IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライテン・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-544458物性の変化を検知するために半硬質構造部材に組み込まれたセンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】物性の変化を検知するために半硬質構造部材に組み込まれたセンサ
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/06 20060101AFI20241126BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20241126BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20241126BHJP
   B60C 11/24 20060101ALI20241126BHJP
   G01N 22/00 20060101ALI20241126BHJP
   B64C 25/28 20060101ALI20241126BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20241126BHJP
   B64U 20/80 20230101ALI20241126BHJP
   B64G 1/66 20060101ALI20241126BHJP
   B64G 1/62 20060101ALN20241126BHJP
【FI】
B60C23/06 Z
B60C19/00 H
B60C19/00 B
B60C1/00 Z
B60C11/24 Z
G01N22/00 V
G01N22/00 N
B64C25/28
B64D47/00
B64U20/80
B64G1/66 Z
B64G1/62
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515453
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 US2022043125
(87)【国際公開番号】W WO2023039204
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/242,270
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/247,680
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/276,274
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/281,846
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/940,227
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/940,240
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/940,246
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/940,256
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519124844
【氏名又は名称】ライテン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LYTEN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストウェル,マイケル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】モンタルボ,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ニコル,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ラニング,ブルース
(72)【発明者】
【氏名】クック,ダニエル
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA28
3D131AA30
3D131BB01
3D131BB05
3D131BB09
3D131LA02
3D131LA06
3D131LA22
(57)【要約】
開示された車両コンポーネントは、材料内に埋め込まれ得る、少なくとも1つのスプリット-リング共振器を含み得る。スプリットリング共振器は、三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され得、ユーザデバイスから発した電磁ピング音を検知し得る。スプリットリング共振器は、電磁ピング音に応答して電磁戻り信号を発生し得る。電磁戻り信号は、それぞれのスプリットリング共振器に近接した位置内の材料の状態を示し得る。いくつかの態様では、スプリット-リング共振器は、材料が第一状態にあるとき、電磁ピング音に応答して第一周波数に共振し得、材料が第二状態にあるとき、電磁ピング音に応答して第二周波数に共振し得る。3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、材料の物性に基づき得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両コンポーネントであって、
前記車両コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み、前記少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され、
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料の可逆変形、応力、またはひずみのうちの少なくとも1つに応答して、共振周波数シフトを有するように構成される、
前記車両コンポーネント。
【請求項2】
前記材料は、非エラストマー材料または半硬質材料である、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項3】
前記材料は発泡体系材料である、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項4】
前記発泡体系材料は前記共振周波数シフトを増幅する、請求項3に記載の車両コンポーネント。
【請求項5】
前記少なくとも1つのSRRと組み合わされた前記発泡体系材料は、前記少なくとも1つのSRRの前記共振周波数シフトと前記発泡体系材料の周波数応答との組み合わせに基づいて、アンサンブル周波数効果を生じる、請求項3に記載の車両コンポーネント。
【請求項6】
前記車両コンポーネントは陸上車両または航空車両である、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項7】
前記航空車両は、垂直離着陸(VTOL)機、電動垂直離着陸(eVTOL)機、ドローン、パッセンジャードローン、民間航空機、軍用航空機、またはロケットのうちの1つである、請求項6に記載の車両コンポーネント。
【請求項8】
前記共振周波数シフトは、前記材料が第一状態にあるとき、電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり、前記材料が第二状態にあるとき、前記電磁ピング音に応答した第二周波数でのものである、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項9】
前記共振周波数シフトは、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項10】
前記共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示し、前記共振周波数シフトの第二周波数は、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示す、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項11】
前記第一周波数は前記第二周波数とは異なる、請求項10に記載の車両コンポーネント。
【請求項12】
前記共振周波数シフトは、前記材料の前記可逆変形に応答している、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項13】
前記少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記可逆変形の第一状態を示すように構成され、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記可逆変形の第二状態を示すように構成される、請求項12に記載の車両コンポーネント。
【請求項14】
前記少なくとも1つのSRRは共振部分を含み、前記共振部分は、前記材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料の前記状態が前記閾値を下回るときに前記電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項15】
3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、前記材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項16】
前記少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含み、前記複数の第一炭素粒子は、前記少なくとも1つのSRR内の前記第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項17】
前記車両コンポーネントの前記材料内に埋め込まれるように構成された第二SRRをさらに含み、
前記第二SRRは複数の第二炭素粒子を含み、前記複数の第二炭素粒子は、前記第二SRR内の前記第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項16に記載の車両コンポーネント。
【請求項18】
前記第一炭素粒子及び前記第二炭素粒子のそれぞれは、前記材料と化学結合する、請求項17に記載の車両コンポーネント。
【請求項19】
前記第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み、前記第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含む、請求項17に記載の車両コンポーネント。
【請求項20】
前記少なくとも1つのSRRのそれぞれの共振の振幅は、前記材料の摩耗の程度を示し、前記少なくとも1つのSRRの各SRRは減衰点を有し、前記少なくとも1つのSRRの各SRRの前記減衰点は、電磁ピング音に対する周波数応答に関連付けられる、請求項1に記載の車両コンポーネント。
【請求項21】
車両コンポーネントであって、
前記車両コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み、前記少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され、
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料のエラストマー特性における変化に応答して共振周波数シフトを有するように構成され、前記エラストマー特性は可逆変形、応力、またはひずみのうちの1つ以上を含む、
前記車両コンポーネント。
【請求項22】
前記材料はエラストマー材料またはエラストマー化合物である、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項23】
前記共振周波数シフトはイベントシグネチャとして保存される、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項24】
前記イベントシグネチャは、回転運動のダイナミクス、または非回転運動のダイナミクスのうちの少なくとも1つを測定するように較正される、請求項23に記載の車両コンポーネント。
【請求項25】
前記共振周波数シフトは、タイヤスティクションを測定するために較正される、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項26】
前記共振周波数シフトは初期較正周波数に基づいており、前記共振周波数シフトは前記初期較正周波数からの偏移である、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項27】
前記初期較正周波数及び前記共振周波数シフトのそれぞれは、タイヤと走行面との間の対応する界面誘電率値を有し、前記界面誘電率値はタイヤスティクション値と相関する、請求項26に記載の車両コンポーネント。
【請求項28】
前記共振周波数シフトは、前記材料が第一状態にあるとき、電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり、前記材料が第二状態にあるとき、前記電磁ピング音に応答した第二周波数でのものである、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項29】
前記共振周波数シフトは、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項30】
前記共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示し、前記共振周波数シフトの第二周波数は、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示す、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項31】
前記第一周波数は前記第二周波数とは異なる、請求項30に記載の車両コンポーネント。
【請求項32】
前記共振周波数シフトは、前記材料の前記可逆変形に応答している、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項33】
前記少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記可逆変形の第一状態を示すように構成され、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記可逆変形の第二状態を示すように構成される、請求項32に記載の車両コンポーネント。
【請求項34】
前記少なくとも1つのSRRは共振部分を含み、前記共振部分は、前記材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料の前記状態が前記閾値を下回るときに前記電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項35】
3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、前記材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいている、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項36】
前記少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含み、前記複数の第一炭素粒子は、前記少なくとも1つのSRR内の前記第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項37】
前記車両コンポーネントの前記材料内に埋め込まれるように構成された第二SRRをさらに含み、
前記第二SRRは複数の第二炭素粒子を含み、前記複数の第二炭素粒子は、前記第二SRR内の前記第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項36に記載の車両コンポーネント。
【請求項38】
前記第一炭素粒子及び前記第二炭素粒子のそれぞれは、前記材料と化学結合する、請求項37に記載の車両コンポーネント。
【請求項39】
前記第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み、前記第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含む、請求項37に記載の車両コンポーネント。
【請求項40】
前記少なくとも1つのSRRのそれぞれの共振の振幅は、前記材料の摩耗の程度を示し、前記少なくとも1つのSRRの各SRRは減衰点を有し、前記少なくとも1つのSRRの各SRRの前記減衰点は、電磁ピング音に対する周波数応答に関連付けられる、請求項21に記載の車両コンポーネント。
【請求項41】
建設構造ユニットであって、
前記建設構造ユニットの材料内に埋め込まれた、または前記材料の表面上に配置された少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み、
前記少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され、前記少なくとも1つのSRRは無線電磁刺激に応答するように構成され、
前記少なくとも1つのSRRは、1つ以上の対応する固有の周波数に共振するように構成され、前記周波数は前記少なくとも1つのSRRに近接した位置での前記材料の状態を示す、
前記建設構造ユニット。
【請求項42】
前記材料はコンクリートまたは鋼である、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項43】
前記1つ以上の対応する固有の周波数のうちの第一周波数は、前記材料の較正シグネチャに関連付けられる、請求項42に記載の建設構造ユニット。
【請求項44】
前記較正シグネチャは、前記コンクリートが打設され、養生され、硬化した後に測定される、請求項43に記載の建設構造ユニット。
【請求項45】
第二シグネチャは、前記較正シグネチャが測定された後の時点で測定される、請求項43に記載の建設構造ユニット。
【請求項46】
前記第二シグネチャは、第二周波数に関連付けられる、請求項45に記載の建設構造ユニット。
【請求項47】
前記第二シグネチャは、変形、圧縮の変化、屈曲の変化、応答の変化、破壊、ひずみ、または応力のうちの少なくとも1つを示す、請求項45に記載の建設構造ユニット。
【請求項48】
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料が第一状態にあるときに前記無線電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料が第二状態にあるときに前記無線電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項49】
前記3Dモノリシックカーボンの成長の同調共振周波数は、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項50】
前記少なくとも1つのSRRは、前記無線電磁刺激に応答して第一無線電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示すように構成され、前記無線電磁刺激に応答して第二無線電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示すように構成される、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項51】
前記第一無線電磁戻り信号は第一周波数を有し、前記第二無線電磁戻り信号は前記第一周波数とは異なる第二周波数を有する、請求項50に記載の建設構造ユニット。
【請求項52】
前記材料の前記状態は、前記材料の変形を含む、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項53】
前記少なくとも1つのSRRは、前記無線電磁刺激に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形を示すように構成され、前記無線電磁刺激に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の変形の欠如を示すように構成される、請求項52に記載の建設構造ユニット。
【請求項54】
少なくとも1つのSRRは共振部分を含む、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項55】
前記共振部分は、前記材料の前記状態が閾値を上回るときに前記無線電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料の前記状態が前記閾値を下回るときに前記無線電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項54に記載の建設構造ユニット。
【請求項56】
3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、前記材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいている、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項57】
前記少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含有する第一SRRをさらに含み、前記複数の第一炭素粒子は前記第一SRR内の前記第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた前記無線電磁刺激に応答して固有に共振するように構成されること、
前記少なくとも1つのSRRは第二SRRをさらに含み、複数の第二炭素粒子を含み、前記複数の第二炭素粒子は前記第二SRR内の前記第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた前記無線電磁刺激に応答して固有に共振するように構成されること、
前記第一炭素粒子及び前記第二炭素粒子のそれぞれは前記材料と化学結合すること、
前記第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含むこと、または
前記第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含むこと、
のうちの少なくとも1つである、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項58】
前記少なくとも1つのSRRは、第一SRR及び第二SRRを含む、請求項41に記載の建設構造ユニット。
【請求項59】
前記第一SRRは前記無線電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成されること、
前記第二SRRは前記無線電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成されること、
前記第一周波数は前記第二周波数とは異なること、
前記第一SRRもしくは前記第二SRRの共振の振幅は前記材料の摩耗の程度を示すこと、または
前記第一SRR及び前記第二SRRの前記無線電磁刺激に応答して固有共振周波数のシフトの程度は前記材料の変形量を示すこと、
のうちの少なくとも1つである、請求項58に記載の建設構造ユニット。
【請求項60】
前記第一SRR及び前記第二SRRのそれぞれは減衰点を有し、前記第一SRR及び前記第二SRRのそれぞれの前記減衰点は、前記無線電磁刺激に対する周波数応答に関連付けられる、請求項58に記載の建設構造ユニット。
【請求項61】
航空車両コンポーネントであって、
前記航空車両コンポーネントの少なくとも一部を構成する材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み、
前記少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され、前記少なくとも1つのSRRはアンテナから発した電磁刺激に応答するように構成され、
前記少なくとも1つのSRRは、前記少なくとも1つのSRRに近接した位置にある前記航空車両コンポーネントの前記材料と組み合わせて、前記少なくとも1つのSRRに近接した前記位置での前記材料の状態を示す電磁戻り信号を形成するように前記電磁刺激を変調する、
前記航空車両コンポーネント。
【請求項62】
前記航空車両は、垂直離着陸(VTOL)機、電動垂直離着陸(eVTOL)機、ドローン、パッセンジャードローン、民間航空機、軍用航空機、またはロケットのうちの1つである、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項63】
前記少なくとも1つのSRRは、着陸パッドに対する前記航空車両の位置を特定するために使用される、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項64】
前記少なくとも1つのSRRのうちの少なくとも3つのSRRは、前記航空車両コンポーネントの位置を三角測量するために使用される、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項65】
前記材料は、プロペラブレード、本体材料、着陸装置、コックピットインタフェース、または構造コンポーネントのうちの少なくとも1つに見られる、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項66】
前記材料の前記状態は、表面の屈曲、プロペラの屈曲、または着陸装置の屈曲のうちの少なくとも1つを示す、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項67】
前記材料の前記状態は、圧力、位置、温度、または高度のうちの少なくとも1つを示すように相関される、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項68】
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料が第一状態にあるときに前記電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料が第二状態にあるときに前記電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項69】
前記3Dモノリシックカーボンの成長の同調共振周波数は、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項70】
前記少なくとも1つのSRRは、前記電磁刺激に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示すように構成され、前記電磁刺激に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示すように構成される、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項71】
前記第一電磁戻り信号は第一周波数を有し、前記第二電磁戻り信号は前記第一周波数とは異なる第二周波数を有する、請求項70に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項72】
前記材料の前記状態は、前記材料の変形を含む、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項73】
前記少なくとも1つのSRRは、前記電磁刺激に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形を示すように構成され、前記電磁刺激に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の変形の欠如を示すように構成される、請求項72に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項74】
3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、前記材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいている、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項75】
1つ以上のSRRは複数の第一炭素粒子を含有する第一スプリット-リング共振器(SRR)をさらに含み、前記複数の第一炭素粒子は前記第一SRR内の前記第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた前記電磁刺激に応答して固有に共振するように構成される、請求項61に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項76】
1つ以上のSRRは第二SRRをさらに含み、複数の第二炭素粒子を含み、前記複数の第二炭素粒子は前記第二SRR内の前記第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた前記電磁刺激に応答して固有に共振するように構成される、請求項75に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項77】
前記第一炭素粒子及び前記第二炭素粒子のそれぞれは前記材料と化学結合すること、
前記第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含むこと、または
前記第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含むこと、
のうちの少なくとも1つである、請求項76に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項78】
前記第一SRRまたは前記第二SRRのうちの少なくとも1つの共振の振幅は前記材料の摩耗の程度を示す、請求項76に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項79】
前記第一SRRは、前記電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記第二SRRは、前記電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成されること、
前記第一周波数は前記第二周波数とは異なること、
前記第一SRR及び前記第二SRRの前記電磁刺激に応答して固有共振周波数のシフトの程度は前記材料の変形量を示すこと、
前記第一SRR及び前記第二SRRのそれぞれは減衰点を有すること、または
前記第一SRR及び前記第二SRRのそれぞれの前記減衰点は前記電磁刺激に対する周波数応答に関連付けられること、
のうちの少なくとも1つである、請求項76に記載の航空車両コンポーネント。
【請求項80】
着陸パッドであって、
前記着陸パッドの少なくとも一部を構成する材料内に埋め込まれるように構成された少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み、
前記少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され、前記少なくとも1つのSRRはアンテナから発した電磁刺激に応答するように構成され、
前記少なくとも1つのSRRは、前記着陸パッドの前記材料及びその環境と組み合わせて、前記少なくとも1つのSRRに近接した位置での少なくとも1つの環境条件を示す電磁戻り信号を形成するように前記電磁刺激を変調する、
前記着陸パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2021年9月9日に出願された「SENSORS INCORPORATED INTO SEMI-RIGID STRUCTURAL MEMBERS TO DETECT PHYSICAL CHARACTERISTIC CHANGES」と題された米国仮特許出願第63/242,270号、2021年9月23日に出願された「SENSORS INCORPORATED INTO SEMI-RIGID STRUCTURAL MEMBERS TO DETECT PHYSICAL CHARACTERISTIC CHANGES」と題された米国仮特許出願第63/247,680号、2021年11月5日に出願された「SENSORS INCORPORATED IN VEHICLE COMPONENTS TO DETECT PHYSICAL CHARACTERISTIC CHANGES」と題された米国仮特許出願第63/276,274号、そして2021年11月22日に出願された「SENSORS INCORPORATED INTO AIRBORNE VEHICLE COMPONENTS TO DETECT PHYSICAL CHARACTERISTIC CHANGES」と題された米国仮特許出願第63/281,846号に対する優先権の利益を主張するものであり、それらのすべては、本出願の譲受人に譲渡され、すべての先行出願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照により本特許出願に援用されている。
【0002】
本開示は、一般にセンサに関し、より具体的には、車両コンポーネントの物理的変化を検知するために車両コンポーネントの内または上にスプリットリング共振器を組み込むことに関する。
【背景技術】
【0003】
車両センサでの進歩により、さらなる技術統合の機会が生まれた。これは、完全自動運転及びナビゲーションに車両が移行する現代に特に当てはまり、完全自動運転及びナビゲーションでは、テクノロジーは(訓練を受けた有能な人間とは対照的に)車両コンポーネントの性能及び信頼性を常に監視して、継続的に車両乗員の安全と快適さを確保する必要がある。タイヤ空気圧監視システム(TPMS)または他の電子式もしくは機械式センサなどの従来のシステムは、高性能(レースなど)または完全自動運転用途に必要とされる高度な忠実度を提供できないことがある。それらのような用途は、要求の厳しい運転で遭遇する急速な車両コンポーネント(タイヤなど)の摩耗、その環境に応じて変動する車両抗力の輪郭、または車両操作中に車両状態をチェックすることができる人間の運転者がいないなど、特有の課題を提示することがある。
【0004】
最近のセンサの開発により、多くの新しい用途で材料特性の変化を検知することが可能になる。しかしながら、センサ技術のさらなる改良が望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の概要は、以下の発明を実施するための形態にさらに説明されている概念の一部を簡略化された形式で紹介するために提供されている。本発明の概要は、主張されている発明の主題の主要な特徴または重要な特徴を確認することが意図されておらず、主張されている発明の主題の範囲を制限することも意図されていない。
【0006】
本開示で説明される主題の1つの革新的な態様は、材料内に埋め込まれるように構成されたスプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)を含む電磁状態感知デバイス(EMSSD)として実装され得る。各スプリットリング共振器は、三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され得、ユーザデバイス(例えば、スマートフォン、無線周波数識別(RFID)リーダー、または近距離無線通信(NFC)デバイス)から発した電磁刺激信号に応答し得、電磁刺激信号に応答して電磁戻り信号を発生し得る。電磁戻り信号は、それぞれのスプリットリング共振器に近接した位置での材料の状態を示し得る。スプリットリング共振器は、材料が第一状態にあるとき、電磁刺激信号に応答して第一周波数に共振し得、材料が第二状態にあるとき、電磁刺激信号に応答して第二周波数に共振し得る。3Dモノリシックカーボンの成長の固有共振周波数は、材料の物性、例えば誘電率及び/または透磁率に基づき得る。このように、第一スプリットリング共振器及び第二スプリットリング共振器の電磁刺激信号に応答した固有共振周波数のシフトの程度は、材料の変形量を示し得る。
【0007】
様々な実施態様では、各スプリットリング共振器は、電磁刺激信号に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の第一状態を示し得、電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の第二状態を示し得る。さらに、第一電磁戻り信号は第一周波数を有し得、第二電磁戻り信号は第一周波数とは異なる第二周波数を有し得る。
【0008】
材料の状態は材料の変形を含み得る。いくつかの態様では、スプリットリング共振器は、電磁刺激信号に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の変形を示し得、電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の変形の欠如を示し得る。
【0009】
いくつかの実施態様では、少なくとも1つのスプリットリング共振器は共振部分を含み、共振部分は、材料の状態が閾値を上回るときに電磁刺激信号に応答して第一周波数に共振し得、材料の状態が閾値を下回るときに電磁刺激信号に応答して第二周波数に共振し得る。いくつかのスプリットリング共振器のそれぞれは、第一炭素粒子を含む第一スプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)を有し得、第一炭素粒子は、第一スプリットリング共振器内の第一炭素粒子の濃度レベルに基づいて電磁刺激信号に応答して固有に共振し得る。いくつかのスプリットリング共振器は、第二炭素粒子を含む、第一スプリットリング共振器に隣接する第二スプリットリング共振器を有し得、第二炭素粒子は、第二スプリットリング共振器内の第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいて電磁刺激信号に応答して固有に共振し得る。
【0010】
第一炭素粒子及び第二炭素粒子のそれぞれは、材料と化学結合し得る。いくつかの態様では、第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み得、第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含み得る。このように、第一スプリットリング共振器または第二スプリットリング共振器の共振の振幅は、材料の摩耗の程度を示し得る。さらに、第一スプリットリング共振器は電磁ピング音に応答して第一周波数に共振し得、第二スプリットリング共振器は電磁ピング音に応答して第二周波数に共振し得、第一周波数は第二周波数とは異なる。第一スプリットリング共振器及び第二スプリットリング共振器のそれぞれは、電磁ピング音に対する周波数応答に関連する減衰点をそれぞれ有し得る。
【0011】
いくつかの実施態様では、スプリットリング共振器はEVTOLの構造部材内に配置される。さらに、共振センサがEVTOL車両の安全性及び操縦性だけでなく、他のタイプの航空車両の安全性及び操縦性に関してどのように重要な役割を果たすかを示す技術が開示されている。
【0012】
一実施態様では、車両コンポーネントは車両コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含んでもよく、及び/または少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成される。さらに、少なくとも1つのSRRは、材料の可逆変形、応力、またはひずみのうちの少なくとも1つに応答して、共振周波数シフトを有するように構成され得る。
【0013】
様々な実施形態では、材料は、非エラストマー材料、半硬質材料、及び/または発泡体系材料であってもよい。一実施形態では、発泡体系材料は、共振周波数シフトを増幅し得る。さらに、少なくとも1つのSRRと組み合わされた発泡体系材料は、少なくとも1つのSRRの共振周波数シフトと発泡体系材料の周波数応答との組み合わせに基づいて、アンサンブル周波数効果を生じ得る。
【0014】
車両コンポーネントは、陸上車両または航空車両であってもよい。さらに、航空車両は、垂直離着陸(VTOL)機、電動垂直離着陸(eVTOL)機、ドローン、パッセンジャードローン、民間航空機、軍用航空機、またはロケットのうちの1つであってよい。
【0015】
さらに、いくつかの実施態様では、共振周波数シフトは、材料が第一状態にあるとき、電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり得、材料が第二状態にあるとき、電磁ピング音に応答した第二周波数でのものであり得る。共振周波数シフトは材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の第一状態を示し得、共振周波数シフトの第二周波数は、電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の第二状態を示し得る。第一周波数は第二周波数と異なってよい。
【0016】
共振周波数シフトは材料の可逆変形に応答していてもよい。加えて、少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の可逆変形の第一状態を示すように構成され得、電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の可逆変形の第二状態を示すように構成され得る。さらに、少なくとも1つのSRRは共振部分を含んでもよく、及び/または共振部分は、材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成されてもよく、材料の状態が閾値を下回るときに電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成されてもよい。
【0017】
様々な実施態様では、3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいていてもよい。加えて、少なくとも1つのSRRは、複数の第一炭素粒子を含んでもよく、これら複数の第一炭素粒子は、少なくとも1つのSRR内の第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成されてもよい。加えて、第二SRRは車両コンポーネントの材料内に埋め込まれるように構成されてもよく、及び/または第二SRRは、複数の第二炭素粒子を含んでもよく、これら複数の第二炭素粒子は、第二SRR内の第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成されてもよい。第一炭素粒子及び第二炭素粒子のそれぞれは、材料と化学結合し得る。加えて、第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み得、第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含み得る。さらに、少なくとも1つのSRRのそれぞれの共振の振幅は、材料の摩耗の程度を示し得、少なくとも1つのSRRの各SRRは減衰点を有する。少なくとも1つのSRRの各SRRの減衰点は、電磁ピング音に対する周波数応答に関連付けられ得る。
【0018】
特異的な一実施態様では、車両コンポーネントは車両コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含んでもよく、及び/または少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成されてもよい。さらに、少なくとも1つのSRRは、材料のエラストマー特性における変化に応答して共振周波数シフトを有するように構成され得、エラストマー特性は可逆変形、応力、またはひずみのうちの1つ以上を含み得る。
【0019】
様々な実施形態では、材料はエラストマー材料またはエラストマー化合物であってもよい。加えて、周波数シフトはイベントシグネチャとして保存されてもよく、及び/またはイベントシグネチャは回転運動のダイナミクスまたは非回転運動のダイナミクスのうちの少なくとも1つを測定するように較正されてもよい。
【0020】
さらに、共振周波数シフトはタイヤスティクションを測定するために較正されてもよく、及び/または共振周波数シフトは初期較正周波数に基づいていてもよく、共振周波数シフトは初期較正周波数からの偏移であってもよい。初期較正周波数及び共振周波数シフトのそれぞれは、タイヤと走行面との間の対応する界面誘電率値を有し得、界面誘電率値はタイヤスティクション値と相関し得る。
【0021】
共振周波数シフトは、材料が第一状態にあるとき、電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり得、材料が第二状態にあるとき、電磁ピング音に応答した第二周波数でのものであり得る。加えて、共振周波数シフトは材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の第一状態を示してもよく、共振周波数シフトの第二周波数は、電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の第二状態を示してもよく、及び/または第一周波数は第二周波数と異なってもよい。
【0022】
様々な実施形態では、共振周波数シフトは材料の可逆変形に応答していてもよい。加えて、少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の可逆変形の第一状態を示すように構成され得、電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の可逆変形の第二状態を示すように構成され得る。さらに、少なくとも1つのSRRは共振部分を含んでもよく、及び/または共振部分は、材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成されてもよく、材料の状態が閾値を下回るときに電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成されてもよい。3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいていてもよい。
【0023】
場合によっては、少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含み得、複数の第一炭素粒子は、少なくとも1つのSRR内の第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成され得る。加えて、第二SRRは車両コンポーネントの材料内に埋め込まれるように構成されてもよく、及び/または第二SRRは、複数の第二炭素粒子を含んでもよく、これら複数の第二炭素粒子は、第二SRR内の第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成されてもよい。さらに、第一炭素粒子及び第二炭素粒子のそれぞれは、材料と化学結合し得る。第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み得、第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含み得る。それでもなお、少なくとも1つのSRRのそれぞれの共振の振幅は、材料の摩耗の程度を示し得、少なくとも1つのSRRの各SRRは減衰点を有し得、及び/または少なくとも1つのSRRの各SRRの減衰点は、電磁ピング音に対する周波数応答に関連付けられ得る。
【0024】
一実施態様では、建設構造ユニットは、建設構造ユニットの材料内に埋め込まれた、または材料の表面上に配置された、少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み得る。さらに、少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され、少なくとも1つのSRRは無線電磁刺激に応答するように構成される。さらに、少なくとも1つのSRRは、1つ以上の対応する固有の周波数に共振するように構成され、周波数は少なくとも1つのSRRに近接した位置での材料の状態を示す。
【0025】
様々な実施形態では、材料はコンクリートまたは鋼であってもよい。1つ以上の対応する固有の周波数のうちの第一周波数は、材料の較正シグネチャに関連付けられてもよく、較正シグネチャは、コンクリートが打設され、養生され、硬化した後に測定されてもよく、及び/または較正シグネチャが測定された後の時点で測定されてもよい。第二シグネチャは第二周波数に関連付けられてもよく、第二シグネチャは、変形、圧縮の変化、屈曲の変化、応答の変化、破壊、ひずみ、または応力のうちの少なくとも1つを示してもよい。
【0026】
少なくとも1つのSRRは、材料が第一状態にあるときに無線電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され得、材料が第二状態にあるときに無線電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成され得る。加えて、3Dモノリシックカーボンの成長の同調共振周波数は、材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいていてもよい。少なくとも1つのSRRは、無線電磁刺激に応答して第一無線電磁戻り信号を発生することによって材料の第一状態を示すように構成され得、無線電磁刺激に応答して第二無線電磁戻り信号を発生することによって材料の第二状態を示すように構成され得る。さらに、第一無線電磁戻り信号は第一周波数を有し得、第二無線電磁戻り信号は第一周波数とは異なる第二周波数を有し得る。
【0027】
いくつかの実施態様では、材料の状態は材料の変形を含み得る。さらに、少なくとも1つのSRRは、無線電磁刺激に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の変形を示すように構成され得、無線電磁刺激に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の変形の欠如を示すように構成され得る。少なくとも1つのSRRは共振部分を含んでもよく、及び/または共振部分は、材料の状態が閾値を上回るときに無線電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成されてもよく、材料の状態が閾値を下回るときに無線電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成されてもよい。
【0028】
3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいていてもよい。さらに、少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含有する第一SRRをさらに含んでもよく、複数の第一炭素粒子は第一SRR内の第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた無線電磁刺激に応答して固有に共振するように構成されてもよく、少なくとも1つのSRRは、第二SRRをさらに含んでもよく、複数の第二炭素粒子を含み、複数の第二炭素粒子は第二SRR内の第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた無線電磁刺激に応答して固有に共振するように構成され、第一炭素粒子及び第二炭素粒子のそれぞれは材料と化学結合し得、第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含んでもよく、及び/または第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含んでもよい。
【0029】
それでもなお、少なくとも1つのSRRは、第一SRR及び第二SRRを含んでもよい。さらに、第一SRRは無線電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され得、第二SRRは無線電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成され得、第一周波数は第二周波数とは異なってもよく、第一SRRまたは第二SRRの共振の振幅は、材料の摩耗の程度、及び/または第一SRRの無線電磁刺激に応答した固有共振周波数のシフトの程度を示し得、第二SRRは材料の変形量を示し得る。さらに、第一SRR及び第二SRRのそれぞれは減衰点を有し得、第一SRR及び第二SRRのそれぞれの減衰点は、無線電磁刺激に対する周波数応答に関連付けられ得る。
【0030】
一実施態様では、航空車両コンポーネントは、航空車両コンポーネントの少なくとも一部を構成し得る材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み得る。さらに、少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され得、少なくとも1つのSRRはアンテナから発した電磁刺激に応答するように構成され得る。さらに、少なくとも1つのSRRは、少なくとも1つのSRRに近接した位置にある航空車両コンポーネントの材料と組み合わせて、少なくとも1つのSRRに近接した位置での材料の状態を示し得る電磁戻り信号を形成するように電磁刺激を変調し得る。
【0031】
様々な実施形態では、航空車両は、垂直離着陸(VTOL)機、電動垂直離着陸(eVTOL)機、ドローン、パッセンジャードローン、民間航空機、軍用航空機、またはロケットのうちの1つであってよい。さらに、少なくとも1つのSRRは、着陸パッドに対する航空車両の位置を特定するために使用され得る。例えば、少なくとも1つのSRRのうちの少なくとも3つのSRRは、航空車両コンポーネントの位置を三角測量するために使用され得る。
【0032】
材料は、プロペラブレード、本体材料、着陸装置、コックピットインタフェース、または構造コンポーネントのうちの少なくとも1つに見られ得る。さらに、材料の状態は、表面の屈曲、プロペラの屈曲、または着陸装置の屈曲のうちの少なくとも1つを示し得る。また材料の状態は、圧力、位置、温度、または高度のうちの少なくとも1つを示すように相関されてもよい。
【0033】
いくつかの実施態様では、少なくとも1つのSRRは、材料が第一状態にあるときに電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成され得、材料が第二状態にあるときに電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成され得る。加えて、3Dモノリシックカーボンの成長の同調共振周波数は、材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいていてもよい。
【0034】
様々な実施形態では、少なくとも1つのSRRは、電磁刺激に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の第一状態を示すように構成され得、電磁刺激に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の第二状態を示すように構成され得る。加えて、第一電磁戻り信号は第一周波数を有し、第二電磁戻り信号は第一周波数とは異なる第二周波数を有する。さらに、材料の状態は材料の変形を含んでもよく、及び/または少なくとも1つのSRRは、電磁刺激に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって材料の変形を示すように構成されてもよく、電磁刺激に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって材料の変形の欠如を示すように構成されてもよい。3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいていてもよい。
【0035】
一実施形態では、1つ以上のSRRは複数の第一炭素粒子を含有する第一スプリット-リング共振器(SRR)をさらに含み得、複数の第一炭素粒子は、第一SRR内の第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁刺激に応答して固有に共振するように構成され得る。加えて、1つ以上のSRRは第二SRRをさらに含み得、複数の第二炭素粒子を含み得、複数の第二炭素粒子は第二SRR内の第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁刺激に応答して固有に共振するように構成され得る。さらに、第一炭素粒子及び第二炭素粒子のそれぞれは材料と化学結合してもよく、第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含んでもよく、及び/または第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含んでもよい。
【0036】
それでもなお、他の場合には、第一SRRまたは第二SRRのうちの少なくとも1つの共振の振幅は、材料の摩耗の程度を示し得る。さらに、第一SRRは電磁刺激に応答して第一周波数に共振するように構成されてもよく、第二SRRは電磁刺激に応答して第二周波数に共振するように構成されてもよく、第一周波数は第二周波数とは異なってもよく、第一SRR及び第二SRRの電磁刺激に応答した固有共振周波数のシフトの程度は材料の変形量を示してもよく、第一SRR及び第二SRRのそれぞれは減衰点を有してもよく、及び/または第一SRR及び第二SRRのそれぞれの減衰点は電磁刺激に対する周波数応答に関連付けられてもよい。
【0037】
一実施態様では、着陸パッドは、着陸パッドの少なくとも一部を構成し得る材料内に埋め込まれるように構成された少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含み得る。さらに、少なくとも1つのSRRは三次元(3D)モノリシックカーボンの成長から形成され得、少なくとも1つのSRRはアンテナから発した電磁刺激に応答するように構成され得る。さらに、少なくとも1つのSRRは、着陸パッドの材料及びその環境と組み合わせて、少なくとも1つのSRRに近接した位置での少なくとも1つの環境条件を示し得る電磁戻り信号を形成するように電磁刺激を変調し得る。
【0038】
本開示に記載されている発明の主題の1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図面、及び以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、及び利点は説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになる。以下の図の相対寸法が縮尺どおりに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】一実施形態による、ピング音が発せられるときの望ましい高周波(RF)信号の共振及び応答を示すように同調する、炭素含有複合材料から形成されるさまざまなセンサを含む、原位置車両制御系を提示する。
図2】一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料から形成されるセンサによって、周波数シフトされる、及び/または減衰する、発した及び/または戻りRF信号を分析する信号処理システムを示す。
図3】一実施形態による、シグネチャクラス分類システムを示す。
図4】一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料のさまざまな層のRF共振における変化から感知される一連のタイヤ状態パラメータを示す。
図5】一実施形態による、単一のタイヤアセンブリの本体に組み込むために、別個の独立した反応炉から炭素含有RF同調共振材料を選択することによって、タイヤの複数のプライを同調させるために使用された装置の概略図を示す。
図6】一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料の層で形成される新しいタイヤから発せられ得る例示的な状態シグネチャのセットを示す。
図7】一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料の層で形成される新しいタイヤから発せられ得る例示的な状態シグネチャのセットを示す。
図8】一実施形態による、2つの同心スプリットリング共振器を含む例示的なスプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)配置の上から見た概略図を示す。
図9】一実施形態による、インピーダンスに基づいた分光法によるタイヤ摩耗感知のための完全なタイヤ診断システム及び装置を図示する概略図を示す。
図10】一実施形態による、ナビゲーションシステムだけでなく、プリント炭素系材料を製造するための機器にもテレメトリを介して転送されるタイヤ情報に関する概略図を示す。
図11】一実施形態による、ナビゲーションシステムだけでなく、プリント炭素系材料を製造するための機器にもテレメトリを介して転送されるタイヤ情報に関する概略図を示す。
図12】一実施形態による、タイヤトレッド層及び/またはタイヤ本体プライプリント符号化による車両タイヤの共振シリアル番号に基づいたデジタル符号化の概略図を示す。
図13】一実施形態による、近位に存在する異なる共振器のタイプから生じるアンサンブル現象に寄与する共振メカニズムを示す。
図14】一実施形態による、本開示のスプリットリング共振器のうちの1つ以上を含む例示的な温度センサである。
図15】一実施形態による、タイヤトレッド層の損失の高さ(ミリメートル、mm)に対する測定された共振シグネチャ信号強度(デシベル、dB)のグラフである。
図16】一実施形態による、タイヤプライの変形に比例する共振応答シフトを示す、スプリットリング共振器の固有共振周波数に対する測定された共振シグネチャ信号強度(デシベル、dB)のグラフである。
図17】一実施形態による、符号化シリアル番号に対応して共振し得るスプリットリング共振器のチャープ信号周波数に対する信号強度のグラフである。
図18A】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18B】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18C】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18D】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18E】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18F】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18G】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18H】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18I】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18J】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18K】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18L】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18M】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18N】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18O】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18P】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18Q】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18R】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18S】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18T】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18U】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18V】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18W】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18X】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図18Y】一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。
図19A1】一実施形態による、コンクリートが所与の構造型枠に打設される前にコンクリート内に配置される、1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器の描写を提供する。
図19A2】一実施形態による、コンクリートが所与の構造型枠に打設される前にコンクリート内に配置される、1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器の描写を提供する。
図19B1】一実施形態による、1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器を含む柱部の描写、及び構造部材内の変化を測定するための式を示す。
図19B2】一実施形態による、1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器を含む柱部の描写、及び構造部材内の変化を測定するための式を示す。
図20】既に使用されている、さまざまな形状の構造部材上の外部でのスプリットリング共振器の利用を示す。また図20は、一実施形態による、構造部材上の1つまたは複数のスプリットリング共振器のサイズ、向き、位置、及び用途を決定する際に重要となり得る、可能な要因及び式の例を示す。
図21】一実施形態による、スプリットリング共振器が所与の用途に実装されるプロセスを表すフローチャートである。
図22A1】一実施形態による、路側バリア内でのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器の使用を示すために提示されている。
図22A2】一実施形態による、路側バリア内でのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器の使用を示すために提示されている。
図22A3】一実施形態による、路側バリア内でのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器の使用を示すために提示されている。
図22B】一実施形態による、構造コンポーネントを示すレーストラック内で使用される路側バリアを描写し、これら構造コンポーネントは、1つのまたは複数のスプリットリング共振器を配置することができる路側バリアを構成する。
図23】一実施形態による、コンクリートが所与の構造型枠に打設された後のコンクリート構造体の表面上に配置されたスプリットリング共振器の描写を示す。
図24A】一実施形態による、互いに接触している炭素含有樹脂及び炭素繊維の互層を含む感知積層体を示す。
図24B1】一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料を含む感知積層体によって示されるような周波数シフト現象を示す。
図24B2】一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料を含む感知積層体によって示されるような周波数シフト現象を示す。
図24B3】一実施形態による、偏向関数としてRF共振における理想的な変化を示すグラフである。
図24B4】一実施形態による、4層及び5層の積層体についてのRF共振における変化を示すグラフである。
図24C】一実施形態による、車両領域における表面センサ展開を示す。
図25A】一実施形態による、車両と、道路アスファルト内及び/または路面上に配置されたスプリットリング共振器との間のインタラクションの描写を提供する。
図25B】一実施形態による、タイヤ内またはタイヤ上に配置されたスプリットリング共振器をどのように使用してタイヤスティクションを測定することができるかの描写を提供する。
図26】一実施形態による、道路アスファルト内及び/または路面上に配置されたスプリットリング共振器の配置を示す。
図27】一実施形態による、タイヤスティクションを決定するためのプロセスを表すフローチャートである。
図28】一実施形態による、測定された周波数とトレッドの厚さとの間の相関を示す。
図29】一実施形態による、個別に設定されたスプリットリング共振器のアレイが配置される車両表面のセクションを示す。
図30】一実施形態による、周波数ビン内のスプリットリング共振器の配置を示す。
図31】一実施形態による、共振周波数の時間に基づいた変動によって示される、偏向の時間に基づいた変動の検知のチャートを示す。
図32】一実施形態による、炭素含有同調共振材料から形成されるセンサから受信する信号を処理するシグネチャクラス分類システムを示す。
図33】一実施形態による、ドローン及び/またはドローンプラットフォームの内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写を示す。
図34】一実施形態による、航空車両の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写を示す。
図35】一実施形態による、航空車両の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器だけでなく、着陸位置センサの描写も示す。
図36】A及びBは、一実施形態による、航空機の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の2つの描写を示す。
図37A】一実施形態による、ロケットの内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写を示す。
図37B】一実施形態による、ロケット、及び/または着陸プラットフォームの内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器と、着陸位置センサとの描写を示す。
図38A】一実施形態による、スプリットリング共振器からのフィードバックを報告することに関するフローチャートである。
図38B】一実施形態による、スプリットリング共振器を使用して航空車両及び/またはドローンを着陸させることに関するフローチャートである。
図39】一実施形態による、誘電体マトリックス内のメタマテリアル及びそれに関連する回路の描写を示す。
図40】一実施形態による、連続気泡材料または独立気泡材料内に埋め込まれたスプリットリング共振器の描写を示す。
図41】一実施形態による、連続気泡材料または独立気泡材料を使用した圧力センサの描写を示す。
図42】一実施形態による、連続気泡材料または独立気泡材料を使用した風圧感知データの描写を示す。
図43】一実施形態による、周波数選択性導電性に関する経路及び回路の描写を示す。
図44】一実施形態による、スプリットリング共振器の使用が適用可能な多くの産業の描写を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
様々な図面における同様の参照番号及び参照記号は同様の要素を示す。
【0041】
本明細書に開示された主題のさまざまな実施態様は、一般に、炭素系微細構造体から作製された耐久性のあるセンサ(例えば、スプリット-リング共振器、スプリットリング共振器)の展開に関する。センサは、車両コンポーネント内、例えば、従来の現在市販されているニューマチックタイヤ(空気、窒素または他の気体が充填されたタイヤを指す)、次世代エアレスソリッドタイヤの本体のプライ内だけでなく、他の位置、例えば、車両架装内にも組み込まれてよい。センサは、タイヤプライ及び/またはタイヤトレッドの一部の内に、例えば、舗道または地面と接触するゴムの内に埋め込まれてもよい。タイヤを日常的に使用すると、接地面が劣化し、特に雪、大雨などの悪天候の場合には、最終的にボールドタイヤ(トレッドタイヤ)が路面に適切に粘着することができなくなる。センサを含むタイヤプライの劣化により、例えば一部の愛好家コミュニティでは一般的な操縦である「ドリフト」などのタイヤ横滑りで遭遇する正回転とタイヤひずみとの両方に対する、センサ応答挙動における対応する検知可能な変化が起こる。このようにして、所期のセンサ共振応答挙動における変化によって日常的な(例えば、正回転)タイヤの劣化も、所期のセンサ共振応答挙動におけるシフト(例えば、周波数シフトキーイングによって実現されるような、以下でさらに説明される概念)を観察することによって(例えば、ドリフト操縦中に)タイヤスティクションの損失も、検知されることができる。一般に理解されているように、スティクションとは、例えばドリフトなどの横運動を伴うパフォーマンス運転操縦中に遭遇することがあるような、接触している静止物体の相対運動を可能にするために克服される必要がある静止摩擦を黙示し得る。これは、動摩擦及び/または動的摩擦との比較であり、接触する両方の表面間の同時運動などを黙示し得る。
【0042】
本明細書に記載されているように、センサが建築材料、建設材料、金属材料、ポリマー、プラスチック、発泡体(連続気泡と独立気泡との両方)などの内にも同様に組み込まれ得ることを理解されたい。さらに、これらのような材料の用途が自動車以外の産業(例えば、航空宇宙、建設、鉱業など)内にあってもよい。
【0043】
炭素系材料は、発せられたRF信号に対して特異的な所期の高周波(RF)信号シフト(周波数シフトを指す)及び信号減衰(信号の大きさの減少を指す)の挙動を達成するように、合成中に同調することができる。RF信号を発することができる機器には、例えば、開示されたシステムを備えた車両の1つまたは複数のホイールウェル内に、及び/またはタンク回路、LC回路、または共振器とも(互換的に)呼ばれるインダクタ-コンデンサ(LC)回路によって取り付けられたトランシーバが含まれ得る。本開示の実施態様は、可動部品を必要としないことにより、日常的な道路の使用による摩損の影響を受けにくい。スプリットリング共振器は、既存の車両電子コンポーネント、航空車両電子コンポーネント、建設(コンクリートを含む)コンポーネントなどで機能する。開示された成分の炭素系材料の標的RF共振周波数値は、標的性能特性をもたらすインタラクションを示すために、反応チャンバまたは反応炉内で同調し得る。これらの特性は、低圧のオフロード用ノビータイヤだけでなく、トレッドのないレーストラック専用スリックなど、様々な用途のためのものであり得る。固有の炭素系材料から形成されたスプリットリング共振器は、所望の用途に応じて同調し得る、指定された高周波(RF)、例えば0.01GHz~100GHzなどで周波数シフト及び/または信号減衰を示す。同調可能性に関して、炭素系材料は、シード粒子を必要とせずに、炭素含有気相種から反応炉内で自然に成長(例えば、自己核生成)して、複雑な3D構造体を生成し得る。
【0044】
開示された材料及びシステムを装備した車両の周囲の環境における変化(例えば、雪、雨など)は、スプリットリング共振器の共振、周波数シフト、及び/または信号減衰の挙動に影響し得る。その結果、微小なタイヤ状態の変化も検知して運転者に通信することができる。例えば、1つ以上のスプリットリング共振器を含むタイヤプライが路面と接触(例えば、正回転)することにより、経時的に劣化及び/または変形すると、劣化及び/または変形するタイヤプライ内のスプリットリング共振器の共振が変化し得る。さらに、ドリフト(例えば、横滑り運動)シナリオ中に、他の検知可能な変化が起こる可能性があるため、スプリットリング共振器を含む、影響されたタイヤプライ及び/またはトレッド層の信号応答は、そのトレッド層の有無だけでなく、摩耗の程度も示し得る。結果として、スプリットリング共振器は、天候または他の環境条件(例えば、パフォーマンス運転操縦)における急激な遷移でも、またはゆるやかな遷移でも正確かつ精密に検知し得る。
【0045】
スプリットリング共振器のRF範囲の共振周波数応答における検知可能な変化及び/またはシフトは、既知の周波数を有する電磁(EM)信号によって各スプリットリング共振器内のRF共振材料を刺激することによって検知され得る。一部の配置では、EM信号は、最初に(車両にも取り付けられた)アンテナによって出力されてもよく、及び/または1つ以上のホイールウェル内に取り付けられたパターン化された共振回路(本明細書では「共振器」と呼ばれ、タイヤ本体のプライ上に3Dプリントされることができる)によってさらに伝播されてもよい。このようにして、発せられた信号に対するそれぞれのスプリットリング共振器に関連する減衰及び/または周波数シフトを電子的に観測して分析し、現在の環境条件を計測し得る。さらに、1つのRF共振周波数(または複数の周波数)における変化を観測し、既知で個別の較正点と比較して、所与の瞬間に車両の車体上の1つ以上の所定の検知点で測定されるタイヤの空気の圧力を決定し得る。
【0046】
ほとんどのロードタイヤのオンロード運転中に、またはオフロードタイヤのオフロード運転中に遭遇するようなタイヤの従来の使用は、タイヤの部分のわずかな変形を引き起こすことができる。これらの変形は、それぞれのスプリットリング共振器の固有RF共振周波数における変化を(RF信号が「ピング音」を発する時点yに)引き起こすことができる。固有共振周波数におけるそれらのような変化(様々なスプリットリング共振器を形成する本開示の炭素に関連する)を検知し、既知の較正点と比較して、タイヤ内部の状態を決定することができる。タイヤプライ内に組み込まれた本開示のスプリットリング共振器と組み合わせてアンテナを使用するシステムは、タイヤプライ特性の変化の感知と、車両内の関連するテレメトリ機器への報告との両方に対応し得る。
【0047】
当然のことながら、スプリットリング共振器の用途がタイヤ(及び自動車産業)に関して詳細に説明されているが、そのような用途が他の産業(例えば、航空宇宙、建設、材料、鉱業、石油、コンクリートなど)にも同様に適用され得ることを理解されたい。
【0048】
本開示のスプリットリング共振器は、車両スキン上の空気圧による変化、またはタイヤの内/上に外部から加えられたいずれかの力による変化を含む、それぞれのタイヤプライ(及び/または任意の材料または物質、その内または上にスプリットリング共振器が埋め込まれている)の物性における微小な変化さえも検知するように同調し得る。これらのような変化は「ピング音」の発信(例えば、RF信号の発信と、その後の観測及び分析)によって検知されることができ、次いで、所与のタイヤプライ、トレッド層、または周波数領域の戻りなどによって示される他の表面もしくは領域の検知された特性(例えば、「シグネチャ」)の固有のセットが処理されることができる。観測された信号シグネチャを較正し、戻りシグネチャを処理するためのさまざまなメカニズムが議論される。エラストマーと相互作用する同調した炭素構造体の形態で埋め込まれたパッシブセンサを備えたタイヤの製造方法が開示される。例えば、複数のプライからタイヤを製造するために使用されるメカニズムは、スプリットリング共振器の固有共振周波数の挙動に影響する可能性がある。さらに、タイヤは、複数のタイヤプライを含んで構成され得、各タイヤプライは、ミクロンサイズ、または代替に、ナノメートル、マイクロ、さらにはミリメートル(mm)レベルまでのメソ粒子のサイズのいずれか1つ以上であり得る、固有の同調炭素系微細構造体を含有する別個の同調炭素を組み込み得る。
【0049】
開示されたスプリットリング共振器は、トライボロジー発電機(例えば、車両タイヤの回転時、及びその車両タイヤの舗道または地面との繰り返された摩擦及び/または接触時などに電流を発生すること)によって可能にされる、GHz及びMHzの範囲内の共振から内蔵型電源シグネチャを可能にしてもよい。それらのようなトライボロジーコンポーネントは、1つ以上の車両タイヤプライ中のエラストマー層の間内の複数のスチールベルト内に統合される、またはその他の方法で組み込まれることができる。このようにして、共振器用の摩擦帯電型発電機が共振して(したがってRF信号を発信して)放電することによって、スプリットリング共振器を充電してもよい(及び/または給電してもよい)。共振器は、繰り返されている充放電サイクルに対応するように構成されることができ、固有の共振値または特性(その形成材料及び/またはその構築物に基づく)を有する卵円形を含む、さまざまな形状及び/またはパターンのいずれか1つ以上であることができる。
【0050】
共振器の形状または向きにおける変化は、いずれかの関連する共振定数の対応する変化をもたらす可能性がある。その結果、例えば、タイヤの内部圧力などの静的な条件下、またはボッツドッツの上を走行しているときに遭遇するような動的な条件下などで、変形(またはスプリットリング共振器が見られる材料のいずれかの同様の変形)によるタイヤの物性におけるいずれかの変化は、それぞれのスプリットリング共振器の形状または向きを変えることができる。さまざまな(例えば、加えて、または代替に、スプリットリング共振器とは異なる)共振器パターンを使用して、1つのタイプの変形に対して、もう1つのタイプの変形(例えば、砂利または粗い表面上を走行しているときに発生する垂直方向の運動と比較して、カーブの周りを移動しているときに発生する側方の変形を指す)よりも高い感度で応答することができる。タイヤの変形に基づいてスプリットリング共振器が信号応答挙動を変化させる配置に加えて、スプリットリング共振器は、例えば、ホイールウェル内またはさらにはホイールのリム内に配置されたデジタル信号処理(DSP)、コンピュータチップ及び/またはトランスデューサに関連しているような、他の信号減衰検知機能と電子的に通信していてもよい。DSPは、オプションの間、刺激と応答との両方のために外部トランシーバ(半導体チップ)と共に機能し得る。またスプリットリング共振器は、個々のタイヤプライに組み込まれたトライボロジー発電機と通信してもよく、外部受信機によって検知されることができる共振挙動を示してもよい。
【0051】
発明を実施するための形態からわかるように、提示された例示的な情報は、さまざまなアーキテクチャ(任意選択のものを含む)及び用途を説明することを意図したものである。この情報が(可能な限り完全な説明を提供するために)例示目的で記載されたものであり、いかなる形でも限定するものとして解釈されるべきではないことに強く留意されたい。以下の特徴のいずれかを、記載されている他の特徴を除外して、または除外することなく、任意選択に組み込み得る。
【0052】
図1は、例えば自動車及び/またはトラックなどの車両上に装備されることを意図したものである、車両状態検知システム100の概略図である。車両状態検知システム100は、RF同調共振コンポーネント108(例えば、図8に示されるような、スプリット-リング共振器)などのセンサを含み得る。RF同調共振コンポーネント108などのそれぞれは、2020年2月7日に出願された「3D Self-Assembled Multi-Modal Carbon-Based Particle」と題された、米国特許出願第16/785,020号にStowell, et al.によって開示されるもの(「炭素系材料」と総称される)のような、複数の炭素系微細構造材料、強集合体、弱集合体、及び/または同様のものから形成され得、その開示はあらゆる目的のために参照により援用されている。RF同調共振コンポーネント108は、従来の運転者駆動型自動車、または完全自律運航型ポッド、または人間の運転者なしで車両乗員を移動させるように動作することができる車両など、車両上の、ベルトセンサ104、ホースセンサ105、タイヤセンサ106、及びトランシーバアンテナ102のうちのいずれか1つ以上に組み込まれることができる。
【0053】
RF同調共振コンポーネント108は、信号周波数のシフトまたは減衰の測定などによって、トランシーバ114、車両中央処理装置116、車両センサデータ受信ユニット118、車両アクチュエータ制御ユニット120、及びアクチュエータ122のうちのいずれか1つ以上と電子で、及び/または無線で通信するように構成されることができ、これらのアクチュエータ122は、ドア、窓、ロック(総称して124)、エンジンコントロール126、ナビゲーション/ヘッドアップディスプレイ128、サスペンションコントロール129、及びエアフォイルトリム130を含むことができる。RF同調共振コンポーネント108は、発信されたRF信号110を介して、及び/またはトランシーバ114を用いて戻りRF信号112を介して、発信されたRF信号の観測された周波数におけるシフト(「周波数シフト」と称され、周波数におけるいずれかの変化を黙示する)を引き起こすことができる。発信されたRF信号110に対応する戻りRF信号112への参照は、ベルトセンサ104、ホースセンサ105、タイヤセンサ106、車両上のトランシーバアンテナ102、及び/または同様のもののうちのいずれか1つ以上に統合されるRF同調共振コンポーネント108のうちの1つ以上に対して発信されたRF信号110(センサからの信号の実際の物理的な反射または戻りではなく)の周波数シフトまたは減衰の電子的な検知を指し得る。発信されたRF信号110、及び戻りRF信号112は、車両中央処理装置116、車両センサデータ受信ユニット118、車両アクチュエータ制御ユニット120、及び/またはアクチュエータ122のうちのいずれか1つ以上と通信することができる(したがって、それらによって評価されることもできる)。車両状態検知システム100は、ソフトウェア及びハードウェアの任意の適切な組み合わせを使用して実装されることができる。
【0054】
車両状態検知システム100の描かれたさまざまなセンサのいずれか1つ以上は、発信されたRF信号によって(それらのRF信号によって当てられる、またはその他の方法で接触されることを指す)「ピング音」が発せられると、特異的なRF共振挙動を達成するように同調する、炭素系微細構造体から形成されることができる。車両状態検知システム100(またはその任意の態様)は、みぞれ、雹、雪、氷、霜、泥、砂、デブリ、起伏のある地形、水及び/または同様のものを含む悪天候条件中などに、考えられる任意の車両使用用途、領域、または環境に実装されるように構成されることができる。
【0055】
RF同調共振コンポーネント108は、車両の周囲に、及び/または車両上に(例えば、車両の車室、エンジンコンパートメント、もしくはトランク内に、またはボデー上に)配置されることができる。図1に示されるように、RF同調共振コンポーネントは、ベルトセンサ104、ホースセンサ105、タイヤセンサ106、及びトランシーバアンテナ102を含むことができ、それらのうちのいずれか1つ以上は、最新の車両内にそれらの製造中に実装されてもよい、または(代替に)車両の使用年数及び/または状態にかかわらず、既存の車両に後付けされてもよい。RF同調共振コンポーネント108は、ガラス繊維(例えば、エアフォイル用)またはゴム(例えば、タイヤ用)またはガラス(例えば、ウインドシールド用)などの容易に入手可能な材料を使用して、部分的に形成されることができる。これらの従来の材料は、炭素系材料、成長、弱集合体、強集合体、シート、粒子、及び/または反応チャンバまたは反応炉内に炭素含有気相種からインフライト自己核形成され、(1)それらが取り込まれる複合材料の機械的(例えば、引張、圧縮、剪断、ひずみ、変形及び/または同様のもの)強度を向上させるように配合されるような同様のもの、及び/または(2)特定の周波数または周波数セット(10GHz~100GHzの範囲内)で共振するように配合されるような同様のもの、と組み合わされることができる。材料のRF共振特性及び挙動を支配する変数は、材料強度の制御に関与する変数とは独立して制御されることができる。
【0056】
高周波(RF)に基づいた刺激(トランシーバ114によって発せられる、または共振器によって発せられるような)を使用して、RF同調共振コンポーネント108、アクチュエータ122(及び/またはRF同調共振コンポーネント108内に、またはそれらの上に実装されるセンサなどの同様のもの)にRF信号を発信することができ、RF同調共振コンポーネント108、アクチュエータ122は、それらのRF信号のそれぞれの1つの共振周波数または複数の共振周波数だけでなく、発信された信号の減衰で観測される周波数シフト及びパターン(内部または外部条件が影響することがある)を検知することができる。例えば、RF同調共振コンポーネント(タイヤセンサ106など)が約3GHzの周波数で共振するように特別に準備されている(「同調されている」と称される)場合、タイヤセンサ106は、3GHzのRF信号によって刺激されると、共鳴による共振、または共振による振動を発することができる(以前に受動的であった弦または振動体が外部振動に応答して、この外部振動に似ている高調波を有する、高調波現象を指す)。
【0057】
これらの共振による振動は、刺激された周波数でも、基本的な3GHzトーンに由来する倍音またはサイドローブでも発生することができる。同調共振コンポーネント(RF同調共振コンポーネント108の)が2GHzで共振するように同調している場合、同調共振コンポーネントが2GHzのRF信号によって刺激されると、その同調共振コンポーネントは、そのように説明されるように共振による振動を発する。これらの共振による振動は、刺激された周波数でも、基本的な2GHzのトーンに由来する倍音またはサイドローブ(工学では、メインローブではない、アンテナまたは他の放射源の遠方界放射パターンの極大値を指す)でも発生する。多くの追加の同調共振コンポーネントは、RFエミッタの近位に位置していることができる。RFエミッタは、最初に2GHzのピング音を発し、次に3GHzのピング音を発し、その次に4GHzのピング音を発するなどのように制御される場合がある。異なり増加する周波数でのこの一連のピング音は、「チャープ音」と称され得る。
【0058】
図5~7によって概して示されるようなタイヤ本体内で隣接するタイヤプライ(互いに接触しているような)は、その(それぞれを参照する)タイヤ本体のプライ及び/またはトレッド層内に組み込まれるセンサを、互いに高調波ではないさまざまな別個の周波数で共振するように規定するために、炭素系微細構造体のさまざまな濃度レベルまたは配置を有することができる。すなわち、非高調波プライは、特定のタイヤ本体のプライ及び/またはトレッド層(または他の表面もしくは材料)を、高調波が引き起こす(またはその他の方法で関連する)信号干渉が原因の混入リスクが最も低い他のものに対して、別々に容易に認識可能に検知することを確実にすることができる。
【0059】
トランシーバ114(及び/または図1に示されていない共振器)は、発信されたRF信号110を、RF同調共振コンポーネント108のうちのいずれか1つ以上に伝送し、RF同調共振コンポーネント108のうちのいずれか1つ以上からの戻りRF信号112の周波数シフト及び/または減衰をデジタル方式で認識するように構成されることができる。それらのような「戻り」信号112をデジタル情報に処理することができ、このデジタル情報を車両の中央処理装置116に電子的に通信することができ、この車両の中央処理装置116は、車両センサデータ受信ユニット118及び/または車両アクチュエータ制御ユニット120とインタラクトし、さらに、車両センサデータ受信ユニット118及び/または車両アクチュエータ制御ユニット120は、受信するセンサデータに基づいて車両性能関連信号を送信する。戻り信号112は、アクチュエータ122を少なくとも部分的に制御することができる。すなわち、車両アクチュエータ制御ユニット120は、トランシーバ114と通信するRF同調コンポーネントによって示される車両コンポーネントの摩耗または劣化に関して車両センサデータ受信ユニット118から受信するフィードバックに従って、ドア、窓、ロック124、エンジンコントロール126、ナビゲーション/ヘッドアップディスプレイ128、サスペンションコントロール129、及び/またはエアフォイルトリム130のうちのいずれか1つ以上を、アクチュエータ122が操作するように制御することができる。
【0060】
戻りRF信号111の挙動(周波数シフト及び/または減衰など)を監視するときに、道路のデブリ及び悪天候条件を検知すると、例えば、アクチュエータ122がサスペンションコントロール129において対応する変更をトリガすることができる。それらのような変更は、例えば、道路のデブリを乗り越えることに対応するためにサスペンション設定を緩和することに続き、大雨(したがって低トラクション)状態での走行に必要な場合がある、車両の応答性の向上に対応するためにサスペンション設定を締め付けることなどを含むことができる。車両アクチュエータ制御ユニット120によるそのような制御の変動は多く、車両の外部のいずれの考えられる状態をもトランシーバによって検知することができる(発信されたRF信号110及び/または戻りRF信号112の周波数シフト及び/または減衰によって示されるように)。
【0061】
記載されたセンサを形成するRF同調共振コンポーネント108のいずれかは、特定の周波数で刺激されると共振するように同調することができる。そこでは、1つの周波数、または複数の周波数において規定されたシフト(炭素系微細構造体が引き起こす)は、センサが組み込まれている材料、またはこの材料の状態を示す1つ以上の信号シグネチャを形成することができる。
【0062】
戻りRF信号112における周波数シフト(信号シグネチャに示されるような)の時間変動または時間偏差(TDEV)(測定されたクロックソースの観測間隔τに対する位相xの時間安定性を指すため、時間偏差は信号ソースの時間不安定性を示す標準偏差タイプの測定を形成する)は、センサの環境における時変の変動、及び/またはセンサ自体における時変の変動に対応することができる。したがって、信号処理システム(車両中央処理装置116、車両センサデータ受信ユニット118、及び/または車両アクチュエータ制御ユニット120などのうちのいずれか1つ以上など)は、TDEV原理に従ってセンサに関連する信号(発信されたRF信号110及び戻りRF信号112など)を分析するように構成されることができる。そのような分析(シグネチャ分析など)の結果を車両中央処理装置116に配信することができ、この車両中央処理装置116は、適切な応答アクションのためにコマンドを車両アクチュエータ制御ユニット120に通信することができる(今度は)。いくつかの構成では、アクチュエータ122によるそのような応答アクションは、人間の運転者の少なくともいくつかの入力を含むことができるが、他の構成では、車両状態検知システム100は、完全に自己完結型の方法で機能することができることによって、そのように装備された車両は、コンポーネント性能問題が完全にドライバーレス設定で発生する場合に、それらの問題に対処することができる。さらに、車両中央処理装置116は、1つ以上の上流コンポーネント113(例えば、静止領域内に収容されたレース用途に関連する計算機器)、及び/またはRF同調共振コンポーネント108に関連するすべてのデータの取り込み及び/または処理に関与するレーシングミッション制御ユニット119と電子通信し得る。
【0063】
図2は、一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料から形成されるセンサによって、周波数シフトされる、及び/または減衰する、発信された及び/または戻りRF信号を分析する信号処理システム200を示す。オプションとして、信号処理システム200は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、信号処理システム200は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0064】
示されるように、図2は、信号処理システム200のブロック図を示し、この信号処理システム200は、表面センサ260及び埋め込みセンサ270を含むことができ、それらのいずれか1つ以上は、そのように装備された車両(表面センサ260及び埋め込みセンサ270が装備された車両を指す)についての環境変化250に関して、その他のものと電子的に通信することができる。また、信号処理システム200は、トランシーバ214、シグネチャ分析モジュール254、及び車両中央処理装置216を含んでもよく、これらのいずれか1つ以上は、その他のものと電子通信していてもよい。
【0065】
いくつかの実施態様では、埋め込みセンサ270(タイヤプライなどの材料内に埋め込まれることができる)は、トライボロジーエネルギー発生器(図2には示されていない)を含む内蔵型電源テレメトリを使用することができる、及び/またはこの内蔵型電源テレメトリによって電力を供給されることができる。これらのトライボロジーエネルギー発生器もまた、それぞれセンサが封入される材料内に組み込まれることができる。したがって、トライボロジーエネルギー発生器は、例えば、回転するタイヤまたはホイールと、それが接触する舗道との間に蓄積される静電荷を回収することによって使用可能な電流及び/または電力を発生し、共振回路(本明細書でさらに詳細に説明される)に電力を供給することができる。次に、共振回路は、共振して既知の周波数でRF信号を発することができる。その結果、外部に取り付けられたトランシーバユニット(車両の各ホイールウェル内に取り付けられるものなど)はRF信号を発することができる。この構成では、共振回路は、これらのRF信号をさらに伝播し、トライボロジーによって電力を供給され、タイヤ本体のプライに埋め込まれる。同様に、発信された信号の強度の周波数シフト及び/または減衰は、例えば、シグネチャ分析モジュール254及び/または車両中央処理装置216によって受信され、分析される。
【0066】
内蔵型電源テレメトリ(遠隔ポイントまたはアクセスできないポイントでの測定値または他のデータの収集、及び監視用の受信機器へのそれらの自動送信を指す)は車両のタイヤに組み込まれることができる。本明細書に言及される内蔵型電源テレメトリは、タイヤ内でのトライボロジー電荷発生、その電荷の蓄積、及び共振回路に、またはそれを介して蓄積された電荷のその後の放電を利用することを含み、共振回路(インダクタからなり、文字Lで表される電気回路と、文字Cで表され、合わせて接続され、特定の1つの周波数または複数の周波数でRF信号を発生するために使用されるコンデンサとを指す)の放電中に発生する「リンギング」(RF信号のさらなる発信に応答可能な共振回路の発振を指す)を使用する。
【0067】
ピング音の刺激は、一般に、タイヤ(もしくは継続的な使用による摩耗に関する監視を意図した他の車両コンポーネント)の外側に位置している、例えばそのように装備された車両の各ホイールウェル内に組み込まれているような、従来のトランシーバなどの刺激源によって発生した信号もしくは「ピング音」への依存、または回転中のホイール及び/またはタイヤと、それに接触している地面または舗道との間の、本来であれば無駄な摩擦エネルギーから生じるエネルギーを回収するタイヤ内(炭素系微細構造体を有するセンサと同様に、タイヤプライに埋め込まれることも指す)トライボロジーエネルギー発生装置の使用を含む、本開示の車両コンポーネント摩耗検知システムの2つの可能な配置のうちの1つに与えられることができる。トライボロジーは、一般的に理解され、本明細書で言及されるように、相対運動における相互作用する表面の科学及び工学の研究を黙示する。それらのようなトライボロジーエネルギー発生装置は、タイヤ内共振装置に電力を供給することができ、これらのタイヤ内共振装置は、今度はタイヤ特性テレメトリを自己発信する。
【0068】
上記に議論されている2つの「ピング音」刺激発生器かプロバイダかいずれかは、約10~99GHzの範囲の複素共振周波数(CRf)成分(例えば、グラフェンプレートレットなどの小さな寸法の構造体の共振周波数による)だけでなく、相対的にさらに大きい寸法の議論されているタイヤ内共振が原因でKHz範囲内のより低い周波数共振も有することができる。一般に、CRfは、エラストマー成分の固有共振周波数、炭素成分の固有共振周波数、構成成分の比率/集合、及びタイヤ内共振装置の幾何学的形状の関数に等しいとみなされることができる。
【0069】
信号処理システム200は、炭素系微細構造体から形成されるセンサが刺激されると、信号シグネチャ(発信されたRF信号210及び/または戻りRF信号212のうちのいずれか1つ以上の周波数シフト及び/または減衰をデジタル方式で観測することによって規定される)を分析するように機能する。チャープ信号による刺激の結果、センサは、チャープ/ピング周波数のうちの1つで共振するようになり、その対応する同調周波数で、またはその近くで共振すること、発せられた周波数をシフトさせること、及び/または発せられた信号の振幅を減衰させることによって「応答」する。チャープ音/ピング音が発せられている間に、環境変化(タイヤ本体のプライ及び/またはトレッド層の摩耗を生じるような)が発生した場合、「戻り」信号は、同調周波数よりも高いか低いかいずれかの変調における変動を監視されることができる。したがって、トランシーバ214は、ピング音を発する表面を表す戻りRF信号212を受信するように構成されることができ、これらの表面の上に、またはこれらに対してなどにピング音を発する。
【0070】
当然のことながら、図1~18の文脈が主にスプリットリング共振器の自動車用途に関するものであるが、そのような教示が本明細書で詳述される他のシナリオ及び産業(コンクリート、材料科学、航空宇宙、ドローン及び航空車両、鉱業材料、石油産業の部品などを含む)にも同様に適用され得ることを再度理解されたい。したがって、自動車(特にタイヤ)に関する本明細書の教示は、これら他の産業の状況にも適用されてよく、その一部については本明細書の以下で詳細に説明される。
【0071】
上記のチャープ/ピング信号を、トランシーバ214が発信する(例えば、非可聴RF信号、パルス、振動及び/または同様の伝送によって)ことができる。また、「戻り」信号をトランシーバ214が受信することができる。示されるように、チャープ信号は、チャープ音(発信されたRF信号210など)の繰り返しシーケンス中に発生することができる。例えば、チャープ信号シーケンスは、1GHzのピング音、次に2GHzのピング音、その次に3GHzのピング音などを含むパターンから形成されてもよい。チャープ信号シーケンス全体は、その全体を連続的に繰り返されることができる。共振材料からの戻り信号(戻りRF信号212)をピング音の終了直後に受信することができるように、各ピング音の間に短い期間があることができる。あるいは、またはさらに、ピング音刺激に対応する信号、及び観測された「応答」の信号は、同じ一般的な経路またはルートに同時に、及び/またはこれに沿って発生することができる。シグネチャ分析モジュールは、デジタル信号処理技法を使用して、観測された「応答」の信号をピング信号と区別することができる。戻された応答が多くの異なる周波数(倍音、サイドローブなど)にわたるエネルギーを含む状況では、ノッチフィルタを使用して刺激をフィルタリングすることができる。トランシーバが受信する戻り信号を、シグネチャ分析モジュール254に送信することができ、シグネチャ分析モジュール254は、今度は処理された信号を車両中央処理装置216に送信することができる。図2の前述の議論は、炭素含有同調共振材料から形成されるセンサの議論を含み、そのうえ、感知積層体を参照することもできる。
【0072】
開示されたセンサは、タイヤプライ内の追加の炭素繊維層の間に介在して層にされることができる樹脂層を含む、タイヤ層に組み込まれてもよい。各炭素含有樹脂層は、異なる所期の、または所望の同調周波数で共振するように別々に配合されることができる。材料共振の物理現象は、対応する分子組成に関して説明されることができる。例えば、第一分子構造などの規定された第一構造を有する層は第一周波数で共振するが、異なる第二分子構造を有する層は異なる第二周波数で共振することができる。
【0073】
特定の分子構造を有し、層内に含まれる材料は、その層が低エネルギー状態にある場合に第一同調周波数で共振し、その層内の材料が誘起された高エネルギー状態にある場合に異なる第二周波数で共振する。例えば、特定の分子構造を示す層内の材料は、その層が自然の変形されていない低エネルギー状態にある場合に3GHzで共振するように同調することができる。対照的に、その同じ層は、層がその自然の変形されていない低エネルギー状態から少なくとも部分的に変形されている場合に2.95GHzで共振することができる。その結果、この現象は、例えば、舗道などの路面に接触して、ある特定の局所的な接触領域で激しい摩耗を受けるタイヤの表面などに対するごくわずかな異常でも、高い忠実度及び精度で検知する必要性に対応するように調整されることができる。要求の厳しいレースサーキット(急カーブ及び急激な高低変化を特徴とする高度に技術的で風の強いトラックを指す)でレースするレースカーは、時間に制約のあるレース当日の条件でも、情報に基づいたタイヤ交換の決定を行うために、そのような局所的なタイヤ摩耗または劣化情報から利益を得ることができる。
【0074】
上記を参照して周波数シフト現象(3GHzの周波数での共振から2.95GHzへの遷移など)が示され得、本明細書の以下に説明される、図24B1図24B2を参照して議論され得る。
【0075】
RF信号によってピング音が発信されると、特異的な共振周波数を示すように同調する炭素含有材料(炭素系微細構造体を含むものなど)は、これらの材料が特定の電気インピーダンスを有するように合わせて特異的な化合物を作ることにより、特定の共振プロファイルを示すように同調することができる。同様に、異なる電気インピーダンスは、異なる周波数応答プロファイルに対応する。
【0076】
インピーダンスは、交流(AC)が要素を通して流れる難しさの程度を表す。周波数領域では、インピーダンスは、インダクタとして挙動する構造体のため、実数成分及び虚数成分を有する複素数である。虚数成分は誘導性リアクタンス(回路素子のインダクタンスまたは静電容量による電流の流れに対するその回路素子の抵抗、リアクタンスが大きいほど同じ電圧が印加された場合の電流が小さくなる)成分XLであり、これは以下の式の特定の構造体の周波数f及びインダクタンスLに基づく。
=2πfL (式1)
【0077】
受信した周波数が増加すると、リアクタンスもまた増加するため、ある特定の周波数閾値で、発信された信号の測定された強度(振幅)は減衰することができる。インダクタンスLは、材料の電気インピーダンスZによって影響され、Zは次の関係によって透磁率μ及び誘電率εの材料特性に関連がある。
【数1】
【0078】
したがって、材料特性を同調させると、電気インピーダンスZは、インダクタンスLに影響するため、リアクタンスXに影響するように変わる。
【0079】
全体が参照により本明細書に援用されている、2019年10月1日に発行された「Carbon and Elastomer Integration」と題された米国特許第10,428,197号にAnzelmo, et al.によって開示されたものなど、異なるインダクタンスを有する炭素含有構造体は、異なる周波数応答を示すことができる(前述のシステムにセンサを作製するために使用される場合)。すなわち、インダクタンスLが高い(電気インピーダンスZに基づく)炭素含有構造体は、インダクタンスが低い別の炭素含有構造体よりも低い周波数で、ある特定のリアクタンスに達する。
【0080】
特定の電気インピーダンスに同調する化合物を配合する場合、透磁率、誘電率及び導電率の材料特性も考慮することができる。さらに、第一炭素含有構造体が第一周波数で共振するが、第二炭素含有構造体がわずかに変形した(これにより、この構造体の物性をわずかに変えるような)場合など、この構造体が張力誘起条件下にある場合、この構造体が第二周波数で共振することが観測される。
【0081】
例示的な炭素含有構造体(例えば、図18A図18Yに示される)は、コンデンサC及びインダクタLを含む等価電気回路に相関されることができる、第一周波数で共振し得る。周波数fは、次式で与えられる:
【数2】
【0082】
炭素含有構造体が変形すると、その構造体のインダクタンス及び/または静電容量が変化し得る。これらの変化は、コンデンサC及びインダクタLを含む等価電気回路に相関されることができる。周波数fは、次式で与えられる。
【数3】
【0083】
図3は、一実施形態による、シグネチャクラス分類システム300を示す。オプションとして、シグネチャクラス分類システム300は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、シグネチャクラス分類システム300は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0084】
シグネチャクラス分類システム300は、炭素含有同調共振材料から形成されるセンサから受信する信号を処理する。シグネチャクラス分類システム300は、あらゆる物理環境または気象条件で実装されることができる。図3は、車両に設置されるセンサによって検知される、及び/またはそれらのセンサからクラス分類される、及び/またはそれらのセンサから受信する信号(シグネチャなど)をクラス分類するために、同調した共振感知材料を自動車部品に組み込むことに関する。操作302では、選択されたピング周波数のピング信号を伝送する。ピング信号発生機構及びピング音伝送機構は、任意の既知の技法で実施されることができる。例えば、送信器モジュールは、3GHzの選択された周波数を発生し、1つのアンテナまたは複数のアンテナを使用してその信号を発信することができる。同調アンテナの設計及び位置(ホイールウェルまたは車両のうちのいずれか1つ以上の上に、及び/または内に取り付けられるような)は、ピング音の強度が近接センサ内の共振(RF)を誘起するのに十分であるような、いずれかの同調アンテナの幾何学的形状、材料及び/または位置に対応することができる。いくつかの同調アンテナは、対応するセンサに近接している構造部材上に、または構造部材内に配置される。このように、近位の表面センサは、ピング音によって刺激されると、共振してシグネチャと共に戻され得る。そのシグネチャを受信して(操作304)、データセットに格納し、このデータセットは受信したシグネチャ310を含むことができる。シグネチャの受信を後に伴うピング音の伝送シーケンスは、ループ内で繰り返されることができる。
【0085】
ピング周波数は、ループを繰り返し通過する際に変更されることができる(操作308)。したがって、操作304がループ内で実施されると、操作304は、第一シグネチャ312、第二シグネチャ312、最大第Nシグネチャ312を含むシグネチャ312を格納することができる。反復回数は、決定306によって制御されることができる。決定306の「いいえ」分岐が得られるとき(例えば、送信するさらなる追加のピング音がないとき)、受信したシグネチャは、デジタル信号処理モジュール(例えば、図2に示されるシグネチャ分析モジュール254のインスタンス)に(操作314では)提供されることができる。デジタル信号処理モジュールは、1セットの較正点318に対してシグネチャをクラス分類する(操作316)。較正点は、特定のピング周波数に対応するように構成されることができる。例えば、較正点318は、いずれかの整数値「N」の較正点(第N較正点320まで)に対して、3GHz近くの第一ピング音及び第一戻りシグネチャに対応することができる第一較正点320、2GHz近くの第二ピング音及び第二戻りシグネチャに対応することができる第二較正点320などを含むことができる。
【0086】
操作320では、クラス分類された信号を車両中央処理装置(例えば、図1の車両中央処理装置116)に送信する。クラス分類された信号を車両中央処理装置116は、上流リポジトリに中継することができ、この上流リポジトリは、機械学習アルゴリズムをホストする、及び/または実行するように構成されるコンピュータ化されたデータベースをホストする。したがって、信号、クラス分類された信号、及び信号応答に関連する膨大な刺激量を、その後のデータ集約及び処理のために捕捉することができる。データベースは、「トレーニング」と称される、計算で準備されてもよく、繰り返し使用することによるタイヤの劣化など、車両の性能に関連する状態または診断に相関されることができる、所与の感知測定値セットが提供されてもよい。車両の操作中に、エアフォイルコンポーネントの特定の部分の測定された偏向(空気圧など)が、エアフォイルコンポーネントの異なる部分の測定された偏向(空気圧など)と異なる場合、潜在的な診断では、1つのタイヤの空気圧が不足しているため、車両の最低地上高が不均一になり、その結果、車両を越える、車両の上の、及び/または車両周囲の気流が、エアフォイルコンポーネント上の偏向によって検知されるように、比例した不均一性を示す可能性がある。他の潜在的な状態または診断も機械学習システムが決定することができる。状態及び/または診断及び/またはサポートデータを車両に返して、フィードバックループを完了することができる。車両における計装は、行われる(運転者またはエンジニアなどによって)ことができる可視化を提供する。
【0087】
図4は、一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料のさまざまな層のRF共振における変化から感知される一連のタイヤ状態パラメータを示す。
【0088】
図4は、一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料のさまざまな層のRF共振における変化から感知される一連のタイヤ状態パラメータ400を示す。オプションとして、タイヤ状態パラメータ400は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装され得る。ただし当然のことながら、タイヤ状態パラメータ400は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0089】
示されるように、図4は、同調共振感知材料を自動車部品(タイヤなど)に組み込むことに関連するさまざまな物性または態様(タイヤ状態パラメータ400)を示す。本明細書では、図面は、非ニューマチックタイヤ及びニューマチックタイヤを含む、タイヤ中で存続可能なセンサの展開に対処することに関して提示される。タイヤの構成は、ラジアルタイヤ、バイアスプライタイヤ、チューブレスタイヤ、ソリッドタイヤ、ランフラットタイヤなどに対応することができる。これらのタイヤは、あらゆる種類の車両及び/または機器及び/または車両関連付属品に使用されることができる。それらのような車両は、航空機、全地形対応車、自動車、建設機械、ダンプトラック、ブルドーザ、農機具、フォークリフト、ゴルフカート、収穫機、リフトトラック、モペット、オートバイ、オフロード車、レーシングカー、芝刈り機、トラクタ、トレーラ、トラック、車椅子などを含んでもよい。これらのタイヤは、提示されたものに加えて、またはその代わりに、自転車、三輪車、一輪車、芝刈り機、車椅子、カートなどの非電動車両、機器、及び付属品に使用されてもよい。
【0090】
図4に示されるパラメータは一例であり、他の異なるものは、寿命を延ばすように設計されるトラックタイヤ(路面粘着を犠牲にする可能性がある)、または最大路面粘着を与えるように設計されるソフトレーシングタイヤ(寿命を犠牲にする可能性がある)を含む、多くの考えられる最終用途シナリオの特異な望ましい性能特性を標的とするように存在してもよいし、その他の方法で調製されてもよい。
【0091】
さまざまな炭素構造体は、他の非炭素材料を含む異なる配合物に使用され得、タイヤに組み込まれ得、その後、タイヤのそれらのそれぞれの特性を決定する機械的分析を受ける。これらの特性の一部は、直接試験によって経験的に決定されることができるが、他の特性は、測定値及びデータの外挿に基づいて決定される。例えば、転動の均一性は、タイヤがローラなどの均一な表面上で転動するときの力における変化を感知することによって決定されることができるが、トレッドの寿命は短期間のアブレーション試験に基づいているため、その短期間の試験の結果を外挿して、予測されたトレッド寿命値が得られる。
【0092】
より多くのタイヤ特性を測定することができるが、これらの測定技法のいくつかは、タイヤを物理的に破壊する可能性があるため、タイヤ寿命の所望の時点で測定されることができる。対照的に、タイヤに埋め込まれている存続可能なセンサを使用することによって、タイヤ寿命全体を通して、本来であれば破壊的なそれらのような測定を行うことができる。例えば、タイヤに埋め込まれているセンサに対してピング音が発せられる、RF信号に基づく応答信号の検知を、そのような感知に使用することができる。そのうえ、タイヤの各本体プライ及び/またはトレッド層は、本明細書に説明されるように、特定の周波数で共振するように同調する耐久性のある(「存続可能な」とも称される)センサを含むことができる。
【0093】
タイヤに使用されるプライは、炭素含有構造体を他の材料と組み合わせて、所望の性能特性(取り扱い及び寿命など)を示す特定の材料組成物を達成するように配合されることができる。特定の材料組成物の1つの固有共振周波数(または複数の固有共振周波数)をスペクトル分析にかけて、特定の材料組成物についてのスペクトルプロファイルを作成することができる。このスペクトルプロファイルは、その材料の較正基線として使用されることができる。タイヤの本体プライ及び/またはトレッド層が変形を受けると、スペクトルプロファイルは変化し、このスペクトルプロファイルの変化は追加の較正点(例えば、較正点318)として使用されることができる。多くのそれらのような較正点は、試験によって生成されることができ、次に、それらのような較正点は、変形を計測するために使用されることができる。
【0094】
スペクトル応答の分析の結果、多くのタイヤパラメータの定量的測定値が得られる。シグネチャ分析から決定されることができるタイヤパラメータは、例えば、トレッド寿命422、第一温度での取り扱い428、第二温度での取り扱い426、第一温度での転動経済性430、第二温度での転動経済性432、転動均一性436、及び制動均一性438を含むことができる。
【0095】
タイヤプライ内の材料中に埋め込まれているセンサから受信する戻りピング信号に基づいてスペクトルで表されるような応答は、観測されている変形を表すことができる。すなわち、ある特定のタイプのタイヤの変形は、ある特定のタイプの特異的な応答に対応するため、これらの応答または応答タイプの間のマッピングを劣化タイプに対して行うことができる。さらに、タイヤが原位置で変形するときのタイヤのスペクトル応答における時変の変動を使用して、多くの周囲条件を決定することができる。複数のプライを使用して構築されているタイヤでは、各本体のプライ及び/またはトレッド層は、特定の同調周波数、または特定の同調周波数の範囲を示すように配合されることができる。例えば、図5(本明細書の以下に示される)は、複数のプライからタイヤを構築する概略図を示し、各プライは、異なる1つの特定の同調周波数、または複数の特定の同調周波数の範囲を有する。
【0096】
図5は、一実施形態による、単一のタイヤアセンブリの本体に組み込むために、別個の独立した反応炉から炭素含有RF同調共振材料を選択することによって、タイヤの複数のプライを同調させるために使用された装置の概略図500を示す。オプションとして、概略図500は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、概略図500は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0097】
概略図500は、あらゆる環境に実装されることができる、タイヤアセンブリまたは構造体中に組み込む炭素含有同調共振材料を選択することによって、タイヤの複数の本体プライ及び/またはトレッド層の微調整または同調のために使用され得る。図5は、さまざまな炭素をタイヤ複合材料の配合物に混合させ、マルチプライタイヤに集積させる方法を示す。得られたマルチプライタイヤは、さまざまな共振感応性及び周波数シフト特性を示す。
【0098】
複数の反応炉(例えば、反応炉552、反応炉552、反応炉552、及び反応炉552)は、特定の規定されたスペクトルプロファイルを生じるように同調するネットワークに、特定の炭素添加物/フィルタを各生成する(またはその他の方法で輸送する、もしくは提供する)。炭素添加物(例えば、第一同調炭素554、第二同調炭素556、第三同調炭素558、及び第四同調炭素560)を、他の組成物550(炭素系または非炭素系)と混合させることができる。任意の既知の技法を使用して、特定の炭素添加物をその他の組成物と混合させる、加熱する、前処理する、後処理する、またはその他の方法で組み合わせることができる。撹拌機(例えば、撹拌機562、撹拌機562、撹拌機562、及び撹拌機562)を提示し、タイヤのさまざまなコンポーネントに異なる同調炭素を導入することができる方法を示す。タイヤアセンブリについての他の技法は、他の構築技法、及び/またはタイヤを備える他のコンポーネントを含んでもよい。マルチプライタイヤにあらゆる既知の技法を使用することができる。さらに、特定の本体プライ及び/またはトレッド層(例えば、本体プライ及び/またはトレッド層568、本体プライ及び/またはトレッド層568、本体プライ及び/またはトレッド層568、及び本体プライ及び/またはトレッド層568を含む、本体プライ及び/またはトレッド層568の群など)のスペクトルプロファイルは、特定の本体プライ及び/またはトレッド層の配合物の特性に基づいて決定されることができる。例えば、刺激及び応答の特性に基づいて、第一本体プライ及び/またはトレッド層の配合物(例えば、本体プライ及び/またはトレッド層の配合物564)は、第一スペクトルプロファイルを示すことができるが、第二本体プライ及び/またはトレッド層の配合物(例えば、本体プライ及び/またはトレッド層の配合物564)は、第二スペクトルプロファイルを示すことができる。
【0099】
結果として得られるさまざまな配合物(例えば、本体プライ及び/またはトレッド層の配合物564、本体プライ及び/またはトレッド層の配合物564、本体プライ及び/またはトレッド層の配合物564、及び本体プライ及び/またはトレッド層の配合物564)は、これらの本体プライ及び/またはトレッド層のそれぞれが対応するスペクトルプロファイルを示しながら、タイヤアセンブリ566に形成される異なる本体プライ及び/またはトレッド層に使用される。
【0100】
図6は、一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料の層で形成される新しいタイヤから発せられ得る例示的な状態シグネチャ600のセットを示す。オプションとして、例示的な状態シグネチャ600は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、例示的な状態シグネチャ600は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0101】
図6は、炭素含有同調共振材料の層で形成されるタイヤから発せられる第二セットの例示的な状態シグネチャ600を示す。例示的な状態シグネチャ600またはそれらの任意の態様は、任意の環境で発信されることができる。図6は、新しいタイヤの複数の本体プライ及び/またはトレッド層(例えば、本体プライ及び/またはトレッド層#1、本体プライ及び/またはトレッド層#2、及び本体プライ及び/またはトレッド層#3)を示す。提示された実施態様のいずれか1つ以上を参照して、この例及び他の箇所に使用される場合、「プライ」という用語は、タイヤ本体内のプライもしくは層、または代替に、硬い舗道、もしくはオフロードタイヤ用の地面と接触することが意図されるタイヤ本体から半径方向に外に向けて離れて突出するタイヤトレッド層を指すことができる。一実施形態では、第一本体プライ及び/またはトレッド層は、第一本体プライ及び/またはトレッド層が1.0GHzのピング音刺激(例えば、第一ピング音602)を用いて刺激されると、1.0GHzで共振するような同調炭素と配合され得る(特異的な配合によって作製されることを指す)。同様に、第二本体プライ及び/またはトレッド層は、第二本体プライ及び/またはトレッド層が2.0GHzのピング音刺激(例えば、第二ピング音604)を用いて刺激されると、2.0GHzで共振するような同調炭素と配合される。さらに、第三本体プライ及び/またはトレッド層は、第三本体プライ及び/またはトレッド層が3.0GHzのピング音刺激(例えば、第三ピング音606)を用いて刺激されると、3.0GHzで共振するような同調炭素と配合される。第一応答608、第二応答610、及び第三応答614によって示されるように、3つの本体プライ及び/またはトレッド層のすべては、それらのそれぞれの同調周波数で応答できる。
【0102】
トランシーバアンテナは、対応するタイヤのホイールウェル内に、及び/またはその上に(及び/またはスプリットリング共振器付近のいずれかの位置内に)位置決めされることができる。そのように発生したあらゆる応答信号も処理するシステムは、例えば、車両の残りの非標的タイヤなど、その他の表面から生じる他の潜在的な応答と区別するように構成されることができる。例えば、車両の右フロントホイール上に取り付けられる右フロントタイヤが車両の左フロントホイールウェル内に位置しているトランシーバアンテナから発せられるピング音に応答する場合でも、右フロントタイヤからの応答信号は、車両の左フロントタイヤからの応答信号と比較して、有意に減衰する(そしてそのように認識される)。さまざまな実施形態では、トランシーバアンテナの位置決めは、スプリットリング共振器から数インチ以内であってもよく、または必要に応じて5~10メートル(もしくはさらに遠く)であってもよい。このような位置決めは、エミッタ受信器の電力の関数であり得る。
【0103】
トランシーバアンテナが対応するタイヤのホイールウェル内に位置している場合、対応するタイヤからの応答は、ピング音刺激に対して減衰する。例えば、対応するタイヤからの応答は、ピング音刺激に対して9デシベル(-9dB)以上減衰することができる、またはピング音刺激に対して18デシベル(-18dB)以上減衰することができる、またはピング音刺激に対して36デシベル(-36dB)以上減衰することができる、またはピング音刺激に対して72デシベル(-72dB)以上減衰することができる。場合によっては、ピング信号発生器は、対応するタイヤのピング音応答が最大75dB(-75dB)以下で減衰するように、ホイールウェル内に位置しているトランシーバアンテナと組み合わされるように設計される。
【0104】
図7は、一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料の層で形成される新しいタイヤから発せられ得る例示的な状態シグネチャ700のセットを示す。オプションとして、例示的な状態シグネチャ700は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、例示的な状態シグネチャ700は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0105】
示されるように、第三セットの例示的な状態シグネチャ700は、いくつかの炭素含有同調共振材料の摩耗後にタイヤから発せられる。オプションとして、例示的な状態シグネチャ700またはそれらの任意の態様の1つ以上の変形形態は、本明細書で説明される実施態様のアーキテクチャ及び機能に照らして実装されることができる。例示的な状態シグネチャ700またはそれらの任意の態様は、任意の環境で発信されることができる。
【0106】
この例では、タイヤは摩耗している。より具体的には、最も外側の本体プライ及び/またはトレッド層は完全に摩耗している。そのため、1.0GHzでのピング音刺激の結果、最も外側のプライからの応答が得られなかった。これは、第一応答減衰702としてチャートに示されている。タイヤのトレッドが摩耗し続けると、次の本体プライ及び/またはトレッド層からのピング音応答、その次に続く本体プライ及び/またはトレッド層からのピング音応答などが減衰し、その減衰を使用してタイヤの総トレッド摩耗を測定することができる。代替として、同じ同調炭素をすべてのプライに使用することができる。タイヤのトレッド摩耗だけでなく他の兆候も、タイヤから返された信号シグネチャに基づいて決定することができる。
【0107】
図8は、一実施形態による、2つの同心スプリットリング共振器を含む例示的なスプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)配置の上から見た概略図800を示す。オプションとして、上から見た概略図800は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、上から見た概略図800は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0108】
示されるように、図8は、2層の上面図であり、各層は、スプリットリング共振器(スプリットリング共振器)をホストし、例えば、2つの同心スプリットリング共振器を含む例示的なスプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)配置を形成する。本明細書に使用される場合、スプリットリング共振器(スプリットリング共振器)は、誘電体基板上に配置された一対の同心リングからなり、各リングは(例えば、プリントパターンによる)スリットを有する。スプリットリング共振器のアレイが時変磁場によって励起される場合、その構造体はスプリットリング共振器の共振点付近の狭帯域内で負の実効透磁率を有する有効媒体として挙動する。例えば、寸法「a」、「r」、及び/または「c」を含む、各スプリットリング共振器の間の寸法及び/または間隔が、特定の対応するスペクトル応答を達成するように選択されるなど、多くの幾何学的形状が可能である。例えば、「a」は約1mmであってもよく、「r」は2mmであってもよく、「c」は約0.6mmであってもよい。これらの寸法は、所望及び/または所期のスペクトル応答を発生することに対応してもよく、例えば、その結果、狭い及び/またはノッチのある応答ではなく、比較的広い及び/または幅広い信号応答になり、スペクトル分析の改善が容易になり、スペクトル分析ツール(例えば、スペクトルアナライザ)を使用する際にコスト効率が向上し得る。加えて、または代替として、任意の寸法をさらに調整して、特定の所望の最終結果目標、例えばオフロード用途と比較したレースサーキットでの用途などを達成し得る。一実施形態では、特定の幾何学的形状は、同心リングの間にギャップを含んでよい。これらのようなギャップは、一対の同心リングに固有のインダクタンスと組み合わせて、アンサンブルの共振に変化をもたらす静電容量を発生する可能性がある。
【0109】
プリント可能な、シートに向けられた、円筒型のスプリットリング共振器の設計は、金属、導電性非金属、誘電材料、半導体材料などを含む、あらゆる導電性材料から構築されることができる。導電性材料の選択及び/または処理に基づいて同調させることに加えて、それに応じて実効誘電率が同調するように幾何学的形状を変動させることによって、スプリットリング共振器は同調することができる。スプリットリング共振器の幾何学的形状の関数としての実効誘電率は、式5で与えられる。
【数4】

式中、aはシリンダの間隔、ωは角周波数、μ0は自由空間の透磁率、rは半径、dは同心の導電シートの間隔、lは積層長さ、cはリングの厚さ、σは外周近くで測定されたシートの単位長さの抵抗である。
【0110】
状況によっては、同心リングが比較的狭い周波数範囲内のEM放射線を吸収するように、aの値(例えば、円筒形スプリットリング共振器のシリンダの間隔)を比較的小さくすることができる。他の状況では、広範囲で分離される周波数で同心リングのそれぞれがEM放射線を吸収するように、aの値を比較的大きくすることができる。状況によっては、異なるサイズのスプリットリング共振器をタイヤの異なる表面上に配置することができる。状況によっては、タイヤの異なる表面上に配置される異なるサイズのスプリットリング共振器を使用して、タイヤ状態(例えば、温度、経年劣化、摩耗など)を測定することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、スプリットリング共振器を形成する材料は複合材料である。各スプリットリング共振器は、EM刺激に対していずれかの特定の所望の同調応答に設定されることができる。少なくとも、スプリットリング共振器が(ただし、はるかにスケールが大きく、周波数が低くなるときに)原子の共振応答を模倣するように設計されるため、原子に比べてスプリットリング共振器のスケールが大きいほど、共振応答をより制御することが可能になる。さらに、スプリットリング共振器は、自然界に存在する強磁性材料よりもはるかに応答性が優れている。スプリットリング共振器の顕著な磁気応答は、より重い天然素材に勝る大きい利点をもたらす。
【0112】
図9は、一実施形態による、インピーダンスに基づいた分光法によるタイヤ摩耗感知のための完全なタイヤ診断システム及び装置を図示する概略図900を示す。オプションとして、概略図900は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、概略図900は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0113】
示されるように、空気または窒素ガス(N)で充填されたゴム製ニューマチックタイヤなどのタイヤの概略図900は、本体920、インナーライナー912、ビードフィラー領域922、ビード916、1つ以上のベルトプライ904、906、908、及び910、トレッド902、ならびにインピーダンスに基づいた分光法の摩耗感知プリンテッドエレクトロニクス918(代替に、ベルトプライ904~910のうちのいずれか1つ以上の内に埋め込まれる共振器による信号の周波数シフト及び減衰の監視のために炭素系微細構造体を含むセンサ)を有する従来のタイヤコンポーネントを含むことができる。
【0114】
本明細書に示されるように、ワイヤレスひずみセンサをインナーライナーの表面上に、または側面上に配置して(または内部に埋め込んで)、自動車の安全性(損傷したタイヤの検知など)のためにタイヤ状態を監視することができる。タイヤの変形またはひずみの監視により、タイヤと接触する路面との間の摩擦の程度を表す情報が提供されることができ(間接的に)、この情報は、自動車のタイヤ制御系の最適化に使用されることができる。タイヤ情報は、共振センサプラットフォームに基づいてホイールウェル(及び/またはスプリットリング共振器付近のいずれかの位置)内に位置決めされる受信器に無線で送信されることができる。受信器が潜在的に高周波(無線)信号伝達に不透明でない、あらゆる位置にあってもよいことを理解されたい。
【0115】
図10は、一実施形態による、ナビゲーションシステムだけでなく、プリント炭素系材料を製造するための機器にもテレメトリを介して転送されるタイヤ情報に関する概略図1000を示す。オプションとして、概略図1000は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、概略図1000は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0116】
示されるように、概略図1000は、テレメトリを介してナビゲーションシステム、及びプリント炭素系材料を製造するための機器に転送されるタイヤ摩耗関連情報を提供するシステムを示す。概略図1000は、炭素系微細構造体を含むセンサなど、本開示のシステム、方法、及び材料のうちのいずれか1つ以上で機能することができるため、同じものの冗長な説明は省略される。電気化学インピーダンス分光法(EIS)とも称されるインピーダンス分光法は、タイヤ1002の1つ以上のタイヤベルトプライ内に組み込まれる炭素系微細構造体を含むセンサなどのサンプルを測定するときに、正弦波の電気化学的摂動(電位または電流)を広範囲の周波数にわたって印加することを含むインピーダンス計測変換方法を指す。プリント炭素系共振器1004は、タイヤベルトプライなどの1つ以上のタイヤコンポーネント内に組み込まれることができる。プリント炭素系共振器1004のそれぞれは、周波数シフト及び/または減衰(約1.0GHzの固有共振周波数を有するタイヤ本体プライ及び/またはトレッド層の摩耗を示す第一応答減衰など)の監視によって車両コンポーネントの摩耗を効率的かつ正確に検知するのに適している特異的な望ましい共振特性を達成するように、示される概して卵円形の構成、または合わされるいくつかの他の形状もしくは構成を有することができる。
【0117】
プリント炭素系共振器1004を形成することができるローラアセンブリ1010は、炭素系微細構造体及び/または微細構造材料(グラフェンなど)の貯蔵所1012(バットなど)、アニロックスローラ1014(ハードシリンダを指し、通常、電池として知られている、工業用セラミック(その表面に数百万個の非常に微細なディンプルを含む)によってコーティングされている鋼またはアルミニウムコアから構築される)、版胴1016、及び圧銅1018を含む。動作中、貯蔵所1012から抽出されるグラフェンは、ローラアセンブリ1010のローラによって、プリント炭素系共振器1004に圧延される、プレスされる、延伸される、またはその他の方法で製造されることができる。概略図1000が機能するために、プリント炭素系共振器1004の位置合わせ(アライメントを指す)は必要ない可能性がある。
【0118】
そのように、前述の特徴のいずれかの組み合わせを使用して、共振器(実際の、または「等価の」タンクを指す)、LC及び/または共振回路を含むタイヤを製造することができる。そこでは、トランシーバから、及び/または高度なエネルギー源によって供給されるエネルギーから、RF信号が発信されることに応答して、炭素含有微細構造体自体が共振することができるため、タイヤのトレッド、1つのプライまたは複数のプライ、インナーライナーなどのようないずれか1つ以上のコンポーネント内に、またはそれらの上に配置される、他のセンサは、周波数シフトまたは信号減衰の特性または挙動を示すことができる。記載の共振器は、必ずしも実際の電気及び/または集積回路(IC)として具現化される必要がない。記載の共振器は、同調炭素含有微細構造体として簡単に実現されることができるため、タイヤのトレッド層などの分解可能な材料内に従来のディスクリート回路を実装するときに発生する可能性のある一般的な劣化の懸念を回避することができる。それらのような共振器は、外部から供給される「ピング音」(車両のホイールウェル内に配置されるトランシーバによって供給されるものなど)に応答して共振することができる、または共振器は、いずれかの変形形態の、もしくはいずれかの数の電力もしくは電荷発生器(例えば、熱電発電機、圧電エネルギー発生器、摩擦帯電エネルギー発生器など)によって促進される、共同設置された(同じタイヤトレッド層内を指すが、そのタイヤトレッド層内の異なる位置でも可能である)、電源内蔵の、自己ピング音発信機能によって充電されることに応答することができる。
【0119】
タイヤが転動しているときに、またはその他の方法で変形しているときにはいつでも、記載の共振器(及び他の共振器及び/または共振回路)のいずれかは、振動するRF信号(または全体的な構成に応じて他の形式の電磁放射)を発信する、及び/またはさらに発信するように構成されることができる。車両のタイヤが使用(オンロードまたはオフロード走行など)に起因する摩耗を受ける場合、舗道または地面(地上)と接触するタイヤトレッド層は、変形(回転または転動中に露出した車両タイヤトレッド層のセクションの少なくとも部分的な平坦化を指す、「つぶれている」ことから、及び/または旋回などの間に受けるような横方向の運動から観測されるような)を瞬間的に、または経時的に受けることがあるため、結果として生じる信号の周波数シフト及び/または減衰挙動は、関連する信号が1つ以上の既知の振幅範囲にわたって振動することができる場合、そのような「つぶれている」ことに応じて変化することができる。さらに、または代替に、タイヤが変形すると、観測された信号は、特定の共振器に対応する既知の周波数範囲内で振動することができることによって、車両が静止している間に運転者、乗客、及び/または他の車両乗員が車両から降りる必要があるというよりもむしろ、劣化が起こっている間に起こっている劣化のタイプの正確で的確な特定ができ、タイヤトレッド状態を観測することができる。そのような周波数シフトの振動は、既知の周波数範囲内の2つ以上の周波数間で周波数が前後にシフトするときに観測できてもよい。
【0120】
インナーライナーの側面上に位置決めされたワイヤレス対応ひずみセンサ(例えば、外部の拘束または負荷によって引き起こされ得る、材料の本体内の粒子間の相対変位を表す変形の幾何学的尺度)は、自動車の安全性のためにタイヤの状態を監視することができる(損傷したタイヤの検知などによって)。さらに、タイヤの変形またはひずみの監視により、タイヤと路面との間の摩擦の程度に関連する情報が間接的に提供されることができ、この情報は、自動車のタイヤ制御系の最適化に使用されることができる。そのようなタイヤ情報は、共振センサ(インピーダンス分光法、IS、センサなど)プラットフォームに基づいてホイールハブ内に位置決めされる受信器(及び/またはトランシーバ)に無線によって送信されることができる。
【0121】
図11は、一実施形態による、ナビゲーションシステムだけでなく、プリント炭素系材料を製造するための機器にもテレメトリを介して転送されるタイヤ情報に関する概略図1100を示す。オプションとして、概略図1100は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、概略図1100は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0122】
一実施形態では、概略図1100は、プライプリント符号化によって車両タイヤの摩耗を決定するための共振シリアル番号に基づいたデジタル符号化システムに関連し得る。共振シリアル番号に基づいたデジタル符号化システムは、本開示のシステム、方法、及びセンサのいずれかに組み込まれてもよい、及び/またはそれらと共に機能してもよい。共振シリアル番号に基づいたデジタル符号化システムは、プライプリント符号化を通じてタイヤのデジタル符号化を提示することで、タイヤにおける日常的な摩損の影響を受けやすい従来の電子機器を必要としない、ゆりかごから墓場まで(全寿命を指す)のタイヤの追跡(及び関連する性能測定基準)及び使用プロファイルを提示する。
【0123】
タイヤトレッド層のプリントによるタイヤの共振シリアル番号デジタル符号化は、いくつかの実施態様では、タイヤ内に電子機器が存在することを必ずしも必要としない、タイヤの追跡及び使用を終始容易にし得る。たとえば、インピーダンス分光法によって達成されるタイヤ摩耗感知に加えて、テレメトリ追跡に使用されるシリアル番号の1つ以上のプリントパターンなどの上に、追加の共振器をデジタル符号化してもよい。その結果、そのように装備された車両は、無線周波数識別(RFID)技術を必要とせずに、トレッドの摩耗、走行距離(例えば、その合計)、及びタイヤの使用年数を追跡することができる。
【0124】
インピーダンス分光法(IS)及び/または電気化学インピーダンス分光法(EIS)によるタイヤ摩耗感知に加えて、追加の共振器を、テレメトリに基づいたタイヤ性能の追跡のために、プリントパターン上にデジタル符号化して、認識可能なシリアル番号を提供することができる。本体プライ及び/またはトレッド層上に逐次的にプリントすることによって、議論されたプリント炭素系共振器を組み込むタイヤに固有のシリアル番号を付けることができる。
【0125】
図12は、一実施形態による、タイヤトレッド層及び/またはタイヤ本体プライプリント符号化による車両タイヤの共振シリアル番号に基づいたデジタル符号化の概略図1200を示す。オプションとして、概略図1200は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、概略図1200は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0126】
示されるように、特別に調製されたプリント炭素共振器アレイ内で符号化される、シリアル番号「6E」を示し、このアレイは、「ピング音」刺激応答図1212に従って共振することによって、そのように装備された車両タイヤのその特定の本体プライ及び/またはトレッド層の簡便で信頼性の高い識別ができるように構成される。
【0127】
図13は、一実施形態による、近位に存在する異なる共振器のタイプから生じるアンサンブル現象に寄与する共振メカニズム1300を示す。オプションとして、共振メカニズム1300は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のうちのいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、共振メカニズム1300は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0128】
一実施形態では、共振メカニズム1300を使用して、近位に存在する異なる共振器タイプから生じるアンサンブル現象に寄与する共振デバイスとしてのスプリットリング共振器(スプリットリング共振器)の使用を説明し得る。この図は、タイヤの内面1301を示し、内面は2つのスプリットリング共振器(例えば、スプリットリング共振器1303A及びスプリットリング共振器1303B)を有し、それぞれのスプリットリング共振器は、信号を特定の周波数で減衰させるように、及び/または特定の周波数範囲内で減衰させるように同調することができる回路配置1305を形成する。この実施形態では、回路配置1305は、実質的に円形のスプリットリング共振器に対応する幾何学的パターンとして示されるが、代替の回路配置は、異なる幾何学的パターン(例えば、円筒形、楕円形、矩形、卵形、正方形など)を有することができ、そのようなものとして、考えられるあらゆる幾何学的配置が可能である。幾何学的配置の変形形態は、幾何学的パターンの共振能力への影響に基づいて選択されることができる。特に、示されるように、幾何学的パターンは、さまざまな弱集合パターン(例えば、弱集合パターン1306、弱集合パターン1308、及び弱集合パターン1310)を有する自己集積化炭素系粒子を含むことができ、それらのいずれか1つ以上は、炭素系微細構造体が組み込まれている、材料の共振性能に影響することができる濃縮領域1304を構成することができる。1つの弱集合パターン及び/または一連の弱集合パターンも、炭素系微細構造体が組み込まれている材料の共振性能に影響し得る。
【0129】
さまざまな配置では、炭素系微細構造体は、グラフェンによって少なくとも部分的に形成され得る。この文脈では、グラフェンは、1つの原子が各頂点を形成する2次元の六方格子内の原子の単層の形態での炭素の同素体を指し得る。それらのような複数の六方格子のより複雑な構造体内へのコロケーション及び/または並置により、さらなる共振効果が導入される。例えば、グラフェンの2枚のシートまたはプレートレットの並置1302は、ある周波数でそれら自体の間で共振することができ、この周波数は、長さ、幅、間隔、厚さ、間隔の形状、及び/またはシートまたはプレートレットの他の物性及び/またはそれらの互いの相対的な並置に依存する。
【0130】
表1は、アンサンブル効果から生じる減衰の1つの可能なコードを示す。この表に示されるように、各構造体は、そのスケール指定に対応する異なる共振周波数領域を有する。
【表1】
【0131】
任意の数の異なるスプリットリング共振器をタイヤの表面上にプリントすることができる。さらに、任意の数の異なるサイズのスプリットリング共振器をタイヤのいずれかの表面上にプリントすることができる。特定のスプリットリング共振器の材料及び/またはサイズ及び/または他の構造的または寸法的特性の選択を使用して、その特定の共振器のスプリットリングの共振周波数を制御することができる。一連の異なるサイズのスプリットリング共振器は、パターンがデジタル符号化値に対応するようにプリントされることができる。一連の異なるサイズのスプリットリング共振器を電磁信号通信によって刺激し、例えば、8GHz~9GHzなどの範囲全体を掃引し、戻り範囲にわたる減衰応答を測定すると、認識可能な符号化シリアル番号が導出され得る。多くの異なる符号化スキームが可能であるため、表2の非限定的な例は説明にすぎない。

【表2】
【0132】
図14は、一実施形態による、本開示のスプリットリング共振器のうちの1つ以上を含む例示的な温度センサ1400である。オプションとして、例示的な温度センサ1400は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、例示的な温度センサ1400は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0133】
一実施態様では、例示的な温度センサ1400は、複数のタイヤプライを備えたタイヤ本体のセクション1402(例えば、図9に示されるような)を含み得る。例示的な温度センサ1400は、例えば例示的な温度センサ1400が組み込まれる、タイヤプライの温度1408を検知し得る。一実施態様では、タイヤセンサは、図8及び本開示の他の箇所に示されるような、セラミック材料1404(例えば、マトリックスとして組織化される)、及び1つ以上のスプリットリング共振器1406を含み得る。1つ以上のスプリットリング共振器1406のそれぞれは固有共振周波数(例えば、図16に示されるような)を有し得、この固有共振周波数は、それぞれのタイヤの、エラストマー特性の変化または温度の変化のうちの1つ以上に応答してシフトし得る。導電層1410は、1つ以上のスプリットリング共振器1406のそれぞれのスプリットリング共振器から誘電体として分離され得る。いくつかの実施態様では、例示的な温度センサ1400は、タイヤ及び/またはタイヤプライ内に後で組み込まれることが可能であるように、タイヤ内に組み込まれることなく製造されても、出荷されてもよい。
【0134】
さらに、または代替の実施形態では、例示的な温度センサ1400は、車両のタイヤのひずみ(例えば、図16に示される)を検知するように構成されたシステム(図14には図示せず)に組み込まれてもよい。このシステムは、車両または車両コンポーネントのうちの1つ以上の上に配置されたアンテナ(例えば、電磁信号の発信及び/または伝播に関して本開示で論じられるような)を含み得る。アンテナは、電磁ピング音を出力するように構成されてもよい。またシステムは、1つ以上のタイヤプライから形成された本体(例えば、図9に示されるような)を有するタイヤを含んでもよい。タイヤプライのいずれか1つ以上は、例えば本開示で説明されるように、スプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)を含んでもよい。一実施態様では、各スプリットリング共振器は、それぞれの1つ以上のタイヤプライのエラストマー特性、例えば、可逆変形、応力、及び/またはひずみの変化に応答して(例えば、図16に示されるように)比例してシフトするように構成された固有共振周波数を有してもよい。
【0135】
いくつかの実施態様では、記載されたシステムは、タイヤ及び/または車両(例えば、自動車及びトラック)に関する構成以外の材料の物性における変化を検知するように機能し得る。例えば、システムは、飛行機の翼及び/または例えば宇宙船などに関連する他のタイプのエアフォイルの表面温度における変化を検知してもよい。また、システムは、例えば、1つ以上のスプリットリング共振器1406が病院内の患者の上に取り外し可能に接着され得ることを可能にすることにより、それぞれの患者に関する体温の読み取り値を、従来の温度センサ(例えば、輻射伝熱技術などによる)を使用することなく取得し得る。これらの例のいずれにおいても、他の例と同様に、そのようなシステムは、表面に関連する物性を検知し得る。
【0136】
一実施態様では、システムは、電磁ピング音を出力するように構成された単一アンテナと、1つ以上のフレキシブル基板とを含み得る。フレキシブル基板のそれぞれは、フレキシブル基板上に配置された複数のスプリット-リング共振器(スプリットリング共振器)(例えば、1つ以上のスプリットリング共振器1406など)を含む第一側部を含み得る。各スプリットリング共振器は、それぞれの1つ以上のタイヤプライのエラストマー特性における変化に応答して(例えば、図16に示されるように)比例してシフトし得る固有共振周波数を有し得る。エラストマー特性には、可逆変形、応力、ひずみ、または温度のうちの1つ以上が含まれる場合がある。このようにして、システムは、吸収プロファイル(例えば、アンテナによって出力された電磁ピング音の吸収現象における固有の変化を指す)を生成し得る。システムは、第一側部の反対側に位置決めされた第二側部を含み得る。第二側部は表面に貼着する場合がある。単一アンテナは、吸収プロファイルに関連するデータを分析し、物性のトポグラフィを出力し得る。
【0137】
図15は、一実施形態による、タイヤトレッド層の損失の高さ(ミリメートル、mm)に対する測定された共振シグネチャ信号強度(デシベル、dB)のグラフ1500である。オプションとして、グラフ1500は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、グラフ1500は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0138】
本明細書に示されるように、炭素含有微細構造体及び/または微細構造材料をセンサ内に組み込んで、または構成によっては、所与の濃度レベル、もしくは複数の異なる濃度レベル(1つ以上のタイヤトレッド層のそれぞれの中での)で1つ以上のタイヤトレッドの層全体内に組み込んで、示される固有の劣化プロファイルを得ることができる。すなわち、測定された共振シグネチャ(問題の特定のタイヤトレッド層を識別する「シグネチャ」を指す)は、本明細書で説明されるように、1つ以上のRF信号によって「ピング音」が発信されると、示されるように、その発信された信号の減衰を示すことができる。
【0139】
新しいタイヤトレッド層は、約0の信号強度(デシベル、dBで測定)を示すように構成されることができる。その強度は、そのタイヤトレッド層の劣化の程度に比例して変化することができる。例えば、タイヤトレッド層(舗道と接触しているタイヤトレッド層と仮定する)の2mmの高さの損失は、示される測定共振シグネチャ信号強度プロファイルに対応することができる。6.7GHzでの「ピング」信号は、約9dBなど以下同様の強度レベルで測定されることができる。
【0140】
したがって、炭素含有微細構造体の固有の濃度レベル、化学作用、分散、分布及び/または同様のものをタイヤトレッド層に埋め込んで(または場合によっては、それらの1つ以上の表面上に配置して)、示されるように、固有かつ容易に識別可能な測定された共振シグネチャ信号強度を得ることができる。したがって、そのようなシステムのユーザは、時間と手間の両方がかかることがあるプロセスで車両が静止状態にある間にタイヤを観測するように制限されるのではなく、運転中に発生するタイヤトレッドの摩耗の正確な範囲及び位置を即時に通知されることができる。
【0141】
図16は、一実施形態による、タイヤプライの変形に比例する共振応答シフトを示す、スプリットリング共振器の固有共振周波数に対する測定された共振シグネチャ信号強度(デシベル、dB)のグラフ1600である。オプションとして、グラフ1600は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、グラフ1600は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0142】
一実施形態では、グラフ1600は、一実施形態による、タイヤトレッド及び/またはタイヤプライ(例えば、本開示で論じられるような)に組み込まれたスプリット-リング共振器(複数可)(スプリットリング共振器)の固有共振周波数に対して測定された共振シグネチャ信号強度(デシベル、dB)を示す。本明細書に示されるように、炭素含有及び/または炭素系微細構造体及び/または微細構造材料をセンサ内に組み込んで、または構成によっては、所与の濃度レベル、もしくは複数の異なる濃度レベル(1つ以上のタイヤトレッド層のそれぞれの中での)で1つ以上のタイヤトレッドの層全体内に組み込んで、示される固有の劣化プロファイルを得ることができる。すなわち、測定された共振シグネチャ(問題の特定のタイヤトレッド層を識別する「シグネチャ」を指す)は、本明細書で説明されるように、1つ以上のRF信号によって「ピング音」が発信されると、例えば、応力及び/またはひずみなど(ドリフトシナリオで遭遇し得るような)、タイヤの可逆変形の程度を代表して、及び/またはそれに比例して示されるような、その発信された信号のシフトを示すことができる。このようにして、スプリットリング共振器の「応答」信号の挙動を、ひずみなどの(ドリフトに関連する)タイヤの変形の関数としてモデル化することができ、タイヤの状態と性能の全体像を把握することを可能にする。タイヤの横方向スティクションの損失を引き起こす実世界のシナリオには、例えば、車両のホイールと路面との間に水の層が形成されると、トラクションの損失に至り、車両が制御入力に応答できなくなるときに発生する現象を黙示する、ドリフト及び/またはハイドロプレーニングが含まれる場合がある。接触するすべてのホイールにハイドロプレーニングが同時に発生する場合、車両は事実上、制御不能なそりになる。本開示のスプリットリング共振器及び/または共振器をアンテナ及び/または信号処理機器と組み合わせて使用すると、例えば長期間の使用で劣化して損なわれる可能性があるタイヤの表面に結合された振動検知ユニットの使用によって、従来のハイドロプレーニング検知技術に依存することが実質的に不要になり得る。さらに、図16は、ドリフト中の締め付け損失中に遭遇する横方向のタイヤ運動に関連するスペクトル応答(信号デシベル)を示す。実世界のシナリオでは、一時的なスティクション損失などは、急速な正回転中にのみ聞こえる他の音とは対照的に、甲高い「スクリーチ音」によって可聴であってもよい。このタイプの周期的なスティクション損失(ドリフト車両がスティクション及び/またはトラクションを取り戻す前)は、対応するスプリットリング共振器の固有共振周波数における周期的及び/または定期的シフトとして現れる可能性がある(図16には図示せず)。さらにまた、図16に関して、「スクリーチ音」タイプの状況は、曲線の様々なトラフ及び/またはピークの周波数におけるわずかな周期的及び/または定期的シフトによって視覚的に描写されてもよい。
【0143】
見てわかるように、リアルタイムマルチモダリティ共振器は、エラストマー特性の変化検知用の共振材料含有センサを使用してスティクションを測定するための方法をサポートする。1つの設定では、エラストマー特性の変化検知用の1つ以上の共振材料含有センサは、トランスデューサに近い位置に配置される。刺激信号を発信して、エラストマー特性の変化検知用の1つ以上の共振材料含有センサを励起し得る。発信には、既知の周波数範囲にわたる電磁エネルギーが含まれる。較正信号は、既知のスティクション条件下で捕捉される。刺激信号に応答する周波数を少なくとも部分的に含む戻り信号を受信した後、さまざまな信号処理技術を戻り信号に適用する。例えば、さまざまな信号処理技術を戻り信号に適用して、刺激信号に関して比較する。戻り信号の周波数及び/または振幅が較正信号と異なる場合は常に、対応する界面間接誘電率を(たとえば、タイヤと走行面との間の界面で)計算する。界面間接誘電率の絶対値及び/または相対値は(たとえば、較正表を使用して)スティクション値に相関される。経時的なスティクション値における変化は、道路及び/またはタイヤの状態に相関される。
【0144】
前述の較正信号及び/または較正表を構成する静的及び/または動的な値は、刺激信号の分析、及び/またはトランスデューサの近位の環境の分析に少なくとも部分的に基づいていることができる。さらに、前述の較正信号及び/または較正表は、誘電率較正信号、透磁率較正信号、温度較正信号、振動較正信号、ドーピング較正信号などを包含することができる。一実施態様では、較正プロシージャを、既知の及び/または制御された環境条件下で、例えば、乾燥した舗道、及び晴天中に実行して、様々な前向き角速度(そのため、テスト車両は横滑り及び/または滑り運動なしで前方にのみ直進する)でのベースラインデータを生成し得る。このベースラインデータは1つ以上の較正曲線として機能し、その後、これら較正曲線からの変形値を比較しても、及び/または計算してもよい。このようにして、例えば図16に示されるように、伸縮されていない初期(ベースライン)較正曲線と比較して、明らかな性能の変化が観測され得る。
【0145】
戻り信号が較正信号と異なる場合にはいつでも、どこでも、刺激信号に関する戻り信号のさらなる分析は、戻り信号のどの周波数が較正信号と異なるかを識別するのに役立つことができる。これらの差異は、較正信号に対する1つまたは複数の周波数の減衰として観測/測定されることができる。さらに、またはその代わりに、これらの差異は、較正信号のピークに対するピークの周波数シフト(0.5%で伸縮した対応するデータなどに対して図16に示されるような)として観測/測定されることができる。
【0146】
図17は、一実施形態による、符号化シリアル番号に対応して共振し得るスプリットリング共振器のチャープ信号周波数に対する信号強度のグラフ1700である。オプションとして、グラフ1700は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、グラフ1700は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0147】
一実施形態では、グラフ1700は、符号化シリアル番号に対応する方法で共振するように構成されるスプリットリング共振構造体の使用を示す。このようなスプリットリング共振構造体のパターンは、タイヤまたは他のエラストマーの上にプリントされることができる。示されるように、符号化シリアル番号「E1」は、4つの異なるサイズのスプリットリング共振器の存在によって示される。グラフ1700は、約8GHzから約9GHzの範囲内のEM刺激を示すが、約-8dBから約-18dBの範囲内の減衰として応答を示す。この範囲にわたる電磁信号通信によって一連の異なるサイズのスプリットリング共振器を刺激し、この範囲にわたる戻りのSパラメータを測定することで、特定のプリントパターンの識別は簡便で信頼性が高くなる。このことから、一意のパターンが連続するタイヤのそれぞれの上にプリントされる場合、そしてそのパターンが符号化シリアル番号に関連付けられる場合、EMインタロゲーションに対するパターンの応答に基づいて特異的なタイヤの決定を行うことができる。
【0148】
より具体的には、一意のパターンが連続するタイヤのそれぞれの上にプリントされる場合、そしてそのパターンが符号化シリアル番号に関連付けられる場合、符号化スキームに対応する範囲内のEM刺激にわたるEMインタロゲーションに応答して測定されたSパラメータ(例えば、減衰に対応するSパラメータ比)に基づいて、特異的なタイヤの決定を行うことができる。図17の例では、減衰は約-8dBから約-18dBの範囲内に入るが、他の測定では、減衰は約-1dBから約-9dBの範囲内に入る。他の測定では、減衰は約-10dBから約-19dBの範囲内に入る。他の測定では、減衰は約-20dBから約-35dBの範囲内に入る。経験的な実験では、減衰はタイヤ表面上の近位に配置される、異なる構成の共振器の数に実質的に無関係である。より具体的には、いくつかの実験では、共振器が(例えば、スチールベルト付きラジアルタイヤ内の)スチールベルトのトレッド側の上にあり得るタイヤ表面上の近位に配置されるとき、減衰が特に顕著になる可能性がある。
【0149】
前述の符号化及びプリント技術は、タイヤ及び他のエラストマー含有コンポーネントに使用されることができる。場合によっては、共振器をプリントすることは、共振器の炭素原子とエラストマーとの間に化学結合が形成されるように、比較的高温で、及び/または化学薬品(例えば、触媒)を用いて実施される。共振器の炭素原子とエラストマーとの間に形成される化学結合はアンサンブル効果に寄与するため、前述の化学結合の種類及び程度を考慮して較正曲線を作成することができる。
【0150】
エラストマーは、任意の1種類以上のゴムを含んでもよい。たとえば、イソプレンは一般的なゴム配合物である。イソプレンは、独自のC-C単結合と、リガンド内のその他の分子要素間に二重結合とを有する。スプリットリング共振器の高温プリントによって形成される追加の炭素二重結合には、導電率が高まる効果があり、この効果を利用して、より大きく、より低い周波数の共振器を形成することができる。さらに、またはその代わりに、弱集合体を特異的なサイズに同調させることができることにより、アンサンブル効果に寄与する倍音が生じ、その結果、同調範囲内で所与のEMインタロゲーションの感度が非常に高くなる。場合によっては、EMインタロゲーションへの材料の応答が十分に識別可能であるため、エラストマーの使用年数またはその健全性のその他の態様は(例えば、1つ以上の較正曲線との比較によって)決定されることができる。
【0151】
より具体的には、エラストマーが経年劣化すると、分子間隔が変化し、それに応じてエネルギーの結合及び/またはパーコレーションが減少するため、導電性の局所が隣接する局所に対して絶縁されていくにつれて、応答周波数がシフトする。場合によっては、特異的な周波数で減衰及び/または戻り信号の強度が変化する。それらのような変化を経時的に決定することができ、これらの変化を使用して、較正曲線を作成することができる。
【0152】
タイヤの設計は、スプリットリング共振器のプリントの可能な多くの位置をサポートする。例として、スプリットリング共振器は、キャッププライを含むがこれに限定されない、タイヤの任意の内面上、及び/またはスチールベルトの上またはその近く(例えば、スチールベルトのトレッド側の上)、及び/またはラジアルプライ上またはその近く、及び/またはサイドウォール上、及び/またはビードチェーファー上、及び/またはビード上などに位置していることができる。
【0153】
スプリットリング共振器技術の使用はタイヤのみに限定されない。これらの技術は、ベルト及びホースなどのあらゆるエラストマー含有コンポーネントに適用されることができる。さらに、スプリットリング共振器技術の使用は車両のみに限定されない。すなわち、消耗品が広範囲の動力装置内(例えば、産業用機械システム内)のオーガニックパワートレイン及び/またはドライブトレインコンポーネントに存在するため、スプリットリング共振器技術はそれらのような消耗品にも適用されることができる。摩耗現象の一部の態様は、摩擦、熱、熱サイクル及び腐食の結果であり、それらのいずれかにより、材料の分子構造における変化が起こること、及び/または加速されることができる。材料の分子構造における変化は、EMインタロゲーション下で検知可能である。より具体的には、周波数シフトを計算することにより、較正曲線に関する特定のEMインタロゲーション体制下での特定のサンプルの応答(例えば、経年劣化したサンプルの応答)、材料の使用年数または健全性は、周波数シフトの大きさに基づいて評価されることができる。
【0154】
図18Aから図18Yは、一実施形態による、本開示の共振器(例えば、スプリットリング共振器)のいずれかを製造するための形成材料として使用される炭素系材料を示す。オプションとして、図18Aから図18Yは、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、図18Aから図18Yは、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0155】
示されるように、図18Aから図18Yは、2020年2月7日に出願された、「3D Self-Assembled Multi-Modal Carbon-Based Particle」と題された、米国特許出願第16/785,020号に、Stowell,et al.によって開示されるような、メタン(CH)などの炭素含有気相種から反応チャンバまたは反応炉内でインフライト自己核形成されるものなど、炭素系材料、成長、弱集合体、強集合体、シート、粒子、及び/または同様のものを示し、その内容はあらゆる目的のために参照により本明細書によって援用されている。
【0156】
示される炭素系ナノ粒子及び集合体は、従来のシステム及び方法で達成可能な、均一性が低く、秩序があまりなく、純度が低い粒子とは対照的に、高度な「均一性」(所望の炭素同素体の質量分率が高いなど)、高度の「秩序」(低濃度の欠陥など)、及び/または高度の「純度」(低濃度の元素不純物など)によって特徴付けられることができる。
【0157】
本明細書に記載の方法を使用して生成されるナノ粒子は、多層球状フラーレン(MWSF)または結合されたMWSFを含むことができ、高い均一性(例えば、20%~80%のMWSFに対するグラフェンの比率)、高度の秩序(例えば、0.95~1.05のI/I比を有するラマンシグネチャ)、及び高度の純度(例えば、炭素と他の元素(水素以外)との比率は99.9%超である)を有することができる。本明細書に記載の方法を使用して生成されるナノ粒子は、MWSFまたは結合されたMWSFを含み、MWSFは、炭素以外の不純物元素から構成されるコアを含まない。本明細書に記載の方法を使用して生成される粒子は、大きな直径(10μm超など)を有する上記のナノ粒子を含む集合体であることができる。
【0158】
従来の方法を使用して、高度の秩序を有する多層球状フラーレンを含む粒子を生成してきたが、さまざまな欠点を有する最終製品につながる可能性がある。例えば、高温合成技法では、多くの炭素同素体の混合物を含む粒子になるため、均一性が低くなる(他の炭素同素体と比較して20%未満のフラーレンなど)、及び/または粒径が小さくなる(1μm未満、または場合によっては100nm未満など)。触媒を使用する方法では、触媒元素を含む生成物になるため、純度も比較的低くなる可能性がある(他の元素に対して95%未満の炭素を指す)。また、これらの望ましくない特性では、結果として生じる炭素粒子の望ましくない電気特性(1,000S/m未満の導電率など)になることが多い。
【0159】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、構造の高度の秩序及び均一性を示すラマン分光法によって特徴付けられることができる。本明細書に記載の均一な秩序ある、及び/または純粋なカーボンナノ粒子及び集合体は、以下に記載されるように、比較的高速で低コストの改善された熱反応炉及び方法を使用して生成されることができる。
【0160】
「グラフェン」という用語は、一般に理解される通りにも、本明細書で言及される通りにも、1つの原子が各頂点を形成する二次元の原子スケールの六方格子の形態での炭素同素体を黙示する。グラフェン中の炭素原子は、SP-結合される。さらに、グラフェンには、約1580cm-1でのGモード、約1350cm-1でのDモード(532nmの励起レーザを使用する場合)という2つの主なピークを有するラマンスペクトルがある。
【0161】
「フラーレン」という用語は、一般に理解される通りにも、本明細書で言及される通りにも、中空球、楕円体、チューブ、または他の形状の形態での炭素の分子を黙示する。球状フラーレンは、バックミンスターフラーレンまたはバッキーボールとも呼ばれ得る。円筒形フラーレンは、カーボンナノチューブと呼ばれることもある。フラーレンは、連結した六員環の積層グラフェンシートから構成される、グラファイトに構造が類似している。フラーレンには、五員環(または時には七員環)が含まれている場合もある。
【0162】
「多層フラーレン」という用語は、一般的に理解される通りにも、本明細書で言及される通りにも、複数の同心円状層を有するフラーレンを黙示する。例えば、多層ナノチューブ(MWNT)は、複数の筒状に巻かれた層(同心円状チューブ)のグラフェンを含む。多層球状フラーレン(MWSF)には、フラーレンの複数の同心球が含まれる。
【0163】
「ナノ粒子」という用語は、一般的に理解される通りにも、本明細書で言及される通りにも、1nmから989nmまでの大きさの粒子を黙示する。ナノ粒子は、1つ以上の構造特性(例えば、結晶構造、欠陥濃度など)、及び1種類以上の原子を含むことができる。ナノ粒子は、球形状、楕円体形状、ダンベル形状、円筒形状、細長い円筒型形状、矩形状及び/またはプリズム形状、ディスク形状、ワイヤ形状、不規則形状、密な形状(例えば、空隙が少ない)、多孔質形状(例えば、空隙が多い)などを含むが、これらに限定されない、いずれかの形状であることができる。
【0164】
「集合体」という用語は、一般に理解される通りにも、本明細書に言及される通りにも、ファンデルワールス力によって、共有結合によって、イオン結合によって、金属結合によって、または他の物理的相互作用もしくは化学的相互作用によって、合わせて結合される複数のナノ粒子を黙示する。集合体のサイズはかなり変わることができるが、一般的には約500nmよりも大きい。
【0165】
カーボンナノ粒子は、二(2)つ以上の結合された多層球状フラーレン(MWSF)、及び結合されたMWSFをコーティングするグラフェン層を含むことができ、炭素以外の不純物元素から構成されるコアから独立して形成されることができる。本明細書に記載されるように、カーボンナノ粒子は、二(2)つ以上の結合された多層球状フラーレン(MWSF)、及び結合されたMWSFをコーティングするグラフェン層を含むことができる。そのような配置では、MWSFは、その中心に空隙(約0.5nmよりも大きい、または約1nmより大きい炭素原子がない空間を指す)を含まない。結合されたMWSFは、sp-混成軌道炭素原子の同心円状で秩序だった球体から形成されることができる(本来であれば、本明細書に開示される予期せぬ好ましい特性のいずれか1つ以上を達成できない可能性のある、偶然に秩序のある、不均一なアモルファス炭素粒子の従来の球体とは対照的に好ましい)。
【0166】
結合されたMWSFを含むナノ粒子の平均直径は、5~500nm、または5~250nm、または5~100nm、または5~50nm、または10~500nm、または10~250nm、または10~100nm、または10~50nm、または40~500nm、または40~250nm、または40~100nm、または50~500nm、または50~250nm、または50~100nmの範囲内にある。
【0167】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子は集合体を形成し、多くのナノ粒子が合わせて集合してより大きな単位を形成する。炭素集合体は、複数のカーボンナノ粒子であることができる。炭素集合体全体の直径は、10~500μm、または50~500μm、または100~500μm、または250~500μm、または10~250μm、または10~100μm、または10~50μmの範囲にあってもよい。集合体は、上記で定義されるように、複数のカーボンナノ粒子から形成されることができる。集合体は、均一性の計量が高いもの(例えば、グラフェンとMWSFの比率が20%から80%)、高度の秩序のもの(例えば、I/Iの比が0.95~1.05であるラマンシグネチャ)、及び純度が高いもの(例えば、99.9%超の炭素)などの結合されたMWSFを含むことができる。
【0168】
カーボンナノ粒子の集合体は、主に上記の範囲内の直径を有するもの、特に10μm超の粒子を指し、一般に、500nm未満の粒子、または粒子の集合体よりも収集しやすい。収集の容易さは、カーボンナノ粒子の製造に使用される製造装置のコストを削減し、カーボンナノ粒子の収量を増加させる。サイズが10μmを超える粒子では、小さなナノ粒子の吸入による潜在的な健康及び安全上のリスクなど、小さなナノ粒子を取り扱うリスクと比較して、安全上の懸念もまた少なくなる。したがって、健康及び安全上のリスクが低いため、製造コストがさらに削減される。
【0169】
カーボンナノ粒子は、本明細書に開示されているものを参照して、グラフェンとMWSFとの比率が10%~90%、または10%~80%、または10%~60%、または10%~40%、または10%~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%であることができる。炭素集合体のグラフェンとMWSFとの比率は、10%~90%、または10%~80%、または10%~60%、または10%~40%、または10%~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%である。カーボンナノ粒子のグラフェンと、結合されたMWSFとの比率は、10%~90%、または10%~80%、または10%~60%、または10%~40%、または10%~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%である。炭素集合体のグラフェンと、結合されたMWSFとの比率は、10%~90%、または10%~80%、または10%~60%、または10%~40%、または10%~20%、または20%~40%、または20%~90%、または40%~90%、または60%~90%、または80%~90%である。
【0170】
ラマン分光法を使用して、炭素同素体を、それらの分子構造体を区別するように特徴付けることができる。例えば、グラフェンは、ラマン分光法を使用して、秩序/無秩序、エッジ及び粒界、厚さ、層の数、ドーピング、ひずみ、及び熱伝導率などの情報を決定するように特徴付けられることができる。また、MWSFは、ラマン分光法を使用してMWSFの秩序の程度を決定するように特徴付けられている。
【0171】
ラマン分光法を使用して、本明細書で論じられるように、タイヤのさまざまなタイヤ関連プライ内に組み込まれたものを参照して使用されるMWSFまたは結合されたMWSFの構造体を特徴付ける。ラマンスペクトルにおける主なピークは、Gモード及びDモードである。Gモードはsp-混成軌道炭素回路網中の炭素原子の振動に起因し、Dモードは欠陥のある炭素六員環のブリージングに関連する。状況によっては、欠陥が存在する場合があるが、ラマンスペクトルでは検出できないことがある。例えば、提示された結晶構造が基底面に対して直交している場合、Dピークは増加を示す。あるいは、基底面に対して平行な完全に平面の表面が提示された場合、Dピークはゼロになる。
【0172】
532nmの入射光を使用する場合、ラマンGモードは通常、平面グラファイトでは1582cm-1であるが、MWSFまたは結合されたMWSFではシフトダウンされることができる(例えば、1565cm-1まで下がる、または1580cm-1まで下がる)。Dモードは、MWSFまたは結合されたMWSFのラマンスペクトルでは約1350cm-1で観測される。Gモードピークに対するDモードピークの強度の比率(例えば、I/I)は、MWSFの秩序の程度に関連し、I/Iが低い場合、秩序の程度が高いことを示す。I/I付近または1未満の場合、秩序の程度が比較的高いことを示し、I/Iが1.1より大きい場合、秩序の程度が低いことを示す。
【0173】
本明細書に記載されるように、MWSFまたは結合されたMWSFを含むカーボンナノ粒子または炭素集合体は、532nmの入射光を使用した場合、第一ラマンピークが約1350cm-1にあり、第二ラマンピークが約1580cm-1にある、ラマンスペクトルを有する、及び/または示すことができる。本明細書に記載のナノ粒子または集合体についての第一ラマンピークの強度と第二ラマンピークの強度との比(例えば、I/I)は、0.95~1.05、または0.9~1.1、または0.8~1.2、または0.9~1.2、または0.8~1.1、または0.5~1.5、または1.5未満、または1.2未満、または1.1未満、または1未満、または0.95未満、または0.9未満、または0.8未満の範囲内にあることができる。
【0174】
上記に定義されるように、MWSFまたは結合されたMWSFを含む炭素集合体は高純度を有する。MWSFまたは結合されたMWSFを含む炭素集合体では、金属に対する炭素の比率が99.99%超、または99.95%超、または99.9%超、または99.8%超、または99.5%超、または99%超である。炭素集合体では、炭素と他の元素との比率が99.99%超、または99.95%超、または99.9%超、または99.5%超、または99%超、または90%超、または80%超、または70%超、または60%超である。炭素集合体では、炭素と他の元素(水素を除く)との比率が99.99%超、または99.95%超、または99.9%超、または99.8%超、または99.5%超、または99%超、または90%超、または80%超、または70%超、または60%超である。
【0175】
上記に定義されるように、MWSFまたは結合されたMWSFを含む炭素集合体は高い比表面積を有する。炭素集合体では、ブルナウアー、エメット及びテラー(BET)の比表面積が10~200m/g、または10~100m/g、または10~50m/g、または50~200m/g、または50~100m/g、または10~1000m/gである。
【0176】
上記に定義されるように、MWSFまたは結合されたMWSFを含む炭素集合体は高い導電率を有する。上記で定義されるように、MWSFまたは結合されたMWSFを含む炭素集合体を圧縮してペレットにし、ペレットの導電率は、500S/m超、または1,000S/m超、または2,000S/m超、または3,000S/m超、または4,000S/m超、または5,000S/m超、または10,000S/m超、または20,000S/m超、または30,000S/m超、または40,000S/m超、または50,000S/m超、または60,000S/m超、または70,000S/m超、または500S/m~100,000S/m、または500S/m~1,000S/m、または500S/m~10,000S/m、または500S/m~20,000S/m、または500S/m~100,000S/m、または1000S/m~10,000S/m、または1,000S/m~20,000S/m、または10,000S/m~100,000S/m、または10,000S/m~80,000S/m、または500S/m~10,000S/mである。場合によっては、ペレットの密度は、約1g/cm、または約1.2g/cm、または約1.5g/cm、または約2g/cm、または約2.2g/cm、または約2.5g/cm、または約3g/cmである。さらに、試験が実施され、この試験では、炭素集合体の材料の圧縮ペレットは、2,000psi及び12,000psiの圧縮で、800℃及び1,000℃のアニーリング温度で形成された。圧縮が高いほど、及び/またはアニーリング温度が高いほど、一般に、12,410.0S/m~13,173.3S/mの範囲内を含む、導電率が高いペレットになる。
【0177】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、熱反応炉及び方法を使用して生成されることができる。使用する熱反応炉及び/または方法に関するさらなる詳細は、「CRACKING OF A PROCESS GAS」と題された、2018年1月9日に発行された米国特許第9,862,602号に見いだされることができ、これは、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書で援用されている。さらに、炭素含有及び/または炭化水素の前駆体(少なくともメタン、エタン、プロパン、ブタン、及び天然ガスを指す)に熱反応炉を使用して、本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び炭素集合体を生成することができる。
【0178】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、気体流量が1slm~10slm、または0.1slm~20slm、または1slm~5slm、または5slm~10slm、または1slm超、または5slm超である、熱反応炉を使用して生成される。本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、気体の共振時間が0.1秒(s)~30s、または0.1s~10s、または1s~10s、または1s~5s、または5s~10s、または0.1秒超、または1s超、または5s超、または30s未満である、熱反応炉を使用して生成される。
【0179】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、生成速度が10g/hr~200g/hr、または30g/hr~200g/hr、または30g/hr~100g/hr、または30g/hr~60g/hr、または10g/hr~100g/hr、または10g/hr超、または30g/hr超、または100g/hr超である、熱反応炉を使用して生成されることができる。
【0180】
熱反応炉(または他のクラッキング装置)及び熱反応炉方法(または他のクラッキング方法)を使用して、原料のプロセスガスをその構成物に精製し、熱分解し、解離させ、または分解し、本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び炭素集合体、ならびに他の固体及び/または気体生成物(水素ガス及び/または秩序の低い炭化水素ガスなど)を生成することができる。原料のプロセスガスは、一般的には、例えば、水素ガス(H)、二酸化炭素(CO)、C~C10の炭化水素、芳香族炭化水素、及び/または天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、飽和/不飽和炭化水素ガス、エテン、プロペンなどの他の炭化水素ガス、及びそれらの混合物を含む。カーボンナノ粒子及び炭素集合体は、例えば、多層球状フラーレン(MWSF)、結合されたMWSF、カーボンナノスフェア、グラフェン、グラファイト、高度に秩序化された熱分解グラファイト、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、他の固体炭素生成物、及び/または本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び炭素集合体を含むことができる。
【0181】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び炭素集合体を生成する方法は、熱分解方法を含むことができ、これらの熱分解方法は、例えば、熱分解装置の細長いケーシング、ハウジングまたは本体内に任意選択で封入される細長い長手方向の発熱体を使用する。本体は、例えば、ステンレス鋼、チタン、グラファイト、石英などで作られる1つ以上のチューブまたは他の適切な筐体を含むことができる。熱分解装置の本体は一般に円筒形であり、中央の細長い長手方向の軸は垂直方向に配置され、原料のプロセスガスの注入口は本体の頂面に、またはその近くにある。原料のプロセスガスは、本体またはその一部を通って長手方向に流下することができる。垂直方向の構成では、ガス流量及び重力の両方は、熱分解装置の本体からの固体生成物の除去を支援する。
【0182】
発熱体は、加熱ランプ、1つ以上の抵抗ワイヤまたはフィラメント(またはツイストワイヤ)、金属フィラメント、金属ストリップまたはロッド、及び/または他の適切な熱ラジカル発生剤または要素のうちのいずれか1つ以上を含むことができ、これらは、原料のプロセスガスの分子を熱分解するのに十分に特異的な温度(例えば、分子分解温度)まで加熱することができる。発熱体は、熱分解装置の本体内で、その中心長手方向軸に沿って中心に延びるように配置される、位置している、または配列されることができる。発熱体が1つしかない構成では、その発熱体は、中心長手方向軸に配置されて、またはその中心長手方向軸と同心に配置されて含まれることができる。あるいは、複数の発熱体を有する構成の場合、それらの発熱体は、中心長手方向軸の近くで、かつ周囲で、かつ平行な位置に概して対称に、または同心に間隔を置いて、またはオフセットして含まれることができる。
【0183】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を生成するための熱分解は、発熱体からの熱によって生成され、熱分解装置の本体によって画定され、その本体内部に含まれる、長手方向に細長い反応ゾーン内の発熱体の上に、またはそれと接触して、またはその近くの内に原料のプロセスガスを流し、原料のプロセスガスを特異的な分子分解温度まで、またはこの特異的な分子分解温度で加熱することによって達成されることができる。
【0184】
反応ゾーンは、原料のプロセスガスがその分子を熱分解するのに十分な熱を受け取るために、発熱体を囲み、この発熱体に十分に近い領域であるとみなされることができる。したがって、反応ゾーンは、概して、本体の中心長手方向軸と軸方向にアライメントされる、または同心である。熱分解は特異的な圧力下で行われる。原料のプロセスガスを反応ゾーンまたは加熱チャンバの容器の外面の周囲またはそれを横切って循環させ、容器またはチャンバを冷却し、原料のプロセスガスを予熱してから、原料のプロセスガスを反応ゾーンに流入させる。
【0185】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体、及び/または水素ガスは、触媒を使用せずに生成される。したがって、このプロセスは完全に触媒を含まないことができる。
【0186】
開示された方法及びシステムは、独立型の水素及び/またはカーボンナノ粒子生産ステーション、炭化水素源、または燃料電池ステーションを提供し、精製所及び/または同様のものなどに大容量システムを提供するために拡張可能であるなど、必要に応じて、異なる生産レベルに対して迅速にスケールアップする、またはスケールダウンすることが有利に可能である。
【0187】
原料のプロセスガスを分解して本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を生産する熱分解装置は、本体、原料のプロセスガス注入口、及び細長い発熱体を含む。本体には長手方向軸に関して内容積がある。この内容積には、長手方向軸と同心の反応ゾーンがある。原料のプロセスガスは、熱分解操作中に原料のプロセスガス注入口を通って内容積に流入することができる。細長い発熱体は、長手方向軸に沿って内容積内に配置されることができ、反応ゾーンに囲まれている。熱分解操作中、細長い発熱体は、電力によって分子分解温度まで加熱されて反応ゾーンを生じ、原料のプロセスガスは、細長い発熱体からの熱によって加熱され、この熱は、反応ゾーン内の分子の構成物中にある原料のプロセスガスの分子を熱分解する。
【0188】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を生産するために原料のプロセスガスを分解する方法は、次の、(1)長手方向軸を有する内容積、及びこの長手方向軸に沿って内容積内に配置される細長い発熱体を有する熱分解装置を提供することと、(2)細長い発熱体を電力によって分子分解温度まで加熱して、内容積内に長手方向に細長い反応ゾーンを生じることと、(3)原料のプロセスガスを内容積内に、そして長手方向に細長い反応ゾーンを通して流入させる(例えば、原料のプロセスガスは細長い発熱体からの熱によって加熱される)ことと、(4)原料のプロセスガスが長手方向に細長い反応ゾーンを通って流れると、長手方向の細長い反応ゾーン内の原料のプロセスガスの分子をその構成物(例えば、水素ガス及び1つ以上の固体生成物)に熱分解することと、のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0189】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を生成するために使用される原料のプロセスガスは、炭化水素ガスを含むことができる。クラッキングの結果、気相形態の水素(Hなど)、ならびに本明細書に記載のさまざまな形態のカーボンナノ粒子及び集合体をさらに含むことができる。カーボンナノ粒子及び集合体は、2つ以上のMWSF及びMWSFをコーティングするグラフェン層、及び/または結合されたMWSF及び結合されたMWSFをコーティングするグラフェン層を含む。原料のプロセスガスは、加熱チャンバと熱分解装置のシェルとの間のガス予熱領域を通して原料のプロセスガスを流してから、原料のプロセスガスを内容積に流入させることによって予熱される(例えば、100℃から500℃まで)。そこでナノ粒子を含むガスが内容積に流入し、長手方向に細長い反応ゾーンを通って原料のプロセスガスと混合されることで、ナノ粒子の周りに固体生成物(グラフェン層など)のコーティングを形成する。
【0190】
本明細書に記載の多層球状フラーレン(MWSF)または結合されたMWSFを含むカーボンナノ粒子及び集合体は、いかなる後処理または操作の完了も必要とせずに生成され、収集されることができる。あるいは、いくつかの後処理は、本開示のMWSFのうちの1つ以上に実施されることができる。共振材料の作製及び使用に関連する後処理のいくつかの例は、ボールミル粉砕、細砕、アトリッションミル粉砕、マイクロ流動化、及びMWSFに損傷を与えることなく粒径を縮小させる他の技法などの機械的処理を含む。後処理のいくつかのさらなる例は、剥離プロセス(グラファイトからのグラフェン層の作製または抽出などの炭素含有材料の層の完全な分離を指す)を含み、これらの剥離プロセスは、剪断混合、化学エッチング、酸化(Hummer法など)、熱アニーリング、アニーリング中に元素(硫黄及び/または窒素など)を追加することによるドーピング、蒸気処理、ろ過、及び凍結乾燥などを含む。後処理のいくつかの例は、放電プラズマ焼結(SPS)、直流焼結、マイクロ波焼結、及び紫外線(UV)焼結などの焼結プロセスを含み、これらは、不活性ガス中に高圧及び高温で行われることができる。複数の後処理方法を合わせて使用することも、連続して使用することもできる。後処理により、多層球状フラーレン(MWSF)または結合されたMWSFを含む、官能基を持つカーボンナノ粒子または集合体が生成される。
【0191】
材料は、さまざまな組み合わせ、量、及び/または比率で合わせて混合されることができる。本明細書に記載のMWSFまたは結合されたMWSFを含む異なるカーボンナノ粒子及び集合体は、もしあれば、1つ以上の後処理操作の前に合わせて混合されることができる。例えば、異なる特性(例えば、異なる処理とは、異なるサイズ、異なる組成物、異なる純度の実行など)を有するMWSFまたは結合されたMWSFを含む異なるカーボンナノ粒子及び集合体を合わせて混合することができる。本明細書に記載のMWSFまたは結合されたMWSFを含むカーボンナノ粒子及び集合体をグラフェンと混合して、混合物中の結合されたMWSFとグラフェンとの比率を変えることができる。本明細書に記載のMWSFまたは結合されたMWSFを含む異なるカーボンナノ粒子及び集合体は、後処理後に合わせて混合されることができる。MWSFまたは結合されたMWSFを含む異なるカーボンナノ粒子及び集合体を、異なる特性及び/または異なる後処理方法(異なるサイズ、異なる組成物、異なる機能性、異なる表面特性、異なる表面積など)を用いて、任意の量、比率及び/または組み合わせで混合することができる。
【0192】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を生成して収集した後、機械的な細砕、粉砕、及び/または剥離によって処理する。処理(機械的な細砕、粉砕、剥離などによる)により、平均粒径が小さくなることができる。処理(機械的な細砕、粉砕、剥離などによる)により、粒子の平均表面積が増加する。機械的な細砕、粉砕及び/または剥離による処理により、炭素層の一部が剪断され、カーボンナノ粒子と混合されるグラファイトのシートが生産される。
【0193】
機械的な細砕または粉砕は、ボールミル、遊星ミル、ロッドミル、剪断撹拌機、高剪断造粒機、自生粉砕ミル、または細砕、粗砕または切断によって固体材料をより小さな断片に壊すために使用される他のタイプの機械加工を使用して行われる。機械的な細砕、粉砕及び/または剥離は、湿潤状態または乾燥状態で行われる。機械的な細砕は、ある期間細砕してから、ある期間アイドリングし、細砕とアイドリングを数サイクル繰り返すことによって行われる。細砕期間は、1分(min)~20min、または1min~10min、または3min~8min、または約3min、または約8minである。アイドリング期間は、1min~10min、または約5min、または約6minである。細砕及びアイドリングのサイクル数は、1min~100min、または5min~100min、または10min~100min、または5min~10min、または5min~20minである。細砕及びアイドリングの合計時間は、10min~1,200min、または10min~600min、または10min~240min、または10min~120min、または100min~90min、または10min~60min、または約90minである。
【0194】
サイクル中の細砕ステップは、最初のサイクル(時計回りなど)でミルを一方向に回転させ、その次のサイクルで反対方向(反時計回りなど)にミルを回転させることによって行われる。機械的な細砕または粉砕は、ボールミルを使用して行われ、細砕ステップは、100~1000rpm、または100~500rpm、または約400rpmの回転速度を使用して行われる。機械的な細砕または粉砕は、直径が0.1mm~20mm、または0.1mm~10mm、または1mm~10mm、または約0.1mm、または約1mm、または約10mmである粉砕媒体を用いる、ボールミルを使用して行われる。機械的な細砕または粉砕は、鋼などの金属、酸化ジルコニウムなどの酸化物(ジルコニア)、イットリア安定化酸化ジルコニウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、または炭化ケイ素もしくは炭化タングステンなどの他の硬質材料から構成される粉砕媒体を用いる、ボールミルを使用して行われる。
【0195】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、生成されて収集された後、熱アニーリングまたは焼結などの昇温を使用して処理される。昇温を使用した処理は、窒素またはアルゴンなどの不活性環境中で行われる。昇温を使用した処理は、大気圧で、真空下で、または低圧で行われる。昇温を使用した処理は、500℃~2,500℃、または500℃~1,500℃、または800℃~1,500℃、または800℃~1,200℃、または800℃~1,000℃、または2,000℃~2,400℃、または約8,00℃、または約1,000℃、または約1,500℃、または約2,000℃、または約2,400℃の温度で行われる。
【0196】
本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を生成して収集した後、後処理操作中に、追加の元素または化合物をカーボンナノ粒子に追加することによって、固有の特性のカーボンナノ粒子及び集合体を他の材料混合物に取り込む。
【0197】
後処理の前か後かいずれかに、本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体を、他の元素または化合物の固体、液体またはスラリーに加え、固有の特性のカーボンナノ粒子及び集合体を取り込むさらなる材料混合物を形成する。本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、他の固体粒子、ポリマーまたは他の材料と混合される。
【0198】
後処理の前か後かいずれかに、本明細書に記載のカーボンナノ粒子及び集合体は、共振材料の作製及び使用に関連する用途を越えて、さまざまな用途に使用される。それらのような用途は、輸送用途(自動車及びトラックのタイヤ、カップリング、マウント、エラストマー「o」リング、ホース、シーラント、グロメットなど)及び産業用途(ゴム用添加剤、高分子材料用機能化添加剤、エポキシ用添加剤など)を含むが、これらに限定されない。
【0199】
図18A及び図18Bは、合成時のカーボンナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。図18A(第一倍率で)及び図18B(第二倍率で)のカーボンナノ粒子は、グラフェン層を備えた結合された多層球状フラーレン(MWSF)を含み、グラフェン層は、結合されたMWSFをコーティングしている。この例では、グラフェン同素体に対するMWSFの比率は、共振時間が比較的短いため、約80%である。図18BのMWSFは、直径が約5nm~10nmであり、この直径は、上記の条件を使用して5nm~500nmであることができる。MWSF全体の平均直径は、5nm~500nm、または5nm~250nm、または5nm~100nm、または5nm~50nm、または10nm~500nm、または10nm~250nm、または10nm~100nm、または10nm~50nm、または40nm~500nm、または40nm~250nm、または40nm~100nm、または50nm~500nm、または50nm~250nm、または50nm~100nmの範囲内にある。このプロセスでは触媒を使用しなかったため、混入物を含む中心のシードがない。この例では、生成された集合体の粒子は、約10μm~100μm、または約10μm~500μmの粒径を有していた。
【0200】
図18Cは、532nmの入射光で取られたこの例の合成時の集合体のラマンスペクトルを示す。この例で生成された集合体のI/Iは、約0.99~1.03であり、集合体が秩序の程度の高い炭素同素体から構成されたことを示す。
【0201】
図18D及び図18Eは、ボールミルでの細砕によるサイズ縮小後のカーボンナノ粒子の例示的なTEM画像を示す。ボールミル粉砕は、反時計回りに3分(min)間の細砕操作、続いて6分間のアイドリング操作、続いて時計回りに3分間の細砕操作、続いて6分間のアイドリング操作のサイクルで実施された。細砕操作は、400rpmの回転数を使用して実施された。粉砕媒体はジルコニアであり、サイズが0.1mm~10mmの範囲内であった。全体のサイズ縮小処理時間は60分~120分であった。サイズ縮小後、この例で生成された集合体の粒子の粒径は約1μm~5μmであった。サイズ縮小後のカーボンナノ粒子は、グラフェン層を備えた結合されたMWSFであり、グラフェン層は、結合されたMWSFをコーティングしている。
【0202】
図18Fは、532nmの入射光で取られたサイズ縮小後のこれらの集合体からのラマンスペクトルを示す。サイズ縮小後のこの例では、集合体の粒子についてのI/Iは約1.04である。また、サイズ縮小後の粒子は、約40m/g~50m/gのブルナウアー、エメット及びテラー(BET)の比表面積を有した。
【0203】
このサンプルで生成された集合体の純度は、質量分析及び蛍光X線(XRF)分光法を使用して測定された。異なる16バッチで測定された、炭素と、水素を除く他の元素との比率は99.86%~99.98%であり、平均99.94%の炭素であった。
【0204】
この例では、カーボンナノ粒子はサーマルホットワイヤ処理システムを使用して生成された。前駆体材料はメタンであり、1slm~5slmに流れた。これらの流量及びツールの形状により、反応チャンバ内のガスの共振時間は約20秒~30秒であり、炭素粒子の生成速度は約20g/hrであった。
【0205】
そのような処理システムに関するさらなる詳細は、参照によりあらゆる目的のために本明細書によって援用されている、「CRACKING OF A PROCESS GAS」と題された、前述の米国特許第9,862,602号に見いだされることができる。
【0206】
実施例1
図18G図18H、及び図18Iは、本実施例の合成時のカーボンナノ粒子のTEM画像を示す。カーボンナノ粒子は、グラフェン層を備えた結合された多層球状フラーレン(MWSF)を含み、グラフェン層は、結合されたMWSFをコーティングしている。本実施例での多層フラーレンとグラフェン同素体との比率は、共振時間が比較的長いことが原因で約30%であり、MWSFをコーティングするグラフェン層が厚くなる、またはこれらの層が多くなることができる。このプロセスでは触媒を使用しなかったため、混入物を含む中心のシードがない。この例では、生成された合成時の集合体の粒子は、約10μm~500μmの粒径を有した。図18Jは、本実施例の集合体からのラマンスペクトルを示す。本実施例での合成時の粒子のラマンシグネチャは、合成時の材料中でMWSFをコーティングするグラフェン層が厚いことを示す。さらに、合成時の粒子は、約90m/g~100m/gのブルナウアー、エメット及びテラー(BET)の比表面積を有した。
【0207】
実施例2
図18K及び図18Lは、本実施例のカーボンナノ粒子のTEM画像を示す。具体的には、これらの画像は、ボールミルで細砕することによるサイズ縮小実行後のカーボンナノ粒子を示す。サイズ縮小プロセス条件は、前述の図18G図18Jに関連して説明されたものと同じであった。サイズ縮小後、この例で生成された集合体の粒子の粒径は約1μm~5μmであった。TEM画像は、グラフェンコーティング中に埋没した、結合されたMWSFがサイズ縮小後に観測されることができることを示す。図18Mは、532nmの入射光で取られたサイズ縮小後の本実施例の集合体からのラマンスペクトルを示す。サイズ縮小後の本実施例では、集合体の粒子についてのI/Iは、約1であり、合成時にグラフェンコーティング中に埋没した、結合されたMWSFがサイズ縮小後にラマンで検知可能になり、秩序だったことを示す。サイズ縮小後の粒子は、約90m/g~100m/gのブルナウアー、エメット及びテラー(BET)の比表面積を有した。
【0208】
実施例3
図18Nは、第一倍率でのグラファイト及びグラフェン同素体を示す炭素集合体の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。図18Oは、第二倍率でのグラファイト及びグラフェン同素体を示す炭素集合体のSEM画像である。層状グラフェンは、炭素の歪曲(しわ)の中に明瞭に示されている。炭素同素体の3D構造も可視である。
【0209】
図18N及び図18Oの炭素粒子の粒度分布は図18Pに示される。質量に基づいた累積粒度分布1806は、グラフの左側のy軸(Q(x)[%])に対応する。質量粒度分布1808のヒストグラムは、グラフの右側の軸(dQ(x)[%])に対応する。粒径の中央値は約33μmである。10パーセンタイルの粒径は約9μmであり、90パーセンタイルの粒径は約103μmである。粒子の質量密度は約10g/Lである。
【0210】
実施例4
多段反応炉から捕捉された炭素粒子の粒度分布は図18Qに示される。質量に基づいた累積粒度分布1814は、グラフの左側のy軸(Q(x)[%])に対応する。質量粒度分布1816のヒストグラムは、グラフの右側の軸(dQ(x)[%])に対応する。捕捉された粒径の中央値は約11μmである。10パーセンタイルの粒径は約3.5μmであり、90パーセンタイルの粒径は約21μmである。また、図18Qのグラフは、グラフの左側のy軸(Q(x)[%])に対応する、数に基づいた累積粒度分布1818を示す。数に基づいた粒径の中央値は、約0.1μm~約0.2μmである。
【0211】
図18Pの議論に戻り、グラフは、第二セットの実施例の結果も示す。具体的には、本実施例では、粒子を機械的な細砕によってサイズ縮小してから、サイクロンセパレータを使用してサイズ縮小した粒子を処理した。本実施例では捕捉された、サイズ縮小した炭素粒子の質量に基づいた累積粒度分布1810は、グラフの左側のy軸(Q(x)[%])に対応する。質量に基づいた粒度分布1812のヒストグラムは、グラフの右側の軸(dQ(x)[%])に対応する。本実施例では捕捉された、サイズ縮小した炭素粒子の粒径の中央値は約6μmである。10パーセンタイルの粒径は1μm~2μmであり、90パーセンタイルの粒径は10μm~20μmである。
【0212】
サイクロンセパレータの製造及び使用に関するさらなる詳細は、2017年10月5日に出願された「MICROWAVE REACTOR SYSTEM WITH GAS-SOLIDS SEPARATION」と題された、米国特許出願第15/725,928号に見いだされることができ、これは参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に援用されている。
【0213】
場合によっては、グラファイト、グラフェン、及び無定形炭素を含む炭素の粒子及び集合体は、前駆体材料を用いるマイクロ波プラズマ反応炉系を使用して生成されることができ、この前駆体材料は、メタンを含む、またはイソプロピルアルコール(IPA)を含む、またはエタノールを含む、または縮合炭化水素(ヘキサンなど)を含む。他のいくつかの実施例では、炭素含有前駆体は、任意選択で供給ガス(アルゴンなど)と混合される。本実施例で生成された粒子には、グラファイト、グラフェン、無定形炭素が含まれ、シード粒子が含まれない。本実施例での粒子では、炭素と他の元素(水素以外)との比率が約99.5%以上であった。
【0214】
ある特定の実施例では、炭化水素は、マイクロ波プラズマ反応炉の入力材料であり、反応炉の分離された出力は、水素ガスと、グラファイト、グラフェン及び無定形炭素を含む炭素粒子とを含んだ。炭素粒子は、多段気相固相分離システム中の水素ガスから分離された。反応炉からの分離された出力の固体負荷は0.001g/L~2.5g/Lであった。
【0215】
実施例5
図18R図18S、及び図18Tは、合成時のカーボンナノ粒子のTEM画像である。これらの画像は、グラファイト、グラフェン、及び無定形炭素の同素体の実施例を示す。グラフェン及び他の炭素材料の層は画像にはっきりと見られることができる。
【0216】
捕捉された炭素粒子の粒度分布は図18Uに示される。質量に基づいた累積粒度分布1820は、グラフの左側のy軸(Q(x)[%])に対応する。質量粒度分布1822のヒストグラムは、グラフの右側の軸(dQ(x)[%])に対応する。本実施例でサイクロンセパレータに捕捉された粒径の中央値は約14μmであった。10パーセンタイルの粒径は約5μmであり、90パーセンタイルの粒径は約28μmであった。また、図18Uのグラフは、グラフの左側のy軸(Q(x)[%])に対応する、数に基づいた累積粒度分布1824を示す。本実施例では、数に基づいた粒径の中央値は、約0.1μm~約0.2μmであった。
【0217】
図18V図18W図18X、及び図18Yは、他の三次元構造体上に成長する三次元炭素含有構造体を示す画像である。図18Vは、100Xの倍率の炭素繊維上に成長した三次元炭素構造体であるが、図18Wは、200Xの倍率の炭素繊維上に成長した三次元炭素構造体である。図18Xは、1601Xの倍率の炭素繊維上に成長した三次元炭素構造体である。繊維表面上に成長した三次元炭素が示される。図18Yは、10000Xの倍率の炭素繊維上に成長した三次元炭素構造体である。この画像は、基底面上だけでなく、エッジ面上への成長も示す。
【0218】
より具体的には、図18V図18Yは、マイクロ波プラズマ反応炉からのプラズマエネルギーだけでなく熱反応炉からの熱エネルギーも使用して繊維上に成長した3D炭素材料の例示的なSEM画像を示す。図18Vは、繊維1831及び繊維1832が交差し、これらの繊維の表面上に3D炭素材料1830が成長したSEM画像を示す。図18Wは、繊維1832上の3D炭素材料1830を示す高倍率画像(スケールバーは図18Vの500μmと比較して300μmである)である。図18Xは、繊維表面1835上の3D炭素材料1830を示すさらに拡大された図(スケールバーは40μmである)であり、3D炭素材料1830の3D性質は、はっきりと見られることができる。図18Yは、炭素のみのクローズアップ図(スケールバーは500nmである)を示し、繊維の基底面1832と、この繊維の上に成長した3D炭素材料の多数のサブ粒子のエッジ面1834との間の相互接続を示す。図18V図18Yは、3D炭素繊維上に成長した3D炭素成長など、3D繊維構造体上で3D炭素を成長させる能力を示す。
【0219】
繊維上の3D炭素の成長は、複数の繊維をマイクロ波プラズマ反応炉に導入し、マイクロ波反応炉内にプラズマを使用して繊維をエッチングすることによって達成されることができる。エッチングにより、核形成部位が作製されるため、反応炉内での炭化水素の解離によって炭素粒子及びサブ粒子が作製されると、それらの核形成部位で3D炭素構造体の成長が開始される。これらの繊維上での3D炭素構造の直接の成長は、それら自体が本質的に3次元であるため、樹脂が浸透することができるポアを含む高度に一体化された3D構造をもたらす。表面が滑らかな従来の繊維を含む複合材料では、これらの滑らかな表面で樹脂マトリックスから典型的に層が剥離されるため、これらの従来の繊維を含む複合材料と比較して、樹脂複合材料用のこの3D強化マトリックス(高アスペクト比の強化繊維と統合された3D炭素構造体を含む)では、結果として引張強さ及び剪断などの材料特性が向上する。
【0220】
本明細書に記載の3D炭素材料のいずれか1つ以上などの炭素材料は、接着を促進する、及び/または酸素、窒素、炭素、シリコンなどの元素、または硬化剤を追加するような、官能基化のために調製された1つ以上の露出面を有することができる。官能基化は、化学合成による化合物への官能基の追加を指す。材料科学では、官能基化を用いて所望の表面特性を達成することができ、例えば、官能基を用いて、機能性分子を化学デバイスの表面に共有結合させることもできる。炭素材料は、原位置で、すなわち、炭素材料が生成されるのと同じ反応炉内の現場で官能基化されることができる。炭素材料は後処理中に官能基化されることができる。例えば、フラーレンまたはグラフェンの表面は、樹脂マトリクスのポリマーとの結合を形成する酸素または窒素含有種で官能化することができ、ひいては、接着が改善され、複合体の強度を高めるために強力な結合がもたらされる。
【0221】
官能基化表面処理は、本明細書に記載のプラズマ反応炉(マイクロ波プラズマ反応炉など)を利用して、本開示の炭素系材料(例えば、複数のCNT、1つのCNO、グラフェン、3Dグラフェンなどの3D炭素材料)のいずれか1つ以上に対して実施されることができる。それらのような処理は、複合材料内の結合剤もしくはポリマーと組み合わされることができる炭素材料の作製中の原位置表面処理、または炭素材料がまだ反応炉内にある間の炭素材料の作製後の表面処理を含むことができる。
【0222】
前述の実施形態のいくつかは、タイヤの1つまたは複数のプライ内に埋め込まれる炭素含有材料から形成された複数の三次元(3D)強集合体を含有する共振器を含む。しかしながら、いくつかの実施形態は、タイヤの内面(例えば、タイヤのインナーライナー)上にプリントされる、またはその他の方法で配置される共振器を含む。
【0223】
図19A1は、一実施形態による、コンクリートが所与の構造型枠に打設される前にコンクリート内に配置される、1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器の描写19A100を提供する。オプションとして、描写19A100は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写19A100は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0224】
図19A1に示されるように、スプリットリング共振器をコンクリート打設1902に組み込むことができる。1つのスプリットリング共振器もしくは複数のスプリットリング共振器1904は混合容器内にある間にコンクリート1906内に混合されることができる、または1つのスプリットリング共振器もしくは複数のスプリットリング共振器はコンクリートが打設プロセス中の途中である間にコンクリート内に混合されることができる。
【0225】
1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904は、コンクリート打設1902内に捕捉されることができる。スプリットリング共振器は、いずれかの向きで型枠内に捕捉されることができるが、構造要素の底部近くに沈着する可能性がある。例えば、任意の所与のスプリットリング共振器はスプリットリング共振器の平面からの法線ベクトルが実質的に垂直であるように向けられることができる、または任意の所与のスプリットリング共振器はスプリットリング共振器の平面からの法線ベクトルが実質的に水平であるように向けられることができる、または任意の所与のスプリットリング共振器はスプリットリング共振器の平面からの法線ベクトルが垂直方向と水平方向との間の角度上にあるように向けられることができる。
【0226】
特定の状況では、スプリットリング共振器は、型枠境界に比較的近位にある位置で型枠内に捕捉される。他の場合には、スプリットリング共振器は、型枠境界に比較的遠位にある位置で型枠内に入る。これは、コンクリート打設1902内にランダムに位置する異物(例えば、スプリットリング共振器)の自然な傾向(例えば、流体力学)のためである。型枠内のスプリットリング共振器の位置に関係なく、スプリットリング共振器に信号でピング音を発信し、戻り信号を受信するための技術は動作可能である。より具体的には、信号対ノイズ比が非常に広いため(図17に示される18dB分離を参照)、任意の特定の位置にある任意の所与のスプリットリング共振器からの戻り信号を受信して処理することができると、較正信号との比較が容易になることができる。この技術は様々な構造体に適用されることができる。そのような例の1つは、垂直方向に向けられたコンクリート構造部材を示す図19A1に見られることができる。
【0227】
前述の例は、垂直方向に向けられたコンクリート構造部材に関するものであるが、本明細書に開示された技術は、水平方向に向けられたコンクリート構造部材(または任意の角度のコンクリート構造部材)を形成する場合にも適用される。
【0228】
図19A2は、一実施形態による、コンクリートが所与の構造型枠に打設される前にコンクリート内に配置される、1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器の描写19A200を提供する。オプションとして、描写19A200は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写19A200は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0229】
一実施形態では、図19A2は、スラブ1910に打設するときにコンクリート打設1902上に組み込まれることができる1つのスプリットリング共振器、または複数のスプリットリング共振器1904を示す。1つのスプリットリング共振器もしくは複数のスプリットリング共振器1904は混合容器内にある間にコンクリート1906内に混合されることができる、または1つのスプリットリング共振器もしくは複数のスプリットリング共振器1904はコンクリートが打設プロセス中の途中である間にコンクリート1906内に混合されることができる。
【0230】
1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904は、コンクリート打設1902内に、そしていずれかの向きで型枠内に捕捉されることができる。例えば、任意の所与のスプリットリング共振器はスプリットリング共振器の平面からの法線ベクトルが実質的に垂直であるように向けられることができる、または任意の所与のスプリットリング共振器はスプリットリング共振器の平面からの法線ベクトルが実質的に水平であるように向けられることができる、または任意の所与のスプリットリング共振器はスプリットリング共振器の平面からの法線ベクトルが垂直方向と水平方向との間の角度上にあるように向けられることができる。1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904は、一実施形態では、水平方向に向けられたコンクリート構造部材1914の壁部のより近くに分散されてもよい。特定の実施形態では、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904は、水平方向に向けられたコンクリート構造部材1914の上面に比較的近位にある位置で型枠内に配置されてもよい。特定の他の実施形態では、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904は、水平方向に向けられたコンクリート構造部材1914の底面の比較的近位にあってもよい。それでもなお、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904は、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904の位置がコンクリート部材へのコンクリート打設1902中に維持され得るように、鉄筋(またはコンクリート部材内の他の支持構造体)に向けられても、統合されても、及び/または添着されてもよい。
【0231】
さまざまな実施形態では、図19A1及び図19A2は、コンクリートが所与の構造型枠(例えば、垂直方向に向けられたコンクリート構造部材、水平方向に向けられたコンクリート構造部材)内に打設される前に、コンクリート内に配置される1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器の一実施形態を示す。さらに、図19A1及び図19A2は、一実施形態では、型枠内にコンクリートを打設する前にコンクリート混合物内に、1つのスプリットリング共振器(例えば、リング型もしくは円筒型のもの)または複数のスプリットリング共振器1904(例えば、リング型もしくは円筒型もしくはそれらの組み合わせのもの)をどのように組み込むことができるかを示すために提示される。型枠はあらゆる形状のものであることができる。厳密には例として、図19A1に示されるように、型枠は、垂直方向に向けられたコンクリート構造部材1912(例えば、図示の柱部または壁部1908)の打設を受けるように構成されることができる。さらに、またはその代わりに、図19A2に示されるように、型枠は、水平方向に向けられたコンクリート構造部材1914(例えば、図示のスラブ1910)の打設を受けるように構成されることができる。
【0232】
型枠内のスプリットリング共振器の位置に(例えば、上面に、底面に、コンクリート内などに)関係なく、スプリットリング共振器に信号でピング音を発信し、戻り信号を受信するための技術は維持されても、動作可能であってもよい。より具体的には、信号対ノイズ比が非常に広いため(図17に示される18dB分離を参照)、任意の特定の位置にある任意の所与のスプリットリング共振器からの戻り信号を受信して処理し得ると、より早期に捕捉された較正信号との比較が容易になり得る。
【0233】
一実施形態では、打設して硬化した後に前述の較正信号を捕捉し得る。このような較正信号は、データベースに、及び/または指定された情報を保持する任意のシステムに格納されることができる。後の時点で、構造部材にピング信号をインタロゲートし得、その時点での戻り信号を対応する較正信号と比較することができる。一実施形態では、後で捕捉された信号と較正信号との間の差異は、較正信号を補足した時点とインタロゲーションを実行する時点との間の圧縮における変化を示し得る。
【0234】
同様のアプローチは、構造部材全体に分散される複数のスプリットリング共振器の存在下で適用されることができる。具体的には、実質的に同じ位置に多くのスプリットリング共振器が存在する構造部材の領域内にピング信号を発信すると、較正信号は、返されて、データベースに、または情報を格納することができるいずれかの他のシステムに格納されることができる。いずれかのより後の時点で、再度、構造部材をピング信号によってインタロゲートすることができ、その時点での戻り信号を対応する較正信号と比較することができる。2つの信号間の差異が決定される場合、この現象は構造体及びまたはその構成材料における変化を示すことができる。応答の変化(例えば、圧縮による、または曲げによるなど)を分析するための多くの可能な技術があり、そのうちのいくつかの技術は図19B1に関連するものとして示され、説明される。
【0235】
図19B1は、一実施形態による、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器を含む柱部の描写19B00、及び構造部材内の変化を測定するための式を示す。オプションとして、描写19B00は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写19B00は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0236】
示されるように、描写19B00は、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904を含む養生済み柱部、及び構造部材内の変化を測定するためのさまざまな式を示す。加えて、スプリットリング共振器1904を包囲する材料の圧縮の変化1916により、スプリットリング共振器からの応答の変化1922が開始される(図19B2に示されるように)。さらに、図19B1は、構造部材内の圧縮の程度を(圧縮の変化の関数として)測定するための式6の例を示す。加えて、式6が圧縮に関して示されているが、式7(本明細書の以下)は応答の変化に関して示されており、ねじり、湿度測定(湿度)、屈曲、応答、材料特性などのあらゆる変化がスプリットリング共振器(複数可)の変化を決定する、及び/または測定するための基礎となり得ることを理解されたい。
【0237】
一実施形態では、1つの使用モデルは、インフラストラクチャのコンクリート基礎(例えば、集合住宅、マンション、住宅、ホテル)の構造評価をサポートし得る。さらに、1つの使用モデルは、鉄骨梁、支柱/柱の監視、及び構造健全性の監視の他の態様を含む、建物のインフラストラクチャ全般の構造評価をサポートし得る。経時的な材料の完全性を継続的または定期的に監視することにより、例えば経年劣化、過剰な、または関連する応力によって、及び/または物理的損傷などによって、構造体を形成する材料が変化したかどうかを示すことができる。場合によっては、材料の差し迫った不具合を防ぎ、大惨事を回避することが可能である場合がある。状況によっては、複数の構造部材を組み合わせて1つの耐力構造物にすることができ、その耐力構造物全体を経時的に監視する必要がある。較正及び定期的な監視は、例えば2ステップで、達成される場合がある。第一ステップでは、技術者が信号発生器(または同様のツール)を操作し、信号発生器を選択した周波数に同調させて、構造部材内のスプリットリング共振器の近位に信号を発信する。スプリットリング共振器からの戻り信号及び/またはその特性(例えば、減衰、単一の周波数共振、複数の周波数共振など)が捕捉される。技術者は、戻り信号及び/またはその特性を、その位置及びその所与の時点でのピング音に関連する較正点として格納する。戻り信号及び/またはその特性は、材料が構造完全性のベースライン状態を有するとみなされる時点に対応する較正シグネチャとして後で使用される。
【0238】
第一ステップ後のいずれかの後の時点で実行される第二ステップでは、技術者は、ピング音発信及びシグネチャ捕捉プロセスを繰り返して、構造部材内のスプリットリング共振器によって返されたその時点のデータを収集し得る。較正シグネチャとその時点のデータとの間の比較は、材料の完全性における変化を示す可能性がある。一実施形態では、応答の変化1918は、圧縮の変化を示すにすぎない場合がある。経時的な圧縮の一定範囲の変化は、正常であるとみなされてもよく、通常の使用中に起こる可能性がある(例えば、地震などの地殻運動による応力下で構造が曲がる場合)。圧縮の変化を測定するための前述の技術に加えて、曲げの変化を測定することに関する、さらなる技術が本明細書に基づいて示される。
【0239】
図19B2は、一実施形態による、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器を含む柱部の描写19B02、及び構造部材内の変化を測定するための式を示す。オプションとして、描写19B02は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写19B02は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0240】
一実施形態では、描写19B02は、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904を含む養生済みスラブと、構造部材内の屈曲の程度を測定するための例示的な式7を(屈強の変化の関数として)示す。さらに、スプリットリング共振器1904を包囲する材料の屈曲の変化1920が原因で、スプリットリング共振器からの応答の変化1922が起こり、その結果、最初に決定されたものとは異なる信号応答になる。この情報は、その用途での材料の完全性を監視するために不可欠であるとみなされる。
【0241】
所与の場合には前述のように、材料の監視を可能にするために、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904はコンクリート基礎内に実装される。これは、一例として、2ステップで実現されてもよい。第一ステップでは、技術者が信号発生器(または同様のツール)を操作し、信号発生器を選択した周波数に同調させて、信号発生器が構造部材内のスプリットリング共振器の近位に信号を発信し得る。スプリットリング共振器からの戻り信号及び/またはその特性(例えば、減衰、単一の周波数共振、複数の周波数共振など)が捕捉される。技術者は、戻り信号及び/またはその特性を、その位置及びその所与の時点でのピング音に関連する較正点として格納する。戻り信号及び/またはその特性は、材料が構造完全性のベースライン状態を有するとみなされる時点に対応する較正シグネチャとして後で使用される。
【0242】
1つまたは複数のスプリットリング共振器を部材内に実装する場合、打設中に正確な向き及び位置を制御できない場合があるが、前述の2ステップのプロシージャは引き続き使用されることができる。これは、複数のスプリットリング共振器にピング音を発信するとき、アンサンブル効果の信号(複数のスプリットリング共振器からの戻り)を較正として使用することができるためである。第一ステップ後のいずれかの後の時点で実行される第二ステップでは、再度、技術者は、ピング音発信及びシグネチャ捕捉プロセスを繰り返して、構造部材内のスプリットリング共振器によって返されたその時点のデータを収集する。較正シグネチャとその時点のデータとの間の比較は、材料の完全性における変化を示す可能性がある。一方では、応答の変化1918は、圧縮の変化を示すにすぎない場合がある。経時的な圧縮の一定範囲の変化は、正常であるとみなされてもよく、通常の使用中に起こる可能性がある(例えば、地震などの地殻運動による応力下で構造が曲がる場合)。圧縮の変化を測定するための前述の技術に加えて、曲げの変化を測定することに関する、さらなる技術が本明細書に基づいて示される。
【0243】
構造部材が既に所与の使用中である場合、物性(例えば、形状、サイズ、位置)に関係なく、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器1904を構造部材上に引き続き実装することができる。それらのような例は、図20に関連するものとして示され、説明される。
【0244】
図20は、一実施形態による、既に使用されている、さまざまな形状の構造部材上の外部でのスプリットリング共振器の利用2000を示す。オプションとして、利用2000は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、利用2000は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0245】
一実施形態では、また図20は、構造部材上の1つまたは複数のスプリットリング共振器のサイズ、向き、位置、及び用途を決定する際に重要となり得る、可能な要因及び式の例を示す。さらに、図20は、さまざまな形状の構造部材に外部から適用されるスプリットリング共振器の利用を示す。図20は、構造部材上の1つまたは複数のスプリットリング共振器のサイズ、向き、位置、及び用途を決定する際に重要となり得る、可能な要因及び式の例を示す。
【0246】
より具体的には、図20は、水平方向部材2002を示し、この水平方向部材には、スプリットリング共振器1904を(例えば、超音波溶着を使用して)取り付けることができ、所与の用途(例えば、車軸コンポーネント、タイロッドコンポーネント、プッシュロッド、鉄筋など)に使用することができる。水平方向の細長い部材に加えて、スプリットリング共振器は、湾曲した部材2004(例えば、バケットハンドル、サスペンション部品、ばねの一部、鉄筋など)にも取り付けられてよい。
【0247】
1つの具体的な場合には、1つのスプリットリング共振器1904または複数の離隔されたスプリットリング共振器を、任意の既知の技術を使用して鉄筋に適用することができ、その後、鉄筋を型枠内に配置してもよい。コンクリートまたは他の建設用組成物が型枠に打設されるとき、鉄筋上でのスプリットリング共振器の並置、及び型枠内でのスプリットリング共振器の並置は、スプリットリング共振器を鉄筋に適用して型枠内に置くときと実質的に同じままである。このように、スプリットリング共振器は、水平方向に向けられた平面内に(すなわち、「X」方向に)実質的にアライメントされるように、または垂直方向に向けられた平面内に(すなわち、「Y」方向に)実質的にアライメントされるように、または奥行き方向に向けられた平面内に(すなわち、「Z」方向に)実質的にアライメントされるように位置決めされることができる。
【0248】
さらに、または代わりに、スプリットリング共振器を平らな構造部材2006(例えば、車のボンネット)に取り付けてもよい。この所与の用途では、スプリットリング共振器を使用して、車のボンネットの曲げを動的に、そしていかなる瞬間にも測定し得る。この方法には、車のボンネットの曲げを測定するために風洞を使用することに比べて多くの進歩がある。これは、風洞の場合には、車両が静止しているが、車両が実際に走行中である企図された使用モデルでは、実際のリアルタイム応答が計算されることができるためである。したがって、1つまたは複数のスプリットリング共振器1904は、実際の運転条件中に即時のフィードバックを提供する。
【0249】
構造部材ごとに1つまたは複数のスプリットリング共振器の決定されたサイズは、その部材のサイズだけでなく用途にも依存する可能性がある。これは式8で示される。具体的には、異なるサイズの1つまたは複数のスプリットリング共振器は、それに対応して異なる周波数に共振する。異なるサイズは、初期較正テスト中に考慮されることができる。
【0250】
特定の状況では(例えば、スプリットリング共振器を真っ直ぐな水平方向部材に適用するとき、またはスプリットリング共振器を湾曲した部材に適用するとき、またはスプリットリング共振器を平坦な部材に適用するとき)、最適な位置(式10)及び/または向き(式9)は、有限要素モデルの解析から(例えば、SOLIDWORKS、AGROS2D、CALCILIXなどのCADソフトウェアを使用して)決定される、または推論されることができる。より具体的には、有限要素解析による結果、関心対象のものである用途及び所望の特性に応じて、曲げベクトル、圧縮ベクトル、及び膨張ベクトルが得られる。有限要素解析による結果に基づいて、特定の構造部材は、スプリットリング共振器が対応する位置(式10)及び/または向き(式9)にある状態で構成されることができる。
【0251】
図21は、一実施形態による、スプリットリング共振器が所与の用途に実装されるプロセスを表すフローチャート2100である。オプションとして、フローチャート2100は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、フローチャート2100は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0252】
示されるように、プロセスの第一ステップは、シナリオがスプリットリング共振器の内部配置か外部配置かいずれかを許容するかどうかを決定することである(ステップ2102)。1つまたは複数のスプリットリング共振器の内部用途(ステップ2104)の場合、ミックスイン技術を決定する必要がある(ステップ2106)。一実施形態では、1つまたは複数のスプリットリング共振器を、骨材混合物またはセメントと組み合わせてもよい。次に、骨材混合物またはセメントを構造体または基礎に打設し得、スプリットリング共振器は混合物全体にランダムに分散して、最終的に部材を形成する(ステップ2110)。
【0253】
基礎または構造体が養生されると、スプリットリング共振器を較正することができ、初期状態または較正シグネチャを収集することができる(ステップ2114)。較正シグネチャを達成するために、一意の信号を使用して、スプリットリング共振器からの応答にピング音を発信し得る。スプリットリング共振器が浸漬される媒体の特性に基づいて、媒体のパラメータ(圧縮、密度、周波数など)の関数としての応答を発生し得る。構造体が何らかの初期状態にあるときのこの初期読み取り値は、今後の比較のための較正シグネチャ及び参照パラメータになる可能性がある。当然のことながら、初期読み取り値が後の時点(セメントの打ち込み、耐震改修など)でリセット(及び/または再較正)され得ることを理解されたい。
【0254】
外部適用(例えば、超音波溶着による)の場合、1つまたは複数のスプリットリング共振器は、スプリットリング共振器の正確度を損なわない方法でコンポーネント上に統合される。スプリットリング共振器の向き、位置、及び適用を使用して、スプリットリング共振器から正しいデータを収集することができる(ステップ2108)(例えば、自動車の車軸へのスプリットリング共振器の設置)。車軸に対するスプリットリング共振器の向きを使用して、スプリットリング共振器の平面から法線、水平、または角度付きベクトルを達成することができることにより、信号対ノイズ比が損なわれることなく、較正シグネチャまたは較正点の操作可能な戻りが可能になる。車軸上のスプリットリング共振器の位置は、車軸の完全性の適切な監視のために、不具合及び部分両振り応力のゾーン内に配置され得る。スプリットリング共振器の車軸への音波溶着(ステップ2112)を利用して、スプリットリング共振器の較正シグネチャ及び較正点の正確度を確保し得る。異種材料が結合することを可能にする音波溶着では、スプリットリング共振器の応答を減衰させる、または変化させる可能性のある溶着を形成するためにはんだまたは他の材料を使用しない。当然のことながら、溶着の代わりに任意のタイプの添着を使用してもよいことを理解されたい。
【0255】
フローチャートに示されるように、外部プロセスと内部プロセスとの両方がテストイベントに収束する(ステップ2116)。テストイベント中、刺激が加えられ(ステップ2118)、応答が測定される(ステップ2120)。テストイベントを使用して、較正点を収集し、較正シグネチャと比較する(ステップ2122)。所与の時間が経過し、厳密に例として、構造体またはコンポーネントに応力のかかるイベントが発生した後、または定期的な保守点検、もしくはコンポーネントか構造体の目視観察により、テストが必要になった後、テストを実施する。このテストは、構造体またはコンポーネントが構造体の完全性で異なる可能性があるときに後で取得される較正シグネチャと性質が似ている可能性のある較正点を返す。2ステップ技法を使用して、必要な較正を取得することを達成し得る。第一ステップ(ステップ2120)では、技術者が信号発生器(または同様のツール)を操作し、信号発生器を選択した周波数に同調させて、構造部材内のスプリットリング共振器の近位に信号を発信する。スプリットリング共振器からの戻り信号及び/またはその特性(例えば、減衰、単一の周波数共振、複数の周波数共振など)が捕捉される。技術者は、戻り信号及び/またはその特性を、その位置及びその所与の時点でのピング音に関連する較正点として格納する。戻り信号及び/またはその特性は、材料が構造完全性のベースライン状態を有するとみなされる時点に対応する較正シグネチャとして後で使用される。
【0256】
第一ステップ後のいずれかの後の時点で実行される第二ステップ(ステップ2122)では、技術者は、ピング音発信及びシグネチャ捕捉プロセスを繰り返して、構造部材内のスプリットリング共振器によって返されたその時点のデータを収集する。較正シグネチャとその時点のデータとの間の比較は、材料の完全性における変化を示す可能性がある。一方では、応答の変化1918は、圧縮の変化を示すにすぎない場合がある。経時的な圧縮の一定範囲の変化は、正常であるとみなされてもよく、通常の使用中に起こる可能性がある(例えば、地震などの地殻運動による応力下で構造が曲がる場合)。圧縮の変化を測定するための前述の技術に加えて、曲げの変化を測定することに関する、さらなる技術が本明細書に基づいて示される。部材の形状に関係なく、前述の技術、または本明細書で開示されるいずれかの関連技術を使用して、必要な情報を収集することができる。
【0257】
次に、較正点を較正シグネチャと比較する。2つの信号の差異が許容誤差閾値または公差の範囲外である場合(決定2124の「はい」の選択肢)、決定2124の「はい」の分岐が取られ、レポートが作成される(ステップ2126)。さらに、図22A1図22A3は、前述のものを適用する他の実施形態を示す。
【0258】
図22A1から図22A3は、一実施形態による、路側バリア内での1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器の使用を示すために提示されている。オプションとして、図22A1から図22A3は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、図22A1から図22A3は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0259】
示されるように、図22A1は、1つのスプリットリング共振器または複数のスプリットリング共振器を使用する、コンクリートバリア2206及び/または金属バリア2204、または場合によっては両方を含む道路2202を示す。路側バリアは、潜在的な車両事故(例えば、崖を越える、水域に突入するなど)の重大さを、バリア本体の形状を変形させることを可能にすることで、向かってくる車からの力を吸収し、車がその経路を進み続けるのを止めることによって、軽減することを目的とする。これが達成された後、バリアの材料の完全性が変化する可能性があり、場合によっては、材料の変形のため、交換される必要がある可能性がある。バリアの外側の物理的な態様が変化していないように見えても、衝撃の結果として、材料内に変形があることが原因で、バリアが弱くなっている可能性があるため、バリアが交換される必要があることがある。
【0260】
所与のバリアがいつ、どのくらいの頻度で交換される必要がある可能性があるかを決定するために、スプリットリング共振器は、図22A2(例えば、図19Aに示される技術の一例)に示されるように、コンクリートバリア内に配置されてもよい。基礎または構造体が養生されると、スプリットリング共振器を較正することができ、例えば2ステップ方式の技法によって、初期状態または較正シグネチャを収集することができる。第一ステップでは、技術者が信号発生器(または同様のツール)を操作し、信号発生器を選択した周波数に同調させて、コンクリートバリア内のスプリットリング共振器の近位に信号を発信する。スプリットリング共振器からの戻り信号及び/またはその特性(例えば、減衰、単一の周波数共振、複数の周波数共振など)が捕捉される。技術者は、戻り信号及び/またはその特性を、その位置及びその所与の時点でのピング音に関連する較正点として格納する。戻り信号及び/またはその特性は、材料が構造完全性のベースライン状態を有するとみなされる時点に対応する較正シグネチャとして後で使用される。
【0261】
同じことを、図22A3に表される金属バリアに適用することができる。またスプリットリング共振器は、ステップ2112の適用技法(例えば、超音波溶着)によって取り付けられてもよい。金属バリアに取り付けられると、スプリットリング共振器は、較正されることができ、以前の2ステップ技法を使用して初期状態または較正シグネチャを収集することができる。同様に、またレーストラックバリアも複数のスプリットリング共振器を使用して、図22Bに示されるバリアの完全性を監視することができる。
【0262】
当然のことながら、スプリットリング共振器が他の材料(図22A2のコンクリートバリア及び/または図22A3の金属バリア以外)に埋め込まれ得ることを理解されたい。これら他の材料は、限定ではないが、航空関連の実施形態(例えば、翼、着陸装置、飛行機コンポーネントなど)、航海関連の実施形態(例えば、セール、マスト、ブイ、構造用鋼など)、公益事業関連の実施形態(例えば、電力線構造体、送電線、配管など)、建設関連の実施形態(例えば、梁、コンクリートパイロンなど)、生物医学関連の実施形態(例えば、補綴物、インプラント、装具など)、プロスポーツ用品関連の実施形態(例えば、ヘルメット、保護パッド、手持ち用具、履物など)、鍛造または製錬関連の実施形態(例えば、金属、複合材料、合金など)、発電関連の実施形態(例えば、太陽電池アレイ、水力発電ダム、風力発電タービン、天然ガスの収容及び輸送など)、自動車関連の安全性及び/または性能の実施形態(例えば、エンジン性能、サスペンション、シャーシ及び車体の完全性など)、製造関連の実施形態(例えば、組み立て、3Dプリント、コンポーネントの合併、テストなど)、農業関連の実施形態(例えば、成長速度、温度制御、水分飽和、紫外光曝露など)、及び/または宇宙旅行関連の実施形態(例えば、エアロック性能、推進剤レセプタクルの完全性、発射効果公差の測定、飛行中のカプセル/機体のひずみなど)を含み得る。要するに、添着される、または組み込まれる材料の変形を決定するためのスプリットリング共振器の使用は、スプリットリング共振器が埋め込まれる及び/または添着されることができる、あらゆる用途に関連し得、スプリットリング共振器が添着される、または埋め込まれる基板は、あらゆる基板の変形が材料疲労のインジケーションであるのに十分に永続的な状態のものである。
【0263】
1つの具体的な例を挙げると、海洋用途の場合、掘削リグは高温及び腐食性の環境にさらされることが多い。これらのような状況は、主に金属疲労に起因する、ドリルパイプの不具合を引き起こすことが多い。一実施形態では、ドリルパイプ自体内にスプリットリング共振器を埋め込むことにより、ドリルパイプの不具合(及びそのような不具合から起こる固有の困難な事態)を引き起こす前に、金属疲労を検知することが可能になる。本明細書の説明と一貫して、ドリルパイプに埋め込まれたスプリットリング共振器を最初に較正し得、初期状態または較正シグネチャを収集することができる(2ステップ方式の技法と一貫性のある)。信号発生器(または同様のツール)は、信号発生器を選択した周波数に同調させて、ドリルパイプ内のスプリットリング共振器の隣に信号を発信し得る。戻り信号及び/またはその特性を捕捉し得、それらを、材料のその時点の状態での較正シグネチャとして格納し得る。その後(ステップ2116と一貫して)、刺激を適用し得(ステップ2118により)、応答を測定し得(ステップ2120により)、較正シグネチャと比較し得る(ステップ2122により)。刺激がユーザによって予め定められた任意の時間周期(例えば、毎分、毎日、毎週、毎月など)で適用され得ることを理解されたい。このようにして、ドリルパイプ内の変形(疲労亀裂、亀裂伝播などを示し得る)は測定され得、実際にドリルパイプの不具合を引き起こす前に検知され得る。
【0264】
図22Bは、一実施形態による、構造コンポーネントを示すレーストラック内で使用される路側バリア22B00を描写し、これら構造コンポーネントは、1つのまたは複数のスプリットリング共振器を配置することができる路側バリアを構成する。オプションとして、路側バリア22B00は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、路側バリア22B00は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0265】
一実施形態では、路側バリア22B00は、鋼及び発泡体エネルギー減少バリアを含み得る。示されるように、レーストラックは発泡吸収体(内部スプリットリング共振器2208を含む)の側にある。鋼及び発泡体エネルギー減少バリアは、特定のトラックの高速セクション内に使用され得、衝突時の運動エネルギーを吸収することで事故の重大性を軽減するだけでなく、車の衝突の場合に起こり得る危険から観客を隔離するように、及び/または危険物が観客に飛来するのを防止するように機能し得る。バリアが1つまたは複数の車に接触する場合、吸収されたエネルギーは壁の側面に沿って伝わり、車への損傷が軽減され、観客の怪我が防止される。
【0266】
さらに、1回以上の衝突後などのバリアの完全性を決定するために、または一定期間にわたるバリアの完全性を決定するために必要な情報を取得するために、スプリットリング共振器2212のアレイをパター鋼バリア2210の表面上及び/または内部のいずれかに配置することができる。例示的な場合には、スプリットリング共振器2212のアレイは、パター鋼バリアの前部及び後部内に配置されること、及び/または発泡吸収体内及び/またはセメント壁のいずれかの上または中に埋め込まれることができる。
【0267】
具体的な一実施形態では、スプリットリング共振器2212のアレイは、配置された後(例えば、内部スプリットリング共振器2208を含んだ発泡吸収体内に配置された後、及び/またはパター鋼バリア2210の外部または内部に配置された後、及び/または発泡吸収体の外部または内部に配置された後)、本明細書で詳述された2ステップ技法によって較正されることができる。
【0268】
第一ステップでは、技術者は、信号発生器(または同様のツール)を操作し、信号発生器を選択した周波数に同調させて、信号発生器は、内部または外部のスプリットリング共振器2008を含む発泡吸収体内にある、及び/またはパター鋼バリア2210の外部または内部にある、スプリットリング共振器の近位に信号を発信する。スプリットリング共振器からの戻り信号及び/またはその特性(例えば、減衰、単一の周波数共振、複数の周波数共振など)が捕捉される。技術者は、戻り信号及び/またはその特性を、その位置及びその所与の時点でのピング音に関連する較正点として格納する。戻り信号及び/またはその特性は、材料が構造完全性のベースライン状態を有するとみなされる時点に対応する較正シグネチャとして後で使用される。
【0269】
第一ステップ後のいずれかの後の時点で実行される第二ステップでは、技術者は、ピング音発信及びシグネチャ捕捉プロセスを繰り返して、構造部材内のスプリットリング共振器によって返されたその時点のデータを収集する。較正シグネチャとその時点のデータとの間の比較は、材料の完全性における変化を示す可能性がある。一方では、応答の変化1918は、圧縮の変化を示すにすぎない場合がある。経時的な圧縮の一定範囲の変化は、正常であるとみなされてもよく、通常の使用中に起こる可能性がある(例えば、地震などの地殻運動による応力下で構造が曲がる場合)。圧縮の変化を測定するための前述の技術に加えて、曲げの変化を測定することに関する、さらなる技術が本明細書に基づいて示される。収集したデータを分析した後、バリアの交換を決定することができるレポートを作成することができる。
【0270】
図23は、一実施形態による、コンクリートが所与の構造型枠に打設された後のコンクリート構造体の表面上に配置されたスプリットリング共振器の描写2300を示す。オプションとして、描写2300は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写2300は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0271】
示されるように、描写2300は、スプリットリング共振器(例えば、スプリットリング共振器1904、スプリットリング共振器1904、スプリットリング共振器1904)を含み、これらは、コンクリートが所与の構造型枠内に打設された後、コンクリート構造体(例えば、柱部または壁部1908)の表面上に配置される。これらのようなスプリットリング共振器(例えば、示された表面に塗着されたスプリットリング共振器2302)の配置は、場合によっては打設して養生させてから時間を置いて、また場合によっては建物が柱部及び/または壁部を使用して建設されてから時間を置いて、「レトロフィット」として行われることができる。表面に塗着されたスプリットリング共振器2302を構造体に添着する建設、配置、及び手段は、任意の既知の技術を使用して達成されることができる。例えば、このような表面に塗着されたスプリットリング共振器2302は、ロール内の基板上にプリントされる、またはシルクスクリーンプリントされることができ、その基板のロールまたはその一部は、場合によっては接着剤を用いて柱部または壁部の表面に、塗着されることができる。場合によっては、基板がリフトオフされ、表面に塗着されたスプリットリング共振器2302が柱部または壁部の表面に添着されたままになる。場合によっては、表面に塗着されたスプリットリング共振器2302を鉄筋上に直接プリントすることができる。場合によっては、表面に塗着されたスプリットリング共振器2302は、インクジェットまたはバブルジェット(登録商標)プリンタを使用して基板上にプリントされることができる。場合によっては、表面に塗着されたスプリットリング共振器2302は、オフセットまたはプリント加工(例えば、多色オフセット印刷)を使用して基板上にプリントされることができる。場合によっては、表面に塗着されたスプリットリング共振器2302は、グラビア印刷技術を使用して基板上にプリントされることができる。
【0272】
較正及びテストモジュール2301は、表面に塗着されたスプリットリング共振器2302が存在するいずれかの位置の近位に配置されることができる。発信したRF信号210の存在と、対応する戻りRF信号212の存在との特定の組み合わせに基づいた1つ以上の較正シグネチャは、ネットワークを介して上流コンポーネント113に通信されることができる。厳密に、この実施形態及び他の実施形態に関連する例として、上流コンポーネントには、構造体の継続的な検査及び分析を実行するモジュール、早期警告システムの機能を果たすために結合されるモジュール、ガバナンスに適合するモジュール、及び/またはいずれかの規制報告要件に適合するモジュールが含まれてもよいが、これらに限定されなくてもよい。
【0273】
スプリットリング共振器を作製して使用するための前述の技術はいずれも組み合わされることができる。たとえば、表面に塗着されたスプリットリング共振器は、路側バリア及び/またはそのコンポーネントの表面上にレトロフィットされることができる。加えて、例えば、上流コンポーネントには、レーストラック安全監視ユニットが含まれる場合がある。さらに、スプリットリング共振器の第一幾何学的形状(例えば、同心リング)のスプリットリング共振器は、第二幾何学的形状(例えば、同心シリンダ)のスプリットリング共振器と組み合わされる(例えば、近位に並置される)ことができる。厳密には、さらに別の実施形態として、鋼で作られた路側バリア及び/または別の導電材料の鋼で作られた他のバリアコンポーネントは、路側バリアの表面上に配置されるいずれかの1つ以上のスプリットリング共振器から(例えば、接着剤によって)誘電体として分離される導電層として機能することができる。
【0274】
前述のように、意図した構造部材を形成する基材(例えば、セメント打設など)内にスプリットリング共振器を組み込む、またはその他の方法で埋め込むさまざまな方法が開示されている。さらに前述のように、スプリットリング共振器を構造部材(例えば、自動車内のステアリング機構のタイロッドなど)の表面の上に添着するさまざまな方法が開示されている。加えて、本明細書でも説明されるように、RF「ホーン」を使用して特定の信号を発信し、埋め込まれたスプリットリング共振器の応答を測定することも想定される。
【0275】
いくつかの方法には、スプリットリング共振器を(場合によってはプリントされた)「接地面」上に配置して、組立体を形成し、構造部材の表面上に塗着することが含まれる。これにより、広範囲のEMにわたってスプリットリング共振器の感度が大幅に高まり得る。
【0276】
前述の方法は、現在の応答/シグネチャを以前に取得した較正応答/シグネチャと比較してから、2つのシグネチャ間の差異をクラス分類するだけで、静的非破壊テストをサポートする。さらに特に、シグネチャ間で明らかな特定の差異は、対応する物性の変化に相関されることができる。場合によっては、物性の変化は経年変化(例えば、脆化)を示す。場合によっては、物性の変化は、伸縮、圧縮、他の変形などを示す。
【0277】
場合によっては、物性の変化は、動的に変化する特性の変化(例えば、振動)を示す。以前に取得された一連の較正応答/シグネチャに対する、動的に取得された一連の応答/シグネチャの一連を捕捉することで、動的な非破壊テストがサポートされる。2セットのシグネチャ間で明らかな差異は、周期的変形などの物性の変化に相関されることができる。場合によっては、物性の変化は経年変化を示す(例えば、弾性変形曲線の変化)。場合によっては、読み取り値の間で発生する物性の変化、及び/または一連の読み取り値を別の一連の読み取り値と比較するときに測定される物性の変化は、弾性変形対塑性変形を示すことができ、これは差し迫った不具合を示す場合がある。厳密には一例として、測定された弾性曲線(例えば、一連の読み取り値に基づいている)が、不具合イベントに先立つものとして指定された弾性曲線の領域に似ているとき、コンポーネントの差し迫った不具合を示す可能性がある。
【0278】
図24Aは、一実施形態による、互いに接触している炭素含有樹脂及び炭素繊維の互層を含む感知積層体24A00を示す。オプションとして、感知積層体24A00は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、感知積層体24A00は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0279】
示されるように、感知積層体24A00は、炭素含有樹脂2404、炭素繊維2402、炭素含有樹脂2404、及び炭素繊維2402を含む(順次)、互いの上に配置される複数の層から構成される概略的な側断面図を含む。一実施形態では、感知積層体24A00は、図24A図24Cに示されたものに関連して説明される、いずれかのセンサを表すことができる。「樹脂」という用語(高分子化学及び材料科学では)は、一般に、ポリマー(多くの繰り返されたサブユニットから構成される大分子または巨大分子)に通常変換可能である、プラントまたは合成由来の固体または高粘性物質を指す。合成樹脂は、工業的に製造された樹脂であってもよく、通常、硬化の過程で剛直高分子に変換される粘性物質であってもよい。硬化を受けるために、樹脂は、通常、アクリレートまたはエポキシドなどの反応性末端基を含む。「炭素繊維」という用語は、直径が約5~10マイクロメートル(μm)であり、ほとんどが炭素原子から構成される繊維を指す。炭素繊維には、硬直性が高く、引張強度が高く、重量が軽く、化学物質に対する耐性が高く、高温に耐性があり、熱膨張が低いという、いくつかの利点がある。
【0280】
炭素含有樹脂2404、炭素繊維2402、炭素含有樹脂2404、及び炭素繊維2402のうちのいずれか1つ以上は、前述の炭素含有微細構造体のうちのいずれか1つ以上の特異的な濃度レベルを組み込むことによって、RF信号がピング音を発信すると、1つ以上の特異的な共振周波数を実証する、または示すように同調することができる。感知積層体は、炭素含有樹脂2404、炭素繊維2402、炭素含有樹脂2404、及び炭素繊維2402のうちのいずれか1つ以上の任意の構成、配向、順序、または層、及び/または類似または非類似の材料を含む少数の層または追加の層を含むことができる。追加の樹脂層は、追加の炭素繊維層の間に介在して層にされることができる。
【0281】
各炭素含有樹脂層は、異なる所期の、または所望の同調周波数で共振するように別々に配合されることができる。材料共振の物理現象は、対応する分子組成に関して説明されることができる。例えば、第一分子構造などの規定された第一構造を有する層は第一周波数で共振するが、異なる第二分子構造を有する層は異なる第二周波数で共振することができる。
【0282】
特定の分子構造を有し、層内に含まれる材料は、その層が低エネルギー状態にある場合に第一同調周波数で共振し、その層内の材料が誘起された高エネルギー状態にある場合に異なる第二周波数で共振する。例えば、特定の分子構造を示す層内の材料は、その層が自然の変形されていない低エネルギー状態にある場合に3GHzで共振するように同調することができる。対照的に、その同じ層は、層がその自然の変形されていない低エネルギー状態から少なくとも部分的に変形されている場合に2.95GHzで共振することができる。その結果、この現象は、例えば、舗道などの路面に接触して、ある特定の局所的な接触領域で激しい摩耗を受けるタイヤの表面などに対するごくわずかな異常でも、高い忠実度及び精度で検知する必要性に対応するように調整されることができる。要求の厳しいレースサーキット(急カーブ及び急激な高低変化を特徴とする高度に技術的で風の強いトラックを指す)でレースするレースカーは、時間に制約のあるレース当日の条件でも、情報に基づいたタイヤ交換の決定を行うために、そのような局所的なタイヤ摩耗または劣化情報から利益を得ることができる。本明細書で説明されるように、この現象は、スプリットリング共振器を基板内に統合する、または基板に添着することができる、あらゆる状況及び/または用途に適用され得る。
【0283】
図24B1及び図24B2は、一実施形態による、炭素含有RF同調共振材料を含む感知積層体によって示されるような周波数シフト現象を示す。オプションとして、図24B1及び図24B2は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、図24B1及び図24B2は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0284】
上記を参照して周波数シフト現象(図24Aに関して、3GHzの周波数での共振から2.95GHzへの遷移など)が示され、図24B1図24B2を参照して議論される。図24B2は、炭素含有同調共振材料を含む感知積層体に示されるような周波数シフト現象を描く。
【0285】
一般的に理解されるように、原子は所与の元素に対して固有振動数で電磁放射を放出する。すなわち、特定の元素の原子は、その原子の特性に対応する固有振動数を有する。例えば、セシウム原子が刺激されると、価電子は低エネルギー状態(基底状態など)から高エネルギー状態(励起エネルギー状態など)に跳ね上がる。電子は、その低エネルギー状態に戻ると、光子の形態で電磁放射を放出する。セシウムの場合、放出される光子は、9.192631770THzでマイクロ波周波数範囲内にある。複数の原子で形成される分子など、原子よりも大きい構造も、予測可能な周波数で共振する(電磁放射を放出することなどによって)。例えば、バルク内の液相の水は109.6THzで共振する。張力がかかっている水(バルクの表面、さまざまな表面張力状態などで)は、112.6THzで共振する。炭素原子及び炭素構造体もまた、その構造体に依存する固有振動数を示す。例えば、カーボンナノチューブ(CNT)の固有共振周波数は、CNTのチューブの直径及び長さに依存する。チューブの直径及び長さを制御するように制御された条件下でCNTを成長させると、構造体の固有共振周波数が制御されるようになる。したがって、CNTを合成する、またはその他の方法で「成長させる」ことは、所望の共振周波数に同調させるための1つの方法である。
【0286】
炭素で形成される他の構造体は、制御された条件下で形成されることができる。それらのような構造体は、カーボンナノオニオン(CNO)、炭素格子、グラフェン、炭素含有強集合体または弱集合体、グラフェン系の、その他の炭素含有材料、人工ナノスケール構造体など、及び/またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されず、それらのうちのいずれか1つ以上は、本開示の実施態様による車両コンポーネントのセンサに組み込まれている。それらのような構造体は、特定の同調周波数で共振するように形成されることができる、及び/またはこれらのような構造体は、所望の特徴または特性を取得するように後処理で変更されることができる。例えば、高い補強値などの所望の特性は、材料の組み合わせの選択及び比率によって、及び/または他の材料の追加によってもたらされることができる。さらに、それらのような複数の構造体の並置は、さらなる共振効果を導入する。例えば、2枚のグラフェンシートは、ある周波数でそれら自体の間で共振することができ、この周波数は、長さ、幅、間隔、間隔の形状及び/またはシートの他の物性及び/またはそれらの互いの並置に依存する。
【0287】
当該技術で知られているように、材料は特異的で測定可能な特性を有する。これは、天然に存在する材料だけでなく、人工炭素同素体にも当てはまる。それらのような人工炭素同素体は、物性を示すように同調することができる。例えば、炭素同素体は、(a)構成一次粒子の特定の配置、(b)強集合体の形成、及び(c)弱集合体の形成、に対応する物性を示すように設計されることができる。これらの物性のそれぞれは、対応する特定の炭素同素体を使用して形成される材料の特定の共振周波数に影響する。
【0288】
特定の共振周波数に対応する特定の物理的配置に特定の炭素系構造体を同調させることに加えて、炭素含有化合物を特定の共振周波数(または共振周波数セット)に同調させることができる。共振周波数セットは、共振プロファイルと称される。
【0289】
図24B1は、第一周波数に共振する第一炭素含有構造体を示し、これは、コンデンサC及びインダクタLを含む等価電気回路に相関されることができる(なお、以下に提供される式3の文脈もまた、特に本明細書の上記に、図2関して、及び/または図18A図18Yの炭素含有構造体に関して見いだされることができる)。周波数fは、次式で与えられる。
【数5】
【0290】
図24B2は、図24B1の同じ第一炭素含有構造体のわずかな変形を示す。変形は、物理的構造体に変化を引き起こし、同様に、その構造体のインダクタンス及び/または静電容量を変化させる。これらの変化は、コンデンサC及びインダクタLを含む等価電気回路に相関されることができる。周波数fは、次式で与えられ得る。
【数6】
【0291】
図24B3は、一実施形態による、偏向関数としてRF共振における理想的な変化を示すグラフ24B300である。オプションとして、グラフ24B300は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、グラフ24B300は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0292】
示されるように、グラフ24B300は、偏向関数として測定された共振における理想的な変化を示す。オプションとして、グラフ24B300の1つ以上の変形形態、またはそれらのいずれかの態様は、本明細書に記載の実施態様に照らして実行されることができる。グラフ24B300(またはその任意の態様)は、任意の環境で実行されることができる。
【0293】
図24B3に示される実施態様は、一例にすぎない。示されているグラフは、変形の1つの態様、具体的には偏向を示す。部材または表面が偏向による変形(湾曲など)を受ける場合、変形は、RF信号などの信号によってピング音が発信されると、部材の示された共振周波数を変更することができる。その湾曲の形状は、部材または表面を形成する積層体の特性など、部材の特性に依存することができる。この湾曲は小さな変動で急勾配になることができるが、偏向が最大に達すると湾曲は平らになる。さらに、湾曲の形状は、積層体の層の数、炭素構造体の幾何学的形状、炭素が積層体にどのように結合されるかなどに部分的に依存する。
【0294】
図24B4は、一実施形態による、4層及び5層の積層体についてのRF共振における変化を示すグラフ24B400である。オプションとして、グラフ24B400は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、グラフ24B400は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0295】
示されるように、グラフ24B400は、4層の積層体292及び5層の積層体294についての共振における変化を示す。オプションとして、グラフ24B400の1つ以上の変形形態、またはそれらの任意の態様は、本明細書に記載の材料及びシステムに実装されることができる。記載の積層体などの材料は、多くの用途に展開されることができる。1つの特定の用途は、表面センサについてのものであってもよく、これらの表面センサは、車両全体を通して多くの位置の中に、それらの上に、またはそれらを越えて展開されることができる。それらのような展開の一例は、図24Cに関連するものとして示され、説明され得る。
【0296】
図24Cは、一実施形態による、車両24C00の領域における表面センサ展開を示す。オプションとして、車両24C00は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、車両24C00は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0297】
示されるように、車両24C00は、車両の選択された位置における例示的な表面センサ展開を示す。それらのような例示的な表面センサ展開、またはそれらの任意の態様は、雪、みぞれ、雹などの任意の可能な外部環境条件に曝露される車両の内に、またはその上に実装されてもよい。
【0298】
同調した共振感知炭素含有材料は、車両のさまざまな外面内の耐久性のあるセンサという観点から、自動車の特徴、表面、及び/またはコンポーネント中に組み込まれる、またはそれらと結合されることができる。示されるように、車両は、車両のフロントフェアリング(フードなど)、車両の支持部材、及び車両のルーフの上に表面センサを備える。車両の前述の位置のそれぞれは、車両の動作中に応力及び付随する変形を受けることがある。例として、フロントフェアリング上の表面センサは、車両動作中(前進運動中など)に空気圧変化を受ける。空気圧の力の下で、表面を構成する材料は、わずかに変形し、図24B1及び図24B2に関連して記載される現象に従って、材料の変化または変形の程度に比例した材料の共振周波数における変化を示すことができる。そのような変化は、前述の「ピング音」及び観測技法を使用して検知されることができる。
【0299】
観測された発信信号は、特定の材料または表面についてのシグネチャをまとめて規定することができ、さらにクラス分類されることができる。信号の特異的な特性を比較及び測定のために分離し、特異的な分離された特性に対応する較正点を決定することができる。したがって、車両を取り巻く環境の態様を正確かつ確実に決定することができる。
【0300】
例えば、表面センサの変形によって周波数が3GHzから2.95GHzにシフトする場合、その差を較正曲線にマッピングすることができると、空気圧についての値を得ることができる。パネル、ルーフ、フード、トランク、またはエアフォイルコンポーネントなどの車両コンポーネントは、比較的大きな表面積を提供することができる。これらのような場合、トランシーバアンテナをコンポーネントの観測可能な側に配設することができる。いくつかのトランシーバアンテナをアレイに配設することができ、このアレイの各要素は大きな表面積のセクションに対応する。各トランシーバアンテナは、示されるような表面センサ展開24C00のホイールウェル上に、またはホイールウェル内に設置されることができ、ピング音/チャープ音によって独立して刺激されることができる。場合によっては、アレイの各要素を順次刺激することができるが、他の場合には、アレイの各要素を同時に刺激する。車両の空気力学は、シグネチャ戻り値を近位アレイ要素と区別するために用いられる信号処理によって、広い表面積にわたって測定されることができる。
【0301】
特定のアレイ要素からのシグネチャ戻り値は、他の環境条件及び/または他の感知データに関して分析されることができる。例えば、エアフォイルコンポーネントの特定部分の偏向は、エアフォイルコンポーネントの異なる部分の偏向と比較されてもよく、次に、その時の温度、及び/またはその時のタイヤ空気圧、及び/または車両またはその環境のいずれかの他の感知された態様に関して分析されてもよい。これまでに説明されるように、共振器回路(図24B1及び図24B2に示されるような)は車両の表面パネル内に共振器を配置する(図24Cに示されるような)ことによって実装されることができる。他の実施形態の配置は、車両の表面全体に共振器(例えば、スプリットリング共振器)を配置することができるように特異的に同調される。車両の状態を現時点で分析するために、さまざまなサイズの表面センサのアレイまたはマトリックスを車両全体の多くの位置の内に、またはそれらの上に展開することができる。このような展開の1つは、本明細書の以下に説明される、例えば図29に見いだされ得る。
【0302】
図25Aは、一実施形態による、車両と、道路アスファルト内及び/または路面上に配置されたスプリットリング共振器との間のインタラクションの描写2500を提供する。オプションとして、描写2500は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写2500は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0303】
示されるように、描写2500は、車両2502、路面内及び/または路面上に配置されたスプリットリング共振器2504、及び路面と車両のインタラクション2506を含み得る。一実施形態では、描写2500は、タイヤスティクション(及び/または転がり摩擦)を決定するために使用され得る。たとえば、道路との静的接触を維持すると、車両の制御が可能になる(一方、道路との静的接触が失われると、車両の制御が失われ得る)。スプリットリング共振器2504は、タイヤ(及び/または界面)スティクション(タイヤトレッドの厚さの関数として)を測定するために使用され得る。タイヤスティクションを決定するためのプロセスについては、図27を参照して以下でより詳細に説明する。
【0304】
図25Bは、一実施形態による、タイヤ内またはタイヤ上に配置されたスプリットリング共振器をどのように使用してタイヤスティクションを測定することができるかの描写を提供する。オプションとして、描写2500は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写2500は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0305】
示されるように、描写2501は、車両2502、タイヤ内及び/またはタイヤ上に配置されたスプリットリング共振器2503、及びタイヤインタラクション2505を含み得る。一実施形態では、描写2501は、タイヤスティクション(及び/または転がり摩擦)を決定するために使用され得る。たとえば、タイヤ内及び/またはタイヤ上に位置しているスプリットリング共振器2503は、タイヤ(及び/または界面)スティクション(タイヤトレッドの厚さの関数として)を測定するために使用され得る。
【0306】
さまざまな実施形態では、路面内及び/または路面上に位置しているスプリットリング共振器2504、及びタイヤ内及び/またはタイヤ上に位置しているスプリットリング共振器2503を使用して、路面に対するタイヤの実際のスティクションを測定してもよく、路面上のタイヤの実際の厚さを測定してもよい。これらのような測定は、車両2502が動作中であってもリアルタイムで行われ得る。このようにして、スプリットリング共振器2504及び2503が電子機器(不具合及び他の機械的問題が発生しやすい)に依存していないことから、タイヤスティクションを、高い正確度で連続して(またはほぼ連続して)測定し得る。
【0307】
一例として、カーレース業界では、車両2502が走行中に、スプリットリング共振器(タイヤなどの車内及び/または車上、及び/または道路内及び/または道路上に位置している)は、タイヤスティクションに関するリアルタイムの誘電率のデータを運転者及びピットクルーにリアルタイムに提供し得る。このようなリアルタイムデータにより、タイヤがどのように路面に応答しており、路面とインタラクトしているかについての即時フィードバックが可能になり、運転者及びピットクルーが車両(例えば、タイヤトレッドタイプ、タイヤへの動力供給、ウィンドシールド、ウィング、スポイラーなど)を調整及び微調整することが可能になり、タイヤスティクションが大きくなることが可能になる(最小限で車両の制御及び性能を最大にすることが可能になる)。当然のことながら、タイヤスティクションを確保するために、車両のいずれかの他の微調整を実行し得る。
【0308】
一実施形態では、スプリットリング共振器2504及び2503は、機能のために電子機器に依存していないことから、低コストのセンサであり得る。このように、スプリットリング共振器2504及び2503は、リアルタイムのデータ収集を(より高い正確度で)改善し得るだけでなく、現在の代替品よりも低コストでもあり得る。
【0309】
図26は、一実施形態による、道路アスファルト内及び/または路面上に配置されたスプリットリング共振器の配置2600を示す。オプションとして、配置2600は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、配置2600は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0310】
示されるように、配置2600は、車両2602、スプリットリング共振器2604、及び車両インタラクション2606を含む。スプリットリング共振器2604の位置(図26内に示されるように)は任意である。これらのようなスプリットリング共振器2604の位置に関する重要な点は、それらが路面の内または上のあらゆる位置に配置され得ることである。一実施形態では、図26は、より多くのスプリットリング共振器2604を(データ収集の増加及び性能の微調整のために)必要とし得る、レースカートラックに適用し得る。対照的に、通常の幹線道路または街路の上など、他の用途では、スプリットリング共振器2604の位置は、より大きい間隔で置かれ得る(性能の微調整を必要とし得ないため)。
【0311】
本明細書で説明されるように、スプリットリング共振器2604を使用して、タイヤスティクションに関するデータを収集し得る。このようなデータを使用して、車に関連するパラメータを変更し得る。さらに、そのようなデータを(車両及び/または道路の)安全のために使用し得る。例えば、スプリットリング共振器2604によってリアルタイムのスティクションレベルが低下した(トラクションの損失を示す)と決定された場合、交通情報は、他の運転者に危険な道路状況を即時に警告し得る(同様に、トラクションの損失を検知した領域の内及び/または周囲の制限速度を低下させ得る)。このようにして、スプリットリング共振器2604は、交通管理及び/または安全のために使用され得る。
【0312】
さらに、タイヤ内及び/またはタイヤに位置しているものなど(スプリットリング共振器2503など)、スプリットリング共振器は、従来のアンチロックブレーキシステム(一般的には、タイヤが回転を停止したかどうかを決定するためにホイール速度センサ及び車両速度センサに依存する)の代替として使用され得る。スプリットリング共振器2503は、より少ないレイテンシで(ミリ秒など、検知時間から制御モジュールへの報告時間までの間に)、より正確なデータを提供し得る。さらにまた、スプリットリング共振器2503が(従来のセンサシステムとは対照的に)機能するために電子機器に依存しないため、エラー及び不具合が起こりにくくなる。
【0313】
別の実施形態では、スプリットリング共振器2604を使用して、運転者の能力を決定しても、及び/または運転者のパフォーマンスを追跡してもよい。たとえば、過度に熱狂的な運転者が急加速する場合、または攻撃的な運転者が強引にブレーキをかける場合、そのようなデータを使用して(運転者のパフォーマンスの)運転者プロファイルを作成し得る。トレーニング中の(そして客観的なデータフィードバックを必要とする)運転者の場合、そのようなデータを使用して、運転者のトレーニングを支援し得る(より快適な運転方法を学習し得る)。さらに、そのようなデータは自動車保険キャリアに紐づけられ得、その場合、優遇レートは、あまり攻撃的でない運転履歴の傾向に関連付けられ得る。
【0314】
このように、スプリットリング共振器2604は、タイヤスティクションの測定を使用して、車両をより良く制御し得る(車両と路面との間のトラクションを確保し得る)様々なシナリオで使用されるだけでなく、収集されたそのようなデータに基づいて、安全性、運転者のトレーニング、保険キャリアのレートなどにも使用され得る。
【0315】
図27は、一実施形態による、タイヤスティクションを決定するためのプロセスを表すフローチャート2700である。オプションとして、フローチャート2700は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、フローチャート2700は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0316】
示されるように、フローチャート2700は、タイヤトレッドの厚さを決定することから始まる(ステップ2702)。次に、現在の測定値を決定する(ステップ2704)。たとえば、現在の測定値には、タイヤが道路に接触する点でのスプリット-リング共振器の変形が含まれてもよい。このような変形を(周波数シフト形式で)測定し得、アンサンブル効果(変形を引き起こす作用に関連するもの及び/またはその作用によって影響されるもの)によって、水、タール、ブラックトップ(アスファルト)、コンクリートなどを含むがこれらに限定されない、周囲の誘電率を追跡し得る。現在の測定値がベースライン測定値とマッチングする場合(決定2706による)、方法はステップ2702に戻り、タイヤトレッドの厚さを決定し、ステップ204では屈折率を決定する。屈折率がマッチングしない場合(決定2706による)、方法2700はステップ2708に進み、マッチングを達成するように車両を調整する。
【0317】
一実施形態では、屈折率は、タイヤ層ごとに反射率を測定することと(屈折率を使用し得る)、各タイヤ層の誘電率を決定することとに関連し得る。タイヤスティクションが高いとき、トレッドの厚さ(したがって、反射率及び誘電率)は比例して増加する。タイヤスティクションが失われた場合(すなわち、トラクションが失われた場合)、タイヤトレッドの厚さに関してミスマッチ(すなわち、反射率及び誘電率が比例しない)が存在する。このように、タイヤトレッドの厚さを使用して、屈折率(したがって、反射率)及び誘電率の関数としてタイヤスティクションを決定することができる。
【0318】
さらに、複合材料(特にタイヤ、アスファルト、プラスチック、ゴム、金属合金など)の屈折率のミスマッチを使用して、スティクションレベルの散乱パラメータ(またはSパラメータ、散乱行列の要素など)の変動を検知してもよい。これらのような散乱パラメータは、タイヤ(または車両、車両コンポーネント、路面など)の内または上に配置された1つ以上のスプリットリング共振器を(無線信号によって)刺激することに関連し得る。これらのような1つ以上のスプリットリング共振器を使用して、タイヤトレッドの厚さの即時読み取り値を取得し得る(これを使用して、本明細書で上述されるように、タイヤスティクションを決定し得る)。
【0319】
さらに、スプリットリング共振器を(タイヤスティクションを決定するための基礎として)使用することにより、機能するために電子機器に依存しない、非常に経済的な小型フォームファクタのソリューションが提供される。したがって、これらのような要因と低レイテンシで高い正確度との組み合わせにより、スプリットリング共振器は多くの用途に実行可能なソリューションとなる。
【0320】
図28は、一実施形態による、測定された周波数とトレッドの厚さとの間の相関2800を示す。オプションとして、相関2800は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、相関2800は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0321】
示されるように、タイヤ2802は、(タイヤ1002と一貫性のある方法で)複数の1つ以上のタイヤベルトプライを含む。タイヤ2802内に組み込まれた炭素系微細構造体は、スプリットリング共振器を含み得る。これらのようなスプリットリング共振器は、固有共振(約1.0GHzなど)を有し得、外部条件(タイヤの駆動など)に応じて、タイヤ2802が変形しても、及び/またはその他の方法で変化してもよい。タイヤ2802内の変形及び/または変化は、スプリットリング共振器の周波数応答として(応答減衰に関して)測定され得る。
【0322】
周波数応答はモデル2804に示される。一実施形態では、モデル2804は、タイヤとの間のインピーダンス分光エネルギーと相関し得る。このようなエネルギー(周波数の観点から測定)を使用して、タイヤスティクションを決定し得る。例えば、タイヤ2802のタイヤ厚さは、自然状態と使用中の走行状態との間などで変化する可能性がある。使用中の走行状態の間、タイヤ2802は、路面とのスティクション(及びトラクション)を有し得る。そのような(タイヤスティクションを有する)状態は、周波数モデル(一例では、モデル2804に示される)のマッチングと相関され得る。しかしながら、タイヤスティクションが失われると(すなわち、タイヤトラクションの損失が起こると)、対応するモデル2804はマッチングしなくなる可能性がある。たとえば、スティクションが失われると、誘電率は急速に低下する可能性がある。異なる条件下でスティクションが働く程度を較正すると、その時点での読み取り値(及び読み取り値の変化)の比較が可能になり、それらの読み取り値が較正曲線と比較され得る。
【0323】
このように、インピーダンス分光法を使用して、タイヤの内または上にあるスプリットリング共振器の周波数サンプルを測定し得る。相関2800がタイヤの一実施形態に関して示されているが、他の用途(例えば、自動車コンポーネント、自動車スキン、路面状態、金属疲労状態、建設材料などに関連したもの)も同様の方法で想定されることを理解されたい。
【0324】
このように、スプリットリング共振器は、材料(配線などの内部コンポーネントまたは道路アスファルトなどの外部コンポーネントを含む)の内及び/または上に配置され得、それらスプリットリング共振器を使用して、材料(スプリットリング共振器がその内及び/または上に配置されている)に関する情報を提供することができる。
【0325】
図29は、一実施形態による、個別に設定されたスプリットリング共振器のアレイが配置される車両表面のセクション2900を示す。オプションとして、セクション2900は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、セクション2900は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0326】
示されるように、車両表面のセクション2902は、車両の動作中に応力及びそれに伴う変形を受け得、スプリットリング共振器(スプリットリング共振器)(図29ではF11、F12、F13、F21、F22、F23、最大FNNとして示される)を使用して、それらのような環境応力及び変形下で材料内で起こり得る変化を検知することができる。スプリットリング共振器は車両の海綿状材料(例えば、車両のビニル製ラップ)上にプリントまたは塗着されてもよく、及び/または共振器と海綿状材料との組み合わせは車両全体または関心対象の車両表面のセクション全体に配置されてもよい。
【0327】
例えば、フロントバンパー上のスプリットリング共振器は、車両の動作中、空気圧の変化を受け得る(例えば、前進運動中、したがって車両のこのセクション上に下向きの力が発生し得る)。空気圧の力の下で、表面を構成する材料はわずかに変形することができ、図24B1及び図24B2に関連して説明された現象に従って、材料の変化または変形の程度に比例した材料の共振周波数の変化を示すことができる。すべてのスプリットリング共振器が同時に共振している間、複数のスプリットリング共振器のうちの1つにおける差異、または複数のスプリットリング共振器における差異はピッチの変化によって決定されることができ、このピッチの変化は、ホーン/受信器または同様のデバイスによって全体または部分的に実装され得るような、刺激/応答比較器によって検知されることができる。
【0328】
車両表面2902上のスプリットリング共振器のアレイまたはマトリックス、及び構成要素は、アレイの構成要素の部材のいずれかの周波数応答が隣接するスプリットリング共振器と衝突しないように構成される。そのような配置の1つを図30に関連して示し、描写する。
【0329】
図30は、一実施形態による、周波数ビン内のスプリットリング共振器の配置3000を示す。オプションとして、配置3000は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、配置3000は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0330】
示されるように、スプリットリング共振器(F11、F21、最大FNNとして示される)は、それぞれ周波数ビン内に存在し得る。スプリットリング共振器を含む表面が偏向によって変形する場合、正の偏向または負の偏向はスプリットリング共振器の物性を変化させることができることにより、部材の固有の中心周波数を変化させることができる。部材の周波数応答の変動は図30にΔ記号で表される。この共振周波数の変化は、示されるように、その最大値であっても、隣接するスプリットリング共振器と衝突し得ない。経時的に周期的偏向を測定すると、周期的な応力(例えば、バフェッティング)が車両表面上に発生する場合、その検知が容易になる。時間に基づいた偏向の変動を検知するためのそのような一例は、図31に関連して示され、説明される。
【0331】
図31は、一実施形態による、共振周波数の時間に基づいた変動によって示される、偏向の時間に基づいた変動の検知のチャート3100を示す。オプションとして、チャート3100は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、チャート3100は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0332】
示されるように、チャート3100は、スプリットリング共振器の周期的偏向の進行中の測定による偏向の時間に基づいた変動の検知を示し、これにより、車両の所与の制御面上の圧力の分析を実行することが可能になってもよい。例えば、車両の制御面全体にスプリットリング共振器のアレイを配置する前述の技術を、その制御面の個々のスプリットリング共振器からの結合された戻りを分析する技術と組み合わせることにより、周期的な応力(例えば、バフェッティング)を受ける、その表面の領域の識別が可能になってよい。場合によっては、物性の変化は、比較的高い周波数で、動的に変化する特性の変動(例えば、振動)を示す。動的に取得された一連の応答/シグネチャの一連を捕捉して、以前に取得された一連の較正応答/シグネチャなどと比較することにより、動的な非破壊テストが容易になり得る。2セットのシグネチャ間で明らかな差異は、周期的変形(たとえば、バフェッティング)などの物性の変化に相関され得る。
【0333】
図32は、一実施形態による、炭素含有同調共振材料から形成されるセンサから受信する信号を処理するシグネチャクラス分類システム3200を示す。オプションとして、シグネチャクラス分類システム3200は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、シグネチャクラス分類システム3200は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0334】
一実施形態では、シグネチャクラス分類システム3200は、あらゆる物理環境で実装されることができる。より具体的には、シグネチャクラス分類システム3200は、信号(シグネチャなど)をクラス分類する方法の一例を示す。示されるように、操作3202では、選択されたピング周波数のピング信号を伝送する。ピング信号発生機構及びピング音伝送機構は、任意の既知の技法で実施されることができる。例えば、送信器モジュールは、3GHzの選択された周波数を発生し、1つのホーンまたは複数のホーン及び複数の受信アンテナを使用してその信号を発信することができる。同調アンテナの設計及び位置は、ピング音の強度が近接センサ内の共振(RF)を誘起するのに十分であるような、いずれかの同調アンテナの幾何学的形状、材料及び/または位置に対応することができる。いくつかの実施形態では、いくつかの同調アンテナは、対応するセンサの近くにある構造部材の上または内に配置される(例えば、ホイールウェルまたは車両のいずれか1つ以上の上及び/または内に取り付けられる)。このように、近位の表面センサは、ピング音によって刺激されると、共振してシグネチャと共に戻され得る。操作3204では、そのシグネチャを受信して、データセットに格納し、このデータセットは受信したシグネチャ3210を含むことができる。ピング音の送信と、それに続くシグネチャの受信のシーケンスをループ内で繰り返し、1セットの較正信号を捕捉することができると、較正点3212として格納し得る。
【0335】
ピング周波数は、決定3206を繰り返し通過する際に変更されることができる(操作3208では)。したがって、操作3202がループ内で(決定3206を介して)実施されると、操作3204は、シグネチャ3210(第一シグネチャ3210、第二シグネチャ3210、最大第Nシグネチャ3210を含む)を受信して格納することができる。反復回数は、決定3206によって制御され得る。決定3206の「いいえ」分岐が得られるとき(例えば、反復ループ中に送信するさらなる追加のピング音がないとき)、受信したシグネチャは、デジタル信号処理モジュールに提供される(操作3214)ことができる。デジタル信号処理モジュールは、1セットの較正点3212に対してシグネチャをクラス分類する(操作3216)。較正点は、特定のピング周波数に対応するように構成されることができる。例えば、較正点3212は、いずれかの整数値「N」の較正点に対して、3GHz近くの第一ピング音及び第一戻りシグネチャに対応することができる第一較正点3212、2GHz近くの第二ピング音及び第二戻りシグネチャに対応することができる第二較正点3212などを含むことができる。
【0336】
操作3220では、クラス分類された信号を車両中央処理装置に送信する。クラス分類された信号を車両中央処理装置(例えば、車両中央処理装置116)は、上流リポジトリ(例えば、上流コンポーネント113)に中継することができ、この上流リポジトリは、機械学習アルゴリズムをホストする、及び/または実行するように構成されるコンピュータ化されたデータベースをホストする。したがって、信号、クラス分類された信号、及び信号応答に関連する膨大な刺激量を、その後のデータ集約及び処理のために捕捉することができる。機械学習サブシステムのデータベース(例えば、訓練モデル)は、1セットの感知された測定値を提供して車両の性能に関連する条件に相関することによって、形成または「訓練」されることができる。データベースが計算によって準備または「訓練」されると、車両の操作中に、エアフォイルコンポーネントの特定の部分の測定された偏向(例えば、空気圧)を較正点と比較することができ、その比較により、特定の空気圧に対応する偏向の変動に対応する周波数のデルタが得られる。他の潜在的な状態または診断は機械学習システムによって決定されることができる。状態及び/または診断及び/またはサポートデータは、フィードバックループを完了するために、車両内の計装に利用可能になることができる。場合によっては、車両における計装は、行われる(運転者またはエンジニアなどによって)ことができる可視化を提供する。
【0337】
図33は、一実施形態による、ドローン及び/またはドローンプラットフォームの内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写3300を示す。オプションとして、描写3300は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写3300は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0338】
示されるように、ドローン3302は、1つ以上のスプリットリング共振器3304を含み得る。一実施形態では、ドローン3302は、パッケージ3306を輸送するために使用され得る。当然のことながら、ドローン3302が他のアイテム(例えば、カメラ、気象感知機器、動物、医療用品、食品、物品、貨物、ペイロードなど)を運送するように構成されてもよいことを理解されたい。加えて、他の実施形態では、ドローン3302は、軍事または戦術目的のために構成されてもよい(無人戦闘航空車両として構成されることを含む)。さらに、本明細書で以下に説明されるように、ドローン3302は、パッセンジャードローン、無人航空車両(UAV)、及び/または自律航空車両(AAV)として構成されてもよい。一実施形態では、ドローン3302は、垂直離着陸(VTOL)及び/または電動垂直離着陸(eVTOL)が可能であってもよい。
【0339】
さらに、ドローン着陸パッド3308は、提供され、1つ以上のスプリットリング共振器3312を含み得る。ドローン3302及びドローン着陸パッド3308をアライメントするための標的位置3310も提供される。
【0340】
さまざまな実施形態では、1つ以上のスプリットリング共振器3304は、ドローン3302の物理的状態及び/またはドローン3302の外部の環境条件のリアルタイム感知を容易にするために使用され得る。このようなリアルタイム感知をミリ秒ごとに行い得、それを使用して、ドローン3302内の構造の変化を、それが問題になる前に検知して、及び/またはドローン3302の進路を変更して、意図した最終目的地(例えば、標的位置3310)に達し得る。例えば、一実施形態では、ドローン3304の上のプロペラが材料疲労を受ける(そして破損しやすくなる)場合、プロペラ上に配置されたスプリットリング共振器は(周波数の変化という点で)構造の変化を決定し得る。さらに、ドローン3302のいずれかの要素は、いずれかの構造の変化を、その変化の悪影響を観測する前に検知することができるように監視され得る。
【0341】
別の実施形態では、ドローン3302は、ドローン着陸パッド3308の上への離陸または着陸を開始し得る。ドローン3302の状態の(1つ以上のスプリットリング共振器3304による)リアルタイム感知は、ドローン3302及び/またはドローン着陸パッド3308の両方を保護し得る。このようにして、1つ以上のスプリットリング共振器3304は、離陸の前及び/または後の変化を検知し得る。ドローン着陸パッド3308上の1つ以上のスプリットリング共振器3312を使用して、さらに、着陸パッド3308の状態及び/またはドローン3302の位置の両方を(ドローン3302が1つ以上のスプリットリング共振器3304を有するかどうかに関係なく)感知し得ることに留意されたい。さらに、着陸時、ドローン3302上の1つ以上のスプリットリング共振器3304、またはドローン着陸パッド3308上の1つ以上のスプリットリング共振器3312を使用して、ドローン3302がドローン着陸パッド3308に接近するにつれて、そのドローンのピンポイント位置をリアルタイムで決定し得る。このようにして、1つ以上のスプリットリング共振器3304及び/または3312は、高精度の着陸能力のために使用され得る。
【0342】
さらに、ドローン着陸パッド3308の1つ以上のスプリット共振器3312を使用して、ドローン着陸パッド3308の状態を決定し得るため、材料の疲労及び/またはコンポーネントの不具合は、視覚的に明らかになる前に検知されることができる。
【0343】
別のシナリオでは、着陸後、1つ以上のスプリットリング共振器3304から健全性関連データを受信することによって、ドローン3302の状態を評価し得る。例えば、ドローン3302は、無線信号をブロードキャストし得るドローン健全性システムを通過し得る。1つ以上のスプリットリング共振器3304のそれぞれは、ドローン3302の構造健全性に(材料の疲労及びコンポーネントの不具合の観点から)対応し得る周波数応答を提供し得る。このように、スプリットリング共振器3304を使用して、離陸及び/または着陸の前、最中、及び後にドローン3302の健全性の状態を検知し得る。健全性の状態を使用して、人間/ユーザ及び/または自律システムに警告しても、及び/または通信してもよい。
【0344】
このようにして、ドローンフリートの健全性をチェックする自律システムを達成し得る。ドローンは、着陸位置に到着すると、検査され、評価され得る。スプリットリング共振器がドローンに関して構造上の問題を示す場合、このドローンは、さらに検査されても(例えば、手動で検査されても)及び/または修理されてもよい。ドローンに問題が見つからなかった場合、「健全性良好」の指定を受け得、再度ドローンを送り出す準備ができる。このようにして、ドローンの継続的な管理をフリートの健全性の完全性に関して達成し得、ドローンの使用(特に消費者空域内)に関する法的及び社会的制約を満たし得る。
【0345】
図34は、一実施形態による、航空車両の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写3400を示す。オプションとして、描写3400は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写3400は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0346】
示されるように、無人航空車両(UAV)3402は、航空車両本体3404、構造コンポーネント3406、及び/またはプロペラコンポーネント3408上に配置されたスプリットリング共振器を含み得る。当然のことながら、スプリットリング共振器がドローン3404のあらゆる及び/またはすべてのコンポーネントの内及び/または上に配置され得ることを理解されたい。
【0347】
さまざまな実施形態では、スプリットリング共振器(航空車両本体3404、構造コンポーネント3406、及び/またはプロペラコンポーネント3408の上に配置されたものなど)を使用して、振動、ひずみ、寸法及び/または材料特性の変化、圧力、及び温度を含むが、これらに限定されない、無人航空車両3402に関連するリアルタイム(ミリ秒の時間粒度で)測定値を取得し得る。
【0348】
例えば、振動に関しては、スプリットリング共振器は、振動周波数(Hzレベルから数百KHzレベルまで)を読み取り得る。さらに、一実施形態では、加速度計及び他の非接触変位センサを使用して、低周波振動から高周波振動まで(例えば、大きい橋のような構造物などの低ヘルツ範囲内の非常に低い周波数から、超音速用途で見られるような最大数百キロヘルツのより高い振動まで)を測定し得る。ひずみに関しては、スプリットリング共振器はコンポーネントの屈曲/ねじりだけでなく、構造の疲労/不具合も検知し得る。寸法及び/または材料特性の変化に関しては、スプリットリング共振器は、エラストマーコンポーネント(例えば、タイヤ、ベルト、ホースなどに見られるものなど)を(摩耗及び経年劣化が原因で)交換する必要があるかどうかを決定し得る。さらに、寸法及び/または材料特性の変化を使用して、着陸のために地上までの距離を決定し得る(本明細書の図33に上述されるように)。圧力に関しては、スプリットリング共振器を使用して、空気圧、空気圧の差、及び/または空気圧の周期的変化を検知し得る。さらに、温度に関しては、スプリットリング共振器は、表面温度及びコンポーネント内部温度を検知し得る。
【0349】
このように、無人航空車両3402を通してコンポーネントの内または上に見られるスプリットリング共振器を使用して、無人航空車両3402の健全性の状態に関連するパラメトリック測定値を検知し得る。さらに、1つより多い測定値を同時に受信し得る。例えば、無線ピング音に応答して、各スプリットリング共振器は周波数応答を提供し得る。このような周波数応答は、一例では、圧力の測定値に対して較正されてもよいが、別の周波数応答は、別の例では、材料特性の変化に対して較正されてもよい。このように、すべてのスプリットリング共振器からの応答を受信し得、無人航空車両3402に関連するすべてのセンサパラメータの同時結果を提供し得る。
【0350】
図35は、一実施形態による、航空車両の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器だけでなく、着陸位置センサの描写3500も示す。オプションとして、描写3500は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写3500は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0351】
示されるように、無人航空車両3502は、垂直離陸及び/または着陸(VTOL及び/またはeVTOL)が可能であってよい。他の実施形態では、無人航空車両3502が他の離陸能力(例えば、従来の離陸及び着陸、短距離の離陸及び着陸など)のために構成され得ることを理解されたい。
【0352】
1つ以上のスプリット共振器は、航空車両本体3504、構造コンポーネント3506、及び/または着陸装置3508の上に配置されることを含む、無人航空車両3502の上に見いだされ得る。当然のことながら、図34と一貫して、1つ以上のスプリット共振器は、無人航空車両3502上のいずれかの位置(及びいずれかの程度の量内)に配置され得、センサ関連情報を提供するために使用され得る。
【0353】
一例として、無人航空車両3502上に配置されたスプリットリング共振器は、表面全体に分散されてもよい。加えて、軽量アンテナを無人航空車両3502全体にさらに分散させてもよい。一実施形態では、スプリットリング共振器及びアンテナは冗長であってよい(特にミッションクリティカルなコンポーネント、安全上の制約などのために)。これらのようなスプリットリング共振器は、リアルタイム同時感知(ミリ秒単位)を提供し得る。さらに、状態シグネチャは、スプリットリング共振器からの同時フィードバック応答に関連付けられ得る。例えば、状態シグネチャは、コンポーネントの不具合、外部状態(天候、飛行パターンなど)などに関連付けられ得る。さらに、スプリットリング共振器は、ピンポイントの着陸(図33に関して本明細書で説明されたものと一貫性のある)を支援するための三角測量の位置決めを可能にするように配置され得る。
【0354】
そのため、スプリットリング共振器は位置センサ3512を含み得、着陸装置の屈曲3510、表面の屈曲3518、プロペラの屈曲3514、及び/または空気圧3516を計算するために使用され得る。他の箇所で強調されているように、スプリットリング共振器は、ねじり、タイヤ摩耗、対気速度、空気圧、車両コンポーネントの屈曲などを含むがこれらに限定されない、無人航空車両3502の離陸、飛行、着陸、管理などに関連する任意の能力に使用され得る。
【0355】
一実施形態では、位置センサ3512は、正確な着陸のための位置をピンポイントで示すように動作し得る。さらに、地面3520の内及び/またはその表面の上に配置されたスプリットリング共振器3522を追加で使用して、正確な着陸の達成を支援し得る。
【0356】
図36A及び図36Bは、一実施形態による、航空機の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の2つの描写3600を示す。オプションとして、2つの描写3600は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、2つの描写3600は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0357】
示されるように、航空機3602は、エンジン3604(ジェット、プロペラなど)、翼3606、水平安定板3608、胴体3610、及び/またはタイヤ3612を含むがこれらに限定されない、航空機3602の様々な位置の内及び/または上に配置される1つ以上のスプリットリング共振器を含む。航空機3602上には任意の数のスプリットリング共振器が見いだされ得、スプリットリング共振器の目的が異なる場合があることを理解されたい。例えば、航空機3602の前部に配置されたスプリットリング共振器を使用して、外部気象条件(気圧、温度、風速など)を収集してもよく、タイヤ上に配置されたスプリットリング共振器を使用して、トレッドの寿命及び状態を決定してもよく、及び/またはエンジン内に配置されたスプリットリング共振器を使用して、安全性と材料疲労の欠如とを確保してもよい。いくつかの実施形態では、状態シグネチャを作成し、既知の状態(気象パターン、材料疲労のサインなど)と相関させてもよい。さらに、スプリットリング共振器からの周波数を1つより多い状態シグネチャに同時に使用してもよい。例えば、スプリット-リング共振器は、トレッドの厚さを決定するために使用されてもよく、スティクション測定、ハイドロプレーニング検知などにも使用されてもよい。
【0358】
2つの描写3600には民間航空機が示されているが、任意の航空機(民間、軍用、個人用など)が適用可能であってもよいことを理解されたい。さらに、航空機でスプリットリング共振器を使用すると、離陸前、飛行中に継続的に、及び着陸中、連続してミリ秒単位の変化を提供し得る。これらのような変化には、構造パラメータの変化(例えば、疲労閾値、差し迫ったコンポーネントの不具合など)が含まれ得、システム及び職員に警告が発せられる場合がある。たとえば、警告をトリガすると、航空機が航空機を回避しても、または差し迫った不具合イベントが発生する前に安全に着陸してもよい。
【0359】
図37Aは、一実施形態による、ロケットの内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写3700を示す。オプションとして、描写3700は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写3700は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0360】
示されるように、宇宙船3702は、翼3704、エレボン3714、エンジン3708、フライトデッキ3710、及び/またはカーゴベイ3708を含むがこれらに限定されない、宇宙船3702を通して配置された1つ以上のスプリットリング共振器を含み得る。任意の数のスプリットリング共振器が宇宙船3702上に見いだされ得ることを理解されたい。
【0361】
宇宙船でスプリットリング共振器を使用すると、離陸前、飛行中に継続的に、及び再突入中、連続してミリ秒単位の変化を提供し得る。これらのような変化には、構造パラメータの変化(例えば、疲労閾値、差し迫ったコンポーネントの不具合など)が含まれ得、システム及び職員に警告が発せられる場合がある。さらに、宇宙船(オービターと呼ばれることが多い)はロケットブースタに取り付けられることが多い。一般に、宇宙船かロケットブースタかいずれかの上の任意のコンポーネントに構造上の不具合が起こると、宇宙船とロケットブースタとの両方に完全な不具合が起こることが多い。ただし、スプリットリング共振器を使用すると、宇宙船かロケットブースタかいずれかに影響する前に(宇宙船かロケットブースタかいずれかに対する)任意の構造パラメータの変化が検知されることが確保される。いくつかの実施形態では、構造パラメータの変化によって、宇宙船及びロケットブースタは(識別された構造パラメータの変化に基づいて)係脱して、一方または他方が維持され得る。
【0362】
図37Bは、一実施形態による、ロケット、及び/または着陸プラットフォームの内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器の描写3701を示す。オプションとして、描写3701は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装され得る。ただし当然のことながら、描写3701は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0363】
示されるように、宇宙船3709はロケットブースタ3707に取り付けられ得る。スプリットリング共振器は、宇宙船3709及びロケットブースタ3707のそれぞれの上に配置され、見いだされ得る。さらに、宇宙船3709及びロケットブースタ3707の発射台が示されており、発射台プラットフォーム3703、フレイムピット3711、プラットフォームトラス3713、及び/または発射台整備構造物3705を含む。スプリットリング共振器は、描写3701の発射台の各コンポーネント全体にわたって配置されても、見られてもよい。このように、発射台の一部の内及び/または上に配置されたスプリットリング共振器を使用して、構造パラメータの変化(例えば、疲労閾値、差し迫ったコンポーネントの不具合など)を検知し得、システム及び職員に警告が発せられる場合がある。例えば、構造上の不具合(いずれかのコンポーネントの)により、発射が中止されることがある。さらに、発射開始後(ただし、リフトオフ前)、構造上の不具合により、発射が中止されることがある。したがって、いずれかの(任意の時点での)構造上の不具合は、発射が中止される根拠、及び/または是正措置が実施される根拠となり得る。
【0364】
このように、早期警告システムは、発射台、宇宙船、及び/またはロケットブースタ、及び/またはそれらに関連する任意のコンポーネントを通じて見つかるスプリットリング共振器に基づいていてもよく、リアルタイムデータを取得して、いずれかの検知された変化の安全な修復を確保してもよい。
【0365】
さらに、あらゆる種類の航空車両については、安全のためにスプリットリング共振器を低コストの共振センサとして使用し得る。例えば、スプリットリング共振器を使用して、コンポーネント上の過剰な振動を検知しても、材料の微小亀裂を検知して監視しても、非金属コンポーネント表面の局所温度を(瞬時値だけでなく履歴/周期的変化も提供する際に)監視しても、非金属コンポーネント内の局所温度を(瞬時値だけでなく履歴/周期的変化も提供する際に)監視しても、ピンポイントの位置正確度を(例として、精密着陸の場合に)提供してもよく、及び/またはスプリットリング共振器を材料内、表面上、及び/または表面(塗装面など)より下に設置してもよい。
【0366】
図38Aは、一実施形態による、スプリットリング共振器からのフィードバックを報告することに関するフローチャート3800である。オプションとして、フローチャート3800は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、フローチャート3800は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0367】
フローチャート3800は、センサデータを1つ以上のスプリットリング共振器から受信し、それに応答して1つ以上のアクションを行う一実施形態に関する。
【0368】
示されるように、フローチャート3800は、較正済みセンサからセンサデータを受信することから始まる(ステップ3802)。較正済みセンサは、固有共振に基づいて較正された1つ以上のスプリットリング共振器を含み得る。センサデータが所定の範囲内にあるかどうかを決定する(決定3804)。例えば、センサデータは、状態シグネチャと相関され得る(既知の偏差が既知の不具合及び/または状態と相関される)。センサデータが範囲内(または許容状態シグネチャ内)にある場合、方法はセンサデータを継続的に受信することに戻る(ステップ3802による)。当然のことながら、センサデータを受信する間隔は、必要に応じて、事前に決定されても及び/または調整されてもよい。
【0369】
センサデータが範囲内にない場合、フローチャート3800は、テスト間隔の期間を減少させることに進む(ステップ3806)。一実施形態では、ステップ3806は任意選択であってもよい。例えば、テスト間隔の期間は既にほぼ連続している場合があり(ステップ3802による)、その場合、テスト間隔の期間を減少させる必要がない可能性がある。ステップ3806に応答して(またはそれと同時に)、警告をトリガし得(ステップ3808)、レポートを作成し得る(ステップ3810)。
【0370】
いくつかの実施形態では、範囲外のセンサデータに関する警告及び/またはレポートを使用して、人間(例えば、オペレータ、監督者など)に通知しても、及び/または警告してもよく、それらをリポジトリ(例えば、ストレージなど)に保存して、組織(例えば、Environmental Protection Agency、Department of Motor Vehiclesなど)になど通知しても、及び/または警告してもよい。またこのような範囲外のセンサデータを使用して、自動化アクション(例えば、AI統合システムなど)をトリガしても、車両(またはスプリットリング共振器が配置されている装置)上の自動設定変更(複数可)を引き起こしても、及び/またはいずれかの他の自動化アクションを(人間の介入なしで)行ってもよいことが想定される。
【0371】
図38Bは、一実施形態による、スプリットリング共振器を使用して航空車両及び/またはドローンを着陸させることに関するフローチャート3812である。オプションとして、フローチャート3812は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、フローチャート3812は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0372】
フローチャート3812は、ピンポイント着陸能力を支援するために(地点に配置された)1つ以上のスプリットリング共振器からセンサデータを受信する一実施形態に関する。航空車両上に配置されたスプリットリング共振器を(地点に基づいたセンサに依存するのではなく)使用する場合にも同様のフローを作成し得ることを理解されたい。
【0373】
示されるように、フローチャート3812は、航空車両が着陸地点に接近することから始まる(ステップ3814)。航空車両が設定範囲(着陸パッドから所定の距離などの)内にあるかどうかを決定する(決定3816)。一実施形態では、航空車両が設定範囲内にあるかどうかを決定することは(決定3816による)、航空車両上に配置されたスプリットリング共振器に少なくとも部分的に依存し得る。
【0374】
航空車両が設定範囲内にあると、地点センサからデータを受信し得る(ステップ3818)。これらのような地点センサからのデータを、位置調整に影響する可能性があるような航空車両に送信し得る(決定3820)。位置をさらに変更する必要がないとき、航空車両を着陸させ得る(ステップ3822)。当然のことながら、航空車両の位置にリアルタイム調整を行い得るように、航空車両が着陸パッドに接近するにつれて、決定3820が連続して行われてもよいことを理解されたい。
【0375】
一実施形態では、地点センサ(ステップ3818による)を使用して、航空車両の正確な位置を三角測量してもよい。理解されることができるように、フローチャート3812は、スプリットリング共振器がどのように使用され、航空車両の着陸を支援し得るかの一例を提供するにすぎない。
【0376】
図39は、一実施形態による、誘電体マトリックス内のメタマテリアル及びそれに関連する回路の描写3900を示す。オプションとして、描写3900は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写3900は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0377】
本説明の文脈内では、メタマテリアルには、天然に存在する材料には見られない物性を有するように設計された任意の材料が含まれ得る。
【0378】
SEM画像3902に示されるように、メタマテリアルは誘電体マトリックス内で同調され得る。例えば、用途に応じてメタマテリアルが固有に同調され、構築される場合を含む、周波数選択性特性のメタマテリアルを選択し得る。加えて、メタマテリアルは、直流導電性ではない、周波数選択性導電性を提供し得る。さらに、それらのようなメタマテリアルは、接触することなく導電して、接続を維持し得る(導電して接続を維持するために接触する必要がある標準的な導電性インク/フレーク/コーティングとは異なる)。
【0379】
誘電体マトリックス内で同調されたメタマテリアルの配置は(SEM画像3902による)、集中回路3904を介して示され得、共振周波数で最小インピーダンスを有する直列抵抗、または共振周波数で最大インピーダンスを有する並列抵抗が達成され得る。メタマテリアルの配置が直列抵抗及び/または並列抵抗のいずれかで配置され得ることを理解されたい。
【0380】
様々な実施形態では、誘電体マトリックス内のメタマテリアルは、回路型配置3908で表され得るスプリットリング共振器3906内に配置され得る。このような配置3908は、リングに関連するインダクタと、スプリットリング共振器のギャップに関連するコンデンサとを含み得る。このような配置は、本明細書で上述された図24B1及び図24B2と一貫性のある方法で解釈される必要がある。
【0381】
メタマテリアルを周波数選択性材料として使用し得ると、コンダクタンスを低下させることなく(材料の)連続した屈曲が可能になる。加えて、周波数の同調により、信号対ノイズ比が高まることが可能になり、検知及び分解能が良好になり得る。さらに、他のパラメータ(温度、応力ひずみなど)は、誘電体マトリックスの伸縮、変形、及び/または温度の読み取り値によって直接測定され得る。
【0382】
このように、メタマテリアルをスプリットリング共振器の内及び/または上で使用し得ると、DC導電性ではない周波数選択性導電性を与え得る。さらに、メタマテリアルの高周波導電性により、スプリットリング共振器での使用が可能になる。
【0383】
図40は、一実施形態による、連続気泡材料または独立気泡材料内に埋め込まれたスプリットリング共振器の描写4000を示す。オプションとして、描写4000は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装され得る。ただし当然のことながら、描写4000は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0384】
示されるように、スプリットリング共振器4006は、第一層4002と第二層4004との間に埋め込まれてもよい。様々な実施形態では、第一層及び/または第二層の材料は、連続気泡または独立気泡(選択されたまたはコーティングされた)材料を含み得る。このような材料は、材料と材料自体内のポア内の空気との混合物である比誘電率を有し得るため、空気流が圧縮されると発泡体が空気を追い出し、強集合体誘電率が材料(連続気泡または独立気泡の発泡体)の誘電率になる。材料の誘電率が空気よりもはるかに高いという事実の結果として、材料が圧縮されると、周波数がダウンシフトする。
【0385】
代替の観点から説明すると、スプリットリング共振器4006を発泡体系材料に埋め込むことによって(スプリットリング共振器が単独で応答する場合と比較して)より高い共振周波数が可能になる。このより高い共振周波数は、発泡体系材料の変形に少なくとも部分的によるものであり、変形が起こるときには、発泡体系材料の誘電率の変化と直接的で大きい相関がある。
【0386】
さらに、別の実施形態では、スプリットリング共振器は、連続または独立気泡材料の発泡体の上面の上にプリントされ得、接地面が裏面の上にあり、発泡体材料が上面レベルと接地面レベルとの間に介在し得る。前面センサから接地面の間の距離(発泡体がその間に介在する)により、周波数がシフトし得る(コンデンサと同様)。このように、発泡体材料は圧力センサとして機能し得、発泡体の存在は共振周波数を上または下にシフトさせる役割を果たし得る。例えば、発泡体素子(複数可)が変形する、または偏向する(押し込まれる、または引き抜かれる)場合、発泡体素子はスプリットリング共振器の変化として測定されることができる。
【0387】
このように、本明細書で詳述されるように、スプリットリング共振器は、無線ピング音/チャープ音/クエリに応答を提供し得る。さらに、発泡体系材料を使用してスプリットリング共振器を包むと、スプリットリング共振器の応答が増幅され得る。ここでも、発泡体系材料の変形は、例えば半硬質材料よりも大きくなり、その結果、誘電率の差(再び発泡体系材料を半硬質材料と比較する)が大きくなる。図24B4の文脈内では、発泡体系材料は(y軸座標が周波数ではなく誘電率を測定する)同様のタイプの応答を有し得る。さらに、一実施形態では、そのような誘電率は単極性または双極性であってもよい。例えば、場合によっては(例えば、乱流状況中など)、正圧だけでなく負圧も表面に存在し得る。本説明の文脈内では、半硬質材料とは、屈曲することができる硬い材料を指す。発泡体系材料とは、気泡のある海綿状材料を指す。半硬質材料を発泡体系材料と比較すると、発泡体系材料は(その海綿状の形態であるため)より大きい圧縮及び変形ができる。このように、スプリットリング共振器と組み合わせて(本明細書に詳述されるように)発泡体系材料を使用し得ると、応答のより大きい増幅が可能になる(その結果、より低い周波数及び電力レベルで動作することができる計装と相関し得る)。
【0388】
したがって、スプリットリング共振器とそれに伴う材料及び/または基板(例えば、半硬質材料、発泡体系材料、コンクリート、ゴム、ポリマーなど)との組み合わせは、アンサンブル効果を有し得る。本説明の文脈内では、アンサンブル効果とは、スプリットリング共振器とそれに伴う材料及び/または基板との組み合わせの周波数応答を指す。
【0389】
図41は、一実施形態による、連続気泡材料または独立気泡材料を使用した圧力センサの描写4100を示す。オプションとして、描写4100は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写4100は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0390】
機能では、パルス波は(車両4104及び/または周囲の物体/位置の上に配置された)アンテナから伝播し得、次に、エネルギーの反射か吸収かいずれかを行う実数成分及び虚数成分の物理的材料を有する物体(例えば、最適化されていないセンサ4104)上に衝突し得る。これは、無線通信によって(温度、圧力、及び/または他の測定値の伝送がパルス波の反射または吸収によって行われ得る)アナログテレメトリ形式を生成し得、その結果、物理世界のパラメータのリモートの感知のコストが低くなり得る。
【0391】
感知データによる車両4102の実世界テストを図42に示す。
【0392】
図42は、一実施形態による、連続気泡材料または独立気泡材料を使用した風圧感知データの描写4200を示す。オプションとして、描写4200は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写4200は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0393】
示されるように、描写4200は、車両(車両4102など)に基づいた風圧感知データのものである。風圧センサは、図40と一貫性のある方法で構築され得る。さらに、図42が単一ユースケースの(風圧の)シナリオを表すことを理解されたい。他の測定基準(温度、圧力、速度など)についても同様の感知データを取得し得る。
【0394】
描写4200は、(1)車両の運動がないことに基づいた周波数、(2)車両のストレートトラック加速度に基づいた周波数、及び(3)カーブで減速する車両に基づいた周波数という3ケースのシナリオを示す。観測されることができるように、各ケースのシナリオでは、別個の異なる周波数測定値が生成される。このような周波数測定値は、本明細書で上述されるように、状態シグネチャと相関され得る。さらに、各線上にみられる星形は極大/極小データポイントを示す。
【0395】
図43は、一実施形態による、周波数選択性導電性に関する経路及び回路の描写4300を示す。オプションとして、描写4300は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写4300は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0396】
示されるように、描写4300は、電流材料4302及びメタマテリアル4304の画像4301を含む。観測されることができるように、電流材料は、電流が流れることを可能にする直接接続に基づいたDC電流を必要とする。これらのような電流材料は、回路4306によって表され得る。これらのような従来のシステムとは対照的に、メタマテリアル4304を使用し得ると、抵抗性経路及び反応性経路を通じて導電性を達成するこが可能になる。これらのような経路は、導電性であるために、非直接接続(各経路及び/またはノードが接触している必要がない)に基づいていてもよい。回路4308は、導電性を確立するためのメタマテリアルの使用を表す。
【0397】
図44は、一実施形態による、スプリットリング共振器の使用が適用可能な多くの産業の描写4400を示す。オプションとして、描写4400は、いずれかの前及び/または後の図(複数可)及び/またはその説明に記載される実施形態のいずれか1つ以上の状況で実装されてもよい。ただし当然のことながら、描写4400は、あらゆる所望の環境という状況下で実装されてもよい。さらに、前述の定義は以下の説明にも同様に適用され得る。
【0398】
示されるように、描写4400は、スプリットリング共振器(複数可)に関連する共振周波数シフトが文字通り何百もの潜在的なシナリオに関して早期検知能力を提示し得るため、潜在的な問題が見つかる場合に修復して調整する能力を提供する、様々な例示的な世界規模の産業用途を含む。スプリットリング共振器(複数可)の共振周波数シフトに関連するデータは、公益事業、宇宙旅行及び探査、農業、発電、製造、車両の安全性、商用タイヤのダイナミクス、プロスポーツ、鍛造、建設、分子分析及び分解、生物医学、電池組成、航空及び/または航空術、航海、消費財、橋梁及び道路などを含むがこれらに限定されない、ほぼすべての産業及び市場に適用され得る。それらのような産業の一部(及びスプリットリング共振器の適用可能性)については、本明細書に詳述されている。
【0399】
可能な限り精密にする目的だけでなく、スプリットリング共振器(及びそれに関連する共振周波数シフト)の使用の他の多くの産業への潜在的な適用可能性を示す目的のためにも、追加の資料を本明細書の以下に提供する。
【0400】
前述のように、スプリットリング共振器は、広範囲の用途を、同様に広範囲の世界的産業内に包含する他の材料(図22A2のコンクリートバリア及び/または図22A3の金属バリア以外)内に埋め込まれてもよく、またはそれらの上にプリントされてもよい。このようにして、共振周波数シフトを測定することは、スプリットリング共振器を(表面上、材料内などに)埋め込む、またはプリントすることができる、ほぼすべての用途で行われ得る。さらに、スプリットリング共振器は、共振周波数のシフト(物理状態を示すシグネチャに関連付けられ得る)を決定するために使用され得るだけでなく、そのような入力の受信に応答して態様を制御するためにも使用され得る。例えば、温度センサは、その内に埋め込まれたスプリットリング共振器を、所定の温度に達すると、周囲温度が所定の温度に達するまで外部ユニット(エアコン、ヒーター、換気口など)を作動させ得るように有し得る。場合によっては、アクションを取ることはプロセッサに依存し得、このプロセッサは、スプリットリング共振器の共振周波数シフトからのデータを解釈し得、それに応答してアクション(例えば、環境条件を変更するためのアクションを取るためのコマンドなど)を開始し得る。他の実施形態では、外部プロセッサを使用せずにアクションを取ることが行われ得る。例えば、所定の温度内に保たなければならないアイテムを運送する場合がある。アイテムが運送されている間に温度の完全性のテストを決定するために、スプリットリング共振器が埋め込まれた温度センサがアイテムに添着され得、温度が所定の閾値を上回る場合、センサの変形により、物理的な徴候(色の変化、インジケータの変形など)が現れ得る。このように、環境の変化または徴候は、スプリットリング共振器の状態に直接関連付けられ得る。
【0401】
一実施形態では、航空関連の用途には、航空機が亜音速、遷音速、超音速、及び極超音速の速度を受ける場合、既知の公差に近づく、またはそれを上回る材料の応力、温度、または振動のレベルの検知が含まれ得る。補助翼(複数可)、昇降舵(複数可)、及び方向舵(複数可)を含む、翼の表面の内及び上にスプリットリング共振器を用いると、翼の表面より上と下との両方の空気圧、温度の低下及び上昇、表面積のひずみ、ならびに潜在的な材料の破壊または不具合さえも検知し得るため、航空機に対する潜在的な危険をパイロットと地上職員との両方に警告する機会を提供し、あらゆる大惨事が発生する前に、対気速度、揚力、飛行姿勢、ペイロードの分配などに応じて、修正するのに十分な時間を提供し得る。さらに、適用可能な実施形態は、エアロフォイルブレードと結合された固定翼構造体を含み得、それらの内及び上で、スプリットリング共振器を使用して、エアロフォイル表面より上及び下の空気圧を測定し、当該エアロフォイルの最適な延出または引き込みを決定することにより、飛行パラメータを調整し、航空機のパフォーマンスを最大にする機会を提供する。航空用の別の実施形態では、補助翼(複数可)、昇降舵(複数可)、及び方向舵(複数可)を含む、翼の表面の内及び上にスプリットリング共振器を用いると、翼表面の高調波または幾何学的形状がどの時点で変形し始め、滑らかな空気を乱流に変えるかを検知し得る。
【0402】
さらに別の実施形態では、航空関連の用途には、航空機のジェットエンジンのターボファン及びプロペラエンジンの不具合公差の測定値、ならびにそれらの公差を上回る潜在的な危険が含まれる場合がある。例えば、スプリットリング共振器は、ハウジング及びカウリングを含む、実質的にすべてのエンジン部品に用いられ得ると、温度シフト、振動周波数の上昇及び低下、材料の屈曲またはひずみ、空気取入口、燃料取入口、燃焼、マニホールド圧力、油圧、圧縮及び/または排気の測定値を提供し得る。例として、エンジンのプロペラの表面積上のスプリットリング共振器は、角回転速度、軸方向及び/または遠心の空気流、及びトルクのような通常の測定値と、プロペラ及びファンブレードが受ける過度の応力または屈曲、同じ状態で発生する顕微の応力破壊、過剰な温度、エンジン潤滑油の粘度ブレークダウンの割合及び程度などのようなより多くの潜在的な脅威分析測定値とのインジケーションを検知して提供し得るため、差し迫った、または最終的なエンジン不具合を防止するために即時の是正措置が必要になる可能性があることをパイロットに警告し得、場合によっては、メンテナンス担当者がメンテナンスサイクルで実施するのに適切な修復手段を決定し得る。
【0403】
さらに別の実施形態では、航空関連の用途は、固定して分離可能な(モジュラ)胴体の完全性測定パラメータと、そこへの飛行中及び地上における内部及び外部からの力による変化との両方を含み得る。スプリットリング共振器を、胴体の表面の内及び上で使用して、内部及び外部の空気圧、温度シフト、離陸(または発射)中に受ける振動周波数の上昇及び低下、高度の上昇及び下降、及び/または対気速度の上昇及び低下による様々なレベルのひずみを検知し得、大惨事が発生する前に、金属及び/またはそれに関連する複合材料の構造上の不具合の可能性について早期に警告し得る。
【0404】
一実施形態では、生物医学関連の用途には、患者の義肢(複数可)のコンポーネントのわずかな変化及び/または過度の摩耗を検知することが含まれ得る。スプリットリング共振器の使用により、人工関節コンポーネントの組成及び/または形状の小さい(さらには顕微の)変化を、かなり早期で、おおよそ患者に痛みまたは不快感が現れる前に検知し対処し得る。例えば、人工膝関節置換術で使用される固定ベアリング型または可動ベアリング型の人工膝関節は、体重負荷による応力及び/または他の環境効果の結果として、わずかなミスアライメントまたはゆがみが起こると、レシピエントが痛みまたは不快感を受ける可能性がある。より具体的には、人工膝関節の大腿骨及び/または脛骨コンポーネントの接触面と組み合わせてスプリットリング共振器を用いると、圧力及び/または応力点のわずかな差異だけでなく、場合によってはそれに関連するポリエチレン製関節面の劣化も明らかになり得るため、患者の快適性及び安定性を最大にするための調整、メンテナンス、及び/または完全なレトロフィットが必要になる可能性があることを医療従事者に警告し得る。
【0405】
別の実施形態では、生物医学関連の用途は、術後の設定では、数十または数百の医療用インプラントのいずれか1つに関して位置、流れ、及び/または可動域の起こり得るシフトを検知することを含み得る。一例では、1つ以上のスプリットリング共振器を用いて、人工心臓弁インプラントが術中に位置を動かない、またはシフトさせないこと、及び/または心臓自体への、またはそれからの非酸素化血液または酸素化血液の自由な流れを急に止めず、場合によっては制限しないため、患者に重大な損傷または致死的な結果をもたらす危険がないことを確保し得る。スプリットリング共振器は、弁インプラントとそれに隣接する動脈壁との両方の上または内に配置される場合、適切な心臓弁機能を回復するための調整または再装備を必要とする軽度または重度の異常を、場合によっては患者が明らかな症状を全く経験しない前に、患者及び/または医療従事者に警告し得る。
【0406】
さらに別の実施形態では、生物医学関連の用途は、患者の可動域及び快適性の改善、制限、軽減及び/または補強、または支持を行うように設計された装具の有効性またはその調整の必要性を検知することを含んでもよい。装具の用途に関するスプリットリング共振器の使用は、重大な神経の機能障害及び/または損傷または外傷による影響を受けた患者の本来であれば正常な歩行の損失または機能障害を矯正する、またはバランスをとるのに役立つ可能性がある。そのような一例では、スプリットリング共振器は、伸展遊脚支援機構を特徴とする対応する膝の装具を備えた、炭素繊維及び/または他の複合材料製の足首及び/または足の装具の内及び上に設置されると、許容可能なパラメータ値の範囲外の応力、圧力、及び/または可動域を検知し得るため、患者の所望のレベルの下垂足矯正、膝サポート、バランスの改善、固有受容感覚の強化、及び歩行生体力学的な改善を達成するには、さらなる調整が必要であることを示し得る。
【0407】
さらに別の実施形態では、個人用防護具(PPE)関連の用途には、フェイスマスクなどの材料と接触するようになる水滴内の特定の化合物及び/またはウイルス株を検知するためのPPEの有効性を改善することが含まれてもよい。具体的な例として、炭素の成長に基づいたスプリットリング共振器が特異的な検知関連の目的に合わせて同調されることができるため、それらのようなスプリットリング共振器は、N-95タイプのフェイスマスク(または任意のタイプのフェイスマスク)の繊維材料内に注入され得、様々な異なって同調されたスプリットリング共振器は、特異的な種類の分子化合物及び/またはウイルス染色を検知することができることにより、着用者と(特に)医療従事者は、感染及び/または差し迫った病気のリスクが即時脅威であるかどうかを迅速に決定し、悪影響を最小にするのに適切な隔離、治療、または是正プロトコルに従事することが可能になる。
【0408】
例えば、一実施形態では、このフェイスマスクを使用して、特異的な株(COVIDなど)を検知し得、特異的な株を検知する場合、フェイスマスク(またはその特異的な部分)の色が少なくとも部分的に目に見えて変化し得る。これは、マスクの使用者が特異的な株に罹患していることを示し得る。加えて、他のウイルスセンサを任意の位置(例えば、バスの入口、メトロの車両、地下鉄の入口など)に設置し得ると、通過する周囲の空気に基づいて、特異的な株が検知される場合、色が変化し、特異的な株を有する個人がセンサを通過したことを示し得る。
【0409】
生体材料を検知するためのスプリットリング共振器の使用のさらなる適用可能性は、2021年7月22日に出願された「METHOD OF MANUFACTURING A GRAPHENE-BASED BIOLOGICAL FIELD-EFFECT TRANSISTOR」と題された米国特許出願第17/382,661号に見いだされ得、その内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用されている。
【0410】
空港セキュリティの観点から、それらのようなセンサを一般的な金属探知システム内に組み込み得、個人がスキャンされているときに、その個人から排出される空気を分析して、特異的な株の存在を決定し得る。ある観点では、低コストの布製センサを金属探知機内に吊るし得、そのそばを個人が通過するときに、その空気を自動的に分析し得、特異的な株が検知される場合に低コストの布の上に色の変化が起こり得る。このような検知は、電子的な構成または部品を必要とせずに行われ得る。代替に、空気の分析時、特異的な株が検知される場合、応答(例えば、警報、通知など)が行われ得るように、センサをプロセッサに電子的に取り付け得る。
【0411】
一実施形態では、公益事業関連の用途には、高圧線導体構造体及び/またはハウジング/絶縁スリーブに緩徐及び/または急激に発生する不具合を検知することが含まれ得る。一例として、スプリットリング共振器は、場合によっては、乾燥した植生(例えば、草、木、葉など)が電力線構造体に比較的近いため、火花または他の直接的な効果が潜在的に山火事に影響する、または点火することを可能にする際の寄与要因になる可能性がある、電力線保護絶縁体及び/またはハウジングスリーブの応力による屈曲または破壊を検知し得る。より具体的には、主導体ケーブルの周囲に放射状に設置されたハウジング及び/またはスリーブの1層以上の内及び周囲に設置されたスプリットリング共振器を使用すると、放置したままにする場合、主導体ワイヤ(複数可)を自然要素にさらして危険な状態にする可能性がある、経時的に発生する小さい(さらには顕微の)不具合を検知し得る。
【0412】
別の実施形態では、公益事業関連の用途には、1つ以上の形態の送達装置(パイプライン)を通る液体及び/または気体の流れを測定することと、場合によっては当該送達システムの性能に影響する形状、温度、構造完全性、及び応力(内部及び/または外部からの圧力による)のあらゆる変化を測定することが含まれ得る。特に、スプリットリング共振器を使用し得ると、送達機構の物理的構造(円筒形及びその他の形)の構成の変化を検知し、運営及び保守要員に警告することにより、送達パイプライン内の最適な動作圧力レベルを維持するのに役立ち得、場合によっては、その構造材料内の顕微の不具合さえも検知し得、早期状態で診断して、対処すれば、パイプライン送達システム全体で壊滅的な損失または損傷に成長して顕在化することがなくなる。異なる例として、スプリットリング共振器は過圧された送達セグメントを検知し得るため、運営及び保守要員は、上流及び/または下流の調整を行い、そのような圧力を標準動作閾値内に保ち、追加のメンテナンス、修理、及び/またはさらには交換に至る過度の応力を緩和する機会を得ることが可能になる。
【0413】
一実施形態では、建設関連の用途には、応力、予期せぬまたは計算外の耐荷重、及び/または周囲温度の変化、湿潤指数及び/または水分飽和、ならびに必要な支持、荷重バランス、及び安定性を与えるために使用される原材料の相対的な物理サイズを含むがこれらに限定されない、性能に関する他の環境に基づいた効果を検知するためのスプリットリング共振器の使用が含まれ得る。例として、屋上建設の垂木内の支持梁及び/または根太の長軸に沿って位置決めされたスプリットリング共振器は、梁または根太の予期せぬ屈曲を明らかにし得るため、建設によって負担する重量に対する当該建設の方法に起因する屈曲の潜在的に危険な状況を建築業者及び/または住人に警告し得る。さらに、天然木以外の構造材料(複合鋼、合板、または配向性ストランドボードなどを含むがこれらに限定されない)が使用される場合、耐荷重材料自体の構造内に埋め込まれたスプリットリング共振器は、不具合の重大性が所定の閾値を上回ると、最終的には支持構造体の不具合に至る可能性がある、経時的に発生する小さい傷または不具合を検知し得る。
【0414】
別の実施形態では、建設関連の用途には、歩行者用及び車両用の橋、高架鉄道、立体駐車場、多層階住宅及び商用構造物などのために極めて高いレベルの耐荷重性鉄筋または純コンクリート製の支持パイロンの組成及び構造の変化を検知することが含まれ得る。より具体的には、鉄筋コンクリートパイロン構造体の複合材料の一部として統合されたスプリットリング共振器だけでなく、組成の変化を検知することができる表面設置型スプリットリング共振器も使用して、場合によっては、構造の完全性を維持し、その設計に従って適切な耐荷重性を提供し続けるために必要な、さらなる外部からの支持及び/または他の修復手段が必要になる可能性がある、小さい不具合の初期発生、及び/または鋳造後の既存のわずかな不具合の存在を検知し得る。
【0415】
さらに別の実施形態では、建設関連の用途には、政府の基準及び規制によって要求される防火及びその他の安全対策の遵守を確保することが含まれ得る。このような能力では、スプリットリング共振器は、例えば、金属フレームと軽量構造用セメント質(SCP)パネルとを含む、建設された「防火壁」及び/または他の耐火アセンブリシステムにおける予期せぬ、目立たない変化が起こる可能性が低いことを検知するのに役立ち得る。具体的には、小さい「ギャップ」が防火壁またはSCPの設置中に発生すると、本来であれば何気ない目視確認手段ではこの不遵守を検知し得ないが、スプリットリング共振器はそれらを検知し得、建設業者及び/または保守要員に、それらの防護手段が前述の政府の規制を遵守していないことを警告し得る。
【0416】
一実施形態では、航海関連の用途には、風荷重を受けてセールを引いて開いて上げる場合、広げられたセールの帆布の構造完全性及び/またはその帆布にかかる風圧のいずれかの変化を検知することが含まれ得る。セールを含む複数の布層の表面の上、及び/または複数の布層の間に介在するスプリットリング共振器を使用すると、使用中のセールの完全性に関する潜在的な問題についての重要なリアルタイム情報を航行乗組員に提供し得る。具体的な一例では、スプリットリング共振器は、気軽な航行及び/または競技航行中の風荷重に関連する応力下でのスピンネーカセール構成物の内及び上の材料のひずみまたは不具合を検知することができるため、乗組員は、マスト、スパー、及び/またはステイへのスピンネーカセールのテザリングに関するそのスピンセールの姿勢に必要な調整により迅速に行うことが可能になる。
【0417】
別の実施形態では、航海関連の用途は、通常の動作中にメインセール(またはメインシート)が様々な程度の風荷重を受けるときの中実及び/または管状マストの圧縮の変化を検知することを含み得る。例として、曲げ性/可撓性マストの表面に添着されたスプリットリング共振器の使用は、メインセールにかかる風荷重の最適レベルが達成されているかどうか、及び/またはそのための調整が必要とされているかどうかを航行乗組員が決定することを支援し得る。さらに、剛性マスト建造物に添着されたスプリットリング共振器の使用は、動作中にマストの過度の/計画外の屈曲の程度を検知し得、場合によってはメインセールにかかる過剰な風荷重の力を示し得るため、乗組員は、診断し、最適なパフォーマンスに戻すのに適切な調整を行い得る。さらに、中実及び/または管状マストの内部のスプリットリング共振器と、外部に取り付けられたスプリットリング共振器との両方を使用すると、乗組員がマストの材料構造に発生する応力による不具合の早期徴候を検知することを支援し得るため、乗組員は、疲労が所定の「安全」な閾値を超えている場合、より包括的なテスト、メンテナンス、さらには完全な交換のための手段をより正確に決定することが可能になる。
【0418】
さらに別の実施形態では、航海関連の用途には、温度(水中及び水外の両方)のような外部からの力、アンカー時と推進時との両方で金属、複合材料、及び/または合金材料の構造性能に影響する可能性がある大小のひずみによる船舶コンポーネント(特に船体)の構造の変化及び/または異常を検知することが含まれてもよい。一例として、スプリットリング共振器の使用により、例えば、穏やかな海域及び/または困難な海域を航行するときに、カタマランのポンツーンの変化またはひずみを検知し得る。具体的には、多胴艇設計の船舶は、単胴艇の対応物に比べてより高速で進む能力と、比較的に安定に保つ能力が優れているため、一般に採用される場合、これら2つの間の比較式の一部には、動作中に水と接触する船体の表面積が含まれ得る。このような船舶の船体(複数可)の表面上にスプリットリング共振器を使用することにより、抗力が増加して、最適な船体表面形状が維持されるときよりも達成可能な速度が潜在的に低下することに至る可能性がある、水温の変化、曳き波の影響、動作中の材料の屈曲などによる船体(複数可)の形状における一時的な変化、異常、及び/またはひずみを検知し得る。その情報によって、船舶の乗組員は、最適なパフォーマンスに戻すために、場合によっては1つ以上の環境パラメータを調整するための能力を有し得る。一実施形態では、それらのような環境パラメータ(例えば、セールの角度、コードの長さなど)は(スプリットリング共振器(複数可)からのデータを処理するためのプロセスに取り付けられたアクチュエータに基づいて)自動的に発生し得る。
【0419】
一実施形態では、鍛造関連の用途には、鍛造された金属、複合材料、及び/または合金の稠度/密度における軽微な異常を検知することが含まれ得る。金属、複合材料、及び/または合金の鍛造の分野は、器具製造の2つの主要な段階である、高レベルの熱を加えてインゴットブランクを鋳造する段階と、鍛造材料から得られる最終結果の器具を実際に成形して作成する段階とにまたがる場合があり得る。第一例では、スプリットリング共振器を使用して、第二例によって例示される最終製品の品質、強度、及び信頼性に潜在的に影響する可能性がある、未加工の金属、複合材料、及び/または合金の非常に小さい(さらには顕微の)変形及び/または異常を検知することを支援することが含まれ得る。第二例である鍛造プロセスの最終製品は、許容可能な確立されたパラメータの範囲外にある表面形状、密度、及び/または稠度のばらつきを共振器が検知することを支援し得るため、金属、複合材料、及び/または合金の原材料内のスプリットリング共振器と、最終製品の外部に添着されたスプリットリング共振器との両方から恩恵を受ける可能性がある。具体的な例として、ゴルフクラブ(例えば「アイアン」)のシャフト及び/またはヘッドの鍛造にスプリットリング共振器を使用すると、製造者及び設計者に、クラブヘッドの角度がわずかに不正確であること、もしくは場合によっては組み立て時にゴルフクラブのシャフトとヘッドとの間の所期の結合よりも弱いことを警告してもよく、またはスプリットリング共振器は厳密な設計ガイドラインとわずかに一貫性のないクラブヘッド形状を検知し得るため、クラブを製造基準に適合させるために再鍛造する、もしくは他の材料を調整する必要があることを警告してもよい。
【0420】
一実施形態では、発電関連の用途には、大規模な太陽電池パネルアレイ内の個々の太陽電池の一貫性及び最適な性能を確立して維持することが含まれ得る。例えば、スプリットリング共振器は、製造時に個々の太陽電池の実際の材料内に統合され得、通常の動作/収集及び保持期間中に電池の材料が劣化する、または確立された基準から外れて機能する場合があるときに検知することができる。さらに、スプリットリング共振器を太陽電池アレイに隣接して(例えば、電池と封入材との間に)使用して、性能が低下しているのは太陽電池アレイ全体か、それとも1つ以上の個々のセルだけかを検知し得る。
【0421】
別の実施形態では、発電関連の用途には、水力発電ダム及び/またはそれに関連する発電所(複数可)の構造及び動作に関連する環境条件の検知が含まれ得る。ダムの構造内でスプリットリング共振器を使用すると、ダム建設材料(浸透防止鉄筋コンクリート、コンクリート杭、第一シール金属板、金属連結板、第二シール金属板、及び第二浸透防止鉄筋コンクリートなどのコンポーネントを含むがこれらに限定されない)の組成の変化を検知する能力を提供し得、建設業者、運営要員、及び保守要員がダムの構造の現在の状態に関するリアルタイムデータを分析することを可能にし、おそらく対処せずに放置すると、ダムの主要な機能の本格的で壊滅的な決壊に成長する可能性のある潜在的な不具合の早期警告を提供し得る。具体的には、ダムの主要構造を構成する生セメント打設内にスプリットリング共振器を設置してダムを建設すると、センサは、ダムの内及び周囲に設置されることにより、浸透防止鉄筋コンクリート構造体(複数可)のわずかな変化、ひずみ、及びまたは変形が早期に警告されることが可能になるため、運営及び保守要員は、いずれかの実際の問題が表面化する前に、いずれか潜在的な問題を修正する、または軽減する機会を得ることが可能になる。
【0422】
さらに別の実施形態では、発電関連の用途には、水平軸型風力タービンのスタンド、ブレード、及び/またはエネルギー発生器の実行可能性及び状態を常に監視して評価することが含まれ得る。スプリットリング共振器を使用すると、ファンブレードの耐久性、摩耗、及び姿勢、垂直スタンドの形状、強度、及び耐久性、及び/またはタービン自体の標準運転の変化を検知し得る。具体的な例として、水平軸型風力タービン装置のブレードと、それらのブレードが取り付けられているハブとの両方の上にスプリットリング共振器を配置すると、個々のブレードの(一実施形態では、アルミニウム-ファイバーグラスハイブリッド建造物からなり得る)ハブへの連結が経時的に弱くなっていることにより、適切な修復措置を講じないと、場合によってはメンテナンス、さらには交換が必要になるというインジケーションを早期に提供し得る。これらのようなタイプの不具合の可能性を早期に検知すると、「1オンスの予防は1ポンドの治療に匹敵する」可能性があるという点で時間及び費用が節約され、運転時間の最大化は、発電量の維持、またはさらには増加に直接関係する可能性がある。
【0423】
さらに別の実施形態では、発電関連の用途には、天然ガスの貯蔵及び輸送コンジットの変化を検知して追跡することが含まれ得る。天然ガスの貯蔵及び輸送に伴う(時間、資本的支出、潜在的なエネルギー損失、及び追加のメンテナンスサイクルの点で)最もコストのかかる問題の1つとして、天然ガスエネルギー源を送達することに関わる幅広い物理システムのいずれかに沿った漏れは、システム全体に展開されたスプリットリング共振器の使用により、完全に最小にされ、または軽減され得る問題である。例として、スプリットリング共振器は、天然ガスを地点Aから地点Bに輸送する物理的な送達コンジット(複数可)に適用されると、直接輸送コンジット(複数可)、及び/または輸送コンジットの一部が1つ以上の追加のコンポーネントに物理的に取り付けられ得るいずれかの継手または接合部の材料内に、潜在的な不具合、ひずみ、及び/または異常が形成されているというインジケーションを、運営及び保守要員に提供することにより、潜在的な漏れを早期に検知することができる。さらに、所定のガス(例えば、メタンなど)の漏れを検知することができることは、環境に有害なガスを検知し得、重大な損害を引き起こす前に止め得るという点で、グリーンな適用可能性を有し得る。
【0424】
一実施形態では、製造関連の用途は、構築及び組み立てプロセスの最後に、所与の製品のコンポーネントの合併及び/または最終組み立て状態(適合または不適合)に関する情報を表示することを含み得る。完成した機械または他の製品を形成するために組み合わされる個々の部品の上の正確な位置にスプリットリング共振器を使用すると、最終組立体に不正確さ及び/またはミスアライメントが存在する可能性があるかどうか、また存在する可能性がある位置を検知することができる。例えば、最終製品の3つの部品A、B、及びCが間隔及び/またはアライメントに関する既知の厳密な公差ガイドラインに従って組み立てられる場合、スプリットリング共振器は、その他の正確に配置されたスプリットリング共振器の存在(または非存在)を(2つの部品AとB(または場合によってはBとC、またはAとC)が指定されたギャップまたはアライメント内に不当なばらつきなしで互いに正確に連結されているかどうかを確認する目的で)検知するように位置決めされると、許容可能な公差の範囲外にあるスプリットリング共振器の間の近接した測定値に基づいて、組立体の不具合が存在する可能性がある位置を検知し得る。
【0425】
別の実施形態では、製造関連の用途には、製造後のテストによって装置内のいずれかの潜在的な不具合またはエラーを検知することが含まれ得る。新しく製造された超音速対応ジェットエンジンアフターバーナーアセンブリの重要な位置に添着されたスプリットリング共振器の使用は、その他の実世界の条件下でその機能を実行する際の当該アセンブリの正確度に関する重要な情報を、エンジニア及び保守要員に提供し得る。具体的には、アフターバーナーの「推力整形」機構を構成する長手方向に可動なシュラウド及び可変面積出口ノズルにスプリットリング共振器を添着すると、当該シュラウド及びノズルの機能が確立された最適な公差内で行われているかどうかが中継されることにより、そのアセンブリの製造後の性能に関する重要な情報を提供することができるため、当該アフターバーナーアセンブリは、その意図された機能を行う超音速ジェット戦闘機に最終的に導入される前に、適切な機能を確保することができる。
【0426】
一実施形態では、農業関連の用途は、農産物のサンプルの間の成長速度を検知して追跡し、それらの試料が確立されたガイドライン内の速度で成長している(例えば、成長が遅すぎることも、成長が速すぎることもない)かどうかを決定することを含んでもよい。植物試料自体の実際の繊維内にスプリットリング共振器を配置することは困難であり、おそらく非現実的であるため、スプリットリング共振器は、それらのような農業試料の非食用部分(複数可)の主要な外部点の上に使用され得、当該植物試料の一般的な成長サイクルのスパンにわたって正確な間隔でピング音を発信するとき、成長速度を検知し得る。加えて、スプリットリング共振器を使用して、ポーリングメカニズムに、ピング音が発信されるたびに表面温度を報告することにより、設定されたポーリング期間中の表面温度の読み取り値を単純に検知して報告し得るため、生産者及び植物学者は、成長サイクル期間中の所与の農業試料の温度に関する情報を得ることが可能になる。さらに、スプリットリング共振器を使用して、スプリットリング共振器が添着されている農業試料の水分飽和に関する重要な情報も提供し得る。つまり、ポーリング及び記録メカニズムが所与の農業試料群に添着された1つ以上のスプリットリング共振器からの応答を求めるたびに、成長プロセスの監視要員は、1つ以上の農業試料の水分飽和が許容可能なパラメータの範囲外(少なすぎるか多すぎるかいずれか)の測定値を示すかどうか、またどの程度だけであるかを見いだすことができ、場合によっては、この水分の異常の影響について何かを知ることができる可能性がある。さらにまた、スプリットリング共振器は、農業試料が成長サイクル中に不適切、不十分、または過度の紫外光に曝露され得るかどうか、またどの程度だけであるかを検知することができる可能性がある。スプリットリング共振器は、これらのような農業試料の非食用部分(複数可)の重要な外部点に添着されるとき、日陰の領域下の内部と外部との両方で植物に添着され、ポーリング及び記録メカニズムによる定期的なポーリング中に返される読み取り値によって、直接、間接、または遮蔽された光源への各試料の曝露を詳細に追跡し得る。
【0427】
一実施形態では、宇宙旅行関連の用途には、宇宙船モジュールが設計どおりに組み立てられているかどうか、また宇宙飛行士だけでなく、船上の他の敏感な生物及び/または無生物のペイロードにとっても安全な状態に保たれているかどうかを決定することが含まれ得る。具体的な一例として、スプリットリング共振器は、無重力設定で動作中に、ある時点で連結される、または結合される2つの宇宙船ビークル及び/または宇宙船モジュールと組み合わせて使用され得る。スプリットリング共振器は、近接、空気圧、温度の読み取り値の公差が許容可能なガイドライン内にあるか、ないかに基づいて、潜在的に危険な状態を、宇宙飛行士及び/またはその他の監視要員に警告することによって、正確かつ安全に、結合プロセス(カップリングシステムのアクティブな半分が標的コンポーネントを正常に捕捉し、これら2つをアライメントし、それ以外の静的/剛性連結を確立するために、カップリングシステムを接合部で連結するようにコントローラが設計されている)が完了したかどうかを検知し得る。
【0428】
別の実施形態では、宇宙旅行関連の用途は、宇宙船のすべての発射段階(前、最中、後)に対する固体ロケット推進剤の完全性の常時監視及び報告を含み得る。例えば、固体ロケット推進剤(SRB)複合材料には亀裂/不具合がない状態を、亀裂を含む推進剤複合材料には宇宙船の爆発性の不具合の危険が存在するため、維持する必要がある。潜在的な不具合/亀裂/欠陥が適切に監視されていない場合、固体推進剤システムは、機械的衝撃及び静電気を含む、可能性のある複数の原因によって不注意に点火される可能性がある。実際の複合燃料混合物内と、固体燃料要素の表面上との両方にスプリットリング共振器を使用することが可能なため、宇宙飛行士及び地上乗組員がSRB燃料源に起こり得る不具合の早期警告を、船の発射の前と、その後の可能性のある壊滅的な不具合の前に受信するための検知媒体が提供されることができる。
【0429】
別の実施形態では、宇宙旅行関連の用途には、発射中のロケット推進船のフレーム、本体、及びコンポーネントに対する外力の影響を検知して追跡することが含まれ得る。極度の熱、振動、空気圧の増減、及び/またはリフトオフによってもたらされるトルクは、実際の発射中にローンチビークルに悪影響を与える可能性があり得る外部からの力の一部にすぎない。これらのような力は、ローンチビークルの表面形状の変化及び/またはひずみにつながる可能性があり、早期に検知されて効果的に軽減されなければ、潜在的に危険な結果を招く可能性がある。したがって、ローンチビークルの表面の上と、コンポーネント内にスプリットリング共振器を採用すると、状態及び/またはその他の予期せぬ状況の変化に関するリアルタイムのデータを宇宙飛行士及び地上要員に提供することを支援し得、宇宙飛行士及び地上要員は、設計パラメータに従って発射プロセスを進行させ続けるために、テレメトリなどでアドホックな微調整をすることができる。
【0430】
一実施形態では、プロスポーツ用品関連の用途には、競技中のプロスポーツ選手の保護(及び非保護)用品からの生データを監視して追跡することが含まれ得る。有名な一例としては、プロフットボール競技(及びヘルメットの使用が必要なその他のスポーツ)でのフットボールヘルメットの使用と、競技中の様々な種類の衝撃によって、着用者の頭が直線加速度と回転加速度との両方を受ける場合に、そのヘルメットが着用者に、引き起こされる脳震盪(またはそれ以上)に対して適切な保護を提供する必要性とが挙げられる。具体的な例として、スプリットリング共振器は、吸収性発泡体、空気、ゲル、またはそれらの組み合わせから形成され、選手のヘルメットの構造に統合されたクラウンエネルギー減衰アセンブリ(または「パッド」)に設置されてもよい。実際、スプリットリング共振器は、ヘルメット内の実際の材料組成(例えば、吸収性発泡体)の一部であってもよく、衝撃時にヘルメット内の1つ以上の特異的な圧点内の極度の圧縮を検知するために使用され得る。したがって、進行中の競技のサイドライン上のアスレチックトレーニングスタッフは、考えられることは、特定の選手のヘルメット内の1つ以上の吸収性発泡体の挿入物が潜在的に過剰な(危険な)衝撃を受けたばかりであるというリアルタイムの「警告」を、選手自身が潜在的な問題をすべての要員に警告する必要さえなく、受信し得る。
【0431】
一実施形態では、プロスポーツ用品関連の用途には、特定の選手の所与の競技での成功に必要な、おそらく安全志向の低い他の用品の完全性を監視することが含まれ得る。具体的な例として、プロホッケー選手は、競技中に氷上でパックを操作するために使用される適切なホッケースティックがなければ(通常の競技中に)競技できない場合がある。スティックが壊れた場合、及び壊れたとき、その選手は、壊れた用品を直ちに廃棄することを要求されることがあり(その瞬間、選手が氷上のどこにいても、問題の壊れたスティックの残骸を落とすことになることがほとんどであり)、したがって、選手は、競技中に氷上にいる間に基本的に戦力にならなくなる。グラファイト製ホッケースティックの構造の内部と外部上との両方にスプリットリング共振器を使用すると(そして天然木製ホッケースティックの外部に取り付けると)、ベンチ要員は、使用中のホッケースティックの完全性が限界点に近づいている可能性があるかどうかをスティックが実際に壊れる前に知ることが可能になり、したがって、選手は、いずれかのそのような不具合が起こる前に真新しいスティックに交換することが可能になる。さらに、別のホッケー向けの用途には、スナップオンスナップオフ交換可能なスケートブレードが含まれ得る。競技中に交換可能なスケートブレードが予期せず外れた、及び/またはそのハウジングから係脱するようになった場合、致命的な結果になる可能性がある。交換可能なスケートブレードの連結を構成する2つの結合要素上にスプリットリング共振器を使用すると、2つのスプリットリング共振器の近接の変化に基づいて、分離が差し迫っているかどうかを検知し得るため、選手及び/またはベンチスタッフは、そのような分離を競技中に防ぐために必要な調整及び/または再連結を行うことが可能になる。
【0432】
一実施形態では、潤滑剤(及び、燃料、クーラント、及び他のプロセス流体を含むがこれらに限定されない他の重要な流体)の粘度及び/または分子分解関連の用途には、重要な流体(モーターオイルなど)が運転中にエンジン内で分解し始めるとき、分子レベルで検知することが含まれ得る。具体的な一例として、液体の実際の組成内に注入された顕微のスプリットリング共振器は、例えば液体内の異物(例えば、何千もの点火室の燃焼イベントによる炭素堆積物など)レベルの増加を検知することによって、通常のエンジン動作中に流体の分子分解を検知し得、したがって、外部監視コンポーネントは、潜在的な閾値レベルの異質粒子がエンジン内の潤滑油プールの「一部」となったとき、問題の機械の寿命を延ばすために潤滑油のフラッシュ及びリフレッシュが必要であることを運営及び保守要員に警告するために、レポートを表示すること、または警報を開始することができる。同様のスプリットリング共振器の使用が燃料、クーラント、及び作動流体などのプロセス流体を含む既知の他の前述のエンジン作動液体などにも適用可能であってもよいことに留意されたい。
【0433】
一実施形態では、充電式電池の組成、充電、及び再充電に関連する用途は、充電式電池の膜コンポーネント(カソード、アノード、セパレータなど)内の状態がいつ、どの程度激しく変化し得るかをリアルタイムで検知することを含み得る。例えば、充電式電池の外部ケーシングに取り付けられた電極は、電池動作の初期充電、放電、及び再充電のフェーズ中に、リチウム電池のカソード(及び/またはアノード)全体に統合されたスプリットリング共振器から検知情報を受信し得る。したがって、スプリットリング共振器によるカソード(及び/またはアノード)膜の材料構成の異常または不一致の検知により、全体的な性能に影響する可能性がある、より大きい電池のハウジング内の単一セル、またはさらにはリチウムセルのブロックに関する潜在的な問題があることを運営要員に警告し得る。
【0434】
さらに、いくつかの実施形態では、スプリットリング共振器にピング音を発信する(例えば、車両の表面に配置されたスプリットリング共振器にピング音を発信する)ことは、外部ソースによって行われてもよい。他の例では、スプリットリング共振器にピング音を発信することは、周囲の障害物によって妨げられることがある(例えば、スプリットリング共振器が液体中、またはエンジンなどの鋼構造体内に埋め込まれているときなど)。これらのような場合、データはスプリットリング共振器が配置されている位置で収集され得る。例えば、装置を通り移動する液体内にスプリットリング共振器がある場合、それらのようなスプリットリング共振器は、移動中にマイクロプロセッサ(同様に液体内に配置されている)によってピング音が発信され、データは移動中に記録されてもよい。このようにして、液体が装置から出るとき、移動中に収集されたデータが提供され得る。さらに、そのようなデータは、それが移動していた装置に関連するシグネチャ及び状態と相関され得る。例えば、スプリットリング共振器が潤滑油内に埋め込まれている場合、そのような潤滑油はエンジンを通して送られ得、エンジンを出た後、エンジンを通過したときにスプリットリング共振器に関連するデータは、スプリットリング共振器の特定の位置がタイムスタンプと相関され得るため、各ピング音に関連するタイムスタンプを有し得る。このようにして、潤滑油が装置から出た後、内部で検知された異常を確認し得る。さらに、別の実施形態では、スプリットリング共振器にピング音を発信することからから取得されたデータは、内部(スプリットリング共振器が埋め込まれているシステム内)で受信され得、ハードワイヤード接続を介して外部アンテナに通信され得、そのデータを外部アンテナは外部データ収集ソースに通信し得る。
【0435】
フリートマネージメントに関しては、スプリットリング共振器は様々な状況で使用され得る。例えば、フリート(例えば、ドローン、車両、トラック、飛行機など)を良好な作動状態に維持することは、各アイテム内のスプリットリング共振器の個別の読み取り値に基づいていてもよい。アイテムをいつ使用から外して点検する必要があるかを知ることは、多くの場合、1)所定の時間もしくは移動閾値、または2)デバイスの不具合(修理が必要であることを示す)に基づいている。このようなフリートアイテム内にスプリットリング共振器を埋め込むと、正確なフリートマネージメントが可能になるため、アイテム上のセンサがフリートマネージメントに関する状態3)の変化を検知するたびにアイテムが点検される。個々の車両または部品の摩耗及び不具合データは、フリート及び部品メーカーの倉庫及び工場発注システム(CRM)に通信され、スケジュールされたサービスより先にジャストインタイムで部品をより良く同期させ、製造現場または倉庫現場に必要な部品のより正確な予測を改善することができる。さらに、大量管理(サービス倉庫、不動産住宅、商業施設など)では、維持に時間とコストがかかる可能性がある。スプリットリング共振器は、特異的な感度に同調されることができる(例えば、床に粉塵の層が見つかったときに検知する)。このような適用可能性は、研究施設(無塵ゾーンで稼働する)にも適用される可能性がある。
【0436】
様々な実施形態では、スプリットリング共振器の動作は、三角測量(または位置測位)に使用され得る。さらに、スプリットリング共振器からの応答によって、第二スプリットリング共振器での応答が発生し得、その応答によって、第三スプリットリング共振器での別の応答が発生し得、以下同様である。このようにして、単一スプリットリング共振器からの応答は、必要に応じて他のスプリットリング共振器を通じてシーケンスされ得る。別の実施形態では、スプリットリング共振器の動作は、GPSデータが存在しない領域、損なわれている領域、または精密なナビゲーション及び位置の正確度が不十分である領域での三角測量(または位置測位)に使用され得る。
【0437】
別の実施形態では、マットレス産業は、使用者の好みに合わせてマットレスの輪郭を変更するためにスプリットリング共振器を使用し得る。例えば、使用者はマットレスの特定の点で圧力を下げたい場合がある(背部痛を緩和するためなど)。使用者がマットレスに横たわると、スプリットリング共振器(マットレス内、発泡材料内などに埋め込まれ得る)がマットレス全体の圧点を示し得る。マットレスに関連するプロセッサを使用して、そのようなデータを解釈し、マットレスの輪郭を変更する(機械的操作、圧縮量内の発泡体の膨張/収縮などによるものを含む)ことで、所望のアウトカム(示された特異的な点での特異的な圧力)を達成し得る。加えて、医師は(症状を緩和するために)特異的なマットレス圧点セットを提供し得、それをマットレスに入力し得るため、使用者がマットレスに横たわるときに、マットレスは、所定の圧点を満たすようにリアルタイムで構成され得る。さらに、使用者がベッドで体位を変えると(横向きから仰向けに寝るなど)、マットレスは、使用者がとった体位に関係なく、所定の圧点を満たすようにベッドの輪郭を継続的に調整し得る。
【0438】
それでもなお、一実施形態では、スプリットリング共振器を使用して、物体上の成長を検知する可能性がある。例えば、スプリットリング共振器を繊維及び複合繊維に埋め込み得るため、例えば壁の表面(例えば、外向きに面していない内壁)の上に、黒カビが生えた場合、その黒カビは、壁の表面上で検知され得る。加えて、スプリットリング共振器を使用して、漏れ(例えば、住宅の地下室での水漏れ)を検知し得る。したがって、住宅のメンテナンス及び安全の観点から、スプリットリング共振器を使用して、住宅の状態を検知し得る。
【0439】
さらに、スプリットリング共振器を使用して、医薬品の完全性(医薬品の腐敗など)を検知し得る。加えて、身体状態(壊疽の存在、糖尿病の血糖値など)を検知するセンサに使用され得る。
【0440】
スプリットリング共振器の共振周波数シフトの使用のさらなる適用可能性は、2022年8月10日に出願された「BATTERY SAFETY SYSTEM FOR DETECTING ANALYTES」と題された米国特許出願第17/884,735号、及び2021年2月22日に出願された「ANALYTE SENSING DEVICE」と題された米国特許出願第17/182,006号の文脈内に適用され得、それらの内容はすべて、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用されている。
【0441】
さらに、消費財(例えば、洗濯洗剤、牛乳など)の個々の容器、または消費者向けRX容器の上に置かれることができる、スプリットリング共振器を使用して、容器内に残っている製品の量を検知して、決定してもよく、その情報を患者の医療管理システムまたは自動再注文システムに中継することができる。
【0442】
前述の明細書では、本開示は、その特定の実施態様を参照して説明されてきた。しかしながら、本開示のより広範の趣旨及び範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更が本明細書に加えられ得ることは明らかである。例えば、上記のプロセスフローは、プロセスアクションの順序を参照して説明されている。ただし、説明されているプロセスアクションの多くの順序は、本開示の範囲または操作に影響を与えることなく変更されることができる。本明細書及び図面は、限定する意味ではなく、例示的な意味とみなされるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図18G
図18H
図18I
図18J
図18K
図18L
図18M
図18N
図18O
図18P
図18Q
図18R
図18S
図18T
図18U
図18V
図18W
図18X
図18Y
図19A1
図19A2
図19B1
図19B2
図20
図21
図22A1
図22A2
図22A3
図22B
図23
図24A
図24B1
図24B2
図24B3
図24B4
図24C
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37A
図37B
図38A
図38B
図39
図40
図41
図42
図43
図44
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含む、前記コンポーネントであって、前記少なくとも1つのSRRは複合材料から形成され、前記コンポーネントの前記材料は、非エラストマー材料または半硬質材料である、
前記コンポーネント。
【請求項2】
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料の変化に応答して共振周波数シフトを有するように構成される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項3】
前記変化は、前記材料の変形、応力、またはひずみのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記材料は発泡体系材料である、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記発泡体系材料は前記共振周波数シフトを増幅する、請求項4に記載のコンポーネント。
【請求項6】
前記少なくとも1つのSRRと組み合わされた前記発泡体系材料は、前記少なくとも1つのSRRの前記共振周波数シフトと前記発泡体系材料の周波数応答との組み合わせに基づいて、アンサンブル周波数効果を生じる、請求項4に記載のコンポーネント。
【請求項7】
前記複合材料は、炭素の成長、金属複合材料、炭素複合材料、または金属合金のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項8】
前記コンポーネントは陸上車両または航空車両であり、前記航空車両は、垂直離着陸(VTOL)機、電動垂直離着陸(eVTOL)機、ドローン、パッセンジャードローン、民間航空機、軍用航空機、またはロケットのうちの1つである、請求項7に記載のコンポーネント。
【請求項9】
前記共振周波数シフトは、前記材料が第一状態にあるときに電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり、前記材料が第二状態にあるときに前記電磁ピング音に応答した第二周波数でのものである、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項10】
前記共振周波数シフトは、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項11】
前記共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示し、前記共振周波数シフトの第二周波数は、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示す、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項12】
前記第一周波数は前記第二周波数とは異なる、請求項11に記載のコンポーネント。
【請求項13】
前記共振周波数シフトは、前記材料の前記変形に応答している、請求項3に記載のコンポーネント。
【請求項14】
前記少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形の第一状態を示すように構成され、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形の第二状態を示すように構成される、請求項13に記載のコンポーネント。
【請求項15】
前記少なくとも1つのSRRは共振部分を含み、前記共振部分は、前記材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料の前記状態が前記閾値を下回るときに前記電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項16】
前記複合材料は炭素の成長を含み、3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は、前記材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいている、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項17】
前記少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含み、前記複数の第一炭素粒子は、前記少なくとも1つのSRR内の前記第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項18】
前記コンポーネントの前記材料内に埋め込まれるように構成された第二SRRをさらに含み、
前記第二SRRは複数の第二炭素粒子を含み、前記複数の第二炭素粒子は、前記第二SRR内の前記第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項17に記載のコンポーネント。
【請求項19】
前記第一炭素粒子及び前記第二炭素粒子のそれぞれは、前記材料と化学結合する、請求項18に記載のコンポーネント。
【請求項20】
前記第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み、前記第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含む、請求項18に記載のコンポーネント。
【請求項21】
前記少なくとも1つのSRRのそれぞれの共振の振幅は、前記材料の摩耗の程度を示し、前記少なくとも1つのSRRの各SRRは減衰点を有し、前記少なくとも1つのSRRの各SRRの前記減衰点は、電磁ピング音に対する周波数応答に関連付けられる、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項22】
前記変形は可逆である、請求項3に記載のコンポーネント。
【請求項23】
前記材料はコンクリートまたは鋼である、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項24】
前記少なくとも1つのSRRは、1つ以上の対応する固有の周波数に共振するように構成され、前記周波数は前記少なくとも1つのSRRに近接した位置での前記材料の状態を指示する、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項25】
前記1つ以上の対応する固有の周波数の第一周波数は、前記材料の較正シグネチャに関連付けられる、請求項24に記載のコンポーネント。
【請求項26】
前記材料はコンクリートであり、前記較正シグネチャは、前記コンクリートが打設され、養生され、硬化した後に測定される、請求項25に記載のコンポーネント。
【請求項27】
第二シグネチャは、前記較正シグネチャが測定された後の時点で測定される、請求項25に記載のコンポーネント。
【請求項28】
前記第二シグネチャは、第二周波数に関連付けられる、請求項27に記載のコンポーネント。
【請求項29】
前記第二シグネチャは、変形、圧縮の変化、屈曲の変化、応答の変化、破壊、ひずみ、または応力のうちの少なくとも1つを示す、請求項27に記載のコンポーネント。
【請求項30】
コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含む、前記コンポーネントであって、
前記少なくとも1つのSRRは複合材料から形成され、
前記複合材料は炭素の成長を含み、3Dモノリシックカーボンの成長の共振周波数は前記材料の誘電率及び透磁率の一方または両方に少なくとも部分的に基づいている、
前記コンポーネント。
【請求項31】
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料の変化に応答して共振周波数シフトを有するように構成される、請求項30に記載のコンポーネント。
【請求項32】
前記変化は、前記材料の変形、応力、またはひずみのうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載のコンポーネント。
【請求項33】
前記共振周波数シフトは、前記材料が第一状態にあるときに電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり、前記材料が第二状態にあるときに前記電磁ピング音に応答した第二周波数でのものである、請求項31に記載のコンポーネント。
【請求項34】
前記共振周波数シフトは、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項31に記載のコンポーネント。
【請求項35】
前記共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示し、前記共振周波数シフトの第二周波数は、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示す、請求項31に記載のコンポーネント。
【請求項36】
前記共振周波数シフトは、前記材料の前記変形に応答している、請求項32に記載のコンポーネント。
【請求項37】
前記少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形の第一状態を示すように構成され、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形の第二状態を示すように構成される、請求項36に記載のコンポーネント。
【請求項38】
前記少なくとも1つのSRRは共振部分を含み、前記共振部分は、前記材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料の前記状態が前記閾値を下回るときに前記電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成される、請求項30に記載のコンポーネント。
【請求項39】
前記少なくとも1つのSRRは、1つ以上の対応する固有の周波数に共振するように構成され、前記周波数は前記少なくとも1つのSRRに近接した位置での前記材料の状態を示す、請求項30に記載のコンポーネント。
【請求項40】
コンポーネントの材料内に埋め込まれた少なくとも1つのスプリット-リング共振器(SRR)を含む、前記コンポーネントであって、
前記少なくとも1つのSRRは複合材料から形成され、
前記少なくとも1つのSRRは複数の第一炭素粒子を含み、前記複数の第一炭素粒子は、前記少なくとも1つのSRR内の前記第一炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、
前記コンポーネント。
【請求項41】
前記少なくとも1つのSRRは、前記材料の変化に応答した共振周波数シフトを有するように構成される、請求項40に記載のコンポーネント。
【請求項42】
前記変化は、前記材料の変形、応力、またはひずみのうちの少なくとも1つを含む、請求項41に記載のコンポーネント。
【請求項43】
前記共振周波数シフトは、前記材料が第一状態にあるときに電磁ピング音に応答した第一周波数でのものであり、前記材料が第二状態にあるときに前記電磁ピング音に応答した第二周波数でのものである、請求項41に記載のコンポーネント。
【請求項44】
前記共振周波数シフトは、前記材料の1つ以上の物性に少なくとも部分的に基づいている、請求項41に記載のコンポーネント。
【請求項45】
前記共振周波数シフトの第一周波数は、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第一状態を示し、前記共振周波数シフトの第二周波数は、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の第二状態を示す、請求項41に記載のコンポーネント。
【請求項46】
前記コンポーネントの前記材料内に埋め込まれるように構成された第二SRRをさらに含み、
前記第二SRRは複数の第二炭素粒子を含み、前記複数の第二炭素粒子は、前記第二SRR内の前記第二炭素粒子の濃度レベルに少なくとも部分的に基づいた電磁ピング音に応答して固有に共振するように構成される、請求項40に記載のコンポーネント。
【請求項47】
前記第一炭素粒子及び前記第二炭素粒子のそれぞれは、前記材料と化学結合する、請求項46に記載のコンポーネント。
【請求項48】
前記第一炭素粒子は第一多孔質構造体を形成する第一強集合体を含み、前記第二炭素粒子は第二多孔質構造体を形成する第二強集合体を含む、請求項46に記載のコンポーネント。
【請求項49】
前記共振周波数シフトは前記材料の前記変形に応答していること、
前記少なくとも1つのSRRは、電磁ピング音に応答して第一電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形の第一状態を示すように構成され、前記電磁ピング音に応答して第二電磁戻り信号を発生することによって前記材料の前記変形の第二状態を示すように構成されること、または
前記少なくとも1つのSRRは共振部分を含み、前記共振部分は、前記材料の状態が閾値を上回るときに電磁ピング音に応答して第一周波数に共振するように構成され、前記材料の前記状態が前記閾値を下回るときに前記電磁ピング音に応答して第二周波数に共振するように構成されること、
のうちの少なくとも1つである、請求項42に記載のコンポーネント。
【国際調査報告】