(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-02
(54)【発明の名称】カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20241125BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241125BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241125BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503791
(86)(22)【出願日】2023-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 KR2023015726
(87)【国際公開番号】W WO2024111881
(87)【国際公開日】2024-05-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0158442
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0036706
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン、スン ファン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン スン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC13
4B162AC22
(57)【要約】
カートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する保存部、保存部の下部に配置されて、保存部から供給されるエアロゾル生成物質を吸収する芯、及び芯の少なくともいずれか一つの外面に配置され、かつ誘導磁場に反応して熱を発生させて、芯に吸収されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる一つ以上のサセプタを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を保存する保存部と、
前記保存部の下部に配置されて、前記保存部から供給される前記エアロゾル生成物質を吸収する芯と、
前記芯の少なくともいずれかの一つの外面に配置され、かつ誘導磁場に反応して熱を発生させて、前記芯に吸収された前記エアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる一つ以上のサセプタと、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記サセプタは、前記保存部の下面が延びた方向と平行に配置される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記一つ以上のサセプタは、前記芯の相異なる外面に配置される複数のサセプタを含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記一つ以上のサセプタは、前記芯の同じ外面に配置される複数のサセプタを含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記芯は、前記サセプタが配置される第1領域、及び前記サセプタが配置されていない第2領域を含み、
前記第2領域は、エアロゾルが前記芯を抜け出る排出領域を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記排出領域は、前記サセプタのエッジに沿って形成される、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記サセプタは、前記芯の同じ外面に配置される2つのパターンを含み、
前記排出領域は、前記2つのパターンの間に形成される、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記サセプタは、螺旋パターンを含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記サセプタは、一方向に順次に配置される複数の第1パターンと、前記複数の第1パターンの間を前記一方向に連結する複数の第2パターンと、を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第1パターンは、前記一方向を横切る方向に延びる第1延長パターンと、前記一方向に延びる第2延長パターンと、前記第1延長パターン及び前記第2延長パターンを連結する連結パターンと、を含む、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第2パターンは、屈曲したパターンを含む、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記サセプタは、前記芯の周辺部で互いに平行であり、第1間隔ほど離隔されている第1部分と、前記芯の前記いずれか一つの外面の中心部で互いに平行であり、第2間隔ほど離隔されている第2部分と、を含み、
前記第1間隔は、前記第2間隔より大きい、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記サセプタは、前記芯の一外面に配置される第1サセプタ、及び前記一外面と対向する前記芯の他の外面に配置される第2サセプタを含み、
前記第1サセプタは、互いに平行であり、第3間隔ほど離隔されている第1部分を含み、前記第2サセプタは、第4間隔ほど離隔されている第2部分を含み、
前記第3間隔は、前記第4間隔より小さな、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項14】
エアロゾル生成物質を保存する保存部と、
前記保存部の下部に配置されて、前記保存部から供給される前記エアロゾル生成物質を吸収し、かつ誘導磁場に反応して熱を発生させて、前記吸収されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる、芯と一体に形成されたサセプタと、を備える、カートリッジ。
【請求項15】
請求項1から請求項14のうちいずれか一項に記載の前記カートリッジと、
前記カートリッジの下部に配置されて、誘導磁場を発生させる誘導コイルを含む本体と、を備える、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、誘導加熱方式を適用したカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替の方法への需要が増加しつつある。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではなく、エアロゾル生成装置を用いて、シガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成するシステムへの需要が増加しつつある。これによって、加熱式エアロゾル生成装置に関する研究が活発に行われている。
【0003】
エアロゾル生成物質を加熱するための色々な方式のうち一つとして、誘導加熱方式がある。誘導加熱方式とは、交番磁場を印加して磁性体から熱を生成する方式を意味する。この時、交番磁場は、「誘導磁場」とも呼ばれる。
【0004】
磁性体に交番磁場が印加される場合、磁性体には、渦電流損失(eddy current loss)及びヒステリシス損失(hysteresis loss)によるエネルギー損失が発生しうる。損失されるエネルギーは、熱エネルギーであって、磁性体から放出される。交番磁場の振幅または周波数が大きいほど、磁性体から多くの熱エネルギーが放出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液状カートリッジは、一般的に液体を吸収する芯(例えば、綿、シリカ、セラミックスなど)と、液体を霧化させるための加熱要素(例えば、抵抗加熱原理のコイル)が結合された構造を含む。従来の液状カートリッジは、接触端子を通じて電力を供給されて、加熱要素を直接加熱させる。接触端子を通じる直接加熱の場合、接触端子及び電力供給線から熱損失が発生する。
【0006】
また接触端子を通じる直接加熱の場合、加熱要素の両端が必ず接触端子と連結されねばならない。芯の複数面に複数の加熱要素が配置される場合、接触端子も加熱要素の数に対応する数ほど配置されねばならないため、カートリッジの内部の構造が複雑になる。よって、カートリッジの内部の限定された空間内に複数の加熱要素を具現し難い。
【0007】
また、接触端子を通じる直接加熱の場合、加熱要素のすべての部位が均等に加熱されないため、目標として設定した温度より温度が高い部位では、芯が炭化されて有害物質が発生する恐れがある。
【0008】
実施形態は、エアロゾル生成装置の本体の誘導コイルで発生する誘導磁場によって加熱されるサセプタを含むカートリッジ、及びこれを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0009】
また、実施形態は、芯の複数面に配置自在の一つ以上のサセプタを含むカートリッジ、及びこれを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0010】
また、実施形態は、芯とサセプタの機能をいずれも行える、芯と一体に形成されたサセプタを含むカートリッジ、及びこれを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0011】
実施形態を通じて解決しようとする課題は、前述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付した図面から、当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態によるカートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する保存部、保存部の下部に配置されて、保存部から供給されるエアロゾル生成物質を吸収する芯、及び芯の少なくともいずれか一つの外面に配置され、かつ誘導磁場に反応して熱を発生させて、芯に吸収されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる一つ以上のサセプタを備える。
【0013】
他の実施形態によるカートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する保存部、及び保存部の下部に配置されて、保存部から供給されるエアロゾル生成物質を吸収して、かつ誘導磁場に反応して熱を発生させて、吸収されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる、芯と一体に形成されたサセプタを備える。
【0014】
一実施形態によるエアロゾル生成装置は、カートリッジ、及びカートリッジの下部に配置されて誘導磁場を発生させる誘導コイルを含む本体を備える。
【発明の効果】
【0015】
実施形態に関するカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置によれば、本体とカートリッジとを連結する別途の接触端子及び電力供給線が要求されないため、熱損失を低減させて加熱効率を向上させることができる。
【0016】
また、実施形態に関するカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置によれば、芯についての加熱要素(サセプタ)の配置の自由度を向上させて、カートリッジの構造を単純化することができる。
【0017】
また、実施形態に関するカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置によれば、ユーザに及ぼす有害性を低減させることができる。
【0018】
実施形態による効果が前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付した図面から、当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】エアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【
図4A】一実施形態によるエアロゾル生成装置を概略的に示す斜視図である。
【
図4B】
図4Aに示されたエアロゾル生成装置のカートリッジが本体から分離された態様を示す斜視図である。
【
図5】
図4Aに示されたエアロゾル生成装置のV-V方向の断面図である。
【
図6A】カートリッジの多様な実施形態を概略的に示す斜視図である。
【
図6B】カートリッジの多様な実施形態を概略的に示す斜視図である。
【
図7A】一実施形態によるエアロゾル生成装置の誘導コイルの多様な形状を示す図面である。
【
図7B】一実施形態によるエアロゾル生成装置の誘導コイルの多様な形状を示す図面である。
【
図7C】一実施形態によるエアロゾル生成装置の誘導コイルの多様な形状を示す図面である。
【
図8】一実施形態によるエアロゾル生成装置の誘導コイルによって生成される磁力線の方向を説明するための図面である。
【
図9】さらに他の実施形態によるカートリッジに配置される芯及びサセプタを示す斜視図である。
【
図10A】実施形態によって、均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【
図10B】実施形態によって、均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【
図10C】実施形態によって、均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【
図11A】実施形態によって、不均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【
図11B】実施形態によって、不均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【
図12A】実施形態によって、2つのサセプタが相異なる外面に配置されている芯の斜視図である。
【
図12B】実施形態によって、2つのサセプタが相異なる外面に配置されている芯の斜視図である。
【
図13】中空及び継手部を含む、さらに他の実施形態によるカートリッジの斜視図である。
【
図14】さらに他の実施形態によって、芯と一体に形成されたサセプタを示す斜視図である。
【
図15】他の実施形態によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態で使われる用語としては、本発明での機能を鑑みてなるべく現在広く使われている一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新しい技術の出現などによって変わりうる。また、特定の場合には、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。よって、本発明で使われる用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持っている意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0021】
明細書の全般にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。また、明細書に記載の「~部」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味するが、これは、ハードウェアまたはソフトウェアで具現されるか、またはハードウェアとソフトウェアとの結合で具現される。
【0022】
本明細書で使われたように、「少なくともいずれか一つの」のような表現が、配列されている構成要素の前にある時、配列されているそれぞれの構成ではなく全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち少なくともいずれか一つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むものと解釈せねばならない。
【0023】
一実施形態で、エアロゾル生成装置は、内部空間に収容されるシガレットを電気的に加熱して、エアロゾルを生成する装置である。
【0024】
エアロゾル生成装置は、ヒータを備える。一実施形態で、ヒータは、電気抵抗性ヒータである。例えば、ヒータは、電気伝導性トラックを含み、電気伝導性トラックに電流が流れれば、ヒータが加熱される。
【0025】
ヒータは、管型の加熱要素、板型の加熱要素、針型の加熱要素または棒型の加熱要素を含み、加熱要素の形状によって、シガレットの内部または外部を加熱する。
【0026】
シガレットは、タバコロッド及びフィルタロッドを含む。タバコロッドは、シートで製作されてもよく、ストランド(strand)で製作されてもよく、タバコシートの細かく切られてなる刻みタバコで製作されてもよい。また、タバコロッドは、熱伝導物質によって取り囲まれうる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルであり得るが、これに制限されるものではない。
【0027】
フィルタロッドは、セルロースアセテート・フィルタでもある。フィルタロッドは、少なくとも一つ以上のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッドは、エアロゾルを冷却させる第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれている所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを備えうる。
【0028】
他の実施形態で、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を持っているカートリッジを用いて、エアロゾルを生成する装置である。
【0029】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を持っているカートリッジ、及びカートリッジを支持する本体を備える。カートリッジは、本体と脱着自在に結合されるが、これに制限されるものではない。カートリッジは、本体と一体に形成されるか、組み立てられ、またはユーザによって脱着されないように固定されてもよい。カートリッジは、その内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体に取り付けられる。但し、これに制限されるものではなく、カートリッジが本体に結合されている状態で、カートリッジの内部にエアロゾル生成物質が注入されてもよい。
【0030】
カートリッジは、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル状態などの多様な状態のうちいずれか一つの状態を持つエアロゾル生成物質を持つ。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含む。例えば、液状組成物は、揮発性のタバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。
【0031】
カートリッジは、本体から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ内部のエアロゾル生成物質の相を気体の相に変換して、エアロゾルを発生させる機能を行える。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子及び空気が混合された状態の気体を意味する。
【0032】
さらに他の実施形態で、エアロゾル生成装置は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレットを通過してユーザに伝達される。すなわち、液状組成物から生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置の気流通路に沿って移動し、気流通路は、エアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0033】
さらに他の実施形態で、エアロゾル生成装置は、超音波振動方式を用いて、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成する装置であってもよい。この時、超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることで、エアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0034】
エアロゾル生成装置は、振動子を備え、振動子を通じて短い周期の振動を発生させて、エアロゾル生成物質を霧化させる。振動子で発生する振動は、超音波振動であり、超音波振動の周波数帯域は、約100kHzないし約3.5MHz周波数帯域であるが、これに制限されるものではない。
【0035】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を吸収する芯をさらに備える。例えば、芯は、振動子の少なくとも一領域を覆い包むように配置されるか、または振動子の少なくとも一領域と接触するように配置される。
【0036】
振動子に電圧(例えば、交流電圧)が印加されることによって、振動子から熱及び/または超音波振動が発生し、振動子から発生した熱及び/または超音波振動は、芯に吸収されたエアロゾル生成物質に伝達される。芯に吸収されたエアロゾル生成物質は、振動子から伝達される熱及び/または超音波振動によって、気体の相に変換され、その結果、エアロゾルが生成される。
【0037】
例えば、振動子から発生した熱によって、芯に吸収されたエアロゾル生成物質の粘度が低下し、振動子から発生した超音波振動によって、粘度が低下したエアロゾル生成物質が微細粒子化することで、エアロゾルが生成されるが、これに制限されるものではない。
【0038】
さらに他の実施形態で、エアロゾル生成装置は、誘導加熱(induction heating)方式で、エアロゾル生成装置に収容されるエアロゾル生成物品を加熱することで、エアロゾルを生成する装置である。
【0039】
エアロゾル生成装置は、サセプタ及びコイルを備える。一実施形態で、コイルは、サセプタに磁場を印加する。エアロゾル生成装置からコイルに電力が供給されることで、コイルの内部には磁場が形成される。一実施形態で、サセプタは、外部磁場によって発熱する磁性体である。サセプタがコイルの内部に位置して、磁場が印加されることによって、発熱することでエアロゾル生成物品が加熱される。また、選択的に、サセプタは、エアロゾル生成物品内に位置してもよい。
【0040】
さらに他の実施形態で、エアロゾル生成装置は、クレードル(cradle)をさらに備える。
【0041】
エアロゾル生成装置は、別途のクレードルと共にシステムを構成する。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置のバッテリを充電する。または、クレードルとエアロゾル生成装置とが結合された状態で、ヒータが加熱されうる。
【0042】
以下、添付した図面を参考して、本発明の実施形態について当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、前述した多様な実施形態のエアロゾル生成装置で具現可能な形態に実施されるか、またはいろいろな異なる形態に具現されて実施されるが、ここで説明する実施形態に制限されるものではない。
【0043】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0044】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【0045】
図1ないし
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、蒸気化器14を備える。
【0046】
図1及び
図2のエアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成物品2が収容される収容空間を含むハウジングを備える。エアロゾル生成装置1にエアロゾル生成物品2が挿入され、これによって、ハウジングの収容空間にエアロゾル生成物品2が収容される。また、
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が備えられていると示されているが、必要に応じて、ヒータ13は省略されてもよい。
【0047】
図3のエアロゾル生成装置1には、エアロゾル生成物品2が挿入され得る空間はなく、これによって、エアロゾル生成物品2を加熱するためのヒータ13が配置されない。
【0048】
図1ないし
図3に示されたエアロゾル生成装置1には、本実施形態に係る構成要素が示されている。よって、
図1ないし
図3に示された構成要素以外に、他の構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに備えられてもよい。
【0049】
図1には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14、及びヒータ13が一列に配置されていると示されている。また、
図2には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、
図1ないし
図3に示されたものに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14、及びヒータ13の配置は変更されてもよい。
【0050】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1が動作する際に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12が動作する際に必要な電力を供給する。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられているディスプレイ、センサ、モータなどが動作する際に必要な電力を供給する。
【0051】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13、及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に備えられている他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるかどうかを判断することもある。
【0052】
制御部12は、少なくとも一つのプロセッサを備える。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせで具現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで具現されてもよいということを、当業者ならば理解できるであろう。
【0053】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、エアロゾル生成物品2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、エアロゾル生成物品2の外部に位置する。よって、加熱されたヒータ13は、エアロゾル生成物品2内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させる。
【0054】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータであってもよい。例えば、ヒータ13には、電気伝導性トラックを備え、電気伝導性トラックに電流が流れてヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、前述した例に限られず、所望の温度まで加熱されうるものであれば、制限なしに用いられる。ここで、所望の温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されていてもよい。
【0055】
一方、他の例として、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータであってもよい。具体的に、ヒータ13には、エアロゾル生成物品を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを備え、エアロゾル生成物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを備える。
【0056】
図1及び
図2には、ヒータ13が、エアロゾル生成物品2の外部に配置されるように示されているが、これに限定されるものではない。例えば、ヒータ13は、管型の加熱要素、板型の加熱要素、針型の加熱要素または棒型の加熱要素を含み、加熱要素の形状によって、エアロゾル生成物品2の内部または外部を加熱する。
【0057】
また、エアロゾル生成装置1には、複数のヒータ13が配置されてもよい。この時、複数のヒータ13は、エアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル生成物品2の外部に配置されてもよい。また、複数のヒータ13のうち一部は、エアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置され、残りはエアロゾル生成物品2の外部に配置されてもよい。また、ヒータ13の形状は、
図1及び
図2に示された形状に限定されず、多様な形状に製作されてもよい。
【0058】
蒸気化器14は、エアロゾル生成物質を保存し、エアロゾル生成物質を加熱することによって、気化されたエアロゾルを生成する構成である。
【0059】
蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を備えるが、これらに限定されるものではない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に備えられてもよい。
【0060】
液体保存部は、エアロゾル生成物質を保存する。例えば、エアロゾル生成物質は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。液体保存部は、蒸気化器14から脱着されるように製作されてもよく、蒸気化器14と一体として製作されてもよい。
【0061】
例えば、エアロゾル生成物質は、水、ソルベント、エチルアルコール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含む。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、これらに限定されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含む。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでありうるが、これらに限定されない。また、エアロゾル生成物質は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含む。
【0062】
液体伝達手段は、液体保存部のエアロゾル生成物質を加熱要素に伝達する。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミックス繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックスのような芯(wick)でありうるが、それらに限定されない。
【0063】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックスヒータなどでありうるが、これらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線などの伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段に巻き取られる構造で配置されてもよい。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触したエアロゾル生成物質に熱を伝達して、エアロゾル生成物質を加熱する。その結果、エアロゾル生成物質からエアロゾルが生成される。
【0064】
生成されたエアロゾルは、気流通路に沿って移動する。
図1及び
図2では、気流通路に沿って移動したエアロゾルが、エアロゾル生成物品2を通過してユーザに伝達される。
図3では、気流通路に沿って移動したエアロゾルが、マウスピース18を通じてユーザに伝達される。
【0065】
蒸気化器14は、カートマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)と呼ばれるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
一実施形態によれば、蒸気化器14は、エアロゾル生成装置1の本体ないしエアロゾル生成装置1に挿入及び脱着自在のカートリッジである。蒸気化器14は、保存するエアロゾル生成物質が全て消費されれば、エアロゾル生成物質が新たに補充されるか、エアロゾル生成物質が保存されている他の蒸気化器14に入れ替えられてもよい。
【0067】
以下、蒸気化器14に対応する構成をカートリッジと称し、一実施形態によるカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置について詳細に説明する。
【0068】
図4Aないし
図5は、一実施形態によるカートリッジ及びこれを含むエアロゾル生成装置を説明するための図面である。
【0069】
図4Aは、一実施形態によるエアロゾル生成装置を概略的に示す斜視図である。
図4Bは、
図4Aに示されたエアロゾル生成装置のカートリッジが本体から分離された態様を示す斜視図である。
図5は、
図4Aに示されたエアロゾル生成装置のV-V方向の断面図である。
【0070】
図4Aないし
図5を参照すれば、一実施形態によるエアロゾル生成装置1は、本体10及びカートリッジ20を備える。
【0071】
一実施形態によるエアロゾル生成装置1の構成要素のうち少なくとも一つは、
図1ないし
図3に示されているエアロゾル生成装置1の構成要素のうち少なくとも一つと同一または類似しており、以下で重なる説明は省略する。
【0072】
本体10は、エアロゾル生成装置1の外観の一部分を形成し、エアロゾル生成装置1の構成要素を収容して保護する機能を行える。例えば、本体10の内部には、バッテリ11及び制御部12が収容されるが、これに限定されるものではない。
【0073】
本体10は、円筒状、楕円柱または直方体など多様な形状に製作されるが、実施形態に限定されるものではない。
【0074】
カートリッジ20は、本体10の一側端部に脱着自在に結合されることで、本体10と共にエアロゾル生成装置1の外観を形成する。カートリッジ20は、本体10と結合してエアロゾル生成装置1の構成要素として適用される。カートリッジ20の上部には、エアロゾルを吸入することができるマウスピース240が配置される。
【0075】
カートリッジ20は、その内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合される。例えば、カートリッジ20の一部分が本体10に挿入されるか、本体10の一部分がカートリッジ20に挿入されることで、カートリッジ20が本体10に装着される。この時、本体10とカートリッジ20とは、スナップ・フィット(snap-fit)方式、螺合方式、磁力結合方式、強制嵌合方式などによって結合された状態を維持することができる。但し、本体10とカートリッジ20との結合方式は、前述したところに限定されるものではない。
【0076】
図4Bを参照すれば、カートリッジ20は、本体10とz軸方向に沿って整列される。2つの構成要素の位置が整列された状態で、カートリッジ20は、-z方向に近付いて本体10に結合される。カートリッジ20は、本体10から+z方向に分離される。カートリッジ20が本体10から分離されれば、本体10の構成要素が外部に露出される。
【0077】
一般的に、カートリッジは、エアロゾル生成物質を霧化させるために電気的に作動する加熱要素を含む。ここで、加熱要素は、
図1ないし
図3で説明した蒸気化器14に含まれた加熱要素であってもよい。
【0078】
カートリッジが本体と結合された状態で、加熱要素は、本体と電気的に連結されて、接触端子を通じてバッテリから電力を供給され、制御部によって電力供給が制御される。すなわち、加熱要素に電力が供給及び制御されることで、加熱要素は、電気的に直接加熱される。
【0079】
接触端子を通じて加熱要素を電気的に直接加熱する方式(以下、「有線加熱方式」という。)の場合、接触端子及び電力供給線で必然的に熱損失が発生する。
【0080】
また有線加熱方式の場合、加熱要素のすべての部位を均等に加熱することができない。加熱要素の一部分は、目標として設定した温度(以下、「目標温度」という。)より高く、他の一部分は目標温度より低い。この時、目標温度より温度の高い部位は、芯を炭化させる。
【0081】
「炭化」は、高温の熱によって黒くなることを意味する。芯が炭化される過程で有害性物質が発生し、有害性物質は、エアロゾルと混合されてユーザの口腔に流入される。
【0082】
前述した熱損失問題及び有害性問題を解決するために、一実施形態によるエアロゾル生成装置1は、誘導加熱方式で加熱要素を加熱して、エアロゾルを生成する。誘導加熱方式は、誘導磁場に反応して、サセプタを含む加熱体自体のみ発熱させる無線加熱方式である。
【0083】
誘導加熱方式は、無線加熱方式であるため、有線加熱方式の熱損失に比べて熱損失を低減させることができて加熱効率を向上させ、これによって消費電力を低減させることができる。
【0084】
また、接触端子及び電力供給線が要求されないため、有線加熱方式に比べてエアロゾル生成装置の発熱を低減させることができる。
【0085】
また、本体からの頻繁なカートリッジの脱着によって発生する接触抵抗の変化問題を防止することができる。また、カートリッジの単純な構造によって、カートリッジの外形デザインについての設計自由度が向上する。
【0086】
誘導加熱方式は、サセプタを比較的均等に加熱するため、有線加熱方式と比べる時、サセプタの温度は、サセプタのすべての部位で比較的に均一である。すなわち、誘導加熱方式は、サセプタの一部分が目標温度以上に加熱されることを防止することができ、これによって、芯の炭化によって有害物質が発生するという問題を緩和させることができる。
【0087】
誘導加熱方式が適用されたエアロゾル生成装置1は、誘導磁場を発生させる誘導コイル110、及び誘導磁場によって加熱されるサセプタ230を含む。
【0088】
誘導加熱方式において、誘導コイルとサセプタとの配置は、カートリッジの内部に保存されるエアロゾル生成物質の霧化に大きい影響を及ぼす。一実施形態によれば、誘導コイルとサセプタは、いずれもカートリッジの構成要素としてカートリッジに配置される。他の例示で、誘導コイルは、本体の構成要素として本体に配置され、サセプタは、カートリッジの構成要素おしてカートリッジに配置される。
【0089】
以下では、誘導コイル110は、本体10に配置される本体10の構成要素であり、サセプタ230は、カートリッジ20に配置されるカートリッジ20の構成要素であると仮定する。
【0090】
本体10は、誘導磁場を発生させる誘導コイル110を含む。誘導コイル110は、カートリッジ20の下部に配置されて、カートリッジ20の内部に配置されるサセプタ230に向かって誘導磁場を発生させる。
【0091】
誘導コイル110は、バッテリ11から電力を供給される。誘導コイル110に電力が供給されることによって、カートリッジ20の下部に向かって磁場が形成される。
【0092】
誘導コイル110に交流電流が印加される場合、カートリッジ20の下部に形成される磁場の方向は、周期的に変わる。サセプタ230が誘導コイル110によって形成された磁場に露出されれば、サセプタ230は発熱する。サセプタ230が発熱することで、エアロゾル生成物質が加熱される。
【0093】
誘導コイル110によって形成された磁場の振幅または周波数が変わることによって、サセプタ230の温度が変わる。制御部12は、誘導コイル110に供給される電力を制御して、誘導コイル110によって形成される交番磁場の振幅または周波数を調整することができ、それによって、サセプタ230の温度が制御される。
【0094】
誘導コイル110は、銅を含むが、これに限定されるものではない。誘導コイル110は、低い比抵抗を持つことで高い電流が流れるように、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、及びニッケル(Ni)のうちいずれか一つ、または少なくとも一つを含む合金を含む。
【0095】
誘導コイル110は、本体10の長手方向を横切るように配置される螺旋状の板形状を含む。この時、「本体の長手方向」は、カートリッジ20の長手方向であるz軸方向を意味する。誘導コイル110の螺旋状の板形状及び磁力線の方向については、
図7Aないし
図8を通じて後述する。
【0096】
共振現象及び誘導加熱の効率に係って、誘導コイル110に供給される電力の周波数がサセプタ230の共振周波数と近いほど、誘導加熱の効率が向上する。サセプタ230の共振周波数は、多様な要因によって定められる。複数のサセプタ230を配置する場合、これらの共振周波数は、それぞれ異なる。
【0097】
誘導コイル110が一つ配置される場合、一つの誘導コイル110によって誘導加熱される複数のサセプタ230は、加熱効率が相異なる。よって、すべてのサセプタ230の加熱効率を保証するために、誘導コイル110は、サセプタ230の数に対応して一つ以上配置される。この場合、それぞれの誘導コイル110は、自分と対応するサセプタ230の共振周波数と近い値の周波数を有するように、各誘導コイル110に個別的に電力が供給される。
【0098】
本体10は、側面の少なくとも一領域に空気流入口120を含む。空気流入口120を通じて、エアロゾル生成装置1の外部の空気が本体10に流れ込み、流れ込んだ空気は、エアロゾル生成装置1の内部を通って、カートリッジ20の内部でエアロゾルと混合される。次いで、エアロゾルは、カートリッジ20の内部を通って、マウスピース240を通じてユーザに提供される。
【0099】
一実施形態によるカートリッジ20は、ケース200、保存部210、芯220、サセプタ230、マウスピース240、及び気流パス250を含む。
【0100】
ここで、保存部210、芯220は、それぞれ
図1ないし
図3で説明した、蒸気化器14に含まれている液体保存部、液体伝達手段と同一であってもよい。マウスピース240は、
図3のマウスピース18と同一であってもよい。
【0101】
ケース200は、カートリッジ20の外観を形成し、カートリッジ20の構成要素を収容して保護する機能を行う。ケース200の内部には、保存部210、芯220、サセプタ230などが収容されるが、これらに限定されるものではない。
【0102】
ケース200は、本体10の形状と対応する形状からなる。例えば、本体10が円筒状の形状である場合、ケース200も、それに対応して、少なくとも一部分が円筒状の形状であってもよい。但し、本体及びケースの形状は、実施形態に限定されるものではない。
【0103】
ケース200は、本体10の一側端部に脱着自在に結合される構造、及び本体10とカートリッジ20との結合状態を維持するための構造を含む。
【0104】
保存部210は、液体状態のエアロゾル生成物質またはゲル状態のエアロゾル生成物質を保存する。
【0105】
保存部210は、円筒状、楕円柱または直方体など多様な形状に製作される。一実施形態によれば、保存部210は、内壁で取り囲まれた中空を含み、外壁の少なくとも一部分が保存部210の上部へ行くほど細くなる管状の形状を持つ。保存部210の外壁及び内壁で取り囲まれた空の空間には、エアロゾル生成物質が保存される。
【0106】
保存部210は、芯220と連結される少なくとも一つ以上の開口(図示せず)を含む。開口は、保存部210の下部に配置される。一実施形態によれば、芯220は、開口に配置されて、開口を通じて保存部210の外部に流出されるエアロゾル生成物質と接触する。
【0107】
但し、開口及び芯の配置関係は、実施形態に限定されるものではない。他の例示で、芯220は、開口を通じて保存部210に挿入されて、保存部210の内部に保存されているエアロゾル生成物質と接触する。
【0108】
保存部210の開口及び芯220の間の隙間は密封されていて、エアロゾル生成物質が漏れることが防止される。すなわち、保存部210は、エアロゾル生成物質が芯220を介せずに保存部210の外部に漏れることが防止されるように、密封される。
【0109】
芯220は、保存部210の下部に配置されて、保存部210から供給されるエアロゾル生成物質を伝達されて、エアロゾル生成物質を吸収する。
【0110】
芯220は、多様な形状を持つことができる。一例示として、芯220は、細長い形状である。他の例示として、芯220は、一方向に延びた柱型であってもよい。具体的に、芯220は、円筒状、四角柱型、三角柱型など多角柱型でありうるが、前述した例に限定されるものではなく、ほぼ棒型または針型の形状を持つこともできる。
【0111】
芯220は、少なくとも一部分で、保存部210から供給されるエアロゾル生成物質を吸収する。例えば、芯220の一部分に吸収されたエアロゾル生成物質は、毛細管現象によって芯220の他の部分に移動する。
【0112】
一実施形態によれば、芯220は、一端部(例えば、上端部)を通じて、保存部210から供給されるエアロゾル生成物質を吸収し、吸収されたエアロゾル生成物質は、芯220の他の端部(例えば、下端部)に移動する。
【0113】
芯220は、多孔性のセラミックスを含む。但し、芯の素材は、該実施形態に限定されず、エアロゾル生成物質の移送のための多孔性材質をいずれも含む。
【0114】
サセプタ230は、誘導磁場によって加熱されて芯220に吸収された前記エアロゾル生成物質を、エアロゾルに霧化させる。
【0115】
サセプタ230は、フェライト系列のステンレス鋼を含む。但し、サセプタの材質は、該実施形態に限定されず、誘導加熱の可能な磁性を有するすべての金属体を含むことができる。
【0116】
サセプタ230は、芯220に隣接して配置される。一実施形態によれば、サセプタ230は、芯220の下部に配置される。この時、サセプタ230は、芯220の下面に接触して、芯220に吸収されているエアロゾル生成物質を加熱する。
【0117】
サセプタ230は、芯220に結合される。この時、「結合」は、芯220が既に製作された状態で、芯220に塗布、噴射、蒸着、メッキ、浸漬、ペインティング、印刷、3Dプリンティング、機器の使用などによって、永久的または可逆的にサセプタを付着する全ての方式と、芯220を製作する過程で、サセプタ230を共に焼結するなどの全ての方式を意味する。以下、サセプタが芯に「配置」される場合、これは、サセプタ230が芯220に結合されるか、単純接触するか、非接触である場合を意味する。
【0118】
本体10とカートリッジ20とが結合される場合、サセプタ230は、誘導コイル110の上部に配置される。この時、サセプタ230は、ケース200によって、誘導コイル110から物理的に分離されて配置される。
【0119】
図5を参照すれば、保存部210の下部からサセプタ230までの距離d1は、保存部210の下部から誘導コイル110までの距離d2より小さい。すなわち、サセプタ230は、距離d2から距離d1を引いた距離ほど誘導コイル110と離隔される。
【0120】
マウスピース240は、カートリッジ20の上部に配置されて、ユーザの口部と接触する。マウスピース240は、カートリッジ20から+z方向に突出するように形成される。マウスピース240は、ユーザの口部と容易に接触することができる形状である。ユーザは、カートリッジ20に形成されたマウスピース240と口部とを接触させた後、エアロゾルを吸入する。
【0121】
気流パス250は、霧化されたエアロゾルをユーザに伝達するための通路の役割を行う。すなわち、気流パス250は、カートリッジ20のサセプタ230によって霧化されたエアロゾルがマウスピース240まで移動する、カートリッジ20の内部の移動経路を意味する。
【0122】
外部空気は、空気流入口120を通じて本体10に流れ込んで、本体10に形成された空気流入路(図示せず)に沿って移動してカートリッジ20の内部に到達し、エアロゾルと混合される。次いで、空気と混合されたエアロゾルは、気流パス250に沿って移動して、マウスピース240を通じてユーザに提供される。
【0123】
気流パス250の一部分は、芯220及びサセプタ230に近接して配置され、気流パス250の他の部分は、マウスピース240に近接して配置される。すなわち、気流パス250は、芯220及びサセプタ230が配置される空間と、マウスピース240を流体連通させる。
【0124】
一実施形態によれば、気流パス250は、保存部210の内壁で取り囲まれた管に沿って形成されて、芯220及びサセプタ230からマウスピース240まで延びる。但し、気流パスの配置は、該実施形態に限定されるものではない。他の例示として、気流パスは、保存部の外部に沿って形成される。
【0125】
図6A及び
図6Bは、カートリッジの多様な実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0126】
図6Aに示されたカートリッジ20及び
図6Bに示されたカートリッジ20bの構成要素のうち少なくとも一つは、
図4A及び
図4Bに示されたカートリッジ20の構成要素のうち少なくとも一つと同一または類似しているが、以下で重なる説明は省略する。
【0127】
図6Aを参照すれば、
図6Aに示されたカートリッジ20は、
図4Aに示された、一実施形態によるカートリッジ20と相等しい。
【0128】
図6Bを参照すれば、
図6Bに示されたカートリッジ20bは、
図6Aに示されたカートリッジ20と比べて、ケース200がないという点で差がある。カートリッジ20bは、保存部210b、芯220、サセプタ230、マウスピース240、及び気流パス250を備える。
【0129】
カートリッジ20bは、ケース200を含まず、保存部210bの外壁がケース200の機能を一部行う。
【0130】
図6Bに示されたように、芯220は、保存部210bの下部から突出する。これによって、芯220及びサセプタ230は、カートリッジ20bの外部に露出される。
【0131】
本体10とカートリッジ20bとが結合される場合、誘導コイル110とサセプタ230は、物理的に分離された空間に配置されず、同じ空間に配置されてもよい。但し、この場合にも、サセプタ230は、誘導コイル110と接触せずに、誘導コイル110から離隔されて配置される。
【0132】
図7Aないし
図8は、螺旋状の板形状である誘導コイルと磁力線の方向を説明するための図面である。
【0133】
図7Aないし
図7Cは、一実施形態によるエアロゾル生成装置の誘導コイルの多様な形状を示す図面である。
図8は、一実施形態によるエアロゾル生成装置の誘導コイルによって生成される磁力線の方向を説明するための図面である。
【0134】
図7Aないし
図7Cを参照すれば、一実施形態によるエアロゾル生成装置(例えば、
図4Aのエアロゾル生成装置1)は、多様な形状の誘導コイル110a、110b、110cを含む。
【0135】
本体10の内部に配置される誘導コイル110は、パンケーキ状の円形コイル、螺旋状の形状、四角形状など多くの形状に具現される。誘導コイル110のターン数及び形状は、誘導加熱共振周波数と、カートリッジ及び本体の外形デザインによって変更される。
【0136】
図7Aないし
図7Cにそれぞれ示された誘導コイル110a、110b、110cは、共通的に螺旋状の板形状を含む。
図8を参照すれば、螺旋状の板形状の誘導コイル110は、電流の方向に沿って、誘導コイル110の螺旋軸を中心として磁力線Mが出入りする形の磁場を形成する。
【0137】
サセプタ230は、螺旋状の板形状の誘導コイル110と同じ方向に配置される。この時、「同じ方向」は、サセプタ230が板形状の誘導コイル110と平行に配置されることを意味する。
【0138】
一例示で、誘導コイル110とサセプタ230は、本体(例えば、
図4Aの本体10)の長手方向を横切って同じ方向に配置される。具体的に、誘導コイル110とサセプタ230は、保存部(例えば、
図4Aの保存部210)の下面が延びる方向と平行に配置される。但し、実施形態は、誘導コイルとサセプタの配置に限定されるものではない。他の例示として、誘導コイルとサセプタは、本体の長手方向に平行な方向に配置される。
【0139】
一実施形態によれば、磁力線Mは、保存部の下面と平行に配置されている芯220及びサセプタ230について、本体10の長手方向に出入りする。すなわち、磁力線Mは、xy平面と平行に配置される芯220及びサセプタ230をz軸方向に通過する。
【0140】
この時、サセプタ230は、サセプタ230の中心が、本体の長手方向に沿って、誘導コイル110の螺旋軸の中心に対応する位置にあるように、配置される。例えば、サセプタ230の中心は、誘導コイル110の螺旋軸の中心とz軸方向に整列される。これによって、サセプタ230に出入りする磁力線Mの密度が増大する。
【0141】
従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置に含まれる誘導コイルとは異なって、一実施形態によれば、磁力線Mの方向は、サセプタ230が延びる方向を横切る(例えば、垂直な)方向であるため、サセプタ230を通過する磁力線Mの密度が増大し、これによって、サセプタ230の加熱効率が向上する。
【0142】
特に、サセプタ230が扁平なシート状である場合、磁力線Mがシート状の広い面積を通過するため、サセプタが十分に加熱される。
【0143】
図9は、さらに他の実施形態によるカートリッジに配置される芯及びサセプタを示す斜視図である。
【0144】
図9を参照すれば、一実施形態によるカートリッジ20は、芯220及び一つ以上のサセプタ230を備える。
【0145】
図9に示されたカートリッジ20の構成要素のうち少なくとも一つは、
図4Aに示されたカートリッジ20の構成要素のうち少なくとも一つと同一または類似しているが、以下で重なる説明は省略する。
【0146】
図9に示された芯220は、
図4Aに示された円筒状芯220とは異なって、直方体の形状を有してもよい。但し、実施形態は、芯の形状に限定されるものではない。
【0147】
一実施形態によれば、一つ以上のサセプタ230が芯220に配置される。従来の有線加熱方式は、必ず加熱要素の両端が接触端子と連結されねばならないため、芯の複数面に複数の加熱要素が配置される場合、加熱要素の数に対応する数の接触端子が要求される。これによって、カートリッジの内部の構造が複雑になるため、カートリッジの内部の限定された空間内に複数の加熱要素を具現し難い。
【0148】
無線加熱方式の誘導加熱によれば、サセプタ230への接触端子及び電力供給線が要求されない。よって、サセプタ230の配置は、カートリッジ20の内部の空間という制約にあまり影響されない。すなわち、複数のサセプタ230が芯220に配置されてもよい。誘導加熱方式によって、芯220へのサセプタ230の配置の自由度が向上し、カートリッジ20の内部の構造が単純化される。
【0149】
一つ以上のサセプタ230は、芯220の内部及び/または外面に配置される。一例示として、サセプタ230は、芯220の第1外面に形成された溝(図示せず)に挿入される。この場合、溝に挿入されたサセプタ230は、溝が形成されていない芯220の第1外面の残りの部分と同一平面上に位置する。これによって、芯の第1外面は、突出する部分なしに全域で平らで滑らかである。
【0150】
サセプタが芯220の内部に配置される場合、芯220の内部でエアロゾルが発生することがあるため、エアロゾルは、芯220の内部を通過して芯220から抜け出る必要がある。このような点で、エアロゾルの生成及び移動側面で、サセプタ230が芯220の外面に配置される時に、さらに効率的である。以下では、サセプタ230が芯220の外面に配置される場合を中心として説明する。
【0151】
芯220は、複数の外面を含む。
図9には、芯220の外面のうち、正面、上面、側面が示されている。サセプタ230は、芯の複数の外面にそれぞれ配置される。
【0152】
図9を参照すれば、芯220の上面(例えば、z軸方向に向かう外面)には、正方形板状のサセプタ230uが配置される。芯220の正面(例えば、x軸方向に向う外面)には、ジグザグパターンのサセプタ230fが配置される。芯220の側面(例えば、y軸方向に向かう外面)には、一字形パターンのサセプタ230sが配置される。但し、実施形態は、前述したサセプタ230のパターン及び形状に限定されず、サセプタは、誘導コイルの形状に対応する多様なパターン及び形状を含むことができる。
【0153】
サセプタ230は、芯220の外面に複数配置される。すなわち、サセプタ230は、芯220の複数の外面にそれぞれ配置されるだけではなく、芯220の同一外面に複数配置されてもよい。一例示として、芯220の側面には、一字形パターンの複数のサセプタ230sが一列に平行に配置される。
【0154】
一実施形態によれば、一つ以上のサセプタ230が、芯220の少なくともいずれか一つの外面に配置されることができて、芯へのサセプタの接触面積及び加熱面積が増大するため、加熱効率が向上し、ひいては霧化性能が向上する。
【0155】
以下では、
図10Aないし
図10Cを参照して、霧化性能を向上させるためのサセプタの多様なパターンについて説明する。
【0156】
図10Aないし
図10Cは、実施形態によって、均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【0157】
図10Aないし
図10Cを参照すれば、それぞれの実施形態によるカートリッジ20は、芯220及びサセプタ230a、230b、230cを備える。サセプタ230a、230b、230cは、
図4Aに示されたサセプタ230と同一または類似しており、共通する内容は、
図4Aに示されたサセプタ230を基準として説明する。
【0158】
芯220によって吸収されたエアロゾル生成物質は、サセプタ230によって加熱されてエアロゾルに霧化される。生成されたエアロゾルは、芯220から抜け出て気流パス(例えば、
図4Aの気流パス250)に移動する。
【0159】
生成されたエアロゾルは、サセプタ230を貫通しない。これによって、エアロゾルは、サセプタ230を迂回して、サセプタ230が配置されていない芯220の一部分を通過する。
【0160】
サセプタ230が芯220の外面に配置される場合、芯220の外面は、サセプタ230が配置される第1領域と、サセプタ230が配置されていない第2領域とに区分される。すなわち、第2領域は、芯220の外面の第1領域を除いた残りの領域に該当する。
【0161】
以下では、サセプタ230が配置されず、エアロゾルが芯220の外部に流出される可能性がある芯220の第2領域の一部または全部を「排出領域」という。
【0162】
排出領域225を介して、エアロゾルは、芯220から芯220の外部に移動する。特に、芯220の内部を移動しながらサセプタ230によって遮断されたエアロゾルは、サセプタ230の周辺の排出領域225を介して芯220から抜け出る。よって、排出領域225は、サセプタ230のエッジに隣接した領域でありながら、エッジに沿って形成される領域を意味する。
【0163】
望ましくは、排出領域225を多く確保するために、芯220に配置されるサセプタ230のエッジが長く形成される。
【0164】
例えば、芯220に正方形板状のサセプタ(例えば、
図9のサセプタ230u)が配置される場合、サセプタが配置される芯220の第1領域からは、エアロゾルが抜け出ることができないため、比較的広い領域で、芯220の内部のエアロゾルがサセプタによって遮断される。特に、芯220の中心部で霧化されたエアロゾルは、芯220を抜け出るために、サセプタ230uのエッジでありながら芯の周辺部に形成された排出領域225まで、遠い距離を移動せねばならない。
【0165】
これに比べて、芯220に、ジグザグパターンのサセプタ(例えば、
図9のサセプタ230f)または一字形パターンの複数のサセプタ(例えば、
図9のサセプタ230s)が配置される場合、第1領域の間に第2領域が形成される。よって、比較的広い領域で排出領域225が形成され、エアロゾルが円滑に芯220を抜け出ることができる。
【0166】
よって、サセプタ230の全体面積が同一であるとしても、サセプタ230のエッジを長く設計する場合に、排出領域225が広く形成される。
【0167】
図10Aないし
図10Cを参照すれば、エッジの長い多様なパターンのサセプタ230a、230b、230cが示されている。多様なパターンのサセプタ230a、230b、230cが芯220の外面に配置されることによって、芯220の外面の少なくとも一領域には、2つのサセプタ230のパターンが配置される。
【0168】
この時、「2つのパターン」とは、2つの個別サセプタが直接/物理的に連結されず、芯の外面の全域で分離されていることを意味し、芯の外面に平行に延びる同じサセプタの2つの異なる部分を意味する。すなわち、芯の外面の一領域を設定する方式によって、一つのサセプタのパターンは、前記一領域で複数のパターンとして現われる。
【0169】
この場合、排出領域225は、2つのサセプタ230のパターンの間に形成される空間を意味する。すなわち、排出領域225は、同じサセプタの相異なる部分の間に形成されてもよく、芯220の同じ外面に配列された2つの個別サセプタの間に形成されてもよい。
【0170】
サセプタ230のエッジが長くなることによって、排出領域225が拡がる。結果的に、拡がった排出領域225を通じて芯220から抜け出るエアロゾルの量が増大する。これによって、霧化性能が向上する。
【0171】
図10Aないし
図10Cには、エアロゾルがサセプタ230を通過せずに、サセプタ230のエッジからx軸方向及びy軸方向に移動して芯220を抜け出る態様を示す。
【0172】
但し、生成されたエアロゾルの移動方向は、図示された方向に限定されるものではない。当業者ならば、エアロゾルがz軸方向にも移動して、排出領域225を通じて芯220を抜け出ることができるという点を容易に理解できるであろう。また、当業者ならば、サセプタ230によって生成されたエアロゾルの移動が、図面の一部のみに図示されているという点を容易に理解できるであろう。
【0173】
図10Aを参照すれば、サセプタ230aは、螺旋パターンを含む。
図10Aには、サセプタ230aが方形螺旋パターンに示されているが、螺旋の形態は、
図10Aに示された実施形態に限定されるものではない。
【0174】
サセプタの製作過程の容易性と、隣接するパターンの間で信頼性のある霧化性能のために、サセプタ230aの2つのパターンの間の間隔idは均一でありうる。この時、「2つのパターンの間の間隔」とは、一つ以上のサセプタの隣接した2つのエッジ(すなわち、隣接した2つの部分)が平行に延びた時に、隣接した2つのエッジの間の間隔を意味する。以下でも、これと同じ意味で使われる。また、以下で、「サセプタの間隔」は、「2つのパターンの間の間隔」と同じ意味で使われる。
【0175】
図10Bを参照すれば、サセプタ230bは、一方向(例えば、y軸方向)に順次に配置される複数の第1パターン231と、複数の第1パターン231の間を一方向に連結する複数の第2パターン232を含む。
【0176】
この時、「連結」は、サセプタのパターンの形の直接的連結、または電磁気場による加熱伝導などの間接的連結の意味をいずれも含む。直接的連結の場合、第2パターン232は、
図10Bに示された一字形パターンだけではなく、折り曲げられるか屈曲したパターンなどの第1パターンを一方向に連結する多様なパターンを含む。
【0177】
第1パターン231は、前述した一方向を横切る方向(例えば、x軸方向)に延びる一つ以上の第1延長パターン2311と、一方向(例えば、y軸方向)に延びる一つ以上の第2延長パターン2312と、第1延長パターン2311及び第2延長パターン2312を連結する連結パターン2313とを含む。連結パターン2313は、第1延長パターン2311及び第2延長パターン2312の数によって一つ以上配置され、折り曲げられるか屈曲したパターンなどの多様なパターンを含む。
【0178】
サセプタ230bの2つのパターンの間の間隔idは、均一である。
【0179】
具体的に、
図10Bに示されたように、同じ第1パターン231に含まれる2つの第1延長パターン2311の間の間隔idは、2つの第1延長パターン2311が延びる方向(例えば、x軸方向)に沿って均一である。また、相異なる第1パターン231の隣接した2つの第1延長パターン2311の間の間隔は、前述した間隔idと相等しい。
【0180】
図10Cを参照すれば、サセプタ230cは、一方向(例えば、y軸方向)に順次に配置される、
図10Bに示されたサセプタ230bと類似したパターンを含む。サセプタ230cは、一方向(例えば、y軸方向)に順次に配置される複数の第1パターン231cと、複数の第1パターン231cの間を一方向(例えば、y軸方向)に連結する複数の第2パターン232cを含む。
【0181】
図10Cに示された第2パターン232cは、
図10Bに示された一字形パターンとは異なって、屈曲したパターンに示された。但し、第2パターン232cは、実施形態に限定されるものではなく、多様なパターンを含んでもよい。
【0182】
図10Cに示された第1パターン231cは、前述した一方向を 横切る方向(例えば、x軸方向)に延びる2つ以上の第1延長パターン2311と、2つの第1延長パターン2311の間を連結する連結パターン2313cを含む。
【0183】
図10Cに示された連結パターン2313cは、
図10Bに示された、折り曲げられたパターンとは異なって、屈曲したパターンに図示された。但し、連結パターン2313cは、実施形態に限定されず、多様なパターンを含んでもよい。
【0184】
折り曲げられたパターンの場合には、折り曲げられる部分に熱の集中する現象が現われる。第2パターン232c及び連結パターン2313cを、屈曲したパターンに配置すれば、パターンの一部分に熱の集中する現象が緩和され、熱がパターンの全域で均一に分布されるようにすることができる。
【0185】
図10Bに示されたサセプタ230bと同様に、サセプタ230cの2つのパターンの間の間隔idは均一であり、また、サセプタ230cの全体で同一である。
【0186】
図10Aないし
図10Cを参照すれば、芯220の外面のうち一面で、サセプタ230が占める領域である第1領域は、芯220の外面のうち一面のエッジから同じ隔離距離ほど離れた位置に形成されてもよく、一面の80%以下を占める。例えば、第1領域は、芯220の外面のうち一面の70ないし80%を占める。
【0187】
第1領域が芯220の外面のうち一面のエッジから同じ隔離距離ほど離れた位置で、一面の70ないし80%を占めるようにサセプタ230を配置することで、エアロゾル生成物質が保存部(例えば、
図4Aの保存部210)から芯220に移動することができる空間が十分に確保される。
【0188】
すなわち、芯220が、保存部から供給されるエアロゾル生成物質を効果的に吸収することができる。これによって、保存部から芯220へエアロゾル生成物質が移動する過程で発生する漏れが緩和される。
【0189】
以下では、
図11A及び
図11Bを参照して、サセプタの2つのパターンの間の間隔が均一ではない場合について説明する。
【0190】
図11A及び
図11Bは、実施形態によって、不均一に離隔されたパターンを有するサセプタが配置されている芯の上面図である。
【0191】
図11A及び
図11Bを参照すれば、カートリッジ20は、芯220及びサセプタ230a及び230bを備える。サセプタ230a及び230bは、
図4Aに示されたサセプタ230と同一または類似しており、共通する内容は、
図4Aに示されたサセプタ230を基準として説明する。
【0192】
【0193】
図11A及び
図11Bを参照すれば、サセプタ230a及び230bは、芯220の周辺部220pで第1間隔id1(すなわち、2つのパターンの間の間隔d1)で配置される第1部分2301と、芯220の中心部220cで第2間隔id2で配置される第2部分2302を備える。
【0194】
この時、第1間隔id1及び第2間隔id2のそれぞれは、
図10Aないし
図10Cを通じて説明した、サセプタの2つのパターンの間の間隔idと同じ意味で使われる。
【0195】
第1間隔id1と第2間隔id2とは、相異なる。例えば、芯220の周辺部220pについての第1間隔id1は、芯220の中心部220cについての第2間隔id2より大きい。
【0196】
第1間隔id1と第2間隔id2とを相異ならせる理由は、誘導加熱方式の特性、芯の周りに配置される本体の一構成、芯の部位別の吸収速度の3つの観点で説明することができる。
【0197】
第一に、誘導加熱方式の特性上、螺旋状の板形状の誘導コイル(例えば、
図8の誘導コイル110)の中心軸で、磁力線(例えば、
図8の磁力線M)の磁束密度が高い。これによれば、磁束密度は、芯の周辺部220pよりは、誘導コイルの中心軸と近い芯220の中心部220cで相対的にさらに高い。
【0198】
すなわち、中心部220cに配置されるサセプタの第2部分2302が、周辺部220pに配置されるサセプタの第1部分2301に比べて、さらに稠密に配置されていれば、誘導加熱方式による加熱効率を極大化することができる。
【0199】
第二に、芯の周辺部220pに該当する芯のエッジや両端の周りに、芯220を支持する支持部材など、本体(例えば、
図4Aの本体10)の一つ以上の構成が配置される。芯の周辺部220pの温度上昇により、本体に熱が伝達されれば、本体に損傷が発生する。例えば、本体の一構成に熱変形が発生する。
【0200】
周辺部220pに配置されるサセプタの第1部分2301が、中心部220cに配置されるサセプタの第2部分2302に比べて、相対的に稠密でなく配置されていれば、芯の中心部220cの温度より、周辺部220pの温度が低くなる。
【0201】
これによって、周辺部220pから本体に伝達される熱が減少して、本体が、サセプタ230a及び230bで発生する熱から保護される。
【0202】
最後に、芯220は、周辺部220pに該当する芯220のエッジや両端で、保存部(例えば、
図4Aの保存部210)から供給されるエアロゾル生成物質を吸収する。吸収されたエアロゾル生成物質は、芯220の周辺部220pから中心部220cに移動する。
【0203】
芯の周辺部220pでは、保存部から直接的にエアロゾル生成物質が供給されて、エアロゾル生成物質の吸収速度が速い。中心部220cは、相対的に保存部から遠いため、芯の中心部220cでは、相対的にエアロゾル生成物質の吸収速度が遅い。すなわち、芯220の周辺部220pから中心部220cに近くなるほど、エアロゾル生成物質の吸収速度と、吸収されたエアロゾル生成物質の量が減少する。
【0204】
前述したように、サセプタの第1部分2301が、第2部分2302に比べて、相対的に稠密でなく配置されていれば、芯の中心部220cの温度より、周辺部220pの温度が低くなる。
【0205】
これによって、芯の周辺部220pで、サセプタの第1部分2301によって霧化されるエアロゾルの量は減少する。周辺部220pで霧化されていないエアロゾル生成物質は、芯の中心部220cに移動し、中心部220cで、サセプタの第2部分2302によってエアロゾルに霧化される。よって、芯220の周辺部220p及び中心部220cで、均一な量のエアロゾルが発生する。
【0206】
図11Aを参照すれば、芯の周辺部220pと中心部220cとの境界線は、芯220の上面の面積を4:1に縮小した一点鎖線の矩形に示されている。
【0207】
図11Bを参照すれば、芯の周辺部220pと中心部220cとの境界線は、芯220の上面のy軸方向の長さを3等分する2個の一点鎖線に示されている。
【0208】
但し、芯の周辺部と中心部は、実施形態に限定されず、周辺部と中心部との境界は変わりうる。また、芯の周辺部と中心部との境界は不明になることがあり、この場合に、サセプタのパターンとパターンとの間隔は、周辺部から中心部へ行くほど漸進的にまたは急激に縮まる。
【0209】
以下では、芯220の外面のうち2つの面に配置される複数のサセプタについて説明する。
【0210】
図12A及び
図12Bは、実施形態によって、2つのサセプタが相異なる外面に配置されている芯の斜視図である。
【0211】
図12A及び
図12Bを参照すれば、カートリッジ20は、芯220及び複数のサセプタ230を備える。
【0212】
サセプタ230は、芯220の外面のうち一面に、第3間隔id3で配置される第1サセプタ230-1と、一面と対向する芯220の他面に第4間隔id4で配置される第2サセプタ230-2を含む。
【0213】
第1サセプタ230-1及び第2サセプタ230-2のそれぞれは、
図4Aに示されたサセプタ230と同一または類似している。第3間隔id3及び第4間隔id4のそれぞれは、
図10Aないし
図10Cを通じて説明した、サセプタの2つのパターンの間の間隔idと同じ意味で使われる。
【0214】
第3間隔id3と第4間隔id4とは、相異なる。以下では、第3間隔id3が第4間隔id4より小さいと仮定する。
【0215】
図12Aを参照すれば、第1サセプタ230-1は、芯220の上面に配置され、第2サセプタ230-2は、芯220の下面に配置される。
【0216】
芯220の上面に配置される第1サセプタ230-1の第3間隔id3が、芯220の下面に配置される第4間隔id4より狭いため、芯220の下部より芯220の上部でさらに多くの熱が発生する。
【0217】
芯220の上部には保存部(例えば、
図4Aの保存部210)が配置されるが、芯220の下部には、多くの電子部品を含む本体(例えば、
図4Aの本体10)が配置される。芯220の下部で発生する熱が減少すれば、芯220の下部に隣接している本体の電子部品が相対的に保護される。
【0218】
よって、芯220の上部の発熱によって霧化性能が維持されながら、芯220の下部に配置される電子部品が保護される。
【0219】
図12Bを参照すれば、第1サセプタ230-1は、芯220の第1側面に配置され、第2サセプタ230-2は、第1側面と反対側である芯220の第2側面に配置される。
【0220】
第1側面に配置される第1サセプタ230-1の第3間隔id3が、第2側面に配置される第2サセプタ230-2の第4間隔id4より狭いため、芯220の第2側面より第1側面でさらに多い熱が発生する。
【0221】
図2に示されたように、カートリッジ(例えば、
図2の蒸気化器14)が、エアロゾル生成装置1の長手方向に延びる中心軸に対して非対称的に配置される場合、さらに多くの熱が発生する芯220の第1側面が、エアロゾル生成装置の内部に向かうように配置され、相対的に発熱の少ない芯220の第2側面が、エアロゾル生成装置の外部に向かうように配置される。
【0222】
このような芯の配置によれば、エアロゾル生成装置の外面に伝達される熱が減少するため、エアロゾル生成装置を把持するユーザの身体(例えば、手の平)に高温の熱が伝達されることを防止する。
【0223】
図13は、中空及び継手部を含む、さらに他の実施形態によるカートリッジの斜視図である。
【0224】
図13を参照すれば、さらに他の実施形態によるカートリッジ20は、芯220及び一つ以上のサセプタ230を備える。
【0225】
図13に示されたカートリッジ20の構成要素のうち少なくとも一つは、
図9に示されたカートリッジ20の構成要素のうち少なくとも一つと同一または類似しているが、以下で重なる説明は省略する。
【0226】
芯220は、サセプタ230によって生成されたエアロゾルが芯220を通過するように形成された中空220hを含む。
【0227】
図13を参照すれば、中空220hは、z軸方向に芯220を貫通する。但し、中空220hのサイズ、数及び位置は、実施形態によって多様に変形される。
【0228】
気流パス(例えば、
図4Aの気流パス250)が、芯220の上部に配置されていて、エアロゾルが+z方向に移動せねばならない場合、芯220の下面に配置されているサセプタ230によって生成されたエアロゾルは、中空220hを通じて+z方向に移動する。
【0229】
本明細書には示されていないが、他の例示として、気流パスが芯220の下部に配置される場合、エアロゾルが-z方向に移動せねばならない。この場合、芯220の上面に配置されたサセプタ230によって生成されたエアロゾルが、中空220hを通じて-z方向に移動する。
【0230】
芯220は、芯220の上面の少なくとも一部を保存部(例えば、
図4Aの保存部210)から離隔させるように、保存部に向かって突出する継手部221を含む。
【0231】
継手部221は、芯220の上面のエッジや端部で保存部と接触するように配置され、継手部221が配置されていない芯220の上面の残りの部分は、保存部から離隔される。但し、継手部の配置は、実施形態に限定されるものではない。
【0232】
継手部221は、保存部から供給されるエアロゾル生成物質を吸収して、芯220の全域にエアロゾル生成物質を伝達する。
【0233】
気流パス(例えば、
図4Aの気流パス250)が、芯220の上部に配置されていて、エアロゾルが+z方向に移動せねばならない場合、芯220の上面に配置されているサセプタ230によって生成されたエアロゾルは、継手部221によって生じた空間を通じて流動する。また、芯220の側面に配置されているサセプタ(図示せず)によって生成されたエアロゾルは、継手部221によって生じた空間に移動する。
【0234】
継手部221によって生じた空間に集まったエアロゾルは、気流パスに向かって移動する。
【0235】
図14は、さらに他の実施形態によって、芯と一体に形成されたサセプタを示す斜視図である。
【0236】
図14を参照すれば、さらに他の実施形態によるカートリッジ20は、芯と一体に形成されたサセプタ260を備える。
【0237】
芯と一体に形成されたサセプタ260は、保存部(例えば、
図4Aの保存部210)から供給されるエアロゾル生成物質を吸収し、吸収されたエアロゾル生成物質を誘導磁場に対して反応させて熱を発生させ、エアロゾルに霧化させる。すなわち、芯と一体に形成されたサセプタ260は、
図9に示されている芯220とサセプタ230との機能を同時に行える。
【0238】
図4Aに示されている芯220及びサセプタ230と同様に、芯と一体に形成されたサセプタ260は、カートリッジの保存部の下部に配置される。カートリッジと本体(例えば、
図4Aの本体10)とが結合される場合、サセプタ260は、誘導コイル(例えば、
図4Aの誘導コイル110)の上部に配置される。
【0239】
芯と一体に形成されたサセプタ260は、金属粉末を焼結して得る多孔体、金属が網目(または「メッシュ」)の形で配置されたメッシュ体などを含む。サセプタ260は、SUS316Lを含む。但し、サセプタ260の素材は、これに限定されず、芯とサセプタとの機能を同時に行えるいかなる素材も含む。
【0240】
さらに他の実施形態によるカートリッジ20は、支持部材(図示せず)をさらに含む。支持部材は、カートリッジ20の内部で、芯と一体に形成されたサセプタ260を支持する。支持部材は、サセプタ260からの熱を耐えられるすべての素材を含む。支持部材の配置は、実施形態に限定されず、支持部材は、本体に含まれる。
【0241】
芯と一体に形成されたサセプタ260は、それ自体が芯であると同時にサセプタであるため、サセプタ260の内部及びすべての外面で発熱が起きながらエアロゾルが発生する。単純に、芯220とサセプタ230とが個別的に形成されて結合された実施形態と比べて、サセプタ260が芯と一体に形成されれば、発熱面積が増大し、窮極的に霧化性能が向上する。
【0242】
単純に、芯220とサセプタ230とが結合された形態の場合、綿またはシリカからなる芯は炭化され、これによって、有害性物質が発生する恐れがある。セラミックスからなる芯を用いれば、芯の炭化される程度は低下する。但し、セラミックス芯からセラミックス粉が発生する恐れがある。セラミックス粉などの有害性物質は、エアロゾルと混合されてユーザの口腔に流れ込む恐れがある。
【0243】
これに対し、芯と一体に形成されたサセプタ260は、加熱によって炭化されないため、有害性物質を発生させない。よって、芯と一体に形成されたサセプタ260を含むカートリッジ20は、ユーザに及ぼす有害性を低減させることができる。
【0244】
図15は、他の実施形態によるエアロゾル生成装置1500のブロック図である。
【0245】
エアロゾル生成装置1500は、制御部1510、センシング部1520、出力部1530、バッテリー1540、ヒータ1550、ユーザ入力部1560、メモリ1570、及び通信部1580を備える。但し、エアロゾル生成装置1500の内部構造は、
図15に示されたところに制限されるものではない。すなわち、エアロゾル生成装置1500の設計によって、
図15に示された構成のうち一部が省略されるか、新たな構成がさらに加えられ得るということを、当業者ならば理解できるであろう。
【0246】
センシング部1520は、エアロゾル生成装置1500の状態またはエアロゾル生成装置1500周辺の状態を感知し、感知した情報を制御部1510に伝達する。制御部1510は、前記感知された情報に基づいて、ヒータ1550の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット、カートリッジなど)の挿入如何の判断、お知らせ表示などの多様な機能が行われるように、エアロゾル生成装置1500を制御する。
【0247】
センシング部1520は、温度センサ1522、挿入感知センサ1524及びパフセンサ1526のうち少なくとも一つを備えるが、それらに制限されるものではない。
【0248】
温度センサ1522は、ヒータ1550(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知する。エアロゾル生成装置1500は、ヒータ1550の温度を感知する別途の温度センサを備えるか、ヒータ1550自体が温度センサの役割を行う。または、温度センサ1522は、バッテリ1540の温度をモニタリングするように、バッテリ1540の周りに配置されたものであってもよい。
【0249】
挿入感知センサ1524は、エアロゾル生成物品の挿入及び/または除去を感知する。例えば、挿入感知センサ1524は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち少なくとも一つを含み、エアロゾル生成物品が挿入及び/または除去されることによる信号変化を感知する。
【0250】
パフセンサ1526は、気流通路または気流チャネルの多様な物理的変化に基づいて、ユーザのパフを感知する。例えば、パフセンサ1526は、温度変化、流量変化、電圧変化及び圧力変化のうちいずれか一つに基づいて、ユーザのパフを感知する。
【0251】
センシング部1520は、前述したセンサ(温度センサ1522、挿入感知センサ824及びパフセンサ1526)以外に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも一つをさらに備える。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるため、具体的な説明は省略する。
【0252】
出力部1530は、エアロゾル生成装置1500の状態についての情報を出力して、ユーザに提供する。出力部1530は、ディスプレイ部1532、ハプティック部1534及び音響出力部1536のうち少なくとも一つを備えるが、これに制限されるものではない。ディスプレイ部1532とタッチパッドとが層構造をなしてタッチスクリーンに構成される場合、ディスプレイ部1532は、出力装置以外に入力装置としても使われる。
【0253】
ディスプレイ部1532は、エアロゾル生成装置1500についての情報を、ユーザに視覚的に提供する。例えば、エアロゾル生成装置1500についての情報は、エアロゾル生成装置1500のバッテリ1540の充/放電状態、ヒータ1550の予熱状態、エアロゾル生成物品の挿入/除去状態、またはエアロゾル生成装置1500の使用が制限される状態(例えば、異常物品の感知)などの多様な情報を意味し、ディスプレイ部1532は、前記情報を外部に出力する。ディスプレイ部1532は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などである。また、ディスプレイ部1532は、LED発光素子の形態であってもよい。
【0254】
ハプティック部1534は、電気的信号を機械的な刺激または電気的な刺激に変換して、エアロゾル生成装置1500についての情報を、ユーザに触覚的に提供する。例えば、ハプティック部1534は、モータ、圧電素子、または電気刺激装置を備える。
【0255】
音響出力部1536は、エアロゾル生成装置1500についての情報を、ユーザに聴覚的に提供する。例えば、音響出力部1536は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力する。
【0256】
バッテリ1540は、エアロゾル生成装置1500の動作に用いられる電力を供給する。バッテリ1540は、ヒータ1550が加熱されるように電力を供給する。また、バッテリ1540は、エアロゾル生成装置1500内に備えられている他の構成(例えば、センシング部1520、出力部1530、ユーザ入力部1560、メモリ1570及び通信部1580の動作に必要な電力を供給する。バッテリ1540は、充電の可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリである。例えば、バッテリ1540は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、これに制限されるものではない。
【0257】
ヒータ1550は、バッテリ1540から電力を供給されてエアロゾル生成物質を加熱する。
図15には示されていないが、エアロゾル生成装置1500は、バッテリ1540の電力を変換してヒータ1550に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに備えてもよい。また、エアロゾル生成装置1500が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル生成装置1500は、バッテリ1540の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに備えてもよい。
【0258】
制御部1510、センシング部1520、出力部1530、ユーザ入力部1560、メモリ1570、及び通信部1580は、バッテリー1540から電力を供給されて機能を行う。
図15に示されていないが、バッテリ1540の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路または電圧レギュレータ回路をさらに備える。
【0259】
一実施形態で、ヒータ1550は、任意の好適な電気抵抗性物質で形成されてもよい。例えば、好適な電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、プラチナ、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金であるが、それらに制限されるものではない。また、ヒータ130は、金属熱線、電気伝導性トラックが配置された金属熱板、セラミックス発熱体などで具現されるが、それらに制限されるものではない。
【0260】
他の実施形態で、ヒータ1550は、誘導加熱方式のヒータである。例えば、ヒータ1550は、コイルによって印加された磁場を通じて発熱して、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを備える。
【0261】
ユーザ入力部1560は、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する。例えば、ユーザ入力部1560は、キーパッド、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあるが、それらに制限されるものではない。また、
図15には示されていないが、エアロゾル生成装置1500は、USB(universal serial bus)インターフェースなどの連結インターフェースをさらに備え、USBインターフェースなどの連結インターフェースを通じて、他の外部装置と連結して情報を送受信するか、バッテリ1540を充電する。
【0262】
メモリ1570は、エアロゾル生成装置1500内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、制御部1510で処理されたデータ及び処理されるデータを保存する。メモリ1570は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも一つのタイプの記録媒体を含む。メモリ1570は、エアロゾル生成装置1500の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも一つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンについてのデータなどを保存する。
【0263】
通信部1580は、他の電子装置との通信のための少なくとも一つの構成要素を含む。例えば、通信部1580は、近距離通信部1582及び無線通信部1584を備える。
【0264】
近距離通信部1582は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部、WLAN(Wi-Fi)通信部、ジグビー通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、それらに制限されるものではない。
【0265】
無線通信部1584は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LANまたはWAN)通信部などを含むが、それらに制限されるものではない。無線通信部1584は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI)を用いて、通信ネットワーク内でエアロゾル生成装置1500を確認及び認証することができる。
【0266】
制御部1510は、エアロゾル生成装置1500の全般的な動作を制御する。一実施形態で、制御部1510は、少なくとも一つのプロセッサを備える。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせで具現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで具現されてもよいということを、当業者ならば理解できるであろう。
【0267】
制御部1510は、バッテリ1540の電力をヒータ1550に供給することを制御することで、ヒータ1550の温度を制御する。例えば、制御部1510は、バッテリ1540とヒータ1550との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで、電力供給を制御する。他の例で、制御部1510の制御命令によって、加熱直接回路がヒータ1550への電力供給を制御してもよい。
【0268】
制御部1510は、センシング部1520によって感知された結果を分析し、以後行われる処理を制御する。例えば、制御部1510は、センシング部1520によって感知された結果に基づいて、ヒータ1550の動作が開始または終了するように、ヒータ1550に供給される電力を制御する。他の例として、制御部1510は、センシング部1520によって感知された結果に基づいて、ヒータ1550が所定の温度まで加熱されるか、適当な温度を維持することができるように、ヒータ1550に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御する。
【0269】
制御部1510は、センシング部1520によって感知された結果に基づいて、出力部1530を制御する。例えば、パフセンサ1526を通じてカウントされたパフ回数が既定の回数に到達すれば、制御部1510は、ディスプレイ部1532、ハプティック部1534及び音響出力部1536のうち少なくとも一つを通じて、ユーザに、エアロゾル生成装置1500が間もなく終わるということを予告する。
【0270】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールなどの、コンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現される。コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意に利用できる媒体であり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータなどの、情報の保存のための任意の方法または技術で具現された、揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールなどの変調されたデータ信号のその他のデータ、またはその他の伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0271】
前述した実施形態についての説明は、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、それらから、多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。よって、発明の真の保護範囲は、添付した特許請求の範囲によって定められねばならず、特許請求の範囲に記載の内容と同等な範囲にあるすべての差異は、請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されねばならない。
【国際調査報告】