(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/84 20230101AFI20241126BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20241126BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20241126BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20241126BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241126BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241126BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20241126BHJP
【FI】
H10K50/84
H10K59/80
H10K59/131
H10K71/00
G09F9/30 309
G09F9/00 338
H10K50/844
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575944
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2021134057
(87)【国際公開番号】W WO2023092566
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】杜 楠
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 国▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鐘▼ 杰▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】傅 永▲義▼
(72)【発明者】
【氏名】周 勇
(72)【発明者】
【氏名】白 ▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲賽▼君
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲凱▼豪
(72)【発明者】
【氏名】彭 索萍
(72)【発明者】
【氏名】宋 克超
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲鄭▼平
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲颯▼
(72)【発明者】
【氏名】李 和雄
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107DD39
3K107DD90
3K107EE41
3K107EE54
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3K107GG37
5C094AA38
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5C094DA07
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5C094FA04
5C094GB10
5C094HA05
5C094HA08
5G435AA13
5G435BB05
5G435CC09
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
本開示は表示基板及びその製造方法、表示装置を提供する。表示基板は表示領域100、及び表示領域100に位置する少なくとも1つのホール領域200を含み、ホール領域200は機能ホール210及び機能ホール210を取り囲む仕切領域220を含み、仕切領域220には機能ホール210を取り囲む少なくとも1つの仕切ダム300が設置され、仕切ダム300はベース10に設置される第1仕切層40及び第1仕切層40のベース10から離れる側に設置される第2仕切層50を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び第2サブ層のベース10から離れる側に設置される第3サブ層を含み、第3サブ層は第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、突出部と第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域、及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記仕切領域には前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムが設置され、前記仕切ダムはベースに設置される第1仕切層及び前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する、表示基板。
【請求項2】
少なくとも1つの仕切層は第1サブ層を更に含み、前記第2サブ層は前記第1サブ層の前記ベースから離れる側に設置される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1仕切層は第1導電サブ層、前記第1導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2導電サブ層、及び前記第2導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3導電サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2導電サブ層の幅はいずれも前記第1導電サブ層と第3導電サブ層の幅よりも小さく、前記第2導電サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1導電サブ層と第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1導電サブ層と第3導電サブ層は前記第2導電サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2導電サブ層の側壁は凹み構造を形成する、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の幅よりも小さく、前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1金属サブ層と第3金属サブ層は前記第2金属サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2金属サブ層の側壁は凹み構造を形成する、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第1金属サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅よりも小さく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅は前記第2導電サブ層の幅よりも小さく、前記第2導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項4に記載の表示基板。
【請求項7】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅よりも小さく、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項4に記載の表示基板。
【請求項8】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第1金属サブ層の幅以下であり、前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅以下であり、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項4に記載の表示基板。
【請求項9】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第1金属サブ層の幅よりも大きく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅よりも小さく、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅に等しく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影と前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影はほぼ重なる、請求項4に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第3金属サブ層の縁部とベースとの距離は、前記第2金属サブ層のベースから離れる側の表面とベースとの距離よりも小さい、請求項4に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記第2金属サブ層の断面形状は第2台形であり、前記第2台形は前記ベースに近い側の第2下底及び前記ベースから離れる側の第2上底を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2上底の幅は前記第2下底の幅よりも小さく、前記第2上底の前記ベースでの正投影は前記第2下底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3金属サブ層の幅は前記第2上底の幅以下であり、前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第2上底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第2下底の幅は前記第1金属サブ層の幅以下であり、前記第2下底の前記ベースでの正投影は前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項3に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の幅よりも小さく、前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1金属サブ層と第3金属サブ層は前記第2金属サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2金属サブ層の側壁は凹み構造を形成する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項14】
前記第1仕切層は第1導電サブ層、前記第1導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2導電サブ層、及び前記第2導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3導電サブ層を含み、前記第2導電サブ層の断面形状は第1台形であり、前記第1台形は前記ベースに近い側の第1下底及び前記ベースから離れる側の第1上底を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第1上底の幅は前記第1下底の幅よりも小さく、前記第1上底の前記ベースでの正投影は前記第1下底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1上底の幅以下であり、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1上底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1下底の幅は前記第1導電サブ層の幅以下であり、前記第1下底の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項13に記載の表示基板。
【請求項15】
前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項14に記載の表示基板。
【請求項16】
前記表示領域はベースに順次に設置される第1絶縁層、半導体層、第2絶縁層、第1導電層、第3絶縁層、第2導電層、第4絶縁層、第3導電層、第1平坦層、第4導電層及び第2平坦層を含み、前記第1仕切層と前記第3導電層は同一層に設置され、前記第2仕切層と前記第4導電層は同一層に設置される、請求項1~15のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の表示基板を備える表示装置。
【請求項18】
表示基板の製造方法であって、前記表示基板は表示領域及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記製造方法は、
前記仕切領域に前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムを形成することを含み、前記仕切ダムは積層設置される第1仕切層及び第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する、表示基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術分野に関するがそれに限らず、特に表示基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLEDと略称される)は能動発光表示デバイスであり、自律発光、広い視角、高いコントラスト比、低い電力消費、極めて高い応答速度、軽量化、湾曲可能、及び低コスト等の利点を有する。表示技術の継続的な発展に伴って、OLEDを発光デバイスとし、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFTと略称される)により信号制御を行うディスプレイは現在の表示分野の主な製品となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以下は、本明細書に記載されるテーマに対する概要である。本概要は特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本開示は表示基板を提供し、表示領域、及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記仕切領域には前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムが設置され、前記仕切ダムはベースに設置される第1仕切層及び前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0005】
例示的な実施形態では、少なくとも1つの仕切層は第1サブ層を更に含み、前記第2サブ層は前記第1サブ層の前記ベースから離れる側に設置される。
【0006】
例示的な実施形態では、前記第1仕切層は第1導電サブ層、前記第1導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2導電サブ層、及び前記第2導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3導電サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2導電サブ層の幅はいずれも前記第1導電サブ層と第3導電サブ層の幅よりも小さく、前記第2導電サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1導電サブ層と第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1導電サブ層と第3導電サブ層は前記第2導電サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2導電サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0007】
例示的な実施形態では、前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の幅よりも小さく、前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1金属サブ層と第3金属サブ層は前記第2金属サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2金属サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0008】
例示的な実施形態では、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第1金属サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅よりも小さく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0009】
例示的な実施形態では、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅は前記第2導電サブ層の幅よりも小さく、前記第2導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0010】
例示的な実施形態では、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅よりも小さく、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0011】
例示的な実施形態では、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第1金属サブ層の幅以下であり、前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅以下であり、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0012】
例示的な実施形態では、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第1金属サブ層の幅よりも大きく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅よりも小さく、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅に等しく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影と前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影はほぼ重なる。
【0013】
例示的な実施形態では、前記第3金属サブ層の縁部とベースとの距離は、前記第2金属サブ層のベースから離れる側の表面とベースとの距離よりも小さい。
【0014】
例示的な実施形態では、前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記第2金属サブ層の断面形状は第2台形であり、前記第2台形は前記ベースに近い側の第2下底及び前記ベースから離れる側の第2上底を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2上底の幅は前記第2下底の幅よりも小さく、前記第2上底の前記ベースでの正投影は前記第2下底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3金属サブ層の幅は前記第2上底の幅以下であり、前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第2上底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第2下底の幅は前記第1金属サブ層の幅以下であり、前記第2下底の前記ベースでの正投影は前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0015】
例示的な実施形態では、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0016】
例示的な実施形態では、前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の幅よりも小さく、前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1金属サブ層と第3金属サブ層は前記第2金属サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2金属サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0017】
例示的な実施形態では、前記第1仕切層は第1導電サブ層、前記第1導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2導電サブ層、及び前記第2導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3導電サブ層を含み、前記第2導電サブ層の断面形状は第1台形であり、前記第1台形は前記ベースに近い側の第1下底及び前記ベースから離れる側の第1上底を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第1上底の幅は前記第1下底の幅よりも小さく、前記第1上底の前記ベースでの正投影は前記第1下底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1上底の幅以下であり、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1上底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1下底の幅は前記第1導電サブ層の幅以下であり、前記第1下底の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0018】
例示的な実施形態では、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する。
【0019】
例示的な実施形態では、前記表示領域はベースに順次に設置される第1絶縁層、半導体層、第2絶縁層、第1導電層、第3絶縁層、第2導電層、第4絶縁層、第3導電層、第1平坦層、第4導電層及び第2平坦層を含み、前記第1仕切層と前記第3導電層は同一層に設置され、前記第2仕切層と前記第4導電層は同一層に設置される。
【0020】
他の態様では、本開示は表示装置を更に提供し、上記の表示基板を備える。
【0021】
他の態様では、本開示は表示基板の製造方法を更に提供し、前記表示基板は表示領域及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記製造方法は、
前記仕切領域に前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムを形成することを含み、前記仕切ダムは積層設置される第1仕切層及び第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0022】
図面及び詳細の説明を読んで理解した後、他の方面を理解できる。
【0023】
図面は本開示の技術案に対する更なる理解を提供するためのものであって、明細書の一部となり、本開示の実施例とともに本開示の技術案を解釈するためのものであり、本開示の技術案を制限するためのものではない。図面における各部品の形状とサイズは、実際の比例を反映せず、本開示の内容を模式的に説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図6】本開示の例示的な実施例による表示基板の断面構造模式図である。
【
図7】本開示の例示的な実施例による仕切ダムの構造模式図である。
【
図8】本開示の実施例によるトランジスタの構造層パターンが形成された後の模式図である。
【
図9】本開示の実施例による第1平坦層パターンが形成された後の模式図である。
【
図10】
図9における第1仕切層の構造模式図である。
【
図11】本開示の実施例による第4導電層パターンが形成された後の模式図である。
【
図12】
図11における第1仕切層と第2仕切層の構造模式図である。
【
図13】本開示の実施例による第2平坦層パターンが形成された後の模式図である。
【
図14】
図13における第1仕切ダムと第2仕切ダムの構造模式図である。
【
図15】本開示の実施例による陽極導電層パターンが形成された後の模式図である。
【
図16】
図15における第1仕切層と第2仕切層の構造模式図である。
【
図17】
図15における第1仕切層と第2仕切層の他の構造模式図である。
【
図18】本開示の実施例による画素定義層パターンが形成された後の模式図である。
【
図19】本開示の実施例による有機発光層パターンが形成された後の模式図である。
【
図20】
図19における仕切ダムによる有機発光材料の遮断の模式図である。
【
図21】本開示の実施例による陰極パターンが形成された後の模式図である。
【
図22】
図21における仕切ダムによる陰極の遮断の模式図である。
【
図23】本開示の実施例による封止構造層パターンが形成された後の模式図である。
【
図24】
図23における仕切ダム構造が第1封止層により囲まれる模式図である。
【
図25】本開示の例示的な実施例による他の仕切ダムの構造模式図である。
【
図26】本開示の例示的な実施例による別の仕切ダムの構造模式図である。
【
図27】本開示の例示的な実施例による更なる仕切ダムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本開示の実施例を詳細に説明する。なお、実施形態は多くの異なる形態により実施され得る。当業者が容易に理解できるように、方式と内容は本開示の要旨及び範囲を逸脱しない条件で様々な形態に変換され得る。従って、本開示は下記実施形態の記載のみに限定されるものと解釈されるべきではない。衝突がない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。本開示の実施例の下記説明の明確性及び簡明性を維持するために、本開示では一部の既知機能及び既知部品の詳細説明を省略する。本開示の実施例の図面は本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造については通常設計を参考してもよい。
【0026】
本開示における図面の比例は、実際のプロセスにおける参考としてもよいが、それに限らない。例えば、チャネルの幅と長さとの比、各膜層の厚さと間隔、各信号線の幅と間隔は、実際の需要に応じて調整してもよい。表示基板における画素の数と各画素におけるサブ画素の数も図示の数に限らず、本開示に説明される図面は構造模式図に過ぎず、本開示の一態様は図面に示す形状又は数値等に限らない。
【0027】
本明細書における「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞は構成要素の混乱を避けるためのものであり、数量の面で限定するものではない。
【0028】
本明細書において、便利のために、「中部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の方位又は位置関係を示す用語により、図面を参照して構成要素の位置関係を説明するが、これは本明細書を説明し及び説明を簡素化するためのものであり、説明された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示又は暗黙的に示唆するためのものではない。従って、本開示を制限するためのものではない。構成要素の位置関係は各構成要素を説明する方向に応じて適当に変更する。従って、明細書に説明する用語に限らず、場合によっては適当に変更できる。
【0029】
本明細書において、明確な規定と限定がない限り、「取り付く」、「連結」、「接続」の用語は広義的に理解されるべきである。例えば、固定接続、又は取り外す可能な接続、又は一体化接続であってもよい。機械的接続、又は電気的接続であってもよい。直接接続、又はリンカーを介する間接接続、又は2つの素子の内部連通であってもよい。当業者なら、具体的な状況に応じて上記専門用語の本開示での具体的な意味を理解することができる。
【0030】
本明細書において、トランジスタとは、少なくともゲート電極、ドレイン電極及びソース電極の3つの端子を含む素子を指す。トランジスタはドレイン電極(ドレイン電極端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース電極(ソース電極端子、ソース領域又はソース電極)との間にチャネル領域を有し、電流はドレイン電極、チャネル領域及びソース電極を流れることができる。なお、本明細書において、チャネル領域とは電流が主に流れる領域を指す。
【0031】
本明細書において、第1極はドレイン電極、第2極はソース電極であってもよく、又は、第1極はソース電極、第2極はドレイン電極であってもよい。極性が反対であるトランジスタを使用する場合、又は回路における作業中の電流方向が変更する場合等に、「ソース電極」と「ドレイン電極」の機能は互いに変換する場合がある。従って、本明細書において、「ソース電極」と「ドレイン電極」は互いに変換してもよい。
【0032】
本明細書において、「電気的接続」は構成要素がある電気的作用を有する素子を介して接続される場合を含む。「ある電気的作用を有する素子」は特に制限されず、接続される構成要素間での電気信号の送受信を行えればよい。「ある電気的作用を有する素子」の例は、電極と配線だけでなく、トランジスタ等のスイッチ素子、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、及び他の様々な機能を備える素子等も含む。
【0033】
本明細書では、「平行」とは2本の直線からなる角度が-10°以上10°以下である状態を指すため、該角度が-5°以上5°以下である状態も含む。また、「垂直」とは2本の直線からなる角度が80°以上100°以下である状態を指すため、85°以上95°以下の角度の状態も含む。
【0034】
本明細書では、「膜」と「層」は互いに交換可能である。例えば、「導電層」は「導電膜」に変更され得る場合がある。同様に、「絶縁膜」は「絶縁層」に変更され得る場合もある。
【0035】
本明細書における三角形、矩形、台形、五角形又は六角形等は厳密なものではなく、近似の三角形、矩形、台形、五角形又は六角形等であってもよく、公差による小さな変形が存在してもよく、進み角、弧辺及び変形が存在してもよい。
【0036】
本開示における「約」とは境界を厳密に限定せず、プロセスと測定の誤差範囲内の数値を許容する場合を指す。
【0037】
図1は表示装置の構造模式図である。
図1に示すように、表示装置はタイミングコントローラー、データドライバー、走査ドライバー、発光ドライバー及び画素アレイを備える。タイミングコントローラーはそれぞれデータドライバー、走査ドライバー及び発光ドライバーに接続され、データドライバーはそれぞれ複数のデータ信号線(D1~Dn)に接続され、走査ドライバーはそれぞれ複数の走査信号線(S1~Sm)に接続され、発光ドライバーはそれぞれ複数の発光信号線(E1~Eo)に接続される。画素アレイは複数のサブ画素Pxijを含み、iとjは自然数である。少なくとも1つのサブ画素Pxijは回路ユニット及び回路ユニットに接続される発光デバイスを含み、回路ユニットは少なくとも1つの走査信号線、少なくとも1つのデータ信号線、少なくとも1つの発光信号線及び画素駆動回路を含む。例示的な実施形態では、タイミングコントローラーは、データドライバーの規格に適合する灰色値及び制御信号をデータドライバーに提供し、走査ドライバーの規格に適合するクロック信号、走査開始信号等を走査ドライバーに提供し、発光ドライバーの規格に適合するクロック信号、発射停止信号等を発光ドライバーに提供する。データドライバーはタイミングコントローラーから受信した灰色値及び制御信号を利用して、データ信号線D1、D2、D3、…、Dnに提供するデータ電圧を生成する。例えば、データドライバーはクロック信号を利用して灰色値をサンプリングし、且つ画素行を単位として灰色値に対応するデータ電圧をデータ信号線D1~Dnに印加することができ、nが自然数である。走査ドライバーはタイミングコントローラーからクロック信号、走査開始信号等を受信することにより、走査信号線S1、S2、S3、…、Smに提供する走査信号を生成することができる。例えば、走査ドライバーはターンオンレベルパルスを有する走査信号を順次に走査信号線S1~Smに提供することができる。例えば、走査ドライバーはシフトレジスタの形式として構成され、クロック信号の制御下でターンオンレベルパルスの形式で提供される走査開始信号を順次に次段の回路に輸送することにより走査信号を生成することができ、mが自然数である。発光ドライバーはタイミングコントローラーからクロック信号、発射停止信号等を受信することにより、発光信号線E1、E2、E3、…、Eoに提供する発射信号を生成することができる。例えば、発光ドライバーはカットオフレベルパルスを有する発射信号を順次に発光信号線E1~Eoに提供することができる。例えば、発光ドライバーはシフトレジスタの形式として構成され、クロック信号の制御下でカットオフレベルパルスの形式で提供される発射停止信号を順次に次段の回路に輸送することにより発射信号を生成することができ、oが自然数である。
【0038】
インテリジェント端末等の製品について、一般的にフロントカメラ、指紋センサ又は光線センサ等のデバイスを設置する必要があり、ディスプレイ対ボディ比率を高めるために、フルスクリーン又は狭いフレーム等の製品には通常表示領域穿孔技術が採用され、フロントカメラ、指紋センサ又は光線センサ等のデバイスを機能ホール内に設置する。機能ホールの側壁は有機発光層と陰極を露出させるため、空気中の水と酸素は有機発光層に沿って表示基板に浸入し、有機発光層を失効させ、表示不良を招く。このため、表示基板に穿孔する方案の問題点の1つは封止の有効性である。
【0039】
図2は表示基板の平面構造模式図である。
図2に示すように、表示基板に平行する平面において、表示基板は表示領域100及び表示領域100に位置する少なくとも1つのホール領域200を含み得ており、表示領域100は画像表示を行うように設定され、ホール領域200は光学装置を取り付けるように設定される。例示的な実施形態では、ホール領域200は少なくとも1つの機能ホール210及び機能ホール210を取り囲む仕切領域220を含み得ており、即ち仕切領域220は機能ホール210と表示領域100との間に設置され、仕切領域220は少なくとも1つの仕切構造を設置するように設定され、仕切構造は機能ホール中の水と酸素の表示基板への浸入を遮断して表示基板の有効性を確保するように設定される。
【0040】
例示的な実施形態では、ホール領域200の表示領域100での位置は制限されず、ホール領域200は表示領域100内に位置し、例えば表示領域100の上部又は下部に位置してもよく、又は、ホール領域200は表示領域100のエッジに位置してもよく、本開示はここで限定しない。
【0041】
例示的な実施形態では、表示基板に平行する平面内において、ホール領域200の形状は矩形、多角形、円形及び楕円形のいずれか1種又は複数種であってもよく、光学装置は撮影装置、指紋識別装置又は3Dイメージング等の光学センサであってもよく、本開示はここで限定しない。
【0042】
例示的な実施形態では、機能ホール210におけるベースと構造膜層は完全に除去され、ビア構造を形成し、又は、機能ホール210における一部のベースと一部の構造膜層は除去され、ブラインドホール構造を形成し、本開示はここで限定しない。
【0043】
図3は表示領域の平面構造模式図である。
図3に示すように、表示領域はマトリックスの形態で配列される複数の画素ユニットPを含み得る。少なくとも1つの画素ユニットPは第1色光線を射出する第1サブ画素P1、第2色光線を射出する第2サブ画素P2、第3色光線を射出する第3サブ画素P3、及び第4色光線を射出する第4サブ画素P4を含み得る。4つのサブ画素はいずれも画素駆動回路と発光デバイスを含み得る。4つのサブ画素における画素駆動回路はそれぞれ走査信号線、データ信号線及び発光信号線に接続される。画素駆動回路は走査信号線と発光信号線の制御下で、データ信号線から伝送されるデータ電圧を受信して、発光デバイスに対応の電流を出力するように設定される。4つのサブ画素における発光デバイスはそれぞれ所在するサブ画素の画素駆動回路に接続される。発光デバイスは所在するサブ画素の画素駆動回路から出力された電流に応答して、対応する輝度の光を発射するように設定される。
【0044】
例示的な実施形態では、第1サブ画素P1は赤色(R)光線を射出する赤色サブ画素、第2サブ画素P2は緑色(G)光線を射出する緑色サブ画素、第3サブ画素P3は青色(B)光線を射出する青色サブ画素、第4サブ画素P4は緑色(G)光線を射出する緑色サブ画素であってもよい。例示的な実施形態では、画素ユニットにおけるサブ画素の形状は矩形、菱形、五角形又は六角形等であってもよく、水平配列、垂直配列、正方形(Square)又はダイヤモンド形(Diamond)等の方式で配列されてもよく、本開示はここで限定しない。
【0045】
例示的な実施形態では、4つのサブ画素は赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素、及び白色(W)光線を射出する白色サブ画素を含み得る。例示的な実施形態では、画素ユニットは3つのサブ画素、例えば赤色サブ画素、青色サブ画素及び緑色サブ画素を含み得る。3つのサブ画素は水平配列、垂直配列又は品の字形等の方式で配列されてもよく、本開示はここで限定しない。
【0046】
図4は画素駆動回路の等価回路模式図である。例示的な実施形態では、画素駆動回路は3T1C、4T1C、5T1C、5T2C、6T1C又は7T1C構造であってもよい。
図4に示すように、画素駆動回路は7つのトランジスタ(第1トランジスタT1~第7トランジスタT7)と1つの蓄積コンデンサCを含み得ており、画素駆動回路は7つの信号線(データ信号線D、第1走査信号線S1、第2走査信号線S2、発光信号線E、初期信号線INIT、第1の第1仕切構造VDD及び第2の第1仕切構造VSS)に接続される。
【0047】
例示的な実施形態では、画素駆動回路は第1ノードN1、第2ノードN2及び第3ノードN3を含み得る。そのうち、第1ノードN1はそれぞれ第3トランジスタT3の第1極、第4トランジスタT4の第2極及び第5トランジスタT5の第2極に接続される。第2ノードN2はそれぞれ第1トランジスタの第2極、第2トランジスタT2の第1極、第3トランジスタT3の制御極及び蓄積コンデンサCの第2端に接続される。第3ノードN3はそれぞれ第2トランジスタT2の第2極、第3トランジスタT3の第2極及び第6トランジスタT6の第1極に接続される。
【0048】
例示的な実施形態では、蓄積コンデンサCの第1端は第1の第1仕切構造VDDに接続され、蓄積コンデンサCの第2端は第2ノードN2に接続され、即ち、蓄積コンデンサCの第2端は第3トランジスタT3の制御極に接続される。
【0049】
第1トランジスタT1の制御極は第2走査信号線S2に接続され、第1トランジスタT1の第1極は初期信号線INITに接続され、第1トランジスタの第2極は第2ノードN2に接続される。ターンオンレベル走査信号が第2走査信号線S2に印加された場合、第1トランジスタT1は初期化電圧を第3トランジスタT3の制御極に輸送して、第3トランジスタT3の制御極の電荷量を初期化させる。
【0050】
第2トランジスタT2の制御極は第1走査信号線S1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は第2ノードN2に接続され、第2トランジスタT2の第2極は第3ノードN3に接続される。ターンオンレベル走査信号が第1走査信号線S1に印加された場合、第2トランジスタT2は第3トランジスタT3の制御極を第2極に接続する。
【0051】
第3トランジスタT3の制御極は第2ノードN2に接続され、即ち、第3トランジスタT3の制御極は蓄積コンデンサCの第2端に接続され、第3トランジスタT3の第1極は第1ノードN1に接続され、第3トランジスタT3の第2極は第3ノードN3に接続される。第3トランジスタT3は駆動トランジスタと称されてもよい。第3トランジスタT3はその制御極と第1極との電位差に基づいて、第1の第1仕切構造VDDと第2の第1仕切構造VSSとの間に流れる駆動電流の量を決定する。
【0052】
第4トランジスタT4の制御極は第1走査信号線S1に接続され、第4トランジスタT4の第1極はデータ信号線Dに接続され、第4トランジスタT4の第2極は第1ノードN1に接続される。第4トランジスタT4はスイッチトランジスタ、走査トランジスタ等と称されてもよい。ターンオンレベル走査信号が第1走査信号線S1に印加された場合、第4トランジスタT4はデータ信号線Dのデータ電圧を画素駆動回路に入力させる。
【0053】
第5トランジスタT5の制御極は発光信号線Eに接続され、第5トランジスタT5の第1極は第1の第1仕切構造VDDに接続され、第5トランジスタT5の第2極は第1ノードN1に接続される。第6トランジスタT6の制御極は発光信号線Eに接続され、第6トランジスタT6の第1極は第3ノードN3に接続され、第6トランジスタT6の第2極は発光デバイスの第1極に接続される。第5トランジスタT5と第6トランジスタT6は発光トランジスタと称されてもよい。ターンオンレベル発光信号が発光信号線Eに印加された場合、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6は、第1の第1仕切構造VDDと第2の第1仕切構造VSSとの間に駆動電流経路を形成することにより、発光デバイスに発光させる。
【0054】
第7トランジスタT7の制御極は第1走査信号線S1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は初期信号線INITに接続され、第7トランジスタT7の第2極は発光デバイスの第1極に接続される。ターンオンレベル走査信号が第1走査信号線S1に印加された場合、第7トランジスタT7は初期化電圧を発光デバイスの第1極に輸送して、発光デバイスの第1極に蓄積された電荷量を初期化させ、又は発光デバイスの第1極に蓄積された電荷量を解放する。
【0055】
例示的な実施形態では、発光デバイスの第2極は第2の第1仕切構造VSSに接続され、第2の第1仕切構造VSSの信号は低レベル信号であり、第1の第1仕切構造VDDの信号は高レベルを提供し続ける信号である。第1走査信号線S1は該表示行画素駆動回路における走査信号線であり、第2走査信号線S2は前の1つの表示行画素駆動回路における走査信号線である。即ち、n番目の表示行について、第1走査信号線S1はS(n)であり、第2走査信号線S2はS(n-1)である。該表示行の第2走査信号線S2と前の1つの表示行画素駆動回路における第1走査信号線S1は同一の信号線であり、表示パネルの信号線を減少して、表示パネルの狭いフレームを実現することができる。
【0056】
例示的な実施形態では、第1トランジスタT1~第7トランジスタT7はP型トランジスタ、又はN型トランジスタであってもよい。画素駆動回路に同じタイプのトランジスタを採用することにより、プロセスフローを簡素化して、表示パネルのプロセス難易度を低減して、製品の良品率を向上させることができる。幾つかの可能な実現形態では、第1トランジスタT1~第7トランジスタT7はP型トランジスタとN型トランジスタを含み得る。
【0057】
例示的な実施形態では、第1走査信号線S1、第2走査信号線S2、発光信号線E及び初期信号線INITは水平方向に沿って延伸し、第2の第1仕切構造VSS、第1の第1仕切構造VDD及びデータ信号線Dは垂直方向に沿って延伸する。
【0058】
例示的な実施形態では、発光デバイスは有機発光トランジスタ(OLED)であってもよく、積層設置される第1極(陽極)、有機発光層及び第2極(陰極)を含む。
【0059】
図5は画素駆動回路の動作タイミング図である。以下、
図4に例示される画素駆動回路の作動過程を参照して、本開示の例示的な実施例を説明する。
図4における画素駆動回路は7つのトランジスタ(第1トランジスタT1~第7トランジスタT7)、及び1つの蓄積コンデンサCを含む。
【0060】
例示的な実施形態では、画素駆動回路の作動過程は下記の第1段階A1、第2段階A2及び第3段階A3を含み得る。
【0061】
第1段階A1はリセット段階と称され、第2走査信号線S2の信号は低レベル信号であり、第1走査信号線S1と発光信号線Eの信号は高レベル信号である。第2走査信号線S2の信号が低レベル信号であることにより、第1トランジスタT1をターンオンさせ、初期信号線INITの信号を第2ノードN2に提供し、蓄積コンデンサCを初期化し、蓄積コンデンサにおける元のデータ電圧をクリアする。第1走査信号線S1と発光信号線Eの信号が高レベル信号であることにより、第2トランジスタT2、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7をカットオフさせ、該段階においてOLEDは発光しない。
【0062】
第2段階A2はデータ書き込み段階又は閾値補償段階と称され、第1走査信号線S1の信号は低レベル信号であり、第2走査信号線S2と発光信号線Eの信号は高レベル信号であり、データ信号線Dはデータ電圧を出力する。この段階では、蓄積コンデンサCの第2端は低レベルであるため、第3トランジスタT3はターンオンされる。第1走査信号線S1の信号が低レベル信号であることにより、第2トランジスタT2、第4トランジスタT4及び第7トランジスタT7をターンオンさせる。第2トランジスタT2と第4トランジスタT4のターンオンにより、データ信号線Dから出力されたデータ電圧は第1ノードN1、ターンオンされた第3トランジスタT3、第3ノードN3、ターンオンされた第2トランジスタT2を経由して第2ノードN2に提供され、且つデータ信号線Dから出力されたデータ電圧と第3トランジスタT3の閾値電圧との差を蓄積コンデンサCにチャージする。蓄積コンデンサCの第2端(第2ノードN2)の電圧はVd-|Vth|であり、Vdはデータ信号線Dから出力されたデータ電圧であり、Vthは第3トランジスタT3の閾値電圧である。第7トランジスタT7のターンオンにより、初期信号線INITの初期電圧はOLEDの第1極に提供され、OLEDの第1極を初期化(リセット)し、その内部の予め格納される電圧をクリアし、初期化を完成し、OLEDが発光しないように確保する。第2走査信号線S2の信号が高レベル信号であることにより、第1トランジスタT1をカットオフさせる。発光信号線Eの信号が高レベル信号であることにより、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6をカットオフさせる。
【0063】
第3段階A3は発光段階と称され、発光信号線Eの信号は低レベル信号であり、第1走査信号線S1と第2走査信号線S2の信号は高レベル信号である。発光信号線Eの信号が低レベル信号であることにより、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6をターンオンさせ、第1の第1仕切構造VDDから出力された電源電圧はターンオンされた第5トランジスタT5、第3トランジスタT3及び第6トランジスタT6を経由してOLEDの第1極に駆動電圧を提供し、OLEDの発光を駆動する。
【0064】
画素駆動回路の駆動過程において、第3トランジスタT3(駆動トランジスタ)を流れる駆動電流は、そのゲート電極と第1極との電圧差により決定される。第2ノードN2の電圧はVdata-|Vth|であるため、第3トランジスタT3の駆動電流は下記の式である。
【0065】
I=K*(Vgs-Vth)2=K*[(Vdd-Vd+|Vth|)-Vth]2=K*[(Vdd-Vd]2
【0066】
式中、Iは第3トランジスタT3を流れる駆動電流、即ちOLEDを駆動する駆動電流であり、Kは定数であり、Vgsは第3トランジスタT3のゲート電極と第1極との電圧差であり、Vthは第3トランジスタT3の閾値電圧であり、Vdはデータ信号線Dから出力されたデータ電圧であり、Vddは第1の第1仕切構造VDDから出力された電源電圧である。
【0067】
図6は本開示の例示的な実施例による表示基板の断面構造模式図である。例示的な実施形態では、表示基板は表示領域100及び表示領域100に位置する少なくとも1つのホール領域200を含み得ており、ホール領域200は機能ホール210及び機能ホール210を取り囲む仕切領域220を含み得る。
図6には表示領域100及び仕切領域220の断面構造を示し、
図2におけるA-A方向の断面図である。例示的な実施形態では、仕切領域220には機能ホール210を取り囲む少なくとも1つの仕切ダム300が設置され、仕切ダム300は機能ホール中の水と酸素の表示基板への浸入を遮断するように設定される。
【0068】
例示的な実施形態では、仕切ダム300はベース10に設置される第1仕切層40及び第1仕切層40のベース10から離れる側に設置される第2仕切層50を含み得ており、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び第2サブ層のベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み得ており、第3サブ層は第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、突出部と第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0069】
例示的な実施形態では、少なくとも1つの仕切層は第1サブ層を更に含み得ており、第2サブ層は第1サブ層のベースから離れる側に設置され得る。
【0070】
例示的な実施形態では、第1仕切層40は積層設置される第1導電サブ層、第2導電サブ層及び第3導電サブ層を含み得ており、第2仕切層50は積層設置される第1金属サブ層、第2金属サブ層及び第3金属サブ層を含み得る。
【0071】
例示的な実施形態では、第1仕切層40の3つの導電サブ層は「工」字形構造を形成し得ており、第2仕切層50の3つの金属サブ層は「工」字形構造を形成し得ており、第1仕切層40と第2仕切層50は一緒にダブル「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0072】
他の例示的な実施形態では、第1仕切層40の3つの導電サブ層は「工」字形構造を形成し得ており、第2仕切層50の3つの金属サブ層は台形構造を形成し得ており、第1仕切層40と第2仕切層50は一緒に上部の台形構造と下部の「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0073】
別の例示的な実施形態では、第1仕切層40の3つの導電サブ層は台形構造を形成し得ており、第2仕切層50の3つの金属サブ層は「工」字形構造を形成し得ており、第1仕切層40と第2仕切層50は一緒に上部の「工」字形構造と下部の台形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0074】
例示的な実施形態では、表示基板に垂直する平面内において、表示領域はベース10に設置される駆動構造層101、駆動構造層101のベースから離れる側に設置される発光構造層102、及び発光構造層102のベースから離れる側に設置される封止構造層103を含み得る。例示的な実施形態では、駆動構造層101はベース10に順次に設置される第1絶縁層11、半導体層、第2絶縁層12、第1導電層、第3絶縁層13、第2導電層、第4絶縁層14、第3導電層、第1平坦層15、第4導電層及び第2平坦層16を含み得る。半導体層は第1活性層を含み得ており、第1導電層は第1ゲート電極と第1極板を含み得ており、第2導電層は第2極板を含み得ており、第3導電層は第1ソース電極と第1ドレイン電極を含み得る。第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極はトランジスタ100Aを構成し得ており、第1極板と第2極板は蓄積コンデンサ100Bを構成し得る。発光構造層102は陽極21、画素定義層22、有機発光層23及び陰極25を含み得ており、封止構造層103は積層設置される第1封止層31、第2封止層32及び第3封止層33を含み得る。
【0075】
例示的な実施形態では、第1仕切層40は第3導電層と同一層に設置されて、同一回のパターン化プロセスにより同時に形成され得ており、第2仕切層50は第4導電層と同一層に設置されて、同一回のパターン化プロセスにより同時に形成され得る。
【0076】
例示的な実施形態では、仕切領域220には機能ホール210を取り囲む複数の仕切ダム300が設置されて、複数周の仕切構造を形成し得る。
【0077】
図7は本開示の例示的な実施例による仕切ダムの構造模式図である。
図7に示すように、本例示的な実施例の仕切ダムは第1仕切層40及び第1仕切層40のベースから離れる側に設置される第2仕切層50を含み得る。第1仕切層40は第1導電サブ層41、第1導電サブ層41のベースから離れる側に設置される第2導電サブ層42、及び第2導電サブ層42のベースから離れる側に設置される第3導電サブ層43を含み得る。第2仕切層50は第3導電サブ層43のベースから離れる側に設置される第1金属サブ層51、第1金属サブ層51のベースから離れる側に設置される第2金属サブ層52、及び第2金属サブ層52のベースから離れる側に設置される第3金属サブ層53を含み得る。
【0078】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41と第3導電サブ層43は第2導電サブ層42の側壁40Bに対して突出部を有し、上下の2つの突出部と第2サブ層の側壁40Bは凹み構造を形成し、それにより積層設置される第1導電サブ層41、第2導電サブ層42及び第3導電サブ層43は第1「工」字形構造を形成する。
【0079】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51と第3金属サブ層53は第2金属サブ層52の側壁50Bに対して突出部を有し、上下の2つの突出部と第2金属層の側壁50Bは凹み構造を形成し、それにより積層設置される第1金属サブ層51、第2金属サブ層52及び第3金属サブ層53は第2「工」字形構造を形成する。
【0080】
例示的な実施形態では、第1「工」字形構造及び第1「工」字形構造のベースから離れる側に設置される第2「工」字形構造は、ダブル「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0081】
例示的な実施形態では、第2「工」字形構造の全体幅は第1「工」字形構造の全体幅よりも小さくてもよく、即ち仕切ダム構造は上層が小さく下層が大きい全体形態を有し、幅は機能ホールから離れる方向のサイズである。
【0082】
例示的な実施形態では、第3導電サブ層43の幅LT1は第1導電サブ層41の幅LB1以下であってもよく、第3導電サブ層43のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0083】
例示的な実施形態では、第2導電サブ層42の幅LM1は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0084】
例示的な実施形態では、第2導電サブ層42の幅LM1は第3導電サブ層43の幅LT1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0085】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第1金属サブ層51の幅LB2以下であってもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0086】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の幅LM2は第1金属サブ層51の幅LB2よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0087】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の幅LM2は第3金属サブ層53の幅LT2よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は第3金属サブ層53のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0088】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51の幅LB2は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0089】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の幅LM2は第2導電サブ層42の幅LM1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第2金属サブ層52のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0090】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第3導電サブ層43の幅LT1よりも小さくてもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0091】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51の幅LB2は第3導電サブ層43の幅LT1以下であってもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0092】
以下では例示により表示基板の製造過程を説明する。本開示に説明される「パターン化プロセス」は、金属材料、無機材料又は透明導電材料に対して、フォトレジスト塗布、マスク露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離等の処理を含み、有機材料に対して、有機材料塗布、マスク露光及び現像等の処理を含む。堆積はスパッタリング、蒸着コーティング、化学気相堆積のうちのいずれか1種又は複数種を採用してもよい。塗布はスプレーコーティング、スピンコーティング及びインクジェット印刷のうちのいずれか1種又は複数種を採用してもよい。エッチングは乾式エッチング及び湿式エッチングのうちのいずれか1種又は複数種を採用してもよい。本開示は限定しない。「薄膜」とはある材料を利用してベースにおいて堆積、塗布又は他のプロセスにより製作された1層の薄膜を指す。製作過程全体において該「薄膜」はパターン化プロセスを必要としない場合、該「薄膜」は「層」とも称される。製作過程全体において該「薄膜」はパターン化プロセスを必要とする場合、パターン化プロセスの前に「薄膜」と称され、パターン化プロセスの後に「層」と称される。パターン化プロセスの後の「層」には少なくとも1つの「パターン」が含まれる。本開示に説明される「AとBが同一層に設置される」こととは、AとBが同一回のパターン化プロセスにより同時に形成されることを指す。膜層の「厚さ」は膜層の表示基板に垂直する方向でのサイズである。本開示の例示的な実施例では、「Bの正投影がAの正投影の範囲内に位置する」ことは、Bの正投影の境界がAの正投影の境界範囲内にあること、又はAの正投影の境界がBの正投影の境界と重なることを指す。
【0093】
例示的な実施形態では、表示基板は表示領域100及びホール領域200を含み得ており、ホール領域200は機能ホール210及び機能ホール210を取り囲む仕切領域220を含み得ており、仕切領域220には少なくとも1周の仕切ダムが設置される。例示的な実施形態では、仕切領域220における1周の仕切ダム及び表示領域100における1つのサブ画素を例として、本開示の例示的な実施例の表示基板の製造過程は下記の操作を含み得る。
【0094】
(11)
図8に示すように、ベースにトランジスタ構造層パターンを形成する。例示的な実施形態では、ベースにトランジスタ構造層パターンを形成することは、下記内容を含み得る。
【0095】
ベースに順次に第1絶縁薄膜と半導体薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより半導体薄膜をパターン化して、ベースに設置される第1絶縁層11、及び第1絶縁層11に設置される半導体層パターンを形成し、半導体層パターンは少なくとも表示領域100に位置する第1活性層を含む。
【0096】
それから、順次に第2絶縁薄膜と第1導電薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより第1導電薄膜をパターン化して、半導体層パターンを覆う第2絶縁層12、及び第2絶縁層12に設置される第1導電層パターンを形成し、第1導電層パターンは少なくとも表示領域100に位置する第1ゲート電極及び第1極板を含む。
【0097】
それから、順次に第3絶縁薄膜と第2導電薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより第2導電薄膜をパターン化して、第1導電層を覆う第3絶縁層13、及び第3絶縁層13に設置される第2導電層パターンを形成し、第2導電層パターンは少なくとも表示領域100に位置する第2極板を含み、第2極板のベースでの正投影と第1極板のベースでの正投影は少なくとも一部が重なる。
【0098】
それから、第4絶縁薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより第4絶縁薄膜をパターン化して、第2導電層パターンを覆う第4絶縁層14パターンを形成し、第4絶縁層14には複数の活性ビアが形成され、複数の活性ビアは少なくとも表示領域100に位置する少なくとも2つの活性ビアを含み、2つの活性ビアはそれぞれ第1活性層の両端を露出させる。
【0099】
それから、第3導電薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより第3導電薄膜をパターン化して、第4絶縁層14に第3導電層パターンを形成し、第3導電層パターンは少なくとも表示領域100に位置する第1ソース電極、第1ドレイン電極、及び仕切領域220に位置する第1仕切層40を含み、第1ソース電極と第1ドレイン電極はそれぞれ活性ビアを介して第1活性層の両端に接続される。例示的な実施形態では、第3導電層は第1ソース・ドレイン金属層(SD1)と称されてもよい。
【0100】
これまで、
図8に示すように、トランジスタ構造層パターンの製造は完成する。例示的な実施形態では、表示領域100における各サブ画素のトランジスタ構造層は、画素駆動回路を構成する複数のトランジスタと蓄積コンデンサを含み得ており、
図8では1つのトランジスタ100Aと1つの蓄積コンデンサ100Bを例とする。例示的な実施形態では、トランジスタ100Aは第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含み得ており、蓄積コンデンサ100Bは第1極板と第2極板を含み得る。例示的な実施形態では、トランジスタは画素駆動回路における駆動トランジスタであってもよく、駆動トランジスタは薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFTと略称される)であってもよい。
【0101】
例示的な実施形態では、仕切領域220のトランジスタ構造層は、ベース10に設置される複合絶縁層、及び複合絶縁層のベースから離れる側に設置される第1仕切層40を含み得る。複合絶縁層はベース10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14を含み得る。
【0102】
例示的な実施形態では、ベースは剛性ベース、又はフレキシブルベースであってもよい。例示的な実施形態では、剛性ベースは硝子又は石英等の材料を採用してもよく、フレキシブルベースはポリイミド(PI)等の材料を採用してもよく、フレキシブルベースは単層構造、又は無機材料層とフレキシブル材料層からなる積層構造であってもよく、本開示はここで限定しない。
【0103】
例示的な実施形態では、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層はケイ素酸化物(SiOx)、ケイ素窒化物(SiNx)及びシリコンオキシニトリド(SiON)のうちの1種又は複数種を採用してもよく、単層、複数層又は複合層であってもよい。第1絶縁層は緩衝(Buffer)層、第2絶縁層と第3絶縁層はゲート絶縁(GI)層、第4絶縁層は層間絶縁(ILD)層と称されてもよい。第1導電層、第2導電層及び第3導電層は金属材料、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)及びモリブデン(Mo)のうちの1種又は複数種、又は上記金属の合金材料、例えばアルミニウム-ネオジム合金(AlNd)又はモリブデン-ニオブ合金(MoNb)を採用してもよく、単層構造、又は複数層複合構造であってもよい。半導体層はアモルファス酸化インジウムガリウム亜鉛材料(a-IGZO)、酸窒化亜鉛(ZnON)、インジウム-亜鉛-スズ-酸化物(IZTO)、アモルファスシリコン(a-Si)、多結晶シリコン(p-Si)、ヘキサチオフェン、ポリチオフェン等の各種材料を採用してもよい。即ち、本開示は酸化物(Oxide)技術、ケイ素技術及び有機物技術に基づいて製造されるトランジスタに適用される。
【0104】
例示的な実施形態では、第3導電層は積層設置される第1導電サブ層、第2導電サブ層及び第3導電サブ層を含み得ており、第1導電サブ層と第3導電サブ層は金属のチタン(Ti)、第2導電サブ層は金属のアルミニウム(Al)を採用してもよく、それによりTi/Al/Tiの複合構造を形成する。
【0105】
例示的な実施形態では、パターン化プロセスにより第4絶縁薄膜をパターン化する処理において、ホール領域における機能ホールの所在する位置に第1遷移孔(図示せず)を形成し得る。第1遷移孔はビアであってもよく、第1遷移孔内の第4絶縁層、第3絶縁層、第2絶縁層、第1絶縁層及びベースは除去され、又は、第1遷移孔はブラインドホールであってもよく、第1遷移孔内の第4絶縁層、第3絶縁層、第2絶縁層及び第1絶縁層は除去され、本開示はここで限定しない。
【0106】
(12)第1平坦層パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図9に示すように、第1平坦層パターンの形成は、上記パターンを形成するベースに第1平坦薄膜を塗布し、パターン化プロセスにより第1平坦薄膜をパターン化して、第1平坦層15パターンを形成することを含み得る。
【0107】
例示的な実施形態では、第1平坦層15は表示領域100のみに形成され、仕切領域220の第1平坦薄膜は除去される。表示領域100の第1平坦層15には第1接続ビアK1が開設され、第1接続ビアK1内の第1平坦薄膜は除去され、トランジスタ100Aの第1ドレイン電極の表面を露出させ、第1接続ビアK1は後続に形成される陽極接続電極が該ビアを介して第1ドレイン電極に接続されるように設定される。
【0108】
例示的な実施形態では、第1平坦薄膜に対するパターン化は、まず第1平坦薄膜に対して露光処理を行い、それから露光処理後の第1平坦薄膜に対して現像処理を行って、パターン化された第1平坦層15を形成することを含み得る。
【0109】
例示的な実施形態では、現像処理の現像液は強アルカリ溶液を採用してもよい。仕切領域220の第1平坦薄膜が除去された後、第1仕切層40の側面は露出するため、強アルカリ溶液の作用下で、第1仕切層40の側面は現像液に侵食される。Ti/Al/Tiの複数層複合構造が採用される第1仕切層40について、現像液のアルミニウム層(第2導電サブ層)に対する侵食速度はチタン層(第1導電サブ層と第3導電サブ層)に対する侵食速度よりも大きいため、侵食された第1仕切層40の側面に側面窪みが形成され、アルミニウム層の上方及び上方のチタン層はアルミニウム層から一定の距離突出し、「工字形」構造を形成する。
【0110】
図10は
図9における第1仕切層の構造模式図である。
図10に示すように、第1仕切層40は、第4絶縁層14に積層設置される第1導電サブ層41、第2導電サブ層42及び第3導電サブ層43を含み得ており、即ち第1導電サブ層41は第4絶縁層14のベースから離れる側に設置され、第2導電サブ層42は第1導電サブ層41のベースから離れる側に設置され、第3導電サブ層43は第2導電サブ層42のベースから離れる側に設置される。
【0111】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41と第3導電サブ層43の材料は金属のチタン、第2導電サブ層423の材料は金属のアルミニウムを採用してもよい。現像液の第2導電サブ層42(アルミニウム)に対する侵食速度は第1導電サブ層41と第3導電サブ層43(チタン)に対する侵食速度よりも大きいため、現像液に侵食された後、第2導電サブ層42の側面のエッチング量は第1導電サブ層41と第3導電サブ層43の側面のエッチング量よりも大きく、第1仕切層40の側面に側面窪みが形成され、第1導電サブ層41及び第3導電サブ層43は第2導電サブ層42から一定の距離突出し、「工」字形構造を形成する。
【0112】
例示的な実施形態では、「工」字形構造の第1仕切層40において、第2導電サブ層42の幅は第1導電サブ層41の幅よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよく、第2導電サブ層42の幅は第3導電サブ層43の幅よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0113】
(13)第4導電層パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図11に示すように、第4導電層パターンの形成は、上記パターンを形成するベースに第4導電薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより第4導電薄膜をパターン化して、第4導電層パターンを形成することを含み得る。例示的な実施形態では、第4導電層は第2ソース・ドレイン金属層(SD2)と称されてもよい。
【0114】
例示的な実施形態では、第4導電層は表示領域100に位置する陽極接続電極17、及び仕切領域220に位置する第2仕切層50を含み得る。陽極接続電極17は表示領域100の第1平坦層15に設置され、陽極接続電極17は第1接続ビアK1を介してトランジスタ100Aの第1ドレイン電極に接続される。第2仕切層50は仕切領域220の第1仕切層40に架設され、それにより第2仕切層50と第1仕切層40は直接に接続される。
【0115】
図12は
図11における第1仕切層と第2仕切層の構造模式図である。
図12に示すように、第2仕切層50は、第3導電サブ層43に積層設置される第1金属サブ層51、第2金属サブ層52及び第3金属サブ層53を含み得ており、即ち第1金属サブ層51は第3導電サブ層43のベースから離れる側に設置され、第2金属サブ層52は第1金属サブ層51のベースから離れる側に設置され、第3金属サブ層53は第2金属サブ層52のベースから離れる側に設置される。例示的な実施形態では、第1金属サブ層51と第3金属サブ層53の材料は金属のチタン、第2金属サブ層52の材料は金属のアルミニウムを採用してもよい。
【0116】
例示的な実施形態では、第2仕切層50の側面はほぼ揃っており、且つ第2仕切層50の側面と第3導電サブ層43の側面はほぼ揃っており、第1金属サブ層51のベースでの正投影、第2金属サブ層52のベースでの正投影、第3金属サブ層53のベースでの正投影、及び第3導電サブ層43のベースでの正投影はほぼ重なり得る。可能な実施形態では、第4導電薄膜のパターン化過程において、エッチング液のチタン層とアルミニウム層に対するエッチング速度は異なる可能性があるため、エッチング後、第1金属サブ層51と第3金属サブ層53の側面は第2金属サブ層52から一定の距離突出し、本開示はここで限定しない。
【0117】
(14)第2平坦層パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図13に示すように、第2平坦層パターンの形成は、上記パターンを形成するベースに第2平坦薄膜を塗布し、パターン化プロセスにより第2平坦薄膜をパターン化して、第2平坦層16パターンを形成することを含み得る。
【0118】
例示的な実施形態では、第2平坦層16は表示領域100のみに形成され、仕切領域220の第2平坦薄膜は除去される。表示領域100の第2平坦層16は陽極接続電極17を覆い、第2平坦層16には第2接続ビアK2が開設され、第2接続ビアK2内の第2平坦薄膜は除去され、陽極接続電極17の表面を露出させ、第2接続ビアK2は後続に形成される陽極が該ビアを介して陽極接続電極に接続されるように設定される。
【0119】
例示的な実施形態では、第2平坦薄膜に対するパターン化は、まず第2平坦薄膜に対して露光処理を行い、それから露光処理後の第2平坦薄膜に対して現像処理を行って、パターン化された第2平坦層16を形成することを含み得る。
【0120】
例示的な実施形態では、第2平坦層は有機材料、例えば樹脂等を採用してもよい。
【0121】
図14は
図13における第1仕切ダムと第2仕切ダムの構造模式図である。
図14に示すように、例示的な実施形態では、現像処理の現像液は強アルカリ溶液を採用してもよい。仕切領域220の第2平坦薄膜が除去された後、第1仕切層40の側面と第2仕切層50の側面は露出するため、強アルカリ溶液の作用下で、第1仕切層40と第2仕切層50の側面は現像液に侵食される。Ti/Al/Tiの複数層複合構造が採用される第1仕切層40と第2仕切層50について、現像液のアルミニウム層に対する侵食速度はチタン層に対する侵食速度よりも大きいため、侵食された第2仕切層50の側面に側面窪みが形成され、アルミニウム層の上方及び上方のチタン層はアルミニウム層から一定の距離突出し、「工」字形構造を形成する。
【0122】
例示的な実施形態では、「工」字形構造の第2仕切層50において、第2金属サブ層52の幅は第1金属サブ層51の幅よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよく、第2金属サブ層52の幅は第3金属サブ層53の幅よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は第3金属サブ層53のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0123】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51の幅は第3導電サブ層43の幅に等しくてもよく、第1金属サブ層51の側面と第3導電サブ層43の側面は揃ってもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影と第3導電サブ層43のベースでの正投影はほぼ重なり得る。
【0124】
例示的な実施形態では、まず陽極接続電極17を覆う第5絶縁層を形成し、それから第5絶縁層に第2平坦層16を形成するようにしてもよく、第5絶縁層は表示領域100のみに形成されてもよく、本開示はここで限定しない。例示的な実施形態では、第5絶縁層はケイ素酸化物(SiOx)、ケイ素窒化物(SiNx)及びシリコンオキシニトリド(SiON)のうちの1種又は複数種を採用してもよく、単層、複数層又は複合層であってもよく、第5絶縁層は鈍化(PVX)層と称されてもよい。
【0125】
これまで、表示領域100の駆動構造層101と仕切領域220のホール領域構造層201のパターンの製造は完成する。
【0126】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層101はベース10に順次に積層設置される第1絶縁層11、半導体層、第2絶縁層12、第1導電層、第3絶縁層13、第2導電層、第4絶縁層14、第3導電層、第1平坦層15、第4導電層及び第2平坦層16を含み得る。半導体層は第1活性層を含み得ており、第1導電層は第1ゲート電極及び第1極板を含み得ており、第2導電層は第2極板を含み得ており、第3導電層は第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含み得ており、第4導電層は陽極接続電極を含み得ており、陽極接続電極は第1接続ビアを介して第1ドレイン電極に接続される。
【0127】
例示的な実施形態では、仕切領域220のホール領域構造層201は、ベース10に順次に積層設置される複合絶縁層、第1仕切層40及び第2仕切層50を含み得ており、第1仕切層40は複合絶縁層のベースから離れる側に設置され、第2仕切層50は第1仕切層40のベースから離れる側に設置され、積層設置される第1仕切層40と第2仕切層50は仕切ダム構造を構成する。第1仕切層40は駆動構造層101における第3導電層と同一層に設置されて、同一回のパターン化プロセスにより同時に形成され得ており、第2仕切層50は駆動構造層101における第4導電層と同一層に設置されて、同一回のパターン化プロセスにより同時に形成され得る。
【0128】
(15)陽極導電層パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図15に示すように、陽極導電層パターンの形成は、上記パターンを形成するベースに陽極導電薄膜を堆積し、パターン化プロセスにより陽極導電薄膜をパターン化して、陽極導電層パターンを形成することを含み得る。
【0129】
例示的な実施形態では、陽極導電層パターンは少なくとも表示領域100に位置する陽極21を含み得ており、陽極21は第2接続ビアK2を介して陽極接続電極17に接続される。
【0130】
例示的な実施形態では、陽極導電層(AND)は金属材料又は透明導電材料を採用してもよく、金属材料は銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)及びモリブデン(Mo)のうちの1種又は複数種、又は上記金属の合金材料を含み得ており、透明導電材料は酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム亜鉛(IZO)を含み得る。例示的な実施形態では、陽極導電層は単層構造、又は複数層複合構造、例えばITO/Al/ITO等であってもよい。
【0131】
図16は
図15における第1仕切層と第2仕切層の構造模式図である。
図16に示すように、例示的な実施形態では、陽極導電薄膜のパターン化におけるエッチングプロセスは、湿式エッチング処理を採用してもよい。仕切領域220の陽極導電薄膜が除去された後、第1仕切層40と第2仕切層50の側面は露出するため、エッチング液の作用下で、第1仕切層40と第2仕切層50の側面はエッチング液にエッチングされる。エッチング液のアルミニウム層に対するエッチング速度はチタン層に対するエッチング速度よりも大きいため、第1仕切層40と第2仕切層50の側面窪みが激しくなり、アルミニウム層の上方及び上方のチタン層はアルミニウム層から一定の距離突出し、第1仕切層40と第2仕切層50はそれぞれ「工」字形構造を形成する。
【0132】
例示的な実施形態では、第2仕切層50は第1仕切層40のベースから離れる側に位置するため、エッチング液の第2仕切層50に対するエッチング程度はエッチング液の第1仕切層40に対するエッチング程度よりも大きく、即ち第2仕切層50における第2金属サブ層52のエッチング量は第1仕切層40における第2導電サブ層42のエッチング量よりも多く、第2仕切層50における第1金属サブ層51と第3金属サブ層53のエッチング量は第1仕切層40における第1導電サブ層41と第3導電サブ層43のエッチング量よりも多い。
【0133】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第3金属サブ層53の幅LT2は第1金属サブ層51の幅LB2以下であってもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0134】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第2金属サブ層52の幅LM2は第1金属サブ層51の幅LB2よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0135】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第2金属サブ層52の幅LM2は第3金属サブ層53の幅LT2よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は第3金属サブ層53のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0136】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第3導電サブ層43の幅LT1は第1導電サブ層41の幅LB1以下であってもよく、第3導電サブ層43のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0137】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第2導電サブ層42の幅LM1は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0138】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第2導電サブ層42の幅LM1は第3導電サブ層43の幅LT1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0139】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第1金属サブ層51の幅LB2は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0140】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第2金属サブ層52の幅LM2は第2導電サブ層42の幅LM1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は第2金属サブ層52のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0141】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第3金属サブ層53の幅LT2は第3導電サブ層43の幅LT1よりも小さくてもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0142】
例示的な実施形態では、機能ホールから離れる方向に沿って、第1金属サブ層51の幅LB2は第3導電サブ層43の幅LT1以下であってもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影は第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0143】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.0μm~5.8μm、第2導電サブ層42の幅LM1は約4.2μm~4.8μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約4.8μm~5.6μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約4.6μm~5.4μm、第2金属サブ層52の幅LM2は約3.8μm~4.6μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.4μm~5.2μmであってもよい。例えば、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.4μm、第2導電サブ層42の幅LM1は約4.6μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約5.2μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約5.0μm、第2金属サブ層52の幅LM2は約4.2μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.8μmであってもよい。
【0144】
図17は
図15における第1仕切層と第2仕切層の他の構造模式図である。
図17に示すように、第2仕切層50は第1仕切層40のベースから離れる側に位置するため、エッチング液の第2仕切層50に対するエッチング程度はエッチング液の第1仕切層40に対するエッチング程度よりも大きいだけでなく、第2導電サブ層42と第2金属サブ層52について、ベースから離れる側の領域のエッチング程度はベースに近い側の領域のエッチング程度よりも大きく、それにより第2導電サブ層42と第2金属サブ層52の断面形状は台形となる。
【0145】
例示的な実施形態では、台形の側壁は直線形、又は弧線形であってもよい。
【0146】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の断面形状は台形であるため、第3金属サブ層53の第2金属サブ層52から突出する部分は支持されずにベース方向に垂れる弧形となる。
【0147】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の縁部とベースとの距離H1は、第2金属サブ層52のベースから離れる側の表面とベースとの距離H2よりも小さくてもよい。第3金属サブ層53の縁部とは、第3金属サブ層53の表示領域に近い側の縁部、及び第3金属サブ層53の表示領域から離れる側の縁部を指す。
【0148】
(16)画素定義層(Pixel Define LMyer、PDLと略称される)パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図18に示すように、画素定義層パターンの形成は、上記パターンを形成するベースに画素定義薄膜を塗布し、パターン化プロセスにより画素定義薄膜をパターン化して、画素定義層22パターンを形成することを含み得る。
【0149】
例示的な実施形態では、画素定義層22は表示領域100のみに形成されてもよく、仕切領域220の画素定義薄膜は除去される。表示領域100における各サブ画素の画素定義層22には画素開口が設置され、画素開口内の画素定義薄膜は除去され、所在するサブ画素の陽極21の表面を露出させる。
【0150】
例示的な実施形態では、画素定義層の材料はポリイミド又はアクリル等を含み得る。例示的な実施形態では、ハーフトーンマスク(Half Tone Mask)のパターン化プロセスを用いて、画素定義層を形成する際にスペーサーピラーパターンを形成し、スペーサーピラーは画素開口の外側に設置されてもよく、スペーサーピラーは後続の蒸着プロセスにおいてファインメタルマスクを支持するように設定され、本開示はここで限定しない。
【0151】
例示的な実施形態では、ベースに平行する平面内において、画素開口の形状は矩形、正方形、五角形、六角形、円形又は楕円形等であってもよい。ベースに垂直する平面内において、画素開口の断面形状は矩形又は台形等であってもよく、画素開口の内側側壁は平面又は弧面であってもよく、本開示はここで限定しない。
【0152】
(17)有機発光層パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図19に示すように、有機発光層パターンの形成は、上記パターンを形成するベースにおいて、蒸着方式又はインクジェット印刷方式により有機発光層23と有機発光ブロック24のパターンを形成する。
【0153】
例示的な実施形態では、有機発光層23は表示領域100と仕切領域220に位置してもよく、表示領域100の有機発光層23は画素開口を介して所在するサブ画素の陽極21に接続されてもよく、仕切領域220の有機発光層23は仕切領域220の仕切ダム構造以外の領域に位置してもよい。例示的な実施形態では、有機発光ブロック24は仕切領域220の仕切ダム構造のベースから離れる側に位置してもよく、仕切領域220における有機発光ブロック24と有機発光層23は互いに分離される。
【0154】
図20は
図19における仕切ダムによる有機発光材料の遮断の模式図である。
図20に示すように、仕切ダム構造における第2仕切層50は「工」字形構造であり、上層の第3金属サブ層53は第2金属サブ層52から突出する「軒」構造を有するため、有機発光材料は第2仕切層50の「軒」構造において切断され、第3金属サブ層53のベースから離れる側に有機発光ブロック24を形成する。例示的な実施形態では、有機発光ブロック24のベースでの正投影は第3金属サブ層53のベースでの正投影とほぼ重なり得る。
【0155】
例示的な実施形態では、仕切ダム構造における第1仕切層40は「工」字形構造であり、上層の第3導電サブ層43は第2導電サブ層42から突出する「軒」構造を有するため、有機発光材料は第2仕切層50の「軒」構造において切断されていなくても、有機発光材料も第1仕切層40の「軒」構造において切断され、第3導電サブ層43のベースから離れる側に有機発光ブロック24を形成し、有機発光ブロック24と有機発光層23との分離を有効に確保する。本開示ではダブル「工」字形構造が積層設置される仕切ダムを設置することにより、有機発光ブロック24と有機発光層23との切断を最大限に確保し、水と酸素の伝送通路を切断し、水と酸素の侵入を有効に阻止し、封止の有効性と信頼性を確保することができる。
【0156】
例示的な実施形態では、仕切ダム構造が第1仕切層40のみを含む場合、又は仕切ダム構造が第2仕切層50のみを含む場合と比べて、仕切ダム構造は積層設置される第1仕切層40と第2仕切層50を含むため、仕切ダム構造の高さが大きく、有機発光材料を遮断する性能を最大限に向上させ、封止の有効性と信頼性を有効に高める。
【0157】
例示的な実施形態では、有機発光層は発光層(EML)と、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子阻止層(EBL)、正孔阻止層(HBL)、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)のうちのいずれか1種又は複数種とを含み得る。
【0158】
例示的な実施形態では、下記製造方法により有機発光層を製造してもよい。まず、オープンマスク(Open Mask、OPMと略称される)の蒸着プロセス又はインクジェット印刷プロセスを用いて順次に正孔注入層、正孔輸送層及び電子阻止層を形成し、表示基板に正孔注入層、正孔輸送層及び電子阻止層の共通層を形成する。それから、ファインメタルマスク(Fine Metal Mask、FMMと略称される)の蒸着プロセス又はインクジェット印刷プロセスを用いて、対応のサブ画素においてそれぞれ赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を形成する。隣接するサブ画素の発光層には少量の重なる部分が存在してもよく(例えば、重なる部分がそれぞれの発光層パターンに占める面積は10%よりも小さい)、又は、分離れてもよい。それから、オープンマスクの蒸着プロセス又はインクジェット印刷プロセスを用いて順次に正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層を形成し、表示基板に正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層の共通層を形成する。
【0159】
例示的な実施形態では、有機発光層はマイクロキャビティ調節層を含み得ており、陰極と陽極との間において有機発光層の厚さにマイクロキャビティ長さの設計を満足させる。例示的な実施形態では、正孔輸送層、電子阻止層、正孔阻止層又は電子輸送層をマイクロキャビティ調節層として採用してもよく、本開示はここで限定しない。
【0160】
例示的な実施形態では、発光層はホスト(Host)材料及びホスト材料にドープされるドーパント(Dopant)材料を含み得ており、発光層のドーパント材料のドープ割合は1%~20%である。該ドープ割合の範囲内において、一方で、発光層のホスト材料は励起子のエネルギーを発光層のドーパント材料に有効に転移して発光層のドーパント材料の発光を励起することができる。他方で、発光層のホスト材料は発光層のドーパント材料を「希釈」し、発光層のドーパント材料の分子間の衝突、及びエネルギー間の衝突による蛍光消光を有効に改善し、発光効率及びデバイスの寿命を向上させる。例示的な実施形態では、ドープ割合とはドーパント材料の質量と発光層の質量との比、即ち質量百分率を指す。例示的な実施形態では、多元蒸着プロセスによりホスト材料とドーパント材料の両方を蒸着して、ホスト材料とドーパント材料を均一に発光層に分散させることができる。蒸着過程においてドーパント材料の蒸着速度を制御することによりドープ割合を調節し、又はホスト材料とドーパント材料の蒸着速度比を制御することによりドープ割合を調節することができる。例示的な実施形態では、発光層の厚さは約10nm~50nmであってもよい。
【0161】
例示的な実施形態では、正孔注入層は無機の酸化物、例えばモリブデンの酸化物、チタンの酸化物、バナジウムの酸化物、レニウムの酸化物、ルテニウムの酸化物、クロムの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ハフニウムの酸化物、タンタルの酸化物、銀の酸化物、タングステンの酸化物又はマンガンの酸化物を採用してもよく、又は、強電子吸引系のp型ドーパントと正孔輸送材料のドーパントを採用してもよい。例示的な実施形態では、正孔注入層の厚さは約5nm~20nmであってもよい。
【0162】
例示的な実施形態では、正孔輸送層は正孔移動度が高い材料、例えば芳香族アミン類化合物を採用してもよく、その置換基はカルバゾール、メチルフルオレン、スピロフルオレン、ジベンゾチオフェン又はフラン等であってもよい。例示的な実施形態では、正孔輸送層の厚さは約40nm~150nmであってもよい。
【0163】
例示的な実施形態では、正孔阻止層と電子輸送層は芳香族複素環化合物、例えばベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、ベンゾイミダゾールフェナントリジン誘導体等のイミダゾール誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体等のジン誘導体、キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、フェナントロリン誘導体等の、窒素含有六員環構造を含む化合物(複素環においてホスフィンオキシド系の置換基を有する化合物も含む)等を採用してもよい。例示的な実施形態では、正孔阻止層の厚さは約5nm~15nm、電子輸送層の厚さは約20nm~50nmであってもよい。
【0164】
例示的な実施形態では、電子注入層はアルカリ金属又は金属、例えばフッ化リチウム(LiF)、イッテルビウム(Yb)、マグネシウム(Mg)又はカルシウム(Ca)等の材料、或いはこれらのアルカリ金属又は金属の化合物等を採用してもよい。例示的な実施形態では、電子注入層の厚さは約0.5nm~2nmであってもよい。
【0165】
(18)陰極パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図21に示すように、陰極パターンの形成は、上記パターンを形成するベースにおいて、オープンマスクの蒸着方式により陰極25と陰極ブロック26のパターンを形成する。
【0166】
例示的な実施形態では、陰極25は表示領域100と仕切領域220に位置してもよく、全面構造であってもよい。表示領域100の陰極25は有機発光層23に接続され、有機発光層と陽極及び陰極との同時接続を実現する。仕切領域220の陰極25は仕切領域220の仕切ダム構造以外の領域に位置してもよく、仕切領域220の陰極ブロック26は有機発光ブロック24のベースから離れる側に位置してもよく、仕切領域220における陰極ブロック26と陰極25は互いに分離される。
【0167】
図22は
図21における仕切ダムによる陰極の遮断の模式図である。
図22に示すように、仕切ダム構造における第2仕切層50は「工」字形構造であり、上層の第3金属サブ層53は第2金属サブ層52から突出する「軒」構造を有するため、陰極材料は第2仕切層50の「軒」構造において切断され、有機発光ブロック24のベースから離れる側に陰極ブロック26を形成する。例示的な実施形態では、陰極ブロック26のベースでの正投影は有機発光ブロック24のベースでの正投影とほぼ重なり得る。
【0168】
例示的な実施形態では、仕切ダム構造における第1仕切層40は「工」字形構造であり、上層の第3導電サブ層43は第2導電サブ層42から突出する「軒」構造を有するため、陰極材料は第2仕切層50の「軒」構造において切断されていなくても、陰極材料は第1仕切層40の「軒」構造において切断され、有機発光ブロック24のベースから離れる側に陰極ブロック26を形成し、陰極ブロック26と陰極25との相互分離を有効に確保する。本開示ではダブル「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を設置することにより、陰極ブロック26と陰極25との切断を最大限に確保し、水と酸素の伝送通路を切断し、水と酸素の侵入を有効に阻止し、封止の有効性と信頼性を確保することができる。
【0169】
例示的な実施形態では、仕切ダム構造が第1仕切層40のみを含む場合、又は仕切ダム構造が第2仕切層50のみを含む場合と比べて、仕切ダム構造は積層設置される第1仕切層40と第2仕切層50を含むため、仕切ダム構造の高さが大きく、陰極材料を遮断する性能を最大限に向上させ、封止の有効性と信頼性を最大限に高める。
【0170】
例示的な実施形態では、陰極はマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及びリチウム(Li)のうちの1種又は複数種、又は上記金属のうちの1種又は複数種からなる合金を採用してもよい。
【0171】
幾つかの可能な例示的な実施形態では、陰極パターンを形成した後に光学結合層パターンを形成してもよく、光学結合層は陰極に設置され、光学結合層の屈折率は陰極の屈折率よりも大きくてもよく、光取り出しに寄与して光取り出し効率を増加する。光学結合層の材料は有機材料、又は無機材料、或いは有機材料と無機材料の両方を採用してもよく、単層、複数層又は複合層であってもよく、本開示はここで限定しない。
【0172】
これまで、発光構造層102パターンの製造は完成する。表示領域100の発光構造層102は陽極21、画素定義層22、有機発光層23及び陰極25を含み得ており、有機発光層23は陽極21と陰極25との間に設置される。
【0173】
(19)封止構造層パターンを形成する。例示的な実施形態では、
図23に示すように、封止構造層パターンの形成は、まずオープンマスクの堆積方式により第1封止薄膜を堆積し、表示領域100と仕切領域220に第1封止層31パターンを形成し、表示領域100の第1封止層31は陰極25を覆い、仕切領域220の第1封止層31は仕切ダム構造を囲む。それから、インクジェット印刷プロセスを用いて第2封止材料を印刷し、表示領域100に第2封止層32パターンを形成し、表示領域100の第2封止層32は第1封止層31に設置される。それから、オープンマスクの堆積方式により第3封止薄膜を堆積し、表示領域100と仕切領域220に第3封止層33パターンを形成し、表示領域100の第3封止層33は第2封止層32に設置され、仕切領域220の第3封止層33は仕切ダム構造を囲む第1封止層31の外側に設置される。
【0174】
例示的な実施例では、第1封止層と第3封止層はケイ素酸化物(SiOx)、ケイ素窒化物(SiNx)及びシリコンオキシニトリド(SiON)のうちの1種又は複数種を採用してもよく、単層、複数層又は複合層であってもよく、化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)等の方式を採用してもよく、外部の水と酸素が発光構造層に進入できないことを確保できる。第2封止層は有機材料、例えば樹脂等を採用してもよく、表示領域の各膜層を囲む作用を実現し、構造安定性と平坦性を向上させる。このように、積層設置される第1封止層、第2封止層及び第3封止層は封止構造層を構成し、形成される無機材料/有機材料/無機材料の積層構造は、封止の完全性を確保し、外部の水と酸素から有効に隔離することができる。
【0175】
図24は
図23における仕切ダム構造が第1封止層により囲まれる模式図である。
図24に示すように、第1封止層31が仕切ダム構造を囲むことは、第1封止層31が仕切ダム構造から露出する全部の表面を覆うこと、即ち、第1封止層31が仕切ダム構造のベースから離れる側の陰極ブロック26、仕切ダム構造の表示領域100に向ける側の内側表面、及び仕切ダム構造の表示領域100から離れる側の外側表面を覆って、第1封止層31による仕切ダム構造に対する完全な囲みを形成することを指す。本開示の例示的な実施例では仕切ダム構造を設置し、仕切ダム構造が第1封止層と第3封止層により完全に囲まれることにより、水と酸素の伝送通路を切断し、水と酸素の侵入を有効に阻止し、封止の有効性と信頼性を確保することができる。
【0176】
これまで、封止構造層パターンを形成し、封止の完全性を確保し、外部の水と酸素から有効に隔離する。表示領域100において、封止構造層は積層設置される第1封止層、第2封止層及び第3封止層を含み、無機材料/有機材料/無機材料の積層構造を形成することができる。仕切領域220において、封止構造層は積層設置される第1封止層と第3封止層を含み、無機材料/無機材料の積層構造を形成することができる。
【0177】
例示的な実施形態では、封止層の製造が完成した後、封止層にタッチ構造層(TSP)を形成してもよく、タッチ構造層はタッチ電極層を含み得ており、又はタッチ電極層とタッチ絶縁層を含み得ており、本開示はここで限定しない。
【0178】
例示的な実施形態では、フレキシブル表示基板を製造する場合、表示基板の製造過程はバッキングフィルムの貼り付け、切断等のプロセスを更に含み得ており、本開示はここで限定しない。
【0179】
表示基板において、仕切領域220は第3導電層(SD1)を用いて複数周の仕切ダムを形成し、プロセス残量の要求が高いだけでなく、仕切ダム構造の遮断効果は有効であり、特に、信頼性要求が益々厳しくなり、信頼性テスト時間が益々長くなる場合に、水蒸気が単層の仕切ダムを超えて表示領域に伝達するリスクは存在する。また、「工」字形構造を採用する単層の仕切ダムの高さは低いため、後続に堆積方式を用いて第1封止層と第3封止層を形成するプロセスにおいて、「工」字形構造の上側の「軒」構造は気相堆積の粒子を遮断し、単層の仕切ダムの側面窪み内に封止材料が充填できず、空洞を形成するだけでなく、「工」字形構造の側壁の勾配は大きく、第1封止層と第3封止層には亀裂(CVD crack)が出現する。外部の水蒸気は空洞又は亀裂に進入した後、表示領域に拡散し、製品の失効を引き起こす。
【0180】
本開示の例示的な実施例の表示基板の構造及びその製造過程から分かるように、本開示の例示的な実施例の仕切ダム構造は第3導電層(SD1)からなる第1仕切層及び第4導電層(SD2)からなる第2仕切層を含み、仕切ダム構造の高さは約第3導電層と第4導電層の厚さの和であり、仕切ダム構造の高さは大きく、プロセス残量の要求を有効に低減するだけでなく、仕切ダム構造の遮断効果を有効に向上させ、水蒸気が仕切ダム構造を超えて表示領域に伝達するリスクを解消し、封止の有効性と信頼性を有効に高める。本開示では仕切ダム構造の高さを増加することにより、後続に堆積方式を用いて第1封止層と第3封止層を形成するプロセスにおける気相堆積の粒子の旋回空間は大きくなり、封止材料を仕切ダムの側面窪みに充填し易くなり、空洞の形成を回避する。本開示では第1仕切層と第2仕切層をいずれも「工」字形構造に設置し、二層積層設置される「工」字形構造が少なくとも2つの「軒」構造を形成することにより、有機発光材料の切断を最大限に確保し、仕切ダム構造の遮断効果を向上させるだけでなく、第1封止層と第3封止層の抗剪断応力の能力を最大限に強化し、第1封止層と第3封止層の剥離失効を有効に回避する。本開示では第2仕切層の幅を第1仕切層の幅よりも小さく設置し、即ち、第3金属サブ層の幅が第3導電サブ層の幅よりも小さく、第2金属サブ層の幅が第2導電サブ層の幅よりも小さく、第1金属サブ層の幅が第1導電サブ層の幅よりも小さいことにより、仕切ダム構造の側壁の勾配を全体的に減少し、第1封止層と第3封止層の堆積の勾配を有効に軽減し、仕切ダム構造の側壁における空洞形成を有効に回避するだけでなく、第1封止層と第3封止層における亀裂の発生を有効に回避する。本開示の例示的な実施例による表示基板は、封止失効を有効に回避し、表示基板の生産良品率及び製品信頼性を向上させ、製品品質及び使用寿命を高めることができる。本開示の例示的な実施例による表示基板の製造過程は、良好なプロセス互換性を有し、第1平坦層、第2平坦層及び陽極を形成するパターン化プロセスを利用すると同時に、二層の「工」字形構造の仕切ダム構造を形成することにより、プロセスの実現が簡単であり、実施し易く、生産効率が高く、生産コストが低く、良品率が高い。
【0181】
図25は本開示の例示的な実施例による他の仕切ダムの構造模式図である。
図25に示すように、本例示的な実施例の仕切ダムは積層設置される第1仕切層40と第2仕切層50を含み得ており、第1仕切層40は積層設置される第1導電サブ層41、第2導電サブ層42及び第3導電サブ層43を含み得ており、第2仕切層50は積層設置される第1金属サブ層51、第2金属サブ層52及び第3金属サブ層53を含み得る。第1導電サブ層41と第3導電サブ層43は第2導電サブ層42の側壁40Bに対して突出部を有し、上下の2つの突出部と第2サブ層の側壁40Bは凹み構造を形成し、それにより第1仕切層40は第1「工」字形構造を形成する。第1金属サブ層51と第3金属サブ層53は第2金属サブ層52の側壁50Bに対して突出部を有し、上下の2つの突出部と第2金属層の側壁50Bは凹み構造を形成し、それにより第2仕切層50は第2「工」字形構造を形成する。
【0182】
例示的な実施形態では、第1「工」字形構造及び第1「工」字形構造のベースから離れる側に設置される第2「工」字形構造は、ダブル「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0183】
例示的な実施形態では、仕切ダム構造の上部の全体幅と下部の全体幅は仕切ダム構造の中部の全体幅よりも大きくてもよく、即ち仕切ダム構造は上部と下部が大きく、中部が小さい全体形態を有し、仕切ダム構造の側壁は「C」字形形態を形成する。
【0184】
例示的な実施形態では、第3導電サブ層43の幅LT1は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第3導電サブ層43のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0185】
例示的な実施形態では、第2導電サブ層42の幅LM1は同時に第1導電サブ層41の幅LB1と第3導電サブ層43の幅LT1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は同時に第1導電サブ層41と第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0186】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第1金属サブ層51の幅LB2よりも大きくてもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影は第3金属サブ層53のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0187】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の幅LM2は同時に第1金属サブ層51の幅LB2と第3金属サブ層53の幅LT2よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は同時に第1金属サブ層51と第3金属サブ層53のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0188】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第1導電サブ層41の幅LB1に等しくてもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影と第1導電サブ層41のベースでの正投影はほぼ同じくてもよい。
【0189】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の幅LM2は第2導電サブ層42の幅LM1に等しくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影と第2金属サブ層52のベースでの正投影はほぼ同じくてもよい。
【0190】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51の幅LB2は第3導電サブ層43の幅LT1に等しくてもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影と第3導電サブ層43のベースでの正投影はほぼ同じくてもよい。
【0191】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.0μm~5.8μm、第2導電サブ層42の幅LM1は約3.8μm~4.6μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約4.0μm~4.8μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約4.0μm~4.8μm、第2金属サブ層52の幅LM2は約3.8μm~4.6μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.4μm~5.2μmであってもよい。例えば、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.4μm、第2導電サブ層42の幅LM1は約4.2μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約4.4μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約4.4μm、第2金属サブ層52の幅LM2は約4.2μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.8μmであってもよい。
【0192】
例示的な実施形態では、本例示的な実施例の表示基板の製造過程は上記実施例とほぼ同じく、トランジスタ構造層、第1平坦層、第4導電層、第2平坦層、陽極導電層、画素定義層、有機発光層、陰極及び封止構造層の形成を含む。相違点は、陽極導電層のパターン化において、まず陽極導電薄膜を用いて第2仕切層50における第3金属サブ層53を保護し、湿式エッチングプロセスにより第2仕切層50における第2金属サブ層52と第1金属サブ層51、第1仕切層40における第1導電サブ層41、第2導電サブ層42及び第3導電サブ層43をエッチングし、それから乾式エッチングプロセス(例えばSF6)により続いてエッチングすることである。SF6のチタン層とアルミニウム層に対する速度が異なるため、主に第3導電サブ層43と第1金属サブ層51を除去できる。それから、湿式エッチングプロセスにより、第3金属サブ層53を保護する陽極導電薄膜をエッチングし、最終的に側壁が「C」字形形態である仕切ダム構造を形成する。
【0193】
本例示的な実施例では仕切ダム構造の高さを増加することにより、仕切ダム構造の遮断効果を有効に高めるだけでなく、仕切ダムの側壁を「C」字形形態に形成することにより、封止材料層は仕切ダムの側壁を良好に覆い、仕切ダムの側壁における空洞形成を有効に回避できるだけでなく、封止材料層における亀裂の発生を有効に回避でき、封止失効を有効に回避し、表示基板の生産良品率及び製品信頼性を向上させることができる。
【0194】
図26は本開示の例示的な実施例による更なる仕切ダムの構造模式図である。
図26に示すように、本例示的な実施例の仕切ダムは積層設置される第1仕切層40と第2仕切層50を含み得ており、第1仕切層40は積層設置される第1導電サブ層41、第2導電サブ層42及び第3導電サブ層43を含み得ており、第2仕切層50は積層設置される第1金属サブ層51、第2金属サブ層52及び第3金属サブ層53を含み得る。第1仕切層40の断面形状は台形構造となり、第2仕切層50の断面形状は「工」字形構造となり、台形構造と台形構造のベースから離れる側に設置される「工」字形構造は一緒に下部の台形構造、上部の「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0195】
例示的な実施形態では、第2導電サブ層42の断面形状は台形となり、ベースから離れる側の第1上底、ベースに近い側の第1下底、及び第1上底と第1下底との間に接続される第1側壁40Bを含む。例示的な実施形態では、第1側壁40Bは直線形又は弧線形であってもよい。
【0196】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51と第3金属サブ層53は第2金属サブ層52の側壁50Bに対して突出部を有し、上下の2つの突出部と第2金属層の側壁50Bは凹み構造を形成し、それにより第2仕切層50は第2「工」字形構造を形成する。
【0197】
例示的な実施形態では、第3導電サブ層43の幅LT1は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第3導電サブ層43のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0198】
例示的な実施形態では、第3導電サブ層43の幅LT1は第2導電サブ層42における第1上底の幅に等しくてもよく、第1導電サブ層41の幅LB1は第2導電サブ層42における第1下底の幅に等しくてもよい。
【0199】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第1金属サブ層51の幅LB2以下であってもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0200】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の幅LM2は同時に第1金属サブ層51の幅LB2と第3金属サブ層53の幅LT2よりも小さくてもよく、第2金属サブ層52のベースでの正投影は同時に第1金属サブ層51と第3金属サブ層53のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0201】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第1導電サブ層41の幅LB1よりも小さくてもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0202】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51の幅LB2は第3導電サブ層43の幅LT1に等しくてもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影と第3導電サブ層43のベースでの正投影はほぼ同じくてもよい。
【0203】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.0μm~5.8μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約4.8μm~5.6μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約4.6μm~5.4μm、第2金属サブ層52の幅LM2は約3.8μm~4.6μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.4μm~5.2μmであってもよい。例えば、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.4μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約5.2μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約5.0μm、第2金属サブ層52の幅LM2は約4.2μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.8μmであってもよい。
【0204】
例示的な実施形態では、本例示的な実施例の表示基板の製造過程は上記実施例とほぼ同じく、トランジスタ構造層、第1平坦層、第4導電層、第2平坦層、陽極導電層、画素定義層、有機発光層、陰極及び封止構造層の形成を含む。相違点は、第3導電薄膜に対するパターン化において台形断面の第1仕切層40を形成し、第1平坦層パターンを形成する際に、第1平坦薄膜を用いて第1仕切層40を保護し、第2平坦層のパターン化と陽極導電層のパターン化において、第1仕切層40を保護する場合に「工」字形構造の第2仕切層50を形成し、最終的に下部の台形構造、上部の「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を形成することである。
【0205】
本例示的な実施例では仕切ダム構造の高さを増加することにより、仕切ダム構造の遮断効果を有効に高めるだけでなく、台形構造と「工」字形構造との組合せにより仕切ダムを構成し、上層の「工」字形構造は有機発光材料の遮断を実現し、下層の台形構造は封止材料層の良好な接着を実現し、それにより封止材料層は仕切ダムの側壁を良好に覆い、仕切ダムの側壁における空洞形成を有効に回避できるだけでなく、封止材料層における亀裂の発生を有効に回避でき、封止失効を有効に回避し、表示基板の生産良品率及び製品信頼性を向上させることができる。
【0206】
図27は本開示の例示的な実施例による更なる仕切ダムの構造模式図である。
図27に示すように、本例示的な実施例の仕切ダムは積層設置される第1仕切層40と第2仕切層50を含み得ており、第1仕切層40は積層設置される第1導電サブ層41、第2導電サブ層42及び第3導電サブ層43を含み得ており、第2仕切層50は積層設置される第1金属サブ層51、第2金属サブ層52及び第3金属サブ層53を含み得る。第1仕切層40の断面形状は「工」字形構造となり、第2仕切層50の断面形状は台形構造となり、「工」字形構造と「工」字形構造のベースから離れる側に設置される台形構造は一緒に上部の台形構造、下部の「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を構成する。
【0207】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41と第3導電サブ層43は第2導電サブ層42の側壁40Bに対して突出部を有し、上下の2つの突出部と第2サブ層の側壁40Bは凹み構造を形成し、それにより第1仕切層40は第1「工」字形構造を形成する。
【0208】
例示的な実施形態では、第2金属サブ層52の断面形状は台形となり、ベースから離れる側の第2上底、ベースに近い側の第2下底、及び第2上底と第2下底との間に接続される第2側壁50Bを含む。例示的な実施形態では、第2側壁50Bは直線形又は弧形であってもよい。
【0209】
例示的な実施形態では、第3導電サブ層43の幅LT1は第1導電サブ層41の幅LB1以下であってもよく、第3導電サブ層43のベースでの正投影は第1導電サブ層41のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0210】
例示的な実施形態では、第2導電サブ層42の幅LM1は同時に第1導電サブ層41の幅LB1と第3導電サブ層43の幅LT1よりも小さくてもよく、第2導電サブ層42のベースでの正投影は同時に第1導電サブ層41と第3導電サブ層43のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0211】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第1金属サブ層51の幅LB2よりも小さくてもよく、第3金属サブ層53のベースでの正投影は第1金属サブ層51のベースでの正投影の範囲内に位置してもよい。
【0212】
例示的な実施形態では、第3金属サブ層53の幅LT2は第2金属サブ層52における第2上底の幅に等しくてもよく、第1金属サブ層51の幅LB2は第2金属サブ層52における第2下底の幅に等しくてもよい。
【0213】
例示的な実施形態では、第1金属サブ層51の幅LB2は第3導電サブ層43の幅LT1以下であってもよく、第1金属サブ層51のベースでの正投影と第3導電サブ層43のベースでの正投影はほぼ同じくてもよい。
【0214】
例示的な実施形態では、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.0μm~5.8μm、第2導電サブ層42の幅LM1は約4.6μm~5.4μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約4.8μm~5.6μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約4.6μm~5.4μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.4μm~5.2μmであってもよい。例えば、第1導電サブ層41の幅LB1は約5.4μm、第2導電サブ層42の幅LM1は約5.0μm、第3導電サブ層43の幅LT1は約5.2μm、第1金属サブ層51の幅LB2は約5.0μm、第3金属サブ層53の幅LT2は約4.8μmであってもよい。
【0215】
例示的な実施形態では、本例示的な実施例の表示基板の製造過程は上記実施例とほぼ同じく、トランジスタ構造層、第1平坦層、第4導電層、第2平坦層、陽極導電層、画素定義層、有機発光層、陰極及び封止構造層の形成を含む。相違点は、第1平坦層のパターン化において、現像と湿式エッチングプロセスの両方を用いて第1仕切層40の側面エッチングを完成し、「工」字形構造の第1仕切層40を形成し、第2平坦層のパターン化と陽極導電層のパターン化において、第2仕切層50はずっとフォトレジストにより囲まれて保護され、側面エッチングされず、最終的に上部の台形構造、下部の「工」字形構造が積層設置される仕切ダム構造を形成することである。
【0216】
本例示的な実施例では仕切ダム構造の高さを増加することにより、仕切ダム構造の遮断効果を有効に高めるだけでなく、台形構造と「工」字形構造との組合せにより仕切ダムを構成し、下層の「工」字形構造は有機発光材料の遮断を実現し、上層の台形構造は封止材料層の良好な接着を実現し、それにより封止材料層は仕切ダムの側壁を良好に覆い、仕切ダムの側壁における空洞形成を有効に回避できるだけでなく、封止材料層における亀裂の発生を有効に回避でき、封止失効を有効に回避し、表示基板の生産良品率及び製品信頼性を向上させることができる。
【0217】
本開示の例示的な実施例の表示基板の構造及びその製造過程は例示的な説明に過ぎない。例示的な実施形態では、実際の需要に応じて対応の構造を変更したり、パターン化プロセスを増加又は減少したりすることができ、本開示はここで限定しない。
【0218】
例示的な実施形態では、本開示の表示基板は画素駆動回路を有する表示装置、例えばOLED、量子ドットディスプレー(QLED)、発光ダイオードディスプレー(Micro LED又はMini LED)又は量子ドット発光ダイオードディスプレー(QDLED)等に適用され得ており、本開示はここで限定しない。
【0219】
本開示では表示基板の製造方法を更に提供する。例示的な実施形態では、前記表示基板は表示領域及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み得ており、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記製造方法は、
前記仕切領域に前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムを形成することを含み得ており、前記仕切ダムは積層設置される第1仕切層及び第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する。
【0220】
本開示は表示装置を更に提供し、上記実施例の表示基板を備える。表示装置は携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフレーム又はナビゲーター等の表示機能を備える製品又は部品であってもよい。
【0221】
以上は本開示に開示された実施形態であるが、前記内容は本開示を理解しやすくするために用いた実施形態に過ぎず、本開示を制限するためのものではない。当業者は、本開示に開示される趣旨及び範囲を逸脱せずに、実施形態及び細部に対していかなる修正及び変更を行うことができるが、本願の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じる。
【符号の説明】
【0222】
10 ベース 11 第1絶縁層 12 第2絶縁層
13 第3絶縁層 14 第4絶縁層 15 第1平坦層
16 第2平坦層 17 陽極接続電極 21 陽極
22 画素定義層 23 有機発光層 24 有機発光ブロック
25 陰極 26 陰極ブロック 31 第1封止層
32 第2封止層 33 第3封止層 40 第1仕切層
41 第1導電サブ層 42 第2導電サブ層 43 第3導電サブ層
50 第2仕切層 51 第1金属サブ層 52 第2金属サブ層
53 第3金属サブ層 100 表示領域 101 駆動構造層
102 発光構造層 103 封止構造層 200 ホール領域
201 ホール領域構造層 210 機能ホール 220 仕切領域
300 仕切ダム
【手続補正書】
【提出日】2024-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域、及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記仕切領域には前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムが設置され、前記仕切ダムはベースに設置される第1仕切層及び前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する、表示基板。
【請求項2】
少なくとも1つの仕切層は第1サブ層を更に含み、前記第2サブ層は前記第1サブ層の前記ベースから離れる側に設置される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1仕切層は第1導電サブ層、前記第1導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2導電サブ層、及び前記第2導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3導電サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2導電サブ層の幅はいずれも前記第1導電サブ層と第3導電サブ層の幅よりも小さく、前記第2導電サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1導電サブ層と第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1導電サブ層と第3導電サブ層は前記第2導電サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2導電サブ層の側壁は凹み構造を形成する、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の幅よりも小さく、前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1金属サブ層と第3金属サブ層は前記第2金属サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2金属サブ層の側壁は凹み構造を形成する、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第1金属サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅よりも小さく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置
し、
又は、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅は前記第2導電サブ層の幅よりも小さく、前記第2導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、
又は、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅よりも小さく、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、
又は、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第1金属サブ層の幅以下であり、前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅以下であり、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第3金属サブ層の幅は前記第1金属サブ層の幅よりも大きく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1導電サブ層の幅よりも小さく、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅に等しく、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影と前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影はほぼ重なる、請求項4に記載の表示基板。
【請求項7】
前記第3金属サブ層の縁部とベースとの距離は、前記第2金属サブ層のベースから離れる側の表面とベースとの距離よりも小さい、請求項4に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記第2金属サブ層の断面形状は第2台形であり、前記第2台形は前記ベースに近い側の第2下底及び前記ベースから離れる側の第2上底を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2上底の幅は前記第2下底の幅よりも小さく、前記第2上底の前記ベースでの正投影は前記第2下底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3金属サブ層の幅は前記第2上底の幅以下であり、前記第3金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第2上底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第2下底の幅は前記第1金属サブ層の幅以下であり、前記第2下底の前記ベースでの正投影は前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項3に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項
8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第2仕切層は前記第1仕切層の前記ベースから離れる側に設置される第1金属サブ層、前記第1金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2金属サブ層、及び前記第2金属サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3金属サブ層を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第2金属サブ層の幅はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の幅よりも小さく、前記第2金属サブ層の前記ベースでの正投影はいずれも前記第1金属サブ層と第3金属サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、それにより前記第1金属サブ層と第3金属サブ層は前記第2金属サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2金属サブ層の側壁は凹み構造を形成する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第1仕切層は第1導電サブ層、前記第1導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第2導電サブ層、及び前記第2導電サブ層の前記ベースから離れる側に設置される第3導電サブ層を含み、前記第2導電サブ層の断面形状は第1台形であり、前記第1台形は前記ベースに近い側の第1下底及び前記ベースから離れる側の第1上底を含み、前記機能ホールから離れる方向に沿って、前記第1上底の幅は前記第1下底の幅よりも小さく、前記第1上底の前記ベースでの正投影は前記第1下底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第3導電サブ層の幅は前記第1上底の幅以下であり、前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影は前記第1上底の前記ベースでの正投影の範囲内に位置し、前記第1下底の幅は前記第1導電サブ層の幅以下であり、前記第1下底の前記ベースでの正投影は前記第1導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項
10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第1金属サブ層の幅は前記第3導電サブ層の幅以下であり、前記第1金属サブ層の前記ベースでの正投影は前記第3導電サブ層の前記ベースでの正投影の範囲内に位置する、請求項
11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記表示領域はベースに順次に設置される第1絶縁層、半導体層、第2絶縁層、第1導電層、第3絶縁層、第2導電層、第4絶縁層、第3導電層、第1平坦層、第4導電層及び第2平坦層を含み、前記第1仕切層と前記第3導電層は同一層に設置され、前記第2仕切層と前記第4導電層は同一層に設置される、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項14】
請求項
1に記載の表示基板を備える表示装置。
【請求項15】
表示基板の製造方法であって、前記表示基板は表示領域及び前記表示領域に位置する少なくとも1つのホール領域を含み、前記ホール領域は機能ホール及び前記機能ホールを取り囲む仕切領域を含み、前記製造方法は、
前記仕切領域に前記機能ホールを取り囲む少なくとも1つの仕切ダムを形成することを含み、前記仕切ダムは積層設置される第1仕切層及び第2仕切層を含み、少なくとも1つの仕切層は第2サブ層及び前記第2サブ層
のベースから離れる側に設置される第3サブ層を含み、前記第3サブ層は前記第2サブ層の側壁に対して突出部を有し、前記突出部と前記第2サブ層の側壁は凹み構造を形成する、表示基板の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
画素駆動回路の駆動過程において、第3トランジスタT3(駆動トランジスタ)を流れる駆動電流は、そのゲート電極と第1極との電圧差により決定される。第2ノードN2の電圧はVd-|Vth|であるため、第3トランジスタT3の駆動電流は下記の式である。
【国際調査報告】