(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】質量分析器
(51)【国際特許分類】
H01J 49/06 20060101AFI20241122BHJP
H01J 49/10 20060101ALI20241122BHJP
H01J 49/04 20060101ALI20241122BHJP
H01J 49/26 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01J49/06 700
H01J49/10 500
H01J49/04 500
H01J49/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532238
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2022019397
(87)【国際公開番号】W WO2023101479
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0171064
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522261075
【氏名又は名称】ヨンインエース カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン,ソンウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ,フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ユン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョン-サン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジングン
(57)【要約】
【課題】分解能及び測定正確度が改善された質量分析器を提供する。
【解決手段】試料導入部、試料導入部と連結され、試料導入部から導入された試料をイオン化させるように構成されるイオン化部、イオン化部に隣接する抽出レンズ及び抽出レンズから抽出されたイオンビームをガイディングするように構成されるガイディングレンズを含むイオンレンズ部、及びイオンビームを検出するように構成される検出部を含み、抽出レンズはイオン化部に向かう前面開口、ガイディングレンズに向かう背面開口、及び前面開口と背面開口との間の側面開口を有する質量分析器を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料導入部と、
前記試料導入部と連結され、前記試料導入部から導入された試料をイオン化させるように構成されるイオン化部と、
前記イオン化部に隣接する抽出レンズ及び前記抽出レンズから抽出されたイオンビームをガイディングするように構成されるガイディングレンズを含むイオンレンズ部と、
前記イオンビームを検出するように構成される検出部と、を含み、
前記抽出レンズは、前記イオン化部に向かう前面開口、前記ガイディングレンズに向かう背面開口、及び前記前面開口と前記背面開口との間の側面開口を有する、ことを特徴とする質量分析器。
【請求項2】
前記側面開口は、複数提供され、
前記側面開口の各々は、前記前面開口から前記背面開口に向かう第1方向に行くほど、前記第1方向と直交する第2方向への幅が増加する、ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析器。
【請求項3】
前記前面開口の直径は、前記背面開口の直径より小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析器。
【請求項4】
前記イオン化部及び前記イオンレンズ部の間のインターフェイス部と、
前記イオンレンズ部及び前記検出部の間の質量分離部と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析器。
【請求項5】
前記抽出レンズは、前記インターフェイス部に隣接し、前記側面開口を有する第1抽出レンズ、及び前記第1抽出レンズと前記ガイディングレンズとの間の第2抽出レンズを含み、
前記第1及び第2抽出レンズの各々は、第1軸を中心軸にする対称的な形状を有し、
前記第1抽出レンズの少なくとも一部は、前記インターフェイス部と重畳される、ことを特徴とする請求項4に記載の質量分析器。
【請求項6】
前記インターフェイス部は、スキマーコーンを含み、
前記スキマーコーンは、前記第1抽出レンズと離隔される第1部分、及び前記第1抽出レンズの少なくとも一部を囲む第2部分を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の質量分析器。
【請求項7】
前記スキマーコーンの前記第1部分は、中空のコーン形状を有し、
前記スキマーコーンの前記第2部分は、中空の円柱形状を有し、
前記スキマーコーンの前記第1部分の背面は、前記第1抽出レンズの前面と第1距離程離隔される、ことを特徴とする請求項6に記載の質量分析器。
【請求項8】
前記第1距離は、0.5mm乃至2mmである、ことを特徴とする請求項7に記載の質量分析器。
【請求項9】
前記スキマーコーンの前記第1部分の内側壁と前記第1軸がなす第1角度は、前記第1抽出レンズの内側壁と前記第1軸がなす第2角度より大きい、ことを特徴とする請求項6に記載の質量分析器。
【請求項10】
前記第1角度は、20°より大きく30°より小さく、
前記第2角度は、10°より大きく20°より小さい、ことを特徴とする請求項9に記載の質量分析器。
【請求項11】
前記第2抽出レンズの少なくとも一部は、前記第1抽出レンズと重畳され、
前記第2抽出レンズの前面は、前記第1抽出レンズの前面と第2距離程離隔される、ことを特徴とする請求項5に記載の質量分析器。
【請求項12】
前記第2距離は、10mm乃至15mmである、ことを特徴とする請求項11に記載の質量分析器。
【請求項13】
前記ガイディングレンズは、前記第1軸を中心軸とし、前記第2抽出レンズと離隔される第1ガイディングレンズ、及び前記第1軸と離隔される第2軸を中心軸とする第2ガイディングレンズを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の質量分析器。
【請求項14】
前記試料導入部は、
液体状態の試料をエアロゾル(aerosol)状態に変更するように構成されるネブライザーと、
前記ネブライザーと連結され、温度制御を通じて相対的にサイズが小さいエアロゾルのみが前記イオン化部に移動できるようにエアロゾルの流れを制御するように構成されるスプレーチャンバーを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の質量分析器。
【請求項15】
前記イオン化部は、
前記試料導入部の前記スプレーチャンバーと連結され、最も内側に配置される第1チューブと、
端部が前記イオンレンズ部に向かい、最も外側に配置される第3チューブと、
前記第1チューブ及び前記第3チューブの間に配置される第2チューブと、
前記第3チューブの外部を囲む螺旋形状を有する誘導コイルと、を含む、ことを特徴とする請求項14に記載の質量分析器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は質量分析器に係り、より具体的に半導体製造現場で使用される、イオンレンズを含む質量分析器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造現場で工程状態を確認するために様々なイオン又は元素の濃度、分布等を測定及び分析できる方法が要求されている。また、大気及び水質の汚染が加速化されることによって環境現場で汚染程度等を測定及び分析できる方法が要求されている。このような測定及び分析のために質量分析器(mass spectrometer)が使用される。
【0003】
質量分析器は質量分析で化学作用剤等を識別又は分析する機器である。このような質量分析器は物質の質量を質量対電荷の比(mass-to-charge ratio)で測定して試料の構成成分を分析する。質量分析器内で様々な方法を使用して試料がイオン化される。イオン化された試料は電気場及び/又は磁気場を経て加速化される。即ち,イオン化された試料の一部又は全部は電気場及び/又は磁気場等によって経路が曲がる。検出器はイオン化された試料を検出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一技術的課題は分解能(resolution)及び測定正確度が改善された質量分析器を提供することにある。
本発明が解決しようとする課題は以上で言及された課題に制限されなく、言及されないその他の課題は下の記載から該当技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術的課題を解決するために本発明の実施形態による質量分析器は試料導入部、前記試料導入部と連結され、前記試料導入部から導入された試料をイオン化させるように構成されるイオン化部、前記イオン化部に隣接する抽出レンズ、及び前記抽出レンズから抽出されたイオンビームをガイディングするように構成されるガイディングレンズを含むイオンレンズ部、及び前記イオンビームを検出するように構成される検出部を含み、前記抽出レンズは前記イオン化部に向かう前面開口、前記ガイディングレンズに向かう背面開口、及び前記前面開口と前記背面開口との間の側面開口を有する。
【0006】
前記側面開口は複数提供され、前記側面開口の各々は前記前面開口から前記背面開口に向かう第1方向に行くほど、前記第1方向と直交する第2方向への幅が増加する。
【0007】
前記前面開口の直径は前記背面開口の直径より小さい。
【0008】
前記イオン化部及び前記イオンレンズ部の間のインターフェイス部、及び前記イオンレンズ部及び前記検出部の間の質量分離部をさらに含む。
【0009】
前記抽出レンズは前記インターフェイス部に隣接し、前記側面開口を有する第1抽出レンズ、及び前記第1抽出レンズと前記ガイディングレンズとの間の第2抽出レンズを含み、前記第1及び第2抽出レンズの各々は第1軸を中心軸にする対称的な形状を有し、前記第1抽出レンズの少なくとも一部は前記インターフェイス部と重畳される。
【0010】
前記インターフェイス部はスキマーコーンを含み、前記スキマーコーンは前記第1抽出レンズと離隔される第1部分、及び前記第1抽出レンズの少なくとも一部を囲む第2部分を含む。
【0011】
前記スキマーコーンの前記第1部分は中空のコーン形状を有し、前記スキマーコーンの前記第2部分は中空の円柱形状を有し、前記スキマーコーンの前記第1部分の背面は前記第1抽出レンズの前面と第1距離程離隔される。
【0012】
前記第1距離は0.5mm乃至2mmであり得る。
【0013】
前記スキマーコーンの前記第1部分の内側壁と前記第1軸がなす第1角度は前記第1抽出レンズの内側壁と前記第1軸がなす第2角度より大きい。
【0014】
前記第1角度は20°より大きく30°より小さく、前記第2角度は10°より大きく20°より小さい。
【0015】
前記第2抽出レンズの少なくとも一部は前記第1抽出レンズと重畳され、前記第2抽出レンズの前面は前記第1抽出レンズの前面と第2距離程離隔される。
【0016】
前記第2距離は10mm乃至15mmであり得る。
【0017】
前記ガイディングレンズは前記第1軸を中心軸とし、前記第2抽出レンズと離隔される第1ガイディングレンズ、及び前記第1軸と離隔される第2軸を中心軸にする第2ガイディングレンズを含む。
【0018】
前記試料導入部は液体状態の試料をエアロゾル(aerosol)状態に変更するように構成されるネブライザー、及び前記ネブライザーと連結され、温度制御を通じて相対的にサイズが小さいエアロゾルのみが前記イオン化部に移動できるようにエアロゾルの流れを制御するように構成されるスプレーチャンバーを含む。
【0019】
前記イオン化部は前記試料導入部の前記スプレーチャンバーと連結され、最も内側に配置される第1チューブ、端部が前記イオンレンズ部に向かい、最も外側に配置される第3チューブ、前記第1チューブ及び前記第3チューブの間に配置される第2チューブ、及び前記第3チューブの外部を囲む螺旋形状を有する誘導コイルを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明による質量分析器の抽出レンズは空間電荷効果(space charge effect)によって広がっていくアルゴンイオンの少なくとも一部を、側面開口を通じて放出させることができる。したがって、本発明による質量分析器の分解能及び測定正確度が改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態による質量分析器を説明するための概念図である。
【
図2】本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部を説明するための拡大図であって、
図1のA部分に対応する。
【
図3】本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部の第1抽出レンズをより詳細に説明するための斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部をより詳細に説明するための拡大図であって、
図2のB部分に対応する。
【
図5】本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部内でのイオンビームの経路及び透過率(transmission efficiency)を説明するためのシミュレーション図である。
【
図6】本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部内でのイオンビームの経路及び透過率(transmission efficiency)を説明するためのシミュレーション図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための最善の形状を示す図面は
図2である。
本発明の構成及び効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0023】
本発明は以下で開示される実施形態に限定されることなく、様々な形態で具現でき、多様な修正及び変更を加えることができる。単なる、本実施形態の説明を通じて本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0024】
添付した図面で構成要素は説明の簡易化のためにそのサイズが実際より拡大して示しており、各構成要素の比率は誇張されるか、或いは縮小される。
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとすることではない。また、本明細書で使用される用語は特に定義されない限り、該当技術分野で通常の知識を有する者に通常的に公知された意味として解釈される。
【0025】
本明細書で、単数形は文句で特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される‘含む(comprises)’及び/又は‘含んでいる(comprising)は言及された構成要素、段階、動作、及び/又は素子は1つ以上の他の構成要素、段階、動作、及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。
本明細書である層が他の層‘上に’にあると言及される場合に、それは他の層の上面に直接形成されるか、或いはそれらの間に第3の層が介在されてもよい。
【0026】
本明細書で第1、第2等の用語が多様な領域、層等を記述するために使用されるが、これらの領域、層がこのような用語によって限定されてはならない。これらの用語は単なる所定領域又は層を他の領域又は層と区別させるために使用されただけである。したがって、いずれか一実施形態で第1部分として言及された部分が他の実施形態では第2部分として言及されることもあり得る。ここに説明され、例示される実施形態はその相補的な実施形態も含む。明細書の全体に亘って同一の参照番号で表示された部分は同一の構成要素を示す。
【0027】
以下、図面を参照して本発明による質量分析器の実施形態に対して詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の実施形態による質量分析器を説明するための概念図である。
図1を参照すれば、本発明による質量分析器は試料導入部10、イオン化部20、インターフェイス部30、イオンレンズ部40、反応部50、質量分離部60、及び検出部70を含む。本発明による質量分析器は誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma;ICP)を利用する質量分析器であるとして図示及び説明するが、これは単なる例示的なものであり、本発明はこれに制限されず、本発明による質量分析器は以下では図示及び説明するイオンレンズ部40を含む様々な方式の質量分析器であり得る。
【0029】
試料導入部10はネブライザー11及びスプレーチャンバー12を含む。ネブライザー11は液体状態の試料をエアロゾル(aerosol)状態に変えてスプレーチャンバー12の内部に注入する。スプレーチャンバー12はネブライザー11と連結される。スプレーチャンバー12は試料の変動を低減し、後述するイオン化部20に移動する試料のサイズ及び量を一定にする。具体的に、スプレーチャンバー12は温度制御を通じて相対的にサイズが大きいエアロゾルを除去し、相対的にサイズが小さいエアロゾルのみがイオン化部20に移動できるようにエアロゾルの流れを制御する。実施形態によれば、少なくとも1つのガス供給管を通じてネブライザー11及び/又はスプレーチャンバー12にキャリヤーガス(carrier gas)が供給される。キャリヤーガスは試料がプラズマPに導入されるようにする。
【0030】
イオン化部20は試料導入部10と連結される。イオン化部20は、例えばプラズマトーチ(plasma torch)と指称される。イオン化部20は第1チューブ21、第2チューブ22、第3チューブ23、及び誘導コイル26を含む。
【0031】
第1チューブ21は試料導入部10のスプレーチャンバー12と連結され、イオン化部20の最も内側に配置される。第3チューブ23はイオン化部20の最も外側に配置され、第2チューブ22は第1チューブ21と第3チューブ23との間に配置される。第2チューブ22及び第3チューブ23は各々第1ガス供給管24及び第2ガス供給管25と連結される。第1乃至第3チューブ21、22、23は各々第1方向D1に延長される中空の柱形状を有する。第1乃至第3チューブ21、22、23は、第1方向D1と直交する平面で切断した断面視において、中心軸が互いに一致する同心円形状を有する。第1乃至第3チューブ21、22、23は、例えば石英(Quartz)、アルミナ(Alumina)、プラチナ(Platinum)、又はサファイア(Sapphire)で成される。
【0032】
第1チューブ21を通じて試料及びキャリヤーガスが移動し、第1ガス供給管24及び第2チューブ22を通じて補助ガス(auxiliary gas)が移動し、第2ガス供給管25及び第3チューブ23を通じて冷却ガス(coolant gas)が移動する。補助ガスはプラズマPとの接触によって第1及び第2チューブ21、22の端部の破損が防止又は最小化できる。冷却ガスはプラズマPとの接触によって第3チューブ23の内壁の破損が防止又は最小化できる。キャリヤーガス、補助ガス、及び冷却ガスは、例えばアルゴン(Ar)を含む。
【0033】
誘導コイル26は、例えば第3チューブ23の外部を少なくとも2回以上囲む螺旋形状を有する。誘導コイル26はイオン化部20の内部に時間的に変化する強い電磁気場を生成する。誘導コイル26によって生成された電磁気場は内部のガスを放電させてプラズマPを生成する。高温のプラズマPは試料導入部10から導入されたエアロゾル状態の試料をイオン化させる。
【0034】
実施形態によれば、イオン化部20は誘導コイル26と連結される高電力のRF電源及び誘導コイル26と第3チューブ23の外壁との間の遮蔽板をさらに含む。
【0035】
インターフェイス部30はイオン化部20で生成されたプラズマPからイオン化された試料をイオンビームの形態で抽出する。インターフェイス部30は第1方向D1でイオン化部20に隣接する。インターフェイス部30はチャンバーCHに連結される。インターフェイス部30はイオン化部20とチャンバーCHとの間に提供される。インターフェイス部30はイオンビームを抽出するサンプラーコーン(sampler cone)及びスキマーコーン(skimmer cone)を含む。サンプラーコーン及びスキマーコーンは、例えば第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が大きくなる中空のコーン形状を有する。
【0036】
チャンバーCHの内部にイオンレンズ部40、反応部50、質量分離部60、及び検出部70が提供される。チャンバーCHの内部は真空状態に維持される。イオンレンズ部40、反応部50、質量分離部60、及び検出部70の中で少なくとも1つ以上は、例えばチャンバーCHの内部のサブチャンバー内に提供され、サブチャンバーはチャンバーCHの内部と異なる真空状態に維持される。イオンレンズ部40、反応部50、質量分離部60、及び検出部70は、例えば第1方向D1に沿って配列されるが、本発明はこれに制限されない。
【0037】
イオンレンズ部40はインターフェイス部30と反応部50との間に提供される。実施形態によれば、イオンレンズ部40の少なくとも一部はインターフェイス部30と連結及び/又は重畳される。イオンレンズ部40は少なくとも1つ以上のレンズを含み、1つ以上のレンズを通じてフォトン、中性粒子等を遮断し、分析対象になるイオン(以下、分析対象イオン)の経路を制御する。以下では
図2乃至
図4を参照してイオンレンズ部40の細部構成に対して詳細に説明する。
【0038】
反応部50はイオンレンズ部40と質量分離部60との間に提供される。反応部50は衝突/反応セル(collision/reaction cell)と指称される。実施形態によれば、少なくとも1つのガス供給管を通じて反応部50に衝突/反応ガスが供給される。衝突/反応ガスは反応部50の内部の様々なイオンと衝突し、妨害イオン(例えば、40Ar、40Ar16O、38ArH等)を非妨害種に変換させるか、或いは分析対象イオンを異なる質量を有するイオンに変換させる。
【0039】
質量分離部60は反応部50と検出部70との間に提供される。質量分離部60は、例えば四重極子(quadrupole)方式、二重集束磁気セクタ(double focusing magnetic sector)方式、又は飛行時間(time-of-flight)方式を利用でき、イオンを質量対電荷比(m/z)に応じて分離する。図示とは異なり、イオンレンズ部40と反応部50との間にその他の質量分離部60が追加に提供されることもできる。
【0040】
検出部70は質量分離部60の末端と隣接し、質量分離部60で分離された、分析対象イオンの質量スペクトルを検出する。検出部70は、例えばチャンネル電子増倍器(channel electron multiplier)、ファラデーカップ(Faraday cup)、又は離散ダイノード電子増倍器(discrete dynode electron multiplier)を利用する。
【0041】
図2は本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部を説明するための拡大図であって、
図1のA部分に対応する。
図3は本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部の第1抽出レンズをより詳細に説明するための斜視図である。
【0042】
図1及び
図2を参照すれば、本発明による質量分析器のイオンレンズ部40は第1抽出レンズEL1、第2抽出レンズEL2、第1ガイディングレンズGL1、及び第2ガイディングレンズGL2を含む。第1抽出レンズEL1、第2抽出レンズEL2、第1ガイディングレンズGL1、及び第2ガイディングレンズGL2は第1方向D1を沿って配列される。この時、抽出レンズEL1、EL2の数及びガイディングレンズGL1、GL2の数は単なる例示的なものであり、本発明はこれに制限されない。
【0043】
第1及び第2抽出レンズEL1、EL2はインターフェイス部30に隣接するように配置される。第1抽出レンズEL1はインターフェイス部30と第2抽出レンズEL2との間に提供され、第2抽出レンズEL2は第1抽出レンズEL1と第1ガイディングレンズGL1との間に提供される。第1及び第2抽出レンズEL1、EL2の各々は、例えば第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が大きくなる中空のコーン形状を有する。第1及び第2抽出レンズEL1、EL2の各々の中心軸は第1方向D1に延長される第1軸AX1と一致する。第1抽出レンズEL1の中心軸は第2抽出レンズEL2の中心軸と一致する。第1及び第2抽出レンズEL1、EL2の各々は第1軸AX1を中心に対称的な形状を有する。第1及び第2抽出レンズEL1、EL2の各々は前面及び背面に開口を有する。本明細書で、前面はイオン化部20及びインターフェイス部30に向かう方向(即ち、第1方向D1の反対方向)の面を意味し、背面は反応部50に向かう方向(即ち、第1方向D1)の面を意味する。前面及び背面は第1方向D1と直交し、第2方向D2と平行な面である。
【0044】
第1抽出レンズEL1はインターフェイス部30に向かう第1前面開口110、及び第1ガイディングレンズGL1に向かう第1背面開口130を有する。第1前面開口110の直径は第1背面開口130の直径より小さい。
【0045】
図2及び
図3を参照すれば、第1抽出レンズEL1は側面開口150を有する。側面開口150は第1前面開口110と第1背面開口130との間に位置する。実施形態によれば、第1抽出レンズEL1は複数の側面開口150を有する。側面開口150の各々は第1抽出レンズEL1の側壁を貫通し、第1抽出レンズEL1の内側壁を露出させる。側面開口150の各々は第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が増加する。側面開口150の各々は第1前面開口110に向かう角で第1幅W1を有し、第1背面開口130に向かう角で第2幅W2を有する。第1幅W1は第2幅W2より小さい。
【0046】
誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma;ICP)を利用する質量分析器で、プラズマは大部分アルゴン(Ar)を含む多原子イオン(polyatomic ions)(以下、アルゴンイオン)で成されるが、アルゴンイオンは半導体製造現場での分析対象イオン(例えば、カドミウムイオン(Cd+)、鉛イオン(Pb+)等の金属イオン)に対するノイズとして作用する。また、アルゴンイオンは分析対象イオンとのクーロン相互作用(Coulomb interaction)によって第1軸AX1から遠くなる方向に広がるが、この時第1抽出レンズEL1の内側壁にアルゴンイオンが衝突する場合(即ち、側面開口150がない場合)、レンズ電圧の状態を変更させる。本発明による質量分析器の第1抽出レンズEL1は空間電荷効果によって広がっていくアルゴンイオンの少なくとも一部を、側面開口150を通じて放出させる。したがって、本発明による質量分析器の分解能及び測定正確度が改善できる。
【0047】
再び
図1及び
図2を参照すれば、第2抽出レンズEL2は第1抽出レンズEL1の第1前面開口110に向かう第2前面開口210、及び第1ガイディングレンズGL1に向かう第2背面開口230を有する。第2前面開口210の直径は第2背面開口230より小さい。第2前面開口210の直径は第1背面開口130の直径より小さい。
【0048】
第2抽出レンズEL2の少なくとも一部は第1抽出レンズEL1と第2方向D2に重畳される。再び言えば、第2抽出レンズEL2の少なくとも一部は第1抽出レンズEL1の内部に位置する。
【0049】
第1及び第2抽出レンズEL1、EL2に第1電圧印加部が各々連結される。実施形態によれば、第1電圧印加部は第1抽出レンズEL1の第1背面開口130及び第2抽出レンズEL2の第2背面開口230に各々隣接する。第1電圧印加部の各々に印加された電圧によって第1及び第2抽出レンズEL1、EL2はイオン化部20及びインターフェイス部30を通過したイオンビームを抽出する。
【0050】
第1及び第2ガイディングレンズGL1、GL2は反応部50に隣接するように配置される。第1ガイディングレンズGL1は第2抽出レンズEL2と第2ガイディングレンズGL2との間に提供され、第2ガイディングレンズGL2は第1ガイディングレンズGL1と反応部50との間に提供される。実施形態によれば、第1ガイディングレンズGL1は第2抽出レンズEL2と第1方向D1に互いに離隔される。第1及び第2ガイディングレンズGL1、GL2の各々は前面及び背面に開口を有する。第2ガイディングレンズGL2で、背面開口の直径は前面開口の直径より小さい。
【0051】
第1ガイディングレンズGL1の中心軸は第1軸AX1と一致する。より具体的に、第1ガイディングレンズGL1の中心軸は後述する第1ガイディングレンズGL1の第1部分GL1aの中心軸として定義される。第1ガイディングレンズGL1の中心軸は第1及び第2抽出レンズEL1、EL2の各々の中心軸と一致する。第2ガイディングレンズGL2の中心軸は第1軸AX1と平行であり、第1軸AX1と第2方向D2に離隔される第2軸AX2と一致する。第2ガイディングレンズGL2の中心軸は第1及び第2抽出レンズEL1、EL2及び第1ガイディングレンズGL1の各々の中心軸と異なる。但し、これは単なる例示的なものであり、本発明はこれに制限されず、第2ガイディングレンズGL2の中心軸は第1及び第2抽出レンズEL1、EL2及び第1ガイディングレンズGL1の各々の中心軸と一致してもよい。第2ガイディングレンズGL2の背面開口は第2軸AX2が通るところに位置する。
【0052】
第1ガイディングレンズGL1は、例えば第2抽出レンズEL2と第2ガイディングレンズGL2との間に提供される第1部分GL1a、及び第2部分GL1bと一体に連結され、第2ガイディングレンズGL2と第2方向D2に重畳される第2部分GL1bを含む。第2部分GL1bは第1部分GL1aの背面に連結されて互いに一体をなす。第1部分GL1aは第2ガイディングレンズGL2と第1方向D1に互いに離隔される。第2部分GL1bは第2ガイディングレンズGL2と第2方向D2に互いに離隔される。
【0053】
第1部分GL1aは中空の柱形状(例えば、中空の円柱形状)を有する。第2部分GL1bは中空の柱形状をその中心軸を含む平面で切断したような形状を有する。第2部分GL1bの下部は第2ガイディングレンズGL2に向かって開き、第2部分GL1bの上部は外部から遮断される。本明細書で、下部は第2方向D2の反対方向に向かう部分を意味し、上部は第2方向D2に向かう部分を意味する。
【0054】
第2ガイディングレンズGL2は、第1ガイディングレンズGL1の第2部分GL1bと類似に、中空の柱形状をその中心軸を含む平面で切断したような形状を有する。但し、第1ガイディングレンズGL1の第2部分GL1bと異なり、第2ガイディングレンズGL2の上部は第1ガイディングレンズGL1の第2部分GL1bに向かって開き、第2ガイディングレンズGL2の下部は外部から遮断される。実施形態によれば、第2ガイディングレンズGL2は第1ガイディングレンズGL1の第1部分GL1aと物理的に連結される。
【0055】
第1及び第2ガイディングレンズGL1、GL2に第2電圧印加部が各々連結される。第2電圧印加部の各々に印加された電圧によって第1及び第2ガイディングレンズGL1、GL2は第1及び第2抽出レンズEL1、EL2を通過したイオンビームの経路を制御する。第2電圧印加部の各々の電圧はイオンのエネルギー別に最適の経路を決定するために調整される。
【0056】
具体的に、第1及び第2抽出レンズEL1、EL2を通過したイオンビームの中で、電荷を有するイオンは第2電圧印加部の各々に印加された電圧によって経路が曲がって第2ガイディングレンズGL2の背面開口を通じて反応部50に向かい、直進性を有するフォトン、中性粒子等は第1軸AX1に沿って第1方向D1に進行して第2ガイディングレンズGL2の背面開口を通過せずに遮断される。本発明による質量分析器の第1及び第2ガイディングレンズGL1、GL2はフォトン、中性粒子、準安定イオン(metastable ion)等を遮断し、分析対象イオンの経路を制御する。したがって、本発明による質量分析器の測定正確度が改善される。
【0057】
図4は本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部をより詳細に説明するための拡大図であって、
図2のB部分に対応する。
図4を参照すれば、イオンレンズ部40の少なくとも一部はインターフェイス部30と第2方向D2に重畳される。さらに言えば、イオンレンズ部40の少なくとも一部はインターフェイス部30の内部に位置する。
【0058】
インターフェイス部30はスキマーコーンSCを含む。スキマーコーンSCは第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が大きくなる中空のコーン形状を有する第1部分SCa、及び第1部分SCaと連結され、第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が一定の中空の柱形状を有する第2部分SCbを含む。第2部分SCbは第1抽出レンズEL1の少なくとも一部を囲む。
【0059】
第1部分SCaの背面SCabは第1抽出レンズEL1の前面EL1fと第1方向D1に互いに離隔される。第1部分SCaの背面SCabと第1抽出レンズEL1の前面EL1fの離隔距離は第1距離SD1として定義され、第1距離SD1は、例えば約0.5mm乃至約2mmである。
【0060】
スキマーコーンSCの内部空間は第1部分SCa内の第1空間SCP1及び第2空間SCP2、第2部分SCb内の第3空間SCP3を含む。第1空間SCP1は、例えば第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が大きくなるコーン形状の空間である。第2空間SCP2及び第3空間SCP3の各々は、例えば第1方向D1に行くほど、第2方向D2への幅が一定の柱形状の空間である。第1空間SCP1の背面での第2方向D2への幅は第2空間SCP2の第2方向D2への幅より小さい。第2空間SCP2の第2方向D2への幅は第3空間SCP3の第2方向D2への幅より小さい。第1抽出レンズEL1の少なくとも一部は第3空間SCP3内に提供される。第1抽出レンズEL1の前面EL1fは第2空間SCP2の背面(即ち、スキマーコーンSCの第1部分SCaの背面SCab)と第1方向D1に互いに離隔される。
【0061】
スキマーコーンSCの第1部分SCaの内側壁(即ち、第1空間SCP1の側壁)と第1軸AX1がなす第1角度a1は第1抽出レンズEL1の内側壁と第1軸AX1がなす第2角度a2より大きい。第1角度a1は、例えば20°より大きく30°より小さい。第2角度a2は、例えば10°より大きく20°より小さい。
【0062】
アルゴンイオンの入射角は約22°以下であり、分析対象イオンの最大入射角は約15°以下である。本明細書で、入射角はスキマーコーンSCの前面から広がっていくイオンの経路と第1軸AX1がなす角度を意味する。本発明による質量分析器のスキマーコーンSC及び第1抽出レンズEL1はアルゴンイオンの少なくとも一部を第1抽出レンズEL1の外側壁に沿って放出させる。再び言えば、スキマーコーンSCの第1部分SCaの背面SCabと第1抽出レンズEL1の前面EL1fが互いに第1距離SD1くらい離隔される点及び第1角度a1が第2角度a2より大きい点によって、第1抽出レンズEL1の内部空間に進行するアルゴンイオンの量が減少される。特に、スキマーコーンSCの第1部分SCaの背面SCabと第1抽出レンズEL1の前面EL1fが互いに第1距離SD1程離隔される点によって電子が拡散されて第1抽出レンズEL1の外側壁に沿って放出され、準中性状態(quasi-neutralstate)でずれたアルゴンイオン及び分析対象イオンが互いにさらに強く反発し、相対的に軽いアルゴンイオンが第1軸AX1から遠くなる方向によりよく広がる。したがって、本発明による質量分析器の分解能及び測定正確度が改善される。
【0063】
第2抽出レンズEL2の前面EL2fは第1抽出レンズEL1の前面EL1fと第1抽出レンズEL1の背面EL1bとの間に位置する。第2抽出レンズEL2の前面EL2fと第1抽出レンズEL1の前面EL1fの離隔距離は第2距離SD2として定義され、第2距離SD2は、例えば約10mm乃至約15mmである。
【0064】
本発明による質量分析器の第1及び第2抽出レンズEL1、EL2はアルゴンイオンの少なくとも一部を第2抽出レンズEL2の外側壁に沿って放出させる。再び言えば、第2抽出レンズEL2の前面EL2fと第1抽出レンズEL1の前面EL1fが互いに第2距離SD2くらい離隔される点によって、第2抽出レンズEL2の内部空間に進行するアルゴンイオンの量が減少される。したがって、本発明による質量分析器の分解能及び測定正確度が改善される。
【0065】
第1抽出レンズEL1の背面EL1bは第2抽出レンズEL2の前面EL2fと第2抽出レンズEL2の背面EL2bとの間に位置する。第1抽出レンズEL1の背面EL1bはインターフェイス部30の外部に位置する。第2抽出レンズEL2の背面EL2bは第1抽出レンズEL1の背面EL1bから第1方向D1に離隔される。
【0066】
図5及び
図6は本発明の実施形態による質量分析器のイオンレンズ部内でのイオンビームの経路及び透過率を説明するためのシミュレーション図である。
より具体的に、
図5はアルゴンイオンの経路及び透過率を説明するためのシミュレーション図であり、
図6は分析対象イオンの経路及び透過率を説明するための図面である。
図5及び
図6でイオンレンズEL1、EL2、GL1、GL2を通過するイオンの透過率を測定するために後段に検出器Dを配置したものとして図示及び説明するが、本発明による質量分析器はこれに制限されず、イオンレンズEL1、EL2、GL1、GL2と検出器Dとの間には反応部50(
図1参照)及び質量分離部60(
図1参照)が提供されることができる。
【0067】
図5を参照すれば、本発明による質量分析器のイオンレンズ部に約1000個のアルゴンイオンを含む第1イオンビームIB1が入射される場合、検出器Dでは約33個のアルゴンイオンが検出される。即ち、第1イオンビームIB1の透過率は約3.3%である。この時、空間電荷効果による電流は約160μAであると設定された。
【0068】
第1イオンビームIB1の経路を参照すれば、アルゴンイオンの少なくとも一部は第1抽出レンズEL1の側面開口150を通じて、そして第2抽出レンズEL2の外側壁に沿って放出される。また、アルゴンイオンの少なくとも一部は中心軸がずれた第1及び第2ガイディングレンズGL1、GL2によって第2ガイディングレンズGL2の背面開口を通過できない。
【0069】
図6を参照すれば、本発明による質量分析器のイオンレンズ部に約1000個のカドミウムイオンを含む第2イオンビームIB2、及び約1000個の鉛イオンを含む第3イオンビームIB3が入射される場合、検出器Dでは約799個のカドミウムイオン及び約891個の鉛イオンが検出される。即ち、第2イオンビームIB2の透過率は約79.9%であり、第3イオンビームIB3の透過率は約89.1%である。この時、空間電荷効果による電流は考慮されなかった。
【0070】
図5及び
図6を参照すれば、本発明による質量分析器のイオンレンズ部はアルゴンイオンの透過率を効率的に減少させるのと同時に、分析対象イオンの透過率を増加させる。したがって、本発明による質量分析器の分解能及び測定正確度が改善される。
【0071】
以上、添付した図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しなくとも、他の具体的な形態に実施されることを理解できる。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なことであり、限定的ではないと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は質量分析器に関するものである。より詳しくは、半導体製造現場で使用される、イオンレンズを含む質量分析器に利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 試料導入部
11 ネブライザー
12 スプレーチャンバー
20 イオン化部
21 第1チューブ
22 第2チューブ
23 第3チューブ
24 第1ガス供給管
25 第2ガス供給管
26 誘導コイル
30 インターフェイス部
40 イオンレンズ部
50 反応部
60 質量分離部
70 検出部
110 第1前面開口
130 第1背面開口
150 側面開口
210 第2前面開口
230 第2背面開口
【国際調査報告】