(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】個々の基板または基板群をコーティングするためのインラインシステムおよびインラインコーティングシステムにおいて個々の基板または基板群をコーティングする方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/56 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
C23C14/56 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537060
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 DE2022100778
(87)【国際公開番号】W WO2023116961
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021134254.6
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524231443
【氏名又は名称】クレマー レイナー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】クレマー レイナー
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029AA24
4K029BB02
4K029FA01
4K029KA01
4K029KA09
(57)【要約】
本発明は、前後に設けられてポンプを介して排気可能ないくつかのチャンバ、すなわちフィードチャンバと、待機チャンバと、少なくとも1つのプロセスチャンバと、さらなる待機チャンバと排出チャンバとを有し、これらのチャンバを基板または基板群が連続して通過し、各チャンバがバルブによって閉じられ得る、個々の基板または基板群をコーティングするためのインラインシステムに関する。本発明によれば、フィードチャンバおよび排出チャンバは、数個、すなわちn個の基板または基板群を同時に受け入れるための容積をそれぞれ有し、待機チャンバの容積は、(n-1)個の基板または基板群が受け入れられることを可能にする一方で、処理チャンバの受け入れ容積は、それぞれ1つの基板または1つの基板群に制限される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の基板または基板群をコーティングするためのインラインシステムであって、前後に設けられてポンプを介して排気可能ないくつかのチャンバ、すなわちフィードチャンバと、待機チャンバと、少なくとも1つのプロセスチャンバと、さらなる待機チャンバと排出チャンバとを有し、これらのチャンバを前記基板または基板群が連続して通過し、各チャンバがバルブによって閉じられ得る、インラインシステムであって、
前記フィードチャンバおよび前記排出チャンバは、互いの背後にまたは隣り合って設けられたn個の基板または基板群を同時に受け入れるための容積をそれぞれ有し、nは自然数>1であり、前記フィードチャンバと前記プロセスチャンバとの間、および前記排出チャンバと前記プロセスチャンバとの間に設けられる前記待機チャンバは、(n-1)個の基板または基板群を受け入れるための容積を有する一方で、前記処理チャンバの容積はそれぞれ1つの基板または1つの基板群の受け入れに制限される
ことを特徴とする、インラインシステム。
【請求項2】
前記フィードチャンバおよび前記排出チャンバは、前記処理チャンバのそれぞれのn倍の長さであることを特徴とする、請求項1に記載のインラインシステム。
【請求項3】
エッチングチャンバと、1つ、好ましくは2つのコーティングチャンバとが処理チャンバとして提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載のインラインシステム。
【請求項4】
前記コーティングチャンバはPVDデバイスを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のインラインシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のインラインコーティングシステムにおいて個々の基板または基板群をコーティングする方法であって、
それぞれのエッチングおよび/またはコーティング処理の間を、前記基板または基板群が複合物において前記フィードチャンバから前記待機チャンバを経て前記処理チャンバおよびさらなる待機チャンバ内、前記排出チャンバ内へと移動させられ、連続するステップにおいて前記フィードチャンバがn個の基板またはn個の基板群で占有され、各前記処理チャンバが1つの基板または1つの基板群だけで占有され、前記待機チャンバに基板または基板群がないように処理され、それから前記基板または基板群は、各処理チャンバから排出された基板または基板群が前方に搬送される基板または基板群に置き換えられ、前記待機チャンバの部分的占有後に、前記フィードチャンバがn個の基板または基板群により占有される程度まで前方に移動させられ、その後上述した基板移動およびチャンバ占有のシーケンスが連続して繰り返される
ことを特徴とする、方法。
【請求項6】
前記基板または基板群は、コーティングの前にエッチングプロセスを受けることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基板は2層でコーティングされることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後に設けられてポンプを介して排気可能ないくつかのチャンバ、すなわちフィード(供給。feed)チャンバと、待機チャンバと、少なくとも1つのプロセスチャンバと、さらなる待機チャンバと排出(discharge)チャンバとを有し、これらのチャンバを基板または基板群が連続して通過し、各チャンバがバルブによって閉じられ得る、個々の基板または基板群をコーティングするためのインラインシステムに関する。
【0002】
本発明は、そのようなインラインコーティングシステムにおいて個々の基板または基板群をコーティングする方法にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
ワークピースコーティングは、例えばコンポーネントの耐摩耗性および使用可能寿命(service life)を向上させるために用いられる。多くの場合には、工具コーティングは腐食防止としてまたは物理的特性の改良のためにも役立つ。ここで言及されるプロセスは、化学気相堆積法(CVD:chemical vapor deposition)またはCVDと比較して堆積温度がはるかに低い利点がある物理気相堆積法(PVD:physical vapor deposition)である。コーティングプロセス中に多数のワークピースがコーティング容器内の固定位置に設けられる、いわゆるバッチ(batch)システムにおけるバッチプロセスに加えて、連続システムにおいて基板が様々なステーション(station)を次々に通過する連続プロセスでもコーティングが施される。これらのステーションは、チャンバ内でCVDまたはPVDプロセスに必要な真空が生成され、ワークピース表面がエッチングされ、場合によっては次々に施される2層によってコーティングされる、インラインシステムの様々なチャンバによって実現される。光学コーティングまたはバッテリもしくは燃料電池のコーティングなど、非常に薄い層の場合には、排気および換気時間がシステムの生産性を決める速度を決定するステップになる。例えば、表面エッチングおよびコーティングはそれぞれおよそ1分を要する一方で、ローディングおよびアンローディングはロボット1台あたり1分未満で実行され得る。技術的限界により、フィーディングまたは排出プロセスはこのような短時間で行われることはできない。これらのプロセスの技術的に実行可能な限界は、約2分であるように思われる。
【0004】
図1には、ローディングエリアと、フィードチャンバと、エッチングチャンバと、2つの連続するコーティングチャンバと、排出チャンバとアンローディングエリアとを備える、従来技術から既知の5つのチャンバからなるシステムの略図が示される。言及したチャンバには、必要に応じて互いに独立して換気および脱気され得るようにそれぞれポンプが提供され、バルブに接続される。
【0005】
図1には、ライン番号1、2、3、4および5で指定された5つの異なるローディング状態の略図が示される。ワークピースは、参照番号11、12、13、14、および15が付される。コーティングチャンバは、ワークピース11~15のうちの1つがそれぞれ受け入れられ得るように構成される。ワークピース15は、いわゆるローディングエリア内に位置する一方で、ワークピース14は、必要な真空圧に達するまでフィードチャンバに一時的に保管される。同時に、ワークピース13はエッチングチャンバ内でエッチングされ、ワークピース12は第1コーティングチャンバ内で第1コーティングを提供され、ワークピース11は第2コーティングチャンバ内で(第1コーティング上の外側層として)第2コーティングを提供される。
【0006】
特に、システムの排気時間および換気時間はそれぞれ2分である。第2ステップ(第2ライン)では、ワークピース11、12、13および14がそれぞれ、対応するバルブを開いた後に次のチャンバ内に、すなわちワークピース14がエッチングチャンバ内に、ワークピース13が第1コーティングチャンバ内に、ワークピース12が第2コーティングチャンバ内に、そしてワークピース11が排出チャンバ内に押される。この移送の終わりが、第3ラインに示される。それから、ワークピース15を導入するためにフィードチャンバが開かれる。そして同時に、ワークピース11が換気後に排出チャンバから除去され、これが第4ラインに示される。
【0007】
ワークピース15がフィードチャンバ内に配置され、ワークピース11が排出チャンバからアンローディングエリアに輸送されるとすぐに、フィードチャンバおよび排出チャンバのバルブが再び閉じられ、その後フィードチャンバが排気される。同時に、それぞれのチャンバ内に位置するそれぞれのワークピースの第1コーティングおよび第2コーティングの表面エッチングが完了する。最終ラインにも「1番」が提供され、さらなるワークピース16の提供が示される。
【0008】
上述のスループットプロセスは、2分の排気時間により指定されるサイクル時間を有する。
【発明の概要】
【0009】
上に言及したタイプのインラインシステムまたは上に言及したタイプの方法を、より高い生産性が達成されるように改良することが本発明の課題である。
【0010】
この課題は、請求項1に記載のインラインシステムによってまたは請求項5に記載の方法によって解決される。
【0011】
本発明によれば、フィードチャンバおよび排出チャンバは、前後にまたは並んで設けられたn個の基板または基板群を同時に受け入れるためのスループット長(length)を有するようにそれぞれ拡大され、ここでnは自然数である。フィードチャンバとプロセスチャンバとの間、および排出チャンバとプロセスチャンバとの間に設けられる待機チャンバは、(n-1)個の基板または基板群を受け入れるための容積を有する一方で、処理チャンバの容積はそれぞれ1つの基板の受け入れに制限される。フィードチャンバおよび排出チャンバは、処理チャンバすなわちエッチングおよびコーティングのための等しい長さのチャンバのn倍の長さであるのが好ましいのに対し、待機チャンバは処理チャンバのn-1倍の長さである。これにより、脱気チャンバ内でプロセスに要する真空がn個の基板または基板群のために同時に生み出されることが保証される。したがって、最も時間のかかる脱気および換気のプロセスがn個の基板またはn個の基板群に「分散」され、そのため(換気および脱気用の)2つの外側チャンバの最も時間のかかるステップはnサイクル毎に実行されるだけで済み、大幅に短い他のチャンバのサイクル時間は維持され得る。2つの外側チャンバ(すなわちフィードチャンバおよび排出チャンバ)の拡大およびそれぞれの待機チャンバの挿入はシステムコストの増加につながるが、これはシステムの生産性のn倍の増加によって相殺される。いずれにしても、追加のシステムコストは、同じサイクル比を可能にするためのいくつかの生産ラインの設置よりもはるかに低い。
【0012】
インラインシステムは、第1プロセスチャンバとしてのエッチングチャンバと、連続する層の堆積のための少なくとも1つのコーティングチャンバ、好ましくは2つのコーティングチャンバとを有するのが好ましい。本発明のさらなる実施形態によれば、コーティングチャンバはPVDデバイスを有する。
【0013】
プロセス技術に関しては、それぞれのエッチングおよび/またはコーティング処理の間を、基板または基板群が複合物においてフィードチャンバから待機チャンバを経て処理チャンバおよびさらなる待機チャンバ内、排出チャンバ内へと移動させられ、連続するステップにおいてフィードチャンバがn個の基板またはn個の基板群で占有され、各処理チャンバがそれぞれ1つの基板または1つの基板群だけで占有され、待機チャンバに基板または基板群がないように処理される点で課題が解決される。続く次のステップでは、基板または基板群が、このステップの完了後には各処理チャンバから排出された基板または基板群が前方に搬送される基板または基板群に置き換えられ、待機チャンバの部分的占有後に、n個の基板または基板群によるフィードチャンバの占有が実行されるように混合物において前方に移動させられ、その後上述した基板移動およびチャンバ占有のシーケンスが連続して繰り返される。
【0014】
本発明の核となる考えは、フィードチャンバおよび排出チャンバの最大占有率が、それぞれ整数倍数nだけ大きいことである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【0016】
【
図1】ローディングエリアと、フィードチャンバと、エッチングチャンバと、2つの連続するコーティングチャンバと、排出チャンバとアンローディングエリアとを備える、従来技術から既知の5つのチャンバからなるシステムの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2の第1ラインでは、フィードチャンバEおよび排出チャンバAが、他のチャンバすなわち2つの待機チャンバW
1、W
2ならびに中央に設けられた処理チャンバB、この場合にはエッチングチャンバB
1、コーティングチャンバB
2およびコーティングチャンバB
3のおよそ2倍の長さであることが分かる。基板21、22および26、27はフィードチャンバおよび排出チャンバ内に設けられ、基板23、24、25はエッチングチャンバ、第1コーティングチャンバおよび第2コーティングチャンバ内に同時に位置する。待機チャンバは空である。フィードチャンバがPVD処理に要する低圧に排気され得るように、個々のチャンバ間のバルブは閉じられる。フィードチャンバが排気されている間に、排出チャンバは既に換気される。同時に、基板25がエッチングチャンバB
1内で処理され、基板23、24がコーティングチャンバB
2、B
3内でコーティングされる。ポンプ処理により定義される時間の完了後に、フィードチャンバEと第1待機チャンバW
1との間、ならびに待機チャンバW
1からエッチングチャンバB
1、エッチングチャンバB
1からコーティングチャンバB
2、B
3、第2待機チャンバW
2に至るバルブがそれぞれ開かれる。排出チャンバA内の最後のバルブを開くことにより、換気が行われ得る。基板21、22、23、24、25、26、27はそれぞれ、第3ラインに示される占有率に達するまで隣接するチャンバ内にもう2チャンバ(図の第2ラインの右に)押され、第3ラインではフィードチャンバEおよび排出チャンバAは完全に空であり、エッチングチャンバB
1および2つのコーティングチャンバB
2、B
3内にそれぞれ1つの基板がある。基板23、27は待機チャンバ内に設けられ、2つの完成基板21、22が同時に排出されている。
【0018】
第4ラインは、フィードチャンバEに2つの基板28、29がロードされ、同時に基板27がエッチングチャンバB
1内に供給され、基板25、26がそれぞれ第1および第2コーティングのためにチャンバB
2、B
3内に供給される様子を示す。第2待機チャンバW
2内に設けられていた基板23が同時に排出チャンバA内に移送され、その結果、フィードチャンバE内に2つの基板28、29が、処理チャンバB
1~B
3のそれぞれの中に1つの基板25、26、27が、排出チャンバA内にも2つの基板23、24が設けられた初期の状況が最終的に回復される。それからプロセスが再び始まる。例えば摺動バルブとして設計されたそれぞれ示されるバルブは、基板が1つのチャンバから次のチャンバに運ばれるべきときにのみ開かれる。フィードチャンバEおよび排出チャンバAのエンドバルブは、換気のためにのみ開かれる。
図2は、フィードチャンバE内に2つの基板または基板群が連続して供給され、排出チャンバAから2つの基板が同じように除去されることを示す。フィードチャンバEおよび排出チャンバAのダブル(二重。double)占有の結果、基板あたりの排気および換気時間が減少し、それにより全体的な製品速度が増加する。
【0019】
図3は、隣り合って設けられた2つの基板32、33をフィードチャンバEに、37、38を排出チャンバAに同時に受け入れるための略図によるインラインシステムの代替的実施形態を示す。第1ラインに示されるプロセスの開始時には、個々の基板34がエッチングチャンバB
1内に、35がコーティングチャンバB
2内に、36がコーティングチャンバB
3内に位置する。
図2とは対照的に、並べた配設(arrangement)を説明するためにシステムの上面図が選択されている。第1ラインに示されるプロセスの開始時には、フィードチャンバEが排気され、排出チャンバAが換気される。
【0020】
第2ラインに示される次のステップでは、全ての基板32~36が隣接するチャンバに移送され、同時に新たな基板39、40がローディングエリア内に提供される。この移送後の最終状態が第3ラインに見られ、第3ラインで同時にフィードチャンバEの換気が実行される。この時点で、基板32は待機チャンバW1内に位置し、フィードチャンバと待機チャンバとの間のバルブは閉じられ、待機チャンバと基板33が中に位置するエッチングチャンバB1との間のバルブも閉じられる。基板34および35は、チャンバB1およびB2内でコーティングされる。この間に、基板36は待機チャンバW2内に留まり、既に処理されている基板37、38は既に排出される。排出チャンバAは、排出後に排気される。全ての換気および排気プロセスはおよそ1分かかる。
【0021】
基板33、34、35がエッチングおよびコーティングされた後、それらは第4ラインに見られるように次の隣接するチャンバへと先へ移動され、その結果、このプロセスが完了した後には、基板39、40がフィードチャンバ内に設けられ、待機チャンバW1は空であり、基板32、33、34は、隣接するチャンバB1、B2およびB3内で同時に処理される。このとき、待機チャンバW1およびW2は空である。排出チャンバのエンドバルブを除く全てのバルブが閉じられる。再び2つの隣接する基板35、36が中に存在する排出チャンバは換気され、その後、最終ラインの提示にしたがって次のプロセスが開始される。このチャンバ配設では、フィードチャンバおよび排出チャンバはそれぞれマガジン(magazines)として設計される。
【0022】
さらなるプロセスおよびインラインシステムの別形が
図4に示される。この実施形態の例では、フィードチャンバおよび排出チャンバは、これらのチャンバがそれぞれ3つの基板を同時に受け入れられるような寸法にされる。示された例では、基板は前後に設けられるが、隣り合って設けられることもできる。
【0023】
プロセスの開始時には、基板43、44、45がフィードチャンバE内に設けられ、フィードチャンバEは例えば0.4分の期間にわたって排気される。同じ時間中に、待機チャンバW1、W2は空である一方で、エッチングチャンバB1内で基板46が、コーティングチャンバB2内で基板47が、第2コーティングチャンバB3内で基板48が同時に処理される。排出チャンバ内には3つの基板49、50、51があり、これらは排出チャンバの換気後に排出される(第2ライン参照)。排出と同時に、言及された基板が第3ラインに示される状態に達するまで先へ移動され、第3ラインの状態で2つの基板43、44が待機チャンバ内で処理され、基板45、46、47が各処理チャンバB1、B2、B3内で処理される。基板48は、待機チャンバ内に設けられる。排出チャンバがなお排気される間に、フィードチャンバが換気される。それから、第4ラインに示されるように、フィードチャンバに新たな基板52、53、54がロードされ得る。バルブが開いた状態での基板43、44、45、46のそれぞれの隣接するチャンバ内への移転が第4ラインに示される。フィードチャンバEにロードした後、このチャンバは排気され(第5ライン参照)、その間に基板43は待機チャンバW1内に、基板44、45、46はそれぞれの処理チャンバB1、B2、B3内にあり、そこでエッチングされるかまたは第1もしくは第2コーティングを提供される。基板47、48は、待機チャンバW2内に位置する。排出チャンバは排気される。排気および処理時間の後、基板43、44、45、46、47、48は、初期の状況に対応する配設に達するまでそれぞれさらに搬送され、その配設で3つの基板52、53、54がフィードチャンバ内で排気され、同時に基板43、44、45が処理チャンバB1、B2、B3内でエッチングまたはコーティングされ、基板46、47、48が既に換気されている排出チャンバ内に設けられる。0.4分の処理および排気または換気時間の後、最終ラインに示されるようにプロセスが続けられる。
【0024】
図2~4は、フィードチャンバおよび排出チャンバはそれぞれn=2またはn=3の基板をロードし得るのに対し、待機チャンバは2つの基板のローディング容積を有することを明確に示す。各処理チャンバ内には1つの基板だけを置くことができる。
【0025】
追加の待機チャンバの挿入ならびにフィードチャンバおよび排出チャンバの容積の増加に要する投資は、生産性の向上によって生まれる収益よりも比較的少ない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の基板または基板群をコーティングするためのインラインシステムであって、前後に設けられてポンプを介して排気可能ないくつかのチャンバ、すなわちフィードチャンバと、待機チャンバと、少なくとも1つのプロセスチャンバと、さらなる待機チャンバと排出チャンバとを有し、これらのチャンバを前記基板または基板群が連続して通過し、各チャンバがバルブによって閉じられ得る、インラインシステムであって、
前記フィードチャンバおよび前記排出チャンバは、互いの背後にまたは隣り合って設けられたn個の基板または基板群を同時に受け入れるための容積をそれぞれ有し、nは自然数>1であり、前記フィードチャンバと前記プロセスチャンバとの間、および前記排出チャンバと前記プロセスチャンバとの間に設けられる前記待機チャンバは、(n-1)個の基板または基板群を受け入れるための容積を有する一方で、前記処理チャンバの容積はそれぞれ1つの基板または1つの基板群の受け入れに制限される
ことを特徴とする、インラインシステム。
【請求項2】
前記フィードチャンバおよび前記排出チャンバは、前記処理チャンバのそれぞれのn倍の長さであることを特徴とする、請求項1に記載のインラインシステム。
【請求項3】
エッチングチャンバと、1つ、好ましくは2つのコーティングチャンバとが処理チャンバとして提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載のインラインシステム。
【請求項4】
前記コーティングチャンバはPVDデバイスを有することを特徴とする、請求項1
または2に記載のインラインシステム。
【請求項5】
前記コーティングチャンバはPVDデバイスを有することを特徴とする、請求項3に記載のインラインシステム。
【請求項6】
請求項1
または2に記載のインラインコーティングシステムにおいて個々の基板または基板群をコーティングする方法であって、
それぞれのエッチングおよび/またはコーティング処理の間を、前記基板または基板群が複合物において前記フィードチャンバから前記待機チャンバを経て前記処理チャンバおよびさらなる待機チャンバ内、前記排出チャンバ内へと移動させられ、連続するステップにおいて前記フィードチャンバがn個の基板またはn個の基板群で占有され、各前記処理チャンバが1つの基板または1つの基板群だけで占有され、前記待機チャンバに基板または基板群がないように処理され、それから前記基板または基板群は、各処理チャンバから排出された基板または基板群が前方に搬送される基板または基板群に置き換えられ、前記待機チャンバの部分的占有後に、前記フィードチャンバがn個の基板または基板群により占有される程度まで前方に移動させられ、その後上述した基板移動およびチャンバ占有のシーケンスが連続して繰り返される
ことを特徴とする、方法。
【請求項7】
前記基板または基板群は、コーティングの前にエッチングプロセスを受けることを特徴とする、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記基板は2層でコーティングされることを特徴とする、請求
項6に記載の方法。
【請求項9】
前記基板は2層でコーティングされることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【国際調査報告】