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特表2024-544383パイプ装置、結合デバイス、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】パイプ装置、結合デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/08 20060101AFI20241122BHJP
   F16L 21/02 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F16L21/08 H
F16L21/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024535234
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 US2022052824
(87)【国際公開番号】W WO2023114286
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,773
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カシク, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ミドリク, アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グッド, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ズーク, クリストファー ディー.
【テーマコード(参考)】
3H015
【Fターム(参考)】
3H015BA00
3H015BB05
3H015BC01
(57)【要約】
パイプ装置は、中心軸を取り囲むシールを有する結合デバイスを含むことができる。シールは、第1および第2の円周フランジによって少なくとも部分的に画定された第1の円周ポケットをさらに含む。第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられた流体案内デバイスは、中心軸を取り囲むように半径方向に配置された複数のセグメントを含む。流体案内デバイスは、流体経路を少なくとも部分的に画定する。各方法は、結合デバイスを使用して、第1のパイプセグメントの第1の端部部分を第2のパイプセグメントの第2の端部部分に結合することを含むことができる。パイプ装置を使用する方法は、シールを冷却するために流体経路に流体を通過させることを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ装置であって、
第1の外周縁部を含む第1の端部部分を含む第1のパイプセグメントと、
前記第1の外周縁部に面する第2の外周縁部を含む第2の端部部分を含む第2のパイプセグメントであって、前記第1の外周縁部は、前記第2の外周縁部から離間して、前記第1の外周縁部と前記第2の外周縁部との間に円周間隙を画定している、第2のパイプセグメントと、
前記円周間隙を取り囲むシールであって、前記第1のパイプセグメントの前記第1の端部部分に係合する第1の円周フランジと、前記第2のパイプセグメントの前記第2の端部部分に係合する第2の円周フランジとを備える、シールと、
前記シールの内側表面と、前記第1の端部部分と、前記第2の端部部分との間に画定された第1の円周ポケットと、
前記第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられた流体案内デバイスであって、前記第1の端部部分および前記第2の端部部分を取り囲むように半径方向に配置された複数のセグメントを備え、前記第1の端部部分の上に位置付けられた第1の軸方向端部と、前記第2の端部部分の上に位置付けられた第2の軸方向端部とをさらに含み、前記円周間隙から前記流体案内デバイスと前記シールの前記内側表面との間に画定された領域を通って延在する流体経路を少なくとも部分的に画定している、流体案内デバイスと、を備える、パイプ装置。
【請求項2】
前記流体案内デバイスは、前記第1の外周縁部と前記第2の外周縁部との間の前記円周間隙内に少なくとも部分的に延在する円周案内フランジを備え、前記円周案内フランジの軸方向幅は、前記円周間隙の軸方向幅よりも小さい、請求項1に記載のパイプ装置。
【請求項3】
前記円周案内フランジは、前記第1の外周縁部および前記第2の外周縁部から離間されている、請求項2に記載のパイプ装置。
【請求項4】
前記流体案内デバイスを前記第1の端部部分に軸方向にロックする第1のさねはぎ接続と、前記流体案内デバイスを前記第2の端部部分に軸方向にロックする第2のさねはぎ接続とをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のパイプ装置。
【請求項5】
前記シールを前記流体案内デバイスに軸方向にロックする第3のさねはぎ接続をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のパイプ装置。
【請求項6】
前記流体案内デバイスの外側表面が、前記第1の軸方向端部から前記第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つのブラインドチャネルをさらに備え、前記領域は前記ブラインドチャネルを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のパイプ装置。
【請求項7】
前記流体案内デバイスは、前記第1の軸方向端部から前記第2の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第1の貫通チャネルをさらに備え、前記第1の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、請求項1~6のいずれか一項に記載のパイプ装置。
【請求項8】
前記第1の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、請求項7に記載のパイプ装置。
【請求項9】
前記流体案内デバイスは、前記第2の軸方向端部から前記第1の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第2の貫通チャネルをさらに備え、前記第2の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、請求項7~8のいずれか一項に記載のパイプ装置。
【請求項10】
前記第2のチャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、請求項9に記載のパイプ装置。
【請求項11】
第2の円周ポケットを備えるハウジングをさらに備え、前記シールは前記第2の円周ポケット内に位置付けられている、請求項1~10のいずれか一項に記載のパイプ装置。
【請求項12】
前記ハウジングを少なくとも部分的に取り囲む熱シールドをさらに備え、前記熱シールドは、前記熱シールドと前記ハウジングとの間にチャンバを画定するように前記ハウジングから離間されている、請求項11に記載のパイプ装置。
【請求項13】
請求項1に記載のパイプ装置を使用する方法であって、
前記第1のパイプセグメントの第1の軸方向に前記第1のパイプセグメントの内部を通して上流量の流体を通過させることと、
前記第2のパイプセグメントの第2の軸方向に前記第2のパイプセグメントの内部を通して前記第1の上流量の流体の第1の部分を通過させることと、
前記領域を通して前記第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることによって前記シールを冷却することと、次いで、
前記第2のパイプセグメントの前記内部を通して前記第1の上流量の流体の前記第2の部分を通過させることと、を含む、方法。
【請求項14】
圧力降下により前記領域を通して前記第1の上流量の流体の前記第2の部分を駆動することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
パイプ装置であって、
第1の外周縁部を含む第1の端部部分を含む第1のパイプセグメントと、
前記第1の外周縁部に面する第2の外周縁部を含む第2の端部部分を含む第2のパイプセグメントであって、前記第1の外周縁部は、前記第2の外周縁部から離間して、前記第1の外周縁部と前記第2の外周縁部との間に円周間隙を画定している、第2のパイプセグメントと、
前記円周間隙を取り囲むシールであって、前記第1のパイプセグメントの前記第1の端部部分に係合する第1の円周フランジと、前記第2のパイプセグメントの前記第2の端部部分に係合する第2の円周フランジとを備える、シールと、
前記シールの内側表面と、前記第1の端部部分と、前記第2の端部部分との間に画定された第1の円周ポケットと、
前記第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられた流体案内デバイスであって、前記第1の外周縁部と前記第2の外周縁部との間の前記円周間隙内に少なくとも部分的に延在する円周案内フランジを備え、前記円周案内フランジの軸方向幅が前記円周間隙の軸方向幅よりも小さく、前記円周案内フランジは前記第1の外周縁部から離間されて流体入口ポートを画定し、また前記円周案内フランジは前記第2の外周縁部から離間されて流体出口ポートを画定し、前記流体案内デバイスは、前記流体入口ポートから前記流体案内デバイスと前記シールの前記内部表面との間に画定された領域を通って前記領域から前記流体出口ポートまで延在する流体経路を少なくとも部分的に画定している、流体案内デバイスと、を備える、パイプ装置。
【請求項16】
請求項15に記載のパイプ装置を使用する方法であって、
前記第1のパイプセグメントの第1の軸方向に前記第1のパイプセグメントの内部を通して上流量の流体を通過させることと、
前記第2のパイプセグメントの第2の軸方向に前記第2のパイプセグメントの内部を通して前記第1の上流量の流体の第1の部分を通過させることと、
前記流体入口ポートを通して、次いで前記シールを冷却するために前記領域を通して、次いで前記流体出口ポートを通して前記第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることと、次いで、
前記第2のパイプセグメントの前記内部を通して前記第1の上流量の流体の前記第2の部分を通過させることと、を含む、方法。
【請求項17】
前記領域は、前記流体案内デバイスの外側表面の少なくとも1つのブラインドチャネルを含み、前記領域を通して前記第1の上流量の流体の前記第2の部分を通過させることは、前記流体案内デバイスの第1の軸方向端部から前記流体案内デバイスの第2の軸方向端部まで前記ブラインドチャネルを通して前記第1の上流量の流体の前記第2の部分を通過させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の上流量の流体の前記第2の部分が前記流体入口ポートを通過した後であって前記ブラインドチャネルを通過する前に、前記第1の上流量の流体の前記第2の部分は次に、前記第1の軸方向端部から前記第2の軸方向端部に向かって延在する前記流体案内デバイスの少なくとも1つの第1の貫通チャネルを通過し、前記第1の貫通チャネルの長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記流体入口ポートと前記流体出口ポートとの間の圧力降下により前記領域を通して前記第1の上流量の流体の前記第2の部分を駆動することをさらに含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
結合デバイスであって、
前記結合デバイスの中心軸を取り囲むシールであって、前記中心軸に向かって延在する第1の円周フランジと、前記中心軸に向かって延在する第2の円周フランジと、を備える、シールと、
前記シールの内部表面と、前記第1の円周フランジと、前記第2の円周フランジと、によって少なくとも部分的に画定された第1の円周ポケットと、
前記第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられた流体案内デバイスであって、前記中心軸を取り囲むように半径方向に配置された複数のセグメントを備え、前記流体案内デバイスと前記シールの前記内部表面との間に画定された領域を通って延在する流体経路を少なくとも部分的に画定する、流体案内デバイスと、を備える結合デバイス。
【請求項21】
前記シールは、前記複数のセグメントを共に付勢して収縮構成にする、請求項20に記載の結合デバイス。
【請求項22】
前記流体案内デバイスは、前記中心軸に向かって延在し、前記中心軸を取り囲む円周案内フランジを備える、請求項20~21のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項23】
前記シールを前記流体案内デバイスに軸方向にロックするさねはぎ接続をさらに備える、請求項20~22のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項24】
前記流体案内デバイスの外側表面が、前記流体案内デバイスの第1の軸方向端部から前記流体案内デバイスの第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つのブラインドチャネルをさらに備え、前記領域は前記ブラインドチャネルを備える、請求項20~23のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項25】
前記流体案内デバイスは、前記流体案内デバイスの第1の軸方向端部から前記流体案内デバイスの第2の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第1の貫通チャネルをさらに備え、前記第1の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、請求項20~23のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項26】
前記第1の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、請求項25に記載の結合デバイス。
【請求項27】
前記流体案内デバイスは、前記第2の軸方向端部から前記第1の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第2の貫通チャネルをさらに備え、前記第2の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、請求項25~26のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項28】
前記第2の貫通チャネルの軸方向長さは、前記流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、請求項27に記載の結合デバイス。
【請求項29】
前記流体案内デバイスの外側表面が、前記第1の軸方向端部から前記第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つのブラインドチャネルをさらに備え、前記領域は前記ブラインドチャネルを備える、請求項25~28のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項30】
請求項20に記載の結合デバイスを備えるパイプ装置を組み立てる方法であって、
第1のパイプセグメントの第1の端部部分の第1の外周縁部を前記シールの第1の軸方向開口部に挿入することであって、前記第1の円周フランジが前記第1の端部部分の外周表面に対してシールする、ことと、
前記第1のパイプセグメントの前記第1の端部部分を前記流体案内デバイスに軸方向にロックすることと、
第2のパイプセグメントの第2の端部部分の第2の外周縁部を前記シールの第2の軸方向開口部に挿入することであって、前記第2の円周フランジが前記第2の端部部分の外周表面に対してシールする、ことと、
前記第2のパイプセグメントの前記第2の端部部分を前記流体案内デバイスに軸方向にロックすることであって、前記第1の外周縁部は前記第2の外周縁部に面し、前記第1の外周縁部と前記第2の外周縁部との間に間隙が維持される、ことと、を含む、方法。
【請求項31】
前記流体案内デバイスの円周案内フランジが前記間隙内に延在している、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記円周案内フランジは、前記第1の外周縁部および前記第2の外周縁部から離間されている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のパイプセグメントの前記第1の端部部分を前記流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、前記第1の端部部分または前記流体案内デバイスの一方の舌部を前記第1の端部部分または前記流体案内デバイスの他方の溝に係合させることを含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のパイプセグメントの前記第2の端部部分を前記流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、前記第2の端部部分または前記流体案内デバイスの一方の舌部を前記第1の端部部分または前記流体案内デバイスの他方の溝に係合させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のパイプセグメントの前記第1の端部部分の前記第1の外周縁部を前記シールの前記第1の軸方向開口部に挿入することは、前記シールの付勢に抗して前記流体案内デバイスの前記複数のセグメントの第1の対応する軸方向端部を拡張する、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の端部部分を前記流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、前記流体案内デバイスの前記複数のセグメントの前記第1の対応する軸方向端部を締め付けることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のパイプセグメントの前記第2の端部部分の前記第2の外周縁部を前記シールの前記第2の軸方向開口部に挿入することは、前記シールの付勢に抗して前記流体案内デバイスの前記複数のセグメントの対応する第2の軸方向端部を拡張する、請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の端部部分を前記流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、前記流体案内デバイスの前記複数のセグメントの前記対応する第2の軸方向端部を締め付けることを含む、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、パイプ装置、結合デバイス、および方法に関し、より具体的には、流体冷却結合デバイスを提供するためのパイプ装置、結合デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの環境において、液体送達システムは、動作中の高温条件に耐えるように設計されなければならない。例えば、火災を消火するために、非常に暑い地域に液体(例えば、水)を供給する散水システムが必要とされる。そのような液体送達システムは、典型的には、配管システムを設置するときに互いに接合されるパイプセグメントから製作される。
【0003】
金属パイプセグメントを接合するための金属結合デバイスを提供することが知られている。そのような金属結合デバイスは、効率的で費用効果の高い方法でパイプセグメントを迅速に機械的に接合するために使用することができるので、設置が安価である。さらに、機械的結合は、容易に分解することができ、それによって、液体送達システムを損傷することなく、パイプセグメントのその後の交換または他の保守を可能にする。しかしながら、パイプセグメント間の液密接続を提供するために典型的に使用されるゴムシールは、高温環境において劣化および破損する可能性がある。
【0004】
液体送達システムを提供する耐熱性ポリマーパイプセグメントを使用することも知られている。例えば、ポリマーパイプセグメントは、高温条件下で動作するように設計された塩素化ポリ塩化ビニルを含むことができる。機械的結合を使用して、パイプセグメントを接合することができる。しかしながら、ポリマーパイプセグメントは、過度に軟化して、パイプセグメント間の適切な機械的接続を維持することができない場合がある。パイプセグメントは、例えば、熱風溶接、融接、または溶剤セメントプロセスを用いて、互いに恒久的に取り付けられ得る。しかしながら、そのような接合技術は労働集約的であり、したがってパイプセグメントを接合するための高価な選択肢である。さらに、このような接合技術はパイプセグメントを永久的に接合するものであり、したがって、液体送達システムを損傷することなくその後の保守または分解を行うことを複雑にする。
【0005】
高温動作環境に耐えながら、セグメントの取り外し可能かつ迅速な結合を可能にする結合デバイスが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、機械的結合デバイスを用いて互いに迅速に結合および分離させることができるパイプセグメントを有するパイプ装置を提供する。機械的結合デバイスは、金属または他の耐熱材料を含むパイプセグメントを結合しながら、シールが高温動作条件に耐えることを可能にするように設計される。機械的結合デバイスは、パイプセグメントを通って流れる液体の一部分が、使用時にシールを冷却する流体経路内を移動することを促進する特徴を備えることができる。本開示の流体冷却シールおよび/または他の特徴は、パイプセグメント間の継手の構造的完全性を維持することができる耐高温パイプセグメント(例えば、金属パイプセグメント)の使用を可能にすると共に、普通であればシールを損傷し、パイプセグメント間の継手における流体密封シールの破損を引き起こす高温環境において、シールが許容可能な温度に維持されることを可能にするのに役立つ。
【0007】
本開示のいくつかの例示的な実施形態については、実施形態のいずれかが単独であるいは互いに組み合わせて使用され得るという理解の下で、以下に説明される。
【0008】
実施形態1.パイプ装置は、第1の外周縁部を含む第1の端部部分を含む第1のパイプセグメントと、第1の外周縁部に面する第2の外周縁部を含む第2の端部部分を含む第2のパイプセグメントと、を備える。第1の外周縁部は、第2の外周縁部から離間して、第1の外周縁部と第2の外周縁部との間に円周間隙を画定している。シールが円周間隙を取り囲んでいる。シールは、第1のパイプセグメントの第1の端部部分に係合する第1の円周フランジと、第2のパイプセグメントの第2の端部部分に係合する第2の円周フランジと、を備える。パイプ装置は、シールの内側表面と、第1の端部部分と、第2の端部部分との間に画定された第1の円周ポケットをさらに備える。流体案内デバイスが、第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられている。流体案内デバイスは、第1の端部部分および第2の端部部分を取り囲むように半径方向に配置された複数のセグメントを備える。流体案内デバイスは、第1の端部部分の上に位置付けられた第1の軸方向端部と、第2の端部部分の上に位置付けられた第2の軸方向端部と、をさらに備える。流体案内デバイスは、円周間隙から流体案内デバイスとシールの内側表面との間に画定された領域を通って延在する流体経路を少なくとも部分的に画定している。
【0009】
実施形態2.第1の外周縁部と第2の外周縁部との間の円周間隙内に少なくとも部分的に延在する円周案内フランジを備える、実施形態1に記載のパイプ装置。円周案内フランジの軸方向幅は、円周間隙の軸方向幅よりも小さい。
【0010】
実施形態3.円周案内フランジは、第1の外周縁部および第2の外周縁部から離間されている、実施形態2に記載のパイプ装置。
【0011】
実施形態4.流体案内デバイスを第1の端部部分に軸方向にロックする第1のさねはぎ接続と、流体案内デバイスを第2の端部部分に軸方向にロックする第2のさねはぎ接続と、をさらに備える、実施形態1~3のいずれか1つに記載のパイプ装置。
【0012】
実施形態5.シールを流体案内デバイスに軸方向にロックする第3のさねはぎ接続をさらに備える、実施形態1~4のいずれか1つに記載のパイプ装置。
【0013】
実施形態6.流体案内デバイスの外側表面が、第1の軸方向端部から第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つのブラインドチャネルをさらに備え、当該領域はブラインドチャネルを備える、実施形態1~5のいずれか1つに記載のパイプ装置。
【0014】
実施形態7.流体案内デバイスは、第1の軸方向端部から第2の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第1の貫通チャネルをさらに備え、第1の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、実施形態1~6のいずれか1つに記載のパイプ装置。
【0015】
実施形態8.第1の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、実施形態7に記載のパイプ装置。
【0016】
実施形態9.流体案内デバイスは、第2の軸方向端部から第1の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第2の貫通チャネルをさらに備え、第2の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、実施形態7~8のいずれか1つに記載のパイプ装置。
【0017】
実施形態10.第2のチャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、実施形態9に記載のパイプ装置。
【0018】
実施形態11.第2の円周ポケットを備えるハウジングをさらに備え、シールは第2の円周ポケット内に位置付けられている、実施形態1~10のいずれか1つに記載のパイプ装置。
【0019】
実施形態12.ハウジングを少なくとも部分的に取り囲む熱シールドをさらに備え、熱シールドは、熱シールドとハウジングとの間にチャンバを画定するようにハウジングから離間されている、実施形態11に記載のパイプ装置。
【0020】
実施形態13.実施形態1のパイプ装置を使用する方法であって、第1のパイプセグメントの第1の軸方向に、第1のパイプセグメントの内部を通して、上流量の流体を通過させることを含む、方法。当該方法は、第2のパイプセグメントの第2の軸方向に第2のパイプセグメントの内部を通して第1の上流量の流体の第1の部分を通過させることをさらに含む。当該方法は、当該領域を通して第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることによってシールを冷却することと、次いで、第2のパイプセグメントの内部を通して第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることと、をさらに含む。
【0021】
実施形態14.圧力降下により当該領域を通して第1の上流量の流体の第2の部分を駆動することをさらに含む、実施形態13に記載の方法。
【0022】
実施形態15.パイプ装置は、第1の外周縁部を含む第1の端部部分を含む第1のパイプセグメントを備える。パイプ装置は、第2のパイプセグメントをさらに備える。第2のパイプセグメントは、第1の外周縁部に面する第2の外周縁部を含む第2の端部部分を含む。第1の外周縁部は、第2の外周縁部から離間して、第1の外周縁部と第2の外周縁部との間に円周間隙を画定している。シールが円周間隙を取り囲んでいる。シールは、第1のパイプセグメントの第1の端部部分に係合する第1の円周フランジと、第2のパイプセグメントの第2の端部部分に係合する第2の円周フランジと、を備える。パイプ装置は、シールの内側表面と、第1の端部部分と、第2の端部部分との間に画定された第1の円周ポケットをさらに備える。パイプ装置は、第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられた流体案内デバイスをなおをさらに備える。流体案内デバイスは、第1の外周縁部と第2の外周縁部との間の円周間隙内に少なくとも部分的に延在する円周案内フランジを備える。円周案内フランジの軸方向幅は、円周間隙の軸方向幅よりも小さい。円周案内フランジは、流体入口ポートを画定するように第1の外周縁部から離間されており、また円周案内フランジは、流体出口ポートを画定するように第2の外周縁部から離間されている。流体案内デバイスは、流体入口ポートから、流体案内デバイスとシールの内部表面との間に画定された領域を通って、その領域から流体出口ポートまで延在する流体経路を少なくとも部分的に画定している。
【0023】
実施形態16.実施形態15のパイプ装置を使用する方法であって、第1のパイプセグメントの第1の軸方向に、第1のパイプセグメントの内部を通して、上流量の流体を通過させることを含む、方法。当該方法は、第2のパイプセグメントの第2の軸方向に第2のパイプセグメントの内部を通して第1の上流量の流体の第1の部分を通過させることをさらに含む。当該方法は、流体入口ポートを通して、次いでシールを冷却するために当該領域を通して、次いで流体出口ポートを通して第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることと、次いで、第2のパイプセグメントの内部を通して第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることと、をなおさらに含む。
【0024】
実施形態17.当該領域は、流体案内デバイスの外側表面の少なくとも1つのブラインドチャネルを含み、当該領域を通して第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることは、流体案内デバイスの第1の軸方向端部から流体案内デバイスの第2の軸方向端部までブラインドチャネルを通して第1の上流量の流体の第2の部分を通過させることを含む、実施形態16に記載の方法。
【0025】
実施形態18.第1の上流量の流体の第2の部分が流体入口ポートを通過した後であってブラインドチャネルを通過する前に、第1の上流量の流体の第2の部分は次いで、第1の軸方向端部から第2の軸方向端部に向かって延在する流体案内デバイスの少なくとも1つの第1の貫通チャネルを通過する、実施形態17に記載の方法。第1の貫通チャネルの長さは、流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い。
【0026】
実施形態19.流体入口ポートと流体出口ポートとの間の圧力降下により当該領域を通して第1の上流量の流体の第2の部分を駆動することをさらに含む、実施形態16~18のいずれか1つに記載の方法。
【0027】
実施形態20.結合デバイスは、結合デバイスの中心軸を取り囲むシールを備える。当該シールは、中心軸に向かって延在する第1の円周フランジと、中心軸に向かって延在する第2の円周フランジと、を備える。当該シールは、シールの内部表面と、第1の円周フランジと、第2の円周フランジと、によって少なくとも部分的に画定された第1の円周ポケットをさらに備える。結合デバイスは、第1の円周ポケット内に少なくとも部分的に位置付けられた流体案内デバイスをさらに備える。流体案内デバイスは、中心軸を取り囲むように半径方向に配置された複数のセグメントを備える。流体案内デバイスは、流体案内デバイスとシールの内部表面との間に画定された領域を通って延在する流体経路を少なくとも部分的に画定している。
【0028】
実施形態21.シールは、複数のセグメントを共に付勢して収縮構成にする、実施形態20に記載の結合デバイス。
【0029】
実施形態22.流体案内デバイスは、中心軸に向かって延在し、中心軸を取り囲む円周案内フランジを備える、実施形態20~21のいずれか1つに記載の結合デバイス。
【0030】
実施形態23.シールを流体案内デバイスに軸方向にロックするさねはぎ接続をさらに備える、実施形態20~22のいずれか1つに記載の結合デバイス。
【0031】
実施形態24.流体案内デバイスの外側表面が、流体案内デバイスの第1の軸方向端部から流体案内デバイスの第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つのブラインドチャネルをさらに備え、当該領域はブラインドチャネルを備える、実施形態20~23のいずれか1つに記載の結合デバイス。
【0032】
実施形態25.流体案内デバイスは、流体案内デバイスの第1の軸方向端部から流体案内デバイスの第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つの第1の貫通チャネルをさらに備える、実施形態20~23のいずれか1つに記載の結合デバイス。第1の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い。
【0033】
実施形態26.第1の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、実施形態25に記載の結合デバイス。
【0034】
実施形態27.流体案内デバイスは、第2の軸方向端部から第1の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの第2の貫通チャネルをさらに備え、第2の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さよりも短い、実施形態25~26のいずれか1つに記載の結合デバイス。
【0035】
実施形態28.第2の貫通チャネルの軸方向長さは、流体案内デバイスの軸方向長さの半分以下である、実施形態27に記載の結合デバイス。
【0036】
実施形態29.流体案内デバイスの外側表面が、第1の軸方向端部から第2の軸方向端部まで延在する少なくとも1つのブラインドチャネルをさらに備え、当該領域はブラインドチャネルを備える、実施形態25~28のいずれか1つに記載の結合デバイス。
【0037】
実施形態30.請求項20に記載の結合デバイスを備えるパイプ装置を組み立てる方法は、第1のパイプセグメントの第1の端部部分の第1の外周縁部をシールの第1の軸方向開口部に挿入することを含む。第1の円周フランジは、第1の端部部分の外周表面に対してシールする。当該方法は、第1のパイプセグメントの第1の端部部分を流体案内デバイスに軸方向にロックすることをさらに含む。当該方法は、第2のパイプセグメントの第2の端部部分の第2の外周縁部をシールの第2の軸方向開口部に挿入することをさらに含む。第2の円周フランジは、第2の端部部分の外周表面に対してシールする。当該方法は、第2のパイプセグメントの第2の端部部分を流体案内デバイスに軸方向にロックすることをなおさらに含む。第1の外周縁部は、第2の外周縁部に面し、第1の外周縁部と第2の外周縁部との間に間隙が画定される。
【0038】
実施形態31.流体案内デバイスの円周案内フランジが間隙内に延在している、実施形態30に記載の方法。
【0039】
実施形態32.円周案内フランジは、第1の外周縁部および第2の外周縁部から離間されている、実施形態31に記載の方法。
【0040】
実施形態33.第1のパイプセグメントの第1の端部部分を流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、第1の端部部分または流体案内デバイスの一方の舌部を第1の端部部分または流体案内デバイスの他方の溝に係合させることを含む、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0041】
実施形態34.第1のパイプセグメントの第2の端部部分を流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、第2の端部部分または流体案内デバイスの一方の舌部を第1の端部部分または流体案内デバイスの他方の溝に係合させることを含む、実施形態33に記載の方法。
【0042】
実施形態35.第1のパイプセグメントの第1の端部部分の第1の外周縁部をシールの第1の軸方向開口部に挿入することは、シールの付勢に抗して流体案内デバイスの複数のセグメントの第1の対応する軸方向端部を拡張する、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
【0043】
実施形態36.第1の端部部分を流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、流体案内デバイスの複数のセグメントの第1の対応する軸方向端部を締め付けることを含む、実施形態35に記載の方法。
【0044】
実施形態37.第2のパイプセグメントの第2の端部部分の第2の外周縁部をシールの第2の軸方向開口部に挿入することは、シールの付勢に抗して流体案内デバイスの複数のセグメントの対応する第2の軸方向端部を拡張する、実施形態30~36のいずれか1つに記載の方法。
【0045】
実施形態38.第2の端部部分を流体案内デバイスに軸方向にロックすることは、流体案内デバイスの複数のセグメントの対応する第2の軸方向端部を締め付けることを含む、実施形態37に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0046】
これらおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解される。
【0047】
図1】本開示の態様によるパイプ装置の上部斜視図である。
【0048】
図2】本開示の態様によるパイプ装置のさらなる上部斜視図である。
【0049】
図3図2のパイプ装置の分解図である。
【0050】
図4図3に示される流体案内デバイスのセグメントの上部斜視図である。
【0051】
図5図4の流体案内デバイスのセグメントの側面図である。
【0052】
図6図4に示される流体案内デバイスのセグメントの下部斜視図である。
【0053】
図7図2のパイプ装置を組み立てる第1の方法におけるステップを示す図である。
図8図2のパイプ装置を組み立てる第1の方法におけるステップを示す図である。
【0054】
図9図8の9-9線に沿ったパイプ装置の断面図である。
【0055】
図10図2の10-10線に沿ったパイプ装置の断面図である。
【0056】
図11図2のパイプ装置を組み立てる第2の方法におけるステップを示す図である。
図12図2のパイプ装置を組み立てる第2の方法におけるステップを示す図である。
図13図2のパイプ装置を組み立てる第2の方法におけるステップを示す図である。
【0057】
図14図10の線14-14に沿ったパイプ装置の断面図である。
【0058】
図15図10図15で見た図10の拡大図であるが、断面は流体案内デバイスのセグメントの貫通チャネルを通じて取られており、パイプ装置はシールを冷却するために使用されている。
【0059】
図16】シールを冷却するために使用されているパイプ装置を示す、図8図16で取られた図8の拡大図であり、図15に示される位置のシールは、明確にするために破線で概略的に示されている。
【0060】
図17図1に示されるパイプ装置を提供するために、絶縁デバイスを図2に示されるパイプ装置に組み付けるステップを示す図である。
図18図1に示されるパイプ装置を提供するために、絶縁デバイスを図2に示されるパイプ装置に組み付けるステップを示す図である。
図19図1に示されるパイプ装置を提供するために、絶縁デバイスを図2に示されるパイプ装置に組み付けるステップを示す図である。
【0061】
図20図1の線20-20に沿ったパイプ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
次に、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、実施形態について以下でより十分に説明する。可能な場合はいつでも、同じ参照番号が、同じ部分または同様の部分を指すために図面全体を通して使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0063】
図1は、第1のパイプセグメント103aと、第2のパイプセグメント103bと、以下でより完全に説明される断熱デバイス105と、を備えるパイプ装置101の実施形態を示す。図2は、明確にするために、断熱デバイス105のないパイプ装置101を示し、また、断熱デバイス105を含まないパイプ装置101の実施形態を示す。図2に示されるように、パイプ装置101は、結合デバイス201の中心軸205およびパイプセグメント103a、103bの端部部分を取り囲むシール203を含む結合デバイス201をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、パイプ装置101は、単独で、あるいはパイプセグメント103a、103bの各部分と組み合わせて、結合デバイス201と見なされることができる。
【0064】
図10は、図2の断面図であり、第1の端部部分1001aを備える第1のパイプセグメント103aと、第2の端部部分1001bを備える第2のパイプセグメント103bとを示す。図7および図10に示すように、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aは、第1の外周縁部1005aを備え、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bは、第2の外周縁部1005bを備える。外周縁部1005a、1005bは、丸みを帯びた、テーパ状の、または平坦な鈍い縁部を備えることができる。例えば、両方の外周縁部1005a、1005bは、実質的に平坦な表面を含むことができる(例えば、図3の1005aを参照されたい)。図7に示すように、第2の外周縁部1005bは、第1の外周縁部1005aに対向することができる。さらに、第1の外周縁部1005aは、第2の外周縁部1005bから離間して、第1の外周縁部1005aと第2の外周縁部1005bとの間に円周間隙1007を画定することができる。図7に示すように、円周間隙1007は、間隙幅701を備えることができる。いくつかの実施形態では、間隙幅701は、パイプ外周の周りで実質的に一定であり得、外周縁部1005a、1005bは、互いに平行に延在する。外周縁部1005a、1005bを実質的に平坦かつ平行な縁部として提供することは、間隙幅701が、パイプ壁の厚さの少なくとも一部分にわたって、かつ中心軸205を中心として半径方向に実質的に一定であることを可能にし得る。実質的に一定の間隙幅701を提供することは、シール203を冷却するときに間隙幅701を通る均一な流体流を可能にすることができる。
【0065】
示されるように、パイプセグメント103a、103bは、円筒形パイプセグメントを備えることができるが、パイプセグメントは、さらなる実施形態では、楕円形、多角形、または他の形状の円筒形パイプセグメントを備えることができる。さらに、明確にするために、パイプセグメント103a、103bのごく一部分のみが示されている。いくつかの実施形態では、パイプセグメントの一方または両方は、1つの接合部から次の接合部に移動する実質的に直線のセグメントを備えることができる。さらなる実施形態では、パイプセグメントの一方または両方は、T、エルボー、クロス、レジューサ、キャップ、弁、アダプタ、または他のタイプの継手等の継手の一部分を備えてもよい。パイプセグメント103a、103bは、850℃までの温度下で構造的完全性を維持することができる材料、例えば金属(例えば、鋼、真鍮)など、または150℃までの温度下で構造的完全性を維持することができる(例えば、塩素化ポリ塩化ビニル)、広範囲の材料を含むことができる。
【0066】
図10図11を参照すると、結合デバイス201は、結合デバイス201の中心軸205を取り囲むシール203を備えることができる。シール203は、それぞれ中心軸205に向かって延在し、中心軸205を取り囲む、第1の円周フランジ1101aおよび第2の円周フランジ1101bを備えることができる。図11に示されるように、第1の円周フランジ1101aおよび第2の円周フランジ1101bは、それぞれ、結合デバイス201内への第1の軸方向開口部1103aおよび結合デバイス201内への第2の軸方向開口部1103bを画定することができる。シール203は、第1の円周フランジ1101aおよび第2の円周フランジ1101bによって少なくとも部分的に画定された第1の円周ポケット1105をさらに備えることができる。例えば、第1の円周ポケット1105は、シール203の内側凹表面1107、シール203の第2の軸方向開口部1103bに向かって延在する第1の円周フランジ1101aの第1の円周リップ1109a、およびシール203の第1の軸方向開口部1103aに向かって延在する第2の円周フランジ1101bの第2の円周リップ1109bによって少なくとも部分的に画定され得る。シール203は、広範囲の材料を含むことができる。例えば、シール203は、流体密封嵌合のためにパイプセグメントの外側表面の形状に適合することができる可撓性エラストマー材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、シール203は、EPDMゴムを含むことができるが、さらなる実施形態では、他のタイプの材料が提供されてもよい。
【0067】
図3に示すように、結合デバイス201は、流体案内デバイス301をさらに備えることができる。図3および図14に示されるように、流体案内デバイスは、中心軸205を取り囲むように半径方向に配置される複数のセグメント301a~301fを備えることができる。図示された複数のセグメント301a~301fは、中心軸205の周りに半径方向に配置された6つのセグメントを含むが、図示された6つのセグメントよりも少数または多数の任意の数の2つ以上のセグメントを設けることができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、示されるように、複数のセグメント301a~301fの各セグメントは、互いに同一であり得るが、さらなる実施形態では、異なる構成が提供されてもよい。
【0068】
複数のセグメント301a~301fのうちの第1のセグメント301aが図4図6に示されているが、第1のセグメント301aの説明は、それぞれが第1のセグメント301aと同一であり得る他のセグメント301b~301fに適用され得ることを理解されたい。図4図6に示すように、セグメントはそれぞれ、図14に示すように設置されたときに中心軸205から実質的に一定の半径「R」で延在することができる内側凹表面503を有する弓状壁501を備えることができる。セグメントは、図14に示されるように設置されたときに中心軸205と一致するセグメント軸をさらに備える。図14図15に示すように、実質的に一定の半径「R」を有する内側凹表面503の一部分は、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの外周表面1301bに沿って密接に延在することができ、実質的に一定の半径「R」を有する内側凹表面503の別の部分は、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aの外周表面1301aに沿って密接に延在することができる。
【0069】
図4図6に示されるように、ガイドセグメントはそれぞれ、円周案内フランジ401を備えることができる。図3および図14に示されるように、複数のセグメント301a~301fの各々の各円周案内フランジ401は、中心軸205に向かって延在し、中心軸205を取り囲むように協働することができる。さらに図示されるように、流体案内デバイス301の外側凸表面403は、少なくとも1つのブラインドチャネル405を備えることができる。図4図5に示されるように、外側凸表面403は、弓状壁501の内側凹表面503の反対側に面することができる。いくつかの実施形態では、外側凸表面403は、内側凹表面503と幾何学的に類似することができ、弓状壁501の少なくとも一部分は、外側凸表面403と内側凹表面503との間に連続的な壁厚を備えることができる。
【0070】
流体案内デバイス301は、少なくとも1つのブラインドチャネルを備えることができる。例えば、図4図5に示されるように、第1のセグメント301aの弓状壁501の外側凸表面403は、流体案内デバイス301の第1のセグメント301aの第1の軸方向端部407aから流体案内デバイス301の第1のセグメント301aの第2の軸方向端部407bまでセグメント軸に沿って延在する少なくとも1つのブラインドチャネル405を備えることができる。セグメントごとに2つのブラインドチャネル405が示されているが、さらなる実施形態では、セグメントごとに1つまたは3つ以上のブラインドチャネルがさらなる実施形態において設けられてもよい。本開示の目的のために、弓状壁501の外側凸表面403のブラインドチャネルは、弓状壁501の内側凹表面503と外側凸表面403との間の弓状壁501の厚さ全体を通して延在しないチャネルを意味する。いくつかの実施形態では、図16に示されるように、ブラインドチャネル405は、中心軸205に対して平行に延在する線形ブラインドチャネルを含むことができる。さらなる実施形態では、図示されていないが、正弦波または他の非線形および/もしくは線形ブラインドチャネルパターンの形状をなす蛇行ブラインドチャネル405をさらなる実施形態に組み込むことができる。図示される単一パス線形ブラインドチャネルを提供することは、いくつかの実施形態では、ブラインドチャネル内を移動する流体の増加した流量に起因して、シール203からの対流熱伝達を増加させ得る、流動抵抗を低減させることができる。蛇行または他の非線形および/もしくは線形ブラインドチャネルパターンを提供することは、流体がシールと接触する時間の長さを増加させることになり得るが、それによって、シールから熱を伝導するためのより多くの時間が流体に与えられ、以下でより完全に説明されるように、ブラインドチャネルを通って移動する流体の体積当たりのより大きい熱伝達がもたらされる。
【0071】
流体案内デバイス301は、流体案内デバイス301の一方の軸方向端部から流体案内デバイス301の他方の軸方向端部に向かって延在する少なくとも1つの貫通チャネルをさらに備えることができる。本開示の目的のために、貫通チャネルは、弓状壁501の内側凹表面503と外側凸表面403との間で弓状壁501の厚さ全体を通して延在するチャネルを意味する。例えば、図4図6に示されるように、第1のセグメント301aは、第1のセグメント301aの第1の軸方向端部407aから第1のセグメント301aの第2の軸方向端部407bに向かって延在する第1の貫通チャネル409aを備えることができる。図4図6にさらに示されるように、第1のセグメント301aは、第1のセグメント301aの第2の軸方向端部407bから第1のセグメント301aの第1の軸方向端部407aに向かって延在する第2の貫通チャネル409bを備えることができる。図16に示されるように、第1の貫通チャネル409aの軸方向長さ「L2」および/または第2の貫通チャネル409bの軸方向長さ「L2」は、流体案内デバイスの軸方向長さ「L1」の半分以下など、流体案内デバイス301の軸方向長さ「L1」未満であり得る。示されるように、貫通チャネル409a、409bは、中心軸205に対して平行に延在する線形貫通チャネルを含むことができるが、さらなる実施形態では、他の非線形形状またはパターンが提供されてもよい。さらに、示されるように、各セグメント301a~301fは、単一の第1の貫通チャネル409aおよび単一の第2の貫通チャネル409bを含む。図示されていないが、さらなる実施形態では、少なくとも1つの第1の貫通チャネルは複数の第1の貫通チャネルを備えることができ、および/または少なくとも1つの第2の貫通チャネルは複数の第2の貫通チャネルを備えることができる。
【0072】
図11に示されるように、流体案内デバイス301は、シール203内に搭載されることができる。例えば、図11に示されるように、複数のセグメント301a~301fは、第1の円周ポケット1105内に少なくとも部分的に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、パイプ装置101は、パイプセグメント103a、103bを伴わない結合デバイス201と見なされることができる。実際、図11に示されるように、結合デバイス201は、パイプセグメント103a、103bなしで組み立てることができ、(シール203内に取り付けられたセグメント301a~301fを備える)結合デバイスは、別個に販売するか、あるいは後にパイプセグメントと結合するために別の方法で提供することができる。シール203は、パイプセグメントに接続されていないときであっても、パイプセグメント103a、103bを定位置に固定するのに役立つ特徴を含むことができる。例えば、図15に示されるように、複数のセグメント301a~301fが第1の円周ポケット1105内に少なくとも部分的に位置付けられると、セグメント301a~301fのそれぞれの第1の軸方向端部407aは、第1の円周リップ1109aと内側凹表面1107との間に画定された第1の内向き端部ポケット内に位置付けられることができる。同様に、セグメント301a~301fのそれぞれの第2の軸方向端部407bは、第2の円周リップ1109bと内側凹表面1107との間に画定された第2の内向き端部ポケット内に位置付けられることができる。配置されると、セグメント301a~301fの各々は、第1および第2の内向き端部ポケットによって、第1の円周ポケット1105内の図示された着座位置に捕捉される。さらに、結合デバイス201は、シール203を流体案内デバイス301に軸方向にロックするさねはぎ接続を備えることができる。本出願の目的のために、軸方向にロックするとは、結合デバイス201の中心軸205の方向における部品間の相対移動が阻止される、例えば防止されるような接続を意味する。例えば、図15に示されるように、結合デバイスは、セグメント301a~301fの各々の舌部1501がシール203の内側凹表面1107内の溝1503内に着座される、図示のさねはぎ接続を備えることができる。溝1503内に着座した舌部1501は、シール203を流体案内デバイス301に軸方向にロックすることができるが、これは、結合デバイス201の中心軸205の方向へのシール203と流体案内デバイス301との間の相対運動が、舌部と溝との接続によって阻止されるなど、抑制されるからである。図示されていないが、さらなる実施形態では、さねはぎ接続は、セグメントの各々によって画定された溝内に着座するシールの内側表面によって画定された舌部を含むことができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、シール203は、複数のセグメント301a~301fを共に付勢して収縮構成にすることができる。例えば、図15に示されるように、シール203の内側凹表面1107は、セグメント301a~301fの外側凸表面403にぴったりと係合することができ、それにより、セグメントは、互いに係合するセグメント301a~301fの隣接する対の対応する側縁部と一緒に保持される。図示されていないが、いくつかの実施形態では、セグメント301a~301fの隣接する対の側縁部は、適切な位置合わせを容易にするために互いにキー嵌めされてもよい。例えば、シール203がセグメントを共に付勢している間、1つのセグメントの1つの側縁部の舌部が、隣接するセグメントの隣接する側縁部の溝に嵌合して位置合わせを容易にすることができる。いくつかの実施形態では、必須ではないが、シール203は、複数のセグメント301a~301fを覆って伸張されて、セグメントを半径方向に収縮された配向で一緒に半径方向に収縮させ、隣接する対のセグメントの側縁部を一緒に押し付けることができ、一方、シール203の張力は、セグメントを半径方向に収縮された配向に維持することを容易にする。
【0074】
組み立てられると、流体案内デバイス301のセグメント301a~301fの円周ガイドフランジ401は、中心軸205に向かって延在し、中心軸205を取り囲むように協働することができる。いくつかの実施形態では、図示のように、円周案内フランジ401の隣接する対の隣接する側部は、収縮配向において互いに当接して、中心軸205を取り囲む実質的に連続した案内フランジとして円周案内フランジ401を提供することができる。
【0075】
以下に説明され、図15図16に示される流体流矢印によって示されるように、流体案内デバイス301は、流体案内デバイス301とシール203の内側凹表面1107との間に画定される領域を通って延在する流体経路を少なくとも部分的に画定する。図14に示されるように、当該領域は、図16においてブラインドチャネル405を通過して示される矢印によって参照される流体経路を画定するように、シール203の内側凹表面1107によって覆われるブラインドチャネル405を備えることができる。図16に示されるように、ブラインドチャネル405は、流体経路が軸方向長さ「L1」全体ならびに第1および第2の軸方向端部407a、407bを通過することができるように、第1の軸方向端部407aから第2の軸方向端部407bまで延在する。
【0076】
図15は、結合デバイス201が第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aを第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bに結合するパイプ装置101を示す。軸方向のロックは、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aを流体案内デバイス301に軸方向にロックし、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bを流体案内デバイス301に軸方向にロックすることによって達成される。いくつかの実施形態では、軸方向のロックは、さねはぎ接続によって達成することができ、第1のさねはぎ接続は、第1の端部部分1001aを流体案内デバイス301に軸方向にロックし、第2のさねはぎ接続は、第2の端部部分1001bを流体案内デバイス301に軸方向にロックする。
【0077】
各さねはぎ接続は、パイプセグメントの端部部分および流体案内デバイスのうちの一方の舌部が、パイプセグメントの端部部分および流体案内デバイスのうちの他方の溝に係合することを含むことができる。いくつかの実施形態では、流体案内デバイスは、パイプセグメントの端部部分の舌部を受け入れて係合するように構成された溝を備える。あるいは、示される図6のように、各セグメント301a~301fは、第1の舌部601aおよび第2の舌部601bを備えることができる。各第1および第2の舌部601a、601bは、傾斜面603a、603bを備えることができる。第1の傾斜面603aは、第1の軸方向開口部1103aから第2の軸方向開口部1103bに向かう方向に中心軸205に向かって内側に傾斜することができる。第2の傾斜面603bは、第2の軸方向開口部1103bから第1の軸方向開口部1103aに向かう方向に中心軸205に向かって内側に傾斜することができる。図15に示されるように、各セグメント103a~103fの第1の舌部601aは、第1のパイプセグメント301aの第1の端部部分1001aの第1の溝1505aと係合して、第1のパイプセグメント103aを結合デバイス201に軸方向にロックすることができる。同様に、各セグメント103a~103fの第2の舌部601bは、第2のパイプセグメント301bの第2の端部部分1001bの第2の溝1505bと係合して、第2のパイプセグメント103bを結合デバイス201に軸方向にロックすることができる。
【0078】
次に、上述の結合デバイス201を備えるパイプ装置101を組み立てる方法について、図11図13を参照して説明する。図11に示されるように、第1のパイプセグメント103aは、第1の軸方向開口部1103aと位置合わせされ得る。図12に示されるように、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aの第1の外周縁部1005aは、シール203の第1の軸方向開口部1103aに第1の内向き軸方向1201aに挿入され得る。第1の外周縁部1005aを第1の軸方向開口部1103aに通して挿入するステップにより、第1の円周フランジ1101aは、第1の端部部分1001aの外周表面1301aに対してシールされる。当該方法は、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aを流体案内デバイス301に軸方向にロックすることをさらに含む。例えば、図12に示されるように、第1の外周縁部1005aの外側部分1102a(例えば、図示の面取り部分)は、第1の舌部601aの傾斜面603aに係合してもよく、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aの第1の外周縁部1005aをシール203の第1の軸方向開口部1103aにさらに挿入することにより、流体案内デバイス301の複数のセグメント301a~301fの第1の対応する軸方向端部がシール203の付勢に抗して拡張する。完全に挿入されると、図13に示されるように、第1の舌部601aは、シール203が流体案内デバイス301の複数のセグメント301a~301fの第1の対応する軸方向端部を締め付けることによって第1の溝1505a内に落下して、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aを流体案内デバイス301に軸方向にロックする。軸方向にロックされると、シール203は、軸方向にロックされた接続を維持するために、第1の溝1505a内に留まるように第1の舌部601aを付勢することができる。いったん軸方向にロックされると、図15に示されるように、第1の間隙1507aが、第1の外周縁部1005aと円周案内フランジ401との間に維持される。
【0079】
図12に示されるように、第2のパイプセグメント103bは、第2の軸方向開口部1103bと位置合わせされ得る。図13に示されるように、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの第2の外周縁部1005bは、シール203の第2の軸方向開口部1103b内に第2の内向き軸方向1201bに挿入され得る。図15に示されるように、第2の外周縁部1005bを第2の軸方向開口部1103bに通して挿入するステップにより、第2の円周フランジ1101bは第2の端部部分1001bの外周表面1301bに対してシールされる。当該方法は、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bを流体案内デバイス301に軸方向にロックすることをさらに含む。例えば、図13に示されるように、第2の外周縁部1005bの外側部分1102b(例えば、図示の面取り部分)は、第2の舌部601bの傾斜面603bに係合してもよく、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの第2の外周縁部1005bをシール203の第2の軸方向開口部1103bにさらに挿入することにより、流体案内デバイス301の複数のセグメント301a~301fの第2の対応する軸方向端部がシール203の付勢に抗して拡張する。完全に挿入されると、図15に示されるように、第2の舌部601bは、シール203が流体案内デバイス301の複数のセグメント301a~301fの第2の対応する軸方向端部を締め付けることによって第2の溝1505b内に落下して、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bを流体案内デバイス301に軸方向にロックする。軸方向にロックされると、シール203は、軸方向にロックされた接続を維持するために、第2の溝1505b内に留まるように第2の舌部601bを付勢することができる。いったん軸方向にロックされると、図15に示されるように、第2の間隙1507bが、第2の外周縁部1005bと円周案内フランジ401との間に維持される。
【0080】
したがって、第1および第2の端部分1001a、1001bが結合デバイスによって互いに対して軸方向にロックされると、円周間隙1007は、第1の外周縁部1005aと第2の外周縁部1005bとの間に維持され得る。さらに、流体案内デバイス301のセグメント301a~301fの円周案内フランジ401は、円周間隙1007内に延在することができる。いくつかの実施形態では、円周案内フランジ401は、第1および第2の外周縁部1005a、1005bの一部または全体にわたって延在することができる。図示された実施形態では、円周案内フランジ401は、図14に示されるように、円周案内フランジ401の先端がパイプセグメントの内径のフットプリント内に延在するように、第1および第2の外周縁部1005a、1005bの全体にわたって、また外周縁にわたって延在する。
【0081】
図7図10は、パイプ装置101を組み立てる別の方法を示す。図7に示されるように、第1のパイプセグメント103aの第1の外周縁部1005aは、シール203の内側を通して挿入されることができる。完全に挿入されると、第1の円周フランジ1101aおよび第2の円周フランジ1101bは、第1のパイプセグメント103aの外周表面1301aに対してシールして、第1のパイプセグメント103aの内側凹表面1107と外周面表1301aとの間に第1の円周ポケット1105(図9を参照)を画定する。次いで、第1および第2のパイプセグメント103a、103bは、間隙幅701を伴う円周間隙1007を形成するように、第1のパイプセグメント103aの第1の外周縁部1005aが第2のパイプセグメント103bの第2の外周縁部1005bから離間された状態で、同軸上に整列されることができる。
【0082】
図8に示されるように、流体案内デバイス301のセグメント301a~301fは、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aおよび第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの周りに半径方向に配置されることができる。図9に示されるように、半径方向に位置付けられると、セグメント301a~301fの各々の第1の舌部601aは、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aの第1の溝1505a内に受容される。同様に、図9に示されるように、半径方向に位置付けられると、セグメント301a~301fの各々の第2の舌部601bは、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの第2の溝1505b内に受容される。図10に示されるように、次いで、シール203は、流体案内デバイス301が第1の円周ポケット1105内に着座されるまで、矢印901の方向に流体案内デバイス301に対して移動させられることができる。適所に配置されると、図10に示されるように、シール203は、セグメント301a~301fを図示の収縮配向に付勢することができ、第1および第2のパイプセグメント103a、103bは、結合デバイス201によって互いに対してロックされる。
【0083】
パイプ装置101が組み立てられると(例えば、図7図10に図示される方法または図11図13に図示される方法によって)、シール203は、円周間隙1007を取り囲むことができる(図10参照)。図15にさらに示されるように、第1の円周フランジ1101aは、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aの外周表面1301aに対して係合し、シールすることができる。さらに、第2の円周フランジ1101bは、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの外周表面1301bに対して係合し、シールすることができる。第1の円周ポケット1105は、シール203の内側凹表面1107と、第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aの外周表面1301aと、第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bの外周表面1301bとの間に画定され得る。流体案内デバイス301は、複数のセグメント301a~301fが第1のパイプセグメント103aの第1の端部部分1001aおよび第2のパイプセグメント103bの第2の端部部分1001bを取り囲むように半径方向に配置された状態で、第1の円周ポケット1105内に少なくとも部分的に位置付けられることができる。流体案内デバイス301は、第1の端部部分1001aの上に位置付けられた第1の軸方向端部と、第2の端部部分1001bの上に位置付けられた第2の軸方向端部とをさらに備えることができ、流体案内デバイス置301は、円周間隙1007から、流体案内デバイス301とシール203の内側凹表面1107との間に画定された領域(例えば、ブラインドチャネル405)を通って延在する流体経路を少なくとも部分的に画定する。
【0084】
さらに、パイプ装置101が組み立てられると、流体案内デバイス301の円周案内フランジ401はそれぞれ、第1の外周縁部1005aと第2の外周縁部1005bとの間の円周間隙1007の中へ少なくとも部分的に延在することができ、円周案内フランジ401の軸方向幅1509(図15参照)は、円周間隙701の軸方向間隙幅1007未満である。幅の差は、円周案内フランジ401が第1の外周縁部1005aから離間されて、それらの間に第1の間隙1507aを画定することを提供することができる。さらに、幅の差は、円周案内フランジ401が第2の外周縁部1005bから離間されて、それらの間に第2の間隙1507bを画定することを提供することができる。第1および第2の間隙1507a、1507bの維持は、流体案内デバイス301を第1の端部部分1001aに軸方向にロックする第1のさねはぎ接続(例えば、601a、1505a)と、流体案内デバイス301を第2の端部部分1001bに軸方向にロックする第2のさねはぎ接続(例えば、601b、1505b)とによって提供され得る。
【0085】
パイプ装置を使用する方法が、図15図16に図示されている。本方法は、第1のパイプセグメント103aの第1の軸方向に第1のパイプセグメント103aの内部を通して上流量の流体1511を通過させることを含むことができる。本方法は、第2のパイプセグメント103bの第2の軸方向に第2のパイプセグメント103bの内部を通して第1の上流量の流体1511の第1の部分1513aを通過させることをさらに含むことができる。
【0086】
本方法は、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bを、流体案内デバイス301とシール203の内側凹表面1107との間に画定された領域に通すことによってシール203を冷却することをさらに含むことができる。例えば、第1の間隙1507aは、流体入口ポートから流体案内デバイス301の第1の貫通チャネル409aまで延在する流体経路の流体入口ポートを画定することができる。第1の上流量の流体1513の第2の部分1511bは、流体入口ポートを通過して第1の貫通チャネル409a内に入ることができる。次いで、第1の上流量の流体1513の第2の部分1511bは、流体案内デバイスの第1の軸方向端部407aを通過して、第1の円周ポケット1105の第1の端部部分1105aに入ることができる。図16に示されるように、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bは、次に、第1の円周ポケット1105の第1の端部部分1105aから方向転換されて、第1の軸方向端部407aから第2の軸方向端部407bへとブラインドチャネル405に入ることができ、熱は、対流によってシール203から第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bに伝達される。次いで、流体は、ブラインドチャネル405を出て、第1の円周ポケット1105の第2の端部部分1105bに入る。次いで、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bは、第2の貫通チャネル409bを通って戻り、流体出口ポートとして機能する第2の間隙1507bから出るように方向転換される。流体出口ポートを通過した後、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bは、第1の上流量の流体1511の第1の部分1513aと合流されて、第2のパイプセグメント103bの軸方向に第2のパイプセグメント103bの内部を通過する第2の下流量の流体1515となる。
【0087】
したがって、結合デバイス201は、パイプセグメントの端部部分を迅速に取り付けることができる機械的結合を含むことができる。シールの構造的完全性は、パイプセグメントを通って移動する流体の一部分が、さもなければ過度に高い温度条件下で劣化および破損し得るシールを冷却するように方向転換され得るので、高温環境において維持され得る。いくつかの実施形態では、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bは、圧力降下により領域(例えば、ブラインドチャネル405)を通して駆動されることができる。例えば、圧力降下は、流体入口ポートと流体出口ポートとの間に提供され、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bを領域を通して駆動することができる。
【0088】
円周案内フランジ401は、シール203と流体案内デバイス301との間の領域を通る所望の対流流体流を達成するために、パイプセグメントを通って移動する流体の一部分の方向を変えるのを助けることができる。いくつかの実施形態では、シール203と流体案内デバイス301との間の領域は、シール203の内側凹表面1107によって覆われたブラインドチャネル405を含むことができる。さらに、図14に示されるように、いくつかの実施形態では、円周案内フランジ401の先端は、パイプセグメントの内径のフットプリント内に延在することができる。内径のフットプリント内への円周案内フランジ401のそのような延在は、流体入口ポートと流体出口ポートとの間の圧力降下を生成するのを助けることができ、それは、第1の上流量の流体1511の第2の部分1513bを駆動して、ブラインドチャネル405を通る流体の対流を提供し、シール203からブラインドチャネル405を通って流れる流体に熱を伝達するのを助けることができる。
【0089】
図17は、保護シュラウド1701を備え得るパイプ装置101の別の実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、パイプ装置101は、保護シュラウド1701のみを備えることができる。さらなる実施形態では、パイプ装置101は、図1に示されるように、第1のパイプセグメント103aと第2のパイプセグメント103bを共に取り付ける結合デバイス201と組み合わせて、保護シュラウド1701を備えることができる。
【0090】
保護シュラウド1701は、シール203を断熱して、周囲環境からシール203への熱伝達を低減するのをさらに助けることができる。例えば、保護シュラウド1701は、第1の空洞1707aを画定する第1のハウジング半体1703aと、第2の空洞1707bを備える第2のハウジング半体1705bとを有するハウジング1705を備えることができる。第1のハウジング半体1705aは、第1の受容領域1709aおよび第2の受容領域1709bを備えることができ、これらは、それらの間に位置付けられた第1の空洞1707aと軸方向に整列される。第2のハウジング半体1705bは、第3の受容領域1709cおよび第4の受容領域1709dを備えることができる。いくつかの実施形態では、受容領域1709a~1709dは、パイプセグメント103a、103bの外周表面1301a、1301bに従う形状を備えることができる。例えば、図示されるように、受容領域1709a~1709dはそれぞれ、半円状の凹部分を備えることができる。また、第1のハウジング半体1705aの第1の空洞1707aおよび第2のハウジング半体1705bの第2の空洞1707bは、シール203の外周表面204に倣った形状(例えば、半円状の凹部分)を有していてもよい。ハウジング半体は、第2のハウジング半体1705bがシュラウド軸1713を中心に第1のハウジング半体1705aに対して枢動することができるように、ヒンジ1711で枢動可能に接続されることができる。ハウジングは、鋼または他の金属などの広範囲の材料から製造することができる。さらなる実施形態では、ハウジングは、周囲環境からの熱に耐えることができる一方で、ハウジング壁を通る熱伝導に抵抗するのに役立つ絶縁特性を含む、高温プラスチックまたはセラミックなどの絶縁材料から製作されることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、保護シュラウド1701は、熱シールド1715をさらに含むことができる。熱シールド1715は、スタンドオフペグ1719によって第1のハウジング半体1705aに取り付けられた第1の部分1717aを備えることができ、それにより、第1の部分1717aは、第1のハウジング半体1705aの外側表面領域から離間されながら、第1のハウジング半体1705aの外側表面領域を取り囲む。同様に、熱シールド1715は、スタンドオフペグ1719によって第2のハウジング半体1705bに取り付けられた第2の部分1717bを備えることができ、それにより、第2の部分1717bは、第2のハウジング半体1705bの外側表面領域から離間されながら、第2のハウジング半体1705bの外側表面領域を取り囲む。熱シールド715の第1の部分1717aは、軸方向に整列された第5の受容領域1721aおよび第6の受容領域1721bを備えることができ、熱シールド715の第2の部分1717bは、軸方向に整列された第7の受容領域1721cおよび第8の受容領域1721dを備えることができる。いくつかの実施形態では、受容領域1721a~1721dは、パイプセグメント103a、103bの外周表面1301a、1301bに従う形状を備えることができる。例えば、図示されるように、受容領域1721a~1721dはそれぞれ、半円状の凹部分を備えることができる。
【0092】
結合デバイス201を保護シュラウド1701内に取り付ける方法が、図18図20に関して示されている。図18に示されるように、結合デバイス201は、第1のハウジング半体1705aの第1の空洞1707a内に位置付けられることができる。図示のように、第1の空洞1707aの内側表面は、シール203の外周表面204に密接に追従して接触することができ、第1の受容領域1709aを画定する内側表面は、第1のパイプセグメント103aの外周表面1301aに密接に追従して接触することができ、第2の受容領域1709bを画定する内側表面は、第2のパイプセグメント103bの外周表面1301bに密接に追従して接触することができる。さらに、第5の受容領域1721aを画定する内側表面は、第1のパイプセグメント103aの外周表面1301aに密接に追従して接触することができ、第6の受容領域1721bを画定する内側表面は、第2のパイプセグメント103bの外周表面1301bに密接に追従して接触することができる。
【0093】
図18に示されるように、第2のハウジング半体1705bは、熱シールド1715の取り付けられた第2の部分1717bと共に、シュラウド軸1713を中心にして方向1801に、開放配向(図18参照)から閉鎖配向(図19参照)に旋回させることができる。次いで、枢動ボルト1803は、図19図20に示される閉鎖配向で第1および第2のハウジング半体1705a1705bをロックするように枢動されることができる。ロックされると、アクセスパネル1901は、図20に示されるれる開放配向から図1に示される閉鎖配向に枢動されることができる。アクセスパネル1901を枢動させることにより、枢動ボルト1803を枢動させ、第1および第2のハウジング半体1705a、1705bを閉鎖配向にロックするときに使用されるアクセス開口部を閉鎖することができる。第1および第2のハウジング半体1705a、1705bが閉鎖配向でロックされると、結合デバイス201は、第2のハウジング半体1705bの第2の空洞1707b内に位置付けられることができる。第2の空洞1707bの内面は、シール203の外周表面204に密接に追従して接触することができ、第3の受容領域1709cを画定する内側表面は、第1のパイプセグメント103aの外周表面1301aに密接に追従して接触することができ、第4の受容領域1709dを画定する内側表面は、第2のパイプセグメント103bの外周表面1301bに密接に追従して接触することができる。さらに、第7の受容領域1721cを画定する内側表面は、第1のパイプセグメント103aの外周表面1301aに密接に追従して接触することができ、第8の受容領域1721dを画定する内側表面は、第2のパイプセグメント103bの外周表面1301bに密接に追従して接触することができる。
【0094】
図20を参照すると、いったん第1および第2のハウジング半体1705a、1705bが閉鎖配向でロックされると、第1のハウジング半体1705aの第1の空洞1707aは、第2のハウジング半体1705bの第2の空洞1707bと協働して第2の円周ポケットを形成し、シール203は、第2の円周ポケット内に位置付けられる。さらに、第1および第2のハウジング半体1705a、1705bが閉鎖配向にロックされると、熱シールド1717の第1の部分1715aと熱シールドの第2の部分1717bが協働してハウジング1703を取り囲み、熱シールド1715とハウジング1703との間にチャンバ2001を画定する。
【0095】
動作中、熱シールドは、熱シールド1703とハウジング1703との間のチャンバ2001内に閉じ込められた空気を提供することができ、この空気は、熱シールドからハウジング1715への熱伝達に抵抗する断熱材として機能する。さらに、ハウジング1703は、チャンバからシール203への熱伝達を低減するように作用することができる断熱材料(例えば、セラミック)を含むことができる。さらに、結合デバイス201は、使用時にシール203の流体冷却を提供することができる。本開示の特徴によれば、パイプ装置101は、高温環境においてパイプセグメントの機械的結合を提供することができる。機械的結合は、パイプセグメントのネットワークを所望の構成に組み立てるコストを低減する。さらに、機械的結合は、パイプセグメントを恒久的に一緒に接続する技法を用いた場合に生じ得るパイプセグメントの破壊を伴うことなく、結合デバイス201、第1のパイプセグメント103a、または第2のパイプセグメント103bの構成要素の除去および交換を可能にすることによって、保守を容易にする。さらに、結合デバイス201の流体冷却特徴部は、シールから離れる方向への熱伝達を促進して破損を回避することができ、保護シュラウド1701は、高温環境(例えば、火災時の建物)からシール203への熱伝達をさらに低減することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】