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特表2024-544456ロボット外科手術システム用の安全ハンドセンサシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ロボット外科手術システム用の安全ハンドセンサシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20241126BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513695
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022051237
(87)【国際公開番号】W WO2023101955
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/284,191
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】519239333
【氏名又は名称】エンドクエスト ロボティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ノ ジンソク
(72)【発明者】
【氏名】パク スンウ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンキョウ
(72)【発明者】
【氏名】シン ドンソク
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AB01
4C130AD01
4C130BA02
4C130CA20
(57)【要約】
本開示の少なくとも一態様によれば、ロボット外科手術システムのハンド制御装置用のユーザ入力ハンドルは、ユーザによって握られるように構成された把持部を含むことができる。把持部は、把持部がユーザによって握られているかどうかを感知するように構成された把持安全センサを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術システムのハンド制御装置用のユーザ入力ハンドルであって、
ユーザによって握られるように構成された把持部であって、前記把持部がユーザによって握られているかどうかを感知し、前記把持部がユーザによって握られているかどうかを示す安全信号を出力するように構成された把持安全センサを含む、把持部
を含む、ハンドル。
【請求項2】
前記把持安全センサが、前記ユーザが前記ハンドルを握っているときに前記ユーザの手の少なくとも一部と接触するように前記把持部に配置されている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項3】
前記把持安全センサが、前記把持部が前記ユーザによって適切に握られていることを制御モジュールに示すために検出されたときに、前記安全信号を出力するように構成される、請求項2に記載のハンドル。
【請求項4】
前記ハンドルから追加の出力をもたらすために前記ユーザの指を受け入れるように構成された1つまたは複数の指用レバーをさらに備える、請求項3に記載のハンドル。
【請求項5】
前記把持部がピストルのグリップの形状を含む、請求項1に記載のハンドル。
【請求項6】
前記把持部は、前記ハンドルからクラッチ出力をもたらすために前記ハンドルを握るときに前記ユーザの指によって作動されるように構成された1つまたは複数の指クラッチボタンを含む、請求項5に記載のハンドル。
【請求項7】
前記把持安全センサが、前記ユーザが前記ハンドルを握っているときに前記ユーザの手の手の平と接触するように前記把持部に配置されているボタンである、請求項1に記載のハンドル。
【請求項8】
ロボット外科手術システム用のハンド制御システムであって、
1つまたは複数の外科手術機器を制御するように動作するように構成された1つまたは複数のハンド制御装置、および
各ハンド制御装置に接続されたユーザ入力ハンドル
を含み
前記ユーザ入力ハンドルが、ユーザによって握られるように構成された把持部であって、前記把持部がユーザによって握られているかどうかを感知し、前記把持部がユーザによって握られているかどうかを示す安全信号を出力するように構成された把持安全センサを含む、把持部を含む、システム。
【請求項9】
前記把持安全センサが、前記ユーザが前記ハンドルを握っているときに前記ユーザの手の少なくとも一部と接触するように前記把持部に配置されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記把持安全センサが、前記把持部が前記ユーザによって適切に握られていることを制御モジュールに示すために検出されたときに、前記安全信号を出力するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハンドルから追加の出力をもたらすために前記ユーザの指を受け入れるように構成された1つまたは複数の指用レバーをさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記把持部がピストルのグリップの形状を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記把持部は、前記ハンドルからクラッチ出力をもたらすために前記ハンドルを握るときに前記ユーザの指によって作動されるように構成された1つまたは複数の指クラッチボタンを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
制御モジュールであって、
制御モードを起動するために前記安全信号を受信し、
前記制御モードで前記1つまたは複数の前記1つまたは複数の外科手術機器を制御するために、前記1つまたは複数のハンド制御装置から入力信号を受信し、
前記安全信号が受信されない場合に、前記1つまたは複数のハンド制御装置を使用した前記外科手術機器の制御を無効にするために安全モードを起動する
ように構成される、制御モジュールをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記把持安全センサが、前記ユーザが前記ハンドルを握っているときに前記ユーザの手の手の平と接触するように前記把持部に配置されているボタンである、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年11月30日に出願された米国仮出願第63/284,191号の優先権および利益を主張し、その全内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、例えば、限定はしないが、腔内および単一部位の外科手術を含む低侵襲外科手術用のロボット外科手術システムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
腔内および単一部位のロボット外科手術などの低侵襲外科手術は、従来のロボット外科手術と比較して大きな利点が得られる。例えば、腔内ロボット外科手術では、患者の生来の腔部の中にある位置にアクセスするのが困難な場所にアクセスするために、切開を行う必要はない。これにより、回復時間が劇的に短縮および/または排除され、処置の安全性が改善される。単一部位システムは、切開を最小限の単一部位に減らし、これにより、特定の処置に際して、他の方法ではより数の多い、アクセスを設けるための切開を減らす。
【0004】
特定の腔内および単一部位のロボット外科手術システムが提案されている。そのようなシステムおよび関連する構成要素の例は、米国特許第10,881,422号明細書、ならびに米国特許出願公開第20210322046号明細書、同第20210322045号明細書、同第20190117247号明細書、同第20210275266号明細書、同第20210267702号明細書、同第20200107898号明細書、同第20200397457号明細書、同第202000397456号明細書、同第20200315645号明細書、および同第201962914226号明細書に見出すことができ、上記のすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
従来の外科手術用ロボットおよびシステムは、一般に、それらの意図された目的にとって満足のいくものであると考えられてきた。しかしながら、当技術分野では、改善されたロボット外科手術システム、装置、方法、制御装置、および構成要素、特に腔内および単一部位の外科手術用に構成されたものが、依然として必要とされている。本開示は、例えば、そのような領域における改善を提供する。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムのハンド制御装置用のユーザ入力ハンドルは、ユーザによって握られるように構成された把持部を含むことができる。把持部は、把持部がユーザによって握られているかどうかを感知し、把持部がユーザによって握られているかどうかを示す安全信号を出力するように構成された把持安全センサを含むことができる。
【0007】
把持安全センサは、ユーザがハンドルを握っているときにユーザの手の少なくとも一部と接触するように把持部に配置され得る。例えば、把持安全センサは、把持部がユーザによって適切に握られていることを制御モジュールに示すために検出されたときに安全信号を出力するように構成することができる。本明細書では、任意の適切なセンサのタイプが企図される(例えば、近接センサ、給電式、または非給電式など)。
【0008】
特定の実施形態では、ハンドルは、(例えば、内視鏡器具ハンドルの形状および機能を模倣するために)ユーザの指を受け入れてハンドルから追加の出力を設けるように構成された1つまたは複数の指用レバーを含むことができる。特定の実施形態では、把持部は、ピストルのグリップの形状を含むことができる。特定の実施形態では、ハンドルはまた、ハンドルからクラッチ出力をもたらすためにハンドルを握るときに、ユーザの指により作動されるように構成された、1つまたは複数の指クラッチボタンを含むことができる。特定の実施形態では、把持部は、1つまたは複数の指クラッチボタンを含むことができる。特定の実施形態では、把持安全センサは、ユーザがハンドルを握っているときにユーザの手の平と接触するように把持部に配置されているボタンであり得る。
【0009】
特定の実施形態では、把持部は、ロボット外科手術システムのハンド制御装置から取り外し可能であるように構成することができる。本明細書では、任意の他の適切な構成が企図される。
【0010】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システム用のハンド制御システムは、1つまたは複数の外科手術機器を制御するように動作するように構成された、1つまたは複数のハンド制御装置を含むことができる。システムは、各ハンド制御装置に接続されたユーザ入力ハンドルを含むことができる。ユーザ入力ハンドルは、本明細書に開示されるような(例えば、上述のような)任意の適切なハンドルとすることができる。システムは、制御モードを起動するために安全信号を受信し、制御モードで1つまたは複数の1つまたは複数の外科手術機器を制御するために1つまたは複数のハンド制御装置から入力信号を受信し、安全信号が受信されないときに1つまたは複数のハンド制御装置を使用して外科手術機器の制御を無効にするために安全モードを起動するように構成された制御モジュールを含むことができる。制御モードと安全モードとを切り替えるための任意の他の適切な安全信号制御ロジック(例えば、信号、第2の信号の欠如などに起因)が本明細書で企図される。
【0011】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムは、1つまたは複数の外科手術機器を制御するように動作するように構成された、1つまたは複数のハンド制御装置と、各ハンド制御装置に接続されたユーザ入力ハンドルとを含むことができる。ユーザ入力ハンドルは、ユーザによって握られるように構成された把持部を含むことができる。把持部は、把持部がユーザによって握られているかどうかを感知し、把持部がユーザによって握られているかどうかを示す安全信号を出力するように構成された把持安全センサを含むことができる。ロボット外科手術システムは、例えば上述のように、本明細書に開示されるハンド制御システムの任意の適切な部分を含むことができる。
【0012】
本開示の実施形態のこれらおよび他の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明から、当業者にとって、より容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示が関係する当業者が、過度の実験をすることなく本開示の装置および方法をいかに作製および使用するかを容易に理解するように、その実施形態を、特定の図を参照しながら本明細書の下部に詳細に説明する。
図1】本開示によるユーザ入力ハンドルの実施形態の斜視図である。
図2】ロボット外科手術システムのユーザコンソールに関連付けられた図1の実施形態の斜視図である。
図3図1の実施形態を握るユーザを示す斜視図である。
図4】各デバイスで図1のハンドルの実施形態を使用して2つのハンド制御装置を操作するユーザを示す。
図5】本開示による制御システムの実施形態の斜視図である。
図6A】本開示によるハンドルの実施形態の斜視図である。
図6B図6Aの実施形態の右側の立面図である。
図6C図6Aの実施形態の前部の立面図である。
図6D図6Aの実施形態の左側の立面図である。
図6E図6Aの実施形態の後部の立面図である。
図6F図6Aの実施形態の底面図である。
図6G図6Aの実施形態の上面図である。
図6H】ハウジングカバー部が取り外されて示されている、図6Aの実施形態の斜視図である。
図6I】主要ハウジング部を分離して示している、図6Aの実施形態の斜視図である。
図7図6Aのハンドルの実施形態が取り付けられて示されている、ハンド制御装置の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
ここで図面を参照するが、同様の参照符号は、本開示の同様の構造的特徴または態様を同一視する。限定することではなく、説明および例示することが目的で、本開示によるシステムの実施形態の説明的な図が図1に示されており、全体として参照符号100で示されている。本開示の他の実施形態および/または態様を図2から7に示す。
【0015】
本開示の少なくとも一態様によれば、図1図4を参照すると、ロボット外科手術システム(例えば、腔内外科手術用装置)のハンド制御装置200用のユーザ入力ハンドル100は、ユーザ(例えば、外科医)によって握られるように構成された把持部101を含むことができる。把持部101は、把持部101がユーザによって握られているかどうかを感知するように構成された把持安全センサ103を含むことができる。センサ103は、把持部101がユーザによって握られているかどうかを示す安全信号を出力するように構成することができる。
【0016】
把持安全センサ103は、ユーザがハンドル100(例えば、図3および図4に示すように)を握っているときにユーザの手の少なくとも一部(例えば、手のひら)と接触するように把持部100に配置されたボタン(例えば、図1に示すように)とすることができる。例えば、把持安全センサ103は、把持部101がユーザによって適切に握られていることを制御モジュール300に示すために検出されたときに安全信号を出力するように構成することができる。本明細書では、任意の適切なセンサのタイプが企図される(例えば、近接センサ、給電式、または非給電式など)。
【0017】
特定の実施形態では、例えば、図1図4に示すように、ハンドル100は、(例えば、内視鏡器具ハンドルの形状および機能を模倣するために)ユーザの指を受け入れてハンドル100から追加の出力(例えば、内視鏡器具の顎部の把持機能)を設けるように構成された1つまたは複数の指用レバー105a、105bを含むことができる。特定の実施形態では、ハンドル100はまた、ハンドル100からクラッチ出力(例えば、機器制御を選択的に解除するために)をもたらすためにハンドル100を握るときに、ユーザの指により作動されるように構成された、1つまたは複数の指クラッチボタン107を含むことができる。
【0018】
特定の実施形態では、把持部101は、ロボット外科手術システムのハンド制御装置200から取り外し可能であるように構成することができる。例えば、把持部101は、ハンド制御装置200に取り付けるように構成された取付具109(例えば、ねじ接続、クリップ接続、接続部のねじ、など)を含むことができる。本明細書では、任意の他の適切な構成が企図される。
【0019】
本開示の少なくとも一態様によれば、図5を参照すると、ロボット外科手術システム用の制御システム500は、1つまたは複数の外科手術機器503(例えば、ロボット機器コントローラ501を介して)を制御するように動作するように構成された、1つまたは複数のハンド制御装置200を含むことができる。システム500は、各ハンド制御装置200に接続されたユーザ入力ハンドル100を含むことができる。ユーザ入力ハンドル100は、本明細書に開示されるような任意の適切なハンドル(例えば、上述のハンドル100)とすることができる。システム500は、制御モードを起動するために安全信号を受信し、制御モードで1つまたは複数の1つまたは複数の外科手術機器503を制御するために1つまたは複数のハンド制御装置200から入力信号を受信し、安全信号が受信されないときに1つまたは複数のハンド制御装置200を使用して外科手術機器503の制御を無効にするために安全モードを起動するように構成された制御モジュール300を含むことができる。例えば、安全信号は、信号状態の変化(例えば、オンからオフ、またはオフからオン)であってもよく、および/または断続的、連続的、もしくは単数であってもよい。本明細書では、任意の適切な信号が企図される。制御モードと安全モードとを切り替えるための任意の他の適切な安全信号制御ロジック(例えば、信号の欠如または信号、第2の信号などの状態変化に起因する)が本明細書で企図される。本開示の少なくとも1つの態様によれば、ロボット外科手術システムは、例えば上述しているように、本明細書に開示されるハンド制御装置およびユーザの入力の1つまたは複数の実施形態を含むことができる。
【0020】
図6A図6Iを参照すると、特定の実施形態では、ハンドル900は、ピストルのグリップの形状を有する把持部901を含むことができる。特定の実施形態では、ハンドル900はまた、ハンドル900からクラッチ出力をもたらすためにハンドル900を握るときに、ユーザの指により作動されるように構成された、1つまたは複数の指クラッチボタン903を含むことができる。特定の実施形態では、把持部は、1つまたは複数の指クラッチボタン903を含むことができる。例えば、図示のように、指クラッチボタン903は、ハンドル900の上部付近において、ハンドル900がユーザによって握られているときに(例えば、図示のように左手がハンドル900を把持)ユーザの親指が指クラッチボタン903を作動させることができるような位置に配置することができる。これにより、ユーザがグリップを持ち上げる、または手の位置を変更することを必要とすることなく、指クラッチボタン903を選択的に作動させることができる。
【0021】
把持部901は、例えば、1つまたは複数の締結具(例えば、ねじ)を介して、例えば、1つまたは複数の締結具孔911を介して、主要ハウジング部905と主要ハウジング部905に接続するように構成されたハウジングカバー部907とによって形成することができる。指クラッチボタン903は、把持部901に対して移動可能に取り付けることができる。指クラッチボタン903は、例えば、ハンドル900の上部またはその近くで横方向に作動するように配置することができる。
【0022】
ハンドル900は、主要ハウジング部905とハウジングカバー部907との間に嵌合するように構成された回路基板913(例えば、図6Hに示すように)を含むことができる。例えば、回路基板913は、ハンドル900内部の空洞内部に嵌合するように構成された適合する形状(例えば、ステップの形状)を含むことができる。回路基板913は、例えば以下に説明するように、手の安全センサおよび/またはクラッチボタンの機能を可能にするように構成された任意の適切なハードウェアモジュールおよび/またはソフトウェアモジュールを有する任意の適切な論理モジュールを、含むことができる。例えば、回路基板913は、指クラッチボタン903によって押下されるように構成されたボタンスイッチ915を含むことができる。回路基板913は、ボタンスイッチ915の位置を検知し、クラッチ信号を制御システムに出力し、および/または制御信号を制御システムに出力しない論理を含むことができる。本明細書では、回路基板913の任意の他の適切な機能が企図される。回路基板913は、1つまたは複数の締結具(例えば、ねじ)を介して、例えば1つまたは複数の締結具孔917を介して、主要ハウジング部905に取り付けることができる。
【0023】
特定の実施形態では、指クラッチボタン903は、把持安全センサ(例えば、先に開示したセンサ103と同様)とすることができる。特定の実施形態では、指クラッチボタン903は、能動的に押し下げられたときにのみ、それぞれの医療機器の制御を可能にするように構成することができる。これに関して、指クラッチボタン903は、ユーザがそれぞれの医療機器を操作するために指クラッチボタン903を押し下げ位置に保持することを必要とするように構成することができる。指クラッチボタン903は、例えば、指クラッチボタン903が押し下げられていないときにシステムにそれぞれの医療機器を係合解除させるよう指クラッチボタン903が付勢されるように、押し下げ位置の反対方向に付勢することができる。したがって、指クラッチボタン903は、手動/機械的把持安全センサとして機能することができる。
【0024】
特定の実施形態では、指クラッチボタン903は、指クラッチボタン107と同様に動作することができ、手の制御を解除するために指クラッチボタン903を押すことをユーザに要求することができる。そのような実施形態では、把持部901は、例えば、上述したように(例えば、ピストルグリップの後部にあるパームセンサ/ボタン)、例えば、本明細書に開示される把持安全センサ103と同様の別の把持安全センサ(図6A図6Iには示されていない)を含むことができる。
【0025】
図7をさらに参照すると、ハンドル900は、例えば上に開示されているように、ハンド制御装置200において利用され得る。ハンドル900は、1つまたは複数の締結具(例えば、ねじ)を介してハンド制御装置200に取り外し可能に取り付けることができる。例えば、ハンドルは、ハンドル900の上部まで延在するように構成された制御装置締結具孔919(例えば、主要ハウジング部905を通って画定される)を含むことができる。制御装置締結具孔919は、手の接触を回避するために、隠されるおよび/またはハンドル900の外面にはないように、凹部921の内部に配置することができる。例えば、凹部921は、締結具に到達するために細長い器具(例えば、スクリュードライバ)の使用を必要とするように、垂直方向に細長いものにすることができる。ユーザは、ハンドル900を位置合わせし(例えば、図6Gに示すように、1つまたは複数の位置合わせ用の孔を介して)、孔919に締結具を挿入することができる。ユーザは、締結具を制御装置200に取り付けるために器具を使用することができる。本明細書では、ハンドルの構成の他の実施形態が企図される。
【0026】
上に開示されているように、ユーザ入力ハンドルは、ユーザによって握られるように構成された把持部を含むことができる。把持部は、把持部がユーザによって握られているかどうかを感知し、把持部がユーザによって握られているかどうかを示す安全信号を出力するように構成された把持安全センサを含むことができる。ロボット外科手術システムは、例えば上述のように、本明細書に開示されるハンド制御システムの任意の適切な部分を含み得る。
【0027】
実施形態は、例えば、指クラッチボタンを含むことができる。特定の実施形態では、ユーザは、指クラッチボタンを押して保持し、(そのハンド制御装置の動きに関係なく)それぞれのハンド制御装置に接続された外科手術機器の位置および態勢を保持することができる。例えば、特定の実施形態では、ハンド制御装置の動きは、指クラッチボタンが押圧されて保持されたときにそれぞれの外科手術機器に中継されない。ユーザは、例えば、作業スペースを簡単に操作するために、機器の態勢を変えることなく、指クラッチボタンを使用してハンド制御装置を再度配置することができる。
【0028】
実施形態は、例えば、ユーザのエラーを検出し、意図しない動きを防止することができる、ハンド制御装置の上または中にある、1つまたは複数の把持安全センサを含むことができる。実施形態は、意図しない手の動きを検出し、機器コントローラ/位置決めシステムの動き(またはハンド制御装置200にリンクされた任意の適切な装置の任意の他の適切な動き)のシャットダウンを引き起こすことができる、外科医コンソールの制御装置の把持部にある安全ハンドセンサを有することができる。特定の実施形態では、指クラッチボタンは把持安全センサとして機能することができ、例えば、指クラッチボタンは、外科手術機器の移動を可能にするべくボタンを押して保持すること、および指クラッチボタンを離してハンド制御装置からのユーザの入力が外科手術機器を制御するのを停止させることをユーザに要求するように構成することができる。
【0029】
当業者に理解されるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、そのすべての可能性は、本明細書では「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶことがある。「回路」、「モジュール」、または「システム」は、「回路」、「モジュール」、または「システム」の開示された機能を一緒に実行することができる1つまたは複数の別個の物理ハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素の1つまたは複数の部分を含むことができるか、あるいは「回路」、「モジュール」、または「システム」は、(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの)単一の自己完結型ユニットとすることができる。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つまたは複数のコンピュータ可読媒体で具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0030】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)には、以下の、1つまたは複数の配線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせが含まれる。本明細書の文脈で、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを含むか、または記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0031】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドにおいて、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが内部に具現化された伝搬データ信号を含むことができる。そのような搬送信号は、電磁気、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、器機、または装置によって、またはそれらと関連して使用するためのプログラムを、通信、伝播、または輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0032】
コンピュータ可読媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用して、送信され得る。
【0033】
本開示の態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。プログラムコードは、全面的にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで、部分的にリモートコンピュータで、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバで、実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)接続され得る。
【0034】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートの図解および/またはブロック図を参照して、上述されている場合がある。任意のフローチャートの図解および/またはブロック図の各ブロック、ならびに任意のフローチャートの図解および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施することができることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、任意のフローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに設けることができる。
【0035】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納され得、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実施する命令を含む製品を製造するようにする。
【0036】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令が本明細書で述べられた機能/動作を実施するためのプロセスを実行するように、コンピュータ実装プロセスを実現するために、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイスで一連の動作ステップを実行させるように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードされ得る。
【0037】
当業者は、本明細書に開示される任意の数値が正確な値であり得るか、またはある範囲内の値であり得ることを理解する。さらに、本開示で使用されている任意の近似の用語(例えば、「約(about)」、「約(approximately)」、「約(around)」)は、ある範囲内の記載された値を意味することができる。例えば、特定の実施形態では、範囲は、20%以内(プラスまたはマイナス)、または10%以内、または5%以内、または2%以内、または当業者によって理解されるような任意の他の適切なパーセンテージまたは数以内(例えば、既知の許容される限界または誤差の範囲について)であり得る。
【0038】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、本明細書では、その冠詞の文法的対象の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1)を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つまたは複数の要素を意味する。
【0039】
「および/または」という句は、この本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、そのように結合された要素、すなわち、場合によっては連言的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じように、すなわちそのように結合された要素の「1つまたは複数」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外に、具体的に特定される要素に関連するか関連しないかにかかわらず、他の要素が任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンドな文言と組み合わせて使用される場合、一実施形態ではAのみ(B以外の要素を任意選択的に含む)、別の実施形態ではBのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態ではAとBの両方(任意選択的に他の要素を含む)などを指すことができる。
【0040】
「または」は、この本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、上で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分ける場合、「または」または「および/または」は、包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、複数の要素または要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、1つより多いものも含む、および、任意選択的に、追加の列挙されていない項目を含むと解釈されるべきである。「のうちの1つのみ(only one of)」または「のうちの厳密に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲で使用される場合の「からなる」などの、同じものがないことが明確に示されている用語のみが、複数の要素または要素のリストのうちの厳密に1つの要素を含んでいることを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、または「のうちの厳密に1つ」などの排他的な用語が先行する場合、排他的な選択肢(すなわち、「両方ではなく一方または他方」)を示すとして解釈されるものとする。
【0041】
任意の開示された実施形態の任意の適切な組み合わせおよび/またはその任意の適切な部分は、本開示を考慮して当業者によって理解されるように、本明細書で企図される。
【0042】
本開示の実施形態は、上述され、図面に示されるように、それらが関連する技術の改善をもたらす。本開示は特定の実施形態の言及を含むが、当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく変更および/または修正を行うことができることを容易に理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図7
【国際調査報告】