(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】トリアジン除草化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 251/26 20060101AFI20241121BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20241121BHJP
A01N 43/70 20060101ALI20241121BHJP
A01N 53/00 20060101ALI20241121BHJP
A01N 53/02 20060101ALI20241121BHJP
A01N 53/12 20060101ALI20241121BHJP
A01N 53/06 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
C07D251/26 CSP
A01P13/00
A01N43/70
A01N53/00
A01N53/02
A01N53/12
A01N53/06 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537053
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2022086095
(87)【国際公開番号】W WO2023117670
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ウィッティンガム ウィリアム ガイ
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA05
4H011BB09
4H011BB15
4H011BC01
4H011BC03
4H011BC05
4H011BC07
4H011BC16
4H011BC18
4H011BC19
4H011BC20
4H011DA02
4H011DA03
4H011DA04
4H011DA05
4H011DA15
4H011DA16
4H011DH10
(57)【要約】
農薬として、とりわけ除草剤として有用な、式(I)(式中、置換基は、請求項1において定義されているとおりである)の化合物又はそれの農学的に許容可能な塩。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、
各X
1、X
2及びX
3は、酸素及び硫黄から独立して選択され;
Yは、C-H又は窒素であり;
Bは、O、S及びNR
5から選択され;
Dは(CR
6R
7)
nであり;
nは、1~4の整数であり;
R
1は、水素及びC
1~C
6アルキルから選択され;
R
2は、水素、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル及びC
3~C
6アルキニルから選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ及びC
1~C
4アルキルスルホニルから選択され;
R
4は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルキルスルホニルから選択され;
R
5は、水素、ヒドロキシ、C
1~C
6アルキル及びC
1~C
4アルコキシから選択され;
各R
6及びR
7は、水素、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、ヒドロキシ、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルコキシカルボニル及びCH
2OR
12から独立して選択され;ただし、R
6及びR
7は、両方とも同じ炭素原子上のヒドロキシであることがないことを条件とし;
又は同じ若しくは異なる炭素原子上の、2つの基R
6及びR
7は、一緒に、0、1若しくは2個の酸素原子を含有する、R
15で表される、同じものであっても異なってもよい、1~3個の基によって置換されている、C
1~C
5アルキレン鎖を形成し得るか;
又はnが1である場合、R
6及びR
7は、それらが結合している炭素原子と一緒にC
2アルケンを形成し得;
R
8は、OR
9、SR
9及びNR
10R
11から選択され;
R
9は、水素、C
1~C
10アルキル、C
1~C
10ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
4アルコキシC
1~C
6アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシC
1~C
6アルキル、C
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、R
13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~4個の基によって置換されているC
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、ヘテロアリールC
1~C
3アルキル及びR
13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~3個の基によって置換されているヘテロアリールC
1~C
3アルキルから選択され;
R
10は、水素、C
1~C
6アルキル及びSO
2R
14から選択され;
R
11は、水素及びC
1~C
6アルキルから選択されるか;又は
R
10及びR
11は、それらが結合している窒素と一緒に、酸素原子を任意に含有する、3~6員ヘテロシクリル環を形成し得;
R
12は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4アルキルカルボニルから選択され;
各R
13は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、シアノ及びC
1~C
4アルキルスルホニルから独立して選択され;
R
14は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、及びC
1~C
4アルキル(C
1~C
4アルキル)アミノから選択され;
各R
15は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4ハロアルキルから独立して選択される)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩。
【請求項2】
X
1は硫黄である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X
2は酸素である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
X
3は酸素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
YはC-Hである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Bは、O、NH及びNMeから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
BはOである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
nは1~2である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
nは2である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
R
1は、水素及びC
1~C
4アルキルから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R
2は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
3~C
4アルキニルから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R
3は、水素、クロロ、及びフルオロから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
R
4は、水素、クロロ、ブロモ、シアノ、及びアミノチオカルボニルから選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
除草的に有効な量の、請求項1~13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物と、農芸化学的に許容可能な希釈剤又はキャリアとを含む農芸化学的組成物。
【請求項15】
望ましくない植物の成長を防除又は防止する方法であって、除草的に有効な量の、請求項1~13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は請求項14に記載の組成物は、植物、その一部又はその生息地に適用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草的に活性なトリアジン誘導体並びにこのような誘導体の調製に用いられるプロセス及び中間体に関する。本発明は、このような誘導体を含む除草組成物並びに望ましくない植物の成長の防除のためのこのような化合物及び組成物の使用、特に有用な植物の作物における雑草の防除のための使用にさらに及ぶ。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2021/259224号、国際公開第202/239607号、米国特許第5726126号明細書、欧州特許第0584655号明細書、国際公開第2004/009561号、及び国際公開第0050409号は、すべて除草誘導体を記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、本明細書において定義されるような式(I)のトリアジン誘導体が意外なほど良好な除草活性を示すという知見に基づいている。従って、本発明によれば、式(I):
【化1】
(式中、
各X
1、X
2及びX
3は、酸素及び硫黄から独立して選択され;
Yは、C-H又は窒素であり;
Bは、O、S及びNR
5から選択され;
Dは(CR
6R
7)
nであり;
nは、1~4の整数であり;
R
1は、水素及びC
1~C
6アルキルから選択され;
R
2は、水素、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル及びC
3~C
6アルキニルから選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ及びC
1~C
4アルキルスルホニルから選択され;
R
4は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルキルスルホニルから選択され;
R
5は、水素、ヒドロキシ、C
1~C
6アルキル及びC
1~C
4アルコキシから選択され;
各R
6及びR
7は、水素、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、ヒドロキシ、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルコキシカルボニル及びCH
2OR
12から独立して選択され;ただし、R
6及びR
7は、両方とも同じ炭素原子上のヒドロキシであることがないことを条件とし;
又は同じ若しくは異なる炭素原子上の、2つの基R
6及びR
7は、一緒に、0、1若しくは2個の酸素原子を含有する、R
15で表される、同じものであっても異なってもよい、1~3個の基によって置換されている、C
1~C
5アルキレン鎖を形成し得るか;
又はnが1である場合、R
6及びR
7は、それらが結合している炭素原子と一緒にC
2アルケンを形成し得;
R
8は、OR
9、SR
9及びNR
10R
11から選択され;
R
9は、水素、C
1~C
10アルキル、C
1~C
10ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
4アルコキシC
1~C
6アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシC
1~C
6アルキル、C
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、R
13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~4個の基によって置換されているC
6~C
10アリールC
1~C
3アルキル、ヘテロアリールC
1~C
3アルキル及びR
13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~3個の基によって置換されているヘテロアリールC
1~C
3アルキルから選択され;
R
10は、水素、C
1~C
6アルキル及びSO
2R
14から選択され;
R
11は、水素及びC
1~C
6アルキルから選択されるか;又は
R
10及びR
11は、それらが結合している窒素と一緒に、酸素原子を任意に含有する、3~6員ヘテロシクリル環を形成し得;
R
12は、水素、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4アルキルカルボニルから選択され;
各R
13は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、シアノ及びC
1~C
4アルキルスルホニルから独立して選択され;
R
14は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、及びC
1~C
4アルキル(C
1~C
4アルキル)アミノから選択され;
各R
15は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル及びC
1~C
4ハロアルキルから独立して選択される)
の化合物又はその農学的に許容可能な塩が提供される。
【0004】
本発明の第2の態様によれば、除草的に有効な量の式(I)の化合物と、農芸化学的に許容可能な希釈剤又はキャリアとを含む農芸化学的組成物が提供される。このような農業用組成物は、少なくとも1種の追加の有効成分をさらに含み得る。
【0005】
本発明の第3の態様によれば、望ましくない植物の成長を防除又は予防する方法であって、除草的に有効な量の式(I)の化合物又はこの化合物を有効成分として含む組成物は、植物、その一部又はその生息地に適用される、方法が提供される。
【0006】
本発明の第4の態様によれば、除草剤としての式(I)の化合物の使用が提供される。
【0007】
本発明の第5の態様によれば、式(I)の化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において用いられる場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)又はヨウ素(ヨード)、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を指す。
【0009】
本明細書において用いられる場合、シアノは、-CN基を意味する。
【0010】
本明細書において用いられる場合、ヒドロキシは、-OH基を意味する。
【0011】
本明細書において用いられる場合、ニトロは、-NO2基を意味する。
【0012】
本明細書において用いられる場合、アミノは、-NH2基を意味する。
【0013】
本明細書において用いられる場合、「C1~C10アルキル」という用語は、炭素及び水素原子のみから構成され、不飽和を含まず、1~10個の炭素原子を有し、且つ単結合によって分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカルを指す。C1~C6アルキル、C1~C4アルキル及びC1~C2アルキルは、相応に解釈されるべきである。C1~C10アルキルの例としては、これらに限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、及び1-ジメチルエチル(t-ブチル)が挙げられる。
【0014】
本明細書において用いられる場合、「C1~C4アルコキシ」という用語は、一般に上記に定義されているとおり、RaがC1~C4アルキル基である式-ORaの基を指す。C1~C3アルコキシは、相応に解釈されるべきである。C1-4アルコキシの例としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ及びt-ブトキシが挙げられる。
【0015】
本明細書において用いられる場合、「C1~C10ハロアルキル」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、一般に上記に定義されているC1~C10アルキル基を指す。C1~C6ハロアルキル及びC1~C4ハロアルキルは、相応に解釈されるべきである。C1~C10ハロアルキルの例としては、これらに限定されないが、クロロメチル、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルが挙げられる。
【0016】
本明細書において用いられる場合、「C2~C6アルケニル」という用語は、炭素及び水素原子のみから構成され、(E)又は(Z)立体構成のいずれかであり得る少なくとも1つの二重結合を含み、2~6個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカル基を指す。C3~C6アルケニル及びC2~C4アルケニルは、相応に解釈されるべきである。C2~C6アルケニルの例としては、これらに限定されないが、プロプ-1-エニル、アリル(プロプ-2-エニル)及びブタ-1-エニルが挙げられる。
【0017】
本明細書において用いられる場合、「C2~C6ハロアルケニル」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、一般に上記に定義されているC2~C6アルケニル基を指す。C3~C6アルケニルは、相応に解釈されるべきである。C2~C6ハロアルケニルの例としては、これらに限定されないが、クロロエチレン、フルオロエチレン、1,1-ジフルオロエチレン、1,1-ジクロロエチレン及び1,1,2-トリクロロエチレンが挙げられる。
【0018】
本明細書において用いられる場合、「C2~C6アルキニル」という用語は、炭素及び水素原子のみから構成され、少なくとも1つの三重結合を含み、2~6個の炭素原子を有し、且つ単結合によって分子の残部に結合している直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカル基を指す。C3~C6アルキニル及びC~C4アルキニルは、相応に解釈されるべきである。C2~C6アルキニルの例としては、これらに限定されないが、プロプ-1-イニル、プロパルギル(プロプ-2-イニル)及びブタ-1-イニルが挙げられる。
【0019】
本明細書において用いられる場合、「C1~C4ハロアルコキシ」という用語は、1個以上の同じであるか又は異なるハロゲン原子によって置換されている、上記に定義されているC1~C4アルコキシ基を指す。C1~C3ハロアルコキシは、相応に解釈されるべきである。C1~C4ハロアルコキシの例としては、これらに限定されないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ及びトリフルオロエトキシが挙げられる。
【0020】
本明細書において用いられる場合、「C1~C4ハロアルコキシC1~C6アルキル」という用語は、Rbが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C4ハロアルキル基であり、及びRaが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C6アルキレン基である式Rb-O-Ra-の基を指す。
【0021】
本明細書において用いられる場合、「C1~C4アルコキシC1~C6アルキル」という用語は、Rbが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C4アルキル基であり、及びRaが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C6アルキレン基である式Rb-O-Ra-の基を指す。
【0022】
本明細書において用いられる場合、「C1~C4アルキルチオ」という用語は、Raが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C4アルキル基である、式-SRaの基を指す。
【0023】
本明細書において用いられる場合、「C1~C4アルキルスルホニル」という用語は、Raが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C4アルキル基である、式-S(O)2Raの基を指す。「C1~C3アルキルスルホニル」及び「C1~C2アルキルスルホニル」という用語は、相応に解釈されるべきである。C1~C6アルキルスルファニルの例としては、これに限定されないが、メチルスルホニルが挙げられる。
【0024】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6アルキルカルボニル」という用語は、Raが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C6アルキル基である式-C(O)Raの基を指す。C1~C4アルキルカルボニルは、相応に解釈されるべきである。
【0025】
本明細書において用いられる場合、「C1~C6アルコキシカルボニル」という用語は、Raが、一般に上記に定義されているとおりのC1~C6アルキル基である式-C(O)ORaの基を指す。C1~C4アルコキシカルボニルは、相応に解釈されるべきである。
【0026】
本明細書において用いられる場合、「アミノカルボニル」という用語は、式-C(O)NH2の基を指す。
【0027】
本明細書において用いられる場合、「アミノチオカルボニル」という用語は、式-C(S)NH2の基を指す。
【0028】
本明細書において用いられる場合、「C6~C10アリール」という用語は、単環式、二環式又は三環式であってもよい、炭素及び水素原子のみから構成される6~10員芳香族環系を指す。そのような環系の例としては、フェニル、ナフタレニル、又はインデニルが挙げられる。
【0029】
本明細書において用いられる場合、「C6~C10アリールC1~C3アルキル」という用語は、上記に定義されるとおりのC1~C3アルキレンリンカーによって分子の残部に結合している、一般に上記に定義されているとおりのアリール部分を指す。
【0030】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがある場合を除き、「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む5又は6員単環式芳香族環を指す。ヘテロアリール基は、炭素原子又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合し得る。ヘテロアリールの例としては、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジル又はピリジルが挙げられる。
【0031】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがある場合を除き、「ヘテロアリールC1~C3アルキル」という用語は、上記に定義されるとおりのC1~C3アルキレンリンカーによって分子の残部に結合している一般に上記に定義されているとおりのヘテロアリール環を指す。
【0032】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがある場合を除き、「ヘテロシクリル」又は「複素環式」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む安定な4~6員非芳香族単環式環基を指す。ヘテロシクリル基は、炭素原子又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合し得る。ヘテロシクリルの例としては、これらに限定されないが、ピロリニル、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロイソキサゾリル、ジオキソラニル、モルホリニル又はδ-ラクタミルが挙げられる。
【0033】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがある場合を除き、「ヘテロシクリルC1~C3アルキル」という用語は、上記に定義されるとおりのC1~C3アルキレンリンカーによって分子の残部に結合している一般に上記に定義されているとおりのヘテロシクリル環を指す。
【0034】
式(I)の化合物中における1個以上の場合により不斉の炭素原子の存在は、その化合物が、キラル異性形態、すなわち鏡像異性形態又はジアステレオ異性形態で生じ得ることを意味する。また、アストロプ異性体は、単結合に係る回転の制限の結果として生じ得る。式(I)は、すべてのこれらの可能性のある異性形態及びその混合物を含むことが意図されている。本発明は、式(I)の化合物に係るすべてのこれらの可能性のある異性形態及びその混合物を含む。同様に、式(I)は、存在する場合、すべての可能性のある互変異性体(ラクタム-ラクチム互変異性及びケト-エノール互変異性を含む)を含むことが意図されている。本発明は、式(I)の化合物に係るすべての可能性のある互変異性形態を含む。同様に、二置換されたアルケンが存在する場合、これらは、E若しくはZ形態で又はいずれかの割合における両方の混合物として存在し得る。本発明は、式(I)の化合物について、すべてのこれらの可能な異性形態及びその混合物を含む。
【0035】
式(I)の化合物は、典型的には、農学的に許容可能な塩、双性イオン又は双性イオンの農学的に許容可能な塩の形態で提供される。本発明は、このような農学的に許容可能な塩、双性イオン及びすべての割合でのその混合物のすべてを包含する。
【0036】
本発明の好適な農学的に許容可能な塩は、これらに限定されないが、金属、アミンの共役酸及び有機カチオンを含むカチオンを有し得る。好適な金属の例としては、アルミニウム、カルシウム、セシウム、銅、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、鉄及び亜鉛が挙げられる。好適なアミンの例としては、アリルアミン、アンモニア、アミルアミン、アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、ブテニル-2-アミン、ブチルアミン、ブチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、デシルアミン、ジアミルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジヘプチルアミン、ジヘキシルアミン、ジイソアミルアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジオクチルアミン、ジプロパノールアミン、ジプロパルギルアミン、ジプロピルアミン、ドデシルアミン、エタノールアミン、エチルアミン、エチルブチルアミン、エチレンジアミン、エチルヘプチルアミン、エチルオクチルアミン、エチルプロパノールアミン、ヘプタデシルアミン、ヘプチルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘキセニル-2-アミン、ヘキシルアミン、ヘキシルヘプチルアミン、ヘキシルオクチルアミン、ヒスチジン、インドリン、イソアミルアミン、イソブタノールアミン、イソブチルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、リシン、メグルミン、メトキシエチルアミン、メチルアミン、メチルブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルノニルアミン、メチルオクタデシルアミン、メチルペンタデシルアミン、モルホリン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルピペラジン、ノニルアミン、オクタデシルアミン、オクチルアミン、オレイルアミン、ペンタデシルアミン、ペンテニル-2-アミン、フェノキシエチルアミン、ピコリン、ピペラジン、ピペリジン、プロパノールアミン、プロピルアミン、プロピレンジアミン、ピリジン、ピロリジン、sec-ブチルアミン、ステアリルアミン、タローアミン、テトラデシルアミン、トリブチルアミン、トリデシルアミン、トリメチルアミン、トリヘプチルアミン、トリヘキシルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソデシルアミン、トリイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリペンチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びウンデシルアミンが挙げられる。好適な有機カチオンの例としては、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウム、コリン、テトラブチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラプロピルホスホニウム、トリブチルスルホニウム、トリブチルスルホキソニウム、トリエチルスルホニウム、トリエチルスルホキソニウム、トリメチルスルホニウム、トリメチルスルホキソニウム、トリプロピルスルホニウム及びトリプロピルスルホキソニウムが挙げられる。
【0037】
以下のリストは、本発明に従う式(I)の化合物に関連した置換基X1、X2、X3、Y、B、D、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、及びR15についての、好ましい定義を含む定義を提供する。これらの置換基の任意の1つについて、下記に与えられる定義のいずれも、本明細書の下記又は他の箇所で与えられる任意の他の置換基の任意の定義と組み合わされ得る。
【0038】
好ましくは、X1は硫黄である。
【0039】
好ましくは、X2は酸素である。
【0040】
好ましくは、X3は酸素である。
【0041】
好ましくは、YはC-Hである。
【0042】
好ましくは、Bは、O、NH及びNMeから選択され、より好ましくはOである。R8がOR9である場合、Bは、好ましくはS、NH及びNMe、最も好ましくはNH及びNMeから選択される。
【0043】
好ましくは、nは、1~2、より好ましくは2の整数である。
【0044】
好ましくは、R1は、水素及びC1~C4アルキルから選択され、より好ましくはC1~C2アルキル、最も好ましくはメチルである。
【0045】
好ましくは、R2は、水素、C1~C4アルキル、及びC3~C4アルキニルから選択され、より好ましくはC1~C2アルキル、最も好ましくはメチルである。
【0046】
好ましくは、R3は、水素、クロロ、及びフルオロ、より好ましくは水素及びフルオロから選択される。一実施形態では、R3はフルオロである。
【0047】
好ましくは、R4は、水素、クロロ、ブロモ、シアノ及びアミノチオカルボニル、より好ましくはクロロ、ブロモ及びシアノから選択され、最も好ましくはクロロである。
【0048】
好ましくは、各R6及びR7は、水素、ハロゲン、C1~C4アルキル及びC1~C4アルコキシカルボニル、より好ましくは水素、ハロゲン及びC1~C2アルキル、最も好ましくは水素、クロロ、及びメチルから独立して選択される。
【0049】
好ましくは、R8はOR9である。BがOである場合、好ましくは、R8は、SR9及びNR10R11から選択され、最も好ましくはNR10R11である。
【0050】
好ましくは、R9は、水素、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C2アルコキシC1~C2アルキル、フェニルC1~C2アルキル、及びR13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~2個の基によって置換されているフェニルC1~C2アルキル、より好ましくは水素、C1~C4アルキル、C1~C2アルコキシC1~C2アルキル及びフェニルC1~C2アルキル、最も好ましくは水素、C1~C4アルキル及びフェニルC1~C2アルキルから選択される。
【0051】
好ましくは、R10は、水素及びSO2R14からなる群から選択され、より好ましくはSO2R14である。
【0052】
好ましくは、R11は水素である。
【0053】
好ましくは、R12は、水素、C1~C2アルキル及びC1~C2アルキルカルボニル、より好ましくは水素及びメチルから選択される。
【0054】
好ましくは、R13は、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、シアノ及びC1~C4アルキルスルホニルから選択される。
【0055】
好ましくは、R14は、C1~C4アルキル及びC1~C4アルキル(C1~C4アルキル)アミノ、より好ましくはメチル及びイソプロピル(メチル)アミノから選択される。
【0056】
好ましくは、各R15は、水素、ハロゲン及びC1~C2アルキル、より好ましくは水素及びメチルから独立して選択され、最も好ましくは水素である。
【0057】
化合物の好ましいサブセットは、X1が硫黄であり;
X2が、酸素又は硫黄であり;
X3が酸素であり;
YがC-Hであり;
BがOであり;
nが、1又は2であり;
R1がC1~C2アルキルであり;
R2がC1~C2アルキルであり;
R3が、水素、クロロ、及びフルオロから選択され;
R4が、クロロ、ブロモ、及びシアノから選択され;
各R6及びR7が、水素、ハロゲン及びC1~C2アルキルから独立して選択され;
R8がOR9であり;
R9が、水素、C1~C4アルキル、C1~C2アルコキシC1~C2アルキル及びフェニルC1~C2アルキルから選択されるものである。
【0058】
化合物のより好ましいサブセットは、X1が硫黄であり;
X2が酸素であり;
X3が酸素であり;
BがOであり;
nが2であり;
YがC-Hであり;
R1がメチルであり;
R2がメチルであり;
R3が、水素及びフルオロから選択され;
R4がクロロであり;
各R6及びR7が、水素、クロロ、及びメチルから独立して選択され;
R8がOR9であり;
R9が、水素、C1~C4アルキル及びフェニルC1~C2アルキルから選択されるものである。
【0059】
さらに好ましい群の化合物は、X1が硫黄であり;
X2が酸素であり;
X3が酸素であり;
Bが、O、NH及びNMeから選択され、より好ましくはOであり、ただし、R8がOR9である場合、Bが、好ましくはNH及びNMeから選択されることを条件とし。
nが2であり;
YがC-Hであり;
R1がメチル;
R2がメチルであり;
R3が、水素及びフルオロから選択され;
R4がクロロであり;
各R6及びR7が、水素、クロロ、及びメチルから独立して選択され;
R8が、OR9、SR9及びNR10R11から選択され、より好ましくはOR9であり、ただし、BがOである場合、R8が、SR9及びNR10R11、最も好ましくはNH及びNMeから選択されることを条件とし;
R9が、水素、C1~C4アルキル及びフェニルC1~C2アルキルから選択されるものである。
【0060】
別の好ましいセットの実施形態では、X1は硫黄であり;
X2は酸素であり;
X3は酸素であり;
BはOであり;
nは、1又は2であり;
YはC-Hであり;
R1はメチルであり;
R2はメチルであり;
R3は、水素、クロロ、及びフルオロから選択され;
R4は、クロロ、ブロモ、及びシアノから選択され;
R6及びR7は、ハロゲン、C1~C6ハロアルキル、ヒドロキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルコキシカルボニル及びCH2OR12からそれぞれ独立して選択され;ただし、R6及びR7が両方とも同じ炭素原子上のヒドロキシであることがないことを条件とし;
又は同じ若しくは異なる炭素原子上の、2つの基R6及びR7は、一緒に、0、1若しくは2個の酸素原子を含有する、R15で表される、同じものであっても異なってもよい、1~3個の基によって置換されている、C1~C5アルキレン鎖を形成し得るか;
又はnが1である場合、R6及びR7は、それらが結合している炭素原子と一緒にC2アルケンを形成し得;
R8は、OR9、SR9及びNR10R11から選択され;
R9は、水素、C1~C10アルキル、C1~C10ハロアルキル、C3~C6アルケニル、C3~C6ハロアルケニル、C3~C6アルキニル、C1~C4アルコキシC1~C6アルキル、C1~C4ハロアルコキシC1~C6アルキル、C6~C10アリールC1~C3アルキル、R13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~4個の基によって置換されているC6~C10アリールC1~C3アルキル、ヘテロアリールC1~C3アルキル及びR13で表される、同じものであっても異なってもよい、1~3個の基によって置換されているヘテロアリールC1~C3アルキルから選択され;
R10は、水素、C1~C6アルキル及びSO2R14から選択され;
R11は、水素及びC1~C6アルキルから選択されるか;又は
R10及びR11は、それらが結合している窒素と一緒に、酸素原子を任意に含有する、3~6員ヘテロシクリル環を形成し;
R12は、水素、C1~C4アルキル及びC1~C4アルキルカルボニルから選択され;
各R13は、ハロゲン、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ、シアノ及びC1~C4アルキルスルホニルから独立して選択され;
R14は、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、及びC1~C4アルキル(C1~C4アルキル)アミノから選択され;
各R15は、水素、ハロゲン、C1~C4アルキル及びC1~C4ハロアルキルから独立して選択される。
【0061】
特に好ましいセットの実施形態では、式(I)の化合物は、
メチル2-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]アセテート(化合物1-35);
[2-(エチルアミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-168);
エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-240);
エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]-メチル-アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-252);
エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]プロパノエート(化合物1-342);
[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)ベンゾエート(化合物1-360(S));
エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]-メチル-アミノ]ブタノエート(化合物1-405);
(3-エトキシ-1-エチル-3-オキソ-プロピル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-420);
(2-クロロ-3-エトキシ-3-オキソ-プロピル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-675);
エチル2-[1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロピル]アセテート(化合物1-744);及び
(シス)-(3-エトキシカルボニルシクロブチル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-981(シス))
から選択される。
【0062】
別の特に好ましいセットの実施形態では、式(I)の化合物は、
メチル2-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]アセテート(化合物1-35);
[2-(エチルアミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-168);
エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-240);
エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]-メチル-アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-252);
エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]プロパノエート(化合物1-342);
[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)ベンゾエート(化合物1-360(S));
エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]-メチル-アミノ]ブタノエート(化合物1-405);
(3-エトキシ-1-エチル-3-オキソ-プロピル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-420);
(2-クロロ-3-エトキシ-3-オキソ-プロピル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-675);及び
エチル2-[1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロピル]アセテート(化合物1-744)
から選択される。
【0063】
【0064】
表1は、それぞれ化合物1-1~1-1134と称される、式(I)(式中、X1は硫黄であり、X2及びX3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はクロロであり、YはC-Hであり、R3、B、D、及びR8は、上記の表Aに定義されるとおりである)の1134個の具体的な化合物を開示する。
【0065】
表2は、それぞれ化合物2-1~2-1134と称される、式(I)(式中、X1及びX2は硫黄であり、X3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はクロロであり、YはC-Hであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0066】
表3は、それぞれ化合物3-1~3-1134と称される、式(I)(式中、X1は硫黄であり、X2及びX3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はクロロであり、YはNであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0067】
表4は、それぞれ化合物4-1~4-1134と称される、式(I)(式中、X1及びX2は硫黄であり、X3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はクロロであり、YはNであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0068】
表5は、それぞれ化合物5-1~5-1134と称される、式(I)(式中、X1は硫黄であり、X2及びX3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はCNであり、YはNであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0069】
表6は、それぞれ化合物6-1~6-1134と称される、式(I)(式中、X1及びX2は硫黄であり、X3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はCNであり、YはC-Hであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0070】
表7は、それぞれ化合物7-1~7-1134と称される、式(I)(式中、X1は硫黄であり、X2及びX3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はブロモであり、YはNであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0071】
表8は、それぞれ化合物8-1~8-1134と称される、式(I)(式中、X1及びX2は硫黄であり、X3は酸素であり、R1及びR2はメチルであり、R4はブロモであり、YはC-Hであり、B、D、R3及びR8の意味は、表Aに与えられるとおりである)の1134個の化合物を開示する。
【0072】
本発明の化合物は、有機化学の当業者に公知の技法によって調製され得る。式(I)の化合物の一般的な製造方法が以下に記載される。本文に特に明記しない限り、置換基X1、X2、X3、Y、B、D、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15は、上記において本明細書に定義されているとおりである。本発明の化合物の調製のために使用される出発原料は、通常の商業的供給業者から購入され得るか、又は公知の方法によって調製され得る。出発原料及び中間体は、クロマトグラフィー、結晶化、蒸留及びろ過などの従来技術の方法により、次のステップでの使用前に精製され得る。
【0073】
式(I)の化合物は、反応スキーム1に示されるように、式(A)の化合物と式(B)の化合物とからから調製され得る。
反応スキーム1
【化2】
【0074】
例えば、式(A)の化合物と式(B)の化合物との混合物は、トルエンなどの好適な溶媒中で、トリエチルアミンなどの、塩基、及びホスゲン又はカルボニルジイミダゾールなどの、カルボニル転移試薬で処理され得る。式(A)の尿素又はチオ尿素は、入手可能であるか又は文献で周知の方法によって調製され得る。式(B)の化合物は、反応スキーム2に示されるように式(C)のアニリン類から調製され得る。
反応スキーム2
【化3】
【0075】
例えば、式(C)の化合物は、トルエンなどの、好適な溶媒中で、ジホスゲン、トリホスゲン又はチオホスゲンなどの、カルボニル又はチオカルボニル転移試薬で処理され得る。式(C)のアニリン類は、反応スキーム3に示されるように式(D)のニトロ化合物から調製され得る。
反応スキーム3
【化4】
【0076】
例えば、式(D)の化合物は、水とエタノールとの混合物などの、好適な溶媒中で、鉄及び塩化アンモニウムなどの、還元剤で処理することができる。式(D)のニトロ化合物は、反応スキーム4に示されるように式(E)の酸と式(F)のアルコール又はアミンとから調製され得る。
反応スキーム4
【化5】
【0077】
例えば、式(E)の酸は、ジクロロメタン及びジメチルホルムアミドなどの、好適な溶媒中で塩化オキサリルなどの活性化剤で処理され、次いで、得られた中間体は、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中で、トリエチルアミンなどの、塩基の存在下で式(F)のアルコール又はアミンで処理され得る。式(F)のアルコール及びアミンは、入手可能であるか又は文献で周知の方法によって調製され得る。式(E)の酸は、入手可能であるか又は文献で周知の方法によって調製され得る。
【0078】
代わりに、式(I)の化合物は、反応スキーム5に示されるように式(F)のアルコール又はアミンと、式(G)の酸とから調製され得る。
反応スキーム5
【化6】
【0079】
例えば、式(G)の酸は、ジクロロメタン及びジメチルホルムアミドなどの、好適な溶媒中で塩化オキサリルなどの活性化剤で処理され、次いで、得られた中間体はジクロロメタンなどの好適な溶媒中で、トリエチルアミンなどの、塩基の存在下で式(F)のアルコール又はアミンで処理され得る。式(G)の酸は、反応スキーム6に示されるように式(H)のエステルから調製され得る。
反応スキーム6
【化7】
【0080】
例えば、式(H)のエステルは、水とエタノールとの混合物などの、好適な溶媒中で水酸化ナトリウムで処理され得る。式(H)のエステルは、反応スキーム7に示されるように式(J)と式(A)の化合物とから調製することができる。
反応スキーム7
【化8】
【0081】
例えば、式(A)の化合物と式(J)の化合物との混合物は、トルエンなどの好適な溶媒中で、トリエチルアミンなどの、塩基、及びホスゲン又はカルボニルジイミダゾールなどの、カルボニル転移試薬で処理され得る。式(J)の化合物は、反応スキーム8に示されるように式(K)のアニリン類から調製され得る。
反応スキーム8
【化9】
【0082】
例えば、式(K)の化合物は、トルエンなどの、好適な溶媒中で、ジホスゲン、トリホスゲン又はチオホスゲンなどの、カルボニル又はチオカルボニル転移試薬で処理され得る。式(K)のアニリン類は、入手可能であるか又は反応スキーム9に示されるように式(L)のニトロ化合物から調製され得る。
反応スキーム9
【化10】
【0083】
例えば、式(L)の化合物は、水とエタノールとの混合物などの、好適な溶媒中で、鉄及び塩化アンモニウムなどの、還元剤で処理することができる。式(L)のニトロ化合物は、入手可能であるか又は文献で周知の方法によって調製され得る。
【0084】
R
8がOH基である式(I)の化合物である、式(I-A)の化合物は、反応スキーム10に示されるように、R
8がOR
9である式(I)の化合物である、式(I-B)の化合物から調製され得る。
反応スキーム10
【化11】
【0085】
例えば、式(I-B)の化合物は、ジオキサンなどの、好適な溶媒中で塩酸で処理され得る。R
8がNR
10R
11である式(I)の化合物である、式(I-C)の化合物は、反応スキーム11に示されるように式(I-A)の化合物から調製され得る。
反応スキーム11
【化12】
【0086】
例えば、式(I-A)の化合物は、ジクロロメタンなどの、好適な溶媒中で、塩化オキサリルなどの、ハロゲン化試薬で処理されてハロゲン化アシルを形成し、それは、ジクロロメタンなどの、好適な溶媒中で、トリエチルアミンなどの、塩基の存在下に試薬HNR10R11で処理され得る。
【0087】
当業者は、上記で記載された変換が行われる順番を変更するか、又は式(I)の広範囲の化合物を調製するために代わりの方法でそれらを組み合わせることが多くの場合に可能であることを理解するであろう。複数のステップも単一の反応に組み合わされ得る。すべてのこのような変形形態は、本発明の範囲内と考えられる。
【0088】
当業者は、いくつかの試薬が、ある種の値又は本明細書で定義されるような置換基X1、X2、X3、Y、B、D、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15の組み合わせと適合しないであろうことも認識し、所望の変換を達成するために必要である保護及び/又は脱保護ステップなどの任意の追加のステップは、当業者に明らかであろう。
【0089】
本発明に従う化合物は、修飾されない形態で除草剤として使用することができるが、一般に、担体、溶媒及び界面活性物質などの製剤補助剤を用いて様々な方法で組成物に配合される。製剤は、種々の物理的形態、例えば散布剤、ゲル、水和剤、水分散性顆粒、水分散性錠剤、発泡性ペレット、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、水中油型エマルション、オイルフロアブル剤、水性分散体、油性分散体、サスポエマルション、カプセル懸濁液、乳化性顆粒、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として水又は水混和性有機溶媒を含む)、含浸ポリマーフィルムの形態又は例えばManual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides,United Nations,First Edition,Second Revision(2010)から知られている他の形態とすることができる。水溶性化合物、可溶性液体、水溶性濃縮物又は水溶性顆粒が好ましい。このような製剤は、直接使用することができるか、又は使用前に希釈することができる。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒を用いて行うことができる。
【0090】
製剤は、例えば、微粉化固体、顆粒、溶液、分散体又はエマルションの形態の組成物を得るために、有効成分を製剤補助剤と混合することによって調製することができる。また、有効成分は、微粉化固体、鉱油、植物又は動物由来の油、植物又は動物由来の変性油、有機溶媒、水、界面活性物質又はこれらの組み合わせなどの他の補助剤と共に配合することができる。
【0091】
また、有効成分は、微細なマイクロカプセル中に含有させることもできる。マイクロカプセルは、多孔質担体中に有効成分を含有する。これは、有効成分が制御された量で環境に放出される(例えば、持続放出)ことを可能にする。マイクロカプセルは、通常、0.1~500ミクロンの直径を有する。マイクロカプセルは、カプセル重量の約25~95重量%の量の有効成分を含有する。有効成分は、モノリシック固体の形態、固体又は液体分散体中の微粒子の形態又は適切な溶液の形態であり得る。カプセル化膜は、例えば、天然又は合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学修飾ポリマー及びデンプンキサンテート又は当業者に知られている他のポリマーを含むことができる。代わりに、有効成分が基体の固体マトリックス中に微粉化粒子の形態で含有された微細なマイクロカプセルを形成することができるが、マイクロカプセル自体は、カプセル化されない。
【0092】
本発明に従う組成物の調製に適した製剤補助剤は、それ自体知られている。液体担体としては、水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエタート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾアート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファ-ピネン、d-リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ-ブチロラクトン、グリセロール、酢酸グリセロール、二酢酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミン酢酸塩、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、トリエチルホスファート、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びより高分子量のアルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドンなどが使用され得る。
【0093】
適切な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライトクレイ、シリカ、アタパルジャイトクレイ、珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、粉末クルミ殻、リグニン及び同様の物質である。
【0094】
多数の界面活性物質は、固体及び液体製剤の両方において、特に使用する前に担体により希釈され得る製剤において有利に使用することができる。界面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は高分子であり得、乳化剤、湿潤剤若しくは懸濁化剤として又は他の目的のために使用することができる。典型的な界面活性物質には、例えば、アルキル硫酸の塩、例えばラウリル硫酸ジエタノールアンモニウムなど;アルキルアリールスルホン酸の塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなど;アルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノールエトキシレートなど;アルコール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコールエトキシレートなど;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウムなど;アルキルナフタレンスルホン酸の塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えばジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなど;ソルビトールエステル、例えばソルビトールオレアートなど;第4級アミン、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、脂肪酸のポリエチレングリコールエステルなど、例えばステアリン酸ポリエチレングリコールなど;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;並びにモノ-及びジ-アルキルリン酸エステルの塩が含まれ、例えばMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey(1981)に記載されるさらなる物質も含まれる。
【0095】
農薬製剤において使用することができるさらなる補助剤には、結晶化抑制剤、粘度調整剤、懸濁化剤、染料、酸化防止剤、起泡剤、光吸収剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和又はpH調整物質及び緩衝剤、防蝕剤、香料、湿潤剤、吸収増強剤、微量栄養素、可塑剤、流動化剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、凍結防止剤、殺菌剤並びに液体及び固体肥料が含まれる。
【0096】
本発明に従う組成物は、植物又は動物由来の油、鉱油、このような油のアルキルエステル又はこのような油及び油誘導体の混合物を含む添加剤を含むことができる。本発明に従う組成物中の油添加剤の量は、適用される混合物を基準として一般に0.01~10%である。例えば、油添加剤は、スプレー混合物を調製した後、所望の濃度でスプレータンクに添加することができる。好ましい油添加剤は、鉱油又は植物由来の油(例えば、菜種油、オリーブ油又はヒマワリ油)、乳化植物油、植物由来の油のアルキルエステル(例えば、メチル誘導体)又は動物由来の油(例えば、魚油又は牛脂など)を含む。好ましい油添加剤は、C8~C22脂肪酸のアルキルエステル、特にC12~C18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル(それぞれラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル及びオレイン酸メチル)を含む。Compendium of Herbicide Adjuvants,10th Edition,Southern Illinois University,2010から多数の油誘導体が知られている。
【0097】
除草組成物は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の式(I)の化合物と、好ましくは0~25重量%の界面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤補助剤とを含む。本発明の組成物は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の本発明の化合物と、好ましくは0~25重量%の界面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤補助剤とを含む。市販の製品は、好ましくは、濃縮物として配合され得るが、エンドユーザーは、通常、希釈製剤を使用するであろう。
【0098】
適用率は、広い範囲内で異なり、土壌の性質、適用方法、作物植物、防除される有害生物、優勢な気候条件並びに適用方法、適用の時期及び標的作物に支配される他の要因によって決まる。一般的な指針として、化合物は、1~2000l/ha、特に10~1000l/haの割合で適用され得る。
【0099】
好ましい製剤は、以下の組成(重量%)を有することができる。
乳化性濃縮物:
有効成分:1~95%、好ましくは60~90%
界面活性剤:1~30%、好ましくは5~20%
液体担体:1~80%、好ましくは1~35%
散布剤:
有効成分:0.1~10%、好ましくは0.1~5%
固体担体:99.9~90%、好ましくは99.9~99%
懸濁液濃縮液:
有効成分:5~75%、好ましくは10~50%
水:94~24%、好ましくは88~30%
界面活性剤:1~40%、好ましくは2~30%
水和剤:
有効成分:0.5~90%、好ましくは1~80%
界面活性剤:0.5~20%、好ましくは1~15%
固体担体:5~95%、好ましくは15~90%
顆粒:
有効成分:0.1~30%、好ましくは0.1~15%
固体担体:99.5~70%、好ましくは97~85%
【0100】
本発明の組成物は、少なくとも1つの付加的な農薬をさらに含み得る。例えば、本発明に従う化合物は、他の除草剤又は植物成長調節剤と組み合わせて使用することもできる。好ましい実施形態では、付加的な農薬は、除草剤及び/又は除草剤薬害軽減剤である。
【0101】
本発明の化合物はまた、1つ又は複数の追加の除草剤及び/又は植物成長調節剤との混合物で使用することができる。そのような追加の除草剤又は植物成長調節剤の例としては、アセトクロール、アシフルオルフェン(アシフルオルフェン-ナトリウムを含む)、アクロニフェン、アメトリン、アミカルバゾン、アミノピラリド、アミノトリアゾール、アトラジン、ベフルブタミド-M、ベンキトリオン、ベンスルフロン(ベンスルフロン-メチルを含む)、ベンタゾン、ビシクロピロン、ビラナホス、ビピラゾン、ビスピリバック-ナトリウム、ビクスロゾン、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、カルフェントラゾン(カルフェントラゾン-エチルを含む)、クロランスラム(クロランスラム-メチルを含む)、クロリムロン(クロリムロン-エチルを含む)、クロロトルロン、クロルスルフロン、シンメチリン、クラシホス、クレトジム、クロジナホップ(クロジナホップ-プロパルギルを含む)、クロマゾン、クロピラリド、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シハロホップ(シハロホップ-ブチルを含む)、2,4-D(コリン塩及びその2-エチルヘキシルエステルを含む)、2,4-DB、デスメディファム、ジカンバ(そのアルミニウム、アミノプロピル、ビス-アミノプロプルメチル、コリン、ジクロロプロップ、ジグリコールアミン、ジメチルアミン、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩を含む)、ジクロスラム、ジフルヘニカン、ジフルフェンゾピル、ジメタクロール、ジメテナミド-P、ジオキソピリトリオン、ダイコートジブロミド、ジウロン、エピリフェナシル、エタルフルラリン、エトフメセート、フェノキサプロップ(フェノキサプロップ-P-エチルを含む)、フェノキサスルフォン、フェンピラゾン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フロルピラウキシフェン(フロルピラウキシフェン-ベンジルを含む)、フルアジホップ(フルアジホップ-P-ブチルを含む)、フルカルバゾン(フルカルバゾン-ナトリウムを含む)、フルフェナセット、フルメツラム、フルミオキサジン、フルオメツロン、ホメサフェン フルピルスルフロン(フルピルスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、フルロキシピル(フルロキシピル-メプチルを含む)、ホメサフェン、ホラムスルフロン、グルホシネート(L-グルホシネート及び両方のアンモニウム塩を含む)、グリホサート(そのジアンモニウム、イソプロピルアンモニウム及びカリウム塩を含む)、ハラウキシフェン(ハラウキシフェン-メチルを含む)、ハロキシホップ(ハロキシホップ-メチルを含む)、ヘキサジノン、ヒダントシジン、イマザモックス(R-イマザモックスを含む)、イマザピック、イマザピル、イマゼタピル、インダジフラム、イオドスルフロン(イオドスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、イオフェンスルフロン(イオフェンスルフロン-ナトリウムを含む)、アイオキシニル、イソプロツロン、イソキサフルトール、ランコトリオン、MCPA、MCPB、メコプロップ-P、メソスルフロン(メソスルフロン-メチルを含む)、メソトリオン、メタミトロン、メタザクロール、メチオゾリン、メトラクロール、メトスラム、メトリブジン、メトスルフロン、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキシフルオルフェン、パラコートジクロリド、ペンディメタリン、ペノキススラム、フェンメディファム、ピクロラム、ピノキサデン、プレチラクロール、プリミスルフロン-メチル、プロメトリン、プロパニル、プロパキザホップ、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン(ピラフルフェン-エチルを含む)、ピラスルホトール、ピリデート、ピリフタリド、ピリミスルファン、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キザロホップ(キザロホップ-P-エチル及びキザロホップ-P-テフリルを含む)、リミソキサフェン、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シマジン、S-メトラクロール、スルフェントラゾン、スルホスルフロン、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テルブチラジン、テルブトリン、テトフルピロリメット、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモネ、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロン(トリベヌロン-メチルを含む)、トリクロピル、トリフロキシスルフロン(トリフロキシスルフロン-ナトリウムを含む)、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリピラスルホン、3-(2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-カルボン酸エチルエステル、4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン、(4R)1-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸(農芸化学的に許容可能なそのエステル、例えば、メチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート、プロパ-2-インイル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート及びシアノメチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレートを含む)、3-エチルスルファニル-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルファニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(エチルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、エチル-2-[[3-[[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]オキシ]アセテート、6-クロロ-4-(2,7-ジメチル-1-ナフチル)-5-ヒドロキシ-2-メチル-ピリダジン-3-オン、テトラヒドロフラン-2-イルメチル(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパノエート、(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、テトラヒドロフラン-2-イルメチル2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパノエート、2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-[(R)-プロピルスルフィニル]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-プロピルスルフィニル-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、(2-フルオロフェニル)メチル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)ピリミジン-4-カルボキシレート、6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)ピリミジン-4-カルボン酸、3-(3-クロロフェニル)-6-(5-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-ピラゾール-4-カルボニル)-1,5-ジメチル-キナゾリン-2,4-ジオン及び[4-[3-(3-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-2,4-ジオキソ-キナゾリン-6-カルボニル]-2,5-ジメチル-ピラゾール-3-イル]N,N-ジエチルカルバメートが挙げられる。
【0102】
また、式(I)の化合物の混合パートナーは、例えば、The Pesticide Manual,Fourteenth Edition,British Crop Protection Council,2006において言及されるように、エステル又は塩の形態であり得る。
【0103】
また、式(I)の化合物は、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農業化学品(その例は、The Pesticide Manualに示される)との混合物で使用することもできる。
【0104】
式(I)の化合物の混合パートナーに対する混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0105】
混合物は、上記の製剤(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と混合パートナーとのそれぞれの混合物に関する)において有利に使用することができる。
【0106】
本発明の式(I)の化合物はまた、除草剤安全化剤と組み合わせられ得る。好ましい組合せはベノキサコール、クロキントセット(クロキントセット-メキシルを含む)、シプロスルファミド、ジクロルミド、フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチルを含む)、フェンクロリム、フルキソフェニム、フリラゾール、イソオキサジフェン(イソオキサジフェン-エチルを含む)、メフェンピル(メフェンピル-ジエチルを含む)、メトカミフェン及びオキサベトリニル。
【0107】
式(I)の化合物と、シプロスルファミド、イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチルを含む)、クロキントセット(クロキントセットメキシルを含む)及び/又はN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチル-アミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドとの混合物が特に好ましい。
【0108】
また、式(I)の化合物の薬害軽減剤は、例えば、The Pesticide Manual,14th Edition(BCPC),2006において言及されるように、エステル又は塩の形態であり得る。クロキントセット-メキシルへの言及は、国際公開第02/34048号に開示されるように、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第4級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用され、及びフェンクロラゾール-エチルへの言及は、フェンクロラゾールにも適用されるなどである。
【0109】
好ましくは、式(I)の化合物の薬害軽減剤に対する混合比は、100:1~1:10、特に20:1~1:1である。
【0110】
混合物は、上記の製剤(この場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と薬害軽減剤とのそれぞれの混合物に関する)において有利に使用することができる。
【0111】
本発明の式(I)の化合物は、除草剤として有用である。従って、本発明は、不要な植物を防除する方法をさらに含み、本方法は、有効量の本発明の化合物又は前記化合物を含む除草組成物を前記植物又はそれを含む生息地に適用することを含む。「防除」は、死滅、成長の低減若しくは遅延又は発芽の防止若しくは低減を意味する。一般に、防除される植物は、不要な植物(雑草)である。「生息地」は、植物が成長している領域又は成長する予定の領域を意味する。
【0112】
式(I)の化合物の適用率は、広い範囲内で異なり、土壌の性質、適用方法(出芽前;出芽後;まき溝への適用;非耕作適用など)、作物植物、防除される雑草、優勢な気候条件並びに適用方法、適用の時期及び標的作物に支配される他の要因によって決まり得る。本発明に従う式(I)の化合物は、一般に、10~2000g/ha、特に50~1000g/haの割合で適用される。好ましい範囲は、10~200g/haである。
【0113】
適用は、一般に、通常広い領域のためにトラクターに取り付けられた噴霧器によって組成物を噴霧することによって行われるが、散布(粉末用)、滴下又は灌注などの他の方法を使用することもできる。
【0114】
本発明に従う組成物を使用することができる有用な植物には、穀物、例えば大麦及び小麦、綿、アブラナ、ヒマワリ、トウモロコシ、米、大豆、テンサイ、サトウキビ及び芝生などの作物が含まれる。
【0115】
また、作物植物は、果樹、ヤシの木、ココヤシの木又は他のナッツなどの木も含むことができる。また、ブドウなどのつる植物、果実の低木、果実植物及び野菜も含まれる。
【0116】
作物は、従来の育種方法又は遺伝子操作によって除草剤又は除草剤の種類(例えば、ALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD-抑制剤)に対して耐性にされた作物も含むと理解されるべきである。従来の育種方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対して耐性にされた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子操作方法によって除草剤に対して耐性にされた作物の例としては、例えば、商品名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性のトウモロコシ品種が挙げられる。
【0117】
また、作物は、遺伝子操作方法によって害虫に対して耐性にされたもの、例えばBtトウモロコシ(ヨーロッパアワノメイガに耐性)、Bt綿(綿花ゾウムシに耐性)及びさらにBtジャガイモ(コロラドハムシに耐性)でもあると理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素又はこのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例は、欧州特許出願公開第451878号明細書、欧州特許出願公開第374753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1つ又は複数の毒素を発現する1つ又は複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料は、いずれも除草剤に対して耐性であり、同時に昆虫の摂取に対しても耐性であり得る(「積層」トランスジェニック事象)。例えば、種子は、殺虫性Cry3タンパク質を発現する能力を有し、同時にグリホサートに対して耐性である。
【0118】
また、作物は、従来の育種方法又は遺伝子操作方法によって得られ、いわゆる出力形質(output trait)(例えば、改善された貯蔵安定性、より高い栄養価及び改善された風味)を含有するものも含むことが理解されるべきである。
【0119】
他の有用な植物には、例えば、ゴルフ場、芝地、公園及び沿道における芝草又は芝生のために商業的に栽培された芝草並びに花又は低木などの観賞植物が含まれる。
【0120】
本発明の式(I)の化合物及び組成物は、通常、様々な種類の単子葉及び双子葉雑草種を防除するために使用することができる。通常防除することができる単子葉種の例としては、アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides)、アベナ・ファツア(Avena fatua)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ブロムス・テクトルム(Bromus tectorum)、キペルス・エスクレンツス(Cyperus esculentus)、ディギタリア・サングイナリス(Digitaria sanguinalis)、エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli)、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)、ロリウム・マルチフロラム(Lolium multiflorum)、パニクム・ミリアケウム(Panicum miliaceum)、ポア・アヌア(Poa annua)、セタリア・ビリディス(Setaria viridis)、セタリア・ファベリ(Setaria faberi)及びソルガム・ビコロ(Sorghum bicolor)が挙げられる。防除することができる双子葉種の例としては、アブティロン・テオフラスティ(Abutilon theophrasti)、アマランサス・レトロフレクサス(Amaranthus retroflexus)、ビデンス・ピローサ(Bidens pilosa)、ケノポディウム・アルブム(Chenopodium album)、ユーフォルビア・ヘテロフィラ(Euphorbia heterophylla)、ガリウム・アパリネ(Galium aparine)、イポモエア・ヘデラケア(Ipomoea hederacea)、コキア・スコパリア(Kochia scoparia)、ポリゴヌム・コンボルブルス(Polygonum convolvulus)、シダ・スピノサ(Sida spinosa)、シナピス・アルベンシス(Sinapis arvensis)、ソラヌム・ニグルム(Solanum nigrum)、ステラリア・メディア(Stellaria media)、ベロニカ・ペルシカ(Veronica persica)及びキサンチウム・ストルマリウム(Xanthium strumarium)が挙げられる。望ましくない植物は、進化によって、従来の育種方法によって又は遺伝子操作によって除草剤又は除草剤の種類(例えば、ALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD-抑制剤)に対して耐性にされたそれらの雑草も含むと理解されるべきである。例としては、グリホサート及び/又はアセト乳酸合成酵素(ALS)阻害型除草剤に対する耐性を進化させているアマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)が挙げられる。
【0121】
本発明の化合物は、プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)抑制剤に対して耐性である望ましくない植物又は雑草を防除する方法に使用することができる。例えば、アマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)及びアマランサス・ツベルクラツス(Amaranthus tuberculatus)個体群は、例えば、アミノ酸R128(R98とも言われる)で起こるものなどのPPX2Lにおけるアミノ酸置換,又はコドン210(Δ210)(コドン番号付けはNCBI参照DQ386114に基づいている)でのPPX2におけるコドン(グリシン)欠失が原因でPPO耐性雑草として進化してきた。本発明の化合物は、前述のコドン又は同等物における突然変異又は欠失を持つアマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)及び/又はアマランサス・ツベルクラツス(Amaranthus tuberculatus)を防除する方法に使用することができ、生じ得るPPO抑制剤に対する耐性又は抵抗性を付与する他の突然変異を持つ望ましくない植物又は雑草を防除するために本化合物を試みることは自明であろう。
【0122】
式(I)の化合物は、作物、これらに限定されないが、例えばジャガイモ、大豆、ヒマワリ及びコットンの収穫前の乾燥にも有用である。収穫前の乾燥は、収穫を促進するために、作物自体への有意な損傷なしに作物の葉を乾燥するために用いられる。
【0123】
本発明の化合物/組成物は、非選択的なバーンダウン(burn down)適用において特に有用であり、従って自生植物を防除するか又は作物植物を退避させるためにも使用され得る。
【0124】
本発明の種々の態様及び実施形態は、ここで、例としてさらに詳細に説明されるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく詳細の変更がなされ得ることが認識されるであろう。
【実施例】
【0125】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、限定するものではない。
【0126】
実施例1 [(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)ベンゾエート(化合物1-360;S-鏡像異性体)の調製
ステップ1:[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-ニトロ-ベンゾエートの合成
【化13】
塩化オキサリル(0.65ml、7.4mmol)を、周囲温度でジクロロメタン(20ml)中の2-クロロ-5-ニトロ-安息香酸(1.0g、4.9mmol)の撹拌溶液に滴加した。得られた溶液を室温で5分間撹拌し、次いでジメチルホルムアミド(5滴)を添加し、得られた溶液を更なる60分間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(20ml)に溶解させた。この溶液に、ジクロロメタン(5ml)中のトリエチルアミン(0.76ml、5.4mmol)及びエチル (3S)-3-ヒドロキシブタノエート(0.72ml、5.4mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を周囲温度で4時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーによって精製して[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-ニトロ-ベンゾエート(1.2g)を得た。
【0127】
この一般的方法によってまた調製された化合物には、
[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]-2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾエート:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.65(d,1H),7.45(d,1H),5.6(m,1H),4.2(q,2H),2.8(dd,1H),2.65(dd,1H),1.5(d,3H),1.3(t,3H)ppm;
[2-エトキシ-2-オキソ-エチル]-2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾエート:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.8(d,1H),7.5(d,1H),4.8(s,2H),4.3(q,2H),1.3(t,3H)ppm;及び
[(1S)-2-エトキシ-1-メチル-2-オキソ-エチル]-2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾエート:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.75(d,1H),7.45(d,1H),5.35(q,1H),4.25(q,2H),1.65(d,3H),1.3(t,3H) ppm
が含まれる。
【0128】
ステップ2:[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル] 5-アミノ-2-クロロ-ベンゾエートの合成
【化14】
二塩化スズ水和物(2.57g、13.3mmol)を、酢酸エチル(21ml)中の[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-ニトロ-ベンゾエート(1.05g、2.8mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流で1時間加熱し、次いで室温に冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーによって精製して[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]5-アミノ-2-クロロ-ベンゾエート(0.8g)を得た。
【0129】
この一般的方法によってまた調製された化合物には、
[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]-5-アミノ-2-クロロ-4-フルオロ-ベンゾエート;
(2-エトキシ-2-オキソ-エチル(-5-アミノ-2-クロロ-4-フルオロ-ベンゾエート:
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.45(d,1H),7.1(d,1H),4.8(s,2H),4.3(q,2H),3.85(br s,2H),1.3(t,3H)ppm;及び
[(1S)-2-エトキシ-1-メチル-2-オキソ-エチル]-5-アミノ-2-クロロ-4-フルオロ-ベンゾエート:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.4(d,1H),7.1(d,1H),5.3(q,1H),4.25(m,2H),3.85(br s,2H),1.6(d,3H),1.3(t,3H)ppm
が含まれる。
【0130】
ステップ3:[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-イソシアナト-ベンゾエートの合成
【化15】
ジホスゲン(0.26ml、2.1mmol)を、乾燥トルエン(10ml)中の[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル] 5-アミノ-2-クロロ-ベンゾエート(500mg、1.75mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流で2時間加熱し、次いで放冷し、減圧下で蒸発させた。残渣をトルエン(50ml)に溶解させ、次いで減圧下で蒸発させて[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-イソシアナト-ベンゾエートを薄茶色の液体(500mg)として得た。
【0131】
この一般的方法によってまた調製された化合物には、
[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]-2-クロロ-4-フルオロ-5-イソシアナト-ベンゾエート
が含まれる。
【0132】
ステップ4:[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)ベンゾエート(化合物1-360;S-鏡像異性体)の合成
【化16】
トルエン(2ml)中の1,3-ジメチルチオ尿素(41mg、0.38mmol)及びトリエチルアミン(0.058ml、0.42mmol)の溶液を、室温でトルエン(1ml)中の[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-イソシアナト-ベンゾエート(100mg、0.32mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流に加熱し、カルボニルジイミダゾール(80mg、0.48mmol)を15分にわたって少しずつ添加した。混合物を還流で3時間加熱し、冷却し、減圧下で蒸発させて茶色の油を得、それをクロマトグラフィーによって精製して[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)ベンゾエート(化合物1-360;S-鏡像異性体)(67mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.75(d,1H),7.6(d,1H),7.3(dd,1H),5.5(m,1H),4.15(q,2H),3.8(s,6H),2.8(dd,1H),2.6(dd,1H),1.45(d,3H),1.2(t,3H)ppm.
【0133】
この一般的方法によってまた調製された化合物には、
[(1S)-3-エトキシ-1-メチル-3-オキソ-プロピル]-2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-369;S-鏡像異性体):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.9(d,1H),7.4(d,1H),5.5(m,1H),4.15(q,2H),3.75(s,6H),2.8(dd,1H),2.6(dd,1H),1.4(d,3H),1.2(t,3H)ppm;
(2-エトキシ-2-オキソ-エチル]-2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-12):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.05(d,1H),7.4(d,1H),4.85(s,2H),4.25(q,2H),3.8(s,6H),1.3(t,3H)ppm;及び
[(1S)-2-エトキシ-1-メチル-2-オキソ-エチル]-2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-63;S-鏡像異性体):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.0(d,1H),7.4(d,1H),5.3(m,1H),4.25(q,2H),3.8(s,6H),1.6(d,3H),1.3(t,3H)ppm
が含まれる。
【0134】
実施例2 エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-240)の調製
ステップ1:2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-安息香酸の合成
【化17】
発煙硝酸(2.8ml、43mmol)を、0℃で濃硫酸(20ml)中の2-クロロ-4-フルオロ-安息香酸(5.0g、28.6mmol)の撹拌溶液にゆっくり添加した。得られた混合物を20分にわたって周囲温度に温まるに任せ、次いで氷水中へ注いだ。得られた混合物を濾過し、固体を乾燥させて2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-安息香酸(6.4g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.6(d,1H),7.05(s,1H),5.9(br s,1H)ppm.
【0135】
ステップ2:エチル2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾエートの合成
【化18】
塩化チオニル(9.9ml、133mmol)を、周囲温度でエタノール(200ml)中の2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-安息香酸(20g、88mmol)の撹拌溶液に滴加した。得られた混合物を60℃で18時間加熱し、次いで放冷し、減圧下で蒸発させてエチル2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾエートを白色の固体(22.3g)として得た。
1H NMR(400MHz,CHCl
3)δ 8.65(d,1H),7.45(d,1H),4.45(q,2H),1.45(s,3H)ppm.
【0136】
ステップ3:エチル5-アミノ-2-クロロ-4-フルオロ-ベンゾエートの合成
【化19】
二塩化スズ水和物(1.1g、5.8mmol)を、酢酸エチル(30ml)中のエチル2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロ-ベンゾエート(500mg、1.9mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流で1時間加熱し、次いで室温に冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーによって精製してエチル5-アミノ-2-クロロ-4-フルオロ-ベンゾエートを油(275mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CHCl
3)δ 7.35(d,1H),7.1(d,1H),4.4(q,2H),1.4(s,3H)ppm(アミンプロトンは観察されなかった)。
【0137】
ステップ4:エチル2-クロロ-4-フルオロ-5-イソシアナト-ベンゾエートの合成
【化20】
ジホスゲン(0.29ml、2.4mmol)を、乾燥トルエン(9ml)中のエチル5-アミノ-2-クロロ-4-フルオロ-ベンゾエート(450mg、1.96mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流で2時間加熱し、次いで放冷し、減圧下で蒸発させた。残渣をトルエン(50ml)に溶解させ、次いで減圧下で蒸発させてエチル2-クロロ-4-フルオロ-5-イソシアナト-ベンゾエートを薄茶色の液体(500mg)として得た。
【0138】
ステップ5:エチル2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエートの合成
【化21】
トルエン(10ml)中の1,3-ジメチルチオ尿素(260mg、2.5mmol)及びトリエチルアミン(0.37ml、2.7mmol)の溶液を、室温でトルエン(5ml)中のエチル2-クロロ-4-フルオロ-5-イソシアナト-ベンゾエート(500mg、2mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流に加熱し、カルボニルジイミダゾール(510mg、3.1mmol)を、15分にわたって少しずつ添加した。混合物を還流で3時間加熱し、冷却し、減圧下で蒸発させて茶色の油を得、それをクロマトグラフィーによって精製して2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエートをガム(547mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.95(d,1H),7.45(d,1H),4.4(q,2H),3.8(s,6H),1.45(d,3H)ppm.
【0139】
ステップ6:2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-安息香酸の合成
【化22】
濃硫酸(0.8ml、15mmol)を、周囲温度で氷酢酸(5.5ml)中の2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(550mg、1.5mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた混合物を還流で17時間加熱し、次いで冷却し、減圧下で蒸発させた。水を残渣に添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-安息香酸をガラス状固体(440mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.15(d,1H),7.45(d,1H),3.8(s,6H)ppm(酸プロトンは観察されなかった)。
【0140】
ステップ7:エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-240)の調製
【化23】
塩化オキサリル(0.38ml、4.3mmol)、次いでジメチルホルムアミド(6mg、0.09mmol))を、周囲温度でテトラヒドロフラン(6ml)中の2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-安息香酸(300mg、0.87mmol)に滴加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をアセトニトリル(6ml)に溶解させた。0℃でのこの撹拌溶液に、ピリジン(0.7ml、8.7mmol)、引き続き1-(1-アミノシクロプロピル)-2-メトキシ-エタノン(134mg、1.0mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間、次いで周囲温度で30分間撹拌した。水及び酢酸エチルを添加し、相を分離し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて残渣を残し、それをクロマトグラフィーによって精製してエチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-240)(80mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.7(d,1H),7.3(d,1H),6.85(s,1H),4.15(q,2H),3.75(s,6H),1.65(m,2H),1.25(m,5H)ppm.
【0141】
この一般的方法によってまた調製された化合物には、
エチル1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]-メチル-アミノ]シクロプロパンカルボキシレート(化合物1-252):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.35(d,2H),4.15(m,2H),3.8(s,6H),3.15及び2.95(s,3H),1.6-1.2(t,7H)ppm;
1-エトキシカルボニルプロピル2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-114):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.0(d,1H),7.45(d,1H),5.2(m,1H),4.25(m,2H),3.8(s,6H),2.05(m,2H),1.3(t,3H),1.1(t,3H)ppm;
メチル2-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]アセテート(化合物1-35):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.8(d,1H),7.35(d,1H),7.06(s,1H),4.25(d,2H),3.8(s,3H),3.75(s,6H)ppm;
(3-エトキシ-1-エチル-3-オキソ-プロピル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-420):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.9(d,1H),7.4(d,1H),5.45(m,1H),4.15(q,2H),3.8(s,6H),2.75(dd,1H),2.65(dd,1H),1.8(m,2H),1.2(t,3H),1.0(t,3H)ppm;
エチル2-[1-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]シクロプロピル]アセテート(化合物1-744):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.65(d,1H),7.35(d,1H),7.0(s,1H),4.15(q,2H),3.8(s,6H),1.9(s,2H),1.3(t,3H),1.0(m,2H),0.85(m,2H)ppm;
(シス)-(3-エトキシカルボニルシクロブチル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-981;シス異性体):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.0(d,1H),7.4(d,1H),5.2(m,1H),4.2(q,2H),3.8(s,6H),2.8(m,3H),2.5(m,2H),1.3(t,3H)ppm;
エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]-メチル-アミノ]ブタノエート(化合物1-405):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.35(d,1H),7.25(dd,1H),4.1(m,3H),3.8(s,6H),2.75(br s,3H),2.55(m,2H),1.3(d,3H),1.25(t,3H)ppm;
エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]プロパノエート(化合物1-342):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.75(d,1H),7.35(dd,1H),7.05(m,1H),4.2(q,2H),3.8(s,6H),3.75(q,2H),2.65(m,2H),1.3(t,3H)ppm;
(2-クロロ-3-エトキシ-3-オキソ-プロピル)2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-675):1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.95(d,1H),7.4(d,1H),4.7(ddd,2H),4.6(t,1H),4.25(q,2H),3.75(s,6H),1.3(t,3H)ppm;及び
2-[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]オキシ-2-メチル-プロパン酸(化合物1-163):1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.1(d,1H),7.6(d,1H),3.75(s,6H),1.7(s,6H)ppm(酸Hは観察されなかった)
が含まれる。
【0142】
実施例3 エチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]-2-ヒドロキシ-プロパノエート(化合物1-1131)の調製
【化24】
3-(エチルイミノメチレンアミノ)-N,N-ジメチプロパン-1-アミン塩酸塩(550mg、2.9mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(410mg、2.9mmol)を、周囲温度でジメチルホルムアミド(15ml)中の2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ安息香酸(実施例2、ステップ6において記載されるとおり調製された;500mg、1.45mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた溶液を室温で15分間撹拌し、次いでジメチルホルムアミド(5ml)中のエチル3-アミノ-2-ヒドロキシ-プロパノエート(385mg、2.9mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(380mg、2.9mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を周囲温度で19時間撹拌した。水及び酢酸エチルを添加し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて残渣を残し、それをクロマトグラフィーによって精製してエチル3-[[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]アミノ]-2-ヒドロキシ-プロパノエート(化合物1-1131)(323mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CD
3SOCD
3)δ 8.7(t,1H),7.75(d,1H),7.6(d,1H),5.65(d,1H),4.2(q,1H),4.05(q,2H),3.6(s,6H),3.45(m,1H),3.4(m,1H),1.2(t,3H)ppm.
【0143】
実施例4 [2-(エチルアミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-168)の調製
【化25】
塩化オキサリル(0.012ml、0.14mmol)、次いでジメチルホルムアミド(1滴)を、周囲温度でジクロロメタン(0.9ml)中の2-[2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾイル]オキシ-2-メチル-プロパン酸(実施例2において記載されるとおり調製された;30mg、0.07mmol)の撹拌溶液に添加した。得られた溶液を室温で1.5時間撹拌し、次いでエチルアミン(テトラヒドロフラン中2M;0.1ml、0.2mmol)。得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで水を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(2×1ml)で抽出しい、合わせた有機抽出物を乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて残渣を残し、それをクロマトグラフィーによって精製して[2-(エチルアミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]2-クロロ-5-(3,5-ジメチル-2,6-ジオキソ-4-チオキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)-4-フルオロ-ベンゾエート(化合物1-168)をベージュ色の固体(19mg)として得た。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.1(d,1H),7.6(d,1H),3.75(s,6H),3.25(q,2H),1.7(s,6H),1.1(t,3H)ppm(NHは観察されなかった)。
【0144】
配合物実施例
【0145】
【0146】
組み合わせを補助剤と十分に混合し、混合物を好適なミルにおいて十分に粉砕し、水で希釈して所望の濃度の懸濁液とすることが可能である水和剤が得られる。
【0147】
乳化性濃縮物
有効成分 10%
オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル 3%
(4~5molのエチレンオキシド)
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3%
ヒマシ油ポリグリコールエーテル(35molのエチレンオキシド) 4%
シクロヘキサノン 30%
キシレン混合物 50%
【0148】
植物の保護に使用可能である、いずれかの要求される希釈率のエマルジョンを、この濃縮物から水による希釈によって得ることが可能である。
【0149】
【0150】
直ちに使用可能な粉剤は、組み合わせとキャリアとを混合し、混合物を好適なミルにおいて粉砕することによって得られる。
【0151】
押出し顆粒
有効成分 15%
リグノスルホン酸ナトリウム 2%
カルボキシメチルセルロース 1%
カオリン 82%
【0152】
組み合わせを補助剤と混合及び粉砕し、混合物を水で湿らせる。混合物を押し出し、次いで空気流中で乾燥させる。
【0153】
被覆顆粒
有効成分 8%
ポリエチレングリコール(mol.wt.200) 3%
カオリン 89%
【0154】
ミキサ中で、微細に粉砕した組み合わせを、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均一に適用する。このようにして、粉剤を含まない被覆顆粒が得られる。
【0155】
懸濁液濃縮物
有効成分 40%
プロピレングリコール 10%
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル(15molのエチレンオキシド) 6%
リグノスルホン酸ナトリウム 10%
カルボキシメチルセルロース 1%
シリコーン油(75%水中エマルジョンの形態) 1%
水 32%
【0156】
微細に粉砕した組み合わせを補助剤と完全に混合し、これにより懸濁液濃縮物を得、これから、いずれかの所望の希釈率の懸濁液を水による希釈によって得ることが可能である。
【0157】
緩効性カプセル懸濁液
28部の組み合わせを2部の芳香族溶剤及び7部のトルエンジイソシアネート/ポリメチレン-ポリフェニルイソシアネート-混合物(8:1)と混合する。この混合物を、1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の脱泡剤及び51.6部の水の混合物中において、所望される粒径が達成されるまで乳化させる。このエマルジョンに5.3部の水中の2.8部の1,6-ジアミノヘキサンの混合物を添加する。混合物を重合反応が完了するまで撹拌する。
【0158】
得られたカプセル懸濁液を、0.25部の増粘剤及び3部の分散剤を添加することにより安定化させる。カプセル懸濁液配合物は、28%の有効成分を含有する。中度のカプセル直径は、8~15ミクロンである。
【0159】
得られる配合物を目的に好適な装置中において水性懸濁液として種子に適用する。
【0160】
生物学的実施例
発芽前の生物学的効力
雑草及び/又は作物(アマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)(AMAPA)、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)(LOLPE)、ユーフォルビア・ヘテロフィラ(Euphorbia heterophylla)(EPHHL)、イポモエア・ヘデラケア(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、セタリア・ファベリ(Setaria faberi)(SETFA)、エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG))の種子をポット中の標準的な土壌中に播種した。温室内の制御された条件下(24/19℃、昼/夜;16時間の光)で1日間栽培した後、50g/lの溶液を生み出すための、少量のアセトン及び特殊溶媒及びIF50と言われる乳化剤混合物(11.12%のEmulsogen EL360 TM+44.44%のN-メチルピロリドン+44.44%のDowanol DPMグリコールエーテル)中の技術的な有効成分の配合物(これは、次いで0.2%のGenapol XO80を希釈剤として使用して希釈される)に由来するスプレー水溶液を植物に噴霧してテスト化合物の所望の最終用量を与えた。
【0161】
次いで、テスト植物を温室内の制御された条件下(24/18℃、昼/夜;15時間の光;50%湿度)で育て、1日2回水を与えた。13日後、テストを評価した(100=植物に対する全損傷;0=植物に対する損傷なし)。結果を以下の表9に示す。
【0162】
【0163】
発芽後の生物学的効力
雑草及び/又は作物(アマランサス・パルメリ(Amaranthus palmeri)(AMAPA)、ケノポディウム・アルブム(Chenopodium album)(CHEAL)、ユーフォルビア・ヘテロフィラ(Euphorbia heterophylla)(EPHHL)、イポモエア・ヘデラケア(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、エレウシン・インディカ(Eleusine indica)(ELEIN)、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)(LOLPE)、ディギタリア・サングイナリス(Digitaria sanguinalis)(DIGSA)、セタリア・ファベリ(Setaria faberi)(SETFA)、エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG))の種子をポット中の標準的な土壌中に播種した。温室内の制御された条件下(24/19℃、昼/夜;16時間の光)で14日間栽培した後、50g/lの溶液を生み出すための、少量のアセトン及び特殊溶媒及びIF50と言われる乳化剤混合物(11.12%のEmulsogen EL360 TM+44.44%のN-メチルピロリドン+44.44%のDowanol DPMグリコールエーテル)中の技術的な有効成分の配合物(これは、次いで0.2%のGenapol XO80を希釈剤として使用して希釈される)に由来するスプレー水溶液を植物に噴霧してテスト化合物の所望の最終用量を与えた。
【0164】
次いで、テスト植物を温室内の制御された条件下(24/18℃、昼/夜;15時間の光;50%湿度)で育て、1日2回水を与えた。13日後、テストを評価した(100=植物に対する全損傷;0=植物に対する損傷なし)。結果を以下の表10に示す。
【0165】
【国際調査報告】