IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イマーゴタグ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特表2024-544463ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法
<>
  • 特表-ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法 図1
  • 特表-ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法 図2
  • 特表-ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法 図3
  • 特表-ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法 図4
  • 特表-ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/147 20060101AFI20241126BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20241126BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241126BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20241126BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20241126BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241126BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20241126BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G06F3/147
A47F5/00 E
G06T7/00 300
G06T7/70 A
G06F3/14 A
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 530M
G09G5/37 320
G09G5/377 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518116
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2021079102
(87)【国際公開番号】W WO2023066480
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】516239921
【氏名又は名称】ヴジョングループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】レースル・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヤウック・フィリップ
【テーマコード(参考)】
3B118
5B069
5C182
5L096
【Fターム(参考)】
3B118AA11
3B118BB04
3B118DA31
3B118FA11
5B069AA17
5B069BA04
5C182AA04
5C182AA14
5C182AB11
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC12
5C182AC43
5C182BA14
5C182BA23
5C182BA27
5C182BA44
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB23
5C182CB44
5C182CB54
5C182CC04
5C182CC21
5C182DA65
5L096BA08
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA69
5L096HA02
5L096JA11
(57)【要約】
ビデオラックレール2のスクリーン9の表示領域内に再生コンテンツを配置する方法であり、カメラ12を用いて、スクリーン9及び/又はスクリーン9に沿って延びる商品展示領域PBA,PBB,PBC,PBDのデジタル画像DAが撮影され、画像処理機器16を用いて、デジタル画像DA内において配置インジケータ及びその位置が自動的に検知されて、この配置インジケータが、スクリーン9に沿って展示すべき商品の場所を示すか、或いは画定し、画像処理手段16を用いて、配置インジケータの検知された位置に基づき、配置データPBA,PBB,PBC,PBDが生成されて、これらの配置データPBA,PBB,PBC,PBDが、表示領域8内で再生コンテンツを再生する場所を定義し、ビデオラックレール2が、配置データPBA,PBB,PBC,PBDに基づき、スクリーン9の表示領域8内に再生コンテンツを再生する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオラックレール(2)のスクリーン(9)の表示領域(8)内に再生コンテンツを配置する方法であって、
カメラ(12)を用いて、スクリーン(9)及び/又はスクリーン(9)に沿って延びる商品展示領域(PBA,PBB,PBC,PBD)のデジタル画像(DA)が撮影され、
画像処理機器(16)を用いて、配置インジケータ及びそのデジタル画像(DA)内の位置が自動的に検知されて、この配置インジケータが、展示される商品の場所をスクリーン(9)に沿って示すか或いは画定し、
前記画像処理機器(16)を用いて、前記配置インジケータの検知された位置に基づき、配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)が生成されて、これらの配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)が、表示領域(8)内で再生コンテンツを再生する場所を定義し、
前記ビデオラックレール(2)が、前記配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)に基づき、スクリーン(9)の表示領域(8)内に再生コンテンツを再生する当該方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記の配置インジケータの自動的な検知が、コンピュータによる画像内容及び/又はパターンの検知を用いて行われる当該方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
配置インジケータとして、光学信号、特に、人間には見えないスペクトル帯域内の光信号が検知される当該方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記の光学信号が時間的及び/又は空間的に変化する信号により構成される当該方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の方法において、
前記の光学信号がスクリーン(9)から出力される当該方法。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の方法において、
前記の光学信号が、商品展示領域(PBA,PBB,PBC,PBD)内に在るラックセパレータ(17A,17B,17C,17D)から出力される当該方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の方法において、
配置インジケータとして、商品展示領域(PBA,PBB,PBC,PBD)内に在る商品(6A,6B,6C,6D)又は商品グループが検知される当該方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法において、
前記の配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)が、画像処理機器(16)から上位の制御機器に出力され、この制御機器が、前記配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)に基づき、ビデオラックレール(2)のスクリーン(9)の表示領域内における再生コンテンツの配置形態を制御する、特に、そのような複数のビデオラックレール(2)に関して個々に制御する当該方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法において、
前記の配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)が、画像処理機器(16)から、デジタル画像(DA)を検出されたビデオラックレール(2)に直接出力され、このビデオラックレール(2)が、配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)に基づき、ビデオラックレール(2)のスクリーン(9)の表示領域内における再生コンテンツの配置形態を制御する当該方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法において、
前記の配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)が、以下に列挙した方式、即ち、
一つの方向に沿った表示領域内の位置を定義する単一の座標、
表示領域内の点の位置を定義する一対の座標、
表示領域内の線分、
表示領域内の面、
表示領域の一部、特に、スクリーン(9)に沿って延びる商品展示領域(PBA,PBB,PBC,PBD)に対応する部分、
の中の少なくとも一つにより表示領域内の配置形態を記述又は表現する当該方法。
【請求項11】
請求項8から10までのいずれか一つに記載の方法において、
前記の配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)が、
現時点に存在する配置形態と比較した、当該配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)によって引き起こされる配置形態の場所的な変化が、予め定義された閾値、特に、予め定義された固定的な閾値又は時間の推移と共に動的に変化する閾値を上回るとの条件、及び/又は
前記配置データ(PDA,PDB,PDC,PDD)を考慮するまでの時間的スパンが、時間的な閾値、特に、ビデオラックレール(2)の前での顧客の典型的な滞留時間によって定義される時間的な閾値を上回るとの条件、
の下でのみ再生情報を配置するために使用される当該方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法において、
前記のカメラ(12)と画像処理機器(16)が一つの機器に統合されており、特に、画像処理機器(16)がカメラ(12)に統合されており、
前記の配置データ(PDA、PDB、PDC.PDD)が、無線によりビデオラックレール(2)に直接出力され、及び/又は上位の制御機器に出力され、この上位の制御機器が、個々の再生コンテンツにより店内のビデオラックレール(2)の中の複数、特に全部を制御する当該方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法において、
本方法が、一つのスクリーンを用いた再生のために決定された複数の再生コンテンツに対して一つのカメラ(12)を使用する形態で適用される当該方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の方法において、
本方法が、特に、互いに並んで、或いは互いに重なり合って配置されたラック底板に設置された複数のスクリーン(9)を用いた再生のために決定された複数の再生コンテンツに対して一つのカメラ(12)を使用する形態で適用される当該方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、店内において、商品情報及び/又は価格情報が電子表示ユニット、特に、専門用語で「Electronic Shelf Label」、略してESLと呼ばれる電子棚札に表示されている。それらの物理的なESLは、ラック底板の前方部分を構成するラックレールに手動で、ラック底板に配置する商品に対応する位置に固定されており、典型的には電気泳動式のスクリーンを用いて、基本的に静的な商品情報及び/又は価格情報を表示している。更に、特許文献1により、ラックレールの前方部分を構成するビデオスクリーンを用いて、特に、商品に関する、ビデオによる情報(ビデオ又はビデオクリップ)を表示し、これらのビデオクリップに仮想的なESLを埋め込んで、商品の位置に対応して表示する、所謂ビデオラックレールが周知である。その際、それらの仮想的なESLの配置は、例えば、タブレットコンピュータなどの遠隔制御器によって手動で行われている。
【0003】
物理的なESLの場合、各ESLの配置形態と該当する商品の間のずれは、手動による介入、即ち、ESLを手動でずらすことによってしか除去することができない。そのことは、従業員がラックの通路を歩き回っている間に、目視で配置形態を検査し、前記のずれが有った場合に直ちに介入することで問題無く実行することができる。従業員は、例えば、ラックへの商品の補充などの主要な作業と関連して、即ち、並行して、それを問題無く実施することができる。
【0004】
仮想的なESLの場合、従業員は常に遠隔操作器を一緒に携帯しなければならず、遠隔操作器を操作する際にメニュー項目によって作業を実行しなければならず、遠隔操作器のユーザーインタフェースを操作することによりESLの配置作業を実施しなければならないので、その配置形態の適合は、それほど容易には実行できない。しかし、そのプロセスは、例えば、前述した商品の補充などの主要な作業の際に従業員を著しく邪魔することになり、そのことは、作業フローにおいて望ましいことではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許公開第2019/091566号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のことから、本発明の課題は、ビデオラックレールを使用する際の前述した欠点を克服する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の方法によって解決される。従って、本発明の対象は、ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを配置する方法であって、
カメラを用いて、スクリーン及び/又はスクリーンに沿って延びる商品展示領域のデジタル画像が撮影され、
画像処理機器を用いて、デジタル画像内における配置インジケータ及びその位置が自動的に検知されて、この配置インジケータが、スクリーンに沿って展示されるべき商品の場所を示すか、或いは画定し、
画像処理機器を用いて、配置インジケータの検知された位置に基づき、配置データが生成されて、この配置データが、表示領域内で再生コンテンツを再生する場所を規定し、
ビデオラックレールが、この配置データに従ってスクリーンの表示領域内に再生コンテンツを再生する、
方法である。
【0008】
本発明による措置により、配置データの自動的な決定によって、再生コンテンツの自動的な配置が初めて可能になる。詳細には、スーパーマーケットの従業員の手動による助け無しに完全に可能になるとの利点が得られる。そのようにして得られた配置データは、異なる手法で自動的な配置のためにも、特に、事前の配置に続き表示領域内の再生コンテンツの位置を変更するためにも利用することができ、以下において、このことを更に取り上げる。
【0009】
再生コンテンツは、例えば、ビデオ又はビデオクリップなどの動的に変化するコンテンツによっても、例えば、典型的には電子棚札により表示される商品情報及び/又は価格情報などの基本的に静的なコンテンツによっても提供することができる。この場合、各タイプの再生コンテンツは、ビデオラックレールのスクリーンのスクリーン用電子機器によって処理される再生データによって表され、これにより、スクリーンは、その表示領域内の定義された表示領域位置に各再生コンテンツを表示する。個々の再生コンテンツは、表示領域内の個々の表示領域位置に配置されて、互いに視覚的に重なり合うか、或いは隠し合うことが可能である。この場合、より大きな再生コンテンツをより小さな再生コンテンツと重ね合わせることによって、観察者に対して、ピクチャー・イン・ピクチャー効果を生じさせることができる。そのように、例えば、ビデオラックレールを用いて、一方において、ビデオを表示し、他方において、このビデオを仮想的なESLによって、表示領域の部分領域内に重ね合わせることができる。それにより、例えば、一つの商品に対して、表示領域の全長に沿って、感情を呼び起こすビデオを表示するとともに、所定の箇所に、正確に言うと表示領域内、即ち、ビデオ内の区画に、仮想的なESLを用いて、客観的な商品情報及び/又は価格情報を表示することができる。当然のことながら、表示領域は、その長さに沿って、異なる商品(これらの商品に沿って、表示領域が延びる)に応じて分割することもできる。それにより、n個の商品に対して、例えば、それぞれ商品に付属する仮想的なESLが埋め込まれたn個のビデオを互いに並べて再生することができる。仮想的なESLの基本的に静的なコンテンツの代わりに、動的なコンテンツをそこで再生することもできる。
【0010】
更に、本発明の特に有利な実施形態及び改善形態は、従属請求項と以下の記述から明らかになる。
【0011】
ラックの商品展示領域は、顧客に対して商品を展示する領域である。この領域は、通常異なる構成で互いに並んで、或いは互いに重なり合って配置されたラック底板である。この場合、そのようなラック底板の顧客の方を向いた前端は、ビデオラックレールによって画定されている。しかし、商品展示領域とは、例えば、互いに並んで吊り下げられた商品及び/又は異なる構成で互いに重なり合って分類されて吊り下げられた商品を展示する領域であると理解することもできる。ここで、ビデオラックレールは、例えば、吊り下げられた商品の下方に、同じく吊り下げられた形で、或いは、例えば、後方の終端壁、側方の隔壁又は支柱などのラックの構造に固定した形で配置することができる。
【0012】
デジタル画像は、カメラの撮影領域内で各シーンの動画又は静止画を撮影した時にカメラにより生成される画像データによって表される。このことは、(例えば、JPGフォーマット又はGIFフォーマットなどの)デジタル静止画像やデジタル静止画像のシーケンスによっても、(例えば、MP4フォーマット又はMOVフォーマットなどの)デジタルビデオによってもデジタル画像を規定できることを意味する。
【0013】
全自動で検知される配置インジケータは、非常に異なる性質又は非常に異なる特徴を有することができ、以下において、このことを詳しく取り上げる。
【0014】
ここで考察する本発明は、主に前述したビデオラックレールを備えたESLシステムの文脈において用いられる。
【0015】
情報の視覚化を目的として、ビデオラックレールの各々はビデオスクリーンを備えている。ESLシステムは、アクセスポイントとも呼ばれる多数の無線基地局を有し、これらの基地局は、それぞれビデオラックレールのグループに対して、各ビデオラックレールにより画定されたラック底板上に展示された商品に適合した動的な再生コンテンツも、静的な再生コンテンツも供給する。
【0016】
無線技術的な割当は、各アクセスポイントによって使用されるISMバンド内の好適な無線チャネルの選択と、ビデオラックレールを管轄するアクセスポイントへの当該ビデオラックレールの登録とによって行われる。無線通信のために、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、WLANネットワーク、有線接続式LANネットワークなどの基本的に標準化された無線プロトコルを使用することができる。
【0017】
これらのアクセスポイントは、それ自体、典型的には、例えば、ESLを管理及び制御する、或いは仮想的なESLの視覚的に認識可能な再生コンテンツを定義するソフトウェア・アプリケーション(例えば、ショップ管理ソフトウェア)が実行されるローカル・サーバーや、ビデオラックレールへの再生コンテンツの供給を制御する、場合によっては、商品管理の別の側面もカバーするクラウドベースのソフトウェア・アプリケーションなどの上位又は中央の制御機器とケーブルで接続されている。
【0018】
本方法では、先ずは、コンピュータによる画像内容及び/又はパターンの検知を用いて、配置インジケータとその位置の自動的な検知が行われる。この場合、プロセッサ上で実行されるソフトウェアが使用され、このソフトウェアは、カメラによって作成されたデジタル画像において、場合によっては、識別すべき特徴を有する、特に、既に事前に分かっている特徴をも有する可能性のある、それぞれ識別すべき配置インジケータを発見することに関して最適化されている。
【0019】
この場合、本方法の一つの実施構成では、光学信号、特に、人間には見えないスペクトル帯域内の光信号が、配置インジケータとして検知される。この光信号は、配置インジケータの検知を極めて容易にする。なぜなら、光信号の強度又はスペクトルは背景から容易に強調又は区別され、従って、デジタル画像でのデジタル探索の際に、物体が照明されていない場合よりも容易に発見可能だからである。特別な実施構成では、この光学信号は、人間には見えないスペクトル帯域内に移行することもでき、その結果、店内に留まる顧客が光学信号を感知することができず、従って、これらの顧客が光学信号によって刺激されることもなくなる。当然のことながら、カメラは、光信号のそれぞれ処理すべき波長又はスペクトル帯域に関して最適化されている。
【0020】
特に有利には、この光学信号は、時間的及び/又は空間的に変化する信号によって構成される。この種の信号は、一方において、しばしば静止した画像コンテンツよりも容易に画像コンテンツの変化を自動的に検知できるので、デジタル画像内で発見できる可能性を向上させることができる。この光学信号を用いて、光学信号が送信される位置と画像内で検知される位置に加えて、例えば、デジタル画像内で光学信号を発見するとの枠組みにおいて検出可能な別の情報も提供することができる。これらの別の情報は、例えば、光学信号の位置又はその周辺で発見される商品と関連付けることができる。
【0021】
時間的に変化する光学信号とは、例えば、点滅する光信号であると理解することができる。この光信号は、例えば、単一の光源から出力することができる。空間的に変化する光学信号とは、例えば、異なる光源又は位置から出力される、場合によっては、点滅する光信号、即ち、異なる光源によって生成される光信号の組み合わせであると理解することができる。空間的及び時間的に変化する光学信号とは、例えば、スクリーン上に表示される時間的に変化する光点群であると理解することができる。
【0022】
一つの変化形態では、この光学信号は、スクリーンから出力することができる。この目的のために、スクリーンは、例えば、その筐体に、或いは表示領域を取り囲むフレームに統合された発光ダイオード又はそれと同等の物を備えることができる。スクリーンの表示領域は、例えば、所定の箇所で単純な静的光信号を放出するか、単純な点滅する光信号を放出するか、或いは時間的及び/又は空間的に変更可能なパターンを表示するために使用することもできる。この場合、そのようなパターンは、ちょうど相応の符号化によって追加情報を提供するのに特に適している。光学信号を送出するとの目的のために発光ダイオード又はスクリーンを駆動することは、ここではビデオラックレールの電子機器によって行われる。特に、光学信号を出力するためにビデオラックレールのスクリーンを使用する場合、例えば、表示領域は、その長手方向の延びに沿って光学的に感知できるようにセグメント化することができ、そのようにして、それに対応する展示セグメントをラック底板の長手方向の延びに沿って出現させることができる。このことは、画像処理機器によって、表示領域のデジタル画像において検知されて、例えば、各展示セグメントの中心に一致するようにビデオラックレールのスクリーンの表示領域内に仮想的なESLを配置する形の配置データを生成するために使用することができる。
【0023】
別の実施構成では、この光学信号は、商品展示領域内に在るラックセパレータから出力される。ラックセパレータは、ラック底板上に配置されるほぼ板状の物体であり、それによって区切って、その左側と右側に配置する形で二つの商品又は商品グループを互いに空間的に分離する。これによって、光学信号の出力によって妨害しない形で、ビデオラックレールを用いて表示する再生コンテンツを再生できるとの作用が得られる。この場合、光学信号による信号伝達が、ビデオラックレールから空間的に切り離された形で行われ、従って、顧客による再生コンテンツの知覚を妨害しない。この目的のために、ラックセパレータは、その前方及び/又は上方の筐体側面、或いはこれら二つの筐体側面の間の交差領域内に一つ又は複数の発光ダイオードを備えており、これらは、筐体内に収容されたラックセパレータの電子機器を用いて駆動される。この前方の筐体側面は、ラック前の領域の方を向くとともに、基本的にビデオラックレールの方を向いた側面である。この上方の筐体側面は、当該商品が展示されたラック底板と反対の側面である。使用されるラックセパレータの構成とラックの空間的な状況に応じて、ラック内に設置されたラックセパレータの一つ又は複数の発光ダイオードを検出できるように、カメラを配置すべきである。
【0024】
別の実施構成では、商品展示領域内に在る商品又は商品グループが配置インジケータとして検知される。この実施構成では、追加の光源又はスクリーン自体による信号伝達を実施する必要がないとの利点が得られる。このことは、ビデオラックレールの側において、場合によっては、任意選択により配備されるラックセパレータ又はそれと同等の物の側においても、技術的な負担と投資に関する負担の両方を軽減する。本例では、コンピュータによる画像コンテンツ及び/又はパターンの検知は、配置データに到達するために、コンピュータによる画像評価によってラック内で発見可能な商品又は商品グループに向けられている。
【0025】
以下では、再生情報の配置形態を制御するために、如何にして配置データを使用するのかを取り上げる。
【0026】
配置データ処理の第一の実施構成では、配置データが、画像処理機器から上位の制御機器に出力され、この制御機器が、配置データに基づき、ビデオラックレール、特に、デジタル画像を検出したビデオラックレールのスクリーンの表示領域内での再生コンテンツの配置形態を制御する、特に、そのような多数のビデオラックレールに対して個別に制御する。
【0027】
この上位の制御機器は、小売業者の店内に設置された、個々のビデオラックレールに再生データを供給するソフトウェアを処理するサーバーであるとすることができる。これらの再生データは、スクリーンの表示領域全体に対して、各スクリーンを用いて表示すべき静的及び/又は動的な再生コンテンツを表す。即ち、、配置データを考慮した様々な個々の再生コンテンツの埋め込み又は「マージ」が上位の制御機器で事前に行われた後、その際に生成された再生データがビデオラックレールに出力されて、それにより表される再生コンテンツ全体がスクリーンを用いて視覚化される。
【0028】
しかし、この上位の制御機器は、サーバー上で、或いは計算センター内のサーバーファームを用いてホストされた、前述した目的のためにインターネットを介して小売業者に提供される、クラウドベースのソフトウェアソリューションとしても提供可能であるとすることができる。
【0029】
そのようにして、例えば、表示領域全体を満たす背景ビデオを再生し、表示領域内において、その背景ビデオに対して、ラック内の互いに並んで配置された異なる商品が置かれた位置に対応して、或いは並んで各商品に属する仮想的な価格ラベルをオーバーレイさせることができる。表示領域内に配置すべき再生情報を表す仮想的な価格ラベルの配置形態は、ここでは配置データによって記述されて、配置データは、制御機器によって、表示領域の幅に沿って一つの価格ラベル/複数の価格ラベルを配置するために利用される。
【0030】
この上位の制御機器は、各ビデオラックレールに対して決定された再生データを、そこでリアルタイムに再生するために、データストリームとしてビデオラックレールに伝送する。この上位の制御機器は、再生データを一回伝送すべきデータパケットとして当該のビデオラックレールに伝送することもでき、そこでは、このデータパケットが保存されて、繰り返し(即ち、それにより定義される再生コンテンツが、例えば、ローカルに保存されたビデオクリップ又はビデオフィルムとして反復する形で)再生される。
【0031】
更に、例えば、前述した背景ビデオも、ビデオラックレールのスクリーンの表示領域の長手方向の延びに沿って空間的にセグメント化することができ、各ビデオセグメントは、ラック内で互いに並んで展示された異なる商品の中の所定の商品に関する個別の動的な再生コンテンツを構成する。表示領域の幅に沿った個々のビデオセグメントの配置形態は、ここでは配置データによって記述され、これらの配置データは、制御機器によって、表示領域の幅に沿って個々のビデオシーケンスを配置するために利用される。この場合、個々のビデオシーケンスを表示する各幅も、制御機器によって、配置データを考慮して自動的に設定することができ、その結果、例えば、互いに並んで表示されるビデオセグメントの全体が表示領域の幅全体を満たす。個々のビデオシーケンスの間に暗く、或いはカラーでハイライトされた画像領域を設けて、これらの画像領域を表示領域の幅に沿って光学的に互いにより良好に際立たせるか、或いは視覚的に区切ることもできる。この例でも、仮想的な価格ラベルを表示領域に沿って配置することができ、この場合、これらのラベルは、例えば、各ビデオセグメントによって占有された表示領域の部分領域内の中央に配置される。この例でも、上位の制御機器は、配置データを、仮想的な価格ラベルを配置するために直接的に利用するか、或いは間接的に、即ち、ビデオシーケンスを配置した後に、配置したビデオシーケンスを参照して仮想的な価格ラベルを配置するために利用する。
【0032】
配置データ処理の第二の実施形態では、配置データは、画像処理機器から、スクリーン又はスクリーンに沿って延びる商品展示領域のデジタル画像を検出したビデオラックレールに直接出力され、このビデオラックレールは、配置データに基づき、ビデオラックレールのスクリーンの表示領域内における再生コンテンツの配置形態を制御する。この場合でも、配置データ処理の第一の実施構成により考察した機能を実現できるが、ここでは、これらの機能は、各ビデオラックレールの電子機器によって直接実現される。この目的のために、如何なる場合でも、背景ビデオが、場合によっては、ビデオシーケンスが、適切な数の仮想的なラックラベルも、デジタル形式で中央制御機器から各ビデオラックレールに伝送される。特に、背景ビデオの伝送もビデオシーケンスの伝送も、前述した通り、制御機器からビデオラックレールに向かって連続的なビデオストリームとして、或いは孤立したダウンロードとして行うことができる。各仮想的なラックラベルの伝送は、仮想的なラックラベルが内容的に静的である場合にはダウンロードとして実現される。このことは、そうである必要はないが、仮想的なラックラベルが内容的に動的である場合でも、ビデオラックレールに向かった伝送が有利であるとすることができる。この場合、特に、第二の実施構成によって、各再生コンテンツを配置するとの課題が各ビデオラックレールに分散して行われる、即ち、それに関して中央制御機器に大きな計算能力を配備することを計画する必要がなく、制御機器とビデオラックレールの間のデータトラフィックも、各再生コンテンツの提供/伝送に限定される、場合によっては、その初期の配置にのみに限定されるとの利点が得られる。ビデオラックレールは、確かに定義において既にビデオを再生する能力を有しているので、そこに組み込まれた電子機器にとって、場合によっては、そこで使用されるソフトウェアにとっても、前に考察した動的な再生コンテンツの配置と静的な再生コンテンツの配置の両方を実行できる性能の良いソフトウェアを実行することは容易である。即ち、例えば、メモリや計算能力などのビデオラックレールに分散して存在するデジタルリソースは、単に純粋な再生を実施するためだけでなく、再生すべき再生コンテンツの自動的な配置を実行するためにも最適に利用される。このことは、数千のビデオラックレールを配備する可能性のある大きなスーパーマーケットでの大規模な設置時に、上位の中央制御機器の負荷を大幅に軽減する。
【0033】
既に一般論として考察した通り、配置データは、ビデオラックレールの表示領域内での配置形態を記述する。詳しくは、配置データは、以下で列挙する形式の中の少なくとも一つにより表示領域内での配置形態を記述又は表現することができる、即ち、
a)一つの方向に沿った表示領域内の位置を定義する単一の座標。これは、例えば、背後に在るラック底板の長手方向の延びに対して平行に延びる表示領域の長さに沿って既に述べた配置形態を記述する。即ち、比喩的な意味で、ラック底板の長手方向の延びに沿って発見される異なる商品又は商品グループに沿った座標が記述される。そのように行われる配置形態の規定は、全ての再生コンテンツが、例えば、表示領域の下端又はそこから固定的な間隔に配置されるか、或いは下方の表示領域からの間隔が異なる(動的/静的又はビデオ/ラベルの)異なるグループに分類される形で配置されることを出発点としている。
b)表示領域内の点の位置を定義する座標対。この座標対の使用は、表示領域の周縁に対する配置形態を完全に柔軟化することを可能にする。ここで、そのようにして、再生コンテンツを表示領域内に自由に選択して配置することができる。
c)表示領域内の線分。線分の規定は、更に、各表示コンテンツの拡大縮小を実行することを可能にする。この場合、再生コンテンツは、この線分に沿って、即ち、一次元的に拡大縮小できるだけでなく、(この線分に直交する)第二の次元にもそれに比例して拡大縮小できる。
d)表示領域内の面。この規定は、表示領域内の自身の位置も定義された所与の面内において再生コンテンツを自由に選択して配置するか、或いは再生コンテンツを一つの領域に制限することを可能にする。再生コンテンツは、規定された面に適合するように、少なくとも一つの次元に関して、有利には、二つの直交する次元に関して比例して、この面内に表示するために拡大縮小することもできる。
e)表示領域の一部、特に、スクリーンに沿って延びる商品展示領域に対応する部分。この配置データの解釈は、特に、既に述べたビデオシーケンスを表示領域の長さに沿って表示領域の異なる区画内に配置する場合に有利である。
【0034】
配置データは、基本的に何時でも生成することができ、その生成後に配置のために持続的に使用することもできる。しかし、配置データは、再生情報を配置するための以下の条件下でのみ使用するのが特に有利であることが分かっている。
a)現時点に存在する配置形態と比較した、配置データによって規定される配置形態の場所的な変化が、予め定義された閾値、特に、予め定義された固定的な閾値又は時間の経過と共に動的に変化する閾値を上回るとの条件、及び/又は
b)配置データを考慮するまでの時間的スパンが、時間的な閾値、特に、ビデオラックレールの前での顧客の典型的な滞留時間によって定義される時間的な閾値を上回るとの条件
【0035】
本発明のこの観点は、前述した通り、ビデオラックレールによって直接生成された配置データ又は中央制御機器によって同じく生成された配置データを即座に実現することが、再生コンテンツの位置をしばしば場所的に小さく変化させるだけであっても、それでも高い頻度で変化させる可能性があり、そのことがビデオラックレールの視聴者を苛立たせる可能性があるので、しばしば全く望ましくないとの状況を考慮している。従って、配置データによって与えられる再生コンテンツの新たな配置形態を評価して、その評価において、新たな配置形態をそもそも実施すべきか否かを検査するのが有利である。
【0036】
例えば、前の時点の配置形態と比較した場所的な差異が小さ過ぎる場合、新たな配置を見合わせることができる。この場所的な差異に注目すべきであるのか、注目すべきでないのかの評価において、ビデオラックレールに沿って存在する商品又は商品グループの寸法が一定の役割を果たすことができる。例えば、そのようにして、例えば、光の状況又は影の変化等によって、カメラによる撮影の枠組みにおいて見込まれる最小限の場所的な差異を抑制可能である(即ち、注目しない)ことを保証できる。それに対して、例えば、既にラックに在る商品を新たに配置する際又はラックから商品を取り去る際に、或いはラックに商品を補充した結果として生じる可能性もある差異などのより大きな場所的な差異が非常に良く考慮される。
【0037】
更に、注目すべき差異であるのか否かの評価に、時間的スパンを取り入れることができる。それは、例えば、数秒から数分の固定的に設定される閾値であるとすることができ、この場合、確認された場所的な変化が、この時間的な閾値の経過後に漸く考慮される。しかし、有利には、この時間的な閾値は、ラックの前での顧客の通常の滞留時間と関連する。これによって、顧客が当該のラック又はラック前の当該の場所から去ったことを出発点とすることができる場合に、漸く配置形態の場所的な変更が実現されることが保証される。この措置は、例えば、複数の同じ商品が互いに並んで配置されており、これらの商品の中央に仮想的なラベルを配置する場合に非常に有利であるとすることができる。一つの商品をその商品グループの終端領域から取り去って、配置データを用いて、残りの商品に対して仮想的なラベルの新たな配置形態を示す場合、この新たな配置形態は、当該の顧客がラックから去ったことを出発点とすることができるまで待つことができる。
【0038】
基本的に、カメラと画像処理機器は互いに別個に設計することができる。このことは、例えば、出来る限り安価なカメラを使用して、そのカメラを用いて得られたデジタル画像が、そのカメラのグループに関する中央の画像処理機器に、例えば、グループ単位で転送され、そこで配置データが生成される場合に有利であるとすることができる。しかし、有利には、カメラと画像処理機器が一つの機器に統合されて、特に、画像処理機器がカメラに統合されて、配置データが無線によりビデオラックレールに直接出力されるか、上位の制御機器に出力されて、この上位の制御機器が、個々の再生コンテンツにより店内のビデオラックレールの中の多数を、特に、全部を駆動するか、或いはその両方である。この措置は、確かに特別なカメラ構成を必要とするが、そうでなければ追加で必要な画像処理機器又は当該のカメラとのこれらの機器の接続部分の分だけ、設置すべきコンポーネントの数が削減されるので、極めて簡単に設置できるインフラストラクチャーを同時に実現する。
【0039】
既に述べた通り、一つのスクリーンでの再生のために決定された複数の再生コンテンツに対して一つのカメラを用いる形態で本方法を適用するのが有利である。即ち、単一のカメラを用いて、スクリーン毎に異なる再生コンテンツを配置することが可能である。
【0040】
更に、特に、互いに並んで、或いは互いに重なり合って配置されたラック底板に設置された複数のスクリーンでの再生のために決定された複数の再生コンテンツに対して一つのカメラを用いる形態で本方法を適用するのが有利である。これは、単一のカメラを用いて、垂直及び水平に互いに隣接して配置された複数のスクリーンに対して異なる再生コンテンツを配置することも可能にする、即ち、一つのカメラに対するスクリーンのグループ化が得られることを意味する。当該のラックがカメラの撮影領域内に在る限り、一つのカメラを用いて、ラック全体に関して、場合によっては、複数のラックに関しても再生コンテンツの配置形態を制御することも可能である。
【0041】
撮影領域内に在るスクリーンは、これらのスクリーンへの再生コンテンツの割当てとそのために決定された配置データが一義的であるように、例えば、視覚化された符号によって、カメラ又は画像処理機器に対して一義的に識別することができる。
【0042】
例えば、システムの初期化フェーズにおいて、或いは「オンデマンド」により、即ち、カメラ自体又は中央のサーバーによって、ビデオラックレールへのコマンドを用いて「オンデマンド」が通知された場合に、ビデオラックレールが、システム又は各カメラの校正を実施するためのシンボルを(特に、短時間)表示することもできる。これによって、カメラが各スクリーンの表示領域と、特に、ラック内で、それに対して隣接して局所化された周囲環境との間の一義的な割当てを実施できることが保証され、その際、当然のことながら、各カメラのそれぞれの視野も考慮される。この場合、カメラは、各スクリーンの表示領域の位置と拡がりを記憶しており、画像処理機器によるデジタル画像の処理の際に、これらの情報を取り込む。この目的のために表示されるシンボルは、例えば、表示領域の外縁に沿って表示される線、即ち、利用可能な表示領域の範囲を示す線であるとすることができる。これに追加して、バーコード又はQRコード、或いは一義的な識別チャートによる英数字による表示によって行うこともでき、これらは、その後の動作の進行中に入手できるように、初期化又は校正の際に一緒に撮影される。
【0043】
最後に、一般論として、ここで考察した電子機器が、当然のことながら電子部品を備えていることにも言及しておく。これらの電子部品は、ディスクリートな、或いは集積された電子部品から構成するか、或いはこれら二つの組合せから構成することもできる。マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)を、場合によっては、アナログ又はデジタル式の電子周辺モジュールと組み合わせて使用することもできる。電子部品のプロセッサ上で実行されるソフトウェアを用いて、これらの機器の前述した機能の中の多くが、場合によっては、ハードウェア・コンポーネントとの協力した動作によって実現される。無線通信のために構成された機器は、通常トランシーバーモジュールの構成部分として、無線信号を送受信するためのアンテナ構成を備えている。更に、これらの電子機器は、交換可能又は充電可能なバッテリーを用いて実現できる内部電源を備えることができる。外部電源ユニットにより、「Power over LAN」を用いて、或いは電力伝送式無線信号によって、これらの機器に有線接続形態で給電することもできる。
【0044】
本発明のこれらの観点及び別の観点は、以下で考察する図面によって明らかとなる。
【0045】
以下において、添付図面を参照して実施例に基づき本発明を再度詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。この場合、異なる図面において、同じ構成要素には同じ符号を付与している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】初期に配置された仮想的なESLを表示するビデオラックレールが取り付けられたラックを有するESLシステムの模式的な部分図
図2】ESLシステムで使用されるカメラの模式図
図3】本発明の第一の実施例による仮想的なESLの配置形態を自動的に変更する構成の模式図
図4】商品の取り出しによって生じた配置形態を自動的に変更する別の構成の模式図
図5】本発明の別の実施例による仮想的なESLの配置形態を自動的に変更する構成の模式図
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、ビデオラックレール2を使用する、以下において、略して「システム1」と称する電子棚札システム1を図示している。このようなシステム1は、ビデオラックレール2だけに基づくか、或いは動的な再生コンテンツも、仮想的な電子棚札(略して、仮想的なESL)も表示可能なビデオラックレール2と、通常は静的な再生コンテンツだけを表示可能な物理的な電子棚札(略して、物理的なESL)とから成る混合式インフラストラクチャーを備えることもできる。本発明が焦点を当てるのは、このシステム1の中のラック3のみであり、そこに取り付けられたビデオラックレール2の動作に必要な機器類である。
【0048】
このシステム1は、店内の棚割りを保存した中央のサーバー4を有する。この棚割りは、商品及びそれに付属する、即ち、各商品と論理的に結び付けられた仮想的なESLの位置と(物理的なESLの位置も)、それらの店内、具体的には、ラック及びそこに取り付けられたラック底板における三次元的な位置とを表す、或いは描写するデータ構造である。各ESLは、一義的なESL符号によって識別可能である。同じことが、異なる商品又は商品グループにも言える。この例では、ビデオラックレールの位置も棚割りに記載されており、各ビデオラックレールも、一義的なビデオラックレール符号を用いて一義的に識別可能である。
【0049】
このサーバー4は、ビデオラックレール2及び物理的なESLを用いて表示する静的な再生コンテンツと動的な再生コンテンツの両方を提供し、この例では、ビデオラックレール2だけを取り上げる。
【0050】
各再生コンテンツを表す再生データWDは、サーバー4から、略して基地局5と呼ばれる無線基地局5を用いて、各ビデオラックレール2に伝送されて、そこに保存される。ビデオラックレール2自体は、それぞれ詳しくは図示されていない、それ自体良く知られたビデオラックレール用無線通信ステージを有し、このステージを用いて、基地局5の無線ネットワークに組み込まれている。
【0051】
この例において単一の基地局5だけが図示されている場合でも、実際の設置形態では、当然のことながら、このような複数の基地局5が店内に分散して設置されており、ビデオラックレール2は、無線通信技術により、このような基地局5にグループ単位で割り当てられている。この場合、空間的に隣り合う基地局5によって、ビデオラックレール2の各グループと通信するために、一つの周波数帯域の異なる無線チャネルが利用される。
【0052】
サーバー4は、基地局5へのビデオラックレール2の割り当てを知っており、従って、目的通り個々のビデオラックレール2のアドレスを指定して、ラック3の各ラック底板7に展示された商品6A~6Dに適合する再生コンテンツをビデオラックレールに伝送することができ、この場合、商品を識別する符号よる図面の過剰な飾り立てを避けるために、全ての商品6A~6Dに符号を付けていないが、異なる商品6A~6Dは、その特別な造形によって一義的に識別可能である。この場合、サーバー4は、ビデオラックレール2がその(ビデオ)スクリーン9の表示領域8内に再生コンテンツを配置又は位置決めするために使用する初期配置データPDIも伝送する。表示領域8は、破線により画定されており、このことは、スクリーン9が(過剰に目立たない)細いフレームにより取り囲まれていることを示している。当然のことながら、このフレームは非常に細くすることもできる。フレームを完全に省くこともできる。
【0053】
この例では、風景シーンにより全景を表す背景ビデオが動的な再生コンテンツとしてビデオラックレール2に伝送され、ビデオラックレールは、この背景ビデオを、表示領域8を満たす形で再生すると仮定している。二つのラック底板7上には、それぞれ二つの商品グループが互いに並んで展示されている、即ち、商品6A及び6Bが上段のラック底板7上に、そして商品6C及び6Dが上段のラック底板7上に互いに並んで展示されている。この例では、上段のラック底板7に展示されているのは、例えば、細長い、どちらかといえば平坦なパッケージに包装されたハイキング用ソックス6Bや、どちらかといえば立体的なパッケージに包装されたハイキング用シューズ6Aなどのハイキングに使用される商品である。下段のラック底板7に展示されている商品6C及び6Dも、少なくとも本考察の目的のために包装の形状が異なっている。
【0054】
従って、この例では、仮想的なESL11A~11Dが当該の商品6A~6Dに関する各商品情報及び/又は価格情報を表し、これらの仮想的なESL11A~11Dが、静的な再生コンテンツとして、初期配置データPDIと共にサーバー4から各ビデオラックレール2に伝送され、その後、ビデオラックレール2の各々が、初期配置データPDIによって与えられる位置に基づき、当該の仮想的なESL11A~11Dを表示領域8内に表示する。この例では、仮想的なESL11A~11Dは、最初にそれぞれ表示領域8の左端又は右端に配置される。この場合、表示領域の小さな部分だけを満たす各仮想的なESL11A~11Dが背景ビデオの前に表示される。即ち、各背景ビデオは、当該のESL11A~11Dによって部分的に覆い隠される。
【0055】
このシステム1は、更に、別に詳述しない構造13に固定されたカメラ12を備えている。この構造13は、例えば、店内の壁、天井、柱又は別のラックなどであるとすることができ、そこからは、カメラ12を用いて撮影するラック3を妨げられること無く見ることができる。
【0056】
図2に図示されている通り、カメラ12は、デジタル画像撮影のために通常配備されているレンズ14と、それに連結されるカメラ用電子部品14Aとを有し、この電子部品により、少なくとも画像撮影ステージ15を実現する第一のソフトウェアが実行され、このソフトウェアにより、ラック3のデジタル画像DAが、そこに在る全ての対象物、即ち、商品6A~6D及びビデオラックレール2のスクリーン9と共に作成される。このカメラ用電子部品14Aにより、画像処理機器16を実現する第二のソフトウェアも実行され、このソフトウェアを用いて、デジタル画像内における配置インジケータとその位置が検知される。従って、第二のソフトウェアは、デジタル画像内でのパターン認識に関して最適化されている。更に、カメラは、それ自体良く知られたカメラ用無線通信ステージも有し、これの図示が省かれている。このステージを用いて、カメラ12は、基地局5の無線ネットワークに組み込まれており、サーバー4とも、ビデオラックレール2とも通信することができる。
【0057】
この例では、ラック3内において、異なる商品6A~6Dが、画像検知機器16により、異なる包装、それらの形状又は寸法、或いはそれらのレッテルに基づき(又はこれらの側面の評価の組合せによって)直接検知されて、それらが各スクリーン2又は表示領域8に沿ってグループ単位で占有する各領域を決定することによって、商品6A~6Dの各グループの展示領域PBA,PBB,PBC,PBDが識別される。更なる工程では、各展示領域PBA,PBB,PBC,PBDの中心が特定されて、表示領域8の長手方向の延びに沿った(例えば、表示領域の左端から測った)これらの絶対位置が、第一の仮想的なESL11Aに関する個々の配置データPDA、第二の仮想的なESL11Bに関する個々の配置データPDB、第三の仮想的なESL11Cに関する個々の配置データPDC及び第四の仮想的なESL11Dに関する個々の配置データPDDを用いて生成される。
【0058】
画像処理機器16のデータ処理の範囲内において、各仮想的なESL11A~11Dも自動的に検出され、そのため当該のESL11A~11Dが一義的に識別される。この一義的な識別は、各仮想的なESL11A~11Dの商品情報及び/又は価格情報の評価によって行うか、各ESL11A~11Dを用いて表示される一義的な識別符号の検知又は各スクリーン8の表示領域8内の各ESL11A~11Dの位置の特定によって行うことができる。ビデオラックレール2が、当該のバーチャルESL11A~11Dの商品情報及び/又は価格情報を記憶していることと、当該のESL11A~11Dの識別符号を記憶していることと、如何なる例でもビデオを覆い隠す当該のESL11A~11Dの位置も記憶していることとの中の一つ以上であるので、当該のビデオラックレール2は、如何なる場合でも当該のバーチャルESL11A~11Dの一義的な識別に必要な三つのパラメータの中の少なくとも一つを知っている。
【0059】
それに続いて、各仮想的なESL11A~11Dに対して生成された配置データPDA~PDDが、確かに基地局5の無線ネットワークにも組み込まれているカメラ12から当該のビデオラックレール2に伝送され、そこで各仮想的なESL11A~11Dの配置のために使用される。即ち、配置データPDA~PDDの制御作用によって、各仮想的なESL11A~11Dがちょうど各展示領域PBA~PBDの中心に位置するように、仮想的なESL11A~11Dの位置が変更される。
【0060】
ここで、カメラ12は、配置データPDA~PDD以外に、デジタル画像DAをそれ自体として表すデータ、即ち、画像検出部の生データ又は既に前処理された生データも出力可能であるように構成できることにも言及したい。
【0061】
仮想的なESL11A~11Dの新しい配置形態が図3に図示されており、ここでは、矢印FA~FDは、図1に図示されているのと同様に、各初期位置と比較した、各配置データPDA~PDDによって引き起こされる、各ビデオラックレール2又はそのスクリーン9の表示領域8の長手方向の延びに沿った各仮想的なESL11A~11Dの位置のずれを示している。
【0062】
同様に、動的な再生コンテンツを構成する四つの異なる背景ビデオのために利用可能な表示幅の自動的な配分を行うこともでき、ここで、再び図1による状況を取り上げる。
【0063】
最初に、例えば、ラック底板7当たり、四つの背景ビデオが、表示領域に沿って50%/50%で配分されるように計画又は表示される。ここで、画像処理機器が、上段のラック底板7上において、第一の商品6Aがスクリーン9又はその表示領域8の長手方向の延びの中の40%しか占有せず、第二の商品6Bが60%を占有していることを検知した場合、上段のビデオラックレール2において第一の商品6Aに付属する背景ビデオに関して40%の再生幅を定義し、第二の商品6Bに付属する背景ビデオに関して60%の再生幅を定義する、それに対応する第一と第二の配置データPDA,PDBが生成される。これら二つの背景ビデオは、それに応じて拡大縮小され、その結果、展示領域PBA及びPBBに適合する形で表示される。ビデオ画像の幅及び高さの比例しない拡大縮小によって発生する可能性のある不自然な歪みを防止するために、当該の背景ビデオの各ビデオ画像全体の中の各商品展示領域PBA又はPBBに適合した部分がそこに表示されると規定することもできる。
【0064】
同じことが、第三の商品6Cが表示領域8の長手方向の延びの約70%を占有し、第四の商品6Dが約30%を占有する下段のビデオラックレール2にも言える。下段のビデオラックレール2は、それに対応して画像処理機器16をプログラミングして、第三の展示領域PBCに対応する表示領域8の長手方向の延びの70%により第三の背景ビデオを表示し、第四の展示領域PBDに対応する表示領域8の長手方向の延びの30%により第四の背景ビデオを表示するようにする。
【0065】
それに続いて、図4で上段のラック底板7を参照して図示されている通り、商品展示領域PBAが、商品の取り去りによって変化したこと、具体的には、商品6Aに関して、二つの商品6A~6Bの中の右側の商品6Aが上段のラック底板7から取り去れたために、商品展示領域PBAが、表示領域8に沿った長手方向の寸法に関して約半分になって、その中心が左に向かってずれたと想定することができる。この変化は、カメラ12の画像処理機器16によって検知されて、第一の仮想的なESL11Aに対して新しい配置データPDAが生成され、この配置データは、上段のビデオラックレール2に伝送されて、そこで第一の仮想的なESL11Aを最終的に残った商品6Aに対して中央に新たに配置することを引き起こす。このことは、図3に図示された位置と比較した第一の仮想的なESL11Aのずれを示す矢印FAによって表されている。
【0066】
本発明の別の実施構成では、商品6A~6Dの配置形態は、場合によっては、それらに割り当てられた展示領域PBA~PBDの配置形態も、図5に図示された所謂ラックセパレータ17A~17Dによって表すことができ、この場合、ラックセパレータは、商品11A~11D自体が配置インジケータを構成する図1と異なり、この例では、画像処理機器16によって自動的に検知される配置インジケータを構成する。
【0067】
この場合、ラックセパレータ17A~17Dは、商品と明確に区別可能である、その特別な形状に基づき、画像処理機器16によって、デジタル画像DA内において識別することができる。しかし、有利には、ラックセパレータは、同じく基地局5の無線ネットワークでの無線通信のために構成された(図示されていない)ラックセパレータ用電子部品を備えている。そのような無線通信の過程で、各ラックセパレータ17A~17Dには、それらに隣接して配置された商品6A~6Dを一義的に識別するための識別データが伝送される。ラックセパレータ17A~17Dの電子部品は、更に、外から筐体の前側を通して、或いは上側を通しても見えるLED18A~18D又は筐体内に組み込まれたLED18A~18Dと接続された光ファイバーを備えている。これらのLED18A~18Dを用いて、各ラックセパレータ17A~17Dのラックセパレータ用電子部品が、変化する(変調された、或いは点滅する)光信号を出力し、この信号を用いて、情報内容としての一義的な識別データも出力される。個々の光信号を用いて、個々のラックセパレータ17A~17Dが、画像処理機器16によって配置インジケータとして検知されるととも、その位置も検知される。
【0068】
定義によると、この例によるラックセパレータ17A~17Dは、図5に図示されている通り、各商品6A~6Dの右側に配置されている。第一の商品展示領域PBAは、隣り合うラックセパレータ17Aと17Bの間に延びている。第三の商品展示領域PBCは、隣り合うラックセパレータ17Cと17Dの間に延びている。第二の商品展示領域PBBは、第二ラックセパレータ17Bから左側に向かって上段のラック底板7又は上段のビデオラックレール2の終端にまで延びている。第四の商品展示領域PBDは、第四のラックセパレータ17Dから左側に向かって下段のラック底板7又は下段のビデオラックレール2の終端にまで延びている。当然のことながら、各ラック底板7の左側に対して、中立的な光信号を送出して、単に展示領域PBBとPBDを画定するためだけに使用される(図示されたいない)終端のラックセパレータを配備することもできる。
【0069】
この構成に基づき、画像処理機器16は、仮想的なESL11A~11Dの配置データを生成して、このデータを無線によりビデオラックレール2に伝送することができ、そこでは、仮想的なESL11A~11Dの新たな配置が図3と同様に行われる。
【0070】
この前に考察した背景ビデオの配置は、ラックセパレータ17A~17Dを用いて同様に実施することもできる。
【0071】
多くの場合、能動的に光を放出する配置インジケータは、商品自体を配置インジケータとして使用する例よりも簡単に画像処理機器16に検知される。このことは、誤り率を低減するとともに、検知プロセス又は識別プロセスを大幅に加速する。従って、別の能動的に光を放出する物体を配置インジケータとして使用する形態を採用することもできる。これらは、スクリーンに沿って展示する商品の場所を指定又は画定するためだけに適していればよい。
【0072】
最後に、前に詳しく説明した図面は、当業者が本発明の範囲を逸脱すること無く様々な形で修正できる単なる実施例であることを再度指摘しておく。完璧にするために、不定冠詞「ein」又は「eine」の使用は、当該の特徴が複数存在する可能性も排除しないことも指摘しておく。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】