(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0745 20120101AFI20241121BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20241121BHJP
H01L 31/0224 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L31/06 450
H01L31/04 440
H01L31/04 260
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538152
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2022092291
(87)【国際公開番号】W WO2023123809
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111644240.1
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521002660
【氏名又は名称】泰州隆基▲樂▼叶光伏科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】LONGI SOLAR TECHNOLOGY(TAIZHOU)CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 中蘭
(72)【発明者】
【氏名】魯 偉明
(72)【発明者】
【氏名】李 華
(72)【発明者】
【氏名】▲ジン▼ 玉鵬
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA01
5F251AA04
5F251AA05
5F251AA16
5F251CB12
5F251CB19
5F251CB20
5F251CB21
5F251CB24
5F251CB25
5F251DA10
5F251FA06
5F251FA10
5F251FA15
5F251GA15
(57)【要約】
本開示は、半導体基板を含み、半導体基板の一側表面に第1ドープ層及び第2ドープ層を有し、第1ドープ層の半導体基板とは反対側の表面に第3ドープ層を有し、第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、第3ドープ層中の少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型であり、第1ドープ層と第2ドープ層が反対の導電型である、太陽電池を開示する。本開示は、太陽電池の製造方法をさらに提供する。本開示の太陽電池は、1回パターン化するだけで、2つの領域のドープ半導体を製造することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を準備するステップと、
前記半導体基板の第1表面に第1ドープ層を形成するステップと、
前記第1ドープ層を、一部を残すようにパターン化するステップと、
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層を形成し、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に第2ドープ層を形成するステップと、を含み、
前記第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層と前記第2ドープ層が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層における少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型であることを特徴とする、太陽電池の製造方法。
【請求項2】
前記半導体基板の第1表面に第1半導体層を形成し、その後第1ドーパントを前記第1半導体層内に拡散させ、それにより第1ドープ層を形成するか、又は前記半導体基板の第1表面上に、その場ドーピングにより第1ドープ層を形成し、
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後一部の第1補助層及び第1ドープ層をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、一部の第1ドープ層を残すことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に、その場ドーピングにより第2ドープ層を形成し、
前記第1ドープ層上方の第2ドープ層を加熱処理することで、第1ドープ層中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層中に拡散させ、前記第2ドープ層中の第2ドーパントも第1ドープ層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層上方の第2ドープ層が第3ドープ層に変換されることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記加熱処理はレーザー処理又は熱処理であり、
前記レーザー処理を用いる場合、前記第3ドープ層において、前記レーザーが直接照射された領域は、第1ドープ層と同じ導電型であることを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層と同じ導電型の領域は厚さ方向に前記第3ドープ層を貫通することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に第2半導体層を形成し、
加熱処理の条件下で、第2ドーパントを前記第2半導体層中に拡散させ、温度が高いため、前記第1ドープ層中の第1ドーパントもその上方の前記第2半導体層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層上方の第2半導体層が第3ドープ層となり、前記半導体基板の第1表面上の第2半導体層が第2ドープ層となることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層の導電型と同じであることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
第3ドープ層を形成する前に、前記第1ドープ層内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
19~5×10
21atoms/cm
3であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
第3ドープ層を形成した後、前記第1ドープ層において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記第2ドーパントのドーピング濃度より大きくなり、
前記第3ドープ層において、少なくとも一部の領域の第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きいことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1ドープ層内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
19~3×10
21atoms/cm
3であり、
前記第2ドープ層において、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
19~3×10
19atoms/cm
3であり、
前記第3ドープ層内の少なくとも一部の領域中の第1ドーパントのピークドーピング濃度が1×10
20~5×10
20atoms/cm
3であることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記加熱処理の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、ピーク温度下で、加熱時間は10min以上であることを特徴とする、請求項3又は6に記載の製造方法。
【請求項12】
第3ドープ層を形成する時、温度が高いため、前記第1ドープ層及び第3ドープ層中の第1ドーパント及び第2ドーパントが前記半導体基板内に入るように拡散し、それにより第3ドープ領域が形成され、及び/又は、
前記第2ドープ層中の第2ドーパントが前記半導体基板内に入るように拡散し、それにより第4ドープ領域が形成され、
好ましくは、前記第3ドープ領域内において、前記第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
18~3×10
21atoms/cm
3であり、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
17~3×10
19atoms/cm
3であり、
好ましくは、前記第4ドープ領域内において、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
18~3×10
19atoms/cm
3であることを特徴とする、請求項3又は6に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1ドーパントはVA族元素又はIIIA族元素であり、前記第2ドーパントはVA族元素又はIIIA族元素であり、好ましくは、前記第1ドーパントはVA族元素であり、前記第2ドーパントはIIIA族元素であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項14】
第3ドープ層を形成する前に、
前記半導体基板の第1表面上における前記第2ドープ層と前記第1ドープ層の境界での第1ドープ層及び第2ドープ層をエッチングによって除去し、前記半導体基板の第1表面を露出させることで、前記第1ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置するようにするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【請求項15】
第3ドープ層を形成した後に、
前記半導体基板の第1表面上における前記第2ドープ層と前記第1ドープ層の境界での第1ドープ層、第2ドープ層及び第3ドープ層をエッチングによって除去し、前記半導体基板の第1表面を露出させることで、前記第1ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置するようにするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
前記第1ドープ層、第2ドープ層及び第3ドープ層はいずれもドープされた多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層のうちの1つであることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項17】
半導体基板を含み、前記半導体基板の第1表面に第1ドープ層及び第2ドープ層を有し、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面に第3ドープ層を有し、
前記第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層中の少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型であり、
前記第1ドープ層と前記第2ドープ層が反対の導電型であることを特徴とする、太陽電池。
【請求項18】
前記第1ドープ層の厚さは50~300nmであり、
前記第3ドープ層と前記第2ドープ層は同じ厚さであり、いずれも150nm以下であることを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
【請求項19】
前記第3ドープ層の厚さdが30nm以下である場合、前記第3ドープ層における領域全体は第1ドープ層と同じ導電型であることを特徴とする、請求項18に記載の太陽電池。
【請求項20】
前記第3ドープ層の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層の導電型と同じであることを特徴とする、請求項18に記載の太陽電池。
【請求項21】
前記第3ドープ層の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層と同じ導電型の領域は厚さ方向に前記第3ドープ層を貫通することを特徴とする、請求項18に記載の太陽電池。
【請求項22】
前記第1ドープ層内において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで増加してから低下し、第2ドーパントのドーピング濃度は漸次低下することを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
【請求項23】
前記第2ドープ層内において、第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで同じであることを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
【請求項24】
前記第3ドープ層内において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで漸次増加し、
前記第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで同じであることを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
【請求項25】
前記第3ドープ層は、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面を覆うだけでなく、前記第2ドープ層に近い第1ドープ層の側面も覆い、且つ前記第1ドープ層の側面を覆う前記第3ドープ層は前記第2ドープ層と接触することを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
【請求項26】
第1界面層をさらに含み、前記第1界面層は前記半導体基板と前記第1ドープ層の間に位置し、及び/又は、
第2界面層をさらに含み、前記第2界面層は前記第1ドープ層の前記第1界面層とは反対側の表面からその側面に延在し、そして前記半導体基板の第1ドープ層で覆われていない部分を覆うように延在し、且つ前記第2ドープ層及び第3ドープ層はそれぞれ前記第2界面層の一側表面上に設けられ、及び/又は、
裏面パッシベーション層をさらに含み、前記裏面パッシベーション層は第3ドープ層及び第2ドープ層を覆うことを特徴とする、請求項25に記載の太陽電池。
【請求項27】
前記第1ドープ層と前記第3ドープ層は同じ幅であり、前記第1ドープ層及び第3ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置することを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
【請求項28】
第1界面層をさらに含み、前記第1界面層は前記半導体基板と前記第1ドープ層の間に位置し、及び/又は、
第2界面層をさらに含み、前記第2界面層は第1ドープ層と第3ドープ層の間、及び第2ドープ層と前記半導体基板の間に位置し、及び/又は、 裏面パッシベーション層をさらに含み、前記裏面パッシベーション層は第3ドープ層、隔離領域及び第2ドープ層を覆うことを特徴とする、請求項27に記載の太陽電池。
【請求項29】
第1電極及び第2電極をさらに含み、前記第1電極は裏面パッシベーション層を貫通して前記第3ドープ層中の第1ドープ層と同じ導電型の領域に接触し、前記第2電極は前記裏面パッシベーション層を貫通して前記第2ドープ層に接触することを特徴とする、請求項26又は28のいずれか1項に記載の太陽電池。
【請求項30】
請求項1から16のいずれか1項に記載の方法によって製造されることを特徴とする、請求項17から29のいずれか1項に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池の技術分野に関し、具体的には太陽電池及びその製造方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月29日に中国特許局に出願した、出願番号が202111644240.1であり、名称が「太陽電池及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本開示に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
既存の太陽電池構造では、バックコンタクト太陽電池は前面を遮蔽する電極がないため、光電変換効率がより高い。バックコンタクト電池裏面の異なる領域上にp型領域及びn型領域が設けられ、そしてこれらの上にそれぞれ正極及び負極が設けられる。また、このような前面が遮蔽されない電池は、変換効率が高いだけでなく、外観もより美しく、しかも、裏面電極の部品がより組み立てやすい。IBC電池は現在、高効率結晶シリコン電池を実現する技術の主流の1つとなっている。
【0004】
しかし、IBC電池は構造が複雑であるため、製造方法も複雑である。通常、p型領域及びn型領域のパターン化を達成するには、少なくとも2回のパターン化が必要であるため、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に鑑みて、本開示は、1回パターン化するだけで2つの領域のドープ半導体を製造できる太陽電池及びその製造方法を提案する。また、該方法で製造されるドープ領域は、両極ともパッシベーションコンタクト構造であり、パッシベーション効果が高く、金属領域の再結合速度が大幅に低下し、それにより電池の効率が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は太陽電池の製造方法を提供し、以下のステップを含む。
半導体基板を準備するステップと、
前記半導体基板の第1表面に第1ドープ層を形成するステップと、
前記第1ドープ層を、一部を残すようにパターン化するステップと、
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層を形成し、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に第2ドープ層を形成するステップと、を含み、
前記第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層と前記第2ドープ層が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層における少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型である。
【0007】
さらに、前記半導体基板の第1表面に第1半導体層を形成し、その後第1ドーパントを前記第1半導体層内に拡散させ、それにより第1ドープ層を形成するか、又は前記半導体基板の第1表面上に、その場ドーピングにより第1ドープ層を形成し、
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後一部の第1補助層及び第1ドープ層をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、一部の第1ドープ層を残す。
【0008】
さらに、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に、その場ドーピングにより第2ドープ層を形成し、
前記第1ドープ層上方の第2ドープ層を加熱処理することで、第1ドープ層中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層中に拡散させ、前記第2ドープ層中の第2ドーパントも第1ドープ層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層上方の第2ドープ層が第3ドープ層に変換される。
【0009】
さらに、前記加熱処理はレーザー処理又は熱処理であり、
前記レーザー処理を用いる場合、前記第3ドープ層において、前記レーザーが直接照射された領域は、第1ドープ層と同じ導電型である。
【0010】
さらに、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層と同じ導電型の領域は厚さ方向に前記第3ドープ層を貫通する。
【0011】
さらに、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に第2半導体層を形成し、
加熱処理の条件下で、第2ドーパントを前記第2半導体層中に拡散させ、温度が高いため、前記第1ドープ層中の第1ドーパントもその上方の前記第2半導体層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層上方の第2半導体層が第3ドープ層となり、前記半導体基板の第1表面上の第2半導体層が第2ドープ層となる。
【0012】
さらに、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層の導電型と同じである。
【0013】
さらに、第3ドープ層を形成する前に、前記第1ドープ層内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~5×1021atoms/cm3である。
【0014】
さらに、第3ドープ層を形成した後、前記第1ドープ層において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記第2ドーパントのドーピング濃度より大きくなり、
前記第3ドープ層において、少なくとも一部の領域の第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きい。
【0015】
さらに、前記第1ドープ層内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、
前記第2ドープ層において、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3であり、
前記第3ドープ層内の少なくとも一部の領域中の第1ドーパントのピークドーピング濃度が1×1020~5×1020atoms/cm3である。
【0016】
さらに、前記加熱処理の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、ピーク温度下で、加熱時間は10min以上である。
【0017】
さらに、第3ドープ層を形成する時、温度が高いため、前記第1ドープ層及び第3ドープ層中の第1ドーパント及び第2ドーパントが前記半導体基板内に入るように拡散し、それにより第3ドープ領域が形成され、及び/又は、
前記第2ドープ層中の第2ドーパントが前記半導体基板内に入るように拡散し、それにより第4ドープ領域が形成され、
好ましくは、前記第3ドープ領域内において、前記第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1018~3×1021atoms/cm3であり、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1017~3×1019atoms/cm3であり、
好ましくは、前記第4ドープ領域内において、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1018~3×1019atoms/cm3である。
【0018】
さらに、前記第1ドーパントはVA族元素又はIIIA族元素であり、前記第2ドーパントはVA族元素又はIIIA族元素であり、好ましくは、前記第1ドーパントはVA族元素であり、前記第2ドーパントはIIIA族元素である。
【0019】
さらに、第3ドープ層を形成する前に、
前記半導体基板の第1表面上における前記第2ドープ層と前記第1ドープ層の境界での第1ドープ層及び第2ドープ層をエッチングによって除去し、前記半導体基板の第1表面を露出させることで、前記第1ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置するようにするステップをさらに含む。
【0020】
さらに、第3ドープ層を形成した後に、
前記半導体基板の第1表面上における前記第2ドープ層と前記第1ドープ層の境界での第1ドープ層、第2ドープ層及び第3ドープ層をエッチングによって除去し、前記半導体基板の第1表面を露出させることで、前記第1ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置するようにするステップをさらに含む。
【0021】
さらに、前記第1ドープ層、第2ドープ層及び第3ドープ層はいずれもドープされた多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層のうちの1つである。
【0022】
本開示は太陽電池を提供し、
半導体基板を含み、前記半導体基板の第1表面に第1ドープ層及び第2ドープ層を有し、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面に第3ドープ層を有し、
前記第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層中の少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型であり、
前記第1ドープ層と前記第2ドープ層が反対の導電型である。
【0023】
さらに、前記第1ドープ層の厚さは50~300nmであり、
前記第3ドープ層と前記第2ドープ層は同じ厚さであり、いずれも150nm以下である。
【0024】
さらに、前記第3ドープ層の厚さdが30nm以下である場合、前記第3ドープ層における領域全体は第1ドープ層と同じ導電型である。
【0025】
さらに、前記第3ドープ層の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層の導電型と同じである。
【0026】
さらに、前記第3ドープ層の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層と同じ導電型の領域は厚さ方向に前記第3ドープ層を貫通する。
【0027】
さらに、前記第1ドープ層内において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで増加してから低下し、第2ドーパントのドーピング濃度は漸次低下する。
【0028】
さらに、前記第2ドープ層内において、第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで同じである。
【0029】
さらに、前記第3ドープ層内において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで漸次増加し、
前記第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで同じである。
【0030】
さらに、前記第3ドープ層は、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面を覆うだけでなく、前記第2ドープ層に近い第1ドープ層の側面も覆い、且つ前記第1ドープ層の側面を覆う前記第3ドープ層は前記第2ドープ層と接触する。
【0031】
さらに、第1界面層をさらに含み、前記第1界面層は前記半導体基板と前記第1ドープ層の間に位置し、及び/又は、
第2界面層をさらに含み、前記第2界面層は前記第1ドープ層の前記第1界面層とは反対側の表面からその側面に延在し、そして前記半導体基板の第1ドープ層で覆われていない部分を覆うように延在し、且つ前記第2ドープ層及び第3ドープ層はそれぞれ前記第2界面層の一側表面上に設けられ、及び/又は、
裏面パッシベーション層をさらに含み、前記裏面パッシベーション層は第3ドープ層及び第2ドープ層を覆う。
【0032】
さらに、前記第1ドープ層と前記第3ドープ層は同じ幅であり、前記第1ドープ層及び第3ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置する。
【0033】
さらに、第1界面層をさらに含み、前記第1界面層は前記半導体基板と前記第1ドープ層の間に位置し、及び/又は、
第2界面層をさらに含み、前記第2界面層は第1ドープ層と第3ドープ層の間、及び第2ドープ層と前記半導体基板の間に位置し、及び/又は、 裏面パッシベーション層をさらに含み、前記裏面パッシベーション層は第3ドープ層、隔離領域及び第2ドープ層を覆う。
【0034】
さらに、第1電極及び第2電極をさらに含み、前記第1電極は裏面パッシベーション層を貫通して前記第3ドープ層中の第1ドープ層と同じ導電型の領域に接触し、前記第2電極は前記裏面パッシベーション層を貫通して前記第2ドープ層に接触する。
【0035】
さらに、前記太陽電池は前述した方法によって製造される。
【発明の効果】
【0036】
本開示で提供される太陽電池は、1回パターン化するだけで、2つの領域のドープ半導体を製造することができる。また、該方法で製造されるドープ領域は、両極ともパッシベーションコンタクト構造であり、パッシベーション効果が高く、金属領域の再結合速度が大幅に低下し、それにより電池の効率が向上する。また、このようなバックコンタクト製造方法は、1回のみの高温熱処理を必要とし、高温熱処理による熱損傷が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図面は本開示をより良く理解するためのものであり、本開示を不当に限定するものではない。図面の説明を次に記載する。
【0038】
【
図1】本開示で提供される太陽電池の構造模式図である。
【
図2】本開示で提供される太陽電池の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に本開示の例示的な実施例を説明し、説明には理解を助けるために本開示の実施例の様々な詳細が含まれ、それらは単に例示的なものに過ぎないと見なすべきである。したがって、当業者であれば、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対する様々な変化及び修正が可能であることに認識すべきである。同様に、明確で簡潔に記載するために、以下の説明では公知の機能及び構造についての説明を省略する。本開示では上下位置が光の入射方向によって決定され、光の入射部を上とする。
【0040】
本開示は2つの太陽電池を提供し、具体的には以下のとおりである。
【0041】
図1に示すように、第1の太陽電池は、半導体基板1を含み、前記半導体基板1の一側表面に第1領域と第2領域が分割され、前記第1領域内の半導体基板1の一側表面に第1界面層2、第1ドープ層3、第2界面層4及び第3ドープ層5が順に設けられ、前記第2領域内の半導体基板1の同一側表面に第2界面層4、第2ドープ層6が順に設けられ、前記第2界面層4が前記第1ドープ層3の一側表面からその側面に延在し、前記第2領域の半導体基板1を覆い、前記第3ドープ層5が、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の第2界面層4を覆うだけでなく、その前記第2ドープ層6に近い側面も覆い、該側面に延在する第3ドープ層5が前記第2ドープ層6に接触する。前記第3ドープ層5の前記第2界面層4とは反対側の表面に、第3ドープ層5及び第2ドープ層6を覆う裏面パッシベーション層7がさらに設けられ、前記第3ドープ層5上方の裏面パッシベーション層7上に、前記裏面パッシベーション層7を貫通して前記第3ドープ層5に接触する第1電極8がさらに設けられる。前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6が反対の導電型である。前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域における導電性が前記第1ドープ層3と同じであり、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3と同じ導電型の領域が第1導電型領域であり、前記第2ドープ層と同じ導電型の領域が第2導電型領域である。前記第1電極8が前記第3ドープ層5中の第1導電型領域に接触し、且つ前記第1電極が前記第1導電型領域を介して前記第1ドープ層3と導通され、前記第2ドープ層6上方の裏面パッシベーション層7上に、前記裏面パッシベーション層7を貫通して前記第2ドープ層6に接触する第2電極9がさらに設けられる。
【0042】
前記第1電極8及び第2電極9は金、銀又はアルミニウムであってもよい。
【0043】
前記半導体基板1はシリコン基板又はゲルマニウム基板である。
【0044】
前記半導体基板1はp型又はn型であってもよい。
【0045】
本開示において、導電型はECV等を使用して測定してもよく、pnテスターを使用して測定してもよい。
【0046】
ドーピング濃度はECV方法で測定してもよい。
【0047】
前記第1ドープ層、第2ドープ層、第3ドープ領域及び第4ドープ領域内のドーピング元素はSTEMによって示してもよく、SIMSによって示してもよい。
【0048】
本開示において、前記第1界面層2は酸化物層、窒化物層、炭化物層、水素化非晶質シリコン層のうちの1つ又は複数であってもよく、前記酸化物層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、HfO2、Ga2O3、Ta2O5、Nb2O5のうちの1つ又は複数の混合物を含み、前記窒化物層は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、TiN、TiCNのうちの1つ又は複数を含み、前記炭化物は、SiC、SiCN等を含む。具体的には、前記第1界面層2はトンネル酸化層であってもよく、その厚さは0.5~5nmであり、例えば0.5nm、1nm、1.5nm、2nm、2.5nm、3nm、3.5nm、4nm、4.5nm又は5nmであってもよい。
【0049】
本開示において、前記第2界面層4は酸化物層、窒化物層、炭化物層、水素化非晶質シリコン層のうちの1つ又は複数であってもよく、前記酸化物層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、HfO2、Ga2O3、Ta2O5、Nb2O5のうちの1つ又は複数の混合物を含み、前記窒化物層は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、TiN、TiCNのうちの1つ又は複数を含み、前記炭化物は、SiC、SiCN等を含む。好ましくは酸化ケイ素であり、その厚さは0.5~5nmである、例えば0.5nm、1nm、1.5nm、2nm、2.5nm、3nm、3.5nm、4nm、4.5nm又は5nmであってもよい。
【0050】
本開示において、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に、前面パッシベーション層及び反射防止層が順に設けられ、前記前面パッシベーション層は窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、非晶質シリコンのうちの1つ又は複数からなってもよい。
【0051】
本開示において、前記第1ドープ層3はドープされた非晶質シリコン層、微結晶シリコン層、多結晶シリコン層、ナノシリコン又はそれらの1つ又は複数の混合物であってもよく、好ましくはドープされた非晶質シリコン層であり、非晶質シリコンの製造温度がより低いため、非晶質シリコンは単独でアニーリングする必要がなく、後続の各種ドーピング又は加熱の過程のいずれでもアニーリングすることができ、相対的にプロセス時間もより短縮される。前記第1ドープ層3の厚さは50~300nmであり、例えば50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm、150nm、160nm、170nm、180nm、190nm、200nm、210nm、220nm、230nm、240nm、250nm、260nm、270nm、280nm、290nm又は300nmであってもよい。
【0052】
具体的には、第2ドープ層6はドープされた非晶質シリコン層、ドープされた微結晶シリコン層、多結晶シリコン層、ナノシリコン又はそれらの1つ又は複数の混合物であってもよく、好ましくはドープされた非晶質シリコン層であり、非晶質シリコンの製造温度がより低いため、相対的にプロセス時間もより短縮され、第2ドープ層6の厚さは150nm以下であり、例えば15nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm又は150nmであってもよい。
【0053】
具体的には、前記第3ドープ層5はドープされた非晶質シリコン層、微結晶シリコン層、多結晶シリコン層、ナノシリコン又はそれらの1つ又は複数の混合物であってもよく、好ましくは、前記第3ドープ層5と第2ドープ層6が同一の物質であり、前記第3ドープ層5の厚さは150nm以下である。例えば15nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm又は150nmであってもよい。
【0054】
具体的には、前記第3ドープ層5と前記第2ドープ層6が同じ厚さである。
【0055】
本開示において、前記第1ドープ層3に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、前記第1ドーパントのピークドーピング濃度が前記第2ドーパントのピークドーピング濃度より大きく、
前記第2ドープ層6に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域における第1ドーパントのピークドーピング濃度が前記第2ドーパントのピークドーピング濃度より大きいため、前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域における導電性が前記第1ドープ層3と同じである。
【0056】
前記第1ドープ層3がp型である場合、第2ドープ層6はn型となる。逆に、第1ドープ層3がn型である場合、第2ドープ層6はp型となり、シリコンを例にすると、p型の導電性ドーパントは一般にIIIA族元素であり、例えばガリウムGa、又はホウ素Bである。n型のドーパントは一般にVA元素であり、例えばリンP元素である。
【0057】
具体的には、前記第1ドープ層3において、前記第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、例えば1×1019atoms/cm3、2×1019atoms/cm3、3×1019atoms/cm3、4×1019atoms/cm3、5×1019atoms/cm3、6×1019atoms/cm3、7×1019atoms/cm3、8×1019atoms/cm3、9×1019atoms/cm3、1×1020atoms/cm3、2×1020atoms/cm3、3×1020atoms/cm3、4×1020atoms/cm3、5×1020atoms/cm3、6×1020atoms/cm3、7×1020atoms/cm3、8×1020atoms/cm3、9×1020atoms/cm3、1×1021atoms/cm3、2×1021atoms/cm3又は3×1021atoms/cm3であってもよい。
【0058】
前記第2ドープ層6において、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3であり、例えば1×1019atoms/cm3、2×1019atoms/cm3又は3×1019atoms/cm3であってもよい。
【0059】
前記第3ドープ層5において、少なくとも一部の領域の前記第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1020~5×1020atoms/cm3であり、例えば1×1020atoms/cm3、2×1020atoms/cm3、3×1020atoms/cm3、4×1020atoms/cm3又は5×1020atoms/cm3であってもよい。
【0060】
本開示において、前記第1ドーパントはVA族元素又はIIIA族元素であり、好ましくはVA族元素であり、前記第2ドーパントはVA族元素又はIIIA族元素であり、好ましくはIIIA族元素である。
【0061】
具体的には、前記第1ドーパントはリン、ガリウム又はホウ素であり、好ましくはリンであり、前記第2ドーパントはリン、ガリウム又はホウ素であり、好ましくはホウ素である。
【0062】
ドーパントはドープ物質によりドープされた物質であり、例えばドープ物質がPOCl3である場合、ドーパントはリンである。
【0063】
リン含有ドープ物質は一般に、POCl3(一般に熱拡散時に使用)、PH3(イオン注入、又はその場ドーピング等の場合に使用されるホスファン)、リン含有酸化ケイ素(APCVD法でドープ)等を含む。ホウ素含有のドープ物質は一般に、BBr3、BCl3(BBr3及びBCl3はいずれも熱拡散時に使用)、B2H6(ジボランは一般にその場ドーピング、又はイオン注入時に使用)を含む。
【0064】
本開示において、前記第1ドープ層3内で、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板1とは反対側の表面から前記半導体基板1側の表面まで増加してから低下し、第2ドーパントのドーピング濃度は漸次低下する。
【0065】
前記第2ドープ層6内で、第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板1とは反対側の表面から前記半導体基板1側の表面まで同じであり、
前記第3ドープ層5内で、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記第1ドープ層3とは反対側の表面から前記第1ドープ層3側の表面まで漸次増加し、第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板1とは反対側の表面から前記半導体基板1側の表面まで同じである。
【0066】
さらに、前記第3ドープ層5の厚さが30nmより小さい場合、前記第3ドープ層5において、第1ドーパントの濃度は第2ドーパントの濃度より大きく、前記第3ドープ層5全体は第1ドープ層3と同じ導電型である。前記第3ドープ層5の厚さdが30nm~150nmである場合、一部の第1ドーパントの濃度は第2ドーパントの濃度より大きく、該部分の前記第3ドープ層5における一部の導電型は前記第1ドープ層3と同じであり、一部の第1ドーパントの濃度は第2ドーパントの濃度より小さく、該部分の導電型は前記第1ドープ層3と反対である。
【0067】
具体的には、前記第3ドープ層5の厚さdが30nm~150nmである場合、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層3の導電型と同じであり、前記第1電極が裏面パッシベーション層7を貫通して前記第3ドープ層に進入して第1導電型領域に接触する。
【0068】
具体的には、前記第3ドープ層5の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3と同じ導電型の領域は厚さ方向に前記第3ドープ層5を貫通し、前記第1電極は裏面パッシベーション層を貫通して前記第1導電型領域に直接接触する。
【0069】
本開示において、前記半導体基板1の前記第1ドープ層3に近い側内で、前記第1ドーパント又は第1ドーパント及び第2ドーパントは前記第1界面層2を貫通して前記半導体基板1内に進入して第3ドープ領域11を形成し、即ち、前記第3ドープ領域11内に第1ドーパント又は第1ドーパント及び第2ドーパントが含有される。
【0070】
前記半導体基板1の前記第2ドープ層6に近い側内で、前記第2ドーパントは前記第2界面層4を貫通して前記半導体基板1内に進入して第4ドープ領域12を形成し、即ち、前記第4ドープ領域12内に第2ドーパントが含有される。
【0071】
1つの具体的な実施形態において、前記半導体基板1内に第3ドープ領域11のみがある。
【0072】
1つの具体的な実施形態において、前記半導体基板1内に第4ドープ領域12がある。
【0073】
1つの具体的な実施形態において、前記半導体基板1内に第3ドープ領域11、及び第4ドープ領域12の両方ともある。
【0074】
前記第1の太陽電池の製造方法は、
半導体基板1を準備するステップ1と、
前記半導体基板1の第1表面に第1ドープ層3を形成するステップ2と、
前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化するステップ3と、
前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層5を形成し、前記第1ドープ層3で覆われていない半導体基板1の第1表面に、第2ドープ層6を形成するステップ4と、を含み、
前記第1ドープ層3に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層6に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域が前記第1ドープ層3と同じ導電型である。
【0075】
ステップ2で、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃であり、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第1ドープ層3を形成する。
【0076】
又はステップ2で、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃であり、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面に第1半導体層を形成し、拡散により前記第1ドーパントを前記第1半導体層内にドープし、それにより第1ドープ層3を形成する。
【0077】
前記第1半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。
【0078】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~5×1021atoms/cm3である。
【0079】
ステップ3で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後第2領域上方の第1補助層及び第1ドープ層3をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0080】
具体的には、前記第1補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。好ましくは、前述したリンドーピング時に形成された酸化ケイ素膜を第1補助層として使用してもよい。続いて、第1補助層をパターン化し、例えば、エッチングペーストを使用してパターンを印刷して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去するか、又は短パルスレーザーを使用して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去する。
【0081】
好適な解決手段では、アルカリ溶液を使用して第1領域以外の第1ドープ層3及び第1界面層2を除去し、同一の前記アルカリ溶液を使用して前記第2領域中の半導体基板1の表面上にテクスチャ構造を形成させる。アルカリ液を使用することで第1領域での第1ドープ層3のパターン化が完了され、同時に第2領域のテクスチャ製造も完了される。それによって、IBC製造手順は大幅に簡略化され、現在一般的に使用されている片面テクスチャ製造のプロセスが省略できる。
【0082】
従来技術における片面テクスチャ製造には2つの方法ある。方法1では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、その後テクスチャを製造し、テクスチャ製造完了後に第1補助層を除去する。
【0083】
方法2では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、次に片面研磨し、その後第1補助層を除去する。
【0084】
従来の2つの片面テクスチャ製造方法は両方とも複雑であり、電池製造プロセスの最初に片面テクスチャ製造の工程を完了する必要がある。完了には少なくとも4つの工程が必要である。また、テクスチャは後続の正常な電池製造過程で破損される可能性もあり、電池のテクスチャ反射防止効果が低下する。
【0085】
ステップ4で、第2ドープ層及び第3ドープ層を形成する前に、先に第2界面層4を形成してもよく、前記第2界面層4は前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び側面を覆うだけでなく、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面も覆う。
【0086】
1つの具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面に、その場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは、非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指す。続いて、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理することで、第1ドープ層3中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1ドープ層上方の第2ドープ層6中の第2ドーパントも第1ドープ層3中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、前記第1ドープ層3で覆われていない第1表面上方の第2ドープ層6は第2ドープ層6のままである。
【0087】
具体的には、前記加熱処理はレーザー処理又は熱処理であり、前記レーザー処理を用いる場合、前記第3ドープ層5において、前記レーザーが直接照射された領域は第1導電型領域であり(前記第1導電型領域は厚さ方向に前記第3ドープ層5を貫通)、その導電型が第1ドープ層3の導電型と同じであり、且つ前記第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きい。
【0088】
レーザー処理のパワーは5Wより大きく、好ましくは5W~30Wであり、加熱効果がさらに向上する。波長は500nmより長く、波長532nmの緑色レーザー装置、波長589nmの黄色レーザー装置、波長635nm、波長660nm、波長660nm、波長670n、波長671nmの赤色レーザー装置、波長808nm、波長914nm、波長946nm、波長980nm、波長1047nm、波長1053nm、波長1064nm、波長1320nm、波長1342nmの赤外線レーザーを用いてもよい。
【0089】
別の具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面に第2半導体層を形成し、加熱処理の条件下で、第2ドーパントを前記第2半導体層中に拡散させ、温度が高いため、前記第1ドープ層3中の第1ドーパントもその上方の前記第2半導体層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2半導体層が第3ドープ層5となり、前記半導体基板1の第1表面上の第2半導体層が第2ドープ層6となる。
【0090】
具体的には、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層3の導電型と同じである。
【0091】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0092】
前記第3ドープ層5内の一部の領域の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1020~5×1020atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0093】
前記第2ドープ層6内の第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0094】
具体的には、前記加熱処理の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、例えば850℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃等であってもよい。ピーク温度下で、加熱時間は10min以上であり、好ましくは30min以上であり、例えば10min、20min、30min、40min、50min、60min等であってもよい。
【0095】
前記第2半導体層は、多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。加熱処理ピーク温度が高いため、前記第2半導体層中の非晶質シリコン又は微結晶シリコンは多結晶シリコンに変換され、それにより第2半導体層の導電率を高めることができる。
【0096】
選択的に、加熱処理後、加熱中に形成した可能性のある酸化膜を除去してもよく、前記酸化膜層の除去に使用される溶液にはフッ素が含まれ、具体的にはHF又はNH4F等含有の溶液等を使用して前記酸化膜層を除去してもよい。
【0097】
前記方法は以下のステップ5とステップ6をさらに含む。
【0098】
ステップ5で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層を形成する。
【0099】
ステップ6で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。
【0100】
具体的には、電極を形成する方法が様々あり、バーンスルーペーストを直接裏面パッシベーション層7上に塗布し、その後熱処理を経て電極ペーストを裏面パッシベーション層7に通過させて第3ドープ層5及び第2ドープ層6との接触を形成してもよい。また、まず裏面パッシベーション層7上で孔を開け、次に電極ペースト、レーザー転写法、電気めっき、化学めっき、光誘導めっき等の方法、又は蒸発、スパッタリング等の物理気相成長等の方法を使用して電極を形成してもよい。当然、上記方法のうちの1つ又は複数の組合せを使用して電極を形成してもよい。
【0101】
前記第1の太陽電池の製造方法は以下のステップ1~ステップ6を含む。
【0102】
ステップ1で、半導体基板1を準備する。
ステップ2で、前記半導体基板1の第1表面に第1ドープ層3を形成する。
具体的には、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃であり、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第1ドープ層3を形成する。
【0103】
又はステップ2で、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃であり、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面に第1半導体層を形成し、拡散により前記第1ドーパントを前記第1半導体層内にドープし、それにより第1ドープ層3を形成する。
【0104】
前記第1半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。
【0105】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~5×1021atoms/cm3である。
【0106】
ステップ3で、前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化する。
具体的には、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後第2領域上方の第1補助層及び第1ドープ層3をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0107】
具体的には、前記第1補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。好ましくは、前述したリンドーピング時に形成された酸化ケイ素膜を第1補助層として使用してもよい。続いて、第1補助層をパターン化し、例えば、エッチングペーストを使用してパターンを印刷して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去するか、又は短パルスレーザーを使用して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去する。
【0108】
好適な解決手段では、アルカリ溶液を使用して第1領域以外の第1ドープ層3及び第1界面層2を除去し、同一の前記アルカリ溶液を使用して前記第2領域中の半導体基板1の表面上にテクスチャ構造を形成させる。アルカリ液を使用することで第1領域での第1ドープ層3のパターン化が完了され、同時に第2領域のテクスチャ製造も完了される。それによって、IBC製造手順は大幅に簡略化され、現在一般的に使用されている片面テクスチャ製造のプロセスが省略できる。
【0109】
従来技術における片面テクスチャ製造には2つの方法ある。方法1では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、その後テクスチャを製造し、テクスチャ製造完了後に第1補助層を除去する。
【0110】
方法2では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、次に片面研磨し、その後第1補助層を除去する。
【0111】
従来の2つの片面テクスチャ製造方法は両方とも複雑であり、電池製造プロセスの最初に片面テクスチャ製造の工程を完了する必要がある。完了するには少なくとも4つの工程が必要である。また、テクスチャは後続の正常な電池製造過程で破損される可能性もあり、電池のテクスチャ反射防止効果が低下する。
【0112】
ステップ4で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層5を形成し、前記第1ドープ層3で覆われていない半導体基板1の第1表面に、第2ドープ層6を形成する。
【0113】
前記第1ドープ層3に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層6に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域が前記第1ドープ層3と同じ導電型である。
【0114】
具体的には、第2ドープ層及び第3ドープ層を形成する前に、先に第2界面層4を形成してもよく、前記第2界面層4は前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び側面を覆うだけでなく、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面も覆う。
【0115】
1つの具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成する。続いて、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理することで、第1ドープ層3中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1ドープ層上方の第2ドープ層6中の第2ドーパントも第1ドープ層3中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、前記第1ドープ層3で覆われていない第1表面上方の第2ドープ層6は第2ドープ層6のままである。
【0116】
具体的には、前記加熱処理はレーザー処理又は熱処理であり、前記レーザー処理を用いる場合、前記第3ドープ層5において、前記レーザーが直接照射された領域は第1導電型領域であり(前記第1導電型領域は厚さ方向に前記第3ドープ層5を貫通)、その導電型が第1ドープ層3の導電型と同じであり、且つ前記第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きい。レーザー処理のパワーは5Wより大きく、好ましくは5W~30Wであり、加熱効果がさらに向上する。波長は500nmより長く、波長532nmの緑色レーザー装置、波長589nmの黄色レーザー装置、波長635nm、波長660nm、波長660nm、波長670n、波長671nmの赤色レーザー装置、波長808nm、波長914nm、波長946nm、波長980nm、波長1047nm、波長1053nm、波長1064nm、波長1320nm、波長1342nmの赤外線レーザーを用いてもよい。
【0117】
別の具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面に第2半導体層を形成し、加熱処理の条件下で、第2ドーパントを前記第2半導体層中に拡散させ、温度が高いため、前記第1ドープ層3中の第1ドーパントもその上方の前記第2半導体層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2半導体層が第3ドープ層5となり、前記半導体基板1の第1表面上の第2半導体層が第2ドープ層6となる。
【0118】
具体的には、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層3の導電型と同じである。
【0119】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0120】
前記第3ドープ層5内の一部の領域の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1020~5×1020atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0121】
前記第2ドープ層6内の第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0122】
具体的には、前記加熱処理又は加熱条件下の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、例えば850℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃等であってもよい。ピーク温度下で、加熱時間は10min以上であり、好ましくは30min以上であり、例えば10min、20min、30min、40min、50min、60min等であってもよい。
【0123】
前記第2半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。加熱処理ピーク温度が高いため、前記第2半導体層中の非晶質シリコン又は微結晶シリコンは多結晶シリコンに変換され、それにより第2半導体層の導電率を高めることができる。
【0124】
選択的に、加熱処理後、加熱中に形成した可能性のある酸化膜を除去してもよく、前記酸化膜層の除去に使用される溶液にはフッ素が含まれ、具体的にはHF又はNH4F等含有の溶液等を使用して前記酸化膜層を除去してもよい。
【0125】
ステップ5で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層を形成する。
【0126】
ステップ6で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。
【0127】
具体的には、電極を形成する方法が様々あり、バーンスルーペーストを直接裏面パッシベーション層7上に塗布し、その後熱処理を経て電極ペーストを裏面パッシベーション層7に通過させて第3ドープ層5及び第2ドープ層6との接触を形成してもよい。また、まず裏面パッシベーション層7上で孔を開け、次に電極ペースト、レーザー転写法、電気めっき、化学めっき、光誘導めっき等の方法、又は蒸発、スパッタリング等の物理気相成長等の方法を使用して電極を形成してもよい。当然、上記方法のうちの1つ又は複数の組合せを使用して電極を形成してもよい。
【0128】
図2に示すように、第2の太陽電池は、半導体基板1を含み、前記半導体基板1の一側表面で間隔を有する第1領域と第2領域が分割され、前記第1領域内の半導体基板1の一側表面に第1界面層2、第1ドープ層3、第2界面層4及び第3ドープ層5が順に設けられ、前記第2領域内の半導体基板1の同一側表面に第2界面層4及び第2ドープ層6が順に設けられる。前記第3ドープ層5、第2界面層4、第1ドープ層3及び第1界面層2の前記第2ドープ層6に近い側面、第1ドープ層3及び第2ドープ層6で覆われていない半導体基板1の表面、及び第2界面層4、第2ドープ層6の前記第1ドープ層3に近い側面が、1つの溝を形成し、前記溝は隔離領域10であり、前記第3ドープ層5の前記第2界面層4とは反対側の表面に、第3ドープ層5、隔離領域10及び第2ドープ層6を覆う裏面パッシベーション層7がさらに設けられる。前記第3ドープ層5上方の裏面パッシベーション層7上に、前記裏面パッシベーション層7を貫通して前記第3ドープ層5に接触する第1電極8がさらに設けられ、前記第2ドープ層6上方の裏面パッシベーション層7上に、前記裏面パッシベーション層7を貫通して前記第2ドープ層6に接触する第2電極9がさらに設けられる。
【0129】
前記第2の太陽電池と第1の太陽電池は、第2の太陽電池における第1領域と第2領域の間に隔離領域10があり、且つ隔離領域10内に裏面パッシベーション層7のみがある(第3ドープ層5と第2ドープ層6は接触しない)点でのみ相違するため、第2の太陽電池における半導体基板1、第1界面層2、第2界面層4、第1ドープ層3、第2ドープ層6、第3ドープ層5、裏面パッシベーション層7及び第1電極8及び第2電極9はいずれも、第1の太陽電池を参照すればよく、
前記隔離領域10の深さhは300nm~1μmであり、例えば300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm又は1μmであってもよい。前記隔離領域10の幅wは10~200μmであり、好ましくは30~100μmである。例えば10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm又は200μmであってもよい。
【0130】
前記隔離領域10にある前記裏面パッシベーション層7は前記隔離領域10と共形である。
【0131】
前記隔離領域10は、p型とn型半導体領域を隔離するために用いられて、漏電を防止し、横方向pn接合の破壊による発熱等の現象も防止する。本開示の解決手段では、前記第1ドープ領域中にp型ドーピング、及びn型ドーピングの両方とも存在するため、隔離領域10の存在はさらに重要である。
【0132】
前記裏面パッシベーション層7は前記第1ドープ層3、隔離領域10及び第2ドープ層6上での厚さが等しい。
【0133】
第2の太陽電池の製造方法は以下のステップ1~ステップ6を含む。
【0134】
ステップ1で、半導体基板1を準備する。
ステップ2で、前記半導体基板1の一側表面に第1ドープ層3を形成する。
ステップ3で、前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化する。
ステップ4で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層5を形成し、前記第1ドープ層3で覆われていない半導体基板1の第1表面に、第2ドープ層6を形成する。
ステップ5で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面にそれぞれ第2補助層を形成し、第3ドープ層5と前記第2ドープ層6の境界に近い部位が第2補助層で覆われていない。
【0135】
ステップ6で、前記第2補助層で覆われていない第3ドープ層5及び第2ドープ層6をエッチングによって除去し、それにより半導体基板1を露出させ(露出した半導体基板1は隔離領域10と呼ばれる)、前記第3ドープ層5、第2界面層4、第1ドープ層3及び第1界面層2の前記隔離領域10に近い側面、隔離領域10の半導体基板1の表面、及び第2界面層4、第2ドープ層6の前記隔離領域10に近い側面が、1つの隔離領域10を形成する。
【0136】
前記第1ドープ層3に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層6に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域における導電型が前記第1ドープ層の導電型と同じである。
【0137】
ステップ2でLPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃である。
【0138】
1つの具体な実施形態において、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第1ドープ層3を形成する。
【0139】
別の具体的な実施形態において、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面に第1半導体層を形成し、前記第1ドーパントを前記第1半導体層内にドープし、それにより第1ドープ層3を形成する。
【0140】
前記第1半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。
【0141】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~5×1021atoms/cm3である。
【0142】
ステップ3で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後第2領域上方の第1補助層及び第1ドープ層3をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0143】
具体的には、前記第1補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。好ましくは、前述したリンドーピング時に形成された酸化ケイ素膜を第1補助層として使用してもよい。続いて、第1補助層をパターン化し、例えば、エッチングペーストを使用してパターンを印刷して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去するか、又は短パルスレーザーを使用して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去する。
【0144】
好適な解決手段では、アルカリ溶液を使用して第1領域以外の第1ドープ層3及び第1界面層2を除去し、同一の前記アルカリ溶液を使用して前記第2領域中の半導体基板1の表面上にテクスチャ構造を形成させる。アルカリ液を使用することで第1領域での第1ドープ層3のパターン化が完了され、同時に第2領域のテクスチャ製造も完了される。それによって、IBC製造手順は大幅に簡略化され、現在一般的に使用されている片面テクスチャ製造のプロセスが省略できる。
【0145】
従来技術における片面テクスチャ製造には2つの方法ある。方法1では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、その後テクスチャを製造し、テクスチャ製造完了後に第1補助層を除去する。
【0146】
方法2では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、次に片面研磨し、その後第1補助層を除去する。
【0147】
従来の2つの片面テクスチャ製造方法は両方とも複雑であり、電池製造プロセスの最初に片面テクスチャ製造の工程を完了する必要がある。完了するには少なくとも4つの工程が必要である。また、テクスチャは後続の正常な電池製造過程で破損される可能性もあり、電池のテクスチャ反射防止効果が低下する。
【0148】
ステップ4で、第2ドープ層及び第3ドープ層を形成する前に、先に第2界面層4を形成してもよく、前記第2界面層4は前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び側面を覆うだけでなく、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面も覆う。
【0149】
1つの具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは、非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指す。続いて、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理することで、第1ドープ層3中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1ドープ層上方の第2ドープ層6中の第2ドーパントも第1ドープ層3中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、前記第1ドープ層3で覆われていない第1表面上方の第2ドープ層6は第2ドープ層6のままである。
【0150】
具体的には、前記加熱処理はレーザー処理又は熱処理であり、前記レーザー処理を用いる場合、前記第3ドープ層5において、前記レーザーが直接照射された領域は第1導電型領域であり(前記第1導電型領域は厚さ方向に前記第3ドープ層5を貫通)、その導電型が第1ドープ層3の導電型と同じであり、且つ前記第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きい。レーザー処理のパワーは5Wより大きく、好ましくは5W~30Wであり、加熱効果がさらに向上する。波長は500nmより長く、波長532nmの緑色レーザー装置、波長589nmの黄色レーザー装置、波長635nm、波長660nm、波長660nm、波長670n、波長671nmの赤色レーザー装置、波長808nm、波長914nm、波長946nm、波長980nm、波長1047nm、波長1053nm、波長1064nm、波長1320nm、波長1342nmの赤外線レーザーを用いてもよい。
【0151】
別の具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面に第2半導体層を形成し、加熱処理の条件下で、第2ドーパントを前記第2半導体層中に拡散させ、温度が高いため、前記第1ドープ層3中の第1ドーパントもその上方の前記第2半導体層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2半導体層が第3ドープ層5となり、前記半導体基板1の第1表面上の第2半導体層が第2ドープ層6となる。
【0152】
具体的には、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層3の導電型と同じである。
【0153】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0154】
前記第3ドープ層5内の一部の領域の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1020~5×1020atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0155】
前記第2ドープ層6内の第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0156】
具体的には、前記加熱処理又は加熱条件下の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、例えば850℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃等であってもよい。ピーク温度下で、加熱時間は10min以上であり、好ましくは30min以上であり、例えば10min、20min、30min、40min、50min、60min等であってもよい。
【0157】
前記第2半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。加熱処理ピーク温度が高いため、前記第2半導体層中の非晶質シリコン又は微結晶シリコンは多結晶シリコンに変換され、それにより第2半導体層の導電率を高めることができる。
【0158】
選択的に、加熱処理後、加熱中に形成した可能性のある酸化膜を除去してもよく、前記酸化膜層の除去に使用される溶液にはフッ素が含まれ、具体的にはHF又はNH4F等含有の溶液等を使用して前記酸化膜層を除去してもよい。
【0159】
ステップ5で、前記第2補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。
【0160】
ステップ6で、エッチングペースト又はレーザーにより第3ドープ層5、第2ドープ層6及びその下方の第2界面層4を除去する。
【0161】
好ましくは、第3ドープ層5、第2ドープ層6及びその下方の第2界面層4を除去する際に、該第2界面層4下方の一部の半導体基板1をさらに除去してもよく、それにより隔離領域10の深さが増加し、隔離領域10が深いほど、隔離効果が高い。一般に、第1半導体層又は第2半導体層中のドーパントがいずれも一定量で界面層を貫通して半導体基板中に進入するため、半導体基板1におけるドーピングにも前述したように、漏電又は破壊による発熱のリスクがあることから、隔離領域10が半導体基板1内に延在すると、漏電又は破壊による発熱のリスクが低減できる。
【0162】
さらに、エッチングステップ完了後、第2補助層を除去する。
【0163】
前記方法は以下のステップ7とステップ8をさらに含む。
【0164】
ステップ7で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層を形成する。
【0165】
ステップ8で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。
【0166】
具体的には、電極を形成する方法が様々あり、バーンスルーペーストを直接裏面パッシベーション層7上に塗布し、その後熱処理を経て電極ペーストを裏面パッシベーション層7に通過させて第3ドープ層5及び第2ドープ層6との接触を形成してもよい。また、まず裏面パッシベーション層7上で孔を開け、次に電極ペースト、レーザー転写法、電気めっき、化学めっき、光誘導めっき等の方法、又は蒸発、スパッタリング等の物理気相成長等の方法を使用して電極を形成してもよい。当然、上記方法のうちの1つ又は複数の組合せを使用して電極を形成してもよい。
【0167】
第2の太陽電池の製造方法は、以下のステップ1~ステップ8を含む。
【0168】
ステップ1で、半導体基板1を準備する。
ステップ2で、前記半導体基板1の一側表面に第1ドープ層3を形成する。
具体的には、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃である。
【0169】
1つの具体的な実施形態において、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第1ドープ層3を形成する。
【0170】
別の具体的な実施形態において、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面に第1半導体層を形成し、前記第1ドーパントを前記第1半導体層内にドープし、それにより第1ドープ層3を形成する。
【0171】
前記第1半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。
【0172】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~5×1021atoms/cm3である。
【0173】
ステップ3で、前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化する。
具体的には、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後第2領域上方の第1補助層及び第1ドープ層3をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0174】
具体的には、前記第1補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。好ましくは、前述したリンドーピング時に形成された酸化ケイ素膜を第1補助層として使用してもよい。続いて、第1補助層をパターン化し、例えば、エッチングペーストを使用してパターンを印刷して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去するか、又は短パルスレーザーを使用して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去する。
【0175】
好適な解決手段では、アルカリ溶液を使用して第1領域以外の第1ドープ層3及び第1界面層2を除去し、同一の前記アルカリ溶液を使用して前記第2領域中の半導体基板1の表面上にテクスチャ構造を形成させる。アルカリ液を使用することで第1領域での第1ドープ層3のパターン化が完了され、同時に第2領域のテクスチャ製造も完了される。それによって、IBC製造手順は大幅に簡略化され、現在一般的に使用されている片面テクスチャ製造のプロセスが省略できる。
【0176】
従来技術における片面テクスチャ製造には2つの方法ある。方法1では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、その後テクスチャを製造し、テクスチャ製造完了後に第1補助層を除去する。
【0177】
方法2では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、次に片面研磨し、その後第1補助層を除去する。
【0178】
従来の2つの片面テクスチャ製造方法は両方とも複雑であり、電池製造プロセスの最初に片面テクスチャ製造の工程を完了する必要がある。完了するには少なくとも4つの工程が必要である。また、テクスチャは後続の正常な電池製造過程で破損される可能性もあり、電池のテクスチャ反射防止効果が低下する。
【0179】
ステップ4で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層5を形成し、前記第1ドープ層3で覆われていない半導体基板1の第1表面に、第2ドープ層6を形成する。
具体的には、第2ドープ層及び第3ドープ層を形成する前に、先に第2界面層4を形成してもよく、前記第2界面層4は前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び側面を覆うだけでなく、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面も覆う。
【0180】
1つの具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは、非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指す。続いて、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理することで、第1ドープ層3中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1ドープ層上方の第2ドープ層6中の第2ドーパントも第1ドープ層3中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、前記第1ドープ層3で覆われていない第1表面上方の第2ドープ層6は第2ドープ層6のままである。
【0181】
具体的には、前記加熱処理はレーザー処理又は熱処理であり、前記レーザー処理を用いる場合、前記第3ドープ層5において、前記レーザーが直接照射された領域は第1導電型領域であり(前記第1導電型領域は厚さ方向に前記第3ドープ層5を貫通)、その導電型が第1ドープ層3の導電型と同じであり、且つ前記第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きい。レーザー処理のパワーは5Wより大きく、好ましくは5W~30Wであり、加熱効果がさらに向上する。波長は500nmより長く、波長532nmの緑色レーザー装置、波長589nmの黄色レーザー装置、波長635nm、波長660nm、波長660nm、波長670n、波長671nmの赤色レーザー装置、波長808nm、波長914nm、波長946nm、波長980nm、波長1047nm、波長1053nm、波長1064nm、波長1320nm、波長1342nmの赤外線レーザーを用いてもよい。
【0182】
別の具体的な実施形態において、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面に第2半導体層を形成し、加熱条件下で、第2ドーパントを前記第2半導体層中に拡散させ、温度が高いため、前記第1ドープ層3中の第1ドーパントもその上方の前記第2半導体層中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2半導体層が第3ドープ層5となり、前記半導体基板1の第1表面上の第2半導体層が第2ドープ層6となる。
【0183】
具体的には、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層3の導電型と同じである。
【0184】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0185】
前記第3ドープ層5内の一部の領域の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1020~5×1020atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0186】
前記第2ドープ層6内の第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0187】
具体的には、前記加熱処理又は加熱条件下の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、例えば850℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃等であってもよい。ピーク温度下で、加熱時間は10min以上であり、好ましくは30min以上であり、例えば10min、20min、30min、40min、50min、60min等であってもよい。
【0188】
前記第2半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。加熱処理ピーク温度が高いため、前記第2半導体層中の非晶質シリコン又は微結晶シリコンは多結晶シリコンに変換され、それにより第2半導体層の導電率を高めることができる。
【0189】
選択的に、加熱処理後、加熱中に形成した可能性のある酸化膜を除去してもよく、前記酸化膜層の除去に使用される溶液にはフッ素が含まれ、具体的にはHF又はNH4F等含有の溶液等を使用して前記酸化膜層を除去してもよい。
【0190】
ステップ5で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面にそれぞれ第2補助層を形成し、第3ドープ層5と前記第2ドープ層6の境界に近い部位が第2補助層で覆われていない。
【0191】
前記第2補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。
【0192】
ステップ6で、前記第2補助層で覆われていない第3ドープ層5及び第2ドープ層6をエッチングによって除去し、それにより半導体基板1を露出させ(露出した半導体基板1は隔離領域10と呼ばれる)、前記第3ドープ層5、第2界面層4、第1ドープ層3及び第1界面層2の前記隔離領域10に近い側面、隔離領域10の半導体基板1の表面、及び第2界面層4、第2ドープ層6の前記隔離領域10に近い側面が、1つの隔離領域10を形成する。
【0193】
前記第1ドープ層3に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層6に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域における導電型が前記第1ドープ層の導電型と同じである。
【0194】
具体的には、エッチングペースト又はレーザーを使用して第3ドープ層5、第2ドープ層6及びその下方の第2界面層4を除去する。
【0195】
好ましくは、第3ドープ層5、第2ドープ層6及びその下方の第2界面層4を除去する際に、該第2界面層4下方の一部の半導体基板1をさらに除去してもよく、それにより隔離領域10の深さが増加し、隔離領域10が深いほど、隔離効果が高い。一般に、第1半導体層又は第2半導体層中のドーパントがいずれも一定量で界面層を貫通して半導体基板中に進入するため、半導体基板1におけるドーピングにも前述したように、漏電又は破壊による発熱のリスクがあることから、隔離領域10が半導体基板1内に延在すると、漏電又は破壊による発熱のリスクが低減できる。
【0196】
さらに、エッチングステップ完了後、第2補助層を除去する。
【0197】
ステップ7で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層を形成する。
【0198】
ステップ8で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。
【0199】
具体的には、電極を形成する方法が様々あり、バーンスルーペーストを直接裏面パッシベーション層7上に塗布し、その後熱処理を経て電極ペーストを裏面パッシベーション層7に通過させて第3ドープ層5及び第2ドープ層6との接触を形成してもよい。また、まず裏面パッシベーション層7上で孔を開け、次に電極ペースト、レーザー転写法、電気めっき、化学めっき、光誘導めっき等の方法、又は蒸発、スパッタリング等の物理気相成長等の方法を使用して電極を形成してもよい。当然、上記方法のうちの1つ又は複数の組合せを使用して電極を形成してもよい。
【0200】
第2の太陽電池の製造方法は、以下のステップ1~ステップ7を含む。
【0201】
ステップ1で、半導体基板1を準備する。
ステップ2で、前記半導体基板1の一側表面に第1ドープ層3を形成する。
具体的には、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は400~700℃である。
【0202】
1つの具体的な実施形態において、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第1ドープ層3を形成する。
【0203】
別の具体的な実施形態において、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面に第1半導体層を形成し、拡散により前記第1ドーパントを前記第1半導体層内にドープし、それにより第1ドープ層3を形成する。
【0204】
前記第1半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。
【0205】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~5×1021atoms/cm3である。
【0206】
ステップ3で、前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化する。
具体的には、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に第1補助層を形成し、その後第2領域上方の第1補助層及び第1ドープ層3をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0207】
具体的には、前記第1補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。好ましくは、前述したリンドーピング時に形成された酸化ケイ素膜を第1補助層として使用してもよい。続いて、第1補助層をパターン化し、例えば、エッチングペーストを使用してパターンを印刷して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去するか、又は短パルスレーザーを使用して第1領域以外の第1補助層、第1ドープ層3及び第1界面層2を除去する。
【0208】
好適な解決手段では、アルカリ溶液を使用して第1領域以外の第1ドープ層3及び第1界面層2を除去し、同一の前記アルカリ溶液を使用して前記第2領域中の半導体基板1の表面上にテクスチャ構造を形成させる。アルカリ液を使用することで第1領域での第1ドープ層3のパターン化が完了され、同時に第2領域のテクスチャ製造も完了される。それによって、IBC製造手順は大幅に簡略化され、現在一般的に使用されている片面テクスチャ製造のプロセスが省略できる。
【0209】
従来技術における片面テクスチャ製造には2つの方法ある。方法1では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、その後テクスチャを製造し、テクスチャ製造完了後に第1補助層を除去する。
【0210】
方法2では、まずシリコンウエハを両面研磨し、次に片面で第1補助層を製造し、次に片面研磨し、その後第1補助層を除去する。
【0211】
従来の2つの片面テクスチャ製造方法は両方とも複雑であり、電池製造プロセスの最初に片面テクスチャ製造の工程を完了する必要がある。完了するには少なくとも4つの工程が必要である。また、テクスチャは後続の正常な電池製造過程で破損される可能性もあり、電池のテクスチャ反射防止効果が低下する。
【0212】
ステップ4で、まず第2界面層4を形成し、前記第2界面層4は前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面及び側面を覆うだけでなく、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面も覆う。
【0213】
前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指す。
【0214】
前記第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面にそれぞれ第2補助層を形成し、半導体基板1の第1表面上の前記第2ドープ層6と第1ドープ層の境界部位が第2補助層で覆われていない。
【0215】
第2補助層で覆われていない第1ドープ層3、第2ドープ層6、第1界面層及び第2界面層をいずれもエッチングによって除去し、前記半導体基板の第1表面を露出させ、それによって前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6の間に隔離領域10が位置するようにする。続いて、前記第2補助層を除去する。
【0216】
前記第2補助層は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の誘電体膜であってもよい。
【0217】
好ましくは、第1ドープ層3、第2ドープ層6及びその下方の第1界面層、第2界面層4を除去して半導体基板1の第1表面を露出させる際に、該部分の半導体基板1をさらに除去してもよく、それにより隔離領域10の深さが増加し、隔離領域10が深いほど、隔離効果が高い。一般に、第1半導体層又は第2半導体層中のドーパントがいずれも一定量で界面層を貫通して半導体基板中に進入するため、半導体基板1におけるドーピングにも前述したように、漏電又は破壊による発熱のリスクがあることから、隔離領域10が半導体基板1内に延在すると、漏電又は破壊による発熱のリスクが低減できる。
【0218】
さらに、エッチングステップ完了後、第2補助層を除去する。
【0219】
ステップ5で、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理することで、第1ドープ層3中の第1ドーパントをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1ドープ層上方の第2ドープ層6中の第2ドーパントも第1ドープ層3中に拡散し、それにより前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、前記第1ドープ層3で覆われていない第1表面上方の第2ドープ層6は第2ドープ層6のままである。
【0220】
具体的には、前記第3ドープ層5において、前記第1ドープ層3に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層3の導電型と同じである。
【0221】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1021atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0222】
前記第3ドープ層5内の一部の領域の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×1020~5×1020atoms/cm3であり、第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0223】
前記第2ドープ層6内の第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×1019~3×1019atoms/cm3である。
【0224】
具体的には、前記加熱処理又は加熱条件下の加熱ピーク温度は850℃以上であり、好ましくは900℃以上であり、より好ましくは1000℃であり、例えば850℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃等であってもよい。ピーク温度下で、加熱時間は10min以上であり、好ましくは30min以上であり、例えば10min、20min、30min、40min、50min、60min等であってもよい。
【0225】
前記第2半導体層は多結晶シリコン層、微結晶シリコン層又は非晶質シリコン層であってもよい。加熱処理ピーク温度が高いため、前記第2半導体層中の非晶質シリコン又は微結晶シリコンは多結晶シリコンに変換され、それにより第2半導体層の導電率を高めることができる。
【0226】
選択的に、加熱処理後、加熱中に形成した可能性のある酸化膜を除去してもよく、前記酸化膜層の除去に使用される溶液にはフッ素が含まれ、具体的にはHF又はNH4F等含有の溶液等を使用して前記酸化膜層を除去してもよい。
【0227】
前記第1ドープ層3に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層6に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層5に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層3と前記第2ドープ層6が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層5中の少なくとも一部の領域における導電型が前記第1ドープ層の導電型と同じである。
【0228】
ステップ6で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層を形成する。
【0229】
ステップ7で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。
【0230】
具体的には、電極を形成する方法が様々あり、バーンスルーペーストを直接裏面パッシベーション層7上に塗布し、その後熱処理を経て電極ペーストを裏面パッシベーション層7に通過させて第3ドープ層5及び第2ドープ層6との接触を結成してもよい。また、まず裏面パッシベーション層7上で孔を開け、次に電極ペースト、レーザー転写法、電気めっき、化学めっき、光誘導めっき等の方法、又は蒸発、スパッタリング等の物理気相成長等の方法を使用して電極を形成してもよい。当然、上記方法のうちの1つ又は複数の組合せを使用して電極を形成してもよい。
実施例
【0231】
下記実施例で使用される実験方法は、特に要求されない限り、いずれも一般的な方法である。
【0232】
下記実施例で使用される材料、試薬等は、特に断らない限り、いずれも市場から入手できる。
実施例1
【0233】
本実施例における太陽電池は第1の太陽電池であり、以下のステップ1~ステップ7を含む。
【0234】
ステップ1で、半導体基板1を準備する。
p型シリコンウエハを半導体基板1として準備し、その厚さは200μmである。
【0235】
ステップ2で、前記半導体基板1の一側表面に第1ドープ層3を形成する。
具体的には、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は700℃であり、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にリンドープ非晶質シリコン層3を形成する。このリンドープ非晶質シリコン3はその場ドーピングLPCVDにより形成され、堆積源はSiH4であり、リン含有ドーピング源はPH3である。
【0236】
第1界面層2は酸化ケイ素層であり、その厚さは1nmであり、前記真性非晶質シリコン層の厚さは100nmである。
【0237】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は3×1021atoms/cm3である。
【0238】
ステップ3で、前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化する。
具体的には、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に厚さ20nmの酸化ケイ素層(即ち第1補助層)を形成し、その後短パルスレーザーを使用して第2領域上方の酸化ケイ素、第1ドープ層3及び第1界面層2をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0239】
ステップ4で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面に前記第1ドープ層3及び前記半導体基板1の第1ドープ層3で覆われていない表面を覆う酸化ケイ素層(即ち第2補助層)を形成し、その厚さは20nmである。
ステップ5で、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは、非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指し、第2ドープ層6は25nmであり、その場ドーピングによるホウ素含有ドープ物質はB2H6であり、それにより第2ドープ層6が形成される。続いて、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理(ピーク温度900℃、加熱時間30min)することで、第1ドープ層3中のリンをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1領域上の第2ドープ層6中のホウ素も第1ドープ層3中に拡散し、それにより第1領域上の対応する第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、第2領域上の対応する第2ドープ層6は第2ドープ層6のままであり、また、加熱処理の温度が高いため、前記非晶質シリコン層は多結晶シリコン層に変換される。前記第3ドープ層5中のいずれの領域も第1ドープ層3と同じ導電性である。
【0240】
前記第1ドープ層3内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0241】
前記第3ドープ層5内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0242】
前記第2ドープ層6の厚さは25nmであり、その中のホウ素のドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0243】
ステップ6で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7(厚さ15nmの酸化アルミニウム層)を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層(厚さ15nmの酸化アルミニウム層)を形成する。
【0244】
ステップ7で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。前記第1電極8及び第2電極9は両方とも銀電極である。
【0245】
前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例2
【0246】
本実施例における太陽電池は第2の太陽電池であり、以下のステップ1~ステップ9を含む。
【0247】
ステップ1で、半導体基板1を準備する。
p型シリコンウエハを半導体基板1として準備し、その厚さは200μmである。
【0248】
ステップ2で、前記半導体基板1の一側表面に第1ドープ層3を形成する。具体的には、LPCVDを使用して前記半導体基板1の一側表面に第1界面層2を形成し、使用温度は700℃であり、前記第1界面層2の前記半導体基板1とは反対側の表面にリンドープ非晶質シリコン層3を形成する。このリンドープ非晶質シリコンはその場ドーピングLPCVDにより形成され、堆積源はSiH4であり、リン含有ドーピング源はPH3である。
【0249】
第1界面層2は酸化ケイ素層であり、その厚さは1nmであり、前記真性非晶質シリコン層の厚さは100nmである。
【0250】
前記第1ドープ層3内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は3×1021atoms/cm3である。
【0251】
ステップ3で、前記第1ドープ層3を、一部を残すようにパターン化する。
具体的には、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面上に厚さ20nmの酸化ケイ素層(即ち第1補助層)を形成し、その後短パルスレーザーを使用して第2領域上方の酸化ケイ素、第1ドープ層3及び第1界面層2をエッチングによって除去し、それによりパターン化を完了し、第1領域の第1ドープ層3のみを残す。
【0252】
ステップ4で、前記第1ドープ層3の前記半導体基板1とは反対側の表面に前記第1ドープ層3及び前記半導体基板1の第1ドープ層3で覆われていない表面を覆う酸化ケイ素層(即ち第2補助層)を形成し、その厚さは20nmである。
ステップ5で、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは、非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指し、第2ドープ層6は25nmであり、その場ドーピングによるホウ素含有ドープ物質はB2H6であり、それにより第2ドープ層6が形成される。続いて、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理(ピーク温度900℃、加熱時間30min)することで、第1ドープ層3中のリンをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1領域上の第2ドープ層6中のホウ素も第1ドープ層3中に拡散し、それにより第1領域上の対応する第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、第2領域上の対応する第2ドープ層6は第2ドープ層6のままであり、また、加熱処理の温度が高いため、前記非晶質シリコン層は多結晶シリコン層に変換される。前記第3ドープ層5中のいずれの領域も第1ドープ層3と同じ導電性である。
【0253】
前記第1ドープ層3内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0254】
前記第3ドープ層5内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0255】
前記第2ドープ層6の厚さは25nmであり、その中のホウ素のドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0256】
ステップ6で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面にそれぞれ第2補助層を形成し、第3ドープ層5と前記第2ドープ層6の境界に近い部位が第2補助層で覆われていない。
【0257】
前記第2補助層は酸化ケイ素であってもよく、その厚さは20nmである。
【0258】
ステップ7で、短パルスレーザーを使用して前記第2補助層で覆われていない第3ドープ層5、第2ドープ層6及びその下方の第2界面層4をエッチングによって除去し、それにより半導体基板1を露出させ(露出した半導体基板1は隔離領域10と呼ばれる)、前記第3ドープ層5、第2界面層4、第1ドープ層3及び第1界面層2の前記隔離領域10に近い側面、隔離領域10の半導体基板1の表面、及び第2界面層4、第2ドープ層6に近い前記隔離領域10の側面が、1つの隔離領域10を形成し、前記隔離領域10の幅wは100μmである。
【0259】
エッチングステップ完了後、第2補助層を除去し、希フッ酸の酸液を用いて第2補助層を除去する。
【0260】
ステップ8で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7(厚さ15nmの酸化アルミニウム層)を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層(厚さ15nmの酸化アルミニウム層)を形成する。
【0261】
ステップ9で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。前記第1電極8及び第2電極9は両方とも銀電極である。
【0262】
前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例3
【0263】
実施例3と実施例2の相違点は次のとおりである。第2ドープ層6の厚さが異なり、本実施例における第2ドープ層6の厚さは50nmであり、前記第3ドープ層5において、一部の領域が第1ドープ層3と同じ導電性である。前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例4
【0264】
実施例4と実施例2の相違点は次のとおりである。第2ドープ層6の厚さが異なり、本実施例における第2ドープ層6の厚さは100nmであり、前記第3ドープ層5中の一部の領域が第1ドープ層3と同じ導電性である。前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例5
【0265】
実施例5と実施例2の相違点はステップ5にあり、実施例5のステップ5では、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面に厚さ25nmの非晶質シリコン層を形成し、ホウ素拡散により前記ホウ素を前記非晶質シリコン層内にドープし、ホウ素含有ドープ物質はBBr3であり、ホウ素拡散のピーク温度は900℃であり、加熱時間は30minであり、それにより第2ドープ層6が形成され、また、第1ドープ層3中のリンをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1領域上の第2ドープ層6中のホウ素も第1ドープ層3中に拡散し、それにより第1領域上の対応する第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、第2領域上の対応する第2ドープ層6は第2ドープ層6のままであり、また、ホウ素拡散処理の温度が高いため、前記非晶質シリコン層は多結晶シリコン層に変換される。前記第3ドープ層5中のいずれの領域も第1ドープ層3と同じ導電性である。
【0266】
前記第1ドープ層3内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0267】
前記第3ドープ層5内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0268】
前記第2ドープ層6の厚さは25nmであり、その中のホウ素のドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0269】
前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例6
【0270】
実施例6と実施例2の相違点は以下のとおりである。
ステップ5で、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピングLPCVDにより第2ドープ層6を形成し、その場ドーピングとは、非晶質シリコン堆積とドーピングを同時に完了することを指し、第2ドープ層6は25nmであり、その場ドーピングによるホウ素含有ドープ物質はB2H6であり、それにより第2ドープ層6が形成される。
【0271】
ステップ6で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面にそれぞれ第2補助層を形成し、第3ドープ層5と前記第2ドープ層6の境界に近い部位が第2補助層で覆われていない。
【0272】
前記第2補助層は酸化ケイ素であってもよく、その厚さは20nmである。
【0273】
ステップ7で、短パルスレーザーを使用して前記第2補助層で覆われていない第3ドープ層5、第2ドープ層6及びその下方の第2界面層4をエッチングによって除去し、それにより半導体基板1を露出させ(露出した半導体基板1は隔離領域10と呼ばれる)、前記第3ドープ層5、第2界面層4、第1ドープ層3及び第1界面層2の前記隔離領域10に近い側面、隔離領域10の半導体基板1の表面、及び第2界面層4、第2ドープ層6の前記隔離領域10に近い側面が、1つの隔離領域10を形成し、前記隔離領域10の幅wは100μmである。
【0274】
エッチングステップ完了後、第2補助層を除去し、希フッ酸の酸液を用いて第2補助層を除去する。
【0275】
ステップ8で、前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6を加熱処理(ピーク温度900℃、加熱時間30min)することで、第1ドープ層3中のリンをその上の第2ドープ層6中に拡散させ、第1領域上の第2ドープ層6中のホウ素も第1ドープ層3中に拡散し、それにより第1領域上の対応する第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、第2領域上の対応する第2ドープ層6は第2ドープ層6のままであり、また、加熱処理の温度が高いため、前記非晶質シリコン層は多結晶シリコン層に変換される。前記第3ドープ層5中のいずれの領域も第1ドープ層3と同じ導電性である。
【0276】
前記第1ドープ層3内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0277】
前記第3ドープ層5内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0278】
前記第2ドープ層6の厚さは25nmであり、その中のホウ素のドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0279】
ステップ9で、前記第3ドープ層5及び第2ドープ層6の前記第2界面層4とは反対側の表面に裏面パッシベーション層7(厚さ15nmの酸化アルミニウム層)を形成するとともに、前記半導体基板1の前記第1界面層2とは反対側の表面に前面パッシベーション層(厚さ15nmの酸化アルミニウム層)を形成する。
【0280】
ステップ10で、前記第3ドープ層5の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第1電極8を形成するとともに、前記第2ドープ層6の上方に前記裏面パッシベーション層7を貫通する第2電極9を形成する。前記第1電極8及び第2電極9は両方とも銀電極である。
【0281】
前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例7
【0282】
実施例7と実施例2の相違点は次のとおりである。第2ドープ層6の厚さが異なり、本実施例における第2ドープ層6の厚さは200nmであり、前記第3ドープ層5中の一部の領域が第1ドープ層3と同じ導電性である。
【0283】
前記太陽電池の性能は表1に示す。
実施例8
【0284】
実施例8と実施例2の相違点はステップ5にあり、実施例8におけるステップ5では、前記第2界面層4の前記半導体基板1及び第1ドープ層3とは反対側の表面にその場ドーピング方法によりホウ素含有多結晶シリコン層を形成し、その場ドーピング中にB2H6をドーピング源として使用し、形成された多結晶シリコンの厚さは100nmであり、それにより第2ドープ層6が形成される。続いて、レーザーを前記第1ドープ層3上方の第2ドープ層6の第1領域に局所照射する(レーザー処理のレーザーパワーは25Wであり、レーザーは波長532nmの緑色レーザー装置を用いる)ことで、第1ドープ層3中のリンをその上の第2ドープ層6の第1領域中に拡散させ、第1領域上の第2ドープ層6中のホウ素も第1ドープ層3中に拡散し、それにより第1領域上の対応する第2ドープ層6が第3ドープ層5に変換され、前記第3ドープ層5中のレーザー照射された領域の第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きく、その導電型が第1ドープ層3の導電型と同じであり、レーザー照射されていない第2領域上の対応する第2ドープ層6は第2ドープ層6のままであり、第1領域は第1電極領域であり、前記第3ドープ層5中の前記第1電極に接触する領域は第1ドープ層3と同じ導電性である。
【0285】
前記第1ドープ層3内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0286】
前記第3ドープ層5内のリンのピークドーピング濃度は2×1021atoms/cm3であり、ホウ素のピークドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0287】
前記第2ドープ層6の厚さは100nmであり、その中のホウ素のドーピング濃度は2×1019atoms/cm3である。
【0288】
前記太陽電池の性能は表1に示す。
【0289】
【0290】
結論:表1から分かるように、実施例1と実施例2の比較によると、電池上にp型領域とn型領域の間隔領域を形成して、p型とn型半導体領域を隔離するために使用することで、pn接合部位の再結合が低減され、横方向リークが低減され、開路電圧、曲線因子のいずれも一定向上する。
【0291】
実施例2と実施例5の比較によると、実施例5ではホウ素拡散でその場ドーピングによるホウ素拡散を代替し、ホウ素拡散の表面濃度がその場ドーピングによるホウ素の濃度より僅かに高いため、接触抵抗を低下させることができ、そのFFが一定向上し、開路電圧が僅かに低下し、効率が同様である。
【0292】
実施例2、実施例3、実施例4、実施例7の比較から分かるように、実施例3の効率が最も高い。その主な原因は次のとおりである。実施例2では、第2ドープ層が25nmであり、第3ドープ層が全てn型に反転するが、第2ドープ層が薄い(これも25nm)ので、第2ドープ層で第2電極の金属再結合を完全に遮断できないことから、開路電圧が実施例3より僅かに低くなり、実施例4では、第2ドープ層が100nmであり、第3ドープ層が底層のみn型に反転し、p型である頂層が依然として一部あり、第1電極が表層の第3ドープ層を貫通して底層のn型第3ドープ層に接触し、そのFFは実施例3より僅かに低い。実施例7では、第2ドープ層が200nmであり、第3ドープ膜層が厚いため、第1電極と第3ドープ膜層のn型底層部分の接触が不良であり、その曲線因子に影響を及ぼす。
【0293】
実施例2と実施例6の比較から分かるように、間隔領域を形成してから加熱することと、加熱してから間隔領域を形成することの間に大きな差異がなく、電気性能も同様である。
【0294】
実施例4と比較して、実施例8では、レーザーで電極領域中の加熱を継続するため、電極下方の頂層p型多結晶シリコン層が継続してn型へ変換され、第1電極とn型ドープ半導体とのより良好な接触が形成され、曲線因子が向上する。
【0295】
したがって、本開示に記載の太陽電池は、1回のみのパターン化、1回のみの高温熱処理が必要であり、該方法で製造されるドープ領域は、両極ともパッシベーションコンタクト構造であり、パッシベーション効果が高く、金属領域の再結合速度が大幅に低下し、それにより電池の効率が向上する。また、高温熱処理による熱損傷を低減することもできる。
【0296】
以上に本開示の実施形態を説明したが、本開示は上記の具体的な実施形態及び応用分野に限定されるものではなく、上記の具体的な実施形態は例示的で指導的なものに過ぎず、限定的なものではない。当業者であれば、本明細書の教示下で本開示の特許請求の範囲で請求される範囲から逸脱することなく、様々な形態が可能であり、それらはいずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0297】
1 半導体基板
2 第1界面層
3 第1ドープ層
4 第2界面層
5 第3ドープ層
6 第2ドープ層
7 裏面パッシベーション層
8 第1電極
9 第2電極
10 隔離領域
11 第3ドープ領域
12 第4ドープ領域
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を準備するステップと、
前記半導体基板の第1表面に第1ドープ層を形成するステップと、
前記第1ドープ層を、一部を残すようにパターン化するステップと、
前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面に加熱処理によって第3ドープ層を形成し、前記第1ドープ層で覆われていない半導体基板の第1表面に第2ドープ層を形成するステップと、を含み、
前記第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第1ドープ層と前記第2ドープ層が反対の導電型であり、
前記第3ドープ層における少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型であることを特徴とする、太陽電池の製造方法。
【請求項2】
第3ドープ層を形成する前に、前記第1ドープ層内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
19~5×10
21atoms/cm
3であることを特徴とする、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項3】
第3ドープ層を形成した後、前記第1ドープ層において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記第2ドーパントのドーピング濃度より大きくなり、
前記第3ドープ層において、少なくとも一部の領域の第1ドーパントのドーピング濃度が第2ドーパントのドーピング濃度より大きいことを特徴とする、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1ドープ層内の第1ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
19~3×10
21atoms/cm
3であり、
前記第2ドープ層において、前記第2ドーパントのピークドーピング濃度は1×10
19~3×10
19atoms/cm
3であり、
前記第3ドープ層内の少なくとも一部の領域中の第1ドーパントのピークドーピング濃度が1×10
20~5×10
20atoms/cm
3であることを特徴とする、請求項
3に記載の製造方法。
【請求項5】
第3ドープ層を形成した後に、
前記半導体基板の第1表面上における前記第2ドープ層と前記第1ドープ層の境界での第1ドープ層、第2ドープ層及び第3ドープ層をエッチングによって除去し、前記半導体基板の第1表面を露出させることで、前記第1ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置するようにするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
半導体基板を含み、前記半導体基板の第1表面に第1ドープ層及び第2ドープ層を有し、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面に第3ドープ層を有し、
前記第1ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第2ドープ層に第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層に第1ドーパント及び第2ドーパントが含まれ、
前記第3ドープ層中の少なくとも一部の領域が第1ドープ層と同じ導電型であり、
前記第1ドープ層と前記第2ドープ層が反対の導電型であることを特徴とする、太陽電池。
【請求項7】
前記第1ドープ層の厚さは50~300nmであり、
前記第3ドープ層と前記第2ドープ層は同じ厚さであり、いずれも150nm以下であることを特徴とする、請求項
6に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第3ドープ層の厚さdが30nm以下である場合、前記第3ドープ層における領域全体は第1ドープ層と同じ導電型であることを特徴とする、請求項
7に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第3ドープ層の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層に近い領域は、少なくとも一部の領域の導電性が前記第1ドープ層の導電型と同じであることを特徴とする、請求項
7に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記第3ドープ層の厚さが30nm<d≦150nmである場合、前記第3ドープ層において、前記第1ドープ層と同じ導電型の領域は厚さ方向に前記第3ドープ層を貫通することを特徴とする、請求項
7に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記第1ドープ層内において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで増加してから低下し、第2ドーパントのドーピング濃度は漸次低下することを特徴とする、請求項
6に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記第2ドープ層内において、第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで同じであることを特徴とする、請求項
6に記載の太陽電池。
【請求項13】
前記第3ドープ層内において、前記第1ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで漸次増加し、
前記第2ドーパントのドーピング濃度は前記半導体基板とは反対側の表面から前記半導体基板側の表面まで同じであることを特徴とする、請求項
6に記載の太陽電池。
【請求項14】
前記第3ドープ層は、前記第1ドープ層の前記半導体基板とは反対側の表面を覆うだけでなく、前記第2ドープ層に近い第1ドープ層の側面も覆い、且つ前記第1ドープ層の側面を覆う前記第3ドープ層は前記第2ドープ層と接触することを特徴とする、請求項
6に記載の太陽電池。
【請求項15】
第1界面層をさらに含み、前記第1界面層は前記半導体基板と前記第1ドープ層の間に位置し、及び/又は、
第2界面層をさらに含み、前記第2界面層は前記第1ドープ層の前記第1界面層とは反対側の表面からその側面に延在し、そして前記半導体基板の第1ドープ層で覆われていない部分を覆うように延在し、且つ前記第2ドープ層及び第3ドープ層はそれぞれ前記第2界面層の一側表面上に設けられ、及び/又は、
裏面パッシベーション層をさらに含み、前記裏面パッシベーション層は第3ドープ層及び第2ドープ層を覆うことを特徴とする、請求項
14に記載の太陽電池。
【請求項16】
前記第1ドープ層と前記第3ドープ層は同じ幅であり、前記第1ドープ層及び第3ドープ層と前記第2ドープ層の間に隔離領域が位置することを特徴とする、請求項
6に記載の太陽電池。
【請求項17】
第1界面層をさらに含み、前記第1界面層は前記半導体基板と前記第1ドープ層の間に位置し、及び/又は、
第2界面層をさらに含み、前記第2界面層は第1ドープ層と第3ドープ層の間、及び第2ドープ層と前記半導体基板の間に位置し、及び/又は、 裏面パッシベーション層をさらに含み、前記裏面パッシベーション層は第3ドープ層、隔離領域及び第2ドープ層を覆うことを特徴とする、請求項
16に記載の太陽電池。
【請求項18】
第1電極及び第2電極をさらに含み、前記第1電極は裏面パッシベーション層を貫通して前記第3ドープ層中の第1ドープ層と同じ導電型の領域に接触し、前記第2電極は前記裏面パッシベーション層を貫通して前記第2ドープ層に接触することを特徴とする、請求項
15又は
17のいずれか1項に記載の太陽電池。
【請求項19】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の方法によって製造されることを特徴とする、請求項
6から
18のいずれか1項に記載の太陽電池。
【国際調査報告】