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特表2024-544353ステントフレームの特徴を有するシステム、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ステントフレームの特徴を有するシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024557872
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022081354
(87)【国際公開番号】W WO2023114711
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/289,078
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524223493
【氏名又は名称】キャプスタン・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Capstan Medical Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100224627
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 稔
(72)【発明者】
【氏名】ノー,スペンサー シー
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,ダニエル ティー
(72)【発明者】
【氏名】ボイエット,ジェレミー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ,ピーター ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヘインズ,エブリン エヌ
(72)【発明者】
【氏名】マハフェイ,イアン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097DD12
4C097DD13
4C097EE10
4C097SB02
(57)【要約】
置換用心臓弁は、挿入バーブ、リング取り付け構造体、または取り付けタブを含む、1つまたは複数のステントフレームの特徴を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型ステントフレームを備え、
前記ステントフレームは、
潰れた構成および拡張構成と、
複数の縦方向支柱および複数の周方向支柱と、ここで、前記複数の縦方向支柱は、複数の縦方向スロットを備え、前記複数の縦方向スロットの各々は、前記複数の縦方向スロットの各々に突出する細長いバーブを備え、
中央内腔を有する管状内壁と
を備え、
前記置換用心臓弁は、第1壁の前記中央内腔に配置された置換リーフレット弁をさらに備える、置換用心臓弁。
【請求項2】
前記ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状をさらに備え、前記複数の閉じた形状の各々は、貫通開口を取り囲む内周を備える、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記複数の閉じた形状は、複数のリングを備える、請求項2に記載の弁。
【請求項4】
前記複数のリングは、円形または楕円形のリングである、請求項3に記載の弁。
【請求項5】
前記複数の閉じた形状は、複数の閉じたワイヤー形状を備え、前記閉じたワイヤー形状の各々は、端と端が溶接されたワイヤーセグメントを有する、請求項2に記載の弁。
【請求項6】
前記ワイヤーセグメントは、ワイヤー直径または最大ワイヤー横断面寸法を有する、請求項5に記載の弁。
【請求項7】
前記複数の閉じたワイヤー形状は、複数のステントフレーム開口に取り付けられ、前記複数のステントフレーム開口の各々は、前記ワイヤー直径の300%以下の開口直径、または最大ワイヤー横断面寸法の300%以下の最大開口横断面寸法を有する、請求項6に記載の弁。
【請求項8】
前記開口直径は、前記ワイヤー直径の150%以下である、または前記最大開口横断面寸法は、前記最大ワイヤー横断面寸法の150%以下である、請求項7に記載の弁。
【請求項9】
前記ステントフレームは、複数の縦方向支柱と複数の周方向支柱とをさらに備え、前記複数のステントフレーム開口は、前記縦方向支柱内に配置されている、請求項7に記載の弁。
【請求項10】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部に配置されている、請求項8に記載の弁。
【請求項11】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置されている、請求項8に記載の弁。
【請求項12】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から、前記開口直径の300%または前記最大開口横断面寸法の300%よりも長い距離だけ間隔を開けて配置されている、請求項11に記載の弁。
【請求項13】
前記一体型ステントフレームは、折り畳まれた二重壁を備え、
前記ステントフレームは、
開いた拡径領域、中間縮径領域、および閉じた拡径領域を有する外壁と、
前記外壁と前記内壁の間の移行壁と
をさらに備える、請求項2に記載の弁。
【請求項14】
前記ステントフレームに取り付けられた前記複数の閉じた形状は、前記ステントフレームの前記外壁に取り付けられた第1の複数の閉じた形状を備える、請求項13に記載の弁。
【請求項15】
前記ステントフレームに取り付けられた前記複数の閉じた形状は、前記ステントフレームの前記内壁に取り付けられた第2の複数の閉じた形状をさらに備える、請求項14に記載の弁。
【請求項16】
前記第1および第2の複数の閉じたステント形状の各々にスライド可能に取り付けられた送達ラインをさらに備える、請求項15に記載の弁。
【請求項17】
前記第1の複数の閉じたステント形状にスライド可能に取り付けられた送達ラインまたはループをさらに備える、請求項14に記載の弁。
【請求項18】
前記ステントフレームから縦方向に突出する複数の有茎半球タブをさらに備える、請求項2に記載の弁。
【請求項19】
潰れた構成および拡張構成と、中央内腔を有する管状内壁とを有する一体型ステントフレームと、
前記内壁の前記中央内腔に配置された置換リーフレット弁と
を備え、
前記置換リーフレット弁は、
前記ステントフレームの前記内壁に取り付けられた環状弁スカートと、
前記弁スカートに取り付けられた複数の弁尖と、ここで、前記複数の弁尖間に弁交連部が設けられており、
を備え、
前記管状弁スカートは、前記弁交連部の間に位置するカットアウトまたは開口を備える、置換用心臓弁。
【請求項20】
前記ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状をさらに備え、前記複数の閉じた形状の各々は、貫通開口を取り囲む内周を備える、請求項19に記載の弁。
【請求項21】
前記複数の閉じた形状は、複数のリングを備える、請求項20に記載の弁。
【請求項22】
前記複数のリングは、円形または楕円形のリングを備える、請求項21に記載の弁。
【請求項23】
前記複数の閉じた形状は、複数の閉じたワイヤー形状を備え、前記閉じたワイヤー形状の各々は、端と端が溶接されたワイヤーセグメントを有する、請求項22に記載の弁。
【請求項24】
前記ワイヤーセグメントは、ワイヤー直径または最大ワイヤー横断面寸法を有する、請求項23に記載の弁。
【請求項25】
前記複数の閉じたワイヤー形状は、複数のステントフレーム開口に取り付けられ、前記複数のステントフレーム開口の各々は、前記ワイヤー直径の300%以下の開口直径、または最大ワイヤー横断面寸法の300%以下の最大開口横断面寸法を有する、請求項24に記載の弁。
【請求項26】
前記開口直径は、前記ワイヤー直径の150%以下である、または前記最大開口横断面寸法は、前記最大ワイヤー横断面寸法の150%以下である、請求項25に記載の弁。
【請求項27】
前記ステントフレームは、複数の縦方向支柱と複数の周方向支柱とをさらに備え、前記複数のステントフレーム開口は、前記縦方向支柱内に配置されている、請求項25に記載の弁。
【請求項28】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部に配置されている、請求項26に記載の弁。
【請求項29】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置されている、請求項26に記載の弁。
【請求項30】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から、前記開口直径の300%または前記最大開口横断面寸法の300%よりも長い距離だけ間隔を開けて配置されている、請求項29に記載の弁。
【請求項31】
前記一体型ステントフレームは、折り畳まれた二重壁を備え、
前記ステントフレームは、
開いた拡径領域、中間縮径領域、および閉じた拡径領域を有する外壁と、
前記外壁と前記内壁の間の移行壁と
をさらに備える、請求項19に記載の弁。
【請求項32】
前記ステントフレームに取り付けられた前記複数の閉じた形状は、前記ステントフレームの前記外壁に取り付けられた第1の複数の閉じた形状を備える、請求項21に記載の弁。
【請求項33】
前記ステントフレームに取り付けられた前記複数の閉じた形状は、前記ステントフレームの前記内壁に取り付けられた第2の複数の閉じた形状をさらに備える、請求項32に記載の弁。
【請求項34】
前記複数の縦方向支柱内に配置された複数の縦方向スロットをさらに備え、
前記複数の縦方向スロットの各々は、前記複数の縦方向スロットの各々に突出する細長いバーブを備える、請求項19に記載の弁。
【請求項35】
前記第1および第2の複数の閉じたステント形状の各々にスライド可能に取り付けられた送達ラインをさらに備える、請求項33に記載の弁。
【請求項36】
前記第1の複数の閉じたステント形状にスライド可能に取り付けられた送達ラインをさらに備える、請求項32に記載の弁。
【請求項37】
前記ステントフレームから縦方向に突出する複数の有茎半球タブをさらに備える、請求項29に記載の弁。
【請求項38】
潰れた構成および拡張構成と、中央内腔を有する管状内壁とを有する一体型ステントフレームと、
前記内壁の前記中央内腔に配置された置換リーフレット弁と、
前記ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状と
を備え、
前記複数の閉じた形状の各々は、貫通開口を取り囲む内周を備える、置換用心臓弁。
【請求項39】
前記複数の閉じた形状は、複数のリングを備える、請求項38に記載の弁。
【請求項40】
前記複数のリングは、円形または楕円形のリングである、請求項39に記載の弁。
【請求項41】
前記複数の閉じた形状は、複数の閉じたワイヤー形状を備え、前記閉じたワイヤー形状の各々は、端と端が溶接されたワイヤーセグメントを有する、請求項38に記載の弁。
【請求項42】
前記ワイヤーセグメントは、ワイヤー直径または最大ワイヤー横断面寸法を有する、請求項41に記載の弁。
【請求項43】
前記複数の閉じたワイヤー形状は、複数のステントフレーム開口に取り付けられ、前記複数のステントフレーム開口の各々は、前記ワイヤー直径の300%以下の開口直径、または最大ワイヤー横断面寸法の300%以下の最大開口横断面寸法を有する、請求項42に記載の弁。
【請求項44】
前記開口直径は、前記ワイヤー直径の150%以下である、または前記最大開口横断面寸法は、前記最大ワイヤー横断面寸法の150%以下である、請求項43に記載の弁。
【請求項45】
前記ステントフレームは、複数の縦方向支柱と複数の周方向支柱とをさらに備え、前記複数のステントフレーム開口は、前記縦方向支柱内に配置されている、請求項43に記載の弁。
【請求項46】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部に配置されている、請求項44に記載の弁。
【請求項47】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置されている、請求項44に記載の弁。
【請求項48】
前記複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から、前記開口直径の300%または前記最大開口横断面寸法の300%よりも長い距離だけ間隔を開けて配置されている、請求項47に記載の弁。
【請求項49】
前記一体型ステントフレームは、折り畳まれた二重壁を備え、
前記ステントフレームは、
開いた拡径領域、中間縮径領域、および閉じた拡径領域を有する外壁と、
前記外壁と前記内壁の間の移行壁と
をさらに備える、請求項38に記載の弁。
【請求項50】
前記ステントフレームに取り付けられた前記複数の閉じた形状は、前記ステントフレームの前記外壁に取り付けられた第1の複数の閉じた形状を備える、請求項49に記載の弁。
【請求項51】
前記ステントフレームに取り付けられた前記複数の閉じた形状は、前記ステントフレームの前記内壁に取り付けられた第2の複数の閉じた形状をさらに備える、請求項50に記載の弁。
【請求項52】
前記第1および第2の複数の閉じたステント形状の各々にスライド可能に取り付けられた送達ラインまたはループをさらに備える、請求項51に記載の弁。
【請求項53】
前記第1の複数の閉じたステント形状にスライド可能に取り付けられた送達ラインをさらに備える、請求項50に記載の弁。
【請求項54】
前記複数の縦方向支柱内に配置された複数の縦方向スロットをさらに備え、
前記複数の縦方向スロットの各々は、前記複数の縦方向スロットの各々に突出する細長いバーブを備える、請求項38に記載の弁。
【請求項55】
前記ステントフレームから縦方向に突出する複数の有茎半球タブをさらに備える、請求項38に記載の弁。
【請求項56】
前記置換リーフレット弁は、
前記ステントフレームの前記内壁に取り付けられた環状弁スカートと、
前記弁スカートに取り付けられた複数の弁尖と、ここで、前記複数の弁尖間に弁交連が設けられた、
を備え、
前記管状弁スカートは、前記弁交連の間に位置するカットアウトまたは開口を備える、請求項38に記載の置換用心臓弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月13日に出願された「ステントフレームの特徴を有するシステム、装置、および方法」と題する米国仮特許出願第63/289078号の優先権を主張するものであり、この出願は、その全体および全ての目的について、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
この特許出願は、概して弁膜症の治療に関し、より具体的には低侵襲性僧帽弁置換術のための方法と装置に関する。
【0003】
心臓弁膜症は患者や医療システムにとって大きな負担であり、有病率は世界で2から3%であり、高齢化社会では有病率が増加している。弁膜症は、自己免疫、感染、および変性の原因を含む様々な病因によって生じることがある。弁膜症の疫学も罹患した弁によって異なり、リウマチ性心疾患は、世界的に一次性僧帽弁閉鎖不全症および僧帽弁狭窄症の原因であるが、先進国では左室機能障害による二次性僧帽弁疾患がより一般的である。
【0004】
米国心臓協会と米国心臓病学会による現在の臨床ガイドラインでは、外科的修復と弁置換が多くの僧帽弁治療の主流であるが、特定の患者集団には経カテーテル僧帽弁治療が推奨されている。AHA/ACCは、2017年版フォーカスアップデートおよび2014年版弁膜症患者管理ガイドラインにおいて、重症僧帽弁狭窄症に対する経皮的僧帽弁バルーン交連部切開術を推奨しており、および併存疾患のために手術の候補とならない、妥当な余命が期待できる重症一次性僧帽弁閉鎖不全症の特定の重症症候性患者に対する経カテーテル僧帽弁治療を推奨している。
【発明の概要】
【0005】
経カテーテル僧帽弁治療のさらなる成長は、より確立された経カテーテル大動脈弁治療と比較して、僧帽弁の解剖学的および生理学的な難しさによって困難である。例えば、開発中の僧帽弁置換治療術の中には、置換弁の外側の部分のシール性および固定性と、リーフレット弁の支持性との間で妥協しているものがある。他の治療法では、二部分置換弁構造体でこの難題に対処しようとしているが、これらの治療法は、送達失敗率が高かったり、経カテーテル送達には大きすぎたりする場合がある。
【0006】
これらの問題に対処するため、本明細書に記載された実施形態は、ステントカバーとステントの内腔に取り付けられたリーフレット弁とを有する、一体型の折り畳まれた二重壁ステントを備える置換用心臓弁に関する。二重壁ステント構造体は、保持構造体の形状が弁支持部の形状に与える影響を分離するか、軽減する。これには、心周期の間に弁輪を通して作用する外力と、円形でない弁輪形状の影響とが含まれる。二重壁ステント構造体は、弁支持部が生来の解剖学的構造に適合することなく、外側環状支持部とは異なるサイズと形状を持つことを可能にする。これにより、弁尖を支える内壁よりも外壁の方が縦方向の長さが短くなるため、心室収縮による流出路閉塞および/または機能障害のリスクを低減することができる。一体型設計は、接合、溶接、または機械的に接続された支持部品および/またはそれらの現場での取り付けの間の力の集中に関連する複雑さを低減することによって、より大きな構造的一体性を可能にできる。
【0007】
いくつかの変形例では、これによって拡張可能な弁を29F未満、例えば10mm未満、または24Fと29Fの間、または8mmと10mmとの間のサイズに収縮させることができる。心臓弁は、カテーテルまたは送達ツール上のマルチプーリー、縫合糸ベースのステント拘束アセンブリを用いて送達されてもよい。送達システムの遠位端に沿って固定されたガイド開口または構造体は、開口を通過する縫合糸を介してステントの外壁の遠位端および近位端を独立して拡張することを可能にする。内壁の拡張の制御は、外壁の拡張と同時に起こることもあり、独立して起こることもある。二重壁一体型設計は、弁支持部の形状を保持構造から分離しつつ、経カテーテル送達に適した折りたたみ性を提供することで、多部品構造体を有する弁よりも複雑さを低減する。
【0008】
一例では、折り畳まれた二重壁を有する一体型ステントフレームを備える置換用心臓弁が提供される。ステントフレームは、潰れた構成および拡張構成と、開いた拡径領域、中間縮径領域、および閉じた拡径領域を有する外壁と、中心内腔を有する管状内壁と、外壁と内壁との間の移行壁と、内壁の中心内腔に配置された置換リーフレット弁とを備える。一体型ステントフレームは、閉じた拡径領域と管状内壁との間に第1折り目をさらに備えてもよい。一体型ステントフレームは、閉じた拡大領域と開いた拡大領域との間に第2折り目をさらに備えてもよい。外壁は、拡張構成において、内壁の少なくとも70%を取り囲んでもよい。外壁と移行壁とは、潰れた構成において、内壁を完全に取り囲んでもよい。管状内壁は、潰れた構成から拡張構成に移行するときに、置換弁を取り囲む非短縮領域を備えてもよい。内壁は非短縮性の内壁であってもよく、外壁は短縮性の外壁であってもよい。第1折り目の曲率半径は、第2折り目の曲率半径よりも小さくてもよい。一体型ステントフレームは、複数の縦方向支柱を備えてもよく、各縦方向支柱は、内壁、移行壁。および外壁に沿って連続的に配置されている。いくつかの変形例では、複数の縦方向支柱の少なくとも1つ、または全てについて、内壁、移行壁、および外壁に位置する縦方向支柱の連続するセグメントは、同一平面上にある。縦方向支柱の連続するセグメントは、一体型ステントフレームの中央縦方向軸と同一平面上にあってもよい。複数の縦方向支柱は、複数の周方向支柱と一体的に形成されてもよい。いくつかの例では、少なくとも3つの周方向支柱は、外壁に配置されている。弁は、ステントカバーをさらに含んでいてもよく、ステントカバーは、外壁の外面上の第1領域と、外壁の開放端上の第2領域と、移行壁の外面上の第3領域と、内壁の内面上の第4領域と、内壁の開放端上の第5領域と、内壁の外面上の第6領域と、外壁の内面上の第7領域と、外壁の内面と内壁の外面との間の第8領域部分とを備える。第1、第2、および第3領域並びに第4の領域の一部は、第1布地構造体を備えてもよく、第4領域および第5領域の一部は、第2布地構造体を備えてもよく、第6、第7および第8領域は、第3布地構造体を備えててもよい。第1布地構造体および第3布地構造体は、第1布地材料を備えてもよく、第2布地構造体は、第1布地材料とは異なる第2布地材料を備えてもよい。第1布地材料は、第2布地材料よりも通気性が低くてもよく、薄くてもよい。複数の縦方向支柱および複数の周方向支柱は、セグメント化された環状断面形状を備えてもよく、内壁におけるセグメント化された環状断面形状の向きは、外壁におけるセグメント化された環状断面形状の向きと反対である。
【0009】
別の実施形態では、折り畳まれた二重壁を有する一体型ステントフレームを備える置換用心臓弁であって、ステントフレームは、開いた拡径領域、中間縮径領域、および閉じた拡径領域を有する外壁と、中央内腔を有する円筒状内壁と、外壁と内壁との間の移行面とを有し、置換用心臓弁は、内壁の中央内腔に配置された置換用リーフレット弁を備える、置換用心臓弁が提供される。一体型ステントフレームは、複数の縦方向支柱をさらに備えてもよく、各縦方向支柱は、移行面セグメントと縦方向内壁セグメントとに連続する縦方向外壁セグメントを備える。複数の縦方向支柱の少なくとも1つにおいて、縦方向外壁セグメント、移行面セグメント、および縦方向内壁セグメントは、連続的に同一平面にあってもよい。一体型ステントフレームは、中央縦方向軸を備えてもよく、複数の縦方向支柱の少なくとも1つのそれぞれの連続的に同一平面にある縦方向外壁セグメント、移行面セグメント、縦方向内壁セグメントは、中央長手方向軸と同一平面にある。いくつかの例では、複数の縦方向支柱のうちの隣接する縦方向支柱は、複数のシェブロン支柱を用いて周方向に形成されてもよい。複数の縦方向支柱の各々は、連続的に同一平面にある縦方向外壁セグメント、移行面セグメント、および縦方向内壁セグメントを備えてもよい。一体型ステントフレームは、外壁と移行面との間の移行接合部では相対的に小さい曲率半径を有し、移行面と内壁との間の移行接合部では相対的に大きい曲率半径を有してもよい。
【0010】
さらに別の例では、中央開口および中心軸を有し、拡張構成および収縮構成を備える一体型二重壁拡張可能ステントフレームを備えるステントを提供し得る。ステントフレームは折り畳まれたステントフレームであってもよい。折り畳まれたステントフレームは、外がえしステントフレームまたは内がえしステントフレームであってもよい。ステントフレームは、周方向内壁であって、内壁は、開放端、移行端、およびそれらの間の内表面および外表面を備える周方向内側壁と、周方向外壁であって、外壁は、開放端、移行端、およびそれらの間の内表面および外表面を備える周方向外側壁と、内壁および外壁の移行端の間の移行壁とを備えてもよい。ステントフレームの内壁は、収縮構成に対して拡張構成では非短縮であってもよい。ステントフレームは、内壁と外壁との間の環状空洞をさらに備えてもよく、空洞は、移行壁における環状閉鎖端と、内壁および外壁の開放端間の環状開放端とを備える。外壁は、外壁の端部領域における断面積と比較して、拡張構成において減少した断面積を有する中間領域を備えてもよい。内壁は、円筒形状または円錐台形状を有してもよい。収縮構成では、外壁の内表面は、内壁の外表面の近くに間隔を空けて配置されてもよく、拡張構成では、外壁の内表面は、収縮構成に対して、内壁の外表面から縦方向遠位に間隔を空けて配置されている。ステントフレームは、内壁および外壁の移行端が部分的に拡張構成にあり、内壁および外壁の開放端が部分的に収縮構成にある第1送達構成をさらに備えてもよい。移行壁は、拡張構成では中心軸に対して横方向の向きを有してもよく、収縮構成では中心縦方向軸に対して縦方向の向きを有し、内壁に対して径方向外側の位置を有してもよい。ステントフレームは、内壁の移行端における大きい曲率半径に対して、外壁の移行端において小さい曲率半径を有してもよく、または、外壁の移行端における小さい曲率半径に対して、外壁の開放端と移行端との間で大きい曲率半径を有してもよい。ステントフレームは、複数の縦方向支柱を備え、各縦方向支柱は、移行壁セグメントを介して縦方向内側壁セグメントと連続し、径方向に整列した縦方向外側壁セグメントを備える。複数の縦方向支柱のうち隣接する縦方向支柱は、複数のシェブロン支柱を介して周方向に間隔をあけて配置されてもよい。複数のシェブロン支柱の各シェブロン支柱は、第1および第2脚を備えてもよく、各脚は、隣接する縦方向支柱の一方と一体的に形成された基端部と、他方の脚の遠位端と一体的に形成された遠位端とを備える。第1および第2脚の一体的に形成された遠位端は、ヘアピン構成を備えてもよい。複数のシェブロン支柱の少なくともいくつかは、各シェブロン支柱が一体的に形成されており、隣接する縦方向支柱セグメントによって画定される接線平面に向いてもよい。複数のシェブロン支柱の少なくとも1つは、接線平面から径方向に面外に向いていてもよい。面外シェブロン支柱は、外壁において隣接する縦方向支柱と一体的に形成されてもよく、ヘアピン構成はステントフレームの縮径領域に突出し、外壁の移行端に向かって尖っている。いくつかの変形例では、内壁に縫合されたリーフレット弁をさらに備えてもよい。複数のシェブロン支柱は、起伏のある複数の周方向支柱を備えてもよい。ステントは、外壁の外面の一部、外壁の開放端、および外壁の内面の一部を覆う外側カフを備える第1布地カバーと、外壁の外面の一部、移行壁、および内壁の内面の一部を覆う第2布地カバーとを備えてもよい。内壁の開放端は、中心縦方向軸に沿って外壁の開放端からオフセットされていてもよい。
【0011】
さらに別の実施形態では、折り畳まれた二重壁の砂時計形状を有する一体型ステントフレームを備える置換用心臓弁であって、ステントフレームは、砂時計形状を有する外壁であって、砂時計形状は、開放拡径領域、中間縮径領域、および閉鎖拡径領域を含む外壁と、中心内腔を有する非短縮管状内壁と、外壁と内壁との間の移行壁とを備え、置換用心臓弁は、内壁の中心内腔に配置された置換リーフレット弁を備える、置換用心臓弁が提供される。
【0012】
別の例では、この方法は、送達カテーテルを、弁と、一体型の折り畳まれた二重壁弁フレームの中央開口を通して挿入し、第1保持アセンブリを弁フレームの内壁に解放可能に取り付け、第2保持アセンブリを弁フレームの外壁に解放可能に取り付け、第1保持アセンブリに張力をかけて弁フレームの内壁をデリバリーカテーテル上に折り畳み、第2保持アセンブリに張力をかけて弁フレームの外壁を弁フレームの内壁上に折り畳むことを含む、心臓弁送達システムを使用する方法が提供される。弁フレームの外壁を折り畳むことは、カテーテルの遠位端に向かって弁フレームの外壁を遠位側に張力をかける、引き伸ばす、または引っ張ることを備えてもよい。本方法は、送達カテーテルの送達シースを折り畳んだ弁の上でスライドさせることをさらに備えてもよい。
【0013】
別の例では、折り畳まれた心臓弁アセンブリを含む送達デバイスを、生来の僧帽弁を横切って、直交し、中心合わせされた姿勢で位置決めし、ここで、心臓弁アセンブリは、一体型の折り畳まれたステントと、取り付けられた弁尖とを備え、送達装置のシースを後退させて、折り畳まれた心臓弁を露出させ、左心房で一体型の折り畳まれたステントの外壁の心房端を拡張させ、左心室で一体型の折り畳まれたステントの外壁の心室端を拡張させ、一体型折り畳敷きステントの内壁を拡張させ、一体型の折り畳まれた心臓弁を送達装置から解放する、ことを含む、僧帽弁置換術を実施するための方法が提供される。本方法はさらに、大腿静脈にアクセスし、大腿静脈を通って右心房まで経中隔穿刺装置を挿入し、心房内中隔を穿刺し、大腿静脈を通って左心房まで折り畳まれた心臓弁アセンブリを有する送達装置を挿入することを備えてもよい。いくつかのさらなる例では、外壁の心房端の拡張と外壁の心室端の拡張とは、少なくとも部分的に同時に起こってもよい。外壁の心房端の拡張と内壁の拡張は、少なくとも部分的に同時に起こってもよい。本方法は、心房内中隔を拡張することをさらに含んでいてもよい。代替的には、本方法は、胸壁を通して左胸腔にアクセスすし、左心室の心尖部で心臓組織を穿刺し、胸壁から左心室内に経胸的に、折り畳まれた心臓弁アセンブリを有する送達デバイスを挿入することをさらに含んでいてもよい。後者の方法では、一体型の折り畳まれたステントの開放端は、送達装置上の遠位端を有する一体型の折り畳まれたステントの移行端に対して、送達装置上の近位端を有してもよい。さらに別のさらなる実施形態では、本方法は、大腿動脈にアクセスし、大腿動脈および大動脈弓を通って左心室内に、折り畳まれた心臓弁アセンブリを有する送達デバイスを挿入することをさらに含んでもよい。
【0014】
一実施形態では、一体型ステントフレームを備える置換用心臓弁であって、ステントフレームは、潰れた構成および拡張構成と、中央内腔を有する管状内壁とを有し、置換用心臓弁は、内壁の中央内腔に配置された置換リーフレット弁と、ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状とを備え、複数の閉じた形状の各々は、貫通開口を取り囲む内周を有する、置換用心臓弁が提供される。複数の閉じた形状は、複数のリングを備えてもよい。複数のリングは、円形または楕円形のリングである。前記複数の閉じた形状は、複数の閉じたワイヤー形状を備え、閉じたワイヤー形状の各々は、端と端が溶接されたワイヤーセグメントを備える。ワイヤーセグメントは、ワイヤー直径または最大ワイヤー横断面寸法を備えてもよい。複数の閉じたワイヤー形状は、複数のステントフレーム開口に取り付けられてもよく、複数のステントフレーム開口の各々は、ワイヤー直径の300%以下の開口直径、または最大ワイヤー横断面寸法の300%以下の最大開口横断面寸法を有する。開口直径は、ワイヤー直径の150%以下であってもよく、または最大開口横断面寸法は、最大ワイヤー横断面寸法の150%以下であってもよい。
【0015】
ステントフレームは、複数の縦方向支柱と複数の周方向支柱とをさらに備えてもよく、複数のステントフレーム開口が縦方向支柱内に配置される。複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部に配置されてもよく、および/または、縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置されてもよい。複数のステントフレーム開口が縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置される場合、間隔距離は、開口直径の300%または最大開口横断面寸法の300%より大きくてもよい。一体型ステントフレームは、折り畳まれた二重壁を備えてもよく、ステントフレームは、開放拡径領域、中間縮径領域、および閉鎖拡径領域を有する外壁と、外壁と内壁との間の移行壁とをさらに備える。ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状は、ステントフレームの外壁に取り付けられた第1の複数の閉じた形状、および/またはステントフレームの内壁に取り付けられた第2の複数の閉じた形状を備えてもよい。弁は、第1および第2の複数の閉じたステント形状の各々にスライド可能に取り付けられた送達ラインを備えてもよい。弁は、第1の複数の閉じたステント形状にスライド可能に取り付けられた送達ラインまたはループをさらに備えてもよい。弁は、縦方向支柱内に配置された複数の縦方向スロットをさらに備えてもよく、複数の縦方向スロットの各々は、複数の縦方向スロットの各々に突出する細長いバーブを備える。弁は、ステントフレームから縦方向に突出した複数の有茎半球タブをさらに備えてもよい。置換リーフレット弁は、ステントフレームの内壁に取り付けられた管状の弁スカートと、間に弁交連部を有する複数の弁尖とを備えてもよく、複数の弁尖は弁スカートに取り付けられており、管状の弁スカートは、弁口連部の間に位置するカットアウトまたは開口を備える。
【0016】
別の変形例では、一体型ステントフレームを備える置換用心臓弁であって、ステントフレームは、潰れた構成および拡張構成と、複数の縦方向支柱および複数の周方向支柱とを備え、複数の縦方向支柱は、複数の縦方向スロットを備え、複数の縦方向スロットの各々は、複数の縦方向スロットの各々に突出する細長いバーブを備え、ステントフレームは、中央内腔を有する管状内壁を備え、置換用心臓弁は、第1壁の中央内腔に配置された置換リーフレット弁を備える、置換用心臓弁が提供される。弁は、ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状をさらに備えてもよく、複数の閉じた形状の各々は、貫通開口を取り囲む内周を備える。複数の閉じた形状は、複数のリングを備えてもよい。複数のリングは、円形または楕円形のリングであってもよい。複数の閉じた形状は、複数の閉じたワイヤー形状を備え、閉じたワイヤー形状の各々は、端と端が溶接されたワイヤーセグメンを備える。ワイヤーセグメントは、ワイヤー直径または最大ワイヤー横断面寸法を備えてもよい。複数の閉じたワイヤー形状は、複数のステントフレーム開口に取り付けられてもよく、複数のステントフレーム開口の各々は、ワイヤー直径の300%以下の開口直径、または最大ワイヤー横断面寸法の300%以下の最大開口横断面寸法を有する。開口直径は、ワイヤー直径の150%以下であってもよく、または最大開口横断面寸法は、最大ワイヤー横断面寸法の150%以下であってもよい。ステントフレームは、複数の縦方向支柱と、複数の方向支柱とをさらに備えてもよく、複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱内に配置される。複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部に配置されてもよく、および/または縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置されてもよい。複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から、開口直径の300%または最大開口横断面寸法の300%よりも大きい距離だけ間隔を開けて配置されてもよい。一体型ステントフレームは、折り畳まれた二重壁を備えてもよく、ステントフレームは、開放拡径領域、中間縮径領域、および閉鎖拡径領域を有する外壁と、外壁と内壁との間の移行壁とをさらに備える。ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状は、ステントフレームの外壁に取り付けられた第1の複数の閉じた形状を備えてもよい。ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状は、ステントフレームの内壁に取り付けられた第2の複数の閉じた形状をさらに備えてもよい。弁は、第1および第2の複数の閉じたステント形状の各々にスライド可能に取り付けられた送達ラインまたはループをさらに備えてもよい。弁は、第1の複数の閉じたステント形状にスライド可能に取り付けられた送達ラインをさらに備えてもよい。弁は、ステントフレームから縦方向に突出する複数の有茎半球タブをさらに備えてもよい。
【0017】
別の実施形態では、一体型ステントフレームを備える置換用心臓弁であって、ステントフレームは、潰れた構成および拡張構成と、中央内腔を有する管状内壁とを備え、置換用心臓弁は、内壁の中央内腔に配置された置換リーフレット弁を備え、置換リーフレット弁は、ステントフレームの内壁に取り付けられた管状弁スカートと、弁交連部を間に有する複数の弁尖とを備え、複数の弁尖は、弁スカートに取り付けられ、管状弁スカートは、弁交連部の間に配置されたカットアウトまたは開口を備える、置換用心臓弁が提供される。弁は、ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状を備えてもよく、複数の閉じた形状の各々は、貫通開口を取り囲む内周を備える。複数の閉じた形状は、複数のリングを備える。複数のリングは、円形または楕円形のリングを備えてもよい。複数の閉じた形状は、複数の閉じたワイヤー形状を備えてもよく、閉じたワイヤー形状の各々は、端と端とが溶接されたワイヤーセグメントを備える。ワイヤーセグメントは、ワイヤー直径または最大ワイヤー横断面寸法を備えてもよい。複数の閉じたワイヤー形状は、複数のステントフレーム開口に取り付けられてもよく、複数のステントフレーム開口の各々は、ワイヤー直径の300%以下の開口直径、または最大ワイヤー横断面寸法の300%以下の最大開口横断面寸法を有する。開口直径は、ワイヤー直径の150%以下であってもよく、または最大開口横断面寸法は、最大ワイヤー横断面寸法の150%以下であってもよい。ステントフレームは、複数の縦方向支柱と複数の周方向支柱とをさらに備えてもよく、複数のステントフレーム開口は縦方向支柱内に配置される。
【0018】
複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部に配置されてもよく、および/または縦方向支柱の端部から間隔を開けて配置されてもよい。複数のステントフレーム開口は、縦方向支柱の端部から、開口直径の300%または最大開口横断面寸法の300%よりも大きい距離だけ間隔を開けて配置されてもよい。一体型ステントフレームは、折り畳まれた二重壁を備えてもよく、ステントフレームは、開放拡径領域、中間縮径領域、および閉鎖拡径領域を有する外壁と、外壁と内壁との間の移行壁とをさらに備える。ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状は、ステントフレームの外壁に取り付けられた第1の複数の閉じた形状を備えてもよい。ステントフレームに取り付けられた複数の閉じた形状は、ステントフレームの内壁に取り付けられた第2の複数の閉じた形状をさらに備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A図1Aは、心臓弁ステントの一実施形態の模式的な側面図である。
図1B図1Bは、心臓弁ステントの一実施形態の模式的な平面図である。
図1C図1Cは、外壁の一部を省略した図1Aの心臓弁ステントの部分断面図である。
図1D図1Dは、図1Bの模式的な断面図である。
図1E図1Eは、外壁を除いた心臓弁ステントの内壁の模式的な断面図である。
図1F図1Fは、内壁を除いた心臓弁ステントの外壁の模式的な断面図であり、図1Fは、図1Bの模式的な断面図である。
図1G図1Gは、図1Aの2本の縦方向支柱の模式的な構成図である。
図1H図1Hは、短い外壁を有する心臓弁ステントの変形例の模式的な側面図である。
図2A図2Aは、例示的な折り畳まれたステント構造体の外壁における支柱の断面構成を模式的に示している。
図2B図2Bは、例示的な折り畳まれたステント構造体の内壁における支柱の断面構成を模式的に示している。
図3A図3Aは、別の例示的な折り畳まれたステント構造体の外壁における支柱の断面構成を模式的に示している。
図3B図3Bは、別の例示的な折り畳まれたステント構造体の内壁における支柱の断面構成を模式的に示している。
図4A図4Aは、様々な例示的な支柱の構成を示す。
図4B図4Bは、様々な例示的な支柱の構成を示す。
図4C図4Cは、様々な例示的な支柱の構成を示す。
図5A図5Aは、リーフレット弁とスカートとが取り付けられた心臓弁ステントの別の実施形態の模式的な側面図である。
図5B図5Bは、図5Aの心臓弁ステントの模式的な底部斜視図である。
図5C図5Cは、図5Aの心臓弁ステントの模式的な上部斜視図である。
図5D図5Dは、図5Cのカフ構造体の変形例の模式的な上部斜視図である。
図6A図6Aは、心臓弁ステントと共に使用するためのスカート構造体の上部斜視図である。
図6B図6Bは、心臓弁ステントと共に使用するためのスカート構造体の上面図である。
図6C図6Cは、心臓弁ステントと共に使用するためのスカート構造体の側面図である。
図6D図6Dは、図6A図6Cのスカート構造の断面図である。
図7A図7Aは、移植された心臓弁の心房/上面図である。
図7B図7Bは、移植された心臓弁の心室/底面図である。
図8A図8Aは、心臓弁ステントおよび送達システムの展開手順の例示的な図の模式的な断面図である。
図8B図8Bは、心臓弁ステントおよび送達システムの展開手順の例示的な図の模式的な断面図である。
図8C図8Cは、心臓弁ステントおよび送達システムの展開手順の例示的な図の模式的な断面図である。
図8D図8Dは、心臓弁ステントおよび送達システムの展開手順の例示的な図の模式的な断面図である。
図8E図8Eは、心臓弁ステントおよび送達システムの展開手順の例示的な図の模式的な断面図である。
図9A図9Aは、ステント構造体の開口に配置された様々な取付けリングを示す。
図9B図9Bは、ステント構造体の開口に配置された様々な取付けリングを示す。
図9C図9Cは、ステント構造体の開口に配置された様々な取付けリングを示す。
図10図10は、ステント構造体に結合された他の例示的な取り付けリングを示す。
図11A図11Aは、平坦位置にある挿入バーブを有するステント構造体の模式的な構成図である。
図11B図11Aは、伸展位置にある挿入バーブを有するステント構造体の模式的な構成図である。
図11C図11Cは、図11Aおよび図11Bのバーブを備えたステントフレームの側面図である。
図11D図11Dは、取り付けタブを備えた変形例の模式的な構成図である。
図12A図12Aは、径方向に向いたアイレットを備える置換弁およびステント構造体の別の実施形態を示す。
図12B図12Bは、径方向に向いたアイレットを備える置換弁およびステント構造体の別の実施形態を示す。
図13A図13Aは、部分的に回転したアイレットを備える置換弁およびステント構造体の別の実施形態を示す。
図13B図13Bは、部分的に回転したアイレットを備える置換弁およびステント構造体の別の実施形態を示す。
図14A図14Aは、内壁と外壁にアイレットとリングを設けた実施形態を示す。
図14B図14Bは、内壁と外壁にアイレットとリングを設けた実施形態を示す。
図15図15は、挿入バーブ、アイレット、および弁スカート開口またはカットアウトを備える置換用心臓弁の別の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書における実施形態は、リーフレット弁アセンブリに取り付けられる管状内腔を提供する内壁を有する二重壁の折り畳まれたステント構造体に向けられている。内壁は、周囲の自然弁解剖学的構造をシールおよび/または固定するように構成されるが、移行壁を介して内壁と連続している管状外壁から間隔を空けて配置されている。移行壁は、単一の管状構造体を二重壁一体型管状ステントフレームまたは構造体に折り畳んだり、内がえししたり、外がえししたりすることによって生じてもよい。ステントは、カテーテルに装填し、標的の解剖学的部位に送達するために、可逆的に縮径または小断面形状に潰され、その後、移植部位で再拡張するように構成されている。
【0021】
さらなる実施形態では、折り畳まれたステント構造体は、外壁の断面サイズが縮小された中間領域を有する形状にされてもよく、これにより、所望の解剖学的部位を横切って構造体を容易に固定することができる。直径または寸法が縮小された中間領域は、本来の弁尖および/または解剖学的開口に対して拡張するように構成される一方、端部領域の拡大された直径または寸法は、変位に対する機械的干渉または抵抗を提供する。ステント構造体の移行壁は、内腔への流体の流入および置換弁尖を通る流体の流入を促進する一方で、弁を変位させたり押しのけたりする乱流および/または血行力学的な力を低減するように構成されてもよい。例えば、移行壁は、外壁と内壁の間に向いた、すなわちステント構造体の縦方向軸に対して直交する向きの移行壁と比較して、流れを改善するか、または移行壁に作用するピーク力を減少させるために、外壁から内壁に向かって径方向内側に角度を付けられるか、またはテーパーを付けられてもよい。
【0022】
本明細書に記載される例示的な実施形態のいくつかは、僧帽弁の経カテーテル置換に向けられているが、本明細書の構成要素および構造は、いかなる特定の弁または送達方法にも限定されず、三尖弁、肺動脈弁、大動脈弁の部位での移植、ならびに非心臓の部位、例えば、大動脈、静脈系もしくは脳脊髄液系、または生来のもしくは人工の導管、ダクトもしくはシャントへの移植にも適応され得る。本明細書で使用されるように、構成要素の第1端または上端への空間的参照は、構成要素が占める解剖学的空間および/または流体の流れの相対的方向によっても特徴付けられ得る。例えば、置換僧帽弁の折り畳まれたステント構造体の第1端または上端は、弁の心房端または上流端として参照されることがあり、反対側の端は弁の心室端または下流端として参照されることがある。
【0023】
ステント構造体100の例示的な実施形態は、図1A-1Gに、拡張された構成で示されている。ステント構造体100は、内壁104によって形成された内腔102を備える。外壁106は、移行壁108を介して内壁104から径方向に離間しており、環状空洞110を形成している。ステント構造体100は、移行壁108に位置する第1の閉鎖端112と、外壁106の第2の開放端114とを有し、環状空洞110は開放されてアクセス可能である。
【0024】
内腔102は、移行壁108に囲まれた第1開口116と、ステント構造体100の第2の開放端114に設けられた第2開口118とを備える。内腔102の縦方向軸120,320は、典型的にはステント構造体100の中心軸と一致するが、いくつかの変形例では、内腔がステント構造体の外壁に対して偏心して配置されてもよい。内腔102は、典型的には、図1Aから図1Dに示されているように、第1開口116と第2開口118との間で概ね円筒形状の円形断面形状を備える。他の例では、内腔は、円錐台形状、楕円形状、または多角形状を備えてもよい。いくつかの変形例では、ステント構造体は、第1および第2開口のサイズおよび/または形状が異なる内腔を備えてもよい。内腔102の長さは、10mmから50mm、15mmから40mm、または20mmから25mmの範囲内であってもよく、その縦方向の長さに沿った内腔の直径または最大断面寸法は、15mmから40mm、20mmから30mm、または25mmから30mmの範囲内であってもよい。内腔が非円筒形状を有する実施形態では、第1開口116と第2開口118との直径または断面寸法の差は、1mmから10mm、1mmから5mm、または1mmから3mmの範囲内であってもよい。
【0025】
ステント構造体100全体に対する内腔102の第1および第2開口116,118の位置は、変化し得る。いくつかの変形例では、図1A図1Gに描かれているように、内腔102の第1開口116は、第1端部112に対して凹んでいてもよい。他の例では、第1開口は、ステント構造体の第1端移行壁と概ね面一であってもよい。第1開口116の位置は、図1Gに描かれているように、内壁104または内腔102と移行壁108との間の内側接合部122の縦方向位置に対して、または移行壁108と外壁106との間の外側接合部124に対して、凹んでいる、面一である、または突出していることを特徴としてもよい。同様に、内腔102の第2開口118は、外壁106の外側開口126の縦方向の位置に対して、凹んでいる、面一である、または突出していることを特徴としてもよい。例えば、ステント構造体100では、内腔102の第2開口118は、外壁106の外側開口126に対してオフセットまたは突出した配置を有する。いくつかの変形例では、小さいサイズの自然弁の解剖学的構造に対応するためにより小さいまたは短い外壁が好ましい変形例において、内腔は、外壁の第2開口に対して突出してもよい。しかしながら、内腔サイズは、一貫した弁形状および/または血行力学的特性を提供するために、異なるサイズバリエーション間で比較的同じサイズのままであってもよい。
【0026】
ステント構造体100の移行壁108は、拡張された構成では内腔102を取り囲む概ね環状で僅かにテーパーした形状を有するが、他の変形例では異なる形状および/または表面角度を有してもよい。例えば、図1Gを参照すると、断面における移行壁108は、内側接合部122と外側接合部124との間に概ね直線的な形状を備えてもよく、他の変形例では、湾曲した形状、例えば、凹形状または凸形状を備えてもよい。他の変形例では、移行壁は、内腔の縦方向軸に対して概ね直交する角度を有していてもよい。図1Gを再度参照すると、ステント構造100の移行壁108は、内腔102の縦方向軸120に対して外側鋭角128を形成してもよい。角度128は、+45度から+89度、+75度から+89度、または+81度から+85度の範囲内であってもよく、±1度、±2度、±3度、または±4度の範囲で任意に変動してもよい。他の変形例では、移行壁の角度は、-45から+45度、-75から+75度、または-85から+85度の範囲内であってもよい。
【0027】
先に述べたように、いくつかの実施形態では、ステント構造体100の外壁106は、拡張した構成にあるとき、非円筒形状を有する。外壁106は、移行壁108と連続し、外側に凸形状を有する第1端部領域140と、外側開口126を形成する第2端部領域142を備えてもよい。図示のように、内壁104の上部領域と移行壁108との間の内側接合部122は、湾曲部の内側曲率に沿った第1または上部内側曲率半径R1と、第1または上部内側曲げ角度A1とを有してもよい。曲げ角度は、曲げ部が直線セグメントまたは別の曲げ部に移行する点の間の、曲率半径の中心からの曲げ部の弧長によって定義される角度である。移行壁308と外壁106の上部領域との間の外側接合部124は、第2または上部外側曲率半径R2および第2または上部外側曲げ角度A2とを有してもよい。外壁108の中間領域は、第3または中間曲率半径R3と、第3または中間曲げ角度A3とを有してもよく、外壁108の下部領域は、第4または下部曲率半径R4と、第4または下部曲げ角度A4とを有してもよい。
【0028】
図1Gに示すように、第1および第2曲率半径R1,R2の中心点はステント100の環状空洞110内に位置してもよく、第3曲率半径R3は、外壁108の外部に位置してもよく、第4曲率半径R4は、サイズに応じて、同側の環状空洞110、内腔102、対側の環状空洞110b内に位置してもよい。
【0029】
ステント構造体の曲率半径と曲げ角度は、拡張された構成におけるステントの形状を規定するために使用されるだけでなく、送達構成または潰れた構成におけるステントの形状にも影響する。ステントの領域またはセグメントは、ステントが送達または潰れた構成のために折り畳まれるときに、領域またはセグメントでのステントの折り畳みを容易にするために、曲率半径を小さく、および/または曲げ角度を大きく構成されてもよい。より大きな曲率半径またはより小さな曲げ角度は、送達構成または潰れた構成のために、領域またはセグメントを容易に直線化するために提供されてもよい。例えば、ステント構造体100では、曲率半径R1が比較的小さいと、内側接合部122でのステント構造体を容易に折り畳むまたは潰すことができ、曲率半径R2が大きいと、送達システム内への装置の送達または装填中に第1端部領域140の平坦化が容易になる。したがって、折り畳まれた構成では、移行壁108は内側接合部122でさらに折り曲げられ、内壁104の周りに折り畳まれる。また、外壁106は、内壁104の周りで潰れるが、移行壁108の周りでは潰れない。同様に、外壁106の中間領域142および第2端部領域144にも、より大きな曲率半径R3およびR4を設けてもよく、これにより、中間領域142の凹形状および第2端部領域144の凸形状が平坦化され、外壁106が潰れ易くなる。したがって、ステント100が潰れた構成である場合、内壁104は、外壁106および移行壁108に対して径方向内側に位置する。外壁106および移行壁108は、シース、カプセル、または送達システムの外壁と接触し、内壁104は、内側コアまたはカテーテル内壁と接触する可能性がある。他の実施形態では、ステント構造体は、潰れた構成において、移行壁が送達装置に対して近位側に潰れ、内壁104に対しては潰れず、外壁106が内壁104と移行壁108の両方に対して潰れるように、相対的に大きい曲率半径R1と相対的に小さい曲率半径R2とを備えてもよい。
【0030】
いくつかの変形例では、ステントの形状は、拡張構成でのステントの1つ以上の相対的な特性によって特徴付けられてもよい。例えば、ステント100は、A3>A1およびA3>A2およびA3>A4および/またはR1<R2<R3<R4、R1<R2≒R3≦R4、R1<R2≒R3≒R4、またはR1<R2≦R3≦R4として特徴付けられてもよい。
【0031】
その他のステントの変形例は、以下を含んでもよい。
1) R2<R1<R3<R4
2) R2<R1≒R3<R4
3) R2<R1≒R3≒R4
4) R4>R1≒R2
5) R4>R1≒R2>R3
6) A2:A1の比率が1から3、1.5から2.5、または1.8から2.2の範囲
7) A3:A4の比率が1から4、1.5から3.0、または2.2から2.4の範囲
8) A2:A4の比率が2から4、2.5から3.5、または2.8から3.2の範囲
【0032】
本明細書におけるステント構造は、図1Aから図1Gに示されているように、一体的に形成された複数のステント支柱セグメントをさらに備えている。いくつかの支柱は、一般に、ステント構造体の縦方向軸が存在する径方向平面内に存在する縦方向支柱セグメント130a,130b,130c、または、縦方向支柱130a,130b,130c,132a,132b,132cと一体的に形成される横方向支柱セグメント134a,134b,134cとして特徴付けられてもよく、ここで、2つの縦方向支柱130,132は、それぞれ、異なる隣接する径方向平面に横たわっている。図1Gに描かれているように、等間隔に離間した偶数の縦方向支柱を有する実施形態では、各径方向平面150は、ステント構造体100の縦方向軸120と、ステント構造体100の両側に位置する2つの縦方向支柱130,136とを含むことになる。縦方向および横方向支柱セグメントは、さらにグループ化することもでき、縦方向支柱セグメントのグループは、内壁104の移行壁108および/または外壁106の縦方向支柱130,132の連続する長さを形成するために、同じ径方向平面に横たわる。
【0033】
図1Hは、外壁152の縦方向の長さが短く、したがってより多くの内壁154が外壁152の開放端156から延び、外壁152の開放端156に位置する横方向支柱158が隣接する縦方向支柱160に対して径方向外側に曲げられていることを除いて、ステント構造体100と同様のステント構造体150の別の実施形態を示している。いくつかの変形例では、横方向支柱158の中心162が径方向外側に変位していない場合に横方向支柱158の中心162があるであろう場所、例えば2つの最も近い縦方向支柱160a,160bの中間に対応する場所164までの径方向距離は、2から10mm、または3から8mm、または3から5mmの範囲である。横方向支柱の径方向外向きの位置の増加というこの特徴は、本明細書に記載した他のステント構造の実施形態のいずれにも設けることができる。
【0034】
いくつかの例では、複数の連続する縦方向支柱セグメントを有し、1つの壁に設けられた縦方向支柱は、隣の壁の接合部で終端するか、または遮られてもよいが、いくつかの実施形態では、2つまたは3つの壁に跨がってもよい。いくつかのさらなる実施形態では、図1Gにおいて縦方向支柱130,152について示されているように、縦方向支柱は、同一の径方向平面150内に存在する連続する支柱セグメントの各々を有しつつ、ステント構造体の折り畳まれた全長に沿って、内腔の開口の間において、内壁の長さに沿って、および移行部および外壁を通って外壁の端部まで設けられてもよい。折り畳まれたステント構造体全体に複数の連続する縦方向の支柱がこのように配置されることで、ステント構造体に作用する力をよりよく再分配し、製造時であれ使用時であれ、互いに溶接または接着された複数の部品を有するステント構造体に見られる力の集中をより少なくして、ステント構造体に構造的一体性を与えることが推定される。さらに他の例では、縦方向支柱の連続した長さは、3つの壁全てに跨がってもよいが、ステントは、折り畳まれたステント構造体の内端と外端の一方または両方で異なる支柱構成、例えば、向きの異なる周方向支柱または組織アンカーを備えてもよい。
【0035】
例示的なステント構造体100では、ステント構造体100の内腔に沿った縦方向支柱セグメントが直線的な構成を有しているため、縦方向支柱セグメントは、拡張構成と収縮構成の両方において概ね平行である。このような配置のため、内腔102は、収縮構成から拡張構成に変化するときに、いかなる短縮も示さない。これにより、内腔に取り付けられた弁構造の軸方向への伸縮を減少または排除し得る。これはまた、内腔が予測通りに位置決めされ、展開されることを可能にするとともに、意図せず位置がずれる危険性を低減する。
【0036】
外壁106の非円筒形構成は、外壁106が収縮構成における比較的直線的な向きから拡張構成における凸/凹/凸の向きに移行するときに、いくらかの短縮を示すことがある。収縮構成から拡張構成へのステント構造体の領域の正味の変位の短縮効果または変位は、移行壁の向きの変化により制御または制限され得る。移行壁の向きが変化することで、ステント構造体100の開放端に向かって外壁106が変位し、外壁の縮径中間セクションが収縮構成および拡張構成において概ね維持されるように外壁の他の変位の一部が相殺される。いくつかの変形例では、外壁の縮径中間セクションにおけるステント構造体の拡張に伴う縦方向のずれは、5mm未満、4mm未満、3mm未満、2mm未満、または1mm未満であってもよい。
【0037】
横方向支柱セグメントは、ステント構造体の壁の周囲に部分的または完全な周方向支柱または周囲支柱を形成する横方向支柱セグメントの連続的なセットによって特徴付けられてもよい。しかし、横方向支柱セグメントは、周方向だけでなく、それ以外の方向でも変化する可能性がある。ステント構造体全体の拡張および収縮を容易にするため、横方向支柱セグメントの1つ以上、または支柱セグメントの全てが、一対の角度付き脚を備えてもよく、各角度付き脚の各横方向端部は、縦方向支柱セグメントまたは支柱と連続的または一体的に形成され、各角度付き脚は中央で結合されている。2つの角度付き脚によって形成される曲げ構成は単純な曲げを有してもよく、他の例では、各脚が中心方向に延びてヘアピン曲げ領域を形成してもよい。
【0038】
各脚と縦方向支柱との間に形成される脚角度は、ステント構造体の異なる領域で異なってもよく、脚の長さによって異なってもよい。図4Aでは、ステント構造体の内壁にある横方向支柱セグメントの例示的な構成が示されている。外壁に比べて内壁の径方向の拡張量が相対的に小さいため、拡張構成では、内壁の脚の長さは、通常、外壁の脚の長さよりも短い。また、径方向の拡張が制限されるため、脚角度で発生する構造ひずみが制限されるため、内壁の脚は概ね直線的な構成を有し得る。図4Bおよび図4Cを参照すると、径方向の拡張量が相対的に大きいステント構造体の他の領域、例えば外壁または潜在的に移行壁では、各脚は鋭角脚角度に沿った凸状の曲率および中間曲げ領域に近い方の鋭角脚角度に沿った凹状の曲率を有してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、内壁の横方向支柱セグメントは、50度未満、45度未満、または40度未満、または30から50度、35から45度、または35から40度の範囲の鋭角脚角度を含んでいてもよく、一方で、外壁の鋭角脚角度は、30から75度、30から60度、35から55度、または40から50度の範囲内であってもよい。内腔において縦方向に隣接する横方向支柱セグメント間の縦方向の間隔は、外壁における縦方向の間隔よりも小さくてもよく、例えば、内壁については、2から8mm、3から7mm、4から6mm、2から6mm、または3から5mmであってもよく、4から10mm、5から10mm、6から9mmであってもよい。この間隔は、様々な壁領域における縦方向支柱セグメントの長さでもある。
【0040】
図1Gを参照すると、1つまたは複数の周方向支柱セグメントの脚部および中間曲げ部の向きは、隣接する縦方向支柱に対して径方向外側にずれて、自然弁組織に対する支柱構造体の変位に抵抗するためのバーブ状または力集中構造を提供してもよい。バーブを有するように構成された横方向支柱は、ステント構造体の外壁に沿って、および/または外壁の周囲のどこにでも配置されてもよいが、いくつかの変形例では、ステント構造体100の縮径領域142と外側開口126との間の外壁領域142,144に配置されてもよく、縮径領域142に向かって配置されてもよい。いくつかの更なる例では、径方向外側に変位した周方向支柱は、外壁の最も直径の小さい領域に最も近く、当該領域に向いている1つまたは複数の周方向支柱に設けられてもよい。僧帽弁置換術に使用される弁の変形例では、バーブは、心室側の下部環状組織に係合するように支柱に形成されてもよい。いくつかの例では、周方向支柱の全ての横方向支柱セグメントが径方向に変位しているが、他の例では、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはこれらの数字の任意の2つの間の任意の範囲が径方向に変位していてもよく、他の全ての横方向支柱セグメントまたは第3もしくは第4横方向支柱セグメントが径方向に変位してもよい。複数の縦方向支柱によって画定される外壁形状からの突出の程度は、2から10mm、2から6mm、または2から4mmの範囲内であってもよい。いくつかの変形例では、バーブの構成は、バーブの先端とステント構造体の縦方向軸との間の径方向距離と、隣接する縦方向支柱または外壁セグメント(バーブを除く)とステント構造体の縦方向軸との間の径方向距離との比によって特徴付けられてもよい。この比率は、1.1から1.5、1.05から1.30、または1.10から1.20の範囲内であってもよい。
【0041】
図1Gに示されているように、バーブは、横方向支柱の延長部を備えてもよく、延長部は、横方向支柱の正中線に位置してもよい。しかし、他の変形例では、バーブは、ステントフレームの縦方向支柱または他の支柱に設けられてもよい。図11Aおよび図11Bは、例えば、本明細書で説明するステントフレームの実施形態のいずれにも任意に適合し得る縦方向バーブ1114を示す。バーブ1114は、支柱1110の細長い空洞または開口1116内に配置されている。バーブ1114は、約1mmから10mm、2mmから8mm、または3mmから6mmの範囲の長さ、および0.05mmから3mm、0.1mmから1mm、または0.1mmから0.5mmの範囲の幅を有してもよい。バーブの端部1118は、尖っていても丸みを帯びていてもよい。バーブ114の端部1118と細長い開口1116との間の直交距離は、1mmから10mm、2mmから8mm、または3mmから6mmの範囲であってもよい。細長い空洞は、3mmから15mm、4mmから12mm、または2mmから7mmの範囲の長さと、1mmから4mm、1mmから3mm、または0.4mmから2mmの範囲の幅を有してもよい。バーブ1114の側面と開口部1116の側面との間の横方向の隙間は、0.05mmから2mm、0.1mmから1mm、または0.1mmから0.5mmの範囲であってもよい。バーブ1114の端部1118と開口1116との間の遠位隙間は、0.05mmから2mm、0.1mmから1mm、または0.1mmから0.5mmの範囲であってもよい。支柱1110の幅は、挿入されたバーブ1114および開口1116が配置されるセグメントまたは領域において、バーブ1114および開口1116が配置されていない支柱の幅に比べて広くてもよい。図11Aおよび図11Bに示されている例示的な実施形態は、縦方向支柱1110の端部、2つの横方向支柱1112の間の接合部に配置されているが、他の変形例では、バーブ1114は、縦方向支柱1110に沿って、縦方向支柱1110の端部から間隔を開けて配置された接合部に配置されてもよく、または横方向支柱1112が配置されている接合部から間隔を開けて配置された位置に配置されてもよい。図111Cは、挿入されたバーブ1114と細長い開口1116が外壁1122上の縦方向支柱1110の両端に配置されたステント構造体1120を示す。
【0042】
いくつかの更なる実施例では、制御開口または取付構造体が、支柱セグメント上または2つ以上の支柱セグメント間の接合部に設けられてもよい。制御開口は、縫合糸、ワイヤー、フックなどを含むがこれらに限定されない張力部材を解放可能に取り付けるために使用でき、これらの張力部材は、弁プロテーゼの送達中または弁プロテーゼの送達システムへの装填中に、ステント構造体の拡張、収縮、解放、または装填を制御するために弛緩または緊張させることができる。送達システムおよび送達方法の様々な実施形態は、以下により詳細に説明する。図1Eの例を参照すると、制御開口は、外壁および内壁の連続する縦方向支柱の各々の端部の接合部に、任意に設けられている。さらに、制御開口は、外壁106の外側開口126に最も近い2つの周方向支柱の一方または両方の中間曲げ部に、任意に設けられてもよい。
【0043】
図11Dに示されている別の変形例では、縦方向支柱1110の端部は、取り付けネック1132を介して支柱1110の端部から突出している取り付けヘッド1130を含む。このヘッド1130およびネック1132は、ステントフレームの縦方向支柱の1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つ以上、または全ての内壁および/または外壁に設けられてもよい。ヘッド構造体1130およびネック構造体1132は、例えば、張力線取り付けよりも剛性取り付けが好ましい場合に、送達システムを保持するため、または他の方法で係合するために使用されてもよい。ここでは、ヘッド構造体1130は、半球形状を有しているが、他の変形例では、ヘッドは、多角形、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、星形、または他の形状であってもよい。図11Dに示された例示的な実施形態では、ヘッドおよびネック構造体1130,1132は、挿入されたバーブ1114およびバーブ開口1116を含む支柱1110上に設けられているが、この2つの特徴を一緒に含める必要はなく、ヘッドおよびネック構造体1130,1132は、本明細書に記載されたステント構造体のいずれに組み込まれてもよい。
【0044】
図12Aおよび図12Bは、弁1200の縦方向支柱1204の端部にアイレット延長部またはネック1206を介して設けられた楕円形または円形のアイレット1202を有する取り付け構造体を備え、アイレット1202には円形の開口1208が設けられているステント構造体または置換弁1200の別の実施形態を示している。この例示的な実施形態では、アイレット1202は、内壁1210の支柱1204に設けられ、リング1212は、各アイレット1202に取り付けられている。リング1212は、アイレット1202の開口1208の径方向内向き/外向きの向きが、弁1200の潰れおよび/または装填を容易にするために送達ライン1214が引張られるときに摩擦を増加させることがあるため、送達ラインまたはループ1214の糸通しを容易にするために使用されてもよい。
【0045】
図13Aおよび図13Bは、弁1300の内壁13010の縦方向支柱1304の端部に、延長部またはネック1306を介して設けられた円形のアイレット1302と、アイレット1302の円形の開口1308とを有する取り付け構造体を備える、ステント構造体または置換弁1300のさらに別の実施形態を示す。しかしながら、この例示的な実施形態は、アイレット1302が30から45度回転しているという点で、図12Aおよび図12Bに示された弁1200とは異なる。これは、アイレット1302のネック1306をひねることによって行うことができる。この回転は、アイレット開口1308を、部分的に周方向または接線方向に向かって、したがって他の隣接するアイレットに向くように向きを変更し、それによってアイレット1302と送達ラインまたはループ1314との間の摩擦を減少させるので、図12Aおよび図12Bの弁1200のように、各アイレット1302へのリングの取り付けが必要とされないか、または他の方法で提供される。他の変形例では、アイレットネック1306は、約15から90度、または30から60度の範囲でひねられてもよいが、より大きなひねり角度が、アイレットネックの弱体化をもたらし得ることが想定される。構造的一体性の低下を最小限に抑えながらひねり角度を大きくするために、製造工程でより小さな加熱/変形ステップの数を増加させてもよい。
【0046】
図12A図13Bの例示的な実施形態の弁1200,1300では、アイレット1202,1302は、弁1200,1300の内壁1210,1310にのみそれぞれ配置されていた。しかし、他の変形例では、図14Aおよび図14Bに示されているように、置換弁およびステント構造体1400は、弁1400の内壁1410および外壁1422の両方に設けられた、または任意には外壁1422のみに設けられた、アイレット1402,1420およびリング1404,1424を備えてもよい。外壁1422のアイレット1420およびリング1424は、上述した内壁1210のアイレット1202およびリング1212と同じ範囲の変形例および構成で提供され得る。そのような実施形態では、第2のまたは別個の張力線またはループ1426が、内壁1410のループ1414に対して、外壁1422のアイレット1420またはリング1424を通して設けられてもよい。しかしながら、図14Bに示されるような他の実施形態では、内壁1410および外壁1422の両方のアイレット1402,1420またはリング1404,1424を通された単一のループ1430が設けられてもよい。この実施形態では、ループ1430は、弁1400のすべてのアイレット1402,1420に通されてもよいし、通されなくてもよい。例えば、図14Bでは、弁1400の外壁1422のすべてのアイレット1420がループになっているかまたは通されている一方で、内壁1410のアイレット1402の3分の1(合計4つ)だけがループになっている。このような実施形態では、3つのアイレット1402だけが内壁1410に設けられてもよい。したがって、このような実施形態では、弁1400は、使用されるアイレットのみを備えてもよい。いくつかの変形例では、提供される外壁アイレットの数は、内壁アイレットの数に対して、送達ループでループになった外壁アイレットの数と同様に、内壁アイレットの数と同じでも、少なくても、多くてもよい。
【0047】
図4Aは、ステント構造体の領域または壁に設けられる支柱構成400の一例を模式的に示している。支柱構成400は、縦方向支柱402,404と、横方向支柱406,408とを備える。縦方向支柱セグメント402a,404aおよび横方向支柱セグメント406,408は共に、ステント開口またはセル410の閉じた外周を形成する。支柱構成の様々な幾何学的構成を特徴付ける目的で、本明細書では縦方向軸410および横方向軸412について説明するが、当業者であれば、他の基準点または軸を使用することもできることを理解するであろう。縦方向軸410は、ステント構造体全体の縦方向軸に平行であり、横方向軸412は、縦方向軸412に直交する。
【0048】
図4Aに示された模式的な支柱構成400では、縦方向支柱402,404は、内腔が円筒形または非円筒形、例えば、円錐台形状を備えるかどうかに応じて、平行または非平行であってもよい。縦方向支柱が非平行である変形例では、縦方向支柱402,404は、ステント構造体の縦方向軸から1から5度、2から10度、または5から30度程度の小さな径方向角度の向きを有し、円錐台形状を提供する。図4Aに示されるように、縦方向および横方向支柱402,404,406,408は、支柱セグメント402a,402b,404a,404b,406a,406b,408a,408bを備えてもよい。いくつかの変形例では、ステント構造体100の内壁104および横方向支柱406,408の脚406a,406b,408a,408bは、概ね直線状または直線状の構成を備えてもよく、変形は、主に各横方向支柱406,408の基部406c,406d,408c,408dおよび曲げ領域406e,408eで生じる。より高い剛性が望まれるいくつかの変形例では、横方向支柱は、その長さに沿って概して不均一であってもよい。これは、支柱の基部付近の相対的な幅を広くし、支柱の中間部分の相対的な幅を狭くすることによって達成され得る。この支柱構成400における縦方向支柱402,404と脚406a,406b,408a,408bとの間の鋭角414a,414b,416a,416bは、1から45度、10から40度、または20から35度の範囲であってよい。いくつかの変形例では、一対の脚が一体的に形成されている中間領域は、単純な角度または湾曲した構成で構成されてもよいが、他の変形例では、横方向支柱の鋭角と同じ側に大きな曲率406f,408fを有し、および横方向支柱の鈍角側に小さな曲率406g,408gを有する鋭角構成が設けられた湾曲領域406e、408eで構成されてもよい。各曲げ領域406e,408eの曲げ凹部408hは、曲率の小さい方406g、408gにおける縦方向の長さと横方向の幅とを有する。いくつかの変形例では、これらの長さおよび幅は、ステント構造体が潰れた構成または送達構成に収縮するときの力の分散を補助するように構成されてもよい。いくつかの例では、曲げ凹部は、50から500ミクロン、50から300ミクロン、または50から250ミクロンの範囲の縦方向の長さ、および50から500ミクロン、50から350ミクロン、または100から300ミクロンの範囲の横方向の幅を備えてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、曲げ領域の向きに関する横方向支柱の構成、および横方向支柱と縦方向支柱との間の相対的な構成は、変化してもよい。図4Aの例示的な支柱構成400では、両方の曲げ領域は、移行端に向かって、またはそうでなければ弁の上流端に「向いて」いるが、他の変形例では、曲げ領域は、弁の開放端または下流端に向かって、横方向支柱の脚に対して相対的に向けられてもよい。
【0050】
図4Bは、縦方向支柱432,434と横方向支柱436,438とを備えるステント構成430の別の例示的実施形態を示す。縦方向支柱セグメント432a,434aおよび横方向支柱セグメント436,438は共に、ステント開口またはセル440の閉じた外周を形成する。ここで、横方向支柱436,438の脚436a,436b,438a,438bは、拡張構成において、湾曲または曲線のある構成を備えてもよい。脚436,438は、基部436c,436d,438c,438dにおいて概ね凸状構成を有しており、曲げ領域436e,438eにおいて凹状構成を有している。いくつかの変形例では、凸/凹状構成は、送達構成から拡張構成へのより大きな拡張量を許容し、および/または、支柱脚の全長に沿ってより多くの応力および歪みをより多く分配することができる。縦方向支柱432,434と各脚の直線部分または中間部分436i,436j,438i,438jとの間の角度444a,444b,446a,446bは、25から135度、45から90度、または30から60度の範囲内であってもよい。曲げ領域はまた、縦方向の長さおよび横方向の幅を有する曲げ凹部436h,438hを備えてもよく、曲げ凹部436h,438hは、送達構成および拡張構成におけるステントの力および力分布を調整するように構成され得る。各横方向支柱436,438の1つまたは複数の曲げ領域436e,438eは、本明細書の他の箇所に記載されるように、任意に制御開口436k,438kを備えてもよい。図4Bでは、脚436a,436b,438a,438bおよび曲げ領域436e,438eは、同じ方向を向いているが、図4Cでは、脚466a,466b,468a,468bおよび曲げ領域466e,468eは、反対方向を向いている。
【0051】
支柱セグメントまたは連続する長さの縦方向支柱または横方向支柱のそれぞれは、横方向の幅または寸法、径方向の高さまたは寸法、および断面形状によって構成される。形状は、概して正方形、長方形、台形などの多角形、円形、または卵形であってもよい。各支柱セグメントの横方向の幅または寸法は、幅が大きいほど大きな力を提供し、幅が小さいほど小さな力を提供するように、異なるレベルの径方向の力を提供するように構成されてもよい。ステント構造体が管状ベース構造をレーザー切断することにより形成される変形例では、細長い長さに対する支柱セグメントの断面形状は、図2Aから図3Bに示されているように、セグメント化された環状形状を備えてもよい。図2Aおよび図2Bの具体的な例示的実施形態では、支柱200aおよび200bはそれぞれ、ステント構造体の外壁および内壁からの支柱を表す。内壁支柱200bは、ステント構造体の縦方向軸から最も遠く、曲率が大きいまたは長い、外側の凸状曲率202bと、ステント構造体の縦方向軸に近く、曲率が小さいまたは短い、内側の凹状曲率204bと、断面が概ね直線状であるが、ステント構造体の縦方向軸に概ね直交する角度軸210b,212bを有する横方向表面206b,208bを有するセグメント化された環状形状を備える。外壁支柱200aは、当初は内壁支柱200bと同じか類似の向きで構成されてもよいが、外壁が外がえしにより形成される実施形態では、外壁支柱200aは、ステント構造の縦方向軸に対して、外側曲率202aが凹状であり、小さい曲率である一方、ステント構造体の縦方向軸により近い内側曲率204aが凸状であり、大きい方の曲率が凹状であるような、外がえしされた向きを有することになる。横方向表面206a,208bは、ステント構造体の縦方向軸に対して偏った角度向きを有し、例えば横方向表面206a,208aの角度軸210a,210bは、ステント構造体の縦方向軸と交差していない。これらの構成は、外がえしによって形成される一体型の折り畳まれたステント構造体の同じ縦方向支柱の異なる領域に配置されている点で注目に値する。対応する移行壁支柱は、その拡張状態において、外がえしによって形成される一体型の折り畳まれたステント構造体における外壁支柱200aと同様の構成を有する。
【0052】
図3Aおよび図3Bは、図2Aおよび図2Bに示された外がえし構成ではなく、内腔および内壁を形成するためにレーザー切断されたチューブの内がえしによって生じる外壁および内壁の支柱の一連の構成を有する折り畳みステント構造体の別の実施形態を示す。図3Aおよび図3Bでは、支柱300aおよび300bは、ステント構造体の外壁および内壁からの支柱をそれぞれ表す。外壁支柱300aは、ステント構造体の縦方向軸から最も遠く、曲率が大きいまたは長い、外側の凸状曲率302aと、ステント構造体の縦方向軸に近く、曲率が小さいまたは短い、内側の凹状曲率304aとを有する、セグメント化された環状形状を備える。横方向表面306a,308aは、断面において概して直線状であるが、ステント構造体の縦方向軸に対して概して斜めまたは交差しない角度軸310a,312aを有する。内壁支柱300bは、当初は外壁支柱300aと同一または類似の向き備えてもよいが、内壁が内がえしにより形成される実施形態では、内壁支柱300bは、ステント構造体の縦方向軸に対して外側の曲率302bが凹状であり、小さい曲率であり、一方、ステント構造体の縦方向軸に近い内側の曲率304bが凸状であり、大きい曲率が凹状であるように、内がえしされた向きを有することになる。横方向表面306b,308bは、ステント構造体の縦方向軸に対して斜めまたは交差しない角度向きを有する。折り畳みステント構造体の外がえし構成と同様に、これらの外壁と内壁の構成は、内がえしにより形成される一体型の折り畳まれたステント構造体の同じ縦方向支柱の異なる領域に配置される。対応する移行壁支柱は、拡張状態で、内がえしにより形成される一体型の折り畳まれたステント構造体の外壁支柱200aと同様の構成を有することになる。いくつかの変形例では、外がえしまたは内がえしプロセスが、ステント構造体の部分を、外がえしまたは内がえしプロセスを経ない部分と比較して、弱体化させ、悪影響を及ぼし得るため、ステント構造体の外壁に生じる径方向の力は、外がえしステント構造体と比較して、内がえしステント構造体の方が大きくなることがある。
【0053】
多角形状支柱のエッジは、丸みを帯びていてもよく、滑らかであってもよく、鋭利であってもよい。図2Aおよび図2Bでは、コーナー214a~220bは、明確に定義された角度付きエッジを備えているが、図3Aおよび図3Bでは、コーナー314a~320bは、丸みを帯びたコーナーを備えている。丸みを帯びたコーナーとエッジは、機械的研磨、化学的電解研磨、またはそれらの多段階の組み合わせ(例えば、機械的研磨の後に化学的研磨または電解研磨を行う)を用いて形成されてもよい。いくつかの変形例では、研磨は、レーザー切断されたチューブの内がえしまたは外がえしの前に行われてもよい。支柱セグメントまたは支柱の寸法および/または形状は、均一であってもよいし、長さに沿って変化してもよい。支柱の径方向の厚さおよび/または周方向の幅は、300から500ミクロン、360から460ミクロン、または400から500ミクロンの範囲内とであってもよい。支柱の厚さおよび/または幅は、支柱セグメントの長さに沿って均一であっても、均一でなくてもよい。先に述べたように、いくつかの例では、周方向支柱セグメントの基部に比較的大きな幅が設けられ、中間曲げ領域に比較的小さな幅が設けられてもよい。
【0054】
隣接する縦方向支柱または周方向支柱間の間隔は、折り畳まれたステント構造体全体にわたって等しくてもよいし、折り畳まれたステント構造体に沿って異なっていてもよい。縦方向支柱の場合、支柱の数は、望ましい可撓性またはステント構造体に望まれる径方向拡張力に応じて、あるいは、望まれる径方向拡張力または可撓性を達成するために望まれる支柱セクション幅に基づいて、変化してもよい。周方向支柱の場合、径方向の拡張が大きい、および/または拡張力が小さいことが望まれる領域では比較的大きな間隔が設けられてもよく、径方向の拡張が小さい、および/または拡張力が大きいことが望まれる領域では小さな間隔が設けられてもよい。
【0055】
本明細書に記載されている様々なステント構造体は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備えてもよい。
1) 正味の縦方向ステント長さ(すなわち、縦方向軸に沿ってステントが跨がる最大距離)が15から60mm、20から40mm、または25から35mmの範囲にある。
2) 折り畳まれた縦方向ステント長さ(例えば、完全に真っ直ぐにした場合の端から端まで連続した縦方向支柱の縦方向の長さ)が40から100mm、50から90mm、60から80mmの範囲にある。
3) 拡張構成での最大ステント直径または横方向寸法が20から80mm、30から60mm、または45から55mmの範囲にある。
4) 拡張構成における最大外端直径または横方向寸法が、25から75mm、35から65mm、または48から58mmの範囲にある。
5) 拡張構成における最大移行端直径または最大移行端横寸法が20から80mm、25から55mm、または40から50mmの範囲にあり、任意に最大外端直径または最大ステント直径または横方向寸法より、0から20mm、1から15mm、2から10mm、2から8mm、または2から5mm小さい。
6) 内腔長さが、10から50mm、15から40mm、または20から26mmの範囲にある。
7) 内腔直径または最大断面寸法が、10から40mm、15から35mm、または26から31mmの範囲にある。
8) 内側上部曲率半径R1が、1から10mm、2から8mm、または3から5mmの範囲にある。
9) 内側上部曲げ角度が、0から180度、60から135度、または75から90度の範囲にある、または83度である。
10) ステント構造体の縦方向軸に対する移行壁外側角度が、0から180度、45から100度、75から90度の範囲にある、または90度である。
11) 移行壁径方向幅が、5から30mm、5から20mm、または5から10mmの範囲にある。
12) 外側上部曲率半径R2が、0.5から6mm、1.5から5mm、または2.5から4mmの範囲にある。
13) 外側上部曲げ角度A2が、45から270度、90から235度、135から200度、または160から200度の範囲にある。
14) 外壁縦方向長さが、10から40mm、20から35mm、または25から30mmの範囲にある。
15) 外壁曲線長さが、10から50mm、20から50mm、または30から40mmの範囲にある。
16) 外端から移行壁までの外壁縦方向支柱長さが、12から50mm、20から40mm、または25から35mmの範囲にある。
17) 外壁中間領域曲率半径が、1から15mm、3から12mm、4から8mm、または3から6mmの範囲にある。
18) 外壁中間領域曲げ角度が、10から180度、30から160度、60から160度、または80から140度の範囲にある。
19) 外壁開放端領域または下部領域曲率半径R4が、5から100mm、5から40mm、または10から20mmの範囲にある。
20) 外壁開放端領域または下部領域曲げ角度A4が、1から90度、10から90度、20から80度、または30から70度の範囲にある。
21) ステント構造体の外壁の同一半径平面における最小半径と最大半径との間の最大半径差が、約6から15mm、8から12mm、9から11mmの範囲にある、または約10mmである。
22) 外壁の第1端/心房/上部領域最大半径が、20から30mm、22から28mm、または24から27mmの範囲にある。
23) 外壁の中間領域最小半径が、10から30mm、12から25mm、または15から20mmの範囲にある。
24) 外壁の第2端/心室/下部領域最大半径が、20から35mm、25から30mm、または26から29mmの範囲にある。
25) 縦方向長さと直径の比率が、0.40から1.0、0.45から0.80、または0.50から0.60の範囲にある。
26) 縦方向支柱の数が、3で割り切れ、例えば、3、6、9、12、15本の縦方向支柱の1つまたは複数からなる群から選択される。
27) バーブ先端とステント構造体の縦方向軸との間の径方向距離と、隣接する縦方向支柱または外壁セグメント(バーブを除く)とステント構造体の縦方向軸との間の径方向距離との間の比が、1.1から1.5、1.05から1.30、1.05から1.20、または1.05から1.15の範囲にある。
28) 縦方向軸に沿った外側開口位置に対する内側開口位置が、正(すなわち、外側の開口から突出している)、中立(すなわち、外側開口と面一)、負(すなわち、外側開口から引っ込んでいる)、および/または-4から-12mm、-5から-10mm、-6から-9mm、+1から+8mm、+2から+6mm、+3から+5mm、-3から+3mm、+0から+3mm、-12から+5mm、-6から+6mm、または-7mmから+4mmの範囲にある。
【0056】
本明細書で説明するステント構造体の範囲は、上記の各特性の選択を必要とするように限定する必要はなく、単一の特性または特性の部分集合も想定される。例えば、いくつかの変形例では、ステント構造体は、弁および/またはスカート材を備えていてもいなくてもよく、以下の構造体であってもよい。
1) 外がえしされた外壁支柱構成または内がえしされた内壁支柱構成を有する折り畳まれた一体型ステント構造体。
2) 折り畳まれた一体型ステント構造体であって、縦方向支柱の数が3で割り切れ、内腔が非短縮であり、外壁が任意に短縮であり、径方向支柱の厚さは400から450ミクロンの範囲にあり、縦方向長さと直径の比が0.50から0.60の範囲にある、構造体。
3) 上部外側曲率半径よりも小さい上部内側曲率半径と、外壁の外側開口から0から3mm延びる内腔と、1.1から1.2の範囲のバーブと外壁との半径比とを有する折り畳まれた一体型ステント構造体。
4) 内腔に12本の縦方向支柱と3から5本の周方向支柱、移行壁に1から2本の周方向支柱、外壁に3から5本の周方向支柱を有する折り畳まれた二重壁一体型ステント構造体。
【0057】
図1A図1Gに示された実施形態では、ステント構造体100は、複数の端から端までの縦方向支柱と、複数の周方向横方向支柱とを備え、それぞれ順番に、連続する縦方向支柱または横方向支柱セグメントの連続するセットをそれぞれ備える。ステント構造体100の特定の例では、等間隔に離れた12本の端から端までの縦方向支柱が設けられ、折り畳まれたステント構造体100に沿って9セットの完全な周方向支柱が設けられている。近接して間隔をあけて配置された4セットの周方向支柱が内壁に沿って設けられており、脚は比較的直線状または最小限の曲線状であり、中間曲げ部はステント構造体の上端または閉鎖端の方向に向けられている。移行壁108は、各脚において相対的に増大した基部曲率と、外壁106に向かって径方向外側に向けられた中間曲げ部まわりで相対的に減少した曲率とを有する1セットの周方向支柱を備える。外壁106は、4セットの周方向支柱を備え、その中間曲げ部は、ステント構造体100の開放端に向けられ得る外壁106の開口に最も近い周方向支柱のセットを除いて、ステント構造体100の閉鎖端に向けられている。第3セットの周方向支柱の脚および中間曲げ部の向きは、隣接する縦方向支柱に対して径方向外側にずれており、自然弁組織に対する支柱構造体の変位に抵抗するバーブ状または力集中構造を提供する。典型的には、これらの径方向外向きに変位した周方向支柱は、図1Aおよび図1Cに示すように、ステント構造体の最も狭い直径と下流端または開放端との間の外壁の部分に最も近く、ステント構造体の最も狭い直径または入口/上流端に向いた1つまたは複数の周方向支柱に設けられてもよい。
【0058】
前述したように、ステント構造体100の外端、または外端における縦方向支柱と周方向支柱との接合部、およびステント構造体の内端、または内端における縦方向支柱と周方向支柱との接合部、および内腔には、制御開口が設けられている。制御開口は、ステント構造体100の外端に最も近い2本の周方向支柱の中間曲げ部にも設けられている。
【0059】
ステント構造100について、正味の縦方向ステント長さは、25から35mmであってもよく、折り畳まれた縦方向ステント長さは、60から90mmであってもよく、拡張構成における最大ステント直径または横方向寸法は、45から55mmであってもよく、拡張構成における最大外端直径または横方向寸法は、45から55mmであってもよく、拡張構成における最大移行端直径または横方向寸法は、40から50mmであってもよく、最大外端直径または最大ステント直径または横方向寸法より1から5mm小さくてもよく、内腔長さは、20から25mmであってもよく、内腔直径または最大断面寸法は、20から30mmであってもよく、内側上部曲率半径は3から5mmであってもよく、内側上部曲げ角度は、90から105度であってもよく、ステント構造体の縦方向軸に対する移行壁外角は、75から90度であってもよく、移行壁径方向幅は、15から20mmであってもよく、外側上部曲率半径は1から4mmの範囲であってもよく、外側上部曲げ角度は、160から200度であってもよく、外壁縦方向長さは、20から25mmであってもよく、外壁曲線長さは、25から40mmであってもよく、外端から移行壁までの外壁縦方向支柱長さは、25から35mmであってもよく、外壁中間領域曲率半径は、3から6mmであってもよく、外壁中間領域曲げ角度は、60から120度であってもよく、外壁開放端領域または下部領域曲率半径は、10から50mm、10から30mm、または10から20mmであってもよく、外壁開放端領域または下部領域曲げ角度は、20から135度、30から90度、または50から70度であってもよく、ステント構造体の同一半径平面内の最小半径と最大半径との間の最大半径差は、9から11mmであってもよく、および/または縦方向軸に沿った外側開口位置に対する内側開口位置のうち負であるものは-6から-9mmであってもよい。
【0060】
図1Aから図1Fでは、ステント構造体100は、ステント構造体100と同様に、12本の連続する縦方向支柱と、9本の周方向支柱を備える。ステント構造体100は、内腔102に沿って4本の周方向支柱を備えるが、他の変形例では、内腔に2、3、5または6本の周方向支柱を備えてもよい。内壁104の周方向支柱の向きは、ステント構造体100の閉鎖端に向けられ、移行壁108の周方向支柱は径方向外側に向けられているが、いくつかの変形例では、1つまたは複数の周方向支柱、例えば外壁の開放端に最も近い周方向支柱は、径方向内側および/またはステント構造体の開放端に向けられる。他の任意の変形例は、ステント構造体100の移行壁108が僅かまたは実質的に角度をなしている一方で、縦方向軸に対して直交する向きを有する移行壁を含んでもよい。内側に傾斜した移行壁は、内腔の開口への乱流または非層流、あるいは心房収縮中にステント構造体を標的位置から押しのける可能性のある軸方向の力のピークを減少させ得ることが推定される。
【0061】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、ステント構造体の上端または移行端は、置換弁の上流端として使用されるように構成され、血流は内腔の移行端で受け止められ、内腔に取り付けられた弁構造体を通過する。弁構造は、フラップ弁、ボールインケージ弁、またはリーフレット弁を含む、様々な弁構造体のいずれであってもよい。リーフレット弁材料は、自己材料、同種材料、または異種材料、または人工材料、例えば、ブタ、ウシ、もしくはウマの心膜組織もしくは弁のような天然材料もしくは解剖学的構造、または患者自身の細胞に由来する生体材料を備えてもよく、弁の抗原性を低下させるため、および/または弁材料の生理学的および/または機械的特性を変化させるために、グルタルアルデヒドのような様々な化学物質のいずれかで固定されてもよい。リーフレット弁が提供される場合、リーフレット弁は、バイリーフレット弁構造体またはトリリーフレット弁構造体であってもよい。弁の交連部は、内腔の縦方向支柱および/または周方向支柱、例えば、トリリーフレット弁を備えるステント構造体100の縦方向支柱に4本毎に取り付けられてもよく、または縫合されてもよい。
【0062】
置換弁は、ステント構造体の1または複数の領域に1または複数のスカート材料をさらに備えてもよい。スカート材料は、弁のリーフレット材料と同じであっても異なっていてもよい、自己材料、同種材料、または異種材料、または人工材料の硬い、詰まった織り目、または緩い編み目の織物シートで構成されていてもよい。スカート材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)材料を備えてもよい。開口気孔材料を備える変形例では、平均気孔サイズは、約0.035mmから0.16mm、または0.05mmから0.10mm、または0.07mm~0.09mmのサイズ範囲にあってもよい。開口気孔材料は、ステント構造体の構成変化が大きい領域において、より大きな弾性または柔軟性を提供することができる。ステントの弾力性や柔軟性を必要としない他の領域には、気孔のない固いシート材料が設けられてもよい。スカート材料は、単層または多層構造体を備えてもよく、血栓形成、組織内殖、および/または潤滑性を調節するための1つまたは複数のコーティングを備えてもよい。
【0063】
図5Aから図5Cは、ステント構造体504に取り付けられた2つの異なる材料を含むスカート502を有する置換弁500の一例を示している。この特定の実施形態では、外壁510の下流領域または下側領域508の外面および内面の周囲に、カフ構造体506として硬いまたは詰まった織物材料が設けられている。内壁512の外面には、硬いまたは詰まった織物材料の同一または異なるカフ構造体が設けられている。図5Cは、内壁512に別の材料を用いた変形例を示し、図5Dは、環状空洞522に跨がり、内壁512の外面を覆う同じカフ構造体を有する別の変形例を示す。外壁510の上部領域516、移行壁518、およびステント構造504の内壁512の上流側開口520の周囲の別のカフ構造体514には多孔性編み物材料が使用される。内腔512に位置する弁ポケットおよび弁尖516a-cを形成するために、人工材料または動物由来の材料が使用されて、もよい。ステント構造体の拡張に伴う拡張のために弾性を提供することに加え、多孔性編み物材料は、置換弁への細胞移動と組織生着を提供することもできる。この二重材料スカート502は、環状キャビティ522に流入した血液がカフ構造体514の多孔性材料を通過することを許容するが、多孔性材料は、形成され得る血栓の通過に抵抗するのに十分小さい多孔度を備えてもよい。
【0064】
図6Aから図6Dに示される別の変形例では、スカート600は管状材料を備える。このような形状のスカート600は、ステント構造体へのスカート600のより調和した取り付けを可能にし、狭いステント領域での過剰なシート材料による潜在的な問題を少なくすることができる。この特定の変形例では、スカート600は、内壁604によって形成された内部中央空洞602と、内壁604と成形された外壁608との間の内部環状空洞606とを備える。外壁606は、ステント構造体の外壁と相補的な構成、例えば、拡大上流領域610、縮径中間領域612、および拡径直径下流領域614に形成されてもよい。スカート600は、ステント構造体が環状空洞606内に位置し、スカート600の内壁604がステント構造体の内腔内に位置するように、ステント構造体の閉鎖端上に配置される。いくつかの変形例では、内壁604は、ステント構造の内腔に内がえしされてもよい。テーパー状環状スカート616は、内壁604と成形された外壁608との間の環状空洞606を跨ぐように設けられてもよい。スカート602の外壁608は、多孔性材料または編まれた材料を備えてもよく、この材料は拡張構成にヒートセットされ、外壁606全体、スカート602の移行壁618、および任意に内壁606の一部に跨がってもよく、ここでステント構造体の内腔に沿うように構成された管状の詰まった織物材料に縫い付け、接着、および/または溶接される。テーパー状環状スカート616は、外壁606および内壁604がステント構造体に最初に組み付けられた後に、外壁606の内面および内壁604の外面に縫い付け、接着、溶接、またはその他の方法で取り付けられてもよい。同様に、弁尖構造体は、内壁604がステント構造体の内腔に挿入された後、スカート600の内壁604に縫い付け、接着、溶接、またはその他の方法で取り付けられてもよい。
【0065】
スカート材は、ステントの内壁、移行壁、および/または外壁の外面および/または内面に対して縫合されてもよく、いくつかの変形例では、例えば、外壁の内面、移行壁の内面、および内壁の外面を覆うように、ステント壁の内面および外面に跨がるように、または1つの壁の内面もしくは外面から別の壁に移行するように、例えば、置換弁の環状空洞を裏打ちして、ステント構造体の外端、内端、または移行壁の上にカフまたは折り畳み構造体として設けられてもよい。
【0066】
図15は、ステントフレーム1502と弁アセンブリ1504とを備える置換弁1500の別の例示的な実施形態を示す。説明のため、弁アセンブリ1504の内側1506と外側1508の弁スカートのみが示されるように、弁尖は図から省略されている。この実施形態では、内壁1510を裏打ちする内側スカート1506および/または外壁1512の外面を覆う外側スカート1508は、先に開示したような高分子材料を備え、PETまたはPET/超高分子量ポリエチレンハイブリッド材料を含む編物または織物であってもよい。いくつかの変形例では、多孔性を減らしたい場合またはシーリング材料を使用したい場合には、織物素材が使用されてもよく、多孔性を増やしたい場合または組織の成長を促したい場合には編み物材料が使用されてもよい。示されている特定の実施形態では、内側スカート1506は、弁交連部の間に位置する1つまたは複数のカットアウトまたは開口1514をさらに備える。弁1500の開放端への逆流は、弁1500の内壁1510と外壁1512の間の環状空洞1516を満たし、スカート開口1514を通って弁尖(図示せず)に向かう可能性があることが推定される。弁尖に向かう流れが増加することで、弁閉鎖の力と速度が改善され、弁尖運動学と弁血行動態が改善されることがある。この特定の実施形態は、本明細書の他の箇所に記載されているように、例示的な挿入バーブ1518およびアイレット1520,1522とともに示されているが、アイレット1520,1522は、図示を簡単にするために、リングなしで示されている。
【0067】
図7Aおよび図7Bは、僧帽弁動物試験で使用された、上述の図5Aおよび図5Bに関して説明したような二重材料スカートを有する例示的な置換弁700を30日後に摘出した写真である。図7Aに示された弁700の心房側では、大細孔編地702への組織または細胞の内殖が認められ、大細孔編地702と稠密織地との境界または接合部での内殖も良好であったが、外側および内側開口706,708の周りで主に小細孔稠密織地704で覆われて弁700の心室側では、良好な組織の内殖が認められた。
【0068】
製造
いくつかの変形例では、ステント構造体は、初期のチューブ状ステント形状を実現するために、様々なスリットまたはスロットがレーザー切断された超弾性ニチノールチューブを用いて製造されてもよい。次に、一連の繰り返し変形、加熱、冷却ステップで、管状ステントは、少なくともステント構造体の内腔の初期サイズまで、段階的に拡張される。次に、ステント構造体の移行壁および外壁に対応する部分が、所望の直径まで段階的にさらに拡張され、続いて、マンドレルを用いて外壁を形成するために段階的に外がえしされ、外壁の中間領域の段階的縮小、または外壁の上流端領域および下流端領域のさらなる拡張が行われ、外壁の縮径形状が達成される。別のステップでは、中間領域の周りで横方向支柱上の1つまたは複数の曲げ領域が径方向外側に変位され、保持バーブまたは構造体が形成される。
【0069】
別の実施形態では、チューブを最初に切断した後、チューブは、一連の繰り返し変形、加熱、および冷却ステップを経て、少なくともステント構造体の外腔の初期サイズまで段階的に拡張され、その後、移行壁と内壁に対応するステント構造体の部分が外壁内に内がえしされて、閉鎖端と内壁とが形成されてもよい。外壁は、例えば外壁の開放端領域と閉鎖端領域とをさらに拡張することによって、あるいは中間領域の断面サイズまたは直径を縮小することによって、所望の形状にさらに拡張または段階的に調整されてもよい。中間領域の周りの横方向支柱上の1つまたは複数の曲げ領域が、径方向外側に変位されて、保持バーブまたは構造体が形成されてもよい。
【0070】
弁装填および送達
前述したように、ステント構造体には複数の制御開口が設けられてもよく、この開口は、ステント構造体上の異なる領域の伸縮を制御するための1つまたは複数の縫合糸、および/または治療部位での最終配置までステント構造体を解放可能に保持するための1つまたは複数のフックを取り付けるために使用されてもよい。他の例では、制御開口を使用する代わりに、縫合糸またはラップがステント構造体の1つまたは複数の領域の外側に設けられてもよい。
【0071】
いくつかの例では、縫合糸は、送達カテーテルに装填するために、ステント構造体の外壁と内壁を潰すように、張力をかけたり、締め付けたりされてもよい。縫合糸は、内壁を外壁より先に潰すように操作されてもよく、両方を同時に潰してもよい。同様に、内壁または外壁の一端が先に潰されてもよく、内壁または外壁の両端が同時に潰されてもよい。これは室温で行われてもよく、使用時または製造時に無菌冷水槽または無菌氷水槽中で行われてもよい。潰れた後、シースが、置換弁が存在する遠位カテーテル部分を越えて遠位側に延ばされてもよい。弁に残った防腐剤を除去するため、弁は装填前に滅菌生理食塩水ですすがれてもよい。
【0072】
いくつかの変形例では、ステント構造体の移行壁は、潰れた構成において移行壁が内壁のように送達カテーテルまたはツールの真上に位置するように、内側接合部で折り畳まれるが、他の例では、外壁は、潰れた構成に収縮したときに移行壁が内壁から径方向外側に位置するように、潰れおよび装填中に遠位に引っ張られ、外側接合部で移行壁を展開する。
【0073】
送達システムの保持縫合糸は、引っ張りリング、スライドレバー、および/または回転ノブを用いて、使用者によって近位側に制御されてもよい、これらはさらに、当技術分野で公知のように、バイアスバネまたは機械的な嵌め合いロック構成を介して、移動の間以外は所定の位置にロックされるように構成される。送達システムの近位端は、当該技術分野で既知の様々なロボットカテーテル誘導システムのいずれかを用いて、ロボット制御されてもよい。縫合糸は、迅速交換ガイドワイヤー構成を含む、フラッシュ管腔、ガイドワイヤー管腔、ステアリングワイヤー管腔に加えて、送達カテーテルの1つまたは複数の内腔に沿ってスライドしてもよい。縫合糸は、送達カテーテルの遠位領域の周りの異なる位置から出てもよく、複数の開口を介してカテーテルの遠位領域から出てもよい。複数の開口は、縫合糸によって制御されるステント構造体の領域に応じて、カテーテル本体の周方向に間隔をあけて配置されてもよく、および/または縦方向に間隔をあけて配置されてもよい。
【0074】
置換弁を送達する例示的な方法の1つでは、患者が処置台の上に位置決めされ、通常の方法でドレープがかけられ、滅菌される。麻酔または鎮静が行われる。大腿静脈への経皮的または切開的なアクセスが得られ、導入ガイドワイヤーが挿入される。ガイドワイヤーが操作されて、右心房に到達され、ブロッケンブロー針が心房間隔を穿刺して左心房に到達させるために位置決めされ、使用される。代替的には、卵形隔膜開存アクセスまたは遺残アクセスが利用可能かどうかを検出するために、画像ガイダンスが用いられてもよく、ガイドワイヤーが既存の解剖学的開口に通されてもよい。心房内中隔の開口を拡大するために、必要に応じてバルーンカテーテルが使用されてもよい。心房内中隔に開口部を形成するために、電気メスカテーテルが用いられてもよい。ガイドワイヤーは、左心房に入ると、僧帽弁を通り、左心室に導入される。僧帽弁の横断を容易にするために、予め成形されたガイダンスカテーテルまたはバルーンカテーテルが使用されてもよい。置換弁が装着された送達カテーテルは、左心室に入ると、ガイドワイヤー上に挿入される。
【0075】
図8Aを参照すると、送達カテーテル802および弁804を有する送達システム800は、僧帽弁開口806を横切って配置される。送達システム800は、僧帽弁開口806を通る進入角度を、自然弁開口とほぼ直交するように、および/または僧帽弁開口806と中心合わせされるように調整するように、さらに操作されてもよい。所望のカテーテル姿勢が達成されると、送達シース808は、近位側に引き抜かれ、潰れた弁804を露出させる。
【0076】
図8Bでは、弁804の外壁812の下流側または心室端810の解放を制御する1セットの縫合糸が部分的に解放されている一方、内壁816を制御する張力部材は張力がかかったままである。次に、図8Cでは、弁804の外壁812の心室端810がさらに解放され、外壁812の心室端、中間領域、および心房端814のさらに多くがさらに拡張することを可能にし、それによって弁802の移行壁816が少なくとも部分的に外側に拡張することが可能になる。弁802の心房端814および心室側端810の部分的な拡張は、完全な解放の前に、弁802の中間領域822をさらに中心合わせし、直交方向に向けることに役立つ。この実施形態における外壁812の心房端814の初期の拡張は、縦方向の張力が解放されるにつれて弁802の心室端810が部分的に解放されることによる副次的な効果であるが、他の例では、心房端814の独立した張力部材制御が提供されてもよい。
【0077】
図8Dでは、心室端810および心房端814の張力部材は、同時に、または段階的に単独でさらに解放され、外壁812の中間領域820を弁開口806に対してさらに係合させる。この外壁812のさらなる膨張により、外壁812上の保持バーブまたは突起822が露出する。弁の適切な中心合わせと向きが再確認され、弁が僧帽弁環状部に対して傾いたり、部分的に外れたりした状態で展開されていないことが確認される。いくつかの変形例では、張力部材は、弁804の再位置決めおよび/または向きの変更を容易にするために、弁804を再度潰すために、再度張力がかけられてもよい。確認されると、図8Eに示すように、内壁818の張力部材が解放され、これによって外壁812が僧帽弁開口806に対して拘束されずに拡張することができる。その後、張力部材は、切断されるか、その他の方法で弁から解放または分離されることができ、張力部材は、カテーテル内に、任意でカテーテルの近位端から引き出されてもよい。その後、送達カテーテルとガイドワイヤーは、患者から引き抜かれることができ、大腿静脈部位で止血が達成される。
【0078】
置換弁を送達するさらに別の例示的な方法では、患者が処置台の上に位置決めされ、通常の方法でドレープがかけられ、滅菌される。麻酔または鎮静が行われる。大腿静脈、大腿動脈、橈骨動脈、鎖骨下動脈など、血管またはアクセス部位への経皮的または切開的なアクセスが得られ、導入ガイドワイヤーが挿入される。ガイドワイヤーは、操作されて、目的の弁移植部位に到達させられる。弁移植部位の横断を容易にするために、予め成形されたガイダンスカテーテルまたはバルーンカテーテルを使用されてもよい。
【0079】
図8Aを参照すると、送達カテーテル802および弁804を有する送達システム800は、弁開口806を横切って配置されている。送達システム800は、弁開口806を通る進入角度を、自然弁開口とほぼ直交するように、および/または弁開口806と中心合わせされるように調整するように、さらに操作されてもよい。所望のカテーテル姿勢が達成されると、送達シース808は、近位側に引き抜かれ、潰れた弁804を露出させる。
【0080】
図8Bでは、弁804の外壁812の下流端810の解放を制御する1セットの張力部材は、部分的に解放されている一方、内壁816を制御する張力部材は張力がかかったままである。次に、図8Cでは、弁804の外壁812の下流端810がさらに解放され、外壁812の下流端、中間領域、および上流端814のさらに多くがさらに膨張することを可能にし、それによって弁802の移行壁816が少なくとも部分的に外側に拡張することが可能になる。弁802の心房端814および心室側端810の部分的な拡張は、完全な解放の前に、弁802の中間領域822をさらに中心合わせし、直交方向に向けることに役立つ。この実施形態における外壁812の心房端814の初期の拡張は、縦方向の張力が解放されるにつれて弁802の心室端810が部分的に解放されることによる副次的な効果であるが、他の例では、上流端814の独立した張力部材制御が提供されてもよい。
【0081】
図8Dでは、下流端810および上流端814の張力部材は、同時に、または段階的に単独でさらに解放され、外壁812の中間領域820を弁開口806に対してさらに係合させる。この外壁812のさらなる膨張により、外壁812上の保持バーブまたは突起822が露出する。弁の適切な中心合わせと向きが再確認され、弁が弁環状部に対して傾いたり、部分的に外れたりした状態で展開されていないことが確認される。張力部材は、弁804の再位置決めおよび/または向きの変更を容易にするために、弁804を再度潰すために任意に再度張力がかけられてもよい。確認されると、図8Eに示すように、内壁818の張力部材が解放され、これによって外壁812も僧帽弁開口806に対して拘束されずに拡張することができる。その後、張力部材は、弁804から分離され、カテーテル内に、任意でカテーテル802の近位端から引き出されてもよい。
【0082】
置換弁を送達するさらに別の例示的な方法では、患者が処置台の上に位置決めされ、通常の方法でドレープがかけられ、滅菌される。麻酔または鎮静が行われ、右肺と、場合によっては左肺上葉の選択的換気を行い、左肺下葉の虚脱を制御できるようにする。パースストリング縫合糸が、経肩甲骨またはその他の心臓進入部位に配置される。トロカールが近位止血弁付きカニューレまたはイントロデューサを通して挿入され、トロカールアセンブリが、心室と標的弁にアクセスするためにパースストリング縫合糸を通して挿入される。
【0083】
図8Aを参照すると、送達剛性ツール802と弁804とを備える送達システム800は、弁開口806を横切って配置されている。送達システム800は、弁開口806を通る進入角度を、自然弁弁開口とほぼ直交するように、および/または弁開口806と中心合わせされるように調整するように、さらに操作されてもよい。所望のツール姿勢が達成されると、送達シース808(もしあれば)は、近位側に引き抜かれ、潰れた弁804を露出させる。
【0084】
図8Bでは、弁804の外壁812の下流端810の解放を制御する張力部材は、部分的に解放されている一方、内壁816を制御する縫合糸は張力がかかったままである。次に、図8Cでは、弁804の外壁812の下流端810がさらに解放され、外壁812の下流端、中間領域、および上流端814のさらに多くがさらに拡張することを可能にし、それによって弁802の移行壁816が少なくとも部分的に外側に拡張することが可能になる。弁802の心房端814および心室端810の部分的な拡張は、完全な解放の前に、弁802の中間領域822をさらに中心合わせし、直交方向に向けることに役立つ。この実施形態における外壁812の心房端814の初期の拡張は、縦方向の張力が解放されるにつれて弁802の心室端810が部分的に解放されることによる副次的な効果であるが、他の例では、独立した縫合糸制御が提供されてもよい。
【0085】
図8Dでは、下流端810および上流端814の張力部材は、同時に、または段階的に単独でさらに解放され、外壁812の中間領域820を弁開口806に対してさらに係合させる。この外壁812のさらなる拡張により、外壁812上の保持バーブまたは突起822が露出される。張力部材は、弁804の再位置決めおよび/または向きの変更を容易にするために、弁804を再度潰すために任意に再度張力がかけられてもよい。弁の適切な中心合わせと向きが再確認され、弁が弁環状部に対して傾いたり、部分的に外れたりした状態で展開されていないことが確認される。確認されると、図8Eに示すように、内壁818の張力部材が解放され、これによって外壁812が僧帽弁開口806に対して拘束されずに拡張することができる。その後、縫合線は、切断され、切断端はカテーテル内に、任意で送達ツール802の近位端から引き抜かれる。
【0086】
さらにいくつかの変形例では、1つまたは複数のリングまたはワイヤーループがステント構造体に取り付けられて、張力部材の取り付けを容易してもよい。リングは、ステント支柱とは対照的に、張力部材がスライドできるように、より丸みを帯びた表面を備えてもよい。リングは、ステント構造体に直接固定されてもよく、ステント構造体の開口に設けられてもよい。後者の構成により、リングが開口内で移動または回転することが可能になり、これにより、張力部材と支柱の取り付け領域との間の張力方向を方向付けるのに役立つことがある。図9A~9Cは、ステント900に設けられ得る様々な開口904,906,908を示す。これらの特定の例では、開口904,906,908は、ステント900の縦方向支柱902に配置されているが、他の変形例では、図10示されているように、開口1002は、ステント1000の横方向支柱または周方向支柱1004に沿って配置されてもよい。リングまたはワイヤーループ910,1010は、図10に示されているように、円形形状を備えてもよいが、他の変形例では、楕円形、正方形、長方形、または他の多角形または曲線状の閉じた形状であってもよい。リングまたはワイヤーループは、例えば、0.001インチから0.100インチ、0.005インチから0.050インチ、または0.007インチから0.020インチの範囲の直径を有する丸線で形成されてもよく、例えば、0.010インチから0.5インチ、0.010インチから0.3インチ、0.10インチから0.1インチ、0.010インチから0.080インチ、0.015インチから0.075インチ、0.020インチから0.70インチ、0.25から0.65インチの範囲の直径または最大内部開口寸法を有するリングまたは他の形状を備えてもよい。いくつかの変形例では、ステント構造体に取り付けられたリングは、特定の位置におけるサイズの制約に応じて、異なるサイズを有し、張力部材の向きをより大きく変化させてもよい。ワイヤーは、チタン、ステンレス鋼、ニチノール、コバルトクロム、または他の生体適合性ワイヤーを備えてもよい。ワイヤーは、接合用の平らな端面を提供するためにスクエアカットされてもよく、接合用の表面積を増やすためにアングルカットされてもよい。ワイヤーは、開口に圧着されてもよく、ワイヤーの両端はレーザー溶接で突き合わせ接合されてもよい。ステント構造体とリングとは、不動態化処理など、さらに共に処理されてもよい。いくつかの変形例では、ステント構造体内に形成されたリング開口は、リングの断面形状と同一または異なる形状を有していてもよく、相対的なサイズは、ワイヤー直径またはワイヤー最大横断面寸法の110%、120%、130%、140%、150%、200%、250%、または300%までであってもよい。支柱の端部に対するリング開口の位置は、ワイヤー直径またはワイヤー最大横断面寸法に対して特徴付けられてもよく、例えば、支柱または支柱セグメントの端部から150%、200%、250%、300%、400%、または500%またはそれ以上までであってもよい。
【0087】
図10は、ステント1000の縦方向支柱1008の端部1006に固定的に溶接されたリング1010と、周方向支柱1004に沿ってスライド可能に配置されたリング1010と、周方向支柱1010の開口1002に配置されたリング1010とを含む、ステントリングの他の実施形態を模式的に示している。
【0088】
本明細書では、実施形態を特に示し、その実施形態を参照して説明したが、当業者には、実施形態の範囲から逸脱することなく、形態および細部において様々な変更を加えてもよいことが理解されるだろう。上述したすべての実施形態において、方法のステップは順次実行される必要はない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】