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特表2024-544396缶用の開放サポートを有するプレート片
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】缶用の開放サポートを有するプレート片
(51)【国際特許分類】
   B65D 17/28 20060101AFI20241122BHJP
   B65D 17/32 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B65D17/28
B65D17/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536132
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2022085448
(87)【国際公開番号】W WO2023110779
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】A60309/2021
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524226748
【氏名又は名称】ブルクシュタラー・ペーター
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ブルクシュタラー・ペーター
【テーマコード(参考)】
3E093
【Fターム(参考)】
3E093AA13
3E093BB02
3E093EE13
3E093EE20
(57)【要約】
缶用の開放サポートを有するプレート片において、レバーを備え、レバーは、リベットによって缶に取り付けられていて、プレート片は、上面と下面と中央の縁部(7)と半径方向の縁部(8)と2つの側方の縁部(18)とを有する。側方の縁部は、それぞれ中央の縁部の端部と半径方向の縁部の端部とを接続する。プレート片は、わずかに湾曲している。半径方向の縁部は、少なくとも150°の角度を有する部分円にわたって延在し、中央の縁部には、リベット用の収容部(9)が設けられている。側方の縁部には、プレート片を補強する縁補強部(21)がそれぞれ形成されてよい。半径方向の縁部には、溝付アンカ(10)が形成されていて、溝付アンカ(10)は、下面から離反する方向に向けられた屈曲されたスライドレールを形成し、スライドレールは、飲料缶の溝に係合する。上面には、細長い、カーブした、ほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部(15)が形成されていて、隆起部は、缶のレバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、隆起部は、隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有する。隆起部は、リベット収容部に対してほぼ同心に延在し、隆起部は、少なくとも5mmの長さを有する。上面には、好ましくは少なくとも1つの節状隆起(20)を有する少なくとも1つのシフトサポートが配置されている。半径方向の縁部に向かう側方の縁部の角隅は、半径方向の突出部を形成し、これにより角隅つの形部(13)を形成する。プレート片は、金属から形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶用の開放サポートを有するプレート片において、
レバーを備え、前記レバーは、リベットによって前記缶に取り付けられていて、前記プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、前記側方の縁部は、それぞれ前記中央の縁部の端部と前記半径方向の縁部の端部とを接続し、
前記プレート片は、わずかに湾曲していて、近似的に湾曲を描く曲率球の湾曲部の中心が、ほぼ前記缶の縦軸線上で前記下面の遠位の方向に位置し、
前記半径方向の縁部は、少なくとも150°の角度を有する部分円にわたって延在し、
前記中央の縁部には、前記リベット用の収容部が設けられていて、
前記側方の縁部には、前記プレート片を補強する縁補強部がそれぞれ形成されていて、
前記半径方向の縁部には、溝付アンカが形成されていて、前記溝付アンカは、前記下面から離反する方向に向けられた屈曲されたスライドレールを形成し、前記スライドレールは、飲料缶の溝に係合し、
前記上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、前記隆起部は、前記缶の前記レバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、前記隆起部は、前記隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有し、前記隆起部は、前記リベット用の収容部に対してほぼ同心に延在し、前記隆起部は、少なくとも5mmの長さを有し、
前記上面には、少なくとも1つの節状隆起を有する少なくとも1つのシフトサポートが配置されていて、
前記側方の縁部の角隅は、前記半径方向の縁部へ向けて半径方向に突出部を形成し、これにより角隅つの形部を形成し、
前記プレート片は、金属から形成されている、
缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項2】
前記プレート片は、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm及び少なくとも1mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項3】
前記隆起部は、少なくとも7mm、少なくとも10mm及び少なくとも20mmの長さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項4】
前記隆起部は、両側のそれぞれで、均一に少なくとも1mm、少なくとも3mm及び少なくとも5mmの区間にわたって降下することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項5】
前記隆起部は、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm及び少なくとも1mmの高さを有し、前記隆起部は、最大0.25mm、最大0.5mm及び最大1mmの高さを有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項6】
前記半径方向の縁部は、少なくとも200°、少なくとも250°及び少なくとも300°の角度を有する部分円を形成するようにカーブしていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項7】
前記角隅つの形部は、少なくとも2mm、少なくとも4mm及び少なくとも8mm押出し加工されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項8】
前記側方の縁部は、押出し加工された角隅つの形部によってカーブを有し、前記縁補強部は、前記カーブに沿って配置されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項9】
前記縁補強部は、その位置における材料の厚み部として形成されていて、その他のプレート片厚さの好ましくは少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍及び少なくとも2.0倍の厚さを有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項10】
前記シフトサポートは、少なくとも3つの節状突起、少なくとも5つの節状突起及び少なくとも10個の節状突起を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項11】
前記シフトサポートの節状突起は、上から見て、角隅が強く丸み付けられた矩形部として形成されていて、前記矩形部は、少なくとも1:1、少なくとも1:2及び少なくとも1:4の縦横比を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項12】
前記下面は、プラスチックによって被覆されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項13】
前記上面に印刷が施されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項14】
特に請求項1から13のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片において、
レバーを備え、前記レバーは、リベットによって前記缶に取り付けられていて、前記プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、前記側方の縁部は、それぞれ前記中央の縁部の端部と前記半径方向の縁部の端部とを接続し、
前記半径方向の縁部は、少なくとも90°の角度を有する部分円にわたって延在し、
前記中央の縁部には、前記リベットに対する収容部が設けられていて、
前記半径方向の縁部には、スライドレールが、前記飲料缶の溝に係合するように形成されていて、
前記上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、前記隆起部は、前記隆起部が前記缶の前記レバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、前記隆起部は、前記隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有し、
前記上面には、少なくとも1つのシフトサポートが形成されていて、
前記プレート片は、エンボス加工によって成形されていることによって、金属から一体的に形成されている、
缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項15】
缶と請求項1から14のいずれか一項に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片とを備える缶システムにおいて、前記缶用の開放サポートを有するプレート片は、前記缶に取り付けられている、缶システム。
【請求項16】
請求項15に記載の缶システムを製造する方法において、
まず缶を製作し、次いでプレート片を溝に配置し、これに続いてレバーを溝の上に差し込み、最後のステップで溝を閉じることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶用の開放サポートを有するプレート片に関する。
【背景技術】
【0002】
コロナパンデミックは、特に接触感染及び飛沫感染に関して衛生の重要性を示している。飲料缶は、エンドユーザに届くまで多くの手を介する。エンドユーザは、飲むときに唇が缶の一部に触れる。これらの缶部分が輸送時に汚染されたら、エンドユーザが感染するおそれがある。
【0003】
飲料缶については様々なタイプのクロージャが公知である。クロージャは、大まかにスライド式、クリップ式、回転式及び蓋付きのクロージャに分けることができる。
【0004】
スライド式のクロージャは、クロージャ要素が飲料缶の飲料タブに取り付けられ、したがってこれにより飲料缶の開口部が閉じられることを特徴としている。米国特許第5785199号明細書、米国特許第6098830号明細書、米国特許第6722518号明細書及び米国特許第5351853号明細書では、飲料缶用のスライド式のクロージャが開示されている。米国特許第6098830号明細書、米国特許第6722518号明細書及び米国特許第5351853号明細書では、クロージャは、レール要素を有する。レール要素は、飲料缶の開放クリップを収容でき、したがってこれによりクロージャを安定させる。クロージャ装置に飲料缶の開放クリップを配置することによって、クロージャ装置自体が缶に押し付けられる。したがって、開口部が閉じられている。米国特許第5785199号明細書では、クロージャは、開放クリップのタブによって引っ張られ、折り返され、その際、飲料缶の開口部を閉じるプレート片が設けられている。
【0005】
米国特許出願公開第20090001092号明細書、米国特許第8727164号明細書、米国特許第7500577号明細書、米国特許第3637104号明細書及び米国特許第3850334号明細書には、飲料缶用の様々なタイプのクリップ式のクロージャが開示されている。これらは、飲料缶の開口部が飲料缶の開口部に差し込まれるクリップによって閉じられることを特徴としている。米国特許出願公開第20090001092号明細書、米国特許第7500577号明細書及び米国特許第3850334号明細書では、その際、クリップは、それ自体飲料缶の開口部の縁部に保持される。米国特許第8727164号明細書では、閉鎖クリップが、開放クリップに結合されているので、開放クリップによって再び閉じることが可能である。米国特許第3637104号明細書は、フックと閉鎖プレート片とを開示している。そこでは、閉鎖プレート片が、開口部に配置され、フックが缶縁部に緊締されるので、閉鎖プレート片が、下から飲料缶の蓋に押し付けられ、したがって、開口部が閉じられる。
【0006】
米国特許出願公開第20130168457号明細書、欧州特許出願公開第0816248号明細書、国際公開第2010/109341号、米国特許第6321927号明細書、米国特許第8881940号明細書、米国特許第5199591号明細書、米国特許第4913304号明細書、米国特許出願公開4880136号明細書及び米国特許第5285924号明細書には、飲料缶用の様々な蓋付きのクロージャが開示されている。これらは、飲料缶上に、少なくとも部分的に飲料缶の蓋を覆うクロージャが配置されることを特徴としている。この場合、飲料缶の開口部も覆われる。
【0007】
独国特許出願公開第4427812号明細書、独国特許出願公開第19744245号明細書、独国特許第10018685号明細書、独国特許出願公開第3931573号明細書、米国特許第4717039号明細書及び米国特許第4681238号明細書から、複数の回転式のクロージャが明らかである。独国特許出願公開第4427812号明細書、独国特許出願公開第3931573号明細書、米国特許第4717039号明細書及び米国特許第4681238号明細書は、クロージャが蓋の中央にあるリベットに結合されていることで優れている。これにより、クロージャは、回動可能に構成されていて、適切に回動させることによって飲料缶の開口部を閉じることができる。リベットとの結合によって、缶の生産時に製作する必要がある。独国特許出願公開第19744245号明細書及び独国特許第10018685号明細書から、2つの回転式の閉鎖フックが明らかである。回転式の閉鎖フックは、クロージャが蓋の上へシフトできるので、リベットを中心に回転が可能になることにおいて優れている。したがって、中央にあるリベットは、固定点として用いられる。缶の開放クリップは、回転式のクロージャの離脱を防止する。
【0008】
独国特許出願公開第19744245号明細書から、回転式の閉鎖フックが明らかである。閉鎖フックは、蓋の上へシフトできるので、リベットを中心に回転が可能になる。米国特許第20130168457号明細書は、フック状の縁部固定要素を有し、これにより、クロージャは、缶の縁に固定され、これにより、回動可能に構成可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5785199号明細書
【特許文献2】米国特許第6098830号明細書
【特許文献3】米国特許第6722518号明細書
【特許文献4】米国特許第5351853号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第20090001092号明細書
【特許文献6】米国特許第8727164号明細書
【特許文献7】米国特許第7500577号明細書
【特許文献8】米国特許第3637104号明細書
【特許文献9】米国特許第3850334号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第20130168457号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第0816248号明細書
【特許文献12】国際公開第2010/109341号
【特許文献13】米国特許第6321927号明細書
【特許文献14】米国特許第8881940号明細書
【特許文献15】米国特許第5199591号明細書
【特許文献16】米国特許第4913304号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開4880136号明細書
【特許文献18】米国特許第5285924号明細書
【特許文献19】独国特許出願公開第4427812号明細書
【特許文献20】独国特許出願公開第19744245号明細書
【特許文献21】独国特許第10018685号明細書
【特許文献22】独国特許出願公開第3931573号明細書
【特許文献23】米国特許第4717039号明細書
【特許文献24】米国特許第4681238号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の基礎をなす課題は、簡単で安価に製造可能な缶用のプレート片を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる課題は、簡単に、プレート片を回動させることによって、開いている缶をわずかな抵抗で確実に閉じることにある。
【0012】
その上、本発明のさらなる課題は、輸送及び販売時に缶の表面上に至る細菌から開口部を保護することにある。
【0013】
本発明のさらなる課題は、環境にやさしい缶用のプレート片を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つ又は複数の課題は、独立請求項の対象によって解決される。有利な発展形態及び好適な実施形態は、従属請求項の対象をなす。
【0015】
缶用の開放サポートを有するプレート片は、レバーを備え、レバーは、リベットによって缶に取り付けられていて、プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有する。側方の縁部は、それぞれ中央の縁部の端部と半径方向の縁部の端部とを接続する。プレート片は、わずかに湾曲していて、近似的に湾曲を描く曲率球の中心が、ほぼ缶の縦軸線上で、下面の遠位の方向に位置する。半径方向の縁部は、少なくとも150°の角度を有する部分円にわたって延在し、この場合、中央の縁部には、リベット用の収容部が設けられている。側方の縁部には、プレート片を補強する縁補強部がそれぞれ形成されてよい。半径方向の縁部には、溝付アンカが形成されていて、溝付アンカは、下面から離反する方向に向けられた屈曲されたスライドレールを形成し、スライドレールは、飲料缶の溝に係合する。上面には、細長い、カーブした、ほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、この場合、隆起部は、缶のレバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、隆起部は、隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有する。隆起部は、リベット収容部に対してほぼ同心に延在し、隆起部は、少なくとも5mmの長さを有する。上面には、好ましくは少なくとも1つの節状隆起を有する少なくとも1つのシフトサポートが配置されている。半径方向の縁部へ向かう側方の縁部の角隅は、半径方向の突出部を形成し、これにより、角隅つの形部を形成する。プレート片は、金属から形成されている。
【0016】
角隅つの形部によって、半径方向の縁部が延長され、これにより、プレート片がさらに補強される。それにもかかわらず、プレート片が適切な位置にあると、プレート片が完璧な位置に整列していなくても、飲み口は開放されたままである。
【0017】
カーブとも称されてよいプレート片の湾曲部は、曲率球によって描かれる。この曲率球は、カーブに従って中空体が形成されるまでプレート片がさらに拡がることによって形成される。曲率球は、卵形又はオーバル形状であってもよい。
【0018】
プレート片がわずかにカーブ又は湾曲していることによって、プレート片は安定していて、缶の蓋に密着し、これにより、プレート片と蓋との間に汚れがほとんど届かない。プレート片の大面積の構成にもかかわらず、プレート片は、わずかに力を掛ければシフトできることが判明している。そのために、適切な缶の上面に適合した湾曲した形状が寄与するので、缶の上面に高い応力を及ぼすプレート片の箇所は存在しない。スライドレールは、好ましくは、プレート片の残りの領域と蓋の上面との間の強い摩擦効果が回避されるように、缶の溝に載置される。
【0019】
さらに、カーブとリベットによってプレート片へ伝達される押圧力とによって、溝付アンカが溝に押し付けられる。
【0020】
隆起部は、以下、開放サポートとも称される。隆起部が両側で降下することによって、缶を開放するためのプレート片の回動方向は異なっている。
【0021】
開放サポートは、背景技術における開放サポートと比べて長く鎌形に形成されているので、開放サポートは、より強いてこの作用を生じさせるために、より高くてもよい。鎌形によって、開放サポートは、容易にレバーの下へシフトする。開放サポートの長さによって、開放サポートの勾配がフラットに延在し、これにより開放サポートがわずかな力でレバーの下でシフトでき、レバーを離反旋回させないことが保証される。開放サポートが長いほど、同じ高さでは、傾斜がよりなだらかである。傾斜がなだらかであるほど、開放サポートは、より簡単にレバーの下にシフトできる。
【0022】
溝付アンカは、センタリング機能を有するので、中央の縁部に存在するリベット用の収容部は、幾分かより大きな遊びをもって荷重を掛けることができる。これにより、プレート片は、より簡単に回動可能である。溝付アンカは、溝に密着し、プレート片の回動時に溝にわたってスライドする。
【0023】
縁補強部によって、プレート片が補強されるとともに、合目的的にプレート片を把持しこれを回動させるためにどこでプレート片が始まるのか認識するための視覚的なサポートが得られる。
【0024】
プレート片が金属、好ましくはアルミニウムから製作されることによって、プレート片は、極めて薄く製作できる。前述の補強部は、例えば缶を上下逆にしても、それにもかかわらず高い剛性を有し、ゆがまないようにする。さらに、補強によって、摩擦が最小化され、プレート片が良好に回動できる。
【0025】
プレート片が金属、特にアルミニウムで製作されることによって、プレート片は、缶自体と同じ材料から製造できる。このことは、リサイクルプロセスを容易にし、環境に優しい。
【0026】
プレート片形状によって、プレート片は、例えばプレート片がプレートからスタンピング加工されるスタンピングプロセスによって容易に製造可能である。
【0027】
プレート片は、リベットを中心に回動可能である。プレート片の動きは、リベットに当接する凹部によって案内される。リベットにおけるガイドによって、容易なシフト性が得られる。
【0028】
プレート片は、例えば虫又はその他の汚れが飲料缶に進入することを阻止するために缶の開口部を閉じるのに適している。さらに、炭酸を含む飲料は、その味覚を長く保持する。というのも、炭酸が、それほど素早くは空気を介して抜けることがないからである。
【0029】
プレート片が回動させられると、開放サポートは、缶のレバーの下にシフトし、レバーを容易に持ち上げることができる。これにより、缶の開放が簡単になっている。
【0030】
プレート片状の構成によって、プレート片は、缶の縁部を越えて突出せず、これにより、缶が積み重ね可能に保持される。プレート片は、缶の製造時に閉じた缶の上に配置されてもよい。複数のパレットにまとめられた缶の発送は、それぞれ1つのクロージャが各々の缶の上に配置されることによって妨げられない。
【0031】
好ましくは、溝付アンカは、プレート片の半径方向の縁部の全長にわたって形成されている。これにより、プレート片の半径方向の縁部の全長にわたって均一の荷重が及ぼされる。
【0032】
溝付アンカは、好ましくは、溝の円形形状と溝の横断面形状との両方に関して飲料缶の溝の形状に適している。特に、溝付アンカは、溝付アンカが溝によって形成された内側の境界面に形状接続に基づいて当接するように構成されている。付加的に、溝付アンカは、溝付アンカが外向きの溝の境界面に形状接続に基づいて当接するように構成されてもよい。
【0033】
溝付アンカは、プレート片の曲げ加工によってその形状が溝に適合されてよい。しかし、溝付アンカは、溝内に延在する、プレート片の残りの部分と比べてより厚い本体であってもよい。
【0034】
好ましくは、プレート片は、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm及び少なくとも1mmの厚さを有する。
【0035】
そのようなプレート片の厚さによって、プレート片は、十分な安定性を有し、消費される材料が多すぎることはなく、これにより、コストが低く維持される。
【0036】
一発展形態によれば、隆起部は、少なくとも7mm、少なくとも10mm及び少なくとも20mmの長さを有する。
【0037】
そのような長さによって、隆起部は、造作なく缶のレバーの下にスライドでき、それにもかかわらず十分なてこの作用がもたらされ得る。隆起部がそれよりも短いと、勾配が急すぎるので、隆起部は、レバーの下にシフトできない、又は隆起部が十分な高さにないと、これにより、缶を開放するために十分にサポートするにはてこの作用が小さすぎる。
【0038】
一実施形態では、隆起部は、それぞれ両側で、均一に、少なくとも1mm、少なくとも3mm及び少なくとも5mmの区間にわたって降下し得る。
【0039】
ここに記述する区間によって、隆起部は、過剰な力を消費する必要なく、やさしくレバーの下にシフトでき、それにもかかわらず、レバーは、十分に高く持ち上げられ、これにより、続いて缶を開放できる。
【0040】
好ましくは、隆起部は、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm及び少なくとも1mmの高さを有し、隆起部は、最大0.25mm、最大0.5mm及び最大1mmの高さを有する。
【0041】
そのような隆起部では、てこの作用は、レバーが持ち上がるのに十分であって、缶を開放するためにレバーを容易に持ち上げるために、ユーザの指の一部がその下に作用できる。
【0042】
一実施形態によれば、半径方向の縁部は、この半径方向の縁部が少なくとも200°、少なくとも250°及び少なくとも300°の角度を有する部分円を形成するようにカーブしている。
【0043】
このようなカーブでは、プレート片は特に安定していて、適切な位置にあると、缶の開口部が効果的に閉じられているので、缶が転倒しても又は缶がひっくり返っても、飲料の滴が缶からこぼれない又はほどんどこぼれない。
【0044】
実施形態では、角隅つの形部は、少なくとも2mm、少なくとも4mm及び少なくとも8mmの突出部を形成してよい。そのような長さを有する角隅つの形部は、半径方向の縁部を延長し、これにより、安定性がさらに高まるにもかかわらず缶上面に十分に大きな面が残るので、プレート片が適切な位置にもたらされると、缶の開口部が完全に開放される。
【0045】
一発展形態によれば、側方の縁部は、押出し加工された角隅つの形部によって、カーブを有し、縁補強部は、このカーブに沿って配置されている。
【0046】
縁補強部がカーブに沿って配置されていることによって、縁補強部自体がカーブしている。このカーブによって、補強部は、2つの方向性を有し、これにより、プレート片は、面で安定化される。というのも、2つの方向でこのような面が張設されるからである。
【0047】
好ましくは、縁補強部は、その位置における材料の厚み部として形成されていて、好ましくは、他のプレート片厚さの少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍及び少なくとも2.0倍の厚さを有する。
【0048】
縁補強部のそのような蓋は、プレート片の十分な補強と材料節約との間の良好な妥協である。
【0049】
一発展形態によれば、シフトサポートは、少なくとも3つの節状突起、少なくとも5つの節状突起及び少なくとも10個の節状突起を有する。
【0050】
そのような数の節状突起は、プレート片のグリップ性と節状突起に必要な材料量との間の良好な妥協である。多すぎる数の配置によって、ユーザが混乱する及び/又は汚れが節状突起に付着することもある。基準の数が小さすぎると、プレート片が回動するようにユーザが指で節状突起と相互作用するのに十分な摩擦面が提供されない。
【0051】
実施形態では、シフトサポートの節状突起は、上から見て、角隅が強く丸み付けられた矩形部として形成されていてよく、この場合、矩形部は、少なくとも1:1、少なくとも1:2及び少なくとも1:4の縦横比を有する。
【0052】
この縦横比の節状突起は、上から見て、一方では丈夫であるので、節状突起は、ユーザの指と相互作用する際に破損せず、他方では節状突起はユーザに良好な触覚フィードバックを提供する。その際、ユーザは、どの半径でプレート片を回動させなければならないか認識する。
【0053】
好ましくは、下面が、プラスチックで被覆されている。
【0054】
被覆は、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)又はリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)である。これらは、缶の大抵の内容物に対して不活性であり、これにより、味覚が損なわれることがない。さらに、これらは、クロージャと飲料缶との間の摩擦を減らし、これにより、回動が促進される。
【0055】
一発展形態によれば、上面に印刷が施されている。
【0056】
印刷が行われた上面は、例えば缶を運搬者によって搬送するために、例えば、視覚認識システムに組み込まれる特徴が上面に取り付けられているように構成されてよい。
【0057】
しかも、注意事項、柄、ロゴ又はその他のものがこれらのプレート片上に配置されてもよい。
【0058】
特に上述の構成に従った、レバーを備える、缶用の開放サポートを有するプレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、側方の縁部は、それぞれ中央の縁部の端部と半径方向の縁部の端部とを接続する。レバーは、リベットによって、缶に取り付けられている。半径方向の縁部は、少なくとも90°の角度を有する部分円にわたって延在し、この場合、中央の縁部には、リベット用の収容部が設けられている。半径方向の縁部には、スライドレールが、飲料缶の溝に係合するように構成されている。上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、隆起部は、缶のレバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、この場合、隆起部は、隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有する。上面には、少なくとも1つのシフトサポートが形成されている。プレート片は、金属から一体に形成されていて、エンボス加工によって成形されている。
【0059】
隆起部は、以下、開放サポートとも称される。隆起部が両側で降下することによって、缶を開放するためのプレート片の回動方向はどちらでもよい。
【0060】
開放サポートは、背景技術における開放サポートと比べて長く、鎌形に形成されているので、開放サポートは、より強いてこの作用を生じさせるために、より高くてもよい。鎌形によって、開放サポートは、容易にレバーの下へシフトする。開放サポートの長さによって、開放サポートの勾配がフラットに延在するので、開放サポートがわずかな力でレバーの下にシフトでき、レバーを離反旋回させないことが保証される。開放サポートが長いほど、同じ高さでは、傾斜がよりなだらかである。傾斜がなだらかであるほど、より容易に開放サポートがレバーの下にシフトできる。
【0061】
スライドレールは、センタリング機能を有するので、中央の縁部に存在するリベット用の収容部は、幾分かより大きな遊びをもって荷重を掛けることができる。これにより、プレート片は、より簡単に回動可能である。スライドレールは、溝に密着し、プレート片の回動時に溝にわたってスライドする。
【0062】
プレート片が金属、好ましくはアルミニウムから製作されることによって、プレート片は、極めて薄く製作できる。前述の補強部は、例えば缶を上下逆にしても、それにもかかわらず高い剛性を有し、ゆがまないようにする。さらに、補強部によって、摩擦が最小化され、プレート片を良好に回動させることができる。
【0063】
プレート片が金属、特にアルミニウムでから製作されることによって、プレート片は、缶自体と同じ材料から製造できる。このことは、リサイクルプロセスを容易にし、環境に優しい。
【0064】
プレート片は、一体に形成され、これにより、プレート片は、はじめに組み立て、エンボス加工によって成形されなくてよい。これにより、既に打ち抜かれた素材が存在する場合、製造に単一のステップしか必要としない。これにより、生産コストが削減され、短時間で多くのプレート片を簡単に製造できる。
【0065】
エンボス加工時、変形工具が、高い圧力をもって、金属、好ましくはアルミニウムからなる素材に作用する。高い圧力によって、素材の変形が起こる。変形部は、レリーフであって、プレート片を形成する。
【0066】
プレート片は、リベットを中心に回動可能である。プレート片の動きは、リベットに当接する凹部によって案内される。リベットにおけるガイドによって、容易なスライド性が得られる。
【0067】
プレート片は、例えば虫又はその他の汚れが飲料缶に進入することを阻止するために、缶の開口部を閉じるのに適している。さらに、炭酸を含む飲料は、その味覚を長く保持する。というのも、炭酸が、それほど素早くは空気を介して抜けることがないからである。
【0068】
プレート片が回動させられると、開放サポートは、缶のレバーの下にシフトし、レバーを容易に持ち上げることができる。これにより、缶の開放が簡単になっている。
【0069】
プレート片状の構成によって、プレート片は、缶の縁部を越えて突出せず、これにより、缶が積み重ね可能に保持される。プレート片は、缶の製造時に閉じた缶の上に配置されてもよい。複数のパレットにまとめられた缶の発送は、それぞれ1つのクロージャが各々の缶の上に配置されることによって妨げられない。
【0070】
缶システムは、缶と前述したような缶用の開放サポートを有するプレート片とを備え、缶用の開放サポートを有するプレート片が、缶に取り付けられている。
【0071】
前述の缶システムを製造する方法は、まず缶を製作し、次いでプレート片を溝に配置し、これに続いてレバーを溝の上に差し込み、最後のステップで溝を閉じることを特徴としている。
【0072】
以下、本発明を、例示的に図面を基に詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】プレート片の一実施形態を概略的に斜め上から見た図で示す。
図2】プレート片の同一の実施形態を概略的に斜め下から見た図で示す。
図3】プレート片の同一の実施形態を概略的にフラットに上から見た図で示す。
図4】プレート片の同一の実施形態を概略的に横から見た図で示す。
図5】プレート片の同一の実施形態を概略的に上から見た図で示す。
図6a】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6b】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6c】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6d】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6e】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6f】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6g】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
図6h】プレート片の一実施形態と飲料缶とを概略的に横から見た図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
缶2、特に飲料缶のプレート片1について以下に述べる(図1から図6)。
【0075】
缶2は、略円筒の形状を有する。ヘッドプレート22と称される円筒体の片側には、飲料缶2の開口部3が設けられている。開口部3の隣には、リベット4が配置されていて、リベット4には、レバー11が取り付けられていて、レバー11は、缶2の蓋の一部を押し込むように構成されている。この場合、押し込まれた蓋部分12が、缶2内に位置する。リベットの端部には、リベットヘッド14が形成されている。リベットヘッド14は、平らで、少なくとも丸みを帯びたプレート片であり、プレート片は、リベット4の端部に配置されていて、リベット4よりも大きな半径を有する。リベットヘッド4は、レバー11の不意の離脱を防止する。縁部において、飲料缶2は、溝5と隆起した縁部6とを有する。
【0076】
プレート片1は、中央の縁部7と半径方向の縁部8と2つの側方の縁部18とを有する。
【0077】
プレート片1は、角隅つの形部13を有し、角隅つの形部13は、半径方向の縁部8に通じる側方の縁部18の角隅に、半径方向(周方向)の突出部を形成する。
【0078】
プレート片は、縁補強部21を有し、縁補強部21は、側方の縁部18に形成されていて、プレート片を補強する。
【0079】
プレート片1は、わずかなカーブを有し、カーブを描く曲率球の中心は、ほぼ缶の縦軸上で、プレート片1の下面に対して遠位の方向に配置されている。
【0080】
プレート片1は、上から見て、円の中心Mを中心とする半径rと中心角度αとを有するほぼ扇形の形状を有する(図1)。プレート片の形状は、中心角αが約200°になるように選択されている。
【0081】
プレート片1は、本実施例では、保護カバー1として構成されていて、以下そのようにも称される。
【0082】
円の中心Mは、保護カバー1の中央の縁部7に位置するとともに、保護カバー1が飲料缶2上に配置されると、円の中心Mが飲料缶2のリベット4の中心と一致するように、配置されている。
【0083】
中央の縁部7は、上から見て、リベット4を収容するための円セグメント状の凹部9を形成する。凹み9は、円セグメント状に形成されている。円セグメント状の凹部の半径は、少なくともリベット4の半径に対応する。
【0084】
ここには図示されていない別の選択肢は、凹み9がプレート片1の金属によって完全に包囲されることにある。
【0085】
保護カバー1は、上から見て、クロージャの機能にとって合理的であり、飲料缶2の開口部3を覆うために必要であり、そして十分な安定性をもたらすような大きさに形成されている。保護カバー1は、大量生産品である。保護カバー1がより小さく形成されているほど、その製造はより安価である。
【0086】
扇形の半径rは、本質的にリベット4と飲料缶2の溝5との間の通常の間隔に相当する。
【0087】
扇形の半径rは、リベット4と飲料缶2の隆起した縁部6との間の通常の間隔よりも小さい。
【0088】
保護カバーは、開放サポート15を有する。開放サポート15は、上方へ缶から離反する方を向いた隆起部である。隆起部は、クロージャの中心の縁部7から半径方向の縁部8に向かう区間のほぼ半分のところに形成されている。
【0089】
開放サポート15は、隆起部として形成されていて、隆起部は、前述の実施形態の場合と同様に2つのエッジ17を有し、エッジ17は、それぞれほぼ接線方向に、すなわち半径方向の縁部8に対してほぼ平行に延在する。これにより、開放サポート15は、わずかに曲がっていて鎌形である。開放サポート15の各エッジ17は、エッジ17がプレート片1の表面のレベルに至るまで開放サポートの中心から側方の縁部18へ向けて降下する本質的に均一の勾配を有する。エッジ17がプレート片1の表面と形成する角度19は、好ましくは少なくとも3°、特に少なくとも5°及び特に好適には少なくとも8°である(図3)。最大角度19は、30°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さい。エッジ17がなだらかに傾斜していることに基づいて、開放サポート15は、わずかな力しか掛けずに缶2のレバー11の下へシフトでき、その際、レバー11は、開放サポート15によって上方へ持ち上げられる。開放サポート15は、缶2の表面とレバー11の間に楔のように広がる。
【0090】
原則として、開放サポート15の他の形状も考えられる。その点において、開放サポート15は、飲料缶2の半径方向に対して横向きに形成された少なくとも1つの傾斜面を有する。
【0091】
本実施例では、開放サポート15はスタンピング加工されている。
【0092】
保護カバー1には、半径方向の縁部8に、溝5に係合できる溝付アンカ10が形成されている。この溝付アンカ10は、本実施例では、半径方向の縁部8の曲げ加工によって形成されていて、その際、半径方向の縁部8は、下方へ、半径方向の縁部8が飲料缶2の溝5に係合するように曲げ加工されている(図1から図5及び図6e、図6h)。曲がっている部分の幅は、ほぼ溝5の深さに相当する。
【0093】
代替的に、半径方向の縁部8は、二重に曲げ加工されていて、側方から見てV字形を形成してもよい。溝付アンカ10は、ここでは隆起した縁部6へと延在するさらに1つの突出部を有する(図6f)。
【0094】
別の選択肢は、溝付アンカ10が三重に曲げ加工されていることにある(図6g)。溝付アンカ10は、ここでは前述の代替例と比較して、付加的に中央の縁部7の方を向いたさらに1つの突出部を有する(図6a)。
【0095】
溝付アンカ10は、代替的に溝5の形状に適合させてもよい(図6aから図6d、図3d)。
【0096】
一選択肢は、溝付アンカ10が保護カバー1の下面で付加的な材料によって突出することによって与えられている。側方から見て、保護カバー1は、その位置で厚み部を有する。この部分は、保護カバー1の残りの部分と同一の材料又は別の材料からなってよい。
【0097】
プレート片1は、グリップ部分20を有し、グリップ部分20は、隣り合う別の側方の縁部18に配置されている(図1から図5)。このグリップ部分は、本実施例では、わずかに上向きに突出するエンボス加工されたいくつかの節状突起によって形成されている。したがって、これらの節状突起は、波状の上面を形成するので、グリップ部分において、指を用いて良好にシフトモーメントをプレート片1へ伝達可能であり、これにより、プレート片1が回動させられ、開放サポート15を用いてレバー11がシフトさせられる。
【0098】
グリップ部分は、例えばこの部分のサンドブラストなどの別のタイプの粗面化によって形成されてもよい。グリップ部分は、好ましくは開放サポート15よりも隆起が著しく小さく、これにより、プレート片1をレバーの下に挿入することが可能であり、それも、まずは、レバーがグリップ部分20と開放サポート15との間の領域に位置するようにプレート片1が配置されるまでグリップ部分がレバーの下にシフトされるように挿入することが可能である。
【0099】
前述の缶システムを製造する方法は、まず缶を製作し、次いでプレート片を溝に配置し、これに続いてレバーを溝の上に差し込み、最後のステップで溝を閉じることを特徴としている。
【0100】
開放サポート15は、楔形状に形成されてもよい。
【0101】
代替的な実施形態では、節状突起20は、ネガティブな節状突起としてプレート片に圧刻されている。
【0102】
別の選択肢は、節状突起20が例えば文字又は数字又は点字記号に対応する構造を有することにある。
【符号の説明】
【0103】
1 保護カバー/プレート片
2 缶
3 飲料缶の開口部
4 リベット
5 溝
6 隆起した縁部
7 中央の縁部
8 半径方向の縁部
9 凹み
10 溝付アンカ
11 レバー
12 押し込まれた蓋部分
13 角隅つの形部
14 リベットヘッド
15 開放サポート
16 缶突出部
17 開放サポートのエッジ
18 側方の縁部
19 角度
20 節状突起
21 縁補強部
22 ヘッドプレート
r 半径
α 中心角度
M 円の中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図6h
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶用の開放サポートを有するプレート片において、
レバーを備え、前記レバーは、リベットによって前記缶に取り付けられていて、前記プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、前記側方の縁部は、それぞれ前記中央の縁部の端部と前記半径方向の縁部の端部とを接続し、
前記プレート片は、わずかに湾曲していて、近似的に湾曲を描く曲率球の湾曲部の中心が、ほぼ前記缶の縦軸線上で前記下面の遠位の方向に位置し、
前記半径方向の縁部は、少なくとも150°の角度を有する部分円にわたって延在し、
前記中央の縁部には、前記リベット用の収容部が設けられていて、
前記側方の縁部には、前記プレート片を補強する縁補強部がそれぞれ形成されていて、
前記半径方向の縁部には、溝付アンカが形成されていて、前記溝付アンカは、前記下面から離反する方向に向けられた屈曲されたスライドレールを形成し、前記スライドレールは、飲料缶の溝に係合し、
前記上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、前記隆起部は、前記缶の前記レバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、前記隆起部は、前記隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有し、前記隆起部は、前記リベット用の収容部に対してほぼ同心に延在し、前記隆起部は、少なくとも5mmの長さを有し、
前記上面には、少なくとも1つの節状隆起を有する少なくとも1つのシフトサポートが配置されていて、
前記側方の縁部の角隅は、前記半径方向の縁部へ向けて半径方向に突出部を形成し、これにより角隅つの形部を形成し、
前記プレート片は、金属から形成されている、
缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項2】
前記プレート片は、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm及び少なくとも1mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項3】
前記隆起部は、少なくとも7mm、少なくとも10mm及び少なくとも20mmの長さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項4】
前記隆起部は、両側のそれぞれで、均一に少なくとも1mm、少なくとも3mm及び少なくとも5mmの区間にわたって降下することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項5】
前記隆起部は、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm及び少なくとも1mmの高さを有し、前記隆起部は、最大0.25mm、最大0.5mm及び最大1mmの高さを有することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項6】
前記半径方向の縁部は、少なくとも200°、少なくとも250°及び少なくとも300°の角度を有する部分円を形成するようにカーブしていることを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項7】
前記角隅つの形部は、少なくとも2mm、少なくとも4mm及び少なくとも8mm押出し加工されていることを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項8】
前記側方の縁部は、押出し加工された角隅つの形部によってカーブを有し、前記縁補強部は、前記カーブに沿って配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項9】
前記縁補強部は、その位置における材料の厚み部として形成されていて、その他のプレート片厚さの好ましくは少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍及び少なくとも2.0倍の厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項10】
前記シフトサポートは、少なくとも3つの節状突起、少なくとも5つの節状突起及び少なくとも10個の節状突起を有することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項11】
前記シフトサポートの節状突起は、上から見て、角隅が強く丸み付けられた矩形部として形成されていて、前記矩形部は、少なくとも1:1、少なくとも1:2及び少なくとも1:4の縦横比を有することを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項12】
前記下面は、プラスチックによって被覆されていることを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項13】
前記上面に印刷が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項14】
特に請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片において、
レバーを備え、前記レバーは、リベットによって前記缶に取り付けられていて、前記プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、前記側方の縁部は、それぞれ前記中央の縁部の端部と前記半径方向の縁部の端部とを接続し、
前記半径方向の縁部は、少なくとも90°の角度を有する部分円にわたって延在し、
前記中央の縁部には、前記リベットに対する収容部が設けられていて、
前記半径方向の縁部には、スライドレールが、前記飲料缶の溝に係合するように形成されていて、
前記上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、前記隆起部は、前記隆起部が前記缶の前記レバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、前記隆起部は、前記隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有し、
前記上面には、少なくとも1つのシフトサポートが形成されていて、
前記プレート片は、エンボス加工によって成形されていることによって、金属から一体的に形成されている、
缶用の開放サポートを有するプレート片。
【請求項15】
缶と請求項1に記載の缶用の開放サポートを有するプレート片とを備える缶システムにおいて、前記缶用の開放サポートを有するプレート片は、前記缶に取り付けられている、缶システム。
【請求項16】
請求項15に記載の缶システムを製造する方法において、
まず缶を製作し、次いでプレート片を溝に配置し、これに続いてレバーを溝の上に差し込み、最後のステップで溝を閉じることを特徴とする、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
別の選択肢は、節状突起20が例えば文字又は数字又は点字記号に対応する構造を有することにある。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
缶用の開放サポートを有するプレート片において、
レバーを備え、前記レバーは、リベットによって前記缶に取り付けられていて、前記プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、前記側方の縁部は、それぞれ前記中央の縁部の端部と前記半径方向の縁部の端部とを接続し、
前記プレート片は、わずかに湾曲していて、近似的に湾曲を描く曲率球の湾曲部の中心が、ほぼ前記缶の縦軸線上で前記下面の遠位の方向に位置し、
前記半径方向の縁部は、少なくとも150°の角度を有する部分円にわたって延在し、前記中央の縁部には、前記リベット用の収容部が設けられていて、
前記側方の縁部には、前記プレート片を補強する縁補強部がそれぞれ形成されていて、前記半径方向の縁部には、溝付アンカが形成されていて、前記溝付アンカは、前記下面から離反する方向に向けられた屈曲されたスライドレールを形成し、前記スライドレールは、飲料缶の溝に係合し、
前記上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、前記隆起部は、前記缶の前記レバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、前記隆起部は、前記隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有し、前記隆起部は、前記リベット用の収容部に対してほぼ同心に延在し、前記隆起部は、少なくとも5mmの長さを有し、
前記上面には、少なくとも1つの節状隆起を有する少なくとも1つのシフトサポートが配置されていて、
前記側方の縁部の角隅は、前記半径方向の縁部へ向けて半径方向に突出部を形成し、これにより角隅つの形部を形成し、
前記プレート片は、金属から形成されている、
缶用の開放サポートを有するプレート片。
2.
前記プレート片は、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm及び少なくとも1mmの厚さを有することを特徴とする、上記1の缶用の開放サポートを有するプレート片。
3.
前記隆起部は、少なくとも7mm、少なくとも10mm及び少なくとも20mmの長さを有することを特徴とする、上記1又は2の缶用の開放サポートを有するプレート片。
4.
前記隆起部は、両側のそれぞれで、均一に少なくとも1mm、少なくとも3mm及び少なくとも5mmの区間にわたって降下することを特徴とする、上記1から3のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
5.
前記隆起部は、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm及び少なくとも1mmの高さを有し、前記隆起部は、最大0.25mm、最大0.5mm及び最大1mmの高さを有することを特徴とする、上記1から4のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
6.
前記半径方向の縁部は、少なくとも200°、少なくとも250°及び少なくとも300°の角度を有する部分円を形成するようにカーブしていることを特徴とする、上記1から5のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
7.
前記角隅つの形部は、少なくとも2mm、少なくとも4mm及び少なくとも8mm押出し加工されていることを特徴とする、上記1から6のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
8.
前記側方の縁部は、押出し加工された角隅つの形部によってカーブを有し、前記縁補強部は、前記カーブに沿って配置されていることを特徴とする、上記1から7のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
9.
前記縁補強部は、その位置における材料の厚み部として形成されていて、その他のプレート片厚さの好ましくは少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍及び少なくとも2.0倍の厚さを有することを特徴とする、上記1から8のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
10.
前記シフトサポートは、少なくとも3つの節状突起、少なくとも5つの節状突起及び少なくとも10個の節状突起を有することを特徴とする、上記1から9のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
11.
前記シフトサポートの節状突起は、上から見て、角隅が強く丸み付けられた矩形部として形成されていて、前記矩形部は、少なくとも1:1、少なくとも1:2及び少なくとも1:4の縦横比を有することを特徴とする、上記1から10のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
12.
前記下面は、プラスチックによって被覆されていることを特徴とする、上記1から11のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
13.
前記上面に印刷が施されていることを特徴とする、上記1から12のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片。
14.
特に上記1から13のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片において、
レバーを備え、前記レバーは、リベットによって前記缶に取り付けられていて、前記プレート片は、上面と下面と中央の縁部と半径方向の縁部と2つの側方の縁部とを有し、前記側方の縁部は、それぞれ前記中央の縁部の端部と前記半径方向の縁部の端部とを接続し、
前記半径方向の縁部は、少なくとも90°の角度を有する部分円にわたって延在し、
前記中央の縁部には、前記リベットに対する収容部が設けられていて、
前記半径方向の縁部には、スライドレールが、前記飲料缶の溝に係合するように形成されていて、
前記上面には、細長いほぼ鎌形の少なくとも1つの隆起部が形成されていて、前記隆起部は、前記隆起部が前記缶の前記レバーに係合でき、開放サポートとして用いられるように配置されていて、前記隆起部は、前記隆起部の端部へ向けて徐々に降下する勾配をそれぞれ有し、
前記上面には、少なくとも1つのシフトサポートが形成されていて、
前記プレート片は、エンボス加工によって成形されていることによって、金属から一体的に形成されている、
缶用の開放サポートを有するプレート片。
15.
缶と上記1から14のいずれか一つの缶用の開放サポートを有するプレート片とを備える缶システムにおいて、前記缶用の開放サポートを有するプレート片は、前記缶に取り付けられている、缶システム。
16.
上記15の缶システムを製造する方法において、
まず缶を製作し、次いでプレート片を溝に配置し、これに続いてレバーを溝の上に差し込み、最後のステップで溝を閉じることを特徴とする、方法。
【国際調査報告】