(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】粒子分離システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B03C 1/28 20060101AFI20241126BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20241126BHJP
B01J 19/00 20060101ALI20241126BHJP
G01N 15/1031 20240101ALI20241126BHJP
C12N 1/02 20060101ALI20241126BHJP
C12Q 1/24 20060101ALI20241126BHJP
C12M 1/26 20060101ALN20241126BHJP
【FI】
B03C1/28 107
B03C1/00 H
B03C1/00 A
B01J19/00 321
G01N15/1031
C12N1/02
C12Q1/24
C12M1/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525797
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022046087
(87)【国際公開番号】W WO2023059898
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521242749
【氏名又は名称】レヴィタスバイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEVITASBIO, INC.
(71)【出願人】
【識別番号】524159000
【氏名又は名称】セオドロス エヴァン デ グルート
【氏名又は名称原語表記】DE GROOT, Theodorus Evan
(71)【出願人】
【識別番号】524159011
【氏名又は名称】ジェフ フェイサー
【氏名又は名称原語表記】FACER, Geoff
(71)【出願人】
【識別番号】524159022
【氏名又は名称】アミレザ マレカンファルド
【氏名又は名称原語表記】MALEKANFARD, Amirreza
(71)【出願人】
【識別番号】524159033
【氏名又は名称】ガン スン
【氏名又は名称原語表記】SUN, Gang
(71)【出願人】
【識別番号】524159044
【氏名又は名称】レズリー スザンヌ ウィーヴァー
【氏名又は名称原語表記】WEAVER, Lesley Suzanne
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】セオドロス エヴァン デ グルート
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ フェイサー
(72)【発明者】
【氏名】アミレザ マレカンファルド
(72)【発明者】
【氏名】ガン スン
(72)【発明者】
【氏名】レズリー スザンヌ ウィーヴァー
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4B065
4G075
【Fターム(参考)】
4B029AA09
4B029BB02
4B029BB06
4B029BB11
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4G075DA18
4G075EA06
4G075EB50
4G075FA05
4G075FC11
(57)【要約】
マルチチャンネルフローセルと共に使用する磁気浮上式粒子分離システム及び方法。このシステムは、フローセルを固定し、磁石のアレイに対して位置決めするための上部クランプと下部クランプを備えた、フローセルを受け入れ、保持するためのコアを含むことができる。システムは、フローセルの処理チャンネルにおける粒子分離を画像化し、フローセルの温度を調節するように構成されている。コアは単一ユニットとして取り外し可能であり、システムの再構成を容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャンネルフローセル装置
(A)基板;
(b)基板に形成された複数の流体分離チャネル
(i)各流体流路は、入口および少なくとも2つの出力と流体連通する磁気処理流路からなる、
(ii)各処理チャネルは、処理チャネルの一部を少なくとも上部と下部とに垂直に分離する少なくとも1つの仕切板を備え、上部は出力の一方と流体連通し、下部は出力の他方と流体連通している、
(iii)各処理チャネルは、処理チャネルの長さに沿って延びる少なくとも1つの撮像面をさらに備え、撮像面は、処理チャネル内の粒子の撮像を可能にするように構成される
ここで、基板および基板に形成された複数の流体分離チャネルは、マルチチャネルフローセルカートリッジとして構成される。
【請求項2】
各処理チャネルが、処理チャネルに沿って延びる2つの対向する撮像面を備える、請求項1に記載のマルチチャネルフローセル装置。
【請求項3】
基板に形成された複数のチャネルビームをさらに備え、チャネルビームは、フローセルカートリッジの入口端部と出口端部との間に延在し、チャネルビームは、各々、処理チャネルの1つを構成し、各チャネルビーンは、隣接するチャネルビームから間隔を空けて配置される、先行する請求項のいずれかに記載のマルチチャネルフローセル装置。
【請求項4】
基板が、流体チャネルから離れるように下方に延びる側壁をさらに備え、側壁はそれぞれ、撮像面の1つに光学的にアクセスするように構成された開口部を備える、先行する請求項のいずれかに記載のマルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、以下を含む粒子を処理するための磁気装置をさらに含む、マルチチャンネルフローセル装置
(a)フローセルカートリッジを受け入れ、保持するように構成されたホルダー
(b)磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されるときに、処理チャネルに磁場勾配を印加するように構成された磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されるときに、処理チャネルの上方および下方の少なくとも一方に配置された磁石のアレイならびに
(c)フローセルカートリッジがホルダーに保持されている間、および磁石のアレイが処理チャネルの上方および下方の少なくとも一方に配置されている間に、処理チャネル内の粒子の垂直分離を画像化するように構成されたイメージャ。
【請求項6】
請求項5に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、前記イメージャは、以下の構成からなる折り畳まれた光路を介して前記処理チャンネル内の粒子を画像化するように構成されている、マルチチャンネルフローセル装置
(i)処理チャネルの1つの真上に配置された磁石と真下に配置された磁石との間に延びる経路部分と
(ii)磁石アレイの隣接する2つの磁石の間のホルダーの開口部を通って延びる第2の部分。
【請求項7】
請求項5~6のいずれかに記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、イメージャが光学ペリスコープからなり、フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されている間、及び磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理チャンネルの上下に位置決めされている間に、ペリスコープを処理チャンネルの1つに隣接する位置に移動させ、それに沿って走査するように構成されたシステム。
【請求項8】
請求項5~7のいずれかに記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、ホルダが、フローセルカートリッジの処理チャンネルの温度を調節するように構成されたコアユニットを備え、コアユニットが、フローセルカートリッジがコアユニットによって受け取られ保持されるとき、温度導電性表面が処理チャンネルに接触するように配置された複数の温度導電性表面を備える、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項9】
温度伝導性表面が、温度伝導性材料で形成された支柱の端面からなり、各支柱が磁石アレイの磁石を保持する、請求項5~8のいずれかに記載のマルチチャンネルフローセル装置。
【請求項10】
コアユニットが、冷却アセンブリからピラー端面に向かってピラーに沿って延びる空気流路をさらに備え、空気流路が、対流空気流を介してピラーおよびフローセルカートリッジを冷却するように構成されている、請求項9に記載のマルチチャンネルフローセル装置。
【請求項11】
コアユニットが、フローセルカートリッジホルダーと、フローセルカートリッジをポンプサブシステム、磁石アレイ、および冷却アセンブリに流体的に接続するように構成された流体コネクタアセンブリと、を備える、請求項8~10のいずれかに記載のマルチチャンネルフローセル装置。
【請求項12】
第2のフローセルカートリッジホルダ、第2の流体コネクタアセンブリ、第2の磁石アレイ、および第2の冷却アセンブリを有する第2のコアユニットをさらに含み、第2の磁石アレイが、他方のコアユニットの磁石アレイとは異なる構成を有し、粒子処理用磁気装置が、両方のコアユニットを交互に受け取り、作動させるように構成されている、請求項11に記載のマルチチャンネルフローセル装置。
【請求項13】
粒子を処理するための磁気装置が、磁気浮上式粒子分離システムからなる、請求項5~12のいずれかに記載のマルチチャンネルフローセル装置。
【請求項14】
請求項13に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、粒子を処理するための磁気装置が、処理チャンネル当たり少なくとも約100万個の粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備える、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項15】
請求項13に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、粒子を処理するための磁気装置が、少なくとも約500万個の粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備える、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項16】
マルチチャンネルフローセル装置
(a) 基板;
(b)基板に形成された複数の共平面流体分離チャネルであって、このチャネルでは
(i)各流体流路は、入口および少なくとも2つの出力と流体連通する磁気浮上処理流路からなる、
(ii)各処理チャネルは、処理チャネルの一部を少なくとも上部と下部とに垂直に分離する少なくとも1つの仕切板を備え、上部は出力の一方と流体連通し、下部は出力の他方と流体連通している、
(iii)各処理チャネルは、処理チャネルの長さに沿って延びる対向する側面撮像面をさらに備え、撮像面は、処理チャネル内の粒子の磁気浮上を撮像できるように構成される;
ここで、基板および基板に形成された複数の流体分離チャネルは、マルチチャネルフローセルカートリッジとして構成される。
【請求項17】
基板を貫通して延びる複数の開口部をさらに備え、各開口部は2つの隣接する処理チャネルの間に延び、開口部は撮像面への光学的アクセス用に構成される、請求項16に記載のマルチチャネルフローセル装置。
【請求項18】
請求項17に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、各処理チャンネルは、間隔をあけて配置されたチャンネルビームを通って延び、各チャンネルビームは、少なくとも1つのアライメントタブを含む、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項19】
マルチチャンネルフローセル装置:
(a)マルチチャンネルフローセルカートリッジであって、(i)基板と、(ii)基板に形成された複数の流体分離チャンネルと、を備える;
(b)粒子を処理するための磁気装置であって(i)フローセルカートリッジを受容し保持するように構成されたホルダと、(ii)磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受容され保持されているときに、処理チャネルに磁場勾配を印加するように構成された 磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受容され保持されているときに、処理チャネルの上方および下方の少なくとも一方に位置決めされた磁石のアレイと、を含む;iii)フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されている間、及び磁石のアレイが処理チャネルの上方及び下方の少なくとも一方に配置されている間に、処理チャネル内の粒子の垂直分離を画像化するように構成されたイメージャ。
【請求項20】
請求項19に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、該装置が、少なくとも約500万粒子の1回の分離ランにおける最小粒子分離容量を備える、 マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項21】
請求項19に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、該装置が、少なくとも約500万個の粒子の1回の分離ランにおける最小粒子分離能力を備え、該粒子が1~5ミクロンの間の特性寸法を有する、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項22】
請求項19に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、該装置が、少なくとも約500万個の球状粒子の1回の分離ランにおける最小粒子分離能力を備え、該粒子が少なくとも約3ミクロンの平均直径を有する、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項23】
請求項19に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、該装置が、処理チャンネル当たり少なくとも約2000万粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備える、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項24】
請求項19に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、装置が、処理チャンネル当たり少なくとも約2,000万粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を 備え、粒子が1~5ミクロンの間の特性寸法を有する、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項25】
請求項19に記載のマルチチャンネルフローセル装置であって、該装置が、処理チャンネル当たり少なくとも約2000万個の球状粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備え、該粒子が少なくとも約5ミクロンの平均サイズを有する、マルチチャンネルフローセル装置。
【請求項26】
マルチチャンネルフローセルカートリッジ:
(a) 基板;
(b)基板に形成された複数の流体分離チャネル:
(i)各流体流路は、入口および少なくとも2つの出力と流体連通する磁気浮上処理流路からなる、
(ii)各処理チャネルは、処理チャネルの一部を少なくとも上部と下部とに垂直に分離する少なくとも1つの仕切板を備え、上部は出力の一方と流体連通し、下部は出力の他方と流体連通している、
(iii)各処理チャネルは、処理チャネルの長さに沿って延びる少なくとも1つの撮像面をさらに備え、撮像面は、処理チャネル内の粒子の磁気浮上を撮像できるように構成される。
【請求項27】
各処理チャネルが、処理チャネルに沿って延びる2つの対向する撮像面を備える、請求項26に記載のカートリッジ。
【請求項28】
処理チャネルが同一平面上にある、請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
請求項27に記載のカートリッジ、基板に形成された複数の流路ビームをさらに含み、流路ビームはフローセルカートリッジの入口端と出口端の間に延び、流路ビームはそれぞれ処理流路の一つを構成する。
【請求項30】
各チャンネル豆が隣接するチャンネルビームから間隔を置いて配置されている、請求項29に記載のカートリッジ。
【請求項31】
請求項29に記載のカートリッジであって基板を貫通して延びる複数の開口部をさらに含み、各開口部は、処理チャネルに沿って2つの隣接するチャネルビームの間に延び、開口部は、撮像面への光学的アクセス用に構成される。
【請求項32】
各チャンネルビームが少なくとも1つのアライメントタブを備える、請求項29に記載のカートリッジ。
【請求項33】
基板が、流体チャネルから下方に離れるように延びる側壁をさらに備える、請求項26に記載のカートリッジ。
【請求項34】
請求項33に記載のカートリッジであって、側壁はそれぞれ、撮像面の1つに光学的にアクセスするように構成された開口部を含む、カートリッジ。
【請求項35】
フローセルカートリッジと共に使用するための磁気浮上式粒子分離システムであって、フローセルカートリッジは複数の処理チャネルを有し、粒子分離システムは以下を含む:
(a)フローセルカートリッジを受け入れ、保持するように構成されたホルダー;
(b)磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されるときに、処理チャネルに磁場勾配を印加するように構成された磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されるときに、処理チャネルの上方および下方の少なくとも一方に配置された磁石のアレイ;ならびに
(c)フローセルカートリッジがホルダーに保持されている間、および磁石のアレイが処理チャネルの上方および下方の少なくとも一方に配置されている間に、処理チャネル内の粒子の垂直分離を画像化するように構成されたイメージャ。
【請求項36】
請求項35に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、該システムが、1回の分離実行における最小粒子分離容量が少なくとも約500万粒子である。
【請求項37】
請求項35に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、該システムは、1回の分離実行における最小粒子分離容量が少なくとも約500万粒子であり、該粒子は1~5ミクロンの間の特性寸法を有することを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項38】
請求項35に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、該システムが、少なくとも約500万個の球状粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備え、該粒子が少なくとも約3ミクロンの平均直径を有する、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項39】
請求項35記載の磁気浮上式粒子分離システム、システムが、1回の分離実行における最小粒子分離容量が、処理チャンネルあたり少なくとも約2000万粒子。
【請求項40】
請求項35に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、該システムが、処理チャンネル当たり少なくとも約2000万個の粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備え、該粒子が1~5ミクロンの間の特性寸法を有する、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項41】
請求項35に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、該システムが、処理チャネル当たり少なくとも約2000万個の球状粒子の1回の分離実行における最小粒子分離能力を備え、該粒子が少なくとも約5ミクロンの平均サイズを有する、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項42】
請求項35記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、イメージャが、折り畳まれた光路を介して処理チャンネル内の粒子の垂直分離を画像化するように構成されていることを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項43】
請求項42記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、前記折り畳まれた光路は、前記処理流路の1つの真上に配置された磁石と、前記処理流路の1つの真下に配置された磁石との間に延びる経路部分を備えることを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項44】
折り畳まれた光路が、磁石アレイの2つの隣接する磁石間のホルダーの開口部を通って延びる第2の部分をさらに含む、請求項43に記載の磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項45】
請求項35記載の磁気浮上式粒子分離システム、イメージャが光学ペリスコープからなり、フローセルカートリッジがホルダにより受け止められ保持されている間、及び磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理チャネルの上下に位置決めされている間に、ペリスコープを処理チャネルの1つに隣接する位置に移動させるように構成されたシステム。
【請求項46】
請求項45に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、フローセルカートリッジがホルダーに受け止められ保持されている間、及び磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理チャネルの上下に位置決めされている間、システムが、処理チャネルの長さに沿ってペリスコープを走査するように構成されている、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項47】
請求項45に記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、前記ホルダーは、前記ペリスコープが前記開口部を通って前記処理チャネルに隣接する位置まで移動することを可能にする大きさおよび位置の複数の開口部を備えることを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項48】
請求項35記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、前記ホルダーは、上部クランプと下部クランプとを有するコアユニットを備え、該コアは、前記フローセルカートリッジを上部クランプと下部クランプとの間に受け入れてクランプするように構成され、前記磁石のアレイは、前記上部クランプに配置された磁石の第1のアレイと、前記下部クランプに配置された磁石の第2のアレイとを備えることを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項49】
請求項48に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、前記イメージャが、処理チャネルの真上に配置された第1のアレイの磁石と処理チャネルの真下に配置された第2のアレイの磁石との間に延びる光路の第1の部分と、処理チャネルの真上に配置された第1のアレイの磁石と隣接する処理チャネルの上に配置された第1のアレイの別の磁石との間に延びる光路の第2の部分と、を含む光路を介して、処理チャネルの1つにおける粒子の垂直分離を画像化するように構成されている、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項50】
請求項35記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、ホルダーが、フローセルカートリッジの処理流路の温度を調節するように構成されたコアユニットを含むことを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項51】
請求項50記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、前記コアユニットは、前記フローセルカートリッジが前記コアユニットによって受容され保持されるとき、前記温度伝導性表面が前記処理チャネルに接触するように配置される複数の温度伝導性表面を備えることを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項52】
前記温度伝導性表面が、温度伝導性材料で形成された支柱の端面からなり、各支柱が磁石アレイの磁石を保持する、請求項 51 に記載の磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項53】
請求項52に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、前記システムは、前記支柱を冷却し、それにより伝導を介して前記処理チャネルを冷却するように構成されている、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項54】
請求項53記載の磁気浮上式粒子分離システムにおいて、前記コアは、前記支柱と接触し、前記支柱を導電冷却するように構成された冷却アセンブリを備えることを特徴とする磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項55】
前記冷却アセンブリが、温度制御プレート、熱電冷却器、およびヒートシンクからなる、請求項54に記載の磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項56】
前記コアユニットが、前記冷却アセンブリから前記ピラー端面に向かって前記ピラーに沿って延びる空気流路をさらに備え、前記空気流路が、対流空気流を介して前記ピラーおよび前記フローセルカートリッジを冷却するように構成されている、請求項54に記載の磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項57】
前記コアユニットが、前記システムの取り外し可能なユニットを構成する、請求項50に記載の磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項58】
コアユニットが、フローセルカートリッジホルダーと、フローセルカートリッジをポンプサブシステム、磁石アレイ、および冷却アセンブリに流体的に接続するように構成された流体コネクタアセンブリと、を備える、請求項57に記載の磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項59】
請求項58に記載の磁気浮上式粒子分離システムであって、システムが、第2のフローセルカートリッジホルダー、第2の流体コネクターアセンブリ、第2の磁石アレイ、および第2の冷却アセンブリを有する第2のコアユニットをさらに備え、第2の磁石アレイが、他方のコアユニットの磁石アレイとは異なる構成を有し;システムが、両方のコアユニットを交互に受け取り、作動させるように構成される、磁気浮上式粒子分離システム。
【請求項60】
以下を含む粒子分離方法
(a)マルチチャンネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填する工程であって、該マルチチャンネルフローセルカートリッジは、少なくとも第1の処理チャンネル及び第2の処理チャンネルを有する、工程;
(b)粒子と常磁性流体の第1の懸濁液を第1の処理チャネルに流す工程;(c)粒子と常磁性流体の第2の懸濁液を第2の処理チャネルに流す工程;
(d)第1および第2の処理チャンネル内の第1および第2の懸濁液を、1つまたは複数の磁場勾配にさらす;
(e)第1の処理チャネル内の粒子を1つまたは複数のバンドに分離し、第2の処理チャネル内の粒子を1つまたは複数のバンドに分離する工程;
(f)1つ以上の分離されたバンドを第1の処理チャネルで撮像し、1つ以上の分離されたバンドを第2の処理チャネルで撮像し、(g)バンドの少なくとも1つを別々に収集する。
【請求項61】
分離された帯域を画像化することが、分離された帯域を画像化するために粒子分離システムの画像化サブシステムを使用することからなり、画像化サブシステムが、第1の処理チャネルと第2の処理チャネルとの間の領域に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの光学部品を含む、請求項60に記載の粒子分離方法。
【請求項62】
請求項61に記載の粒子分離方法であって、前記マルチチャンネルフローセルカートリッジが、前記第1および第2の処理チャンネルの間に位置決めされた開口部を備え、前記イメージングサブシステムの光学コンポーネントが、前記処理チャンネルの少なくとも1つの撮像中に前記開口部に少なくとも部分的に位置決めされる、粒子分離方法。
【請求項63】
請求項62に記載の粒子分離方法であって、前記光学部品が反射器からなることを特徴とする粒子分離方法。
【請求項64】
請求項61に記載の粒子分離方法であって、撮像サブシステムが、第1または第2の処理チャネルの一方を横切って配置された第2の光学部品をさらに備え、処理チャネルの少なくとも一方の撮像中に、開口部内の少なくとも1つの光学部品と対向する、粒子分離方法。
【請求項65】
請求項61に記載の粒子分離方法であって、該方法は、粒子分離システムを用いて、少なくとも1つの光学部品を開口部に移動させ、次いで、第1および第2の処理チャネルの少なくとも1つを撮像し、次いで、少なくとも1つの光学部品を開口部から移動させることをさらに含む、粒子分離方法。
【請求項66】
請求項65に記載の粒子分離方法であって、該方法は、粒子分離システムを使用して、少なくとも1つの光学部品を開口部内の1つの位置から開口部内の別の位置へ移動させること、および第1および第2の処理チャネルの少なくとも一方をチャネルの長さに沿って異なる位置で撮像することをさらに含む、粒子分離方法。
【請求項67】
前記開口部が、前記第1および第2の処理チャネルに沿って延びる細長い開口部からなる、請求項65に記載の粒子分離方法。
【請求項68】
分離された帯域を画像化することは、分離された帯域を画像化するために粒子分離システムの画像化サブシステムを使用することからなり、画像化サブシステムは少なくとも1つの折り畳まれた光路を有する、請求項60に記載の粒子分離方法。
【請求項69】
マルチチャンネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填することが、マルチチャンネルフローセルカートリッジを磁石のアレイに対して位置決めすることを含む、請求項60に記載の粒子分離方法。
【請求項70】
請求項69に記載の粒子分離方法において、磁石のアレイは、少なくとも第一の磁石と第二の磁石からなり、第一の磁石は、マルチチャンネルフローセルカートリッジが粒子分離システムに装填されたとき、第一の分離チャンネルに隣接し、第二の磁石は、第二の分離チャンネルに隣接することを特徴とする粒子分離方法。
【請求項71】
請求項70に記載の粒子分離方法において、前記第1の磁石は、前記第2の磁石の極性と整合しない極性からなることを特徴とする粒子分離方法。
【請求項72】
磁石のアレイが上部磁石のアレイと下部磁石のアレイからなり、マルチチャンネルフローセルカートリッジが粒子分離システムに装填されたときに、マルチチャンネルフローセルカートリッジが上部磁石アレイと下部磁石アレイの間に位置する、請求項69に記載の粒子分離方法。
【請求項73】
請求項72記載の粒子分離方法において、前記上部磁石のアレイは、交互極性磁石のアレイからなり、前記下部磁石のアレイは、交互極性磁石のアレイからなることを特徴とする粒子分離方法。
【請求項74】
以下を含む粒子分離方法:
(a)1つまたは複数の粒子分離チャンネルに、懸濁液中の少なくとも約500万個の粒子と溶液中の常磁性化合物とを含む試料を投入する工程であって、粒子が第1のタイプの粒子と第2のタイプの粒子とを含む、工程;
(b)試料の上下の位置で磁場勾配に試料をさらす;
(c)試料懸濁液中の粒子を相対的平衡位置に到達させる工程であって、第1のタイプの粒子が1つまたは複数の流路内で第1の平衡位置に到達し、第2のタイプの粒子が1つまたは複数の流路内で第2の平衡位置に到達する、工程;
(d)第1のタイプの粒子または第2のタイプの粒子の実質的な部分を除去および/または画像化する工程;
(e)ステップa、b、c、dが20分以内で行われる。
【請求項75】
粒子が1~5ミクロンの間の特性寸法を有する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
試料が懸濁状態で少なくとも約2000万個の粒子を含む、請求項74または請求項75に記載の方法。
【請求項77】
ステップa、b、cおよびdが15分以下で実施される、請求項74~76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
第一のタイプの粒子が、サンプルの小数体積の1つ以上の流路から除去される、請求項74~77のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
試料の除去された画分体積中の第1のタイプの粒子の濃度が、試料中の濃度に対して少なくとも約1.5:1に増加される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
粒子が細胞または細胞核を含む、請求項74~79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
分離された細胞または細胞核が、FACSまたは遠心分離によって分離または単離された同様の細胞よりもストレスの徴候を示さない、請求項80に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連アプリケーションの相互参照】
【0001】
本出願は、2021年12月30日に出願された米国仮出願第63/294,915号および2021年10月7日に出願された米国仮出願第63/253,448号の利益を主張する。これらの出願の全内容および開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
粒子を分離するシステムおよび方法、特に粒子分離に磁気浮上を利用するシステムおよび方法。
【背景技術】
【0003】
磁気浮上は最近、細胞、生物学的分子、その他の種類の粒子を含む粒子を分離するための有用な方法として浮上してきた。磁場勾配にさらされた流路に粒子を流すことで、粒子はその物理的特性によって異なる浮上高さで種類や状態によって分離される。異なる浮上高さで離散的なバンドに分離されると、分離された粒子を分析し収集することができる。
【発明の概要】
【0004】
本特許は、粒子分離のための改良された磁気浮上システムおよび方法のいくつかの例、ならびにそれらのシステムおよび方法と共に使用するためのマルチチャンネルフローセルカートリッジの例を記載する。システム、方法、およびカートリッジは、1回の処理で比較的多数の粒子を分離するように構成することができる。
【0005】
一実施例では、マルチチャンネルフローセルカートリッジは以下を含むa)基板;(b)基板に形成された複数の流体分離チャネルであって、以下を含む:各流体チャンネルは、入口と少なくとも2つの出力と流体連通する磁気浮上処理チャンネルを含み、各処理チャンネルは、処理チャンネルの一部を少なくとも上部と下部に垂直に分離する少なくとも1つの仕切りを含み、上部は出力の一方と流体連通し、下部は出力の他方と流体連通し、各処理チャンネルは、処理チャンネルの長さに沿って延びる少なくとも1つの撮像面をさらに含み、撮像面は、処理チャンネル内の粒子の磁気浮上を撮像できるように構成される。
【0006】
ある実施態様では、処理チャネルはそれぞれ、処理チャネルに沿って延びる2つの対向する撮像面を有することができる。
【0007】
場合によっては、処理チャネルが同一平面上にあることもある。
【0008】
ある実施態様では、カートリッジは基板に形成された複数の流路ビームを有することができ、流路ビームはフローセルカートリッジの入口端と出口端の間に延び、流路ビームはそれぞれ処理流路の一つを有する。
【0009】
場合によっては、各チャンネルビームは、隣接するチャンネルビームから間隔をあけて配置される。
【0010】
ある実施態様では、カートリッジはまた、基板を貫通して延びる複数の開口部を含むことができ、各開口部は、処理チャネルの長さに沿って2つの隣接するチャネルビームの間に延び、開口部は、撮像面への光学的アクセス用に構成される。
【0011】
場合によっては、各チャンネルビームは少なくとも一つのアライメントタブを含む。
【0012】
ある実施態様では、基板はさらに、流体チャネルから下方に延びる側壁を有することがある。
【0013】
ある実施態様では、側壁はそれぞれ、撮像面の1つに光学的にアクセスするように構成された開口部を含むことができる。
【0014】
別の実施例では、フローセルカートリッジと共に使用するための磁気浮上式粒子分離システムであって、フローセルカートリッジは複数の処理チャンネルを有し、粒子分離システムは以下を含む(a)フローセルカートリッジを受容し保持するように構成されたホルダと、(b)磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受容され保持されたときに処理チャネルに磁場勾配を印加するように構成された磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダによって受容され保持されたときに処理チャネルの上方及び下方の少なくとも一方に位置決めされた磁石のアレイとc)フローセルカートリッジがホルダーに保持されている間、及び磁石のアレイが処理流路の上方及び下方の少なくとも一方に配置されている間に、処理流路内の粒子の垂直分離を画像化するように構成されたイメージャー。
【0015】
ある実施態様では、磁気浮上式粒子分離システムは、少なくとも約1億個の粒子の1回の分離実行における最大粒子分離能力を有することがある。
【0016】
ある実施態様では、磁気浮上式粒子分離システムは、1回の分離運転で少なくとも約1億個の粒子の最大粒子分離能力を有することがあり、粒子は1~5ミクロンの間の特性寸法を有する。
【0017】
ある実施態様では、磁気浮上式粒子分離システムは、少なくとも約1億個の球状粒子(粒子は少なくとも約3ミクロンの平均直径を有する)の1回の分離実行における最大粒子分離能力を有することができる。
【0018】
ある実施態様では、磁気浮上式粒子分離システムは、処理チャネル当たり少なくとも約2000万粒子の1回の分離実行における最大粒子分離能力を有することがある。
【0019】
ある実施態様では、磁気浮上式粒子分離システムは、1回の分離実行において、処理チャネル当たり少なくとも約2000万個の粒子の最大粒子分離能力を有することがあり、粒子は1~5ミクロンの間の特性寸法を有する。
【0020】
ある実施態様では、磁気浮上式粒子分離システムは、1回の分離実行において、処理チャネル当たり少なくとも約2000万個の球状粒子の最大粒子分離能力を有し、粒子は少なくとも約5ミクロンの平均サイズを有する。
【0021】
ある実施態様では、イメージャは、折り畳まれた光路を介して処理チャネル内の粒子の垂直分離を画像化するように構成されることがある。
【0022】
ある実施態様では、折り畳まれた光路は、処理チャネルの1つの真上に配置された磁石と真下に配置された磁石との間に延びる経路部分を含むことができる。
【0023】
ある実施態様では、折り畳まれた光路は、磁石アレイの2つの隣接する磁石の間のホルダーの開口部を通って延びる第2の部分を含むことができる。
【0024】
ある実施態様では、イメージャは光学ペリスコープを含むことができ、システムは、フローセルカートリッジがホルダによって受け取られ保持されている間、及び磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理チャネルの上下に位置決めされている間に、ペリスコープを処理チャネルの一つに隣接する位置に移動させるように構成されている。
【0025】
ある実施態様では、システムは、フローセルカートリッジがホルダーに受け止められ保持されている間、及び磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理流路の上下に位置決めされている間に、処理流路の長さに沿ってペリスコープを走査するように構成され得る。
【0026】
ある実施態様では、ホルダーは、ペリスコープが開口部を通って処理チャネルに隣接する位置まで移動できるような大きさと位置の複数の開口部を有することができる。
【0027】
ある実施態様では、ホルダーは、上部クランプ及び下部クランプを有するコアユニットであってもよく、コアは、フローセルカートリッジを上部クランプと下部クランプとの間に受け入れてクランプするように構成され;磁石のアレイは、上部クランプに位置する磁石の第1のアレイ及び下部クランプに位置する磁石の第2のアレイを含んでもよい。
【0028】
ある実施態様では、イメージャは、処理チャネルの真上に配置された第1のアレイの磁石と処理チャネルの真下に配置された第2のアレイの磁石との間に延在する光路の第1の部分と、処理チャネルの真上に配置された第1のアレイの磁石と隣接する処理チャネルの上に配置された第1のアレイの別の磁石との間に延在する光路の第2の部分とを含む光路を介して、処理チャネルの1つにおける粒子の垂直分離を画像化するように構成され得る。
【0029】
場合によっては、ホルダーはフローセルカートリッジの処理流路の温度を調節するように構成されたコアユニットであることもある。
【0030】
ある実施態様では、コアユニットは、フローセルカートリッジがコアユニットに受け止められ、保持されるとき、温度伝導性表面が処理チャネルに接触するように配置される複数の温度伝導性表面を有することができる。
【0031】
ある実施例では、温度伝導性表面は、温度伝導性材料で形成されたピラーの端面であってもよく、各ピラーはマグネットアレイのマグネットを保持する。
【0032】
ある実施態様では、システムは、ピラーを冷却し、それにより伝導を介して処理チャネルを冷却するように構成され得る。
【0033】
ある実施態様では、コアは、ピラーに接触し、ピラーを導電的に冷却するように構成された冷却アセンブリを有することができる。
【0034】
ある実施例では、冷却アセンブリは、温度制御プレート、熱電冷却器、およびヒートシンクを含むことができる。
【0035】
ある実施態様では、コアユニットは、冷却アセンブリからピラー端面に向かってピラーに沿って延びる空気流路を含み得、空気流路は、対流空気流を介してピラー及びフローセルカートリッジを冷却するように構成される。
【0036】
場合によっては、コアユニットはシステムの取り外し可能なユニットであることもある。
【0037】
ある実施態様では、コアユニットは、フローセルカートリッジホルダー、フローセルカートリッジをポンプサブシステム、磁石アレイ、および冷却アセンブリに流体的に接続するように構成された流体コネクタアセンブリを含むことができる。
【0038】
ある実施態様では、システムは、第二のフローセルカートリッジホルダー、第二の流体コネクターアセンブリ、第二の磁石アレイ、及び第二の冷却アセンブリを有する第二のコアユニットを更に含むことができ、第二の磁石アレイは、他のコアユニットの磁石アレイとは異なる構成を有し、システムは、両方のコアユニットを交互に受け取り、操作するように構成される。
【0039】
別の実施例では、粒子分離方法は以下を含む:(a)マルチチャンネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填する工程であって、マルチチャンネルフローセルカートリッジは、少なくとも第1の処理チャンネルおよび第2の処理チャンネルを有する、工程;(b)粒子および常磁性流体の第1の懸濁液を第1の処理チャンネルに流す工程;(c)粒子および常磁性流体の第2の懸濁液を第2の処理チャンネルに流す工程;(d)第1および第2の処理チャネル内の第1および第2の懸濁液を1つまたは複数の磁場勾配にさらす工程;(e)第1の処理チャネル内の粒子を1つまたは複数のバンドに分離し、第2の処理チャネル内の粒子を1つまたは複数のバンドに分離する工程;(f)第1の処理チャネル内の1つまたは複数の分離されたバンドを撮像し、第2の処理チャネル内の1つまたは複数の分離されたバンドを撮像する工程;および(g)バンドの少なくとも1つを別々に収集する工程。
【0040】
いくつかの実施態様において、分離された帯域を画像化することは、分離された帯域を画像化するために粒子分離システムの画像化サブシステムを使用することを含み得、画像化サブシステムは、第1の処理チャネルと第2の処理チャネルとの間の領域に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの光学部品を有する。
【0041】
ある実施態様では、多チャンネルフローセルカートリッジは、第1及び第2の処理チャネルの間に配置された開口部を含むことができ、撮像サブシステムの光学部品は、処理チャネルの少なくとも1つの撮像中に少なくとも部分的に開口部内に配置される。
【0042】
場合によっては、光学部品は反射鏡であることもある。
【0043】
いくつかの実施態様では、撮像サブシステムは、処理チャネルの少なくとも1つの撮像中に開口部内の少なくとも1つの光学部品と対向して、第1または第2の処理チャネルの1つを横切って配置された第2の光学部品も含み得る。
【0044】
ある実施態様では、本方法はまた、粒子分離システムを用いて、少なくとも1つの光学部品を開口部に移動させ、次いで第1および第2の処理チャネルの少なくとも1つを撮像し、次いで少なくとも1つの光学部品を開口部から移動させることを含み得る。
【0045】
ある実施態様では、本方法はまた、粒子分離システムを使用して、少なくとも1つの光学部品を開口部内のある位置から開口部内の別の位置に移動させること、およびチャネルの長さに沿って異なる位置で第1および第2の処理チャネルの少なくとも一方を撮像することを含み得る。
【0046】
場合によっては、開口部は、第1および第2の処理チャネルに沿って延びる細長い開口部であってもよい。
【0047】
ある実施態様では、分離されたバンドを画像化することは、分離されたバンドを画像化するために粒子分離システムの画像化サブシステムを使用することを含み得、画像化サブシステムは、少なくとも1つの折り畳まれた光路を有する。
【0048】
ある実施態様では、マルチチャンネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填することは、マルチチャンネルフローセルカートリッジを磁石のアレイに対して位置決めすることを含む。
【0049】
ある実施態様では、磁石のアレイは少なくとも第1の磁石と第2の磁石を含み、マルチチャンネルフローセルカートリッジが粒子分離システムに装填されたとき、第1の磁石は第1の分離チャンネルに隣接し、第2の磁石は第2の分離チャンネルに隣接する。
【0050】
場合によっては、第1の磁石は第2の磁石の極性と一致しない極性を持つことがある。
【0051】
ある実施態様では、磁石のアレイは上部磁石のアレイと下部磁石のアレイを含み、マルチチャンネルフローセルカートリッジが粒子分離システムに装填されたとき、マルチチャンネルフローセルカートリッジは上部磁石アレイと下部磁石アレイの間に位置する。
【0052】
いくつかの例では、上部磁石のアレイは交互極性磁石のアレイであり、下部磁石のアレイは交互極性磁石のアレイである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、磁気浮上による流体流路内の粒子分離の概略例である。
【
図3】
図3は、コンピュータネットワークで接続された複数の粒子分離装置を含む粒子分離システムの例である。
【
図4】
図4A-Bは、マルチチャンネルフローセルカートリッジの一例を示している。
図4Cは、組み立て前の
図4A-Bのマルチチャンネルフローセルカートリッジの構成部品を示す。
【
図5】
図5A-Nは、
図4 A-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの本体部品を示す。
【
図6】
図6Aは、
図4 A-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの上部キャッピングフィルム部品を示す。
図6Bは、
図4のA-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの底部キャッピングフィルム構成要素を示す。
図6Cは、
図4 A-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの回収ウェルキャッピングフィルム部品を示す。
図6Dは、
図4 A-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの出口膜構成要素を示す。
【
図7】
図7は、
図4 A-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの処理流路の断面を示す。
【
図8】
図8 A-Bは、
図4 A-Cのマルチチャンネルフローセルカートリッジの処理流路の断面を示す。
【
図9】
図9は、粒子分離システムのコアの概略例である。
【
図10】
図10Aは、粒子分離システムのコアの別の例を示しており、アンクランプ構成で示されている。
図10Bは、
図10Aのコアをクランプした状態を示しており、コアの上部クランプと下部クランプの間にマルチチャンネルフローセルカートリッジがクランプされている。
【
図11】
図11は、
図10のA-Bのコアを示し、コアの上部クランプ部品が取り外されている。
【
図16】
図16は、フローセルカートリッジの処理チャンネルに関連する粒子分離システムの磁石アレイの一例を概略的に示している。
【
図17】
図17は、フローセルカートリッジの処理チャンネルに関連する粒子分離システムの磁石アレイの一例を概略的に示している。
【
図20】
図20は、粒子分離システムの取り外し可能なコアの例を示している。
【
図21】
図21は、粒子分離システムの取り外し可能なコアの例を示している。
【
図22】
図22は、粒子分離システムの取り外し可能なコアの例を示している。
【
図23】
図23は、粒子分離システムのイメージング・サブシステムの一例を示している。
【
図24】
図24は、粒子分離システムのイメージング・サブシステムの一例を示している。
【
図25】
図25は、粒子分離システムの撮像サブシステムの別の例を示す。
【
図26】
図26は、粒子分離システムの操作方法の一例を示す。
【
図27】
図27は、粒子分離システムの表示例であり、3つの粒子分離チャンネルから得られた画像を示している。
【
図28】
図28は、粒子分離システムの操作方法の一例を示す図であり、
図26に示された操作順序とは異なる。
【0054】
細胞、生物学的物質、その他の種類の粒子は、磁気浮上を受けたときの挙動を規定する特性を持っている。Durmusらは、常磁性流体媒体中で細胞が浮遊する高さは細胞密度に対応し、異なる細胞タイプはその特徴的な磁気浮遊プロファイルに基づいて区別できることを示した。 Durmusら、2015、「Magnetic levitation of single cells」、Proc Natl Acad Sci USA 112(28):E3661-8;2021年9月29日に出願された共同係属中の共通所有の米国特許出願第17/449,438号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい。
図1は、磁気浮上を利用した粒子分離の一例を模式的に示している。
図1では、異なるタイプの反磁性粒子 10 の異種混合物が流体流路 12 内の常磁性流体媒体中に懸濁されている。粒子混合物は、磁石14、16が粒子に磁場勾配を与える流体流路12の領域に流入される。磁場は、常磁性流体媒体中に磁気エネルギー密度に相当する不均一な圧力を発生させる。 磁場勾配では、反磁性粒子は高磁場領域からはじき出されるように見える。実際には、反磁性粒子は等しい体積の常磁性流体媒体によって変位させられる。常磁性流体媒体と高磁場領域との間の引力相互作用は、反磁性粒子の「浮上」をもたらす。反磁性粒子にかかる力が別の均一な力(例えば、重力の力)によって対抗されるような方法で磁場を印加することにより、反磁性粒子の密度に直接関係するバランスが達成される。このようにして、粒子は、粒子の密度に従って異なる浮上高さで別々のバンド18、20、22に分離することができる。粒子が異なる帯域に平衡化すると、それらは別々に収集され分析される。
図1の実施例では、仕切り24、26が流体チャネル12を別個の部分、この実施例では収集サブチャネル28、30、32に分離し、それらの各々は、特定の浮上高さ範囲内の粒子バンド18、20、22を収集するように配置される。
【0055】
用語と概念
本特許開示において使用される用語および概念は、関連分野における慣例、ならびに本開示全体を通じて提供される説明および図に基づいて、さらに明確にされ、理解され得る。
【0056】
本開示で使用される場合、用語「分離」、「分離」、「分離」、「精製」、「濃縮」、およびそれぞれの関連用語および表現は、互換的に使用され得る。例えば、溶液内の粒子は、それが溶液内の他の種類の粒子から分離され、および/または溶液の規定された部分内に配置される場合、「分離された」とみなされ得る。 別の例では、溶液内の粒子は、溶液を処理した後、そのような粒子の濃度が、少なくとも約100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、5:1、3:1、2:1、1.5:1、または1.1:1の比率で、溶液内または溶液の一部分内で増加する場合、「分離された」とみなされ得る。 複数の種類の粒子を含む溶液内の目的の粒子は、溶液を処理した後、他の種類の粒子の濃度に対する目的の粒子の濃度の比が増加する場合、または他の種類の粒子の濃度に対する目的の粒子の濃度の比が少なくとも約10%増加する場合、「分離された」とみなすことができる、50%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、または1000%、または溶液の他の粒子(目的の粒子以外の種類の粒子を含むが、これらに限定されない)の濃度が約20%、15%、10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%。
【0057】
フルイディクス
本開示で使用される場合、「流体的」という用語は、少なくとも1つの「流路」を含む流体試料を取り扱い、処理し、排出し、および/または分析するためのシステム、装置、または要素を指す。用語「流体」は、マイクロ流体およびナノ流体を含むが、これらに限定されない。
【0058】
チャンネル
本開示で使用される場合、「チャネル」、「流路」、「流体チャネル」、および「流体チャネル」という用語は互換的に使用され、流体が流れることができる流体デバイス上の経路を指す。チャネルは、約100mm、約50mm、約30mm、約25mm、約20mm、約15mm、約10mm、約5mm、約3mm、約2mm、約1mm、または約0.5mmの最大高さ寸法を有する経路を含む。 例えば、
図1のチャネル12は、約10mm×10mm、約10mm×5mm、約10mm×3mm、約10mm×2mm、約10mm×1mm、約10mm×0.5mm、約5mm×10mm、約5mm×5mm、約5mm×3mm、約 5mm×2mm、約5mm×1mm、約5mm×0.5mm、約3mm×10mm、 約3mm×5mm、約3mm×3mm、約3mm×2mm、約3mm×1mm、 約3mm×0.5mm、約2mm×10mm、約2mm×5mm、約2mm×3mm、約2mm×2mm、約2mm×1mm、約2mm×0.5mm、約1mm×10mm、約1mm×5mm、約1mm×3mm、約1mm×2mm、約1mm×1mm、約1mm×0.5mm、約0.5mm×10mm、約0.5mm×5mm、約0.5mm×3mm、約0.5mm×2mm、約0.5mm×1mm、または約0.5mm×0.5mmである。チャネルの内部高さおよび/または幅は、その断面にわたって均一であっても不均一であってもよく、幾何学的に、断面は、円形、正方形、楕円形、長方形、または六角形を含む任意の形状であってもよい。断面はチャネルの長さに沿って変化してもよい。用語「チャネル」は、マイクロチャネルおよびナノチャネルを含むが、これらに限定されず、本開示におけるチャネルへの言及に関して、そのようなチャネルは、マイクロチャネルまたはナノチャネルであってもよい。
【0059】
流体連成
本開示で使用される場合、「流体的に結合」または「流体連通」という用語は、そのように結合または連通している2つの構成要素間で流体が流れることができることを意味する。
【0060】
磁気浮上
本開示において使用される「磁気浮上」という表現は、一般に、常磁性流体媒体中に懸濁された反磁性、常磁性、強磁性、または反強磁性材料を、2つの磁石間に形成される磁場勾配のような磁場にさらすことを含む。磁気浮上は、強磁性流体中に物質を懸濁させることを含む場合もある。
【0061】
常磁性流体媒体
本開示で使用する「常磁性流体媒体」は、常磁性物質と溶媒を含む。 常磁性流体媒体は、少なくともいくつかの実施態様において生体適合性であってよく、すなわち、生きた細胞と混合することが可能であり、細胞の生存能またはその挙動に有意な影響を与えない。常磁性物質は、ガドリニウム、チタン、バナジウム、ジスプロシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、およびガリウム(それらのイオンを含む)のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。例えば、常磁性材料は、チタン(III)イオン、ガドリニウム(III)イオン、バナジウム(I)イオン、ニッケル(II)イオン、クロム(III)イオン、バナジウム(III)イオン、ジスプロシウム(III)イオン、コバルト(II)イオン、およびガリウム(III)イオンのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの例において、常磁性材料は、ガドリニウムキレート、ジスプロシウムキレート、またはマンガンキレートなどのキレート化合物を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの例において、常磁性材料は、[Aliq]2 [MnCl4 ]、[Aliq]3 [GdCl6 ]、[Aliq]3 [HoCl6 ]、[Aliq]3 [HoBr6 ]、[BMIM]3 [HoCl6 ]、[BMIM][FeCl4 ]のうちの1つ以上であってもよい、BMIM]2 [MnCl4 ]、[BMIM]3 [DyCl6 ]、[BDMIM]3 [DyCl6 ]、[AlaC1] [FeCl4 ]、[AlaCl]2 [MnCl4 ]、[AlaCl]3[GdCl6 ]、[AlaCl]3 [HoCl6 ]、[AlaCl]3 [DyCl6 ]、[GlyC2]、または[FeCl4 ]。 常磁性物質は、少なくとも約10mM、20mM、30mM、40mM、50nM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mM、120mM、150mM、200mM、250mM、300mM、500mM、1M、約10mM~約50mMの濃度で常磁性流体媒体中に存在してもよい、約25mM
~約75mM、約50mM~約100mM、約100mM~約150mM、約150mM~約200mM、約200mM~約250mM、約250mM~約300mM、約300mM~約500mM、または約500mM~約1M。ある例では、常磁性物質はガドブトロールであり、少なくとも約10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、または100mM、約10mM~約50mM、約25mM~約75mM、または約50mM~約100mM、または約10mM~1Mの濃度で存在する。常磁性物質と溶媒に加えて、常磁性流体媒体は、塩や添加剤などの他の成分、例えば、細胞の完全性を維持するために機能する添加剤などを含んでもよいが、これらに限定されないことが理解される。
【0062】
サンプル
本開示で使用される用語「試料」または「サンプル」、および関連する用語や表現は、別段の限定がない限り、限定を意図するものではない。これらの用語は、任意の製品、組成物、細胞、組織、生物、または関心のある他の粒子を指す。一般に、「試料」または「サンプル」という用語は、その出所、由来、調達、処理、保存、または分析の方法、またはいかなる改変によっても限定されることを意図していない。試料の例としては、溶液、懸濁液、上清、沈殿物、またはペレットがある。 試料は、細胞や組織を含むか、細胞や組織を主成分とすることができ、ま たは細胞や組織から調製することができる。 しかし、試料が細胞を含む必要はない。 試料は、核酸、ポリペプチド、タンパク質(抗体を含む)、脂質、 炭水化物などの生物学的分子の混合物であってもよいし、それらを含 んでもよい。 試料は生物学的試料であってもよい。例えば、「試料」は、細胞、組織又は被験体に由来する任意の細胞又は組織試料又は抽出物であってよく、動物細胞又は組織の試料並びに植物及び細菌試料を含む非動物由来の細胞を含む。試料は、生物から直接得られたものでも、増殖または培養されたものでもよい。いくつかの例示的なサンプルは、細胞抽出物(例えば、細胞溶解物)、細胞核の懸濁液、液体細胞培養物、細胞懸濁液、生物学的流体(血液、血清、血漿、唾液、尿、脳脊髄液、羊水、涙液、胸水、肺からの洗浄液、または間質液を含むが、これらに限定されない)、針生検を含む組織切片、顕微鏡スライド、凍結組織切片、または固定された細胞および組織サンプルである。さらに他の例では、試料は非生物学的粒子を含む非生物学的試料である。
【0063】
分離のための例示的な細胞タイプと他のタイプの粒子
本開示に記載される粒子分離システムおよび方法は、多種多様な細胞タイプを含む多種多様なサンプルに使用することができる。 本明細書で使用される用語「粒子」または「粒子」は、細胞、生物、オルガネラ、核、有機ポリマーおよびタンパク質などの有機材料、有機化合物または無機化合物の微粒子、ならびにビーズ、気泡、および断片などの粒子を含み得る。細胞タイプの例としては、ヒト細胞、非ヒト動物細胞、植物細胞、真核細胞(例えば、免疫細胞、内皮細胞、酵母、T細胞など)、細菌を含む原核細胞などが挙げられる。複数の細胞タイプには、死細胞、生細胞、健常細胞、病的細胞、感染細胞、トランスフェクト細胞、遺伝子改変細胞などが含まれる。本開示の方法に従って分離された細胞は、生物から直接得ることができ(または生物そのものである)、または増殖もしくは培養することができる。一般に、「細胞」、「細胞」、「細胞型」(または関連する用語および表現)という用語は、その出所、由来、調達、処理、加工、保存もしくは分析の方法、またはいかなる改変によっても限定されることを意図していない。
【0064】
本開示に記載の方法によって分離するのに適した細胞型の非限定的な例としては、マクロファージ、肺胞II型(ATII)細胞、幹細胞(例えば、脂肪細胞または心筋細胞)、胚細胞、腫瘍細胞、リンパ球、赤血球(赤血球)、上皮細胞、卵子(卵細胞)、精子細胞、T細胞、B細胞、骨髄系細胞などが挙げられる、胚細胞、腫瘍細胞、リンパ球、赤血球(赤血球)、上皮細胞、卵子(卵細胞)、精子細胞、T細胞、B細胞、骨髄細胞、免疫細胞、肝細胞、内皮細胞、間質細胞、および細菌細胞である。複数の細胞型を含む細胞集団は、本開示の他の箇所で論じる様々な種類の試料に由来しうる。
【0065】
細胞は、本開示に記載されるシステム及びプロセスを用いて分離される前に、様々な処理、保存又は処理手順に供され得る。他の例では、本明細書に記載される粒子分離システム及びプロセスは、染色、標識、タグ付け、又は他の処理が施されていない細胞又は粒子と共に使用され得る。他の例では、試料中の細胞または粒子(または細胞または粒子の特定のサブセット)は、密度修飾剤と関連していてもよい。
【0066】
その他
本開示で使用される場合、「a」、「an」、および「the」という用語は、特に断りのない限り、1つまたは複数を指すことができる。文脈によって別段の指示がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0067】
または」という用語の使用は、代替案のみを指すことが明示的に示されない限り、または代替案が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替案および「および/または」のみを指す定義を支持する。本開示で使用される場合、「別の」は、少なくとも2番目以上を意味し得る。
【0068】
本開示で使用される場合、特に断りのない限り、「含む」、「含む」、および類似の用語(「有する」または「有する」など)は、制限なく含むことを意味する。
【0069】
本開示において数値範囲が提供される場合、数値範囲には、別段の指示がない限り、範囲の端点が含まれる。特に断りのない限り、本開示における数値範囲は、あたかも明示的に書き出されたかのように、すべての値および小範囲を含む。
【0070】
システム・アーキテクチャ
図2は、粒子分離システム200の概略例である。この例では、粒子分離システム200は、マルチチャンネルフローセル202、コア204、ポンピングサブシステム206、イメージングサブシステム208、ユーザーインターフェース210、およびコントローラ212を含む。コア204は、マルチチャンネルフローセル202を受け入れて保持し、マルチチャンネルフローセル202を磁場勾配に曝し、マルチチャンネルフローセル202の温度を調節し、マルチチャンネルフローセル202をポンピングサブシステム206に流体的に接続するように構成される。 送液サブシステム206は、フローセル202の流路を通して流体を移動させるように構成されている。 イメージングサブシステム208は、フローセル202の流路内の粒子分離を画像化するように構成される。ユーザーインターフェース210およびコントローラー212は、粒子分離システム200の監視および制御を容易にする。システム200の構成要素はハウジング214内にあり、マルチチャンネルフローセル202の挿入および取り外しを可能にするアクセスドア216を備えている。
【0071】
図2の粒子分離システム200は、マルチチャンネルフローセル202の処理チャンネル内の常磁性流体媒体中に懸濁された粒子を磁気的に浮上させることができる。磁場と常磁性流体媒体内の粒子の常磁性特性との相互作用は、粒子の分離または濃縮を促進するために、粒子に反発効果または吸引効果を与えることができる。磁性流体媒体中の磁場は、永久磁石または電磁石であり得る磁石によって作られる。磁石の最大エネルギー積は、約1メガガウス・オーステッドから約1000メガガウス・オーステッド、または約10メガガウス・オーステッドから約100メガガウス・オーステッドの範囲であり得る。磁石の表面磁場強度は、約0.01テスラから約100テスラ、または約1テスラから約10テスラの範囲とすることができる。磁石の残留磁力は、約0.1テスラから約5テスラ、または約1テスラから約3テスラの範囲である。磁石は、ネオジムと鉄およびホウ素との合金、ネオジム、アルミニウムとニッケルとの合金、ネオジムと鉄との合金、アルミニウムとコバルトとの合金、サマリウム-コバルト、希土類元素と鉄との他の合金、希土類合金とニッケルとの合金、フェライト、またはそれらの組み合わせからなる材料から作ることができる。粒子分離システムの磁石は、すべて同じ材料から作られてもよいし、異なる材料から作られてもよい。
【0072】
非対称磁場は、フローセルの流体流路の片側に強い磁性材料を使用し、フローセルの反対側に弱い磁性材料を使用することによって達成することができる。 流路内の非対称磁場は、流路の一方の側に磁石を他方の側にある磁石よりも近くに配置することで実現できる。非対称磁場は、フローセルの片側に磁性材料を使用し、フローセルの反対側に実質的に同様の磁性材料を使用することによっても達成することができる。上部磁石と下部磁石は実質的に同じ大きさであってもよい。一例として、上部磁石はネオジム、下部磁石はサマリウムコバルトとすることができる。 あるいは、上部磁石をサマリウムコバルト、下部磁石をネオジムとしてもよい。代わりに、別の磁石構成を用いてもよい。磁気浮上システムは、マルチチャンネルフローセルの各流体流路の周囲に配置された複数の上部磁石と複数の下部磁石を含むことができる。
【0073】
例示的な NdFeB 磁性体部品の寸法には、底部磁石部品については約 50 x 15 x 2 mm(15mm軸を通して磁化)、上部磁石部品につい ては 50 x 5 x 2 mm(5mm軸を通して磁化)が含まれる。他の例示的な磁石寸法には、60×15×2mm、60×5×2mm、75×10×3mm、75×20×3mm、および25×15×2mmが含まれる。マルチチャンネルフローセルの分離チャンネル用の例示的な磁石構成には、約75 x 10 x 3.2mmの寸法の上部磁石と下部磁石が含まれ、上部磁石と下部磁石の間隔は約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約2.9mm、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、または約2.72mm、約2.88mm、約2.98mm、約3.18mm、約3.20mm、または約3.37mmである。
【0074】
送液サブシステム206は、フローセル202の流路を通して流体を移動させるように構成されている。 ある特定の実施例では、フローセル202は4つの分離チャネルを含み、各分離チャネルは分離後に2つのサブチャネルに分離し、ポンピングサブシステムは8つのポンプ(フローセル202の各サブチャネルに1つずつ)を含む。
図2に示す特定の例では、ポンプはシリンジポンプであるが、他のポンプを使用することもできる。 ポンピングサブシステムによって提供される各分離チャンネルにおける流量は、分離の間、毎分1μLという低流量から毎分100mLという高流量までの範囲であり得る。流量は、毎分少なくとも約25μL、毎分少なくとも約50μL、毎分少なくとも約100μL、毎分少なくとも約200μL、毎分少なくとも約250μL、毎分少なくとも約300μL、または毎分約300μLから毎分約1mLであってもよい。フローセルの各分離チャンネルにおける総サンプル量流量は、約50μL/分、約75μL/分、約100μL/分、約150μL/分、約200μL/分、約300μL/分、または約600μL/分とすることができる。2つの出口チャネル間の流量分割は、均等分割とすることができ、またはシステムの実施形態における動作時に、約9:1~約1:9、約4:1■約1:4、約3:1~約1:3、または約2:1■約1:2の範囲とすることができ、または約1:1から約90%以下、約50%以下、または約40%以下、または約30%以下、または約15%以下で変化させることができる。システムは、各分離チャネルに関連する出口チャネル間の流量分割を変化させるように構成され得る。
【0075】
粒子分離装置200は、独立型システムであってもよいし、別のコンピュータによって集中的に監視および制御されてもよい。
図3は、複数の粒子分離装置200がネットワーク302を介してコンピュータ300によって集中制御される一例を示す。
【0076】
フローセル
図4Aおよび
図4Bは、粒子の分離に使用することができるマルチチャンネルフローセル(この例ではフローセルカートリッジ)の一例を上からと下から示している。
図4Cはフローセルカートリッジの分解図である。図示の例では、フローセルカートリッジ400の構成要素は、本体402、上部キャッピングフィルム404、下部キャッピングフィルム406、回収ウェルキャッピングフィルム408、排出膜410、排出膜フィルム412、およびラベル414を含む。
フローセルカートリッジの本体は、射出成形、エッチング、レーザー加工、機械加工、または3D印刷によって形成することができる。フローセルカートリッジ内のイメージングが望まれる場合、本体またはその少なくとも一部を光学的に透明または半透明の材料で形成することができる。ガラス、プラスチック、または環状オレフィンポリマー(COP)または環状オレフィンコポリマー(COC)を含むポリマー材料は、好適な材料のいくつかの非限定的な例である。
【0077】
フローセルカートリッジ400は、入口ウェル434と回収ウェル438を含む。チャネルビーム432を通って延びる処理チャネルは、入口ウェル434と回収ウェル438とを流体的に接続する。この例に示すように、4つの処理チャンネルとチャンネルビームは互いに同一平面上にある。フローセルカートリッジはまた、回収ウェル438に流体接続された回収ウェル出口442を含む。回収ウェル出口442に負圧を加える(例えば、
図2に示すポンピングサブシス テム206によって)ことにより、流体が入口ウェル434から、チャネルビーム 432の処理チャネルを通って、回収ウェル438に引き込まれる。処理チャネルの容積はそれぞれ、約10μL~約800μL、約50μL~約600μL、約100μL~約400μL、約150μL~約300μL、少なくとも約150μL、少なくとも約200μL、少なくとも約250μL、または少なくとも約300μLであり得る。いくつかの実施態様では、出口流路の合計容積は、処理流路の容積よりも大きくなり得る。1つの出口チャネル間の流量の分割は、均等分割であり得るか、または約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、または約2:1~約1:2の範囲であり得るか、または例示的な粒子分離システムで使用される場合、約50%以下、または約40%以下、または約30%以下、または約15%以下だけ1:1から変化し得る。
【0078】
図4Aに示すように、開口部474は、各チャネルビーム432の両側でフローセルカートリッジ400を貫通して延びている。開口部474は、以下でさらに詳細に説明するように、処理チャンネル内の粒子の撮像を容易にする。
【0079】
図5A~
図5Jは、
図4A及び
図4Bのフローセルカートリッジの本体402を示す。この特定の実施例では、本体402は概して長方形であり、本体402の対向する長手方向端部に入口端部416と出口端部418を画定している。本体402は、入口端部416と出口端部418との間に延在する上面420と、上面422に対向する底面422とを有する。本体402はまた、底面422から下方に延びてフローセルカートリッジの背面側に空洞を画定する側壁424を含む(例えば、
図5C及び
図5D参照)。
【0080】
この実施例では、本体402の側壁424は、入口端部側壁428と出口端部側壁430との間に延び、チャネルビーム432(以下でさらに説明する)と平行な2つの支持ビーム426を含む。支持梁426は、本体に支持を提供し、ねじれ及び曲がりを防止するために、チャネル梁432から水平及び垂直にオフセットされており、これは、いくつかの実施態様において、撮像中に光学的整列を維持するのに有益であり得る。
【0081】
この例では、入口端部416は複数の入口ウェル434、この特定の例では4つの入口ウェル434を含む。入口ウェル434は、本体402の上面420から延びていてもよい。
図5Kの上面図に示すように、入口ウェル434は円筒形の側壁を含んでよい。
図5Eの上面図に示すように、入口ウェル434上の円筒状側壁は、互いに間隔を空けて配置されてもよい。 さらに、入口端部の上面は、カートリッジ端部と入口ウェル434との間に細長い凹部436を含んでよい。細長い凹部436は、フローセルカートリッジを粒子分離システムから挿入および除去するために使用者が操作するためのハンドルを提供するように設計されてもよい。
【0082】
図5Eの上面図にも示されているように、出口端は複数の収集ウェル438を含むことができる。示された特定の例では、各入口ウェル434および処理チャネル440に対して2つの収集ウェル438があり、入口ウェル434は処理チャネル440に流体的に結合され、この処理チャネル440は順に2つの収集ウェル438に流体的に結合される。他の実施態様では、フローセルカートリッジは、1:1、1:2、1:3、1:4、または他の比率などの他の比率の他の数の入口ウェルおよび収集ウェルを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、
図1は、3つの出口サブチャンネルに分かれる処理チャンネルを示す。
図5Eに戻ると、収集ウェル438は、本体402の上面420から延びていてもよい。1つの収集ウェル438の各組は、対応する入口ウェル434と長手方向に整列してよく、その結果、隣接する収集ウェル438の中心間の間隔は、隣接する入口ウェル434間の間隔よりも小さくなる。示されるように、収集ウェル438は、
図5Mに示されるように、楕円形の側壁を含んでもよい。インレットウェル434に対する収集ウェル438の間隔が小さいため、収集ウェルの楕円形側壁は互いに接触する可能性がある。
【0083】
さらに、
図5Eに示すように、出口端418の上面420は、カートリッジの外縁と収集ウェル438との間に収集ウェル出口442を含むことができる。各収集ウェル438は、以下でさらに詳細に説明するように、専用の収集ウェル出口442に流体的に接続されてもよい。
【0084】
図5E(上面)および
図5F(下面)に示すように、各入口ウェル434は、処理チャネル440によって2つの収集ウェル438に流体的に接続されている。 各処理チャネル440は、チャネルビーム432内に位置する処理セグメント444と、入口ウェル434を処理セグメント444に接続するセグメント446と、処理セグメント444を2つの収集ウェル438に接続する2つのセグメント448とを含む。
【0085】
処理チャネル440は、本体402のスロット、本体402の上面420および底面422に画定された単一開放側スロットおよび両開放側スロットの両方、上面420に画定された単一開放側スロットと底面422に画定された単一開放側スロットとを連結する貫通孔、および本体402の上面420および底面422に結合されたキャッピングフィルム404および406が単一開放側スロットおよび両開放側スロットの開放側を封止することによって画定される。例えば、
図5Eおよび
図5Fに示すように、収集ウェル434の貫通孔450は、収集ウェル434を底面422の単一開放側スロットであるチャネルセグメント446に流体的に接続する。処理セグメント444は、上面420から底面422まで延びる二重開放スロットである(ただし、さらに後述するように、処理セグメント444は、その一部に1つ以上の内部仕切りを含むこともできる)。セグメント448もまた、上面および底面420、422のスロットと、そこを貫通して延びる貫通孔によって画定される。
図7、8A、および8Bは、流体チャネルを形成するためのスロットを封止する上部および下部キャッピングフィルム404、406を示す。
【0086】
図5A~Hに示されるように、処理チャネル440の処理セグメント444を含むチャネルビーム432は、概して長方形の角柱形状であってよく、長手方向に互いに平行に延びる。チャネルビーム432はそれぞれ、上面420及び底面422が入口端部416と出口端部418との間で連続するように、上面420及び底面422の一部を画定することができる。いくつかの実施態様において、連続した上面420および連続した底面422は、少なくとも、チャネル440を処理するためにそれらの表面にスロットが形成される領域において、上面キャッピングフィルム404および底面キャッピングフィルム406がチャネル440の連続したシールを形成することを有益に可能にし得る。
【0087】
図5Aに示すように、チャネルビーム432は、各々、位置合わせ突出部460も含み得る。他の例では、チャネルビームは、チャネルビームの片側または両側に複数の位置合わせ突出部を含んでもよい。突出部460は、使用中にチャネルビーム432の位置合わせを容易にする及び/又は維持するために、コアの一部によって係合されてもよい。
【0088】
図7及び
図8Aは、チャネルビーム432の1つの横断面を示している。
図7及び
図8Aに示すように、チャネルビーム432はそれぞれ、上面420の一部であるチャネルビーム上面452と、底面422の一部であるチャネルビーム底面454と、第1のチャネル側面456と、第1のチャネル側面456に対向する第2のチャネル側面458とを含む。この実施例では、フローセルカートリッジ400の本体402は、(少なくともいくつかの波長の光に対して)透明又は半透明の材料で形成され、以下により詳細に説明するように、第1及び第2のチャネル側表面456、458を含むチャネルビーム432の表面を通して処理チャネル440を照明及び/又は撮像することを容易にする。
【0089】
図8Bは、処理チャネル440の処理部分444の出口端に向かうチャネルビーム432の1つの部分の縦断面を示す。示されるように、仕切り462は、処理区分444をそれぞれ上側部分464および下側部分466に分割することができ、上側部分464に沿って流れる流体は、収集ウェル438の1つに延びるチャネル区分448に入り、下側部分466に沿って流れる流体は、以下でさらに詳細に論じられる異なる収集ウェル438に延びる異なるチャネル区分448に入る。
【0090】
図5Kおよび5Lは、フローセルカートリッジ400の入口ウェル434の1つをより詳細に示している。図示のように、入口ウェル434は、入口ウェル434を処理チャネル440に流体的に接続するための貫通孔450を含む。
図5Lには示されていないが、組み立てられると、底部キャッピングフィルム406は、各貫通孔450の周囲と、インレットウェル434を処理チャネル440の処理セグメント444に接続するチャネルセグメント446を規定するスロットの上にシールを形成する。インレットウェル434の内部形状は、大きな半径のコーナーを定義し、サンプルの全体の吸引を容易にし、サンプルとともに気泡の吸引を避けるために、インレット貫通孔450に向かって傾斜していてもよい。さらに、傾斜は、インレットウェル内の適切な位置に試料をピペット注入するためのガイダンスをユーザーに提供する。いくつかの実施形態では、各インレットチャネル部分は、処理チャネル440からインレットウェル434に戻る不要な流体の逆流を防止するために、例えばキャピラリーバルブなどのバルブを含むことができる。
【0091】
図5Mおよび5Nは、フローセルカートリッジ400の収集ウェル438の1つをより詳細に示す。図示されるように、収集ウェル438は、本体402の底面422から収集ウェル438の内部に延びる収集貫通孔468を含む。
図5Nに示すように、回収貫通孔468は、回収ウェル438の底面の上方で回収ウェル438の内部に入る。 収集ウェル438の内部形状は、収集された流体を収集貫通孔468から遠ざけるように構成された傾斜面470を含む。ランプの頂部は、流体のピン止め、ひいてはランプでの試料の滞留を回避するために、湾曲した縁部を画定することができる。これらの特徴および収集ウェルの底部の漏斗形状は、収集ウェルからの試料の除去のためのピペッティングを容易にする。
【0092】
図4Aに示すように、収集ウェル438は、キャッピングフィルム408で上端を封止することができる。 この特定の実施例では、キャッピングフィルム408で上端をシールすることで、流路を通って流体を回収ウェルに引き込むために、例えばポンプを介して回収ウェル内部に負圧を加えることができる。この例では、負圧は、例えば
図5Mおよび
図5Nに示す開口部472で回収ウェルに流体連通している回収ウェル出口442を介して印加される。
図5Nに示すように、開口部472は、収集貫通孔468が収集ウェル438に接続するレベルの上方で収集ウェル438に接続する。 捕集ウェル438は、捕集ウェルから開口部472への流体の吸引を完全に防止しないまでも低減するように構成され、それにより、1つのフローセルカートリッジからの試料が、その後粒子分離システムと共に使用される他のフローセルカートリッジ内の試料と二次汚染する危険性を完全に排除しないまでも低減する。回収ウェル438は、ポンピングが完了した後、回収された流体をウェル内に保持するように構成されており、後日流体をウェルから回収することができる。
図5Nに示される特定の実施例では、貫通孔468、472の位置を含む流体経路の「アップアンドオーバー」プロフィールは、収集された流体を収集ウェル438に保持することを容易にする。他の実施例では、収集ウェルは、ウェル内の流体の保持を容易にするために、カートリッジ本体の下方に配置されてもよい。
【0093】
図4Aに示すように、収集ウェル出口は出口膜フィルム412で覆われている。出口膜フィルム412は、液体を保持しながら気体を逃がすために、例えばPTFEなどの気体透過性材料を含むことができ、フローセルカートリッジ400からの液体が粒子分離システムの他の構成要素に入る危険性を排除しないまでもさらに低減し、その一方で、粒子分離システムのポンピングサブシステムを介して処理チャネルに負圧を印加することを依然として可能にする。
【0094】
この実施例で上述したフローセルカートリッジ400は、平行流路を規定する4つの処理流路440を含み、各流路は入口ウェル434と2つの収集ウェル438とを流体的に接続している。各平行流路は、入口ウェル434から入口貫通孔450を通り、流路セグメント446を経て処理セグメント444に流れる共通部分を含む。処理セグメント444から、流体流路は、図示の例では、第1の経路および第2の経路を含む2つの代替経路を含む。第一の経路は、仕切板462の上方で流路セグメントに流れ、収集貫通孔468を介して第一の収集ウェル438に流れる。第二の経路は、仕切板462の下方で別の流路セグメントに流れ、別の収集ウェル438に流れる。したがって、処理流路セグメント444内で試料の粒子を垂直に分離し、処理流路セグメント444から試料を流すことにより、分離された試料を異なる収集ウェル438に別々に収集することができる。
【0095】
コア
図9は、
図2の概略例のコア204を示す。この例では、コアはフローセルを受け取り保持するように構成されたホルダーを含む。特に、コアは、上部クランプ502、下部クランプ504、クランププレート506、温度制御プレートおよび熱電冷却器508、ならびにヒートシンクおよびファンユニット510を含む。これらの各構成要素については、以下でさらに詳しく説明する。
【0096】
上部および下部クランプ502、504は、それらの間にフローセルカートリッジ(
図4Aのフローセルカートリッジ400など)を受け入れて固定するように構成され、クランププレート506は、クランプ位置とアンクランプ位置との間の上部クランプ502の移動を案内する。
図10A-Bはコアの別の例を示し、上部クランプ502はアンクランプ位置(
図10A)とクランプ位置(
図10B)にある。上部クランプ502は、クランプ位置とアンクランプ位置との間で垂直軸に沿って並進できるように、4本の支柱512(上部クランプなしの中子を示す
図11も参照)に摺動可能に取り付けられている。上部クランプ502はまた、上部クランプ502の側面からクランププレート506の内部のカムトラックに外向きに延びるピン544(
図10A-Bには示されておらず、代わりに
図14を参照)を含む。 他の実施態様では、ピン544はローラーベアリングに置き換えられてもよい。
【0097】
図11は、上部クランプ502が取り外され、クランププレートの1つの内部カムトラック514を見ることができるようにコアが部分的に分解された
図10A~Bのコアを示す。
図11に見られるように、カムトラック514は上部から下部に向かって傾斜している。
図11にも見られるように、クランププレート506は、カムプレート506が水平軸に沿って並進できるようにスライド516に取り付けられている。リニアアクチュエータ518は、クランププレート506の水平位置を制御する。リニアアクチュエータ518を作動させてクランププレート506を水平軸に沿って後方に移動させることにより、上部クランプ502を
図10Aのアンクランプ位置から
図10Bのクランプ位置に移動させることができる。クランププレート506が後方に移動すると、傾斜カムトラック514は上部クランプ502上のピン544と相互作用して、上部クランプ502を支柱512の下方に押し下げ、上部クランプ502をクランプ位置に垂直に並進させる。
【0098】
図12は、
図10~11のコアの下部クランプ504の一部をより詳細に示している。 この例では、下部クランプ504は、
図4A-Bに示されるフローセルカートリッジ400の4つのチャネルビーム432に対応するサイズおよび位置にある4つの磁石柱アセンブリ520を含む。
図13は、下部クランプ504の残りの部分から取り外された磁石柱アセンブリ520の1つを示す。磁石ピラーアセンブリ520は、磁石526を受容するためのスロット524を含むピラー本体522を含む。支柱本体522は、フローセルカートリッジ400がコアに取り付けられクランプされたときにチャンネルビーム432の下面に接触する平坦な上面528を有する。支柱本体522は、以下に追加的に詳述するように、温度調節を容易にするために、熱伝導性材料(アルミニウム、銅、銀、銅の合金、アルミニウムの合金、または導電性外層を有する多層構造など)で形成することができる。
【0099】
図12に戻ると、支柱アセンブリ520は下部クランプ本体530によって取り囲まれている。下部クランプ本体530の一部は、
図4A-Bに示されるフローセルカートリッジ400の裏側の空洞の内側に適合する形状およびサイズの台座532を画定する。支柱アセンブリ520の頂部は、下部クランプ本体の開口部534を通って延びている。 この特定の実施例では、支柱アセンブリ520の頂部は、フローセルカートリッジが台座532上に配置されたときに、支柱アセンブリ520の頂部がフローセルカートリッジ400のチャネルビームの下面に接触し、下部クランプ本体530の上端面がチャネルビームに接触しないように、下部クランプ本体530の上端面よりわずかに上方に位置する。この特定の実施例では、また
図13に示すように、支柱体の頂部528も磁石526の最上部表面よりわずかに上に位置している。この特定の実施例では、4つの処理チャンネルを有するフローセルカートリッジが上下のクランプ502、504の間に配置されクランプされると、磁石526の各々は処理チャンネルの1つの真下に位置することになる。
【0100】
下部クランプ本体530の開口部534は、それらの開口部534の内側に配置された支柱本体522よりも大きく、以下でさらに詳細に説明するように、支柱本体522の周囲に空気流路を画定して温度調節をさらに容易にする。
【0101】
図では特に言及していないが、支柱本体522および/または下部クランプ本体530および/または下部クランプの他の部分は、磁石526の位置を微調整および調整するための止めねじまたは他の部品を含むことができる。
【0102】
図12に示すように、下部クランプ504の本体530は、磁石柱アセンブリ520が配置される本体530の各部分の間にスロット536を含む。以下でさらに詳細に議論されるように、スロットは、撮像サブシステムの部分のためのクリアランスおよびアクセスを提供する。
【0103】
図14は、
図10~11のコアの上部クランプ502を、上部クランプ502の上側から、より詳細に示している。上部クランプ502は、キャリア540によって支持された上部クランプ本体538を含む。この実施例では、キャリアと上部クランプ502との間の弾力性要素542(例えばコイルばね)は、製造されたカートリッジに寸法ばらつきがあってもフローセルカートリッジの均一なクランプを容易にするために、上部クランプ本体538をキャリアから離れて下方に偏らせる。 キャリア540は、上部クランプ502を受け入れて支柱512に沿って垂直に並進できるようにするためのスライドベアリング542を含む。
図14には、クランププレート506のカムトラック514に受容されるピン544も示されている。
【0104】
図14に示すように、上部クランプ本体538は、クランプ本体を貫通してその上面から下面まで延びる開口部546を含む。以下でさらに詳細に説明するように、開口部546は、撮像サブシステムの部分のためのクリアランスおよびアクセスを提供する。
【0105】
図15は、上側クランプ502の一部を下側からクローズアップしたものである。下部クランプ本体は、磁石550を受けるための開口部548を含む。この特定の例では、4つの処理チャンネルを有するフローセルカートリッジが上下のクランプ502、504の間に配置されクランプされると、磁石550の各々は処理チャンネルの1つの真上に位置することになる。下部クランプ504と同様に、上部クランプ502は、各磁石550の位置を微調整するための止めネジまたは他の部品を含むことができる。
【0106】
図15に示す上部クランプ本体538は、フローセルカートリッジのアライメント特徴(例えば
図5Aに示す突起460)に接触するように位置決めされ構成された弾力性接点552を含み、フローセルカートリッジを平坦にクランプし、さもなければ上部クランプと下部クランプとの間に正確に固定することを容易にする。図示した特定の例では、弾力性のある接点552は、接点端が下向きにバイアスされたスプリングプランジャーである。図示の特定の実施例では、フローセルカートリッジが上部及び下部クランプ502、504の間にクランプされると、弾力性のある接触部552の下端は、処理チャネルに近接するフローセルカートリッジ上の突起の1つ以上に接触し、磁石550及び上部クランプ本体538の周囲の部分は、その処理チャネルに近接するフローセルカートリッジの上面の真上に位置するが、接触しない。
【0107】
図15にも示されているように、上部クランプ本体538は、フローセルカートリッジをポンピングサブシステムに流体的に接続するように位置決めされ構成された一連の流体接続ポート554も含んでいる。この特定の例では、各接続部は、盛り上がったシールリング558によって囲まれたポート開口部556を含む。
【0108】
図16及び
図17は、カートリッジがコアにクランプされたときのフローセルカートリッジに対する磁石(例えば、
図10A~Bに示すコアの上部及び下部磁石526、550)の配置の一例を概略的に示している。図示のように、磁石の対向する極は、カートリッジの処理流路の処理部分444の上下に配置することができる。さらに、
図16に示すように、隣接する処理チャネルは、反対の極性の磁石を含むことができる。この例では、磁石の極性が交互になることにより、隣接する磁石の対の間の磁場のキャンセルを最小限に抑えることが容易になる。 他の例では、磁石は非交互構成で配置されてもよい。用途によっては、磁気分離プロセスの特定の局面を優先するように磁石を配置してもよい。例えば、ある例では、分離プロセスの速度とダイナミックレンジを最適化するために、磁石を交互に配置することができる。別の例では、分離プロセスの解像度を最適化するために、磁石を非交互配置にすることができる。後述するように、分離システムは、複数の取り外し可能なユニットを含むことができ、ユーザは、あるユニット(例えば、磁石の特定の配置を有する)を別のユニット(例えば、磁石の異なる配置を有する)と交換することができる。
【0109】
上述したように、コアはフローセルの温度を調節するための部品を含むことができる。
図18A-Bは、
図10A-Bのコアの断面図である。この例では、コアの冷却アセンブリは、熱電(ペルチェ)モジュール560、熱電モジュール560の上面に配置された温度制御プレート562、熱電モジュール560の下のヒートシンク564、およびファン566を含む。この例では、先に説明した支柱体522と下部クランプ体530もフローセル温度の調節に関与している。
【0110】
図18A-Bの例では、サーモエレクトリックモジュール560(1つ以上の個別のモジュールであってもよい)に電流を流すと、その2つの表面間に温度差が生じ、そのうちの一方の表面(この例では、モジュール560の上面)が冷却され、他方の表面(この例では、モジュール560の下面)が加熱される。モジュール560の加熱側では、発生した熱は、ファン566によって促進されながら、ヒートシンク564によって放散される。モジュール560の冷却側では、
図18(および
図19の拡大図)に示す例では、柱体522の下面が温度制御プレート562に直接接触しており、この温度制御プレート562はモジュール560の冷却側に直接接触している、サーモエレクトリックモジュール560の作動は、伝導を介して温度制御プレート562を冷却し、その結果、伝導を介して柱状体522を冷却し、その結果、伝導を介して柱状体522の上面に直接接触しているフローセルカートリッジを冷却する。
図18および
図19にも見られるように、下部クランプ本体530の空洞は、温度制御プレート562によって冷却された空気が柱状体522の側面に沿って流れ、対流によってそれらをさらに冷却し、フローセルカートリッジのチャネルビーム432の周囲を上昇し、対流によってカートリッジをさらに冷却するように、空気チャネル570を規定する。図には完全な詳細が示されていないが、追加のファンユニット(ヒートシンクを冷却するために使用されるファンとは別)が、温度制御プレート562のチャネルを通して空気を移動させ、その冷却された空気が、柱体522の周りの空気チャネル570を通して上に移動してもよい。
【0111】
要するに、この例のコアは、伝導および対流熱伝達の両方を通じてフローセルカートリッジを冷却するように構成されている。サーミスタまたは他のフィードバック機構(図では特に言及していない)を使用して温度を感知し、モジュール560または他の冷却モジュールの動作を調節し、それによってフローセルカートリッジの温度を所望のレベルまたは範囲に調節することができる。同じサーモエレクトリックモジュールと関連部品は、代わりにカートリッジを周囲温度以上に暖めるために使用することができる。同じサーモエレクトリックモジュールと関連部品は、代わりに周囲温度またはその近傍の固定温度を維持し、変動を抑えるために使用することもできる。言い換えれば、粒子分離システムの温度調節コンポーネントは、フローセルカートリッジを冷却、加温、あるいは冷却と加温を交互に行うように構成することができる。
【0112】
いくつかの実施態様では、粒子分離システムは、エンドユーザーまたは技術者がコアを単一ユニットとして比較的容易に取り外し、別のコアと交換できるように構成され得る。 例えば、
図10、
図11、および
図18を参照すると、取り外し可能なユニットは、上部クランプ502、下部クランプ504、クランププレート506、リニアアクチュエータ518、温度制御プレートおよび熱電モジュール508、ヒートシンク564、およびファン566を含むことができ、これらはすべて、単一のユニットとして粒子分離システムから取り外し、粒子分離システムに取り付けることができるように、相互に接続されることができる。 いくつかの実施態様において、取り外し可能/交換可能なコアユニットは、クランプブロック内の磁石の数、タイプ(例えば、電界強度)、および配置を変更すること、システムが同時に処理できる粒子分離チャンネルの数を変更すること、温度制御システムの態様を変更することなどによって、粒子分離システムの再構成を可能にすることができる。
【0113】
図20~22は、取り外し可能/交換可能なコアを含む粒子分離システムの一例を示す。
図20に示すように、粒子分離システムは、システムのカバーの一部を取り外した後、取り外し可能なコア602にアクセスするためにスライドさせて出し入れできるトレイ600を含む。取り外し可能なコア602上の位置合わせピン604は、トレイ600上のスロットに適合して、トレイ600内での取り外し可能なコア602の適切な位置合わせおよび着座を容易にすることができる。
図21は、スロットに着座した取り外し可能なコアの位置合わせピンをより詳細に示す。
図21はまた、スライドされた後にシステム内でトレイ600を固定するためのトレイ600のハンドスクリュー608を示す。
【0114】
図22は、トレイ(図示せず)がスライド式に取り付けられてトレイを出し入れできるようにする2つのランナー610のうちの1つを概略的に示している。
図22に示されるように、ランナー610は、ランナーへのトレイの挿入を容易にするために一端が広くなっているガイドを含む。また、
図22に示すように、ガイドは、完全にスライドさせたときに取り外し可能なコアの正確な垂直アライメントを提供するために、その反対側の端部で狭くなるか、またはくびれる。ガイドの端部にあるバネ機能は、トレイと取外し可能なコアを上方に偏らせ、トレイが完全にスライドされたときに、ガイドの上部とガイドと相互作用するトレイの部分との間に垂直方向の隙間がほとんどないようにする。
【0115】
一例の方法では、まず粒子分離システムのハウジングの全部または一部を取り外すことにより、取り外し可能なコアユニットを取り外して別のコアユニットと交換することができる。次に、コアユニットを保持するトレイをハウジングからスライドさせ、コアユニットとシステムの残りの部分との間の流体的、電気的およびその他の接続を切断することができる。 次に、取り外し可能なコアユニット(上部および下部クランプ、クランププレート、リニアアクチュエータ、温度制御プレートおよびサーモエレクトリックモジュール、ヒートシンク、ファンを含む)を持ち上げて、単一ユニットとしてシステムから取り外してもよい。 次に、別のコアユニット(取り外されたコアユニットと同じ構成または異なる構成を有する)を単一ユニットとしてトレイに降ろすことができ、取り外し可能なコア上の位置合わせピンがトレイのスロットに嵌合し、トレイにおけるコアユニットの適切な位置合わせおよび着座を提供する。次に、新しいコアユニットを保持したトレイをシステム内にスライドさせて戻し、コアとシステムの残りの部分との間の流体、電気、その他の接続を行う。 最後に、トレイをシステム内に固定するためにハンドスクリューを締め、ハウジングを交換する。手ねじは、オーバーセンタークランプや1/4回転クランプなどのクランプや、六角キーのような工具を必要とするファスナーで置き換えることができるが、これらに限定されない。
【0116】
イメージング
図2に示す粒子分離システム200は、磁気浮上による粒子分離の前、最中、および/または後を含め、フローセルカートリッジ202の処理流路および/またはそれらの処理流路内の粒子を撮像するための撮像サブシステム208を含む。
【0117】
撮像サブシステムは、フローセルカートリッジの処理流路の顕微鏡撮像を提供するように構成されてもよい。オプションとして、イメージングサブシステムは、オプションの紫外光エキサイターモジュールを用いて蛍光発光のイメージングを提供するように構築及び配置されてもよい。イメージングサブシステムは、フローセルの処理チャネルを通る光透過を提供するように構築及び配置された可視光照明の光源を含むことができる。イメージングシステムは、明視野照明、暗視野照明、および/または試料成分の蛍光検出を可能にする光学系を採用することができる。 処理チャンネル内の蛍光体の撮像のために、撮像サブシステムは、好ましくは、約524nmおよび628nmの波長を中心とする帯域の放出放射線を通過させるデュアルバンドパスフィルターを任意に含むことができる。
【0118】
図4~8に描かれているマルチチャネルフローセルカートリッジ400の場合、撮像はチャネルビーム432の側面456、458を通して行われることがある(例えば、
図7参照)。
図4Aに示すように、フローセルカートリッジ400の開口部474(カートリッジの上面および底面を貫通して延びる開口部および/またはカートリッジの側壁を貫通して延びる開口部を含む)は、チャネルビーム432のチャネル側面456、458を露出させる。開口部(この例では一般に矩形である)は、処理チャネル444の処理部分の内容物が撮像され得るように、側面456、458への光学的アクセスを可能にする。撮像サブシステムは、粒子が処理チャネルを通過する際に粒子をリアルタイムで見るおよび/または記録する能力を可能にする、または強化する任意の装置を含み得、それにより、粒子の分離の程度および/または粒子の分離速度を含む粒子の分離の観察および/または測定を可能にする。可視化には、収集された画像の分析も含まれる。
【0119】
図23および
図24は、粒子分離システムで使用可能なイメージングサブシステムの一例を示す。この例では、撮像サブシステムは、処理チャネル(660で概略的に示される)内の粒子を照明するように構成された、照明光源652、集束光学系654、および反射鏡光学系656および658を含む。
図25および
図26に示すように、撮像サブシステムは、処理チャネル660内の照明された粒子を撮像するように構成された反射鏡光学系662、対物レンズ664、および1つまたは複数のセンサ666も含む。撮像サブシステムは、CCD、CMOS、または他のセンサなどの多種多様なセンサと共に使用するように構成することができる。
図25および
図26では特に言及されていないが、撮像サブシステムは、システム光学系の焦点を調整するための1つまたは複数の微動ステージを含むことができる。また、
図25および
図26では特に言及されていないが、撮像サブシステムは、処理チャネル660が撮像される被写界深度を調整または変更するための1つまたは複数の調整可能な開口または他の構成要素を含むことができる。
【0120】
撮像サブシステム又はその少なくとも構成要素は、多チャンネルフローセルカートリッジの処理チャンネルを撮像するために撮像サブシステムを位置決めするための多自由度装置に搭載することができる。一例では、撮像サブシステムは、撮像サブシステムをx、y、z軸に沿って移動させるように構成された多段並進装置に搭載される。
【0121】
図23および
図24に示すように、反射鏡光学系658および662は、ペリスコープアーム668の遠位端に取り付けられている。 ペリスコープアームは、反射鏡光学系658及び662が、上部クランプ本体の開口部546を通って、フローセルカートリッジ400の開口部474及び下部クランプ本体530のスロット536内に下降されることを可能にするように構成されており、これにより、反射鏡光学系658及び662は、マルチチャンネルフローセルカートリッジ400のチャンネルビーム432の側面456、458に隣接して位置決めされ得る一方で、イメージングサブシステムの構成要素の大部分は、マルチチャンネルフローセルカートリッジ400の上方に位置決めされたままである。
【0122】
図25は、撮像中に撮像サブシステムの構成要素が上部クランプ、フローセルカートリッジ、及び下部クランプの各部に対してどのように位置決めされ得るかの概略例を断面で示す。
図25に示されるように、ペリスコープアーム668は、上部クランプ502の部分の間の開口部を通って、フローセルカートリッジのチャネルビーム432の間を通って、下部クランプ本体530に形成されたスロット536の中へと延びている。この態様では、流路ビーム432が複数の平行な流路の平面アレイに配置され、流路ビームの上面が磁石550及び上部クランプ本体の他の部分によって妨害され、流路ビーム432の下面が下部クランプの支柱体522及び磁石526の上面によって覆われても、流路ビーム432の各々の両側面を介して撮像することができる。換言すれば、撮像サブシステムは、本明細書の以前のセクションで説明したように、伝導性及び対流性熱伝達を介してフローセルカートリッジの冷却を促進する、それらのチャネルの上方及び下方の磁石の位置決め並びに下部クランプ504の支柱体522及び他の部分の位置決めを依然として可能にしながら、各処理チャネル内の粒子分離を撮像するように構成される。
【0123】
図25に示される実施例では、撮像サブシステムは、折り返された光路を介して処理チャネル内の粒子分離を撮像するように構成され、この場合、撮像サブシステムのための構成要素および構造の大部分は、コアユニットの様々な構成要素の上方に配置される。この特定の例では、光路は照明光源652と集光光学系654で始まり、反射鏡光学系656で90度回転し、上部クランプ本体の開口部を通って下方に移動し、ペリスコープアーム668の遠位端に取り付けられた反射鏡光学系658で90度回転する、チャンネルビーム432の処理チャンネル(磁石550および上部クランプの他の部分の下方、磁石526、支柱体522および下部クランプ本体530の他の部分の上方)を移動し、反射鏡光学部品662で90度回転し、上部クランプ本体の別の開口部を通って上方に移動し、続いて対物レンズ664およびセンサー666に移動する。
【0124】
前述したように、撮像サブシステムは、撮像サブシステムをx、y、z軸に沿って位置決め及び移動させるための多軸並進装置に取り付けることができる。一部の実施態様では、これにより、各チャンネルビームの長さに沿ってペリスコープアーム及び撮像サブシステムの残りの部分を走査することが容易になる。例示的な動作モードでは、多軸並進装置は、そのペリスコープアームがフローセルのチャネルビームの1つを跨ぐように撮像サブシステムを位置決めし、次いで、そのチャネルビームにおける処理チャネルの全部又は少なくとも実質的な長さを撮像するために、その処理チャネルの長さに沿って走査することができる。次に、並進装置は、第1の流路ビームの周囲からペリスコープアームを引き出し、隣接する流路ビームに移動し、その長さに沿ってその処理流路を撮像するように走査することができる。このプロセスは、全てのチャネルビームが処理チャネルの長さに沿って走査されるまで繰り返されてもよく、粒子分離システムの動作中に連続的または周期的に繰り返されてもよい。
【0125】
図示された特定の例では、イメージングサブシステムは、マルチチャンネルフローセルのイメージング表面に光学的にアクセスするために、遠位側に取り付けられたリフレクターを有するペリスコープを利用している。 他の例では、フローセル自体に、イメージングを容易にするために反射鏡の片側または両側に反射鏡を組み込んだり、システムおよび/またはフローセルを、光学的アクセスにペリスコープを不要にするような他の構成にしたりすることができる。
【0126】
操作方法の例
図26は、粒子分離システムの操作方法の一例を示している。
【0127】
ステップ1002で、マルチチャンネルフローセルカートリッジが選択され、カートリッジの1つ以上の入口ウェルに、常磁性流体媒体に懸濁された分析用試料が装填される。操作者は、カートリッジに貼付された固有のバーコードをスキャンするなどして、カートリッジに関する識別情報をシステムに入力することができる。
【0128】
ステップ1004で、操作者は粒子分離システムの操作パラメータを入力する。操作パラメータは、分析用の粒子の種類(例えば、細胞、細胞成分(例えば、核)、または分析用の他の粒子のサイズ(複数可)または種類(複数可))、流体試料中の破片の有無および/または種類、浮上剤の濃度、回収が最も望まれる画分、およびプロセスが実行される温度を含み得る。異なる操作パラメータは、異なる実行(浮遊)時間および/またはポンプパラメータをもたらし、別の画分(例えば上部画分)の代わりにある画分(例えば下部画分)から標的粒子を捕捉することになり、またはシステムの構成要素の操作に対する他の変更をもたらす可能性がある。操作パラメータには、画像分析モードの選択(例えば、連続スキャン対各処理チャネルの単一スキャン)、フローセルカートリッジのどのチャネルを実行するかの選択、および(ネットワークシステムの場合)どの特定の装置を使用するかの選択も含まれる。一部の実施態様では、粒子分離システムは、フローセルカートリッジの異なるチャンネルに異なる実行パラメータを受信し、適用するように構成されることがある。オペレーターは、装置自体のユーザーインターフェースを使用して、またはネットワークシステムの場合は中央コンピューターでパラメーターを入力することができる。
【0129】
ステップ1006で、フローセルカートリッジが粒子分離システムに装填される。操作者はフローセルカートリッジを装置コアの上部クランプと下部クランプの間に配置し、フローセルカートリッジを所定の位置にクランプする。フローセルカートリッジをクランプすることにより、カートリッジの収集ウェル出口がポンプサブシステムのシリンジポンプに流体的に接続される。
【0130】
ステップ1008で、シリンジポンプは、採取ウェル出口を介してカートリッジの流体流路に負圧をかけ、試料懸濁液を入口ウェルからカートリッジの流体流路の処理部分に引き込む。
【0131】
ステップ1010で、粒子は磁気浮上によって処理チャネル内で分離される。分離の一部または全ては、ポンプサブシステムが処理チャネル内の流体の流れを誘導しない、処理チャネル内の滞留時間にわたって行われてもよい。粒子分離の前、間、および/または後に、システムは処理チャネルを画像化し、分離の可視化および処理チャネル内の粒子の他の分析を可能にすることができる。
図27は、カートリッジの3つの処理流路の画像の一例を、それらの流路の長さに沿って示している。 画像は、各処理チャンネル内の粒子が磁気浮上され、各チャンネル内で2つの異なる粒子の帯に分離されていることを示している。
【0132】
ステップ1012において、オペレータは、各処理チャネルにおいて、粒子の帯域の一方が概ね収集され、粒子の帯域の他方が概ね収集された垂直分割線を画定する分割線位置を特定し、システムに入力することができる。
図27は、各チャネルについて識別された分割線の例を、処理チャネルにおいて各分割線を上下に調整するためのグラフィカルボタンと共に示す。
【0133】
ステップ1014で、分離された粒子の帯を別々の収集ウェルに抽出するために、ポンプサブシステムが操作される。 いくつかの実施態様では、システムは、流体抽出中にポンプサブシステムの動作を調整するために、指示されたスプリットライン位置に関連するデータを使用することができる。例えば、特定のチャネルのスプリットラインが、処理チャネルにおいて相対的に高く又は低く設定される場合、システムは、シリンジポンプのうちの1つが、その処理チャネルに関連する他の収集ウェル出口に接続された他のシリンジポンプよりも高い負圧を、それが接続される特定の収集ウェル出口に印加するように、その処理チャネルに関連する2つのシリンジポンプの動作を調整することができる。このような調整により、抽出中にその処理チャネルから流れる2つの異なる出口チャネルに分離粒子が収集される垂直レベルまたは分割線が変更される可能性がある。
【0134】
上述のシステムおよび方法は、
図26に示された特定の動作順序に限定されるものではない。
図28および
図29は、採用され得る動作順序の追加例を示している。
【0135】
上述のシステム及び方法は、比較的多数の細胞又は他の粒子を有する試料の分離を可能にし得る。例えば、上述したシステムおよび方法は、1回の処理実行において、合計1億個以上の分離用粒子(例えば、平均粒径3ミクロンの粒子)を有する試料を取り扱うことができる。別の例として、上述のシステムおよび方法は、1回の処理実行で、1処理チャンネルあたり2千万個以上の分離用粒子(例えば、平均粒子径5ミクロン)を取り扱うことができる。多数の細胞または粒子の分離は、FACSまたは遠心分離のような他の分離技術に関連するストレスを粒子に与えることなく、迅速に達成される。多数の粒子の迅速な分離は、粒子と常磁性化合物または強磁性流体を含む試料媒体を含む試料を複数の分離チャンネルにロードし、少なくとも1つの磁石で試料に磁力を与えて分離に影響を与え、任意で分離された試料の少なくとも2つの画分を収集し、任意で分離前、分離中、および/または分離後に試料中の粒子を画像化することを含む方法によって行われる。この方法では、試料は約1,000,000から約100,000,000の粒子を含むことができる。分離の総時間は、約1分から約20分の範囲であり得る。迅速分離法では、そのような目的の粒子の濃度を、溶液中または溶液の一部内で、少なくとも約100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、5:1、3:1、2:1、1.5:1、または1.1:1の比率で増加させる。 複数の種類の粒子を含む溶液内の目的の粒子および/または細胞は、溶液を処理した後、他の種類の粒子の濃度に対する目的の粒子の濃度の比が増加する場合、または他の種類の粒子の濃度に対する目的の粒子の濃度の比が少なくとも約10%増加する場合、「分離された」とみなすことができる、50%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、または1000%、または溶液の他の粒子(目的の粒子以外の種類の粒子を含むが、これらに限定されない)の濃度が約20%、15%、10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%.迅速分離法の好ましい実施形態では、サンプルの濃縮回収部分における分離された細胞または生物の生存率は、分離前の出発サンプルにおける細胞または生物の生存率の少なくとも70%である。好ましくは、サンプルの濃縮回収部分における分離された細胞または生物の生存率は、分離前の出発サンプルにおける細胞または生物の生存率の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、または99%である。出発試料は、約1,000,000~約100,000,000個、約5,000,000~約100,000,000個、約10,000,000~約100,000,000個、約20,000,000~約100,000,000個、約30,000,000~約100,000,000個、約40、000,000から約100,000,000、約50,000,000から約100,000,000、約60,000,000から約100,000,000、約70,000,000から約100,000,000、約80,000,000から約100,000,000、または約90,000,000から約100,000,000の粒子。分離された粒子の画分を分離して収集する時間は、20分以下、18分以下、15分以下、12分以下、10分以下、8分以下、5分以下、3分以下、または1分以下であり得る。粒子サイズは、直径などの寸法が約100nmから100μmまたはそれ以上の範囲であり得る。原核細胞の場合、典型的な下限は約400nmであるのに対し、真核細胞は約10μmから約100μmの範囲にあり、ヒトの雌の卵細胞はその範囲の最大端にある。他の粒子や生物はもっと大きいかもしれない。上記の迅速で高容量の分離方法の一実施形態では、分離される粒子は細胞である。上記の方法によって分離される細胞タイプは、ヒト細胞、非ヒト動物細胞、植物細胞、真核細胞(例えば、免疫細胞、内皮細胞、酵母、T細胞などであるが、これらに限定されない)、細菌などを含む原核細胞、細胞、生物、オルガネラ、核、有機ポリマーやタンパク質などの有機物、有機化合物または無機化合物の微粒子、ならびにビーズ、気泡、断片などの粒子を含むことができる。 複数の細胞タイプには、死細胞、生細胞、健常細胞、病的細胞、感染細胞、トランスフェクト細胞、遺伝子改変細胞などが含まれる。本開示の方法に従って分離された細胞は、生物から直接得ることもできるし(あるいは生物そのものであることもできる)、増殖または培養することもできる。迅速で高容量の分離方法の特定の実施形態では、生細胞が死細胞から分離される。分離方法の別の実施形態では、生存トランスフェクト細胞および/またはクリスプレート改変細胞もしくはその他の遺伝子編集細胞が、死滅トランスフェクト細胞および/またはクリスプレート改変細胞もしくはその他の遺伝子編集細胞および/または非トランスフェクト細胞および/または非クリスプレート改変細胞もしくはその他の非遺伝子編集細胞から分離される。本方法の別の実施態様では、健常細胞が疾患細胞から分離される。本方法のさらなる実施形態では、細胞核が、細胞、細胞断片、および/またはサンプルデブリから分離される。様々な実施形態において、これらの方法は、本明細書に記載のカートリッジおよびシステムを利用して実施される。
【0136】
本開示に記載された実施例および実施形態は、例示のみを目的とするものであり、それを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲に含まれることが理解される。本開示において引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正書】
【提出日】2024-08-05
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年12月30日に出願された米国仮特許出願第63/294,915号及び2021年10月7日に出願された米国仮特許出願第63/253,448号の利益を主張する。これらの出願の全内容及び開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
粒子を分離するためのシステム及び方法、特に、粒子分離のために磁気浮上を利用するシステム及び方法。
【背景技術】
【0003】
磁気浮上は、細胞、生体分子及び他の種類の粒子を含む粒子を分離するための有用な方法として最近出現した。磁場勾配に晒されたチャネルに粒子を流れ込ませることによって、粒子を種類又は状態に応じて、粒子の物理的特性に起因する異なる浮上高さで分離することができる。一旦浮上高さが異なる別個のバンドに分離されたら、分離された粒子を分析及び収集することができる。
【発明の概要】
【0004】
本特許は、改善された粒子分離のための磁気浮上システム及び方法のいくつかの例、並びにこれらのシステム及び方法と一緒に使用するためのマルチチャネルフローセルカートリッジの例を記述する。本システム、方法及びカートリッジは、1回の処理実行で比較的多数の粒子を分離するように構成され得る。
【0005】
一例において、マルチチャネルフローセルカートリッジは、(a) 基材と、(b) 基材に形成された複数の流体分離チャネルであって、当該流体チャネルのそれぞれが、入口及び少なくとも2つの出力部と流体連通した磁気浮上処理チャネルを含み、処理チャネルのそれぞれが、処理チャネルの一部を少なくとも上側部分と下側部分に垂直分離する少なくとも1つの仕切りを備え、上側部分が出力部のうちの一方と流体連通し、下側部分が出力部の他方と流体連通し、処理チャネルのそれぞれが、処理チャネルの長さに沿って延在する少なくとも1つの撮像面を更に備え、撮像面が、処理チャネル内の粒子の磁気浮上の撮像を可能にするように構成される、複数の流体分離チャネルとを備える。
【0006】
場合によっては、処理チャネルのそれぞれは、処理チャネルに沿って延在する2つの対向する撮像面を有することができる。
【0007】
場合によっては、処理チャネルは同一平面上に存在してもよい。
【0008】
場合によっては、カートリッジは、基材に形成されたいくつかのチャネルビームを有することができ、チャネルビームが、フローセルカートリッジの入口端部及び出口端部の間に延在し、チャネルビームのそれぞれが、処理チャネルのうちの1つを有する。
【0009】
場合によっては、チャネルビームのそれぞれは、隣接するチャネルビームから間隔を空けて配置され得る。
【0010】
場合によっては、カートリッジは、基材の中を通って延在するいくつかの開口部を更に備えることができ、開口部のそれぞれが、処理チャネルの長さに沿って2つの隣接するチャネルビームの間に延在し、開口部が、撮像面への光学的アクセスのために構成される。
【0011】
場合によっては、チャネルビームのそれぞれが、少なくとも1つの位置合わせタブを備えることができる。
【0012】
場合によっては、基材は、流体チャネルから離れるように下方に延在する側壁を更に有することができる。
【0013】
場合によっては、側壁のそれぞれが、撮像面のうちの1つへの光学的アクセスのために構成された開口部を備えることができる。
【0014】
別の例において、複数の処理チャネルを有するフローセルカートリッジと一緒に使用するための磁気浮上粒子分離システムは、
(a) フローセルカートリッジを収容及び保持するように構成されたホルダーと、
(b) フローセルカートリッジがホルダーによって収容及び保持されたときに磁場勾配を処理チャネルに加えるように構成された磁石のアレイであって、フローセルカートリッジがホルダーによって収容及び保持されたときに処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる磁石のアレイと、
(c) フローセルカートリッジがホルダーによって収容及び保持される間並びに磁石のアレイが処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる間に処理チャネル内での粒子の垂直分離を撮像するように構成されたイメージャと
を備える。
【0015】
場合によっては、磁気浮上粒子分離システムは、1回の分離実行で少なくとも約1億個の粒子という最大粒子分離能力を有し得る。
【0016】
場合によっては、磁気浮上粒子分離システムは、1回の分離実行で少なくとも約1億個の粒子という最大粒子分離能力を有し得、粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する。
【0017】
場合によっては、磁気浮上粒子分離システムは、1回の分離実行で少なくとも約1億個の球形粒子という最大粒子分離能力を有し得、粒子が、少なくとも約3ミクロンの平均直径を有する。
【0018】
場合によっては、磁気浮上粒子分離システムは、処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の粒子という最大粒子分離能力を有し得る。
【0019】
場合によっては、磁気浮上粒子分離システムは、処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の粒子という最大粒子分離能力を有し得、粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する。
【0020】
場合によっては、磁気浮上粒子分離システムは、処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の球形粒子という最大粒子分離能力を有し得、粒子が、少なくとも約5ミクロンの平均サイズを有する。
【0021】
場合によっては、イメージャは、屈曲光路によって処理チャネル内での粒子の垂直分離を撮像するように構成され得る。
【0022】
場合によっては、屈曲光路は、処理チャネルのうちの1つの真上に位置決めされた磁石と、処理チャネルのうちの1つの真下に位置決めされた磁石との間に延在する経路部分を含むことができる。
【0023】
場合によっては、屈曲光路は、磁石アレイの2つの隣接する磁石間のホルダーの開口部を通って延在する第2の部分を備えることができる。
【0024】
場合によっては、イメージャは、光学的ペリスコープを備えることができ、本システムが、フローセルカートリッジがホルダーによって収容及び保持される間並びに磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理チャネルより上及び下に位置決めされる間にペリスコープを処理チャネルのうちの1つに隣接する位置に移動させるように構成される。
【0025】
場合によっては、本システムは、フローセルカートリッジがホルダーによって収容及び保持される間並びに磁石のアレイがフローセルカートリッジの複数の処理チャネルより上及び下に位置決めされる間に処理チャネルの長さに沿ってペリスコープをスキャンするように構成され得る。
【0026】
場合によっては、ホルダーは、ペリスコープが開口部を通って処理チャネルに隣接する位置に移動することを可能にするようにサイズ調整及び位置決めされたいくつかの開口部を有し得る。
【0027】
場合によっては、ホルダーは、上側クランプ及び下側クランプを有するコアユニットであり得、コアが、上側クランプと下側クランプとの間にフローセルカートリッジを収容及び締め付けるように構成され、磁石のアレイが、上側クランプ内に設置された第1の磁石のアレイ及び下側クランプ内に設置された第2の磁石のアレイを含むことができる。
【0028】
場合によっては、イメージャは、処理チャネルの真上に位置決めされた第1のアレイの磁石と、処理チャネルの真下に位置決めされた第2のアレイの磁石との間に延在する光路の第1の部分と、処理チャネルの真上に配置された第1のアレイの磁石と、隣接する処理チャネルの上に位置決めされた第1のアレイの別の磁石との間に延在する光路の第2の部分とを含む光路によって処理チャネルのうちの1つの中での粒子の垂直分離を撮像するように構成され得る。
【0029】
場合によっては、ホルダーは、フローセルカートリッジの処理チャネルの温度を調整するように構成されたコアユニットであり得る。
【0030】
場合によっては、コアユニットは、フローセルカートリッジがコアユニットによって収容及び保持されたときに温度伝導表面が処理チャネルと接触するように設置されたいくつかの温度伝導表面を有することができる。
【0031】
場合によっては、温度伝導表面は、温度伝導材料から形成されたピラーの端面であってもよく、ピラーのそれぞれが磁石アレイの磁石を保持する。
【0032】
場合によっては、本システムは、ピラーを冷却することにより、伝導によって処理チャネルを冷却するように構成され得る。
【0033】
場合によっては、コアは、ピラーと接触した冷却アセンブリであって、ピラーを伝導冷却するように構成された冷却アセンブリを有し得る。
【0034】
場合によっては、冷却アセンブリは、温度制御プレート、熱電冷却器及びヒートシンクを備えることができる。
【0035】
場合によっては、コアユニットは、冷却アセンブリからピラー端部表面に向かってピラーに沿って延在する空気チャネルを備えることができ、空気チャネルが、対流空気流によってピラー及びフローセルカートリッジを冷却するように構成される。
【0036】
場合によっては、コアユニットは、本システムの取り外し可能なユニットであってもよい。
【0037】
場合によっては、コアユニットは、フローセルカートリッジホルダー、フローセルカートリッジをポンプサブシステムに流体的に接続するように構成された流体コネクタ組立体、磁石アレイ及び冷却アセンブリを備えることができる。
【0038】
場合によっては、本システムは、第2のフローセルカートリッジホルダー、第2の流体コネクタ組立体、第2の磁石アレイ及び第2の冷却アセンブリを有する第2のコアユニットを更に備えることができ、第2の磁石アレイが、他のコアユニットの磁石アレイと異なる構成を有し、本システムが、コアユニットの両方を交番方式で収容して動作させるように構成される。
【0039】
別の例において、粒子分離方法は、(a) 少なくとも第1の処理チャネル及び第2の処理チャネルを有するマルチチャネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填することと、(b) 第1の粒子の懸濁液及び常磁性流体を第1の処理チャネルに流し込むことと、(c) 第2の粒子の懸濁液及び常磁性流体を第2の処理チャネルに流し込むことと、(d) 第1及び第2の処理チャネル内の第1及び第2の懸濁液を1つ又は複数の磁場勾配に晒すことと、(e) 第1の処理チャネル内の粒子を1つ又は複数のバンドに分離し、第2の処理チャネル内の粒子を1つ又は複数のバンドに分離することと、(f) 第1の処理チャネル内の1つ又は複数の分離されたバンドを撮像し、第2の処理チャネル内の1つ又は複数の分離されたバンドを撮像することと、(g) バンドのうちの少なくとも1つを別々に収集することとを含む。
【0040】
場合によっては、分離されたバンドを撮像することは、粒子分離システムの撮像サブシステムを使用して分離されたバンドを撮像することを含み得、撮像サブシステムが、第1の処理チャネルと第2の処理チャネルとの間の領域内に少なくとも部分的に位置決めされた少なくとも1つの光学部品を有する。
【0041】
場合によっては、マルチチャネルフローセルカートリッジは、第1の処理チャネルと第2の処理チャネルとの間に位置決めされた開口部を備えることができ、撮像サブシステムの光学部品が、少なくとも処理チャネルのうちの1つの撮像中に開口部内に少なくとも部分的に位置決めされる。
【0042】
場合によっては、光学部品は、反射器であってもよい。
【0043】
場合によっては、撮像サブシステムは、第1又は第2の処理チャネルのうちの1つにまたがって位置決めされた第2の光学部品であって、少なくとも処理チャネルのうちの1つの撮像中に開口部の少なくとも1つの光学部品反対側にある第2の光学部品を更に備えることもできる。
【0044】
場合によっては、本方法は、粒子分離システムを使用し、少なくとも1つの光学部品を開口部内に移動させ、次いで第1及び第2の処理チャネルのうちの少なくとも1つを撮像し、次いで少なくとも1つの光学部品を開口部の外に移動させることを更に含み得る。
【0045】
場合によっては、本方法は、粒子分離システムを使用して少なくとも1つの光学部品を開口部内のある位置から開口部内の別の位置に移動させることと、チャネルの長さに沿って異なる場所で第1及び第2の処理チャネルの少なくとも1つを撮像することとを更に含むことができる。
【0046】
場合によっては、開口部は、第1及び第2の処理チャネルに沿って延在する細長い開口部であり得る。
【0047】
場合によっては、分離されたバンドを撮像することは、粒子分離システムの撮像サブシステムを使用して分離されたバンドを撮像することを包含し得、撮像サブシステムが、少なくとも1つの屈曲光路を有する。
【0048】
場合によっては、マルチチャネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填することは、磁石のアレイに対してマルチチャネルフローセルカートリッジを位置決めすることを含み得る。
【0049】
場合によっては、磁石のアレイは、少なくとも第1の磁石及び第2の磁石を含むことができ、マルチチャネルフローセルカートリッジが粒子分離システムに装填されたときに第1の磁石が第1の分離チャネルに隣接し、第2の磁石が第2の分離チャネルに隣接する。
【0050】
場合によっては、第1の磁石は、第2の磁石の極性と整合しない極性を有し得る。
【0051】
場合によっては、磁石のアレイは、上側磁石のアレイ及び下側磁石のアレイを含み得、マルチチャネルフローセルカートリッジが、マルチチャネルフローセルカートリッジが粒子分離システムに装填されたときに上側磁石アレイと下側磁石アレイとの間に設置される。
【0052】
場合によっては、上側磁石のアレイは、交番極性磁石のアレイであってもよく、下側磁石のアレイは、交番極性磁石のアレイであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】磁気浮上による流体チャネル内での粒子分離の概略的な例の図である。
【
図3】コンピュータネットワークによって接続されたいくつかの粒子分離デバイスを備える粒子分離システムの一例の図である。
【
図4A】マルチチャネルフローセルカートリッジの一例を示す図である。
【
図4B】マルチチャネルフローセルカートリッジの一例を示す図である。
【
図4C】組立て前の
図4A及びBのマルチチャネルフローセルカートリッジの構成要素を示す図である。
【
図5A】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5B】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5C】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5D】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5E】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5F】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5G】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5H】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5I】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5J】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5K】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5L】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5M】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図5N】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジのメインボディ部品を示す図である。
【
図6A】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの頂部キャッピングフィルム部品を示す図である。
【
図6B】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの底部キャッピングフィルム部品を示す図である。
【
図6C】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの収集ウェルにキャッピングフィルム部品を示す図である。
【
図6D】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの出口メンブレンフィルム部品を示す図である。
【
図7】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの処理チャネルを示す図である。
【
図8A】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの処理チャネルを示す図である。
【
図8B】
図4A及び
図4Cのマルチチャネルフローセルカートリッジの処理チャネルを示す図である。
【
図9】粒子分離システムのコアの概略的な例の図である。
【
図10A】締付け解除構成で示された粒子分離システムのコアの別の例を示す図である。
【
図10B】マルチチャネルフローセルカートリッジがコアの上側及び下側クランプ間に締め付けられた、締付け構成の
図10Aのコアを示す図である。
【
図16】フローセルカートリッジの処理チャネルに関する粒子分離システムの磁石アレイの一例を概略的に示す図である。
【
図17】フローセルカートリッジの処理チャネルに関する粒子分離システムの磁石アレイの一例を概略的に示す図である。
【
図20】粒子分離システムの取り外し可能なコアの一例を示す図である。
【
図21】粒子分離システムの取り外し可能なコアの一例を示す図である。
【
図22】粒子分離システムの取り外し可能なコアの一例を示す図である。
【
図21】粒子分離システムの取り外し可能なコアの一例を示す図である。
【
図22】粒子分離システムの取り外し可能なコアの一例を示す図である。
【
図23】粒子分離システムの撮像サブシステムの一例を示す図である。
【
図24】粒子分離システムの撮像サブシステムの一例を示す図である。
【
図25】粒子分離システムの撮像サブシステムの別の例を示す図である。
【
図26】粒子分離システムの動作方法の一例を示す図である。
【
図27】3つの粒子分離チャネルから得られた撮像を示す、粒子分離システムのディスプレイの一例を示す図である。
【
図28】
図26に示されたものとは異なる動作順序で粒子分離システムの動作方法の一例を示す図である。
【
図29】
図26及び
図28に示されたものとは異なる動作順序で粒子分離システムの動作方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
細胞、生体物質及び他の種類の粒子は、磁気浮上するときの挙動を決定付ける特性を有する。Durmusらは、細胞が常磁性流体媒体中で浮上する高さが細胞密度に対応すること、及び異なる細胞型を、特徴的な磁気浮上プロファイルに基づいて区別することができることを示した。Durmusら、2015、「Magnetic levitation of single cells」、Proc Natl Acad Sci USA112(28):E3661-8を参照されたい。2021年9月29日に出願された同時継続中で所有者が共通の米国特許出願第17/449,438号明細書(その全内容を参照により本明細書に組み込む)も参照されたい。
【0055】
図1は、磁気浮上を使用した粒子分離の一例を概略的に示す図である。
図1において、異なる種類の反磁性粒子の不均一混合物10は、流体用チャネル12内で常磁性流体媒体に懸濁される。粒子混合物は、磁石14、16が粒子に磁場勾配をかける流体用チャネル12の領域に流れ込む。
【0056】
磁場は、磁気エネルギー密度に相当する一様でない圧力を常磁性流体媒体中に発生させる。磁場勾配下では、反磁性粒子は強磁場領域からはじかれるように思われる。実際、反磁性粒子は、等体積の常磁性流体媒体によって置換される。常磁性流体媒体と強磁場領域との引力的相互作用により、反磁性粒子を「浮上」させることができる。反磁性粒子に及ぼされる力が別の一様な力(例えば、重力)によって対抗されるように磁場を適用することによって、反磁性粒子の密度に直接的な関係がある反磁性粒子の釣合いが実現される。このようにして、粒子は、粒子の密度に応じて、浮上高さが異なる別々のバンド18、20、22に分離することができる。
【0057】
一旦粒子が異なるバンドに平衡化したら、これらのバンドを別々に収集及び分析することができる。
図1の例において、仕切り24、26は、流体用チャネル12を別個の部分、この例においては収集用サブチャネル28、30、32に隔てる。収集用サブチャネル28、30、32は、特定の浮上高さ範囲内にある粒子バンド18、20、22を収集するために設置される。
【0058】
用語及び概念
本特許開示において使用される用語及び概念は、関連分野において許容される慣例に基づいた上で本開示を通して提供される記述及び図によって更に明確化及び理解するこができる。
【0059】
分離する
本開示において使用されるとき、「分離する」、「単離する」、「隔離する」、「精製する」、「濃縮する」という用語及びこれらのそれぞれに関連する用語及び表現は、互換的に使用することができる。例えば、溶液中の粒子は、粒子が溶液中の他の種類の粒子から隔離され、及び/又は予め規定された溶液の部分内に位置する場合、「分離された」と解することができる。別の例において、溶液中の粒子は、溶液の処理後に前述の粒子の濃度が溶液又は溶液の一部の中において、少なくとも約100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、5:1、3:1、2:1、1.5:1又は1.1:1の比で上昇した場合、「分離された」と解することができる。複数種類の粒子を含有する溶液中の着目する粒子は、溶液の処理後に着目する粒子の濃度と他の種類の粒子の濃度との比が上昇した場合、又は着目する粒子の濃度と他の種類の粒子の濃度との比が少なくとも約10%、約50%、約100%、約200%、約300%、約400%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%若しくは約1000%上場した場合、又は溶液の他の粒子(限定されるわけではないが、着目する粒子以外の種類の粒子を含む)の濃度が約20%未満、約15%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満若しくは約0.5%未満低下した場合、「分離された」と解することができる。
【0060】
流体素子
本開示において使用されるとき、「流体素子」という用語は、少なくとも1つの「チャネル」を備える、流体サンプルを取り扱い、処理、排出及び/又は分析するためのシステム、デバイス又は要素を指す。「流体素子」という用語は、限定するわけではないが、マイクロ流体素子及びナノ流体素子を含む。
【0061】
チャネル
本開示において使用されるとき、「チャネル」、「流路」、「流体チャネル」及び「流体用チャネル」という用語は互換的に使用され、流体が流れることができる流体デバイスの通路を指す。チャネルは、約100mm、約50mm、約30mm、約25mm、約20mm、約15mm、約10mm、約5mm、約3mm、約2mm、約1mm又は約0.5mmの最大高さ寸法を有する通路を含む。例えば、
図1のチャネル12は、約10mm×10mm、約10mm×5mm、約10mm×3mm、約10mm×2mm、約10mm×1mm、約10mm×0.5mm、約5mm×10mm、約5mm×5mm、約5mm×3mm、約5mm×2mm、約5mm×1mm、約5mm×0.5mm、約3mm×10mm、約3mm×5mm、約3mm×3mm、約3mm×2mm、約3mm×1mm、約3mm×0.5mm、約2mm×10mm、約2mm×5mm、約2mm×3mm、約2mm×2mm、約2mm×1mm、約2mm×0.5mm、約1mm×10mm、約1mm×5mm、約1mm×3mm、約1mm×2mm、約1mm×1mm、約1mm×0.5mm、約0.5mm×10mm、約0.5mm×5mm、約0.5mm×3mm、約0.5mm×2mm、約0.5mm×1mm又は約0.5mm×0.5mmの断面寸法(高さ×幅)を有し得る。チャネルの内寸高さ及び/又は幅は、チャネルの断面にわたって一葉であっても一様でなくてもよく、幾何形状的には、断面は、丸、正方形、楕円形、長方形又は六角形を含む任意の形状であり得る。断面は、チャネルの長さに沿って変化し得る。「チャネル」という用語は、限定するわけではないがマイクロチャネル及びナノチャネルを含み、本開示におけるチャネルへのいかなる言及に関しても、当該チャネルは、マイクロチャネル又はナノチャネルであり得る。
【0062】
流体的に結合される
本開示において使用されるとき、「流体的に結合される」又は「流体連通」という用語は、そのように結合された又は連通した2つの構成要素の間を流体が流れることができることを意味する。
【0063】
磁気浮上
本開示において使用されるとき、「磁気浮上」という表現は一般に、常磁性流体媒体に懸濁された反磁性材料、常磁性材料、強磁性材料又は反強磁性材料に、2つの磁石間に形成する磁場勾配等の磁場をかけることを包含する。磁気浮上は、磁性流体に物質を懸濁させることを包含し得る。
【0064】
常磁性流体媒体
本開示において使用されるとき、「常磁性流体媒体」は、常磁性材料及び溶媒を含む。常磁性流体媒体は、少なくともいくつかの実装形態において、生体適合性を有するものであり得、すなわち、生細胞の生存能力又は挙動に著しい影響を与えることなく生細胞と混合することが可能なものであり得る。常磁性材料は、ガドリニウム、チタン、バナジウム、ジスプロシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル及びガリウムのうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されるわけではなく、これらのイオンも含む。例えば、常磁性材料は、次のイオンのうちの1つ又は複数を含み得る:チタン(III)イオン、ガドリニウム(III)イオン、バナジウム(I)イオン、ニッケル(II)イオン、クロム(III)イオン、バナジウム(III)イオン、ジスプロシウム(III)イオン、コバルト(II)イオン及びガリウム(III)イオン。いくつかの例において、常磁性材料は、限定されるわけではないが、ガドリニウムキレート、ジスプロシウムキレート又はマンガンキレート等のキレート化化合物を含み得る。いくつかの例において、常磁性材料は、[Aliq]2[MnCl4]、[Aliq]3[GdCl6]、[Aliq]3[HoCl6]、[Aliq]3[HoBr6]、[BMIM]3[HoCl6]、[BMIM][FeCl4]、[BMIM]2[MnCl4]、[BMIM]3[DyCl6]、BDMIM]3[DyCl6]、[AlaC1][FeCl4]、[AlaCl]2[MnCl4]、[AlaCl]3[GdCl6]、[AlaCl]3[HoCl6]、[AlaCl]3[DyCl6]、[GlyC2]又は[FeCl4]のうちの1つ又は複数であり得る。常磁性材料は、少なくとも約10mM、20mM、30mM、40mM、50nM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mM、120mM、150mM、200mM、250mM、300mM、500mM、1M、約10mM~約50mM、約25mM~約75mM、約50mM~約100mM、約100mM~約150mM、約150mM~約200mM、約200mM~約250mM、約250mM~約300mM、約300mM~約500mM又は約500mM~約1Mの濃度で常磁性流体媒体中に存在し得る。一例において、常磁性材料はガドブトロールであり、少なくとも約10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM若しくは100mM、約10mM~約50mM、約25mM~約75mM又は約50mM~約100mM又は約10mM~1Mの濃度で存在する。場合によっては、常磁性材料は、最大10Mの濃度で存在する。常磁性流体媒体は、常磁性材料及び溶媒に加えて、塩又は添加剤、例えば、限定されるわけではないが細胞の完全性を維持するように機能する添加剤等の他の成分を含み得ると理解される。
【0065】
サンプル
そうではないと条件付けされない限り、本開示において使用される「サンプル」又は「複数のサンプル」という用語並びにこれらに関連する用語及び表現は、限定を加えるものであるように意図されない。これらの用語は、着目する任意の生成物、組成物、細胞、組織、有機体又は他の粒子を指す。一般に、「サンプル」又は「複数のサンプル」という用語は、供給源、由来、調達方法、処置、処理、貯蔵若しくは分析又は何らかの修正によって限定されることを意図されない。サンプルのいくつかの例は、溶液、懸濁液、上澄み、沈殿物又はペレットである。サンプルは、細胞若しくは組織を含有することができ、若しくは細胞若しくは組織から主に構成されることが可能であり、又は細胞若しくは組織から調製されてもよい。しかしながら、サンプルは、細胞を含有する必要はない。サンプルは、核酸、ポリペプチド、タンパク質(抗体を含む)、脂質、炭水化物等の生体分子の混合物であってもよいし、又は生体分子を含有することができる。サンプルは、生体サンプルであってもよい。例えば、「サンプル」は、任意の細胞若しくは組織サンプル又は細胞、組織若しくは対象に由来する抽出物であり得、動物細胞又は組織、並びに、植物サンプル及び細菌サンプルを含む動物由来でない細胞のサンプルを含み得る。サンプルは、有機体から直接得ることもできるし、又は増殖若しくは培養することもできる。いくつかの例示的なサンプルは、細胞抽出物(例えば、細胞溶解液)、細胞核の懸濁液、液体細胞培養物、細胞懸濁液、体液(限定されるわけではないが血液、血清、血漿、唾液、尿、脳脊髄液流体、羊水、涙液、胸水、肺から得た洗浄液又は間質液を含む)、針生検を含む組織切片、顕微鏡スライド、凍結組織切片又は固定細胞及び組織サンプルである。更なる他の例において、サンプルは、非生体粒子を含む非生体サンプルであり得る。
【0066】
分離対象となる例示的な細胞型及び他の種類の粒子
本開示に記載の粒子分離システム及び方法は、多種多様な細胞型を含む多種多様なサンプルを対象にして使用することができる。本明細書において使用される「粒子」又は「複数の粒子」という用語は、細胞、有機体、細胞小器官、核、有機ポリマー及びタンパク質等の有機材料、有機又は無機化合物の粒子状物質並びにビーズ、気泡及びフラグメント等の粒子を含み得る。例示的な細胞型には、ヒト細胞、非ヒト型動物細胞、植物細胞、真核細胞(例えば、限定されるわけではないが、免疫細胞、内皮細胞、酵母及びT細胞)、細菌を含む原核細胞等が挙げられる。複数の細胞型は、死細胞、生細胞、健康な細胞、病的細胞、感染細胞、トランスフェクトされた細胞又は遺伝子操作された細胞を含み得る。本開示の方法によって分離される細胞は、有機体から直接得ることもできるし(又は有機体自体であってもよいし)、又は増殖若しくは培養することもできる。一般に、「細胞」、「細胞」、「細胞型」という用語(又はこれらに関連する用語及び表現)は、供給源、由来、調達方法、処置、処理、貯蔵若しくは分析又は何らかの修正によって限定されることを意図されない。
【0067】
本開示に記載の方法によって分離されるのに適し得る細胞型のいくつかの非限定的な例は、マクロファージ、肺胞II(ATII)型細胞、幹細胞(例えば、脂肪細胞又は心筋細胞)、胚細胞、腫瘍細胞、リンパ球、赤血球細胞(赤血球)、上皮細胞、卵子(卵細胞)、精細胞、T細胞、B細胞、骨髄細胞、免疫細胞、幹細胞、内皮細胞、間質細胞及び細菌細胞である。複数の細胞型を含む細胞の集団は、本開示の別の場所で論述される様々な種類のサンプルに由来し得る。
【0068】
細胞は、本開示に記載のシステム及びプロセスを使用して分離される前に様々な処置、貯蔵又は処理手順に供され得る。他の例において、本明細書に記載の粒子分離システム及びプロセスは、染色、標識、タグ付け又は処理されていない細胞又は粒子と一緒に使用することもできる。他の例において、サンプル中の細胞又は粒子(又は特定の細胞若しくは粒子のサブセット)は、密度調整剤と会合してもよい。
【0069】
その他の事項
本開示において使用されるとき、「1つの」、「一」及び「前記」という用語は、そうではないと明記されない限り、1つ又は複数を指すことができる。そうではないと文脈により指示されない限り、単数形の用語は複数形の用語を含むものとし、複数形の用語は単数形の用語を含むものとする。
【0070】
「又は」という用語の使用は、代替物のみを指すこと又は代替物が互いに排他的であることが明示的に示されない限り、「及び/又は」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物及び「及び/又は」のみを指す規定を支持する。本開示において使用されるとき、「別の」は、少なくとも2番目以降を意味し得る。
【0071】
本開示において使用されるとき、そうではないと指示されない限り、「含む」、「備える」という用語及び類似の用語(「有する」又は「伴う」等)は、限定なしで含むことを意味する。
【0072】
本開示において数値範囲が提示されるとき、そうではないと示されていない限り、数値範囲は、範囲の端点を含む。そうではないと示されない限り、本開示における数値範囲は、すべての値及び部分範囲を、これらが明示的に記載された場合と全く同様に含む。
【0073】
システムアーキテクチャ
図2は、粒子分離システム200の概略的な例である。この例では、粒子分離システム200は、マルチチャネルフローセル202、コア204、圧送サブシステム206、撮像サブシステム208、ユーザーインターフェース210及び制御装置212を備える。コア204は、マルチチャネルフローセル202を収容及び保持し、マルチチャネルフローセル202を磁場勾配に晒し、マルチチャネルフローセル202の温度を調整し、マルチチャネルフローセル202を圧送サブシステム206に流体的に接続するように構成される。圧送サブシステム206は、フローセル202のチャネルの中を通して流体を移動させるように構成される。撮像サブシステム208は、フローセル202のチャネル内での粒子分離を撮像するように構成される。ユーザーインターフェース210及び制御装置212は、粒子分離システム200のモニタリング及び制御を容易化する。システム200の構成要素は、マルチチャネルフローセル202の挿入及び取り外しを可能にするアクセスドア216を有するハウジング214に収められる。
【0074】
図2の粒子分離システム200は、マルチチャネルフローセル202の処理チャネル内で常磁性流体媒体に懸濁された粒子を磁気浮上させることが可能である。磁場と常磁性流体媒体中の粒子の常磁性特性との相互作用は、斥力的作用又は引力的作用を粒子に及ぼして粒子の分離又は濃縮を促進することができる。磁性流体媒体中の磁場は、永久磁石又は電磁石であり得る磁石によって生成される。磁石の最大エネルギー積は、約1メガガウスエルステッド~約1000メガガウスエルステッドの範囲又は約10メガガウスエルステッド~約100メガガウスエルステッドの範囲であり得る。磁石の表面磁場強度は、約0.01テスラ~約100テスラの範囲又は約1テスラ~約10テスラの範囲であり得る。磁石の残留磁気は、約0.1テスラ~約5テスラの範囲又は約1テスラ~約3テスラの範囲であり得る。磁石は、鉄及びホウ素とのネオジム合金、ネオジム、アルミニウムとニッケルとの合金、鉄とのネオジム合金、鉄と合金化されたアルミニウム及びコバルト、サマリウム-コバルト、希土類元素と鉄との他の合金、希土類合金とニッケルとの合金、フェライト又はこれらの組合せを含む材料から製造することができる。粒子分離システム内の磁石はすべて、同じ材料から製造されてもよいし、又は異なる材料から製造されてもよい。
【0075】
非対称磁場は、フローセルの流体チャネルの一方の側により強磁性の材料を使用し、フローセルの反対側により弱磁性の材料を使用することによって達成することができる。チャネル内の非対称磁場は、チャネルの一方の側にある磁石を、他方の側にある磁石に比べてより近くに位置決めすることによって達成することもできる。非対称磁場は、フローセルの一方の側に磁性材料を使用し、フローセルの反対側に実質的に類似する磁性材料を使用することによって達成することもできる。上側磁石及び下側磁石は、実質的に同じサイズであってもよい。一例において、上側磁石はネオジムであってよく、下側磁石はサマリウム-コバルトであってよい。代替的には、上側磁石はサマリウム-コバルトであってもよく、下側磁石はネオジムであってもよい。代わりに、代替的な磁石構成を使用することもできる。磁気浮上システムは、マルチチャネルフローセルの各流体チャネルの周囲に位置決めされた複数の上側磁石及び複数の下側磁石を備えることができる。
【0076】
例示的なNdFeB磁性部品の寸法には、(15mmの軸を通して磁化される)底部磁石部品の約50×15×2mm及び頂部磁石部品の50×5×2mm(5mmの軸を通して磁化される)が挙げられる。他の例示的な磁石の寸法には、60×15×2mm、60×5×2mm、75×10×3mm、75×20×3mm及び25×15×2mmが挙げられる。マルチチャネルフローセルの分離チャネル用の例示的な磁石構成は、約75×10×3.2mmの寸法の上側磁石及び下側磁石を含み、上側磁石と下側磁石との間隔は、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約2.9mm、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm又は約2.72mm、約2.88mm、約2.98mm、約3.18mm、約3.20mm若しくは約3.37mmである。
【0077】
圧送サブシステム206は、フローセル202のチャネルの中を通して流体を移動させるように構成される。特定の一例において、フローセル202は4つの分離チャネルを備え、4つの分離チャネルのそれぞれは、分離後には2つのサブチャネルに分かれ、圧送サブシステムは、8つのポンプ(フローセル202の各サブチャネル用に1つずつ)を備える。
図2に示された特定の例において、ポンプはシリンジポンプであるが、他のポンプが使用されてもよい。圧送サブシステムによって実現される各分離チャネルの流速は、分離中に1μL/分~100mL/分の範囲であり得る。流速は、約25μL/分以上、約50μL/分以上、約100μL/分以上、約200μL/分以上、約250μL/分以上、約300μL/分以上又は約300μL/分~約1mL/分であり得る。フローセルの各分離チャネル内の合計サンプル体積流速は、約50μL/分、約75μL/分、約100μL/分、約150μL/分、約200μL/分、約300μL/分又は約600μL/分であり得る。本システムの実施形態における動作中において、2つの出口チャネル間で分割される流量は、均等な分割であってもよいし、又は約9:1~1:9の範囲、約4:1~約1:4の範囲、約3:1~約1:3の範囲若しくは約2:1~約1:2の範囲であってもよいし、又は1:1から約90%以下、50%以下若しくは約40%以下若しくは約30%以下若しくは約15%以下で変化することができる。本システムは、各分離チャネルに対応付けられた出口チャネル間での流量の分割を変化させるように構成され得る。
【0078】
粒子分離システム200は、スタンドアローン型システムであってもよいし、又は別のコンピュータによって集中モニタリング及び集中制御されてもよい。
図3は、ネットワーク302を介してコンピュータ300によって集中制御されるいくつかの粒子分離デバイス200の一例を示す。
【0079】
フローセル
図4A及び
図4Bは、粒子の分離のために使用され得るマルチチャネルフローセル(この例では、フローセルカートリッジ)の一例を頂部及び底部から示す。
図4Cは、フローセルカートリッジの分解立体図を示す。示された例において、フローセルカートリッジ400の構成要素は、メインボディ402、頂部キャッピングフィルム404、底部キャッピングフィルム406、収集ウェルにキャッピングフィルム408、出口メンブレン410、出口メンブレンフィルム412及びラベル414を含む。
【0080】
フローセルカートリッジのメインボディは、射出成型、エッチング、レーザーアブレーション、機械加工又は3Dプリンティングによって形成することができる。フローセルカートリッジ内の撮像が所望される場合、メインボディ又は少なくともメインボディの部分は、光学的に透明又は半透明な材料から形成され得る。ガラス、プラスチック又は環状オレフィンポリマー(COP)若しくは環状オレフィンコポリマー(COC)を含むポリマー材料は、適切な材料のいくつかの非限定的な例である。
【0081】
フローセルカートリッジ400は、入口ウェル434及び収集ウェル438を備える。処理チャネルは、入口ウェル434を収集ウェル438に流体的に接続するチャネルビーム432の中を通って延在する。この例において示されるように、4つの処理チャネル及びチャネルビームは、互いに対して同一平面上に存在する。フローセルカートリッジは、収集ウェル438に流体的に接続された収集ウェル出口442を更に備える。(例えば、
図2に示された圧送サブシステム206によって)負圧を収集ウェル出口442に適用することにより、流体は、入口ウェル434からチャネルビーム432内の処理チャネルの中を通って収集ウェル438内に抜き取られる。各処理チャネルの容積は、約10μL~約800μL、約50μL~約600μL、100μL~約400μL、約150μL~約300μL、少なくとも約150μL、少なくとも約200μL、少なくとも約250μL又は少なくとも約300μLであり得る。下記において更に詳細に論述されるように、この特定の例において、処理チャネルのそれぞれが2つの出口チャネルに分かれる。いくつかの実装形態において、出口チャネルの合計容積は、処理チャネルの容積より大きいこともあり得る。例示的な粒子分離システム内に使用された場合、2つの出口チャネル間で分割される流量は、均等な分割であってもよいし、又は約4:1~約1:4の範囲、約3:1~約1:3の範囲若しくは約2:1~約1:2の範囲であってもよいし、又は1:1から約50%以下若しくは約40%以下若しくは約30%以下若しくは約15%以下で変化することができる。
【0082】
図4Aに示されるように、開口部474は、チャネルビーム432のそれぞれの両側で、フローセルカートリッジ400の中を通って延在する。下記において更に詳細に論述されるように、開口部474は、処理チャネル内の粒子の撮像を容易化する。
【0083】
図5A~
図5Jは、
図4A及び
図4Bのフローセルカートリッジのメインボディ402を示す。この特定の例において、メインボディ402は、概ね長方形であり、メインボディ402の長手方向の両端部に入口端部416及び出口端部418を画定する。メインボディ402は、上面420と、上面422の反対側にある底面422とを有し、上面420と底面422は両方とも、入口端部416と出口端部418との間に延在する。メインボディ402は、フローセルカートリッジの裏側にある空洞(例えば、
図5C及び
図5Dを参照されたい。)を画定するように底面422から下方に延在する側壁424を更に備える。
【0084】
この例では、メインボディ402の側壁424は、入口端部側壁428と出口端部側壁430との間に延在し、チャネルビーム432(下記において更に記述される)に対して平行な2つの支持ビーム426を備える。支持ビーム426は、メインボディを支持してねじれ及び曲がりを防止するためにチャネルビーム432から水平及び垂直にオフセットされる。いくつかの実装形態において、これは、撮像中に光学的位置合わせを維持する際に有益であり得る。
【0085】
この例では、入口端部416は、いくつかの入口ウェル434、この特定の例では4つの入口ウェル434を備える。入口ウェル434は、メインボディ402の上面420から延在し得る。
図5Kの上面図に示されるように、入口ウェル434は、円筒形側壁を備えることができる。
図5Eの上面図に示されるように、入口ウェル434の円筒形側壁は、互いから間隔を空けて配置されてもよい。更に、入口端部の上面は、カートリッジ縁部と入口ウェル434との間に細長い凹み436を備えることができる。細長い凹み436は、粒子分離システムへのフローセルカートリッジの挿入及び粒子分離システムからのフローセルカートリッジの取り外しの操作を実行するためのユーザー用のハンドルを提供するように設計され得る。
【0086】
図5Eの上面図にも示されるように、出口端部は、いくつかの収集ウェル438を備えることができる。示された特定の例においては、それぞれの入口ウェル434及び処理チャネル440用に2つの収集ウェル438が存在し、入口ウェル434は、処理チャネル440に流体的に結合され、処理チャネル440は、2つの収集ウェル438に流体的に結合される。他の事例において、フローセルカートリッジは、他の数の入口ウェル及び収集ウェルを、限定されるわけではないが1:1、1:2、1:3、1:4又は他の比等の他の比で備えることもできる。例えば、
図1は、3つの出口サブチャネルに分かれる処理チャネルを示す。
図5Eに戻ると、収集ウェル438は、メインボディ402の上面420から延在し得る。2つの収集ウェル438からなる各ペアを、対応する入口ウェル434に対して長手方向に位置合わせして、隣接する収集ウェル438の中心間の間隔を、隣接する入口ウェル434間の間隔より狭くすることができる。示されるように、収集ウェル438は、
図5Mに示される楕円形側壁を備えることもできる。入口ウェル434に対する収集ウェル438の間隔がより狭いので、収集ウェルの楕円形側壁が互いに接触していることもあり得る。
【0087】
更に、
図5Eに示されるように、出口端部418の上面420は、カートリッジの外縁と収集ウェル438との間に収集ウェル出口442を備えることもできる。後で更に論述されるように、各収集ウェル438は、専用の収集ウェル出口442に流体的に接続され得る。
【0088】
図5E(上面)及び5F(底面)に示されるように、各入口ウェル434は、処理チャネル440によって2つの収集ウェル438に流体的に接続される。各処理チャネル440は、チャネルビーム432内に設置された処理セグメント444と、入口ウェル434を処理セグメント444に接続するセグメント446と、処理セグメント444を2つの収集ウェル438に接続する2つのセグメント448とを備える。
【0089】
処理チャネル440は、メインボディ402のスロット、すなわち、メインボディ402の上面420及び底面422に画定された片開き型スロットと両開き型スロットの両方と、上面420に画定された片開き型スロットを底面422に画定された片開き型スロットに接続する貫通孔と、片開き型スロット及び両開き型スロットの開放側をシールするメインボディ402の上面420及び底面422に結合されたキャッピングフィルム404及び406とによって画定される。例えば、
図5E及び
図5Fに示されるように、収集ウェル434の貫通孔450は、収集ウェル434を、底面422の片開き型スロットであるチャネルセグメント446に流体的に接続する。処理セグメント444は、上面420から底面422まで延在する両開き型スロットである(ただし、下記において更に論述されるように、処理セグメント444の部分の中に1つ又は複数の内部仕切りが更に含まれることも可能である。)。セグメント448もまた、上面及び底面420、422のスロットと、上面及び底面420、422を貫通して延在する貫通孔によって画定される。
図7、
図8A及び
図8Bは、スロットをシールして流体用チャネルを形成する、頂部及び底部キャッピングフィルム404、406を示す。
【0090】
図5A~
図5Hに示されるように、処理チャネル440の処理セグメント444を内包するチャネルビーム432は、概ね直角プリズム形状であり得、互いに対して平行に長手方向に延在し得る。各チャネルビーム432は、上面420及び底面422が入口端部416と出口端部418との間で連続的であるように上面420及び底面422の一部を画定することができる。いくつかの実装形態において、有益なことに、連続的な上面420及び連続的な底面422は、少なくとも処理チャネル440用のスロットが前述の表面に形成された領域内では、頂部キャッピングフィルム404及び底部キャッピングフィルム406がチャネル440の連続的なシールを形成することを可能にし得る。
【0091】
図5Aに示されるように、チャネルビーム432はそれぞれ、位置合わせ用突起460を備えることもできる。他の例において、チャネルビームは、チャネルビームの片側又は両側に1つより多い位置合わせ用突起を備えることもできる。使用中のチャネルビーム432の位置合わせを容易化及び/又は維持するために、突起460は、コアの部分とかみ合わせられることが可能である。
【0092】
図7及び
図8Aは、チャネルビーム432のうちの1つの横断面を示す。
図7及び
図8Aに示されるように、チャネルビーム432のそれぞれは、上面420の一部であるチャネルビーム上面452と、底面422の一部であるチャネルビーム底面454と、第1のチャネル側面456と、第1のチャネル側面456の反対側にある第2のチャネル側面458とを備える。この例では、フローセルカートリッジ400のメインボディ402は、(少なくともいくつかの光の波長に対して)透明な又は半透明な材料から形成されるので、後で更に論述されるように、第1及び第2のチャネル側面456、458を含むチャネルビーム432の表面を通した処理チャネル440の照明及び/又は撮像を容易化する。
【0093】
図8Bは、処理チャネル440の処理部分444の出口端部に向かうチャネルビーム432のうちの1つの一部の長手方向断面を示す。示されるように、仕切り462は、処理セグメント444を上側部分464及び下側部分466のそれぞれに分割することができ、上側部分464に沿って流れる流体は、収集ウェル438のうちの1つまで延在するチャネルセグメント448に進入し、下側部分466に沿って流れる流体は、異なる収集ウェル438にまで延在する異なるチャネルセグメント448に進入するが、これらについては、後で更に論述する。
【0094】
図5K及び
図5Lは、フローセルカートリッジ400の入口ウェル434のうちの1つをより詳細に示す。示されるように、入口ウェル434は、入口ウェル434を処理チャネル440に流体的に接続するための貫通孔450を備える。
図5Lには示されないが、組み立てられたとき、底部キャッピングフィルム406は、各貫通孔450の周囲及びスロットの上にシールを形成して、入口ウェル434を処理チャネル440の処理セグメント444に接続するチャネルセグメント446を画定する。サンプルの全体の吸引を容易化し、サンプルと一緒に気泡が吸引されるのを回避するために、入口ウェル434の内部形状は、半径の大きい角を画定することが可能であり、入口貫通孔450に向かって傾斜してもよい。更に、傾斜路は、入口ウェル内の適切な場所にサンプルをピペッティングするためのガイダンスをユーザーに提供する。いくつかの実施形態において、入口チャネル部分のそれぞれは、処理チャネル440から入口ウェル434への望ましくない流体の逆流を防止するためにバルブ、例えばキャピラリーバルブを備えることができる。
【0095】
図5M及び
図5Nは、フローセルカートリッジ400の収集ウェル438のうちの1つをより詳細に示す。示されるように、収集ウェル438は、メインボディ402の底面422から収集ウェル438の内部に延在する収集用貫通孔468を備える。
図5Nに示されるように、収集用貫通孔468は、収集ウェル438の底部より上にある収集ウェル438の内部に進入する。収集ウェル438の内部形状は、収集用貫通孔468から離れるように収集された流体を誘導するように構成された傾斜路表面470を備える。傾斜路の頂部は、傾斜路で流体が釘付けにされてサンプルが保持をされることがないように、曲がった縁部を画定することができる。これらのフィーチャ及び収集ウェルの底部の漏斗形状は、収集ウェルからのサンプルの抜取りのためのピペッティングを容易化する。
【0096】
図4Aに示されるように、キャッピングフィルム408によって収集ウェル438の上縁をシールすることができる。この特定の例において、キャッピングフィルム408によって上縁をシールすることにより、流路を介して流体を収集ウェル内に抜き取るために、例えばポンプによって収集ウェルの内部に負圧を適用することができる。この例では、例えば
図5M及び
図5Nに示された開口部472で収集ウェルに流体的に接続された収集ウェル出口442を介して負圧を適用する。
図5Nに示されるように、開口部472は、収集用貫通孔468が収集ウェル438に接続する高さより上にある収集ウェル438に接続する。収集ウェル438は、収集ウェルから開口部472への流体の吸引を、完全に防止するとまではいかなくとも低減し、これにより、あるフローセルカートリッジからのサンプルと、後で粒子分離システムと一緒に使用される他のフローセルカートリッジ内のサンプルとのクロスコンタミネーションの危険性を、完全に排除するとまではいかなくとも低減するように構成される。収集ウェル438は、圧送の完了後に収集された流体をウェル内に保持し、結果として、後でウェルから流体を収集することができるように構成される。
図5Nに示された特定の例において、貫通孔468、472の場所を含む流体経路の上方に向かって開いた「アップアンドオーバー(up and over)」プロファイルは、収集された流体を収集ウェル438内に保持をしやすくする。他の例において、収集ウェルは、ウェル内への流体の保持を容易化するために、カートリッジボディ内でより下に位置決めされてもよい。
【0097】
図4Aに示されるように、収集ウェル出口は、出口メンブレンフィルム412によって覆われる。出口メンブレンフィルム412は、液体を保持しながら気体の脱出を可能にするためにガス透過性材料、例えばPTFEを含むことができるので、粒子分離システムの圧送サブシステムによる処理チャネルへの負圧の適用を依然として可能にしながら、フローセルカートリッジ400からの液体が粒子分離システムの他の構成要素に進入する危険性を、排除するとまではいかなくとも更に低減することができる。
【0098】
この例において上述されたフローセルカートリッジ400は、平行な流路を画定する4つの処理チャネル440を備え、各流路は、入口ウェル434を2つの収集ウェル438に流体的に接続する。平行な流路のそれぞれは、入口ウェル434から入口貫通孔450を通り、チャネルセグメント446を通り、次いで処理セグメント444に入るように流れる共通部分を含む。処理セグメント444から、流体流路は、示された例においては、第1の経路及び第2の経路を含む2つの代替的な経路を含む。第1の経路は、収集用貫通孔468を介して仕切り462より上でチャネルセグメント及び第1の収集ウェル438に流れ込む。第2の経路は、仕切り462より下で異なるチャネルセグメント及び異なる収集ウェル438に流れ込む。したがって、処理チャネルセグメント444内でサンプルの粒子を垂直分離し、サンプルを処理チャネルセグメント444から流出させることにより、分離されたサンプルを異なる収集ウェル438内に別々に収集することができる。
【0099】
コア
図9は、
図2の概略的な例のコア204を示す。この例では、コアは、フローセルを収容及び保持するように構成されたホルダーを備える。特に、コアは、上側クランプ502、下側クランプ504、クランププレート506、温度制御プレート及び熱電冷却装置508並びにファン付きヒートシンクユニット510を備える。これらの要素のそれぞれは、下記において更に詳細に論述される。
【0100】
上側及び下側クランプ502、504は、上側クランプ502と下側クランプ504との間にフローセルカートリッジ(
図4Aのフローセルカートリッジ400等)を収容及び固定するように構成され、クランププレート506は、締付け位置と締付け解除位置との間での上側クランプ502の移動を誘導する。
図10A及び
図10Bは、上側クランプ502が締付け解除位置(
図10A)及び締付け位置(
図10B)にあるときのコアの別の例を示す。上側クランプ502は、4つの支柱512にスライド可能に取り付けられ(上側クランプのないコアを示す
図11も参照されたい。)、結果として、上側クランプ502は、締付位置と締付解除との間で垂直軸に沿って並進することができる。
上側クランプ502は、上側クランプ502の側面から外側にクランププレート506の内側カムトラック内にまで延在するピン544(
図10A及び
図10Bには図示なし。代わりに
図14を参照されたい。)を更に備える。他の複数の実装形態において、ピン544は、ローラーベアリングによって置きかえられてもよい。
【0101】
図11は、クランププレートのうちの1つの中の内側カムトラック514を見ることができるように上側クランプ502が取り外され、そうでない場合はコアが部分的に分解された状態の、
図10A及び
図10Bのコアを示す。
図11から分かるように、カムトラック514は、上側部分から下側部分まで傾斜する。
図11においても見てとることができるように、クランププレート506は、カムプレート506が水平な軸に沿って並進することができるようにスライド516に取り付けられる。リニアアクチュエータ518は、クランププレート506の水平位置を制御する。リニアアクチュエータ518を作動させて水平な軸に沿ってクランププレート506を後方に移動させることによって、上側クランプ502を、
図10Aの締付け解除位置から
図10Bの締付け位置に移動させることができる。クランププレート506が後方に移動するにつれて、傾斜付きのカムトラック514が上側クランプ502のピン544と連携して上側クランプ502を支柱512の下方に押し下げ、上側クランプ502を締付け位置に並進させる。
【0102】
図12は、
図10及び
図11のコアの下側クランプ504の部品をより詳細に示す。この例では、下側クランプ504は、
図4A及び
図4Bに示されたフローセルカートリッジ400の4つのチャネルビーム432に対応するようにサイズ調整及び設置された4つのマグネットピラー組立体520を備える。
図13は、下側クランプ504の残り部分から取り外されたマグネットピラー組立体520のうちの1つを示す。各マグネットピラー組立体520は、磁石526を収容するためのスロット524を備えるピラーボディ522を備える。ピラーボディ522は、フローセルカートリッジ400がコア内で装着及び締め付けられたときにチャネルビーム432の下側に接触する平坦な上面528を有する。ピラーボディ522は、下記において更に詳細に論述されるように、温度調整を容易化するために伝熱性材料(アルミニウム、銅、銀、銅合金、アルミニウム合金又は導電性外層を有する多層構造体等)から形成されてもよい。
【0103】
図12に戻ると、ピラー組立体520は、下側クランプボディ530によって取り囲まれる。下側クランプボディ530の一部は、
図4A及び
図4Bに示されたフローセルカートリッジ400の裏面にある空洞の内側にはまり込むように整形及びサイズ調整された台座532を画定する。ピラー組立体520の頂部は、下側クランプボディの開口部534を通って延びる。この特定の例において、ピラー組立体520の頂部は、フローセルカートリッジが台座532に位置決めされたときにピラー組立体520の頂部がフローセルカートリッジ400のチャネルビームの下側に接触し、下側クランプボディ530の最上面がチャネルビームに接触しないように、下側クランプボディ530の最上面よりわずかに上に設置される。この特定の例において、
図13に示されるように、ピラーボディの頂部528は、やはり、磁石526の最上面よりわずかに上に設置される。この特定の例において、4つの処理チャネルを有するフローセルカートリッジが上側クランプ502と下側クランプ502、504との間に位置決めされて締め付けられると、磁石526のそれぞれは、処理チャネルのうちの1つの真下に設置される。
【0104】
下側クランプボディ530の開口部534は、開口部534の内側に位置決めされたピラーボディ522より大きく、下記において更に詳細に論述されるように、ピラーボディ522の周囲に空気チャネル画定して温度調整を更に容易化する。
【0105】
図面においては特に言及されないが、ピラーボディ522及び/又は下側クランプボディ530及び/又は下側クランプの他の部品は、磁石526の位置を微調整及び調節するための止めねじ又は他の構成要素を備えることができる。
【0106】
図12に示されるように、下側クランプ504のボディ530は、マグネットピラー組立体520が設置されたボディ530の部分のそれぞれの間にスロット536を備える。下記において更に詳細に論述されるように、スロットはクリアランスを用意し、撮像サブシステムの部分へのアクセスを可能にする。
【0107】
図14は、
図10及び
図11のコアの上側クランプ502を、上側クランプ502の上側からより詳細に示す。上側クランプ502は、キャリア540によって支持された上側クランプボディ538を備える。この例では、キャリアと上側クランプ502との間にある弾性要素542(例えば、コイルばね)は、上側クランプボディ538をキャリアから遠ざかるように下方に付勢して、製造されたカートリッジに寸法のバラつきがある場合であってもフローセルカートリッジの一様な締付けを容易化する。キャリア540は、上側クランプ502を収容して支柱512に沿った垂直並進を可能にするための滑り軸受542を備える。
図14は、クランププレート506のカムトラック514内に収容されたピン544も示す。
【0108】
図14に示されるように、上側クランプボディ538は、クランプボディの上面から底面までクランプボディの中を通って延在する、開口部546を備える。下記において更に詳細に論述されるように、開口部546は、クリアランスを用意し、撮像サブシステムの部分へのアクセスを可能にする。
【0109】
図15は、下側から上側クランプ502の一部のクローズアップを示す。下側クランプボディは、磁石550を収容するための開口部548を備える。この特定の例において、4つの処理チャネルを有するフローセルカートリッジが位置決めされ、上側クランプ502と下側クランプ504との間で締め付けられると、磁石550のそれぞれが処理チャネルのうちの1つの直上に配置される。下側クランプ504の場合と同様に、上側クランプ502は、磁石550のそれぞれの位置を微調整するための止めねじ又は他の構成要素を備えることができる。
【0110】
図15に示された上側クランプボディ538は、フローセルカートリッジを平坦に締め付け、そうしない場合は、フローセルカートリッジを上側クランプと下側クランプとの間に正確に据え付けるフローセルカートリッジ(例えば、
図5Aに示された突起460)の位置合わせ用フィーチャと接触するように位置決め及び構成された弾性接点552を備える。示された特定の例において、弾性接点552は、接触端部が下方に付勢されたスプリングプランジャである。示された特定の例において、フローセルカートリッジが上側及び下側クランプ502、504間に締め付けられると、弾性接点552の下端が処理チャネルに最も近いフローセルカートリッジの突起のうちの1つ又は複数と接触し、磁石550及び周囲の上側クランプボディ538の部分は、フローセルカートリッジの処理チャネルに最も近いフローセルカートリッジの上面の真上に、ただし接触しないように位置決めされる。
【0111】
図15にも示されるように、上側クランプボディ538は、フローセルカートリッジを圧送サブシステムに流体的に接続するように位置決め及び構成された一連の流体接続ポート554を更に備える。この特定の例において、各接続部は、盛り上がったシーリングリング558によって取り囲まれたポート開口部556を含む。
【0112】
図16及び
図17は、カートリッジがコア内で締め付けられたときのフローセルカートリッジに対する磁石(例えば、
図10A及び
図10Bに示されたコアの上側及び下側磁石526、550)の配置の一例を概略的に示す。示されるように、正反対の磁石の極が、カートリッジの処理チャネルの処理部分444より上及び下に位置決めされ得る。更に、
図16に示されるように、隣接する処理チャネルは、正反対の磁石の極性を含み得る。この例において、交番する磁石極性は、隣接する磁石のペア間の磁場の打ち消しを最小化しやすくする。他の例において、磁石は、非交番構成で配置されてもよい。いくつかの用途において、磁石は、磁気分離プロセスの特定の態様を優先するように配置されてもよい。例えば、一例において、磁石は、分離プロセスの速度及びダイナミックレンジを最適化するために交番構成で配置されてもよい。別の例において、磁石は、分離プロセスの分解能を最適化するために非交番構成に配置されてもよい。後述のように、分離システムは、いくつかの取り外し可能なユニットを備えることができ、ユーザーは、あるユニット(例えば特定の磁石の配置を有する)を別のユニット(例えば異なる磁石の配置を)と交換することができる。
【0113】
上記のように、コアは、フローセル温度を調整するための構成要素を備えることができる。
図18A及び
図18Bは、
図10A及び
図10Bのコアの断面を示す。この例では、コアの冷却アセンブリは、熱電(ペルチェ)モジュール560、熱電モジュール560の上面上に位置決めされた温度制御されたプレート562、熱電モジュール560の下にあるヒートシンク564及びファン566を備える。この例では、先述のピラーボディ522及び下側クランプボディ530は、フローセル温度の調整にも関与する。
【0114】
図18A及び
図18Bの例において、熱電モジュール560(1つ又は複数の個別のモジュールであってもよい)に電流を流すことにより、熱電モジュール560の表面のうちの2つの間に温度差が発生し、これらの表面のうちの1つ(この例では、モジュール560の上面)を冷却し、他方の表面(この例では、モジュール560の下面)を加熱する。モジュール560の加熱側では、発生した熱は、ファン566によって円滑化されながらヒートシンク564によって放散される。モジュール560の冷却側では、
図18(及び
図19の拡大図)に示された例において、ピラーボディ522の底面は、温度制御されたプレート562と直接接触しており、温度制御されたプレート562は、モジュール560の冷却側と直接接触しており、結果として、熱電モジュール560が動作すると、温度制御されたプレート562が伝導によって冷却される。これにより、伝導によってピラーボディ522が冷却され、ピラーボディ522は、伝導によってピラーボディ522の上面と直接接触したフローセルカートリッジを冷却する。
図18及び
図19においても見てとることができるように、下側クランプボディ530の空洞は空気チャネル570を画定し、結果として、温度制御プレート562によって冷却された空気がピラーボディ522の側面に沿って流れ、対流によってピラーボディ522を更に冷却し、フローセルカートリッジのチャネルビーム432の周囲を上昇し、対流によってカートリッジを更に冷却する。図面においては完全な詳細を示さないが、更なるファンユニット(ヒートシンクを冷却するために使用されるファンとは別のもの)により、温度制御プレート562内のチャネルの中を通して空気を移動させることも可能であり、前述の冷却された空気は、空気チャネル570の中を通ってピラーボディ522の周囲を上方に移動する。要するに、この例におけるコアは、伝導による伝熱と対流による伝熱の両方によってフローセルカートリッジを冷却するように構成される。サーミスタ又は他のフィードバック機構(図面においては特に言及されない)を使用して温度を感知し、モジュール560又は他の冷却モジュールの動作を調整し、これにより、フローセルカートリッジの温度を所望のレベル又は範囲に調整することができる。代わりに、同じ熱電モジュール及び関連する構成要素を使用して、カートリッジを加温して周囲温度より高くすることもできる。代わりに、同じ熱電モジュール及び関連する構成要素使用して、周囲温度又は周囲温度付近で固定の温度を維持し、これによって、変動を抑えることもできる。言い換えると、粒子分離システムの温度調整用構成要素は、フローセルカートリッジを冷却し、加温し、又は代替的には冷却及び加温するように構成され得る。
【0115】
いくつかの実装形態において、粒子分離システムは、エンドユーザー又は技術者が単一のユニットとしてコアを比較的容易に取出し、別のコアによって置きかえることができるように構成され得る。例えば、
図10、
図11及び
図18を参照すると、取り外し可能なユニットは、上側クランプ502、下側クランプ504、クランププレート506、リニアアクチュエータ518、温度制御プレート及び熱電モジュール508、ヒートシンク564並びにファン566を備えることができ、これらのすべては、単一のユニットとしての粒子分離システムからの取り外し及び粒子分離システムへの装着を可能にするように相互接続され得る。場合によっては、取り外し可能な/置きかえ可能なコアユニットは、締付けブロック内の磁石の数を変更すること、種類(例えば、電界強度)及び配置を変更すること、本システムが同時に処理可能な粒子分離チャネルの数を変更すること、温度制御システムの態様を変更すること等によって、粒子分離システムの再構成を可能にし得る。
【0116】
図20~
図22は、取り外し可能な/置きかえ可能なコアを備える粒子分離システムの一例を示す。
図20に示されるように、粒子分離システムは、本システムのカバーの一部を取り外した後で取り外し可能なコア602にアクセスするためにスライドさせて出し入れすることができるトレイ600を備える。取り外し可能なコア602の位置合わせピン604は、トレイ600内での取り外し可能なコア602の適切な位置合わせ及び据付けを容易化するために、トレイ600のスロットにはまり込むことができる。
図21は、スロット内に据え付けられた取り外し可能なコアの位置合わせピンをより詳細に示す。
図21は、トレイ600をスライドさせて入れた後にトレイ600を本システム内に固定するためのトレイ600のつまみねじ608も示す。
【0117】
図22は、トレイをスライドさせて出し入れできるようにするためにトレイ(図示なし)がスライド式に取り付けられた、2つのランナー610のうちの1つを概略的に示す。
図22に示されるように、ランナー610は、ランナーへのトレイの挿入を容易化するために一方の端部が広くなったガイドを備える。やはり
図22に示されるように、ガイドは、トレイを完全にスライドさせて入れたときに取り外し可能なコアの垂直方向の精密な位置合わせを実現するように反対側の端部で狭くなり、又はくびれる。ガイドの端部にあるばねフィーチャは、トレイ及び取り外し可能なコアを上方に付勢し、結果として、ガイドの頂部と、トレイを完全にスライドさせて入れたときにガイドと連携するトレイの部品との間に垂直クリアランスがほとんど存在しない又は垂直クリアランスが存在しない。
【0118】
一例示的な方法において、最初に粒子分離システムのハウジングのすべて又は一部を取り外すことによって取り外し可能なコアユニットを取り出し、別のコアユニットによって置きかえることができる。次に、コアユニットを保持するトレイをハウジングからスライドさせて出すことができ、コアユニットと本システムの残り部分との流体的接続、電気的接続及び他の接続を切り離すことができる。次に、取り外し可能なコアユニット(上側及び下側クランプ、クランププレート、リニアアクチュエータ、温度制御プレート及び熱電モジュール、ヒートシンク並びにファンを含む)を単一のユニットとして持ち上げ、本システムから取り外すことができる。次に、(取り外されたコアユニットと同じ又は異なる構成を有する)別のコアユニットを、単一のユニットとしてトレイ内にまで降下させることができ、取り外し可能なコアの位置合わせピンがトレイのスロットにはまり込み、トレイ内でのコアユニットの適切な位置合わせ及び据付けを実行する。次に、新たなコアユニットを保持するトレイをスライドさせて本システムに入れ戻すと、コアと本システムの残り部分との流体的接続、電気的接続及び他の接続が接続される。最後に、つまみねじを締めてトレイを本システム内に固定し、ハウジングを交換する。つまみねじは、限定されるわけではないがオーバーセンタークランプ若しくはクォーターターンクランプを含むクランプ又は六角キー等の工具を必要とするファスナーによって置きかえられてもよい。
【0119】
撮像
図2に示された粒子分離システム200は、磁気浮上による粒子分離の前、最中及び/又は後を含めてフローセルカートリッジ202の処理チャネル及び/又は処理チャネル内の粒子を撮像するための撮像サブシステム208を備える。
【0120】
撮像サブシステムは、フローセルカートリッジの処理チャネルの微視的な撮像を実現するように構築され得る。任意選択により、撮像サブシステムは、任意選択による紫外光励起モジュールを用いて蛍光発光の撮像を実現するように構築及び配置されてもよい。撮像サブシステムは、フローセルの処理チャネルを通して光透過を実行するように構築及び配置された視認可能な光学的照明源を備えることができる。撮像システムは、サンプル成分の明視野照明、暗視野照明及び/又は蛍光検出を可能にするための光学系を採用することができる。処理チャネル内の蛍光要素を撮像するために、撮像サブシステムは任意選択により、好ましくは約524nm及び628nmの波長を中心とするバンドで放出される放射線を透過するデュアルバンドパスフィルターを備えることもできる。
【0121】
図4~
図8に示されたマルチチャネルフローセルカートリッジ400の場合、撮像は、チャネルビーム432の側面456、458(例えば、
図7を参照されたい。)を通して実行され得る。
図4Aに示されるように、フローセルカートリッジ400の開口部474(カートリッジの上面及び底面を通って、並びに/又はカートリッジの側壁を通って延在する開口部を含む)は、チャネルビーム432のチャネル側面456、458を露出させる。開口部(この例においては概ね長方形)は、処理チャネル444の処理部分の内容物を撮像することができるように側面456、458への光学的アクセスを可能にする。撮像サブシステムは、粒子が処理チャネルを通過するときに粒子をリアルタイムで視認する能力及び/又は粒子を記録する能力を可能にする又は向上させる、任意のデバイスを備えることが可能であり、これにより、粒子分離の程度及び/又は粒子分離の速度を含む粒子の単離の観察及び/又は測定を可能にする。可視化は、収集された画像の分析も含み得る。
【0122】
図23及び
図24は、粒子分離システム内に使用可能な撮像サブシステムの一例を示す。この例では、撮像サブシステムは、処理チャネル(660で概略的に示される)内の粒子を照明するように構成された照明光源652、集光光学系654並びに反射器光学機構656及び658を備える。
図25及び
図26に示されるように、撮像サブシステムは、処理チャネル660内で照明された粒子を撮像するように構成された反射器光学機構662、対物レンズ664及び1つ又は複数のセンサ666を更に備える。撮像サブシステムは、CCD、CMOS又は他のセンサ等の多種多様なセンサと一緒に使用するために構成されることも可能である。
図25及び
図26において特に言及されないが、撮像サブシステムは、本システムの光学系の焦点を調節するための1つ又は複数の精密並進ステージを備えることができる。やはり
図25及び
図26において特に言及されないが、撮像サブシステムは、処理チャネル660を撮像する被写体深度を調節又は変更するための1つ又は複数の調節可能なアパーチャ又は他の構成要素を備えることができる。
【0123】
撮像サブシステム又は少なくとも撮像サブシステムの構成要素は、マルチチャネルフローセルカートリッジの処理チャネルを撮像するために撮像サブシステムを位置決めするための多自由度デバイスに取り付けることができる。一例において、撮像サブシステムは、x軸、y軸及びz軸に沿って撮像サブシステムを移動させるように構成されたマルチステージ型並進デバイスに取り付けられる。
【0124】
図23及び
図24に示されるように、反射器光学機構658及び662は、ペリスコープアーム668の遠位端に取り付けられる。ペリスコープアームは、反射器光学機構658及び662を、上側クランプボディの開口部546を通してフローセルカートリッジ400の開口部474及び下側クランプボディ530のスロット536内にまで下降できるように構成される。結果として、撮像サブシステムの構成要素の大部分をマルチチャネルフローセルカートリッジ400より高く位置決めされたままにしながら、反射器光学機構658及び662を、マルチチャネルフローセルカートリッジ400のチャネルビーム432の側面456、458に隣接するように位置決めされることが可能である。
【0125】
図25は、どのようにして撮像中に撮像サブシステムの構成要素を上側クランプ、フローセルカートリッジ及び下側クランプの部品に対して位置決めすることができるかの概略的な例を断面で示す。
図25に示されるように、ペリスコープアーム668は、上側クランプ502の部分間の開口部を通って、フローセルカートリッジのチャネルビーム432の間から、下側クランプボディ530に形成されたスロット536に入るように下方に延在する。このように、チャネルビーム432がいくつかの平行なチャネルからなる平面アレイ内に配置されたとしても、チャネルビームの上面が磁石550及び上側クランプボディの他の部分によって妨害され、チャネルビーム432の底面が下側クランプのピラーボディ522の上面及び磁石526によって覆われたとしても、各チャネルビーム432の両側面を通して撮像することができる。言い換えると、撮像サブシステムは、本明細書の先行する部において論述されたように、各処理チャネルより上及び下への磁石の位置決めと、ピラーボディ522並びに伝導及び対流伝熱によるフローセルカートリッジの冷却を容易化する下側クランプ504の他の部品の位置決めとを依然として可能にしながら、各処理チャネル内での粒子分離を撮像するように構成される。
【0126】
図25に示される例において、撮像サブシステムは、屈曲光路によって処理チャネル内での粒子分離を撮像するように構成され、撮像サブシステムの構成要素及び構造の大部分は、コアユニットの様々な構成要素より上に設置される。この特定の例において、光路は、照明光源652及び集光光学系654から出発し、反射器光学機構656で90°回転して上側クランプボディの開口部を通って下方に移動し、ペリスコープアーム668の遠位端に取り付けられた反射器光学機構658で90°回転し、チャネルビーム432の処理チャネル(磁石550及び上側クランプの他の部分より下で、磁石526、ピラーボディ522及び下側クランプボディ530の他の部分より上)の中を通って移動し、反射器光学機構662で90°回転して上側クランプボディの別の開口部を通って上方に移動し、続いて対物レンズ664及びセンサ666に移動する。
【0127】
先述のように、撮像サブシステムは、x軸、y軸及びz軸に沿って撮像サブシステムを位置決めして移動させるための多軸並進デバイスに取り付けられてもよい。いくつかの実装形態において、これにより、各チャネルビームの長さに沿ったペリスコープアーム及び撮像サブシステムの残り部分をスキャンしやすくなる。例示的な動作モードにおいて、多軸並進デバイスは、ペリスコープアームがフローセルのチャネルビームのうちの1つをまたぐようにして撮像サブシステムを位置決めすることが可能であり、次いで、処理チャネルの長さに沿ってスキャンして、チャネルビームにおける処理チャネルの全長又は少なくとも実質的な長さを撮像することができる。次に、並進デバイスは、第1のチャネルビームの周囲からペリスコープアームを抜き出し、隣接するチャネルビームに移動させ、スキャンして、処理チャネルの長さに沿って処理チャネルを撮像することができる。上記プロセスは、チャネルビームのすべてが処理チャネルの長さに沿ってスキャンされるまで繰り返されてもよく、粒子分離システムの動作中に継続的に又は周期的に繰り返されてもよい。
【0128】
示された特定の例において、撮像サブシステムは、マルチチャネルフローセルの撮像面に光学的にアクセスするための遠位側に取り付けられた反射器を有するペリスコープを利用する。他の例において、フローセル自体が撮像を容易化するための組込み型反射器を反射器の片側若しくは両側に有することもできるし、又はそうでない場合、本システム及び/若しくはフローセルは、光学的アクセスのためにペリスコープを必要としないように構成されてもよい。
【0129】
動作方法の例
図26は、粒子分離システムを動作させる方法の一例を示す。
【0130】
ステップ1002において、マルチチャネルフローセルカートリッジが選択され、カートリッジの1つ又は複数の入口ウェルには、常磁性流体媒体に懸濁された分析用のサンプルが装入される。オペレータは、カートリッジに貼り付けられた一意なバーコードをスキャンすること等によって、カートリッジに関する識別情報を本システムに入力することができる。
【0131】
ステップ1004において、オペレータは、粒子分離システム用の操作パラメータを入力する。操作パラメータは、分析用の粒子の種類(例えば、細胞のサイズ若しくは型、細胞構成要素(例えば、核)又は分析用の他の粒子)、流体サンプル中の破片の存在の有無及び/又は破片の種類、浮上用の作用物質の濃度、どの画分の回収を最も望まれるか、並びにプロセスが実行される温度を含み得る。異なる操作パラメータは、異なる運転(浮上)時間及び/若しくはポンプパラメータをもたらすことができ、別の画分(例えば、頂部画分)ではなくある画分(例えば、底部画分)から目的粒子を捕捉することができ、又は本システムの構成要素の動作に対する他の変更を起こすことができる。操作パラメータは、画像分析モード(例えば、各処理チャネルに対する連続スキャンと単回スキャン)を選択すること、フローセルカートリッジのどのチャネルがランされるかを選択すること、及び(ネットワーク化されたシステムのために)どの特定のデバイスが使用されるかも含み得る。いくつかの実装形態において、粒子分離システムは、異なるランパラメータを受信してフローセルカートリッジの異なるチャネルに適用するように構成され得る。オペレータは、デバイス自体のユーザーインターフェースを使用してパラメータを入力することができ、又はネットワーク化されたシステムの場合、中央コンピュータでパラメータを入力することができる。
【0132】
ステップ1006において、フローセルカートリッジを粒子分離システムに装填する。オペレータがデバイスのコアの上側クランプと下側クランプとの間にフローセルカートリッジを位置決めすると、フローセルカートリッジが所定位置に締め付けられる。フローセルカートリッジを締め付けることにより、カートリッジの収集ウェル出口が圧送サブシステムのシリンジポンプに流体的に接続される。
【0133】
ステップ1008において、シリンジポンプは、収集ウェル出口を介してカートリッジの流体チャネルに負圧を適用し、入口ウェルからカートリッジの流体チャネルの処理部分にサンプル懸濁液を抜き取る。
【0134】
ステップ1010において、粒子は処理チャネル内で磁気浮上によって分離される。分離の一部又は全部は、処理チャネル内での滞留時間の間に実行することが可能であり、圧送サブシステムは、処理チャネル内に流体の流れを誘起しない。粒子分離の前、最中及び/又は後、本システムは処理チャネルを撮像することができ、処理チャネル内の粒子の分離及び他の分析の視覚化を可能にする。
図27は、カートリッジの3つの処理チャネルの画像の一例を、処理チャネルの長さに沿って示す。画像は、各処理チャネル内の粒子が各チャネル内で磁気浮上し、2つの別個の粒子のバンドに分離されたことを示す。
【0135】
ステップ1012において、オペレータは、分割ライン位置を特定し、本システムに入力するし、各処理チャネルの垂直分割線を線引きすることができ、前述の垂直分割線より下では粒子のバンドのうちの1つが概ね収集されており、前述の垂直分割線より上では他の粒子のバンドが概ね収集されている。
図27は、処理チャネル内の各分割ラインを上下に調節するためのグラフィカルボタンと一緒に、各チャネルについて特定された分割ラインの一例を示す。
【0136】
ステップ1014において、圧送サブシステムは、分離された粒子のバンドを別々の収集ウェルに抜き取るように運転される。いくつかの実装形態において、本システムは、示された分割ライン位置に関連付けられたデータを使用して、流体抽出中の圧送サブシステムの動作を調節することができる。例えば、処理チャネル内で特定のチャネルの分割ラインが比較的高く又は低く設定された場合、本システムは、シリンジポンプのうちの1つが、接続された特定の収集ウェル出口に、前述の処理チャネルに対応付けられた他の収集ウェル出口に接続された他のシリンジポンプに比べてより大きな負圧を適用するように、前述の処理チャネルに対応付けられた2つのシリンジポンプの動作を調節することができる。このような調節により、抽出中に前述の処理チャネルから流れる分離された粒子が2つの異なる出口チャネル内に収集される垂直レベル又は分割線を変更することができる。
【0137】
上記システム及び方法は、
図26に示された特定の動作順序に限定されない。
図28及び
図29は、利用され得る動作順序の更なる例を示す。
【0138】
上記システム及び方法は、比較的多数の細胞又は他の粒子を有するサンプルの分離を可能にし得る。例えば、上記システム及び方法は、1回の処理実行で合計1億個以上の分離対象粒子を有するサンプル(例えば、3ミクロンの平均サイズを有する粒子)を取り扱うことが可能なものであり得る。別の例として、上記システム及び方法は、1回の処理実行で処理チャネル1つ当たり2000万個以上の分離対象粒子(例えば、5ミクロンの平均サイズを有する粒子)を取り扱うことが可能であり得る。多数の細胞又は粒子の分離は、FACS又は遠心分離等の他の分離技法に伴う応力に粒子を晒すことなく急速に達成される。多数の粒子の急速分離は、粒子を含むサンプル及び常磁性化合物又は磁性流体を含むサンプル媒体を複数の分離チャネルに装入することと、少なくとも1つの磁石を用いてサンプルに磁力をかけて、分離に影響を与え、任意選択により少なくとも2つの分離されたサンプルの画分を収集することと、分離の前、最中及び/又は後にサンプル中の粒子を任意選択により撮像することとを含む方法によって実行される。この方法において、サンプルは、約1,000,000~約100,000,000個の粒子を含み得る。分離にかかる合計時間は、約1分~約20分の範囲であり得る。急速分離方法において、前述の着目する粒子の濃度は、溶液中又は溶液の一部の中において、少なくとも約100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、5:1、3:1、2:1、1.5:1又は1.1:1の比で上昇する。複数種類の粒子を含有する溶液中の着目する粒子及び/又は細胞は、溶液の処理後に着目する粒子の濃度と他の種類の粒子の濃度との比が上昇した場合、又は着目する粒子の濃度と他の種類の粒子の濃度との比が少なくとも約10%、約50%、約100%、約200%、約300%、約400%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%若しくは約1000%上場した場合、又は溶液の他の粒子(限定されるわけではないが、着目する粒子以外の種類の粒子を含む)の濃度が約20%未満、約15%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満若しくは約0.5%未満低下した場合、「分離された」と解することができる。急速分離方法の好ましい一実施形態において、サンプルの濃縮収集部分中における分離された細胞又は有機体の生存能力は、分離前の出発用サンプル中の細胞又は有機体の生存能力に対して少なくとも70%である。好ましくは、サンプルの濃縮収集部分中における分離された細胞又は有機体の生存能力は、分離前の出発用サンプル中の細胞又は有機体の生存能力に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%又は99%である。出発用サンプルは、約1,000,000~約100,000,000個の粒子、約5,000,000~約100,000,000個の粒子、約10,000,000~100,000,000個の粒子、約20,000,000~約100,000,000個の粒子、約30,000,000~約100,000,000個の粒子個の粒子、約40,000,000~約100,000,000個の粒子個の粒子、約50,000,000~約100,000,000個の粒子、約60,000,000~約100,000,000個の粒子、約70,000,000~約100,000,000個の粒子、約80,000,000~約100,000,000個の粒子又は約90,000,000~約100,000,000個の粒子を含み得る。分離された粒子の画分を分離及び収集するのにかかる時間は、20分以内、18分以内、15分以内、12分以内、10分以内、8分以内、5分以内、3分以内又は1分未満であり得る。粒径は、直径等の寸法が約100nmから100μm以上の範囲にまで及び得る。原核細胞の場合、一般的な下限は約400nmであり得るが、真核細胞は、約10μm~約100μmの範囲であり得るが、ヒトの女性の卵細胞は、前述の範囲の上限にある。他の粒子又は有機体はより大きくてもよい。上記急速大容量分離方法の一実施形態において、分離された粒子は、細胞である。上記方法によって分離された細胞型は、ヒト細胞、非ヒト型動物細胞、植物細胞、真核細胞(例えば、限定されるわけではないが、免疫細胞、内皮細胞、酵母及びT細胞)、細菌等を含む原核細胞、細胞、有機体、細胞小器官、核、有機ポリマー及びタンパク質等の有機材料、有機又は無機化合物の粒子状物質並びにビーズ、気泡及びフラグメント等の粒子を含み得る。複数の細胞型は、死細胞、生細胞、健康な細胞、病的細胞、感染細胞、トランスフェクトされた細胞又は遺伝子操作された細胞を含み得る。本開示の方法によって分離される細胞は、有機体から直接得ることもできるし(又は有機体自体であってもよいし)、又は増殖若しくは培養することもできる。急速大容量分離方法の特定の一実施形態において、生細胞は死細胞から分離される。分離方法の別の実施形態において、トランスフェクトされた生細胞及び/又はクリスパーによる改変を受けた若しくは遺伝子編集された細胞は、トランスフェクトされた死細胞及び/又はクリスパーによる改変を受けた若しくは遺伝子編集された細胞及び/又はトランスフェクトされていない細胞及び/又はクリスパーによる改変を受けていない若しくは遺伝子編集されていない細胞から分離される。本方法の別の実施形態において、健康な細胞は、有病細胞から分離される。本方法の更なる一実施形態において、細胞核は、細胞、細胞フラグメント、及び/又はサンプル破片から分離される。様々な実施形態において、これらの方法は、本明細書に記載のカートリッジ及びシステムを利用して実行される。
【0139】
本開示に記載の例及び実施形態は例示目的のためのものにすぎず、このことを鑑みて様々な修正又は変更が当業者に示唆され、これらの修正又は変更は、本出願の趣旨及び範囲並びに添付した特許請求の範囲に含まれるべきであると理解される。本開示において引用されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、その全体をあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込む。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 基材と、
(b) 前記基材に形成された複数の流体分離チャネルであって、
(i) 当該流体チャネルのそれぞれが、入口及び少なくとも2つの出力部と流体連通した磁性処理チャネルを含み、
(ii) 前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルの一部を少なくとも上側部分と下側部分とに垂直分離する少なくとも1つの仕切りを備え、前記上側部分が前記出力部のうちの一方と流体連通し、前記下側部分が前記出力部のうちの他方と流体連通し、
(iii) 前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルの長さに沿って延在する少なくとも1つの撮像面を更に備え、前記撮像面が、前記処理チャネル内の粒子の撮像を可能にするように構成される、
複数の流体分離チャネルと
を備えるマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記基材及び前記基材に形成された前記複数の流体分離チャネルが、マルチチャネルフローセルカートリッジとして構成される、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルに沿って延在する2つの対向する撮像面を備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記基材に形成された複数のチャネルビームを更に備え、前記チャネルビームが、前記フローセルカートリッジの入口端部と出口端部との間に延在し、前記チャネルビームのそれぞれが、前記処理チャネルのうちの1つを備え、前記チャネルビームが、隣接するチャネルビームから間隔を空けて配置される、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記基材が、前記流体チャネルから遠ざかるように下方に延在する側壁を更に備え、前記側壁のそれぞれが、前記撮像面のうちの1つへの光学的アクセスのために構成された開口部を備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
(a) 前記フローセルカートリッジを収容及び保持するように構成されたホルダーと、
(b) 前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持されたときに磁場勾配を前記処理チャネルに加えるように構成された磁石のアレイであって、前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持されたときに前記処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる磁石のアレイと、
(c) 前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持される間並びに前記磁石のアレイが前記処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる間に前記処理チャネル内での粒子の垂直分離を撮像するように構成されたイメージャと
を備える粒子を処理するための磁気装置を更に備えるマルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記イメージャが、
(i) 前記処理チャネルのうちの1つの真上に位置決めされた磁石と、前記処理チャネルのうちの1つの真下に位置決めされた磁石との間に延在する経路部分と、
(ii) 前記磁石アレイの2つの隣接する磁石間の前記ホルダーの開口部を通って延在する第2の部分と
を含む屈曲光路によって前記処理チャネル内の粒子を撮像するように構成され、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項7】
請求項5及び6のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記イメージャが、光学的ペリスコープを備え、前記システムが、前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持される間並びに前記磁石のアレイが前記フローセルカートリッジの前記複数の処理チャネルより上及び下に位置決めされる間に、前記ペリスコープを、処理チャネルのうちの1つに隣接する位置に移動させ、前記処理チャネルのうちの1つに沿ってスキャンするように構成される、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記ホルダーが、前記フローセルカートリッジの前記処理チャネルの温度を調整するように構成されたコアユニットを備え、前記コアユニットが、前記フローセルカートリッジが前記コアユニットによって収容及び保持されたときに前記温度伝導表面が前記処理チャネルと接触するように設置された複数の温度伝導表面を備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記温度伝導表面が、温度伝導材料から形成されたピラーの端面を含み、前記ピラーのそれぞれが、前記磁石アレイの磁石を保持する、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記コアユニットが、前記冷却アセンブリから前記ピラー端部表面に向かって前記ピラーに沿って延在する空気チャネルを更に備え、前記空気チャネルが、対流空気流によって前記ピラー及び前記フローセルカートリッジを冷却するように構成される、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記コアユニットが、フローセルカートリッジホルダー、前記フローセルカートリッジをポンプサブシステムに流体的に接続するように構成された流体コネクタ組立体、前記磁石アレイ及び冷却アセンブリを備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
第2のフローセルカートリッジホルダー、第2の流体コネクタ組立体、第2の磁石アレイ及び第2の冷却アセンブリを有する第2のコアユニットを更に備え、前記第2の磁石アレイが、前記他のコアユニットの前記磁石アレイと異なる構成を有し、前記粒子を処理するための磁気装置が、前記コアユニットの両方を交番方式で収容して動作させるように構成される。
【請求項13】
請求項5から12のいずれか一項に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記粒子を処理するための磁気装置が、磁気浮上粒子分離システムを備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記粒子を処理するための磁気装置が、処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約100万個の粒子という最小粒子分離能力を備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項15】
請求項13に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記粒子を処理するための磁気装置が、1回の分離実行で少なくとも約500万個の粒子という最小粒子分離能力を備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項16】
(a) 基材と、
(b) 前記基材に形成された同一平面上に存在する複数の流体分離チャネルであって、
(i) 当該流体チャネルのそれぞれが、入口及び少なくとも2つの出力部と流体連通した磁気浮上処理チャネルを含み、
(ii) 前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルの一部を少なくとも上側部分と下側部分とに垂直分離する少なくとも1つの仕切りを備え、前記上側部分が前記出力部のうちの一方と流体連通し、前記下側部分が前記出力部のうちの他方と流体連通し、
(iii) 前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルの長さに沿って延在する対向する側方撮像面を更に備え、前記撮像面が、前記処理チャネル内の粒子の磁気浮上の撮像を可能にするように構成される、
複数の流体分離チャネルと
を備えるマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記基材及び前記基材に形成された前記複数の流体分離チャネルが、マルチチャネルフローセルカートリッジとして構成される、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項17】
請求項16に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記基材の中を通って延在する複数の開口部を更に備え、前記開口部のそれぞれが、2つの隣接する処理チャネル間を延在し、前記開口部が、前記撮像面への光学的アクセスのために構成される、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項18】
請求項17に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
前記処理チャネルのそれぞれが、間隔を空けて配置されたチャネルビームの中を通って延在し、前記チャネルビームのそれぞれが、少なくとも1つの位置合わせタブを備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項19】
マルチチャネルフローセルデバイスであって、
(a)
(i) 基材と、
(ii) 前記基材に形成された複数の流体分離チャネルと
を備えるマルチチャネルフローセルカートリッジと、
(b)
(i) 前記フローセルカートリッジを収容及び保持するように構成されたホルダーと、
(ii) 前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持されたときに磁場勾配を前記処理チャネルに加えるように構成された磁石のアレイであって、前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持されたときに前記処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる磁石のアレイと、
(iii) 前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持される間並びに前記磁石のアレイが前記処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる間に前記処理チャネル内での粒子の垂直分離を撮像するように構成されたイメージャと
を備える粒子を処理するための磁気装置と
を備えるマルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項20】
請求項19に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
1回の分離実行で少なくとも約500万個の粒子という最小粒子分離能力を備えるマルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項21】
請求項19に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
当該デバイスが、1回の分離実行で少なくとも約500万個の粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する。
【請求項22】
請求項19に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
当該デバイスが、1回の分離実行で少なくとも約500万個の球形粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、少なくとも約3ミクロンの平均直径を有する、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項23】
請求項19に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
当該デバイスが、前記処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の粒子という最小粒子分離能力を備える、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項24】
請求項19に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
当該デバイスが、前記処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項25】
請求項19に記載のマルチチャネルフローセルデバイスであって、
当該デバイスが、前記処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の球形粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、少なくとも約5ミクロンの平均サイズを有する、
マルチチャネルフローセルデバイス。
【請求項26】
マルチチャネルフローセルカートリッジであって、
(a) 基材と、
(b) 前記基材に形成された複数の流体分離チャネルであって、
(i) 当該流体チャネルのそれぞれが、入口及び少なくとも2つの出力部と流体連通した磁気浮上処理チャネルを含み、
(ii) 前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルの一部を少なくとも上側部分と下側部分とに垂直分離する少なくとも1つの仕切りを備え、前記上側部分が前記出力部のうちの一方と流体連通し、前記下側部分が前記出力部のうちの他方と流体連通し、
(iii) 前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルの長さに沿って延在する少なくとも1つの撮像面を更に備え、前記撮像面が、前記処理チャネル内の粒子の磁気浮上の撮像を可能にするように構成される、
マルチチャネルフローセルカートリッジ。
【請求項27】
請求項26に記載のカートリッジであって、
前記処理チャネルのそれぞれが、前記処理チャネルに沿って延在する2つの対向する撮像面を備える、
カートリッジ。
【請求項28】
請求項27に記載のカートリッジであって、
前記処理チャネルが同一平面上に存在する、
カートリッジ。
【請求項29】
請求項27に記載のカートリッジであって、
前記基材に形成された複数のチャネルビームを更に備え、前記チャネルビームが、前記フローセルカートリッジの入口端部と出口端部との間に延在し、前記チャネルビームのそれぞれが、前記処理チャネルのうちの1つを備える、
カートリッジ。
【請求項30】
請求項29に記載のカートリッジであって、
前記チャネルビームのそれぞれが、隣接するチャネルビームから間隔を空けて配置される、
カートリッジ。
【請求項31】
請求求項29に記載のカートリッジであって、
前記基材の中を通って延在する複数の開口部を更に備え、前記開口部のそれぞれが、2つの隣接するチャネルビーム間を前記処理チャネルに沿って延在し、前記開口部が、前記撮像面への光学的アクセスのために構成される、
カートリッジ。
【請求項32】
請求項29に記載のカートリッジであって、
前記チャネルビームのそれぞれが、少なくとも1つの位置合わせタブを備える、
カートリッジ。
【請求項33】
請求項26に記載のカートリッジであって、
前記基材が、前記流体チャネルから遠ざかるように下方に延在する側壁を更に備える、
カートリッジ。
【請求項34】
請求項33に記載のカートリッジであって、
前記側壁のそれぞれが、前記撮像面のうちの1つへの光学的アクセスのために構成された開口部を備える、
カートリッジ。
【請求項35】
複数の処理チャネルを有するフローセルカートリッジと一緒に使用するための磁気浮上粒子分離システムであって、
(a) 前記フローセルカートリッジを収容及び保持するように構成されたホルダーと、
(b) 前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持されたときに磁場勾配を前記処理チャネルに加えるように構成された磁石のアレイであって、前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持されるときに前記処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる磁石のアレイと、
(c) 前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持される間並びに前記磁石のアレイが前記処理チャネルより上及び下の少なくとも1つに位置決めされる間に前記処理チャネル内での粒子の垂直分離を撮像するように構成されたイメージャと
を備える磁気浮上粒子分離システム。
【請求項36】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、1回の分離実行で少なくとも約500万個の粒子という最小粒子分離能力を備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項37】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、1回の分離実行で少なくとも約500万個の粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項38】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、1回の分離実行で少なくとも約500万個の球形粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、少なくとも約3ミクロンの平均直径を有する、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項39】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、前記処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の粒子という最小粒子分離能力を備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項40】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、前記処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項41】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、前記処理チャネル1つ当たり1回の分離実行で少なくとも約2000万個の球形粒子という最小粒子分離能力を備え、前記粒子が、少なくとも約5ミクロンの平均サイズを有する、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項42】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記イメージャが、屈曲光路によって前記処理チャネル内での粒子の垂直分離を撮像するように構成される、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項43】
請求項42に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記屈曲光路が、前記処理チャネルのうちの1つの真上に位置決めされた磁石と、前記処理チャネルのうちの1つの真下に位置決めされた磁石との間に延在する経路部分を含む、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項44】
請求項43に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記屈曲光路が、前記磁石アレイの2つの隣接する磁石間の前記ホルダーの開口部を通って延在する第2の部分を更に含む、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項45】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記イメージャが、光学的ペリスコープを備え、当該システムが、前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持される間並びに前記磁石のアレイが前記フローセルカートリッジの前記複数の処理チャネルより上及び下に位置決めされる間に前記ペリスコープを処理チャネルのうちの1つに隣接する位置に移動させるように構成される、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項46】
請求項45に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、前記フローセルカートリッジが前記ホルダーによって収容及び保持される間並びに前記磁石のアレイが前記フローセルカートリッジの前記複数の処理チャネルより上及び下に位置決めされる間に前記処理チャネルの長さに沿って前記ペリスコープをスキャンするように構成される、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項47】
請求項45に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記ペリスコープが前記開口部を通って前記処理チャネルに隣接する位置に移動することを可能にするように前記ホルダーがサイズ調整及び位置決めされた複数の開口部を備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項48】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記ホルダーが、上側クランプ及び下側クランプを有するコアユニットを備え、前記コアが、前記上側クランプと前記下側クランプとの間に前記フローセルカートリッジを収容及び締め付けるように構成され、前記磁石のアレイが、前記上側クランプ内に設置された第1の磁石のアレイ及び前記下側クランプ内に設置された第2の磁石のアレイを含む、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項49】
請求項48に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記イメージャが、前記処理チャネルの真上に位置決めされた前記第1のアレイの磁石と、前記処理チャネルの真下に位置決めされた前記第2のアレイの磁石との間に延在する前記光路の第1の部分と、前記処理チャネルの真上に位置決めされた前記第1のアレイの前記磁石と、隣接する処理チャネルより上に位置決めされた前記第1のアレイの別の磁石との間に延在する前記光路の第2の部分とを備える光路によって前記処理チャネルのうちの1つの中で粒子の垂直分離を撮像するように構成される、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項50】
請求項35に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記ホルダーが、前記フローセルカートリッジの前記処理チャネルの温度を調整するように構成されたコアユニットを備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項51】
請求項50に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記コアユニットが、前記フローセルカートリッジが前記コアユニットによって収容及び保持されたときに前記温度伝導表面が前記処理チャネルに接触するように設定された複数の温度伝導表面を備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項52】
請求項51に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記温度伝導表面が、温度伝導材料から形成されたピラーの端面を含み、前記ピラーのそれぞれが、前記磁石アレイの磁石を保持する、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項53】
請求項52に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記ピラーを冷却することにより、伝導によって前記処理チャネルを冷却するように構成される磁気浮上粒子分離システム。
【請求項54】
請求項53に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記コアが、前記ピラーと接触した冷却アセンブリであって、前記ピラーを伝導冷却するように構成された冷却アセンブリを備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項55】
請求項54に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記冷却アセンブリが、温度制御プレート、熱電冷却器及びヒートシンクを備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項56】
請求項54に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記コアユニットが、前記冷却アセンブリから前記ピラー端部表面に向かって前記ピラーに沿って延在する空気チャネルを更に備え、前記空気チャネルが、対流空気流によって前記ピラー及び前記フローセルカートリッジを冷却するように構成される、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項57】
請求項50に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記コアユニットが、当該システムの取り外し可能なユニットを備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項58】
請求項57に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
前記コアユニットが、フローセルカートリッジホルダー、前記フローセルカートリッジをポンプサブシステムに流体的に接続するように構成された流体コネクタ組立体、前記磁石アレイ及び冷却アセンブリを備える、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項59】
請求項58に記載の磁気浮上粒子分離システムであって、
当該システムが、第2のフローセルカートリッジホルダー、第2の流体コネクタ組立体、第2の磁石アレイ及び第2の冷却アセンブリを有する第2のコアユニットを更に備え、前記第2の磁石アレイが、前記他のコアユニットの前記磁石アレイと異なる構成を有し、当該システムが、コアユニットの両方を交番方式で収容して動作させるように構成される、
磁気浮上粒子分離システム。
【請求項60】
粒子分離方法であって、
(a) 少なくとも第1の処理チャネル及び第2の処理チャネルを有するマルチチャネルフローセルカートリッジを粒子分離システムに装填することと、
(b) 第1の粒子の懸濁液及び常磁性流体を前記第1の処理チャネルに流し込むことと、
(c) 第2の粒子の懸濁液及び常磁性流体を前記第2の処理チャネルに流し込むことと、
(d) 前記第1及び第2の処理チャネル内の前記第1及び第2の懸濁液を1つ又は複数の磁場勾配に晒すことと、
(e) 前記第1の処理チャネル内の前記粒子を1つ又は複数のバンドに分離し、前記第2の処理チャネル内の前記粒子を1つ又は複数のバンドに分離することと、
(f) 前記第1の処理チャネル内の前記1つ又は複数の分離されたバンドを撮像し、前記第2の処理チャネル内の前記1つ又は複数の分離されたバンドを撮像することと、
(g) 前記バンドのうちの少なくとも1つを別々に収集することと
を含む粒子分離方法。
【請求項61】
請求項60に記載の粒子分離方法であって、
前記分離されたバンドを撮像することが、前記粒子分離システムの撮像サブシステムを使用して前記分離されたバンドを撮像することを含み、前記撮像サブシステムが、前記第1の処理チャネル及び前記第2の処理チャネルとの間の領域内に少なくとも部分的に位置決めされた少なくとも1つの光学部品を備える、
粒子分離方法。
【請求項62】
請求項61に記載の粒子分離方法であって、
前記マルチチャネルフローセルカートリッジが、前記第1の処理チャネルと前記第2の処理チャネルとの間に位置決めされた開口部を備え、前記撮像サブシステムの前記光学部品が少なくとも部分的に、前記処理チャネルのうちの少なくとも1つの撮像中に前記開口部内に位置決めされる、
粒子分離方法。
【請求項63】
請求項62に記載の粒子分離方法であって、
前記光学部品が、反射器を備える、
粒子分離方法。
【請求項64】
請求項61に記載の粒子分離方法であって、
前記撮像サブシステムが、前記第1又は第2の処理チャネルのうちの1つにわたって位置決めされた第2の光学部品であって、少なくとも前記処理チャネルのうちの1つの撮像中に前記開口部の前記少なくとも1つの光学部品の反対側にある第2の光学部品を更に備える、
粒子分離方法。
【請求項65】
請求項61に記載の粒子分離方法であって、
前記粒子分離システムを使用し、前記少なくとも1つの光学部品を前記開口部内に移動させ、次いで前記第1及び第2の処理チャネルのうちの少なくとも1つを撮像し、次いで前記少なくとも1つの光学部品を前記開口部の外に移動させること
を更に含む方法。
【請求項66】
請求項65に記載の粒子分離方法であって、
前記粒子分離システムを使用して前記少なくとも1つの光学部品を前記開口部内のある位置から前記開口部内の別の位置に移動させることと、前記チャネルの長さに沿って異なる場所で前記第1及び第2の処理チャネルのうちの少なくとも1つを撮像することとを更に含む方法。
【請求項67】
請求項65に記載の粒子分離方法であって、
前記開口部が、前記第1及び第2の処理チャネルに沿って延在する細長い開口部を含む、
粒子分離方法。
【請求項68】
請求項60に記載の粒子分離方法であって、
前記分離されたバンドを撮像することが、前記粒子分離システムの撮像サブシステムを使用して前記分離されたバンドを撮像することを含み、前記撮像サブシステムが、少なくとも1つの屈曲光路を有する、
粒子分離方法。
【請求項69】
請求項60に記載の粒子分離方法であって、
前記マルチチャネルフローセルカートリッジを前記粒子分離システムに装填することが、磁石のアレイに対して前記マルチチャネルフローセルカートリッジを位置決めすることを含む、
粒子分離方法。
【請求項70】
請求項69に記載の粒子分離方法であって、
前記磁石のアレイが、少なくとも第1の磁石及び第2の磁石を含み、前記マルチチャネルフローセルカートリッジが前記粒子分離システムに装填されたときに前記第1の磁石が前記第1の分離チャネルに隣接し、前記第2の磁石が前記第2の分離チャネルに隣接する、
粒子分離方法。
【請求項71】
請求項70に記載の粒子分離方法であって、
前記第1の磁石が、前記第2の磁石の極性と整合しない極性を備える、
粒子分離方法。
【請求項72】
請求項69に記載の粒子分離方法であって、
前記磁石のアレイが、上側磁石のアレイ及び下側磁石のアレイを含み、前記マルチチャネルフローセルカートリッジが、前記マルチチャネルフローセルカートリッジが前記粒子分離システムに装填されたときに前記上側磁石アレイと前記下側磁石アレイとの間に設置される、
粒子分離方法。
【請求項73】
請求項72に記載の粒子分離方法であって、
前記上側磁石のアレイが、交番極性磁石のアレイを含み、前記下側磁石のアレイが、交番極性磁石のアレイを含む、
粒子分離方法。
【請求項74】
粒子分離方法であって、
(a) 懸濁状態の少なくとも約500万個の粒子及び溶解状態の常磁性化合物を含むサンプルを1つ又は複数の粒子分離チャネルに装入することであって、前記粒子が第1の種類の粒子及び第2の種類の粒子を含む、装入することと、
(b) 前記サンプルより上及び下の位置で前記サンプルを磁場勾配に晒すことと、
(c) 前記サンプル懸濁液中の前記粒子が相対的な平衡位置に到達することを可能にすることであって、前記第1の種類の粒子が前記1つ又は複数のチャネル内で第1の平衡位置に到達し、前記第2の種類の粒子が前記1つ又は複数のチャネル内で第2の平衡位置に到達する、相対的な平衡位置に到達することを可能にすることと、
(d) 前記第1の種類の粒子又は前記第2の種類の粒子の実質的な部分を再移動及び/又は撮像することと
を含み、
(e) ステップa、b、c及びdが、20分以内で実行される、
粒子分離方法。
【請求項75】
請求項74に記載の粒子分離方法であって、
前記粒子が、1~5ミクロンの特性寸法を有する、
粒子分離方法。
【請求項76】
請求項74又は75に記載の粒子分離方法であって、
前記サンプルが、懸濁状態の少なくとも約2000万個の粒子を含む、
粒子分離方法。
【請求項77】
請求項74から76のいずれか一項に記載の粒子分離方法であって、
ステップa、b、c及びdが、15分以内で実行される、
粒子分離方法。
【請求項78】
請求項74から77のいずれか一項に記載の粒子分離方法であって、
前記第1の種類の粒子が、前記サンプルに対する体積分率で前記1つ又は複数のチャネルから抜き取られる、
粒子分離方法。
【請求項79】
請求項78に記載の粒子分離方法であって、
前記サンプルに対する前記体積分率で抜き取られた前記第1の種類の粒子の濃度が、前記サンプル中における濃度に対して少なくとも約1.5:1で上昇する、
粒子分離方法。
【請求項80】
請求項74から79のいずれか一項に記載の粒子分離方法であって、
前記粒子が、細胞又は細胞核を含む、
粒子分離方法。
【請求項81】
請求項80に記載の粒子分離方法であって、
前記分離された細胞又は細胞核が、FACS又は遠心分離によって分離又は単離された類似する細胞に比べてより少ないストレスの兆候を示す、
粒子分離方法。
【国際調査報告】