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特表2024-544496稼働時間が増加し、内部短絡が低減された電気化学セル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】稼働時間が増加し、内部短絡が低減された電気化学セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 6/08 20060101AFI20241126BHJP
   H01M 10/24 20060101ALI20241126BHJP
   H01M 10/26 20060101ALI20241126BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 50/44 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 50/429 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 4/24 20060101ALI20241126BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20241126BHJP
   H01M 4/06 20060101ALI20241126BHJP
   H01M 50/491 20210101ALI20241126BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20241126BHJP
【FI】
H01M6/08 A
H01M10/24
H01M10/26
H01M50/449
H01M50/44
H01M50/429
H01M4/24 H
H01M4/62 C
H01M4/06 T
H01M50/491
H01M50/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526711
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022080443
(87)【国際公開番号】W WO2023097286
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/282,971
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516268286
【氏名又は名称】エナジャイザー ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン ロバート ピー
(72)【発明者】
【氏名】リウ チュファン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンドリング マシュー ティー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンネック マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ゼン グアンホン
【テーマコード(参考)】
5H021
5H024
5H028
5H050
【Fターム(参考)】
5H021CC02
5H021CC04
5H021EE12
5H021HH01
5H021HH03
5H021HH04
5H021HH06
5H024AA02
5H024AA03
5H024AA14
5H024DD09
5H024EE01
5H024EE02
5H024EE06
5H024FF07
5H024GG01
5H024HH01
5H024HH04
5H024HH08
5H024HH13
5H028AA05
5H028AA06
5H028EE04
5H028EE05
5H028FF09
5H028HH01
5H028HH05
5H028HH08
5H028HH10
5H050AA08
5H050AA15
5H050BA04
5H050BA11
5H050CA05
5H050CB13
5H050DA03
5H050DA09
5H050DA19
5H050EA11
5H050FA17
5H050HA01
5H050HA06
5H050HA07
5H050HA14
5H050HA18
(57)【要約】
アルカリ電気化学セルが提供されており、酸化亜鉛反応沈殿物が2つの電極の間に導電性ブリッジを形成するのを防止することによって、バッテリの短絡を減少させるか、又は排除する方法が提供される。アルカリ電気化学セルは、少なくとも電解質溶液中の溶解酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛、及び/又はアノード中の固体酸化亜鉛粒子若しくは水酸化亜鉛、アノード中のシリコンドナー、並びに/又は高密度層及び低密度層を最適に含む二重層セパレータを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ電気化学セルであって、
a)容器と、
b)前記容器内に配置されており、かつカソード、アノード、前記カソードと前記アノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質ショット溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
前記アノードが、1)固体亜鉛と、2)アノード液と、3)固体酸化亜鉛粒子、固体水酸化亜鉛粒子、前記アノード液中に溶解した酸化亜鉛、又は前記アノード液中に溶解した水酸化亜鉛と、4)シリコンドナーと、を含み、
前記シリコンドナーが、前記アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の少なくとも0.036重量パーセントの量で存在する、アルカリ電気化学セル。
【請求項2】
前記アルカリ電気化学セルが、約0.5~3.0重量パーセントの総酸化亜鉛等価重量を含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項3】
前記アノードが、ゲル化された電解質を含み、前記ゲル化された電解質が、ゲル化剤を第1の水性アルカリ電解質溶液と組み合わせることによって調製され、前記第1の水性アルカリ電解質溶液が、アルカリ金属水酸化物電解質及び溶解酸化亜鉛を含む、請求項1又は2に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項4】
前記アノード液が、0.1~12重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項5】
前記アノード液が、約1.5~2.5重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む、請求項4に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項6】
前記アノード液が、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で少なくとも5%飽和されている、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項7】
前記カソードが、カソード液を含み、前記カソード液が、アルカリ金属水酸化物電解質及び溶解酸化亜鉛を含む、請求項3~6のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項8】
前記カソード液が、0.1~12重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む、請求項7に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項9】
前記電解質ショット溶液が、2.0重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項10】
前記電解質ショット溶液が、3.0重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む、請求項9に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項11】
前記電解質ショット溶液が、アルカリ金属水酸化物及び溶解酸化亜鉛を含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項12】
前記電解質ショット溶液が、シリコンドナーを含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項13】
シリコンドナーと溶解酸化亜鉛当量との比率が、重量パーセントで、≧0.016、≧0.020、≧0.025、≧0.030、≧0.035、≧0.040、≧0.045、≧0.050、≧0.055、≧0.06、≧0.065、≧0.07、又は≧0.075である、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項14】
シリコンドナーの絶対重量が、LR6セル内で0.002~1グラムの範囲である、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項15】
前記固体酸化亜鉛粒子が、4m2/gを超えるブルナウアー、エメット、及びテラー(BET)表面積を有し、
前記酸化亜鉛が、0.1重量パーセントを超えるマグネシウム及び/又はナトリウム化合物を含有する、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項16】
前記セパレータが、高密度層を含む二重層セパレータである、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項17】
前記セパレータが、低密度層を含む二重層セパレータである、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項18】
前記二重層セパレータが、前記高密度層が前記カソードに面する第1又は第2の紙帯として配設されている、請求項16に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項19】
前記高密度層の平均孔径が、1ミクロン未満である、請求項16に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項20】
界面活性剤濃度が、アノード活性材料に対して、5~50ppmである、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項21】
前記シリコンドナーが、ケイ酸カリウムである、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項22】
前記シリコンドナーが、ケイ酸ナトリウムである、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項23】
前記カソードが、シリコンドナーを含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項24】
前記電解質溶液が、シリカを更に含む、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項25】
全セル電解質濃度が、約15.0~40.0重量パーセントである、請求項1に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項26】
前記電気化学セルの全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛等価重量パーセントが、少なくとも約0.5重量パーセントである、請求項1~25のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項27】
前記電気化学セルの全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛等価重量パーセントが、少なくとも約11重量パーセントである、請求項1~25のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項28】
前記電気化学セルの全セル電解質が、溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で、10%を超えて飽和されている、請求項1~25のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項29】
前記固体酸化亜鉛又は固体水酸化亜鉛が、置換されており、かつカチオン置換基又はアニオン置換基を含み、前記置換固体酸化亜鉛又は前記置換固体水酸化亜鉛が、非置換固体酸化亜鉛又は非置換固体水酸化亜鉛よりも可溶性が低い、請求項1~25のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項30】
酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度が、少なくとも約40%である、請求項1~25のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項31】
前記セルが、0.1V~2.0V、0.2V~1.9V、0.3V~1.8V、0.4V~1.7V、0.5V~1.6V、0.6V~1.5V、0.7V~1.4V、0.8V~1.3V、0.9V~1.2V、1.0V~1.1V、又は0.1V、0.2V、0.3V、0.4V、0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、又は2.0Vの電圧を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項32】
アルカリ電気化学セルであって、
a)容器と、
b)前記容器内に配置されており、かつカソード、アノード、前記カソードと前記アノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質ショット溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
前記アノードが、1)固体亜鉛と、2)アノード液と、3)固体酸化亜鉛粒子、固体水酸化亜鉛粒子、前記アノード液中に溶解した酸化亜鉛、又は前記アノード液中に溶解した水酸化亜鉛と、を含み、
前記アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量が、少なくとも3.0重量パーセントであり、
前記セパレータが、二重層セパレータ若しくは低多孔性セパレータ、又はセロファン層を有する積層セパレータを含む、アルカリ電気化学セル。
【請求項33】
前記二重層セパレータが、高密度層及び低密度層を含む、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項34】
前記低密度層が、前記高密度層が前記カソードに面する第1又は第2の紙帯として配設されている、請求項33に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項35】
前記二重層セパレータが、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、又は1.5ミクロン以下である平均直径を有する細孔を含む少なくとも1つの層を有する、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項36】
界面活性剤濃度が、アノード活性材料に対して、5~50ppmである、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項37】
前記アノードが、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムを含む、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項38】
シリコンドナーと溶解酸化亜鉛当量との比率が、重量パーセントで、≧0.016、≧0.020、≧0.025、≧0.030、≧0.035、≧0.040、≧0.045、≧0.050、≧0.055、≧0.06、≧0.065、≧0.07、≧0.075である、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項39】
酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度が、少なくとも約30%である、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項40】
酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度が、少なくとも約400%である、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項41】
前記セパレータが、12ミクロン未満の平均孔径、及び30ミクロン未満の最大孔径を有する低多孔性セパレータである、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項42】
前記セパレータが、不織布層及びセロファン層を含む積層セパレータである、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項43】
前記全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛重量パーセントが、少なくとも約0.5重量パーセントである、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項44】
前記全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛重量パーセントが、少なくとも約11重量パーセントである、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項45】
前記アノードが、負極の総重量に基づいて、約0.1~12重量パーセントの量の固体酸化亜鉛粒子を含む、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項46】
シリコンドナーが、前記アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の少なくとも0.036重量パーセントの量で存在する、請求項32に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項47】
溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の全セルモル濃度が、約0.1~約1.5である、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項48】
総セル酸化亜鉛等価重量が、約0.05~約0.7gである、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項49】
前記セル内のZn2+モルの総数が、約0.00061~約0.00860である、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項50】
前記セルを21℃において0.5mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも25mAhの変曲までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項51】
前記セルを21℃において1mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも22mAhの変曲までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項52】
前記セルを21℃において5mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも17mAhの変曲までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項53】
前記セルを21℃において10mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも14mAhの変曲までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項54】
前記セルを21℃において50mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも13mAhの変曲までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項55】
前記セルを21℃において100mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも12mAhの変曲までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項56】
前記セルを21℃において0.5mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも25mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項57】
前記セルを21℃において1mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも22mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項58】
前記セルを21℃において5mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも17mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項59】
前記セルを21℃において10mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも14mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項60】
前記セルを21℃において50mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも13mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【請求項61】
前記セルを21℃において100mAで充電するとき、前記セルが、少なくとも12mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する、請求項1~46のいずれか一項に記載のアルカリ電気化学セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月24日に出願された米国仮出願第63/282,971号の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
アルカリ電気化学セルは、LR6(AA)、LR03(AAA)、LR14(C)、及びLR20(D)として一般的に既知であるセルサイズで市販されている。これらのセルは、国際電気標準会議などの組織が設定した寸法基準に準拠した円筒形状を有している。電気化学セルは、消費者によって利用され、広範囲の電気デバイス、例えば、時計、ラジオ、玩具、電子ゲーム、一般的にフラッシュバルブユニットを含むフィルムカメラ、並びにデジタルカメラに電力を供給する。このような電気デバイスは、低いドレインから相対的に高いドレイン放電状態までなど、広範囲の放電状態を作り出す。デジタルカメラなどの高ドレインデバイスの使用の増加に起因して、望ましい高ドレイン放電特性を有するバッテリの必要性が常に存在する。
【0003】
バッテリの形状及びサイズが固定されていることが多いため、バッテリ製造元は、性能を増加させるためにセルの特性を変更する必要がある。デジタルカメラなどの特定のデバイスでバッテリの性能を改善する方法の問題に対処しようとする試みは、通常、セルの内部構造及び/又は化学的性質の変化を伴う。例えば、セル構造及び化学的性質は、セル内で利用される活性材料の量を増加させることによって変更されてきた。
【0004】
亜鉛(Zn)は、活性アノード材料として電気化学セルにおいて一般的に使用される周知の材料である。電気化学セルの放電中、亜鉛は酸化されて、酸化亜鉛(ZnO)を形成する。この酸化亜鉛反応生成物は、不動態化層を形成し、残りの亜鉛の効率的な放電を阻害し、バッテリ性能を低下させる可能性がある。セルの短絡は、セパレータの近くに結晶性酸化亜鉛が形成され、セパレータを通ってカソードとアノードとの間にブリッジが形成されることによっても生じ得ると考えられている。
【0005】
記載される特許請求の範囲及び実施形態は、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を含有するアルカリセルにおける短絡の低減及び終了を対象とする。
【発明の概要】
【0006】
固体酸化亜鉛及び溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の両方を有するアルカリ電気化学セルは、短絡を減少させるか、又は排除するための機構に起因して、先行技術よりも効率が増加し、稼働時間が増加する。
【0007】
一実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質ショット溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)アノード液と、3)固体酸化亜鉛粒子、固体水酸化亜鉛粒子、当該アノード液中に溶解した酸化亜鉛、又は当該アノード液中に溶解した水酸化亜鉛と、4)シリコンドナーと、を含み、
シリコンドナーが、アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の少なくとも0.036重量パーセントの量で存在する。
【0008】
一実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質ショット溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)アノード液と、3)固体酸化亜鉛粒子、固体水酸化亜鉛粒子、当該アノード液中に溶解した酸化亜鉛、又は当該アノード液中に溶解した水酸化亜鉛と、を含み、
アルカリ電気化学セルが、少なくとも3.0重量パーセントの総酸化亜鉛重量を含み、
セパレータが、二重層型セパレータ、又は低多孔性セパレータ、又はセロファン層を有する積層セパレータである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のアルカリ電気化学セルの断面正面図である。
図2】時間プロットに対する電圧における、その他の条件が同一のセルに対する短絡の影響を示している。
図3A】1分当たり2パルス(ANSI/IEC単位)が存在する場合の、全セル電解質溶液ZnO重量パーセントのLR6 DSC(ANSI標準デジタルスチルカメラ試験)性能に対する影響を示している。
図3B】全セル電解質溶液ZnO重量パーセントの50mAの稼働時間性能に対する影響を示している。
図4A】シリコンドナーの量、したがって、ケイ酸イオンと酸化亜鉛との比率を増加させることによる、セル稼働時間に対する影響を示している。
図4B】50mAの5分/20分の稼働時間に対する、全セル電解質溶液のシリカ重量パーセントの影響を示している。
図5A】異なるセパレータタイプを含むセルにおいて、アノード溶液及び全セル電解質溶液と比較した、稼働時間に対するケイ酸ナトリウム濃度の増加の影響をそれぞれ示している。
図5B】異なるセパレータタイプを含むセルにおいて、アノード溶液及び全セル電解質溶液と比較した、稼働時間に対するケイ酸ナトリウム濃度の増加の影響をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで様々な実施形態を添付の図面を参照してより完全に説明する。ここでは、いくつかの実施形態が示されているが、全てではない。実際、様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。以下の説明では、様々な構成要素は、具体的な値又はパラメータを有するものとして識別され得るが、これらの項目は、例示的な実施形態として提供される。実際、例示的な実施形態は、多くの同等のパラメータ、サイズ、範囲、及び/又は値が実装され得るので、実施形態の様々な態様及び概念を制限するものではない。「第1の」、「第2の」など、及び「例示的な」などの用語は、任意の順序、量、又は重要性を示すのではなく、むしろ、ある要素を別の要素から区別するために使用される。更に、「a」、「an」、及び「the」という用語は、量の制限を示すものではなく、むしろ、参照される項目の「少なくとも1つ」の存在を示す。
【0011】
本明細書に開示される各実施形態は、他の開示される実施形態の各々に適用可能であると企図される。本明細書に説明される様々な要素の全ての組み合わせ及び部分的組み合わせは、実施形態の範囲内である。
【0012】
パラメータ範囲が提供される場合、その範囲内の全ての整数及び範囲、並びにそれらの10分の1及び100分の1もまた、実施形態によって提供されることが理解されている。例えば、「5~10%」は、5%、6%、7%、8%、9%、及び10%、5.0%、5.1%、5.2%、....9.8%、9.9%、及び10.0%、並びに5.00%、5.01%、5.02%、....9.98%、9.99%、及び10.00%、並びに例えば、6~9%、5.1%~9.9%、及び5.01%~9.99%を含む。
【0013】
本明細書で使用される場合、数値又は範囲の文脈における「約」とは、列挙又は特許請求される数値又は範囲の±10%以内を意味する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「全セル重量」とは、アノード(第1の電極18)、カソード(第2の電極12)、電解質ショット溶液、及び任意の添加剤などの、セルの内部要素の重量を指す。これには、図1に示し、以下でより詳細に説明するように、容器若しくは缶10、閉じた下端24、上端22、側壁26、端子カバー20、内壁16、下端24、ラベル28、負端子カバー46、閉鎖アセンブリ40、閉鎖部材42、集電体44、セパレータ14、又は導電端子46は含まれない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「全セル電解質量」とは、セル内のアルカリ金属水酸化物(例えば、KOH)の総質量を指し、「全セル電解質濃度」とは、セル内のアルカリ金属水酸化物の総濃度を指す。全セル電解質濃度は、パーセントで伝える場合、(全セル電解質量)/(電解質溶液の全セル質量)に100を掛けた計算によって求めることができる。電解質溶液の全セル質量は、次のように計算される。(全セル電解質量)+(水性溶媒の全セル質量)+(溶液中の添加剤の質量)。全セル電解質溶液中の総添加剤重量パーセントは、計算(セル内の添加剤の総質量)/(電解質溶液の全セル質量)×100を介して判定することができる。
【0016】
本明細書で使用される場合、セル又はその一部分における化合物の「総重量パーセント」とは、セル又は関連部分内の他の材料の総質量又は重量と比較した、化合物の総重量を指し、これには、亜鉛化合物(例えば、酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛)、電解質、水、セパレータ、活性材料、及び添加剤が含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、「セルの総酸化亜鉛重量パーセント」は、(酸化亜鉛質量)/(全セル重量)×100%として計算され、「全セル重量」は、上で説明される通りである。セルの任意の部分(例えば、アノード)に対する化合物の重量パーセントは、計算においてセルのその部分を含む材料の合計のみを使用することによって同様に計算され得る。水は、セル内の任意の供給源からのものであり得る。全てのセル成分及び添加剤の濃度及び量は、当該技術分野で既知の任意の方法によって判定され得る。このような方法の非限定的な例は、米国特許第8,318,350号に説明されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0017】
全セル電解質中の「総溶解酸化亜鉛重量パーセント」は、(セル内の溶解酸化亜鉛質量)/(セル内の溶解酸化亜鉛質量+セル内の電解質量+セル内の水質量)×100%として計算される。この測定は、アノード中の固体(すなわち、未溶解)酸化亜鉛の質量を考慮していない。同じ式を、必要な変更を加えて、総溶解水酸化亜鉛重量パーセントを計算するために使用することができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、電極内の「電解質濃度パーセント」とは、電極内の電解質及び電極内の水の総重量と比較した、電極内の電解質の総重量を指す。例えば、電極の「KOH重量パーセント」は、(電極内のKOH質量)/(電極内のKOH質量+電極内の水質量)×100%として計算される。
【0019】
本明細書で使用される場合、具体的な容量に関する「改善」とは、その具体的な容量が増加することを意味する。一般に、ある材料又は電気化学セルの性能の特性又は測定基準の「改善」とは、性能の特性又は測定基準が、材料又はセルのユーザ又は製造業者が望ましいと考える方法(すなわち、コストが低い、長持ちする、より多くの電力を提供する、より耐久性がある、製造が容易であるか、又はより速いなど)で、(異なる材料又は電気化学セルの特性又は測定基準と比較して)異なることを意味する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「放電容量」とは、特定の速度で放電されたときの、電気化学セルからの電荷の総量を指す。これは通常、アンペア時間で測定される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「稼働時間」とは、閉回路電圧が機能的終了点を下回る前に、電気化学セルが電流ドレインをサポートすることができる時間の長さを指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、溶液が溶質で「X%飽和されている」として説明することは、溶液が、溶液の他の全ての成分(例えば、溶解電解質など)を考慮して、同じ温度、圧力などにおいて溶液中に溶解することができる溶質の最大量の溶質X%として含むことを意味する。本明細書に含まれる飽和度値は、Cheh et al.(J.Electrochem.Soc., Vol.141,No.1,Modeling of Cylindrical Alkaline Cells(Jan.1994))の方法に従って計算された。酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の溶解を促すために、攪拌棒を使用して、酸化亜鉛粒子又は水酸化亜鉛粒子を45℃以上の水酸化カリウム溶液中に混合され得る。ある特定の実施形態では、溶液は、100%を超える飽和(すなわち、過飽和)であり得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「電解質ショット」という用語は、セルに添加される液体電解質溶液を指す。この電解質ショットは、主にセパレータ及びカソードに吸収される。更に、「遊離電解質」という用語は、アノード、カソード、セパレータ、又はバッテリの任意の他の部分によって吸収されない電解質溶液を指す。遊離電解質は、製造中、バッテリ内で液体形態のままである。
【0024】
本明細書で使用される場合、「アノード液」とは、アノードの一部を形成する第1の水性アルカリ電解質溶液を指す。ある特定の実施形態では、アノード液は、ゲル化剤と組み合わせて、ゲルアノードを形成する。アノード液は、アルカリ金属水酸化物電解質及び溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を含む。アノード液は、シリコンドナー及び/又は界面活性剤などの添加剤を追加的に含み得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「カソード液」とは、カソードの一部を形成する第2の水性アルカリ電解質溶液を指す。カソード液は、アルカリ金属水酸化物電解質を含む。カソード液は、シリコンドナー、溶解酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛、及び/又は界面活性剤などの添加剤を追加的に含み得る。
【0026】
電気化学セルを、ある化合物の「総セル飽和度X%」として説明することは、電解質ショット溶液中に溶解した化合物と、電極に存在する化合物との両方を考慮している。例えば、電気化学セルの酸化亜鉛の全セル飽和度を計算する際に、電解質ショット溶液中に溶解した酸化亜鉛の量を、アノード中の固体酸化亜鉛及び溶解酸化亜鉛とともに判定する必要がある。これは、100%を超える総セル飽和パーセントをもたらし得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「亜鉛酸イオン源」とは、溶解したときに亜鉛酸イオン(Zn(OH)4 2-)を生成する任意の化合物を指す。非限定的な例としては、酸化亜鉛(ZnO)、及び水酸化亜鉛(Zn(OH)2)が挙げられる。一実施形態では、この用語は、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛のみを指し得る。本明細書で使用される場合、「酸化亜鉛当量」とは、その量の酸化亜鉛と同等の数のZn2+モルを提供する亜鉛酸イオン(酸化亜鉛又は水酸化亜鉛など)源の量を指す。例えば、0.0994g(0.001モル)のZn(OH)2は、0.0814g(0.001モル)のZnOと同等である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「シリコンドナー」という用語は、元素シリコンだけでなく、シリコンを含有する任意の添加剤も指す。例としては、ケイ酸ナトリウム、二酸化ケイ素((SiO2、シリカとしても既知である)、及びケイ酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ケイ酸塩」とは、任意のケイ酸アニオンを指し、セルへのシリコンドナーの添加の結果として形成され得る、シリコン及び酸素からなる任意のアニオンを意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「固体酸化亜鉛」とは、セルに添加される固体酸化亜鉛粒子及び/又はこのような粒子の物理的特性を指す。「固体水酸化亜鉛」とは、セルに添加される固体水酸化亜鉛粒子及び/又はこのような粒子の物理的特性を指す。
【0031】
本明細書に説明されるセルの実施形態は、セルが構築されるときのセルを対象とする。セル内の材料の多くの濃度は、使用に伴って変動する可能性があり、これらの変化は一貫していない場合が多い。更に、未使用のバッテリであっても、これらの濃度は、時間との平衡化に起因してわずかに変化し得る。
【0032】
一実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)固体酸化亜鉛粒子又は固体水酸化亜鉛粒子と、3)シリコンドナーと、を含み、
電解質溶液が、溶解酸化亜鉛又は溶解水酸化亜鉛を含む。
【0033】
別の実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)固体酸化亜鉛粒子又は固体水酸化亜鉛と、を含み、
カソードが、二酸化ケイ素を含み、
電解質溶液が、溶解酸化亜鉛又は溶解水酸化亜鉛を含む。
【0034】
一実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)固体酸化亜鉛粒子又は固体水酸化亜鉛と、を含み、
電解質溶液が、溶解酸化亜鉛又は溶解水酸化亜鉛を含み、
セパレータが、二重層セパレータである。
【0035】
一実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質ショット溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)アノード液と、3)固体酸化亜鉛粒子、固体水酸化亜鉛粒子、当該アノード液中に溶解した酸化亜鉛、又は当該アノード液中に溶解した水酸化亜鉛と、4)シリコンドナーと、を含み、
シリコンドナーが、アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の少なくとも0.036重量パーセントの量で存在する。
【0036】
一実施形態は、アルカリ電気化学セルである。このアルカリ電気化学セルは、
a)容器と、
b)容器内に配置されており、かつカソード、アノード、カソードとアノードとの間に位置するセパレータ、及び電解質ショット溶液を含む、電極アセンブリと、を備え、
アノードが、1)固体亜鉛と、2)アノード液と、3)固体酸化亜鉛粒子、固体水酸化亜鉛粒子、当該アノード液中に溶解した酸化亜鉛、又は当該アノード液中に溶解した水酸化亜鉛と、を含み、
アルカリ電気化学セルが、少なくとも3.0重量パーセントの総酸化亜鉛重量を含み、
セパレータが、二重層型セパレータ、又は低多孔性セパレータ、又はセロファン層を有する積層セパレータである。
【0037】
一実施形態では、セパレータは、高密度層及び低密度層を有する二重層である。一実施形態では、高密度層は、低密度層よりも高い密度を有する。一実施形態では、高密度層は、1立方センチメートル当たり0.5~0.8グラムの密度、25~50ミクロンの厚さ、及び1.5ミクロン未満、好ましくは1.0ミクロン未満の平均孔径を有する。一実施形態では、低密度層は、1立方センチメートル当たり0.2~0.5グラムの密度、及び25~75ミクロンの厚さを有する。
【0038】
一実施形態では、アノードは、固体酸化亜鉛粒子を含み、電解質ショット溶液は、溶解酸化亜鉛を含む。
【0039】
一実施形態では、電解質ショット溶液は、0.1重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、電解質ショット溶液は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、電解質ショット溶液は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセント未満の量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、電解質ショット溶液は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントに等しい量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、電解質ショット溶液は、2.0重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む。更なる実施形態では、電解質ショット溶液は、約4.0~6.5重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む。
【0040】
一実施形態では、アノードは、ゲル化された電解質を含み、ゲル化された電解質は、ゲル化剤を第1の水性アルカリ電解質溶液(又は「アノード液」)と組み合わせることによって調製され、第1の水性アルカリ電解質溶液は、アルカリ金属水酸化物電解質及び溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を含む。一実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセント未満の量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントに等しい量の溶解酸化亜鉛当量を含む。更なる実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液は、≧2.5、≧2.6、≧2.7、≧2.8、≧2.9、≧3.0、≧3.1、≧3.2、≧3.3、≧3.4、≧3.5、≧3.6、≧3.7、≧3.8、≧3.9、又は≧4.0重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液は、約2.7~3.3重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む。
【0041】
一実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液は、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で少なくとも5%飽和されている。一実施形態では、負極電解質溶液は、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で少なくとも100%飽和されている。一実施形態では、負極電解質溶液は、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で5~100%飽和されている。一実施形態では、負極電解質溶液は、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは100%を超えるか、これら未満か、又は約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは100%に等しい数字で飽和されているか、又はこれらの数字のうちのいずれか2つの範囲で飽和されている。
【0042】
一実施形態では、カソードは、第2の水性アルカリ電解質溶液(又は「カソード液」)を含み、第2の水性アルカリ電解質溶液は、アルカリ金属水酸化物電解質及び溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を含む。一実施形態では、第2の水性アルカリ電解質溶液は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントを超える量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、第2の水性アルカリ電解質溶液は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセント未満の量の溶解酸化亜鉛当量を含む。一実施形態では、第2の水性アルカリ電解質溶液は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントに等しい量の溶解酸化亜鉛当量を含む。更なる実施形態では、第2の水性アルカリ電解質溶液は、≧2.5、≧2.6、≧2.7、≧2.8、≧2.9、≧3.0、≧3.1、≧3.2、≧3.3、≧3.4、≧3.5、≧3.6、≧3.7、≧3.8、≧3.9、又は≧4.0重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む。更なる実施形態では、第2の水性アルカリ電解質溶液は、約2.5~4.0重量パーセント、又は約2.7~3.3重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む。
【0043】
一実施形態では、第1の水性アルカリ電解質溶液及び第2の水性アルカリ電解質溶液は、同一である。
【0044】
一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛等価重量パーセントは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントを超える。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛等価重量パーセントは、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセント未満である。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛等価重量パーセントは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は14.0重量パーセントに等しい。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総溶解酸化亜鉛等価重量パーセントは、約1.5~4.5重量パーセントである。
【0045】
一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量パーセントは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、又は16.0重量パーセントを超える。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量パーセントは、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、又は16.0重量パーセント未満である。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量パーセントは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、又は16.0重量パーセントに等しい。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量パーセントは、約2.0~4.0又は約2.5~3.5重量パーセントである。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量パーセントは、約4.5重量パーセントを超える。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質溶液中の総酸化亜鉛等価重量パーセントは、約0.5~4.5重量パーセント、又は約0.5~3.0重量パーセント、又は約0.5~2.0重量パーセントである。
【0046】
一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質は、溶解酸化亜鉛当量で、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、55%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、又は125%を超えて飽和されている。一実施形態では、電気化学セルの全セル電解質は、溶解酸化亜鉛当量で40%を超えて飽和されている。
【0047】
一実施形態では、固体酸化亜鉛粒子又は固体水酸化亜鉛粒子は、置換固体酸化亜鉛又は置換固体水酸化亜鉛であり、カチオン置換基又はアニオン置換基を含み、置換固体酸化亜鉛又は置換固体水酸化亜鉛は、非置換固体酸化亜鉛又は置換固体水酸化亜鉛よりも可溶性が低い。
【0048】
一実施形態では、置換固体酸化亜鉛は、式Zn1-xxOを有し、式中、Yは、少なくとも1つのカチオン置換基であり、0<x≦0.50である。
【0049】
一実施形態では、置換固体水酸化亜鉛は、式Zn1-xx(OH)2を有し、式中、Yは、少なくとも1つのカチオン置換基であり、0<x≦0.50である。
【0050】
一実施形態では、置換固体酸化亜鉛は、式ZnO1-w(2w/z)を有し、式中、Aは、少なくとも1つのアニオン置換基であり、0<w≦0.50であり、zは、アニオン置換基の電荷である。
【0051】
一実施形態では、置換固体水酸化亜鉛は、式Zn(OH)2-w(w/z)を有し、式中、Aは、少なくとも1つのアニオン置換基であり、0<w≦0.50であり、zは、アニオン置換基の電荷である。
【0052】
一実施形態では、置換固体酸化亜鉛は、式Zn1-xx1-w(OH)2wを有し、式中、Yは、少なくとも1つのカチオン置換基であり、0<x≦0.50、及び0<w≦0.50である。
【0053】
一実施形態では、置換固体酸化亜鉛は、カチオン置換及びアニオン置換混合酸化水酸化物である。更なる実施形態では、カチオン置換及びアニオン置換混合酸化水酸化物は、式Zn1-xx1-w-t(OH)2w(2t/z)を有し、式中、Yは、少なくとも1つのカチオン置換基であり、0<x≦0.50であり、Aは、少なくとも1つのアニオン置換基であり、0<w≦0.50、0<t≦0.50であり、zは、アニオン置換基の電荷である。
【0054】
一実施形態では、カチオン置換基は、Ca、Bi、Ba、Al、Mg、Si、Be、及びSr、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0055】
一実施形態では、アニオン置換基は、S2-、CO3 2-、及びPO4 3-、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、アニオン置換基は、S2-、CO3 2-、及びPO4 3-、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0056】
一実施形態では、アノードは、固体酸化亜鉛等価粒子を、アノードの総体積に基づいて、約5体積パーセント未満の量で含む。一実施形態では、アノードは、アノードの総体積に基づいて、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0体積パーセントを超える量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。一実施形態では、アノードは、アノードの総体積に基づいて、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0体積パーセント未満の量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。一実施形態では、アノードは、アノードの総体積に基づいて、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0体積パーセントに等しい量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。一実施形態では、アノードは、固体酸化亜鉛等価粒子を、アノードの総体積に基づいて、約0.2~5体積パーセントの量で含む。一実施形態では、アノードは、固体酸化亜鉛等価粒子を、アノードの総体積に基づいて、約0.1~1.5体積パーセントの量で含む。一実施形態では、アノードは、固体酸化亜鉛等価粒子を、アノードの総体積に基づいて、約0.66体積パーセントの量で含む。
【0057】
一実施形態では、アノードは、アノードの総重量に基づいて、約0.1、0.2、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、又は4.0重量パーセントの量のシリコンドナーを含む。一実施形態では、アノードは、アノードの総重量に基づいて、0.1~4.0、0.5~3.5、1.0~3.0、1.4~2.6、又は1.8~2.2重量パーセントの量のシリコンドナーを含む。一実施形態では、アノードは、アノードの総重量に基づいて、約0.1~4重量パーセントの量のケイ酸ナトリウムを含む。
【0058】
一実施形態では、アノード液は、約0.1、0.2、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、又は4.0重量パーセントの量のシリコンドナーを含む。一実施形態では、アノード液は、アノード液の総重量に基づいて、0.1~4.0、0.5~3.5、1.0~3.0、1.4~2.6、又は1.8~2.2重量パーセントの量のシリコンドナーを含む。一実施形態では、アノード液は、アノード液の総重量に基づいて、約0.1~4重量パーセントの量のケイ酸ナトリウムを含む。
【0059】
一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、約1.0~12.5%の総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、0.1重量パーセントを超える総酸化亜鉛重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0重量パーセントを超える総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0重量パーセント未満の総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0重量パーセントに等しい総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、約3.0~8.8%の総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、約0.5~3.0%、1.0~5.0%、約3.0~4.0%、約4.0~5.0%、約5.0~6.0%、約6.0~7.0%、約7.0~8.0%、又は約8.0~9.0%の総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、約3.0%を超える総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、10.0%、10.5%、11.0%、11.5%、若しくは12.0%を超えるか、これら未満か、又は約3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、10.0%、10.5%、11.0%、11.5%、若しくは12.0%に等しい総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、約4.75%の総酸化亜鉛等価重量パーセントを含む。
【0060】
一実施形態では、アノードは、約1.0~50.0重量%の電解質濃度パーセントを含む。一実施形態では、アノードは、約20.0~36.0重量%の電解質濃度パーセントを含む。一実施形態では、アノードは、約14.0~28.0重量%の電解質濃度パーセントを含む。一実施形態では、アノードは、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、若しくは36重量%未満か、これらを超えるか、又は約16、17、18、19、20、21、22、23、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、若しくは36重量%の電解質濃度を含む。
【0061】
一実施形態では、全セル電解質濃度は、重量で、約1.0~50.0%である。一実施形態では、全セル電解質濃度は、重量で、約15.0~40.0%である。一実施形態では、全セル電解質濃度は、10~32%である。一実施形態では、全セル電解質濃度は、30.0%未満である。一実施形態では、全セル電解質濃度は、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、若しくは36重量%未満か、これらを超えるか、又は約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、若しくは36重量%である。
【0062】
一実施形態では、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度は、少なくとも約5%~少なくとも約400%である。一実施形態では、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%、310%、320%、330%、340%、350%、360%、370%、380%、390%、又は400%である。一実施形態では、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度は、少なくとも約40%である。一実施形態では、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度は、少なくとも約40~125%である。一実施形態では、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度は、約40~125%である。一実施形態では、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の総セル飽和度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、又は125%である。
【0063】
一実施形態では、電気化学セルは、一次セルである。代替の実施形態では、電気化学セルは、二次セルである。
【0064】
一実施形態では、電解質溶液は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO42)、塩化マグネシウム(MgCl2)、又は臭化マグネシウム(MgBr2)を含む。
【0065】
一実施形態では、アルカリ電気化学セルは、電解質溶液又はアノード中に溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を欠く同様のアルカリ電気化学セルの具体的な容量又は稼働時間を超える具体的な容量又は稼働時間を有する。更なる実施形態では、比容量又は稼働時間は、1%超~200%超、又は1%超~150%超、又は1%超~100%超、又は5%超~90%超、又は10%超~80%超、又は15%超~70%超、又は20%超~60%超、又は25%超~50%超、又は30%超~40%超である。
【0066】
一実施形態では、セルは、0.1V~2.0V、0.2V~1.9V、0.3V~1.8V、0.4V~1.7V、0.5V~1.6V、0.6V~1.5V、0.7V~1.4V、0.8V~1.3V、0.9V~1.2V、1.0V~1.1V、又は0.1V、0.2V、0.3V、0.4V、0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、又は2.0Vの電圧を有する。
【0067】
一実施形態では、アノード中のケイ酸ナトリウムの絶対重量は、LR6セル内で0.005~0.03グラムである。
【0068】
一実施形態では、シリカをセルに添加して、溶液中のケイ酸アニオンの供給源を提供する。これは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、又は固体二酸化ケイ素シリカ添加剤を有する溶液に由来し得る。
【0069】
一実施形態では、二酸化ケイ素は、カソードに添加される。
【0070】
一実施形態では、シリコンドナーは、アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の少なくとも0.036重量パーセントの量で存在する。一実施形態では、シリコンドナーは、アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の少なくとも1.25重量パーセントの量で存在する。一実施形態では、シリコンドナーは、アルカリ電気化学セルの全セル電解質溶液の0.036、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、又は1.25重量パーセントを超えるか、これらの値未満か、若しくはこれらの値に等しい量で存在するか、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲で存在する。
【0071】
一実施形態では、溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の全セルモル濃度は、約0.1~約1.5である。一実施形態では、溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛の全セルモル濃度は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、若しくは1.5を超えるか、これら未満か、又は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、若しくは1.5であるか、あるいはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0072】
一実施形態では、総セル酸化亜鉛等価重量は、約0.05~約0.7gである。一実施形態では、総セル酸化亜鉛等価重量は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、若しくは0.7を超えるか、これら未満か、又は約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、若しくは0.7であるか、あるいはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0073】
一実施形態では、セル内のZn2+モルの総数は、約0.00061~約0.00860である。一実施形態では、セル内のZn2+モルの総数は、0.00061、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、若しくは0.00860を超えるか、これら未満か、又は約0.00061、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、若しくは0.00860であるか、あるいはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0074】
セルの充電容量を特徴付ける1つの方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,780,994号で考察されるように、所与の電流において、変曲点までの充電容量を測定することである。具体的には、バッテリが一定の電流を使用して充電されているとき、電圧対タイムチャートを使用してバッテリの充電状態を監視することができる。電圧は、一定の速度で上昇し、その後徐々に速い速度で上昇するが、バッテリが完全充電に達すると、速度が遅くなり、電圧対タイムチャートの変曲点(すなわち、一次導関数(dV/dt)のピーク)が形成される。代替的に、充電容量は、具体的な電圧カットオフまで測定され得る。この充電容量は、セル内のZnOの量を判定する間接的な方法として使用され得、電圧は、ZnOがZnにメッキされると、徐々に上昇し、利用可能なZnOが消費されると、急激に上昇する。
【0075】
一実施形態では、セルを21℃において0.5mAで充電するとき、セルは、少なくとも25mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において0.5mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において0.5mAで充電するとき、セルは、25~500mAhの変曲までの充電容量を有する。
【0076】
一実施形態では、セルを21℃において1mAで充電するとき、セルは、少なくとも22mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において1mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において1mAで充電するとき、セルは、22~500mAhの変曲までの充電容量を有する。
【0077】
一実施形態では、セルを21℃において5mAで充電するとき、セルは、少なくとも17mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において5mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において5mAで充電するとき、セルは、17~500mAhの変曲までの充電容量を有する。
【0078】
一実施形態では、セルを21℃において10mAで充電するとき、セルは、少なくとも14mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において10mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において10mAで充電するとき、セルは、14~500mAhの変曲までの充電容量を有する。
【0079】
一実施形態では、セルを21℃において50mAで充電するとき、セルは、少なくとも13mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において50mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において50mAで充電するとき、セルは、13~500mAhの変曲までの充電容量を有する。
【0080】
一実施形態では、セルを21℃において100mAで充電するとき、セルは、少なくとも12mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において100mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの変曲までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において100mAで充電するとき、セルは、12~500mAhの変曲までの充電容量を有する。
【0081】
一実施形態では、セルを21℃において0.5mAで充電するとき、セルは、少なくとも25mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において0.5mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において0.5mAで充電するとき、セルは、25~500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。
【0082】
一実施形態では、セルを21℃において1mAで充電するとき、セルは、少なくとも22mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において1mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において1mAで充電するとき、セルは、22~500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。
【0083】
一実施形態では、セルを21℃において5mAで充電するとき、セルは、少なくとも17mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において5mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において5mAで充電するとき、セルは、17~500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。
【0084】
一実施形態では、セルを21℃において10mAで充電するとき、セルは、少なくとも14mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において10mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において10mAで充電するとき、セルは、14~500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。
【0085】
一実施形態では、セルを21℃において50mAで充電するとき、セルは、少なくとも13mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において50mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において50mAで充電するとき、セルは、13~500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。
【0086】
一実施形態では、セルを21℃において100mAで充電するとき、セルは、少なくとも12mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。一実施形態では、セルを21℃において100mAで充電するとき、セルは、少なくとも500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。実施形態では、セルを21℃において100mAで充電するとき、セルは、12~500mAhの1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、及び2.2Vからなる群から選択される電圧までの充電容量を有する。
【0087】
実施形態は、図1を参照することによってより良好に理解されるであろう。図1は、隆起断面の円筒形セル1を示し、セルは、実施形態に特に適した従来のLR6(AA)サイズのアルカリセルに匹敵する釘型又はボビン型の構造及び寸法を有する。しかしながら、実施形態によるセルは、当該技術分野で既知であるように、プリズム型又はボタン型の形状などの他のサイズ及び形状、並びに電極構成を有することができることを理解されたい。図1に示す電気化学セルの構成要素のための材料及び設計は、説明の目的のためのものであり、他の材料及び設計が代用され得る。更に、ある特定の実施形態では、カソード材料及びアノード材料は、セパレータ及び/又は集電体の表面上にコーティングされ、「ジェリーロール」構成を形成するように圧延され得る。
【0088】
図1では、電気化学セル1が示されており、電気化学セル1の間に閉じた下端24、上端22、及び側壁26を有する容器又は缶10を含む。閉じた下端24は、突起を含む端子カバー20を含む。缶10は、内壁16を有する。実施形態では、正端子カバー20は、溶接されるか、又は別様に下端24に取り付けられる。一実施形態では、端子カバー20は、例えば、その中心領域に突出した突起を有するメッキ鋼で形成され得る。容器10は、好ましくは、その内部にニッケル、コバルト、及び/若しくは他の金属若しくは合金、又は他の材料でメッキされた、鋼などの金属で形成することができ、電気化学セル内の様々な入力と互換性のある十分な構造特性を有する。ラベル28は、容器10の外面の周りに形成することができ、負端子カバー46が容器10及び正端子20から電気的に絶縁されている限り、正端子カバー20及び負端子カバー46の周縁上に形成することができる。
【0089】
容器10内には、第1の電極18及び第2の電極12が配置され、それらの間にセパレータ14が配置されている。第1の電極18は、セパレータ14、及び容器10の開口端22に固定された閉鎖アセンブリ40によって画定された空間内に配置されている。閉じた端部24、側壁26、及び閉鎖アセンブリ40は、セルの電極が収容される空洞を画定する。
【0090】
閉鎖アセンブリ40は、ガスケットなどの閉鎖部材42、集電体44、及び集電体44と電気的に接触する導電端子46を含む。閉鎖部材42は、好ましくは、セルの内部圧力が過剰になった場合に閉鎖部材が破裂することを可能にする圧力解放ベントを含む。閉鎖部材42は、ポリマー材料若しくはエラストマー材料、例えば、ナイロン6,6若しくはナイロン6,12、ポリ(フェニレンオキシド)若しくはポリスチレンと組み合わせたポリプロピレンマトリックスなどの射出成形可能なポリマーブレンド、又は金属などの別の材料から形成することができるが、ただし、集電体44及び導電端子46は、第2の電極12の集電体として機能する容器10から電気的に絶縁されている。図示の実施形態では、集電体44は、細長い釘状又はボビン形状の構成要素である。集電体44は、銅又は真鍮などの金属又は金属合金、導電メッキされた金属又はプラスチック集電体などで作製される。他の好適な材料を利用することができる。集電体44は、閉鎖部材42内の好ましくは中央に位置する穴を通して挿入される。
【0091】
第1の電極18は、好ましくは、負極又はアノードである。負極は、亜鉛(活性材料として)、導電性材料、固体酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛粒子、又は溶解酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛、及び界面活性剤の混合物を含む。負極は、任意選択的に、他の添加剤、例えば、結合剤又はゲル化剤などを含むことができる。好ましくは、負極において利用される活性材料の体積は、所望の粒子間接触及び所望のアノードとカソード(A:C)との比率を維持するのに十分である。
【0092】
粒子間接触は、バッテリの耐用年数中に維持されるべきである。負極内の活性材料の体積が低すぎる場合、セルの電圧は、セルがデバイスに電力を供給しているときに、突然許容できないほど低い値まで低下することがある。電圧降下は、負極の導電性マトリックスの連続性の損失によって引き起こされると考えられている。導電性マトリックスは、未放電の活性材料粒子、導電性電気化学的に形成された酸化物、又はそれらの組み合わせから形成することができる。電圧降下は、酸化物が形成され始めた後でも、存在する全ての活性材料粒子の間にブリッジするのに十分なネットワークが構築される前に発生する可能性がある。
【0093】
実施形態における使用に好適な亜鉛は、BIA100、BIA115などの様々な名称で、いくつかの異なる商業的供給源から購入され得る。ベルギーのブリュッセルにあるUmicore S.A.は、亜鉛サプライヤーの一例である。好ましい実施形態では、亜鉛粉末は、一般に、75ミクロン未満の25~40パーセントの微粒子、好ましくは、75ミクロン未満の28~38パーセントの微粒子を有する。一般に、微粒子の割合が低いと、所望のDSCサービスを実現することができず、高い割合の微粒子を利用することは、ガス発生の増加につながる可能性がある。セル内の負極のガス発生を低減し、試験サービスの結果を維持するためには、正しい亜鉛合金が必要である。
【0094】
一実施形態では、固体酸化亜鉛は、これらに限定されるものではないが、硫酸マグネシウム(MgSO4)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、及び炭酸ナトリウム(Na2CO3)などの、0.1重量パーセントを超えるマグネシウム化合物及び/又はナトリウム化合物を含有する、1グラム当たり4平方メートルを超えるブルナウアー、エメット、及びテラー(BET)表面積を有するタイプの酸化亜鉛材料である。固体酸化亜鉛粒子中のマグネシウム及び/又はナトリウム化合物は、アノード全体で均一な放電を可能にし、これは、アノード/セパレータの境界面に形成された濃縮ZnO結晶によって引き起こされる内部セル短絡を軽減するのに役立つ。一実施形態では、BET表面積は、1グラム当たり20平方メートルを超える。一実施形態では、BET表面積は、1グラム当たり4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20メートルを超える。
【0095】
負極には、非イオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤、又はそれらの組み合わせのいずれかである界面活性剤が存在する。一実施形態では、界面活性剤は、リン酸エステル界面活性剤である。アノード抵抗は、固体酸化亜鉛粒子のみを添加することによって放電中に増加するが、界面活性剤の添加によって軽減されることが見出されている。界面活性剤の添加は、上記のように、固体酸化亜鉛粒子の表面電荷密度を増加させ、アノード抵抗を低下させる。界面活性剤の使用は、界面活性剤が固体酸化亜鉛粒子に吸着するときに、より多孔質の放電生成物を形成するのを助けると考えられている。界面活性剤がアニオン性であるときには、負電荷を運び、アルカリ溶液中で、固体酸化亜鉛粒子の表面に吸着された界面活性剤は、固体酸化亜鉛粒子表面又は水酸化亜鉛粒子表面の表面電荷密度を変化させると考えられている。吸着された界面活性剤は、固体酸化亜鉛粒子又は水酸化亜鉛粒子間の反発性静電相互作用を引き起こすと考えられている。界面活性剤は、固体酸化亜鉛粒子上に吸着された界面活性剤が、固体酸化亜鉛粒子表面又は水酸化亜鉛粒子表面の表面電荷密度の向上をもたらすため、固体酸化亜鉛粒子又は水酸化亜鉛粒子の添加によって引き起こされるアノード抵抗の増加を低減すると考えられている。固体酸化亜鉛のBET表面積が高いほど、より多くの界面活性剤が固体酸化亜鉛粒子の表面に吸着することができる。一実施形態では、界面活性剤濃度は、電極活性材料に対して、重量で約5~50ppmである。一実施形態では、界面活性剤濃度は、約10~20ppmである。
【0096】
一実施形態では、負極は、負極の総重量に基づいて、約0.1~12重量パーセントの量の固体酸化亜鉛又は等価粒子を含む。一実施形態では、負極は、約1~7重量パーセントの量の固体酸化亜鉛又は等価粒子を含む。一実施形態では、負極は、約0.5~1.5重量パーセントの量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。より好ましい実施形態では、負極は、約1.2重量パーセントの量の固体酸化亜鉛又は等価粒子を含む。
【0097】
一実施形態では、セルは、全セル重量の約0.05重量パーセント~約5重量パーセントの量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。一実施形態では、セルは、全セル重量の約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。一実施形態では、セルは、全セル重量の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0重量パーセントの量の固体酸化亜鉛等価粒子を含む。
【0098】
一実施形態では、固体酸化亜鉛は、その可溶性を低減するように置換される。一実施形態では、固体酸化亜鉛中の亜鉛の一部分は、別のカチオンで置換される。一実施形態では、置換固体酸化亜鉛は、式Zn1-xxOを有し、式中、Yは、少なくとも1つのカチオン置換基であり、0<x≦0.50である。一実施形態では、カチオン置換基は、Ca、Bi、Ba、Al、Mg、Si、Be、及びSr、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、xは、0.01~0.40、又は0.02~0.35、又は0.4~0.30、又は0.05~0.25、又は0.10~0.20である。一実施形態では、xは、≧0.01、≧0.02、≧0.04、≧0.06、≧0.08、≧0.10、≧0.12、≧0.14、≧0.16、≧0.18、≧0.20、≧0.25、≧0.30、≧0.35、又は≧0.40である。
【0099】
一実施形態では、固体酸化亜鉛中の酸素の一部分は、別のアニオンで置換される。一実施形態では、置換固体酸化亜鉛は、式ZnO1-w(2w/z)を有し、式中、Aは、少なくとも1つのアニオン置換基であり、0<w≦0.50であり、zは、アニオン置換基の電荷である。一実施形態では、アニオン置換基は、S2-、CO3 2-、及びPO4 3-、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、wは、0.01~0.40、又は0.02~0.35、又は0.4~0.30、又は0.05~0.25、又は0.10~0.20である。一実施形態では、wは、≧0.01、≧0.02、≧0.04、≧0.06、≧0.08、≧0.10、≧0.12、≧0.14、≧0.16、≧0.18、≧0.20、≧0.25、≧0.30、≧0.35、又は≧0.40である。一実施形態では、固体酸化亜鉛は、カチオン置換基及びアニオン置換基を含む。
【0100】
水性アルカリ電解質溶液(又は単に「水性電解質溶液」)は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ金属水酸化物、又はそれらの混合物を含む。水酸化カリウムが好ましい。負極のゲル化された電解質を形成するために使用されるアルカリ電解質は、アルカリ金属水酸化物を、アルカリ電解質溶液の総重量に基づいて、約1~約50重量パーセント、例えば、約16~約36重量パーセント、又は約16~約28重量パーセント、具体的には約18~約22重量パーセント、又は約20重量パーセントの量で含有する。一実施形態では、当該アルカリ金属水酸化物は、16~36重量パーセントの量で存在する。一実施形態では、当該アルカリ金属水酸化物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50重量パーセント以上の量で存在する。一実施形態では、当該アルカリ金属水酸化物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50重量パーセント以下の量で存在する。一実施形態では、当該アルカリ金属水酸化物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50重量パーセントに等しい量で存在する。
【0101】
ゲル化剤は、好ましくは、米国オハイオ州クリーブランドのNoveon,Inc.から入手可能なCarbopol(登録商標)940などの架橋ポリアクリル酸など、当該技術分野において周知であるように、負極に利用される。カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、及びポリアクリル酸ナトリウムは、アルカリ電解質溶液における使用に好適である他のゲル化剤の例である。負極内の亜鉛及び固体酸化亜鉛粒子の実質的に均一な分散を維持するために、ゲル化剤が望ましい。存在するゲル化剤の量は、より低い電解質分離速度が得られ、アノード分注に問題を引き起こす可能性がある降伏応力におけるアノード粘度が高くなりすぎないように選択される。
【0102】
溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛は、ボビン又は釘集電体上のメッキを改善し、負極棚部のガス発生を低下させるために、好ましくは水性電解質溶液における溶解を介して、アノード中に存在する。添加される溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛は、アノード組成物中に存在する固体酸化亜鉛又は水酸化亜鉛粒子とは別個であり、異なる。負極電解質溶液の総重量に基づく3~4重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛又は当量のレベルは、一実施形態において好ましい。
【0103】
一実施形態では、溶解酸化亜鉛当量は、負極電解質溶液中に0.1重量パーセントを超える量で存在する。一実施形態では、溶解酸化亜鉛当量は、負極電解質溶液中に0.1超~14重量パーセント超の量で存在する。可溶性酸化亜鉛又は溶解酸化亜鉛は、一般に、酸化亜鉛が150℃で1時間脱気された後、多点較正を有するMicrometrics社のTristar 3000 BET比表面積分析器を利用して測定された約4m2/g以下のBET比表面積、及び上記のようにCILAS粒径分析器を使用して測定された約1ミクロンの粒径D50(平均直径)を有する。
【0104】
負極は、当該技術分野で既知であるように、いくつかの異なる方法で形成することができる。例えば、負極成分は、乾式ブレンドし、セルに添加することができ、アルカリ電解質が別々に添加されるか、又は好ましい実施形態のように、事前ゲル化された負極プロセスが利用される。
【0105】
一実施形態では、亜鉛及び固体酸化亜鉛又は水酸化亜鉛は粉末であり、ゲル化剤以外の他の任意選択的な粉末を組み合わせ、混合する。その後、界面活性剤を、亜鉛及び固体酸化亜鉛粒子又は水酸化亜鉛粒子を含有する混合物に導入する。アルカリ電解質溶液、可溶性酸化亜鉛又は水酸化亜鉛、及びゲル化剤、並びに任意選択的に、他の液体成分を含むプレゲルを、界面活性剤、亜鉛及び固体酸化亜鉛又は水酸化亜鉛混合物に導入し、これらを更に混合して、セルに添加する前に実質的に均質な混合物を得る。代替的に、更なる好ましい実施形態では、固体酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を、アルカリ電解質、ゲル化剤、可溶性酸化亜鉛、及び他の所望の液体を含む負極プレゲル中に事前分散させ、約15分間などブレンドする。次いで、固体酸化亜鉛粒子又は水酸化亜鉛粒子及び界面活性剤を添加し、負極を約20分などの追加の期間ブレンドする。負極で利用されるゲル化された電解質の量は、一般に、負極の総重量に基づいて、約22~約47重量パーセント、例えば、約25~約35重量パーセント、又は約32重量パーセントである。ゲル化された電解質の体積パーセントは、負極の総体積に基づいて、約63~約80パーセント、例えば、約70%であり得る。
【0106】
一実施形態では、シリコンドナーと溶解酸化亜鉛又はその当量との重量比は、0.033~152.2である。一実施形態では、シリコンドナーと溶解酸化亜鉛との重量比は、0.05~150、又は0.1~130、又は0.3~110、又は0.5~100、又は0.7~90、又は1~80、又は1.5~70、又は2~60、又は3~50、又は4~40、又は5~30、又は6~20である。一実施形態では、シリコンドナーと溶解酸化亜鉛当量との重量比は、0.033、0.05、0.1、0.2、0.5、1、1.5、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、若しくは152.2を超えるか、これら未満か、又は約0.033、0.05、0.1、0.2、0.5、1、1.5、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、若しくは152.2に等しい。一実施形態では、シリコンドナーと溶解酸化亜鉛当量との比率は、重量パーセントで、≧0.2、≧0.3、≧0.4、≧0.5、≧0.6、≧0.7、≧0.8、≧0.9、≧1.0、≧1.1、≧1.2、≧1.3、≧1.4、≧1.5、又は≧1.6である。この比率は、アノード、電解質ショット溶液、又は全セル内のシリコンドナー及び溶解酸化亜鉛当量を考慮し得る。
【0107】
一実施形態では、シリコンドナーと総酸化亜鉛当量との重量比は、0.012~5.7である。一実施形態では、シリコンドナーと総酸化亜鉛当量との重量比は、0.02~5.5、又は0.05~5、又は0.1~4.5、又は0.5~4、又は1.0~3.5である。一実施形態では、シリコンドナーと総酸化亜鉛当量との重量比は、0.012、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、若しくは5.7を超えるか、これら未満か、又は約0.012、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、若しくは5.7に等しい。一実施形態では、シリコンドナーと総酸化亜鉛当量との重量比は、≧0.2、≧0.3、≧0.4、≧0.5、≧0.6、≧0.7、≧0.8、≧0.9、≧1.0、≧1.1、≧1.2、≧1.3、≧1.4、≧1.5、又は≧1.6である。この比率は、アノード、電解質ショット溶液、又は全セル内のシリコンドナー及び溶解酸化亜鉛当量を考慮し得る。
【0108】
一実施形態では、セル内のシリカ(SiO2)の絶対重量は、LR6バッテリ内では0.002グラムよりも大きい。一実施形態では、セル内のシリコンドナーの絶対重量は、0.002グラムよりも大きい。一実施形態では、セル内のシリコンドナーの絶対重量は、0.002~1.0グラムである。一実施形態では、セル内のシリコンドナーの絶対重量は、0.002、0.004、0.006、0.008、0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、若しくは1.0グラムを超えるか、これら未満か、又は約0.002、0.004、0.006、0.008、0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、若しくは1.0グラムに等しいか、あるいはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0109】
負極製造プロセス中にゲル化剤によって吸収された水性アルカリ電解質に加えて、アルカリ金属水酸化物の水溶液の追加の量が、製造プロセス中にセルに添加される。電解質ショットは、正極若しくは負極、又はそれらの組み合わせによって画定される空洞に配置することによって、セル内に組み込まれ得る。電解質ショットをセルに組み込むために使用される方法は、負極、正極、及びセパレータにアクセスできる場合には重要ではない。一実施形態では、電解質ショットは、負極混合物の添加前及び添加後の両方に添加される。一実施形態では、約0.97グラムの1~50重量パーセントの水酸化カリウム溶液を、電解質ショットとしてLR6型セルに添加する。一実施形態では、約0.97グラムの34重量パーセントの水酸化カリウム溶液を、電解質ショットとしてLR6型セルに添加し、負極が挿入される前に、約0.87グラムをセパレータが並んだ空洞に添加する。34重量パーセントの水酸化カリウム溶液の残りの部分は、負極が挿入された後、セパレータが並んだ空洞に注入される。一実施形態では、この電解質ショット溶液は、約0.01~12.0重量パーセントの範囲の溶解酸化亜鉛当量を含む。別の実施形態では、電解質ショット溶液は、少なくとも約0.1~少なくとも約14.0重量パーセントの範囲の溶解酸化亜鉛当量を含む。好ましい実施形態では、電解質ショットは、約4.0~6.0重量パーセントの量の溶解酸化亜鉛当量を含む。実施形態では、電解質ショットは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0、13.0、若しくは14.0重量パーセントを超えるか、これら未満か、又は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0、13.0、若しくは14.0重量パーセントに等しい量の、あるいはこれらの値のうちの2つの間の任意の範囲の溶解酸化亜鉛当量を含む。
【0110】
実施形態では、電解質ショットは、溶解酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛で、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%を超えた割合で、又は約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%に等しい割合で飽和され得るか、あるいは溶解酸化亜鉛若しくは水酸化亜鉛で、100%よりも大きい割合で飽和され得る。
【0111】
本明細書では、正極又はカソードとも呼ばれる第2の電極12は、電気化学的活性材料を含む。電解二酸化マンガン(EMD)は、一般的に使用される電気化学的活性材料であり、正極、すなわち、EMD、導電性材料、正極電解質、及び存在した場合有機添加剤を含む添加剤の総重量に基づいて、一般に約80~約92重量パーセント、好ましくは約86~92重量パーセントの量で存在する。正極は、電極の所望の成分を組み合わせ、混合した後、一定量の混合物を容器の開口端に分注し、次にラムを使用して混合物を固体管状構成に成形することによって形成され、この固体管状構成は、セパレータ14及び第1の電極18が後で配置される容器内の空洞を画定する。第2の電極12は、図1に示すように、レッジ30及び内面32を有する。代替的に、正極は、EMD、及び任意選択的に添加剤を含む混合物から複数のリングを事前形成し、次にリングを容器に挿入して管状の第2の電極を形成することによって形成され得る。図1に示すセルは、典型的には、3つ又は4つのリングを含む。
【0112】
正極は、導電性材料、例えば、グラファイトなどの他の構成要素を含むことができ、EMDと混合されたときに、正極全体にわたって実質的に導電性マトリックスを提供する。導電性材料は、天然、すなわち、採掘された、又は合成された、すなわち、製造されたものであり得る。一実施形態では、セルは、約12~約22の範囲の活性材料又は酸化物と炭素との比率(O:C比)を有する正極を含む。酸化物と炭素との比率が高すぎると、容器とカソードとの抵抗が増加し、これは全体のセル抵抗に影響を与え、DSC試験などの高レート試験、又はより高いカットオフ電圧に潜在的な影響を及ぼす可能性がある。更に、グラファイトは、膨張させることも、膨張させないこともできる。アルカリバッテリに使用するためのグラファイトのサプライヤーには、オハイオ州ウェストレイクのTimcal America社、イリノイ州シカゴのSuperior Graphite Company、及びスイスのバーゼルのLonza, Ltd.が含まれる。導電性材料は、一般に、正極の総重量に基づいて、約5~約10重量パーセントの量で存在する。グラファイトが多すぎると、EMD入力、及び、ひいては、セル容量を低減させる可能性があり、グラファイトが少なすぎると、容器からカソードへの接触抵抗及び/又はバルクカソード抵抗を増加させる可能性がある。追加の添加剤の一例は、Bario E. Derivati S.p.A. of Massa, Italyから市販されている硫酸バリウム(BaSO4)である。硫酸バリウムは、正極の総重量に基づいて、一般に約0.5~約2重量パーセントの量で存在する。他の添加剤は、例えば、酢酸バリウム、二酸化チタン、コアチレンなどの結合剤、及びステアリン酸カルシウムを含むことができる。
【0113】
一実施形態では、正極成分(EMDなど)、導電性材料、及び硫酸バリウム、並びに任意選択的に添加剤を一緒に混合して、均質な混合物を形成する。混合プロセス中に、約1%~約50%のKOH溶液、任意選択的に約37%~約40%のKOH溶液など、及び任意選択的に有機添加剤を含むアルカリ電解質溶液を混合物に均一に分散させ、それによって、正極材料全体にわたる溶液の均一な分布を保証する。一実施形態では、カソードを形成するために使用されるアルカリ電解質溶液は、溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で飽和されること、又は溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛で過飽和(>100%飽和)されることを含む任意の最大量で、溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を含む。次いで、混合物を容器に添加し、ラムを利用して成形する。成形前後の容器及び正極混合物内の水分、並びに混合物の成分は、好ましくは、高品質の正極が成形されることを可能にするように最適化される。混合物の水分の最適化により、湿式混合に起因するスプラッシュ及びフラッシュを最小限に抑え、乾式混合に起因する剥離及び過度の工具磨耗を最小限に抑えて正極を成形することができ、最適化により所望の高いカソード重量を達成することができる。正極混合物中の水分含量は、セル電解質バランス全体に影響を与える可能性があり、高レート試験に影響を及ぼす。
【0114】
セル設計者が利用するパラメータのうちの1つは、セル設計を、アノード(A)とカソード(C)との比率、すなわち、A:C比などの、対向する電極の電気化学容量に対する1つの電極の電気化学容量の比率として特徴付ける。負極又はアノードに亜鉛、正極又はカソードに二酸化マンガン(MnO2)を利用するLR6型アルカリ一次セルの場合、A:C比は、1.34:1を超える、具体的には、インパクト成形された正極の場合は1.36:1を超えるなど、1.32:1を超え得る。リング成形された正極のA:C比は、約1.3:1~約1.1:1など、より低くすることができる。
【0115】
セパレータ14は、第1の電極18を第2の電極12から分離するために設けられている。セパレータ14は、負極の電気化学的活性材料から正極の電気化学的活性材料の物理的な誘電体分離を維持し、電極材料間のイオンの移送を可能にする。加えて、セパレータは、電解質のウィッキング媒体として、及び負極の断片化した部分が正極の上部に接触するのを防止するカラーとして機能する。セパレータ14は、層状のイオン透過性不織布繊維織物であり得る。セパレータは、1つの層、又は2つ以上の層を有し得る。従来のセパレータは、通常、セパレータ材料をカップ状のバスケットに事前形成しておき、その後、第2の電極12及び閉じた端部24及びその上の任意の正極材料によって画定される空洞の下に挿入することによって形成される。従来の事前形成されたセパレータは、典型的には、第2の電極の内壁に適合し、閉じた下端を有する円筒形状に圧延された不織布のシートで構成されている。2つ以上の層のセパレータは、2つの長方形のセパレータシートを空洞に挿入することによって、セルアセンブリ中にバスケットを形成することによって形成され得、材料は、互いに対して90°角度を付けて回転している。
【0116】
一実施形態では、セパレータは、低多孔性セパレータ、又はセロファン層を有する積層セパレータである。一実施形態では、セパレータは、12ミクロン未満の平均孔径、及び30ミクロン未満の最大孔径を有する低多孔性セパレータである。
【0117】
一実施形態では、セパレータは、高密度層及び低密度層を有する二重層である。いくつかの実施形態では、高密度層の孔径は、1ミクロン以下であり得る。理論に拘束されることなく、高密度層内のこの孔径が、ZnO反応生成物沈殿物が電極の間に導電性ネットワークを形成するのを防止することによって、バッテリの短絡を低減すると考えられている。更に、低密度層は、デジタルスチルカメラ(DSC)試験によって測定されたものなど、高レート性能を改善するために、電解質の吸収を改善する。更に、これらの特性を有するセパレータを利用することにより、より薄いセパレータ厚さを使用しても短絡が減少する。セパレータ厚さのこの減少は、追加の活性材料及び/又はより多くの添加剤に使用することができるセル内の利用可能な体積を増加させる(例えば、セル内の他の材料の量を調整することなく、アノード内のシリコンドナーの量を増加させる)。
【0118】
一実施形態では、二重層セパレータは、約0.3~20ミクロンの平均直径を有する細孔を含む少なくとも1つの層を含む。一実施形態では、細孔は、約1~10ミクロン、又は約2~8ミクロン、又は約3~6ミクロン、又は約4~5ミクロン、又は約4.5ミクロンの平均直径を有する。一実施形態では、細孔は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20ミクロンを超えるか、これら未満か、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20ミクロンに等しい平均直径、あるいはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の平均直径を有する。一実施形態では、細孔は、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、又は1.5ミクロン以下の平均直径を有する。
【0119】
上記で引用した全ての参考文献、及び本明細書で引用した全ての参考文献は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0120】
実施形態を上記で詳細に図示し、説明してきたが、このような図示及び説明は、例示又は例示的であり、限定的ではないと見なされるものである。変更及び修正が、以下の特許請求の範囲の範囲及び趣旨内で当業者によって行われ得ることが理解されよう。特に、実施形態は、上記及び以下に説明される異なる実施形態からの特徴の任意の組み合わせを含む。
【0121】
実施形態は、実施形態及びその多くの利点のより良好な理解を提供する、以下の例示的で非限定的な例によって追加的に説明される。以下の実施例は、好ましい実施形態を実証するために含まれる。当業者であれば、以下の実施例に開示される技術が、実施形態の実践においてうまく機能するために実施形態で使用される技術を表し、したがって、その実践のための好ましいモードを構成すると見なすことができることを理解されたい。しかしながら、当業者であれば、本開示に照らして、開示される具体的な実施形態に多くの変更を加えることができ、実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、同様又は類似の結果を依然として得ることができることを理解されたい。
【0122】
考察及び実施例
亜鉛系バッテリの放電は、先で言及されるように、アノード内の亜鉛の酸化を伴い、酸化亜鉛の形成をもたらす。酸化亜鉛反応生成物は、不動態化層を形成し、これは、残りの亜鉛の効率的な放電を阻害する。溶解酸化亜鉛又は水酸化亜鉛(電解質ショット溶液及びアノードに含まれる溶液の両方)及び追加の固体酸化亜鉛粒子又は水酸化亜鉛粒子(アノード内)を用いて製造することにより、固体反応生成物を他の場所で形成することが促される。不動態化層がアノードをコーティングするのを防止することで、亜鉛のより良好な利用が可能になる。これにより、高レート試験、具体的にはデジタルスチルカメラ(DSC)ANSI標準試験の稼働時間が大幅に改善される。
【0123】
これらは、以前のバッテリモデルと比較すると性能の改善を示すが、アノード及び電解質ショット溶液の両方に亜鉛及び/又は酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を含有するバッテリは、放電中に内部短絡を示すことがある。この短絡は、電極間に導電性ネットワークブリッジを引き起こす酸化亜鉛反応生成物の結晶形成に関連していると考えられている。このようなセルにおける内部短絡は、カソード電極及びアノード電極に接触するセパレータを通る導電経路があるときに生じる。短絡は、バッテリを消耗させ、それによって、デバイスに電力を供給することを意図した利用可能な容量を減少させる。ケイ酸塩は、細長い結晶鎖の形成を阻害することによって、結晶性酸化亜鉛の形状を変化させるために機能する。バッテリ稼働時間は、シリコンドナーの添加量が増加するにつれて改善され、次に、結晶鎖が電極を形成及びブリッジしないため、ケイ酸塩の濃度が増加し、それによって短絡を減少させ、性能を増加させる。本明細書の実施形態のうちの多くは、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムに言及しているが、他の化合物が使用され得る。
【0124】
更に、二重層セパレータは、酸化亜鉛結晶のバリアを形成しながら、アノード間の電解質の流れを可能にする。理想的なセパレータは、電解質吸収を促すのに十分な多孔質である低密度層と、1~3ミクロンのサイズである酸化亜鉛結晶の移動を防止するのに十分小さい細孔を有する高密度層と、を有するセパレータである。本明細書の考察の大部分は、電極及び電解質溶液に添加されている酸化亜鉛について言及しているが、酸化亜鉛の代わりに、又はそれに加えて、亜鉛酸イオン源として機能する他の化合物が使用され得る。例えば、本明細書に説明される実施形態は、酸化亜鉛の代わりに、又はそれに加えて、電極及び/又は電解質溶液中に水酸化亜鉛(Zn(OH)2)を含有し得る。
【0125】
内部短絡の実証
図2は、セルに対する内部短絡の影響を示している。具体的には、図2は、同じ構造の2つのセルを比較する、時間プロットに対する電圧を示している。両方のセルを、21℃において50mAの電流で放電した。この放電は、8時間ごとに1時間実施した(8時間の期間中、電流は1時間オンであり、7時間オフであったことを意味する)。
【0126】
バッテリBの電圧は、内部短絡に起因して、バッテリAと比較して早期に低下する。内部短絡は、バッテリ性能を低下させ、性能がより変化しやすくなり、これも望ましくない。
【0127】
低ドレイン稼働時間に対するDSC稼働時間のトレードオフ
図3A及び図3Bは、異なるタイプの放電試験において、ZnOレベルの増加による性能向上のトレードオフを示している。具体的には、図3Aは、全セル電解質溶液ZnO重量パーセントと比較した、1.05Vのカットオフ電圧までの稼働時間(分単位で測定)におけるDSC(断続的、高レート放電)試験性能のプロットを示している。ZnO重量パーセントの増加とDSC性能の増加との間には、明確で直接的な相関がある。
一方、図3Bは、全セルにおけるZnO飽和度に対する、45℃で3ヶ月間エージングしたセルについての、(1.0Vの電圧カットオフまでの、分単位で測定した)定数50mAの稼働時間性能のプロットである。ここで、一定の低レート放電の場合、ZnO飽和度が増加すると性能が低下する。これは、より高いZnOレベルにおける内部短絡の増加に起因するものである。したがって、ZnOレベルの増加は、改善されたDSC性能を提供することができるが、内部短絡の増加にも相関するため、ZnOレベルの増加にトレードオフがある。
【0128】
ケイ酸塩を酸化亜鉛に変化させるためのセル稼働時間の比較
図4Aは、ケイ酸ナトリウムと溶解酸化亜鉛との重量比が増加した状態の稼働時間の変化を示すグラフである。この試験は、2つの異なる濃度の水酸化カリウム(KOH)(重量で30%のKOH及び32.2%のKOH)を使用して実施した。28.7重量パーセントの二酸化ケイ素を含むNグレードのケイ酸ナトリウム溶液をセルに添加した。従来のセルでは、0.4重量パーセントのNグレード溶液が添加される。この試験では、セルに添加されたNグレード溶液の重量パーセントを0.4から1.6に増加させた。
【0129】
この試験は、各セルを50mAのドレインレートで5分間放電し、続いて15分間休息することによって実施した。放電サイクルは、セルの閉回路電圧(CCV)が1.0ボルトのカットオフに達するまで継続する。この試験は、リモコン又はラジオなどの低ドレインレートのデバイスにおけるバッテリ使用を模している。この手順は、セルに短絡があったかどうかを判定するのに有効である。固体亜鉛及び溶解亜鉛並びに/又は酸化亜鉛の組み合わせを有する改善されたセルでは、セル内の溶解酸化亜鉛の量に対するセル内のケイ酸ナトリウムの量が、0.04の重量比から0.18の重量比に増加するにつれて、短絡が減少した。これらの改善は、複数の濃度の水酸化カリウムで観察された。これらの結果は、ケイ酸塩のレベルの上昇が、酸化亜鉛含有セルにおける短絡を阻害することを確認する。
【0130】
また、これらの結果は、KOHレベルのわずかな影響を示している。具体的には、KOHレベルが高いセルは、稼働時間の改善を示した。
【0131】
図4Bは、セルを60℃で1ヶ月間エージングした後の、セルの全セル電解質溶液のシリカ重量パーセントに対する稼働時間(1.0Vまでの時間)のプロットを示している。増加したシリカ重量パーセントと増加した稼働時間との間の明確な相関は明らかである。
【0132】
対照分離器と二重層型セパレータとの両方を用いた、様々な濃度のケイ酸ナトリウムのセル稼働時間の比較
図5Aは、セル稼働時間がケイ酸塩の増加によって増加する量が、異なるセパレータタイプを有するセルと異なることを示している。この試験では、セルを60℃の温度及び50%の相対湿度を有するオーブンに4週間保管した後、50mAのドレインレートで放電した。図5Aに示すように、より大きな孔径を有する対照セパレータ紙を利用するセルにおいて、アノード溶液中のケイ酸ナトリウムの総重量パーセントを約0.4重量パーセントから約1重量パーセントに増加させることにより、平均稼働時間がおよそ15時間改善され、シリコンドナーが添加されたときのセルの改善が更に実証された。
【0133】
アノード内のケイ酸ナトリウムレベルを増加させることは、アノードとカソードとの間の短絡経路を提供する酸化亜鉛樹状結晶の形成を抑制すると考えられている。対照的に、1つの高密度層及び1つの低密度層を有する二重層セパレータを利用するセルの場合、内部セル短絡は、ケイ酸ナトリウムレベルの0.4重量パーセント及び1.0重量パーセントの両方で排除された。セル稼働時間は、アノード内のケイ酸ナトリウムレベルとは無関係であり、短絡保護に対する二重層型セパレータの堅牢性を示している。図5Bは、同じ稼働時間データを示しているが、全セル電解質溶液のシリカ重量パーセントと比較して、増加したシリカ及び二重層セパレータからの同じ改善は両方とも明らかである。
【0134】
これらの結果は、二重層セパレータが従来の発明に対する改善であり、短絡を減少させるか、又は排除するために機能することを裏付けている。これは、高密度層における孔径の低減が、酸化亜鉛がセパレータを通ってブリッジを形成することを阻害する一方で、低密度層が電解質吸収の改善を可能にするためであると考えられている。
【0135】
前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利点を有するこれらの実施形態に関連する当業者であれば、多くの変更及び他の実施形態が着想されるであろう。したがって、これらの実施形態は、開示される具体的な実施形態に限定されず、変更及び他の実施形態は、本明細書に開示される添付の特許請求の範囲及び実施形態のリストの範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では具体的な用語が使用されているが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。本出願に説明される実施形態について、本明細書に開示される各実施形態は、他の開示される実施形態の各々に適用可能であると企図される。例えば、本出願は、大部分が固体酸化亜鉛及び溶解酸化亜鉛を含む実施形態について説明しているが、固体酸化亜鉛及び/又は溶解酸化亜鉛の全て又はいくつかが水酸化亜鉛に置き換えられる同様の実施形態も、実施形態の範囲内であると見なされる。同様に、ケイ酸塩又はSiO2を参照する任意の実施形態について、ケイ酸塩又はSiO2の全て又はいくつかが、異なるシリコンドナーに置き換えられる同様の実施形態も、実施形態の範囲内であると見なされる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
【国際調査報告】