実施形態では、前記金属層を形成するために、隣接する2つのアルミニウム層の間に付着層が置かれ得る。前記付着層は、1若しくは複数のポリマーを含んでよい、又はそれらから成っていてもよい。前記付着層は、アイオノマーを含み得る。前記付着層は、ポリアミドから作製された層などのプラスチック層を備え得る。一実施形態では、前記付着層は、例えば接着剤を含む。前記付着層は、難燃性の付着層であり得る。
【0056】
耐火性バリア材料の支持層
前記耐火性バリア材料10は、耐火性支持層であり得る前記支持層15を備える。前記耐火性支持層15は、前記耐火性バリア材料の耐火性を実質的に改善し得る。前記耐火性支持層15は、さらに、前記耐火性バリア材料の内部強度を改善し得、例えば、前記金属層を外部応力から支持し得る。
【0057】
前記支持層は、少なくとも80重量%のガラス繊維を備え得る。好ましくは、前記支持層は、前記支持層の総重量から特定して、少なくとも90重量%のガラス繊維、より好ましくは少なくとも95重量%のガラス繊維、最も好ましくは少なくとも97重量%のガラス繊維を備える。前記耐火性支持層は、ガラス繊維ファブリックを備えてよい、又はそれから成っていてよい。前記ガラス繊維ファブリックから得られる有益性は、前記支持層が備える他の材料が少ないほど、より良好に実現され得る。
【0058】
前記ガラス繊維ファブリックのガラス繊維は、サイジング処理されたガラス繊維であり得る。したがって、前記ガラス繊維ファブリックは、好ましくは、サイジング処理されたガラス繊維ヤーンを織ることによって製造されたサイジング処理されたガラス繊維ファブリックである。前記サイジング処理によって、切断を起こすことなく製織プロセスに繊維を通すことが可能となり得る。
【0059】
有利には、前記ガラス繊維は、ポリビニルアルコールを用いて、前記製織プロセスの前にサイジング処理される。前記ポリビニルアルコールの量は、前記ガラス繊維ファブリックの総重量から決定して、0.1~1g/m2の範囲であり得る。前記サイジング処理は、前記ファブリックの製織しやすさを改善し得る。
【0060】
前記支持層は、ガラス繊維から作製され得る。前記耐火性バリア材料の前記ガラス繊維ファブリックのガラス繊維は、不燃性テキスタイル繊維であってよく、したがって、前記ガラス繊維ファブリックは、前記耐火性バリア材料の難燃性を実質的に改善し得る。
【0061】
さらに、前記ガラス繊維は、強い繊維であり得ることから、前記ガラス繊維ファブリックは、前記耐火性バリア材料に対して良好な強度特性も提供し得る。なおさらに、前記ガラス繊維ファブリックのおかげで、製品の寸法安定性も改善され得る。前記改善された寸法安定性は、さらに、前記金属層を例とする他の層を保護し得る。なおさらに、前記良好な寸法安定性は、耐火性バリア材料シート間の少なくともいくつかのシームが前記耐火性テープを用いてシールされ得る設置プロセスの容易さを改善し得る。さらに、前記ガラス繊維ファブリックの熱伝導率は低い場合があり、これは建物において有用であり得る。
【0062】
前記ガラス繊維ファブリックは、好ましくは、いわゆる未加工のガラス繊維ファブリック、すなわち未仕上げのガラス繊維ファブリックである。前記未加工のガラス繊維ファブリックにより、前記耐火性バリア材料において改善された強度特性を得ることが可能である。前記未加工のガラス繊維ファブリックのガラス繊維ヤーンは、前記製織プロセスの前にサイジング処理されていてもよい。
【0063】
前記ガラス繊維ファブリック、特に未加工のガラス繊維ファブリックは、前記耐火性バリア材料の難燃性を実質的に改善し得る耐火性層を形成し得る。したがって、前記耐火性支持層は、前記耐火性テープ及び前記耐火性バリア材料を備える前記建物エンベロープの難燃性を実質的に改善し得る。
【0064】
前記ガラス繊維ファブリックは、不燃性、又は少なくとも実質的に不燃性であってよく、すなわち、それは、炎を維持し得ない。さらに、それは、熱に曝露された場合であっても、有害物質又は煙を排出し得ず、これは、建物において特に有用な特性であり得る。なおさらに、前記ガラス繊維ファブリックは、げっ歯類又は昆虫による影響を容易には受け得ない。
【0065】
前記ガラス繊維ファブリックは、所定の比質量を有する層の形態であり得る。前記耐火性バリア材料の前記耐火性支持層は、50g/m2~500g/m2の範囲、好ましくは60g/m2~300g/m2の範囲、より好ましくは65g/m2~150g/m2の範囲、最も好ましくは70g/m2~90g/m2の範囲の比質量を有し得る。したがって、前記耐火性支持層は、前記耐火性バリア材料にとって重すぎることなく、前記金属層を支持しながら耐火性を改善することが可能であり得る。さらに、前記比質量が小さいほど、製造コストは小さくなり得る。前記耐火性支持層の前述の比質量は、過度に重量が増加することなく、良好な機械的支持及び耐火性を提供することができる。
【0066】
一実施形態において、前記支持層は、30~100dtexという範囲のような17~136dtexの範囲のデシテックス値を有するガラス繊維ヤーンを備え得る又はそれから成り得る。当業者であれば、「デシテックス(dtex)」の用語は周知である。上述したデシテックス値は、上述した有益性の少なくともいくつかを費用対効果高く得るために有益であり得るヤーンの繊度を意味する。
【0067】
一実施形態において、前記耐火性バリア材料の前記支持層15は、5g/m2~50g/m2の範囲、好ましくは10g/m2~40g/m2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリムを備える、又はそれから成る。前記ガラス繊維スクリムは、前記支持層における費用対効果の高い代替品であり得る。しかし、前記ガラス繊維ファブリックは、前記ガラス繊維スクリムよりもある程度良好な特性を提供することができる。
【0068】
耐火性バリア材料の接着剤層
前記耐火性バリア材料は、さらに、前記金属層13を前記支持層15に付着させるために、前記金属層13と前記支持層15との間に接着剤層14を備える。
【0069】
前記バリア材料の前記接着剤層は、二成分型又は多成分型接着剤を含み得る。前記接着剤層は、難燃性の接着剤層であり得る。好ましくは、前記バリア材料の前記接着剤層は、難燃性の二成分型又は多成分型接着剤である。
【0070】
前記接着剤層は、0.1g/m2~15g/m2の範囲、好ましくは0.5g/m2~3g/m2の範囲の比質量を有し得る。前記バリア材料層の前記接着剤層は、少なくとも0.1g/m2、好ましくは0.3g/m2以上、より好ましくは0.5g/m2以上、最も好ましくは0.8g/m2以上の比質量を有し得る。したがって、前記接着剤層は、互いに付着させるべき層に良好な粘着性を提供し得る。さらに、前記接着剤層は、15g/m2以下、好ましくは10g/m2以下、より好ましくは6g/m2以下、最も好ましくは3g/m2以下の比質量を有し得る。したがって、前記接着剤層は、費用対効果高く製造され得る。
【0071】
考察したように、前記接着剤層14は、好ましくは難燃性接着剤層であり、最も好ましくは難燃性生体成分型(biocomponent)又は多成分型接着剤層である。
【0072】
前記接着剤層は、難燃性の水性二成分型又は多成分型接着剤を含み得る、又はそれから作製され得る。好ましくは、前記接着剤層は、二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤を含む。
【0073】
前記二成分型又は多成分型接着剤は、前記二成分型又は多成分型接着剤を得るために、少なくとも2つの成分、例えばポリオール及びイソシアネート、を混合することによって得ることができる。好ましくは、前記接着剤層は、イソシアネートとポリオールとの反応によって形成される二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤を含む。前記二成分型又は多成分型接着剤により、前記ガラス繊維ファブリックと前記金属層との間に強靭で柔軟な結合が形成され得る。さらに、前記二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤は、分解に対する耐性を有し得る特に強力な接着剤であり得る。さらに、前記二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤は、前記ガラス繊維ファブリック及び前記金属層の両方の面と良好に機能し得る。さらに、前記イソシアネート成分により、前記接着剤の粘着性が改善され得る。
【0074】
前記耐火性バリア材料の前記接着剤層14は、1又は複数の難燃性成分を含み得る。一実施形態では、前記接着剤層の前記難燃性成分は、以下のうちの少なくとも1つを含む又はそれから成る:
- 窒素系成分、特に、ポリリン酸メラミン又はシアヌル酸メラミンなどのメラミン、
- リン系成分、特にポリリン酸アンモニウム(APP)、及び
- 無機系成分、特にアルミナ三水和物(ATH)及び/又は水酸化マグネシウム(MDH)。
【0075】
これらの化学物質は、前記接着剤層に、大きく改善された耐火性及び消火性(flame extinguish properties)を提供し得る。
【0076】
窒素系成分の技術的効果は、火災ガスを希釈する不活性窒素N2を放出すること、吸熱分解によって冷却剤として作用すること、及びさらには、熱膨張システムにおいて発泡剤としても機能することである。
【0077】
リン系成分の技術的効果は、炭素が豊富な環境により、リンラジカルの形成による気相のメカニズムが有利となることである。さらに、ポリリン酸アンモニウムの別の難燃性メカニズムは、炭素の厚い層であるチャー層の形成である。
【0078】
無機系成分の技術的効果は、例えば、分解がより高い温度で起こるため、前記無機系成分は、水を放出して温度を下げることによって(吸熱反応)、燃焼速度を低下させることができることである。さらに、アルミニウムなどの鉱物は、ガラス状のチャー形成にも寄与し得る。
【0079】
前記接着剤層14により、多くの利点を得ることができる。例えば、前記支持層と前記金属層との間の粘着性を改善することができる。さらに、前記耐火性バリア材料のいくつかのバリア性を改善することができる。さらに、耐火性も改善することができる。
【0080】
耐火性バリア材料のラッカー層
前記耐火性バリア材料は、前記金属層13上に、透明又は黒色ラッカー層などのラッカー層16をさらに備えていてもよい。
【0081】
前記ラッカー層は、前記耐火性バリア材料10の視覚的外観を改善し得る。前記ラッカー層は、さらに、前記金属層13を保護し得る。特に、前記ラッカー層16は、それが用いられる場合、例えばアルミニウム層の表面が容易に酸化されることを防止し得る。したがって、好ましくは、前記ラッカー層は、用いられる場合、前記アルミニウム層上に直接適用される。さらに、前記ラッカーは、印刷促進剤として用いられ得る。
【0082】
一実施形態では、前記ラッカー層16は、透明ラッカー層である。前記金属層上の前記透明ラッカー層は、低放射率を促進するソリューションを提供することができ、IR放射線による断熱性の改善に、したがって熱伝達の低減に寄与する。
【0083】
前記ラッカー層は、例えば0.5g/m2~2g/m2の範囲の比質量を有し得る。
【0084】
耐火性バリア材料の印刷
前記耐火性バリア材料は、さらに、前記ラッカー層16上に印刷17を備えていてもよい。前記耐火性バリア材料10は、印刷されていても又は印刷されていなくてもよい。したがって、前記印刷17は、必ずしも前記耐火性バリア材料に必要とされるものではなく、単に、前記耐火性バリア材料の、例えば情報を提供するための、所望に応じて存在する層である。
【0085】
前記耐火性バリア材料の外面は、例えば印刷及び/又はラッカーを備えていてよい。したがって、前記金属層13は、前記ラッカー層16及び/又は印刷17によって少なくとも部分的に覆われていてもよい。
【0086】
耐火性テープ
図2a~
図2bを参照すると、前記耐火性テープは、
- 前記耐火性テープの金属層23、
- 例えばガラス繊維ファブリックを備える、耐火性支持層であってもよい前記耐火性テープの支持層25、
- 前記金属層23と前記耐火性支持層25との間にあり、好ましくは難燃性接着剤層である、前記耐火性テープの接着剤層24、及び
- 前記支持層25上のアクリル系感圧粘着剤コーティング層28、
を備え得る。
【0087】
耐火性テープは、ウェブの形態であり得る。「ウェブ」という用語は、連続した材料を意味する。テープなどのウェブは、ロールとして保管及び/又は輸送され得る。
【0088】
前記耐火性テープ20は、前記耐火性テープの第1の面21及び第2の面22を備え得る。前記第2の面22は、前記耐火性バリア材料に付着されることになる前記耐火性テープ20の内面であり得る。前記耐火性テープ20の前記第1の面21は、前記耐火性テープ20の外面であり得る。
【0089】
したがって、前記テープ20の前記第2の面22は、前記耐火性バリア材料10に付着され得る。好ましくは、前記テープ20の前記第2の面22は、前記耐火性バリア材料の前記第1の面11に付着されるように配置される。
【0090】
一実施形態では、前記耐火性テープは、
- 金属層23、
- 好ましくはガラス繊維ファブリックの層である支持層25、
- 前記金属層23と前記支持層25との間にあり、好ましくは難燃性接着剤層である、接着剤層24、
- 前記支持層上の感圧粘着剤コーティング層28、
- 所望に応じて、前記金属層上のラッカー層26、
- 所望に応じて、前記ラッカー層上の印刷27、及び
- 所望に応じて、前記粘着剤層上の剥離ライナー、
から成る。
【0091】
一実施形態では、前記耐火性テープの前記接着剤層24は、難燃性接着剤層であり、前記金属層23と前記支持層25との間に置かれる。さらに、前記支持層25は、好ましくは、前記接着剤層24と前記感圧粘着剤コーティング層28との間に置かれる。この実施形態では、前記支持層25は、前記耐火性テープの耐火性を改善すると同時に、前記金属層23を外部応力から効率的に支持し得る。さらに、前記難燃性接着剤層により、前記耐火性テープ20の耐火性能が、実質的に改善され得る。さらに、前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層28は、好ましくは、難燃性アクリル系感圧粘着剤コーティング層である。前記難燃性アクリル系感圧粘着剤コーティング層により、前記建物エンベロープの難燃性、さらにはいくつかのバリア性を改善するために、耐火性バリア材料シートに適切なシールを形成することが可能である。
【0092】
前記建物エンベロープに所定の難燃性及びバリア性を提供するために、前記耐火性テープの幅は、例えば、60mm~150mmの範囲、好ましくは65mm~110mmの範囲、最も好ましくは70mm~90mmの範囲であり得る。
【0093】
前記耐火性テープは、規格EN 1931(2021年有効)に従って測定されるSd値が1500m以上となるように配置され得る。
【0094】
前記耐火性テープは、EN 13984:2013で特定されるように、2kPaの圧力で、規格EN 1928:2000の方法Aに従って測定されるW1水密性を有するように配置され得る。
【0095】
前記耐火性テープ材料は、EN 13984:2013で特定されるように、EN 13859-1:2020、別紙Aで改変された規格EN 12311-1に従って測定される縦方向測定での引張強度が少なくとも700N/50mm、好ましくは少なくとも750N/50mmとなるように配置され得る。
【0096】
前記耐火性テープは、EN 13984:2013で特定されるように、EN 13859-1:2020、別紙Aで改変された規格EN 12311-1に従って測定される横方向測定での引張強度が少なくとも400N/50mm、好ましくは少なくとも450N/50mmとなるように配置され得る。
【0097】
前記耐火性テープは、EN 13984:2013で特定されるように、EN 13859-1:2020、別紙Aで改変された規格EN 12311-1に従って測定される、MD及びCDでの最大力時伸びが少なくとも2.5%、及び好ましくは6%未満となるように配置され得る。
【0098】
前記耐火性テープは、前記感圧粘着剤コーティング層28が剥離ライナー(図示せず)によって保護されるように保管及び/又は輸送され得る。この実施形態では、前記剥離ライナーは、前記耐火性テープがシームをシールするために用いられる前には、前記感圧粘着剤コーティング層28上にあるように配置される。したがって、前記耐火性テープを用いる前に、前記剥離ライナーは取り除かれる。前記剥離ライナーは、前記耐火性テープの自己巻き付け性(self-woundability)を改善し得る。特に、前記剥離ライナーは、層が互いにブロッキングする傾向なしに、前記耐火性テープがそれ自体に巻き付けられるのを補助し得る。前記剥離ライナーなしでは、前記耐火性テープの前記粘着剤層に起因してロールの隣接層が互いに付着する可能性がある。
【0099】
耐火性テープの金属層
前記耐火性テープ20は、前記耐火性テープの前記金属層23を備える。前記金属層23は、アルミニウム層であり得る。したがって、前記金属層23は、好ましくはアルミニウムから作製される。アルミニウムは、その低いガス拡散性、耐火性、及び軽量という点で、シームテープにおいて有益である。
【0100】
前記耐火性テープの前記金属層23は、厚さが6μm~100μmの範囲、好ましくは30μm~50μmの範囲であるアルミニウム層であり得る。前記耐火性テープの前記アルミニウム層の厚さは、耐火性を改善し、シームに良好な水蒸気バリアを提供するために、少なくとも6μm、好ましくは少なくとも15μm、より好ましくは少なくとも25μm、最も好ましくは少なくとも30μmであり得る。さらに、前記アルミニウム層の厚さは、コストを低減するために、100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下、最も好ましくは50μm以下であり得る。前記耐火性テープの前記金属層は、例えば前記耐火性テープの耐火性を改善し得る。
【0101】
前記金属層は、好ましくは1層だけのアルミニウム層を備える。したがって、前記耐火性シームテープにおける実質的に単純な構造を得ることが可能である。前記金属層は、1層のアルミニウム層から成り得る。一実施形態では、前記金属層は、2層のアルミニウム層を備え、前記金属層を形成するために、隣接する2層のアルミニウム層の間に付着層が置かれ得る。
【0102】
前記耐火性テープの前記金属層は、前記耐火性バリア材料の前記金属層と同じ又は実質的に同じ特性を有し得る。これにより、前記テープ及び前記バリア材料を備える前記建物エンベロープの特性の制御性を改善することができる。
【0103】
耐火性テープの支持層
前記耐火性テープ20は、耐火性支持層であり得る前記支持層25を備える。前記耐火性支持層25は、前記耐火性テープの耐火性を実質的に改善し得る。前記支持層25は、さらに、前記耐火性テープの内部強度を改善し得、例えば、特に前記建物エンベロープの設置プロセス時に、外部応力から前記金属層を支持し得る。
【0104】
前記耐火性支持層は、ガラス繊維ファブリックを備えてよい、又はそれから成っていてよい。前記ガラス繊維ファブリックから得られる有益性は、前記支持層が備える他の材料が少ないほど、より良好に実現され得る。
【0105】
前記ガラス繊維ファブリックのガラス繊維は、サイジング処理されたガラス繊維であり得る。したがって、前記ガラス繊維ファブリックは、好ましくは、サイジング処理されたガラス繊維ヤーンを織ることによって製造されたサイジング処理されたガラス繊維ファブリックである。前記サイジング処理によって、切断を起こすことなく製織プロセスに繊維を通すことが可能となり得る。
【0106】
有利には、前記ガラス繊維は、ポリビニルアルコールを用いて、前記製織プロセスの前にサイジング処理される。前記ポリビニルアルコールの量は、前記ガラス繊維ファブリックの総重量から決定して、0.1~1g/m2の範囲であり得る。上記で考察したように、サイジング処理は、前記ファブリックの製織しやすさを改善し得る。
【0107】
前記耐火性テープの前記支持層は、ガラス繊維から作製され得る。前記耐火性テープのガラス繊維は、不燃性テキスタイル繊維であってよく、したがって、前記ガラス繊維ファブリックは、前記耐火性テープの難燃性を実質的に改善し得、さらに、前記耐火性テープ20及び前記耐火性バリア材料10を備える前記建物エンベロープのシールされたシームによって、難燃性を改善し得る。
【0108】
さらに、前記ガラス繊維は、非常に強い繊維であることから、前記ガラス繊維ファブリックは、前記バリア材料シートのシームをシールするための前記耐火性テープに対して良好な強度特性も提供し得る。なおさらに、前記ガラス繊維ファブリックにより、前記耐火性テープの寸法安定性が改善され得、このことは、前記建物エンベロープのシームの品質を改善し得る。
【0109】
前記ガラス繊維ファブリックは、好ましくは、いわゆる未加工のガラス繊維ファブリック、すなわち未仕上げのガラス繊維ファブリックである。前記未加工のガラス繊維ファブリックにより、前記建物エンベロープのシームにおいて改善された強度特性を得ることが可能である。前記未加工のガラス繊維ファブリックのガラス繊維ヤーンは、前記製織プロセスの前にサイジング処理されていてもよい。
【0110】
前記支持層は、前記耐火性テープ及び前記テープを備える前記建物エンベロープの難燃性を実質的に改善し得る。したがって、前記耐火性支持層は、前記耐火性テープを備える前記建物エンベロープの難燃性を実質的に改善し得る。
【0111】
前記耐火性テープの前記ガラス繊維ファブリックは、不燃性、又は少なくとも実質的に不燃性であってよく、すなわち、それは、炎を維持し得ない。さらに、それは、熱に曝露された場合であっても、有害物質又は煙を排出し得ず、これは、建物において特に有用な特性であり得る。なおさらに、前記ガラス繊維ファブリックは、げっ歯類又は昆虫による影響を容易には受け得ず、このことは、前記シームの品質をある時間にわたって改善し得る。
【0112】
前記ガラス繊維ファブリックは、所定の比質量を有する層の形態であり得る。
【0113】
前記耐火性テープの前記支持層は、50g/m2~500g/m2の範囲、好ましくは60g/m2~300g/m2の範囲、より好ましくは65g/m2~150g/m2の範囲、最も好ましくは70g/m2~90g/m2の範囲の比質量を有し得る。したがって、前記耐火性テープの前記支持層は、前記金属層を支持しながら、耐火性を改善可能であり得る。さらに、前記比質量が小さいほど、製造コストは小さくなり得る。前記耐火性テープの前記支持層の前述の比質量は、良好な機械的支持、信頼性の高いシール性、及び耐火性を提供し得る。
【0114】
一実施形態において、前記耐火性テープの前記支持層25は、5g/m2~50g/m2の範囲、好ましくは10g/m2~40g/m2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリムを備える、又はそれから成る。前記ガラス繊維スクリムは、前記支持層における費用対効果の高い代替品であり得る。しかし、前記ガラス繊維ファブリックは、前記ガラス繊維スクリムよりも良好な特性を提供することができる。
【0115】
前記耐火性テープの前記支持層は、前記耐火性バリア材料の前記支持層と同じ又は実質的に同じ特性を有し得る。これにより、前記テープ及び前記バリア材料を備える前記建物エンベロープの特性の制御性を改善することができる。
【0116】
耐火性テープの接着剤層
前記耐火性テープ20は、さらに、前記金属層23を前記支持層25に付着させるために、前記金属層23と前記支持層25との間に前記耐火性テープの接着剤層24を備える。
【0117】
前記耐火性テープの前記接着剤層は、二成分型又は多成分型接着剤を含み得る。前記耐火性テープの前記接着剤層は、難燃性接着剤層であり得る。好ましくは、前記耐火性テープの前記接着剤層は、難燃性の二成分型又は多成分型接着剤である。
【0118】
前記耐火性テープの前記接着剤層は、0.1g/m2~15g/m2の範囲、好ましくは0.5g/m2~3g/m2の範囲の比質量を有し得る。前記耐火性テープの前記接着剤層は、前記金属層を前記支持層に信頼性高く付着させるために、少なくとも0.1g/m2、好ましくは0.3g/m2以上、より好ましくは0.5g/m2以上、最も好ましくは0.8g/m2以上の比質量を有し得る。したがって、前記接着剤層は、互いに付着させるべき層に対して良好な粘着性を提供し得る。さらに、前記接着剤層は、15g/m2以下、好ましくは10g/m2以下、より好ましくは6g/m2以下、最も好ましくは3g/m2以下の比質量を有し得る。したがって、前記接着剤層は、費用対効果高く製造され得る。
【0119】
考察したように、前記耐火性テープの前記接着剤層24は、好ましくは、前記難燃性の生体成分型(biocomponent)接着剤層又は多成分型接着剤層である。
【0120】
前記接着剤層は、難燃性の水性二成分型又は多成分型接着剤を含み得る、又はそれから作製され得る。好ましくは、前記耐火性テープの前記接着剤層は、二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤を含む。
【0121】
好ましくは、前記接着剤層は、イソシアネートとポリオールとの反応によって形成される二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤を含む。前記二成分型又は多成分型接着剤により、前記ガラス繊維ファブリックと前記金属層との間に強靭で柔軟な結合が形成され得る。さらに、前記二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤は、分解に対する耐性を有し得る特に強力な接着剤であり得る。さらに、前記二成分型又は多成分型ポリウレタン接着剤は、前記ガラス繊維ファブリック及び前記金属層の両方の面と良好に機能し得る。さらに、前記イソシアネート成分により、前記接着剤の粘着性が改善され得る。
【0122】
考察したように、前記耐火性テープの前記接着剤層は、1又は複数の難燃性成分を含み得る。したがって、1又は複数の難燃性成分が、前記接着剤層に添加され得る。一実施形態では、前記接着剤層の前記難燃性成分は、以下のうちの少なくとも1つを含む又はそれから成る:
- 窒素系成分、特に、ポリリン酸メラミン又はシアヌル酸メラミンなどのメラミン、
- リン系成分、特にポリリン酸アンモニウム(APP)、及び
- 無機系成分、特にアルミナ三水和物(ATH)及び/又は水酸化マグネシウム(MDH)。
【0123】
これらの化学物質は、前記耐火性テープの前記接着剤層に、大きく改善された耐火性及び消火性を提供し得る。
【0124】
窒素系成分の技術的効果は、火災ガスを希釈する不活性窒素N2を放出すること、吸熱分解によって冷却剤として作用すること、及びさらには、熱膨張システムにおいて発泡剤としても機能することである。
【0125】
リン系成分の技術的効果は、炭素が豊富な環境により、リンラジカルの形成による気相メカニズムが有利となることである。さらに、ポリリン酸アンモニウムの別の難燃性メカニズムは、炭素の厚い層であるチャー層の形成である。
【0126】
無機系成分の技術的効果は、例えば、分解がより高い温度で起こるため、前記無機系成分は、水を放出して温度を下げることによって(吸熱反応)、燃焼速度を低下させることができることである。さらに、アルミニウムなどの鉱物は、ガラス状のチャー形成にも寄与し得る。
【0127】
前記接着剤層により、特に前記難燃性の二成分型又は多成分型接着剤が用いられた場合、前記改善された耐火性に加えて多くの利点が得られ得る。例えば、前記耐火性テープ及び前記耐火性バリア材料を備える前記建物エンベロープのいくつかのバリア性が改善され得る。
【0128】
前記耐火性テープの前記接着剤層は、前記耐火性バリア材料の前記接着剤層と同じ又は実質的に同じ特性を有し得る。これにより、前記テープ及び前記バリア材料を備える前記建物エンベロープの特性の制御性を改善することができる。
【0129】
耐火性テープの粘着剤コーティング層
前記耐火性テープは、感圧粘着剤コーティング層28を備える。前記感圧粘着剤コーティングは、自己粘着性コーティングとも称され得る。
【0130】
前記感圧粘着剤コーティング層28は、好ましくは、アクリル系感圧粘着剤コーティング層である。アクリル系粘着剤は、環境に優しい粘着剤であり得る。さらに、アクリル系粘着剤は、前記建物エンベロープに特に適し得る。最も好ましくは、前記感圧粘着剤コーティング層28は、水性アクリル系感圧粘着剤コーティングを含む。
【0131】
IACゴールド認証は、低製品排出量要件を満たす製品に与えられ得る。本明細書に従う前記耐火性テープは、Eurofins Indoor Air Comfort GOLD(IACゴールド)のVOC要件に従う低排出量を有し得る。
【0132】
前記耐火性テープは、永続的アクリル系感圧粘着剤を用いた永続的テープであってもよく、これは、設置後、前記耐火性バリア材料から容易に除去され得ない。
【0133】
前記アクリル系感圧粘着剤は、前記耐火性バリア材料の外面との強い粘着性を提供するために、例えば粘着性強化(tackified)アクリル系粘着剤であってもよい。
【0134】
前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層28は、好ましくは、難燃性アクリル系感圧粘着剤コーティング層である。前記難燃性アクリル系感圧粘着剤コーティング層により、前記建物エンベロープの難燃性、さらにはいくつかのバリア性を改善するために、耐火性バリア材料シートのシームに強固なシールを形成することが可能である。
【0135】
したがって、前記粘着剤コーティングは、難燃性粘着剤コーティングを得るために、難燃性成分を含み得る。
【0136】
前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層28の少なくとも1つの難燃性成分は、以下を含む群、又は以下から成る群より選択され得る:
- 窒素系成分、特に、ポリリン酸メラミン又はシアヌル酸メラミンなどのメラミン、
- リン系成分、特にポリリン酸アンモニウム(APP)、
- 無機系成分、特にアルミナ三水和物(ATH)及び/又は水酸化マグネシウム(MDH)。
【0137】
これらの化学物質は、前記粘着剤層に、大きく改善された耐火性及び消火性を提供し得る。
【0138】
窒素系成分の技術的効果は、火災ガスを希釈する不活性窒素N2を放出すること、吸熱分解によって冷却剤として作用すること、及びさらには、熱膨張システムにおいて発泡剤としても機能することである。
【0139】
リン系成分の技術的効果は、炭素が豊富な環境により、リンラジカルの形成による気相メカニズムが有利となることである。さらに、ポリリン酸アンモニウムの別の難燃性メカニズムは、炭素の厚い層であるチャー層の形成である。
【0140】
無機系成分の技術的効果は、例えば、分解がより高い温度で起こるため、前記無機系成分は、水を放出して温度を下げることによって(吸熱反応)、燃焼速度を低下させることができることである。さらに、アルミニウムなどの鉱物は、ガラス状のチャー形成にも寄与し得る。
【0141】
前記感圧粘着剤コーティング層は、20g/m2~200g/m2の範囲、好ましくは30g/m2~80g/m2の範囲の比質量を有し得る。前記感圧粘着剤コーティング層は、少なくとも20g/m2、好ましくは30g/m2以上、より好ましくは35g/m2以上、最も好ましくは40g/m2以上の比質量を有し得る。さらに、前記感圧粘着剤コーティング層は、200g/m2以下、好ましくは150g/m2以下、より好ましくは100g/m2以下、最も好ましくは80g/m2以下の比質量を有し得る。したがって、前記感圧粘着剤コーティング層は、前記耐火性バリア材料に付着させるべきテープに良好な粘着性を提供し得る。したがって、信頼性の高いシールが、耐火性バリア材料シートのシームに対して形成され得る。さらに、このような比質量を有する前記感圧粘着剤コーティング層は、費用対効果高く製造され得る。
【0142】
前記耐火性テープ20は、規格EN 12317-2に従って特定される、150N/50mm以上、典型的には300N/50mm以上の接合部せん断抵抗を前記バリア材料10に提供するように配置され得る。
【0143】
さらに、前記建物エンベロープの前記材料により、基材上の前記テープの剥離抵抗は、規格EN 12316-2(24時間後)に従って特定して、6N/50mm以上、典型的には12N/50mm以上であり得る。
【0144】
前記感圧粘着剤コーティング層は、前記建物エンベロープのバリア性の制御性を改善するために、好ましくは連続した粘着剤層である。
【0145】
前記粘着剤の種類及び重量は、前記テープの前記支持層、さらには前記バリア材料シートの外面の両方に対して非常に良好な粘着性を有するように最適化され得る。したがって、粘着剤の量は、非常に良好なせん断力と適正なレベルの剥離力とを費用対効果高く得るために、及び耐火性能も改善されるように、最小限に抑えられ得る。
【0146】
一実施形態において、前記感圧粘着剤は、低VOC排出量を目的とした水性粘着剤である。別の選択肢として、前記感圧粘着剤は、ホットメルト粘着剤、好ましくはUV系ホットメルト粘着剤であってもよい。別の選択肢として、前記感圧粘着剤は、溶剤系粘着剤であってもよい。しかし、溶剤系粘着剤で低VOC排出量を得ることは、困難であり得る。
【0147】
耐火性テープのラッカー層
前記耐火性テープは、さらに、前記金属層上にラッカー層26を備えていてもよい。前記ラッカー層は、前記耐火性テープの視覚的外観を改善し得る。前記ラッカー層は、さらに、前記金属層を保護し得る。特に、前記ラッカー層26は、用いられる場合、例えばアルミニウムの表面が容易に酸化されることを防止し得る。したがって、好ましくは、前記ラッカー層は、用いられる場合、前記アルミニウム層上に直接適用される。さらに、前記ラッカーは、印刷促進剤として用いられ得る。
【0148】
前記ラッカー層は、例えば0.5g/m2~2g/m2の範囲の比質量を有し得る。
【0149】
耐火性テープの印刷層
前記耐火性テープは、印刷されていても又は印刷されていなくてもよい。前記印刷27は、必ずしも前記耐火性テープに必要とされるものではなく、単に、前記耐火性テープの、例えば情報を提供するための、所望に応じて存在する層である。
【0150】
前記耐火性テープの外面は、例えば印刷27及び/又は前記ラッカー層26を備えていてもよい。したがって、前記耐火性テープ20の前記金属層23は、前記ラッカー層26及び/又は印刷27によって少なくとも部分的に覆われていてもよい。
【0151】
耐火性テープの剥離ライナー
前記耐火性テープは、保管及び輸送中、前記粘着剤コーティング層28上に剥離ライナー(図示せず)を有し得る。したがって、前記感圧粘着剤コーティング層28は、前記支持層25と前記剥離ライナーとの間に置かれ得る。前記剥離ライナーは、前記感圧粘着剤コーティング層28を保護し得る。前記剥離ライナーは、さらに、前記耐火性テープの自己巻き付け性を改善し得る。
【0152】
前記剥離ライナーは、10gsm~200gsmの範囲、好ましくは50gsm~150gsmの範囲の坪量を有し得る。前記剥離ライナーは、例えば、紙ベースの剥離ライナーであっても、又はプラスチックベースの剥離ライナーであっても、又は加工可能な他のいかなる種類の剥離ライナーであってもよい。
【0153】
したがって、前記剥離ライナーは、紙又は例えばポリマーフィルムであってもよいベース層を備え得る。前記剥離ライナーは、さらに、前記ベース層の少なくとも一方の面上に剥離コーティング層を備えていてもよい。前記剥離コーティングは、シリコーン系剥離コーティングであってよい。したがって、前記剥離ライナーは、前記耐火性テープが前記耐火性バリア材料10の第1の面11に接着される設置プロセスの過程で、容易に除去され得る。前記設置プロセスでは、前記耐火性テープから前記剥離ライナーが除去されてよく、及び2つの耐火性バリア材料シート間のシームをシールするために、前記テープが前記耐火性バリア材料に付着されてよい。
【0154】
建物エンベロープ
図3a~
図3bを参照すると、前記建物エンベロープ100は、前記耐火性バリア材料10、10a、10b及び前記耐火性テープ20を備える。前記耐火性テープは、2つの耐火性バリア材料シート間のシームをシールするために用いられる耐火性シームテープであり得る。前記建物エンベロープにより、改善されたシール性を得ることができ、それによって、耐火性が改善され得る。さらに、水蒸気バリア性などの前記建物エンベロープのいくつかのバリア性も改善され得る。
【0155】
前記耐火性テープ20は、保管中及び輸送中は、ロールの形態であってよく、前記粘着剤層上に剥離ライナーを有していてもよい。したがって、設置プロセスでは、前記耐火性テープ20から前記剥離ライナーが除去されてよく、その後、2つの耐火性バリア材料シート10a、10b間のシームをシールするために、前記テープが前記耐火性バリア材料10に付着されてよい。
【0156】
前記感圧粘着剤コーティング層を備える前記耐火性テープの内面22は、前記耐火性バリア材料10の前記外面11に付着され得る。前記耐火性テープの前記内面22は、前記耐火性バリア材料の前記外面に良好に粘着するように、アクリル系感圧粘着剤コーティング層を備え得る。
【0157】
前記耐火性テープは、隣接する又は重なり合った耐火性バリア材料シートのシームをシールすることができるように配置され得る。前記設置プロセスは、実質的に容易及び安全であり得る。
【0158】
前記建物エンベロープのシールされたシームは、火炎、水蒸気、液体、及び空気に対して耐性を有し得る。前記建物エンベロープは、少なくとも火炎から建物を保護するように構成され得る。さらに、前記建物エンベロープは、例えば湿気から建物を保護するようにも構成され得る。
【0159】
前記バリア材料シート10a、10b間の信頼性の高いシール20aを得るために、前記第1の耐火性バリア材料シート10aは、耐火性、気密性、及び水バリア性を改善する目的で、前記第2の耐火性バリア材料シート10bと少なくとも0cm、好ましくは少なくとも3cm、より好ましくは少なくとも5cm、最も好ましくは少なくとも8cm重なり合っていてよい。さらに、前記第1の耐火性バリア材料シート10aは、前記第2の耐火性バリア材料シート10bと、20cm未満、好ましくは15cm未満、より好ましくは12cm未満、最も好ましくは10cm以下重なり合っていてよい。前記耐火性テープ20は、前記シールされたシームに対して、充分な耐火性、気密性、及び水蒸気バリア性を提供し得る。しかし、前記第1のシートが前記第2のシートと重なり合っている場合、前記設置プロセスの容易性が改善され得る。前記耐火性テープ20により、前記第1の耐火性バリア材料シート10aは、前記第2の耐火性バリア材料シート20aと重なり合う必要がない可能性がある。しかし、前記シートがある程度重なり合うことは、前記設置プロセスの容易さを改善し得る。
【0160】
前記耐火性テープの総量は、前記建物エンベロープの総外面面積から計算して、2%~15%の範囲、好ましくは4%~12%の範囲、最も好ましくは5%~10%の範囲であり得る。したがって、前記耐火性テープは、前記耐火性バリア材料シートのシームをシールするために用いられ得る。前記耐火性テープの前記量により、前記耐火性バリア材料シートを前記耐火性テープでシールすることによって、難燃性を実質的に改善することが可能である。
【0161】
さらに、前記建物エンベロープのシームは、前記耐火性テープ10で効率的にシールされ得る。したがって、前記設置方法は、前記建物エンベロープ100を設置するための迅速かつ容易な方法であり得る。これにより、コストを削減し、前記設置プロセスの効果を高めることができる。
【0162】
有利には、前記耐火性バリア材料10、及び前記耐火性テープ20はいずれも、好ましくはアルミニウム層である前記金属層13、23、好ましくは前記難燃性二成分型又は多成分型接着剤である前記難燃性接着剤層14、24、及び前記耐火性支持層15、25を備える。したがって、前記建物エンベロープ100のいくつかのバリア性及び機械的特性、さらには耐火性を、大幅に改善することが可能である。さらに、前記耐火性バリア材料及び前記耐火性テープ20の構造が類似していることに起因して、前記シールされたシーム20aを備えた前記建物エンベロープの少なくともいくつかの特性の制御性が改善され得る。
【0163】
前記新規な建物エンベロープは、水、湿気、及び空気の密閉性を確保することができ、並びに改善された放射性、剛性、機械的強度、及び寸法安定性を得ることができる。
【0164】
さらに、驚くべきことには、建物エンベロープであって、
- 欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たす前記耐火性バリア材料シート10、10a、10b、を備え、
- 前記シート間のシームは、欧州防火規格ユーロクラスB-s2、d0を満たす前記耐火性テープを用いてシールされている、
建物エンベロープは、建物エンベロープの総外面面積から特定される前記耐火性シームテープ20の量が15%以下である限りにおいて、欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすことができる。
【0165】
水蒸気バリア
前記耐火性バリア材料は、好ましくは耐火性水密性水蒸気バリア材料シートである。
【0166】
前記新規な建物エンベロープは、火災への安全性が必須である高層の建物及び公共の建物の水蒸気バリアとして用いることができる。前記水蒸気バリアはさらに、建物の内部領域に暑いゾーン/寒いゾーンを作り出す可能性のある風及び空気の漏れを防ぐために、並びに水及び湿気の浸入を防ぐために用いることができる。
【0167】
バリア性を得るために、前記耐火性バリア材料は、好ましくは貫通孔のない構造を有する。
【0168】
製造方法の一例
前記耐火性バリア材料は、前記金属層を、前記接着剤層を用いることによって前記耐火性支持層に付着させることで形成される積層体であってもよい。
【0169】
一例として、前記耐火性バリア材料10は、
- 金属層13を提供すること、
- 所望に応じて、前記金属層をラッカー処理すること、
- 耐火性支持層15を提供すること、
- 前記支持層15を、前記金属層13に接着させること、及び
- 所望に応じて、好ましくは前記ラッカー処理側の上に、印刷17を提供すること、
によって製造され得る。
【0170】
前記耐火性バリア材料は、一工程で製造され得る。その技術的効果は、得られる製品のカーボンフットプリントを最小限に抑える、費用対効果の高いソリューションを有することである。
【0171】
一例として、前記耐火性テープ20の製造方法は、以下の工程、
- 金属層23を提供すること、
- 所望に応じて、前記金属層をラッカー処理すること、
- 耐火性支持層25を提供すること、及び
- 前記支持層25を、前記金属層23に接着させること、
を含んでよく、上記工程は、1パスで行われてよく、その後、前記方法はさらに、以下の工程、
a)水性アクリル系粘着剤を用いることによって剥離ライナーをコーティングし、前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層28を形成するために、前記水性アクリル系粘着剤を乾燥させること、及び
前記支持層を、前記乾燥した感圧粘着剤コーティング層28に付着させること、又は
b)水性アクリル系粘着剤を用いることによって前記支持層をコーティングし、前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層28を形成するために、前記水性アクリル系粘着剤を乾燥させること、及び
剥離ライナーを、前記乾燥した感圧粘着剤コーティング層28に付着させること、
並びに
- 形成された材料をスリットして、細い耐火性テープロールとすること、
を含んでよい。
【0172】
さらに、印刷の適用は、それが用いられる場合、当業者に公知の方法を用いることによって成されてよい。
【実施例】
【0173】
実施例1
耐火性バリア材料シート、さらには耐火性シームテープを製造した。
【0174】
前記耐火性支持層シート及び前記耐火性テープを、欧州防火規格EN 13501-1:2007+A1:2009(2021年有効)に従って試験した。
【0175】
前記耐火性バリア材料シートは、欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすことができた。
【0176】
さらに、前記耐火性テープは、欧州防火規格ユーロクラスB-s2、d0を満たすことができた。
【0177】
さらに、前記耐火性バリア材料シートを備え、前記耐火性テープを用いて前記シート間のシームをシールした建物エンベロープを、欧州防火規格EN 13501-1:2007+A1:2009(2021年有効)に従って試験した。驚くべきことに、ユーロクラスA2-s1、d0の前記耐火性バリア材料シート及びユーロクラスB-s2、d0の前記難燃性建物エンベロープ用テープを備える前記建物エンベロープ全体は、前記建物エンベロープの総外面面積から特定される前記耐火性シームテープの量が15%以下であった場合、欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすことができた。
【0178】
実施例2
実施例1による前記建物エンベロープ、さらには前記耐火性テープ、及び前記耐火性バリア材料シートを、さらに、Sd及びW1水密性について試験した。
【0179】
試験結果によると、前記耐火性バリア材料シートのSd及びW1は、常に1500m超であり、前記耐火性テープのSd及びW1は、常に1500m超あった。さらに、前記耐火性バリア材料シート及び15%までの前記耐火性テープを備える前記建物エンベロープのSd及びW1の値も、1500m超であった。
【0180】
前記新規なソリューションにより、多くの利点を得ることができる。例えば、改善された難燃性及び良好な機械的特性を有する建物エンベロープを得ることが可能である。このように、前記建物エンベロープは、建物エンベロープの耐火性を改善することができる。さらに、前記建物エンベロープは、良好な蒸気バリア性、強度レベル、及び取り扱い性を有することができる。
【0181】
本発明は、図及び上記の記述に提示した例のみに限定されるものではなく、添付の請求項の範囲内で改変されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性テープ(20)及び耐火性バリア材料(10)を備え、前記耐火性テープ(20)は、前記耐火性バリア材料の第1のシート(10a)と前記耐火性バリア材料の第2のシート(10b)との間のシームをシールする、建物エンベロープ(100)であって、
A)前記耐火性バリア材料(10)は、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、前記耐火性バリア材料(10)の金属層(13)、
- 前記耐火性バリア材料(10)の支持層(15)であって、
・ 50g/m
2~500g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
・ 5g/m
2~50g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(15)、
及び
- 前記金属層(13)と前記支持層(15)との間にある、前記耐火性バリア材料(10)の接着剤層(14)であって、前記接着剤層の接着剤は、0.5g/m
2~15g/m
2の範囲の比質量を有する、接着剤層(14)、
を備え、
並びに
B)前記耐火性テープは、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、前記耐火性テープ(20)の金属層(23)、
- 前記耐火性テープ(20)の支持層(25)であって、
- 50g/m
2~500g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m
2~50g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(25)、
- 前記耐火性テープの前記金属層(23)と前記耐火性テープの前記支持層(25)との間にあり、0.5g/m
2~15g/m
2の範囲の比質量を有する、前記耐火性テープ(20)の接着剤層(24)、及び
- 前記耐火性テープの前記支持層(25)上にあり、20g/m
2~200g/m
2の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)、
を備える、建物エンベロープ(100)。
【請求項2】
建物用の耐火性シームテープであって、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、金属層(23)、
- 支持層(25)であって、
- 50g/m
2~500g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m
2~50g/m
2の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(25)、
- 前記金属層(23)と前記支持層(25)との間にあり、0.5g/m
2~15g/m
2の範囲の比質量を有する接着剤層(24)、及び
- 前記支持層(25)上にあり、20g/m
2~200g/m
2の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)、
を備える、耐火性シームテープ。
【請求項3】
欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすように構成された請求項1に記載の建物エンベロープ、又は
欧州防火規格ユーロクラスB-s2、d0を満たすように構成された請求項2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項4】
前記接着剤層(14、24)が、二成分型又は多成分型接着剤、好ましくは難燃性の二成分型又は多成分型接着剤を含む、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は
前記接着剤層(24)が、二成分型又は多成分型接着剤、好ましくは難燃性の二成分型又は多成分型接着剤を含む、請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項5】
前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)の前記比質量が、30g/m
2~80g/m
2の範囲である、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項6】
前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)が、少なくとも1つの難燃性成分を含む難燃性のアクリル系感圧粘着剤コーティング層である、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項7】
前記接着剤層(14、24)の前記比質量が、0.7g/m
2~3g/m
2の範囲である、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は
前記接着剤層(24)の前記比質量が、0.7g/m
2~3g/m
2の範囲である、請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項8】
前記ガラス繊維ファブリックを備え、各ガラス繊維ファブリックが、70g/m
2~90g/m
2の範囲の比質量を有する、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は
前記ガラス繊維ファブリックを備え、前記ガラス繊維ファブリックが、70g/m
2~90g/m
2の範囲の比質量を有する、請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項9】
前記金属層(13、23)の厚さが、30μm~50μmの範囲である、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は
前記金属層(23)の厚さが、30μm~50μmの範囲である、請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項10】
前記支持層(15、25)が、各支持層の総重量に対して、少なくとも90重量%のガラス繊維を備える、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は
前記支持層(25)が、各支持層の総重量に対して、少なくとも90重量%のガラス繊維を備える、請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項11】
前記支持層(15、25)のうちの少なくとも1つが、ポリビニルアルコールを含むことが好ましいサイジング処理されたガラス繊維を備える、請求項
1に記載の建物エンベロープ、又は
前記支持層(25)が、ポリビニルアルコールを含むことが好ましいサイジング処理されたガラス繊維を備える、請求項
2に記載の耐火性シームテープ。
【請求項12】
前記耐火性シームテープの総量が、前記建物エンベロープの総外面面積に対して15%以下である、請求項
1に記載の建物エンベロープ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0181
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0181】
本発明は、図及び上記の記述に提示した例のみに限定されるものではなく、添付の請求項の範囲内で改変されてもよい。
本開示に係る態様には以下の態様も含まれる。
<1> 耐火性テープ(20)及び耐火性バリア材料(10)を備え、前記耐火性テープ(20)は、前記耐火性バリア材料の第1のシート(10a)と前記耐火性バリア材料の第2のシート(10b)との間のシームをシールする、建物エンベロープ(100)であって、
A)前記耐火性バリア材料(10)は、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、前記耐火性バリア材料(10)の金属層(13)、
- 前記耐火性バリア材料(10)の支持層(15)であって、
・ 50g/m
2
~500g/m
2
の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
・ 5g/m
2
~50g/m
2
の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(15)、
及び
- 前記金属層(13)と前記支持層(15)との間にある、前記耐火性バリア材料(10)の接着剤層(14)であって、前記接着剤層の接着剤は、0.5g/m
2
~15g/m
2
の範囲の比質量を有する、接着剤層(14)、
を備え、
並びに
B)前記耐火性テープは、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、前記耐火性テープ(20)の金属層(23)、
- 前記耐火性テープ(20)の支持層(25)であって、
- 50g/m
2
~500g/m
2
の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m
2
~50g/m
2
の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(25)、
- 前記耐火性テープの前記金属層(23)と前記耐火性テープの前記支持層(25)との間にあり、0.5g/m
2
~15g/m
2
の範囲の比質量を有する、前記耐火性テープ(20)の接着剤層(24)、及び
- 前記耐火性テープの前記支持層(25)上にあり、20g/m
2
~200g/m
2
の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)、
を備える、建物エンベロープ(100)。
<2> 建物用の耐火性シームテープであって、
- 6μm~100μmの範囲の厚さを有するアルミニウム層であることが好ましい、金属層(23)、
- 支持層(25)であって、
- 50g/m
2
~500g/m
2
の範囲の比質量を有するガラス繊維ファブリック、又は
- 5g/m
2
~50g/m
2
の範囲の比質量を有するガラス繊維スクリム、
を備える、支持層(25)、
- 前記金属層(23)と前記支持層(25)との間にあり、0.5g/m
2
~15g/m
2
の範囲の比質量を有する接着剤層(24)、及び
- 前記支持層(25)上にあり、20g/m
2
~200g/m
2
の範囲の比質量を有するアクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)、
を備える、耐火性シームテープ。
<3> 欧州防火規格ユーロクラスA2-s1、d0を満たすように構成された<1>に記載の建物エンベロープ、又は
欧州防火規格ユーロクラスB-s2、d0を満たすように構成された<2>に記載の耐火性シームテープ。
<4> 前記接着剤層(14、24)が、二成分型又は多成分型接着剤、好ましくは難燃性の二成分型又は多成分型接着剤を含む、<1>又は<3>に記載の建物エンベロープ、又は
前記接着剤層(24)が、二成分型又は多成分型接着剤、好ましくは難燃性の二成分型又は多成分型接着剤を含む、<2>又は<3>に記載の耐火性シームテープ。
<5> 前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)の前記比質量が、30g/m
2
~80g/m
2
の範囲である、<1>若しくは<3>~<4>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は<2>~<4>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<6> 前記アクリル系感圧粘着剤コーティング層(28)が、少なくとも1つの難燃性成分を含む難燃性のアクリル系感圧粘着剤コーティング層である、<1>若しくは<3>~<5>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は<2>~<5>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<7> 前記接着剤層(14、24)の前記比質量が、0.7g/m
2
~3g/m
2
の範囲である、<1>若しくは<3>~<6>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は
前記接着剤層(24)の前記比質量が、0.7g/m
2
~3g/m
2
の範囲である、<2>~<6>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<8> 前記ガラス繊維ファブリックを備え、各ガラス繊維ファブリックが、70g/m
2
~90g/m
2
の範囲の比質量を有する、<1>若しくは<3>~<7>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は
前記ガラス繊維ファブリックを備え、前記ガラス繊維ファブリックが、70g/m
2
~90g/m
2
の範囲の比質量を有する、<2>~<7>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<9> 前記金属層(13、23)の厚さが、30μm~50μmの範囲である、<1>若しくは<3>~<8>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は
前記金属層(23)の厚さが、30μm~50μmの範囲である、<2>~<8>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<10> 前記支持層(15、25)が、各支持層の総重量に対して、少なくとも90重量%のガラス繊維を備える、<1>若しくは<3>~<9>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は
前記支持層(25)が、各支持層の総重量に対して、少なくとも90重量%のガラス繊維を備える、<2>~<9>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<11> 前記支持層(15、25)のうちの少なくとも1つが、ポリビニルアルコールを含むことが好ましいサイジング処理されたガラス繊維を備える、<1>若しくは<3>~<10>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ、又は
前記支持層(25)が、ポリビニルアルコールを含むことが好ましいサイジング処理されたガラス繊維を備える、<2>~<10>のいずれか一つに記載の耐火性シームテープ。
<12> 前記耐火性シームテープの総量が、前記建物エンベロープの総外面面積に対して15%以下である、<1>又は<3>~<11>のいずれか一つに記載の建物エンベロープ。
【国際調査報告】