(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】棒状材料を直線化するための方法、及び矯正機
(51)【国際特許分類】
B21D 3/10 20060101AFI20241126BHJP
G01B 21/20 20060101ALI20241126BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B21D3/10 E
B21D3/10 J
G01B21/20 A
B21C51/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507121
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2022084967
(87)【国際公開番号】W WO2023131465
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】102022100183.0
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319012369
【氏名又は名称】ラトゥンデ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ラトゥンデ,ウルリヒ
【テーマコード(参考)】
2F069
【Fターム(参考)】
2F069AA52
2F069BB40
2F069CC04
2F069DD16
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG52
2F069GG66
2F069HH02
2F069HH09
2F069JJ02
2F069JJ17
2F069MM02
2F069MM04
(57)【要約】
本発明は非直線棒状材料(1)を直線化するための方法に関し、本方法は、棒状材料(1)の成形位置(12)における目標塑性変形(s_soll)を決定して、統合型測定プローブ(7)を伴う矯正ハンマー(8)を成形位置(12)に移動させることによって行われ、矯正ハンマー(8)の第1の成形ストローク(h_1)が実施され、第1の成形ストローク(h_1)によって生じた実際の塑性変形(s_ist)は統合型測定プローブ(7)を用いて決定され、第2の成形ストローク(h_2)は、第1の成形ストローク(h_1)によって生じた実際の塑性変形(s_ist)、及び目標塑性変形(s_soll)から決定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非直線棒状材料(1)を直線化するための方法であって、
目標塑性変形(s_soll)は、前記棒状材料(1)の成形位置(12)で決定され、
統合型測定プローブ(7)を伴う矯正ハンマー(8)が前記成形位置(12)に移動し、
前記矯正ハンマー(8)の第1の成形ストローク(h_1)が実施され、
前記第1の成形ストローク(h_1)によって生じた実際の塑性変形(s_ist)は、前記統合型測定プローブ(7)を用いて決定され、
第2の成形ストローク(h_2)は、前記第1の成形ストローク(h_1)による前記実際の塑性変形(s_ist)、及び前記目標塑性変形(s_soll)から決定される、方法。
【請求項2】
成形ストローク(h)ごとに前記材料に関する塑性変形スパン(b)を示す特性図(60)が提供されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変形スパン(b)の上位10%以内の前記目標変形(s_soll)は、好ましくは、前記第1の成形ストローク(h_1)の前記変形スパン(b)の最大値として選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変形スパン(b)の範囲内の前記材料の弾性変形及び前記実際の塑性変形(s_ist)は、前記第1の成形ストローク(h_1)によって実施されたことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の変形ストローク(h_1)は、関連付けられた前記変形スパン(b)が前記目標変形(s_soll)に一致する最大値を有するように選択され、前記第1の成形ストローク(h_1)によって発生した前記実際の変形(s_ist)は、前記特性図(60)の範囲内に特性曲線(61)を定義し、前記特性曲線(61)は前記第2の成形ストローク(h_2)を決定するために選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記目標塑性変形(s_soll)は、前記棒状材料(1)の前記成形位置(12)で決定され、
前記棒状材料(1)は挟持され、
前記矯正ハンマー(8)のゼロ位置が決定され、
前記統合型測定プローブ(7)の第1の測定値は、前記矯正ハンマー(8)の前記ゼロ位置において決定され、
前記矯正ハンマー(8)の前記第1の成形ストローク(h_1)が実行され、
前記矯正ハンマー(8)は前記ゼロ位置に戻り、
前記測定プローブ(7)の第2の測定値は、前記矯正ハンマー(8)の前記ゼロ位置において決定され、前記第1の成形ストローク(h_1)による前記棒状材料(1)の前記実際の塑性変形(s_ist)は、前記第1の測定値及び前記第2の測定値から決定され、そして、前記実際の塑性変形(s_ist)は前記目標塑性変形(s_soll)と比較されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
許容差範囲は規定され、前記第1の成形ストローク(h_1)が実施された後、前記実際の変形(s_ist)と前記目標変形(s_soll)との差が前記許容差範囲の外にある場合、前記第2の成形ストローク(h_2)は前記成形位置(12)で実施されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記特性図(60)の範囲内の前記棒状材料(1)の前記特性曲線(61)は、前記第1の成形ストローク(h_1)の後に前記実際の変形(s_ist)から決定され、前記第2の成形ストローク(h_2)は前記特性曲線(61)から決定され、前記第2の成形ストローク(h_2)は、前記特性曲線(61)に沿って前記目標塑性変形(s_soll)に対する成形ストローク(h)に一致することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記棒状材料(1)の実外面が測定され、直線の目標外面からの前記実外面の偏差プロファイルが決定され、
前記成形位置(12)は前記偏差プロファイルから決定されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記成形位置(12)は、前記偏差プロファイルから、前記棒状材料(1)の縦方向(L)を中心の角度(α,β)として決定され、前記縦方向(L)に沿って、前記矯正ハンマー(8)の移動軸(G)に沿った位置としても決定されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のの方法。
【請求項11】
前記棒状材料(1)は、相互に間隔がある2つのアンビル(5,6)に設置され、前記成形位置(12)は、前記2つのアンビル(5,6)の間で、前記縦方向(L)に配置されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記棒状材料(1)の成形位置(12)で目標塑性変形(s_soll)を実施するための非直線棒状材料(1)用の矯正機であって、
統合型測定プローブ(7)を伴う矯正ハンマー(8)を有する横断デバイス用の制御機構と、
成形ストローク(h)ごとに前記材料に関する実際の塑性変形スパン(b)を示す特性図(60)用のメモリと、を伴い、
それによって、前記制御機構は、前記目標変形(s_soll)から第1の成形ストローク(h_1)を決定し、
前記統合型測定プローブ(7)は前記第1の成形ストローク(h_1)によって生じた実際の塑性変形(s_ist)を測定し、測定値を、前記制御機構にデータ通信接続を介してフィードし、
前記特性図(60)の範囲内の特性曲線(61)は、前記制御システムにおける前記実際の変形(s_ist)から決定でき、
第2の成形ストローク(h_2)は、前記目標変形(s_soll)及び前記特性曲線(61)から前記制御機構によって決定できることを特徴とする、矯正機。
【請求項13】
前記棒状材料(1)を支持するために縦方向(L)に相互に分離する少なくとも2つのアンビル(3,4)を特徴とする、請求項12に記載の矯正機。
【請求項14】
測定ヘッド(7a)を伴う前記統合型測定プローブ(7)は前記矯正ハンマー(8)によって中央に誘導され、前記測定ヘッド(7a)は、前記矯正ハンマー(8)の衝突面(8a)を越える距離測定を可能にすることを特徴とする、請求項12または13に記載の矯正機。
【請求項15】
前記統合型測定プローブ(7)は触覚的測定プローブであり、前記統合型測定プローブ(7)の前記測定ヘッド(7a)は、前記矯正ハンマー(8)のボアから中央に突出し、前記矯正ハンマー(8)の前記打撃面(8a)の後方の内側に完全に戻ることができることを特徴とする、請求項12、13、または14に記載の矯正機。
【請求項16】
前記矯正ハンマー(8)は、前記棒状材料の前記実外面の横方向にNC制御できる横軸(H)に配置されることを特徴とする、請求項12~15のいずれか1項に記載の矯正機。
【請求項17】
前記棒状材料(1)の外面を測定するための測定システムは、前記棒状材料(1)用のレセプタクル(16)に沿って配置されることを特徴とする、請求項12~16のいずれか1項に記載の矯正機。
【請求項18】
前記測定システムは、前記棒状材料(1)を挟持するために反対に配置された回転可能ホルダー(5,6)と、前記挟持された棒状材料(1)のそばに配置される前記ホルダー(5,6)の間に配置された測定プローブ(2)と、を備えることを特徴とする、請求項17に記載の矯正機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状材料の成形位置で目標塑性変形を決定することによって、非直線棒状材料を直線化するための方法に関する。
【0002】
また、本発明は、制御機構を用いて、棒状材料の成形位置で目標塑性変形を実施するための非直線棒状材料用の矯正機にも関する。
【背景技術】
【0003】
棒状材料、例えば、管、プロファイル、固体プロファイルは、切断機で加工される。短いセクションは、例えば、12メートルの長さを有し得る長い出発材料から切断される。これらの短いセクションは、例えば、2メートルの長さであり得る。
【0004】
基本的に、前処理した材料は完全に直線ではない。結果として、切断された長さのセクションもまた、完全に直線ではない。以下では、「完全な直線」は、また、「直線」とも呼ばれる。
【0005】
出発材料の直線度は、材料、生産、材料の品質、マルチロール矯正機における直線化プロセス、輸送、仕上げ等に依存する。最小の直線度は、多くの場合、切断された長さのセクションに必要であり、例えば、カムシャフト、エンジンシャフト、またはカードシャフト用のセクションに必要である。原則として、前処理した材料で既に完全な直線度を実現するには技術的に不可能である、または膨大な費用がかかる。
【0006】
矯正機を使用して、必要な直線度を伴うセクションを生成することである。基本的に、セクションは直線度について測定され、所定の許容値の範囲外のセクションは矯正機に送られる。次に、矯正機はセクションを直線化し、直線化されたセクションを正常なプロセスシーケンスに送り戻して、再度、直線度を確認できる。次に、直線化プロセスの前または後に必要な直線度を実現する加工品だけ、材料の流れにおける良好な部分として出力される。
【0007】
先行技術では、右側に直線化アンビル及び左側に直線化アンビルと、それらの間に1つ以上の矯正ハンマーと、を伴う矯正機は、例えば、独国特許出願公開第102005021946号明細書から知られている。まず、加工品は両側上に挟持され、例えば中心間で挟持され、回転しながら、触覚的、または非接触の方式で測定される。適切なコンピューティングユニットは、加工品の直線度を計算する。偏差プロファイルを決定する。また、計算ユニットは、真直度公差を実現するために必要な変形及び支持点を計算する。次に、加工品は、事前に計算した目標値に従って直線化アンビル上に設置され、加工品が必要な直線度を実現するまで、矯正ハンマーを用いて塑性的に変形される。
【0008】
セクションを塑性的に変形させるために、矯正ハンマーを用いて、変形の弾性範囲を超える必要がある。弾性変形後だけ、塑性変形が生じ、永久的に状態が維持される。矯正ハンマーの成形ストロークは、塑性変形に加えて、弾性変形に一致する必要がある。再度、矯正ハンマーはセクションを緩和するとき、本質的に、弾性変形構成要素は跳ね返り、塑性変形構成要素だけが状態を維持したままである。成形位置で必要な塑性変形がどれくらいの大きさかについて、前述の直線度の測定、及び計算ユニットにおける直線度関数の計算から知られている。
【0009】
しかしながら、成形ストロークの弾性部とプラスチック部との間の関数は一定ではない、または既知の正しい関数に従わないという問題が生じる。その関数は、材料の残留応力、ひずみ硬化、材料変動等の多くの状態に依存し、これは、一定ではなく、ひいては、前処理した材料の長さの範囲内でさえも予測可能ではない。
【0010】
したがって、規定の許容値を実現するために、測定値及び数学計算を用いて、加工品を変形することについて必要な量及び場所について知られているが、確実に必要な関連の矯正ハンマーの目標ストロークがどれくらい大きいかについて知られていない。統計的手法を用いると、目標ストロークを予測することが可能になるが、次に、また。かなりの材料が過少または過剰に塑性的に変形する確率も相当高くなる。不利点は受け入れられる、または、加工品は、再度、直線化アンビルから持ち上げられ、測定され、直線化アンビルに戻され、再度、直線化される、のいずれか一方が生じる。これは、不利に、非常に時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第102005021946号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Deep Learning with Python and Keras(ISBN978-3-95845-838-3)
【発明の概要】
【0013】
したがって、第1の態様では、本発明の目的は、少なくとも上記の不利点を減らす、非直線棒状材料を直線化する方法を提供することである。
【0014】
したがって、第2の態様では、本発明の目的は、少なくとも上記の不利点を減らす、非直線棒状材料のための矯正機を提供することである。
【0015】
その目的は、その第1の態様では、請求項1の特徴を有する方法によって満足される。
【0016】
最初に、1つ以上の目標塑性変形は、測定方法及び数学的方法によって、棒状材料の1つ以上の成形位置において決定される。ここでは、成形位置は、材料の変形を実現するために、成形力が作用する材料の位置またはエリアと理解される。これに関する測定法及び数学的方法は最先端の技術であり、例えば、Deep Learning with Python and Keras(ISBN978-3-95845-838-3)から知られている。
【0017】
本発明によると、統合型測定プローブを伴う矯正ハンマーは、成形位置のそばに、または上に移動する。統合型プローブは、概して、ハンマー及び統合型プローブが相互に接続されることを意味すると理解される。統合型プローブは矯正ハンマーに物理的に配置され、その結果、プローブは、好ましくは、矯正ハンマーの圧力面の中心に配置される。矯正ハンマーの圧力面は、成形ストロークによって生じた成形プロセス中、材料の成形位置と接触する。
【0018】
矯正ハンマーの第1の成形ストロークが実施され、第1の成形ストロークによって生じた実際の塑性変形は、統合型測定プローブを用いて測定される。必要である場合、第2の成形ストロークまたはさらなるストロークは、第1の成形ストロークによって生じた実際の塑性変形、及び目標変形から決定される。
【0019】
好ましくは、第1の成形ストロークを決定するために、起こり得る成形ストロークごとに材料に関する実際の塑性変形範囲を規定する特性図が提供され、実際の変形が高い確率でその範囲内に収まる。好ましくは、実際の塑性変形範囲の最大制限は、成形ストロークとして選択される。しかしながら、成形ストロークは、また、実際の塑性変形範囲内で、上位10%、9%、または任意の低値の範囲内で選択できる。
【0020】
これは、棒状材料の成形位置で所与の目標塑性変形を行うために、成形ストロークを行う必要があるかを確実に予測することが不可能であるという事実を考慮するものである。むしろ、統計的手法、経験値、及び人工知能ならびに機械学習による評価から、特有の第1の成形ストロークが、実際の塑性変形範囲内で、すなわち、特性図の範囲内で変形が生じることが知られている。
【0021】
矯正ハンマーは、第1の成形ストロークで成形位置に作用する。結果として、棒状材料は最初に弾性的になり、その後、塑性的に変形する。矯正ハンマーを解放した後、弾性部分は跳ね返り、実際の塑性変形の状態が維持する。しかしながら、これは、規定の第1の成形ストローク中、確実に予測できない。
【0022】
しかしながら、実際の変形範囲が知られているため、すなわち、実際の変形は、特定の成形ストロークによって、非常に高確率で、すなわち99%~99.9%以上で、特定の範囲内で実現されるため、目標変形は、高い値として、好ましくは、実際の変形範囲の最大値として、都合良く選択される。
【0023】
これは、目標変形は既知の方法によって決定され、目標変形に対して、第1の成形ストロークが割り当てられ、その実際の変形スパンは、その最大値は目標変形に一致する、すなわち等しくなることを意味する。しかしながら、また、原則として、他の割り当ても考えられる。例えば、目標変形は、第1の成形ストロークによって発生した実際の変形の上位1/10、1/5等にあり得る。
【0024】
有利に、第1の成形ストロークは、材料の弾性変形、及び実際の塑性変形範囲内の実際の変形を行う。
【0025】
第1の成形ストロークを都合良くかつ慎重に選択することにより、最良の場合だけ、第1の成形ストロークによって生じる実際の変形が目標変形に一致し、目標変形は実際の変形範囲の最大値になるため、第1の成形ストロークによって生じる実際の塑性変形は、ほとんどの場合に目標塑性変形を下回る。したがって、第2の成形ストロークは必要である。
【0026】
第1の成形ストロークによって発生した実際の変形は、統合型測定プローブによって測定され、目標変形と一緒に評価される。便利に、特性フィールド範囲内の特性曲線は、実際の変形によって決定され、特性曲線を選択して、第2の成形ストロークを決定する。
【0027】
方法ステップでは、特定の構成で所与の成形ストロークに対して確実に実際の変形を予測できないが、特性図に記録される実際の変形範囲だけが規定できるアイディアが利用される。しかしながら、前述の第1の変形の測定データが実際の変形が既に行われている成形位置で評価される場合、実際の変形は、第2の成形ストロークによって非常に正確に予測できる。
【0028】
既に実施された第1の成形ストロークの実際の塑性変形が、この成形位置に関して知られている場合、特性図の範囲内で、特性曲線は、特有の成形位置に関して、かなり精密に、または好ましくはかなり正確に決定できることが発見されている。特性曲線がゼロ点によって正確に決定されるだけでなく、第1の成形ストロークの実際の変形が実施され、そして、特性曲線は、第2の成形ストロークを決定するために、本発明に従って使用される。
【0029】
有利に、特性曲線は、規定の目標塑性変形により正確に、好ましくは厳密に、第2の成形ストロークを規定する。
【0030】
好ましくは、特性図の範囲内の棒状材料の特性曲線は、ゼロ点を通って導かれる第1の成形ストローク後の実際の変形と、測定された実際の変形とから決定される。特性曲線は、基本的に、特性図の範囲内の比較可能なコースを有する。したがって、成形位置に関する特性曲線は、単一の測定によって既に決定できる。
【0031】
第2の成形ストロークは特性曲線から決定される。第2の成形ストロークは、特性曲線と目標変形との交差点に一致する。
【0032】
本発明によるプロセスの好ましい実施形態では、棒状材料の成形位置で目標変形は、統合型測定プローブを用いてプロセス中に決定される。棒状材料は挟持される。矯正ハンマーのゼロ位置が決定されて記憶される。矯正ハンマーのゼロ位置における統合型測定プローブの第1の測定値が決定されて記憶される。矯正ハンマーの第1の成形ストロークが実施される。次に、矯正ハンマーはゼロ位置に戻り、矯正ハンマーのゼロ位置における統合型プローブの第2の測定値は決定され、成形位置における第1の成形ストロークに起因する棒状材料の実際の塑性変形は、統合型プローブの第1の測定値及び第2の測定値から決定される。
【0033】
有利に、統合型プローブは、その第1の測定値及びその第2の測定値の差分値だけを決定する必要があり、その差分値から、第1の成形ストロークによって生じた実際の塑性変形を決定できる。これは、好ましくは、統合型プローブによって行うことができ、第1の測定値及び第2の測定値で、統合型プローブの測定ヘッドと、棒状材料の外面上の成形位置との間の距離を決定し、この値から差分値を作成することによって行われる。
【0034】
好ましくは、許容差範囲が規定され、これは、棒状材料が直線型棒状材料からずれ得る距離を決定するためのものであり、第1の成形ストロークが実施された後、実際の変形と目標変形との差が許容差範囲の外にある場合、第2の成形ストロークは成形位置で実施される。必要である場合、また、第3の成形ストローク及び第4の成形ストロークも実施できる。
【0035】
好ましくは、棒状材料の実外面が最初に測定され、直線の目標外面からの実外面の偏差プロファイルが決定される。偏差プロファイルを使用して、第1の成形ストロークが適用される成形位置を決定する。成形位置に加えて、通常、アンビル上の棒状材料の1つ、2つ、またはそれ以上の接触点が決定され、同様に、それらの距離も決定される。
【0036】
成形位置は、偏差プロファイルから決定され、棒状材料の縦方向を中心とする角度位置として、そして、矯正機の縦方向に沿って、矯正ハンマーの移動軸に沿った位置としても決定される。次に、機械の制御機構により、好ましくは2つのホルダーの間に挟持された棒状材料が、偏差プロファイルから決定された角度位置まで縦軸を中心に回転して、その後、矯正ハンマーが成形位置で直接位置付けられ、第1の成形ストロークを行うために成形位置に対して作用できるまで、縦方向に進むように横軸に沿って棒状材料のそばにハンマーを移動させることを可能にする。
【0037】
便利に、目標変形は、成形位置における偏差プロファイルから既知の方式で決定され、目標変形に割り当てられる第1の成形ストロークは、上記に説明したように、特性図から決定される。
【0038】
便利に、棒状材料は2つのアンビルに設置され、成形位置は、2つのアンビルの間で縦方向に配置される。
【0039】
その目的は、請求項12に記載の特徴を有する矯正機によって、その第2の態様で解決される。
【0040】
矯正機は、上述のプロセスの1つを実施するのに適切である。逆に、上述のプロセスは、下記に説明される矯正機の1つを用いて実施するのに適切である。
【0041】
また、本方法に関して述べられている内容は、矯正機に対して、変更すべきところは変更して、開示するべきと考えられている。
【0042】
また、非直線棒状材料用の本発明による矯正機は、棒状材料の成形位置で目標塑性変形を実施するのに適切である。矯正機は、統合型測定プローブを伴う矯正ハンマーを有する横断デバイス用の制御機構を備える。制御システムは、有利に、コンピューティングユニット及びメモリを含む。成形ストロークごとに材料に関する実際の塑性変形範囲を規定する特性図がメモリに記憶され、実際の変形が高い確率で、すなわち95%、96%を超える値、好ましくは99%以上で、その範囲内に収まる。
【0043】
有利に、制御ユニットは、そのコンピューティングユニットを用いて、有利に特性図の助けにより、目標変形から第1の成形ストロークを決定する。目標変形は、好ましくは、上位10%以下の範囲内、好ましくは、実際の変形範囲内の最大値である。しかしながら、実際の塑性変形範囲と目標塑性変形との間に他の配置も考えられる。
【0044】
有利に、第1の成形ストロークは、所与の材料に対して、実際の塑性変形が、少なくとも、95%、またはより好ましくは99%以上の割合の高確率で、決定された目標塑性変形を下回る第1の成形ストロークによって実施されるように選択される。好ましくは、過剰な変形を避けるべきである。
【0045】
本発明による統合型測定プローブは第1の成形ストロークによって生じた実際の塑性変形を測定し、その測定値を、制御機構にデータ通信接続を介して伝送する。実際の成形ストロークに基づいて特有の成形位置について実際に決定された実際の変形に起因して、特性図は特性曲線に制限できる。特性図の範囲内の特性曲線は、実際の変形から決定できる。上記に説明したように、制御システムは、次に、第2の成形ストロークを目標変形及び特性曲線から決定できる。第2の成形ストロークは、目標変形を発生させる特性曲線上の値であり、すなわち、その後に、目標変形が理想的に実現するか、または、これがまだそれを実現しない場合、少なくとも過少な塑性変形だけが実現し、上記に説明したプロセスサイクルは、2回目に実行される。
【0046】
好ましくは、矯正機は、棒状材料を支持するための縦方向に相互に分離する少なくとも2つのアンビルを備える。棒状材料は、好ましくは、2つのアンビル上に設置でき、それによって、有利に、2つのホルダーによって挟持され、2つのホルダーは、相互に対して反対側に配置され、回転可能である。対向する2つのホルダーの間に、測定プローブは、有利に、挟持された棒状材料のそばに配置され、棒状材料の実外面を測定し、直線の目標外面からの実外面の偏差プロファイルを決定することが可能になる。これから、上記に説明したように、矯正ハンマーの成形位置及びアンビル上の棒状材料の接触点は、既知の方法によって決定できる。
【0047】
特に好ましくは、測定ヘッドを伴う統合型測定プローブは矯正ハンマーによって中央に誘導され、それによって、測定ヘッドは、矯正ハンマーの衝突面を越える距離測定を可能にする。有利に、測定ヘッドと、棒状材料の成形位置との間の距離を決定できる。有利に、第1の成形ストロークが実施される前に、第1の距離測定は実施され、第1の成形ストロークが実施された後、第2の距離測定が実施され、これらの距離測定は、その差を作成することによって、成形ストロークによって生じた成形位置で、実際の塑性変形を決定するために行われる。
【0048】
矯正ハンマーは、好ましくは、棒状材料の実外面に対して横方向にNC制御可能な横軸に配置される。NC制御可能な横軸は非常に正確であり、矯正ハンマーをマイクロメーターの範囲で制御することを可能にする。
【0049】
ロッド状材料は、有利に、レセプタクル上に位置付けできる。レセプタクルは円錐であり得る。しかしながら、また、レセプタクルは対向する2つのホルダーの間に空エリアだけとして成形されることによって、ホルダーは、例えば、管が挟持され回転できる、対向する2つの先端であり得ることも考えられる。
【0050】
本発明は6つの図の実施形態の例を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】非直線棒状材料用の本発明による矯正機の概略構造である。
【
図2】第1の処理ステップにおける、
図1の非直線棒状材料用の矯正機である。
【
図3】第2の処理ステップにおける、
図1の非直線棒状材料用の矯正機である。
【
図4】第3の処理ステップにおける、
図1と一致する非直線棒状材料用の矯正機である。
【
図5】第4の処理ステップにおける、
図1と一致する非直線棒状材料用の矯正機である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1~
図5に概略的に示される矯正機10、及び矯正機10で実施された本発明によるプロセスは、非直線棒状材料を直線化するために使用される。棒状材料は、ここでは、具体的には、縦方向Lに沿って延在する管、プロファイル、固体プロファイル等であり、好ましくは、円形の断面であるが、角形、具体的には四角形であり得ることを意味する。
【0053】
実施形態の例では、管1について言及するが、決して管1に限定するわけではない。管1は、数メートルの長さと、数センチメートルまたは数デシメートルの直径とを有し得る。また、他の寸法も考えられる。
【0054】
図をざっと見ると、管1は、その実外面11に沿って縦方向Lに直線状に現れる。綿密な調査をすると、そして、これは本発明の要点であるが、管1は直線型ではない。
【0055】
図1に示される管1は、例えば、Y方向に波形である。波形は、ここでは、縮尺どおり示されないが、著しく誇張されている。通常、管内に形成された波の振幅は、mmの範囲にある、または1~2メートルの管の長さを下回る。波は縦方向Lに沿って延在し、これは、ここでは、Z方向に対応する。波状バルジはまたX方向(図示されない)に発生でき、これはY方向の波形に重なる。バルジは波形を有する必要はない。
【0056】
管1は、実外面11を有し、これは、縦方向Lに延在する直線状目標外面からずれる。偏差プロファイルは縦方向Lに沿って決定できる。偏差プロファイルは、実外面と目標外面との間の差を作成することによって縦方向Lに沿って決定できる。この目的のために、矯正機10はレセプタクル16を有し、レセプタクル16の端面上に、ツール先端5,6は管を挟持し、管が回転するように配置される。レセプタクル16は、好ましくは、管1を支持するための円錐支持面を有し得る。ここでは、レセプタクル16は、2つのツール先端5,6の間のクリアランスとして理解される。ツール先端5,6は、個々に、各々横軸A及び横軸Bに沿って前後に移動可能であり、ツール先端5,6は両方ともZ方向に配置される。また、ツール先端5,6は、
図1のX-Y平面内で個々に移動もできる。
図1では、横軸Cは1つのツール先端5に対して描かれ、横軸Dは他のツール先端6に対して描かれ、それらの横軸の両方ともY方向に進む。2つのツール先端5,6のX方向に2つの横軸は描かれていない。2つのツール先端5,6が相互に真逆に配置されることにより、それらの回転軸は相互に延長線上に進む。ツール先端5,6を相互に向かって移動させることによって、管1をツール先端5,6の間に挟持できる。ツール先端5,6を回転させることによって、挟持された管1自体が回転できる。
【0057】
ツール先端5,6の間に位置するレセプタクル16に沿って、管1の直線度を測定するための測定プローブ2は、縦方向Lに沿って相互から一定距離に配置される。その距離は等間隔であり得る。相互からの距離は等間隔であり得る。また、異なる距離も選択できる。プローブ2は、また、異なる角度で、レセプタクル16及び管1の周りで縦方向Lに垂直な断面に配置され得る。測定プローブ2は、触覚的もしくは光学的であり得る、または他の方法で設計され得る。その測定プローブは、0.1μm以下の精度で範囲における距離測定を可能にする。管1の直線度を測定するための測定プローブ2は、データ通信方式で、データメモリを伴う制御システムに接続され、データメモリには、具体的には、個々の測定プローブ2と、管2の外面11における測定点に対して測定された距離値は記憶される。
図1に示されるように、管1が挟持されるように、管1の直線度を測定し、測定プローブ2はそれぞれ第1の距離測定を実施し、管1は角度α,βだけ短距離にわたって回転し、測定プローブ2は回転角度位置で第2の距離測定を実施し、管1はさらに角度α,βだけ回転し、そして、測定プローブ2は、第3の距離測定を実施する等が行われる。距離測定値は、縦方向Lに沿ったプローブ2の位置、及び角度位置と一緒に記憶及び評価され、管1の実外面11を決定する。管1の実外面11は、直線状管1の目標外面からずれる。
図1では、管1は誇張して湾曲に示される。
【0058】
通常、1μm以下の所定の許容値に対する直線度からのずれは、管1をさらに加工するために許容される。許容差範囲外の非直線は分類され、本発明によって直線化される。管1は、本発明によって、矯正機10によって直線化され、許容差範囲内に戻る。
【0059】
管1を直線化することは、好ましくは、
図1に概略的に示される2つのアンビル3,4の援助により、また本発明に従った矯正ハンマー8を用いて実施され、矯正ハンマー8には、統合型測定プローブ7が中央に配置される。矯正ハンマー8は中央ボア、好ましくは中央円形ボアを伴う円柱構造であり、中央ボアには、触覚的または光学的な統合型測定プローブ7が好ましくは組み込まれる。統合型測定プローブ7は、矯正ハンマー8に対して、矯正ハンマー8内の垂直移動軸Jに沿って前後に移動でき、矯正ハンマー8で見えなくなる可能性があり、測定面7aは矯正ハンマー8の打撃面8aと整列する。
【0060】
統合型測定プローブ7は伸縮バネ15とともに矯正ハンマー8に搭載され、伸縮バネ15は、測定面7aを無負荷状態で打撃面8aから外に押す。
【0061】
図1によると、矯正ハンマー8は、管1に向かって、かつ管1から離れて垂直横軸Hに沿って移動でき、水平横軸Gに沿って、管1の縦方向Lに沿って移動でき、また、縦方向Lに垂直な水平横軸に沿って移動できる(図示されない)。
図1に示されるように、測定プローブ7の測定面7aは、また、矯正ハンマー8の横軸Hに平行に移動でき、好ましくは、非常に容易に、すなわち、ほとんど抵抗がなく移動できる。
【0062】
図2は、矯正ハンマー8、測定プローブ7、同様に、2つのアンビル3,4、及び直線化する直前にツール先端5,6の間に挟持された管1の装置を示す。2つのアンビル3,4は、横軸E,Fに沿って縦方向Lに沿って前後に移動できる。
【0063】
管1の目標外面からの実際の偏差プロファイルから、管1上の矯正ハンマー8の成形位置12、及びアンビル3,4上の管1の支持点13,14を計算し、ひいては、2つの角度の先端5,6の横軸G及び角度α,βの位置と、成形位置12で管1の必要な目標変形とを計算し、その計算は、相互から一定距離で分離する2つのアンビル3,4の間で管1が支持されるとき、管を直線化するために行われる。
【0064】
管1の成形位置12の目標変形及び矯正ハンマー8の成形ストロークhは、相互に明確に割り当てることができないという問題が生じる。
【0065】
先行技術の直線化プロセスは、基本的に、常に同じプロセスである。管1を塑性的に変形させるために、最初に、矯正ハンマー8を用いて、成形ストロークhを管1に働かせて、変形の弾性範囲を超える必要がある。弾性変形後だけ、塑性変形sが生じる。矯正ハンマー8の成形ストロークhは、基本的に、塑性変形sに加えて、弾性変形に一致する必要がある。再度、矯正ハンマー8が後退し、管1が無負荷になるとき、弾性変形構成要素は本質的に跳ね返り、塑性変形構成要素だけが状態を維持したままであり、ここでは、また、実際の塑性変形s_istにも一致する。
【0066】
原則として、直線化によって管1の十分な直線度を実現するために、成形位置12で塑性変形sがどれくらい大きいかについて知るべきである。しかしながら、成形ストロークhの弾性変形構成要素と塑性変形構成要素との間に関数がないことが知られている。弾性変形構成要素と塑性変形構成要素との間の関数は、多くの状態に依存し、特に、材料の特性、加工硬化、または他の材料の変化に依存する。しかしながら、それらは非常に異なるため、管1の長さの範囲内でさえも、弾性部及びプラスチック部との間の関数は予測不可能である。したがって、それは確実に知られていなく、目標変形s_sollを実現するために、成形ストロークhを矯正ハンマー8によって行う必要がある。統計的手法を使用して、起こり得る成形ストロークhを予測でき、次に、また、管1が塑性的に過剰または過少に変形することについて相当高い確率がある。過剰成形が発生する場合、管1を再度測定する必要があるだろう、アンビル3,4を持ち上げ、再度、管1を回転させて下に置き、再度、直線化される。これは時間がかかる。
【0067】
図6は、概略的に、
図2、
図3、
図4、
図5に実施された手順のアイディアを示す。
図6は、最初に、所与の特性
図60を示し、これは、例えば、Deep Learning with Python and Keras(ISBN978-3-95845-838-3)によると、人工知能、機械学習等に関連する統計的手法によって取得できる。そこで、矯正ハンマー8の成形ストロークhと、特定の材料に関する成形ストロークhによって発生した塑性変形sとの統計的関連が示される。2つのアンビル3,4と矯正ハンマー8の位置との間の距離は、また、特性
図60に含まれる。第1の成形ストロークh_1が実施されるとき、実際の塑性変形s_istが、特性
図60の範囲内のX軸に沿って変形スパンbの範囲内にあるように、特性
図60を解釈する。実際の塑性変形s_istは、95%、99%、99.9%の確率で、変形スパンbの範囲内に位置する。特性
図60の幅、すなわち、X方向の変形スパンbの長さは、主に、材料特性に依存する。その幅は、具体的には、材料の残留応力、ひずみ硬化、または他の材料の変動に依存する。他方では、特性
図60の球形形状が、また、アンビル3,4が相互から離れている距離、管1が有する直径、管1が有する壁厚等に依存するが、これらは、正しい曲げ挙動を予測することを可能にする全てのパラメーターであり、したがって、特性
図60の幅にかなり影響を与えない。それらは、球形形状、すなわち、特性
図60の勾配等だけに影響を与える。
【0068】
さらに、成形位置12で異なる第1の成形ストロークhを受ける棒状材料、具体的には管1の実際の変形s_istは、
図6に示される特性
図60の範囲内で移動する特性曲線61をたどることが知られている。特性曲線61は特性
図60内に挿入される。特性
図60の範囲内の特性曲線61が、また、2つの点によって、実質単位で正確に規定できることが分かっている。
【0069】
本発明によるプロセスは、下記に説明されるように進行する。
【0070】
管1は、
図2の既知の方式によると、特定の角度α,βでアンビル3,4に位置付けられる。矯正ハンマー8の成形位置12及びアンビル3,4上の支持点13,14が知られている。
図2に従った第1の処理ステップでは、矯正ハンマー8は、横軸Gを用いて、成形位置12の上に配置される。矯正ハンマー8は、アンビル3,4上に位置付けられる。直線化プロセス後に可能限り直線度が高い管1を提供することを可能にするために、成形位置12における目標塑性変形s_sollがどれくらい大きいかについて知る必要がある。
【0071】
第2の処理ステップでは、
図3に示されるように、プローブ7の測定面7aが管1の外面に触れるまで、矯正ハンマー8は管1の成形位置12の方向に横軸Hに沿って移動する。しかしながら、プローブ7は、既に管を曲げているであろう任意の圧力を成形位置12にかけない。矯正ハンマー8はゼロ位置に戻る。ゼロ位置が決定され、その座標は記録される。ここで、第1の測定は測定プローブ7によってゼロ位置で実施され、測定プローブ7の第1の測定値は記憶される。例えば、測定データは、測定プローブの測定面7aが、Y方向で、打撃面8aから離れている距離、または同様の測定値に関して記録される。第1の測定値は、成形位置12と矯正ハンマー8の打撃面8aとの間の距離を決定する測定値である。しかしながら、これは、そのようにする必要はないが、矯正ハンマー8に対する成形位置12の位置だけを記録することが重要である。
【0072】
第3の処理ステップでは、第1の成形ストロークh_1は、
図4に示されるように、成形位置12に適用される。
【0073】
第1の成形ストロークh_1は、成形位置12で、既知の目標変形s_sollから事前に決定される。この目的のために、目標変形s_sollと特性
図60の下側の最小限度との交点は、
図6に従って決定される。交点から、第1の成形ストロークh_1が決定される。選択された第1の成形ストロークh_1は、統計的に、材料に対する変形スパンbで目標変形s_sollを発生させる。第1の成形ストロークh_1を通じて、目標変形s_sollは最良の場合だけ実現する。これが実現しない場合、実際の変形s_istが生じ、これは、変形スパンbの範囲内の目標変形s_sollを下回る。したがって、管1は、実際に変形するはずである量よりも少なく変形する。
【0074】
変形プロセスは、NC制御可能な軸H上に堅固に搭載される矯正ハンマー8によって、
図4に示されるように実施される。矯正ハンマー8は、Y方向と反対方向に第1の成形ストロークh_1によって移動する。矯正ハンマー8は、
図4に示されるように、NC制御可能な軸Hを用いて第1の成形ストロークh_1によって、Y方向と逆に移動し、
図4に示されるように、ある程度まで管1を曲げる。曲げは弾性部及びプラスチック部を含む。
【0075】
図5では、矯正ハンマー8は、再度後退して、弾性変形が弱まっている。塑性変形の状態が維持し、管1を直線状にする。
【0076】
本発明による情報取得は、測定プローブ7によって実施される。次に、第4の処理ステップでは、
図5によれば、矯正ハンマー8は、後退し、管1は緩和され、
図3によれば、矯正ハンマー8はゼロ位置に戻り、そして、第2の測定が測定プローブ7を用いて実施され、第2の測定値を決定する。第2の測定値は測定プローブ7の第1の測定値と比較され、測定値の差から、例えば、矯正ハンマー8の打撃面8aから成形位置12までの距離の差から、実際の変形s_istは、第1の成形ストロークh_1後に決定される。
【0077】
本発明のアイディアとして、第2の成形ストロークh_2を非常に正確に実行することを可能にすることと、目標変形s_sollにかなり近づけるために、第1の実際の変形s_istに関する情報を使用して、特性
図60の範囲をかなり狭くすることが考えられている。
【0078】
第1の成形ストロークh_1後の実際の塑性変形s_istは、通常、目標塑性変形s_sollに一致しないが、目標変形s_sollよりも低くなる。しかしながら、測定プローブ7の測定は、第1の成形ストロークH_1によって発生した実際の変形s_istの絶対値を示すことを可能にし、その結果、
図6によれば、実際に行われた実際の変形s_istは、第1の成形ストロークh_1に割り当てることができ、ひいては、
図6の特性
図60の範囲内の特性曲線61は、その特有の材料特性を伴う成形位置12に割り当てることができる。特性曲線61は、成形位置12に対して異なるストロークhで、塑性変形挙動を示す。
【0079】
さらなるプロセスループでは、
図3、
図4、
図5によると、管1は、第2の成形ストロークh_2を用いて、成形位置12で直線化される。第2の成形ストロークh_2のサイズは、
図6の特性曲線61、及び目標変形s_sollとのその交差点から決定される。
【0080】
必要である場合、プロセスループは、また、3回または4回と実施できる。プロセスの実際の実施態様では、いくつかのプロセスループが必要であることが示されている。しかしながら、また、このプロセスによって、反復的に、目標変形s_sollに近づけて、高い確度で規定の真直度公差を維持できることも示されている。
【符号の説明】
【0081】
1 管/ロッド状材料
2 プローブ
3 アンビル
4 アンビル
5 ツール先端
6 ツール先端
7
7a 測定面
8 ジャッジングハンマー
8a ストローク面
10 矯正装置
11 実外面
12 成形位置
13 支持点
14 支持点
15 伸縮バネ
16 レセプタクル
60 既知のフィールド
61 特徴線
b 変形スパン
h 成形ストローク
h_1 第1の成形ストローク
h_2 第2の成形ストローク
s 塑性変形
s_ist 塑性変形
s_soll 目標変形
A 移動軸
B 移動軸
C 移動軸
D 移動軸
E 移動軸
F 移動軸
G 垂直移動軸
H 水平移動軸
J 移動軸
L 縦方向
α 角度
β 角度
【国際調査報告】