(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-29
(54)【発明の名称】固体医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/415 20060101AFI20241122BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20241122BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241122BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20241122BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20241122BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241122BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20241122BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241122BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20241122BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20241122BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20241122BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20241122BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20241122BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20241122BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241122BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241122BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241122BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A61K31/415
A61K47/38
A61K9/20
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/34
A61K47/10
A61K47/04
A61K9/14
A61K9/28
A61P25/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P35/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538350
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2022143030
(87)【国際公開番号】W WO2023125724
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111661891.1
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524072846
【氏名又は名称】杭州阿諾生物医薬科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ADLAI NORTYE BIOPHARMA CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Block 8 No. 1008, Xiangwang Street, Yuhang District Hangzhou, Zhejiang 311121, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】陳 梁
(72)【発明者】
【氏名】劉 世峰
(72)【発明者】
【氏名】趙 艶慧
(72)【発明者】
【氏名】楊 東暉
(72)【発明者】
【氏名】路 楊
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC10
4C076CC27
4C076DD26A
4C076DD28C
4C076DD38A
4C076DD38C
4C076DD41C
4C076DD45C
4C076DD47C
4C076EE16
4C076EE16B
4C076EE23C
4C076EE31A
4C076EE32
4C076EE32B
4C076EE38
4C076EE38A
4C076GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC36
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA41
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA96
4C086ZB15
4C086ZB26
(57)【要約】
式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体とを含み、式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が固形医薬組成物の総重量の約30%~約80%を構成する固体医薬組成物を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体とを含み、式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が固形医薬組成物の総重量の約30%~約80%を構成し、固体医薬組成物の剤形は錠剤である、固体医薬組成物。
【請求項2】
式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が固形医薬組成物の総重量の約40%~約60%を構成する、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項3】
前記薬学的に許容される担体が、充填剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤および流動促進剤から選択される1つまたは複数を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項4】
前記薬学的に許容される担体が以下を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
a. 固体医薬組成物の総重量の約5%~約60%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約8%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約30%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約0.1%~約10%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約5%を構成する流動促進剤。
【請求項5】
前記薬学的に許容される担体が以下を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
a. 固体医薬組成物の総重量の約10%~約50%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約2%~約6%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約0.1%~約25%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約0.5%~約8%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約3%を構成する流動促進剤。
【請求項6】
前記薬学的に許容される担体が以下を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
a. 固体医薬組成物の総重量の約20%~約40%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約3%~約5%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約1%~約25%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約1%~約6%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約1%を構成する流動促進剤。
【請求項7】
充填剤は、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、デンプン、デキストリン、アルファ化デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストラン、スクロース、デキストロースおよびそれらの組み合わせを含む群から選択され、
結合剤は、セルロースエーテル、ポビドン、コポビドン、デンプン、コーンシロップ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、ここで、セルロースエーテルには、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが含まれるが、これらに限定されなく、
崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせを含む群から選択され、
潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、グリセリン、ベヘン酸エステル、タルク、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される、
前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項8】
充填剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、およびそれらの組み合わせから選択され、
結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、コポビドンおよびそれらの組み合わせから選択され、
崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせから選択され、
潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、およびそれらの組み合わせから選択される、
前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項9】
内相を有する顆粒を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項10】
内相を有する顆粒に隣接する外相をさらに含む、請求項9に記載の固体医薬組成物。
【請求項11】
内相を有する顆粒が乾式製造法により調製されたものである、請求項9または10に記載の固形医薬組成物。
【請求項12】
内相を有する顆粒が湿式製造法により調製されたものである、請求項9または10に記載の固形医薬組成物。
【請求項13】
式1の化合物の粒径はD90が約200ミクロン未満である、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項14】
式1の化合物の粒径はD90が約100ミクロン未満である、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項15】
コーティングをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項16】
約50mg~約500mgの前記式1の化合物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項17】
約100mg~約300mgの前記式1の化合物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項18】
多発性硬化症、関節リウマチ、または癌の治療用の医薬を調製するための、前記請求項のいずれか一項に記載の固体医薬組成物の使用。
【請求項19】
前記癌には、皮膚癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、神経膠芽腫、肺癌、頭頸部癌、髄芽腫、尿路がんが含まれる、請求項18に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学の技術分野に属し、特に新規な選択的EP4アンタゴニスト4-{(1S)-1-[({3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-4-1H-ピラゾリル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸および任意に少なくとも1つの薬学的に許容される担体からなる固体医薬組成物、およびその調製方法。
【背景技術】
【0002】
固形腫瘍に浸潤する免疫細胞の最も豊富なタイプには、骨髄細胞、主に TAM および MDSC が含まれ、動物モデルにおいてTAM および MDSC を含む単球細胞の枯渇は、確立された腫瘍の腫瘍増殖を有意に阻害する(Zeisberger, et al., 2006; Srivastava, et al., 2012)。腫瘍におけるTAMおよびMDSCの存在と蓄積は文献に詳しく記載されており、これは乳がん、膵臓がん、またはその他の種類のがん患者の予後不良と関連している(Joyce and Pollard, 2009; Ding, et al., 2009; Ganjoo, et al., 2011; Medrek, et al., 2012; Zhang, et al., 2012)。
【0003】
TAMとMDSCはどちらも未熟な単球前駆体に由来する。EP4 は骨髄細胞上に発現する4つのPGE2受容体の1つであり(Wang and DuBois, 2010)、腫瘍微小環境における単球のTAMおよびMDSCへの分化の促進において重要な役割を果たしている(Lechner, et al., 2011; Mao, et al., 2014; Majumder, et al., 2014)。したがって、EP4 拮抗作用は抗がん療法の可能性があり、その作用機序は免疫抑制性 TAM および MDSC の形成と機能を弱めることである。
【0004】
4-{(1S)-1-[({3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-4-1H-ピラゾリル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸の構造これは、式1に示されており、本出願において以下AN0025と称する。これは、高度に選択的かつ強力なプロスタグランジンE2(PGE2)受容体4(EP4)(PG E2-EP4)の蓄積および機能を調節することによって抗腫瘍活性を示す強力なアンタゴニストである。腫瘍微小環境における腫瘍関連マクロファージ [TAM] や骨髄由来サプレッサー細胞 [MDSC] などの免疫抑制性骨髄細胞の観察。
【0005】
経口投与は、他の投与経路(筋肉内注射、静脈内注射など)よりも優れた、より便利で安全な投与経路であり、医薬品開発プロセスにおいて好ましい投与方法である。
【0006】
AN0025カプセルは、第I相臨床研究用に開発されたもので、AN0025と薬学的に許容される担体を配合し、乾式造粒技術により有効成分AN0025を含有する顆粒を調製し、カプセル内のヒプロメロース中空カプセルに充填したものである。このカプセル剤のさらなる詳細を「比較例1」として以下に記載する。
【0007】
しかし、上記のAN0025カプセル溶出のバッチ内変動(RSD)は比較的大きく(
図1)、そのため溶出試験結果の信頼性が低く、溶出による良好な品質評価方法を確立することは困難である。さまざまな材料変数やプロセス変数が製品品質に及ぼす影響を評価することも困難であり、異なるバッチ間での AN0025 調製物のプロセスの堅牢性と品質の一貫性を確保するための優れた品質管理方法を確立することも困難である。したがって、溶出変動が大きいという上記の問題を克服するために、適切で堅牢な固体医薬組成物を開発する必要がある。
【0008】
発明の内容
本発明は、化合物4-{(1S)-1-[({3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-4-1H-ピラゾリル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸(化合物AN0025)および場合により少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む、品質管理可能な固体剤形およびその調製方法に関する。AN0025 は、生物医薬品分類体系(Biopharmaceutical Classification System)のクラス IV 薬物、つまり、溶出性が低く、浸透性が低い医薬品に属する。本発明者は、実験において、異なるプロセスで調製されたAN0025錠剤がin vitro溶出試験においてより良好な均一性を示すことができ、異なるAPI粒径で調製されたAN0025錠剤が同様のin vitro溶出挙動およびin vivo曝露量を有することを予期せず発見した。ビーグル犬における本発明により提供されるAN0025錠剤の生物学的利用能は、臨床用カプセル剤の生物学的利用能と同等であるが、in vivo曝露量(AUC)における個体差は小さい。これらの結果は、AN0025 錠剤が商業生産においてより優れた制御性を持ち、臨床応用においてより優れた有効性と安全性を備えていることを示している。
【0009】
一態様では、本発明は、式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む固体医薬組成物を提供し、式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、固形医薬組成物の総重量の約30%~約80%を構成し、固形医薬組成物の剤形は錠剤である。
【0010】
一実施形態では、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩は、固体医薬組成物の総重量の約40%~約60%を構成する。
【0011】
一実施形態では、薬学的に許容される担体には、充填剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤および流動促進剤から選択される1つまたは複数が含まれる。
【0012】
一実施形態では、薬学的に許容される担体には以下が含まれる:
a. 固体医薬組成物の総重量の約5%~約60%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約8%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約30%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約0.1%~約10%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約5%を含む流動促進剤。
【0013】
さらに別の実施形態では、薬学的に許容される担体には以下が含まれる:
a. 固体医薬組成物の総重量の約10%~約50%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約2%~約6%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約0.1%~約25%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約0.5%~約8%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約3%を構成する流動促進剤。
【0014】
好ましい実施形態では、薬学的に許容される担体には以下が含まれる:
a. 固体医薬組成物の総重量の約20%~約40%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約3%~約5%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約1%~約25%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約1%~約6%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約1%を構成する流動促進剤。
【0015】
一実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、デンプン、デキストリン、アルファ化デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストラン、スクロース、デキストロースおよびそれらの組み合わせを含む群から選択される;結合剤は、セルロースエーテル、ポビドン、コポビドン、デンプン、コーンシロップおよびそれらの組み合わせを含む群から選択され、ここで、セルロースエーテルのクラスには、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが含まれるが、これらに限定されない;崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースロポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される;潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、マクロゴール、グリセリン、ベヘン酸エステル、タルクおよびそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0016】
一実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトールおよびそれらの組み合わせから選択され、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルセルロース、ケトン、コポビドンおよびそれらの組み合わせから選択され、崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせから選択され、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムおよびそれらの組み合わせから選択される。
【0017】
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物は、内相を有する顆粒を含む。
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物は、内相を有する前記顆粒に隣接する外相をさらに含む。
【0018】
一実施形態では、本発明によって提供される固体医薬組成物については、AN0025および他の薬学的に許容される担体を造粒プロセスを通じて良好な流動性および圧縮性を有する顆粒に調製し、その後、錠剤に圧縮する。固体医薬組成物中の他のすべての薬学的に許容される担体は、造粒プロセスに参加するために内部に添加することも、外相として部分的に添加することもできる。
【0019】
一実施形態では、内相を有する顆粒は、以下の工程を含む乾式調製プロセスによって調製される:化合物AN0025および様々な薬学的に許容される担体をスクリーニングおよび秤量する;化合物AN0025および薬学的に許容される担体を配合し、適切な時間混合する;ローリングする。混合物をリボンにし、リボンを粉砕して顆粒にする;顆粒を顆粒外賦形剤と適切な時間混合する;混合物を錠剤に圧縮する。
【0020】
一実施形態では、内相を有する顆粒は、以下の工程を含む湿式調製プロセスによって調製される:化合物AN0025および薬学的に許容される各担体をスクリーニングおよび秤量する;造粒流体と同時に、化合物AN0025および薬学的に許容される担体を混合する。適切な混合速度で適切な時間混合し、混合物を顆粒に細断し、造粒流体は、結合剤を溶媒(水)または単に水などの湿潤剤に分散させることによって得ることができ、顆粒を乾燥させる。顆粒を顆粒外賦形剤と適切な時間混合し、混合物を錠剤に圧縮する。
【0021】
一実施形態では、固体医薬組成物はコーティングをさらに含む。
【0022】
一実施形態では、式1の化合物は、約200ミクロン未満の粒径D90を有する。
【0023】
好ましい実施形態では、式1の化合物は、約100ミクロン未満の粒径D90を有する。
【0024】
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物は、約50mg~約500mgの前記式1の化合物を含有する。
【0025】
好ましい実施形態において、本発明の固体医薬組成物は、約100mg~約300mgの前記式1の化合物を含有する。
【0026】
別の態様では、本発明は、多発性硬化症、関節リウマチ、または癌の治療用の医薬品の調製における固体医薬組成物の使用を提供し、癌には皮膚癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌 、腎臓がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、神経膠芽腫、肺がん、頭頸部がん、髄芽腫および尿道がんが含まれる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】比較例1、実施例1、実施例2の溶出RSDの比較
【
図2】比較例1、2、3と実施例1、2の溶出曲線の比較
【
図3】ビーグル犬における、カプセル剤(比較例1)AN0025の薬物血中濃度時間曲線(750mg/犬)
【
図4】ビーグル犬における、錠剤(実施例4)AN0025の薬物血中濃度時間曲線(750mg/犬)
【
図5】ビーグル犬における、カプセル剤(比較例1)AN0025の薬物血中濃度時間曲線(250mg/犬)
【
図6】ビーグル犬における、錠剤(実施例4) AN0025の薬物血中濃度時間曲線(250mg/犬)
【
図7】ビーグル犬における、錠剤(実施例4a)AN0025の薬物血中濃度時間曲線(750mg/犬)
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
本発明は、化合物4-{(1S)-1-[({3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-4-1H-ピラゾリル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸(AN0025)およびその薬学的に許容される塩、および任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む、品質管理可能な固体医薬組成物、固体医薬製剤、およびそれらの調製プロセスを提供する。
【0030】
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。用語「医薬組成物」または「製剤」は、予防、治療、または制御のために個体(例えば、ヒト)に投与される個人に影響を与える特定の疾患や状態の治療用化合物の物理的な混合物を指す。例えば、本明細書で使用される「医薬組成物」または「製剤」という用語は、高温および高圧で形成される緊密な物理的混合物も包含する。
【0031】
「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、個人、特にヒトの組織との接触に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、およびその他の問題となる合併症がなく、妥当な利益/リスク比を伴う、化合物、材料、組成物、担体および/または剤形を指す。
【0032】
「薬学的に許容される担体」という用語は、生物学的活性において実質的に不活性であり、製剤の実質的な部分を構成する任意の薬学的に許容される不活性材料を指す。
【0033】
「治療有効量」という用語は、個体に影響を及ぼす疾患または状態の症状を軽減、除去、治療、予防または制御するのに有効な量または濃度を指す。「制御」という用語は、哺乳動物に影響を与える疾患や状態の進行を遅らせ、中断し、阻止し、または停止させることができるすべてのプロセスを指す。ただし、「制御」とは、必ずしも疾患または状態のすべての症状を完全に除去することを意味するわけではない。
【0034】
「治療」という用語には、疾患または状態の進行を遅らせるだけでなく、予防的および/または治療的治療も含まれる。好ましくは、「治療」という用語は、治療的治療、ならびに疾患または状態の進行を遅らせることを指す。「進行の遅延」とは、治療対象の癌の初期または初期段階にある個体、例えば、対応する疾患の前形成が診断されている個体、または以下のような個体への医薬組成物の投与を指す。その個体は、対応する病気が発症する可能性が高い状況にある。
【0035】
「経口剤形」という用語は、経口投与経路によって個体に投与するために調製された医薬組成物を指す。公知の経口剤形の例としては、錠剤、カプセル、カプレット、粉末、丸剤、顆粒、溶液、懸濁液、溶液および溶液前濃縮物、エマルジョンおよびエマルジョン前濃縮物などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、粉末、丸剤、顆粒および錠剤は、例えば胃腸管内でのより高い安定性を達成するため、または所望の放出速度を達成するために、適切なポリマーまたは一般的に使用されるコーティング材料でコーティングされてもよい。さらに、粉末、丸剤または顆粒を含有するカプセルはさらにコーティングされていてもよい。錠剤には、分割投与を容易にするためにスコアが付けられている場合がある。あるいは、本発明の剤形は単位剤形であってもよく、1つの単位剤形は投与ごとに1つの治療用量を送達することを意図し、または複数の単位剤形は投与ごとに合計治療用量を送達することを意図する。
【0036】
「投与」という用語は、治療用化合物が個体に提示される方法を指す。
【0037】
「経口投与」という用語は、経口剤形を飲み込む、咀嚼する、または吸引することによる経口経路によって治療用化合物を投与できる任意の投与方法を意味する。固体経口剤形は伝統的に、口腔および/または頬腔の後ろの胃腸管内で活性薬剤を実質的に放出および/または送達することを目的としている。固体剤形の例としては、一般的に使用される錠剤、カプセル、カプレットなどが挙げられる。
【0038】
「個人」または「患者」という用語には、動物が含まれることが意図されている。個体の例には、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、およびトランスジェニック非ヒト動物などの哺乳動物が含まれる。特定の実施形態では、個体はヒトであり、例えば、癌を有する、癌を発症するリスクがある、または癌を発症する可能性があるヒト(男性および女性の対象を含み、新生児、乳児、青少年、青年、成人、および高齢の対象を含む)である。
【0039】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「含む」および「含有」という用語は、オープンかつ非限定的な意味を有する。
【0040】
本明細書で別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明を説明する際、特に以下の特許請求の範囲の文脈において、用語「一」、「当該」および同様の語は、単数形および複数形の両方を包含するものと解釈されるものとする。
【0041】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、異なる値の差を考慮して所定の値が終点を「わずかに上回る」または「わずかに下回る」可能性があることを規定することにより、数値範囲の終点に柔軟性を与えるために使用され、それで異なる機器、サンプル、およびサンプル準備間の測定値の目に見える違いを説明する。「約」または「およそ」という用語は、一般に、所与の値または範囲の10%以内、より好ましくは5%以内、最も好ましくは1%以内を意味する。
【0042】
便宜上、本明細書で使用される複数の品目、構造要素、構成要素および/または材料がリストで提示される場合がある。ただし、リストの各メンバーは別個の一意のメンバーとして個別に識別されるため、これらのリストは考慮される必要がある。したがって、リストの個々のメンバーは、反対の意味を示すことなく、同じリストの他のメンバーと共通のグループに含まれるということのみに基づいて、事実上同等であると解釈されるべきではない。
【0043】
化合物:化合物、薬学的に許容される塩もしくはエステル、およびそれらの様々な形態。
【0044】
式 1 化合物 4-{(1S)-1-[({3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-4-1H-ピリジン アゾリル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸(AN0025)およびその薬学的に許容される塩は、本発明の医薬組成物での使用を意図している。この化合物、その薬学的に許容される塩、およびその調製は、WO2012039972Aに開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
式1の化合物は、遊離酸または薬学的に許容される塩の形態で本発明の医薬組成物中に存在し得る。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製中にその場で、または塩基または酸官能基をそれぞれ適切な有機または無機の酸または塩基と別々に反応させることによって調製することができる。薬学的に許容される塩を形成するために使用できる酸付加塩の例としては、無機酸(塩酸、ホウ酸、硝酸、硫酸)、有機酸(リン酸、ならびにギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸)および酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸など)などのが挙げられる。薬学的に許容される塩基塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩などのアルカリ金属およびアルカリ土類金属ベースのカチオン、ならびに非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアンモニアカチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが含まれるが、これらに限定されない。塩基付加塩を形成するのに有用な他の代表的な有機アミンには、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサヒドロピラジン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミンなど;ならびにアルギニン、リジンおよびオルニチンなどの塩基性アミノ酸が含まれる。
【0046】
本発明によれば、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量に対して約20%~約90%、約30%~約80%、約35%~約70%の範囲の量で、医薬組成物に存在し得る。一実施形態では、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩は、全組成物の総重量に対して約40%~約60%の範囲の治療有効量で存在する。好ましくは、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩は、全組成物の総重量に対して、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、または約85%である。
【0047】
式1の化合物またはその薬学的に許容される塩に加えて、本発明の固体医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される薬剤用担体をさらに含む。これらの担体の例としては、充填剤(または希釈剤)、崩壊剤、流動促進剤、結合剤、安定剤、着色剤、風味増強剤、保存剤またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、固体医薬組成物の特定の所望の特性に合わせて、過度の負担をかけることなく、日常的な実験によって1つ以上の前述の賦形剤を選択することができる。使用される各担体の量は、当技術分野で一般的に使用される範囲内で変化し得る。
【0048】
本発明での使用に適した充填剤は、医薬組成物の成分と適合する、すなわち、それらは医薬組成物の化学的安定性、物理的安定性または生物活性を実質的に低下させない。薬学的に許容される充填剤の例としては、セルロース、改質セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、酢酸セルロース、微結晶性セルロース、セルロース粉末、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、デンプン(コーンスターチ、ジャガイモデンプンなど)、デキストリン、アルファ化デンプン、糖(マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストラン、スクロース、デキストロース、粉糖、圧縮糖など)、タルク、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、充填剤は、好ましくは微結晶性セルロース、マンニトールおよび/またはラクトースである。本発明の一実施形態では、充填剤は、組成物の総重量に基づいて、約5%~約60%、約10%~約50%、約15%~約45%、約20%~約40%の量で存在し得る。本発明の好ましい実施形態では、充填剤は、組成物の総重量に基づいて、約5%、約10%、約15%、約20%、約22%、約25%、約27.5%、約30%、約33%、約34%、約35%、約37%、約40%、約42%、約44%、約46%、約48%、約50%、約55%、または約60%であり得る。
【0049】
薬学的に許容される崩壊剤の例には、デンプン、セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、アルギン酸塩、ゴム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンまたはクロスポビドンなどの架橋ポリマー、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウムまたはクロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、大豆多糖類、デンプングリコール酸ナトリウム、およびグアー糊またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、崩壊剤はクロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/またはクロスポビドンであることが好ましい。本発明の一実施形態では、崩壊剤は、組成物の総重量に基づいて、約0%~約30%、約0.1%~約25%、約1%~約25%、約1%~約22.5%、約5%~約20%の量で存在し得る。本発明の好ましい実施形態では、崩壊剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%、約1%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約12%、約14%、約16%、約18%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約27.5%、または約30%の量で存在し得る。
【0050】
薬学的に許容される結合剤の例としては、デンプン、セルロースおよび微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロースなどのその誘導体、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、多糖類、ポビドン、コポビドン中和ゼラチン、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドンおよび/またはコポビドンであることが好ましい。本発明の一実施形態では、結合剤は、組成物の総重量に基づいて、約0%~約10%、約0%~約8%、約2%~約6%、約3%~約5%の量で存在し得る。本発明の好ましい実施形態では、結合剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%であり得る。%、約5.5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%の量で存在し得る。
【0051】
薬学的に許容される潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸グリセリル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムおよび/またはフマル酸ステアリルナトリウムである。本発明の一実施形態では、潤滑剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約10%、約0.5%~約8%、約1%~約6%の量で存在し得る。本発明の好ましい実施形態では、潤滑剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%、約1%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、約5%、約6%、、約7%、約8%、約9%、または約10%である。
【0052】
薬学的に許容される流動促進剤とは、主な機能が顆粒間摩擦を低減することによって製品の流動性を改善することである薬学的賦形剤を指す。流動促進剤は、ヒュームド微粉化シリカゲル、熱分解法シリカゲル、アルミノケイ酸ナトリウム水和物およびタルクなどのシリコン含有材料から選択することができる。好ましくは、本発明の医薬組成物は、流動促進剤、好ましくはコロイド状二酸化ケイ素を含む。本発明の一実施形態において、流動促進剤は、組成物の総重量に基づいて、約0%~約5%、約0%~約3%、約0%~約1%であり得る。本発明の好ましい実施形態では、流動促進剤は存在しない。別の好ましい実施形態では、流動促進剤は、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%である。
【0053】
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物は、下記からなる群から選択される少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む:組成物の重量に対して約5重量%~約60重量%の量で存在する充填剤、組成物の重量に対して約0重量%~約30重量%の量で存在する崩壊剤、組成物の重量に対して約0%~約8%の量で存在する結合剤、組成物の重量に対して約0.1重量%~約10重量%の量で存在する潤滑剤、組成物の重量に対して約0%~約5%の量で存在する流動促進剤、またはそれらの組み合わせ。流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素であり得る。
【0054】
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物は、下記からなる群から選択される少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む:組成物の重量に対して約10重量%~約50重量%の量で存在する充填剤、組成物の重量に対して約0.1重量%~約25重量%の量で存在する崩壊剤、組成物の重量に対して約2重量%~約6重量%の量で存在する結合剤、組成物の重量に対して約0.5重量%~約8重量%の量で存在する潤滑剤、組成物の重量に対して約0重量%~約3重量%の量で存在する流動促進剤、またはそれらの組み合わせ。流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素であり得る。
【0055】
好ましくは、充填剤は、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、デンプン、デキストリン、アルファ化デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストラン、スクロース、デキストロース、またはそれらの組み合わせから選択される;結合剤は、セルロースエーテル、ポビドン、コポビドン、デンプン、コーンシロップ、またはそれらの組み合わせから選択され、セルロースエーテルとしては、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない;崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルまたはそれらの組み合わせから選択される;潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、グリセリン、ベヘン酸エステル、タルク、またはそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、充填剤は微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトールまたはそれらの組み合わせから選択され、結合剤はヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、コポビドンまたはそれらの組み合わせから選択され、崩壊剤はクロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、またはそれらの組み合わせから選択され、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、またはそれらの組み合わせから選択される。好ましくは、5分から60分の任意の時点における固体医薬組成物の溶出RSDは20%未満である。より好ましくは、5分から60分の任意の時点における固体医薬組成物の溶出RSDは10%未満である。
【0056】
別の実施形態において、本発明の固形医薬組成物は、造粒部によって製造される内相を有する顆粒と、外部添加部によって製造される顆粒に隣接する外相とを含む。顆粒および外相の構成成分および各成分の含有量は、同一であっても異なっていてもよい。固体医薬組成物の総重量に対する顆粒および外相のそれぞれの割合は、選択された補助材料およびプロセス要件に従って研究者によって適切に調整され得る。
【0057】
本発明は、固体医薬組成物の製造プロセスに関する。
【0058】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は乾式造粒プロセスによって調製される。本発明によれば、医薬組成物は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を少なくとも1つの薬学的に許容される担体とともに含む造粒画分を粉砕するステップと、粉砕するステップと、を含む方法によって調製することができる。内相を有する複数の顆粒を含み、顆粒は外部添加部と混合され、最終混合物は場合により錠剤に圧縮される。輾圧には、基本的に互いに向かって回転する2 つのローラーを利用する装置が使用される。スクリューコンベアシステムによりローラーコンパクターに送り込まれる粉砕された顆粒は、圧縮力を加える。
【0059】
本発明において、特に断りのない限り、「造粒部」とは、内相を有する顆粒を調製するために使用される原料部分を指し、「外部添加部」とは造粒部から製造された内相を有する顆粒と混合して固体医薬製剤を製造するための補助材料部分を意味し、内相を有する顆粒に隣接する固体医薬製剤の外相を構成する。
【0060】
自由落下またはタンブリング混合、シングルパンチまたはロータリー錠剤プレスでの錠剤への圧縮、またはローラー圧縮装置での圧縮など、造粒、篩分けおよび混合の様々な方法が当該技術分野で知られている。
【0061】
篩い分けまたはスクリーニングステップは、任意の適切な手段、例えば、振動ふるい、手動/振動ふるい、または適切なサイズのスクリーンを取り付けた市販のスクリーニングミルを使用して達成することができる。当業者は、篩い分けまたはスクリーニングステップで使用するための適切なサイズのスクリーンを決定および選択する方法についての経験および知識を有するであろう。例えば、篩い分けまたはスクリーニングステップは、適切なサイズのスクリーンを備えたスクリーニングミルを使用して実施することができる。
【0062】
輾圧ステップは、約3.6MPa~約19.4MPa、好ましくは約4.0MkPa~10.0MPa、最も好ましくは約7.0MPaの範囲の圧縮力を有するローラーコンパクターを使用して達成される。使用される装置はローラーコンパクターであることが好ましい。装置のスクリュー速度は適切に調整され、輾圧材料の適切な品質が保証される。ロールの速度は適切に調整され、輾圧された材料の適切な品質が保証される。
【0063】
粉砕/スクリーニングステップは、任意の適切な手段を使用して達成することができる。典型的には、粉砕された材料(内部相を有する顆粒を形成する)は、少なくとも0.5mm、例えば0.6mm、0.8mm、1.2mmまたは2mmのメッシュサイズを有するスクリーニングミルまたは振動ふるい/ミルに通される。この粉砕/スクリーニングステップにより、複数の顆粒が生成される。
【0064】
顆粒と外部添加部を混合するステップは、ホッパーミキサーで行うことができる。次いで、固体錠剤剤形を、適切なロータリープレスを使用して、所望の目標錠剤重量で圧縮することができる。
【0065】
好ましい実施形態において、本発明は、本発明の医薬組成物を含み、コーティングでコーティングされた固体経口剤形に関する。適切なコーティングは当技術分野で知られており、市販されているか、または既知の方法に従って製造することができる。通常、コーティング材料は、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒプロメロースなどの親水性ポリマーである。コーティング組成物の成分には通常の量の、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、プロピレングリコール、グリセリンなどの可塑剤、二酸化チタンなどのオパシフィアー、および/または酸化鉄、アルミニウムレーキなどの着色剤が含まれてもよい。典型的には、コーティング材料は、例えば、固形経口剤形全体の約1%~約6%の範囲のコーティングを提供する量でコーティングされる。これらの製品は、個別に調製されたフィルム形成ポリマー、オパシフィアー、着色剤、および可塑剤のドライプレミックスであり、さらに水性コーティング懸濁液に加工される。好ましくは、コーティングは、全組成物の約1%~10%、好ましくは全組成物の約2%~6%の固体経口剤形の重量増加を達成するように適用される。本発明の一実施形態では、コーティング材料はOpadry(登録商標)であり、コーティング重量は固体経口剤形の総重量の約3%~4%を構成する。
【0066】
別の実施形態において、本発明は、固体医薬組成物を製造するためのプロセスに関し、以下のステップを含む:
【0067】
(a) 化合物1またはその薬学的に許容される塩を少なくとも1種の薬学的に許容される担体と混合し、均一に混合する;
【0068】
(b) 篩分けまたはスクリーニングかけた材料を輾圧して圧縮材料を形成する;
【0069】
(c) 圧縮された材料を粉砕して複数の顆粒を形成する;
【0070】
(d) 前記顆粒を外部添加部と混合して最終混合物を形成する;および
【0071】
(e) 場合により、最終混合物を錠剤に圧縮する。
【0072】
一実施形態において、本発明はまた、上述のステップに従って最終混合物を錠剤に圧縮した後、場合により錠剤にコーティングを施すステップをさらに含む、コーティング錠剤を製造するプロセスを含んでもよい。
【0073】
別の実施形態では、本発明の医薬組成物は湿式造粒プロセスによって調製される。本発明によれば、医薬組成物は、以下のステップを含む方法によって製造することができる:化合物AN0025および各薬学的に許容される担体をスクリーニングおよび秤量する;結合剤を含むまたは含まない造粒流体を添加すると同時に、化合物AN0025および薬学的に許容される担体を適切な混合速度で適切な時間で混合する;および混合物を顆粒に細断し、ここで、造粒流体は、溶媒(水)中に結合剤を分散させることによって調製される結合剤溶液、または水などの単なる湿潤剤であり得る;顆粒を乾燥する;顆粒を適切な量の顆粒外賦形剤と適切な時間で混合する;それで、適切なロータリープレスを使用して、所望の目標錠剤重量の固体剤形で錠剤に圧縮する。
【0074】
別の実施形態において、本発明は、固体医薬組成物を製造するためのプロセスに関し、以下のステップを含む:
【0075】
(a) 化合物1またはその薬学的に許容される塩を少なくとも1種の薬学的に許容される担体と混合し、均一に混合する;
(b)造粒流体を添加しながら、化合物AN0025と薬学的に許容される担体を適切な混合速度で適切な時間混合し、混合物を顆粒に細断する;
(c) 顆粒を乾燥する;
(d) 篩い分けにより目標粒径の乾燥顆粒を得る;
(e) 前記顆粒を外部添加部と混合して最終混合物を形成する;および
(f) 場合により、最終混合物を錠剤に圧縮する。
【0076】
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物錠剤中の式1の化合物の粒径は、D90が約200ミクロン未満である。一実施形態では、本発明の固体医薬組成物錠剤中の式1の化合物の粒径は、D90が約100ミクロン未満である。好ましい実施形態では、本発明の固体医薬組成物錠剤中の式1の化合物の粒径は、D90が約10ミクロン~約80ミクロンである。
【0077】
一実施形態において、本発明はまた、上述のプロセスに従って最終混合物を錠剤に圧縮した後、場合により錠剤にコーティングを施すステップをさらに含む、コーティング錠剤を製造するプロセスを含んでもよい。
【0078】
一実施形態では、本発明の固体医薬組成物錠剤は、約50mg~約500mgの式1の化合物を含有し、別の実施形態では、本発明の固体医薬組成物錠剤は、約100mg~約300mgの式1の化合物を含有する。好ましくは、本発明の固体医薬組成物錠剤は、約125mg~約250mgの式1の化合物を含む。
【0079】
乾式造粒または湿式造粒によって得られる本発明の錠剤固形医薬組成物は、以下の利点を示す:
【0080】
(1)医薬組成物の製剤は溶出速度が速い。
(2)医薬組成物の製剤は、より低い溶出RSDを有する。
(3)医薬組成物の製剤は、異なる粒径のAPIに適している。
(4)医薬組成物の製剤のin vivo曝露量には個人差が少ない。
本発明の医薬組成物およびその固体剤形は、癌、特にEP4を阻害することによって有益に治療できる多発性硬化症、関節リウマチ、または癌を治療するために使用することができる。本発明の固体医薬組成物による治療に適した癌の例としては、例えば、皮膚癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、神経膠芽腫、肺がん、頭頸部がん、髄芽腫、尿道がんが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の固体医薬組成物で治療できる他の疾患は、国際公開第2012039972号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0081】
一実施形態では、本発明は、癌の治療に使用するための本発明の固体医薬組成物を提供する。
一実施形態では、本発明は、癌を治療するための薬剤の製造における本発明の固体医薬組成物の使用を提供する。
【0082】
一実施形態において、本発明は、癌を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む本発明の固体組成物を癌に罹患している患者に投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。
【0083】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、上記の添付の説明に記載されている。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料をここで説明する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、明細書および特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書および添付の特許請求の範囲では、文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数形には複数の指示対象が含まれる。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。この明細書で引用されるすべての特許および刊行物は、参照により組み込まれる。以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより十分に説明するために提示される。これらの例は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示された特許の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【0084】
実施例
1. 溶出試験方法:
溶出パラメータ
装置:米国薬局方および中国薬局方装置II(パドル法)
速度:50 rpm
溶出溶媒:pH 6.8リン酸緩衝液
溶出量:900mL
温度:37±0.5℃
【0085】
HPLC検出条件
検出波長:234nm
クロマトグラフィーカラム:YMC-Triart C18 75×4.6 mm、3 μm
カラム温度:40℃
溶媒 A:水/70% 過塩素酸 (1000/1、v/v)
溶媒 B:アセトニトリル/70% 過塩素酸 (1000/1、v/v)
【0086】
【0087】
薬物動態パラメータ試験方法
本発明において、比較例及び実施例の薬物動態パラメータはクロマトグラフィー及び質量分析法により測定され、試験条件の詳細は表1a及び表1bに記載されている。
【0088】
【0089】
【0090】
2、比較例1
比較例1のカプセル剤は、表2aに記載の成分および含有量に従って調製した。
【0091】
【0092】
比較例1のAN0025カプセル剤の製造プロセスは、混合、潤滑、造粒、整粒、カプセル充填および重量選別の6つのステップから構成される。AN0025 API、マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムおよび微結晶性セルロースを高せん断ミキサーまたはホッパーミキサーに入れてよく混合した。次いで、潤滑のためにステアリン酸マグネシウムを上記の混合物に添加した。ローラーコンパクターを使用して、混合物を長いストリップに圧縮した。ストリップをふるいにかけて(ふるいの目開きは1.5 mmである)整粒された。カプセル充填機を使用して整粒された顆粒をヒプロメロース (HPMC) カプセルに充填し、秤量機を使用して過重量および充填が不十分なカプセルを除去した。
【0093】
表2b 125mgカプセル剤(比較例1)の安定性考察における溶出曲線の平均値
【0094】
表2bは、比較例1の125mgカプセルの安定性研究中の溶出曲線の平均値を示す。異なる保管条件 (長期安定性の場合は 25°C/相対湿度 60%、加速安定性の場合は 40°C/相対湿度 75%) の下では、1 ~ 36 ヶ月の異なる時点で測定された結果には大きな差があった。この差は傾向ではなく上下に変動しており、平均溶出値であっても薬物の真の溶出状態を反映できないことを示していた。
【0095】
このうち、比較例1の別のバッチの溶出曲線測定結果を表2Cに示す。ここで、SDは標準偏差、RSDは相対標準偏差である。特に明記されていない限り、この記事に記録されている SD および RSD は、表 2c と同じ定義および計算方法を持つ。図 2c は、同じ時点での異なるカプセルサンプルの検出結果が大きく異なり、RSD が比較的大きいことを示した。業界の技術者が溶出曲線を測定する一般に許容される標準は、最初の時点での溶出測定値の RSD が 20% 以下であり、他の時点での溶出測定値の RSD が10% 以下である。
【0096】
表2C、比較例1の溶出曲線
上記の結果は、カプセル剤の溶出には比較的大きな RSD があり、異なるバッチまたは異なる時間の同じバッチの試験結果に大きな変動があることを示していた。
【0097】
3、比較例2
比較例2のカプセル剤は、表3に記載の成分および含有量に従って調製した。比較例2は、比較例1と同じ成分および含有量を使用し、異なる中空カプセルに充填したものである。
【0098】
【0099】
比較例2のAN0025カプセル剤の製造プロセスは、混合、潤滑、造粒、整粒、カプセル充填および重量選別の6つのステップから構成される。AN0025 API、マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、および微結晶性セルロースを高剪断ミキサーに混合した。高剪断ミキサーを使用して、ステアリン酸マグネシウムを混合物と混合した。ローラーコンパクターを使用して、混合物を長いストリップに圧縮した。ストリップをふるいにかけて(ふるいの目開きは1.5 mmである)整粒された。カプセル充填機を使用して顆粒全体をゼラチン中空カプセルに充填し、秤量機を使用して過重量および充填不足のカプセルを除去した。
【0100】
表3b 比較例2の安定性考察における溶出挙動
表3bは、HPMCカプセルを使用した比較例1と比較して、ゼラチンカプセルを使用した比較例2はより速く溶出でき、その溶出RSDも大幅に改善されたことを示すが、5分間のRSDは依然として20%を超えていた。さらに、40℃/相対湿度75%での加速安定性考察中に、比較例2のカプセルは比較的明らかな溶出の低下を示した。
4、比較例3
比較例1の比較的高いRSDを改善するために、本発明者らは、表4aに記載の成分および含有量に従って、異なる調製プロセスを使用して比較例3のカプセルを調製した。
【0101】
表4a 比較例3の処方組成
調製プロセスは次のとおりである。
【0102】
ステップ1 混合
秤量した化合物 AN0025、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルセルロースおよび微結晶性セルロースを高せん断造粒機に300 rpmで加え、2分間混合した。
【0103】
ステップ2 造粒
高せん断造粒機のパラメータを撹拌速度 200 rpm、せん断速度 800 rpm に設定し、湿潤剤として精製水をゆっくりと加えて軟質材料を調製した。すべての湿潤剤を添加した後、同じ撹拌速度とせん断速度で 2 ~ 3 分間運転し続け、排出した。この軟質材料を目開き2.0mmの篩に通し、湿潤顆粒を得る。
【0104】
ステップ 3 乾燥
上記の工程で得られた湿潤顆粒を乾燥して水分を除去した。
【0105】
ステップ4 整粒
乾燥後に得られた顆粒を再度篩い分けし、内相を有する顆粒を得た。
【0106】
ステップ5 混合II
上記で調製した顆粒と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを均一に混合した。
【0107】
ステップ6 潤滑II
上記で調製した混合物をステアリン酸マグネシウムと均一に混合した。
【0108】
ステップ7 カプセル充填
目標重量に応じて、潤滑材をヒプロメロース (HPMC) カプセルに充填し、製品が完成した。
【0109】
しかしながら、表4bに示すように、湿式造粒プロセスによって調製されたカプセルは依然として高いRSDを有した。
【0110】
表4b 比較例3の溶出プロフィール
化合物AN0025製剤の高いRSDの問題を根本的に解決するために、本発明者らは、以下の具体的な実施例を実施した。
【0111】
5、本発明の実施例1
本発明の実施例1の錠剤は、表5aに記載の成分および含有量に従って調製した。
【0112】
表5a 実施例1の処方組成
調製プロセスは次のとおりである。
【0113】
ステップ1 混合
秤量した化合物AN0025、マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムおよび結晶性セルロースを均一に混合した。
ステップ2 潤滑I
造粒部のステアリン酸マグネシウムをステップ1の混合物に加え、均一に混合した。
【0114】
ステップ3 造粒
ローラーコンパクターを使用して混合物をストリップにプレスし、輾圧パラメーターは、圧縮力10Mpa、ロール速度4rpm、ギャップ幅1.5mmとした。
【0115】
ステップ4整粒
長いストリップを粗い篩(目開き 2.0 mm)と細かい篩(目開き0.6 mm)で篩い分けし整粒され、内相を有する顆粒を得た。
【0116】
ステップ5 潤滑II
上記で調製した顆粒を外部添加部のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0117】
ステップ6 タブレット
所望の目標錠剤重量を250 mgとして、打錠機を使用して適切な形状の錠剤を圧縮した。
【0118】
実施例1の処方成分は比較例1、比較例2と同様であり、異なる剤形に調製されている点が異なる。溶出データは表5bに示されており、すべての時点での溶出RSDは10%以下であり、比較例1および比較例2と比較して大幅に改善された。また、添付の
図2からも、実施例1の錠剤の薬物溶出速度が比較例1のカプセルよりも高いことがわかった。
【0119】
表5b 実施例1の溶出曲線
6、本発明の実施例2
本発明の実施例2の錠剤は、表6aに記載の成分および含有量に従って調製した。
【0120】
表6a 実施例2の処方組成
調製プロセスは次のとおりである。
【0121】
ステップ1 混合
秤量した化合物 AN0025、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルセルロースおよび微結晶性セルロースを高せん断造粒機に加え、300 rpmで2分間混合した。
ステップ2 造粒
高せん断造粒機のパラメータを撹拌速度 200 rpm、せん断速度 800 rpm に設定し、湿潤剤として精製水をゆっくりと加えて軟質材料を調製した。すべての湿潤剤を添加した後、同じ撹拌速度とせん断速度で 2 ~ 3 分間運転し続け、排出した。この軟質材料を目開き2.0mmの篩に通し、湿潤顆粒を得た。
【0122】
ステップ3 乾燥
上記の工程で得られた湿潤顆粒を乾燥して水分を除去した。
【0123】
ステップ4 整粒
乾燥後に得られた顆粒を再度篩い分けし整粒され、内相を有する顆粒を得た。
【0124】
ステップ5 混合II
上記で調製した顆粒と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを均一に混合した。
【0125】
ステップ6 潤滑II
上記で調製した混合物をステアリン酸マグネシウムと均一に混合した。
【0126】
ステップ7 タブレット
目標の錠剤重量に応じて、打錠機を使用して錠剤を適切な形状に圧縮した。
【0127】
その溶出データは表6bに示されており、すべての時点での溶出RSDは10%を超えなかった。
【0128】
【0129】
表6c 実施例2の安定性考察中の溶出挙動
実施例2と比較例3は、処方成分および調製プロセスは同一であるが、異なる剤形に調製されている点が異なる。実施例2の溶解曲線の比較を明細書の
図2に示す。実施例1の実験結果と同様に、実施例2の錠剤の薬物溶出速度も比較例3のカプセルの溶出速度よりも高い。
【0130】
表 6c に示すように、実施例2は、安定性考察中に大幅な低下がなく、比較的安定していた。しかしながら、表3bに示すように、比較例2の溶出速度は、安定性考察中に大幅に減少した。この結果は、安定性の観点から錠剤の利点を示した。
【0131】
実施例1および2は、乾式造粒または湿式造粒に関係なく、本発明の錠剤がカプセル剤の高いRSDの問題を大幅に改善できることやこの改善は調製プロセスとは何の関係もないことを示した。
【0132】
7、本発明の実施例3
配合中の各成分の比率を変更し、表7aに記載の成分および含有量に従って本発明の実施例3の錠剤を製造した。
【0133】
【0134】
調製プロセスは次のとおりである。
ステップ1 混合
秤量した化合物 AN0025、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムおよび微結晶性セルロースをホッパーミキサーに加え、均一に混合した。
ステップ2 潤滑I
ホッパーミキサーを使用して、ステアリン酸マグネシウムの顆粒部分とステップ 1 の混合物を均一になるまで混合した。
【0135】
ステップ3 造粒
ローラーコンパクターを使用して、混合物を長いストリップに圧縮した。輾圧パラメータは、圧縮強度 7Mpa、ロール速度2rpm、ギャップ幅 1.5mm とした。
【0136】
ステップ4 整粒
長いストリップが破砕された後、顆粒は 0.8 mm のスクリーンでふるいにかけられ整粒し、内相を有する顆粒が得られた。
【0137】
ステップ5 潤滑II
上記で調製した顆粒を外部添加部のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0138】
ステップ6 タブレット
適切な形状の錠剤を、打錠機を使用して、所望の目標錠剤重量 500 mg で圧縮した。
【0139】
ステップ7 コーティング
オパドライを精製水に十分に分散させてコーティング液を調製し、コーティング機でフィルムコーティングを行い、コーティング重量増加率4%を目標とした。
【0140】
溶出データを表7bに示す。ただし、最初の時点での溶出RSD がわずかに高く (ただし 20% 以下)、他の時点での溶出 RSD は 10% 以下である。
【0141】
【0142】
8、実施例4
実施例4のコーティング錠剤は、表8aに記載の成分および含有量に従って調製した。
【0143】
表8a 実施例4の処方成分
調製プロセスは次のとおりである。
【0144】
ステップ1 混合
秤量した化合物 AN0025、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウムおよび微結晶セルロースをホッパーミキサーに加え、均一に混合した。
ステップ 2 潤滑I
ホッパーミキサーを使用して、造粒部のステアリン酸マグネシウムをステップ1の混合物と均一に混合した。
【0145】
ステップ3 造粒
混合物は、ローラーコンパクターを使用して長いストリップにプレスされ、輾圧パラメータは、圧縮力7MPa、ロール速度2rpm、ギャップ幅1.5mmとした。
【0146】
ステップ4 整粒
ストリップを粉砕した後、0.8mmのスクリーンを通して整粒し、内相を有する顆粒を得た。
【0147】
ステップ5 潤滑II
上記で調製した顆粒を外部添加部のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0148】
ステップ6 タブレット
所望の目標錠剤重量 500 mg に達したら、打錠機を使用して錠剤を適切な形状に圧縮した。
【0149】
ステップ7 コーティング
オパドライを精製水に十分に分散させてコーティング液を調製し、コーティング機でフィルムコーティングを行った。目標コーティング重量増加率は4%であった。
【0150】
溶出データは表 8b に示されており、すべての時点での溶出 RSD は 10% を超えなかった。
【0151】
表8b 実施例 4 の溶出プロフィール
表8cに示すように、40℃/相対湿度75%の条件下に1か月間放置した後でも、溶出速度は大きく変化しなかった。
【0152】
【0153】
比較例1、実施例3および実施例4の錠剤を動物実験に使用した。
ビーグル犬の投与量が 750mg/犬の場合、ビーグル犬におけるさまざまな製剤の薬物動態パラメータの比較を表 8d に示す。ここで、AUC
0-t は 、0 から選択された最後の時点までの薬物血中濃度時間曲線下面積を表し、AUC
0-t_dose は、 0 から選択された最後の時点までの薬物血中濃度時間曲線下面積と投与量との比を表す。特に明記しない限り、本明細書に記載のAUC
0-tおよびAUC
0-t_doseは、表8dのものと同じ定義および計算方法を有する。比較例1と比較して、実施例3および実施例4の錠剤のin vivo曝露量(AUC)は同等であるが、個体間差(SD)はより小さく、これはin vitro溶出データとより一致しており、錠剤は臨床的に有効性と安全性が優れていることを示唆した。比較例1、実施例4の750mg/犬の用量下のビーグル犬のin vivoの薬物血中濃度時間曲線をそれぞれ
図3および
図4に示す。
【0154】
表8d 750mg 用量のビーグル犬におけるさまざまな製剤の薬物動態パラメータの比較
【0155】
ビーグル犬の用量が250mg/犬である場合、ビーグル犬における異なる製剤の薬物動態パラメータの比較を表8eに示す。比較例1のカプセル剤と比較して、実施例4の錠剤のin vivo曝露量(AUC)は同等であるが、個体間差(SD)はより小さく、これはin vitro溶出データとより一致しており、錠剤は臨床的に有効性と安全性が優れていることを示唆した。比較例1、実施例4の250mg/犬の用量下でのビーグル犬のin vivoの薬物血中濃度時間曲線をそれぞれ
図5および
図6に示す。
【0156】
表8e 250mg 用量のビーグル犬におけるさまざまな製剤の薬物動態パラメーターの比較
【0157】
上記の結果は、本発明の錠剤がカプセル剤と同様のin vivo曝露量を有するが、個体間差が顕著に減少し、RSDが減少し、この改善が用量の影響を受けないことを示した。
【0158】
9、実施例4a
実施例4aの処方成分および調製プロセスは実施例4と同様であるが、異なる粒径のAPIを使用した。実施例4と実施例4aで使用したAPIの粒径の違いを表9aに示す。ここで、D 50は、1つの試料の累積粒度分布百分率が50%に達したときの対応する粒径、すなわち顆粒の50%がそれよりも小さいときの粒径を表す。D90は、1つの試料の累積粒度分布百分率が90%に達したときの対応する粒径、すなわち顆粒の90%がそれよりも小さいときの粒径を表す。特に明記しない限り、粒径について本明細書に記載されるD50およびD90は、この実施例におけるものと同じ定義を有する。
【0159】
【0160】
【0161】
一般に、難溶性薬物の場合、API の粒径は製剤開発において考慮すべき重要な要素となることがよくある。粒径が異なる薬剤は、比表面積の違いにより、粒径が小さいAPIの方が in vitro での溶出が速く、in vivo での吸収挙動が良好であることがよくある。しかしながら、驚くべきことに、実施例4と実施例4aは同様の溶出挙動を示し、それらのin vitro溶出の類似係数f2は52である(f2が50より大きい場合、溶出は類似しているとみなされる)。実施例4aの溶出曲線を表9bに詳細に示す。
【0162】
表 9c、250 mg用量での異なる粒径APIのビーグル犬内の薬物動態学的パラメータの比較
ビーグル犬のin vivo薬物動態データもさらに同様の結論に達した。異なる粒径の AN0025 API は製品の品質に影響を与えなかった。本発明により提供される錠剤は、異なる粒径の原料に対して良好な耐久性を有する。実施例4と実施例4aの間のin vivo薬物動態パラメータの比較を表9Cに示す。実施例4aにおいて、750mg/犬の用量でのビーグル犬のin vivoの薬物血中濃度時間曲線を、
図7に示す。
【0163】
10、本発明の実施例5
本発明の実施例5の錠剤は、表10aに記載の成分および含有量に従って調製した。
【0164】
【0165】
調製プロセスは次のとおりである。
ステップ1 混合
秤量した化合物 AN0025、マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、および微結晶性セルロースをホッパーミキサーに加え、均一に混合した。
ステップ 2 潤滑I
ホッパーミキサーを使用して、造粒部のフマル酸ステアリルナトリウムをステップ1の混合物と均一に混合した。
【0166】
ステップ3 造粒
ローラーコンパクターを使用して、混合物を長いストリップに圧縮した。輾圧パラメータは、圧縮力7Mpa、ロール速度 2rpm、ギャップ幅 1.5mmとした。
【0167】
ステップ4 整粒
ストリップを粉砕した後、0.8mmの篩に通して整粒し、内相を有する顆粒を得た。
【0168】
ステップ5 潤滑II
上で調製した顆粒を外部添加部のフマル酸ステアリルナトリウムと混合した。
【0169】
ステップ6 タブレット
所望の目標錠剤重量 500 mg に達したら、打錠機を使用して錠剤を適切な形状に圧縮した。
【0170】
ステップ7 コーティング
オパドライを精製水に十分に分散させてコーティング液を調製し、コーティング機でフィルムコーティングを行った。目標コーティング重量増加率は4%であった。
【0171】
その溶出データは表 10b に示されており、すべての時点での溶出RSD は 10% を超えなかった。
表10b 実装例 5 の溶出曲線
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体とを含み、式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が固形医薬組成物の総重量の約30%~約80%を構成し、固体医薬組成物の剤形は錠剤である、固体医薬組成物。
【請求項2】
式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が固形医薬組成物の総重量の約40%~約60%を構成する、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項3】
前記薬学的に許容される担体が、充填剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤および流動促進剤から選択される1つまたは複数を含む、請求項
1に記載の固体医薬組成物。
【請求項4】
前記薬学的に許容される担体が以下を含む、請求項
3に記載の固体医薬組成物。
a. 固体医薬組成物の総重量の約5%~約60%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約8%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約30%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約0.1%~約10%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約5%を構成する流動促進剤。
【請求項5】
前記薬学的に許容される担体が以下を含む、請求項
4に記載の固体医薬組成物。
a. 固体医薬組成物の総重量の約10%~約50%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約2%~約6%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約0.1%~約25%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約0.5%~約8%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約3%を構成する流動促進剤。
【請求項6】
前記薬学的に許容される担体が以下を含む、請求項
5に記載の固体医薬組成物。
a. 固体医薬組成物の総重量の約20%~約40%を構成する充填剤、
b. 固体医薬組成物の総重量の約3%~約5%を構成する結合剤、
c. 固体医薬組成物の総重量の約1%~約25%を構成する崩壊剤、
d. 固形医薬組成物の総重量の約1%~約6%を構成する潤滑剤、
e. 固体医薬組成物の総重量の約0%~約1%を構成する流動促進剤。
【請求項7】
充填剤は、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、デンプン、デキストリン、アルファ化デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストラン、スクロース、デキストロースおよびそれらの組み合わせを含む群から選択され、
結合剤は、セルロースエーテル、ポビドン、コポビドン、デンプン、コーンシロップ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、ここで、セルロースエーテルには、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが含まれるが、これらに限定されなく、
崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせを含む群から選択され、
潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、グリセリン、ベヘン酸エステル、タルク、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される、
前記請求項
3-6のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項8】
充填剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、およびそれらの組み合わせから選択され、
結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、コポビドンおよびそれらの組み合わせから選択され、
崩壊剤は、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせから選択され、
潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、およびそれらの組み合わせから選択される、
前記請求項
3-6のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項9】
内相を有する顆粒を含む、前記請求項
1-6のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項10】
内相を有する顆粒に隣接する外相をさらに含む、請求項
9に記載の固体医薬組成物。
【請求項11】
内相を有する顆粒が乾式製造法により調製されたものである、請求項
9に記載の固形医薬組成物。
【請求項12】
内相を有する顆粒が湿式製造法により調製されたものである、請求項
9に記載の固形医薬組成物。
【請求項13】
式1の化合物の粒径はD90が約200ミクロン未満である、前記請求項
1-6のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項14】
式1の化合物の粒径はD90が約100ミクロン未満である、請求項
13に記載の固体医薬組成物。
【請求項15】
コーティングをさらに含む、請求項
1-6のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項16】
約50mg~約500mgの前記式1の化合物を含む、請求項
1-6のいずれか一項に記載の固体医薬組成物。
【請求項17】
約100mg~約300mgの前記式1の化合物を含む、請求項
16に記載の固体医薬組成物。
【請求項18】
多発性硬化症、関節リウマチ、または癌の治療用の医薬を調製するための、前記請求項
1-17のいずれか一項に記載の固体医薬組成物の使用。
【請求項19】
前記癌には、皮膚癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、神経膠芽腫、肺癌、頭頸部癌、髄芽腫、尿路がんが含まれる、請求項
18に記載の使用。
【国際調査報告】