(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】フレーム間予測方法及び端末
(51)【国際特許分類】
H04N 19/503 20140101AFI20241122BHJP
H04N 19/105 20140101ALI20241122BHJP
H04N 19/139 20140101ALI20241122BHJP
H04N 19/176 20140101ALI20241122BHJP
【FI】
H04N19/503
H04N19/105
H04N19/139
H04N19/176
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535913
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2022138759
(87)【国際公開番号】W WO2023116510
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111566761.X
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210233750.8
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呂 卓逸
(72)【発明者】
【氏名】周 川
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA05
5C159PP04
5C159TA25
5C159TA30
5C159TB08
5C159TC03
5C159TC12
5C159TC42
5C159TD11
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
本出願は、フレーム間予測方法及び端末を開示し、ビデオ符号化・復号の技術分野に属し、本出願の実施例に係るフレーム間予測方法は、第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するステップと、第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するステップと、目標情報に基づいて、第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するステップと、を含む。ここで、第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、第2画像ブロックは符号化済み画像ブロックであり、あるいは、第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、第2画像ブロックは復号済み画像ブロックである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するステップであって、前記第1画像ブロックが、前記第2画像ブロックに隣接するステップと、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するステップであって、前記第1予測値が、前記第1動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定され、前記第2予測値が、前記第2動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定されるステップと、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するステップであって、前記目標情報が第1差分値及び第2差分値を含み、前記第1差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第1予測値に基づいて決定された差分値であり、前記第2差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第2予測値に基づいて決定された差分値であるステップと、を含み、
前記第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは符号化済み画像ブロックであり、あるいは、前記第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは復号済み画像ブロックである、フレーム間予測方法。
【請求項2】
前記目標情報は、前記第1予測値及び前記第2予測値に基づいて決定された、前記第1画素領域に対応する第3差分値をさらに含む、請求項1に記載のフレーム間予測方法。
【請求項3】
前記第1画素領域は、
第1画像ブロックの上側に隣接するM1行N1列からなる符号化済み又は復号済み画素領域であることと、
第1画像ブロックの左側に隣接するM2行N2列からなる符号化済み又は復号済み画素領域であることと、のうちの少なくとも1つを満たし、
M1、M2、N1及びN2は、いずれも正の整数である、請求項1又は2に記載のフレーム間予測方法。
【請求項4】
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する前記ステップは、
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定するステップであって、前記目標重み値組合せが、少なくとも1つの重みセットを含み、前記重みセットが、第1重み値及び第2重み値を含み、前記第1重み値が、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値に対応し、前記第2重み値が、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値に対応し、前記第3予測値が、前記第1動き情報に基づいて決定され、前記第4予測値が、前記第2動き情報に基づいて決定されるステップと、
前記目標重み値組合せに基づいて前記第2画素領域内の各画素点に対応する第3予測値及び第4予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を得るステップと、を含む、請求項1又は2に記載のフレーム間予測方法。
【請求項5】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第1重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第2重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するか、又は、前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値及び前記第3差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第2差分値が前記第3差分値及び前記第1差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値を目標予測値として決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項6】
前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、第3重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第4重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項5に記載のフレーム間予測方法。
【請求項7】
前記目標情報は前記第1画像ブロックのタイプをさらに含み、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第5重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第6重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第7重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第8重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項8】
前記第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記各画素点の第5予測値を得るステップと、
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定するステップと、をさらに含む、請求項2に記載のフレーム間予測方法。
【請求項9】
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定する前記ステップは、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の和を前記第3差分値として決定するステップであって、前記目標絶対値が、前記第1画素領域内の各画素点の第5予測値と再構成値との間の差分値の絶対値であるステップ、又は
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の平均値を前記第3差分値として決定するステップ、を含む、請求項8に記載のフレーム間予測方法。
【請求項10】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項11】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項12】
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップであって、前記第1閾値が非負数であるステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値よりも大きい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項11に記載のフレーム間予測方法。
【請求項13】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値に等しい場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも大きい場合に、前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項14】
前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値よりも小さい場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値以上である場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項13に記載のフレーム間予測方法。
【請求項15】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得るステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、
前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項16】
前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記計算結果が第3閾値以下である場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記計算結果が第4閾値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第3閾値よりも大きく、且つ第5閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第5閾値よりも大きく、且つ第4閾値よりも小さい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含み、
前記第3閾値が前記第5閾値よりも小さく、前記第5閾値が前記第4閾値よりも小さい、請求項15に記載のフレーム間予測方法。
【請求項17】
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するための取得モジュールであって、前記第1画像ブロックが、前記第2画像ブロックに隣接する取得モジュールと、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するための第1決定モジュールであって、前記第1予測値が、前記第1動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定され、前記第2予測値が、前記第2動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定される第1決定モジュールと、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するための第2決定モジュールであって、前記目標情報が、第1差分値及び第2差分値を含み、前記第1差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第1予測値に基づいて決定された差分値であり、前記第2差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第2予測値に基づいて決定された差分値である第2決定モジュールと、を含み、
前記第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは符号化済み画像ブロックであり、あるいは、前記第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは復号済み画像ブロックである、フレーム間予測装置。
【請求項18】
前記第2決定モジュールは、
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定するための決定ユニットであって、前記目標重み値組合せが、少なくとも1つの重みセットを含み、前記重みセットが、第1重み値及び第2重み値を含み、前記第1重み値が、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値に対応し、前記第2重み値が、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値に対応し、前記第3予測値が、前記第1動き情報に基づいて決定され、前記第4予測値が、前記第2動き情報に基づいて決定される決定ユニットと、
前記目標重み値組合せに基づいて前記第2画素領域内の各画素点に対応する第3予測値及び第4予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を得るための処理ユニットと、を含む、請求項17に記載のフレーム間予測装置。
【請求項19】
前記決定ユニットは、
前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第1重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第2重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するか、又は、前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値及び前記第3差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第2差分値が前記第3差分値及び前記第1差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値を目標予測値として決定するステップと、に用いられる、請求項18に記載のフレーム間予測装置。
【請求項20】
前記決定ユニットはさらに、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、第3重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第4重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる、請求項19に記載のフレーム間予測装置。
【請求項21】
前記目標情報は前記第1画像ブロックのタイプをさらに含み、前記決定ユニットはさらに、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第5重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第6重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第7重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第8重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる、請求項18に記載のフレーム間予測装置。
【請求項22】
第3決定モジュールをさらに含み、前記第3決定モジュールは、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記各画素点の第5予測値を得るステップと、
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定するステップと、に用いられる、請求項17に記載のフレーム間予測装置。
【請求項23】
前記第3決定モジュールはさらに、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の和を前記第3差分値として決定するステップであって、前記目標絶対値が、前記第1画素領域内の各画素点の第5予測値と再構成値との間の差分値の絶対値であるステップ、又は
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の平均値を前記第3差分値として決定するステップ、に用いられる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記決定ユニットはさらに、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる、請求項18に記載のフレーム間予測装置。
【請求項25】
前記決定ユニットはさらに、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、に用いられる、請求項18に記載のフレーム間予測装置。
【請求項26】
前記決定ユニットはさらに、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップであって、前記第1閾値が非負数であるステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値よりも大きい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる、請求項25に記載のフレーム間予測装置。
【請求項27】
前記決定ユニットはさらに、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値に等しい場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも大きい場合に、前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、に用いられる、請求項18に記載のフレーム間予測装置。
【請求項28】
前記決定ユニットはさらに、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値よりも小さい場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値以上である場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる、請求項27に記載のフレーム間予測装置。
【請求項29】
前記決定ユニットはさらに、
予め設定された計算式に従って前記第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得るステップと、
前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、に用いられる、請求項18に記載のフレーム間予測装置。
【請求項30】
前記決定ユニットはさらに、
前記計算結果が第3閾値以下である場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記計算結果が第4閾値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第3閾値よりも大きく、且つ第5閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第5閾値よりも大きく、且つ第4閾値よりも小さい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられ、
前記第3閾値が前記第5閾値よりも小さく、前記第5閾値が前記第4閾値よりも小さい、請求項29に記載のフレーム間予測装置。
【請求項31】
プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリに前記プロセッサにおいて実行可能なプログラムもしくはコマンドが記憶されており、前記プログラムもしくはコマンドが前記プロセッサによって実行されると、請求項1から16のいずれか1項に記載のフレーム間予測方法のステップが実現される、端末。
【請求項32】
プロセッサによって実行されると、請求項1から16のいずれか1項に記載のフレーム間予測方法のステップが実現されるプログラムもしくはコマンドが記憶されている、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月20日に中国で出願した中国特許出願No.202111566761.Xの優先権、及び2022年3月10日に中国で出願した中国特許出願No.202210233750.8の優先権を主張し、それらの全ての内容が参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、ビデオ符号化・復号の技術分野に属し、具体的には、フレーム間予測方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、ビデオの符号化と復号の過程において、画像ブロックの境界と画像ブロックの輪郭とがマッチしていない場合、オーバーラップブロック動き補償(Overlapped block motion compensation,OBMC)の方式によって画像ブロックに対してフレーム間予測処理を行い、画像ブロックの境界画素点に対応する予測値を修正することができる。OBMC技術では、画像ブロックの動き情報を用いて取得した予測値、及び隣接する画像ブロックの動き情報を用いて取得した予測値に対して重み付け処理を行い、さらに境界画素点の予測値を修正する。
【0004】
しかしながら、OBMC技術に基づいて境界画素点予測値を修正する過程において、修正後の境界画素点予測値が不正確になりやすく、さらにビデオ符号化・復号の効率が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、境界画素点予測値に対する修正が不正確であり、さらにビデオ符号化・復号の効率が低下するという技術的課題を解決できるフレーム間予測方法及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するステップであって、前記第1画像ブロックが、前記第2画像ブロックに隣接するステップと、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するステップであって、前記第1予測値が、前記第1動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定され、前記第2予測値が、前記第2動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定されるステップと、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するステップであって、前記目標情報が、第1差分値及び第2差分値を含み、前記第1差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び前記第1予測値に基づいて決定された差分値であり、前記第2差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び前記第2予測値に基づいて決定された第2差分値であるステップと、を含み、
前記第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは符号化済み画像ブロックであり、あるいは、前記第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは復号済み画像ブロックである、フレーム間予測方法を提供する。
【0007】
第2態様において、
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するための取得モジュールであって、前記第1画像ブロックが、前記第2画像ブロックに隣接する取得モジュールと、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するための第1決定モジュールであって、前記第1予測値が、前記第1動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定され、前記第2予測値が、前記第2動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定される第1決定モジュールと、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するための第2決定モジュールであって、前記目標情報が、第1差分値及び第2差分値を含み、前記第1差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び前記第1予測値に基づいて決定された差分値であり、前記第2差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び前記第2予測値に基づいて決定された第2差分値である第2決定モジュールと、を含み、
前記第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは符号化済み画像ブロックであり、あるいは、前記第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは復号済み画像ブロックである、フレーム間予測装置を提供する。
【0008】
第3態様において、プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリに前記プロセッサにおいて実行可能なプログラムもしくはコマンドが記憶されており、前記プログラムもしくはコマンドが前記プロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法のステップが実現される、端末を提供する。
【0009】
第4態様において、プロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法のステップが実現されるプログラムもしくはコマンドが記憶されている、可読記憶媒体を提供する。
【0010】
第5態様において、プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースと前記プロセッサが結合され、前記プロセッサが、プログラムもしくはコマンドを実行して、第1態様に記載の方法を実現するために用いられる、チップを提供する。
【0011】
第6態様において、記憶媒体に記憶されており、第1態様に記載の方法のステップを実現するように少なくとも1つのプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム/プログラム製品を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本出願の実施例では、第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得し、第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定し、そして目標情報に基づいて、第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する。本出願の実施例では、第1予測値及び第2予測値を決定し、上記第1予測値が、第1画像ブロックの第1動き情報に基づいて決定され、上記第2予測値が、第2画像ブロックの第2動き情報に基づいて決定され、さらに目標情報に基づいて境界画素点の目標予測値を決定する。ここで、目標情報は第1差分値及び第2差分値を含み、上記の第1差分値と第2差分値との間の大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を示すことができる。これにより、境界画素点予測値の修正中に第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来のフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その1)である。
【
図2】従来のフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その2)である。
【
図3】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法のフローチャートである。
【
図4】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その1)である。
【
図5】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その2)である。
【
図6】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その3)である。
【
図7】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その4)である。
【
図8】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その5)である。
【
図9】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法の応用シナリオの模式図(その6)である。
【
図10】本出願の実施例で提供されるフレーム間予測装置の構造図である。
【
図11】本出願の実施例で提供される通信機器の構造図である。
【
図12】本出願の実施例で提供される端末のハードウェア構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術的解決手段を明確に説明する。当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。当業者が本出願における実施例に基づいて得た全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0015】
本出願の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」等は、特定の順序又は前後順を説明するためのものではなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用される用語は、本出願の実施例が本明細書に図示又は説明されたもの以外の順序で実施できるように、適当な場合において互いに置き換えてもよい。且つ、「第1」、「第2」で区別する対象は通常、1つのカテゴリーに属し、対象の数は限定されない。例えば、第1対象は1つであってもよいし、複数であってもよいことを理解すべきである。また、明細書及び特許請求の範囲において「及び/又は」は、接続している対象のうちの少なくとも1つを表し、符号の「/」は、一般に前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0016】
本出願の実施例におけるフレーム間予測方法に対応する属性復号装置は、いずれも端末であってもよい。該端末は、端末機器又はユーザ端末(User Equipment,UE)と呼ばれてもよく、端末は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ノートパソコンとも呼ばれるラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant,PDA)、携帯情報端末、ネットブック、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer,UMPC)、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device,MID)、拡張現実(augmented reality,AR)/仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、ロボット、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)又は車載機器(Vehicle User Equipment,VUE)、歩行者端末(Pedestrian User Equipment,PUE)、スマートホーム(無線通信機能を有するホーム機器、例えば、冷蔵庫、テレビ、洗濯機又は家具等)、ゲーム機、パーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、現金自動預払機又はキオスク等の端末側機器であってもよく、ウェアラブルデバイスは、スマートウォッチ、スマートリストバンド、スマートイヤフォン、スマートグラス、スマートジュエリー(スマートバングル、スマートブレスレット、スマートリング、スマートネックレス、スマートアンクレットバングル、スマートアンクレット等)、スマートリストストラップ、スマートウェア等を含む。説明すべきことは、本出願の実施例では端末の具体的なタイプが限定されない点である。
【0017】
容易に理解するために、本出願の実施例に係る内容の一部を以下に説明する。
【0018】
画像ブロックの境界と現在の画像ブロックの輪郭がマッチしていない場合に、現在の画像ブロックの境界の画素点の動き方は、現在の画像ブロックと一致している可能性があり、隣接する画像ブロックと一致している可能性もある。現在の画像ブロックの動き情報に基づいて決定された境界画素点の予測値は、真の予測値と大きく異なり、さらにビデオ符号化・復号効率を低下させる。ここで、上記の現在の画像ブロックは符号化すべきブロックであるとともに、隣接する画像ブロックは符号化済みブロックであってもよく、あるいは、現在の画像ブロックは復号すべきブロックであるとともに、隣接する画像ブロックは復号済みブロックであってもよい。
【0019】
現在、OBMC技術を用いて現在の画像ブロックの境界画素点の予測値を修正して、上記の技術的課題を解決することができる。ここで、OBMC技術は、フレーム間予測方法である。OBMC技術を次のように具体的に説明する。
【0020】
第1の場合は、現在のブロックにおける各画素点のフレーム間予測モードが同じである。
【0021】
この場合、隣接する画像ブロックがイントラブロックコピーモードではなくフレーム間予測モードであり、且つ隣接する画像ブロックの動きモードと現在の画像ブロックの動きモードとが一致していない場合に、隣接する画像ブロックの動き情報を取得する。ここで、
図1を参照し、隣接する画像ブロックは、現在の画像ブロックの上側に隣接する画像ブロックであってもよいし、現在の画像ブロックの左側に隣接する画像ブロックであってもよい。
【0022】
ここで、次の1、2、3のうちのいずれか1つの条件が満たされれば、隣接する画像ブロックの動きモードと現在の画像ブロックの動きモードとが一致しないと決定することができる。
【0023】
1、隣接する画像ブロックは、予測方向が現在の画像ブロックと異なる。
【0024】
2、隣接する画像ブロックは、予測方向が現在の画像ブロックと同じであるが、予測方向の指し示す参照フレームが異なる。
【0025】
3、隣接する画像ブロックは、予測方向が現在の画像ブロックと同じであり、予測方向の指し示す参照フレームが同じであるが、隣接する画像ブロックの動きベクトルが現在の画像ブロックと異なる。
【0026】
隣接する画像ブロックの動き情報を取得した後、現在の画像ブロックの動き情報に基づいて第1予測値を取得し、そして、隣接する画像ブロックの動き情報に基づいて第2予測値を取得する。上記の第1予測値及び第2予測値を用いて、現在の画像ブロックの境界画素点の予測値を修正する。
【0027】
具体的には、現在の画像ブロックが輝度サブブロックである場合、下記式によって第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、境界画素点の修正後の予測値を得ることができる。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0028】
式中、iは、境界画素点の現在の画像ブロックでの列座標を表し、jは、境界画素点の現在の画像ブロックでの行座標を表し、Pixel1は、境界画素点の第1予測値を表し、Pixel2は、境界画素点の第2予測値を表し、NewPixelは、境界画素点の修正後の予測値を表す。
【0029】
現在の画像ブロックが色度サブブロックである場合、下記式によって第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、境界画素点の修正後の予測値を得ることができる。
【数5】
【0030】
式中、NewPixelは、境界画素点の修正後の予測値を表す。
【0031】
上記式に対応する応用シナリオは、境界画素点の画素領域が4行又は4列であるシナリオであり、他の応用シナリオでは、境界画素点の画素領域は具体的に限定されないことを理解すべきである。
【0032】
第2の場合は、現在の画像ブロックが符号化ブロックであり、且つフレーム間予測モードがアフィンモードであるか、又は、現在の画像ブロックが復号ブロックであり、且つフレーム間予測モードが動きベクトル修正モードである。
【0033】
この場合、現在の画像ブロックに隣接する上側、下側、左側及び右側の4つの隣接する画像ブロックの動き情報を取得する。ここで、上記の場合の、隣接する画像ブロックと現在の画像ブロックとの間の位置関係を示す
図2を参照されたい。
【0034】
現在の画像ブロックの動き情報に基づいて、第1予測値を取得し、そして、現在の画像ブロックと隣接する画像ブロックとが、次の1、2、3のうちのいずれか1つの条件を満たす場合に、隣接する画像ブロックの動き情報に基づいて第2予測値を得る。
【0035】
1、隣接する画像ブロックは、予測方向が現在の画像ブロックと異なる。
【0036】
2、隣接する画像ブロックは、予測方向が現在の画像ブロックと同じであるが、予測方向の指し示す参照フレームが異なる。
【0037】
3、隣接する画像ブロックは、予測方向が現在の画像ブロックと同じであり、予測方向の指し示す参照フレームが同じであるが、隣接する画像ブロックの動きベクトルと現在の画像ブロックの動きベクトルとの間の差分値の絶対値は、予め設定された閾値よりも大きい。
【0038】
上記の第1予測値及び第2予測値を用いて現在の画像ブロックの境界画素点の予測値を修正する。具体的には、下記式によって第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、境界画素点の修正後の予測値を得ることができる。
【数6】
【数7】
【0039】
式中、iは、境界画素点の現在の画像ブロックでの列座標を表し、jは、境界画素点の現在の画像ブロックでの行座標を表し、subNewPixelは、境界画素点の修正後の予測値を表し、subPixel2L、subPixel2R、subPixel2T及びsubPixel2Bは、隣接する画像ブロックの動き情報に基づいて決定された第2予測値を表し、widthは、隣接する画像ブロックの列数を表し、heightは、隣接する画像ブロックの行数を表し、wは、予め設定された重み組合せを表す。ここで、現在の画像ブロックが輝度ブロックであるときに対応する重み組合せは、現在の画像ブロックが色差ブロックであるときに対応する重み組合せとは異なる。
【0040】
上記式に対応する応用シナリオは、境界画素点の画素領域が4行又は4列であるシナリオであり、他の応用シナリオでは、境界画素点の画素領域は具体的に限定されないことを理解すべきである。
【0041】
OBMC技術を用いて境界画素点予測値を修正する上記過程において、現在の画像ブロックの動きモードと隣接する画像ブロックの動きモードとの間の差異を考量に入れず、修正後の境界画素点予測値が不正確になり、さらにビデオ符号化・復号の効率が低下してしまう。
【0042】
上記の事情により、どのように修正後の境界画素点予測値の正確性を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高めるかは、解決しなければならない技術的課題である。
【0043】
生じ得る上記技術的課題を解決するために、本出願の実施例は、フレーム間予測方法を提供する。以下において、図面を参照しながら、いくつかの実施例及びその応用シナリオにより本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法を詳細に説明する。
【0044】
本出願で提供されるフレーム間予測方法のフローチャートである
図3を参照されたい。本実施例で提供されるフレーム間予測符号化方法は、次のステップS101、S102、S103を含む。
【0045】
S101では、第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得する。
【0046】
上記第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、上記第2画像ブロックは第1画像ブロックに隣接する符号化済み画像ブロックであり、あるいは、第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、上記第2画像ブロックは第1画像ブロックに隣接する復号済み画像ブロックである。上記第1画像ブロックは、フレーム間予測モードであり、且つ第1画像ブロックと第2画像ブロックとは、次の1、2、3のうちのいずれか1つの条件を満たす。
【0047】
1、第1画像ブロックは、予測方向が第2画像ブロックと異なる。
【0048】
2、第1画像ブロックは、予測方向が第2画像ブロックと同じであるが、予測方向の指し示す参照フレームが異なる。
【0049】
3、第1画像ブロックは、予測方向が第2画像ブロックと同じであり、予測方向の指し示す参照フレームが同じであるが、第1画像ブロックの動きベクトルが第2画像ブロックと異なる。
【0050】
このステップでは、第1画像ブロック及び第2画像ブロックが上記条件を満たす場合に、第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得する。
【0051】
S102では、前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定する。
【0052】
上記第1画素領域は、第1画像ブロックに隣接し、上記第1画素領域は、第2画像ブロックにおける一部の画素領域であってもよい。例えば、第2画像ブロックが第1画像ブロックに隣接する上側の画像ブロックであり、第1画素領域が第1画像ブロックの上側の画素領域である場合、第1画素領域は、第2画像ブロックにおける一部の画素領域である。第1画素領域は、第2画像ブロックにおける一部の画素領域でなくてもよい。
【0053】
動き情報は、予測方向、参照フレーム情報、及び動きベクトルを含むことを理解すべきである。このステップでは、第1動き情報に基づいて第1参照画素点を決定し、該第1参照画素点は、第1参照フレーム内で第1画素領域と同じ位置にある再構成画素点に位置し、さらに第1参照画素点に基づいて第1動きベクトルが指し示す第1参照フレームにおける画素点の再構成値を第1予測値として決定することができる。第2動き情報に基づいて第2参照画素点を決定し、該第2参照画素点は、第2参照フレーム内で第1画素領域と同じ位置にある再構成画素点に位置し、さらに第2参照画素点に基づいて第2動きベクトルが指し示す第2参照フレームにおける画素点の再構成値を第2予測値として決定する。
【0054】
S103では、目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する。
【0055】
上記目標情報は第1差分値及び第2差分値を含み、第1差分値は、第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第1予測値に基づいて決定された差分値であり、第2差分値は、第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第2予測値に基づいて決定された第2差分値である。選択的に、上記第1差分値は、各画素点の第1予測値と再構成値との間の差分値の絶対値の和であってもよく、上記第2差分値は、各画素点の第2予測値と再構成値との間の差分値の絶対値の和であってもよい。ここで、上記第1差分値は、第1画像ブロックの動きモードを示すためのものであり、第2差分値は、第2画像ブロックの動きモードを示すためのものである。
【0056】
上記第2画素領域は、第1画像ブロックにおける一部の画素領域であり、上記第2画素領域内の各画素点は、境界画素点とも呼ばれる。理解を容易にするために、第1画素領域が第1画像ブロックの上側にある場合の、第2画素領域の位置を示す
図4、及び第1画素領域が第1画像ブロックの左側にある場合の、第2画素領域の位置を示す
図5を参照されたい。つまり、一選択可能な実施形態として、第2画像ブロックにおける第1画素領域は、第1画像ブロックにおける第2画素領域に隣接している。
【0057】
このステップでは、第1画素領域に対応する第1差分値及び第2差分値を用いて、各境界画素点の目標予測値を決定することができ、具体的な技術的解決手段は、後述の実施例を参照されたい。上記目標予測値は、境界画素点の修正後の予測値であることを理解すべきである。
【0058】
他の実施例において、本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法は、符号化ブロック又は復号ブロックの内部における各サブブロックの境界画素点予測値の生成にも用いられ得る。このような実施形態では、第1画素領域がサブブロックの位置する列に対応する符号化ブロックの上側に隣接する再構成画素である
図6、又は、第1画素領域がサブブロックの位置する行に対応する符号化ブロックの左側に隣接する再構成画素である
図7を参照されたい。
【0059】
本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法によるビデオ符号化の性能は、従来のフレーム間予測方法によるビデオ符号化の性能よりも高い。本出願がもたらす技術的効果を容易に理解するために、表1を参照されたい。
【0060】
【0061】
表1のテストシーケンスは、本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法を用いて符号化する場合と、従来のフレーム間予測方法を用いて符号化する場合とを比較して得られたテストシーケンスである。上記YチャネルBD-Rate、UチャネルBD-Rate、及びVチャネルBD-Rateは、符号化性能を評価するためのパラメータであり、BD-Rateが負の場合は、符号化性能が高いことを示し、且つBD-Rateに対応する数値の絶対値が高いほど、符号化性能による利得が大きい。表1から、本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法によるビデオ符号化の性能は、従来のフレーム間予測方法によるビデオ符号化の性能よりも高いことが分かる。
【0062】
本出願の実施例では、第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得し、第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定し、そして目標情報に基づいて、第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する。本出願の実施例では、第1予測値及び第2予測値を決定し、上記第1予測値が、第1画像ブロックの第1動き情報に基づいて決定され、上記第2予測値が、第2画像ブロックの第2動き情報に基づいて決定され、さらに目標情報に基づいて境界画素点の目標予測値を決定する。ここで、目標情報は第1差分値及び第2差分値を含み、上記の第1差分値と第2差分値との間の大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を示すことができる。これにより、境界画素点予測値の修正中に第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0063】
選択的に、前記目標情報は、第3差分値をさらに含み、前記第3差分値は、前記第1予測値及び前記第2予測値に基づいて決定された、前記第1画素領域に対応する差分値である。第3差分値を決定する具体的な技術的解決手段については、後述の実施例を参照されたい。
【0064】
選択的に、前記第1画素領域は、
第1画像ブロックの上側に隣接するM1行N1列からなる符号化済み又は復号済み画素領域であることと、
第1画像ブロックの左側に隣接するM2行N2列からなる符号化済み又は復号済み画素領域であることと、のうちの少なくとも1つを満たし、
ここで、M1、M2、N1及びN2は、いずれも正の整数である。
【0065】
一選択可能な実施形態として、第1画素領域は、第1画像ブロックの上側に隣接するM1行N1列からなる符号化済み又は復号済み画素領域である。理解を容易にするために、
図8を参照し、
図8に示すシナリオにおいて、第1画素領域は、第1画像ブロックの上側に隣接する1行8列からなる符号化済み又は復号済み画素領域である。
【0066】
別の選択可能な実施形態として、第1画素領域は、第1画像ブロックの左側に隣接するM2行N2列からなる符号化済み又は復号済み画素領域である。理解を容易にするために、
図9を参照し、
図9に示すシナリオにおいて、第1画素領域は、第1画像ブロックの左側に隣接する8行1列からなる符号化済み又は復号済み画素領域である。
【0067】
別の選択可能な実施形態として、第1画素領域は、第1画像ブロックの上側に隣接する一部の画素点からなる符号化済み又は復号済み画素領域、及び第1画像ブロックの左側に隣接する一部の画素点からなる符号化済み又は復号済み画素領域であってもよく、この場合、第1画素領域は、「L」字状となる。
【0068】
本実施例において、上記第1画素領域は、第1画像ブロックの上側に隣接する一部の画素領域であってもよく、第1画像ブロックの左側に隣接する一部の画素領域であってもよく、第1画像ブロックの上側に隣接する一部の画素領域及び左側に隣接する一部の画素領域であってもよい。これにより、第1画像ブロックと第1画像ブロックに隣接する各画像ブロックとの動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させる。
【0069】
選択的に、目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する前記ステップは、
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定するステップと、
前記目標重み値組合せに基づいて前記第2画素領域内の各画素点に対応する第3予測値及び第4予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を得るステップと、を含む。
【0070】
上記目標重み値組合せは、少なくとも1つの重みセットを含み、該重みセットは、第1重み値及び第2重み値を含む。ここで、第1重み値は、第2画素領域内の各画素点の第3予測値に対応し、第2重み値は、第2画素領域内の各画素点の第4予測値に対応し、第3予測値は、第1動き情報に基づいて決定され、第4予測値は、第2動き情報に基づいて決定される。
【0071】
具体的には、動き情報は、予測方向、参照フレーム情報、及び動きベクトルを含む。第1動き情報における第1予測方向及び第1参照フレーム情報に基づいて第1参照フレームを決定し、該第1参照フレームは、符号化済みフレーム又は復号済みフレームであり、そして第1参照フレームにおける第1動きベクトルが指し示す位置を決定し、該位置に対応する画素点の再構成値を第3予測値として決定することができる。第2動き情報における第2予測方向及び第2参照フレーム情報に基づいて第2参照フレームを決定し、該第2参照フレームは、符号化済みフレーム又は復号済みフレームであり、そして第2参照フレームにおける第2動きベクトルが指し示す位置を決定し、該位置に対応する画素点の再構成値を第4予測値として決定することができる。
【0072】
本実施例において、目標重み値組合せを決定した後、下記式によって第2画素領域内の各画素点に対応する第3予測値及び第4予測値に対して重み付け加算処理を行い、第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を得ることができる。
【数8】
【数9】
【数10】
【0073】
式中、Pixelは、目標予測値を表し、w11は、第1重み値を表し、w12は、第2重み値を表し、Pixel3は、第3予測値を表し、Pixel4は、第4予測値を表す。
【0074】
以下において、どのように目標重み値組合せを決定するかについて具体的に説明する。
【0075】
選択的に、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第1重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第2重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するか、又は、前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値及び前記第3差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第2差分値が前記第3差分値及び前記第1差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値を目標予測値として決定するステップと、を含む。
【0076】
目標重み値組合せは、第1差分値と、第2差分値と、第3差分値との間の大小関係に関連していることを理解すべきである。
【0077】
一選択的な実施例において、第1差分値が前記第2差分値及び/又は前記第3差分値よりも大きい、即ち第1差分値が最小値ではない場合に、予め設定された第1重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0078】
一選択的な実施例において、第3差分値が第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい、即ち第3差分値が最小値である場合に、予め設定された第2重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0079】
本実施例では、第1重み値組合せに含まれる重み値と第2重み値組合せに含まれる重み値との間の大小関係を限定しないことを理解すべきである。
【0080】
第1画像ブロックが輝度ブロックであり、第2画素領域が4行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、第1重み値組合せは、下記の第5重み値組合せと同じであってもよい。第1画像ブロックが色差ブロックであり、第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、第1重み値組合せは、下記の第6重み値組合せと同じであってもよい。
【0081】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第1重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第1重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0082】
第1画像ブロックが輝度ブロックであり、第2画素領域が2行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、第2重み値組合せは、下記の第7重み値組合せと同じであってもよい。第1画像ブロックが色差ブロックであり、第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、第2重み値組合せ、下記の第8重み値組合せと同じであってもよい。
【0083】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第2重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第2重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0084】
一選択的な実施例において、第1差分値が第2差分値及び前記第3差分値よりも小さい、即ち第1差分値が最小値であるならば、境界画素点の動きモードが第1画像ブロックの方に近いことが分かり、この場合、境界画素点の第3予測値を目標予測値として決定する。
【0085】
一選択的な実施例において、第2差分値が第1差分値及び前記第3差分値よりも小さい、即ち第2差分値が最小値であるならば、境界画素点の動きモードが第2画像ブロックの方に近いことが分かり、この場合、境界画素点の第4予測値を目標予測値として決定する。
【0086】
本実施例において、第1差分値と、第2差分値と、第3差分値との間の大小関係に基づいて、異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0087】
選択的に、前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、第3重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第4重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む。
【0088】
本実施例において、第3差分値が最小値である場合に、さらに第1差分値と第2差分値との間の大小関係に基づいて、目標重み値組合せを決定することもできる。
【0089】
一選択可能な実施形態として、第3差分値が第1差分値及び第2差分値よりも小さく、且つ第1差分値が第2差分値よりも小さい、即ち第3差分値が最小であり、第2差分値が最大である場合に、予め設定された第3重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0090】
別の選択可能な実施形態として、第3差分値が第1差分値及び第2差分値よりも小さく、且つ第1差分値が第2差分値以上である場合に、予め設定された第4重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0091】
第1画像ブロックが輝度ブロックであり、第2画素領域が2行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、第3重み値組合せは、下記の第12重み値組合せと同じであってもよい。第1画像ブロックが色差ブロックであり、第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、第3重み値組合せは、下記の第13重み値組合せと同じであってもよい。
【0092】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第3重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第3重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0093】
第1画像ブロックが輝度ブロックであり、第2画素領域が2行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、第4重み値組合せは、下記の第14重み値組合せと同じであってもよい。第1画像ブロックが色差ブロックであり、第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、第4重み値組合せは、下記の第15重み値組合せと同じであってもよい。
【0094】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第4重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第4重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0095】
本実施例では、第3重み値組合せに含まれる重み値と第4重み値組合せに含まれる重み値との間の大小関係を限定しないことを理解すべきである。
【0096】
本実施例において、第1差分値と、第2差分値と、第3差分値との間の大小関係に基づいて、異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0097】
選択的に、前記目標情報は前記第1画像ブロックのタイプをさらに含み、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第5重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第6重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第7重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第8重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む。
【0098】
本実施例において、第1画像ブロックに対応するタイプに基づいて、異なる目標重み値組合せを設定することもできる。
【0099】
一選択可能な実施形態として、第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ第1差分値が最小値ではない場合に、予め設定された第5重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。ここで、ビデオシーケンス画像フォーマットが4:2:0であることを例にすれば、色差ブロックの面積は輝度ブロックの面積の4分の1であり、第1画像の輝度ブロックのサイズが8×8であることを例にすれば、第1画像の色差ブロックのサイズは4×4である。
【0100】
第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあることを例にし、第1画像の輝度ブロックの第2画素領域が4行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第5重み値組合せは、下記であってもよい。
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【0101】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第5重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第5重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0102】
第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ第1差分値が最小値ではない場合に、予め設定された第6重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。
【0103】
例えば、第1画像の色差ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第6重み値組合せは、下記であってもよい。
【数15】
【0104】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第6重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第6重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0105】
色差ブロックに対応する重み値組合せのうちの重み値の数量は、輝度ブロックに対応する重み値組合せのうちの重み値の数量より小さくてもよいし、輝度ブロックに対応する重み値組合せのうちの重み値の数量以上であってもよく、本明細書では具体的に限定しないことを理解すべきである。色差ブロックに対応する重み値組合せのうちの重み値は、輝度ブロックに対応する重み値組合せのうちの重み値の一部であってもよいし、他の数値であってもよく、本明細書では具体的に限定しない。
【0106】
別の選択可能な実施形態として、第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ第3差分値が最小値である場合に、予め設定された第7重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。
【0107】
例えば、第1画像の輝度ブロックの第2画素領域が2行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第7重み値組合せは、下記であってもよい。
【数16】
【数17】
【0108】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第7重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第7重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0109】
第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ第3差分値が最小値である場合に、予め設定された第8重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。
【0110】
例えば、第1画像の色差ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第8重み値組合せは、下記であってもよい。
【数18】
【0111】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第8重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第8重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0112】
他の実施例において、第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、第3差分値が最小値であり、且つ第1差分値が第2差分値よりも小さい場合に、予め設定された第12重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0113】
例えば、第1画像の輝度ブロックの第2画素領域が2行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第12重み値組合せは、下記であってもよい。
【数19】
【数20】
【0114】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第12重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第12重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0115】
第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、第3差分値が最小値であり、且つ第1差分値が第2差分値よりも小さい場合に、予め設定された第13重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0116】
例えば、第1画像の色差ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第13重み値組合せは、下記であってもよい。
【数21】
【0117】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第13重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第13重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0118】
他の実施例において、第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、第3差分値が最小値であり、且つ第1差分値が第2差分値以上である場合に、予め設定された第14重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0119】
例えば、第1画像の輝度ブロックの第2画素領域が2行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第14重み値組合せは、下記であってもよい。
【数22】
【数23】
【数24】
【0120】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第14重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第14重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0121】
第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、第3差分値が最小値であり、且つ第1差分値が第2差分値以上である場合に、予め設定された第15重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0122】
例えば、第1画像の色差ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第15重み値組合せは、下記であってもよい。
【数25】
【0123】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第15重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第15重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0124】
他の実施例において、異なるタイプの第1画像ブロックに対応する目標重み値組合せは同じであってもよい。つまり、上記第5重み値組合せは、第6重み値組合せと同じであり、上記第7重み値組合せは、第8重み値組合せと同じであってもよい。
【0125】
本実施例において、第1差分値と、第2差分値と、第3差分値との間の大小関係に基づいて、異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0126】
以下において、第1画素領域内の各画素点に対応する第3差分値を決定する技術的解決手段について具体的に説明する。
【0127】
選択的に、前記方法はさらに、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記各画素点の第5予測値を得るステップと、
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定するステップと、を含む。
【0128】
本実施例において、第1画素領域内の1つの画素点について、下記式によって該画素点の第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、該画素点の第5予測値を得ることができる。
【数26】
【数27】
【数28】
【0129】
式中、Pixel5は、第5予測値を表し、w11及びw12は、重み組合せを表し、選択的に、上記w11は、26であり、上記w12は、6であり、Pixel1は、第1予測値を表し、Pixel2は、第2予測値を表す。
【0130】
第5予測値を算出した後、各画素点に対応する第5予測値及び再構成値に基づいて、第1画素領域に対応する第3差分値を決定する。具体的な技術的解決手段については、後述の実施例を参照されたい。
【0131】
選択的に、前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定する前記ステップは、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の和を前記第3差分値として決定するステップ、又は
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の平均値を前記第3差分値として決定するステップ、を含む。
【0132】
本実施例において、一選択可能な実施形態として、第1画素領域内の任意の1つの画素点に対して、該画素点の第5予測値と再構成値との間の差分値の絶対値を計算し、上記絶対値を該画素点に対応する目標絶対値として決定し、さらに、各画素点に対応する目標絶対値の和を第1画素領域に対応する第3差分値として決定する。
【0133】
別の選択可能な実施形態として、各画素点に対応する目標絶対値の平均値を第1画素領域に対応する第3差分値として決定する。
【0134】
本出願の実施例において、第1差分値及び第2差分値のみに基づいて目標重み値組合せを決定することもできる。
【0135】
選択的に、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む。
【0136】
本実施例において、第1差分値が第2差分値よりも小さいならば、境界画素点の動きモードが第1画像ブロックの方に近いことが分かり、この場合、境界画素点の第3予測値を目標予測値として決定する。
【0137】
第1差分値が第2差分値以上であるならば、予め設定された第9重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0138】
選択的に、第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあり、且つ第1画像ブロックが輝度ブロックであることを例にし、第1画像ブロックの第2画素領域が4行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第9重み値組合せは、上記第5重み値組合せと同じであってもよい。
【0139】
選択的に、第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあり、且つ第1画像ブロックが色差ブロックであることを例にし、第1画像ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第9重み値組合せは、上記第6重み値組合せと同じであってもよい。
【0140】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第9重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第9重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0141】
本実施例において、第1差分値と第2差分値との間の大小関係に基づいて異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0142】
選択的に、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、を含む。
【0143】
本実施例において、第1差分値が第2差分値よりも小さいならば、境界画素点の動きモードが第1画像ブロックの方に近いことが分かり、この場合、境界画素点の第3予測値を目標予測値として決定する。
【0144】
第1差分値が第2差分値以上であるならば、該第1差分値及び第2差分値に基づいて目標重み値組合せを決定することができる。該第1差分値及び第2差分値に基づいて目標重み値組合せを決定する具体的な技術的解決手段については、後述の実施例を参照されたい。
【0145】
本実施例において、第1差分値と第2差分値との間の大小関係に基づいて異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0146】
選択的に、前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップであって、前記第1閾値が非負数であるステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値よりも大きい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む。
【0147】
本実施例において、予め設定された計算式に従って第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得ることができ、上記計算結果は、関係パラメータとも呼ばれ、且つ上記計算結果は、第1差分値と第2差分値との間の差を示すためのものである。本実施例において、さらに予め第1閾値が設定されており、上記第1閾値は非負数であり、選択的に、上記第1閾値は0である。計算結果が第1閾値以下である場合に、予め設定された第10重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0148】
選択的に、第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあり、且つ第1画像ブロックが輝度ブロックであることを例にし、第1画像ブロックの第2画素領域が4行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第10重み値組合せは、上記第5重み値組合せと同じであってもよい。
【0149】
選択的に、第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあり、且つ第1画像ブロックが色差ブロックであることを例にし、第1画像ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第10重み値組合せは、下記であってもよい。
【数29】
【0150】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第10重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第10重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0151】
計算結果が第1閾値よりも大きい場合に、予め設定された第11重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。
【0152】
選択的に、第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあり、且つ第1画像ブロックが輝度ブロックであることを例にし、第1画像ブロックの第2画素領域が4行を含み、且つ各行に8つの画素点がある場合に、上記第11重み値組合せは、上記第7重み値組合せと同じであってもよい。
【0153】
選択的に、第2画素領域が第1画像ブロックの上側境界にあり、且つ第1画像ブロックが色差ブロックであることを例にし、第1画像ブロックの第2画素領域が1行を含み、且つ該行に4つの画素点がある場合に、上記第11重み値組合せは、上記第8重み値組合せと同じであってもよい。
【0154】
以上は技術的解決手段を詳細に説明する必要性から、第11重み値組合せを例に挙げただけであり、本明細書では、第11重み値組合せに含まれる数値を限定しないことを理解すべきである。
【0155】
選択的に、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値に等しい場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも大きい場合に、前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、を含む。
【0156】
本実施例において、第1差分値が第2差分値よりも小さいならば、境界画素点の動きモードが第1画像ブロックの方に近いことが分かり、この場合、境界画素点の第3予測値を目標予測値として決定する。
【0157】
第1差分値が第2差分値に等しいならば、予め設定された第9重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。第1差分値が第2差分値よりも大きいならば、第1差分値及び第2差分値に基づいて目標重み値組合せを決定することができる。
【0158】
本実施例において、第1差分値と第2差分値との間の大小関係に基づいて異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0159】
選択的に、前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値よりも小さい場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値以上である場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む。
【0160】
本実施例において、予め設定された計算式に従って第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得ることができ、上記計算結果は、関係パラメータとも呼ばれる。本実施例において、さらに予め第2閾値が設定されており、上記第2閾値は、第1閾値と同じであってもよい。計算結果が第2閾値よりも小さい場合に、予め設定された第10重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。上述のように、第1画像ブロックが輝度ブロックである場合に、上記第10重み値組合せは、第5重み値組合せと同じであってもよい。
【0161】
計算結果が第2閾値以上である場合に、予め設定された第11重み値組合せを目標重み値組合せとして決定することができる。上述のように、第1画像ブロックが輝度ブロックである場合に、上記第11重み値組合せは、第7重み値組合せと同じであってもよく、第1画像ブロックが色差ブロックである場合に、上記第11重み値組合せは、第8重み値組合せと同じであってもよい。
【0162】
選択的に、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
予め設定された計算式に従って前記第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得るステップと、
前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、を含む。
【0163】
本実施例において、直接予め設定された計算式に従って第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得ることができる。ここで、上記計算式は、減算又は除算であってもよい。つまり、上記計算結果は、第1差分値と第2差分値との間の減算の結果であってもよいし、第1差分値と第2差分値との間の除算の結果であってもよいし、他のタイプの計算方式であってもよく、本実施例では具体的に限定しない。
【0164】
計算結果を得た後、該計算結果に基づいて目標重み値組合せを決定する。
【0165】
本実施例において、第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて、異なる重み値組合せを決定し、上記大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を反映することができる。これにより、重み値組合せを用いて境界画素点予測値を修正する過程において、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0166】
選択的に、前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記計算結果が第3閾値以下である場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記計算結果が第4閾値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第3閾値よりも大きく、且つ第5閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第5閾値よりも大きく、且つ第4閾値よりも小さい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む。
【0167】
本実施例において、予め第3閾値、第4閾値及び第5閾値が設定されており、上記第3閾値、第4閾値及び第5閾値はいずれも非負数であり、且つ第3閾値が第5閾値よりも小さく、第5閾値が第4閾値よりも小さい。
【0168】
計算結果が第3閾値以下である場合に、境界画素点の第3予測値を目標予測値として決定する。
【0169】
計算結果が第4閾値以上である場合に、予め設定された第9重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。上述のように、第1画像ブロックが輝度ブロックである場合に、上記第9重み値組合せは、上記第5重み値組合せと同じであってもよく、第1画像ブロックが色差ブロックである場合に、上記第9重み値組合せは、上記第6重み値組合せと同じであってもよい。
【0170】
計算結果が第3閾値よりも大きく、且つ第5閾値以下である場合に、予め設定された第10重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。上述のように、第1画像ブロックが輝度ブロックである場合に、上記第10重み値組合せは、上記第5重み値組合せと同じであってもよい。
【0171】
計算結果が第5閾値よりも大きく、且つ第4閾値以下である場合に、予め設定された第11重み値組合せを目標重み値組合せとして決定する。上述のように、第1画像ブロックが輝度ブロックである場合に、上記第11重み値組合せは、第7重み値組合せと同じであってもよく、第1画像ブロックが色差ブロックである場合に、上記第11重み値組合せは、第8重み値組合せと同じであってもよい。
【0172】
本出願の実施例で提供されるフレーム間予測方法は、実行主体がフレーム間予測装置であってもよい。本出願の実施例ではフレーム間予測装置がフレーム間予測方法を実行することを例として、本出願の実施例で提供されるフレーム間予測装置を説明する。
【0173】
図10に示すように、フレーム間予測装置1000は、
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するための取得モジュール1001と、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するための第1決定モジュール1002と、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するための第2決定モジュール1004と、を含む。
【0174】
選択的に、前記第3決定モジュール1004は、
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定するための決定ユニットと、
前記目標重み値組合せに基づいて前記第2画素領域内の各画素点に対応する第3予測値及び第4予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を得るための処理ユニットと、を含む。
【0175】
選択的に、前記決定ユニットは、具体的に、
前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第1重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第2重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するか、又は、前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値及び前記第3差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第2差分値が前記第3差分値及び前記第1差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値を目標予測値として決定するステップと、に用いられる。
【0176】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、第3重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さく、且つ前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第4重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる。
【0177】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第5重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第6重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第7重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第8重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる。
【0178】
選択的に、前記フレーム間予測装置1000は、第3決定モジュールをさらに含み、前記第3決定モジュールは、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記各画素点の第5予測値を得るステップと、
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定するステップと、に用いられる。
【0179】
選択的に、前記第3決定モジュールはさらに、具体的に、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の和を前記第3差分値として決定するステップ、又は
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の平均値を前記第3差分値として決定するステップ、に用いられる。
【0180】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる。
【0181】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、に用いられる。
【0182】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値よりも大きい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる。
【0183】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値に等しい場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも大きい場合に、前記第1差分値及び第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、に用いられる。
【0184】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値よりも小さい場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第2閾値以上である場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる。
【0185】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
予め設定された計算式に従って前記第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得るステップと、
前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、に用いられる。
【0186】
選択的に、前記決定ユニットはさらに、具体的に、
前記計算結果が第3閾値以下である場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記計算結果が第4閾値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第3閾値よりも大きく、且つ第5閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記計算結果が第5閾値よりも大きく、且つ第4閾値よりも小さい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、に用いられる。
【0187】
本出願の実施例において、第1予測値及び第2予測値を決定し、上記第1予測値が、第1画像ブロックの第1動き情報に基づいて決定され、上記第2予測値が、第2画像ブロックの第2動き情報に基づいて決定され、さらに目標情報に基づいて境界画素点の目標予測値を決定する。ここで、目標情報は第1差分値及び第2差分値を含み、上記の第1差分値と第2差分値との間の大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を示すことができる。これにより、境界画素点予測値の修正中に第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0188】
本出願の実施例で提供されるフレーム間予測装置は、
図3の方法の実施例により実現された各プロセスを実現し、且つ同様な技術的効果を達成することができる。重複を避けるために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0189】
本出願の実施例におけるフレーム間予測装置は、電子機器、例えば、オペレーティングシステムを有する電子機器であってもよいし、電子機器における部材、例えば、集積回路又はチップであってもよい。該電子機器は、端末であってもよく、端末以外の他の機器であってもよい。例示的には、端末は、上記に挙げた端末のタイプを含んでもよいが、それらに限定されず、他の機器は、サーバ、ネットワーク接続ストレージ(Network Attached Storage,NAS)等であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0190】
選択的に、
図11に示すように、本出願の実施例は通信機器1100をさらに提供する。該通信機器1100は、プロセッサ1101及びメモリ1102を含み、メモリ1102には前記プロセッサ1101において実行可能なプログラムもしくはコマンドが記憶されている。例えば、該通信機器1100が端末である場合に、該プログラムもしくはコマンドがプロセッサ1101によって実行されると、上記フレーム間予測方法の実施例の各ステップが実現され、且つ同様な技術的効果を達成することができる。
【0191】
本出願の実施例は、端末をさらに提供する。該端末は、プロセッサ及び通信インタフェースを含み、プロセッサは、
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得する操作と、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定する操作と、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する操作と、を実行するために用いられる。
【0192】
該端末の実施例は、上記端末側の方法の実施例に対応し、上記方法の実施例の各実施プロセス及び実施形態は、いずれも該端末の実施例に適用することができ、且つ同様な技術的効果を達成することができる。具体的には、
図12は本出願の実施例を実現する端末のハードウェア構造模式図である。
【0193】
該端末1200は、高周波ユニット1201、ネットワークモジュール1202、オーディオ出力ユニット1203、入力ユニット1204、センサ1205、表示ユニット1206、ユーザ入力ユニット1207、インタフェースユニット1208、メモリ1209、及びプロセッサ1210等の部材を含むが、それらに限定されない。
【0194】
当業者であれば、端末1200は、各部材に給電する電源(例えば、電池)をさらに含んでもよく、電源は、電源管理システムによってプロセッサ1210に論理的に接続し、さらに電源管理システムによって充放電の管理、及び電力消費管理等の機能を実現することができることが理解可能である。
図12に示す端末の構造は端末を限定するものではなく、端末は図示より多く又はより少ない部材、又は一部の部材の組合せ、又は異なる部材配置を含んでもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0195】
本出願の実施例において、入力ユニット1204は、ビデオキャプチャモード又は画像キャプチャモードで画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)が取得したスチル画像又はビデオの画像データを処理するグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit,GPU)12041、及びマイクロホン12042を含んでもよいことを理解すべきである。表示ユニット1206は表示パネル12061を含んでもよく、表示パネル12061は液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード等の形態で配置してもよい。ユーザ入力ユニット1207は、タッチパネル12071及び他の入力機器12072のうちの少なくとも1つを含む。タッチパネル12071は、タッチスクリーンとも呼ばれる。タッチパネル12071は、タッチ検出装置とタッチコントローラとの2つの部分を含んでもよい。他の入力機器12072は、物理キーボード、機能ボタン(例えば、音量制御ボタン、スイッチボタン等)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限定されず、ここでは詳細な説明を省略する。
【0196】
本出願の実施例において、高周波ユニット1201は、ネットワーク側機器からのダウンリンクデータを受信した後、プロセッサ1210に伝送して処理させてもよく、高周波ユニット1201は、アップリンクのデータをネットワーク側機器に送信してもよい。通常、高周波ユニット1201は、アンテナ、増幅器、受送信機、カプラー、低騒音増幅器、デュプレクサ等を含むが、それらに限定されない。
【0197】
メモリ1209は、ソフトウェアプログラムもしくはコマンド及び様々なデータを記憶するために用いることができる。メモリ1209は、プログラムもしくはコマンドを記憶する第1記憶領域と、データを記憶する第2記憶領域と、を主に含んでもよく、そのうち、第1記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムもしくはコマンド(例えば、音声再生機能、画像再生機能等)等を記憶することができる。また、メモリ1209は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリを含んでもよく、あるいは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含んでもよい。そのうち、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable ROM,PROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable PROM,EPROM)、電気消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically EPROM,EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM,DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM,DDRSDRAM)、強化型同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(Synch link DRAM,SLDRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM,DRRAM)であってもよい。本出願の実施例におけるメモリ1209は、これらのメモリ及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むが、これらに限定されない。
【0198】
プロセッサ1210は、1つ又は複数の処理ユニットを含んでもよく、選択的に、プロセッサ1210には、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーションプログラム等に関する操作を主に処理するアプリケーションプロセッサと、ベースバンドプロセッサのような無線通信信号を主に処理するモデムプロセッサとが統合される。上記モデムプロセッサはプロセッサ1210に統合されなくてもよいことが理解可能である。
【0199】
ここで、プロセッサ1210は、
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得する操作と、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定する操作と、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する操作と、を実行するために用いられる。
【0200】
本出願の実施例において、第1予測値及び第2予測値を決定し、上記第1予測値が、第1画像ブロックの第1動き情報に基づいて決定され、上記第2予測値が、第2画像ブロックの第2動き情報に基づいて決定され、さらに目標情報に基づいて境界画素点の目標予測値を決定する。ここで、目標情報は第1差分値及び第2差分値を含み、上記の第1差分値と第2差分値との間の大小関係は、第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を示すことができる。これにより、境界画素点予測値の修正中に第1画像ブロックと第2画像ブロックとの間の動き差異を十分に考慮して、修正後の境界画素点予測値の精度を向上させ、さらにビデオ符号化・復号の効率を高める。
【0201】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供する。前記可読記憶媒体にはプログラムもしくはコマンドが記憶されており、該プログラムもしくはコマンドがプロセッサによって実行されると、上記フレーム間予測方法の実施例の各プロセスが実現され、且つ同様な技術的効果を達成することができる。重複を避けるために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0202】
ここで、前記プロセッサは、上記実施例に記載の端末におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、例えば、コンピュータ読み出し専用メモリROM、ランダムアクセスメモリRAM、磁気ディスク又は光ディスク等のコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0203】
本出願の実施例は、チップをさらに提供する。前記チップは、プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースと前記プロセッサが結合され、前記プロセッサが、プログラム又はコマンドを実行し、上記フレーム間予測方法の実施例の各プロセスを実現するために用いられ、且つ同様な技術的効果を達成することができる。重複を避けるために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0204】
本出願の実施例で言及したチップは、さらにシステムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップ等と呼ばれてもよいことを理解すべきである。
【0205】
本出願の実施例は、コンピュータプログラム/プログラム製品をさらに提供する。前記コンピュータプログラム/プログラム製品は、記憶媒体に記憶されており、上記フレーム間予測方法の実施例の各プロセスを実現するように少なくとも1つのプロセッサによって実行され、且つ同様な技術的効果を達成することができる。重複を避けるために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0206】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的な包含を含むように意図され、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの・・・を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。また、指摘すべきことは、本出願の実施形態における方法及び装置の範囲は、図示又は検討された順序で機能を実行することに限定されず、係る機能に応じて実質的に同時に又は逆の順序で機能を実行することを含み得る点である。例えば、説明されたものと異なる順番で、説明された方法を実行してもよく、さらに各種のステップを追加、省略、又は組み合わせてもよい。また、何らかの例を参照して説明した特徴は他の例において組み合わせられてもよい。
【0207】
以上の実施形態に対する説明によって、当業者であれば、上記実施例の方法がソフトウェアと必要な共通ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解可能である。当然ながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好ましい実施形態である。このような見解をもとに、本出願の技術的解決手段は本質的に又は従来技術に寄与する部分はコンピュータソフトウェア製品の形で実施することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク側機器等であってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させる複数のコマンドを含む。
【0208】
以上、図面を参照しながら本出願の実施例を説明したが、本出願は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本出願の示唆をもとに、当業者が本出願の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像ブロックの第1動き情報及び第2画像ブロックの第2動き情報を取得するステップであって、前記第1画像ブロックが、前記第2画像ブロックに隣接するステップと、
前記第1画像ブロックに関連付けられた第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値を決定するステップであって、前記第1予測値が、前記第1動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定され、前記第2予測値が、前記第2動き情報及び前記第1画素領域の位置情報に基づいて決定されるステップと、
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定するステップであって、前記目標情報が第1差分値及び第2差分値を含み、前記第1差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第1予測値に基づいて決定された差分値であり、前記第2差分値が、前記第1画素領域内の各画素点の再構成値及び第2予測値に基づいて決定された差分値であるステップと、を含み、
前記第1画像ブロックは符号化すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは符号化済み画像ブロックであり、あるいは、前記第1画像ブロックは復号すべき画像ブロックであるとともに、前記第2画像ブロックは復号済み画像ブロックである、フレーム間予測方法。
【請求項2】
前記目標情報は、前記第1予測値及び前記第2予測値に基づいて決定された、前記第1画素領域に対応する第3差分値をさらに含む、請求項1に記載のフレーム間予測方法。
【請求項3】
前記第1画素領域は、
第1画像ブロックの上側に隣接するM1行N1列からなる符号化済み又は復号済み画素領域であることと、
第1画像ブロックの左側に隣接するM2行N2列からなる符号化済み又は復号済み画素領域であることと、のうちの少なくとも1つを満たし、
M1、M2、N1及びN2は、いずれも正の整数である、請求項1又は2に記載のフレーム間予測方法。
【請求項4】
目標情報に基づいて、前記第1画像ブロックの第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を決定する前記ステップは、
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定するステップであって、前記目標重み値組合せが、少なくとも1つの重みセットを含み、前記重みセットが、第1重み値及び第2重み値を含み、前記第1重み値が、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値に対応し、前記第2重み値が、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値に対応し、前記第3予測値が、前記第1動き情報に基づいて決定され、前記第4予測値が、前記第2動き情報に基づいて決定されるステップと、
前記目標重み値組合せに基づいて前記第2画素領域内の各画素点に対応する第3予測値及び第4予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記第2画素領域内の各画素点に対応する目標予測値を得るステップと、を含む、請求項1又は2に記載のフレーム間予測方法。
【請求項5】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第1重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第2重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するか、又は、前記第1差分値及び前記第2差分値に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値及び前記第3差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第2差分値が前記第3差分値及び前記第1差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第4予測値を目標予測値として決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項6】
前記目標情報は前記第1画像ブロックのタイプをさらに含み、前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第5重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第1差分値が前記第2差分値及び/又は第3差分値よりも大きい場合に、第6重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが輝度ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第7重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1画像ブロックのタイプが色差ブロックであり、且つ前記第3差分値が前記第1差分値及び前記第2差分値よりも小さい場合に、第8重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項7】
前記第1画素領域内の各画素点に対応する第1予測値及び第2予測値に対して重み付け加算処理を行い、前記各画素点の第5予測値を得るステップと、
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定するステップと、をさらに含む、請求項2に記載のフレーム間予測方法。
【請求項8】
前記各画素点の第5予測値及び前記各画素点に対応する再構成値に基づいて、前記第1画素領域に対応する第3差分値を決定する前記ステップは、
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の和を前記第3差分値として決定するステップであって、前記目標絶対値が、前記第1画素領域内の各画素点の第5予測値と再構成値との間の差分値の絶対値であるステップ、又は
前記第1画素領域内の各画素点に対応する目標絶対値の平均値を前記第3差分値として決定するステップ、を含む、請求項7に記載のフレーム間予測方法。
【請求項9】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項10】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値以上である場合に、前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項11】
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値以下である場合に、第10重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップであって、前記第1閾値が非負数であるステップと、
前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果が第1閾値よりも大きい場合に、第11重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、を含む、請求項10に記載のフレーム間予測方法。
【請求項12】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも小さい場合に、前記第2画素領域内の各画素点の第3予測値を目標予測値として決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値に等しい場合に、第9重み値組合せを前記目標重み値組合せとして決定するステップと、
前記第1差分値が前記第2差分値よりも大きい場合に、前記第1差分値と第2差分値との間の計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項13】
前記目標情報に基づいて目標重み値組合せを決定する前記ステップは、
前記第1差分値及び第2差分値を計算して計算結果を得るステップであって、前記計算結果が、前記第1差分値と前記第2差分値との間の差を示すためのものであるステップと、
前記計算結果に基づいて前記目標重み値組合せを決定するステップと、を含む、請求項4に記載のフレーム間予測方法。
【請求項14】
プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリに前記プロセッサにおいて実行可能なプログラムもしくはコマンドが記憶されており、前記プログラムもしくはコマンドが前記プロセッサによって実行されると、請求項1に記載のフレーム間予測方法のステップが実現される、端末。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、請求項1に記載のフレーム間予測方法のステップが実現されるプログラムもしくはコマンドが記憶されている、可読記憶媒体。
【国際調査報告】