(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】リアルタイム適応型無線周波数送信機の最適化を可能にする方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20241122BHJP
G06N 3/0475 20230101ALI20241122BHJP
G01S 7/282 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H04B1/04 B
G06N3/0475
G01S7/282
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522228
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 US2022046872
(87)【国際公開番号】W WO2023064626
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514239372
【氏名又は名称】ベイラー ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】エグバート,オースティン スコット
【テーマコード(参考)】
5J070
5K060
【Fターム(参考)】
5J070AB01
5J070AB06
5J070AH31
5J070AK40
5K060BB07
5K060CC04
5K060DD06
5K060LL07
(57)【要約】
認知レーダなどの開示された無線周波数(RF)システムは、ソフトウェア無線(SDR)、適応型送信増幅器、及びホストコンピュータを含む。システムは、初期インピーダンスをRFデバイスについての負荷インピーダンスとして選択することと、収束基準が満たされるまで画像補完動作を反復して実行することとを含む最適化動作を実行する。画像補完動作は、負荷インピーダンスに対応する測定された性能を取得するためにRFデバイスの性能を測定することと、測定された性能を測定ロードプル等高線画像上の点として格納することと、負荷インピーダンスから予測最適インピーダンスを外挿するようにロードプル外挿を実行することと、予測インピーダンスを画像補完動作の次の反復のための負荷インピーダンスとして保存することとを含んでもよい。収束基準は、予測インピーダンスが以前に測定されたインピーダンスの1つと一致する場合、満たされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応型無線周波数(RF)デバイスの送信構成を最適化する方法であって、前記方法は、
初期インピーダンスを前記RFデバイスについての負荷インピーダンスとして選択することと、
収束基準が満たされるまで画像補完動作を反復して実行することと、
を含み、前記画像補完動作は、
前記負荷インピーダンスに対応する測定された性能を取得するために前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記測定された性能を測定ロードプル等高線画像の点として格納することと、
前記負荷インピーダンスから予測最適インピーダンスを外挿するようにロードプル外挿を実行することと、
前記予測インピーダンスを前記画像補完動作の次の反復のための前記負荷インピーダンスとして保存することと、
を含み、前記収束基準は、前記予測インピーダンスと、以前に測定された最も近い負荷インピーダンスとの間の差異が所定閾値未満であるときに満たされる、
方法。
【請求項2】
前記ロードプル外挿を実行することは、勾配ベースの画像補完処理を既知のロードプル等高線で訓練された敵対的生成ネットワーク(GAN)に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロードプル等高線画像は、画像ピクセルの配列を含み、各ピクセルは、対応する負荷インピーダンスを表す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像補完動作は、
1つ又は複数の追加インピーダンスでの前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記1つ又は複数の追加インピーダンスのそれぞれに対応する点を前記ロードプル等高線画像に追加することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予測インピーダンスは、第1画像ピクセルに対応し、前記1つ又は複数の追加ピンピーダンスは、1つ又は複数の追加ピクセルに対応し、前記ピクセルは、前記第1画像ピクセルへの近接性に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の追加ピクセルは、前記第1ピクセルに隣接し前記第1ピクセルを囲むピクセルのグループから選択される1つ又は複数のピクセルを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記GANは、生成ネットワーク及び識別ネットワークを含み、前記ロードプル外挿を実行することは、
前記生成ネットワークで、予測ロードプル等高線画像を生成することと、
前記測定ロードプル等高線画像の点と、前記予測ロードプル等高線画像の対応する点との間の一致度を決定することと、
損失メトリックを最小化する予測ロードプル等高線画像を生成する生成ネットワーク入力をサーチすることと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記GANは、ワッサースタインGANを含み、識別ネットワークは、評価ネットワークを含み、前記損失メトリックは、
生成されたロードプル等高線画像と前記測定ロードプル等高線画像の点との間の類似度を示すコンテキスト損失成分と、
前記生成されたロードプル等高線画像と訓練データセットとの間の相違度を示す知覚損失成分と、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記GANは、線形デバイス動作に対応する等高線のみで訓練される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記RFデバイスは、認知レーダデバイスを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
無線周波数(RF)デバイスシステムであって、
ソフトウェア無線(SDR)と、
適応型送信増幅器と、
前記SDR及び前記適応型送信増幅器と通信的に結合されたホストコンピュータと、
を備え、前記ホストコンピュータは、中央処理装置、及び実行されると前記システムに最適化動作を実行させるプロセッサ実行可能命令を含むコンピュータ可読メモリを含み、前記最適化動作は、
初期インピーダンスを前記RFデバイスについての負荷インピーダンスとして選択することと、
収束基準が満たされるまで画像補完動作を反復して実行することと、
を含み、前記画像補完動作は、
前記負荷インピーダンスに対応する測定された性能を取得するために前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記測定された性能を測定ロードプル等高線画像の点として格納することと、
前記負荷インピーダンスから予測最適インピーダンスを外挿するようにロードプル外挿を実行することと、
前記予測インピーダンスを前記画像補完動作の次の反復のための前記負荷インピーダンスとして保存することと、
を含み、前記収束基準は、前記予測インピーダンスと、以前に測定された最も近い負荷インピーダンスとの間の差異が所定閾値未満であるときに満たされる、
無線周波数(RF)デバイスシステム。
【請求項12】
前記ロードプル外挿を実行することは、勾配ベースの画像補完処理を既知のロードプル等高線で訓練された敵対的生成ネットワーク(GAN)に適用することを含む、請求項11に記載のRFデバイス。
【請求項13】
前記ロードプル等高線画像は、画像ピクセルの配列を含み、各ピクセルは、対応する負荷インピーダンスを表す、請求項12に記載のRFデバイス。
【請求項14】
前記画像補完動作は、
1つ又は複数の追加インピーダンスでの前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記1つ又は複数の追加インピーダンスのそれぞれに対応する点を前記ロードプル等高線画像に追加することと、
を含む、請求項13に記載のRFデバイス。
【請求項15】
前記予測インピーダンスは、第1画像ピクセルに対応し、前記1つ又は複数の追加インピーダンスは、1つ又は複数の追加ピクセルに対応し、前記ピクセルは、前記第1画像ピクセルへの近接性に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項14に記載のRFデバイス。
【請求項16】
前記1つ又は複数の追加ピクセルは、前記第1ピクセルに隣接し前記第1ピクセルを囲むピクセルのグループから選択される1つ又は複数のピクセルを含む、請求項15に記載のRFデバイス。
【請求項17】
前記GANは、生成ネットワーク及び識別ネットワークを含み、前記ロードプル外挿を実行することは、
前記生成ネットワークで、予測ロードプル等高線画像を生成することと、
前記測定ロードプル等高線画像の点と、前記予測ロードプル等高線画像の対応する点との間の一致度を決定することと、
損失メトリックを最小化する予測ロードプル等高線画像を生成する生成ネットワーク入力をサーチすることと、
を含む、請求項12に記載のRFデバイス。
【請求項18】
前記GANは、ワッサースタインGANを含み、前記識別ネットワークは、評価ネットワークを含み、前記損失メトリックは、
生成されたロードプル等高線画像と前記測定ロードプル等高線画像の点との間の類似度を示すコンテキスト損失と、
前記生成されたロードプル等高線画像と訓練データセットとの間の相違度を示す知覚損失と、
を含む、請求項17に記載のRFデバイス。
【請求項19】
前記GANは、線形デバイス動作に対応する等高線のみで訓練される、請求項12に記載のRFデバイス。
【請求項20】
前記RFデバイスは、認知レーダデバイスを含む、請求項12に記載のRFデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して適応型無線周波数(RF)送信機に関し、より具体的には、RF送信機のリアルタイム最適化に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
35USC§119(e)に基づき、本出願は、2021年10月15日に出願された米国出願第63/256,001号の利益および優先権を主張し、当該出願を本明細書では「仮出願」と称し、その開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
該当なし。
【0004】
(添付の参照)
該当なし。
【背景技術】
【0005】
高帯域幅の通信アプリケーションの使用が増えるにつれて、利用可能な無線スペクトルが混雑してくると、無線スペクトルの他の多くのユーザにとって、静的で柔軟性のない方法で運用を継続することは不可能になる。これらのユーザの中にはレーダシステムがあり、歴史的にその使用のために広い帯域幅が予約されてきた。動的に管理される環境で新しい技術に適応し共存するために、次世代レーダはスペクトル構成をリアルタイムで再構成し最適化できる必要がある。
【0006】
2009年、当時の連邦通信委員会(FCC)委員長ジュリアス ジェナコウスキー氏は、「アメリカのモバイルの将来に対する最大の脅威は、迫り来るスペクトル危機であると私は信じている」と述べた。彼が予見した危機は、第5世代無線(5G)技術など、将来の無線通信アプリケーション及びシステムに十分なスペクトル(周波数帯域)を提供できなくなることである。当時、モバイルデータの使用量は2008年の6PB/月から2013年には400PB/月に増加すると予想されていた。最近では、エリクソンは、世界のモバイルデータ使用量が2026年には226EB/月に達すると予測している。このスペクトルの利用可能性の不足に対処するため、2010年の国家ブロードバンド計画では、FCCに対して、以前に他の用途に割り当てられていたスペクトルのいくつかの領域をオークションにかけるよう指示しており、新たな再割り当ての提案が継続的に検討されている。これらのオークションはスペクトルの圧力を軽減するのに役立っているが、オークションと再割り当てのプロセスは完了するまでに数年かかるため、この解決策の有用性は、スペクトルのシャッフルの必要性が事前に認識できる状況に限定される。
【0007】
2012年に大統領科学技術諮問委員会(President's Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)によって認識されているように、スペクトルオークションだけではスペクトル混雑に対する長期的な解決策にはほとんどならないことに注意することが重要である。PCASTは、連邦スペクトルのオークションはコスト、時間、政府任務の中断により持続不可能であると主張したが、問題はそれだけではない。実際、断続的または頻度の低いスペクトルアプリケーション(さまざまな軍事及び航空宇宙システムを含む)が存在する限り、長期にわたる静的割り当ては、高いスペクトル使用率(全スペクトルに対する占有スペクトルの比率)の必要性と根本的に両立しない。スペクトル割り当てについての従来のアプローチでは、スペクトル使用率の調査により、ニューヨークシティ、シカゴ、ダブリンなどの人口密集地域では、ピーク時に利用可能なスペクトルのわずか13~17%しか利用されていない可能性があり、特定の帯域内の使用率は、その帯域に割り当てられたアプリケーションの性質を反映していることが多いことが明らかになっている。例えば、マーク A. マクヘンリーらによる「Spectrum Occupancy Measurements Location 4 of 6」、共和党全国大会、ニューヨーク州ニューヨークシティ、2004年8月30日-2004年9月3日改訂2(2005年8月15日シェアードスペクトラム社)(テレビ帯域の使用率は最大77%、携帯電話帯域の使用率は最大46%、レーダや航空宇宙アプリケーション帯域の使用率は0.2~5%と報告されている)参照。明らかに、すべての無線アプリケーションがスペクトル利用の点で同等というわけではない。しかし、従来のアプリケーションベースのスペクトル割り当て(スペクトルの特定の部分が特定の用途に割り当てられる)では、この使用率の不均衡が無視されるため、一部の帯域が混雑する一方で、他の帯域は比較すると非常に使用率が低いという結果をもたらす。
【0008】
レーダ送信機を含む高出力RF送信機の分野では、調整可能な増幅器マッチングネットワークを使用して、搬送周波数、帯域幅、波形タイプなどを含むがこれらに限定されない、送信構成を最適化する技術が説明されている。しかし、一般的に、このような技術は計算負荷が大きすぎるため、リアルタイムの最適化を必要とするユースケースには適していない。
【発明の概要】
【0009】
開示された主題は、ロードプル外挿ベースのサーチを実行して最適な負荷インピーダンスを迅速に特定するように構成されたソフトウェア無線(software-defined radio:SDR)を使用してRF増幅器の送信構成を最適化するためのより高速な方法を提示することにより、従来のRF送信機が送信構成をリアルタイムで動的に最適化できない問題に対処する。
【0010】
スペクトル管理のより効率的なアプローチには、特定の環境内のユーザに応じてスペクトルリソースを「オンザフライ(on the fly)」で動的に割り当てることが含まれる。従来技術で説明されているさまざまなスペクトル管理アプローチは、代替の取り決めで直面する利点と課題に対処する。これらのアプローチの一部は、市民ブロードバンド無線サービス(Citizens Broadband Radio Service:CBRS)の下で実世界での応用が始まっており、追加のスペクトル共有オプションが現在、アメリカのミッドバンドイニシアチブ(Mid Band Initiative)の一環として検討されている。フェーズドアレイアンテナ技術の導入により、送信方向に対するさらなる制御により、スペクトル制御の次元が広がり、スペクトルリソースの効率的な使用の可能性がさらに高まる。
【0011】
動的割り当てシステムによって得られる柔軟性の利点を最大限に活用するには、デバイスが利用可能な帯域で効率的に動作するように適時に再構成できる必要がある。レーダ又は携帯電話基地局などの高出力利用の場合、この再構成では、選択した周波数で最適な性能を得るためにシステムの送信チェーンを最適化する必要がある。これまで、調整可能な負荷インピーダンスチューナを使用してレーダ送信増幅器の最適化方法を開発する作業が行われてきたが、使用される測定技術はリアルタイム動作には不十分であり、個々の測定セットの完了には数秒かかる。アクティブロードプルシステムはチューニング時間の大幅な改善を実証しているが、展開されたシステムで使用するには実用的ではない。一方、ソフトウェア無線(SDR)は測定技術の実証に使用されてきた。本明細書で開示される主題は、SDRを使用してロードプル外挿を実施し、最適な構成のサーチにおける大幅な改善を実現することである。予測される最適インピーダンスはサーチをガイドするために使用され、外挿によって関心領域を選択することと、関心領域で新しい測定値を取得して新しい予測される最適インピーダンスを特定することとを交互に行う。この交互プロセスの効率は、主に構成要素の再構成期間と適応アルゴリズムの計算要件によって決まる。
【0012】
一般的に、高出力の、機械作動インピーダンスチューナは、迅速に適応するRFシステムに最適な性能を提供及び維持するのに十分な速さで適応できない。既存のスペクトル環境に適合するように設計された独自のレーダパルスを作成できる認知レーダは、そのようなシステムの一例である。通常、レーダのパルス繰り返し間隔(PRI)は10μs~100μsの範囲であるが、高速の機械作動インピーダンスチューナでは、チューニング動作ごとに40ms~100msかかる場合がある。その結果、このようなチューナは、多数のパルスにわたってこのようなレーダの平均的な性能を最適化するためにのみ使用できる。しかし残念ながら、最適化には通常、複数の送信構成を考慮する必要があり、各サーチ反復中に送信構成のそれぞれを複数のインピーダンスで評価する必要がある。測定期間はこの現実に適応するように調整できるが、(サーチプロセス中に同一として扱うことができるため)多くの送信構成が送信増幅器に同様の影響を与えるため、大部分の測定で重複した情報が提供される可能性がある。したがって、各グループ内の送信構成を本質的に同等として扱い、最適化中に必要な測定の数を大幅に削減するグループ化戦略を検討することが合理的である。
【0013】
ただし、最適化プロセス中に、異なる送信構成の同等性を確認するのに十分な情報を取得することは困難である。スミスチャート上の増幅器の性能等高線は一般的に規則的な性質を持っているため、特定の送信構成に関連する回路の性能に関する部分的な知識を使用して、実質的に同一の性能特性を有する送信構成を見つけるために使用できるより完全な理解を外挿することが可能である。開示された主題は、少なくともいくつかの点において、敵対的生成ネットワーク(GAN)にディープラーニングを適用し、外挿されたロードプル情報を使用して非常に効率的な画像補完を可能とする。このような技術は、適応型RF送信機に実行可能な最適化解決策を提供し、さらに、正確なロードプル等高線を生成するために必要な評価インピーダンスの数を大幅に削減することで、他のアルゴリズムの初期化を迅速に開始したり、ロードプルプロセスを加速したりするのにも適し得、多くの場合、必要な測定はわずか6回である。
【0014】
一態様では、開示された無線周波数(RF)デバイスシステムは、ソフトウェア無線(SDR)と、適応型送信増幅器と、SDRおよび適応型送信増幅器と通信的に結合されたホストコンピュータとを含む。RFデバイス自体は認知レーダであってもよい。ホストコンピュータは、中央処理装置と、プロセッサによって実行されると、システムに最適化動作を実行させるプロセッサ実行可能命令を含むコンピュータ読み取り可能なメモリとを含み、最適化動作は、初期インピーダンスをRFデバイスの負荷インピーダンスとして選択することと、収束基準が満たされるまで画像補完動作を反復的に実行することとを含む。画像補完動作は、負荷インピーダンスに対応する測定された性能を取得することと、測定された性能を測定ロードプル等高線画像上の点として格納すること、負荷インピーダンスから予測最適インピーダンスを外挿するようにロードプル外挿を実行することと、予測インピーダンスを画像補完動作の次の反復のための負荷インピーダンスとして保存することと、を含んでもよい。収束基準は、予測インピーダンスと、以前に測定された最も近い負荷インピーダンスとの差が所定閾値未満である場合、満たされてもよい。インピーダンスが画像内のピクセルとして表される実施形態では、収束基準は、予測インピーダンスが以前に測定されたインピーダンスの1つと一致する場合に満たされてもよい。
【0015】
ロードプル外挿は、既知のロードプル等高線で訓練された敵対的生成ネットワーク(GAN)に適用される勾配ベースの画像補完プロセスとして実装されてもよい。ロードプル等高線画像は、画像ピクセルの配列に対応してもよく、各ピクセルは対応する負荷インピーダンスを表す。画像補完動作は、1つ又は複数の追加インピーダンスでRFデバイスの性能を測定することと、1つ又は複数の追加インピーダンスのそれぞれに対応する点をロードプル等高線画像に追加することとを含んでもよい。予測インピーダンスは、第1画像ピクセルに対応してもよく、1つ又は複数の追加インピーダンスは、1つ又は複数の追加ピクセルに対応してもよく、追加ピクセルは、少なくとも部分的に、第1画像ピクセルへの近接性に基づいて選択される。例えば、1つ又は複数の追加ピクセルは、第1ピクセルに隣接し、第1ピクセルを囲むピクセルのグループから選択される1つ又は複数のピクセルを含んでもよい。
【0016】
GANは、生成ネットワークと識別ネットワークを含み、ロードプル外挿を実行することは、生成ネットワークを使用して予測ロードプル等高線画像を生成することと、測定ロードプル等高線画像の点と予測ロードプル等高線画像の対応する点との間の一致度を決定することと、損失メトリックを最小化する予測ロードプル等高線画像を生成する生成ネットワーク入力をサーチすることとを含んでもよい。GANは、ワッサースタインGANとして実装されてもよく、識別ネットワークは評価ネットワークを含んでもよい。このような実施形態では、損失メトリックは、生成されたロードプル等高線画像と測定ロードプル等高線画像の点との間の類似度を示すコンテキスト損失成分と、生成されたロードプル等高線画像と訓練データセットとの間の相違度を示す知覚損失成分とを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、部分的な等高線情報からの完全なロードプル等高線の決定のグラフ描写である。
【
図2】
図2は、開示された画像補完機能と組み合わせて使用するために構成されたGANの生成ネットワーク及び識別ネットワーク機能のグラフ描写である。
【
図3】
図3は、開示された教示によって画像補完を実行するように構成された
図3の生成ネットワーク及び識別ネットワークのグラフ描写である。
【
図4】
図4は、ロードプル識別ネットワークの例示的なネットワークトポロジを示す。
【
図5】
図5は、ロードプル生成ネットワークの例示的なネットワークトポロジを示す。
【
図6】
図6は、ロードプル外挿を使用した最適化方法のフロー図を示す。
【
図7】
図7は、リアルタイム最適化のために開示された主題と組み合わせて使用するのに適した例示的なレーダシステムを示す。
【
図8】
図8は、
図1~
図7に開示された主題と組み合わせて使用するのに適した例示的なホストコンピュータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記の図面および下記の特定の構造および機能の明細書は、出願人が発明したものの範囲又は添付の特許請求の範囲を制限するために提示されたものではない。むしろ、図面及び明細書は、特許保護を求める発明をどのように作成し、使用するかを当業者に教えるために提供されている。当業者であれば、明確さと理解のために、本発明の商業的実施形態のすべての特徴が説明または示されているわけではないことを理解するであろう。当業者であれば、本開示の態様を組み込んだ実際の商業的実施形態の開発には、商業的実施形態に対する開発者の最終目標を達成するために、多数の実装固有の決定が必要になることも理解するであろう。このような実装固有の決定には、システム関連、ビジネス関連、政府関連、およびその他の制約への準拠が含まれる場合があるが、これらに限定されるわけではない。これらの制約は、特定の実装、場所、または時間によって変化し得る。開発者の努力は絶対的な意味では複雑で時間のかかるものかもしれないが、そのような努力は、それにもかかわらず、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては日常的な取り組みであろう。
【0019】
本明細書に開示され、教示される発明は、多数の様々な修正および代替形態が可能であることを理解する必要がある。「a」など単数形の用語の使用は、項目の数を制限することを意図したものではない。さらに、システムのさまざまな方法および実施形態を互いに組み合わせて含めることで、開示された方法および実施形態のバリエーションを作成できる。単数要素の議論には複数要素が含まれる可能性があり、その逆も同様である。少なくとも1つの項目への参照は、1つ以上の項目を含んでもよい。また、実施形態のさまざまな態様を互いに組み合わせて使用することで、本開示の理解された目的を達成できる。
【0020】
文脈上別段の定めがない限り、「含む(comprise)」という用語、または「含む(comprises)」や「含むこと(comprising)」などの変形は、少なくとも記載された要素若しくはステップ、要素若しくはステップのグループ、又はそれらの同等物が含まれることを意味するものと理解されるべきであり、より大きな数値又はその他の要素若しくはステップ、要素若しくはステップのグループ、又はそれらの同等物が除外されることを意味するものではない。「結合された(coupled)」、「結合すること、カップリング(coupling)」、「カプラ(coupler)」などの用語は、本明細書では広義に使用され、1つ又は複数の部材を、例えば、機械的、磁気的、電気的、化学的、動作可能、直接的又は中間要素とともに間接的に固定、結合、接着、締結、取り付け、接合、その中に挿入、その上若しくは中に形成、通信、又はその他の方法で関連付けるためのあらゆる方法又はデバイスを含んでもよく、さらに、限定されるわけではないが1つの機能部材を別の機能部材と一体的に形成することを含んでもよい。結合は回転方向を含むあらゆる方向で発生し得る。
【0021】
開示されたステップの順序は、特に制限されない限り、さまざまな順番で実行できる。開示されたステップは、他のステップと組み合わせたり、記載されたステップと連結したり、複数のステップに分割したりできる。同様に、開示された要素は機能的に説明され、個別のコンポーネントとして具体化されるか、または複数の機能を有するコンポーネントに結合されることが可能である。いくつかの要素は、簡潔にするためにデバイス名で指定される場合があり、当業者に知られている関連コンポーネントのシステムを含むことが理解されるであろう。これらは具体的に説明される場合もされない場合もある。
【0022】
構造要素は、明細書及び図面に提供され、さまざまな機能を実行する例を通じて開示され得る。これらの例は、形状、サイズ、および説明が限定されるものではなく、本明細書に含まれる教示を踏まえれば当業者に知られているように変更可能な例示的な構造として機能する。したがって、「例示的な」という用語の使用は、名詞「例」の形容詞形であり、同様に例示的な構造を指し、必ずしも好ましい実施形態を指すものではない。「A」、「B」などの接尾語文字が付いた要素番号は、同様の構造または機能を持つ同種の要素のグループ内の異なる要素を指定するものであり、当該文字のない対応する要素番号は、通常、1つ以上の同種の要素を指す。本出願で開示された要素に対応する特許請求の範囲内の要素番号はいずれも例示であり、排他的ではなく、同様の要素に対してさまざまな要素番号を使用する複数の実施形態が開示される可能性があるからである。
【0023】
概要。仮出願には、認知レーダ送信機のリアルタイム最適化に関連するさまざまなシステム、技術、およびアプリケーションを開示する主題が含まれている。この主題は、空間スペクトル伝送制約の決定、ソフトウェア無線(SDR)を使用したRFデバイスのリアルタイム性能評価、認知レーダ送信増幅器のリアルタイム最適化、レンジドップラ処理に対するインピーダンス調整の影響、及びディープ画像補完による部分的なロードプル外挿などのトピックに及ぶ。これらのトピックには重複があるが、本出願は主に、適応型RF送信増幅器のリアルタイム最適化と、ロードプル外挿を使用した画像補完に向けられている。
【0024】
仮出願で開示されているように、RF送信回路の平均性能を最適化する技術では、インピーダンス値ごとに各送信構成を複数回観察する。このアプローチでは、特にスペクトル状況が非常に変化したり複雑になったりする場合には、望ましくないほど多くの観測が必要になることがある。ただし、多くの送信構成では、最適な解決策に収束するサーチ能力にほとんど影響を与えることなく、サーチ中に互換的に使用できるほど十分に類似した、インピーダンスに関する性能等高線が生成される。実質的に同等の送信構成をグループ化すると、送信構成の数が減少し、最適化プロセスの効率が向上する。残念ながら、任意の2つの送信構成の有効な同等性を必要な確実性で確認するために取得する必要がある構成測定データの量も、負担となり得る。ただし、異なるインピーダンス間での送信構成の比較が可能であれば、システム動作中に同等性の結論に達するために必要なデータ量が大幅に削減されるため、構成のグループ化の利点が大幅に向上する。
【0025】
異なる構成およびインピーダンスについての性能データは、各構成の性能を共通のインピーダンスに外挿することによって比較できる。このロードプル外挿手法を使用すると、不完全なデータセットからロードプル等高線の完全なセットを導き出すことができる。
図1は、不完全なデータセット101から得られたスミスチャート100上に描かれた、ロードプル等高線102の完全なセットを示している。
【0026】
図1においてグラフで示された目的、すなわち不完全な等高線から完全なロードプル等高線を導出することは、画像補完問題を示唆しており、画像補完問題では、各ロードプル等高線は、性能パラメータの適用可能な値を生成する負荷インピーダンスのセットの正規化された実数成分と虚数成分の関数として、出力パワー、ゲインなどの性能パラメータの特定の値をプロットするスミスチャートの画像内のピクセルのグループとして表される。このような画像では、画像の各ピクセルは特定のインピーダンスに対応する。少なくともいくつかの実施形態では、描写目的を達成するために、ディープラーニング画像補完プロセスが採用される。例示的な実装では、既知の増幅器のロードプル等高線によって訓練された敵対的生成ネットワーク(GAN)に、勾配ベースのディープラーニング画像補完プロセスが適用される。訓練データは、線形または非線形増幅器の測定またはシミュレーションから取得できる。
図2に示されているように、GAN200は、相反する目標で訓練された識別ネットワーク201と生成ネットワーク202を含むことができる。識別ネットワーク201は、訓練データに過剰適合しないように注意しながら、与えられたロードプル等高線画像203が実際のロードプル等高線、つまり訓練データに含まれるロードプル等高線を表しているかどうか、または生成されたロードプル等高線、つまり生成ネットワーク202によって生成された等高線を表しているかどうかを認識するように訓練され得る。その一方、生成ネットワーク202は、識別ネットワーク201が有効なロードプル等高線のセットとして分類するであろう生成ロードプル等高線画像204を生成するように訓練され得る。少なくともいくつかの実施形態では、識別ネットワーク201と生成ネットワーク202は、両方のネットワークが他方の動作の弱点に適応できるように、交互に訓練される。
【0027】
適切に訓練されたGAN200を使用して、補完される画像の既知の等高線303と密接に一致する予測等高線302を生成する生成ネットワーク202への入力301を反復的にサーチすることによって、
図3に示されている方法で画像補完は実行され得る。GAN200は画像補完の前に事前訓練されているため、このアプローチは未知のデバイスを迅速に評価するための優れた基礎を提供する。少なくともいくつかの実施形態では、GAN200は、ワッサースタイン(Wasserstein)GAN(WGAN)として実装されてもよく、その場合、ワッサースタイン距離と呼ばれる所定の距離が、生成ネットワーク202および識別ネットワーク201(この状況では評価(critic)ネットワークと呼ばれることがある)を訓練するときに損失メトリックとして使用される。ワッサースタイン距離を使用すると、例えば識別ネットワーク201が決して間違えないなど、ネットワークの1つの性能が良すぎる場合に発生する可能性があるメトリック飽和を回避することができる。この飽和を回避すると、識別ネットワーク201の性能が良すぎる場合に生成ネットワーク202を更新するために使用される勾配計算が消失しないようにすることで、ネットワーク訓練プロセスの安定性と堅牢性が大幅に向上し、識別ネットワーク201を騙すことができる少しの特定の画像のみをジェネレータネットワーク202が学習するのを防ぐのに役立つ。
【0028】
図4は、識別ネットワーク201の例示的な識別ネットワークトポロジ400を示し、
図5は、生成ネットワーク201の例示的な生成ネットワークトポロジ500を示す。図示の識別ネットワークトポロジ400は、32x32ピクセルのロードプル画像401に対して動作し、入力画像と学習された有効な画像セットとの間の距離の大きさを示す単一の値である距離402を生成する。図示の識別ネットワークトポロジ402は、入力層410、4つの2D畳み込み層420-1、420-2、420-3、420-4、および3つのリーク整流線形ユニット活性化関数422-1、422-2、422-3含む。2D畳み込み層420-2および420-3の出力は、それぞれレイヤ正規化関数422-1および422-2を介してレイヤ正規化される。
図5に示す生成ネットワークトポロジ500は、128要素の初期化ベクトル501に対して動作し、合成された32x32ピクセルのグレースケールロードプル画像502を生成する。入力層510は初期化ベクトル501を受け取り、図示されたトポロジは4つの2D畳み込み転置層520-1、520-2、520-3、および520-4と3つのリークReLU522-1、522-2、および522-3を含む。2D畳み込み転置層520-1、520-2、および520-3の出力は、それぞれバッチ正規化関数521-1、521-2、および521-3を介してバッチ正規化される。双曲正接活性化層523は、ネットワーク出力の最終的なスケーリングを提供する。
【0029】
例示的な実装では、増幅器の線形特性を表す、ランダムに生成された100,000セットのアンプ散乱パラメータ(Sパラメータ)のシミュレートされた出力パワー等高線を介して訓練データが生成される。したがって、シミュレートされた等高線は線形デバイス性能を表す。いくつかの実施形態では、さまざまな設定(周波数、バイアス条件、入力パワーなど)にわたって既存の非線形デバイスモデルを使用してロードプルシミュレーションを実行することにより、大信号動作に関する追加の訓練データを提供することが望ましい場合がある。他の実施形態では、線形訓練データで十分な場合がある。
【0030】
前述のように、画像補完の目的は、既知の部分画像x(xは^付き)に類似し、全体的なターゲットデータセットに適合する画像G(z)(zは^付き)を生成する生成ネットワークへの入力z(zは^付き)を見つけることである。画像を補完するために、x(xは^付き)によって提供される完全な画像の一部をエンコードするようにマスクMは定められる。マスクは次のように特定される。
【数1】
ここで、nは画像内のピクセルを特定する。このマスクは、生成された画像と提供された部分画像を比較するときに考慮する、生成された画像の部分を示す。
【0031】
例示的な実施形態では、コンテキスト損失(contextual loss)と知覚損失(perceptual loss)という2つの損失メトリックを使用して、G(z)(zは^付き)の品質を決定する。コンテキスト損失は、生成された画像と提供された部分画像との間の類似度を示し、次のように定義される。
【数2】
【0032】
知覚損失は、生成された画像が評価ネットワークC()にしたがって訓練されたデータセットのメンバーにどれだけ似ているかを表し、次のように定義される。
【数3】
【0033】
2つの損失は、2つのメトリックの相対的な重要性を重み付けするハイパパラメータλと組み合わせられ得る。本開示において、λの値は1に選択される。したがって、総損失L(z)(zは^付き)は次のようになる。
【数4】
【0034】
式4に関して、最適化の目標は、L(z)(zは^付き)を最小化するz(zは^付き)を見つけることである。これは、当業者によく知られているであろうさまざまな適切なアルゴリズムのいずれかを使用して解決できる、確率的勾配ベースの最適化問題である。式4の解を特定するための例示的なアルゴリズムは、第3回International Conference on Learning RepresentationsにおけるD.P.Kingmaによる「Adam:A Method for Stochastic Optimization」(提出日:2014年12月22日、公開日:2015年5月5日)に記載されている要素を含んでもよい。外挿された各ロードプル等高線セットは、適用可能なアルゴリズムの固定回数の反復(例えば1000回)または動的な回数の反復の結果であってもよい。動的なケースでは、反復回数は完了した反復における損失関数の動作によって決定されてもよい。
【0035】
図6を参照すると、フロー図は、反復的なロードプル外挿を使用する最適化方法600を示す。図示の方法600は、「最大加算」手法を具体化しており、この手法では、ロードプル外挿の各反復からの最良の予測インピーダンスが測定用に選択され、その性能が、構築中のロードプル等高線画像を表すロードプル等高線データセットに追加される。
【0036】
図6に示すように、図示の方法600は初期動作602から始まり、初期動作602ではRF送信機の出力インピーダンスとして初期インピーダンスが選択される。そして、図示の方法は、特定の収束基準が所定の閾値に対して評価される収束チェック(動作606)から始まる反復ループ604に入る。少なくとも1つの実施形態では、収束基準は、最近識別された最良の予測インピーダンスが、すでに測定されたインピーダンスと一致するかどうかを評価する。収束に達していない場合、図示の方法は、RFデバイスの性能を測定し(動作610)、測定された性能を、本明細書では測定ロードプル等高線画像と呼ばれるロードプル等高線画像上の点として保存する。そして、図示の方法600は、次に、ロードプル外挿を実行して(動作612)、最良の予測インピーダンスを特定する。
【0037】
少なくともいくつかの実施形態では、ループ604の各反復で、構築中の測定ロードプル等高線画像に複数のデータ点が追加されるように、ループ604内で1つ又は複数の追加測定を実行することが有益であるか、または望ましくてもよい。図示の方法600は、ループ604の現在の反復中に1つ又は複数の追加インピーダンスを測定する(動作616)かどうかの決定(動作614)を含む。追加のデータポイントが、感知できる遅延がほとんどまたはまったくなく識別できるインピーダンスであって、現在適用されているインピーダンスと同様の性能等高線を示す可能性が高いインピーダンスに関連付けられている場合、追加のデータポイントを測定することはより有益である可能性が高くなる。ピクセルベースのロードプル等高線画像の場合、ピクセルの近接性に基づいて追加のインピーダンスを選択することで、これらの条件の両方を満たすことができる。例示的な例として、実装では、ループ604の各反復中に合計5つの測定を実行でき、5つの測定は、最良の予測インピーダンスと、アクティブピクセル(つまり、現在の最良の予測インピーダンスに対応するピクセル)のすぐ北、南、東、西のピクセルに対応するインピーダンスに対応する。他の実装では、より多くの、より少ない、および/または異なる追加ピクセルを選択して測定してもよい。
【0038】
収束チェック(動作606)が、適用可能な収束基準が満たされていることを示す場合、
図6に示す方法600は、最良の測定インピーダンスをロードプル等高線画像に適用し(動作620)、方法は終了する。
【0039】
図7を参照すると、開示されたリアルタイム最適化機能を実装するのに適した認知レーダシステム700が示されている。図示のレーダシステム700は、ソフトウェア無線701と適応型送信増幅器705を含み、これらは両方ともホストコンピュータ702と通信的に結合されている。適応型送信増幅器705は、増幅器701と、構成可能又は可変の負荷インピーダンス710を含む。ソフトウェア無線701は、Ettus Research社のUSRP X310などのさまざまな適切な市販のSDRのいずれかを使用して実装され得る。少なくとも1つの実施形態では、ホストコンピュータ702は、実行されると、本明細書で説明されたリアルタイム最適化を実行するソフトウェア命令を含む。
【0040】
図8を参照すると、
図1から
図2に示されている要素の1つ以上は、
図8に示されている情報処理システム800に例示されている情報処理システムとして、またはそのシステム内で実装され得る。図示の情報処理システムには、メモリリソース810と、さまざまなI/Oリソースおよび/または構成部品が通信的に結合された入出力ハブ820と通信的に結合された1つ以上の汎用プロセッサまたは中央処理装置(CPU)801を含む。
図8に明示的に示されているI/Oリソースは、一般にNIC(ネットワークインタフェースカード)と呼ばれるネットワークインタフェース840、ストレージリソース830、および非限定的な例としてキーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、マイクなどを含む追加のI/Oデバイス、構成部品、又はリソース850を含む。示されている情報処理システム800は、他の機能やサービスの中でも、管理サーバ(図示せず)と結合され得る帯域外管理リソースを提供するベースボード管理コントローラ(BMC)860を含む。少なくともいくつかの実施形態では、BMC860は、情報処理システム800の電源がオフになっているか、スタンバイ状態になっている場合でも、情報処理システム800を管理できる。BMC860は、プロセッサ、メモリ、情報処理システム800の帯域内ネットワークインタフェースとは別個の物理的に分離された帯域外ネットワークインタフェース、および/またはその他の埋め込み情報処理リソースを含んでもよい。特定の実施形態では、BMC860は、リモートアクセスコントローラ(例えば、デルリモートアクセスコントローラ(Dell Remote Access Controller)または統合デルリモートアクセスコントローラ(Integrated Dell Remote Access Controller))またはシャシー管理コントローラの不可欠な部分を含むか、またはその不可欠な部分であってもよい。
【0041】
特許請求の範囲に定められた開示された発明から逸脱することなく、上記で説明した発明の1つ又は複数の態様を利用する他の実施形態およびさらなる実施形態を考案できる。例えば、いくつかのステップおよび教示は、特許請求の範囲によってのみ制限される異なるシーケンスおよびその他のバリエーションで組み合わせたり配置したりできる。
【0042】
本発明は、好ましい実施形態およびその他の実施形態の文脈で説明されており、本発明のすべての実施形態が説明されているわけではない。当業者であれば、記載した実施形態に対して明らかな修正および変更を加えることが可能である。開示された実施形態および開示されていない実施形態は、出願人が考案した発明の範囲または適用性を限定または制限することを意図したものではなく、むしろ、特許法に準拠して、出願人は、以下の特許請求の範囲内に含まれるそのようなすべての変更および改良を完全に保護することを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応型無線周波数(RF)デバイスの送信構成を最適化する方法であって、前記方法は、
初期インピーダンスを前記RFデバイスについての負荷インピーダンスとして選択することと、
収束基準が満たされるまで画像補完動作を反復して実行することと、
を含み、前記画像補完動作は、
前記負荷インピーダンスに対応する測定された性能を取得するために前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記測定された性能を測定ロードプル等高線画像の点として格納することと、
前記負荷インピーダンスから予
測インピーダンスを外挿するようにロードプル外挿を実行することと、
前記予測インピーダンスを前記画像補完動作の次の反復のための前記負荷インピーダンスとして保存することと、
を含み、前記収束基準は、前記予測インピーダンスと、以前に測定された最も近い負荷インピーダンスとの間の差異が所定閾値未満であるときに満たされる、
方法。
【請求項2】
前記ロードプル外挿を実行することは、勾配ベースの画像補完処理を既知のロードプル等高線で訓練された敵対的生成ネットワーク(GAN)に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
測定ロードプル等高線画像は、画像ピクセルの配列を含み、各ピクセルは、対応する負荷インピーダンスを表す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像補完動作は、
1つ又は複数の追加インピーダンスでの前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記1つ又は複数の追加インピーダンスのそれぞれに対応する点を前記
測定ロードプル等高線画像に追加することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予測インピーダンスは、第1画像ピクセルに対応し、前記1つ又は複数の追加
インピーダンスは、1つ又は複数の追加ピクセルに対応し、前記
1つ又は複数の追加ピクセルは、前記第1画像ピクセルへの近接性に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の追加ピクセルは、前記第1
画像ピクセルに隣接し前記第1
画像ピクセルを囲むピクセルのグループから選択される1つ又は複数のピクセルを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記GANは、生成ネットワーク及び識別ネットワークを含み、前記ロードプル外挿を実行することは、
前記生成ネットワークで、予測ロードプル等高線画像を生成することと、
前記測定ロードプル等高線画像の点と、前記予測ロードプル等高線画像の対応する点との間の一致度を決定することと、
損失メトリックを最小化する予測ロードプル等高線画像を生成する生成ネットワーク入力をサーチすることと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記GANは、ワッサースタインGANを含み、識別ネットワークは、評価ネットワークを含み、前記損失メトリックは、
生成されたロードプル等高線画像と前記測定ロードプル等高線画像の点との間の類似度を示すコンテキスト損失成分と、
前記生成されたロードプル等高線画像と訓練データセットとの間の相違度を示す知覚損失成分と、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記GANは、線形デバイス動作に対応する等高線のみで訓練される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記RFデバイスは、認知レーダデバイスを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
無線周波数(RF)デバイスシステムであって、
ソフトウェア無線(SDR)と、
適応型送信増幅器と、
前記SDR及び前記適応型送信増幅器と通信的に結合されたホストコンピュータと、
を備え、前記ホストコンピュータは、中央処理装置、及び実行されると前記システムに最適化動作を実行させるプロセッサ実行可能命令を含むコンピュータ可読メモリを含み、前記最適化動作は、
初期インピーダンスを前記RFデバイスについての負荷インピーダンスとして選択することと、
収束基準が満たされるまで画像補完動作を反復して実行することと、
を含み、前記画像補完動作は、
前記負荷インピーダンスに対応する測定された性能を取得するために前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記測定された性能を測定ロードプル等高線画像の点として格納することと、
前記負荷インピーダンスから予
測インピーダンスを外挿するようにロードプル外挿を実行することと、
前記予測インピーダンスを前記画像補完動作の次の反復のための前記負荷インピーダンスとして保存することと、
を含み、前記収束基準は、前記予測インピーダンスと、以前に測定された最も近い負荷インピーダンスとの間の差異が所定閾値未満であるときに満たされる、
無線周波数(RF)デバイスシステム。
【請求項12】
前記ロードプル外挿を実行することは、勾配ベースの画像補完処理を既知のロードプル等高線で訓練された敵対的生成ネットワーク(GAN)に適用することを含む、請求項11に記載のRFデバイス。
【請求項13】
前記
測定ロードプル等高線画像は、画像ピクセルの配列を含み、各ピクセルは、対応する負荷インピーダンスを表す、請求項12に記載のRFデバイス。
【請求項14】
前記画像補完動作は、
1つ又は複数の追加インピーダンスでの前記RFデバイスの性能を測定することと、
前記1つ又は複数の追加インピーダンスのそれぞれに対応する点を前記
測定ロードプル等高線画像に追加することと、
を含む、請求項13に記載のRFデバイス。
【請求項15】
前記予測インピーダンスは、第1画像ピクセルに対応し、前記1つ又は複数の追加インピーダンスは、1つ又は複数の追加ピクセルに対応し、前記
1つ又は複数の追加ピクセルは、前記第1画像ピクセルへの近接性に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項14に記載のRFデバイス。
【請求項16】
前記1つ又は複数の追加ピクセルは、前記第1
画像ピクセルに隣接し前記第1
画像ピクセルを囲むピクセルのグループから選択される1つ又は複数のピクセルを含む、請求項15に記載のRFデバイス。
【請求項17】
前記GANは、生成ネットワーク及び識別ネットワークを含み、前記ロードプル外挿を実行することは、
前記生成ネットワークで、予測ロードプル等高線画像を生成することと、
前記測定ロードプル等高線画像の点と、前記予測ロードプル等高線画像の対応する点との間の一致度を決定することと、
損失メトリックを最小化する予測ロードプル等高線画像を生成する生成ネットワーク入力をサーチすることと、
を含む、請求項12に記載のRFデバイス。
【請求項18】
前記GANは、ワッサースタインGANを含み、前記識別ネットワークは、評価ネットワークを含み、前記損失メトリックは、
生成されたロードプル等高線画像と前記測定ロードプル等高線画像の点との間の類似度を示すコンテキスト損失と、
前記生成されたロードプル等高線画像と訓練データセットとの間の相違度を示す知覚損失と、
を含む、請求項17に記載のRFデバイス。
【請求項19】
前記GANは、線形デバイス動作に対応する等高線のみで訓練される、請求項12に記載のRFデバイス。
【請求項20】
前記RFデバイスは、認知レーダデバイスを含む、請求項12に記載のRFデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】