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特表2024-544397血管の開口部の開口サイズを検出するためのプローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】血管の開口部の開口サイズを検出するためのプローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
A61B5/107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536137
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2022085495
(87)【国際公開番号】W WO2023110800
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21214786.2
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507116684
【氏名又は名称】アビオメド オイローパ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーラン クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】ジース トルステン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB40
(57)【要約】
本発明は、血管の開口部の開口サイズを検出するためのプローブ10に関する。プローブ10は、第1の外径D1を有する第1の部分12と、第1の部分12に隣接する階段状部14とを備える。階段状部14は少なくとも第1の検出部16と第2の検出部18とを備え、第1の検出部16は第2の外径D2を有し、第2の検出部18は第3の外径D3を有する。第2の外径D2は第1の外径D1より大きく、第3の外径D3より小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の開口部の開口サイズを検出するためのプローブ(10、100、110)であって、
第1の外径(D1)を有する第1の部分(12)と、
前記第1の部分(12)に隣接する階段状部(14)と
を備え、前記階段状部(14)は、少なくとも第1の検出部(16)と第2の検出部(18)とを備え、前記第1の検出部(16)は第2の外径(D2)を有し、前記第2の検出部(18)は第3の外径(D3)を有し、
前記第2の外径(D2)は前記第1の外径(D1)より大きく、前記第3の外径(D3)より小さいことを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項2】
請求項1に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記階段状部(14)はn≧3であるn個の検出部(20~26)を備え、前記n個の検出部(20~26)の各々は第(n+1)の外径(D4~D7)を有し、前記第(n+1)の外径(D4~D7)は前記第nの外径(D3~D6)よりも大きいことを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプローブ(10、100、110)であって、中心軸(X)を有する細長の形状であることを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項4】
請求項3に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記階段状部(14)は前記第1の部分(12)と前記第1の検出部(16)との間に第1の移行部(28)をさらに備え、前記第1の移行部(28)は前記中央軸(X)に対して非垂直に延在し、好ましくは前記第1の移行部(28)は前記第1の部分(12)に対して傾斜した斜めの第1の移行部(28)であることを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項5】
請求項3または4に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記階段状部(14)は各々の前記検出部(16~26)の間に移行部(30~38)をさらに備え、前記移行部(30~38)は前記中央軸(X)に対して非垂直に延在し、好ましくは前記移行部(30~38)は前記検出部(16~26)に対して傾斜した斜めの移行部(30~38)であることを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のプローブ(10、100、110)であって、可撓であり、好ましくは弾性的に可撓であることを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のプローブ(10、100、110)であって、中央開口部(40)をさらに備え、好ましくは前記中央開口部(40)は前記プローブ(10、100、110)全体にわたって延伸することを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のプローブ(100)であって、前記第1の部分(12)上に配置されるかまたは前記第1の部分(12)に隣接して配置される球体(42)をさらに備え、前記球体(42)は前記第1の外径(D1)より大きい球体外径(DS)を有し、好ましくは前記球体(42)は先細の球体であることを特徴とするプローブ(100)。
【請求項9】
請求項8に記載のプローブ(100)であって、前記球体(42)は前記第1の部分(12)と一体的に形成されているか、または前記第1の部分(12)の軸方向の自由端に着脱可能に取り付けられるように構成されていることを特徴とするプローブ(100)。
【請求項10】
請求項8または9に記載のプローブ(100)であって、前記球体(42)は前記第1の部分(12)と同軸にかつ前記第1の部分(12)から離れて延在する導入部(44)を備え、前記導入部(44)は前記球体外径(DS)より小さい導入部外径(DIP)を有し、好ましくは前記導入部外径(DIP)は前記第1の外径(D1)と同一であることを特徴とするプローブ(100)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記階段状部(14、114)の外周面の液体を検出するように構成された検知機構(46、146)を備えることを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項12】
請求項11に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記検知機構(46、146)は各々の前記検出部(16~26)の前記外周面(48~58)の液体を別個に検出するように構成されていることを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項13】
請求項11または12に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記検知機構(46)は各々の前記検出部(16~26)の前記外周面(48~58)の液体を検出するように構成された液体センサ(60~70)を備え、好ましくは前記液体センサ(60~70)の数は前記検出部(16~26)の数と等しいことを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のプローブ(110)であって、少なくとも前記階段状部(114)は伸長可能であるように構成され、好ましくは、前記階段状部(114)が完全に縮まり重なった際には、前記第1の検出部(116)は少なくとも部分的には前記第2の検出部(118)の内径内に配置されることを特徴とするプローブ(110)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のプローブ(10、100、110)であって、前記第3の外径(D3)は、前記第2の外径(D2)よりも少なくとも1フレンチ大きいことを特徴とするプローブ(10、100、110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血管の開口部のサイズまたは直径を検出するためのプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル、全ての種類の心臓ポンプまたは他の医療装置を設置することは、通常、経皮的血管アクセス、例えば大腿動脈への血管アクセスまたは腋窩動脈への血管アクセスを必要とする。一般に、前記医療装置を患者の血管系内に設置するために、最も低侵襲な手法が選ばれる。そのため、アクセスしようとする血管は医師には見えず、例えば皮下組織、筋膜および皮膚によって覆われている。医療装置を改めて除去する際には、拡張し開口した血管は好適な閉鎖装置によって閉鎖することになる。血管の、詳細には血管の管壁内の閉鎖しようとする開口部は、穴または穿孔と呼ばれることもある。
【0003】
しかし、血管の開口部のサイズまたは直径は医師には未知である。閉鎖装置は異なるサイズのものが利用可能ではあるものの、医師は「最善の推測」の手法によって適切な閉鎖装置を選ばなければならない。一般に、医師は血管アクセスの直径、および設置または除去しようとする医療装置の直径を考慮に入れて、適切な閉鎖装置を選ぶ。
【0004】
利用可能な情報は医師が適切な閉鎖装置を選ぶのに役立つものの、さらなる現象、すなわち弾性収縮力と呼ばれることもある、血管の拡張後のいわゆる「収縮」によって、医師の「最善の推測」の手法と血管の開口部の実際のサイズとの間に明らかな差が出ることがある。とりわけ、拡張した血管のこの収縮は、血管壁内のエラスチンの存在に依存する。エラスチンの量はさらに、血管ごとに、また大動脈への近さによって変動する。血管の石灰化または他の病理的要因によって、閉鎖しようとする開口部のサイズについてさらに複雑性および不確定性の度合いが増す。
【0005】
したがって、血管の収縮力が未知かつ可変であることにより、使用する装置に関する医師に利用可能な情報のみに基づいた「最善の推測」の手法について、明らかに不確定性が増す。さらに、血管の収縮力は未だ研究の対象ではなく、目下の研究で示されていることは、血管の収縮力の量および現れ方の違いは種々の内的要因および外的要因に左右されるということである。具体的には、ほとんど全ての研究、例えばブトゥイリら(Boutouyrie et al.) (2009), Artery Research, 3, 3-8は、弾性の測定に焦点を当てている。血管の弾性を測定するためには、パルス波解析を行うことができる。この測定は血管の一般的な「年齢」を特定するのには役立つが、そこから血管の開口部のサイズについていかなる具体的数値も導き出すことはできない。
【0006】
したがって、血管または血管の開口部の実際のサイズまたは直径に対する推測を、改善された根拠のあるものにできる器具を医師に提供することが求められている。血管は、具体的には動脈であってよい。加えて、学術研究において、血管の開口部の収縮力を研究してそれに関する知識を増大させる器具を提供することも求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、請求項1に記載の、血管の開口部のサイズまたは直径を検出するためのプローブによってこの問題を解決することである。さらなる実施形態は従属請求項にて記述する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
血管の開口部の開口サイズを検出するためのプローブは、第1の外径を有する第1の部分と、第1の部分に隣接する階段状部とを備える。階段状部は少なくとも第1の検出部と第2の検出部とを備える。第1の検出部は第2の外径を有し、第2の検出部は第3の外径を有する。第2の外径は第1の外径より大きく、第3の外径より小さい。
【0009】
したがって、血管の開口部の開口サイズを信頼性のある形で検出することが可能である。開口サイズは、血管の開口部の直径またはサイズである。検出しようとするサイズをどの検出部が完全にカバーするかに応じて、医師は検出しようとするおおよそのサイズについて直接的な情報を得る。
【0010】
好ましくは、階段状部はn≧3であるn個の検出部を備え、n個の検出部の各々は第(n+1)の外径を有し、第(n+1)の外径は第nの外径よりも大きい。したがって、複数の検出部を設けて、血管の開口部の複数の異なるサイズまたは直径を検出することができる。
【0011】
好ましくは、プローブは中心軸を有する細長の形状である。好ましくは、第1の部分から階段状部にわたる任意の位置におけるプローブの断面は、丸みのある形状、詳細には円形の形状である。好ましくは、プローブは、少なくとも第1の部分および階段状部について回転対称である。このようなプローブは容易に製造することができ、さらに血管内に容易に導入することができる。
【0012】
好ましくは、階段状部は第1の部分と第1の検出部との間に第1の移行部をさらに備え、第1の移行部は中央軸に対して非垂直に延在し、好ましくは第1の移行部は、第1の部分に対して傾斜した斜めの第1の移行部である。
【0013】
好ましくは、階段状部は第1の検出部と第2の検出部との間に第2の移行部をさらに備え、第2の移行部は中央軸に対して非垂直に延在し、好ましくは第2の移行部は、第1の検出部に対して傾斜した斜めの第2の移行部である。
【0014】
好ましくは、階段状部は第(n-1)の検出部と第nの検出部との間に第nの移行部をさらに備え、第nの移行部は中央軸に対して非垂直に延在し、好ましくは第nの移行部は、第(n-1)の検出部に対して傾斜した斜めの第nの移行部である。
【0015】
したがって、階段状部の各部分間の移行は円滑となっており、その結果階段状部を血管に対しておよび/または血管内で容易に移動させることができる。
【0016】
好ましくは、プローブは可撓であり、好ましくは弾性的に可撓である。プローブは好ましくはその外面においてPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEのうちの少なくとも1つを含み、および/または少なくとも部分的にPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEで構成されている。あるいは、プローブの本体部はその外面においてPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEのうちの少なくとも1つから作られ、および/または少なくとも部分的にPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEで構成されている。このことによって、可撓性および生体適合性を高くすることができる。さらに、これらの材料によって、プローブの外面と血管との間の摩擦係数を小さくすることができる。
【0017】
好ましくは、プローブは中央開口部をさらに備え、好ましくは中央開口部はプローブ全体にわたって延伸する。このことを通じて、プローブをガイドワイヤに沿って誘導することによりプローブを血管内に配置することが可能になる。特に、心臓ポンプを患者の心臓内に設置する際には、ガイドワイヤをまず血管内に導入し、心臓ポンプをガイドワイヤに沿って誘導して患者の心臓内に設置することが多い。したがって、プローブを同じガイドワイヤに沿って誘導して血管の開口部の直径を検出し、医師が好適な閉鎖装置を選ぶことを補助することができる。
【0018】
好ましくは、プローブは、第1の部分上に配置されるかまたは第1の部分に隣接して配置される球体をさらに備え、球体は第1の外径より大きい球体外径を有し、好ましくは球体は先細の球体である。球体は所定の球体外径を有し、それにより血管の開口部が所定の量拡張する。第1の部分の第1の外径は球体外径よりも小さいため、血管の開口部は、プローブをさらに血管内に押し込んだ際に、改めて収縮する場合がある。階段状部が当初球体によって拡張した領域に到達すると、拡張した領域の直径が検出可能であり、そのため血管の開口部の収縮力について結論を出すことができる。したがって、球体を備えるプローブは血管の収縮力に関する研究に好適である。
【0019】
好ましくは、球体外径は各々の検出部の第2の外径、第3の外径または第(n+1)の外径のうちの1つと同一である。そのため、プローブを押し込んだ際に血管の開口部が収縮したかどうかを評価することができる。例えば、球体外径が第3の検出部の第4の外径と同一である場合、収縮が起こらなかったならば第3の検出部が血管の開口部を完全に閉鎖すると想定できる。しかし、収縮が起これば、上記の閉鎖より先に第1の検出部または第2の検出部が血管の開口部を完全に閉鎖することになる。
【0020】
好ましくは、球体は第1の部分と一体的に形成されているか、第1の部分の軸方向の自由端に着脱可能に取り付けられるように構成されている。したがって、個別の血管に関する特定の必要に応じて血管を所定の程度拡張可能にするために、球体外径が異なるプローブ一式または球体外径が異なる様々な球体を提供することができる。
【0021】
好ましくは、球体は第1の部分と同軸にかつ第1の部分から離れて延在する導入部を備え、導入部は球体外径より小さい導入部外径を有し、好ましくは導入部外径は第1の外径と同一である。導入部によって、プローブを血管内に配置することが容易になる。
【0022】
好ましくは、プローブは、階段状部の外周面の液体を検出するように構成された検知機構を備える。このことにより、階段状部の外周面の血液を検出することが可能となり、したがって医師には各々の血管の対象の直径を検出する際の補助がもたらされる。
【0023】
好ましくは、検知機構は各々の検出部の外周面の液体を別個に検出するように構成されている。検知機構の出力に基づいて、医師は複数の検出部のうちのいずれが血管の対象の開口部を目下完全に閉鎖しているのかを認識する。例えば、第2の検出部が血管の対象の開口部を完全に閉鎖している場合、液体は第1の検出部の外周面でのみ検出され、第2の検出部の外周面では検出されない。このように、血管の対象の開口部は第2の検出部によって完全に閉鎖されている。したがって、血管の対象の開口部は第3の外径に実質的に相当しているという結論を出すことができる。
【0024】
検知機構は第1の検出部の外周面の液体を検出するように構成された第1の液体センサを備えることができ、および/または検知機構は第2の検出部の外周面の液体を検出するように構成された第2の液体センサを備えることができ、および/または検知機構は第nの検出部の外周面の液体を検出するように構成された第nの液体センサを備えることができる。
【0025】
好ましくは、液体センサの数は検出部の数と等しい。
【0026】
あるいは、検知機構は第1の検出部の外周面に開口している第1の導管を備えることができ、好ましくは第1の導管はプローブを貫いて第1の部分から離れる方向に延伸する。第1の検出部の外周面を包囲する液体(すなわち血液)は第1の導管に入ることができ、血液の「逆流」を発生させて、血液が第1の検出部を包囲していることを医師に対して視覚化することができる。そのため、医師は、第1の検出部が血管の対象の開口部を完全には閉鎖していないとの結論を出すことができる。
【0027】
検知機構は第2の検出部の外周面に開口している第2の導管を備えることができ、第2の導管はプローブを貫いて第1の部分から離れる方向に延伸する。検知機構は第nの検出部の外周面に開口している第nの導管を備えることができ、第nの導管はプローブを貫いて第1の部分から離れる方向に延伸する。そのため、例えば第3の検出部が血管の対象の開口部を完全に閉鎖する場合、逆流が第1の導管および第2の導管で起こるが、第3の導管または任意の後続の導管では起こらない。したがって、血液の逆流により、どの検出部が血管の対象の開口部を完全に閉鎖しているのかが医師に対して視覚化される。
【0028】
少なくとも階段状部は伸長可能であるように構成されてよく、階段状部が完全に縮まり重なった際には、第1の検出部は少なくとも部分的には第2の検出部の内径内に配置されうる。第(n-1)の検出部は少なくとも部分的には第nの検出部の内径内に配置されうる。このように、階段状部は望遠鏡の円筒のように構成することができる。血管の収縮力を検出するために、完全に縮め重ねた階段状部を血管内または血管の開口部にそれぞれ配置する。次に、最も外側の検出部、すなわち最大の外径を有する検出部を、階段状部を部分的に拡張させる形で血管内から外に引き出す。液体がこの時の半径方向で最も外側の検出部を包囲している場合、血管または血管の開口部の収縮は全くまたは殆ど発生していない。液体がこの時の最も外側の検出部を全く包囲していない場合、収縮が発生している。よって、次の検出部を血管内から外に引き出す形で階段状部をもう一段階拡張させ、液体がその時の最も外側の検出部を包囲しているか否かを再度モニタリングする。
【0029】
好ましくは、第3の外径は、第2の外径よりも少なくとも1フレンチ大きい。好ましくは、第(n+1)の外径は、第nの外径よりも少なくとも1フレンチ大きい。フレンチスケールは、カテーテルまたは閉鎖装置などの医療装置のサイズを測定するために一般に用いられている。1フレンチの刻みを用いることは、以上のように検出した血管の開口部の開口サイズを、正しい閉鎖装置を選ぶためにそのまま転用可能なので、有益である。当然ながら、異なるスケール、または例えば0.5フレンチもしくは1.5フレンチの異なる刻みを用いることも可能である。
【0030】
以上の概略および以下の例示的な実施形態の詳細な説明は、添付の図面とともに読んだ場合によりよく理解されよう。本開示を説明する目的で、図面への参照を行う。しかし、開示の範囲は図面に開示した特定の実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】人体の血管の概略図である。
図2】第1の実施形態によるプローブの概略側面図である。
図3】第1の実施形態による、検知機構を有するプローブの概略断面図である。
図4】第2の実施形態による、検知機構を有するプローブの概略断面図である。
図5】第2の実施形態によるプローブの概略側面図である。
図6a】第3の実施形態によるプローブの第1の概略側面図である。
図6b図6aに示すプローブの第2の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は人体Bの概略図を示す。図中で、右腋窩動脈RAA、左腋窩動脈LAA、右大腿動脈RFAおよび左大腿動脈LFAを概略的に示す。これらの動脈は大動脈AOに開口し、大動脈AOは心臓Hに開口している。医療装置を血管系または心臓内に設置するには、血管アクセスが必要である。したがって、医師は血管の開口部Oを通してイントロデューサシースを血管系に経皮的に導入する。図1の図示した例では、開口部Oは右大腿動脈RFAに設けられ、設置しようとする医療装置は、持続的なポンプ動作により通常の心臓ポンプ機能を補助または代替する心臓ポンプであってよい。一般に、そのような心臓ポンプは最も低侵襲な手法を用いて設置される。
【0033】
カテーテル心臓ポンプまたは血管内心臓ポンプなどの心臓ポンプを設置するために、医師は通常ガイドワイヤGWを右大腿動脈RFAの開口部Oから導入し、上行大動脈AOを通じて当該物を心臓Hの左心室内に押し込む。次いで、心臓ポンプをガイドワイヤGWに沿って、上行大動脈AOを通じて心臓Hの左心室に誘導する。したがって、心臓ポンプは右大腿動脈RFAの開口部Oを通過しなければならず、この開口部Oは、心臓ポンプが支障なく右大腿動脈RFA内に導入可能となるように半径が十分に大きくなければならない。
【0034】
心臓ポンプまたは医療装置を患者の心臓Hから除去した後は、開口部Oを例えば好適な閉鎖装置によって閉鎖する必要がある。本手法は最も低侵襲であるため、開口部Oは患者の皮下組織、筋膜および皮膚に覆われて見えない。開口部Oのサイズまたは直径を評価するために、医師は、図2図6bに概略的に示し、以下でより詳細に説明するプローブ10、100、110を用いることができる。
【0035】
図2は、第1の実施形態によるプローブ10の側面図を概略的に示す。プローブ10は第1の部分12および階段状部14を有する本体部を備える。プローブ10は細長の形状であり、中央軸Xを有する。図に示す実施形態では、プローブ10は回転対称であり、プローブの本体部はその全体がPTFEなどの弾性的に可撓な材料で構成されている。当然ながら、プローブ10の本体部は別の材料で構成してもよく、または第2の材料で被覆した基材で構成してもよい。
【0036】
階段状部14は第1の部分12に直接隣接する。第1の部分12は、例えば8フレンチの第1の外径D1を有する。この実施形態では、階段状部は6つの検出部16~26を備える。第1の検出部16は、例えば9フレンチの第2の外径D2を有する。第2の検出部18は、例えば10フレンチの第3の外径D3を有する。第3の検出部20は、例えば11フレンチの第4の外径D4を有する。第4の検出部22は、例えば12フレンチの第5の外径D5を有する。第5の検出部24は、例えば13フレンチの第6の外径D6を有する。第6の検出部26は、例えば14フレンチの第7の外径D7を有する。ここでは6つの検出部16~26を示しているものの、プローブ10は2つの検出部のみ、または6つより多い検出部を有することもできる。さらに、検出部の直径は、例えば0.5フレンチまたは2フレンチの刻みで変化してもよい。
【0037】
階段状部14は第1の部分12と第1の検出部16とを接続する斜めの第1の移行部28をさらに備える。第1の移行部28は第1の部分12に対して傾斜しており、したがって中央軸Xに対して非垂直に延在する。したがって、第1の移行部28は第1の部分12と第1の検出部16とを円滑に接続する連続した部分を形成する。同様に階段状部は、第1の検出部16と第2の検出部18とを円滑に接続する斜めの第2の移行部30と、第2の検出部18と第3の検出部20とを円滑に接続する斜めの第3の移行部32と、第3の検出部20と第4の検出部22とを円滑に接続する斜めの第4の移行部34と、第4の検出部22と第5の検出部24とを円滑に接続する斜めの第5の移行部36と、第5の検出部24と第6の検出部26とを円滑に接続する第6の移行部38とを備える。
【0038】
プローブ10は、図3および図4に示すように中央開口部40をさらに備える。中央開口部40はガイドワイヤGWを受け入れることで、プローブ10を、ガイドワイヤGWに沿って誘導することにより、血管の開口部Oに挿入して配置できるように構成されている。
【0039】
第1の検出部16から第5の検出部24までの各々の、軸方向の寸法は等しくてよく、例えば10フレンチであってよい。第6の検出部26は、残りのプローブ10に沿って第1の部分12の反対側の軸端部まで軸方向に延在してよい。当然ながら、第6の検出部26の隣に、直径が第6の検出部26の第7の外径D7と異なるさらなる部分を設けることができる。第1の部分12の軸方向の寸法は例えば15から20フレンチであってよい。さらに、第1の部分12は球状の軸方向の自由端を備えてよく、これによりプローブ10を血管の開口部Oに導入することが容易になる。
【0040】
さらに、プローブ10は、階段状部14の外周面の液体を検出するように構成された検知機構46、146を備えることができる。詳細には、検知機構46、146は、検出部16~26の各々の外周面の液体(すなわち血液)を検出するように構成されている。
【0041】
図3は、検知機構46の第1の実施形態を示す。検知機構46は、第1の検出部16の外周面48を包囲する液体(すなわち血液)を検出するように構成された第1の液体センサ60と、第2の検出部18の外周面50を包囲する液体(すなわち血液)を検出するように構成された第2の液体センサ62と、第3の検出部20の外周面52を包囲する液体(すなわち血液)を検出するように構成された第3の液体センサ64と、第4の検出部22の外周面54を包囲する液体(すなわち血液)を検出するように構成された第4の液体センサ66と、第5の検出部24の外周面56を包囲する液体(すなわち血液)を検出するように構成された第5の液体センサ68と、第6の検出部26の外周面58を包囲する液体(すなわち血液)を検出するように構成された第6の液体センサ70とを備える。
【0042】
図3に示すように、液体センサ60~70の各々は、各々対応する検出部16~26の外周面48~58と同一平面をなすように配置されている。液体センサ60~70は、各々対応する検出部16~26の外周面48~58を包囲する液体(すなわち血液)の存在を互いに独立して検出するように構成されている。換言すると、プローブ10を血管内に配置した際に、血液が第1の検出部16および第2の検出部18のみを包囲し、残りの検出部20~26はいずれも包囲しない場合、各々についての信号が発信されて、血液は第1の検出部16および第2の検出部18の外周面48、50のみを包囲していることが医師に知らされる。
【0043】
発信された信号を伝達するために、液体センサ60~70は信号伝達用のケーブルアセンブリ72に接続している。ケーブルアセンブリ72は、中央開口部40に沿って案内される単独の中央ケーブルを備えてもよい。しかし、ケーブルアセンブリ72は任意の好適な設計であってよい。
【0044】
プローブ10が右大腿動脈RFAなどの血管の開口部O内に導入されると、血液が検出部16~26の外周面48~58を包囲する。血液の存在は液体センサ60~70によって検出されることになる。検出部16~26の1つが血管の対象の開口部の開口サイズを完全に閉鎖する場合、その各検出部およびその後続の(つまりより大きい)検出部全てに関して信号は全く発信されない。したがって、このとき対象のサイズまたは直径を完全に閉鎖する各検出部16~26の直径D2~D7が医師には分かっているため、このとき医師は例えば血管の開口部Oの対象の開口サイズまたは直径について直接結論を出すことができる。
【0045】
図4は検知機構146の第2の実施形態を示す。第2の実施形態による検知機構146は複数の導管74~84を備える。詳細には、検知機構146は、第1の検出部16の外周面48に開口している第1の導管74を備える。第1の導管74は、中央軸Xに平行に第1の部分12から離れる方向にプローブ10内を通って延伸する。検知機構146は、第2の検出部18の外周面50に開口している第2の導管76を備える。第2の導管76は、中央軸Xに平行に第1の部分12から離れる方向にプローブ10内を通って延伸する。検知機構146は、第3の検出部20の外周面52に開口している第3の導管78を備える。第3の導管78は、中央軸Xに平行に第1の部分12から離れる方向にプローブ10内を通って延伸する。検知機構146は、第4の検出部22の外周面54に開口している第4の導管80を備える。第4の導管80は、中央軸Xに平行に第1の部分12から離れる方向にプローブ10内を通って延伸する。検知機構146は、第5の検出部24の外周面56に開口している第5の導管82を備える。第5の導管82は、中央軸Xに平行に第1の部分12から離れる方向にプローブ10内を通って延伸する。検知機構146は、第6の検出部26の外周面58に開口している第6の導管84を備える。第6の導管84は、中央軸Xに平行に第1の部分12から離れる方向にプローブ10内を通って延伸する。
【0046】
全ての導管74~84は、自らの中を血液が流れることが可能になるように構成されている。したがって、第2の実施形態による検知機構146を備えるプローブ10が血管内に導入されると、血管内の血圧がより高いために、血液が導管74~84中を流れることが可能である。各々の導管74~84の端部で発生する各々の「逆流」によって、検出部16~26のいずれが血液に包囲されているかが医師に知らされる。いくつかまたは全ての導管74~84について「逆流」が全く発生しない場合、このとき対象の開口サイズまたは直径を完全に閉鎖する各検出部16~26の直径D2~D7が医師には分かっているため、医師は例えば血管の開口部Oの対象の開口サイズまたは直径について直接結論を出すことができる。
【0047】
図5は第2の実施形態によるプローブ100の概略側面図を示す。第2の実施形態によるプローブ100は、先細の球体42が設けられている点で第1の実施形態によるプローブ10と異なる。この実施形態では、先細の球体42は第1の部分12に配設されて、第1の部分12と一体的に形成される。当然ながら、球体42は、例えばそれぞれのねじ込みによって着脱可能であるように構成されてもよい。
【0048】
球体42は横から見た際に楕円様形状であるように先細になっている。さらに、球体42は、第1の部分12と同軸であり第1の部分12から離れて延在する導入部44を備える。導入部44は、第1の部分12の第1の外径D1と同一である導入部外径DIPを有する。さらに、導入部44はその軸方向の自由端において球状であって、プローブ100を血管内に導入することが容易になる。
【0049】
球体42は第1の径D1より大きい球体外径DSを有する。この実施形態では、球体42は、第3の検出部20の第4の外径D4と同一である、例えば11フレンチの球体外径DSを有する。
【0050】
当然ながら、第2の実施形態によるプローブ100は、図3および図4に示す検知機構46、146を備えてよい。
【0051】
第2の実施形態によるプローブ100は、第1の実施形態によるプローブ10と同様に用いることができるものの、第2の実施形態によるプローブ100の主たる目的は、血管の開口部Oの収縮力を評価することである。したがって、プローブ100が血管内に導入され、球体42が血管の開口部Oを既知の直径、すなわち球体外径DSだけ拡張させる。したがって、球体外径DSは血管の開口部Oを拡張させるのに十分な大きさである必要がある。
【0052】
プローブ100をさらに血管内に押し込むと、検出部16~26の1つが血管の開口部Oを完全に閉鎖することになる。外径D2~D7が球体外径DSと同一である検出部16~26の1つが血管の開口部Oを完全に閉鎖した場合、収縮はほぼ起こっていない。外径D2~D7が球体外径DSよりも小さい検出部16~26の1つが血管を完全に閉鎖した場合、一定量の収縮、つまり球体外径DSと血管の開口部Oを完全に閉鎖する検出部16~26の1つの外径D2~D7との差が発生している。
【0053】
そのため、このとき医師は血管の開口部Oの収縮力について結論を出すことができる。
【0054】
図6aおよび図6bは第3の実施形態によるプローブ110を示す。この実施形態では、階段状部114は、第1の実施形態によるプローブ10および第2の実施形態によるプローブ100と異なっている。階段状部114は伸長可能であり、詳細には中央軸Xと平行な方向に伸長可能であるように構成されている。詳細には、検出部116~126は互いに縮め重ねることが可能であり、それにより階段状部114は図6aに見られる望遠鏡の円筒のように構成されている。詳細には、完全に縮まり重なった状態では、第1の検出部116は少なくとも部分的に他の検出部118~126の内径内に配置される。したがって、第2の検出部118は、階段状部114が完全に縮まり重なった状態において、少なくとも部分的に第3の検出部120および後続の検出部122~126の内径内に配置される。第3の検出部120は、少なくとも部分的に第4の検出部122、第5の検出部124および第6の検出部126の内径内に配置される。第4の検出部122は、少なくとも部分的に第5の検出部124および第6の検出部の内径内に配置される。第5の検出部124は、少なくとも部分的に第6の検出部126の内径内に配置される。第6の検出部126は半径方向の最も外側の検出部である。
【0055】
血管の開口部Oの収縮力を評価するために、プローブ110を完全に縮まり重なった状態で血管内に配置し、それにより、第6の検出部126が血管の開口部O内に配置され、また血管の開口部Oよりも大きい外径D7を有するため、血管の開口部Oは拡張する。次に、階段状部114を検出部ごとに伸長させる。まず、第6の検出部126を他の検出部116~124および第1の部分12に対して動かす。第6の検出部126が残りの検出部に対して動いて部分的に伸長した階段状部114を図6bに示す。
【0056】
血管の開口部Oの収縮が発生した場合、第5の検出部124が血管の開口部Oを完全に閉鎖している。その場合、第5の検出部124および第6の検出部126を残りの検出部および第1の部分12に対して動かす形で階段状部114をさらに伸長させる。再び血管の開口部Oの収縮が発生した場合、第4の検出部122が血管の開口部Oを完全に閉鎖している。医師は、例えば上述のような検知機構46、146によって血流が検出されるまで、引き続き階段状部114を検出部ごとに伸長させる。このことにより、血管の開口部Oの収縮力について直接結論を出すことができる。
【0057】
プローブ10、100、110および検知機構46、146の上述の実施形態は組合せ可能であることに留意されたい。例えば、伸長可能な階段状部114を備えるプローブ110は、追加して球体42および/または検知機構46、146を備えてよい。
【0058】
例示的な実施
既に述べたように、本明細書で記述した技術は種々の方法で実施することができる。その点で、上記の開示は、下記の例示的な実施に記載するシステム、方法ならびにこれらの組合せおよびサブコンビネーションを含むが、それらに限定されないものとする。好ましい実施形態は、以下の項に記述する。
【0059】
A1
血管の開口部の開口サイズを検出するためのプローブであって、
第1の外径を有する第1の部分と、
第1の部分に隣接する階段状部と
を備え、階段状部は、少なくとも第1の検出部と第2の検出部とを備え、第1の検出部は第2の外径を有し、第2の検出部は第3の外径を有し、
第2の外径は第1の外径より大きく、第3の外径より小さい、プローブ。
【0060】
A2
項A1に記載のプローブであって、階段状部はn≧3であるn個の検出部を備え、n個の検出部の各々は第(n+1)の外径を有し、第(n+1)の外径は第nの外径より大きいプローブ。
【0061】
A3
項A1またはA2に記載のプローブであって、中心軸を有する細長の形状であるプローブ。
【0062】
A4
項A3に記載のプローブであって、階段状部は第1の部分と第1の検出部との間に第1の移行部をさらに備え、第1の移行部は中央軸に対して非垂直に延在し、好ましくは第1の移行部は第1の部分に対して傾斜した斜めの第1の移行部であるプローブ。
【0063】
A5
項A3またはA4に記載のプローブであって、階段状部は各々の検出部の間に移行部をさらに備え、移行部は中央軸に対して非垂直に延在し、好ましくは移行部は検出部に対して傾斜した斜めの移行部であるプローブ。
【0064】
A6
項A1からA5のいずれか1項に記載のプローブであって、可撓であり、好ましくは弾性的に可撓であるプローブ。
【0065】
A7
項A1からA6のいずれか1項に記載のプローブであって、中央開口部をさらに備え、好ましくは中央開口部はプローブ全体にわたって延伸するプローブ。
【0066】
A8
項A1からA7のいずれか1項に記載のプローブであって、第1の部分上に配置されるかまたは第1の部分に隣接して配置される球体をさらに備え、球体は第1の外径より大きい球体外径を有し、好ましくは球体は先細の球体であるプローブ。
【0067】
A9
項A8に記載のプローブであって、球体は第1の部分と一体的に形成されているか、または第1の部分の軸方向の自由端に着脱可能に取り付けられるように構成されているプローブ。
【0068】
A10
項A8またはA9に記載のプローブであって、球体は第1の部分と同軸にかつ第1の部分から離れて延在する導入部を備え、導入部は球体外径より小さい導入部外径を有し、好ましくは導入部外径は第1の外径と同一であるプローブ。
【0069】
A11
項A1からA10のいずれか1項に記載のプローブであって、階段状部の外周面の液体を検出するように構成された検知機構を備えるプローブ。
【0070】
A12
項A11に記載のプローブであって、検知機構は各々の検出部の外周面の液体を別個に検出するように構成されているプローブ。
【0071】
A13
項A11またはA12に記載のプローブであって、検知機構は各々の検出部の外周面の液体を検出するように構成された液体センサを備え、好ましくは液体センサの数は検出部の数と等しいプローブ。
【0072】
A14
項A11からA13のいずれか1項に記載のプローブであって、検知機構は第1の検出部の外周面に開口している第1の導管を備え、好ましくは第1の導管はプローブを貫いて第1の部分から離れる方向に延伸するプローブ。
【0073】
A15
項A11からA14のいずれか1項に記載のプローブであって、検知機構は第2の検出部の外周面に開口している第2の導管を備え、好ましくは第2の導管はプローブを貫いて第1の部分から離れる方向に延伸するプローブ。
【0074】
A16
項A11からA15のいずれか1項に記載のプローブであって、検知機構は第nの検出部の外周面に開口している第nの導管を備えてよく、好ましくは第nの導管はプローブを貫いて第1の部分から離れる方向に延伸するプローブ。
【0075】
A17
項A1から16のいずれか1項に記載のプローブであって、少なくとも階段状部は伸長可能であるように構成され、好ましくは、階段状部が完全に縮まり重なった際には、第1の検出部は少なくとも部分的には第2の検出部の内径内に配置されるプローブ。
【0076】
A18
項A1から17のいずれか1項に記載のプローブであって、第3の外径は、第2の外径よりも少なくとも1フレンチ大きいプローブ。
【0077】
A19
項A1から18のいずれか1項に記載のプローブであって、プローブはその外面においてPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEのうちの少なくとも1つを含み、および/または少なくとも部分的にPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEで構成されており、あるいは、プローブの本体部はその外面においてPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEのうちの少なくとも1つから作られ、および/または少なくとも部分的にPTFE、PTFEP、PVDF、FEP、PFA、ETFE、ECTFE、PPSU、PEEK、Forbon、Torlon、Vespel、RadelもしくはUHMWPEで構成されているプローブ。
【0078】
A20
項A1からA19のいずれか1項に記載のプローブであって、第1の部分から階段状部にわたる任意の位置におけるプローブの断面は、丸みのある形状、詳細には円形の形状であるプローブ。
【0079】
A21
項A1からA20のいずれか1項に記載のプローブであって、少なくともプローブの第1の部分および階段状部は回転対称であるプローブ。
【0080】
A22
項A1からA21のいずれか1項に記載のプローブによって血管の開口部の開口サイズを検出する方法であって、
プローブを血管内に配置するステップと、
階段状部を血管に対して動かすステップと、
階段状部を動かしながら血流を検出するステップと
を含む方法。
【符号の説明】
【0081】
10、100、110 プローブ、 12 第1の部分、 14、114 階段状部、 16、116 第1の検出部、 18、118 第2の検出部、 20、120 第3の検出部、 22、122 第4の検出部、 24、124 第5の検出部、 26、126 第6の検出部、 28 第1の移行部、 30 第2の移行部、 32 第3の移行部、 34 第4の移行部、 36 第5の移行部、 38 第6の移行部、 40 中央開口部、 42 球体、 44 導入部、 46、146 検知機構、 48 第1の検出部の外周面、 50 第2の検出部の外周面、 52 第3の検出部の外周面、 54 第4の検出部の外周面、 56 第5の検出部の外周面、 58 第6の検出部の外周面、 60 第1の液体センサ、 62 第2の液体センサ、 64 第3の液体センサ、 66 第4の液体センサ、 68 第5の液体センサ、 70 第6の液体センサ、 72 ケーブルアセンブリ、 74 第1の導管、 76 第2の導管、 78 第3の導管、 80 第4の導管、 82 第5の導管、 84 第6の導管、 AO 大動脈、 B 体、 D1 第1の外径、 D2 第2の外径、 D3 第3の外径、 D4 第4の外径、 D5 第5の外径、 D6 第6の外径、 D7 第7の外径、 DIP 導入部外径、 DS 球体外径、 GW ガイドワイヤ、 H 心臓、 LAA 左腋窩動脈、 LFA 左大腿動脈、 O 開口部、 RAA 右腋窩動脈、 RFA 右大腿動脈、 X 中央軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
【国際調査報告】