(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】テープ・ライブラリにおけるロック可能エア・ギャップ・ディープ・セル
(51)【国際特許分類】
G11B 15/68 20060101AFI20241126BHJP
G11B 33/02 20060101ALI20241126BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20241126BHJP
G06F 21/78 20130101ALI20241126BHJP
【FI】
G11B15/68
G11B33/02 Z
G11B33/02 502A
G11B33/12 301B
G06F21/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500517
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 IB2022056206
(87)【国際公開番号】W WO2023047199
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】イェシオノフスキ、レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ネイヴ、ショーン
(57)【要約】
ディープ・スロット・セルが複数のテープ・カットリッジを収容する。ディープ・スロット・セルは、ロボット機構による複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にする、ディープ・スロット・セルの前面を含む。ディープ・スロット・セルは、ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が複数のテープ・カットリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジをディープ・スロット・セルの前面に向かって前方に前進させるのを防止するロック機構と係合する開口部を備える、ディープ・スロット・セルの奥行き面を含む。ディープ・スロット・セルは、ロボット機構がディープ・スロット・セルからロック・テープ・カートリッジを取り外した後で、ロボット機構が複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カットリッジに到達するのを防止する、ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ・ストレージ保護を与えるための装置であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、
前記ディープ・スロット・セルが、
ロボット機構によって前記複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前面と、
前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって自動的に前進させるのを防止するロック機構を係合させる開口部を備えて構成された、前記ディープ・スロット・セルの奥行き面と、
前記ロボット機構が前記ディープ・スロット・セルから前記ロック・テープ・カートリッジを取り外した後、前記ロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前記前面における前部エア・ギャップとを含む、装置。
【請求項2】
前記ディープ・スロット・セルが、前記ディープ・スロット・セルのハウシング内から前記ロック機構に取り付けられた付勢ばね機構を含むように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ディープ・スロット・セルが、前記ディープ・スロット・セルのハウジング内から前記ロック機構に取り付けられた押し機構を含むように構成され、前記押し機構が、前記ディープ・スロット・セル内に格納されている前記複数のテープ・カートリッジを前方に自動的に前進させるための前記付勢ばね機構を含む前記ディープ・スロット・セルのコンポーネントである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ロボット機構が、前記データ・ストレージ・ライブラリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ロック・テープ・カートリッジが、前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セルの前記前面に挿入されるのに応答して、前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記ロック・テープ・カートリッジの後方の他のテープ・カートリッジのそれぞれを、前記ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部と係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押す、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ディープ・スロット・セルの前記前面から前記ディープ・スロット・セルのハウジング内までの前記ディープ・スロット・セルの前記前部エア・ギャップの長さが、前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セル内に挿入された前記ロック・テープ・カートリッジの寸法と前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングの前記部分との係合時の前記ロック機構の長さとに少なくとも部分的に基づいて決まる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部に入ると自動的に押下され、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過するとロック可能位置内まで自動的に延びることが可能な押下可能ロック機構である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面において前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングから、ユーザ介入により手動で係合解除可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面から手動で係合解除されると、グリッパ・アセンブリが前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記最前部のテープ・カートリッジを取り外すことができるように、前記付勢ばね機構が前記複数のテープ・カートリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させることができるようにする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ロック・テープ・カートリッジが、保護する必要がないと特定されたデータを記憶しているテープ・カートリッジである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
データ・ストレージ保護を与えるための装置であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、
前記ディープ・スロット・セルが、
ロボット機構による複数のテープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前面と、
前記ロボット機構による前記複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前記前面であって、前記ロック・テープ・カートリッジが前記ロボット機構によって前記ディープ・スロット・セルの前記前面に挿入されることが、前記ロック・テープ・カートリッジの後方の前記複数のテープ・カットリッジのそれぞれを前記ディープ・スロット・セルの奥行き面に向かって押す、前記前面と、
ロック機構と係合する開口部を備えて構成された前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面であって、係合した前記ロック機構が前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構を動作不能する、前記奥行き面と、
前記ロボット機構が前記ディープ・スロット・セルから前記ロック・テープ・カートリッジを取り外した後、前記ロボット機構が前記複数のテープ・カットリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達することを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前記前面における前部エア・ギャップと、
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面において前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングからユーザ介入により手動で係合解除されるように構成された前記ロック機構とを含む、装置。
【請求項12】
データ・ストレージ保護を与えるための装置であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、
前記ディープ・スロット・セルが、
ロボット機構による複数のテープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前面であって、前記ロボット機構が前記データ・ストレージ・ライブラリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである、前記前面と、
前記ロボット機構による前記複数のテープ・カットリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前記前面であって、前記ロック・テープ・カートリッジが前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セルの前記前面に挿入されることが、前記ロック・テープ・カートリッジの後方の前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれを、ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの奥行き面で構成された開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部と係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押す、前記前面と、
前記ロック機構と係合する前記開口部を備えて構成された前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面であって、係合した前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させるのを防止する、前記奥行き面と、
前記グリッパ・アセンブリが前記ディープ・スロット・セルから前記ロック・テープ・カートリッジを取り外した後で、前記ロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前記前面における前部エア・ギャップと、
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面において前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングからユーザ介入によって手動で係合解除されるように構成された前記ロック機構であって、押下可能ロック機構である前記ロック機構とを含む、装置。
【請求項13】
データ・ストレージ保護を与える方法であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを改変することを含み、
前記ディープ・スロット・セルを改変することが、
ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構と一体化することと、
前記ロック機構と係合するように前記ディープ・スロット・セルの奥行き面において開口部を形成することと、
ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しとを行うことによってロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップを形成することとを含む、方法。
【請求項14】
前記ディープ・スロット・セルを改変することが、
前記ディープ・スロット・セルのハウジング内で前記付勢ばね機構に前記ロック機構を機械的に取り付けることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ディープ・スロット・セルを改変することが、
前記ディープ・スロット・セルのハウジング内で前記ロック機構を押し機構に機械的に取り付けることをさらに含み、前記押し機構が、前記ディープ・スロット・セル内に格納された前記複数のテープ・カートリッジを前方に自動的に前進させるための前記付勢ばね機構を含む前記ディープ・スロット・セルのコンポーネントである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ロボット機構が前記データ・ストレージ・アセンブリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記ロック・テープ・カットリッジの後方の他のテープ・カートリッジのそれぞれを、前記ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部に係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押すように、前記ディープ・スロット・セルの前記前面に前記ロック・テープ・カットリッジを挿入することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セル内に挿入された前記ロック・テープ・カートリッジの寸法と、前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングの部分との係合時の前記ロック機構の長さとに少なくとも部分的に基づいて、前記ディープ・スロット・セルの前記前面から前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジング内までの前記ディープ・スロット・セルの前記前部エア・ギャップの長さを決定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面から前記ロック機構を手動で係合解除することをさらに含み、前記ロック機構を係合解除することが、グリッパ・アセンブリが前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記最前部のテープ・カートリッジを取り外すことができるようにするために、前記付勢ばね機構が前記複数のテープ・カットリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させることを可能にする、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部に入ると自動的に押下され、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過するとロック可能位置内まで自動的に延びることが可能な押下可能ロック機構である、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ロック・テープ・カートリッジがクリーナ・テープ・カートリッジである、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
テープ・ライブラリ・データ保護のためのコンピュータ・システムであって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサと、
1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサのうちの少なくとも1つのコンピュータ・プロセッサによる実行のために前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体のうちの少なくとも1つに記憶されたプログラム命令とを含み、
記憶された前記プログラム命令が、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを改変するプログラム命令を含み、
前記ディープ・スロット・セルを改変する前記プログラム命令が、
ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構と一体化するプログラム命令と、
前記ロック機構と係合するように前記ディープ・スロット・セルの奥行き面において開口部を形成するプログラム命令と、
ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しとを行うことによってロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップを形成するプログラム命令とをさらに含む、コンピュータ・システム。
【請求項23】
前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記ロック・テープ・カットリッジの後方の他のテープ・カートリッジのそれぞれを、前記ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面で構成された前記開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部に係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押すように、前記ディープ・スロット・セルの前記前面に前記ロック・テープ・カットリッジを挿入するプログラム命令をさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ・システム。
【請求項24】
前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セル内に挿入された前記ロック・テープ・カートリッジの寸法と、前記ディープ・スロット・セルのハウジングの前記部分との係合時の前記ロック機構の長さとに少なくとも部分的に基づいて、前記ディープ・スロット・セルの前記前面から前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジング内までの前記ディープ・スロット・セルの前記前部エア・ギャップの長さを決定するプログラム命令をさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ・システム。
【請求項25】
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面から前記ロック機構を手動で係合解除するプログラム命令をさらに含み、前記ロック機構を係合解除することが、グリッパ・アセンブリが前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記最前部のテープ・カートリッジを取り外すことができるようにするために、前記付勢ばね機構が前記複数のテープ・カットリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させることを可能にする、請求項22に記載のコンピュータ・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、テープ・ライブラリ・データ保護に関し、より具体的には、テープ・ライブラリのディープ・セル格納技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オン・プレミスにおける、ビデオ・アーカイブ、バックアップ・ファイル、災害復旧用の複製、および情報の保持のためにテープ・カートリッジが使用されてきたが、業界はクラウドにおけるオフ・プレミス用途にも拡大しつつある。
【0003】
テープ・カートリッジは、通常、巨大なエンタープライズ・テープ・ライブラリに格納される。これらのテープ・カートリッジを保管するために、格納スロットに単一のテープではなく、単一の高密度(HD)テープ・カートリッジ・スロットが、1列にスタックされた最大5本のテープ・カートリッジを保持することができる、HDテープ・カートリッジ格納スロットを収容するHDテープ・ライブラリ架台が使用される。HDテープ・カートリッジ格納スロット内の各テープ・カートリッジは、HDテープ・カートリッジ格納スロット内の位置を示すティア番号によって参照され、ティア番号は、HDテープ・カートリッジ格納スロットにさらなるテープ・カートリッジが追加されるにつれて奥行き方向に増加する。
【0004】
現在、データ・セキュリティ・ソリューションの需要がきわめて高い。ハッカーやサイバー犯罪者が蔓延しており、データ・セキュリティはクライアントにとってきわめて重要である。クライアントは、データの盗難や悪用に関する懸念に対処し、低減するデータ記憶のセキュアな方法を必要としている。長期記憶媒体としてのテープ・カートリッジの利用は、物理的な「エア・ギャップ」があるため、一般に物理的にセキュアであるとみなされている。クライアント・データが含まれている各テープ・カートリッジには、テープ・カートリッジがデータを読み出し/書き込みすることができるテープ・ドライブに装填されない限り、アクセスすることができない。この物理的障壁または「エア・ギャップ」は、典型的にはネットワークに接続されてハッカーやサイバー犯罪活動にさらされる可能性がある「オンライン」で利用可能なフラッシュまたはハード・ディスクへのデータの記憶と対比して考えた場合、テープ・カートリッジへのデータの記憶の主要なセールス・ポイントである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態の態様は、データ・ストレージ保護のための装置、方法およびコンピュータ・システムを開示する。
【0006】
本発明の実施形態の態様は、データ・ストレージ保護のための装置を開示する。装置は、複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、ディープ・スロット・セルは、ロボット機構による複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成されたディープ・スロット・セルの前面を含む。ディープ・スロット・セルは、ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が複数のテープ・カートリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジをディープ・スロット・セルの前面に向かって前方に自動的に前進させるのを防止するロック機構と係合する開口部を備えて構成された、ディープ・スロット・セルの奥行き面をさらに含む。ディープ・スロット・セルは、ロボット機構がディープ・スロット・セルからロック・テープ・カートリッジを取り外した後でロボット機構が複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップをさらに含む。
【0007】
本発明の実施形態の態様は、データ・ストレージ保護のための装置を開示する。装置は、複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、ディープ・スロット・セルは、ロボット機構による複数のテープ・カートリッジの挿入と取り出しとを可能にするように構成されたディープ・スロット・セルの前面を含む。ディープ・スロット・セルは、ロボット機構による複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された、ディープ・スロット・セルの前面をさらに含み、グリッパ・アセンブリによってディープ・スロット・セルの前面に挿入されるロック・テープ・カートリッジが、ロック・テープ・カートリッジの後方の複数のテープ・カートリッジのそれぞれを、ディープ・スロット・セルの奥行き面に向かって押す。ディープ・スロット・セルは、ロック機構と係合するための開口部を備えて構成されたディープ・スロット・セルの奥行き面をさらに含み、係合したロック機構はディープ・スロット・セルの付勢ばね機構を動作不能にする。ディープ・スロット・セルは、グリッパ・アセンブリがディープ・スロット・セルからロック・テープ・カートリッジを取り外した後、ロボット機構が複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップをさらに含む。ディープ・スロット・セルは、ユーザ介入によりディープ・スロット・セルの奥行き面におけるディープ・スロット・セルのハウジングから手動で係合解除されるように構成されたロック機構をさらに含み、ロック機構をハウジングから手動で係合解除することは、ばね機構が複数のテープ・カートリッジを前進させることができるようにする。
【0008】
本発明の実施形態の態様は、データ・ストレージ保護のための装置を開示する。装置は、複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、ディープ・スロット・セルは、ロボット機構による複数のテープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成されたディープ・スロット・セルの前面を含み、ロボット機構はデータ・ストレージ・ライブラリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである。ディープ・スロット・セルは、ロボット機構による複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成されたディープ・スロット・セルの前面をさらに含み、グリッパ・アセンブリによってディープ・スロット・セルの前面に挿入されたロック・テープ・カートリッジがロック・テープ・カートリッジの後方の複数のテープ・カートリッジのそれぞれを、ロック機構をディープ・スロット・セルの奥行き面で構成された開口を通過した後でディープ・スロット・セルのハウジングの一部と係合させるのに十分に遠くまで、ディープ・スロット・セルの奥行き面に向かって押す。ディープ・スロット・セルは、ロック機構と係合する開口部を備えて構成されたディープ・スロット・セルの奥行き面をさらに含み、係合されたロック機構は、ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が複数のテープ・カートリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジをディープ・スロット・セルの前面に向かって前方に自動的に前進させるのを防止する。ディープ・スロット・セルは、グリッパ・アセンブリがディープ・スロット・セルからロック・テープ・カートリッジを取り外した後、ロボット機構が複数のテープ・カートリッジのうちの最前面のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップをさらに含む。ディープ・スロット・セルは、ユーザ介入によりディープ・スロット・セルの奥行き面におけるディープ・スロット・セルのハウジングから手動で係合解除されるように構成されたロック機構をさらに含み、ロック機構は押下可能ロック機構である。
【0009】
本発明の実施形態の態様は、データ・ストレージ保護方法を開示する。方法は、複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを改変することを含み、ディープ・スロット・セルの改変は、ロック機構をディープ・スロット・セルの付勢ばね機構に一体化することを含む。方法は、ロック機構を係合させるようにディープ・スロット・セルの奥行き面において開口部を形成することをさらに含む。方法は、ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しとを行うことによって複数のテープ・カートリッジのうちの最前部テープ・カートリッジにロボット機構が到達するのを防止する、ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップを形成することをさらに含む。
【0010】
本発明の実施形態の態様は、データ・ストレージ保護のためのコンピュータ・システムを開示する。コンピュータ・システムは、複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを改変するプログラム命令を含み、ディープ・スロット・セルを改変するプログラム命令は、ロック機構をディープ・スロット・セルの付勢ばね機構に一体化するプログラム命令をさらに含む。コンピュータ・システムは、ロック機構と係合させるようにディープ・スロット・セルの奥行き面に開口部を形成するプログラム命令をさらに含む。コンピュータ・システムは、ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しとを行うことによって複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジにロボット装置が到達するのを防止する、ディープ・スロット・セルの前面に前部エア・ギャップを形成するプログラム命令をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態によるデータ・ストレージ・ライブラリを示す透視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリのうちのストレージ架台を示す透視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリのためのコントローラ構成を示すブロック図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリのうちのデータ・ストレージ・ドライブを示す前面透視図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による、
図4Aのデータ・ストレージ・ドライブを示す背面透視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリのうちのデータ・ストレージ・カートリッジを示す透視図である。
【
図6A】本発明の一実施形態による、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリのうちのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルを示す透視図である。
【
図6B】本発明の一実施形態による、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリのうちのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルを示す透視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、ロック可能エア・ギャップ機構を備えた
図6Aおよび
図6Bのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルを含む、
図1のデータ・ストレージ・ライブラリを示す側面透視図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるデータ・ストレージ保護を与えるステップを示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態による、データ処理システムのコンポーネントを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、テープ・ライブラリ・ストレージ管理環境において、物理「エア・ギャップ」障壁が存在する自動テープ・ライブラリ内のテープ・カートリッジにデータが記憶される場合であっても、クライアントにとってデータ・セキュリティの懸念が依然として存在し得ることを認識している。たとえば、潜在的な懸念は、悪意のあるハッカーがテープ・ライブラリとサーバの両方に侵入し、テープ・カートリッジを、そのテープ・カートリッジ上のデータが危険にさらされる可能性があるテープ・ドライブに装填させる恐れがあることである。
【0013】
本発明の実施形態は、このようなセキュリティ露出を防止するための知られている解決策が、テープ・カートリッジを自動テープ・ライブラリから取り出し、それらのテープ・カートリッジをいかなるネットワークからも完全に切断されたボールトに施錠保管することであることを認識している。しかし、これでも、テープ・ライブラリからの取り外し後、ボールトへの移送中にテープ・カートリッジの紛失または盗難の恐れがあるため、セキュリティ露出を引き起こす。
【0014】
本発明の実施形態は、この「エア・ギャップ」を維持することにセキュリティ上の利点があることを認識している。本発明の実施形態は、「エア・ギャップ」の利点を維持しながら、データを自動テープ・ライブラリ内のテープ・カートリッジによりセキュアに記憶することを可能にする機構が必要であることを認識している。
【0015】
本発明の実施形態は、ディープ・セル技術を含むテープ・ライブラリに存在する固有の特徴を利用する機能を提供する。ディープ・セル技術を含むテープ・ライブラリでは、テープ・カートリッジが、ディープ・スロット・セル内において段状横向きのレイアウトで互いに前後に並んで格納される。このように格納されている場合、テープ・ライブラリ・ロボット装置は、ディープ・スロット・セルの最前位置に位置するテープ・カートリッジにのみアクセスすることができる。
【0016】
本発明の実施形態は、テープ・ライブラリ・データ・ストレージ・セル(すなわち、ディープ・スロット・セル、高密度(HD)ストレージ・スロットなど)の後部停止位置を、現在使用されているものよりもわずかに深い後部停止位置に改変することによって、ロック可能「エア・ギャップ」ディープ・スロット・セルを形成する機能を提供する。本発明の実施形態は、「手のひら」を使用するテープ・グリッパなどのテープ・ライブラリ・ロボット装置によってロック可能ディープ・スロット・ストレージ・セルに挿入されるテープ・カートリッジが、テープ・カートリッジ取り外しのために後で使用されるテープ・グリッパの「指」が届かない位置で停止することになり、それによってデータ・セキュリティの追加の層を加える機能を提供する。本発明の実施形態は、ユーザ介入なしに各ロック可能ディープ・スロット・ストレージ・セルが一方通行道路のように機能するように、ロック可能ディープ・スロット・セル内に装填されたテープ・カートリッジをグリッパ・ロボット・フィンガによってアクセス可能な位置まで押し戻すために、ロック可能機構を物理的に押し下げるためのユーザ介入を必要とする機能を提供する。
【0017】
本発明の実施形態は、テープ・カートリッジがロック可能「エア・ギャップ」ディープ・スロット・ストレージ・セルに装填された後は、ばね機構と押し機構とを使用してテープ・カートリッジをロック可能「エア・ギャップ」ディープ・スロット・セルの前面まで押すためにロック機構を押すユーザによる協調的アクションなしに、テープ・ライブラリ・ロボット装置によってそのテープ・カートリッジを取り外すことができず、それによってそのテープ・カートリッジをアクセス不能にし、データにアクセスまたはデータを改変するためにテープ・ライブラリに侵入し、テープ・ドライブにテープ・カートリッジを装填しようと試みる可能性があるハッカーに対してセキュアにすることを認識している。
【0018】
本発明の実施形態は、このロック可能機構が、クライアント・データを悪意あるハッカーおよびサイバー犯罪活動からさらに遮断するより堅牢なセキュリティおよびデータ保護を追加しながら、従来のテープ媒体ストレージのすべての利点を維持することを認識している。さらに、本発明の実施形態は、ロック可能「エア・ギャップ」ディープ・スロット・ストレージ・セルの使用が、長期保管用ボールトへの移送など、テープ・ライブラリから離れるテープ・カートリッジの移送に伴う潜在的なセキュリティ上の懸念をなくすことをさらに認識している。
【0019】
このような実施形態の実装は、様々な形態をとることができ、実装形態の詳細については図面を参照しながら後述する。
【0020】
次に本発明の様々な実施形態をより詳細に参照すると、
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態によるテープ・ライブラリ・データ保護を提供するのに適したデータ・ストレージ・ライブラリを示す透視図である。
【0021】
以下の説明は、本発明の一般原理を例示するために行うものであり、本願で特許請求される本発明を限定することは意図していない。また、本明細書に記載の特定の特徴は、様々な可能な組合せおよび置換のそれぞれにおいて他の記載されている特徴と組み合わせて使用することができる。
【0022】
本明細書で特に定義されていない限り、すべての用語には、本明細書から含意される意味と、当業者によって理解されているかまたは辞書、論文などで定義されているかあるいはその両方の意味とを含む、その可能な最も広義の解釈が与えられるものとする。
【0023】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されている単数形の「a」、「an」および「the」は、特に明記されていない限り複数指示概念を含むことにも留意されたい。
【0024】
以下の説明では、磁気ストレージ・システムのいくつかの好ましい実施形態とその動作または構成部品あるいはその両方を開示する。
【0025】
一般的な一実施形態では、コンピュータ実装方法が、自動テープ・ライブラリの列の下部キャリブレーション対象を特定することと、その列の上部キャリブレーション対象を特定することとを含む。方法は、上部キャリブレーション対象と下部キャリブレーション対象との間の少なくとも1つのスロット位置を計算することを含む。計算されたスロット位置のうちの少なくとも一部について、方法は、計算されたスロット位置に対応する実際のスロット位置を特定することを含む確認を行うことを含む。実際のスロット位置は、ロボット・アクセス機構によって探索される。方法は、計算されたスロット位置を、対応する特定された実際のスロット位置と比較することと、計算されたスロット位置が対応する特定された実際のスロット位置の所定範囲内であるか否かを判定することとを含む。方法は、判定の結果を出力することを含む。
【0026】
別の一般的な実施形態では、システムは、プロセッサと、プロセッサと一体化されるか、プロセッサによって実行可能であるか、またはプロセッサと一体化されてプロセッサによって実行可能なロジックとを含む。ロジックは、上記の方法を実行するように構成されている。
【0027】
別の一般的な実施形態では、コンピュータ・プログラム製品が、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、その1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体にまとめて記憶されたプログラム命令とを含む。プログラム命令は、上記の方法を実行するプログラム命令を含む。
【0028】
図1~
図2に、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100およびシングル・カートリッジ・ストレージ・スロット16において、データ記憶媒体(図示せず)を含むデータ・ストレージ・カートリッジを格納し、取り出すデータ・ストレージ・ライブラリ10を示す。
図1~
図2に示すものと類似した構成を有し、本明細書における様々な手法のうちの一部とともに実装可能な自動データ・ストレージ・ライブラリの一例は、IBM(R)3584UltraScalableテープ・ライブラリである(IBM(R)およびすべてのIBM(R)ベースの商標およびロゴは、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションまたはその系列会社あるいはその両方の商標または登録商標である)。また、本明細書で「データ記憶媒体」と言う場合、データ・ストレージ・カートリッジを指し、本出願では、この2つの用語は同義語として使用される場合があることに留意されたい。
【0029】
図1のデータ・ストレージ・ライブラリ10は、左側サービス・ベイ13と、1つまたは複数のストレージ架台11と、右側サービス・ベイ14とを含む。以下で詳述するように、架台はライブラリの拡張コンポーネントを含み得る。したがって、ストレージ架台は、ライブラリのサイズまたは機能あるいはその両方を拡張または縮小するために追加または取り外しすることができる。様々な手法により、架台は、追加の格納スロット、ディープ・スロット・セル、ドライブ、インポート/エクスポート・ステーション、アクセス機構、オペレータ・パネルなどを含むことができる。
【0030】
図2に、データ・ストレージ・ライブラリ10の基部架台の役割を果たすデータ・ストレージ架台11の一実施形態を示す。また、
図2に示すデータ・ストレージ架台11は、単一のアクセス機構18などの単一のアクセス機構のみがあり(すなわち冗長アクセス機構がない)、サービス・ベイがないデータ・ストレージ・ライブラリ10の最小構成として企図されている。しかし、他の実施形態では、ストレージ架台は複数のロボット・アクセス機構またはサービス・ベイあるいはその両方を含んでもよい。
【0031】
図2を参照すると、データ・ストレージ・ライブラリ10は、少なくとも1つの外部ホスト・システム(図示せず)からのコマンドに応答してデータ記憶媒体にアクセスするために構成されている。データ・ストレージ・ライブラリ10は、前壁17上のシングル・カートリッジ格納スロット16などの複数の格納スロットと、後壁19上のマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100などの複数のマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルとを含み、その両方が、データ記憶媒体を収容することができるデータ・ストレージ・カートリッジを格納するために使用可能である。一手法によると、シングル・カートリッジ格納スロット16は、単一のデータ・ストレージ・カートリッジを格納するように構成され、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、複数のデータ・ストレージ・カートリッジを格納するように構成される。好ましい手法では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルは、前部から後部の順にティアの順番に配列可能である(たとえば
図6Aおよび
図7参照)。
【0032】
図2を続けて参照すると、データ・ストレージ・ライブラリ10のデータ・ストレージ架台11は、たとえばデータ記憶媒体に対するデータの読み出しまたは書き込みあるいはその両方のためのデータ・ストレージ・ドライブ15などの少なくとも1つのデータ・ストレージ・ドライブも含む。さらに、シングル・カートリッジ格納スロット16、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100またはデータ・ストレージ・ドライブ15あるいはこれらの組合せの間でデータ記憶媒体を移送するために単一のアクセス機構18を使用することができる。様々な手法によると、データ・ストレージ・ドライブ15は、光ディスク・ドライブ、磁気テープ・ドライブ、フラッシュ・メモリなどの不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)を有するソリッド・ステート・ドライブ、またはデータ記憶媒体に対するデータの読み出しまたは書き込みあるいはその両方のために使用されるその他の種類のデータ・ストレージ・ドライブであってもよい。
【0033】
図のように、データ・ストレージ架台11は、任意により、ユーザがライブラリ10とやり取りすることを可能にするオペレータ・パネルまたはウェブ・ベースのインターフェースなどのその他のユーザ・インターフェースを含んでもよい。データ・ストレージ架台11は、任意により上部I/Oステーション24または下部I/Oステーション25あるいはその両方も含んでもよく、それによって、ライブラリ動作を阻害せずにライブラリ・インベントリへのデータ・ストレージ・カートリッジの追加(たとえば挿入)、またはライブラリからの取り出し、あるいはその両方を行うことができるようにする。また、データ・ストレージ・ライブラリ10は、それぞれが、好ましくは単一のアクセス機構18によってアクセス可能な、シングル・カートリッジ格納スロット16、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100、またはデータ・ストレージ・デバイス15あるいはこれらの組合せを有する、データ・ストレージ架台11などの1つまたは複数のデータ・ストレージ架台を有してもよい。
【0034】
上述のように、データ・ストレージ架台11は、意図された機能に応じて異なるコンポーネントを備えて構成可能である。データ・ストレージ架台11の1つの構成は、シングル・カートリッジ格納スロット16、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100、またはデータ・ストレージ・デバイス15あるいはこれらの組合せ、および、データ・ストレージ・カートリッジにデータを記憶し、取り出すためのその他の任意によるコンポーネントを含むことができる。しかし、別の手法では、データ・ストレージ架台11は、シングル・カートリッジ格納スロット16、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100を含み、他のコンポーネントを含まなくてもよい。単一のアクセス機構18は、データ記憶媒体に関する識別情報を「読み取る」ためにグリッパ・アセンブリ20に取り付けられたカートリッジ・メモリ・リーダまたは類似のシステムなど、バーコード・スキャナまたはその他の読み取りシステムを有するほかに、たとえば1つまたは複数のデータ記憶媒体を把持するためのグリッパ・アセンブリ20を有してもよい。
【0035】
図2に、一実施形態による自動データ・ストレージ・ライブラリ10を示す。1つの選択肢として、この自動データ・ストレージ・ライブラリ10は、他の図を参照しながら説明している機構など、本明細書で列挙されている任意の他の実施形態の機構とともに実装されてもよい。しかし、当然ながら、このような自動データ・ストレージ・ライブラリ10および本明細書で示されているその他のものは、本明細書で列挙されている例示の実施形態で具体的に説明されている場合もされていない場合もある様々な用途または置換あるいはその両方で使用可能である。また、本明細書で示されている自動データ・ストレージ・ライブラリ10は、任意の所望の環境で使用可能である。したがって、
図2(およびその他の図)は、可能なあらゆる置換を含むものとみなされるべきである。
【0036】
図1および
図2を参照しながら説明するデータ・ストレージ・ライブラリ10は、一実施形態により図示されている。図の実施形態によると、データ・ストレージ・ライブラリ10は、たとえば複数のプロセッサ・ノードを備えたモジュールからなる分散システムとして構成されたコントローラを採用することができる。
【0037】
一手法では、ライブラリは、論理コマンドを受け取り、それらのコマンドをアクセス機構およびグリッパの物理的な動きに変換するためと、所望の物理的動きに従ってドライバを動作させるために、集中コントローラではなく分散制御システムによって制御される。分散制御システムは、要素状況、インベントリ、ライブラリ状況などを求めるホスト要求に応答するなど、ロジスティック支援も提供してもよい。特定のコマンド、それらのコマンドの物理的動きへの変換、およびドライブの動作は、当業者に知られている種類のものとすることができる。
【0038】
データ・ストレージ・ライブラリ10について分散制御システムを採用するものとして説明したが、制御構成にかかわりなく、本明細書で説明されているかまたは示唆されている化あるいはその両方である様々な他の手法を、分散されていない1つまたは複数のライブラリ・コントローラを有する自動データ・ストレージ・ライブラリなどであるがこれには限らない、自動データ・ストレージ・ライブラリでも実装可能である。
【0039】
データ・ストレージ・ライブラリ10は、1つまたは複数のデータ・ストレージ架台11と、左側サービス・ベイ13と右側サービス・ベイ14とを有することができる。左側サービス・ベイ13は、第1のアクセス機構を有し、上述のように、単一のアクセス機構18は、グリッパ・アセンブリ20、または所望の実施形態に応じて、データ記憶媒体に関する識別情報を「読み取る」バーコード・スキャナ(たとえば読み取りシステム)、あるいはその両方を含むことができる。また、右側サービス・ベイ14は、第2のグリッパ・アセンブリを含む、第2のアクセス機構を含むことができ、データ記憶媒体に関する識別情報を「読み取る」読み取りシステム(図示せず)も含むことができる。
【0040】
一実施形態によると、単一のアクセス機構18またはグリッパ・アセンブリ20などに障害が発生するかまたはその他により利用できなくなった場合、第2のアクセス機構が単一のアクセス機構18の機能の一部または全部を実行することができる。したがって、様々な手法において、2つのアクセス機構は、1つまたは複数の機械的経路を共用してもよく、または完全に独立した機械的経路を有してもよく、あるいはこれらの組合せであってもよい。一実施例では、アクセス機構は、独立した垂直レールを備えた共通の水平レールを有し、それに沿って移動してもよい。また、アクセス機構について説明のみを目的として第1および第2と記載しており、この記載はいずれかのアクセス機構を左側サービス・ベイ13または右側サービス・ベイ14のどちらかに関連付けることに限定することは意図していないことに留意されたい。
【0041】
本発明を限定することをまったく意図していない一実施形態では、第1および第2のアクセス機構は、好ましくはそれぞれのグリッパを、たとえばシングル・カートリッジ格納スロット16、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100、データ・ストレージ・デバイス15などにおけるデータ・ストレージ・カートリッジの取り出しと把持、配送と解放、装填と取り外しなどを行うために、水平「X」方向および垂直「Y」方向と呼ぶ少なくとも2つの方向に移動させることができる。
【0042】
データ・ストレージ・ライブラリ10は、1つまたは複数のホスト・システム(図示せず)からコマンドを受信する。ホスト・サーバなどのホスト・システムは、直接、たとえば経路で、あるいは1つまたは複数の制御ポート(図示せず)を介して、あるいは経路上の1つまたは複数のデータ・ストレージ・ドライブ15を介して、データ・ストレージ・ライブラリ10と通信する。したがって、様々な手法において、ホスト・システムは特定のデータ・ストレージ・カートリッジにアクセスし、そのカートリッジをたとえばシングル・カートリッジ格納スロット16とデータ・ストレージ・デバイス15との間で移動させるコマンドを与えることができる。コマンドは、典型的には、カートリッジもしくはカートリッジ媒体、またはその媒体にアクセスするための論理位置、あるいはその両方を識別する論理コマンドである。また、本明細書では「コマンド」と「作業要求」という用語は、所望の手法に応じてデータ・ストレージ・ライブラリ10内で特定のデータ記憶媒体へのアクセスが行われることが意図されているような、ホスト・システムからデータ・ストレージ・ライブラリ10への通信を指すために交換可能に使用されていることに留意されたい。
【0043】
一実施形態によると、データ・ストレージ・ライブラリ10は、ライブラリ・コントローラによって制御可能である。また、様々な手法において、ライブラリ・コントローラは、ホストから論理コマンドを受信し、必要なアクションを判定し、またはアクションを第1のアクセス機構または第2のアクセス機構あるいはその両方の物理的な動きに変換するか、あるいはこれらの組合せを行う、分散制御システムを含むことができる。別の手法では、分散制御システムは、各プロセッサ・ノードが1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサを有する複数のプロセッサ・ノードを含んでもよい。分散制御システムの一実施例によると、データ・ストレージ架台11に通信プロセッサ・ノードを配置することができる。通信プロセッサ・ノードは、ホスト・コマンドを直接またはデータ・ストレージ・ドライブ15を介して、たとえば回線に結合された少なくとも1つの外部インターフェースを介して受信するための通信リンクを提供する。
【0044】
一実施例では、通信プロセッサ・ノードは、データ・ストレージ・ドライブ15と通信するための通信リンクをさらに提供してもよい。通信プロセッサ・ノードは、好ましくはデータ・ストレージ架台11内でたとえばデータ・ストレージ・ドライブ15に近接して配置することができる。また、たとえば、第1のアクセス機構に配置され、ネットワークを介して通信プロセッサ・ノードに結合された作業プロセッサ・ノードを含み得る分散プロセッサ・システムを形成するように、1つまたは複数の追加の作業プロセッサ・ノードが設けられてもよい。様々な手法によると、各作業プロセッサ・ノードが、任意の通信プロセッサ・ノードからその作業プロセッサ・ノードにブロードキャストされる受信コマンドに応答することができ、作業プロセッサ・ノードはアクセス機構の動作を指示してもよく、たとえば移動コマンドを与えてもよい。XYプロセッサ・ノードが設けられてもよく、第1のアクセス機構のXYシステムに配置されてもよい。図のように、XYプロセッサ・ノードはネットワークに接続され、移動コマンドに応答し、それによってXYシステムを、グリッパ・アセンブリ20を位置決めするように動作させる。
【0045】
また、オペレータ・パネルと通信プロセッサ・ノード、作業プロセッサ・ノードおよびXYプロセッサ・ノードとの間の通信用のインターフェースを提供するために、任意によるオペレータ・パネルにオペレータ・パネル・プロセッサ・ノードが備えられてもよい。
【0046】
たとえば、様々なプロセッサ・ノードを結合する共通バスを含む、ネットワークが設けられる。ネットワークは、たとえば、the CAN in Automation Association、Am Weich Selgarten 26,D-91058 Erlangen、GermanyのCiA(R)によって定義されている、標準アクセス・プロトコルと配線規格とを有するマルチドロップ・ネットワークである、市販のコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス・システムなどの堅牢な配線ネットワークを含んでもよい。当業者に知られているように、Ethernet(R)などの他のネットワーク、またはRFもしくは赤外線などの無線ネットワーク・システムをライブラリにおいて採用してもよい。さらに、様々なプロセッサ・ノードを結合するために複数の独立したネットワークも使用可能である。
【0047】
通信プロセッサ・ノードは、回線を介してデータ・ストレージ架台11のデータ・ストレージ・ドライブ15に結合することができ、それによってデータ・ストレージ・ドライブ15および1つまたは複数のホスト・システムと通信することができる。あるいは、ホスト・システムは、たとえば入力において通信プロセッサ・ノードに直接、またはライブラリをドライブ/ライブラリ・インターフェースに類似したライブラリ・インターフェースを使用してホスト・システムに結合する制御ポート・デバイス(図示せず)に、結合されてもよい。当業者には知られているように、ホストおよびデータ・ストレージ・デバイスとの通信のために様々な通信機構を採用することができる。一実施例では、ホスト接続は、たとえばそれぞれEthernet(R)およびSCSIバスであることが意図されており、ホスト接続として機能することができる。しかし、バスは、SCSIバス・システムよりも長い距離にわたる伝送を可能にする高速シリアル・データ・インターフェースであるファイバ・チャネル・バスの一例も含み得る。
【0048】
一部の手法によると、データ・ストレージ・ドライブ15は、通信プロセッサ・ノードに近接した位置にあってもよく、Ethernet(R)などの短距離通信方式またはRS-422などのシリアル接続を採用してもよい。したがって、データ・ストレージ・ドライブ15は、1つまたは複数の回線によって通信プロセッサ・ノードに個別に結合されてもよい。あるいは、データ・ストレージ・ドライブ15は、1つまたは複数のネットワークを介して通信プロセッサ・ノードに結合されてもよい。
【0049】
また、データ・ストレージ架台11などの追加のストレージ架台が設けられてもよく、各ストレージ架台は好ましくは隣接ストレージ架台に結合される。様々な手法によると、追加のストレージ架台11のいずれも、通信プロセッサ・ノード、シングル・カートリッジ格納スロット16、データ・ストレージ・ドライブ15、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100、および1つまたは複数のネットワークなどを含むことができる。
【0050】
また、上述のように、データ・ストレージ・ライブラリ10は、複数のアクセス機構を含むことができる。たとえば、第2のアクセス機構が
図1の右側サービス・ベイ14に配置されてもよい。第2のアクセス機構は、データ記憶媒体にアクセスするためのグリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリと、第2のアクセス機構を移動させるためのXYシステムとを含むことができる。第2のアクセス機構は、第1のアクセス機構と同じ水平方向の機械的経路上、または隣接する(たとえば別個の)経路上あるいはその両方を走行してもよい。また、制御システムが、データ・ストレージ架台11のネットワークと左側サービス・ベイ13のネットワークとに結合された追加のネットワークを形成する拡張ネットワークをさらに含んでもよい。
【0051】
一実施例では、第1および第2のアクセス機構はそれぞれ左側サービス・ベイ13および右側サービス・ベイ14に関連付けられている。しかし、これは例示のためであり、実際の関連付けがなくてもよい。したがって、別の手法によると、ネットワークが左側サービス・ベイ13に関連付けられていなくてもよく、そのネットワークが右側サービス・ベイ14に関連付けられていなくてもよい。また、データ・ストレージ・ライブラリ10の設計によっては、左側サービス・ベイ13または右側サービス・ベイ14あるいはその両方を有している必要がまったくない場合もある。
【0052】
データ・ストレージ・ライブラリ10は、典型的には、自動データ・ストレージ・ライブラリの動作を指示する1つまたは複数のコントローラを含む。また、ホスト・コンピュータおよびデータ・ストレージ・ドライブは典型的には類似したコントローラを含む。ライブラリ・コントローラは、多くの異なる形態をとることができ、これらには限らないがたとえば組込みシステム、分散制御システム、パーソナル・コンピュータ、ワークステーションなどを含み得る。本明細書で使用する「ライブラリ・コントローラ」という用語は、最も広義の意味で、少なくとも1つのプロセッサと、任意により、ライブラリ動作の少なくとも一部の態様の制御または提供あるいはその両方のためのさらなる回路またはロジックあるいはその両方を含むデバイスとして意図されている。
【0053】
次に
図3を参照すると、典型的なコントローラ300が、プロセッサ302と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)303と、不揮発性メモリ304と、デバイス固有回路301と、I/Oインターフェース305とを備えて示されている。あるいは、RAM303または不揮発性メモリ304あるいはその両方がプロセッサ302に含まれてもよく、デバイス固有回路301およびI/Oインターフェース305も同様とすることができる。プロセッサ302は、たとえば、既製のマイクロプロセッサ、特注プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、個別ロジックなどを含み得る。RAM303は、典型的には、変数データ、スタック・データ、実行可能命令などを保持するために使用される。
【0054】
様々な手法によると、不揮発性メモリ304は、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、バッテリ・バックアップRAM、ハード・ディスク・ドライブなどであるがこれらには限定されない任意の種類の不揮発性メモリを含み得る。しかし、不揮発性メモリ304は、典型的には実行可能ファームウェアおよび任意の不揮発性データを保持するために使用される。また、I/Oインターフェース305は、プロセッサ302がコントローラの外部のデバイスと通信することができるようにする通信インターフェースを含む。例としては、これらには限らないがRS-232、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)またはスモール・コンピュータ・システム・インターフェース(SCSI)などのシリアル・インターフェースが含まれ得る。デバイス固有回路301は、コントローラ300が、カートリッジ・グリッパのモータ制御を含むがこれには限定されない固有の機能を実行することができるようにする、追加のハードウェアを提供する。また、デバイス固有回路301は、たとえばこれらには限らないが、パルス幅変調(PWM)制御、アナログ-デジタル変換(ADC)、デジタル-アナログ変換(DAC)などを提供する電子回路を含むことができる。さらに、デバイス固有回路301の全部または一部がコントローラ300の外部にあってもよい。
【0055】
データ・ストレージ・ライブラリ10について分散制御システムを採用するものとして説明しているが、本明細書で説明されているかまたは示唆されているかあるいはその両方の様々な手法は、制御構成にかかわらず、分散されていない1つまたは複数のライブラリ・コントローラを有する自動データ・ストレージ・ライブラリを含むがこれには限定されない、様々な自動データ・ストレージ・ライブラリで実装可能である。また、ライブラリ・コントローラは、所望の実施形態に応じて、ライブラリの1つまたは複数の専用コントローラを含んでもよい。たとえば、一次コントローラとバックアップ・コントローラとがあってもよい。さらに、ライブラリ・コントローラは、分散制御システムの1つまたは複数のプロセッサ・ノードを含んでもよい。一実施例によると、通信プロセッサ・ノードがライブラリ・コントローラを含んでもよく、他のプロセッサ・ノード(ある場合)がそのライブラリ・コントローラを支援してもよく、またはバックアップもしくは冗長機能を提供してもよく、あるいはその両方であってもよい。別の実施例では、通信プロセッサ・ノードと作業プロセッサ・ノードは、ライブラリ・コントローラを形成するように協調して作動してもよく、他のプロセッサ・ノード(ある場合)がライブラリ・コントローラを支援してもよく、またはバックアップもしくは冗長機能を提供してもよく、あるいはその両方であってもよい。さらに、プロセッサ・ノードのすべてがライブラリ・コントローラを含んでもよい。本明細書で説明されているかまたは示唆されているかあるいはその両方の様々な手法によると、ライブラリ・コントローラは単一のプロセッサまたはコントローラを有してもよく、または複数のプロセッサまたはコントローラを含んでもよい。
【0056】
図4Aおよび
図4Bに、一実施例によるデータ・ストレージ・ドライブ15の前面
図401と背面
図402を示す。
図4Aおよび
図4Bに示す実施例では、データ・ストレージ・ドライブ15は、ホットスワップ・ドライブ・キャニスタを含むが、これは決して本発明を限定しない。実際、ホットスワップ・キャニスタを含むか否かを問わず、データ・ストレージ・ドライブの任意の構成を使用することができる。上述のように、データ・ストレージ・ドライブ15は、データ記憶媒体に対する読み出しまたは書き込みあるいはその両方を行うために使用され、さらに媒体とは分離したメモリと通信してもよく、カートリッジ内に配置されている。したがって、一手法によると、開口部403においてデータ・ストレージ・ドライブ15にデータ・ストレージ・カートリッジを入れることができる。
【0057】
また、
図5に、図の切り欠き部に示されているカートリッジ・メモリ510を有するデータ・ストレージ・カートリッジ500などの、データ・ストレージ・カートリッジの一実施例を示すが、これは決して本発明を限定することは意図していない。実際、カートリッジ・メモリを含むか否かを問わず、データ・ストレージ・カートリッジの任意の構成を使用することができる。様々な手法によると、データ・ストレージ・カートリッジ媒体の媒体は、磁気媒体、たとえば磁気テープ、ディスクなど、光媒体、たとえば光テープ、ディスクなど、電子媒体、たとえばPROM、EEPROM、フラッシュPROM、CompactFlash(TM)、Smartmedia(TM)、Memory Stick(R)など、またはその他の適切な媒体を含むがこれらには限定されない、データを記憶することができる任意の種類の媒体を含み得る。また、大容量データ記憶のための自動データ・ストレージ・ライブラリにおいて広く採用されているデータ・ストレージ・カートリッジの一例は、媒体が磁気テープである磁気テープ・カートリッジである。
【0058】
図6Aおよび
図6Bに、一実施例により図示されている付勢ばね152を有するマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100を示す。図の実施形態に示すように、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、内部空間115を画定するハウジング110を含む。また、複数の格納スロット120がハウジング内に配置され、所望の手法に応じて複数のデータ・ストレージ・カートリッジ500まで格納するように構成可能である。あるいは、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、一手法による自動データ・ストレージ・ライブラリの架台に組み込むことができる。
【0059】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、一実施形態によれば、格納スロット120が複数のデータ・ストレージ・カートリッジ500まで格納するように構成され、前部から後部の順に、ティア621、ティア622、ティア623、ティア624およびティア625の連続順に配置されているものとして図示されている。最前部のティア621を「ティア1」とも呼び、次のティア622を「ティア2」と呼ぶという具合に呼び、最後のティア625を「ティア5」または「最後部」ティアとも呼ぶことに留意されたい。ただし、
図2を参照すると、一実施形態では、シングル・カートリッジ格納スロット16を「ティア0」とも称する。一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、テープ・ライブラリ架台内の単一のスロット空間内に一列にスタックされたデータ・ストレージ・カートリッジ500などの最大5本のテープ・カートリッジ(5x)を格納することができる、データ・ストレージ架台11などのテープ・ライブラリ架台内の高密度格納スロットである。たとえば、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、段状の向きに最大5本のテープ・カートリッジを格納可能な高密度格納スロットであり、リニア・テープ・オープン(LTO)テープ・カートリッジのティア5位置がスロットに装填される最初のテープ・カートリッジ(テープ・ライブラリ架台の奥行き面の最後部テープ・カートリッジ)であり、ティア1位置がスロットに装填される最後のテープ・カートリッジ(テープ・ライブラリ架台の前面の最前部テープ・カートリッジ)である。ティア5位置のLTOテープ・カートリッジが要求された場合、その要求されたLTOテープ・カートリッジにアクセスするために、その前方のLTOテープ・カートリッジ(4本までのカートリッジ)を除去する必要がある。代替実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は最大4本のテープ・カートリッジを段状の向きに格納することができ、エンタープライズ・テープ・カートリッジのティア4位置がスロットに装填される最初のテープ・カートリッジ(最後部テープ・カートリッジ)であり、ティア1位置がスロットに装填される最後のテープ・カートリッジ(最前部テープ・カートリッジ)である。ティア4位置のエンタープライズ・カートリッジが要求された場合、その要求されたエンタープライズ・テープ・カートリッジにアクセスするために、その前方のエンタープライズ・テープ・カートリッジ(3本までのカートリッジ)を除去する必要がある。しかし、本発明の実施形態は、格納スロット内に任意の数の段状位置を有するテープ・ライブラリ架台とともに実施可能であることを理解されたい。
【0060】
一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、一実施形態によるマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100内のデータ・ストレージ・カートリッジ500などのデータ・ストレージ・カートリッジを保持する保持ゲートを有するカートリッジ遮断機構を含むことができる。一手法によると、保持ゲートは、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の前面開口部に対してマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100に外部から装着可能であり、保持ゲートはたとえばデータ・ストレージ・ライブラリ10のアクセス機構によって作動させることができる。また、保持ゲートは、付勢ばね152(
図6Aおよび
図6B参照)の圧力に対する正のカートリッジ保持力を可能にし、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の押し機構(図示せず)がデータ・ストレージ・カートリッジをマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の開口部まで連続的に押すことができるようにしながら、1つまたは複数のデータ・ストレージ・カートリッジがマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100から同時に押し出されないように保証する。したがって、一手法によると、アクセス機構は、ティア1におけるデータ・ストレージ・カートリッジにアクセスするために保持ゲートを開くことができ、それが抜き出されると、付勢ばね152が抜き出されたカートリッジの後方に位置するカートリッジを前方に移動させ、それによって以下で明らかになるようにカートリッジを1ティア分だけ進める。
【0061】
保持ゲートの基本機能は、データ・ストレージ・カートリッジがマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100から押し出されるのをゲートが防ぐことである。たとえば、保持ゲートは、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100からのカートリッジ取り外し/マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100へのカートリッジの挿入のために、たとえばグリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによって、または前部ストレージ・カートリッジによって、保持ゲートを持ち上げることができる。具体的には、保持ゲートは、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の構造に一体化可能な旋回ポストを介してマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100に取り付けられた旋回アームを有する。旋回アームは、保持ゲートの留め金の下に位置し、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の押し機構によって生じるデータ・ストレージ・カートリッジ500を介した推進力が、保持ゲートを保持位置で閉じたままにさせる。また、保持ゲートは、好ましくは、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の前面開口部の上から下方に閉じるように付勢される。この一定した付勢は、重力によって、またはたとえば保持ゲートに付加されたばね力を実装することによって行うことができる。
【0062】
グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによるマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100からの前部ストレージ・カートリッジの取り外しのために、保持ゲートを解放位置まで上方に持ち上げる必要があり、それによって保持ゲートの留め金が前部ストレージ・カートリッジから係合解除される。保持ゲートが解放位置まで持ち上げられ、アクセス機構がデータ・ストレージ・カートリッジ500などのデータ・ストレージ・カートリッジと係合させられると、アクセス機構は、ストレージ・カートリッジをマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100から、保持ゲートのいかなる妨害もなくアクセス機構のグリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリに引き出すことができる。
【0063】
前部ストレージ・カートリッジが引き出され、後続のデータ・ストレージ・カートリッジがマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100から押し出されないように保持されると、保持ゲートはそのカートリッジ取り出しプロセスを正常に完了している。グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリがストレージ・カートリッジをマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100に挿入し戻し始めると、ストレージ・カートリッジがマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の前面開口部を通ることができるように、保持ゲートがその解放位置まで持ち上げられる。保持ゲートの留め金がストレージ・カートリッジの後部、具体的には留め金の勾配付き表面と接合し、ストレージ・カートリッジがグリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによってマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100内に押し込まれるため、保持ゲートがその解放位置まで持ち上げられる。その際、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによって、データ・ストレージ・カートリッジがマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100内の先頭ストレージ・カートリッジの分だけマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100内にさらに深く押し込まれる。したがって、グリッパ・アセンブリ20は、それに対して逆平行の推進力よりも大きい力を与えることができ、ストレージ・カートリッジの方向偏りに打ち勝つ。マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100内に完全に挿入されると、保持ゲートはその保持位置に移動してストレージ・カートリッジと係合する。
【0064】
したがって、本明細書で示されている様々な実施形態を参照すると、格納スロットへのアクセスは、格納スロットからカートリッジを取り出す機能、格納スロットにカートリッジを入れる機能、またはこれらの組合せを含み得る。
【0065】
一実施形態によると、最上部から最下部までの格納スロットは平行であり、同じティアを含むとみなされる。また、特定の列における前部から後部までの格納スロットは順に連続しており、連続したティアを含むとみなされる。
【0066】
一実施形態では、たとえばI/Oステーションにおいてデータ・ストレージ・ライブラリ10に1つまたは複数のデータ・ストレージ・カートリッジを追加することができ、次にデータ・ストレージ・ライブラリ10は、単一のアクセス機構18を、そのデータ・ストレージ・カートリッジを特定のマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100まで移送してデータ・ストレージ・カートリッジをその中に入れるように動作させることができる。同様に、コントローラは、単一のアクセス機構18を、シングル・カートリッジ格納スロット16についてもデータ・ストレージ・カートリッジを選択的に抜き出し、配置および移送し、または、挿入または追加されたカートリッジを特定のシングル・カートリッジ格納スロット16に移送し、あるいはこれらの組合せを行うように動作させることができる。
【0067】
図7に、ロック可能エア・ギャップ機構と、グリッパ・アセンブリ20などのテープ・グリッパ・アセンブリとを有する少なくとも1つのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100を含むデータ・ストレージ架台11の、全体が700で示されている側面透視図を示す。この例示の実施形態では、データ・ストレージ架台11は、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100などの複数の高密度格納スロットを含む。一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、ディープ・スロット・セル前面726がデータ・ストレージ架台前面722に対向し、ディープ・スロット・セル奥行き面728がデータ・ストレージ架台奥行き面724に対向するような向きでデータ・ストレージ架台11内に配置されている。例示を目的として、1つの非改変ディープ・スロット・セルと、ロック可能エア・ギャップ機構を有する1組の3つの改変ディープ・スロット・セルとの比較を示すために、4つのディープ・スロット・セルが図示されている。
【0068】
一実施形態では、ディープ・スロット・セル100などのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルが、ティア1テープ702、ティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの複数のテープ・カートリッジを含み、各テープ・カートリッジが、ディープ・スロット・セル100のディープ・スロット・セル前面726における
図6Aのティア621などのティア1位置に配置されたティア1テープ702から始まり、ディープ・スロット・セル100のディープ・スロット・セル奥行き面728における
図6Aのティア625などのティア5位置に配置されたティア5テープ710で終わる、段状横方向レイアウトの向きに格納されている。ロック可能エア・ギャップ機構を有する1組の3つの改変ディープ・スロット・セルは、ディープ・スロット・セル100内の最前部、典型的には非改変ディープ・スロット・セルに図示されているティア1テープ702などのティア1テープが占める位置に位置するロック・テープ732を含む。
【0069】
一実施形態では、ロック・テープ732は、ロック機構730などのロック機構をディープ・スロット・セル100のハウジングの後部に係合させるように、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セル内の1つまたは複数の後続テープ・カートリッジ(すなわち、
図6Aのそれぞれティア621、ティア622、ティア623、ティア624およびティア625に位置するティア1テープ702、ティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710など、ティア2、ティア3、ティ4およびティア5位置にあるテープ・カートリッジを含むスタック)を、十分な距離だけディープ・スロット・セル前面726からディープ・スロット・セル奥行き面728に向かって内側に押すことができるテープ・カートリッジである。一実施形態では、ロック機構730などのロック機構をディープ・スロット・セル100のハウジングの後部に係合(たとえば、フック、ツイスト、ラッチ、スナップなど)させるためにロック・テープ732が使用される。一実施形態では、ロック・テープ732は、クリーナ・テープ・カートリッジ、空の通常テープ・カートリッジ、保護する必要がないデータを記憶したテープ・カートリッジ、診断テープ・カートリッジ、または、ディープ・スロット・セル内の1つまたは複数の後続テープ・カートリッジを、ロック機構730などのロック機構をディープ・スロット・セル100のハウジングの後部に係合させるようにディープ・スロット・セル前面からディープ・スロット・セル奥行き面に向かって十分な距離だけ押すことができる大きさのその他のテープ・カートリッジとすることができる。一実施形態では、ロック・テープ732がディープ・スロット・セル100に挿入されると、ロック機構730などのロック機構がディープ・スロット・セル100のハウジングの後部と係合させられ(すなわち「遮断」状態)、それによって、付勢ばね152などのばね機構および押し機構738などの押し機構をディープ・スロット・セル100のハウジングの後部にロックし、両者を動作不能にし、
図6Aのそれぞれティア622、ティア623、ティア624およびティア625に位置するティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの1つまたは複数のテープ・カートリッジを前進させることができないようにする。一実施形態では、ロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジは、ロック機構730などのロック機構がディープ・スロット・セル100のハウジングの後部に係合されるとグリッパ・アセンブリ20などのテープ・ライブラリ・ロボット機構によって取り外すことができるが、
図6Aのそれぞれティア622、ティア623、ティア624およびティア625に位置するティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710など、ティア2位置、ティア3位置、ティア4位置およびティア5位置に格納されている後続のテープ・カートリッジは、ロック機構730を解除するための手動介入なしにはグリッパ・アセンブリ20によってディープ・スロット・セル100から取り外すことができない。一実施形態では、ロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジがグリッパ・アセンブリ20などのテープ・ライブラリ・ロボット機構によってディープ・スロット・セル100から取り外され、ロック機構730などのロック機構がディープ・スロット・セル100のハウジングの後部と係合させられると、ロック・テープ732の取り外しによって、ディープ・スロット・セル前面726に、グリッパ・アセンブリ20がそれぞれ
図6Aのティア622、ティア623、ティア624およびティア625に位置するティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708、およびティア5テープ710など、ティア2位置、ティア3位置、ティア4位置およびティア5位置に格納されている後続のテープ・カートリッジを取り外すのを防ぐ、ロック可能エア・ギャップ736などのエア・ギャップが生じる。
【0070】
付勢ばね152などのばね機構が、押し機構738などのディープ・スロット・セル100の押し機構に組み込まれており、ともに、付勢ばね152と押し機構738とが、各テープ・カートリッジがたとえば
図6のティア621、ティア622、ティア623、ティア624およびティア625に格納されているティア1テープ702、ティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708,およびティア5テープ710などの、ディープ・スロット・セル100内に装填されている、複数のテープ・カートリッジにばね張力を加えて、これらの複数のテープ・カートリッジを、グリッパ・アセンブリ20などのデータ・ストレージ架台11のテープ・ライブラリ・ロボット装置によるアクセスのためにディープ・スロット・セル前面626に向かって横方向に前方に移動させる。一実施形態では、
図7に示すように、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルからの複数のテープ・カートリッジの正常な装填と取り出しとを容易にするためのそれぞれの付勢ばね152と押し機構738とを含む、非改変スロット742などの非改変ディープ・スロット・セルが示されている。一実施形態では、
図7に示すように、それぞれが、ロック可能前部エア・ギャップ736などのロック可能エア・ギャップがディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルからの複数のテープ・カートリッジの正常な装填と取り出しとを不能にすることができるようにするそれぞれのロック可能付勢ばね734と押し機構738とロック機構730とを含む、改変スロット740などの3つの改変ディープ・スロット・セルが示されている。
【0071】
簡潔にするために、
図7には、改変スロット740などの3つの改変マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルと、非改変スロット742などの非改変マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルとが示されているが、本発明の実施形態は、データ・ストレージ架台内の最大物理容量まで、データ・ストレージ架台内においてマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルの任意の組合せで同様に実施可能であることを理解されたい。たとえば、データ・ストレージ架台は、複数の非改変マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルとともに、1つの改変マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルのみを含んでもよく、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルのすべてが改変されてもよく、または複数のマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルの任意の組合せが改変されてもよい。
【0072】
一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100などのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルが、ディープ・スロット・セル奥行き面728に格納された複数のテープ・カートリッジのそれぞれに堅牢なデータ保護を与える、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の物理的改変を含む。一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100は、協調的な手動支援なしに、データ・ストレージ・ライブラリ10のグリッパ・アセンブリ20などのテープ・ライブラリ・ロボット装置が、ディープ・スロット・セル100内のロック・テープ732などのロック可能テープ・カートリッジの背後に格納されているデータ・ストレージ・カートリッジ500などの任意のテープ・カートリッジを取り外すのを防ぐ、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジングに組み込まれた物理的改変を含む。一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の物理的改変は、ロック機構730などのロック機構を、ディープ・スロット・セル100のハウジング内に、ロック可能付勢ばね734などの少なくともばね機構または押し機構738などの押し機構あるいはその両方にロック機構730などのロック機構を組み込むことを含む。代替実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の物理的改変は、ロック可能付勢ばね734または押し機構738あるいはその両方にロック機構730を機械的に取り付けることによって、ロック機構730などのロック機構を、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の付勢ばね152などの少なくともばね機構または押し機構738などの押し機構あるいはその両方に、組み込むことを含む。たとえば、ロック機構730は、機械的締め具(たとえばナットとボルト、ねじ、ピン、リベットまたは当技術分野で知られている任意のその他の適切な機械的締め具)を使用して、ロック機構730をロック可能付勢ばね734または押し機構738あるいはその両方に取り付けることによって、付勢ばね152または押し機構738あるいはその両方と一体化されてもよい。さらに別の実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の物理的改変は、ロック機構730が押し機構738と完全に一体化されるように押し機構738の製造時に押し機構738のハウジング(たとえば構造体)にロック機構730を成形(たとえばプラスチック成形、複合成型、一体成形など)することによって、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内のロック可能付勢ばね734などの少なくともばね機構または押し機構738などの押し機構あるいはその両方にロック機構730などのロック機構を組み込むことを含む。さらに別の実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の物理的改変は、ロック機構730をロック可能付勢ばね734または押し機構738あるいはその両方に十分に取り付けるように成形または機械的連結あるいはその両方の任意の組合せによって、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内にロック機構730などのロック機構をロック可能付勢ばね734などの少なくともばね機構または押し機構738などの押し機構あるいはその両方に組み込むことを含む。
【0073】
一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のロック可能付勢ばね734または押し機構738あるいはその両方と一体化され、ディープ・スロット・セル奥行き面728においてマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジングの後部に係合するロック機構730などのロック機構を使用して、ロック・テープ732などのロック・テープのすぐ後ろのディープ・スロット・セル前面726などのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の前部における、
図6Aのティア622などのティア2位置に位置するティア2テープ704などのテープ・カートリッジが、ロック可能前部エア・ギャップ736の形成により、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによって成功裏に把持されることができなくなる。たとえば、理論上「ハッキングされた」ライブラリは、テープ・カートリッジを把持しようと試みる可能性があるが、ディープ・スロット・セルの奥行き面において係合しているロック機構によりディープ・スロット・セルのばね機構または押し機構あるいはその両方が動作不能にされることになり、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリがテープ・カートリッジを成功裏に把持することを防止するディープ・スロット・セルの前面におけるロック可能前部エア・ギャップを形成するため、その動きに失敗し、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリの指がテープ・カートリッジに成功裏にラッチしない。
【0074】
一実施形態では、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のロック可能付勢ばね734または押し機構738あるいはその両方と一体化され、ディープ・スロット・セル奥行き面728においてマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジングの後部に係合するロック機構730などのロック機構が、ロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジがディープ・スロット・セル100から取り外されると、ディープ・スロット・セル前面726においてロック可能前部エア・ギャップを形成する。一実施形態では、ロック可能前部エア・ギャップ736は、それぞれがたとえばディープ・スロット・セル100内の
図6のティア621、ティア622、ティア623、ティア624、およびティア625に格納されているティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの複数のテープ・カートリッジをグリッパ・アセンブリ20が取り外すのを防止する、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内の「エア・ギャップ」を提供する。一実施形態では、ロック可能前部エア・ギャップ736は、それぞれがたとえば
図6のティア621、ティア622、ティア623、ティア624およびティア625に格納されているティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710を、ロック・テープ732の後ろのディープ・スロット・セル100に装填された後はアクセス不能にする。一実施形態では、ディープ・スロット・セル前面726からマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のハウジング内までのロック可能前部エア・ギャップ736の距離は、少なくともロック・テープ732の長さまたはロック機構730の長さあるいはその両方によって決まる。
【0075】
たとえば、改変スロット740などのロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルにテープ・カートリッジが装填される(すなわちその中に格納される)と、そのロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルからテープ・カートリッジを適切に取り外すには追加の協調的ユーザ介入が必要である。改変スロット740などのロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルからテープ・カートリッジが取り外されることになるこの実施例では、ユーザ・オペレータがホスト・コンピュータから警報を受け取り、ティア2テープ704などのテープ・カートリッジが格納されているデータ・ストレージ架台11などのデータ・ストレージ架台を探索し、そのデータ・ストレージ架台の後部扉を開け、データ・ストレージ架台の後部から適切なロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルを探索し、ロック機構730などのロック機構を押すことによってロック機構を解除して、ティア5テープ710などの最後部のテープ・カートリッジをディープ・スロット・セル前面726に向かって前方に自動的に前進させることになる。この実施例では、データ・ストレージ架台11などのデータ・ストレージ架台が、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリがディープ・スロット・セル100などのロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルを探索してティア2テープ704などのテープ・カートリッジを把持するコマンドを受け取るまで、ロック機構730などのロック機構が解除された状態で、ロック可能付勢ばね734と押し機構738がディープ・スロット・セル前面726におけるロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セル内にテープ・カートリッジのスタックを保持する。この実施例では、ロック可能付勢ばね734などのばね機構を解除し、1つまたは複数のテープ・カートリッジを前進させるためにユーザがロック機構730などのロック機構を押すアクションを与えることにより、この操作はローカルのユーザ・オペレータとデータ・ストレージ・ライブラリ制御との間の協調的作業を必要とするため、この操作はサイバー攻撃に対してきわめてセキュアである。
【0076】
また、既存のディープ・スロット・セルの幾何形状は、テープ・カートリッジをデータ・ストレージ架台11などのデータ・ストレージ架台の後部から取り外すことができるようになっていない。たとえば、テープ・カートリッジがディープ・スロット・セルの背面を通して物理的に取り出せないことになるため、ロック機構730などのロック機構を使用してマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100の付勢ばね152などのディープ・スロット・セルのばね機構を動作不能にすることは、データ・ストレージ架台との直接的な人間の介在によるデータ損失またはデータ盗難の脅威を軽減する。
【0077】
一実施形態では、ロック機構730などのロック機構が、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のディープ・スロット・セル奥行き面728などの、ディープ・スロット・セルの奥行き面に位置する穴またはアクセス穴あるいはその両方の寸法を通過すると自動的に押下可能な、ばね仕掛けのトグル・ボルト、スナップ留めラッチ、バタフライ・ラッチ、または当技術分野で知られている任意のその他の適切なロック機構など、単純な物理的ロック機構である。一実施形態では、ロック機構730は、ティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などのティア2、ティア3、ティア4およびティア5テープ・カートリッジがグリップ・アセンブリ20によってディープ・スロット・セル100内に装填された後、最前部のテープ・カートリッジとして、ロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジがディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セル内に装填されると自動的に係合する。たとえば、改変スロット740にロック・テープ732を装填すると、ディープ・スロット・セル100のロック可能付勢ばね734と押し機構738が、ロック機構730を使用してディープ・スロット・セル100内部の後部にロックされる。この実施例では、グリッパ・アセンブリ20がティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710を成功裏に把持することができなくなるが、ロック・テープ732を取り外すことができる。
【0078】
一実施形態では、ロック機構730は、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルの奥行き面に位置する穴、開口部、またはアクセス穴あるいはこれらの組合せを通過させられると(たとえば入ると)自動的に押下可能であり、穴またはアクセス穴あるいはその両方を通過するとロック可能位置に延び、ばね機構または押し機構あるいはその両方を、マルチカートリッジ・ディープ・スロット・セル100のディープ・スロット・セル前面726におけるロック可能前部エア・ギャップ736などのマルチカートリッジ・ディープ・スロット・セルの前部におけるロック可能前部エア・ギャップを生じさせるのに十分な長さでロックアウトすることができる、押下可能ロック機構とすることができる。一実施形態では、ロック機構730は、ディープ・スロット・セルのハウジングの後部に結合可能であるか、またはデータ・ストレージ架台の後部扉に結合可能な、特別に設計されたロック機構とすることができる。一実施形態では、ロック機構730は、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルのハウジングと自動的に係合することができ、ユーザの介入により手動でディープ・スロット・セルのハウジングから係合解除することができる、押下可能ラッチ、ねじりレバー、フック機構、持ち上げ可能ラッチ、ばね仕掛けの四分の一回転締め具、スライド式留め金、旋回機構、圧力により作動するラッチなど、任意の考えられる種類のロック機構とすることができる。
【0079】
一実施形態では、
図7に示すように、改変スロット740などの3つの改変ディープ・セル・スロットが示されており、それぞれが、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルのハウジング内の両方の付勢ばね152または押し機構738あるいはその両方と一体化された、ロック機構730などのロック機構を有する。改変スロット740などの3つの改変ディープ・スロット・セルのそれぞれが、ロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジがディープ・スロット・セル100から取り外され、ユーザがロック機構730などのロック機構を係合解除し始めているロック状態と、ロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジが
図6Aのティア621などのティア1位置に装填されているロック状態と、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによる取り外しのためにティア2テープ704などのテープ・カートリッジが付勢ばね152と押し機構738によって
図6Aのティア621などのティア1位置に前進させられるロック解除状態とを含むがこれらには限定されない異なる動作状態を示している。一実施形態では、ロック機構730が、ロック可能付勢ばね734または押し機構738あるいはその両方に取り付けられ、ディープ・スロット・セル100のハウジングの後部と係合するとディープ・スロット・セル100のハウジング内にロック可能前部エア・ギャップ736などのロック可能前部エア・ギャップが生じ、ロック可能前部エア・ギャップ736が、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリが1つまたは複数のテープ・カートリッジにアクセスするのを防止することによってディープ・スロット・セル100内のティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの1つまたは複数のテープ・カートリッジにデータ保護を与える。
【0080】
一実施形態では、データ・ストレージ架台11などのデータ・ストレージ架台内の改変スロット740などのロック可能エア・ギャップ付きスロット・セルの数と位置は、少なくとも部分的にテープ・ライブラリ顧客の要件に基づいて異なり得る。たとえば、わずか1つのスロット・セル、またはデータ・ストレージ・ライブラリ(すなわちテープ・ライブラリ)のデータ・ストレージ架台(すなわちテープ・ライブラリ架台)内のすべてのディープ・スロット・セルという多数のスロット・セルを、ばね機構または押し機構あるいはその両方に取り付けられた組込みロック機構を使用してディープ・スロット・セル内のばね機構または押し機構あるいはその両方を動作不能にすることによるロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルとして構成可能である。一実施形態では、最大で5本のテープ・カートリッジを格納することができるロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルに格納可能なテープ・カートリッジの数は、単一のテープ・カートリッジから最大4本のテープ・カートリッジの深さ(すなわち、グリッパ・アセンブリによって取り外し可能であり、したがって保護されないティア1位置を占めるロック可能テープ・カートリッジのため、高密度ストレージ・スロット内の最大4本のテープ・カートリッジ)まで異なり得る。たとえば、
図6Aのティア624に位置するティア4テープ708などのより深いテープ・カートリッジを改変スロット740などのロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルから取り外す必要がある場合、希望のテープ・カートリッジが取り出されるまで、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによるテープ・カートリッジ取り出しのために、テープ・カートリッジのスタックをディープ・スロット・セル前面726などのディープ・スロット・セルの前面に向かって自動的に前進させるように、人間のオペレータが、ディープ・スロット・セル100のハウジングからロック機構を係合解除し、ロック可能付勢ばね734などのばね機構または押し機構738などの押し機構の解除を可能にするために、ロック可能機構730などのロック可能機構を押す必要が生じることになる。
【0081】
一実施形態では、ロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルがテープ・ライブラリ内のテープ・カートリッジにデータを記憶するきわめてセキュアな方法を提供するとともに、ロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セルを、物理ロック、扉開閉の電子的監視、およびカートリッジの物理的インベントリなどのテープ・ライブラリの多くの従来のセキュリティ手段とともに組み込むことができ、それによってロック可能エア・ギャップ付きディープ・スロット・セル内に配置されたテープ・カートリッジにアクセスするためのテープ・ライブラリ・ロボット装置の制御への悪意ある侵入に伴ういかなるリスクもなくすという追加の利点を提供する。
【0082】
図8に、本発明の一実施形態によるデータ・ストレージ保護を与えるためのステップを示す、全体が800で示されたフローチャートを示す。一実施形態では、データ・ストレージ保護を与える方法は、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルを改変するステップを含み、ディープ・スロット・セルを改変するステップは、ディープ・スロット・セルのばね機構にロック機構を一体化すること(802)と、ロック機構と係合するようにディープ・スロット・セルの奥行き面に開口部を形成すること(804)と、ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しを行うことによってディープ・スロット・セルの前面において前部エア・ギャップを形成すること(806)とを含む。
【0083】
一実施形態では、ディープ・スロット・セルのばね機構にロック機構を一体化すること(802)は、付勢ばね152に機械的に取り付けられたロック機構730などのロック機構を有するように、ディープ・スロット・セル100の付勢ばね152などのディープ・スロット・セルのばね機構を改変することを含む。たとえば、ディープ・スロット・セル100の付勢ばね152などのディープ・スロット・セルのばね機構を、ロック機構がディープ・スロット・セル奥行き面728などのディープ・スロット・セルの奥行き面にある開口部と係合すると、ロック機構が、付勢ばね機構がディープ・スロット・セル内に格納されたロック・テープ732、ティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの1つまたは複数のテープ・カートリッジに前方圧力を加えるのを防止するように、付勢ばね機構にロック機構をしっかりと取り付けるために1つまたは複数のねじ、ナットとボルトの1つまたは複数の組合せ、1つまたは複数のクリップ、1つまたは複数のリベットなどの1つまたは複数の機械的締め具を使用して、付勢ばね152に機械的に取り付けられたロック機構730などのロック機構を有するように改変することができる。
【0084】
一実施形態では、ロック機構と係合するようにディープ・スロット・セルの奥行き面に開口部を形成すること(804)は、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルのハウジング内に穴を機械加工することを含む。たとえば、ディープ・スロット・セル奥行き面728などのディープ・スロット・セルの奥行き面に開口を形成することは、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルのハウジングに穴を機械加工することを含み、穴は、ロック機構730などのロック機構を受け入れる大きさとされ、穴は、付勢ばね152などの付勢ばね機構がティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの1つまたは複数のテープを、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによる取り外しのためにディープ・スロット・セル前面726などのディープ・スロット・セルの前面まで自動的に前進させるのを防止するために、ロック機構をディープ・スロット・セルのハウジングの一部に自動的に係合させるように構成される。
【0085】
一実施形態では、ロック・テープ・カートリッジを装填および取り外しすることによってディープ・スロット・セルの前面に前部エア・ギャップを形成すること(806)は、ディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルに装填されるとロック機構730などのロック機構を係合させるようにロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジを使用することと、ディープ・スロット・セルから取り外されると、任意の格納されている1つまたは複数のテープ・カートリッジをグリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリから隔離するように、ロック可能前部エア・ギャップ736などのロック可能前部エア・ギャップを露出させることとを含む。たとえば、ディープ・スロット・セル前面726などのディープ・スロット・セルの前面にロック可能前部エア・ギャップ736などの前部エア・ギャップを形成することは、グリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリを介してロック・テープ732などのロック・テープ・カートリッジを、ディープ・スロット・セル前面726などのディープ・スロット・セルの前面に装填することを含み、それによって、付勢ばね152などの付勢ばね機構が、ティア2テープ704、ティア3テープ706、ティア4テープ708およびティア5テープ710などの1つまたは複数のテープ・カートリッジを、ディープ・スロット・セル前面726などのディープ・スロット・セルの前面まで自動的に前進させるのを自動的に防止するために、ロック機構730などのロック機構をディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルのハウジングの一部に係合させ、また、ロック可能前部エア・ギャップ736を露出させるようにグリッパ・アセンブリ20などのグリッパ・アセンブリによってディープ・スロット・セル100などのディープ・スロット・セルのハウジングからロック・テープ732などのロック・テープを取り外すこととを含み、ロック可能前部エア・ギャップ736が、グリッパ・アセンブリ20が
図7の改変スロット740によって示すようにティア2テープ704などの最前部のテープ・カートリッジに達するのを防止する。
【0086】
図9は、本発明の一実施形態による、全体が900で示されている
図1のデータ・ストレージ・ライブラリ10と相互接続されたサーバ・コンピュータ(たとえばホスト・コンピュータ)などのコンピューティング・システムのコンポーネントを示す、全体が900と示されているブロック図である。
図9は、一実装形態の例示を示すに過ぎず、異なる実施形態も実装可能であるという点で環境に関するいかなる限定も含意しないことを理解されたい。図の環境には多くの変更を加えることができる。
【0087】
例示の実施形態では、ホスト・コンピュータが、コンピュータ・システム910などの汎用コンピューティング・デバイスの形態で示されている。コンピュータ・システム910のコンポーネントには、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット914と、メモリ924と、メモリ924を含む様々なシステム・コンポーネントを処理ユニット914に結合するバス916とが含まれ得るが、これらには限定されない。
【0088】
バス916は、様々なアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、ペリフェラル・バス、アクセラレーテッド・グラフィックス・ポート、およびプロセッサ・バスまたはローカル・バスを含む、数種類のバス構造のいずれかのうちの1つまたは複数に相当する。例として、限定ではなく、そのようなアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(VESA)ローカル・バスおよびペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バスが含まれる。
【0089】
コンピュータ・システム910は、典型的には様々なコンピュータ・システム可読媒体を含む。そのような媒体は、コンピュータ・システム910によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよく、揮発性と不揮発性の両方の媒体、取り外し型と非取り外し型の媒体を含む。
【0090】
メモリ924は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)926またはキャッシュ・メモリ928あるいはその両方などの揮発性メモリの形態のコンピュータ・システム可読媒体を含み得る。コンピュータ・システム910は、他の取り外し型/非取り外し型、揮発性/不揮発性コンピュータ・システム記憶媒体をさらに含むことができる。例示に過ぎないが、非取り外し型不揮発性磁気媒体(図示されておらず、一般には「ハード・ドライブ」と呼ばれる)からの読み出しおよび非取り外し型不揮発性磁気媒体への書き込みのために、ストレージ・システム930を設けることができる。図示されていないが、取り外し可能型不揮発性磁気ディスク(たとえば「フロッピィ・ディスク」)からの読み出しおよび取り外し型不揮発性磁気媒体への書き込みのための磁気ディスク・ドライブと、CD-ROM、DVD-ROMまたはその他の光媒体などの取り外し型不揮発性光ディスクからの読み出しまたは取り外し型不揮発性光ディスクへの書き込みのための光ディスク・ドライブを備えることができる。そのような場合、それぞれが1つまたは複数のデータ・メディア・インターフェースによってバス916に接続可能である。以下でさらに図示および説明するように、メモリ924は、本発明の実施形態の機能を実施するように構成された1組(たとえば少なくとも1つ)のプログラム・モジュールを有する少なくとも1つのコンピュータ・プログラム製品を含み得る。
【0091】
1つまたは複数のプログラム・モジュール934のセットを有するプログラム/ユーティリティ932が、オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、その他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データとともに、例として、限定ではなく、メモリ924に記憶されてもよい。オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、その他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データまたはこれらの何らかの組合せのそれぞれが、ネットワーキング環境の実装形態を含むことができる。プログラム・モジュール934は、本明細書に記載のように、本発明の実施形態の機能または方法あるいはその両方を全般的に実施する。コンピュータ・システム910は、キーボード、ポインティング・デバイス、ディスプレイ922などの1つまたは複数の外部デバイス912、または、ユーザがコンピュータ・システム910と対話することを可能にする1つまたは複数のデバイス、および、コンピュータ・システム910が1つまたは複数の他のコンピューティング・デバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(たとえばネットワーク・カード、モデムなど)と通信することも可能である。このような通信は入力/出力(I/O)インターフェース920を介して行うことができる。さらに、コンピュータ・システム910は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、汎用ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、またはパブリック・ネットワーク(たとえばインターネット)あるいはこれらの組合せなど、1つまたは複数のネットワークとネットワーク・アダプタ918を介して通信することができる。図のように、ネットワーク・アダプタ918は、コンピュータ・システム910の他のコンポーネントとバス916を介して通信する。図示されていないが、マイクロコード、デバイス・ドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスク・ドライブ・アレイ、RAIDシステム、テープ・ドライブおよびデータ・アーカイブ・ストレージ・システムなど他のハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントが、コンピュータ・システム910とともに使用されてもよいことを理解されたい。
【0092】
本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはこれらの組合せとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。一実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、サーバ・コンピュータの内部にあってもよい。別の実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、サーバ・コンピュータの内部にあってもよい。他の実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、クライアント・コンピュータがデータ・ストレージ・ライブラリ10上でコンピュータ可読プログラム命令を実行するためにネットワーク接続を介してサーバ・コンピュータと通信するように、サーバ・コンピュータの外部に格納されてもよい。
【0093】
別の実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、データ・ストレージ・ライブラリ10の内部にあってもよい。他の実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、サーバ・コンピュータがデータ・ストレージ・ライブラリ10上でコンピュータ可読プログラム命令を実行するためにネットワーク接続を介してデータ・ストレージ・ライブラリ10と通信するように、データ・ストレージ・ライブラリ10の外部に格納されてもよい。
【0094】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持し、記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学式ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せであってよいが、これらには限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、可搬コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、可搬コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ・ディスク、パンチカードまたは命令が録音された溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適切な組合せが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体とは、電波またはその他の自由に伝播する電磁波、導波路またはその他の伝送媒体を伝播する電磁波(たとえば光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、またはワイヤを介して伝送される電気信号などの、一過性の信号自体であると解釈されるべきではない。
【0095】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、それぞれのコンピューティング/処理デバイスに、またはネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、または無線ネットワークあるいはこれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバあるいはこれらの組合せを含んでもよい。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために転送する。
【0096】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、インストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、もしくは同様のプログラム言語などの従来型の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして全体がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上でおよび一部がリモート・コンピュータ上で、または全体がリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行ってもよい。一部の実施形態では、本発明の態様を実行するために、たとえばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0097】
本発明の態様について、本明細書では、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品を示すフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら説明している。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図の各ブロックおよび、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることを理解されたい。
【0098】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサにより実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで指定されている機能/動作を実装する手段を形成するようにマシンを実現するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに供給することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで指定されている機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスあるいはこれらの組合せに対して特定の方式で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0099】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブル装置またはその他のデバイス上で実行される命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックで指定されている機能/動作を実装するように、コンピュータ、その他のプログラマブル装置、またはその他のデバイス上で一連の動作ステップが実行されてコンピュータ実装プロセスを実現するようにするために、コンピュータ、その他のプログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。
【0100】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能および動作を示す。これに関連して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定されている論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。一部の別の実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。たとえば、連続して示されている2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には、実質的に並行して実行されてもよく、またはブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、指定されている機能または動作を実行する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装可能であるか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せによって実施可能であることに留意されたい。
【0101】
本発明の様々な実施形態の説明を例示のために示したが、網羅的であることまたは開示している実施形態に限定されることは意図していない。本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場に見られる技術に対する技術的改良を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示されている実施形態を理解することができるようにするために選択されている。
【0102】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態について説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。本明細書のいずれの特定の表記も単に便宜上使用されているに過ぎず、したがって、本発明はそのような表記によって識別されているかまたは含意されているかあるいはその両方であるいかなる特定の機能における使用のみに限定されるべきではないことを理解されたい。また、本明細書で使用されている単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別の解釈を示していない限り、複数形も含むことが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ・ストレージ保護を与えるための装置であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、
前記ディープ・スロット・セルが、
ロボット機構によって前記複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前面と、
前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって自動的に前進させるのを防止するロック機構を係合させる開口部を備えて構成された、前記ディープ・スロット・セルの奥行き面と、
前記ロボット機構が前記ディープ・スロット・セルから前記ロック・テープ・カートリッジを取り外した後、前記ロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前記前面における前部エア・ギャップとを含む、装置。
【請求項2】
前記ディープ・スロット・セルが、前記ディープ・スロット・セルのハウシング内から前記ロック機構に取り付けられた付勢ばね機構を含むように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ディープ・スロット・セルが、前記ディープ・スロット・セルのハウジング内から前記ロック機構に取り付けられた押し機構を含むように構成され、前記押し機構が、前記ディープ・スロット・セル内に格納されている前記複数のテープ・カートリッジを前方に自動的に前進させるための前記付勢ばね機構を含む前記ディープ・スロット・セルのコンポーネントである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ロボット機構が、前記データ・ストレージ・ライブラリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ロック・テープ・カートリッジが、前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セルの前記前面に挿入されるのに応答して、前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記ロック・テープ・カートリッジの後方の他のテープ・カートリッジのそれぞれを、前記ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部と係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押す、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ディープ・スロット・セルの前記前面から前記ディープ・スロット・セルのハウジング内までの前記ディープ・スロット・セルの前記前部エア・ギャップの長さが、前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セル内に挿入された前記ロック・テープ・カートリッジの寸法と前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングの前記部分との係合時の前記ロック機構の長さとに少なくとも部分的に基づいて決まる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部に入ると自動的に押下され、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過するとロック可能位置内まで自動的に延びることが可能な押下可能ロック機構である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面において前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングから、ユーザ介入により手動で係合解除可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面から手動で係合解除されると、グリッパ・アセンブリが前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記最前部のテープ・カートリッジを取り外すことができるように、前記付勢ばね機構が前記複数のテープ・カートリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させることができるようにする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ロック・テープ・カートリッジが、保護する必要がないと特定されたデータを記憶しているテープ・カートリッジである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
データ・ストレージ保護を与えるための装置であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、
前記ディープ・スロット・セルが、
ロボット機構による複数のテープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前面と、
前記ロボット機構による前記複数のテープ・カートリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前記前面であって、前記ロック・テープ・カートリッジが前記ロボット機構によって前記ディープ・スロット・セルの前記前面に挿入されることが、前記ロック・テープ・カートリッジの後方の前記複数のテープ・カットリッジのそれぞれを前記ディープ・スロット・セルの奥行き面に向かって押す、前記前面と、
ロック機構と係合する開口部を備えて構成された前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面であって、係合した前記ロック機構が前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構を動作不能する、前記奥行き面と、
前記ロボット機構が前記ディープ・スロット・セルから前記ロック・テープ・カートリッジを取り外した後、前記ロボット機構が前記複数のテープ・カットリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達することを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前記前面における前部エア・ギャップと、
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面において前記ディープ・スロット・セル
のハウジングからユーザ介入により手動で係合解除されるように構成された前記ロック機構とを含む、装置。
【請求項12】
データ・ストレージ保護を与えるための装置であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを含むデータ・ストレージ・ライブラリを含み、
前記ディープ・スロット・セルが、
ロボット機構による複数のテープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前面であって、前記ロボット機構が前記データ・ストレージ・ライブラリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである、前記前面と、
前記ロボット機構による前記複数のテープ・カットリッジのうちのロック・テープ・カートリッジの挿入と取り外しとを可能にするように構成された前記ディープ・スロット・セルの前記前面であって、前記ロック・テープ・カートリッジが前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セルの前記前面に挿入されることが、前記ロック・テープ・カートリッジの後方の前記複数のテープ・カートリッジのそれぞれを、ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの奥行き面で構成された開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部と係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押す、前記前面と、
前記ロック機構と係合する前記開口部を備えて構成された前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面であって、係合した前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最後部のテープ・カートリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させるのを防止する、前記奥行き面と、
前記グリッパ・アセンブリが前記ディープ・スロット・セルから前記ロック・テープ・カートリッジを取り外した後で、前記ロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前記前面における前部エア・ギャップと、
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面において前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングからユーザ介入によって手動で係合解除されるように構成された前記ロック機構であって、押下可能ロック機構である前記ロック機構とを含む、装置。
【請求項13】
データ・ストレージ保護を与える方法であって、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを改変することを含み、
前記ディープ・スロット・セルを改変することが、
ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構と一体化することと、
前記ロック機構と係合するように前記ディープ・スロット・セルの奥行き面において開口部を形成することと、
ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しとを行うことによってロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップを形成することとを含む、方法。
【請求項14】
前記ディープ・スロット・セルを改変することが、
前記ディープ・スロット・セルのハウジング内で前記付勢ばね機構に前記ロック機構を機械的に取り付けることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ディープ・スロット・セルを改変することが、
前記ディープ・スロット・セルのハウジング内で前記ロック機構を押し機構に機械的に取り付けることをさらに含み、前記押し機構が、前記ディープ・スロット・セル内に格納された前記複数のテープ・カートリッジを前方に自動的に前進させるための前記付勢ばね機構を含む前記ディープ・スロット・セルのコンポーネントである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ロボット機構が前記データ・ストレージ・アセンブリ内に組み込まれたグリッパ・アセンブリである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記ロック・テープ・カットリッジの後方の他のテープ・カートリッジのそれぞれを、前記ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部に係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押すように、前記ディープ・スロット・セルの前記前面に前記ロック・テープ・カットリッジを挿入することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セル内に挿入された前記ロック・テープ・カートリッジの寸法と、前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジングの部分との係合時の前記ロック機構の長さとに少なくとも部分的に基づいて、前記ディープ・スロット・セルの前記前面から前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジング内までの前記ディープ・スロット・セルの前記前部エア・ギャップの長さを決定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面から前記ロック機構を手動で係合解除することをさらに含み、前記ロック機構を係合解除することが、グリッパ・アセンブリが前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記最前部のテープ・カートリッジを取り外すことができるようにするために、前記付勢ばね機構が前記複数のテープ・カットリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させることを可能にする、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ロック機構が、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部に入ると自動的に押下され、前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面における前記開口部を通過するとロック可能位置内まで自動的に延びることが可能な押下可能ロック機構である、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ロック・テープ・カートリッジがクリーナ・テープ・カートリッジである、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
テープ・ライブラリ・データ保護のためのコンピュータ・システムであって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサと、
1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサのうちの少なくとも1つのコンピュータ・プロセッサによる実行のために前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体のうちの少なくとも1つに記憶されたプログラム命令とを含み、
記憶された前記プログラム命令が、
複数のテープ・カートリッジを収容するように構成されたディープ・スロット・セルを改変するプログラム命令を含み、
前記ディープ・スロット・セルを改変する前記プログラム命令が、
ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの付勢ばね機構と一体化するプログラム命令と、
前記ロック機構と係合するように前記ディープ・スロット・セルの奥行き面において開口部を形成するプログラム命令と、
ロック・テープ・カートリッジの装填と取り外しとを行うことによってロボット機構が前記複数のテープ・カートリッジのうちの最前部のテープ・カートリッジに到達するのを防止する、前記ディープ・スロット・セルの前面における前部エア・ギャップを形成するプログラム命令とをさらに含む、コンピュータ・システム。
【請求項23】
前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記ロック・テープ・カットリッジの後方の他のテープ・カートリッジのそれぞれを、前記ロック機構を前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面で構成された前記開口部を通過した後で前記ディープ・スロット・セルのハウジングの一部に係合させるのに十分に遠くまで前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面に向かって押すように、前記ディープ・スロット・セルの前記前面に前記ロック・テープ・カットリッジを挿入するプログラム命令をさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ・システム。
【請求項24】
グリッパ・アセンブリによって前記ディープ・スロット・セル内に挿入された前記ロック・テープ・カートリッジの寸法と、前記ディープ・スロット・セルのハウジングの前記部分との係合時の前記ロック機構の長さとに少なくとも部分的に基づいて、前記ディープ・スロット・セルの前記前面から前記ディープ・スロット・セルの前記ハウジング内までの前記ディープ・スロット・セルの前記前部エア・ギャップの長さを決定するプログラム命令をさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ・システム。
【請求項25】
前記ディープ・スロット・セルの前記奥行き面から前記ロック機構を手動で係合解除するプログラム命令をさらに含み、前記ロック機構を係合解除することが、グリッパ・アセンブリが前記複数のテープ・カートリッジのうちの前記最前部のテープ・カートリッジを取り外すことができるようにするために、前記付勢ばね機構が前記複数のテープ・カットリッジを前記ディープ・スロット・セルの前記前面に向かって前方に自動的に前進させることを可能にする、請求項22に記載のコンピュータ・システム。
【国際調査報告】