(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ロボット外科手術システム用のマスタ制御システム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20241126BHJP
A61B 50/13 20160101ALI20241126BHJP
B25J 3/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B50/13
B25J3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513540
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022051217
(87)【国際公開番号】W WO2023101948
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519239333
【氏名又は名称】エンドクエスト ロボティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リー ソンキョウ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジウン
(72)【発明者】
【氏名】パク ヨンマン
(72)【発明者】
【氏名】リー ジェイハン
(72)【発明者】
【氏名】シン ドンスク
【テーマコード(参考)】
3C707
4C130
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707JT06
3C707JU12
3C707KS33
3C707KT01
3C707KT05
4C130AA24
4C130AA55
4C130AB02
4C130BA02
(57)【要約】
ロボット外科手術システム用の患者カートは、医療用ロボットを支持するように適合され構成されたフレームを有する移動型ベースと、フレームに動作可能に接続された1つ以上の動力装置と、動力装置を駆動してフレームを移動させるために動力装置に接続された1つ以上のモータと、を含むことができる。患者カートは、フレームに接続され、ユーザ入力を検知し、1つ以上のモータを動作させて、ユーザ入力に応じて1つ以上の動力装置を移動させるように構成された駆動制御インターフェースを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術システム用の患者カートであって、
移動型ベースであって、
医療用ロボットを支持するように適合され構成されたフレーム、
前記フレームに動作可能に接続された1つ以上の動力装置、
前記動力装置を駆動して前記フレームを移動させるために前記動力装置に接続された1つ以上のモータ
を備える、移動型ベースと、
前記フレームに接続され、ユーザ入力を検知し、前記ユーザ入力に応じて前記1つ以上の動力装置を移動させるために前記1つ以上のモータを動作させるように構成された駆動制御インターフェースと
を備える、患者カート。
【請求項2】
前記駆動制御インターフェースが、ユーザによって作動されるように構成された1つ以上のグリップアクチュエータを含む、請求項1に記載の患者カート。
【請求項3】
前記駆動制御インターフェースが、2つのグリップアクチュエータを含む、請求項2に記載の患者カート。
【請求項4】
前記駆動制御インターフェースが、ハンドル凹部を画定するハウジングを含む、請求項2に記載の患者カート。
【請求項5】
前記1つ以上のグリップアクチュエータが、前記ハンドル凹部内に配置される、請求項4に記載の患者カート。
【請求項6】
前記駆動制御インターフェースが、前記1つ以上のグリップアクチュエータの位置を示す前記1つ以上のグリップアクチュエータからの1つ以上の状態信号を受信するために、前記1つ以上のグリップアクチュエータに動作可能に接続された駆動制御モジュールを含む、請求項2に記載の患者カート。
【請求項7】
前記駆動制御モジュールが、前記1つ以上のグリップアクチュエータが部分的に押された場合に、駆動モードで前記1つ以上のモータの動作を可能にするように構成されている、請求項4に記載の患者カート。
【請求項8】
前記駆動制御モジュールが、前記1つ以上のグリップアクチュエータが停止閾値までか、またはそれを超えて押された場合に、前記1つ以上のモータの動作を防止するように構成されている、請求項7に記載の患者カート。
【請求項9】
前記停止閾値が、前記1つ以上のグリップアクチュエータの完全な作動である、請求項8に記載の患者カート。
【請求項10】
前記駆動制御インターフェースが、ユーザ入力の力および方向性を検知するように構成された力センサを含む、請求項7に記載の患者カート。
【請求項11】
前記駆動制御モジュールが、検知される力を受け取るために前記力センサに動作可能に接続され、前記駆動モードにおいて、前記駆動制御モジュールが、前記1つ以上のモータが前記検知された力の方向に運動を引き起こすように、前記検知された力に応じて前記1つ以上のモータを動作させるように構成されている、請求項10に記載の患者カート。
【請求項12】
前記駆動制御モジュールが、前記検知された力に比例する速度で前記1つ以上のモータを動作させるように構成されている、請求項11に記載の患者カート。
【請求項13】
バッテリをさらに備え、前記1つ以上のモータに動力エネルギーを提供して、外部電源なしで前記患者カートの運動を可能にするために前記1つ以上のモータに動作可能に接続することができる、請求項12に記載の患者カート。
【請求項14】
ロボット外科手術システムの患者カートを駆動するための方法であって、
駆動モードを開始するために駆動制御インターフェース上の1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げることと、
患者カートハンドルに所望の運動方向に力を加え、それによって1つ以上のモータが前記患者カートを前記所望の運動方向に駆動させることと
を含む、方法。
【請求項15】
力を加えることが、前記患者カートを前方に移動させるために前記1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、前記患者カートハンドルを前方方向に押すことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
力を加えることが、前記患者カートを後方に移動させるために前記1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、前記患者カートハンドルを後方方向に引くことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記力を加えることが、前記患者カートを操縦するために前記1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、前記患者カートハンドルを横方向に押すか、または引くことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記患者カートの運動を停止させるために前記駆動制御スイッチを完全に押し下げるか、または放すかのいずれかをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ロボット外科手術システムであって、
それぞれのエンドエフェクタを有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上のロボット器具コントローラと、
カメラを移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラと、
オーバーチューブを移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラであって、前記1つ以上の器具が、前記エンドエフェクタが前記オーバーチューブの遠位端から延在するように前記オーバーチューブを通って延在し、前記カメラが、前記オーバーチューブを通って延在し、前記オーバーチューブの前記遠位端から延在する、ロボットオーバーチューブコントローラと、
1つ以上の入力制御モード信号を出力するように構成され、ユーザ入力を受信して位置制御信号を出力するように構成された複数のモード選択制御部を上に有する1つ以上の入力制御装置と、
前記1つ以上の器具コントローラ、前記カメラコントローラ、および前記オーバーチューブコントローラに動作可能に接続された制御モジュールであって、前記制御モジュールが、前記1つ以上の入力制御装置から前記1つ以上の入力制御モード信号を受信し、前記1つ以上の入力制御モード信号に応じて複数のモードの間で選択するように構成されている、制御モジュールと
を備え、
前記モードが、
前記制御モジュールが、前記位置制御信号に応じて前記1つ以上のロボット器具コントローラを制御することによって前記エンドエフェクタを移動させるように構成された器具制御モード、
前記制御モジュールが、前記位置制御信号に応じて前記ロボットカメラコントローラを制御することによって前記カメラを移動させるように構成されたカメラ制御モード、
前記制御モジュールが、前記位置制御信号に応じて前記ロボットオーバーチューブコントローラを制御することによって前記オーバーチューブを移動させるように構成され、前記カメラおよびそれに搭載された前記エンドエフェクタもまた、前記オーバーチューブの運動によって移動するオーバーチューブ制御モード
を含む、ロボット外科手術システム。
【請求項20】
前記1つ以上の入力制御装置が、ピストルグリップを有するハンド制御装置を含み、前記1つ以上のモード選択制御部が、モードごとにモード選択ボタンを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上の入力制御装置が、複数のモード選択制御部を出力するように構成された1つ以上のフットペダルをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
ロボット外科手術システム用の制御モジュールであって、
1つ以上のユーザ入力を受信し、前記1つ以上のユーザ入力に応じて複数のモードの間で選択するように構成され
前記モードが、
前記制御モジュールが、前記位置制御信号に応じて1つ以上のロボット器具コントローラを制御することによってエンドエフェクタを移動させるように構成された器具制御モードと、
前記制御モジュールが、前記位置制御信号に応じてロボットカメラコントローラを制御することによってカメラを移動させるように構成されたカメラ制御モードと、
前記制御モジュールが、前記位置制御信号に応じてロボットオーバーチューブコントローラを制御することによって前記オーバーチューブを移動させるように構成され、前記カメラおよびそれに搭載された前記エンドエフェクタもまた、前記オーバーチューブの前記運動によって移動する、オーバーチューブ制御モードと
を備える、制御モジュール。
【請求項23】
前記カメラから2次元画像を出力するように構成された2次元撮像モードと、
前記カメラから3次元画像を出力するように構成された3次元撮像モードと、をさらに含む、請求項22に記載の制御モジュール。
【請求項24】
前記ロボット外科手術システムが、それぞれのエンドエフェクタを有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上の器具コントローラと、カメラを移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラと、オーバーチューブを移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラと、1つ以上の入力制御モード信号を出力するように構成され、ユーザ入力を受信して位置制御信号を出力するように構成された複数のモード選択制御部を上に有する1つ以上の入力制御装置と、をさらに備える、請求項22に記載の制御モジュール。
【請求項25】
前記制御モジュールが、前記1つ以上の入力制御モード信号を通じて前記1つ以上の器具コントローラ、前記ロボットカメラコントローラ、または前記ロボットオーバーチューブコントローラと通信している、請求項24に記載の制御モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月30日に出願された米国仮出願第63/284,094号の優先権および利益を主張し、その全内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、例えば、限定はしないが、腔内および単一部位の外科手術を含む低侵襲外科手術用のロボット外科手術システムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
腔内および単一部位のロボット外科手術などの低侵襲外科手術は、伝統的なロボット外科手術に対して大きな利点を提供する。例えば、腔内ロボット外科手術では、患者の天然管腔内のアクセスが困難な場所にアクセスするために切開を行う必要はない。これにより、回復時間が劇的に短縮および/または排除され、処置の安全性が改善される。シングルサイトシステムは、切開を最小限のシングルサイトに削減し、これにより、さもなければ特定の処置にアクセスするためのより多くの切開が削減される。
【0004】
特定の腔内および単一部位のロボット外科手術システムが提案されている。そのようなシステムおよび関連する構成要素の例は、米国特許第10,881,422号、ならびに米国特許出願第US20210322046号、同第US20210322045号、同第US20190117247号、同第US20210275266号、同第US20210267702号、同第US20200107898号、同第US20200397457号、同第US202000397456号、同第US20200315645号、および同第US201962914226号に見出すことができ、上記のすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
従来の外科手術用ロボットおよびシステムは、一般に、それらの意図された目的にとって満足のいくものであると考えられてきた。しかしながら、当技術分野では、改善されたロボット外科手術システム、装置、方法、制御部、および構成要素、特に腔内および単一部位の外科手術用に構成されたものが依然として必要とされている。本開示は、例えば、そのような領域における改善を提供する。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムは、床に対して移動するように構成された移動型ベースと、外科手術を実行するための医療装置を制御するためにベースに接続された1つ以上の器具コントローラと、を有する患者カートを含むことができる。システムは、患者カートとは別個のユーザコンソールを含むことができ、ユーザコンソールは、1つ以上の器具コントローラを制御するための1つ以上のユーザ入力と、移動型ベースに接続されるように構成され、患者カート全体の位置を遠隔で監視および/または制御するように構成された患者カート運動制御モジュールと、を備える。
【0007】
患者カート運動制御モジュールは、ユーザ入力による制御が1つ以上の器具コントローラから移動型ベースに切り替え可能であるように、1つ以上のユーザ入力に選択的に接続可能であり得る。患者カート運動制御モジュールおよび/または移動型ベースは、移動型ベースがユーザコンソールによって制御されるときに移動型ベースの運動速度を制限するように構成することができる。
【0008】
特定の実施形態では、システムは、ユーザコンソールが移動型ベースを制御するために移動型ベースに動作可能に接続されていることを示すように構成されたインジケータを含むことができる。特定の実施形態では、1つ以上の器具コントローラは、経管外科手術用に構成される。
【0009】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムは、それぞれのエンドエフェクタを有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上のロボット器具コントローラと、カメラを移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラと、オーバーチューブを移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラと、を含むことができる。1つ以上の器具は、エンドエフェクタがオーバーチューブの遠位端から延在するように、オーバーチューブを通って延在することができる。カメラは、オーバーチューブを通って延在することができ、オーバーチューブの遠位端から延在する。
【0010】
システムは、1つ以上の器具コントローラ、カメラコントローラ、およびオーバーチューブコントローラに動作可能に接続された制御モジュールを含むことができる。制御モジュールは、1つ以上のユーザ入力を受信し、1つ以上のユーザ入力に応じて複数のモードを選択するように構成することができる。モードは、位置制御信号に応じて1つ以上のロボット器具コントローラを制御することによってエンドエフェクタを移動させるように制御モジュールを構成することができる器具制御モードを含むことができる。モードは、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットカメラコントローラを制御することによってカメラを移動させるように構成されるカメラ制御モードを含むことができる。モードは、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットオーバーチューブコントローラを制御することによってオーバーチューブを移動させるように構成され、カメラおよびそれに搭載されたエンドエフェクタもまた、移動する、オーバーチューブ制御モードを含むことができる。
【0011】
ユーザ入力は、位置制御入力のために構成された1つ以上の入力制御装置(例えば、1つ以上のハンド制御装置)を含むことができる。ユーザ入力は、1つ以上のフットペダル装置を含むことができ、かつ/またはユーザ入力は、1つ以上の入力制御装置上の1つ以上のボタンを含む。特定の実施形態では、1つ以上の入力制御装置は、ピストルグリップを有するハンド制御装置を含むことができ、1つ以上のモード選択制御部は、モードごとにモード選択ボタンを含む。特定の実施形態では、1つ以上の入力制御装置は、複数のモード選択制御部を出力するように構成することができる1つ以上のフットペダルをさらに含むことができる。
【0012】
制御モジュールは、複数のモードのうちの1つを選択し、ユーザ入力または個々のユーザ入力の組み合わせに基づいて選択されたモードで動作するように構成することができる。例えば、制御モジュールは、ハンド制御装置とフットペダルとの組み合わせ、またはハンド制御装置とハンド制御装置上のボタンとの組み合わせのいずれかに基づいて、複数のモードのうちの1つを選択し、選択されたモードで運動を制御するように構成することができる。
【0013】
システムは、カメラからの画像を表示するように構成されたディスプレイを含むことができる。表示される画像は、エンドエフェクタの移動に応じて変更することができる。特定の実施形態では、制御モジュールは、エンドエフェクタに運動を相関させるために器具制御モードでカメラを自動的に移動させるように構成することができる。
【0014】
表示される画像は、カメラの移動に応じて変更することができる。特定の実施形態では、表示される画像は、オーバーチューブの移動に応じて変更することができる。
【0015】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム用の制御モジュールは、1つ以上のユーザ入力を受信し、1つ以上のユーザ入力に応じて複数のモードの間で選択するように構成することができる。モードは、例えば上記のように、本明細書に開示された任意の適切なモードを含むことができる。制御モジュールは、例えば上記のように、本明細書に開示された任意の適切なモジュールであり得るか、またはそれを含むことができる。
【0016】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム用の患者カートは、医療用ロボットを支持するように適合され構成されたフレームと、フレームに動作可能に接続された1つ以上の動力装置と、動力装置を駆動してフレームを移動させるために動力装置に接続された1つ以上のモータと、を有する移動型ベースを含むことができる。患者カートは、フレームに接続され、ユーザ入力を検知し、1つ以上のモータを動作させて、ユーザ入力に応じて1つ以上の動力装置を移動させるように構成された駆動制御インターフェースを含むことができる。
【0017】
特定の実施形態では、駆動制御インターフェースは、ユーザによって作動されるように構成された1つ以上のグリップアクチュエータを含むことができる。特定の実施形態では、駆動制御インターフェースは、2つのグリップアクチュエータを含むことができる。特定の実施形態では、駆動制御インターフェースは、ハンドル凹部を画定するハウジングを含むことができる。特定の実施形態では、1つ以上のグリップアクチュエータは、ハンドル凹部内に配置することができる。
【0018】
駆動制御インターフェースは、1つ以上のグリップアクチュエータの位置を示す1つ以上のグリップアクチュエータからの1つ以上の状態信号を受信するために、1つ以上のグリップアクチュエータに動作可能に接続された駆動制御モジュールを含むことができる。駆動制御モジュールは、1つ以上のグリップアクチュエータが部分的に押された場合に、駆動モードにおいて1つ以上のモータの動作を可能にするように構成することができる。
【0019】
駆動制御モジュールは、1つ以上のグリップアクチュエータが停止閾値までか、またはそれを超えて押された場合に、1つ以上のモータの動作を防止するように構成することができる。特定の実施形態では、停止閾値は、1つ以上のグリップアクチュエータの完全な作動である。
【0020】
特定の実施形態では、駆動制御インターフェースは、ユーザ入力の力および方向性を検知するように構成された力センサを含むことができる。
【0021】
駆動制御モジュールは、検知される力を受け取るように力センサに動作可能に接続され、駆動モードでは、駆動制御モジュールは、1つ以上のモータが検知された力の方向に運動を引き起こすように、検知された力に応じて1つ以上のモータを動作させるように構成される。
【0022】
駆動制御モジュールは、例えば、検知された力に比例する速度で1つ以上のモータを動作させるように構成することができる。特定の実施形態では、患者カートは、バッテリを含むことができ、1つ以上のモータに動力エネルギーを提供して、外部電源なしで患者カートの運動を可能にするために1つ以上のモータに動作可能に接続することができる。
【0023】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムの患者カートを駆動するための方法は、駆動モードを開始するために駆動制御インターフェース上の1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げることと、患者カートハンドルに所望の運動方向に力を加え、それによって1つ以上のモータが患者カートを所望の運動方向に駆動させることと、を含むことができる。特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートを前方に移動させるために1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、患者カートハンドルを前方方向に押すことを含む。
【0024】
特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートを後方に移動させるために1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、患者カートハンドルを後方方向に引くことを含むことができる。特定の実施形態では、本方法は、患者カートの運動を停止させるために駆動制御スイッチを完全に押し下げるか、または放すかのいずれかを含むことができる。特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートを操縦するために1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、患者カートハンドルを横方向に押すか、または引くことを含むことができる。
【0025】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムは、それぞれのエンドエフェクタを有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上のロボット器具コントローラと、カメラを移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラと、オーバーチューブを移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラと、を含むことができる。1つ以上の器具は、エンドエフェクタがオーバーチューブの遠位端から延在するように、オーバーチューブを通って延在することができる。カメラは、オーバーチューブを通って延在し、オーバーチューブの遠位端から延在することができる。システムは、1つ以上の入力制御モード信号を出力するように構成され、ユーザ入力を受信して位置制御信号を出力するように構成された複数のモード選択制御部を上に有する1つ以上の入力制御装置を含むことができる。
【0026】
システムは、1つ以上の器具コントローラ、カメラコントローラ、およびオーバーチューブコントローラに動作可能に接続された制御モジュールを含むことができ、1つ以上の入力制御装置から1つ以上の入力制御モード信号を受信し、1つ以上の入力制御モード信号に応じて複数のモードの間で選択するように構成することができる。モードは、制御モジュールが、位置制御信号に応じて1つ以上のロボット器具コントローラを制御することによってエンドエフェクタを移動させるように構成された器具制御モードと、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットカメラコントローラを制御することによってカメラを移動させるように構成されたカメラ制御モードと、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットオーバーチューブコントローラを制御することによってオーバーチューブを移動させるように構成され、カメラおよびそれに搭載されたエンドエフェクタもまた、オーバーチューブの運動によって移動するオーバーチューブ制御モードと、を含むことができる。
【0027】
特定の実施形態では、1つ以上の入力制御装置は、例えばピストルグリップを含むことができる。特定の実施形態では、1つ以上のモード選択制御部は、モードごとにモード選択ボタンを含むことができる。
【0028】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム用の制御モジュールは、1つ以上のユーザ入力を受信し、1つ以上のユーザ入力に応じて複数のモードの間で選択するように構成することができ、モードは、制御モジュールが、位置制御信号に応じて1つ以上のロボット器具コントローラを制御することによってエンドエフェクタを移動させるように構成された器具制御モードと、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットカメラコントローラを制御することによってカメラを移動させるように構成されたカメラ制御モードと、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットオーバーチューブコントローラを制御することによってオーバーチューブを移動させるように構成され、カメラおよびそれに搭載されたエンドエフェクタもまた、オーバーチューブの運動によって移動する、オーバーチューブ制御モードと、カメラから2次元画像およびを出力するように構成された2次元撮像モードと、カメラから3次元画像を出力するように構成された3次元撮像モードと、を含む。本明細書では、任意の他の追加の適切なモードが企図される。
【0029】
特定の実施形態では、ロボット外科手術システムは、それぞれのエンドエフェクタを有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上の器具コントローラと、カメラを移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラと、オーバーチューブを移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラと、1つ以上の入力制御モード信号を出力するように構成され、ユーザ入力を受信して位置制御信号を出力するように構成された複数のモード選択制御部を上に有する1つ以上の入力制御装置と、をさらに備える。特定の実施形態では、制御モジュールは、1つ以上の器具コントローラ、ロボットカメラコントローラ、またはロボットオーバーチューブコントローラと通信して、1つ以上の入力制御モード信号に応じて1つ以上の器具コントローラ、ロボットカメラコントローラ、またはロボットオーバーチューブコントローラを動作させる。
【0030】
本開示の実施形態のこれらおよび他の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明から当業者により容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示が関係する当業者が、過度の実験をすることなく本開示の装置および方法を作製および使用する方法を容易に理解するように、その実施形態を、特定の図を参照して以下に詳細に説明する。
【
図1】患者カートに無線接続されたユーザコンソールを示す、本開示によるロボット外科手術システムの実施形態の斜視図である。
【
図1A】本開示による制御システムの実施形態の概略図である。
【
図1B】本開示による制御システムの実施形態の概略図である。
【
図2】
図1に示すユーザコンソールの実施形態のフットペダル配置の実施形態を示す図である。
【
図3】本開示によるユーザコンソールの別の実施形態の斜視図である。
【
図4】水平アームレスト調整可能性を示す、
図3の実施形態の立面図である。
【
図5】垂直アームレスト調整可能性を示す、
図3の実施形態の立面図である。
【
図6】本開示によるフットペダル配置の別の実施形態を示す図である。
【
図7】患者カート上の入力を使用するユーザおよびグラフィカルユーザインターフェースを表示するそのディスプレイを示す図である。
【
図8】患者カート上の本開示によるユーザ入力の実施形態を示す図である。
【
図9A】本開示によるユーザ入力の代替実施形態を示す図である。
【
図9B】本開示による複数のモード制御部を上に有する
図9Aのハンド制御装置の実施形態を示す図である。
【
図10】本開示による患者カートの実施形態を示す図である。
【
図11】本開示による駆動制御インターフェースの実施形態を示す、
図10の患者カートの斜視図である。
【
図12A】本開示による移動していない状態の患者カートの前輪および後輪の実施形態を示す図である。
【
図12B】本開示による移動状態の
図12Aの前輪および後輪の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明
ここで図面を参照するが、同様の参照番号は、本開示の同様の構造的特徴または態様を識別する。限定ではなく、説明および例示の目的で、本開示によるシステムの実施形態の例示的な図が
図1に示されており、全体として参照符号100で示されている。本開示の他の実施形態および/または態様を
図1A~
図12Bに示す。
【0033】
図1、
図1Aおよび
図1B、ならびに概して
図2~12Bを参照すると、本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム100は、(例えば、1つ以上の電動車輪103Aおよび103B、ならびに/または任意の他の適切な動力システムを介して)床に対して移動するように構成された移動型ベース103を有する患者カート101を含むことができる。システム100は、医療装置を制御するための1つ以上の器具コントローラ105(例えば、器具コントローラ105に取り付け可能なロボット制御鉗子アセンブリなどの医療装置に接続するように構成されている)および/または外科手術を実行するためのオーバーチューブ106を含むことができる。例えば、器具コントローラ105は、医療装置の位置および/または状態を制御するように構成することができる。1つ以上の器具コントローラ105は、(例えば、ベース103に対して器具コントローラ105を移動させるための1つ以上の位置決め装置を有する位置決めシステムを介して)ベース103に接続することができる。
【0034】
システム100は、患者カート101とは別個のユーザコンソール107を含むことができ、ユーザコンソール107は、1つ以上の器具コントローラ105を制御するための1つ以上のユーザ入力(例えば、ハンド入力109、フットペダル111)を備える。ユーザコンソール107は、移動型ベース103に接続されるように構成され、患者カート101全体の位置を遠隔で(例えば、移動型ベース103の1つ以上の電動車輪を制御することによって)監視および/または制御するように構成された患者カート運動制御モジュール113を含むことができる。患者カート運動制御モジュール113は、(例えば、本明細書に開示されるように)任意の適切な機能を実行するように構成された任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。患者カート運動制御モジュール113は、任意の適切な制御ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール113(例えば、器具コントローラソフトウェアで一般的にホストされる)の一部として含まれ得、かつ/または任意の適切な方法で(任意の適切な部品の)独立したモジュールであり得る。例えば、モジュール113は、例えば以下に記載されるように、制御モジュール114に含まれ得る。ユーザコンソール107は、無線または有線接続を介して患者カート103に接続することができる。
【0035】
特定の実施形態では、患者カート運動制御モジュール113は、ユーザ入力109、111による制御部が1つ以上の器具コントローラ105から移動型ベース103に切り替え可能であるように、1つ以上のユーザ入力109、111に選択的に接続可能であり得る。ユーザコンソール107は、さらに/あるいはベース103のための専用の制御部を含むことができると企図される。本明細書では、物理的またはデジタルの任意の適切なスイッチが企図される。
【0036】
患者カート運動制御モジュール113および/または移動型ベース103は、移動型ベース103が(例えば、患者カート運動制御モジュール113を介して)ユーザコンソール107によって制御されるときに、移動型ベース103の運動速度を制限するように構成することができる。これにより、安全性を改善させることができる。特定の実施形態では、システム100は、ユーザコンソール107が移動型ベース103に動作可能に接続されて移動型ベース103を制御することを示すように構成されたインジケータを含むことができる。
【0037】
ユーザコンソール107は、それぞれが信号を送信および/または受信するための任意の適切な方法で患者カート101に接続することができる。例えば、患者カート101は、ユーザコンソールからコマンド信号を受信するように構成された受信機モジュールを含むことができ、受信機モジュールは、任意のコマンド信号を解釈し、コマンドを実行するように構成される。しかしながら、特定の実施形態では、ユーザコンソール107は、患者カート101のうちの1つ以上の(例えば、各)サブシステムと直接通信することができ、直接コマンド信号で患者カート101の1つ以上の(例えば、各)サブシステムを直接制御するように構成することができる。例えば、ユーザコンソール107は、患者カート101および/または外科用器具の位置を直接制御するために、1つ以上の器具コントローラ105および/または移動型ベース103と通信する制御モジュール(例えば、モジュール113を含む)を含むことができる。本明細書では、患者カート101および/または1つ以上のサブシステムを直接的または間接的に最終的に制御するためのユーザコンソール107からのコマンドのための任意の適切な構成が企図される。
【0038】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、
図10を参照すると、ロボット外科手術システム100用の患者カート101(本明細書ではベースカートとも呼ばれ得る)は、医療用ロボット(例えば、本明細書に開示されるロボットシステム)を支持するように適合され構成されたフレーム1001を有する移動型ベース103を含むことができる。患者カート101は、フレーム1001に動作可能に接続された1つ以上の動力装置1003を含むことができる。フレーム1001は、任意の適切な構造形状(例えば、クロス部材などで形成された長方形の車両シャーシ)を含むことができる。本明細書で使用される「動力装置」という用語は、車輪、トラック、または表面に対するフレーム1001の運動を引き起こすことができる任意の他の適切な駆動可能部材などの任意の適切なタイプの動力機構を含むことができる。
【0039】
患者カート101は、動力装置1003を駆動してフレーム1001を移動させるために、1つ以上の動力装置1003に接続された1つ以上のモータ1005を含むことができる。1つ以上のモータ1005は、例えばモータシャフトを介して動力装置1003に接続された1つ以上の電気モータであり得る。本明細書では、任意の適切な数のモータ1005が企図される。例えば、各動力装置1003がそれぞれのモータ1005に関連付けられ、多動力装置ステアリングが可能になるように、動力装置1003(例えば、自動車と同様の4つの車輪)ごとにモータ1005が存在することができる。
【0040】
図11をさらに参照すると、患者カート101は、(例えば、ポスト1009を介して)フレーム1001に接続された駆動制御インターフェース1007を含むことができ、ユーザ入力(例えば、押す力および/または引く力)を検知するように構成することができる。駆動制御インターフェース1007は、ユーザ入力に応じて1つ以上の動力装置1003を移動させるために、1つ以上のモータ1005を動作させるように構成することができる。
【0041】
特定の実施形態では、駆動制御インターフェース1007は、ユーザによって作動されるように構成された1つ以上のグリップアクチュエータ1101を含むことができる。特定の実施形態では、駆動制御インターフェース1007は、例えば図示のように、2つのグリップアクチュエータ1101を含むことができる。特定の実施形態では、駆動制御インターフェース1007は、ハンドル凹部1115を画定するハウジング1113を含むことができる。特定の実施形態では、1つ以上のグリップアクチュエータ1111は、例えば図示のように、ハンドル凹部1115内に配置することができる。
【0042】
駆動制御インターフェース1007は、1つ以上のグリップアクチュエータ1111の位置(例えば、半押し、完全押し)を示す1つ以上の状態信号を1つ以上のグリップアクチュエータ1111から受信するために1つ以上のグリップアクチュエータ1111に動作可能に接続された駆動制御モジュール1117を含むことができる。駆動制御モジュール1117は、1つ以上のグリップアクチュエータ1111が部分的に押された場合(例えば、半押し)、駆動モードで1つ以上のモータ1005の動作を可能にする(かつ/または1つ以上のモータ1005を動作させる)ように構成することができる。これは、駆動モードがユーザによる患者カート101の偶発的な移動を回避することを可能にするために、特定の触覚精度を必要とし得る。特定の実施形態では、駆動制御モジュール1117は、1つ以上のグリップアクチュエータ1111の任意の適切な部分的または完全な作動によって、1つ以上のモータ1005の動作を可能にするように構成することができる。
【0043】
駆動制御モジュール1117は、1つ以上のグリップアクチュエータ1111が停止閾値までか、またはそれを超えて押された場合に、1つ以上のモータの動作を防止するように構成することができる。特定の実施形態では、停止閾値は、1つ以上のグリップアクチュエータ1111の完全な作動である。特定の実施形態では、駆動制御インターフェース1007は、ユーザ入力(例えば、押す力、引く力、および/またはトルク)の力(例えば、力および/またはトルク)ならびに方向性を検知するように構成された力センサ1119を含むことができる。
【0044】
駆動制御モジュール1117は、検知される力を受け取るために力センサ1119に動作可能に接続することができる。駆動モードでは、駆動制御モジュール1117は、1つ以上のモータ1005が検知された力の方向に運動を引き起こすように、検知された力に応じて1つ以上のモータ1005を動作させるように構成することができる。
【0045】
駆動制御モジュール1117は、例えば、検知された力に比例する速度で1つ以上のモータ1005を動作させるように構成することができる。これにより、ユーザがどの程度強く押す、引く、または回転させるのかと、患者カート101の実際の運動速度との間の論理的関係を提供することができる。特定の実施形態では、速度は線形に比例することができ、特定の実施形態では、速度は非線形に比例することができる。本明細書では、モータの検出された力と動作速度との間の他の関係が企図される。
【0046】
特定の実施形態では、患者カート101は、バッテリ1121を含むことができ、1つ以上のモータ1005に動力エネルギーを提供するために、1つ以上のモータ1005(接続部は図示せず)に動作可能に接続されて、外部電源なしで患者カート101の運動を可能にすることができる。特定の実施形態では、カート101は、外部電源を含み得るか、または必要とし得る。
【0047】
駆動制御インターフェース1007は、任意の適切な構造を含むことができる。駆動制御モジュール1117および力センサ1119は、駆動制御インターフェース1007の任意の適切な構造および/または患者カート101の任意の他の適切な部分内に統合することができる。例えば、駆動制御インターフェース1007は、ポスト1009に(固定的にまたは取り外し可能に)搭載された図示の制御パッド1123を含むことができる。力センサ1119は、例えば、制御パッド1123とポスト1009との間に設置することができる。特定の実施形態では、力センサ1119は、例えば、ポスト1009とフレーム1001との間に設置することができる。駆動制御モジュール1117は、制御パッド1123内および/もしくはポスト1009内、ならびに/または患者カート101の任意の他の適切な部分内に設置することができる。制御パッド1123は、患者カート101の任意の他の適切な部分(例えば、患者カート101の器具位置決めシステム)を制御するための1つ以上の制御部を上に有するタッチスクリーン1124を含むことができる。
【0048】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムの患者カート101を駆動するための方法は、駆動モードを開始するために駆動制御インターフェース1007上の1つ以上のグリップアクチュエータ1101を部分的に押し下げることと、患者カートハンドル1102に所望の運動方向に力を加え、それによって1つ以上のモータ1005が患者カート101を所望の運動方向に駆動させることと、を含むことができる。特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートハンドル1102を前方に移動させるために1つ以上のグリップアクチュエータ1101を部分的に押し下げながら、患者カート101を前方方向に押すことを含む。
【0049】
特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートハンドル1102を後方に移動させるために1つ以上のグリップアクチュエータ1101を部分的に押し下げながら、患者カート101を後方方向に引くことを含むことができる。特定の実施形態では、本方法は、患者カート101の運動を停止させるために駆動制御スイッチを完全に押し下げるか、または放すかのいずれかを含むことができる。特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートハンドル1102を操縦するために1つ以上のグリップアクチュエータ1101を部分的に押し下げながら、患者カート101を横方向に押すか、または引くことを含むことができる。
【0050】
特定の実施形態では、患者カートは、充電式バッテリ1121を有することができ、外部電源なしで移動することができる。患者カート101は、例えば、駆動制御スイッチ(例えば、グリップアクチュエータ1101)を押すことによって移動させることができる。特定の実施形態では、患者カート101は、患者カートハンドル1102上の駆動制御スイッチを半押しし、移動する方向に力を加えることによって、任意の方向に移動させることができる。患者カート駆動制御スイッチは、患者カート101の制御された移動のために使用することができ、完全押しされると、患者カート101が停止し、半押しされると、患者カートが駆動モードで作動するように機能することができる。
【0051】
患者カート101を駆動するための方法は、駆動制御スイッチを途中まで押し続けて、患者カートハンドル1102に必要な運動方向に力を加えることを含むことができる。例えば、前方に移動するために、ユーザは、駆動制御スイッチを途中まで保持しながら、患者カートハンドル1102に前方方向(すなわち、押す)に力を加えることができる。同様に、ユーザは、カートを後方に移動させるために他の方向(すなわち、引く)に力を加えることができる。特定の実施形態では、ユーザは、患者カートの移動の加速を停止するために、駆動制御スイッチを放すか、または完全押しすることができる。
【0052】
特定の実施形態では、1つ以上の器具コントローラ105は、例えば、経管外科手術用に構成される。本明細書では、任意の適切な器具コントローラ105が企図される。
【0053】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム100は、それぞれのエンドエフェクタ(例えば、
図7に示すエンドエフェクタ115)を有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上のロボット器具コントローラ105と、カメラ201(例えば、ビデオスコープ)を移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラ203と、オーバーチューブ106を移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラ108と、を含むことができる。1つ以上の器具は、エンドエフェクタ115がオーバーチューブ106の遠位端から延在するように、オーバーチューブを通って延在することができる。カメラ201は、オーバーチューブ106を通って延在することができ、オーバーチューブ106の遠位端から延在する(例えば、
図7に示すように)。
【0054】
システム100は、1つ以上の器具コントローラ105、カメラコントローラ203、およびオーバーチューブコントローラ108に動作可能に接続された制御モジュール114を含むことができる(例えば、1Aおよび1Bに示すように)。制御モジュール114は、(例えば、ハンド入力109および/またはペダル111を介して)1つ以上のモード制御信号を受信し、1つ以上のモード制御信号に応じて複数のモードを選択するように構成することができる。制御モジュール114は、任意の適切な機能を実行するように構成された任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる(例えば、本明細書に開示されるように)。制御モジュール114は、任意の適切な制御ハードウェアおよび/もしくはソフトウェアモジュールの一部として含まれ得、かつ/または任意の適切な方法で(任意の適切な部品の)独立したモジュールであり得る。制御モジュール114は、無線または有線接続を介して任意の適切な構成要素に接続することができる。
【0055】
特定の実施形態では、制御モジュール114は、例えば
図1Aに示すように、モジュール113を含まない。特定の実施形態では、制御モジュール114は、例えば
図1Bに示すように、モジュール113を含む。
【0056】
モードは、位置制御信号に応じて1つ以上のロボット器具コントローラ105を制御することによってエンドエフェクタ115を移動させるように制御モジュール114を構成することができる器具制御モードを含むことができる。モードは、制御モジュール114が位置制御信号に応じて、(例えば、エンドエフェクタ115がロックされている間、またはその他の方法で)ロボットカメラコントローラ203を制御することによってカメラ201を移動させるように構成されるカメラ制御モードを含むことができる。モードは、制御モジュール114が位置制御信号に応じてロボットオーバーチューブコントローラ108を制御することによってオーバーチューブ106を移動させるように構成され、カメラ201およびそれに搭載されたエンドエフェクタ115もまた、移動するオーバーチューブ制御モードを含むことができる。
【0057】
ユーザ入力は、位置制御入力のために構成された1つ以上の入力制御装置(例えば、ハンド入力109などのハンド制御装置)を含むことができる。ユーザ入力は、1つ以上のフットペダル装置111を含むことができ、かつ/またはユーザ入力は、1つ以上の入力制御装置109上の1つ以上のボタン(例えば、以下に記載される指トリガ)を含むことができる。
【0058】
制御モジュール114は、複数のモードのうちの1つを選択し、ユーザ入力または個々のユーザ入力の組み合わせに基づいて選択されたモードで動作するように構成することができる。例えば、制御モジュール114は、入力制御装置109とフットペダル111との組み合わせ、または入力制御装置109と入力制御装置109上のボタンとの組み合わせのいずれかに基づいて、複数のモードのうちの1つを選択し、選択されたモードで運動を制御するように構成することができる。制御プロセスの特定の実施形態を以下に開示する。本明細書では、各モードで切り替えるかつ/または動作するための任意の他の適切な制御プロセスおよび/またはコマンドが企図される。
【0059】
システム100は、カメラ201からの画像を表示するように構成されたディスプレイ119を含むことができる。表示される画像(例えば、カメラのビュー)は、制御モジュールがカメラの運動をエンドエフェクタに相関させるように構成されるように、エンドエフェクタの移動に応じて変更することができる。表示される画像(例えば、カメラおよび/またはGUIのビュー)は、エンドエフェクタ115の移動に応じて変更することができる。特定の実施形態では、制御モジュール114は、エンドエフェクタ115に運動を相関させるために、器具制御モードでカメラ201を自動的に移動させるように構成することができる。
【0060】
表示される画像(例えば、カメラおよび/またはGUIのビュー)は、カメラ201の移動に応じて変更することができる。特定の実施形態では、表示される画像(例えば、カメラおよび/またはGUIのビュー)は、オーバーチューブ106の移動に応じて変更することができる。
【0061】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム100用の制御モジュール114は、1つ以上のモード制御信号を受信し、1つ以上のモード制御信号に応じて複数のモードの間で選択するように構成することができる。モードは、例えば上記のように、本明細書に開示された任意の適切なモードを含むことができる。制御モジュール114は、例えば上記のように、本明細書に開示された任意の適切なモジュールであり得るか、またはそれを含むことができる。
【0062】
システム100および/またはその任意の適切な部分は、本明細書に開示される任意の適切な構成要素を含むことができる。システム100は、本明細書に開示される使用のために、および/または任意の他の適切な方法で構成することができる。
【0063】
図1は、患者カートに無線接続されたユーザコンソールを示す、本開示によるロボット外科手術システムの実施形態の斜視図である。
図2は、
図1に示すユーザコンソールの実施形態のフットペダル配置の実施形態を示す。
図1Aは、制御システムの実施形態の概略図であり、制御モジュール114に接続されたハンド入力109(例えば、1つ以上の入力制御装置)、111(例えば、1つ以上のフットペダル)、ならびに本明細書に開示されるそれぞれのモードでコントローラを制御するためのコントローラ105、108、および203に接続された制御モジュール114を示す。
図1Bは、追加モードで制御可能なモジュール113を有する図示の制御システムの実施形態の概略図である。
【0064】
図3は、本開示によるユーザコンソールの別の実施形態の斜視図である。
図4は、水平アームレスト調整可能性を示す、
図3の実施形態の立面図である。
図5は、垂直アームレスト調整可能性を示す、
図3の実施形態の立面図である。
図6は、本開示によるフットペダル配置611の別の実施形態を示す。
図7は、患者カート上の入力を使用するユーザおよびグラフィカルユーザインターフェースを表示するそのディスプレイを示す。
図8は、患者カート上の本開示によるユーザ入力の実施形態を示す。
図9Aおよび
図9Bは、本開示によるピストルグリップを有するユーザ入力の代替実施形態を示す。
【0065】
実施形態は、腔内外科手術システム(ELS)の全体的なマスタ制御部を含む。実施形態は、ELSユーザコンソールを介して患者カート101およびオーバーチューブ106(商標名Colubriscope(商標)による添付書類においても言及されている;全権利留保)の監視および位置決めを提供することができる。
【0066】
ユーザコンソール107の実施形態は、エンドエフェクタ115(
図7に示すように、器具コントローラ105によって制御される外科用器具116の遠位端に設けられる)を移動させる器具制御部を含むことができる。特定の実施形態では、ユーザコンソール107のディスプレイ119上の表示される画像117は、エンドエフェクタ115の移動に応じて変更することができる。ユーザコンソール107の実施形態は、カメラ201(例えば、
図1の器具コントローラ105の上方のカメラコントローラ203に搭載される)を(例えば、エンドエフェクタ/器具コントローラがロックされている間に同じハンド制御部を介して)移動させるカメラ制御部を含むことができる。表示される画像117は、カメラ201の移動に応じて変更することができる。特定の実施形態では、カメラ201の移動は、追加のカメラコントローラなしで器具コントローラ105のうちの1つによって制御することができる。特定の実施形態では、カメラコントローラ203は、別個のコントローラ(例えば、これは、例えば、器具コントローラと同じタイプのコントローラであり得る)であり得る。
【0067】
実施形態は、カメラ201およびその上に搭載されたエンドエフェクタ115も移動させながら、オーバーチューブ106(例えば、医療装置が内部で前進/後退するための1つ以上の器具チャネルを内部に有する柔軟な細長い挿入チューブであり得る)を移動させるように構成されたオーバーチューブ制御部を含むことができる。表示される画像117は、例えば、オーバーチューブ106の移動に応じて変更することができる。
【0068】
制御部は、例えば、ハンド制御装置(例えば、
図1のハンド入力109)とフットペダル111との組み合わせ、またはハンド制御装置とハンド制御装置上のボタンとの組み合わせのいずれかによって行うことができる。本明細書では、任意の適切な制御スキームが企図される。
【0069】
図3を参照すると、例えば、ユーザコンソール300は、アームレスト305を横切って位置するデュアルハンド制御装置109、301、303(例えば
図3に示すようなマスタまたはハンドコントローラとしても知られている)構成を有することができる。ハンド制御装置の相対運動を使用して、外科用器具116の関節運動を制御することができる。外科医は、例えば、外科用鉗子が保持されるのと同じ方法でハンド制御装置の各々を保持することができる。
【0070】
実施形態は、ディスプレイ119(例えば、
図3のHD画像ビューア)を含むことができる。ディスプレイ119は、ビデオスコープ器具によってキャプチャされ、ディスプレイ119上の2D画像としてユーザに表示された外科手術作業空間の2Dビューを提供することができる。ユーザはまた、ディスプレイ119中のビデオにオーバーレイされたテキスト、アイコン、およびグラフィックコンテンツの形態で追加情報を見ることができる。
【0071】
図3を参照すると、例えば、実施形態は、アームレスト305を含むことができる。アームレスト305は、例えば、水平方向(例えば、
図4に示すように)または垂直方向(例えば、
図5に示すように)に調整可能であり得る。アームレストパネルは、ハンド制御装置301、303が保持されて動作する間、外科医の前で腕を支持することができる。アームレスト305は、例えば、左スイッチパネル309(左側)および右スイッチパネル311(右側)を含むことができる。左スイッチパネル309は、人間工学的な調整を提供することができる。外科医は、アームレスト305の左側に位置する左スイッチパネル309に設けられた制御部を使用して人間工学的な調整を行うことができる。特定の実施形態では、左スイッチパネル309は、例えば、ディスプレイ119およびユーザコンソール300を調整するために4つの押しボタンを設けることができる。例えば、ボタンは、アップボタンおよびダウンボタン(例えば、左側の対)を含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、「↑」のボタンを押し続けて、ユーザコンソールの高さを上げ、所望の高さで放すことができる。特定の実施形態では、ユーザは、「↓」のボタンを押し続けて、ユーザコンソールの高さを下げ、所望の高さで放すことができる。特定の実施形態では、ボタンは、ビューワのアップボタンおよびダウンボタン(例えば、右側の対)を含むことができる。ユーザは、「↑」のボタンを押し続けて、ディスプレイ119の高さを上げ、所望の高さで放すことができる。特定の実施形態では、ユーザは、「↓」のボタンを押し続けて、ディスプレイ119の高さを下げ、所望の高さで放すことができる。
【0072】
特定の実施形態では、右スイッチパネル311は、電力制御部および緊急停止制御部を含むことができる。例えば、外科医(または他のオペレータ)は、アームレストの右側に位置する右側スイッチパネルに設けられた制御部を介して、システムオン/オフ、緊急停止、およびEMO復旧機能を制御することができる。
【0073】
右スイッチパネル311は、例えば、電源ボタン、非常停止ボタン、および緊急復旧(EMO)の3つのボタンを含むことができる。例えば、ユーザは、電源ボタンを押して放すことでシステムをオンにすることができ、3秒間押し続けてシステムをオフにすることができる。緊急停止の場合、ユーザは、緊急停止ボタンを押して放すことで緊急時にシステムの動作を停止させることができる。ユーザは、例えば、緊急停止後および危険な状況が解消された場合に、EMO復旧ボタンを押して放すことでシステムを動作状態に戻すことができる。
【0074】
本明細書では、特定のボタンの1つ以上の位置が開示されているが、任意の適切な位置が企図される。ユーザコンソール107は、開示された機能および/または任意の他の適切な機能を実行するために、本明細書に開示された各ボタン、ペダル、または他の適切な入力に接続するように構成された任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールを含むことができる。
【0075】
ユーザコンソール107の実施形態は、例えば
図6に示される1つ以上のフットペダル111、611および/または以下に開示される機能を可能にするように構成される1つ以上の関連する制御モジュールを含むことができる。例えば、外科医は、ユーザコンソールの底部に位置するフットペダル111を押すことによって、様々な機能を制御することができる。特定の実施形態では、外科医は、様々なペダル111を踏むことによって、以下に説明する機能を実行することができる。
【0076】
例えば、
図2および
図6に示すように、ペダル111、611は、取り付けられた器具を初期の位置および/または配向に戻すために(例えば、ハンド制御装置の指クラッチボタンとともに)押し続けることができるホームペダル111a、611aを含むことができる(例えば、ゼロロールおよびゼロピッチで真っ直ぐにする)。特定の実施形態では、ホームペダル111a、611aは、システムがクラッチされていないときにのみ動作可能であり得る。クラッチされると、両方のハンド制御装置301、303を器具コントローラ105から切り離すことができ、それにより、ハンド制御装置は、自由に動くことができるが、器具は、動かないままである。例えば、器具ホーミング動作において、ユーザは、ホームペダル111a、611aを押し続けることができる。同時に、ユーザは、ハンド制御装置上の指クラッチボタンを押し続けて、取り付けられた外科用器具116をその真っ直ぐな姿勢に戻すことができる。ユーザは、ビデオスコープのフレックス制御インジケータがピッチインジケータおよびヨーインジケータの両方で直線を示すように、左手の制御装置301を移動させることができる。
【0077】
実施形態は、ビデオスコープペダル111b、611bを含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、例えば、ハンド制御部を使用してビデオスコープを動作させるためにビデオスコープペダル111b、611bを押し続けることができる。ビデオスコープペダル111b、611bを押すと、器具コントローラ105の制御部を切断し、ビデオスコープの制御部(例えば、1つ以上のビデオスコープコントローラ)にそれを切り替えることができる。
【0078】
実施形態は、カットペダル111c、611cを含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、カットペダル111c、611cを押し続けて、左手および/または右手の制御装置301、303のいずれかに割り当てられた電気外科用器具の切断機能を使用することができる。実施形態は、凝固ペダル111d、611dを含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、凝固ペダル111d、611dを押し続けて、左手および/または右手の制御装置301、303に割り当てられた電気外科用器具の凝固機能を使用することができる。
【0079】
実施形態は、クラッチペダル111eを含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、クラッチペダルを押して放して、外科用器具116の動作を静止させる ことができる(ハンド制御装置301、303を器具コントローラから分離する)。例えば、特定の実施形態では、クラッチペダル111eがアクティブであるとき、ハンド制御装置301、303の運動は、器具コントローラ105に中継されない。特定の実施形態では、クラッチペダル111eがアクティブであるとき、外科医は、例えば、左スイッチパネル309を動作させて人間工学的調整を行い、ハンド制御装置301、303を再配置してより多くの作業空間を達成することができる。特定の実施形態では、外科医は、クラッチペダルを再び押して放すことによって器具の制御を取り戻すことができる。
【0080】
実施形態は、オーバーチューブペダル111f、611fを含むことができる。オーバーチューブペダル111f、611fは、例えば、器具作業空間の場所を調整するために使用することができる。特定の実施形態では、ユーザは、オーバーチューブペダル111f、611fを押し続けて、左手の制御装置301(または右手の制御装置303)を使用して患者カート101の位置決めシステムを動作させて、オーバーチューブ106の並進運動およびロール運動を制御することができる。特定の実施形態では、ユーザは、反対側のハンド制御(例えば、右手)装置を使用してオーバーチューブ106を動作させるために押し続けて、オーバーチューブ106の柔軟な運動を制御することができる。
【0081】
特定の実施形態では、ユーザは、オーバーチューブペダル111f、611fを押し続けて、次いで左手および右手の制御装置301、303を使用して作業空間およびビューを変更することができる。特定の実施形態では、左手装置301は、挿入/引き込みおよびロール運動を制御することができる。特定の実施形態では、右手装置303は、ピッチングおよびヨーイング運動を制御することができる。特定の実施形態では、オーバーチューブペダル111f、611fの動作中、すべての外科用器具は、それらの位置を保持する(例えば、器具コントローラ105をロックして、器具を動かないままにする)。
【0082】
実施形態は、吸引ペダル111gを含むことができる。例えば、吸引装置がオーバーチューブに接続されている場合、ユーザは、吸引のために吸引ペダル111gを押し続けることができる。実施形態は、気腹ペダル111hを含むことができる。例えば、気腹装置がオーバーチューブ106に接続されている場合、ユーザは、気腹調整のために気腹ペダル111hを押し続けることができる。
【0083】
実施形態は、右側のスイッチパネル311に、緊急停止ボタン(図示せず)を含むことができる。例えば、緊急停止ボタンを使用して、緊急の場合に患者カートに関連するすべての動作を静止させることができる。すべての移動を停止させることができ、器具コントローラ105のモータブレーキを放すことができ、手動で後退させることができる。緊急状態では、器具コントローラ105は、自由に移動することができる。器具コントローラ105は、そのハウジング上に、緊急状態では赤色で点滅することができる器具クラッチボタン(図示せず)をさらに含むことができる。緊急状態では、すべてのケーブル張力を緩めることができ、外科用器具116は、いかなる把持力もセグメント曲げ力も有しない。特定の実施形態では、システムは、確実に器具116に作業空間中の組織または縫合針を把持させることができる。
【0084】
実施形態は、例えば、指クラッチボタン803、903(例えば、
図8および9Bに示すように)を含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、指クラッチボタン803、903を押し続けて、(そのハンド制御装置の運動に関係なく)それぞれのハンド制御装置301、303に接続された外科用器具116の位置および姿勢を保持することができる。特定の実施形態では、ハンド制御装置301、303の運動は、指クラッチボタン803、903が押し続けられた場合、それぞれの外科用器具116に中継されない。ユーザは、指クラッチボタン803、903を使用して、器具116の姿勢を変更することなくハンド制御装置301、303を再配置して、作業空間を簡単に操ることができる。
【0085】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、
図1、
図1A、
図9A、および
図9Bを参照すると、例えば、ロボット外科手術システムは、本明細書に開示される任意の適切なロボット外科手術システム、例えば上記のシステム100を含むことができる。しかしながら、特定の実施形態では、システム100は、1つ以上の入力制御モード信号(例えば、1つ以上のハンド制御モード信号)を出力するように構成された複数のモード選択制御部901a、901b、901cを上に有する1つ以上のハンド制御装置900(例えば、ピストルグリップ901を有する)を含むことができる。ハンド制御装置900は、ユーザ入力を受信し、(例えば、1つ以上の器具を制御するための)位置制御信号を出力するように構成することができる。
【0086】
システムは、1つ以上の器具コントローラ(例えば、上記の105)、カメラコントローラ(例えば、上記の203)、およびオーバーチューブコントローラ(例えば、上記の108)に動作可能に接続された制御モジュール(例えば、上記の
図1Bの114)を含むことができ、1つ以上のハンド制御装置900から1つ以上の入力制御モード信号を受信するように構成することができる。制御モジュール(例えば、上記の114)は、1つ以上の入力制御モード信号に応じて複数のモードの間で選択するように構成することができる。例えば、モードは、制御モジュール114が、位置制御信号に応じて1つ以上のロボット器具コントローラ105を制御することによってエンドエフェクタを移動させるように構成される器具制御モード(例えば、モード制御部901aを作動させることによって作動される)を含むことができる。モードは、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットカメラコントローラ203を制御することによってカメラ201を移動させるように構成されるカメラ制御モード(例えば、モード制御部901bを作動させることによって作動される)を含むことができる。モードは、制御モジュールが、位置制御信号に応じてロボットオーバーチューブコントローラ108を制御することによってオーバーチューブ106を移動させるように構成され、カメラおよびそれに搭載されたエンドエフェクタもまた、オーバーチューブの運動によって移動するオーバーチューブ制御モード(例えば、モード制御部901cを作動させることによって作動される)を含むことができる。
【0087】
特定の実施形態では、
図9Aおよび
図9Bに示すように、1つ以上のハンド制御装置900は、例えばピストルグリップ901を含むことができる。特定の実施形態では、1つ以上のモード選択制御部901a、b、cは、モードごとにモード選択ボタンを含むことができる(例えば、図示の3つのボタン)。モード選択制御部901a、b、cの配置は、人間工学的に選択することができる。例えば、制御部901a、b、cは、ユーザの指がピストルグリップ901を包み込む場所に搭載することができ、ユーザの指先の場所またはそこから容易に到達可能な場所を提供する。特定の実施形態では、ピストルグリップ901は、制御部901a、b、cと同じ側に位置決めされ、例えばユーザの親指または人差し指によって作動されるように構成されたクラッチボタン903を含むことができる。
【0088】
本明細書では、制御部901a、901b、901cのための任意の適切なボタンまたは作動タイプが企図される。例えば、制御部901a、901b、901cの抵抗は、偶発的な作動を回避するために十分に高くなるように選択することができる。各モード制御部901a、901b、901cは、ユーザが様々なモード制御部を混同しないように、異なるボタンまたは作動タイプを有してもよい。例えば、制御部901aは、押しボタンであり得、制御部901bは、ロッカースイッチであり得、制御部901cは、スライドスイッチであり得る。本明細書では、異なるタイプ、サイズ、および/または形状の制御部の任意の他の適切な配置が企図される。ハンド装置モード制御部を有するそのような実施形態は、ユーザがフットペダルなしでシームレスで直感的な方法で状態を切り替えることを可能にし、動作時間を短縮することができる。
【0089】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム(例えば、上記のシステム100)用の制御モジュール(例えば、モジュール114)は、1つ以上のユーザ入力を受信し、例えば上記のように、1つ以上のユーザ入力に応じて複数のモードの間で選択するように構成することができる。上記のようなモードの任意の組み合わせに加えて、モードはまた、カメラから2次元画像を出力するように構成された2次元(2D)撮像モード、およびカメラから3次元画像を出力するように構成された3次元(3D)撮像モードを含むことができる。いくつかの例では、2D撮像モードおよび3D撮像モードは、単独でまたは互いに機能するように選択可能である。他の例では、モードは、これらの2つの撮像モードのうちの1つを互いに変換するように構成されたスイッチモードをさらに含むことができる。本明細書では、任意の他の適切な画像処理、変換および/または画像選択モード、プロセッサ、および/または変換器が企図される。本明細書では、2Dおよび3Dモードのための1つ以上のモード制御場所のための任意の適切な場所が企図される。
【0090】
特定の実施形態では、ロボット外科手術システムは、それぞれのエンドエフェクタを有するそれぞれの器具を移動および位置決めするように構成された1つ以上の器具コントローラ(例えば、上記のように)と、カメラを移動および位置決めするように構成されたロボットカメラコントローラと、オーバーチューブを移動および位置決めするように構成されたロボットオーバーチューブコントローラと、1つ以上の入力制御モード信号を出力するように構成され、ユーザ入力を受信して位置制御信号を出力するように構成された複数のモード選択制御部を上に有する1つ以上のハンド制御装置と、をさらに備える。特定の実施形態では、制御モジュールは、1つ以上の器具コントローラ、ロボットカメラコントローラ、またはロボットオーバーチューブコントローラと通信して、1つ以上の入力制御モード信号に応じて1つ以上の器具コントローラ、ロボットカメラコントローラ、またはロボットオーバーチューブコントローラを動作させる。
【0091】
特定の実施形態は、例えば、経肛門処置、経膣処置、および/または経食道処置に使用することができる。特定の実施形態は、任意の適切な体腔における経管処置に使用することができる。特定の実施形態は、例えば、単一切開処置で使用することができる。特定の実施形態は、任意の適切な処置に使用することができる。
【0092】
特定の実施形態では、
図12Aおよび12Bに示すように、患者カート101の移動型ベース103は、一対の前輪103Aおよび一対の後輪103Bをさらに含むことができる。前輪103Aは、床に対して前後に移動可能な駆動輪として機能することができる。他方、後輪103Bは、その回転軸を中心に自由に回転することができるステアリングホイール(例えば、旋回キャスタ)として機能することができ、したがって、
図12Bに示すように、車輪103Bが任意の方向に転がることを可能にする。特定の実施形態では、各前輪103Aおよび後輪103Bは、車輪103Aおよび103Bを固定位置にロックするための専用ロック機構(図示せず)をさらに含むことができる。
【0093】
特定の実施形態では、患者カート運動制御モジュール113は、1つ以上のユーザ入力に応じて、車輪103Aおよび103Bの複数の車輪制御モードの間で選択するように構成することができる。例えば、1つ以上のグリップアクチュエータ1101を部分的に押し下げながら、患者カートハンドル1102を横方向に押すか、または引くことによって力Fを加える場合、患者カート101は、前輪103Aの前後運動および後輪103Bの回転によって操縦することができる。例えば、横方向成分を有する任意の力Fは、後輪103Bを横方向成分の方向にベースを旋回させる方向に、(例えば、モータの動作によって)回転させることができる(例えば、図示のように、右折の場合は反時計回り、左折の場合は時計回り)。特定の実施形態では、力を加えることは、患者カートを操縦するために1つ以上のグリップアクチュエータを部分的に押し下げながら、患者カートハンドルを横方向に押すか、または引くことを含むことができる。
【0094】
当業者には理解されるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとり得、そのすべての可能性は、本明細書では「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶことができる。「回路」、「モジュール」、または「システム」は、「回路」、「モジュール」、または「システム」の開示された機能を一緒に実行することができる1つ以上の別個の物理ハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素の1つ以上の部分を含むことができ、あるいは「回路」、「モジュール」、または「システム」は、(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの)単一の自己完結型ユニットであり得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが上に具現化された1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。
【0095】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、機器、もしくはデバイス、または上記の任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、以下が挙げられる:1つ以上の配線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または上記の任意の適切な組み合わせ。本明細書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、機器、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを含有するか、または記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0096】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドにおいて、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが内部に具現化された伝搬データ信号を含んでもよい。そのような伝搬信号は、電磁気、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない種々の形態のいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、機器、もしくはデバイスによって、またはそれらと関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、または輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0097】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0098】
本開示の態様のための動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、例えば、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、および部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、または(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0099】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して上記され得る。任意のフローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびに任意のフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装することができることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサを介して実行される命令が、任意のフローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実装するための手段を作成する。
【0100】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理機器、または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実装すする命令を含む製品物品を製造する。
【0101】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラマブル機器上で実行される命令が本明細書で指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、他のプログラマブル機器、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装プロセスを製造するために、コンピュータ、他のプログラマブル処理機器、または他のデバイスにロードされてもよい。
【0102】
当業者は、本明細書に開示される任意の数値が正確な値であり得るか、またはある範囲内の値であり得ることを理解する。さらに、本開示で使用される近似の任意の用語(例えば、「約(about)」、「約(approximately)」、「約(around)」)は、ある範囲内の記載された値を意味することができる。例えば、特定の実施形態では、範囲は、20%以内(プラスもしくはマイナス)、または10%以内、または5%以内、または2%以内、または当業者によって理解されるような任意の他の適切なパーセンテージもしくは数以内(例えば、既知の許容限界または誤差範囲について)であり得る。
【0103】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、および「the」は、本明細書では、文脈上そうでないことが示されていない限り、その冠詞の文法的対象の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0104】
本明細書において、本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という句は、そのように結合された要素、すなわち、場合によっては連言的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された多数の要素は、同じように、すなわちそのように結合された要素のうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外に、具体的に特定される要素に関連するか否かにかかわらず、他の要素が任意選択的に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンド言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意選択的に他の要素を含む)などを指すことができる。
【0105】
本明細書において、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は、包括的であると解釈されるものとし、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、かつ任意選択的に、追加の列挙されていない項目を含むと解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」もしくは「のうちの正確に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲で使用される場合の「からなる(consisting of)」など、反対に明確に示されている用語のみが、要素の数またはリストのうちの正確に1つの要素の包含を指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of」、「のうちの1つのみ(only one of)」、または「のうちの正確に1つ(exactly one of)」などの排他的な用語が先行する場合、排他的な選択肢(すなわち、「両方ではなく一方または他方(one or the other but not both)」を示すとして解釈されるものとする。
【0106】
本明細書では、任意の開示された実施形態の任意の適切な組み合わせおよび/またはその任意の適切な部分は、本開示を考慮して当業者によって理解されるように企図される。
【0107】
本開示の実施形態は、上記され、図面に示されるように、それらが関連する技術の改善を提供する。本開示は、特定の実施形態への言及を含むが、当業者であれば、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく変更および/または修正を行い得ることを容易に理解するであろう。
【国際調査報告】