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特表2024-544356事前形成部品を用いて組み立てられた履物及び履物を組み立てるための関連する方法
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  • 特表-事前形成部品を用いて組み立てられた履物及び履物を組み立てるための関連する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】事前形成部品を用いて組み立てられた履物及び履物を組み立てるための関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20241122BHJP
   A43B 3/10 20060101ALI20241122BHJP
   A43B 13/32 20060101ALI20241122BHJP
   A43B 13/42 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A43B13/14 Z
A43B3/10 E
A43B13/32
A43B13/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024516748
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 IT2022050282
(87)【国際公開番号】W WO2023073740
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021000027818
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524097159
【氏名又は名称】タッシ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ジョルダーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジョ フランコ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA38
4F050HA56
4F050HA82
4F050JA12
4F050KA06
4F050LA01
(57)【要約】
事前形成部品を用いて組み立てられた履物であって、上記履物は、ソール又はトレッド(11)、アッパー、及びミッドソールを備えており、上記ミッドソールは、歩行中に発生した衝撃を弱めるように構成されており、かつ上記アッパーの下方に配置されている。上記履物は一体型シェル(10)も備えており、上記履物は摩耗及び衝撃に対する保護の要素を構成しており、かつ、上記一体型シェル(10)は、上記履物の上記ミッドソール及び上記アッパーを収容するように構成されており、上記一体型シェル(10)は、下外面(12)を有しており、上記トレッド(11)は、接着又は類似の技術によって上記下外面(12)上に固定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物であって、前記履物は、特にスポーツ用又は技術的な履物であり、前記履物は、事前形成部品を用いて組み立てられ、かつ、前記履物は、ソール又はトレッド(11)、アッパー、及びミッドソールを備えており、前記ミッドソールは、歩行中に発生した衝撃を弱めるように構成されており、かつ前記アッパーの下方に配置されている、履物において、前記履物は一体型シェル(10)も備えており、前記一体型シェル(10)は、摩耗及び衝撃に対する保護要素を構成しており、かつ、前記一体型シェル(10)は、前記履物の前記ミッドソール及び前記アッパーを収容するように構成されており、前記一体型シェル(10)は、下外面(12)を有しており、前記トレッド(11)は、接着又は類似の技術によって前記下外面(12)上に固定されている、ことを特徴とする、履物。
【請求項2】
前記トレッド(11)は、ラバー又はTPUから作製されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記一体型シェル(10)の前記下外面(12)は、平坦かつ一様なプロファイルを有し、前記プロファイルは、前記トレッド(11)の迅速な位置決め及び組み立てを確実化するように構成されている、ことを特徴とする、請求項1及び2の少なくとも一項に記載の履物。
【請求項4】
請求項1に記載の履物を組み立てるための方法であって、前記方法は、以下のステップであって、
-前記トレッド(11)を前記一体型シェル(10)の前記下外面(12)上に取付けかつ固定するステップと、
-前記ミッドソールを前記一体型シェル(10)の内側に配置するステップと、
-前記アッパーを前記ミッドソールの上方に収容するステップと、
を少なくとも備える、ことを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記トレッド(11)は、前記一体型シェル(10)と前記トレッド(11)の間の固定結合を弱めるための局所的な過熱プロセスによって、又は固定用残存物を除去する機械的プロセスによって、除去されるように構成されている、ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、事前形成部品を用いて組み立てられた履物及び関連する履物を組み立てる方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、履物を組み立てる方法及び関連する製品に関し、それらによれば、一体型の保護外皮又はシェルが、摩耗及び衝撃に対する保護のために用いられ、かつ履物のミッドソール及びアッパーを内側に収容する。平坦かつ一様である、シェルの下表面上の特定の幾何学的形状により、組み立て及び接着の段階におけるトレッド(又はソール)の迅速な位置決めが可能になる。
【0003】
このことは、再活性化可能な接着剤によって、又はこの目的に適合された特別な「ラスプ・ノッチ」マシンによって機械的に、摩耗したトレッドを新しいものに交換することを容易化する。
【0004】
加えて、本発明は、トレッドの交換段階において、より環境にやさしく、より高速であり、より経済性があることを確実化するように設計されている。
【0005】
特に、摩耗したトレッドの交換を容易化することは、製品の寿命を延ばすことに、ひいては残り部分又は製品全体を廃棄する必要性を大きく減少させることにつながる。このようにすると、製品の寿命を、現行の製品と比較して2倍から3倍まで延ばすことができるのである。
【0006】
また、履物の販売と同時に交換用ソール又はトレッドを販売し、さらに交換用の工場の住所を印刷済のステッカーも提供することで、顧客/消費者がこの新しい提案の大きな利点を認識できるようにするという考えが考慮されてもよい。
【0007】
履物は、特に、ランニング用又はハイキング用等の技術的な履物は、ユーザによって実行される活動にとって特に重要である特別な特徴(重量又はサポートの種類等)を、それを構成する様々な部分に有する。
【0008】
特に、技術的な履物は、本質的には、アッパー、シェル、ミッドソール、トレッド(又はソール)の4つの部分から成る。
【0009】
アッパーは、履物の上側部分であり、足の周囲を覆う部分である。アッパーは、1つの部品(筒状アッパー)又は縫い合わせられた幾つかの部品(リジッドアッパー)を含み得る。アッパーの目的は、足が履物の内側に保持されることを確実化すること、ならびに軽量性、通気性、及び時には防水性を提供することである。アッパーは、ナイロン又はマイクロファイバー等の合成材料、皮革等の天然材料、又は重ね合わされ一体化された複数の層から作製され得る。また、レースが、アッパーの一体部分である。
【0010】
シェルは、履物の裏側部分であり、足の踵を覆い、履物に安定性を取り戻す部分である。シェルは、通常、熱可塑性プラスチック材料から作製されており、その硬さは履物が意図されている用途に応じて上昇可能である。自明であるが、高山用の履物は、ランニング用の履物よりもはるかに硬いシェルを有している。
【0011】
ミッドソールは、アッパーとトレッド(又はソール)の間に位置させられる部分であり、スポーツ用の履物においては、クッション性及び衝撃保護性を提供しなければならない、疑いの余地なく最も重要な部分である。ミッドソールは、一般的に、石油派生物であるEVA(Ethyl-Vinyl-Acetate)から作製される。
【0012】
メーカーが開発した特定の技術によっては、時として、該合成物は、ポリウレタン又はポリエチレンも含み得る。ハイキング用の履物においては、ミッドソールは、可撓性、硬性、クッション性及びより敏感なポイントでの保護性を提供するため、異なる材料から成る複数の層から成る場合がある。
【0013】
多くの場合、踵にもクッションシステムが存在し、これは、足の地面との接触をより外傷性の少ないものにするために、歩行又は体重によって生じた鉛直方向の力を水平方向成分に分解することを意図されたものである。
【0014】
最後に、履物の中には、「シャンク」と呼ばれるより硬いインサートを中央部分に有するものがある。
【0015】
トレッド(又はソール)は、履物の一部分であり、ミッドソールと一緒に1つの部品となるよう作製され、かつ地面と直接接触する部分である。その目的は、地面上での摩擦及びグリップを提供することである。その設計は、履物をどのような種類の活動のために設計するかによるが、一方、使用される合成物は、専ら加硫ゴムである。
【0016】
履物の組み立て、特に、例えば登山用の履物等である、スポーツ用又は技術的な履物の組み立ては、伝統的な方法では、完成したアッパーをミッドソール(存在する場合)及びソール又はトレッドに接着することと、ラバー又はTPUから作製された保護縁部(マッドガード)をアッパーの周囲に適用することと、を含む。
【0017】
しかしながら、この組み立てのモードは幾つかの欠点を伴う。第1の欠点は、ソールを張り替える場合には、トレッド及びラバー製マッドガードの除去作業が、かなり長く経済的に負担のかかる処理時間を示唆する、という事実に関する。
【0018】
さらに、そのような作業は、特にアッパーに大きな衝撃を与えるのであって、それはアッパーが多くの種類の材料から構成されていることによる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、前述したニーズの文脈では、本発明の目的は、上記の技術的な欠点を解消することであり、具体的には、事前形成部品を用いて組み立てられた、特にスポーツ用又は技術的な履物である履物を実現することである。このことによって、摩耗したトレッドの除去及び交換作業を単純化し、必要な時間、コスト、及び労働力を削減することができる。
【0020】
本発明の他の目的は、特にスポーツ用又は技術的な履物である上記の履物を組み立てるプロセスを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
以下の議論においてより明確に現れる、これらの目的及び他の目的は、添付の請求項1による、事前形成部品を用いて組み立てられた履物によって達成され、さらに、請求項4による、関連する組み立てプロセスによっても達成される。他の詳細な技術的特徴は、後続する請求項に記載されている。
【0022】
本発明によれば、有利には、摩耗したソール又はトレッドの交換に必要な時間、コスト、及び労働力は、摂氏60~75度で再活性化可能な特定の接着剤の採用によって、又はミッドソールの下面に残った接着剤を機械的に除去できる特別な機械の採用によって、削減される。
【0023】
本発明による、事前形成部品を用いて組み立てられた履物のさらなる特徴及び有利な点は、好ましく例示的であるが限定的ではない実施形態及び添付の図面を参照した以下の記述から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明に従って作成された、事前形成部品を用いて組み立てられた履物の分解斜視図を示している。
図2図2は、本発明に従って作成された、事前形成部品を用いて組み立てられた履物の分解斜視図を示している。
図3図3は、本発明に従って作成された、事前形成部品を用いて組み立てられた履物の分解斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
上記の図面を参照すると、特にスポーツ用又は技術的な履物である本発明による履物は、履物のミッドソール及びアッパーを収容するように構成された、耐摩耗性及び衝撃保護性の一体型シェル10を備えている。
【0026】
加えて、ラバーから作製されたソール又はトレッド11が、接着又は類似の技術によって一体型シェル10の下外面12に固定されている。
【0027】
上記したように、歩行中に発生した衝撃を弱めるように設計されているミッドソールは、シェル10内に配置されており、アッパーブロックはミッドソールの上方に収容されている。特に、本発明による組み立て手順は、トレッド11を一体型シェル10の下外面12に対して固定すること、ミッドソールを一体型シェル10内に配置すること、及びその後でアッパーブロックをミッドソールの上方に収容することを含む。
【0028】
シェル10の下外面12の特定の幾何学的形状は、特に平坦かつ一様であり、組み立て及び接着フェーズのためにトレッド11を迅速に位置決めすることを確実化するように構成されている。
【0029】
同様に、トレッド11を交換する場合(例えば、履物のソール張り替えの段階)には、摩耗したトレッドの除去作業は、先行技術よりも容易であり、かつ履物のアッパーを損傷する可能性を制限する。というのも、このステップは、固定用接着剤とシェル10とトレッド11の間の固定結合を弱めるように設計された局所的な加熱プロセス、又は固定用残存物を除去する機械的プロセス(機械的カーディング)、のいずれかによって実行されるからである。
【0030】
本発明の主題である、事前形成部品を用いて組み立てられた履物及び関連する組み立てプロセスの特徴は、これまでの説明から明らかであり、その有利な点も同様に明らかである。
【0031】
特に、本発明による組み立て手順に由来する主な有利な点は、特定の再活性化可能な接着剤を採用すること、又は一体型シェルの下面及びミッドソールに残った接着剤を機械的に除去することに適した特別な機械的カーディング機を使用することのいずれかにより、摩耗したトレッドの交換に必要な時間、コスト、及び労働力を削減することに関する。
【0032】
最後に、このように考え出された本発明は、多くの修正及び変形が可能なのであって、すべてが添付の請求項の発明概念の範囲内である。さらに、すべての詳細は、他の技術的に等価な要素によって代替され得るのであって、かつ、用いられる材料は、特定の用途に適合するものであれば、寸法同様、ニーズ及び技術水準に応じて任意であってよい。
【0033】
いずれかの請求項に記載された特徴及び技術に参照符号が付されている場合、当該参照符号は、請求項のわかりやすさを向上させる目的のためにのみ付されているのであり、従って、当該参照符号は、当該参照符号によって例示的に特定された各要素の解釈に対して何らの限定的な効果も有さない。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
さらに、そのような作業は、特にアッパーに大きな衝撃を与えるのであって、それはアッパーが多くの種類の材料から構成されていることによる。
また、関連する技術水準は、米国特許出願公開第2018/103727号明細書及び仏国特許出願公開第2957496号明細書も包含している。
【国際調査報告】