(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-02
(54)【発明の名称】旋回要素を可動に支承するための金具
(51)【国際特許分類】
E05D 15/30 20060101AFI20241125BHJP
E05D 15/58 20060101ALI20241125BHJP
E05D 11/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
E05D15/30
E05D15/58 A
E05D11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537600
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 AT2022060448
(87)【国際公開番号】W WO2023115084
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン デュア
【テーマコード(参考)】
2E032
【Fターム(参考)】
2E032AA00
(57)【要約】
定置の支持体(102)に対して相対的に旋回要素(101)、特に家具部分、ドアまたは窓を運動可能に支承するための金具(1)であって、-定置の支持体(102)に配置されているか、または配置可能な第1の金具部分(2)と、-旋回要素(101)に配置されているか、または配置可能な第2の金具部分(3)であって、第1の金具部分(2)と第2の金具部分(3)とが互いに対して相対的に運動可能、好適には旋回可能に形成されている、第2の金具部分(3)と、-少なくとも1つのジョイントレバー(4)であって、該ジョイントレバー(4)は、第1のジョイント軸(2a)を介して第2の金具部分(3)に枢動式に結合されていて、かつ第2のジョイント軸(3c)を介して第2の金具部分(3)に枢動式に結合されている、ジョイントレバー(4)とを含み、ガイド装置(5)が設けられており、ガイド装置(5)が、両方の金具部分(2,3)のうちの一方の金具部分に、または該一方の金具部分内に線形に移動可能に支承されており、かつ両方の金具部分(2,3)のうちの他方の金具部分に、第3のジョイント軸(5a)を介して枢動式に結合されており、第3のジョイント軸(5a)が、第1のジョイント軸(2a)および/または第2のジョイント軸(3c)とは別個であり、かつ第1のジョイント軸(2a)および/または第2のジョイント軸(3c)から離間して形成されている、金具(1)であって、少なくとも2つの、好適にはまさに2つのジョイントレバー(4)が設けられており、少なくとも2つのジョイントレバー(4)が、それぞれ第1のジョイント軸(2a)を介して第1の金具部分(2)に枢動式に結合されていて、かつ第2のジョイント軸(3c)を介して第2の金具部分(3)に枢動式に結合されている、金具(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定置の支持体(102)に対して相対的に旋回要素(101)、特に家具部分、ドアまたは窓を運動可能に支承するための金具(1)であって、
-定置の支持体(102)に配置されているか、または配置可能な第1の金具部分(2)と、
-旋回要素(101)に配置されているか、または配置可能な第2の金具部分(3)であって、前記第1の金具部分(2)と前記第2の金具部分(3)とが互いに対して相対的に運動可能、好適には旋回可能に形成されている、第2の金具部分(3)と、
-少なくとも1つのジョイントレバー(4)であって、該ジョイントレバー(4)は、第1のジョイント軸(2a)を介して前記第1の金具部分(2)に枢動式に結合されていて、かつ第2のジョイント軸(3c)を介して前記第2の金具部分(3)に枢動式に結合されている、ジョイントレバー(4)と
を含み、
-ガイド装置(5)が設けられており、該ガイド装置(5)が、両方の前記金具部分(2,3)のうちの一方の金具部分に、または該一方の金具部分内に線形に移動可能に支承されていて、かつ両方の前記金具部分(2,3)のうちの他方の金具部分に、第3のジョイント軸(5a)を介して枢動式に結合されており、前記第3のジョイント軸(5a)が、前記第1のジョイント軸(2a)および/または前記第2のジョイント軸(3c)とは別個であり、かつ前記第1のジョイント軸(2a)および/または前記第2のジョイント軸(3c)から離間して形成されている、金具(1)であって、
少なくとも2つの、好適にはまさに2つのジョイントレバー(4)が設けられており、前記少なくとも2つのジョイントレバー(4)が、それぞれ前記第1のジョイント軸(2a)を介して前記第1の金具部分(2)に枢動式に結合されていて、かつ前記第2のジョイント軸(3c)を介して前記第2の金具部分(3)に枢動式に結合されていることを特徴とする、金具(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、実質的にL字形に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の金具。
【請求項3】
前記ガイド装置(5)が、ガイド要素(5b)および支承要素(5c)を含み、前記ガイド要素(5)が、前記支承要素(5c)内に線形に移動可能に支承されていることを特徴とする、請求項1または2記載の金具。
【請求項4】
前記ガイド要素(5b)が、結合区分(5d)を有し、該結合区分(5d)を介して、前記ガイド要素(5b)が第3の取付け箇所(5a)において両方の前記金具部分(2,3)のうちの一方の金具部分に枢動式に結合されていることを特徴とする、請求項3記載の金具。
【請求項5】
前記ガイド要素(5b)が、円形または多角形の横断面を有していることを特徴とする、請求項3または4記載の金具。
【請求項6】
前記支承要素(5c)が、少なくとも1つ、好適には2つのスライド要素(5e)を含むことを特徴とする、請求項3から5までのいずれか1項記載の金具。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスライド要素(5e)が、前記第1の金具部分(2)の切欠き(2b)内に配置されており、前記ガイド要素(5b)が、前記スライド要素(5e)内で線形に移動可能にガイドされていることを特徴とする、請求項6記載の金具。
【請求項8】
前記第2の金具部分(3)が、2つの部分から形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の金具。
【請求項9】
前記第2のジョイント軸(3c)が、前記第2の金具(3)の第1の部分(3a)に対応配置されており、前記第3のジョイント軸(5a)が、前記第2の金具(3)の第2の部分(3b)に対応配置されていることを特徴とする、請求項8記載の金具。
【請求項10】
旋回要素(101)と、定置の支持体(102)と、請求項1から9までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)とを含む家具(100)であって、前記旋回要素(101)が、可動の家具部分の形態で形成されており、かつ前記定置の支持体(102)が、家具本体の形態で形成されている、家具(100)。
【請求項11】
前記旋回要素(101)が、前記金具(1)によって、前記旋回要素(101)が側壁(103)の端面側(103a)を少なくとも部分的に覆う第1の位置と、前記旋回要素(101)が前記定置の支持体(102)の奥行き方向(Z)で走行可能である第2の位置との間で運動可能であることを特徴とする、請求項10記載の家具。
【請求項12】
前記定置の支持体(102)が、少なくとも1つの側壁(103)を有し、前記旋回要素が、前記第2の位置において、前記側壁(103)に対して実質的に平行に配置されていることを特徴とする、請求項11記載の家具。
【請求項13】
前記定置の支持体(102)が、少なくとも2つの側壁(103)を有しており、前記少なくとも2つの側壁(103)が、中空室(104)を形成し、該中空室(104)内に、旋回要素(101)が前記第2の位置において、前記定置の支持体(102)の奥行き方向(Z)で走行可能であることを特徴とする、請求項12記載の家具。
【請求項14】
請求項1から9までのいずれか1項記載の少なくとも2つの金具(1)が設けられていることを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の特徴を備えた、定置の支持体に対して相対的に、旋回要素、特に家具部分、ドアまたは窓を可動に支承するための金具と、このような金具を備えた家具とに関する。
【0002】
このような金具は、例えば、本出願人による文献A50977/2018から、または米国特許出願公開第2004/0252045号明細書、独国実用新案第20207036号明細書、欧州特許出願公開第3343152号明細書および国際公開第2020/232490号のうちの1つの文献からも公知である。この文献は、少なくとも5つのジョイント軸と複数のジョイントレバーとを備えたジョイント機構を提案している。このような金具における欠点は、ジョイント機構の比較的複雑な構成である。このことは、一方では、材料需要と製造手間とを増大させ、このことは、より高いコストをもたらす。他方では、ジョイント機構の複雑な機械構成では、汚染、欠陥等が生じやすい。
【0003】
文献A50977/2018は、このようなヒンジを備えた家具も開示されている。この場合、旋回要素は、側壁の端面を少なくとも所定の区分で、好適には実質的に完全に覆うことができる。これにより、家具を前側から見た場合に、側壁と旋回要素との間に前側から確認可能な段部または間隙が形成されることなく、全体として平滑な表面が存在している。このプラスの効果は維持されることが望ましい。
【0004】
したがって本発明の客観的な技術的な課題は、従来技術に対して改善された金具を提供することであり、この金具では、従来技術の欠点が少なくとも部分的に解消されていて、かつ特に上述したポジティブな効果が維持されている。さらに、このような金具を備えた家具を提供することが望ましい。
【0005】
この課題は、請求項1および請求項10に記載の特徴よって解決される。
【0006】
したがってガイド装置が設けられており、このガイド装置が、両方の金具部分のうちの一方の金具部分に、または一方の金具部分内に線形に移動可能に支承されていて、かつ両金具部分のうちの他方の金具部分に、第3のジョイント軸を介して枢動式に結合されており、第3のジョイント軸が、第1のジョイント軸および/または第2のジョイント軸とは別個であり、かつ第1のジョイント軸および/または第2のジョイント軸から離間して形成されており、少なくとも2つの、好適にはまさに2つのジョイントレバーが設けられており、少なくとも2つのジョイントレバーが、それぞれ第1のジョイント軸を介して第1の金具部分に枢動式に結合されていて、かつ第2のジョイント軸を介して第2の金具部分に枢動式に結合されている。
【0007】
ガイド装置は、3つのジョイント軸への削減を可能にし、これにより、さらにジョイント機構の、ひいては金具の複雑さを減じることができる。ジョイント軸の配置により、旋回要素が、側壁の端面を少なくとも所定の区分で、好適には実質的に完全に覆うことが可能にされる。
【0008】
さらに、これによって旋回要素は既に金具によって安定化される。さらに、鉛直方向の荷重除去を、単に1つのジョイントレバーを介して行うことができる。
【0009】
さらに、旋回要素の旋回運動の緩衝が、提案された金具では、穿孔ダンパを用いて容易に実現される。
【0010】
第2のジョイントレバーが設けられる場合、ジョイントレバーによってより高い力およびモーメントを受け止めることができる。さらに、別のジョイントレバーが、金具の旋回運動を付加的に安定化する。
【0011】
家具に関して、家具が、旋回要素、定置の支持体および少なくとも1つの本発明による金具を含んでおり、旋回要素が、可動の家具部分の形態で、かつ定置の支持体が、家具キャビネットの形態で形成されていることが規定されている。
【0012】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項において定義されている。
【0013】
本発明の好適な構成によれば、少なくとも1つのジョイントレバーが、実質的にL字形に形成されていることが規定されていてよい。
【0014】
少なくとも1つのジョイントレバーのL字形の構成は、ジョイント軸の配置に関連して、旋回要素が旋回され得る軌道を設定することを可能にする。
【0015】
ガイド装置が、ガイド要素および支承要素を含んでいて、ガイド要素が、支承要素内に線形に移動可能に支承されていることが規定されていてもよい。
【0016】
さらに、ガイド要素は、結合区分を有していて、結合区分を介して、ガイド要素が、第3のジョイント軸を介して両方の金具部分のうちの一方の金具部分に枢動式に結合されていることが規定されていてよい。
【0017】
このことは、ガイド装置を実施するための簡単でかつ複雑ではない可能性を成す。
【0018】
本発明の有利な或る実施形態によれば、ガイド要素が、円形のまたは多角形の横断面を有していることが規定されていてよい。
【0019】
したがって、要求に応じて、支承要素内でのガイド部材の回転を可能にするか、または阻止する横断面を選択することができる。
【0020】
支承要素が少なくとも1つ、好適には2つのスライド要素を含んでいることが規定されていてよい。
【0021】
特に、少なくとも1つのスライド要素が、第1の金具部材の切欠き内に配置されており、ガイド要素が、スライド要素内で線形に移動可能にガイドされていると有利であることが判った。
【0022】
これによって、スライド要素の材料を、金具の材料に依存せずに選択することが可能である。さらに、スライド要素は、場合により摩耗が生じた場合に、簡単に交換することができる。
【0023】
有利には、第2の金具部分が、2つの部分から形成されていることが規定されていてよい。
【0024】
特に好適には、第2のジョイント軸線が、第2の金具の第1の部分に対応配置されていて、第3のジョイント軸線が、第2の金具の第2の部分に対応配置されていることが規定されていてよい。
【0025】
第2の金具部分の2つの部分から成る構成を介して、ジョイント軸の互いに別個の、かつ離間した構成を簡単に実現することができる。さらに、第2の金具部分における材料を節約することができる。
【0026】
家具に関して、旋回要素が、金具によって、旋回要素が側壁の端面を少なくとも部分的に覆う第1の位置と、旋回要素が定置の支持体の奥行き方向に走行可能である第2の位置との間で運動可能であることが規定されていてよい。
【0027】
これにより、家具を前側から見た場合に、側壁と旋回要素との間に前側から確認可能な段部または間隙が形成されることなく、全体として平滑な表面が存在している。したがって、家具の視覚的な全体像の評価が著しく向上する。
【0028】
有利には、定置の支持体が、少なくとも1つの側壁を有しており、旋回要素が、第2の位置において、側壁に対して実質的に平行に配置されていることが規定されていてよい。
【0029】
第1の位置における側壁と旋回要素との平行な配置により、家具の内室には第2の位置において容易にアクセス可能である。
【0030】
特に有利には、定置の支持体が、少なくとも2つの側壁を有しており、少なくとも2つの側壁が、中空室を形成しており、この中空室内に、旋回要素が第2の位置において、定置の支持体の奥行き方向で走行可能であることが規定されていてよい。
【0031】
つまり、第2の位置では、旋回要素はもはやほとんど確認可能ではなく、これにより、一方では旋回要素は家具を超えて延びておらず、他方では家具の視覚的に魅力的な全体像が促進される。
【0032】
本発明の有利な或る実施例によれば、本発明による少なくとも2つの金具が設けられていることが規定されていてよい。
【0033】
これによって、家具の安定性が著しく高められる。
【0034】
本発明の別の詳細および利点を、図面に図示した実施例を参照した図面の説明につき以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1a】第1の位置における家具を示す斜視図である。
【
図1b】第2の位置における家具を示す斜視図である。
【
図3a】第1の位置から第2の位置への家具の移行時における1つのステップにおいて家具の一部を示す平面図である。
【
図3b】第1の位置から第2の位置への家具の移行時における別のステップにおいて家具の一部を示す平面図である。
【
図3c】第1の位置から第2の位置への家具の移行時におけるさらに別のステップにおいて家具の一部を示す平面図である。
【
図3d】第1の位置から第2の位置への家具の移行時におけるさらに別のステップにおいて家具の一部を示す平面図である。
【
図4a】第1の位置から第2の位置への家具の移行時における1つのステップにおいて金具を示す斜視図である。
【
図4b】第1の位置から第2の位置への家具の移行時における別のステップにおいて金具を示す斜視図である。
【
図4c】第1の位置から第2の位置への家具の移行時におけるさらに別のステップにおいて金具を示す斜視図である。
【
図4d】第1の位置から第2の位置への家具の移行時におけるさらに別のステップにおいて金具を示す斜視図である。
【0036】
図1aは、第1の位置において家具100を示す斜視図を示しており、
図1bは、第2の位置にある同一の家具100を示している。
【0037】
家具100が、家具本体の形態の定置の支持体102を有していることが判る。さらに、扉の形態の旋回要素101が確認可能である。
【0038】
図1aに示した第1の位置では、旋回要素101が、側壁103の端面103aを覆っている。さらに旋回要素101は、折畳みスライドドア105に面一に接続しており、これにより、第1の位置では、一貫した家具正面、ひいては家具100の視覚的に魅力的な全体像が生じている。
【0039】
第2の側壁103が設けられていることも確認可能であり、側壁103は、中空室104を形成している。
【0040】
図1bに示した第2の位置では、旋回要素101が、実質的に完全に中空室104内に配置されている。したがって、内部空間106に良好にアクセスが可能である。さらに、旋回要素101は、空間内へと延びておらず、これにより旋回要素101は邪魔にならない。
【0041】
本実施例では、家具100の、旋回要素101に接続する部分に、折畳みスライドドア105が備えられており、折畳みスライドドア105は、別の2つの側壁103’により形成された中空室104’内に配置することができる。
【0042】
しかし、ここでは、別の部分が旋回要素101に接続されておらず、つまり定置の支持体102が、旋回要素101と実質的に同じ幅を有していることが規定されていてもよい。しかし、同一の複数の旋回要素101が相並んで配置されていてもよい。
【0043】
図2は、金具1の分解図を示している。第1の金具部分2と、2つの部分からなる第2の金具部分3とが確認可能であり、第2の金具部分3は、第1の部分3aと第2の部分3bとから成っている。
【0044】
第1の金具部分2は、切欠き2bを有している。この切欠き2b内には2つの支承要素5eを挿入することができる。支承要素5eは、例えばより良好な滑り特性を達成するために、第1の金具部分2とは異なる材料から製造されていてよい。ただ1つの支承要素5e、または3つ以上の支承要素5eが設けられていることも考えられる。
【0045】
支承要素5e内にはガイド要素5bがガイドされている。この場合、支承要素5eとガイド要素5bとは両方共、円形の横断面であるが、実質的にあらゆる別の横断面が考えられる。
【0046】
ガイド要素5bは、結合区分5dを有しており、この結合区分5dを介してガイド要素5bは、第2の取付け具3の第2の部分3bに結合されてよい。このためには、結合区分5dに孔が設けられている。この孔は、結合ピン6を収容することができる。第2の部分3bにも、結合ピン6を収容するための孔が設けられている。これによって、ガイド要素5bと第2の金具部分3との間の枢動式の接続が実現される。
【0047】
ジョイントレバー4も、結合ピン6を介して第1の金具部分2もしくは第2の金具部分3の第1の部分3aに枢動式に接続されている。本実施例では2つのジョイントレバー4が設けられており、このことは、より高い力およびモーメントを受け止めることができるという利点をもたらす。しかし、単に1つのジョイントレバー4だけまたは2つよりも多くのジョイントレバー4が設けられていてもよい。
【0048】
特に以下の図面からも分かるように、両ジョイントレバー4は、それぞれ同一のジョイント軸2a,3cを介して第1の金具部分2もしくは第2の金具部分3に枢動式に接続されている。つまりジョイントレバー4は、互いに独立しておらず、単に互いに同時に運動され得る。したがって第2のジョイントレバー4は、専ら第1のジョイントレバー4の構造的な補強のためにだけ働く。
【0049】
図3a~
図3dは、第1の位置から第2の位置への家具100の移行時における種々様々なステップにおいて家具100の一部を平面図で示しており、かつ
図4a~
図4dは、同じステップにおける金具1の斜視図を示している。
【0050】
図3aおよび
図4aでは、金具1ひいては家具100は第1の位置にある。旋回要素101が、側壁103の端面103aを実質的に完全に覆っていることが判る。ガイド要素5bは、実質的に完全に中空室104内に配置されている。
【0051】
図3bおよび
図4bでは、旋回要素101が既にある程度大きく旋回されている。支承要素5c内にガイドされたガイド要素5bが線形に移動させられていることが判る。ジョイントレバー4も旋回させられている。ジョイントレバー4と、ジョイント軸2a,3c,5aの配置とを介して、軌道が定義され、この軌道に沿って旋回要素101が旋回させられる。
【0052】
図3cおよび
図4cでは、旋回要素101は、さらに旋回させられており、
図3dおよび
図4dでは第2の位置へと旋回させられている。旋回要素101が、ジョイントレバー4とジョイント軸2a,3c,5aの配置とによって、第1の位置では側壁103の端面103aを覆っているが、第2の位置では側壁103に対して平行に配置されていて、側壁103および別の側壁103によって形成された中空室104内へと走行可能であるようにガイドされることが判る。この走行運動は、定置の支持体102もしくは中空室104の奥行き方向Zで行われる。
【符号の説明】
【0053】
1 金具
2 第1の金具部分
2a 第1のジョイント軸
2b 切欠き
3 第2の金具部分
3a 第1の部分
3b 第2の部分
3c 第2のジョイント軸
4 ジョイントレバー
5 ガイド装置
5a 第3のジョイント軸
5b ガイド要素
5c 支承要素
5d 結合区分
5e スライド要素
6 結合ピン
100 家具
101 旋回要素
102 定置の支持体
103 側壁
103a 端面
104 中空室
105 折畳みスライドドア
106 内部空間
Z 奥行き方向
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定置の支持体(102)に対して相対的に旋回要素(101)、特に家具部分、ドアまたは窓を運動可能に支承するための金具(1)であって、
-定置の支持体(102)に配置されているか、または配置可能な第1の金具部分(2)と、
-旋回要素(101)に配置されているか、または配置可能な第2の金具部分(3)であって、前記第1の金具部分(2)と前記第2の金具部分(3)とが互いに対して相対的に運動可能、好適には旋回可能に形成されている、第2の金具部分(3)と、
-少なくとも1つのジョイントレバー(4)であって、該ジョイントレバー(4)は、第1のジョイント軸(2a)を介して前記第1の金具部分(2)に枢動式に結合されていて、かつ第2のジョイント軸(3c)を介して前記第2の金具部分(3)に枢動式に結合されている、ジョイントレバー(4)と
を含み、
-ガイド装置(5)が設けられており、該ガイド装置(5)が、両方の前記金具部分(2,3)のうちの一方の金具部分に、または該一方の金具部分内に線形に移動可能に支承されていて、かつ両方の前記金具部分(2,3)のうちの他方の金具部分に、第3のジョイント軸(5a)を介して枢動式に結合されており、前記第3のジョイント軸(5a)が、前記第1のジョイント軸(2a)および/または前記第2のジョイント軸(3c)とは別個であり、かつ前記第1のジョイント軸(2a)および/または前記第2のジョイント軸(3c)から離間して形成されている、金具(1)であって、
少なくとも2つの、好適にはまさに2つのジョイントレバー(4)が設けられており、前記少なくとも2つのジョイントレバー(4)が、それぞれ前記第1のジョイント軸(2a)を介して前記第1の金具部分(2)に枢動式に結合されていて、かつ前記第2のジョイント軸(3c)を介して前記第2の金具部分(3)に枢動式に結合されていることを特徴とする、金具(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、実質的にL字形に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の金具。
【請求項3】
前記ガイド装置(5)が、ガイド要素(5b)および支承要素(5c)を含み、前記ガイド要素(5)が、前記支承要素(5c)内に線形に移動可能に支承されていることを特徴とする、請求項
1記載の金具。
【請求項4】
前記ガイド要素(5b)が、結合区分(5d)を有し、該結合区分(5d)を介して、前記ガイド要素(5b)が第3の取付け箇所(5a)において両方の前記金具部分(2,3)のうちの一方の金具部分に枢動式に結合されていることを特徴とする、請求項3記載の金具。
【請求項5】
前記ガイド要素(5b)が、円形または多角形の横断面を有していることを特徴とする、請求項
3記載の金具。
【請求項6】
前記支承要素(5c)が、少なくとも1つ、好適には2つのスライド要素(5e)を含むことを特徴とする、請求項
3記載の金具。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスライド要素(5e)が、前記第1の金具部分(2)の切欠き(2b)内に配置されており、前記ガイド要素(5b)が、前記スライド要素(5e)内で線形に移動可能にガイドされていることを特徴とする、請求項6記載の金具。
【請求項8】
前記第2の金具部分(3)が、2つの部分から形成されていることを特徴とする、請求項
1記載の金具。
【請求項9】
前記第2のジョイント軸(3c)が、前記第2の金具(3)の第1の部分(3a)に対応配置されており、前記第3のジョイント軸(5a)が、前記第2の金具(3)の第2の部分(3b)に対応配置されていることを特徴とする、請求項8記載の金具。
【請求項10】
旋回要素(101)と、定置の支持体(102)と、請求項1から9までのいずれか1項記載の少なくとも1つの金具(1)とを含む家具(100)であって、前記旋回要素(101)が、可動の家具部分の形態で形成されており、かつ前記定置の支持体(102)が、家具本体の形態で形成されている、家具(100)。
【請求項11】
前記旋回要素(101)が、前記金具(1)によって、前記旋回要素(101)が側壁(103)の端面側(103a)を少なくとも部分的に覆う第1の位置と、前記旋回要素(101)が前記定置の支持体(102)の奥行き方向(Z)で走行可能である第2の位置との間で運動可能であることを特徴とする、請求項10記載の家具。
【請求項12】
前記定置の支持体(102)が、少なくとも1つの側壁(103)を有し、前記旋回要素が、前記第2の位置において、前記側壁(103)に対して実質的に平行に配置されていることを特徴とする、請求項11記載の家具。
【請求項13】
前記定置の支持体(102)が、少なくとも2つの側壁(103)を有しており、前記少なくとも2つの側壁(103)が、中空室(104)を形成し、該中空室(104)内に、旋回要素(101)が前記第2の位置において、前記定置の支持体(102)の奥行き方向(Z)で走行可能であることを特徴とする、請求項12記載の家具。
【請求項14】
請求項
1記載の少なくとも2つの金具(1)が設けられていることを特徴とする、請求項1
0記載の家具。
【国際調査報告】