(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】電気エネルギーを変換するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
G05F 1/67 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
G05F1/67 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533827
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2022086399
(87)【国際公開番号】W WO2023111288
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133700.3
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515078095
【氏名又は名称】エスエムエイ ソーラー テクノロジー アクティエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SMA Solar Technology AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クラトシュヴィル,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】アンルー,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420BB03
5H420BB14
5H420CC03
5H420DD02
5H420DD03
5H420EB01
5H420FF05
5H420FF22
(57)【要約】
本発明は、PV発電機(12)と電解槽(14)との間で電気エネルギーを変換するためのデバイス(10)に関し、このデバイスは、PV発電機(12)を接続するための第1の側と、電解槽(14)を接続するための第2の側とを有する。このデバイスは、第1の側と変圧器(18)との間に配置されたインバータ(16)と、変圧器(18)と第2の側との間に配置されたアクティブ整流器(20)とを有し、整流器(20)のAC側とインバータ(16)のAC側が変圧器(18)を介して互いに接続され、インバータ(16)が、インバータ(16)のDC側の第1のDC電圧をインバータ(16)のAC側の第1のAC電圧に変換するように設計され、整流器(20)が、整流器(20)のAC側の第2のAC電圧を整流器(20)のDC側の第2のDC電圧に変換するように設計され、デバイス(10)は、第2のAC電圧と第2のDC電圧との間の整流器(20)のAC/DC変換比を調整することによって、接続されたPV発電機(12)から接続された電解槽(14)への、当該デバイスの第1の側と第2の側との間の電力フローに影響を及ぼすように設計されたコントローラを有する。また、本発明は、電気エネルギーを変換する方法にも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PV発電機(12)と電解槽(14)との間で電力を変換するためのデバイス(10)であって、
当該デバイスが、PV発電機(12)を接続するための第1の側と、電解槽(14)を接続するための第2の側とを有し、
当該デバイスが、前記第1の側と変圧器(18)との間に配置されたインバータ(16)と、前記変圧器(18)と前記第2の側との間に配置されたアクティブ整流器(20)とを備え、前記整流器(20)のAC側と前記インバータ(16)のAC側が、前記変圧器(18)を介して互いに接続され、
前記インバータ(16)が、前記インバータ(16)のDC側の第1のDC電圧を前記インバータ(16)のAC側の第1のAC電圧に変換するように設計され、
前記整流器(20)が、前記整流器(20)のAC側の第2のAC電圧を前記整流器(20)のDC側の第2のDC電圧に変換するように設計され、
当該デバイス(10)がコントローラを備え、このコントローラが、前記第2のAC電圧と前記第2のDC電圧との間の前記整流器(20)のAC/DC変換比を調整することによって、接続されたPV発電機(12)から、接続された電解槽(14)への、当該デバイスの第1の側と第2の側との間の電力フローに影響を与えるように設計されていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記アクティブ整流器(20)が、半導体スイッチを含み、前記アクティブ整流器(20)のAC/DC変換比の調整が、前記半導体スイッチの適切なクロッキングによって実行されることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデバイスにおいて、
前記インバータ(16)のDC側の第1のDC電圧(U_PV)および前記アクティブ整流器(20)のDC側の第2のDC電圧(U_P2G)が、前記アクティブ整流器(20)のAC/DC変換比に依存することを特徴とするデバイス。
【請求項4】
先行する請求項の何れか一項に記載のデバイスにおいて、
前記アクティブ整流器(20)が、そのDC側からAC側へ降圧コンバータとして動作するように設計され、降圧がAC/DC変換比に依存し、かつ/または前記インバータ(16)が、そのDC側からAC側へDC/AC変換比を有する降圧コンバータとして動作するように設計されていることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
先行する請求項の何れか一項に記載のデバイスにおいて、
前記変圧器(18)が、AC/AC変圧比で第1のAC電圧を第2のAC電圧に変換し、当該デバイス(10)の第1の側と第2の側との間のガルバニック分離を実現することを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項4または5に記載のデバイスにおいて、
前記インバータ(16)のDC/AC変換比および/または前記変圧器(18)のAC/AC変圧比を調整することにより、前記第1の側と前記第2の側との間の電力フローに影響を与えるように設計されていることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
先行する請求項の何れか一項に記載のデバイスにおいて、
前記インバータ(16)が、適切な制御により、前記アクティブ整流器(20)の機能を実行することができるように設計され、また逆も同様であり、前記インバータ(16)と前記アクティブ整流器(20)が、特に同じハウジングと、特に同じパワーエレクトロニクス回路を有することを特徴とするデバイス。
【請求項8】
先行する請求項の何れか一項に記載のデバイスにおいて、
前記インバータ(16)が、ACグリッド(28)を介して前記変圧器(18)に接続され、少なくとも1の更なるインバータ(16、17)が、前記ACグリッド(28)に接続され、前記更なるインバータ(16、17)が、そのDC側で更なるPV発電機(12)または電気エネルギー貯蔵装置(26)に接続可能であることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
PV発電機(12)と電解槽(14)との間で電力を変換するための方法であって、
前記PV発電機(12)によって生成された第1のDC電圧のPV電力(P_PV)を、インバータ(16)によって第1のAC電圧のAC電力に変換するステップと、
変圧器(18)を介して前記AC電力を第2のAC電圧のAC電力に変換するステップと、
アクティブ整流器(20)によって前記AC電力をDC電力(P_P2G)に変換するステップであって、前記DC電力(P_P2G)が第2のDC電圧で前記電解槽(14)に供給される、ステップとを備え、
前記第2のAC電圧と前記第2のDC電圧との間のAC/DC変換比が前記アクティブ整流器(20)によって設定されるという点で、前記PV発電機(12)と前記電解槽(14)との間の電力フローが、前記アクティブ整流器(14)により影響を受けることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記第1のDC電圧(U_PV)が、前記PV発電機(12)において前記インバータ(16)のDC側に存在し、前記第1のAC電圧が、前記変圧器(18)において前記インバータ(16)のAC側に存在し、前記第2のAC電圧が、前記アクティブ整流器(20)のAC側に存在し、前記第2のDC電圧(U_P2G)が、前記電解槽(14)において前記整流器(20)のDC側に存在し、前記第1のDC電圧(U_PV)および前記第2のDC電圧(U_P2G)が、前記アクティブ整流器(20)の設定されたAC/DC変換比に依存することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の方法において、
前記PV発電機(12)の開回路電圧に対応する第1のDC電圧(U_PV)と、前記電解槽(14)のスタンバイ電圧に対応する第2のDC電圧(U_P2G)とから、前記電力フローが増加し、ここで、前記第1のDC電圧(U_PV)が低下して前記第2のDC電圧(U_P2G)が上昇するように、前記アクティブ整流器(20)のAC/DC変換比が設定され、前記PV電力(P_PV)が、MPP電力(P
mpp)の方向に増加し、前記電解槽(14)によって吸収される前記DC電力(P_P2G)が、公称電力の方向に増加することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9~11の何れか一項に記載の方法において、
前記第1のDC電圧(U_PV)が前記PV発電機(12)の開回路電圧に対応し、前記第2のDC電圧(U_P2G)が前記電解槽(14)のスタンバイ電圧に対応するように、前記アクティブ整流器(20)のAC/DC変換比が初期状態で設定されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記初期状態における第2のDC電圧(U_P2G)に対する第1のDC電圧(U_PV)の比が、前記変圧器(18)のAC/AC変圧比と前記インバータ(16)の固定DC/AC変換比との積に実質的に対応することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記インバータ(16)のDC/AC変換比が、1~2の間の値、好ましくは1.3~1.7の間の値に設定されることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12~14の何れか一項に記載の方法において、
前記インバータ(16)のDC/AC変換比がその設定値を有しかつ前記整流器(20)のAC/DC変換比が実質的に値1を有する初期状態に達するように、前記変圧器(18)のAC/AC変圧比を段階的に変化させることができることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9~15の何れか一項に記載の方法において、
前記整流器(20)のAC/DC変換比が、前記PV発電機(12)から前記電解槽(14)への電力フローの検出電力に応じて前記アクティブ整流器(20)のデューティサイクルを変化させることによって調整されることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項9~16の何れか一項に記載の方法において、
前記整流器(20)のAC/DC変換比が、前記PV発電機(12)の電力出力が段階的に増加するように段階的に変更され、好ましくは、電力出力が、初期状態またはゼロから、前記PV発電機(12)の最大電力まで増加することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記整流器(20)のAC/DC変換比が繰り返し変更され、それによって引き起こされる電力フローの変化が観察され、前記整流器(20)のAC/DC変換比が、前記PV発電機(12)のPV電力(P_PV)がMPP電力(P
mpp)に近づくように、それぞれの変更後に調整されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項9~18の何れか一項に記載の方法において、
前記デバイスが、DC側が電気エネルギー貯蔵装置(26)に接続され、AC側が前記変圧器(18)に接続された更なるインバータ(17)を備え、前記更なるインバータ(17)が、調整可能なDC貯蔵電力を前記エネルギー貯蔵装置(17)と交換することを特徴とする方法。
【請求項20】
エネルギー変換システム(100)であって、
PV発電機(12)と、電解槽(14)と、請求項1~8の何れか一項に記載の電気エネルギーを変換するデバイス(10)とを備えることを特徴とするエネルギー変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電力を変換するためのデバイスおよび方法に関し、特に、PV発電機から取り出されて電解槽に供給される電力を変換するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PV発電機(PV:太陽光発電装置)は、PV発電機に印加される電圧に対する、PV発電機により生成される電流の依存性を示すPV特性曲線を有する。PV発電機を電力コンバータ、特にインバータで動作させる場合、電力コンバータはPV発電機の電圧を指定し、それを比較的広い電圧範囲にわたって変化させることができる。PV特性曲線には、最大電力点、すなわち電流と電圧の積が最大となる電圧がある。最大電力は、MPP電力(MPP:Maximum Power Point)とも呼ばれる。通常、電力コンバータは、電圧を適切に変化させ、それに対応する電力の変化を観察することによって、最大電力点を設定しようとする制御システムを備える。特に、設定電圧の関数としての電流の測定値を、この目的に使用することができる。
【0003】
電解槽は、電解槽に印加される電圧に対する、電解槽により引き出される電流の依存性を示す電解特性曲線を有する。電力コンバータ、特にアクティブ整流器で電解槽を動作させる場合、電力コンバータは電解槽の電圧を指定し、それを所定の電圧範囲にわたって変化させることができる。電流の電解特性曲線は、アイドル範囲および開始電圧を有し、電解槽は開始電圧未満ではアイドルモードであり、開始電圧を超えると電解動作モードで動作させることができる。開始電圧は、電解槽の個々の電解セルのいわゆる分解電圧に対応する。電解動作モードでは、電解槽で消費される電流、よって消費電力が、電解槽の最大電力まで、電解槽の電圧の増加に伴って単調に増加する。
【0004】
DE3150758A1には、PV発電機によって生成された電気エネルギーを、スイッチング機構を介して電解槽に供給するデバイスが記載されている。様々な動作条件下における電解槽に対するPV発電機の適応を改善するために、スイッチング機構は、動作条件に応じて、PV発電機によって生成された電気エネルギーの一部をバッテリに供給するか、または電気エネルギーを電解槽に供給し、その一部をバッテリから取り出す。
【発明の概要】
【0005】
目的
本出願は、PV発電機から電力を引き出して電解槽に供給するように設計された、電気エネルギーを変換するための改良されたデバイスを開示することを目的とする。また、本発明は、PV発電機から引き出されて電解槽に供給される電力を変換するための改良された方法を実証することも目的とする。
【0006】
解決手段
上記目的は、請求項1の特徴を含むデバイス、独立請求項9の特徴を含む方法、および請求項19に係るエネルギー変換システムによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項に与えられる。
【0007】
説明
PV発電機と電解槽との間で電力を変換するためのデバイスが提供され、このデバイスは、PV発電機を接続するための第1の側と、電解槽を接続するための第2の側とを有する。このデバイスは、インバータおよびアクティブ整流器を備える。インバータは、デバイスの第1の側と変圧器との間に位置する。アクティブ整流器は、変圧器とデバイスの第2の側との間に位置する。すなわち、整流器のAC側は、変圧器を介してインバータのAC側に接続されている。
【0008】
インバータは、インバータのDC側の第1のDC電圧をインバータのAC側の第1のAC電圧に変換するように設計されている。特に、第1のDC電圧は、接続されたPV発電機のPV電圧に対応することができる。整流器は、整流器のAC側の第2のAC電圧を整流器のDC側の第2のDC電圧に変換するように設計されている。特に、第2のDC電圧は、接続された電解槽の電解電圧に対応することができる。
【0009】
このデバイスは、第2のAC電圧と第2のDC電圧との間の整流器のAC/DC変換比を調整することによって、接続されたPV発電機から接続された電解槽へのデバイスの第1の側と第2の側との間の電力フローに影響を与えるように設計されたコントローラを備える。AC/DC変換比は、整流器のAC側の第2のAC電圧と整流器のDC側の第2のDC電圧の比率に対応する。使用する変換比の特定の定義に応じて、この比率はDC電圧とAC電圧の様々なパラメータから形成することができ、特に関連する電圧の最大振幅または実効値を使用することができる。AC/DC変換比を調整することで、PV発電機と電解槽の間の電力のフローを調整し、デバイスによって変換される電力を、例えばPV発電機および電解槽の一般的な動作条件に適合させることができる。例えば、電力フローを動作条件に動的に適合させることができる。これには、例えば、電解槽および/またはPV発電機のそれぞれの特性曲線上の最適点、特にPV発電機の最大電力の動作点に対応する電力フローを達成するために、AC/DC変換比を設定することが含まれる。調整は、段階的および/または連続的に実行することができる。好ましくは、デバイスのコントローラはアクティブ整流器内に配置される。
【0010】
一実施形態では、アクティブ整流器が、特にブリッジ構成で実現されアクティブ整流ブリッジを形成する半導体スイッチを有する。この実施形態では、アクティブ整流器のAC/DC変換比が半導体スイッチの適切なクロッキングによって設定される。クロッキングは、半導体スイッチのクロック制御によって実現される。クロック制御は、例えば、デバイスのコントローラまたはアクティブ整流器のコントローラによって実行することができる。第2のDC電圧と第2のAC電圧との間の関係は、アクティブ整流器のAC/DC変換比に依存する。特に、変換比が値1である場合、例えば半導体スイッチがクロックされない場合、DC電圧は実質的にAC電圧の最大振幅に対応することができる。
【0011】
デバイスの一実施形態では、インバータのDC側の第1のDC電圧およびアクティブ整流器のDC側の第2のDC電圧が、アクティブ整流器のAC/DC変換比に依存する。したがって、この実施形態では、デバイスの第1の側と第2の側との間の電力フローが、整流器のAC/DC変換比を介して第1のDC電圧および第2のDC電圧を調整することによって影響を受ける。特に、第1のDC電圧および第2のDC電圧は、接続されたPV発電機および接続された電解槽の特性曲線上の動作点が、符号が反対で実質的に同じ電力を有するように、所与のAC/DC変換比で設定することができ、それらのDC電圧がAC/DC変換比に従って互いに離間される。
【0012】
特に、アクティブ整流器は、AC/DC変換比に応じて、そのDC側からAC側への降圧コンバータとして動作することができる。第2のAC電圧、より正確には整流器のAC側における第2のAC電圧の位相間電圧は、第2のDC電圧にAC/DC変換比を乗ずることによって計算される。このため、降圧コンバータとして動作するアクティブ整流器では、AC/DC変換比が1未満、または最大でも1に等しくなる。これにより、電力フローをさらに適切に調整し、それぞれの特性曲線上で動作点を最適化することができる。代替的または追加的には、インバータは、そのDC側からAC側へのDC/AC変換比を有する降圧コンバータとして動作することができる。DC/AC変換比は、インバータのDC側の第1のDC電圧とインバータのAC側の第1のAC電圧の比率に対応する。第1のAC電圧、より正確には第1のAC電圧の位相間電圧は、第1のDC電圧にDC/AC変換比を乗算することによって計算される。したがって、降圧コンバータとして機能するインバータのDC/AC変換比は、1よりも大きいか、少なくとも1に等しくなる。これにより、電力フローをさらに適切に調整し、それぞれの特性曲線上で動作点を最適化することができる。
【0013】
デバイスの一実施形態では、変圧器が、AC/AC変圧比で第1のAC電圧を第2のAC電圧に変換し、デバイスの第1の側と第2の側との間のガルバニック分離を実現する。AC/AC変圧比は、変圧器の一方の側の第1のAC電圧と、変圧器の他方の側の第2のAC電圧の比率に対応する。インバータのAC側に存在する第1のAC電圧は、特に整流器のAC側に存在する第2のAC電圧と結合され、変圧器が、AC/AC変圧比で第1のAC電圧を第2のAC電圧に変換する。すなわち、インバータのDC側の第1のDC電圧も、第1のAC電圧および変圧器を介して第2のAC電圧に依存することができ、アクティブ整流器の電流変換比を介して第2のDC電圧に結合することができる。
【0014】
一実施形態では、デバイスが、インバータのDC/AC変換比および/または変圧器のAC/AC変圧比を調整することによって、その第1の側と第2の側との間の電力フローに影響を与えるように構成されている。したがって、この影響は、整流器のAC/DC変換比を介した影響に追加される。これにより、エネルギー変換システムの設計、特に接続可能なPV発電機および電解槽の寸法設定に更なる自由度がもたらされ、デバイスのハードウェアを変更することなく、システム設計および変換比の動的適応によって、電力フローの最適化をそれぞれ達成することができる。
【0015】
デバイスの一実施形態では、インバータが、適切に制御された場合にアクティブ整流器の機能を果たすことができるように設計され、またその逆に、アクティブ整流器がインバータの機能を果たすことができるように設計されている。特に、インバータおよびアクティブ整流器は、同じハウジングを有し、特に同じパワーエレクトロニクス回路を有する。一実施形態では、アクティブ整流器およびインバータが、「アクティブ整流器」または「インバータ」の機能を規定する半導体スイッチの制御においてのみ異なる、同じハードウェア機器を有することができる。これには、既存のハードウェアを様々な目的に柔軟に使用することができるという特別な利点がある。
【0016】
一実施形態では、インバータがACグリッドを介して変圧器に接続され、少なくとも1の更なるインバータがACグリッドに接続され、更なるインバータが、そのDC側で更なるPV発電機または電気エネルギー貯蔵装置に接続され得る。そのようなACグリッドは、特に局所的に制限され、好ましくは電力供給グリッドに接続されていないが、他のDCユニット、例えば他のPV発電機やバッテリによって生成または貯蔵された電気エネルギーを電解槽に供給することが可能になる。
【0017】
PV発電機と電解槽との間で電力を変換するための方法は、
・PV発電機により生成された第1のDC電圧のPV電力を、インバータによって第1のAC電圧のAC電力に変換するステップと、
・変圧器を介してAC電力を第2のAC電圧のAC電力に変換するステップと、
・アクティブ整流器によってAC電力をDC電力に変換するステップとを備える。
【0018】
DC電力は、第2のDC電圧で電解槽に供給される。PV発電機と電解槽との間の電力フローは、アクティブ整流器によって、第2のAC電圧と第2のAC電圧との間のAC/DC変換比を設定することにより影響を受ける。この方法は、例えば上述したデバイスの一つで実行することができる。アクティブ整流器による調整は、コントローラによって制御することができ、このコントローラは、例えばアクティブ整流器内に配置することができる。
【0019】
この方法の一実施形態では、第1のDC電圧がインバータのDC側に存在し、よって接続されたPV発電機に存在する。第1のAC電圧は、インバータのAC側の変圧器に存在する。第2のAC電圧は、アクティブ整流器のAC側に存在する。第2のDC電圧は、電解槽における整流器のDC側に存在する。第1のDC電圧と第2のDC電圧はともに、アクティブ整流器の設定されたAC/DC変換比に依存する。
【0020】
この方法の一実施形態では、PV発電機の開回路電圧に対応する第1のDC電圧と、電解槽のスタンバイ電圧に対応する第2のDC電圧とから電力フローが増加し、ここで、第1のDC電圧が低下して第2のDC電圧が上昇するように、アクティブ整流器のAC/DC変換比が設定され、PV電力が、MPP電力の方向に増加し、電解槽によって吸収されるDC電力が、電解槽の電解特性曲線に沿って公称電力の方向に増加する。これにより、電解槽およびPV発電機の特性曲線上のそれぞれの動作点が、より高い電力の方向にシフトし、それぞれの動作点からの出力がほぼ同じとなる。
【0021】
この方法の一実施形態では、第1のDC電圧がPV発電機の開回路電圧に対応し、第2のDC電圧が電解槽のスタンバイ電圧に対応するように、アクティブ整流器のAC/DC変換比が初期状態に設定される。PV発電機の開回路電圧は、ある時点における所与の値であり、電解槽のスタンバイ電圧は、開始電圧未満の電圧範囲内とすることができる。初期状態では、第2のDC電圧に対する第1のDC電圧の比は、変圧器のAC-AC変圧比とインバータの固定DC/AC変換比との積に本質的に対応し得る。
【0022】
この方法の一実施形態では、インバータのDC/AC変換比が、1~2の間の値、好ましくは1.3~1.7の間の値、例えば1.5に設定される。この値は、デバイスと方法の初期状態を調整するのに特に有利であり、それにより、デバイスの第1の側と第2の側との間の電力フローを最適化し、特にPV発電機および電解槽の特性曲線上の適切な動作点を達成することが可能になる。さらに、DC/AC変換比の特定の値を選択することで、接続可能なPV発電機と電解槽の選択の自由度が増し、動作中の特性曲線の予測可能な変化の範囲に、特にPV発電機のPV特性曲線の天候や照射に関連するシフトに対して、本方法を最適に調整することができる。
【0023】
この方法の一実施形態では、変圧器のAC/AC変圧比を段階的に変化させて、初期状態に到達させることができ、この初期状態では、インバータのDC/AC変換比がその設定値を有し、整流器のAC/DC変換比が実質的に値1を有する。この状態は、デバイスの第1の側と第2の側との間の電力フローを最適化し、特にPV発電機および電解槽の特性曲線上で適切な動作点を達成することができるように、デバイスおよび方法の初期状態を調整するのに特に有利である。さらに、AC/AC変圧比とその変動範囲の選択は、システム全体の設計の自由度として使用することができ、PV発電機および電解槽の特性曲線の特定の相対位置に合わせて最適化することができる。
【0024】
DC/AC変換比およびAC/AC変換比は、1回または繰り返し、例えば朝のエネルギー供給システムの開始時に毎日、かつ/または特性曲線の変化に応じて、例えば天候や日射によるPV発電機のPV特性曲線のシフトに応じて、1日に数回、変更することができる。
【0025】
この方法の一実施形態では、PV発電機から電解槽への電力フローの検出電力に応じてアクティブ整流器のデューティサイクルを変化させることによって、整流器のAC/DC変換比が調整される。AC/DC変換比、すなわちアクティブ整流器の変換比は、ここではアクティブ整流器の変調の度合い、特にアクティブ整流器の半導体スイッチの変調の度合いに依存する。
【0026】
この方法の一実施形態では、PV発電機の電力出力、すなわちPV電力が段階的に増加するように、整流器のAC/DC変換比が段階的に変更され、電力出力が、好ましくは、初期状態またはゼロからPV発電機の最大電力まで増加する。PV発電機の開回路動作から開始して、これは、PV特性曲線に沿ってPV発電機の開回路電圧からより高い電力の方向に、PV電圧に対応する第1のDC電圧が低下することに対応する。PV電力は、電気エネルギーの電力フローの一部として、PV発電機から電解槽に流れることができる。
【0027】
この方法の一実施形態では、整流器のAC/DC変換比を繰り返し変化させて、その結果生じる電力フローの変化を観察する。整流器のAC/DC変換比は、PV発電機のPV電力がMPP電力に近づくように、それぞれの変更後に調整される。これは、例えばMPPトラッキング制御に対応する。この実施形態では、アクティブ整流器がPV発電機のMPPトラッキングを実行する。
【0028】
この方法の一実施形態では、デバイスが更なるインバータを有し、このインバータのDC側が電気エネルギー貯蔵装置に接続され、AC側が変圧器に接続され、この更なるインバータが、調整可能なDC貯蔵電力をエネルギー貯蔵装置と交換する。
【0029】
エネルギー変換システムは、PV発電機と、電解槽と、電力を変換するための上述したデバイスの1または複数とを備えることができる。そのようなエネルギー変換システムは、上述した方法の1または複数を実行するように設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下に、図面に示す例示的な実施形態を参照して、本発明をさらに説明および解説する。
【
図1】
図1は、電気エネルギーを変換するデバイスの一実施形態を有するエネルギー変換システムを一例として示している。
【
図2】
図2は、電気エネルギーを変換するデバイスの一実施形態を有するエネルギー変換システムを一例として示している。
【
図3】
図3は、PV発電機および電解槽の例示的な特性曲線を示している。
【
図4】
図4は、エネルギー変換システムにおけるPV発電機および電解槽の例示的な特性曲線を共通のX軸上で示している。
【
図5】
図5は、電力を変換するデバイスの一実施形態を有するエネルギー変換システムを一例として示している。
【
図6】
図6は、電力を変換するデバイスの例示的な設計の特性曲線を示している。
【
図7】
図7は、電力を変換するデバイスの例示的な設計の特性曲線を示している。
【
図8】
図8は、電力を変換するデバイスの例示的な設計の特性曲線を示している。
【
図9】
図9は、電力を変換するデバイスの例示的な設計の特性曲線を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、電力を変換するデバイス10を有するエネルギー変換システム100を概略的に示している。PV発電機12は、デバイス10を介して電解槽14に接続されている。デバイス10は、インバータ16、変圧器18およびアクティブ整流器20を備える。インバータ16および整流器20は、本質的な特性において同一であり、特にそれらは、同じハウジングおよび同じパワーエレクトロニクス回路を備える。PV発電機12の利用可能なPV電力P_PVは、デバイス10内で変換され、特に水素生成のために電解槽14で使用するための電解電力P_P2Gとして直接利用可能である。
【0032】
PV発電機12からシステムを始動するのに十分なPV電力P_PVが得られる場合、例えば350~690Vの範囲内の設定値を有し、例えば50Hzまたは60Hz、あるいは必要に応じて例えば20Hz~100Hzの異なる周波数を有する第1のAC電圧U_AC1を、インバータ16を介して生成し、変圧器18の一方の側に印加することができる。その結果、変圧器18が予磁化される。予磁化を行うためには、インバータによって生成された第1のAC電圧U_AC1の振幅をランプを介して設定値まで増加させることが有利となり得る。
【0033】
インバータ16は、PV電圧U_PVに実質的に対応する、DC側に印加される第1のDC電圧U_PVを、DC側からAC側へDC/AC変換比で降圧するように構成され、第1のDC電圧U_PV(よってPV電圧U_PV)が、相間電圧によって生成される第1のAC電圧U_AC1の振幅を上回るようになっている。
【0034】
アクティブ整流器20のAC側に印加される第2のAC電圧U_AC2は、インバータ18のAC側の第1のAC電圧を変圧器18のAC/AC変圧比で除した値である。変圧器18のAC/AC変圧比が、例えば1.5である場合、第2のAC電圧U_AC2は第1のAC電圧U_AC1の2/3の値に変換される。アクティブ整流器20のAC側の第2のAC電圧U_AC2は、例えば350V~690Vであり、特に動作中に固定値に設定されることはなく、整流器20の設定AC/DC変換比または所望の電力フローに応じて変化し得る。
【0035】
図2は、エネルギー変換システム100の可能性のある拡張を示している。双方向インバータ17を介して貯蔵装置26を変圧器18に接続することで、余剰のPV電力P_PVを蓄えることができ、PV電力P_PVが低いときに、貯蔵装置26からエネルギーを引き出することにより、電解動作モードをサポートまたは維持することができる。さらに、複数のPV発電機12を変圧器18に接続することもできる。複数のPV発電機12は、個々のインバータ16を介してそれぞれ接続することができる。PV発電機12が、例えば様々なストリング長に起因して、様々な特性曲線を有し、それにより様々なPV電圧U_PVで最適に動作する場合、インバータが同じ第1のAC電圧U:ACを生成するように、インバータ16のDC/AC変換比を、それに応じて調整することができる。PV発電機12および貯蔵装置26は、特に公共グリッドに接続されていないローカルACグリッド28を介して変圧器に接続することができる。
【0036】
また、電解槽14、PV発電機12または貯蔵装置26を接地することも可能である(貯蔵装置26およびPV発電機12は、接地に対して同電位である)。PV発電機12と、場合によっては貯蔵装置26は、変圧器18によって電解槽14から電気的に絶縁されている。
【0037】
図3は、PV発電機12および電解槽14の例示的な特性曲線を示している。
図3a)のPV特性曲線は、所与の外部条件(温度、日射など)下における、PV発電機12に印加される電圧U_PVに対する、PV発電機12によって生成される電流I_PV、すなわち第1のDC電流の依存性を示している。PV電力P_PVのPV特性曲線は、最大電力点M
PP、すなわち電流と電圧の積が最大となる電圧を有する。最大PV電力P_PVはMPP電力とも呼ばれる。照射された太陽エネルギーを最大限に利用するために、PV発電機12は、PV電圧U_PVを適切に変化させてPV電力P_PVの対応する変化を観察することにより最大電力点を設定しようとするコントローラによって制御される。設定されたPV電圧U_PVの関数としてのPV電流I_PVの測定値は、この目的に使用することができる。好ましくは、このコントローラは電力変換デバイス10に配置される。特に、デバイス10のコントローラおよび/またはアクティブ整流器20のコントローラも、この制御タスクを実行することができる。
【0038】
電解槽14は、例えば、
図3のB)に示すような電解電流I_P2Gの電解特性曲線を有し、これは、電解槽14に印加される第2の電圧U_P2Gに対する、電解槽14によって吸収される電解電流I_P2Gの依存性を表示している。電解電流I_P2Gの電解特性曲線は、スタンバイ電圧範囲および開始電圧U
Zを有し、電解槽14は、開始電圧U
Z未満ではスタンバイ電圧範囲にあり、よって無負荷動作モードにあり、開始電圧V
Zを超えると、電解動作モードで動作することができる。電解槽14の電力特性曲線は、電解電流と電解電圧U_P2Gの乗算から得られ、第2のDC電圧U_P2Gとともに単調に増加する同等の曲線を示し、これは、電流I_P2Gの図示のほぼ直線的な電解特性曲線の場合、ほぼ2次関数に対応する。
【0039】
電力を変換するための方法では、アクティブ整流器20は、システムの始動時にそれ自体のDC中間回路のプリチャージを開始する。そのために、アクティブ整流器20は、PV電力を使用してインバータ12によって予磁化された変圧器18を介してAC電力P_ACを引き出す。整流器20から引き出されるAC電力は、インバータ16によってPV発電機12から取り出され、最初に、変圧器18および整流器20を介してプリチャージ電力として整流器20のDC側のコンデンサに供給される。整流器20は、パワーエレクトロニクス回路の点でインバータ16と同一であることが好ましく、それによりそのDC側からAC側への降圧コンバータとして機能するため、整流器20のDC側の第2のDC電圧U_P2Gは、整流器20のAC側の第2のAC電圧U_AC2の振幅よりも大きくなる。整流器20は、第2のAC電圧U_AC2を第2のDC電圧U_P2Gで除して得られるAC/DC変換比を有する第2のAC電圧U_AC2の方向の降圧コンバータとして機能する。上述した降圧コンバータの場合、この定義によれば、AC/DC変換比は1未満になる。換言すれば、第2のAC電圧U_AC2は、昇圧コンバータとして動作する整流器20を介して第2のDC電圧U_P2Gに変換され、このDC電圧が、第2のAC電圧U_AC2の振幅よりも大きくなる。
【0040】
第2のDC電圧U_P2Gで充電された整流器20のキャパシタンス内のエネルギー(または任意選択的に、第2のAC電圧U_AC2で変圧器18によって供給される電力)は、特に電解槽14の周辺デバイス(例えば、ポンプ、ヒータなど)に使用することができる任意の補助電源22を提供するために使用することができる。補助電源22の必要電圧に応じて、また補助電源22の電圧源に応じて、補助電源22の補助電圧の設定は、整流器20のDC側からの更なるインバータまたはDC/DCコンバータを介して、あるいは整流器20のAC側からのコンバータまたは整流器を介して提供することができる。このため、補助電源は、任意選択的に、アクティブ整流器20のDC側に接続される補助ユニットとして、更なるインバータまたはDC/DCコンバータを有することができる。補助電源は、任意選択的に、アクティブ整流器20のAC側に接続される補助ユニットとしてインバータまたは整流器を有することができる。補助電源は、アクティブ整流器20の出力における電圧変動またはPV電力P_PVの変動が補助電源22の電圧に与える影響を減衰させる貯蔵装置を含むことができる。
【0041】
電解槽14の始動準備も整って、電力を吸収できるようになるとすぐに、DC側スイッチ24が閉じられて、電力変換方法がシステム開始モードから電解動作モードに切り替わる。
【0042】
エネルギー変換システム100におけるデバイス10の電解動作モード中、整流器20は、可変クロック比を使用して、電解槽14における第2のDC電圧U_P2Gと変圧器18における第2のAC電圧U_AC2との比を調整することにより、予め設定された周波数および可変振幅を有する第2のAC電圧U_AC2を設定するタスクを実行する。この比は、AC/DC変換比に対応する。
【0043】
電解動作モードでは、インバータ16が、そのAC側に印加される第1のAC電圧U_AC1(すなわち、AC/AC変圧比を使用して変圧器18で変換される整流器20における第2のAC電圧U_AC2)を、そのDC側の第2のDC電圧U_PVに変換し、それが、電解動作モードにおいてPV発電機12に印加される。ここで、インバータ16は、固定のDC/AC変換比を使用することが好ましく、PV発電機の電圧U_PVが、以下の関係を介して、整流器20の設定された第2のAC電圧U_AC2に直接関数的に依存する。
換言すれば、インバータ16は、DC電圧U_PVからAC電圧を生成し、このAC電圧は、整流器20によって設定され、場合によっては変圧器18を介してスケーリングされる第1のAC電圧U_AC1に従うものであり、PV電圧U_PVでPV電力P_PVから生じる電流を供給する。DC/AC変換比、よって電力平衡におけるU_PVとU_AC1の比を一定に保つことができる。
【0044】
電解動作モードでは、デバイス10のコントローラは、電解槽14によって消費される電力を指定する電力設定値を使用することができる。アクティブ整流器20は、例えばそのコントローラによって、アクティブ整流器20のAC側の第2のAC電圧U_AC2と電解槽14の第2のDC電圧U_P2Gとの間のAC/DC変換比を変えることにより、指定された電力を設定する。AC/DC変換比の所与の値に対して、アクティブ整流器20のAC入力とDC出力の間に電力平衡が確立され、少なくともシステム全体の損失が無視できる場合に、PV発電機12によって供給される電力が、電解槽14によって消費される電力に対応する。この結果、PV特性曲線P_PVおよび電流の電解特性曲線I_P2G上の動作点が得られ、その電圧は、デバイス10の全体的な変換比、すなわちインバータ16、変圧器18および整流器20の変換比の積に対応する相互の比になる。これは、DC/AC変換比、AC/AC変圧比およびAC/DC変換比の積に相当する。
【0045】
PV電力P_PVおよび電解電力P_P2Gはともに、変圧器18のAC/AC変圧比を考慮して、PV発電機12が開回路動作モードで電解槽14がスタンバイ電圧にあるときの整流器20のAC/DC変換比が1の状態から、増加させることができ、AC/DC変換比は、AC電圧すなわちPV電圧U_PVが低下して第2のDC電圧U_P2Gすなわち電解槽電圧が上昇するように、変更される。PV発電機12の動作点は、PV特性曲線に沿ってMPPの方向に移動し、電解槽14の動作点は、電流I_P2Gの電解特性曲線に沿って公称電力の方向に移動する。デバイス10の全体的な動作点は、第2のDC電圧U_P2Gと第1のDC電圧U_PVとの比がデバイス10の全体的な変換比に対応し、同時にPV電力P_PVがDC電力P_P2Gに等しくなる位置に到達する。電解槽14の必要電力がPV発電機12の最大MPP電力を超えている場合、アクティブ整流器20の制御はMPPトラッキングに切り替わり、この場合、少なくとも電力レベルが電解槽14の公称電力範囲内にあって電解槽14および/または貯蔵装置26によって処理できる限りにおいて、可能な最大PV電力P_PVがPV発電機から取り出されるように、アクティブ整流器20によって第2のAC電圧U_AC2の変更が実行される。
【0046】
また、AC/AC変換比および/またはDC/AC変換比を、AC/DC変換比の代わりに、またはAC/DC変換比に加えて変更することによって、デバイス10の全体的な変換比、よって電解槽14における第2のDC電圧U_P2GとPV発電機12における第1のDC電圧U_PVとの比を変更することも可能である。これは、両方のPV発電機12が開回路動作モードにあり、電解槽14がスタンバイ電圧にあるときの整流器20のAC/DC変換比が1または1に近い状態で、システム開始時にDC電圧の相互の比を得るために特に有利である。この初期状態から、PV発電機12から電解槽14への電力フローを開始することができ、そして、第2のDC電圧U_PV、ひいてはPV電圧が低下して第2のDC電圧U_P2G、ひいては電解槽電圧が上昇するように、整流器20のAC/DC変換比を再び変更することにより、PV発電機から電解槽への電力フローを増加させることができる。
【0047】
変圧器は、基本的に1に等しいAC/AC比を有することができる。この例示的な実施形態では、PV発電機12および電解槽14の特性曲線は、開始状態においてそれらが「互いに隣り合う」ように、すなわち
図4に示すように、AC/DC変換比およびDC/AC変換比が1または1に近くなるように、すなわち電解槽14の開始電圧U
ZがPV発電機12の開回路電圧U
O/Cを(僅かに)上回るように設計され得る。「アイドル状態」、すなわちインバータ16の固定クロッキングでコンポーネントをプリチャージまたは予磁化した後では、
図4に示す状況になり、この状況では、PV発電機12と電解槽14の間に位置するコンポーネントであるインバータ16、変圧器18および整流器20は、アイドル状態で(ほぼ)1の変換比をそれぞれ有することができるため、開始段階でシステム内の他の電圧に影響を与えたPV発電機12の開回路電圧U
O/Cは、PV発電機12の開回路電圧U
O/Cに本質的に対応する電解槽14の第2のDC電圧U_P2Gをもたらす。
【0048】
エネルギー変換システム100のそのような設計は、電解槽14のかなり高い電圧範囲を必要とする可能性がある。特に、電解槽の開始電圧は、PV発電機12の開回路電圧よりもかなり高くなければならない。より低い開始電圧の電解槽14を使用できるようにするため、すなわちPV特性曲線に対する
図4の電解槽特性曲線の位置をより低い電圧に向かってシフトさせるために、変圧器18は、PV側の第1のAC電圧U_AC1を電解槽側の著しく低い第2のAC電圧U_AC2に変換するAC/AC変圧比を有することができる。その結果、
図4では(見方によっては)、電解槽の特性曲線それ自体を著しく低い電圧とすること、すなわち、例えば、より低い電力レベルの電解槽14を使用することができ、あるいは、PVの特性曲線を著しく高い電圧とすること、すなわち、より大きなPV発電機12を使用することができる。変圧器18は、そのAC/AC変圧比に基づいて特性曲線を相対的に「シフト」させ、開始状態では、PV発電機12は開回路動作モードにあり、また、電解槽14はスタンバイ電圧にある。制御の基本設計はこれにより大きく影響を受けることはなく、そのため、変圧器18のAC/AC変圧比は、エネルギー変換システムの設計において、かつ/またはPV発電器12と電解槽14の動作範囲を互いに適合させるために、周囲条件に変化が生じた場合、例えば日射および/または温度の変化およびそれに伴う任意の変化、特にPV特性曲線に対する変化が生じた場合に、使用することができる自由度を表す。
【0049】
したがって、変圧器18のAC/AC比を調整することで、電解特性曲線とPV特性曲線を非常に簡単にシフトさせることが可能である。PV特性曲線と同様に、電解特性曲線も電流および/または電力で指定することができる。一方では、エネルギー変換システム100の設計中に、かつ/または他方では、エネルギー変換システム100の動作中に、例えばステップスイッチを介して、変圧器18のAC/AC比を(動的に)変更することによって、これを達成することができる。代替的または追加的には、特性曲線は、例えば、動作中に固定されるインバータ16のDC/AC変換比を変化させることによって、日射または温度などの外部影響を補正するために、互いに対して適切にシフトさせることができる。
【0050】
図5は、電力を変換するためのデバイス10の一実施形態を有するエネルギー変換システム100の特定の実施形態を示している。この図面には、動作中に発生する様々な電圧および電流が示されている。
【0051】
PV発電機12は、PV電力P_PVを第1のDC電圧U_PVおよびPV電流I_PVでインバータ16のDC側に供給する。インバータ16は、このPV電力P_PVを第1のAC電力P_AC1に変換する。インバータ16は、そのDC側からAC側への降圧コンバータとして動作する。すなわち、その三相AC側の第1のAC電圧U_AC1の位相間電圧は、そのDC側の第1のDC電圧U_PVよりも低い。DC/AC比は降圧のために使用される。
【0052】
AC/AC変圧比を有する変圧器18は、インバータ16のAC側に接続されている。この変圧器は、第1のAC電圧U_AC1を第2のAC電圧U_AC2に変圧し、よって第1のAC電力P_AC1を第2のAC電力P_AC2に変換する。変圧器18には、第1のAC電流I_AC1が供給される。
【0053】
第2のAC電圧U_AC2はアクティブ整流器20のAC側に印加され、第2のAC電流I_AC2は整流器20に流入し、整流器20が第2のAC電力P_AC2を吸収する。整流器20は第2のAC電力P_AC2をDC電力P_P2Gに変換する。アクティブ整流器20は、そのDC側からAC側への降圧コンバータとして機能する。このため、アクティブ整流器20は、そのAC側からDC側へと、AC/DC変換比を有する昇圧コンバータとして機能する。
【0054】
アクティブ整流器20は、そのDC側では、電解槽14に第2のDC電圧U_P2Gおよび第2のDC電流I_P2GでDC電力P_P2Gを供給し、第2のDC電圧U_P2Gおよび第2のDC電流が、電解槽14の電解特性曲線を介してリンクされている。
【0055】
図6~
図9は、
図5に係るデバイス10を有するエネルギー変換システム100の設計の様々な特性曲線および動作点の例を示している。
【0056】
図6は、電圧の関数としてのPV発電機12の動作を示しており、一方では電流と電力、他方ではDCとACが区別されている。この
図6において、破線で示す特性曲線は、PV発電機12の一例について、第1のDC電圧U_PVに対するPV電力P_PVを示している。二点鎖線で示す特性曲線は、同じPV発電機12の第1のDC電圧U_PVに対する第1のDC電流I_PVを示している。実線の特性曲線は、インバータ16のAC側の第1のAC電圧U_AC1に対する第1のAC電力P_AC1を示している。破線の特性曲線は、第1のAC電圧U_AC1に対する第1のAC電流I_AC1を示している。合計電流I_AC1は、相間電圧U_AC1の3つの導体すべてにプロットされている。この例では、DC/AC変換比がU_PV/U_AC1=1.5である。この例では、動作中のインバータ16の第1のDC電圧U_PVの振幅が、インバータ16のAC側の第1のAC電圧U_AC1の相間電圧の振幅よりも恒久的に1.5倍大きい。
【0057】
変圧器18のAC/AC変圧比が1で、無損失伝送が仮定される場合、整流器20における第2のAC電圧U_AC2の振幅は、インバータ16の第1のAC電圧U_AC1の振幅と同じである。また、例えば、変圧器18のAC/AC変圧比をU_AC1/U_AC2=1.5、インバータ16のDC/AC変換比をU_PV/U_AC1=1.5に選択することも可能である。その場合、U_AC1とU_AC2の振幅は等しくなくなるが、I_AC2およびP_AC2に対するI_PVおよびP_PVの比は、
図6に示すI_AC1およびP_AC1に対するI_PVおよびP_PVの比と同様になる。
【0058】
図7は、PV発電機12のPV特性曲線P_PV、アクティブ整流器20のAC側の対応するPV特性曲線P_AC2、およびアクティブ整流器20のDC側の電解特性曲線P_P2Gの一部を示している。ここで示す部分は、PV発電機12への日射が弱い状態、例えば午前中の前記特性曲線に関する。一点鎖線で示すPV特性曲線は、PV発電機12の第1のDC電圧U_PVに対するPV電力P_PVを示している。実線の特性曲線は、整流器20のAC側の第2のAC電圧U_AC2に対する第2のAC電力P_AC2を示している。点線の特性曲線は、第2のDC電圧U_P2Gに対する電解電力P_P2Gを示している。図示の電解電力P_P2Gの電解特性曲線は、整流器20のDC端子に印加される第2のDC電圧U_P2Gに対して電解で消費される電力を示している。
【0059】
図7では、図示の特性曲線上に点AP1が示されている。これらの動作点AP1は、低日射時、すなわち電解槽の公称電力に比べて非常に低い電力(ここでは、約1000kWの公称電力で10kW;
図8を参照)でのエネルギー変換システム100の開始段階に使用される。この動作点AP1では、PV発電機12が、損失を補い、変圧器18の磁化電流を供給し、電解槽14をプリチャージし、補助電源22の補助ユニットに供給するのに十分な利用可能な電力を有する。PV発電機12に850Vの電圧が印加された場合に利用可能な電力は、図示の例では10kWである。インバータ16のAC側では、選択されたDC/AC変換比1.5により、動作点AP1における第1のAC電圧がU_AC1=566Vである。第2のAC電圧U_AC2については、AC/AC変圧比1を選択すると、U_AC2=566Vになる。エネルギー変換システムの初期状態、すなわちコンポーネントをプリチャージした後では、整流器20のAC/DC変換比が1に等しいかそれに近い限り、電解槽14にも約566Vのスタンバイ電圧が存在する。
【0060】
開始段階において、整流器20は、第2のDC電圧U_P2Gが増加するようにAC/DC変換比を変化させることによって、電解槽14をU_P2G=720Vまでプリチャージし始める。電解槽20の開始電圧U_P2G=700Vに達するとすぐに、第2のAC電圧U_AC2、よってPV電圧U_PVも同時に低下する。その結果、PV電力P_PV、または結合された第2のAC電力P_AC2、および電解電力P_P2Gがともに増加する。電力平衡が確立され、
図7では、所与のAC/DC変換比に対して、PV発電機12から電解槽14へ約10kWの電力フローが生じる。利用可能な電力が開始段階で例えば2kW未満に低下した場合、エネルギー変換システム100はアイドル状態に戻る。また、例えば補助電源の補助ユニットや損失などのために、開始段階に電力をバッファするためのエネルギー貯蔵装置を設けることも可能である。
【0061】
図8および
図9は、PV発電機12のPV特性曲線I_PV、P_PV、アクティブ整流器20のAC側でそれに結合されたPV特性曲線I_AC2、P_AC2、およびアクティブ整流器20のDC側における電解槽14の電解特性曲線I_P2G、P_P2Gをそれぞれ示している。PV発電機12への日射量は、
図7に示す特性曲線よりも高くなっている。
【0062】
図8および
図9において、一点鎖線で示すPV特性曲線は、PV発電機12の第1のDC電圧U_PVに対するPV電力P_PVを示している。二点鎖線で示すPV特性曲線は、PV発電機12のPV電圧U_PVに対するPV電流I_PVを示している。実線で示すPV特性曲線は、整流器20のAC側における第2のAC電圧U_AC2に対する第2のAC電力P_AC2を示している。細い破線の特性曲線は、第2のAC電圧U_AC2に対する第2のAC電流I_AC2を示している。合計電流I_AC2は、相間電圧U_AC2の3つの導体すべてにプロットされており、これは、電力レベルP_DCおよびP_AC2が同一である一方で、電圧U_AC2が電圧U_PVよりも低いため、同じ電力レベルに対して第1のDC電流I_PVよりも高くなる。
【0063】
点線の特性曲線は、電解電圧U_P2Gに対する電解電力P_P2Gを示している。太い破線の特性曲線は、電解電圧U_P2Gに対する電解電流I_P2Gを示している。電解電力P_P2Gの図示の電解特性曲線は、整流器20のDC端子に印加される電解電圧U_P2Gに対して電解で消費される電力を示している。電解電流I_P2Gの図示の電解特性曲線は、整流器20のDC端子に印加される電解電圧U_P2Gに対して電解槽に流れる電流を示している。
【0064】
図8は、最大電力P_MPPの動作点AP2におけるエネルギー変換システム100の動作を示している。システムは、PV発電機12の最大電力点(MPP)に対応する電力で動作する。P_P2G、P_PVおよびP_AC2の特性曲線上の対応する動作点は、それぞれAP2と記されている。
【0065】
動作点AP2に到達するために、アクティブ整流器20は、第2のAC電圧U_AC2を低下させ、同時に電解電圧U_P2Gを上昇させる。その結果、PV電圧U_PVも低下し、それにより、PV電力P_PVは、デバイス10の所与の変換比において、生成されるPV電力P_PVと消費される電解電力P_P2Gとの間に新たな電力平衡が確立されるまで増加する。PV発電機12の最大電力に達するまで、AC/DC変換比をさらに変化させることができる。これは動作点AP2に対応する。この動作点AP2では、U_AC2=U_AC1=500V、およびI_P2G=750A(I_P2G上のAP2)である。PV発電機12では、これはU_PV=750V(P_PV上のAP2)に対応する。動作点AP2に達すると、MPPトラッキングが開始され、アクティブ整流器20はAC/DC変換比を段階的に増加または減少させる。ここで、アクティブ整流器20は、PV特性曲線上の動作点と電解特性曲線上の動作点間の電圧差を間接的に段階的に減少または増加させ、AC/DC変換比のそれぞれの変更後に新たな電力平衡が確立される。PV発電機がMPPまたは少なくともMPP付近で動作するように、適切な制御を行うことで、結果として生じる電力フローを検出および最大化することができる。
【0066】
図9は、動作点AP3におけるエネルギー変換システム100の動作を示している。この動作モードでは、例えば、可能な限り一定に、すなわち均一にガスを生成すること、例えば一定の生成速度で水素を生成することが目的とされ、あるいは、電解槽14の公称電力が利用可能なPV電力P_PVより小さい場合には、電力制限が必要とされることもある。そのような場合、例えば電解槽14の電解管理システムは、電解電流I_P2Gの電流設定値または電解電力P_P2Gの電力設定値をアクティブ整流器20に伝送することができる。
【0067】
開始状態(
図7を参照)から開始して動作点AP3に到達するために、アクティブ整流器20は、第2の電解電流I_P2Gの所望の設定値に達するまで、または電解電力P_P2Gの所望の設定値に達するまで、電解電圧U_P2Gと第2のAC電圧U_AC2との間の広がりを増大させる。これは動作点AP3に対応する。この動作点AP3における電解電流I_P2Gが、U_PVとU_P2Gとの間の所与の距離において、例えばPV発電機12の日射の減少に起因して、電流設定値よりも小さくなる場合、アクティブ整流器20は、AC-DC変換比を変更することによりU_PVとU_P2Gとの間の距離を増加させ、その結果、PV電圧U_PVが減少し、それにより、デバイス10の所与の変換比において、生成されるPV電力P_PVと消費される電解電力P_P2Gとの間に新たな均衡が確立されるまで、PV特性曲線に沿ってPV電力が増加する。電力出力P_P2Gが電力設定値を下回る場合も同様である。電力設定値または電流設定値で必要とされる電力が、PV発電機12の現在可能な最大電力を下回る限り、所望の動作点AP3はここで保持される。
【0068】
特に
図7、
図8、
図9を参照して説明した制御は、説明したように、アクティブ整流器20、特にアクティブ整流器20のコントローラによって、代替的または追加的にはデバイス10の制御ユニットによって、実行することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 電気エネルギーを変換するためのデバイス
12 PV発電機
14 電解槽
16 インバータ
17 インバータ
18 変圧器
20 整流器
22 補助電源
24 スイッチ
26 エネルギー貯蔵装置
28 ACグリッド
100 エネルギー変換システム
AP1、AP2、AP3 動作点
I 電流
V 電圧
P 電力
IS/C 短絡電流
UO/C 開回路電圧
MPP 最大電力点
UZ 開始電圧
U_PV PV電圧、第1のDC電圧
I_PV PV電流、第1のDC電流
U_P2G 第2のDC電圧、電解電圧
I_P2G 第2のDC電流、電解電流
U_AC1 第1のAC電圧
I_AC1 第1のAC電流
U_AC2 第2のAC電圧
I_AC2 第2のAC電流
P_PV PV電力
P_P2G DC電力
P_AC AC電力
Pmpp MPP電力
Impp MPP電力での電流
Umpp MPP電力での電圧
【誤訳訂正書】
【提出日】2024-08-07
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0043
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0043】
電解動作モードでは、インバータ16が、そのAC側に印加される第1のAC電圧U_AC1(すなわち、AC/AC変圧比を使用して変圧器18で変換される整流器20における第2のAC電圧U_AC2)を、そのDC側の第2のDC電圧U_PVに変換し、それが、電解動作モードにおいてPV発電機12に印加される。ここで、インバータ16は、固定のDC/AC変換比を使用することが好ましく、PV発電機の電圧U_PVが、以下の関係を介して、整流器20の設定された第2のAC電圧U_AC2に直接関数的に依存する。
換言すれば、インバータ16は、DC電圧U_PVからAC電圧を生成し、このAC電圧は、整流器20によって設定され、場合によっては変圧器18を介してスケーリングされる第1のAC電圧U_AC1に従うものであり、PV電圧U_PVでPV電力P_PVから生じる電流を供給する。DC/AC変換比、よって電力平衡におけるU_PVとU_AC1の比を一定に保つことができる。
【国際調査報告】