(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】放射線の位置分解検出のための放射能検出器
(51)【国際特許分類】
G01T 1/24 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
G01T1/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538304
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2021087538
(87)【国際公開番号】W WO2023117109
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522441507
【氏名又は名称】デクトリス アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dectris AG
【住所又は居所原語表記】Taefernweg 1, 5405 Baden-Daettwil Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リッシ, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ドナート, ティルマン
(72)【発明者】
【氏名】ディッシュ, クリスティアン
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA03
2G188AA25
2G188BB02
2G188CC29
2G188DD05
2G188EE33
(57)【要約】
放射線の位置分解検出のための放射線検出器は、放射線に敏感なセンサ材料(11)を有する少なくとも1つのセンサタイル(1)を備える。センサタイル(1)は、第1の軸(x)および第1の軸(x)に直交する第2の軸(y)が広がる水平平面を画定する。導電性材料のセンサピクセル(12)のセットが、水平平面内に配置され、センサ材料(11)と接触する。セットは、内側センサピクセル(12
i)のサブセットを備え、内側センサピクセル(12
iJ)は、第1の軸(x)および第2の軸(y)の各方向に隣接するセンサピクセル(12)を有する。サブセットの少なくとも2つの隣接する内側センサピクセル(121)は、第1の軸(x)に沿った延長部を上回る、第2の軸(y)に沿った延長部を示す。放射線検出器は、さらに、少なくとも1つのセンサタイル(1)に割り当てられ、第1の軸(x)および第2の軸(y)に沿って延びる少なくとも1つの読み出しチップ(2)を備える。読み出しチップ(2)は、一体化された読み出し回路(21)のセットを備え、セットの各読み出し回路(21)は、割り当てられたセンサピクセル(12)からの電荷入力を読み出すためにセットのセンサピクセル(12)の1つに電気的に接続される。読み出し回路(21)のセットは、内側読み出し回路(21
p)のサブセットを備え、内側読み出し回路(21
i)は、第1の軸(x)および第2の軸(y)の各方向に読み出し回路(21)を有する。2つの隣接する内側センサピクセル(121)に割り当てられ、接続された2つの内側読み出し回路(211)のそれぞれは、第1の軸(x)に沿った割り当てられたセンサピクセル(121)の延長部(xd)とは異なる、第1の軸(x)に沿った延長部、および/または第2の軸(y)に沿った割り当てられたセンサピクセル(12d)の延長部(yd)とは異なる、第2の軸(y)に沿った延長部を示す。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の位置分解検出のための放射線検出器であって、
前記放射線に対して敏感なセンサ材料(11)を有する少なくとも1つのセンサタイル(1)であって、第1の軸(x)および前記第1の軸(x)に直交する第2の軸(y)が広がる水平平面を画定する、少なくとも1つのセンサタイル(1)と、
前記水平平面内に配置されたセンサピクセル(12)のセットであって、各センサピクセル(12)は、前記センサ材料(11)と接触する導電性材料を備え、
センサピクセル(12)の前記セットは、内側センサピクセル(12
i)のサブセットを備え、内側センサピクセル(12
i)は、前記第1の軸(x)および前記第2の軸(y)の各方向に隣接するセンサピクセル(12)を有し、
前記サブセットの少なくとも2つの隣接する内側センサピクセル(12i)は、前記第1の軸(x)に沿った延長部(X
d)を上回る、前記第2の軸(y)に沿った延長部(y
d)を示し、
前記第1の軸(x)に沿った内側センサピクセル(12i)の前記延長部(X
d)は、その伝導性材料の、前記第1の軸(x)に沿った延長部(x
s)に、前記内側センサピクセル(12
i)と前記第1の軸(x)の方向に隣り合って配置された内側センサピクセル(12
i)との間のギャップの距離(g
x)を加えることによって決定され、
前記第2の軸(y)に沿った内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(y
d)は、その伝導性材料の、前記第2の軸(y)に沿った延長部(y
s)に、前記内側センサピクセル(12
i)と前記第2の軸(y)の方向に隣り合って配置された内側センサピクセル(12
i)との間のギャップの距離(g
y)を加えることによって決定される、センサピクセル(12)のセットと、
前記少なくとも1つのセンサタイル(1)に割り当てられ、前記第1の軸(x)および前記第2の軸(y)に沿って延びる、少なくとも1つの読み出しチップ(2)と、
前記読み出しチップ(2)内に一体化された読み出し回路(21)のセットであって、前記セットの各読み出し回路(21)は、接点(22)を備え、各読み出し回路(21)は、前記接点(22)を介して、前記割り当てられたセンサピクセル(12)から電荷入力を読み出すために前記セットの前記センサピクセル(12)の1つに電気的に接続され、
読み出し回路(21)の前記セットは、内側読み出し回路(21
i)のサブセットを備え、内側読み出し回路(21
i)は、前記第1の軸(x)および前記第2の軸(y)の各方向に読み出し回路(21)を有し、
前記第1の軸(x)に沿った各内側読み出し回路(21i)の延長部(d
x)は、N
i-1で除算された、前記第1の軸(x)上の2つの最も外側の内側読み出し回路(21
oi)の前記接点(22)間の距離(D
x)によって画定され、このときN
iは、前記第1の軸(x)に沿った内側読み出し回路(21
i)の数を表し、
前記第2の軸(y)に沿った各内側読み出し回路(21
i)の延長部(d
y)は、M
i-1によって除算された、前記第2の軸(y)上の2つの最も外側の内側読み出し回路(21
oi)の前記接点(22)間の距離(D
y)によって画定され、このときM
iは、前記第2の軸(y)に沿った内側読み出し回路(21
i)の数を表し、
前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)に割り当てられ、接続された前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれは、
前記第1の軸(x)に沿った前記割り当てられた内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(xd)とは異なる、前記第1の軸(x)に沿った延長部(d
x)、および/または
前記第2の軸(y)に沿った前記割り当てられた内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(y
d)とは異なる、前記第2の軸(y)に沿った延長部(d
y)を示す、読み出し回路(21)のセットとを備える、放射線検出器。
【請求項2】
前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)が、前記第1の軸(x)に沿って同じ延長部(x
d)および前記第2の軸(y)に沿って同じ延長部(y
d)を示し、
好ましくは、前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)が、同じ長方形形状のものであり、
好ましくは、前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)それぞれが、前記第1の軸(x)に沿った延長部(x
d)の少なくとも4倍大きい、前記第2の軸(y)に沿った延長部(y
d)を示し、
好ましくは、前記サブセットのすべての内側センサピクセル(12
i)が、同じ長方形形状のものであり、
好ましくは、前記セットのすべてのセンサピクセル(12
i)が、同じ長方形形状のものである、請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記サブセットの少なくとも4つ、好ましくはすべての内側センサピクセル(12
i)が、同じ長方形形状のものであり、前記第1および前記第2の軸(x、y)に沿って二次元アレイに配置される、請求項1または2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記サブセットの少なくとも4つ、好ましくはすべての内側センサピクセル(12
i)が、同じ長方形形状のものであり、互いに対してオフセットされて行および列の一方に配置され、
好ましくは、前記オフセット(o
ff)が、前記オフセット軸(x、y)に沿った前記内側センサピクセル(12i)の前記延長部(x
d、y
d)の最大半分にあり、
好ましくは、前記オフセット(o
ff)が、前記オフセット軸(x、y)に沿った前記内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(x
d、y
d)の半分であり、
好ましくは、前記オフセット(O
ff)が、前記オフセット軸(x、y)に沿った前記内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(x
d、y
d)の3分の1であり、
好ましくは、前記オフセット(o
ff)が、整数で除算された、前記オフセット軸(x、y)内の前記センサピクセル延長部(x
d、y
d)であり、前記最大整数は、前記オフセット軸(x、y)に直交する前記軸に沿った読み出し回路(21
i)の数未満である、請求項1または2に記載の放射線検出器。
【請求項5】
同じ長方形形状のものである前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)のそれぞれが、局所的非対称部を備え、前記局所的非対称部では、電気接触手段が、前記内側センサピクセル(12
i)を前記割り当てられた内側読み出し回路(21
i)に接続するために前記内側センサピクセル(12
i)と係合し、
好ましくは、前記局所的非対称部が、前記内側センサピクセル(12
i)の前記形状内の隆起部(121)によって表され、
好ましくは、前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)のそれぞれが、前記隣接するセンサピクセル(12i)の前記隆起部(121)を補完する凹部(122)の形態の別の局所的非対称部を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記2つの内側読み出し回路(21
i)それぞれが、前記第1の軸(x)および前記第2の軸(y)に沿って同じ延長部(d
x、d
y)を示し、
好ましくは、前記2つの内側読み出し回路(21
i)が、同じ正方形形状のものであり、
好ましくは、前記サブセットのすべての内側読み出し回路(21
i)が、同じ正方形形状のものであり、
好ましくは、前記セットのすべての読み出し回路(21
i)が、同じ正方形形状のものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記サブセットの少なくとも4つ、好ましくはすべての内側読み出し回路(21
i)が、同じ正方形形状のものであり、前記第1および前記第2の軸(x、y)に沿って二次元アレイに配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項8】
前記第1の軸(x)に沿った前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記延長部(d
x)が、前記第1の軸(x)に沿った前記割り当てられた内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(x
d)を上回る、請求項1から7のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項9】
前記第2の軸(y)に沿った前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記延長部(d
y)が、前記第2の軸(y)に沿った前記割り当てられた内側センサピクセル(12
i)の前記延長部(y
d)未満である、請求項8に記載の放射線検出器。
【請求項10】
前記第1の軸(x)に沿った前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記延長部(d
x)が、前記第1の軸(x)に沿った前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)の前記延長部(x
d)の少なくとも2倍である、請求項8または9に記載の放射線検出器。
【請求項11】
前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記第2の軸(y)に沿った前記延長部(d
y)が、前記第2の軸(y)に沿った前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)の前記延長部(y
d)の半分以下である、請求項9または10に記載の放射線検出器。
【請求項12】
前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記第1の軸(x)に沿った前記延長部(d
x)が、前記第1の軸(x)に沿った前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)の前記延長部(x
d)の2倍であり、
前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記第2の軸(y)に沿った前記延長部(d
y)が、前記第2の軸(y)に沿った前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)の前記延長部(y
d)の半分である、請求項11に記載の放射線検出器。
【請求項13】
前記2つの内側読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記第1の軸(x)に沿った前記延長部(d
x)が、前記第1の軸(x)に沿った前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)の前記延長部(x
d)の3/2倍であり、
前記2つの読み出し回路(21
i)のそれぞれの前記第2の軸(y)に沿った前記延長部(d
y)が、前記第2の軸(y)に沿った前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)の前記延長部(y
d)の2/3倍である、請求項11に記載の放射線検出器。
【請求項14】
前記2つの隣接する内側センサピクセル(12i)が、前記第1の軸(x)に沿って互いに隣に配置され、組み合わさって長方形に広がり、
前記割り当てられた2つの内側読み出し回路(21
i)が、前記第2の軸(y)に沿って互いに隣に配置され、それによって前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)が広がる前記長方形と一致する長方形に広がる、請求項1から13のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項15】
前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)が広がる前記長方形が、前記割り当てられた2つの内側読み出し回路(21
i)が広がる前記長方形と同じ、前記第1および前記第2の軸(x、y)に沿った位置を有する、請求項14に記載の放射線検出器。
【請求項16】
前記2つの隣接する内側センサピクセル(12
i)が広がる前記長方形が、前記割り当てられた2つの内側読み出し回路(21
i)が広がる前記長方形に重複しない、請求項14に記載の放射線検出器。
【請求項17】
前記サブセットの前記2つの内側読み出し回路(21
i)の少なくとも1つが、前記割り当てられたセンサピクセル(12
i)との重複から外れる、請求項1から16のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項18】
前記サブセットの前記内側センサピクセル(12
i)のそれぞれが、前記割り当てられた内側読み出し回路(21
i)が要求する面積を上回る面積を要求し、前記割り当てられた内側読み出し回路(21
i)の前記面積が、前記第1の軸(x)に沿ったその延長部(d
x)に前記第2の軸(y)に沿ったその延長部(d
y)を掛けることによって決定される、請求項1から17のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項19】
前記サブセットのすべての内側センサピクセル(12
i)が、前記サブセットのすべての内側読み出し回路(21
i)の組み合わせられた面積を上回り、前記組み合わせられた面積は、前記第1の軸(x)に沿った前記内側読み出し回路(21
i)の前記延長部(d
x)に前記第2の軸(y)に沿ったその延長部(d
y)を掛けたものに、内側読み出し回路(21
i)の数を掛けることによって決定される、請求項1から18のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項20】
前記センサタイル(1)と前記読み出しチップ(2)との間に、前記センサピクセル(12)を前記割り当てられた読み出し回路(21)の前記接点(22)に電気的に接続するためのリルーティング層(6)を備え、
好ましくは、前記リルーティング層(6)は、前記センサタイル(1)と前記読み出しチップ(2)との間に配置された伝導性トレース(61)を含む絶縁材料(62)を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の位置分解検出のための放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術のハイブリッドピクセル検出器(HPD)は、読み出しチップにピクセルごとに接続されたピクセル化されたセンサタイルを備える。先行技術のHPDでは、通常、半導体がセンサタイルのセンサ材料として使用される。より詳細には、センサタイルの上側は、連続電極を含み、その一方でセンサタイルの底側は、センサ材料と接触し、互いに離されたメタライゼーションおよび/または伝導層の形態の分離した電極を備える。そのようなメタライゼーションは、センサピクセルに寄与する。センサピクセルは、読み出しチップの割り当てられた読み出し回路に接続される。各メタライゼーションは、アンダーバンプメタライゼーション(UBM)プロセスによって製造されたバンプボンドによって、割り当てられた読み出し回路の接点に接続される。そのような接点は、読み出しチップの電極と称することもできる。
【0003】
検出および測定することが望まれるイオン化放射線は、センサ材料と相互作用し、センサ材料内にエネルギーを堆積する。堆積されたエネルギーは、センサ材料内で電子正孔対に転換する。センサ材料内では、センサの上側電極上に電圧を印加し、割り当てられた読み出し回路の第1の増幅段の入力部に仮想接地を設定することによって、電場が形成される。したがって、センサピクセルの1つ内に収集された電荷は、割り当てられた読み出し回路内で処理される。
【0004】
先行技術のハイブリッドピクセル検出器は、通常正方形形状のものであるセンサピクセルを有する。この設計は、多くの用途に、たとえばコンピュータ断層撮影、X線回折用途、走査型透過電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、または電子顕微鏡に適している。これらの用途に共通するのは、センサピクセルの正方形形状に鑑みて、xとyの両方の方向に同じ分解能が達成されることである。
【0005】
しかし、異なる分解能が達成されることが望まれるとき、ほとんどのシナリオでは同じ読み出しチップを使用することはできなくなるか、または使用できても、以下の欠点が組み合わさる。
a)受け入れられる全体的なセンサ表面がより小さく、センサタイルのサイズがセンサピクセルの小ささに鑑みて低減されるケースでは、そのような再設計されたセンサタイルは、以前と同じ読み出しチップがこれに対して働く場合、読み出しチップのサイズがこれを大きく上回り、その結果スペースの無駄を生じさせる。
b)読み出しチップが再設計されたセンサタイルのより小さい寸法に合わせて再設計されるケースでは、多大な労力を消費し、コストとリソースの両方に関して経済的ではないチップの再設計を実現する必要がある。
c)これまでのセンサタイルがその元のサイズのままでなければならず、またはそのままである必要があり、追加のセンサピクセルによって充填され、前の読み出しチップがこのセンサタイルに対して働き続けなければならないケースでは、センサタイル上の増大した数のセンサピクセルに対して働くために、追加の読み出しチップが必要とされる。そのような追加の読み出しチップは、xとyの両方向において多くの空間を消費する。
【発明の概要】
【0006】
故に、本発明の全般的な目的は、センサピクセルのセット内で可変の分解能における柔軟性を得ると同時に、所与の寸法および/または所与の数の読み出し回路の既存の読み出しチップを継続的に使用することを可能にする、放射線検出器を提供することである。
【0007】
この問題は、請求項1による放射線検出器によって解決される。放射線検出器は、これが放射線に対して敏感なセンサ材料のセンサタイルと、センサ材料と接触する導電性材料を含むセンサピクセルのセットとを備えるという前提で、放射線の位置分解検出を可能にする。センサ材料は、たとえば、シリコン(Si)、ヒ化ガリウム(GaAs)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)またはゲルマニウム(Ge)のうちの1つとすることができる。センサ材料は、好ましくは、検出される放射線のタイプに従って選択される。
【0008】
セットの個々のセンサピクセルを読み出すために、読み出しチップが、センサタイルに平行に水平平面を延びる、好ましくはASIC(特定用途向け集積回路)の形態で設けられる。読み出しチップは、読み出し回路のセットを備え、そのそれぞれの読み出し回路は、好ましくは、割り当てられたセンサピクセルを読み出す役割を担う。
【0009】
放射線検出器の構成要素の互いに対する幾何学的関係を明確にするために、センサタイルは、第1の軸および第1の軸に直交する第2の軸が広がる水平平面を延びるように決定される。典型的には、第1の軸に沿ったセンサタイルの幅および第2の軸に沿った高さのそれぞれは、第1および第2の軸に直交する第3の軸に沿ったセンサタイルの厚さを上回り、好ましくは少なくとも10倍上回る。センサピクセルのセットは、水平平面内に配置され、したがって、センサタイルのたとえば底面の一部を覆う。センサピクセルは、たとえば、メタライゼーションまたはインプラントの形態の導電性材料を備え、この導電性材料は、底部電極とも称される。この用語は、好ましくは上部電極、好ましくはセンサタイルの反対側の表面、すなわち上面の連続上部電極と組み合わせて電極として作用するその機能から来るものである。センサピクセルは、好ましくはメタライゼーション間またはインプラント間のギャップを絶縁することによって、互いから電気的に離される。
【0010】
放射線は、上部電極を含むセンサタイルの上面とぶつかることが予想される。好ましくは、上部電極は、検出される放射線に関して透過性である。内部のセンサ材料に入射する放射線によって堆積されるエネルギーは、電極正孔対に転換する。結果として生じた電荷は、上部電極と底部電極のセットとの間に印加された電場の電場線に沿って移送される。したがって、各センサピクセルは、センサ材料内の割り当てられたボリュームから、放射線によって誘発された電荷を収集する。したがって、第1および第2の軸に沿ったセンサピクセルの配置は、入射放射線の位置分解検出を可能にする。
【0011】
各読み出し回路内の信号処理は、割り当てられたセンサピクセルによって提供された電気信号内の電荷の増幅、成形、フィルタリング、差別化、積算、貯蔵、および/またはカウントの1つまたは複数、好ましくはすべてを含んでもよい。読み出し回路はまた、ピクセル間通信を提供してもよく、ピクセル間通信は、隣接するピクセル内の信号に応じたピクセル信号の拒否、合計、フィルタリング、または時間遅延積算(TDI)を示唆してもよい。各読み出し回路において、処理された信号は最終状態を達成してもよく、この場合これは、特定の時間の間、たとえばこれを読み出すことができるまで記憶されてもよい。最終状態は、読み出し回路あたりの1つまたは複数のカウンタ値によって、センサピクセルあたりの1つまたは複数のアナログ信号によって、またはその組み合わせによって表されてもよい。読み出し回路はまた、所望の場合、これまでの最終状態を、貯蔵セル内などの、たとえばアナログまたはデジタル先入れ先出し回路(FIFC)内に記憶してもよい。
【0012】
放射線検出器が、センサタイルが要求する面積の外側の空間を無駄にしないことが望まれる前提で、センサタイルは、好ましくは、読み出しチップの上部に配置され、このとき底部電極は読み出しチップの上面を向いている。読み出しチップの上面は、好ましくは、読み出し回路ごとに電気接点を備える。
【0013】
セットの少なくとも2つの隣接する内側センサピクセルは、第1の軸、たとえばx軸に沿った延長部を上回る、第2の軸、たとえばy軸に沿った延長部を示す。同時に、これら2つの隣接する内側センサピクセルに対して働く、好ましくは内側の読み出し回路について、寸法決めは次の通りに設定される:第1の軸に沿ったこれらの読み出し回路のそれぞれの延長部は、第1の軸に沿った、割り当てられたセンサピクセルの延長部とは異なり、ならびに/または第2の軸に沿ったこれらの割り当てられた読み出し回路のそれぞれの延長部は、第2の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部とは異なる。
【0014】
換言すれば、関連するセンサピクセルの延長部は、非正方形、特に長方形であり、関連付けられた読み出し回路の延長部は、少なくとも1つの方向に、好ましくは両方向において異なる。したがって、関連する隣接する内側センサピクセルは、xおよびy方向に異なる分解能を提供し、割り当てられた読み出し回路は、異なる形状を有している。
【0015】
特に、読み出しチップが、再利用される既存の読み出しチップであるケースでは、サブセットの少なくとも2つの隣接する、好ましくはすべての内側センサピクセルは、一方では、異なる分解能が異なる方向に達成され、他方では、これらのセンサピクセルの幾何学的形状が、割り当てられた読み出し回路の幾何学的形状とは異なるように設計される。特に、読み出し回路の形状は、たとえば正方形であってもよく、その一方で割り当てられたセンサピクセルの形状は、長方形であってもよい。したがって、内側センサピクセルおよび割り当てられた読み出し回路は、従来の放射線検出器のように同じ形状のものである必要はない。
【0016】
特に、たとえばx軸に沿った第1の寸法における割り当てられた読み出し回路の延長部は、同じ方向のセンサピクセルの延長部未満であり、それと同時に、第2の寸法に沿った、たとえばy軸に沿った読み出し回路の延長部は、同じ方向のセンサピクセルの延長部を上回る。当然ながら、xおよびy軸を上記の教示において交換することができる。
【0017】
特に、既存の読み出しチップを使用するとき、用途に必要とされる異なる分解能は、xおよびy方向に異なる分解能を提供する形状にセンサピクセルレイアウトを適応することによって達成される。故に、読み出し回路が先行技術の用途に共通するような正方形形状を有する場合であっても、長方形または六角形の内側センサピクセルが可能である。これにより、用途に従った複数の異なるセンサピクセル設計であっても、同じ読み出しチップを使用することが可能になる。読み出しチップの開発は重要な取り組みであるため、これは有利である。他方で、センサタイルは、新しい読み出しチップ設計よりもかなり容易に、そして設計から生産までのサイクルをより短くして再設計され得る。
【0018】
詳細には、高い分解能が必要とされる方向にピクセル寸法を低減することができ、その一方で低分解能で十分である他の方向にピクセル寸法を増大させることができる。少なくとも2つの隣接する内側センサピクセルのこの設計は、これら2つの異なる方向依存分解能を可能にする。それと同時に、元々は正方形形状の従来のセンサピクセルで使用されるように設計されていた読み出しチップを、そのようなセンサピクセルと組み合わせて使用することができる。したがって、特に一方の方向の分解能を犠牲にして他方の方向の分解能を強化することにより、同じ読み出しチップが、異なる分解能要件に使用され得る。
【0019】
用語「延長部」、「形状」、「内側センサピクセル」などの決定について、以下を参照する。
【0020】
センサピクセルのセットは、センサタイル上のすべてのピクセル、またはたとえば、別のグループとは離れて配置されたセンサピクセルのグループを備えてもよい。センサピクセルのセットは、典型的には、内側センサピクセルのサブセットを備え、内側センサピクセルは、第1の軸および第2の軸の各方向に隣接するセンサピクセルを有する。したがって、内側センサピクセルの要件を満たさない外側センサピクセルを含むセンサピクセルの別のサブセットが、存在してもよい。
【0021】
第1の軸に沿った2つの隣接する内側センサピクセルのそれぞれの延長部は、第1の軸に沿ったセンサピクセルの伝導性材料の延長部に、第1の軸の方向に隣り合う内側センサピクセルの伝導性材料間のギャップの距離を加えることによって決定される。同じようにして、第2の軸に沿った2つの隣接する内側センサピクセルのそれぞれの延長部は、第2の軸に沿ったセンサピクセルの伝導性材料の延長部に、第2の軸の方向に隣り合う内側センサピクセルの伝導性材料間のギャップの距離を加えることによって決定される。
【0022】
読み出し回路のセットは、読み出しチップのすべての読み出し回路または読み出し回路のグループを備えてもよい。少なくともこれらの読み出し回路は、サブセットの少なくとも2つの内側センサピクセルに電気的に接続された、そのセットの部材である。典型的には、読み出し回路のセットは、読み出しチップのすべての読み出し回路を備える。サブセットは、そのセットの内側読み出し回路を備える。内側読み出し回路は、第1の軸および第2の軸の各方向の読み出し回路を示す。
【0023】
各読み出し回路は、好ましくはセンサタイルを向く読み出しチップの上面に接点を備えると考えられる。センサタイルとの読み出しチップの組み立て後、読み出し回路は、そのそれぞれの接点を介して、割り当てられたセンサピクセル/底部電極に、電気信号をそこから受信するために電気的に接続される。
【0024】
第1の軸に沿った各内側読み出し回路の延長部は、Ni-1で除算された、第1の軸上の2つの最も外側の内側読み出し回路の接点間の距離によって画定され、このときNiは、第1の軸に沿った内側読み出し回路の数を表している。第2の軸に沿った各内側読み出し回路の延長部は、Mi-1で除算された、第2の軸上の2つの最も外側の内側読み出し回路の接点間の距離によって画定され、このときMiは、第2の軸に沿った内側読み出し回路の数を表している。したがって、すべての内側読み出し回路は、第1の軸に沿って同じ延長部および第2の軸に沿って同じ延長部を有すると想定される。
【0025】
通常、延長部、特に、後で導入される尺度xdおよびydなどのxおよびy方向の延長部を比較したとき、互いに比較された延長部が10%範囲内にあるケースにおいて、延長部間の同等性が想定されるものとする。特に、1.1:1より小さく、0.9:1より大きい辺長さ比を有する長方形は、正方形と考えられる。
【0026】
検出される放射線は、イオン化放射線であり、通常、たとえば、HPDが電子検出器であるケースでは、数keVから数100keVまでのエネルギーの電子、HPDがx線検出器であるケースでは、数100eVから数100kdVのエネルギーを有するx線のうちの一方、または他のタイプのイオン化放射線を含んでもよい。したがって、本発明の放射線検出器は、撮像用途に使用することができるが、x線または電子によって形成される回折パターンの撮像にも使用することができる。
【0027】
他方では、一方の方向に高い分解能を必要とするが、他方の方向の分解能についてはどのようなものでもよい用途が存在する。そのような用途は、たとえば、電子エネルギー損失分光(EELS)、小角x線散乱(SAXS)、波長分散型分光などの1つを含み、この場合、一方方向(たとえばx方向)の分解能が他方(例えばy方向)より高ければ有利である。
【0028】
以下の実施形態は、センサピクセルの延長部および形状に関する。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサピクセルは、第1の軸に沿って同じ延長部および第2の軸に沿って同じ延長部を示す。したがって、これらは同じ形状のものである。これにより、サブセットのすべての内側センサピクセルに適用された場合、x軸およびy軸のそれぞれに沿って同じ分解能が可能になる。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサピクセルは、同じ長方形形状のものであり、すなわち、伝導性材料の面積は、本質的に長方形形状のものである。長方形形状は、xおよびy方向の異なる延長部を有するセンサピクセルによって覆われる面積を最大化する。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサピクセルそれぞれは、第1の軸に沿った延長部の少なくとも4倍大きい、第2の軸に沿った延長部を示す。したがって、分解能の相違は無視できない。この実施形態により、一方の軸に沿った分解能を、他方の軸に沿った分解能を犠牲にして大きく増大させることができる。
- 好ましくは、サブセットのすべての内側センサピクセルは、同じ長方形形状のものである。この実施形態の利点は、すでに上記で述べられている。
- 好ましくは、セットのすべてのセンサピクセルは、同じ長方形形状のものであり、それによって、センサタイル全体にわたって軸ごとに一定の分解能を適用する。
- 好ましくは、サブセットの少なくとも4つ、好ましくはすべての内側センサピクセルは、同じ長方形形状のものであり、第1および第2の軸に沿って二次元アレイに配置される。この文脈において、アレイは、列の長方形センサピクセルが幅においてすべて同じx座標間を延び、行の長方形センサピクセルが高さにおいてすべて同じy座標間を延びる、センサピクセルの規則的な配置として理解される。したがって、同じ列および同じ行のセンサピクセル間にはシフトまたはオフセットは存在しない。これにより、両方向に一定の分解能が可能になる。
- 前述の実施形態以外の異なる実施形態では、サブセットの少なくとも4つ、好ましくはすべての内側センサピクセルは、同じ長方形形状のものであり、互いに対する行オフセットおよび互いに対する列オフセットの一方で配置される。
- 好ましくは、オフセットは、オフセット軸に沿った内側センサピクセルの延長部の最大半分にある。
- 好ましくは、オフセットは、オフセット軸に沿った内側センサピクセルの延長部の半分である。
- 好ましくは、オフセットは、オフセット軸に沿った内側センサピクセルの延長部の3分の1である。
- 好ましくは、オフセットは、整数で除算された、オフセット軸内のセンサピクセル延長部であり、ここでは、除算操作の最大整数は、オフセット軸に直交する軸に沿った読み出し回路の数未満である。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサピクセルのそれぞれは、同じ長方形形状のものであり、センサピクセルを割り当てられた読み出し回路に接続するためにバンプボンドなどの電気接点手段がセンサピクセルと係合する領域内に、局所的非対称部を備える。これにより、下にある正方形読み出し回路と中央に置かれた接点とのまっすぐな垂直接続が可能になる。
- 好ましくは、局所的非対称部は、センサピクセルの境界上の隆起部によって表される。これは、内側センサピクセル面積間の不規則な形状の変動を最小化する。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサピクセルのそれぞれは、隣接するセンサピクセルの隆起部を補完する凹部の形態の別の局所的非対称部を備える。これにより、隣接するセンサピクセル内の隆起部が可能になる。
【0029】
以下の実施形態は、読み出し回路の延長部および形状に関する。
- 好ましくは、2つの内側読み出し回路のそれぞれは、第1の軸および第2の軸に沿って同じ延長部を示す。この結果、正方形の内側読み出し回路が得られ、この回路は、多くの従来の読み出しチップ内の読み出し回路の形状である。
- 好ましくは、サブセットのすべての内側読み出し回路は、同じ正方形形状のものである。
- 好ましくは、セットのすべての読み出し回路は、同じ正方形形状のものである。
- 好ましくは、サブセットの少なくとも4つ、好ましくはすべての内側読み出し回路は、同じ正方形形状のものであり、第1および第2の軸に沿って二次元アレイに配置される。ここでも、アレイは、列の正方形読み出し回路が幅においてすべて同じx座標間を延び、行の長方形読み出し回路が高さにおいてすべて同じy座標間を延びる、規則的な配置として理解される。したがって、同じ列および同じ行の読み出し回路間にシフトまたはオフセットは存在しない。これにより、読み出し回路のパック化された配置が可能になる。
【0030】
以下の実施形態は、より明示的には、読み出し回路の延長部に関連するセンサピクセルの延長部に関する。したがって、これらの実施形態は、センサタイル-読み出し回路配置が要求する設置面積を同時に維持しながら達成される解像度を取り扱う。
- 好ましくは、第1の軸に沿った2つの読み出し回路のそれぞれの延長部は、第1の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部を上回る。この幾何学的形状により、1つの読み出し回路が2つのセンサピクセルに重複する道が開かれる。
- 好ましくは、第2の軸に沿った2つの内側読み出しのそれぞれの延長部は、第2の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部未満である。この幾何学的形状により、1つの読み出し回路が2つの割り当てられたセンサピクセルに重複し、第2の読み出し回路が2つの割り当てられたセンサピクセルに重複することも可能にする道が開かれる。
- 好ましくは、第1の軸に沿った2つの内側読み出し回路のそれぞれの延長部は、第1の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部の少なくとも2倍である。この幾何学的形状により、読み出し回路がセンサピクセル以上の面積を要求しない道が開かれる。
- 好ましくは、2つの内側読み出し回路のそれぞれの第2の軸に沿った延長部は、第2の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部の半分以下である。
- 好ましくは、2つの内側読み出し回路のそれぞれの第1の軸に沿った延長部は、第1の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部の2倍であり、2つの内側読み出し回路のそれぞれの第2の軸に沿った延長部は、第2の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部の半分である。この幾何学的形状により、2つの読み出し回路および2つの割り当てられたセンサピクセルが同じ面積を要求しながら、2:1の分解能比が実施される。
- 好ましくは、2つの内側読み出し回路のそれぞれの第1の軸に沿った延長部は、第1の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部の3/2倍であり、ここで、2つの内側読み出し回路のそれぞれの第2の軸に沿った延長部は、第2の軸に沿った割り当てられたセンサピクセルの延長部の2/3倍である。この幾何学的形状により、6つの読み出し回路および6つの割り当てられたセンサピクセルが同じ面積を要求することもありながら、3:2の分解能比が実施される。
【0031】
以下の実施形態は、センサピクセルおよび読み出し回路の互いに対する幾何学的形状に関する。
- 好ましくは、2つ隣接する内側センサピクセルは、第1の軸に沿って互いの隣に配置されて、組み合わさって長方形を形成し、割り当てられた2つの内側読み出し回路は、第2の軸に沿って互いの隣に配置され、それによって2つの隣接する内側センサピクセルが広がる長方形と合致する長方形に広がる。故に、内側センサピクセルおよび読み出し回路のすべての対は、同じサイズのものであり、好ましくは、以下の実施形態において導入されるように、完全に重複してもよい。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサが広がる長方形は、割り当てられた2つの内側読み出し回路が広がる長方形と同じ、第1および第2の軸に沿った位置を有する。
- 好ましくは、2つの隣接する内側センサが広がる長方形は、割り当てられた2つの内側読み出し回路が広がる長方形と重複しない。好ましくは、再分配層が、これ以後説明されるように、この実施形態に関連して適用される。
- 好ましくは、サブセットの2つの内側読み出し回路の少なくとも1つは、割り当てられたセンサピクセルとの重複から外れる。
- 好ましくは、サブセットの内側センサピクセルのそれぞれは、割り当てられた内側読み出し回路の面積を上回る面積を要求し、割り当てられた内側読み出し回路の面積は、第1の軸に沿ったその延長部に、第2の軸に沿ったその延長部を掛けることによって決定される。
- 好ましくは、サブセットのすべての内側センサピクセルは、サブセットのすべての内側読み出し回路の組み合わせられた面積を上回り、この組み合わせられた面積は、第1の軸に沿った内側読み出し回路の延長部に第2の軸に沿った読み出し回路の延長部を掛けたものに、内側読み出し回路の数を掛けることによって決定される。
【0032】
別の好ましい実施形態では、リルーティング層または再分配層が、センサタイルと読み出しチップとの間に配置される。リルーティング層は、好ましくは、センサピクセルを割り当てられた読み出し回路のUBM接点に電気的に接続する役割を果たす。リルーティング層は、センサ表面上の金属化された底部電極上に堆積させることができる。好ましくは、リルーティング層は、センサタイルと読み出しチップとの間に配置された絶縁材料および伝導性トレースを備える。
【0033】
センサピクセルの各伝導性材料は、層のスタック内に含められて、センサタイルの底側に個々の電極を形成してもよい。そのようなスタックは、たとえば、n++またはp++インプラント(複数可)、異なる金属、絶縁層(複数可)、たとえばSiO、SiN、アンダーバンプメタライゼーションなどを含んでもよい。このスタック内の異なる層は、同じサイズを有する必要がなくてもよい。スタックの上部層は、センサタイルの内側の電場が向かって曲がる面積を画定してもよい。イオン化放射線のエネルギー衝撃に応答して生み出された1つの極性の電荷(印加された電圧の極性に応じて電子または正孔)は、スタックの上部層に向かって電場線に沿ってドリフトする。たとえば、このスタックを絶縁層および絶縁層を貫通するスルービアと組み合わせることにより、この構造は、スタックの上部層が存在するx-y位置からスタックの底部層が存在する異なるx-y位置に信号をルーティングするために使用されてもよい。これはさらに、異なるセンサのピクセルスタックの上部層によって覆われるx-y領域を横切るために使用されてもよい。
【0034】
典型的な読み出し回路延長部は、正方形である場合、10μmx10μmから2mmx2mmの間であり、長方形の場合、それぞれ幅および高さが10μmから2mmの間である。典型的なセンサピクセル延長部は、それぞれ幅および高さが10μmから10mmの間であってもよい。
【0035】
上記のカテゴリにおける実施形態は、単独でまたは同じカテゴリの1つまたは複数の他の実施形態、または異なるカテゴリの1つまたは複数の実施形態、または異なるカテゴリの複数の実施形態の1つと組み合わせて適用することができる。
【0036】
以下の詳細な説明に対して考慮するとき、本発明はより良好に理解され、上記で記載するもの以外の目的がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態による放射線検出器の切断図である。
【
図3】本発明の実施形態による放射線検出器の読み出しチップの上面図である。
【
図4】本発明の実施形態による放射線検出器のセンサタイルの底面図である。
【
図5】本発明の実施形態による放射線検出器の切取部の概略透明上面図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による放射線検出器の切断図である。
【
図7】本発明の実施形態による放射線検出器の切取部の概略透明上面図である。
【
図8】本発明の実施形態による放射線検出器の切取部の別の概略透明上面図である。
【
図9】本発明の実施形態による放射線検出器の切取部の別の概略透明上面図である。
【
図10】本発明の実施形態による放射線検出器のセンサタイルの切取部の概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の実施形態による放射線検出器の切断図を示す。センサタイル1が、読み出しチップ2に電気的に接続され、読み出しチップは、さらに、回路基板3に電気的に接続される。センサタイル1は、連続上部電極13と複数の分離された底部電極12との間に挟まれたセンサ材料11を備え、センサ材料は、たとえば、センサピクセルに寄与するメタライゼーションの形態の導電性材料によって表される。センサ材料は、検出される放射線に敏感である。放射線は、矢印によって示すように、上部からセンサタイル1に当たると想定される。
【0039】
センサタイル1は、水平平面x、y内に配置され、ここでこの例では、x軸は、第1の軸と称され、y軸は、第1の軸に直交する第2の軸と称され、これら軸は組み合わさって水平平面を画定する。センサタイルは、第1および第2の軸それぞれにおけるその延長部がz方向、すなわち第3の軸のその厚さを上回ることを前提に、水平平面内の平面延長部によって特徴付けられる。
【0040】
読み出しチップ2もまた、第1および第2の軸x、yに沿ったその主要延長部を有し、センサタイル1に平行に配置され、特に、センサタイル1の下に配置される。読み出しチップ2は、読み出し回路21と、その上面の電気入力接点22とを備える。好ましくは、各読み出し回路21は、入力信号をそこから受信する割り当てられた入力接点22を有する。好ましくは、センサタイル1のセンサピクセル12および読み出しチップ2の入力接点22は、一対一の関係で互いに電気的に接続され、これは、入力接点22/読み出し回路21の数がセンサピクセル12の数に等しいことを意味する。この例では、対応するセンサピクセル12および入力接点22は、第3の軸に沿って互いの上方/下方に位置し、ここではバンプボンド4に電気的に接続される。内側センサピクセルは、12iと称され、外側センサピクセルは、12oと称される。内側読み出し回路は、21iと称され、外側読み出し回路は、21oと称される。
【0041】
図1の放射線検出器は、追加の読み出し電子装置を有する高密度相互接続(HDI)印刷回路基板3に装着される。読み出しチップ2のI/Oパッド23とHDI PCB3のI/Oパッド31との間の電気接続は、たとえば、ワイヤボンド5によって確立される。
【0042】
検出および測定が望まれる入射放射線は、センサタイル1内に含まれるセンサ材料11と相互作用し、センサ材料11内にエネルギーを堆積する。堆積されたエネルギーは、センサ材料11内で電子-正孔対に転換する。
【0043】
図2は、
図1のセンサタイル1の切取図を示す。正または負の電圧が、連続上部電極13に印加される。上部電極13は、センサインプラント、たとえばp++、n++、金属、たとえばAl、Au、Ag、Cuの1つまたは複数、他の導電層および/または絶縁層から構築されたスタックからなってもよい。底部電極12もまた、スタックの層によって表されてもよい。電場線が、上部電極13から底部電極12に導く。センサ材料11内で作成された電荷は、電場線に沿ってドリフトする。
図2では、底部電極のスタック12内のすべての層が、同じサイズ、特に第1の軸xに沿った同じ延長部を有する。各センサピクセル12に割り当てられたボリューム14の境界は、点線によって表示される。
【0044】
したがって、各センサピクセル12は、
図2ではすべてのセンサピクセル12について示し、
図1では1つのセンサピクセル12についてのみ示す、センサ材料11内の割り当てられたボリューム14から、放射線によって誘発された電荷を収集する。
【0045】
図1に戻れば、割り当てられたボリューム14から収集された電荷は、割り当てられたメタライゼーション21、割り当てられたバンプ結合4、およびそれぞれの接点22を介して、これが処理される読み出し回路21に到達する。読み出し回路21は、好ましくは、読み出しチップ2の半導体材料内に一体化された電子装置によって表される。好ましくは、各読み出し回路21は、専用のセンサピクセル12に対して働き、したがって、個々の読み出し回路21内の処理の結果が、PCB3に送られるために組み合わせおよび転送、多重化などがされない限り、他の読み出し回路21およびその接点22から離される。したがって、読み出し回路21は、割り当てられた接点に関連して、また各読み出し回路が水平平面x、y内の読み出しチップ2の面積を消費するという理由から、隣接する読み出し回路21から別々に点線状の長方形によって表示される。
【0046】
図1の切断図では、センサピクセル12すべては、第1の軸xに沿って同じ延長部を有する。第2の軸yに沿った各内側センサピクセル12
iの延長部は、第1の軸xに沿ったその延長部を上回る。好ましくは、すべての内側センサピクセル12
iの第2の軸yに沿った延長部は、同じであり、それにより、ここでは、内側センサピクセル12
iは、同一の長方形形状のものである。
【0047】
図1からすでに導出できているように、第1の軸xに沿った各内側読み出し回路21iの延長部は、第1の軸xに沿った各内側センサピクセル12iの延長部を上回り、好ましくは、すべての内側読み出し回路21
iについて同じである。好ましくは、
図1では導出できていないが、第2の軸yに沿った内側読み出し回路21
iの延長部は、第2の軸yに沿った内側センサピクセル12
iの延長部未満である。好ましくは、第2の軸yに沿った各内側読み出し回路21
iの延長部は、第1の軸xに沿ったものと同じであり、それにより、内側読み出し回路21
iは、同一の正方形形状のものである。
【0048】
好ましくは、
図1からは想像できないが、第2の軸yに沿った各内側読み出し回路21
iの延長部は、割り当てられた内側センサピクセル12
iの延長部の半分であり、第1の軸xに沿った各内側読み出し回路の延長部は、第1の軸xに沿った割り当てられた内側センサピクセル12
iの延長部の2倍である。
【0049】
図1の切断図では、いくつかの内側センサピクセル12
iは、割り当てられた内側読み出し回路21
iに電気的に接続されるようには示されていない。その理由は、そのような内側センサピクセル12
iは、割り当てられた読み出し回路にバンプ結合によって電気的に接続されているが、これはy>0である平面x、z内に配置されているため
図1からは想像できないためである。これは、後続の図に関連してより良好に理解される。
【0050】
図1の放射線検出器は、第1の軸xに沿ったものよりも低い第2の軸yに沿った分解能を提供する。対応する内側読み出し回路21
iは、対応するセンサピクセル12
iとは異なる形状のものであり、センサピクセル12
iの下の読み出しチップ2の同じ面積を要求する。
【0051】
図3は、本発明の実施形態による放射線検出器で使用されるような読み出しチップ2の切取部の上面図を示す。この実施形態では、読み出し回路21のセットは、行および列のアレイに配置される。セットは、外側読み出し回路21
oのサブセットと、内側読み出し回路21
iのサブセットとを含む。特に、各方向x、yの4つの最も外側の内側読み出し回路は、21
oiによって示される。加えて、入力接点22は、読み出し回路21の少なくともいくつかについて点によって示される。この例では、入力接点22は、各読み出し回路21の下側左の4分の1内に配置される。しかし、入力接点22は、代替的に、各読み出し回路21の中心内、異なる場所、または読み出し回路21にわたって可変の場所にも配置されてもよい。この実施形態では、読み出し回路21は、本質的に正方形形状を有する。
【0052】
読み出し回路21のサイズおよび/または形状と割り当てられたセンサピクセルのものとを比較するために、
図3に関連して示すように、以下の想定が得られる。
【0053】
第1の軸xに沿った各内側読み出し回路21i/21oiの延長部dxに関して、距離Dxが、第1の軸xに沿って最も外側の内側読み出し回路21oiの接点22間で測定され、この距離Dxは、Ni-1で除算され、このときNiは、第1の軸xに沿った内側読み出し回路21i/21oiの数を表している。その結果は、各内側読み出し回路21i/21oiが第1の軸xに沿って有すると決定される延長部dxである。
【0054】
同じようにして、距離Dyが、第2の軸xに沿って最も外側の内側読み出し回路21oiの接点22間で測定され、この距離Dyは、Mi-1で除算され、このときMiは、第2の軸yに沿った内側読み出し回路21i/21oiの数を表している。その結果は、各内側読み出し回路21i/21oiが第2の軸yに沿って有すると決定される延長部dyである。
【0055】
図4は、本発明の実施形態による放射線検出器で使用されるようなセンサタイル1の切取部の底面図を示す。この実施形態では、内側センサピクセル12
iのサブセットは、行および列のアレイに配置される。サブセットの各内側センサピクセル12
iは、そのメタライゼーションの延長部x
sおよびy
sを示す。第1の軸xに沿って隣接する内側センサピクセル12
iのメタライゼーション間のギャップは、サイズg
xのものである。内側センサピクセル12
iのメタライゼーションは、まっすぐな長方形によって示される。第2の軸yに沿って隣接するメタライゼーション間のギャップは、サイズg
yのものである。読み出し回路のサイズおよび/または形状と割り当てられたセンサピクセル12のものとを比較するために、次の想定がなされる:第1の軸xに沿った内側センサピクセル12
iの延長部x
dは、x
s+g
xに設定され、第2の軸yに沿った内側センサピクセル12
iの延長部y
dは、y
s+g
yに設定される。
【0056】
図5は、本発明の実施形態による放射線検出器の切取部の概略透明上面図を示す。この透明上面図は、この特有の実施形態では読み出し回路21に対するセンサピクセル12の幾何学的レイアウトを示すものである。センサピクセル12
iは、実線によって示す、その対応するセンサピクセル境界によって画定された長方形形状を有する。読み出し回路21
iは、点/スラッシュ線によって示す、対応する読み出し回路境界によって画定された正方形形状を有する。例示目的のため、ギャップは省略されている。
【0057】
センサピクセル長方形のアスペクト比xd:ydは、1:4である。センサピクセル12iのx軸(幅)に沿った延長部は、読み出し回路21iのx軸(幅)に沿った延長部の半分である。センサピクセル12iのy軸(高さ)に沿った延長部は、読み出し回路21iのy軸(高さ)に沿った延長部の2倍である。各2つの水平(x方向)に隣接するセンサピクセル12iは、2つの垂直(y方向)に隣接する読み出し回路21iとほぼ同じ面積を覆う。
【0058】
2つの隣接するセンサピクセル12iと割り当てられた読み出し回路21iとの間の接続は、左のセンサピクセル12iが上部読み出し回路21iに接続し、右のセンサピクセル12iが底部読み出し回路に接続するように実施されてもよい。その関係は、矢印によって概略的に示される。この実施形態では、センサピクセル12iが、読み出し回路21iに対してx方向とy方向の両方にシフトされることに留意されたい。
【0059】
センサピクセル12iから割り当てられた読み出し回路21iまでの電気的接続は、いくつかのステップで実行されてもよい。好ましい実施形態では、センサピクセルメタライゼーションおよび読み出し回路接点、たとえばそのアンダーバンプメタライゼーション(UBM)は、同じx-y座標内にあるが、異なる平行な平面上にある(垂直にシフトされる)。読み出し回路21i上のセンサピクセル12iの突出部がUBMと重複しない場合、リルーティング層が必要とされ得る。
【0060】
図6は、センサピクセル12と読み出し回路21との間のリルーティングを含む、本発明による放射線検出器の別の実施形態を示す。
図1の放射線検出器に加えて、再分配層6が設けられ、この再分配層は、誘電材料62内のコンダクタトラック61を介してセンサピクセル12と読み出し回路21の対応する入力接点22との電気的な一対一接続を確立する。再分配層6の/上の接点63は、バンプボンド4に、ひいては読み出し回路21の接点22に接続する。典型的には、再分配層6は、センサタイル1上にモノリシック式に一体化される。読み出し回路62が、割り当てられたセンサピクセル12からx軸またはy軸内で横方向にオフセットされるケースでは、再分配層6が、好ましくは適用される。
【0061】
図7は、本発明の実施形態による放射線検出器の切取部の概略透明上面図を示す。この実施形態では、内側右センサピクセル12
ir、すなわち第1の軸xに沿った2つの隣接する内側センサピクセル12
iの対の各内側右センサピクセル12
irそれぞれは、割り当てられた内側下側読み出し回路21
il内の中心に置かれたバンプボンド4を覆うために、隆起部121を示す。故に、割り当てられた内側下側読み出し回路21
ilの接点の場所x、yも同時に表すバンプボンド4を、横方向のリルーティングを必要とすることなく内側右センサピクセル12
irから垂直に接続することができる。内側左センサピクセル12
il、すなわち第1の軸xに沿った2つの隣接する内側センサピクセル12
iの対の各内側左センサピクセル12
ilそれぞれは、その隆起部を短絡しないように、内側右センサピクセル12
irの隆起部を補完する凹部122を示す。この実施形態では、接点22およびバンプボンド4は、読み出し回路21上の中央にすべて置かれたままであることができる。
【0062】
センサピクセル12が、長方形形状からわずかだけ逸脱しており、その逸脱が第1の軸xに沿った読み出し回路延長部の4分の1未満であり、第2の軸yに沿った読み出し回路延長部の4分の1未満であるケースでは、これもまた長方形として考えられることに留意されたい。
【0063】
図8は、本発明の別の実施形態による放射線検出器の切取部の概略透明上面図を示す。この実施形態では、内側センサピクセル12
iの長方形形状は、完全に維持される。この実施形態では、たとえばSiO2、SiN、または半導体処理において使用される任意の他の誘電層のものである絶縁層が、内側センサピクセル12
iと内側読み出し回路21
iとの間に適用される。
図6で64によって示すようなビア64が、絶縁層を貫通して作られる(たとえばエッチングされる)。孔64は、電気コンダクタによって金属化され、その結果コンダクタパス61の一部を生じさせる。
図6を参照されたい。バンプボンド4は、次いで、金属化された孔64に、たとえば銅、銀、アルミニウムからこれもまた作製される、
図6では61でもある導電性トレースによって接続される。この実施形態では、内側センサピクセル12
iの元の長方形形状は、維持される。
【0064】
図9は、本発明の別の実施形態による放射線検出器の切取部の概略透明上面図を示す。
図9は、読み出し回路21
iの形状が対応するセンサピクセル12
iに重複しない本発明の実施形態を示す。この実施形態では、たとえばSiO2、SiNで作製された絶縁層、または半導体処理において使用される任意の他の絶縁層が、センサピクセル21
iと内側読み出し回路21
iとの間に適用される。孔64が、たとえば、絶縁層を貫通してエッチングされ、孔64は、導電性材料で充填される。バンプボンド4の場所は、次いで、孔64内の導電性材料に、たとえば銅、銀、アルミニウムから作製された導電性トレース61によって接続される。この実施形態は、たとえばx方向のセンサピクセル12
iの分解能を、読み出し回路21
iの分解能の非整数除数または乗数として選択したいケースにおいて有利である。異なる読み出し回路21
i間のx-y面積は、内側センサピクセル12
iに類似する、またはこれと同じ形状を有するセンサピクセル12
iによって覆われて、全センサタイルにわたってx方向またはy方向に均一な分解能を生じさせ得る。ルーティングが、異なるセンサピクセルの大部分を横切るより大きな距離を覆う必要があるケースでは、トレース61がピクセルを横切るセンサピクセルメタライゼーションの空洞を残すことが有利である。
【0065】
異なる実施形態では、ルーティングは、読み出しチップの上部層内で同じような形で実施される。異なる実施形態では、(たとえばガラス、またはSi、セラミックの)インターポーザが使用され、ルーティングは、インターポーザ内の異なる層上で実施される。
【0066】
センサピクセルによって覆われた総面積が読み出し回路から覆われた総面積とは異なり得るようにルーティングを使用できることに留意されたい。特に、センサピクセルによって覆われた面積は、読み出し回路によって覆われた面積より大きくてもよい。
【0067】
図9に説明される実施形態は、異なるアスペクト比を有するセンサピクセルまで容易に拡張することができる。1:9のアスペクト比x:yの場合、3つの内側センサピクセル(左、中央水平、右)が、3つの読み出し回路(上部、中央垂直、底部)の1つに対応してそれぞれ接続される。
【0068】
図10は、本発明の実施形態による放射線検出器のセンサタイルの切取部の概略上面図を示す。この実施形態では、内側センサピクセル12
iは、長方形形状のものであり、互いに対してオフセットされて行に配置される。この例では、隣り合う行の内側センサピクセル12
iは、内側センサピクセルの幅、すなわちx軸に沿った延長部の半分のオフセットO
ffでシフトされる。これにより、x方向にさらに高い分解能を達成することが可能になる。当然ながら、
図10のパターンは、+y/-yの両方向に繰り返してもよく、+x/-xに継続してもよい。
【0069】
たとえば、ピクセル幅の1/3、またはピクセル幅の1/4、またはピクセル幅の1/nによるオフセットなどのさらなるオフセットが可能であり、ここでnは、ni、行-1以下であり、ni、行は、内側センサピクセル12iの行の総数である。行あたりオフセット+Offでセンサピクセルをシフトさせる代わりに、「交互」パターンが、行あたり交互の+Offおよび-Offでセンサピクセルをシフトさせる際に達成されてもよい。
【0070】
このケースでは、各内側センサピクセルの行は、x方向の放射線分配の異なる間隔でサンプルをとる。y方向の放射線分配が情報をもっていないケース、すなわち、放射線がnオフセット行のy延長部にわたって少なくともほぼ同じ分配を有しているケースでは、このオーバーサンプリング方法によって、1D分配を再構築することができる。シフトされた行から得られた信号を組み合わせることにより、x方向に沿ったオーバーサンプリング(すなわち増大されたサンプリング分解能)を有する信号を取得することが可能になる。
【国際調査報告】