(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】現場で構成可能であり、交換可能であり、反転可能である、流体塗布システムのための押出機アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B05C 5/02 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
B05C5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536421
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022081668
(87)【国際公開番号】W WO2023122478
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ウェイン ボルヤード,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】メル スティーブン レスリー
【テーマコード(参考)】
4F041
【Fターム(参考)】
4F041AA12
4F041AA13
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA13
4F041CA03
(57)【要約】
押出機アセンブリは、入口ダイ、出口ダイ、及び1つ以上のシムを備えることができる。出口ダイは、流体アプリケータシステムと結合することができ、入口ダイは、出口ダイに流入し、シムを通り、出口ダイ、入口ダイ、及びシムから流出する接着剤を、第1の方向に移動するウェブ又はストランド上に方向付けるために、システムの本体から離れる方向に面する。入口ダイは、システムの本体と結合することができ、出口ダイは、第2の反対の方向に移動するウェブ又はストランド上に接着剤を方向付けるために、本体から離れる方向に面する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機アセンブリであって、
1つ以上の第1の開口部を含む入口ダイと、
1つ以上の第2の開口部を含む出口ダイと、
前記入口ダイと前記出口ダイとの間に配設された1つ以上のシムであって、1つ以上のチャネルを含む1つ以上のシムと、
を備え、
流体接着剤であって、前記出口ダイ内に流入し、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルを通り、前記出口ダイ、前記入口ダイ、及び前記1つ以上のシムから流出する流体接着剤を、前記入口ダイ及び前記出口ダイに対して第1の方向に移動する第1の材料のウェブ又はストランド上に方向付けるために、前記出口ダイは、前記入口ダイが流体アプリケータシステムの本体から離れる方向に面しつつ、前記流体アプリケータシステムの前記本体と結合されるように構成され、
前記流体接着剤であって、前記入口ダイ内に流入し、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルを通り、前記入口ダイ、前記出口ダイ、及び前記1つ以上のシムから流出する前記流体接着剤を、前記入口ダイ及び前記出口ダイに対して第2の方向に移動する第2の材料のウェブ又はストランド上に方向付けるために、前記入口ダイも、前記出口ダイが前記流体アプリケータシステムの前記本体から離れる方向に面しつつ、前記流体アプリケータシステムの前記本体と結合されるように構成される、
押出機アセンブリ。
【請求項2】
前記入口ダイは、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルに流体結合される1つ以上のチャネルであって、前記流体接着剤が流れる1つ以上のチャネルを含む、請求項1に記載の押出機アセンブリ。
【請求項3】
前記出口ダイは、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルに流体結合される1つ以上のチャネルであって、前記流体接着剤が流れる1つ以上のチャネルを含む、請求項1に記載の押出機アセンブリ。
【請求項4】
前記入口ダイ及び前記出口ダイは、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部が前記出口ダイの前記1つ以上の第2の開口部と同軸となるように、互いに結合される、請求項1に記載の押出機アセンブリ。
【請求項5】
前記入口ダイ及び前記出口ダイのそれぞれは、雌ねじを有する1つ以上の締結具開口部を含み、
前記押出機アセンブリは更に、
前記入口ダイ又は前記出口ダイのうちの一方の前記1つ以上の締結具開口部内に挿入されるように構成された1つ以上のねじ付き締結具であって、前記入口ダイ、前記1つ以上のシム、及び前記出口ダイを高速切替え構成で共にクランプするために、前記入口ダイ又は前記出口ダイのうちの前記1つ以上のねじ付き締結具が挿入されたほうを通って延びるように、かつ、前記入口ダイ又は前記出口ダイのうちの他方の前記1つ以上の締結具開口部の前記雌ねじに係合するように、構成された1つ以上のねじ付き締結具、
を備える、請求項1に記載の押出機アセンブリ。
【請求項6】
更に、
前記1つ以上の第1の開口部のうちの少なくとも1つ又は前記1つ以上の第2の開口部のうちの少なくとも1つの中に配置されるように構成された1つ以上のプラグを備え、前記1つ以上のプラグは内部導管を含み、前記内部導管を通って前記流体接着剤が、前記入口ダイ又は前記出口ダイから前記1つ以上のプラグを通り前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネル内に流れる、
請求項1に記載の押出機アセンブリ。
【請求項7】
前記1つ以上のプラグのそれぞれは、プラグヘッドから入口端部まで延ばされており、前記プラグヘッドは、前記入口ダイ又は前記出口ダイの外面に係合するように構成され、前記入口端部は、前記流体アプリケータから前記流体接着剤を受けるように構成される、請求項6に記載の押出機アセンブリ。
【請求項8】
更に、
前記入口ダイ又は前記出口ダイと結合するように、かつ、前記1つ以上のプラグを前記入口ダイ又は前記出口ダイに固定するように、構成された1つ以上のプラグ締結具、
を備える、請求項6に記載の押出機アセンブリ。
【請求項9】
方法であって、
押出機アセンブリを接着剤アプリケータシステムのアプリケータヘッドに取り付けることであって、前記押出機アセンブリは、1つ以上のチャネルを有する1つ以上のシムを、1つ以上の第1の開口部を有する入口ダイと1つ以上の第2の開口部を有する出口ダイとの間に有しており、前記1つ以上のシムは、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルが前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部又は前記出口ダイの前記1つ以上の第2の開口部に流体結合されつつ、前記入口ダイと前記出口ダイとの間に位置決めされており、前記1つ以上のシムは、流体接着剤を、前記アプリケータヘッドから、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部又は前記出口ダイの前記1つ以上の第2の開口部を介して、前記入口ダイ及び前記出口ダイの下方を第1の方向に移動する第1の材料のウェブ又はストランド上に方向付けるように向けられている、押出機アセンブリを取り付けることと、
前記1つ以上のシムを前記入口ダイと前記出口ダイとの間から取り外すことと、
前記アプリケータヘッドに対する前記入口ダイ及び前記出口ダイの位置を切り替えることと、
前記入口ダイ及び前記出口ダイの位置を切り替えた後に、前記入口ダイ、前記1つ以上のシム、及び前記出口ダイを前記アプリケータヘッドと結合することと、
を含み、
前記流体接着剤を、前記入口ダイ及び前記出口ダイの下方を第2の方向に移動する第2の材料のウェブ又はストランド上に方向付けるために、前記入口ダイ、前記1つ以上のシム、及び前記出口ダイが前記アプリケータヘッドと結合される、
方法。
【請求項10】
更に、
1つ以上のプラグ締結具を前記入口ダイの1つ以上の第3の開口部内に挿入することであって、前記1つ以上のプラグ締結具は、1つ以上の内部プラグを前記出口ダイに対して固定するために前記入口ダイの前記1つ以上の第3の開口部内に挿入される、1つ以上のプラグ締結具を挿入することと、
前記1つ以上のプラグ締結具を前記入口ダイの前記1つ以上の第3の開口部から取り外すことと、
前記1つ以上のプラグ締結具を前記出口ダイの1つ以上の第4の開口部内に挿入することであって、前記1つ以上のプラグ締結具は、前記1つ以上の内部プラグを前記入口ダイに対して固定するために前記出口ダイの前記1つ以上の第4の開口部内に挿入される、前記1つ以上のプラグ締結具を挿入することと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のプラグ締結具を前記入口ダイの前記1つ以上の第3の開口部内に挿入することにより、前記1つ以上の内部チャネルプラグの内部チャネルが前記入口ダイの1つ以上の内部導管と位置合わせされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のプラグ締結具を前記入口ダイの前記1つ以上の第4の開口部内に挿入することにより、前記1つ以上の内部チャネルプラグの内部チャネルが前記出口ダイの1つ以上の内部導管と位置合わせされる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
更に、
1つ以上のダイ締結具を前記入口ダイの1つ以上の第3の開口部内に挿入することであって、前記1つ以上のダイ締結具は、前記入口ダイを前記出口ダイに固定するために前記入口ダイの前記1つ以上の第3の開口部内に挿入される、1つ以上のダイ締結具を挿入することと、
前記1つ以上のダイ締結具を前記入口ダイの前記1つ以上の第3の開口部から取り外すことと、
前記1つ以上のダイ締結具を前記出口ダイの1つ以上の第4の開口部内に挿入することであって、前記1つ以上のダイ締結具は、前記出口ダイを前記入口ダイに固定するために前記出口ダイの前記1つ以上の第4の開口部内に挿入される、前記1つ以上のダイ締結具を挿入することと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
ホットメルト接着性流体アプリケータシステムのためのリバーシブル押出機アセンブリであって、
1つ以上の第1の開口部及び1つ以上の第1の内部チャネルを含む入口ダイと、
1つ以上の第2の開口部及び1つ以上の第2の内部チャネルを含む出口ダイと、
1つ以上の第3の内部チャネルを有する1つ以上のシムであって、前記1つ以上のシムの前記1つ以上の第3の内部チャネルが前記入口ダイの前記1つ以上の第1の内部チャネル及び前記出口ダイの前記1つ以上の第2の内部チャネルに流体結合されつつ、前記入口ダイと前記出口ダイとの間に位置決めされるように構成された1つ以上のシムと、
を備える、押出機アセンブリ。
【請求項15】
前記入口ダイ、前記出口ダイ、及び前記1つ以上のシムは、前記入口ダイ及び前記出口ダイの下方を第1の方向に移動する第1の材料のウェブ又はストランド上にホットメルト接着剤を分配するために、共に結合されて第1の構成になるように構成される、請求項14に記載の押出機アセンブリ。
【請求項16】
前記入口ダイ、前記出口ダイ、及び前記1つ以上のシムは、前記入口ダイ及び前記出口ダイの下方を第2の方向に移動する第2の材料のウェブ又はストランド上に前記ホットメルト接着剤を分配するために、共に結合されて第2の構成になるように構成される、請求項15に記載の押出機アセンブリ。
【請求項17】
前記入口ダイ及び前記出口ダイは、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部が前記出口ダイの前記1つ以上の第2の開口部と同軸となるように、互いに結合される、請求項14に記載の押出機アセンブリ。
【請求項18】
更に、
前記1つ以上のプラグを前記入口ダイに固定するために前記入口ダイの1つ以上の第3の開口部内に挿入されるように構成された1つ以上のプラグ締結具であって、前記1つ以上のプラグを前記出口ダイに固定するために前記出口ダイの1つ以上の第4の開口部内に挿入されるようにも構成された1つ以上のプラグ締結具、
を備える、請求項14に記載の押出機アセンブリ。
【請求項19】
前記1つ以上のプラグのそれぞれは、プラグヘッドから開放端状のプラグ端部まで延ばされており、前記開放端状のプラグ端部は、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部内に挿入されるように、かつ、前記開放端状のプラグ端部を介して前記1つ以上のプラグの前記1つ以上の第3の内部チャネル内にホットメルト接着剤を受けるように位置決めされるように、構成される、請求項18に記載の押出機アセンブリ。
【請求項20】
前記1つ以上のプラグの前記1つ以上の第3の内部チャネルは、前記1つ以上のプラグの前記1つ以上の第3の内部チャネルを前記入口ダイの前記1つ以上の第1の内部チャネル又は前記出口ダイの前記1つ以上の第2の内部チャネルに位置合わせする屈曲部を含む、請求項18に記載の押出機アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮特許出願第63/291,554号(2021年12月20日に出願)の優先権を主張する米国特許出願第18/066,227号(2022年12月14日に出願)の優先権を主張するものであり、これらの全内容は、引用することにより本開示の一部をなす。
【0002】
背景
技術分野
本開示に記載の主題は、ホットメルト接着剤を分配(分注)する押出機等の押出機に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の説明
流体塗布システムは、流体を物品に塗布する、例えばホットメルト接着剤を材料のウェブ又はストランドに塗布する、モジュール式ノズルを備えることができる。ウェブ又はストランドは、糊又は糊繊維等の接着剤を用いて不織布に結合させることができる。ウェブ又はストランドは、接着剤塗布装置上のノズルを通過させて供給することができる。ノズルは、糊又は糊繊維を放出することができる複数の開口部を備えることができる。いくつかのノズルにおいては、ウェブ又はストランドがノズルを通過するときに糊繊維がそれぞれのウェブ又はストランドにわたって揺れ動くように糊繊維の塗布を制御するために、空気等の第2の流体を別個の出口を通して放出することができる。
【0004】
接着剤塗布システムは、接触ノズル又は非接触ノズルのいずれかを用いてウェブ又はストランドに接着剤を塗布することができる。接触ノズルは、材料のウェブ等の基材に糊が供給されるときに、基材上に一定量の糊を放出する。ウェブに糊が供給されるとき、ウェブは糊と接触し、接触した結果として糊はウェブに付着する。非接触ノズルにおいては、糊は、例えば繊維として、出口から放出することができる。糊は、出口とウェブとの間の間隙を越えて放出され、最終的にウェブ上に受けられる。糊繊維の放出は、ウェブ上への塗布中に糊繊維が揺れ動くように、隣接する出口から放出される空気等の第2の流体によって制御することができる。
【0005】
流体塗布システムは、接着剤がウェブに塗布されるときにウェブに接触するか又はウェブに近接する押出機を備えることができる。ウェブは、余分な接着剤が流体塗布システム又はウェブ上に蓄積しないように、押出機の下を一方向に移動することができる。例えば、押出機は、押出機上に接着剤を蓄積させることなく、ウェブから余分な接着剤を拭き取るか又は別様に取り除く面を備えることができる。しかし、押出機は、ウェブが流体塗布システムの下で単一の方向にのみ移動できるように構成され得る。これにより、製造機械内で流体塗布システムを配置することができる場所が著しく制限され得る。例えば、いくつかの押出機は、ウェブが単一の方向のみに流れるように構成される。押出機は、ウェブ又はストランドの経路が流体塗布システムによって許容される方向のみとなるように、流体塗布システムに取り付けなければならない。流体塗布システムの制約は、ウェブ又はストランドが移動する方向を反転させなければ流体塗布システムが適合できないようなものとなる場合がある。現在、これには、新しいダイプレート及びシムを用いる特別なカスタマイズされた押出機の設計が必要となる。これは、流体塗布システムを提供する際の時間及びコストを著しく増大させる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
簡単な説明
押出機アセンブリは、1つ以上(1又は複数)の第1の開口部を備える入口ダイと、1つ以上の第2の開口部を備える出口ダイと、前記入口ダイと前記出口ダイとの間に配設される1つ以上のシムとを備えることができる。前記1つ以上のシムは、1つ以上のチャネルを備えることができ、前記出口ダイは、流体アプリケータシステムの本体と結合することができ、前記入口ダイは、前記出口ダイに流入し、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルを通り、前記出口ダイ、前記入口ダイ、及び前記1つ以上のシムから流出する流体接着剤を、前記入口ダイ及び前記出口ダイに対して第1の方向に移動する材料の第1のウェブ又はストランド上に方向付けるために、前記流体アプリケータシステムの前記本体から離れる方向に面する。前記入口ダイは、前記流体アプリケータシステムの前記本体と結合することができ、前記出口ダイは、前記入口ダイに流入し、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルを通り、前記入口ダイ、前記出口ダイ、及び前記1つ以上のシムから流出する前記流体接着剤を、前記入口ダイ及び前記出口ダイに対して第2の方向に移動する材料の第2のウェブ又はストランド上に方向付けるために、前記流体アプリケータシステムの前記本体から離れる方向に面する。
【0007】
押出機アセンブリを接着剤アプリケータシステムのアプリケータヘッドに取り付けることを含むことができる方法が提供される。前記押出機アセンブリは、1つ以上の第1の開口部を有する入口ダイと1つ以上の第2の開口部を有する出口ダイとの間に1つ以上のチャネルを有する1つ以上のシムを有することができる。前記1つ以上のシムは、前記入口ダイと前記出口ダイとの間に位置決めすることができ、前記1つ以上のシムの前記1つ以上のチャネルは、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部又は前記出口ダイの前記1つ以上の第2の開口部と流体結合される。前記1つ以上のシムは、流体接着剤を、前記アプリケータヘッドから、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の開口部又は前記出口ダイの前記1つ以上の第2の開口部を介して、前記入口ダイ及び前記出口ダイの下を第1の方向に移動する材料の第1のウェブ又はストランド上に方向付けるように向けることができる。本方法はまた、前記入口ダイと前記出口ダイとの間から前記1つ以上のシムを取り外すことと、前記アプリケータヘッドに対する前記入口ダイ及び前記出口ダイの位置を切り替えることとを含むことができる。本方法は、前記入口ダイ及び前記出口ダイの位置を切り替えた後に前記入口ダイ、前記1つ以上のシム、及び前記出口ダイを前記アプリケータヘッドと結合することを含むことができる。前記入口ダイ、前記1つ以上のシム、及び前記出口ダイは、前記アプリケータヘッドと結合されて、前記流体接着剤を、前記入口ダイ及び前記出口ダイの下を第2の方向に移動する材料の第2のウェブ又はストランド上に方向付けることができる。
【0008】
ホットメルト接着性(接着剤流体)アプリケータシステムのリバーシブル(反転可能な)押出機アセンブリも提供される。押出機アセンブリは、1つ以上の第1の開口部及び1つ以上の第1の内部チャネルを備える入口ダイと、1つ以上の第2の開口部及び1つ以上の第2の内部チャネルを備える出口ダイと、1つ以上の第3の内部チャネルを有する1つ以上のシムとを備えることができる。前記1つ以上のシムは、前記入口ダイと前記出口ダイとの間に位置決めすることができ、前記1つ以上のシムの前記1つ以上の第3の内部チャネルは、前記入口ダイの前記1つ以上の第1の内部チャネル及び前記出口ダイの前記1つ以上の第2の内部チャネルと流体結合される。
【0009】
図面の簡単な説明
本発明の主題は、添付の図面を参照しながら、非限定的な実施形態についての以下の説明を読むことによって理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】流体アプリケータシステムの一例を示す図である。
【0011】
【
図2】流体アプリケータシステムの別の例を示す図である。
【0012】
【
図3】
図1及び
図2に示されている押出機アセンブリの1つの例の斜視図である。
【0013】
【
図4】
図3に示されている押出機アセンブリの出口側の立面図である。
【0014】
【
図5】
図3に示されている押出機アセンブリの反対側の入口側の立面図である。
【0015】
【
図6】
図3に示されている押出機アセンブリの片方の端部の平面図である。
【0016】
【
図7】押出機アセンブリが内向き方向構成となる場合の、
図3に示されている押出機アセンブリの分解図である。
【0017】
【
図8】押出機アセンブリが外向き方向構成となる場合の、
図7と同じ押出機アセンブリの分解図である。
【0018】
【
図9】
図3に示されている押出機アセンブリの入口ダイの入口側を示す立面図である。
【0019】
【
図10】
図9に示されている入口ダイの反対側の内部側を示す立面図である。
【0020】
【
図11】
図3に示されている押出機アセンブリの出口ダイの出口側を示す立面図である。
【0021】
【
図12】
図11に示されている出口ダイの反対側の内部側を示す立面図である。
【0022】
【
図13】内向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す断面図である。
【0023】
【
図14】外向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す断面図である。
【0024】
【
図15】流体アプリケータシステムから接着剤を分配する方法の1つの例を示すフローチャートである。
【0025】
【
図16】
図4の線16-16に沿った、外向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す別の断面図である。
【0026】
【
図17】
図4の線16-16によって示されている線と同じ平面に沿った、内向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
本開示に記載の本発明の主題の1つ以上の実施形態は、ウェブ又はストランドが異なる方向に移動する状態間で流体アプリケータシステムを迅速かつ容易に変換することを可能にする反転可能な押出機アセンブリを有する流体アプリケータシステムを提供する。例えば、外向き状態において、押出機アセンブリは、外向き方向(例えば、ウェブ又はストランドが押出機アセンブリの下を移動する前にアプリケータシステムの本体の下を移動する第1の方向)に移動しているウェブ又はストランドに接着剤を塗布するように構成される。異なる内向き状態において、押出機アセンブリは、流体アプリケータシステムを変更、再配置、又は別様に再構成する必要なく、反対の内向き方向(例えば、ウェブ又はストランドがアプリケータシステムの本体の下を移動する前に押出機アセンブリの下を移動する第2の方向)に移動しているウェブ又はストランドに接着剤を塗布するように構成される。
【0028】
本開示に記載の押出機アセンブリの1つ以上の例は、押出機アセンブリを現場で迅速に分解して再び組み立てることができるという点で、現場で構成可能な高速切替え(RCO)アセンブリとすることができる。例えば、押出機アセンブリは、1つ以上のねじ付き締結具によって共にクランプされるいくつかの構成要素から少なくとも部分的に構成することができ、ねじ付き締結具は、アセンブリの構成又は状態を変更するためにアセンブリから完全に取り外す必要がない(緩められるのみである)。これは、構成要素のいくつかの貫通孔を通って延在する1つ以上の締結具(例えば、ボルト)によって共に保持又はクランプされる構成要素を含み得る、非RCO押出機アセンブリとは対照的である。これらのタイプの締結具は、アセンブリから完全に取り外す必要があり得る。
【0029】
本開示に記載の押出機アセンブリは、スプレーアプリケータ、ストランドアプリケータ、又はスロットアプリケータ等の異なる塗布のタイプに使用することができる。例えば、反転可能な押出機アセンブリは、ウェブ又はストランドが押出機アセンブリに対して移動する方向を変更することも可能でありながら、スプレーアプリケータとしての使用、ストランドアプリケータとしての使用、スロットアプリケータとしての使用等の間で切り替えることができる。この相互に変更可能な態様により、反転可能な押出機アセンブリが、ウェブ又はストランドが押出機アセンブリの下を移動する方向を変更することのみならず、接着剤が押出機アセンブリからどのように分配されるか(例えば、ストランド対スロット対スプレー)も変更することも可能になる。
【0030】
図1及び
図2は、流体アプリケータシステム100の例を示す。流体アプリケータシステムは、1つ以上の弁モジュール104及び押出機アセンブリ106と結合されたアプリケータヘッド又は本体102を備える。アプリケータヘッドは、流体(例えば、1つの供給源からの接着剤及び別の供給源からの空気)を受け、流体を弁モジュール内に方向付ける。流体は弁モジュール内へ流れ、弁モジュールは、押出機アセンブリに入って押出機アセンブリを通過し、押出機アセンブリの下を移動する材料のウェブ又はストランドへ向かう、接着剤及び空気の送達を計量するように(例えば、空気圧によって及び/又は電気によって)制御される。これらのウェブは、平坦なもの、平面体、材料のストランド等であり得る。
図1に示されている流体アプリケータシステムは、流体アプリケータシステムの下を移動する材料のウェブ又はストランド上に接着剤を方向付けるノズルを備える。
図1に示されている流体アプリケータシステムは、材料のウェブのより大きい領域上に接着剤を塗布するように構成され、
図2に示されている流体アプリケータシステムは、接着剤の塗布中に材料のストランドが移動するスロット202を有するガイドバー200を備える。
【0031】
いくつかの既知の流体アプリケータシステムでは、接着剤を受ける材料のウェブ又はストランドは、単一の外向き方向114にのみ移動する。本開示に記載の本発明の主題の1つの実施形態において、押出機アセンブリは、流体アプリケータシステムから容易に取り外され、再構成され、次いで、同じ場所で流体アプリケータシステムに取り付けられて、材料のウェブ又はストランドが、外向き方向とは反対の内向き方向112に移動することを可能にするように設計又は構成される(又は、押出機アセンブリは、最初に、ウェブ又はストランドが外向き方向に移動するように構成され、次いで、ウェブ又はストランドが内向き方向に移動するように再構成され得る)。押出機アセンブリは、任意選択で、接着剤の塗布中にストランド又はウェブが内向き方向の移動に戻ることができるように、後で再び取り外し、再構成し、流体アプリケータシステムに再び取り付けることができる。
【0032】
図3は、押出機アセンブリの1つの例の斜視図である。
図4は、
図3に示されている押出機アセンブリの出口側の立面図である。
図5は、
図3に示されている押出機アセンブリの反対側の入口側の立面図である。
図6は、
図3に示されている押出機アセンブリの片方の端部の平面図である。押出機アセンブリは、共に接合されて押出機アセンブリを構成するが、互いに分離して別の方法で再び組み立てて、押出機アセンブリの構成を変更して、(押出機アセンブリに対する)ウェブ又はストランドの異なる方向への移動を可能にすることもできる、複数の構成要素から構成することができる。
【0033】
押出機アセンブリは、入口側300(
図5にも示されている)から反対側の出口側302(
図4にも示されている)まで、(押出機アセンブリの構成に応じて)内向き方向又は外向き方向に沿って延在する。例えば、押出機アセンブリが、ウェブ又はストランドが内向き方向に移動するように構成されるとき、押出機アセンブリは、入口側から出口側まで内向き方向に沿って延在することができる。押出機アセンブリが、ウェブ又はストランドが外向き方向に移動するように構成されるとき、押出機アセンブリは、入口側から出口側まで外向き方向に沿って延在することができる。
【0034】
押出機アセンブリはまた、第1の端部304から反対側の第2の端部306まで、内向き方向及び外向き方向に対して横断する(例えば、垂直である)第1の横断方向に沿って延在する。
図6に示されている押出機アセンブリの端部は、押出機アセンブリの第1の端部及び/又は第2の端部を表すことができる。押出機アセンブリは、結合側308から反対側のアプリケータ側310まで、内向き方向、外向き方向、及び横断方向に対して横断する(例えば、垂直である)第2の横断方向に延在する。押出機アセンブリの結合側は、弁モジュールと接続されるか又は別様に弁モジュールに面する。押出機アセンブリのアプリケータ側は、ウェブ又はストランドが流体アプリケータシステムの下を移動するときに、材料のウェブ又はストランドに面する。
【0035】
図3~
図6に示されている押出機アセンブリを引き続き参照すると、
図7は、押出機アセンブリが外向き方向構成となる場合の、
図3に示されている押出機アセンブリの分解図であり、
図8は、押出機アセンブリが内向き方向構成となる場合の、押出機アセンブリの分解図である。内向き方向構成では、押出機アセンブリは、内向き方向112に移動する材料のウェブ又はストランド上に接着剤を塗布するように構成される。外向き方向構成では、押出機アセンブリは、外向き方向114に移動する材料のウェブ又はストランド上に接着剤を塗布するように構成される。
【0036】
押出機アセンブリは、押出機アセンブリの入口側を含む入口ダイ312を備える。
図8において、入口ダイの入口側は、材料のウェブ又はストランドに接着剤を塗布する間、外向きかつ流体アプリケータシステムのアプリケータヘッドから離れる方向に面する。押出機アセンブリはまた、押出機アセンブリの出口側を含む出口ダイ314を備える。入口ダイの出口側は、材料のウェブ又はストランドに接着剤を塗布する間、内向きかつ流体アプリケータシステムのアプリケータヘッドに向かう方向に面する。
【0037】
シムアセンブリ316(
図3に示されている)は、押出機アセンブリの1つの例における入口ダイと出口ダイとの間に配設された1つ以上のシム700、702、704を備える。代替的に、単一のシム、2つのシム、又は3つを超えるシムが、押出機アセンブリにおける入口ダイと出口ダイとの間に備えられていてもよい。入口ダイ及び出口ダイは、入口ダイ、シム(複数の場合もある)、及び出口ダイが互いに対して積み重ねられるか、又は共に挟まれるように、シム(複数の場合もある)に当接することができる。
図7及び
図8に示されている例は、3つのシムを備えるが、
図13及び
図14に示されている例(後述)は、単一のシム(例えば、シム700)のみを備える。シムは、本開示に記載のように、入口ダイと出口ダイとの間の接着剤の流れを方向付ける平面体である。
【0038】
図9は、
図3に示されている入口ダイの入口側を示す立面図を示す。
図10は、
図3に示されている入口ダイの反対側の内部側1000を示す立面図を示す。
図11は、
図3に示されている出口ダイの出口側を示す立面図を示す。
図12は、
図3に示されている出口ダイの反対側の内部側1200を示す立面図を示す。1つの実施形態において、入口ダイ及び/又は出口ダイは、プラグ322、締結具324、締結具326、及び/又はシール328、シール330が挿入される、いくつかの穴又は開口部を備える。シム(複数の場合もある)は、プラグ、締結具、及び/又はシールが挿入され得る、対応する穴又は開口部を備える。本開示に記載のように、長尺の構成要素(例えば、プラグ又は締結具)が挿入される穴又は開口部は、押出機アセンブリが組み立てられるときに互いに同軸とすることができる。締結具は、プラグ締結具326及びシム締結具324を含む。シールは、入口シール328(例えば、Oリング)及び出口シール330(例えば、Oリング)を含む。入口シールは入口ダイの入口側に係合し、出口シールは出口ダイの出口側に係合する。
【0039】
穴又は開口部は、プラグが挿入されるプラグ開口部706を含む。プラグ開口部は、本開示に記載のように、プラグを出口ダイ又は入口ダイのいずれかに挿入することができるように、出口ダイ及び入口ダイの両方にある。穴又は開口部は、プラグ締結具が挿入されるプラグ締結具開口部708を含む。プラグ締結具開口部は、本開示に記載のように、プラグ締結具を出口ダイ又は入口ダイのいずれかに挿入することができるように、出口ダイ及び入口ダイの両方にある。穴又は開口部はまた、シム締結具が挿入されるシム締結具開口部710を含む。プラグ締結具開口部は、本開示に記載のように、プラグ締結具を出口ダイ又は入口ダイのいずれかに挿入することができるように、出口ダイ及び入口ダイの両方にある。これらの開口部は、
図9のダイにおいて、ダイの開口部と同軸である対応する開口部を備えるシム(複数の場合もある)とともに符号付けされている。
【0040】
プラグは、押出機アセンブリの構成に応じて、出口ダイ又は入口ダイの外部に係合するプラグヘッド712を備える。プラグヘッドは、
図3及び
図4に示されているように、プラグ締結具を受けるように成形された切欠き714を備える。これらの切欠きは、プラグ締結具がプラグヘッドに係合し、プラグを押出機アセンブリ内の適所に保持することを可能にする。プラグ締結具が挿入される穴又は開口部は、プラグの内部導管が出口ダイ及び/又は入口ダイの内側の導管と位置合わせされるように、プラグが挿入される穴又は開口部に対して位置決めすることができる。これは、ダイの内側の導管とプラグとの間の適切な位置合わせを確実にすることができる。
【0041】
代替的に、押出機アセンブリは、プラグを備えていなくてもよく、又はプラグヘッドを有さないプラグを備えていてもよい。後述するように、プラグは、接着剤が押出機アセンブリを通って流れる内部導管を備えることができる。プラグを備えていない実施形態においては、入口ダイ及び/又は出口ダイは、プラグの内部導管を備えてもよく、これらの導管は、プラグの代わりに、入口ダイ及び/又は出口ダイの中に位置し、それを通して延在する。
【0042】
押出機アセンブリを内向き方向構成で組み立てるために、シム(複数の場合もある)は、入口ダイと出口ダイとの間に位置決めされる。入口シールは入口ダイの穴又は開口部706に挿入され、出口シールは出口ダイの穴又は開口部706に挿入される。任意選択で、プラグは、入口シールがプラグの周りに配設された状態で入口ダイの穴又は開口部706に挿入される。プラグ締結具は、入口ダイの入口側を通る穴又は開口部708を介して、入口ダイに挿入されてもよい。プラグ締結具は、入口ダイの対応する雌ねじと係合して、プラグヘッドを押出機アセンブリに対して圧縮及び固定する雄ねじを備えることができる。ダイ締結具は、押出機アセンブリの入口側を通る穴又は開口部710を介して入口ダイに挿入される。ダイ締結具は、出口ダイの対応する雌ねじと係合して、入口ダイ及びシムを出口ダイと入口ダイとの間で圧縮及び固定する雄ねじを備えることができる。
【0043】
押出機アセンブリを外向き方向構成に変更又は外向き方向構成で組み立てるために、プラグ締結具、プラグ、及びシールが取り外される。入口シールは入口ダイの穴又は開口部706に挿入され、出口シールは出口ダイの穴又は開口部706に挿入される。プラグは、出口シールがプラグの周りに配設された状態で出口ダイの穴又は開口部706に挿入される。プラグ締結具は、出口ダイの出口側を通る穴又は開口部708を介して出口ダイに挿入される。プラグ締結具は、出口ダイの対応する雌ねじと係合して、プラグヘッドを押出機アセンブリに対して圧縮及び固定する雄ねじを備えることができる。押出機アセンブリは、外向き方向での動作から内向き方向での動作に変換することができるか、又は内向き方向での動作から外向き方向での動作に変換することができる。
【0044】
図13は、
図4の線13-13に沿った内向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す断面図を示し、
図14は、
図4の線13-13によって示されている線と同じ平面に沿った(但し、外向き方向構成となっている)外向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す断面図を示す。
図5、
図13、及び
図14に示されているように、プラグは、長尺であり、プラグヘッドから入口端部500まで延在する。プラグのそれぞれは、入口端部の入口穴又は開口部1302から、完全にではないがプラグヘッドに向かって延在する内部チャネル又は導管1300を備えることができる。
図13及び
図14に示されているように、プラグのこれらの内部チャネル又は導管は、プラグヘッドと入口端部との間の中間又はその他の位置に屈曲部1304を備える。代替的に、入口ダイ及び/又は出口ダイは、プラグの内部チャネル又は導管を備えることができ、プラグは、押出機アセンブリから省略されてもよい。
【0045】
図16は、
図4の線16-16に沿った、外向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す別の断面図を示し、
図17は、
図4の線16-16によって示されている線と同じ平面に沿った(但し、内向き方向構成となっている)内向き方向構成となっている押出機アセンブリを示す別の断面図を示す。
図16及び
図17に示されているように、押出機アセンブリは、RCO構成でアプリケータ本体に接続又は締結することができる。例えば、押出機アセンブリは、押出機アセンブリの上部のU字形スロット332(
図3に示されている)によってアプリケータ本体に締結することができる。押出機アセンブリをアプリケータ本体から取り外すには、押出機アセンブリをアプリケータ本体に保持する締結具を数回転緩めるだけでよい。
【0046】
図10に示されているように、入口ダイは、互いに流体結合されたチャネル又は導管1002、1004を備える。
図12に示されているように、出口ダイは、互いに流体結合されたチャネル又は導管1202、1204を備えることができる。代替的に、出口ダイは、チャネル又は導管1202、1204を備えていなくてもよい(例えば、単一のシムのみが使用される場合)。外向き方向構成又は内向き方向構成では、入口ダイのチャネル又は導管は、中央側のプラグの内部チャネル又は導管と流体結合することができる一方、出口ダイのチャネル又は導管は、プラグの屈曲部を介して左プラグ及び右プラグの内部チャネル又は導管と流体結合することができる。導管又はチャネル1004、1204は、水平方向に長尺であるか又は方向付けられ、シム700(
図7に示されている)の垂直チャネル713と流体結合される。複数のシムが設けられる例において、追加のシム(垂直チャネルを備えていないシム)は、切欠き714(
図7に示されている)を備えるか、又は接着剤を遮断することなく接着剤が出口シムの水平チャネルから垂直チャネルに流れることを可能にするのに十分なサイズである(例えば、短い)。
【0047】
動作中、及び
図13に示されている押出機アセンブリの内向き方向構成に関して、押出機アセンブリの出口側は、流体アプリケータシステムに面する。接着剤は、弁モジュールから流出し、プラグの入口穴又は開口部に流入する。接着剤は、プラグの内部プラグチャネル又は導管を通ってプラグの内側の屈曲部まで流れる。次いで、接着剤は、出口ダイ及び入口ダイのチャネル又は導管に流入する。例えば、外側のプラグ(例えば、
図4及び
図5の最も左のプラグ及び最も右のプラグ)から流出する接着剤は、出口ダイのチャネル又は導管に流入し、一方、中央側のプラグから流出する接着剤は、入口ダイのチャネル又は導管に流入する。接着剤は、入口ダイ及び出口ダイのチャネル又は導管を通ってシムの垂直チャネルに流れ、そこで接着剤は、押出機アセンブリの下を移動する材料のストランド又はウェブ上に塗布される。
【0048】
図13及び
図14に示されているように、入口ダイのアプリケータ側は、ストランド又はウェブが押出機アセンブリの下を移動するときに、材料1306のストランド又はウェブに係合するか、又は別様に摩擦することができる曲面1304を備える。シムの垂直チャネルは、押出機アセンブリから出て、入口シムの下面の端部におけるストランド又はウェブ又は材料上に接着剤を方向付ける。入口シムの下面は、湾曲している(例えば、一定の半径を有するか、又は代替的に、異なる半径を伴ういくつかの曲線を有してもよい)。この湾曲した下面は、ウェブ又はストランドが押出機アセンブリの下を移動するときに、材料のウェブ又はストランド上に接着剤が蓄積することを防止するのを助けることができる。
【0049】
押出機アセンブリの入口側は、押出機アセンブリが内向き方向構成(例えば、
図13に示されている)となっている間、流体アプリケータシステムの本体から離れる方向に面する。押出機アセンブリを再構成するために、出口ダイの出口側からプラグ締結具を後退させることによって、入口ダイ及び出口ダイからプラグ締結具を取り外すことができる。次いで、プラグを入口ダイの出口側から引き出すことによって、プラグを入口ダイから取り外すことができる。プラグは、出口ダイの出口側を通して出口ダイに挿入されてもよく、プラグ締結具もまた、出口ダイの出口側を通して出口ダイに挿入される。プラグ締結具を出口ダイの雌ねじに固定して、プラグを適所に保持することができる。押出機アセンブリは、ここでは、入口ダイが流体アプリケータシステムに面して当接し、出口ダイが流体アプリケータシステムから離れる方向に面する、外向き方向構成となっている。次いで、ウェブ又はストランドは、押出機アセンブリの下で外向き方向に移動することができ、一方、接着剤は、押出機アセンブリを通って流出してウェブ又はストランド上に流れる。これにより、押出機アセンブリを迅速かつ容易に構成間で変換することが可能になり、流体アプリケータシステムが接着剤をウェブ又はストランドに対して内向き方向又は外向き方向のいずれかに塗布することが可能になる。
【0050】
図15は、流体アプリケータシステムから接着剤を分配する方法1500の1つの例を示すフローチャートを示す。本方法は、押出機アセンブリを組み立て、本開示に記載の流体アプリケータシステムに結合する際に実行される動作を表すことができる。1502において、1つ以上のシムが、入口ダイと出口ダイとの間に位置決めされる。1504において、入口シール及び出口シール、任意選択のプラグ、任意選択のプラグ締結具、及びダイ締結具が、上述のように、入口ダイ及び出口ダイの対応する開口部に挿入される。別の例において、プラグ及びプラグ締結具は、押出機アセンブリ内で使用されなくてもよいか、又は備えられていなくてもよい。1506において、押出機アセンブリの方向構成に応じて、入口ダイ又は出口ダイのいずれかが流体アプリケータシステムに対して結合され、入口ダイ又は出口ダイの他方は、外向きかつ流体アプリケータシステムから離れる方向に面する。1508において、接着剤は、押出機アセンブリのダイ及びシム(複数の場合もある)の導管及びチャネルを通って、押出機アセンブリの下を移動する材料のウェブ又はストランド上に方向付けられる。出口シムが流体アプリケータシステムの本体に対して位置決めされる場合、接着剤は、ウェブ又はストランドが内向き方向112に移動する間に押出機アセンブリを通して塗布することができる。入口シムが流体アプリケータシステムの本体に対して位置決めされる場合、接着剤は、ウェブ又はストランドが外向き方向114に移動する間に、押出機アセンブリを通して塗布することができる。ウェブ又はストランドが押出機アセンブリの下を移動する方向を変更する場合、押出機アセンブリは分解して、上述のように、流体アプリケータシステムの本体に対して位置決めされた入口ダイ又は出口ダイの他方と共に再組み立てされてもよい。
【0051】
1つの例において、押出機アセンブリが提供され、1つ以上の第1の開口部を備える入口ダイと、1つ以上の第2の開口部を備える出口ダイと、入口ダイと出口ダイとの間に配設された1つ以上のシムとを備える。1つ以上のシムは、1つ以上のチャネルを備えることができ、出口ダイは、流体アプリケータシステムの本体と結合することができ、入口ダイは、出口ダイに流入し、1つ以上のシムの1つ以上のチャネルを通り、出口ダイ、入口ダイ、及び1つ以上のシムから流出する流体接着剤を、入口ダイ及び出口ダイに対して第1の方向に移動する材料の第1のウェブ又はストランド上に方向付けるために、流体アプリケータシステムの本体から離れる方向に面する。入口ダイは、流体アプリケータシステムの本体と結合することができ、出口ダイは、入口ダイに流入し、1つ以上のシムの1つ以上のチャネルを通り、入口ダイ、出口ダイ、及び1つ以上のシムから流出する流体接着剤を、入口ダイ及び出口ダイに対して第2の方向に移動する材料の第2のウェブ又はストランド上に方向付けるために、流体アプリケータシステムの本体から離れる方向に面する。
【0052】
任意選択で、入口ダイは、1つ以上のシムの1つ以上のチャネルと流体結合され、流体接着剤が流れる1つ以上のチャネルを備えることができる。出口ダイは、1つ以上のシムの1つ以上のチャネルと流体結合され、流体接着剤が流れる1つ以上のチャネルを備えることができる。入口ダイ及び出口ダイは、入口ダイの1つ以上の第1の開口部が出口ダイの1つ以上の第2の開口部と同軸となるように互いに結合することができる。入口ダイ及び出口ダイのそれぞれは、雌ねじを有する1つ以上の締結具開口部を備えることができる。アセンブリはまた、入口ダイ又は出口ダイのうちの一方の1つ以上の締結具開口部に挿入されるように構成された1つ以上のねじ付き締結具を備えることができる。1つ以上のねじ付き締結具は、1つ以上のねじ付き締結具が挿入される入口ダイ又は出口ダイのうちの一方を通って延在し、入口ダイ又は出口ダイのうちの他方の1つ以上の締結具開口部の雌ねじと係合して、入口ダイ、1つ以上のシム、及び出口ダイを高速切替え構成で共にクランプすることができる。
【0053】
アセンブリはまた、1つ以上の第1の開口部のうちの少なくとも1つ又は1つ以上の第2の開口部のうちの少なくとも1つの中に配置することができる1つ以上のプラグを備えることができる。1つ以上のプラグは、流体接着剤が入口ダイ又は出口ダイから1つ以上のプラグを通って1つ以上のシムの1つ以上のチャネル内に流れる内部導管を備えることができる。1つ以上のプラグのそれぞれは、プラグヘッドから入口端部まで延びることができる。プラグヘッドは、入口ダイ又は出口ダイの外面に係合することができる。入口端部は、流体アプリケータから流体接着剤を受けることができる。アセンブリはまた、入口ダイ又は出口ダイと結合し、1つ以上のプラグを入口ダイ又は出口ダイに固定するように構成された1つ以上のプラグ締結具を備えることができる。
【0054】
押出機アセンブリを接着剤アプリケータシステムのアプリケータヘッドに取り付けることを含むことができる方法が提供される。押出機アセンブリは、1つ以上の第1の開口部を有する入口ダイと1つ以上の第2の開口部を有する出口ダイとの間に1つ以上のチャネルを有する1つ以上のシムを有することができる。1つ以上のシムは、入口ダイと出口ダイとの間に位置決めすることができ、1つ以上のシムの1つ以上のチャネルは、入口ダイの1つ以上の第1の開口部又は出口ダイの1つ以上の第2の開口部と流体結合される。1つ以上のシムは、流体接着剤を、アプリケータヘッドから、入口ダイの1つ以上の第1の開口部又は出口ダイの1つ以上の第2の開口部を介して、入口ダイ及び出口ダイの下を第1の方向に移動する材料の第1のウェブ又はストランド上に方向付けるように向けることができる。本方法はまた、入口ダイと出口ダイとの間から1つ以上のシムを取り外すことと、アプリケータヘッドに対する入口ダイ及び出口ダイの位置を切り替えることとを含むことができる。本方法は、入口ダイ及び出口ダイの位置を切り替えた後に入口ダイ、1つ以上のシム、及び出口ダイをアプリケータヘッドと結合することを含むことができる。入口ダイ、1つ以上のシム、及び出口ダイは、アプリケータヘッドと結合して、流体接着剤を、入口ダイ及び出口ダイの下を第2の方向に移動する材料の第2のウェブ又はストランド上に方向付けることができる。
【0055】
本方法はまた、1つ以上のプラグ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部に挿入することを含むことができる。1つ以上のプラグ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部に挿入して、1つ以上の内部プラグを出口ダイに対して固定することができる。本方法はまた、1つ以上のプラグ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部から取り外すことと、1つ以上のプラグ締結具を出口ダイの1つ以上の第4の開口部に挿入することとを含むことができる。1つ以上のプラグ締結具を出口ダイの1つ以上の第4の開口部に挿入して、1つ以上の内部プラグを入口ダイに対して固定することができる。
【0056】
1つ以上のプラグ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部に挿入することにより、1つ以上の内部チャネルプラグの内部チャネルを入口ダイの1つ以上の内部導管と位置合わせすることができる。1つ以上のプラグ締結具を入口ダイの1つ以上の第4の開口部に挿入することにより、1つ以上の内部チャネルプラグの内部チャネルを出口ダイの1つ以上の内部導管と位置合わせすることができる。
【0057】
本方法はまた、1つ以上のダイ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部に挿入することを含むことができる。1つ以上のダイ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部に挿入して、入口ダイを出口ダイに固定することができる。本方法は、1つ以上のダイ締結具を入口ダイの1つ以上の第3の開口部から取り外すことと、1つ以上のダイ締結具を出口ダイの1つ以上の第4の開口部に挿入することとを含むことができる。1つ以上のダイ締結具を出口ダイの1つ以上の第4の開口部に挿入して、出口ダイを入口ダイに固定することができる。
【0058】
ホットメルト接着剤流体アプリケータシステムの反転可能な押出機アセンブリも提供される。押出機アセンブリは、1つ以上の第1の開口部及び1つ以上の第1の内部チャネルを備える入口ダイと、1つ以上の第2の開口部及び1つ以上の第2の内部チャネルを備える出口ダイと、1つ以上の第3の内部チャネルを有する1つ以上のシムとを備えることができる。1つ以上のシムは、入口ダイと出口ダイとの間に位置決めすることができ、1つ以上のシムの1つ以上の第3の内部チャネルは、入口ダイの1つ以上の第1の内部チャネル及び出口ダイの1つ以上の第2の内部チャネルと流体結合される。
【0059】
入口ダイ、出口ダイ、及び1つ以上のシムは、共に結合されて、入口ダイ及び出口ダイの下で第1の方向に移動する材料の第1のウェブ又はストランド上にホットメルト接着剤を分配する第1の構成となることができる。入口ダイ、出口ダイ、及び1つ以上のシムは、共に結合されて、入口ダイ及び出口ダイの下で第2の方向に移動する材料の第2のウェブ又はストランド上にホットメルト接着剤を分配する第2の構成となることができる。入口ダイ及び出口ダイは、入口ダイの1つ以上の第1の開口部が出口ダイの1つ以上の第2の開口部と同軸となるように互いに結合することができる。
【0060】
押出機アセンブリはまた、1つ以上のプラグを入口ダイに固定するために入口ダイの1つ以上の第3の開口部に挿入することができる1つ以上のプラグ締結具を備えることができる。1つ以上のプラグ締結具は、1つ以上のプラグを出口ダイに固定するために出口ダイの1つ以上の第4の開口部に挿入することができる。1つ以上のプラグのそれぞれは、プラグヘッドから開放端プラグ端部まで延びることができる。開放端プラグ端部は、入口ダイの1つ以上の第1の開口部に挿入され、開放端プラグ端部を介して1つ以上のプラグの1つ以上の第3の内部チャネル内にホットメルト接着剤を受けるように位置決めすることができる。1つ以上のプラグの1つ以上の第3の内部チャネルは、1つ以上のプラグの1つ以上の第3の内部チャネルを入口ダイの1つ以上の第1の内部チャネル又は出口ダイの1つ以上の第2の内部チャネルと位置合わせする、屈曲部を備えることができる。
【0061】
単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈において別段明確に示されない限り、複数を指すことも含む。「任意選択の(optional)」又は「任意選択で(optionally)」は、続いて記載される事象又は状況が起こる又は起こらない可能性があることを意味するとともに、説明には事象が起こる事例及び起こらない事例が含まれることを意味する。明細書及び請求項の全体にわたって本開示において使用される概略化する用語は、この用語が関連し得る基本的機能に変化を生じさせることなく変動が許容される任意の定量的な表現を修飾するために適用され得る。このため、単数又は複数の用語、例えば「約(about)」、「実質的に(substantially)」、及び「略(approximately)」によって修飾される値は、特定される正確な値に限定されないものであってもよい。少なくともいくつかの事例において、概略化する用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。ここで、並びに明細書及び請求項の全体を通じて、範囲限定は、組み合わせること及び/又は互換することができ、このような範囲は、文脈又は用語において別段示されない限り、識別することができる、及びすべての下位範囲を含めることができる。
【0062】
本書面においては、ベストモードを含む実施形態を開示する、並びに任意の装置又はシステムの製造及び使用、及び任意の組み込まれた方法を行うことを含め、当業者が実施形態を実施することを可能にするために、例を使用する。請求項は、本開示の特許可能な範囲を規定するものであり、当業者が思い至る他の例を含む。このような他の例は、それらが請求項の文言とは異ならない構造的要素を有する場合、又はそれらが請求項の文言とは僅かに異なる同等の構造的要素を有する場合には特許請求の範囲内に収まることを意図している。
【国際調査報告】