(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】選択表示用多層表示素子
(51)【国際特許分類】
G09F 13/04 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
G09F13/04 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024526789
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 US2022048996
(87)【国際公開番号】W WO2023081382
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スワミナサン,バラース
(72)【発明者】
【氏名】カリヤンダ,アニーシュ
(72)【発明者】
【氏名】セオドア,シャキール
(72)【発明者】
【氏名】ゾヴナー,リチャード
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA11
5C096BA01
5C096CB01
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD02
5C096CD14
5C096CJ05
5C096FA05
5C096FA11
(57)【要約】
光が表示の背後からグラフィックを照らすまで、グラフィックの輪郭を隠すことができるマット仕上げ表面を有する多層表示素子である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層表示素子であって、
光学プラスチックを備える第1の層と、
マットグレイン又はワニスを備える第2の層であって、前記第2の層が前記第1の層上に配置される、第2の層と、
グラフィカルマスクを備える第3の層であって、前記第3の層が前記第1の層上に配置され、ならびに前記第2の層および前記第3の層が前記第1の層の対向する表面上に配置される、第3の層と、
光源を提供するように構成された少なくとも1つの相互作用する構成素子と、を備える、多層表示素子。
【請求項2】
タッチスクリーンインターフェースを備える第4の層をさらに備える、請求項1に記載の多層表示素子。
【請求項3】
少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータデバイスをさらに備える、請求項2に記載の多層表示素子。
【請求項4】
前記少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータデバイスが、複数の触覚フィードバックアクチュエータを含む、請求項3に記載の多層表示素子。
【請求項5】
光源を提供するように構成された前記少なくとも1つの相互作用する構成素子が、複数の光源を含み、前記光源が、選択的な光又は光束又はスペクトルを発生するように独立して動作可能である、請求項1に記載の多層表示素子。
【請求項6】
前記第1の層が光学プラスチックに相当し、前記第2の層がマットグレイン又はワニスに相当し、ならびに前記第3の層がグラフィカルマスクに相当する、請求項1に記載の多層表示素子。
【請求項7】
前記第1の層がマットグレイン又はワニスに相当する、請求項1に記載の多層表示素子。
【請求項8】
前記第1の層がグラフィカルマスクに相当する、請求項1に記載の多層表示素子。
【請求項9】
多層表示素子であって、
A面と、
B面と、
光源を提供するように構成された少なくとも1つの相互作用する構成素子と、を備え、
前記A面は前記多層表示素子の外面であり、前記B面は前記多層表示素子の内面であり、前記A面と前記B面は、前記多層表示素子の対向する両側にあり、
前記A面はマットグレイン又はワニスを備え、および
前記B面は、前記光源の経路を制御するように構成された、多層表示素子。
【請求項10】
前記B面がグラフィカルマスクを備える、請求項9に記載の多層表示素子。
【請求項11】
タッチスクリーンインターフェースをさらに備える、請求項9に記載の多層表示素子。
【請求項12】
少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータデバイスをさらに備える、請求項11に記載の多層表示素子。
【請求項13】
前記少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータデバイスが複数の触覚フィードバックアクチュエータを含む、請求項12に記載の多層表示素子。
【請求項14】
光源を提供するように構成された前記少なくとも1つの相互作用する構成素子が、複数の光源を含み、前記光源が、選択的な光又は光束又はスペクトルを発生するように独立して動作可能である、請求項9に記載の多層表示素子。
【請求項15】
多層表示素子の製造方法であって、
光学用グレード樹脂を、A面およびB面を備えるプラスチックに成形する工程と、
前記プラスチックのB面をマスクする工程と、を含む、方法。
【請求項16】
前記プラスチックが成形後にグレインマット仕上げを有する、請求項15に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項17】
前記プラスチックのA面をマットクリアコートワニスでコーティングする工程をさらに含む、請求項15に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項18】
前記プラスチックのB面をマスクする工程が、前記プラスチックのB面上に遮光塗料をレーザエッチングすることを含む、請求項17に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項19】
前記プラスチックのB面をマスクする工程が、前記プラスチックを不透明プラスチックでオーバーモールドすることを含む、請求項17に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項20】
前記多層表示素子が、グラフィックの輪郭を隠すことができる、請求項17に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項21】
前記プラスチックの前記B面をマスクする工程が、前記グラフィックの周りの空間の形状に配置される、請求項20に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項22】
前記多層表示素子が表示パネルをさらに含む、請求項17に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項23】
前記多層表示素子が、光源を前記プラスチックのB面から前記プラスチックのA面に通過させることができる、請求項17に記載の多層表示素子の製造方法。
【請求項24】
前記多層表示素子が、信号が前記プラスチックのA面から前記プラスチックのB面に通過することを許容することができる、請求項17に記載の多層表示素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明出願と共に提出された出願データシート又は請求書において外国又は国内の優先権主張が特定されているすべての出願は、2021年11月8日に提出された米国仮出願第63/277,068号明細書を含む、連邦規則集37編の規則1.57、ならびに規則4.18および規則20.6に基づき、参照により本発明出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
車両設計上の素子として、車両の運転中、使用中又は占有中に、1つ以上の表示素子を提示してよい。表示素子の中には、連続的に表示又は提示してよいものもある。他の表示素子では、表示素子の提示の制御を提供する光源など、付加的な構成素子に関連付けてよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明、および従来技術に対して達成される利点を要約する目的で、本発明の特定の目的および利点を本明細書に記載する。このような目的又は利点のすべては、本発明の任意の特定の実施形態において達成する可能性があるとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本発明が本明細書で教示し又は示唆してよい他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点又は利点群を達成する又は最適化する方法で本発明を具体化又は実施してよいことを認識するであろう。
【0004】
本発明開示のいくつかの実施形態は、光学プラスチック、マットグレイン若しくはワニス、又はグラフィカルマスクを含む第1の層、光学プラスチック、マットグレイン若しくはワニス、又はグラフィカルマスクを含む第2の層、光学プラスチック、マットグレイン若しくはワニス、又はグラフィカルマスクを含む第3の層、そして光源を提供するよう構成された相互作用する少なくとも1つの構成素子を含む多層表示素子に関する。本発明開示のいくつかの実施形態は、光学プラスチックを含む第1の層と、マットグレイン又はワニスを含む第2の層であって、第2の層が第1の層上に配置される第2の層と、グラフィカルマスクを含む第3の層であって、第3の層が第1の層上に配置され、第2の層および第3の層が第1の層の対向する表面上に配置される第3の層と、そして光源を提供するように構成された相互作用する少なくとも1つの構成素子を含む多層表示素子に関する。
【0005】
いくつかの実施形態では、多層表示素子は、タッチスクリーンインターフェースを含む第4の層をさらに含む。なおさらなる実施形態では、多層表示素子は、少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータデバイスをさらに含む。いくつかの実施形態では、触覚フィードバックアクチュエータデバイスは、複数の触覚フィードバックアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、光源を提供するように構成された少なくとも1つの相互作用する構成素子は、複数の光源を含むが、ここで、光源は、選択的な光又は光束又はスペクトルを発生するように独立して動作可能である。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の層は光学プラスチックに相当し、第2の層はマットグレイン又はワニスに相当し、第3の層はグラフィカルマスクに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層は光学プラスチックに相当し、第2の層はグラフィカルマスクに相当し、第3の層はマットグレイン又はワニスに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層はマットグレイン又はワニスに相当し、第2の層は光学プラスチックに相当し、第3の層はグラフィカルマスクに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層はマットグレイン又はワニスに相当し、第2の層はグラフィカルマスクに相当し、第3の層は光学プラスチックに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層はグラフィカルマスクに相当し、第2の層は光学プラスチックに相当し、第3の層はマットグレイン又はワニスに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層はグラフィカルマスクに相当し、第2の層はマットグレイン又はワニスに相当し、第3の層は光学プラスチックに相当する。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の層は光学プラスチックに相当し、第2の層はマットグレイン又はワニスに相当し、第3の層はグラフィカルマスクに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層は、マットグレイン又はワニスに相当する。いくつかの実施形態では、第1の層はグラフィカルマスクに相当する。
【0008】
本発明開示のいくつかの実施形態は、A面、B面、および光源を提供するように構成された少なくとも1つの相互作用する構成素子を含む多層表示素子に関するものであり、ここで、A面は多層表示素子の外面であり、B面は多層表示素子の内面であり、ここで、A面およびB面は多層表示素子の対向する両側にあり、ここで、A面はマットグレイン又はワニスであり、ここで、B面は光源の経路を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、B面はグラフィカルマスクを含む。いくつかの実施形態では、多層表示素子は、グラフィカルマスクをさらに含む。いくつかの実施形態では、多層表示素子は、タッチスクリーンインターフェースをさらに含む。さらなる実施形態では、多層表示素子は、少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータデバイスをさらに含む。またさらなる実施形態では、触覚フィードバックアクチュエータデバイスは、複数の触覚フィードバックアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、光源を提供するように構成された少なくとも1つの相互作用する構成素子は、複数の光源を含むが、ここで、光源は、選択的な光又は光束又はスペクトルを発生するように独立して動作可能である。
【0009】
本発明開示のいくつかの実施形態は、光学用グレード樹脂を、A面およびB面を備えるプラスチックに成形するステップと、プラスチックのB面をマスクするステップと、そしてプラスチックのA面をマットクリアコートワニスでコーティングするステップと、を含む多層表示素子の製造方法に関する。いくつかの実施形態では、プラスチックは、成形後にグレインマット仕上げを有する。いくつかの実施形態では、光源を提供するように構成された少なくとも1つの相互作用する構成素子は、複数の光源を含むが、ここで、光源は、選択的な光又は光束又はスペクトルを発生するように独立して動作可能である。
【0010】
本発明開示のいくつかの実施形態は、光学用グレード樹脂をA面およびB面を備えるプラスチックに成形するステップと、そしてプラスチックのB面をマスクするステップと、を含む多層表示素子の製造方法に関する。いくつかの実施形態では、プラスチックは、成形後にグレインマット仕上げを有する。いくつかの実施形態では、多層表示素子を製造する方法は、プラスチックのA面をマットクリアコートワニスでコーティングするステップをさらに含む。
【0011】
本発明開示のいくつかの実施形態は、光学用グレード樹脂をA面およびB面を備えるプラスチックに成形するステップであって、ここで、プラスチックはグレインマット仕上げを有する、成形するステップと、そしてプラスチックのB面をマスクするステップと、を含む多層表示素子を製造する方法に関する。
【0012】
いくつかの実施形態では、プラスチックのB面をマスクするステップは、プラスチックのB面上に遮光塗料をレーザエッチングするステップを含む。他の実施形態では、プラスチックのB面をマスクするステップは、プラスチックを不透明プラスチックでオーバーモールドするステップを含む。いくつかの実施形態では、多層表示素子は、グラフィックの輪郭を隠すことができる。さらなる実施形態では、プラスチックのB面のマスキングは、グラフィックの周りの空間の形状に配置される。
【0013】
本発明開示の任意の実施形態では、多層表示素子は、表示パネルをさらに含む。いくつかの実施形態では、多層表示素子は、光源をプラスチックのB面からプラスチックのA面に通過させることを可能にする。いくつかの実施形態では、多層表示素子は、信号をプラスチックのA面からプラスチックのB面に通過させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】グラフィックマスク、光源、および光源コントローラを備えたマット仕上げ光学プラスチックの断面図である。
【0015】
【
図2】グラフィックマスクおよびタッチスクリーンインターフェース、光源、触覚フィードバックアクチュエータおよびドライバ、ならびにコントローラを備えたマット仕上げ光学プラスチックの断面図である。
【0016】
【
図3A】グラフィック光がオフである場合に光学プラスチックの光反射特性を示す図である。
【0017】
【
図3B】グラフィック光がオンである場合にマスクされた光学プラスチックを通る発光を示す図である。
【0018】
【
図4】光源がマスクとして機能するマット仕上げ光学プラスチックの断面図である。
【0019】
【
図5】ライトがオフの場合は隠されたグラフィックを有し、ライトがオンの場合は点灯したグラフィックを有するマット仕上げ光学プラスチックの例である。
【0020】
【
図6】信号をプラスチックのA面からプラスチックのB面に通過させることを可能にするマット仕上げ光学プラスチックの断面図である。
【0021】
【
図7】光源をプラスチックのB面からプラスチックのA面に通過させ、また信号をプラスチックのA面からプラスチックのB面に通過させることを可能にするマット仕上げ光学プラスチックの断面図である。
【0022】
【
図8】本発明開示の一実施形態による、多層表示素子を製造する方法のフロー図である。
【0023】
【
図9】本発明開示の一実施形態による、多層表示素子を製造する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明開示の1つ以上の態様は、車両表示素子を選択的に表示するシステムおよび方法に関する。より具体的には、本発明出願の態様は、光源の起動に応答して表示素子に埋め込まれたグラフィックを選択的に表示するように構成された多層表示素子および光源に相当する。多層表示素子は、光源又はグラフィックを見ることなくグラフィック表示又は照明を提供することができる。このようなプラスチックのマスキング方法も開示されている。
【0025】
一般的に説明すると、例示的な実施形態では、個々の多層表示素子は、画像の選択的表示を引き起こすように機能するいくつかの層を含むことができる。
図1に示すように、多層表示素子100は、本明細書に記載されるように、層110、120、130のセットおよび付加的な素子を備えてよい。本発明出願の目的のために、多層表示素子100の個々の層を、それぞれ第1の層、第2の層、第3の層と呼ぶことがある。さらに、層110、層120、層130は、プラスチック層、マットグレイン又はワニス、グラフィックマスクなどの材料又は特性に関しても言及することがある。このような材料への言及は、本質的に例示的であると考えてよく、限定的であると解釈するべきではない。さらに、材料又は特性(例えば、プラスチック、マットグレイン又はワニス、グラフィックマスクなど)に関する代替物又は実施態様への言及は、一般にそれぞれの層(例えば、第1の層、第2の層、第3の層)に適用されるが、すべての実施形態において特定の材料を必要とするものではないと解釈するべきである。
【0026】
例示的には、多層表示素子100は、光学プラスチックに相当する第1の層110を含むことができる。多層表示素子100は、マットグレイン又はワニスに相当する第2の層120を含むことができる。多層表示素子100は、グラフィックマスクに相当する第3の層130をさらに含むことができる。マットグレイン又はワニスおよびグラフィックマスクにそれぞれ相当する第2の層120および第3の層130は、光学プラスチックに相当する第1の層110の対向する表面に配置される。いくつかの実施形態では、多層表示素子100はまた、1つ以上の相互作用素子140を備える。いくつかの実施形態では、相互作用素子142は、
図1に示すように、第1の層(例えば、光学プラスチック110)の背後に位置する光源(例えば、LED)に相当する場合がある。相互作用素子140は、LEDソース142用の別個のコントローラ144を含むことができる。LEDソース142はそれぞれ、異なるスペクトルを有する光を放射するよう個別に制御されおよび/又は調整してよい。例えば、本発明による相互作用素子140では、光源を個別に暗くしたり明るくしたりすることを可能にしてよい。LEDソース142は、選択的な光を発生するように独立して構成されてよい。いくつかの実施形態では、LEDソース142は、位置、色、又は温度ごとに個別に制御してよい。LEDソース142は、コントローラ144に個別に接続してよい。LEDソース142は、明確に定義された光束又はスペクトルを生成するように個別に調整してよく、結果として光の勾配を創り出してよい。照明デバイスは
図1を例にして説明したが、当業者は、本発明の開示がそれに限定されないことを理解すべきであることに留意されたい。
【0027】
いくつかの実施形態では、プラスチックに相当する第1の層110は、光学用グレード樹脂から構成してもよい。いくつかの実施形態では、第1の層110は、つや消しのざらつきある表面である前面又は外面112を含む。いくつかの実施形態では、プラスチックは、マットクリアコートワニスでコーティングしてもよい。例示的に、ワニスは、プラスチックを成形した後にプラスチックに塗布してもよい。いくつかの実施形態では、プラスチックは、グレインマット仕上げを有してもよい。第1の層110(例えば、プラスチック)は、例えば、射出成形又は熱成形などの当技術分野で公知の任意の方法によって形成又は成形してよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プラスチックは、組み込まれた表示スクリーンなどのより大きな表示スクリーンの一部とすることができる。いくつかの実施形態では、光の減衰を最小限に抑えるために、複数の光源を実装し、表示画面に沿って整列させてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、多層表示素子100は、マスクに相当する第3の層130である少なくとも1つの層を含んでもよい。第3の層130のマスクは、例示的に、システムの所望の照明パターンを提供し、それに関与する。いくつかの実施形態では、マスクは、半透明および非半透明の領域を有するステンシルに相当し、光源から(例えば、相互作用素子140から)の光がマスクに当てられるか、又は他の方法でマスクに向けられると、特定のパターンのみが照射される。パターンは、マスク上に印刷又はレーザ加工してよく、任意の印刷技術を使用してマスク上に所望のパターンを作製してよい。
【0029】
自動車産業では、A面、B面、又はC面と呼ばれる様々な表面を有するものとして多層表示素子100を指すことが一般的である。本明細書で使用される場合、「A面」という用語は、自動車の内部、又はシステム若しくはプラスチックの外面において表示用の外向きの面を指す。
図1に示すように、A面は、第2の層110の外面112に相当することができる。A面は、観察者にとって最も重要であるか、又は直接の視線にとって最も明白な、車両の非常に高い視認性をもつ面である。本明細書で使用される場合、「B面」という用語は、内向きの面、又はシステム若しくはプラスチックの内面を指す。
図1に示すように、B面は、第2の層110の内面114に相当することができる。B面は、車両の視認可能な面又は直接の視線ではない。いくつかの実施形態では、プラスチックのB面は、グラフィックの周りの空間の形状にレーザエッチングした遮光塗料でマスクしてもよい。いくつかの実施形態では、プラスチックのB面は、グラフィックの周りの空間の形状に不透明なプラスチックのオーバーモールドでマスクしてもよい。
【0030】
本発明開示のいくつかの実施形態は、そのようなプラスチックをマスクする又はエッチングする方法に関する。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、プラスチックのB面(例えば、層110)は、遮光塗料(例えば、スプレー/フローコート)によってマスクし、またグラフィックの周りの空間の形状にレーザ研磨/エッチングすることができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、プラスチックのB面は、印刷されたフィルム(例えば、インモールド装飾(IMD))の金型内積層によってマスクすることができる。本明細書に記載の方法の他の実施形態では、プラスチックのB面は、ロールツーロール直接インク堆積によってマスクすることができる。本明細書に記載の方法のさらに別の実施形態では、プラスチックのB面は、インクジェットによってマスクすることができる。本明細書に記載の方法のさらなる実施形態では、インクジェットは、様々な透過度でインクを堆積させてもよい。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、プラスチックのB面は、光学技術を利用して、例えば、リソグラフィおよびプリズムの使用によってマスクすることができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、プラスチックのB面は、フォトレジストマスクおよびUV照射によってマスクして、高解像度パターンを生成することができる。本明細書に記載の方法の他の実施形態では、プラスチックのB面は、光源の経路を制御するプラスチックのB面上のプリズムによってマスクすることができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、プラスチックのB面は、プラスチックのB面上のグラフィックの周りの空間の形状に二次の不透明プラスチックオーバーモールドを適用することによって、マスクすることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、多層表示素子100は、タッチおよび/又はジェスチャイベント入力を受信し、および/又は触知フィードバック出力を提供する機能を含む相互作用素子140を含むことができる。いくつかの実施形態では、多層表示素子100は、少なくとも1つ以上のそのような相互作用素子を備え、少なくとも1つの相互作用素子140の少なくとも1つの機能の動作を制御する制御素子240をさらに含む。相互作用素子は、例えば、容量性、赤外線(IR)、タッチ、力又は圧力センサであってもよいが、これらに限定されない。例えば、
図2に示されるように、多層表示素子100はまた、タッチスクリーンインターフェースに相当する第4の層150を備えてもよい。タッチスクリーンインターフェース層150は、例示的に、層150に加えられた圧縮力に基づいて電気信号を発生するいくつかの容量素子を含むことができる。例えば、圧縮力は、タッチインターフェース層150に加えられる第1の層110の外面112に加えられる指又は器具に相当してよい。タッチスクリーンコントローラ152は、タッチインターフェース層150から発生する電気信号を制御するように構成することができる相互作用素子である。
【0032】
この実施形態では、相互作用素子140はまた、1つ以上の触覚フィードバックデバイス146を含むことができる。個々の触覚フィードバックデバイス146は、振動の形態で触覚フィードバックをユーザに提供する触覚アクチュエータおよびドライバを含むことができる。触覚フィードバックは、相互作用素子140の少なくとも1つによって個別に制御することができる。例えば、触覚コントローラ148は、触覚フィードバックを個別に制御するように構成することができる。触覚フィードバックは、ユーザが感じるか、又は器具が検知してもよい他の層110、層120、層130、層140に加えられる振動力に相当することができる。相互作用素子140は、LEDソース142、触覚デバイス146、およびタッチスクリーンインターフェース150用の別個のコントローラ144、コントローラ148、およびコントローラ152を含むことができる。
【0033】
さらなる実施形態では、多層表示素子100は、制御素子で利用する1つ以上のプロセッサを含むことができる。アクチュエータ、ドライバ、プロセッサ、およびコントローラは、本明細書に記載の機能を実行するための1つ以上の物理アクチュエータ、ドライバ、プロセッサ、コントローラ、および/又は他の回路を含んでよいことを理解されたい。本発明開示に開示された実施形態のいずれかにおいて、多層表示素子は、表示パネルを含んでもよい。
【0034】
プラスチックの背後の光源は、点灯状態と消灯状態との間で切り替え可能であってよく、照明がオンになるまで隠され、その結果、システムの内部で生成された光を外部から見えるようにすることができ、Hidden Till Lit(「HTL」)として知られている。したがって、例えば、光源がオンにされた後、隠れていた任意のグラフィックが見えてよい。
図3Aに示すように、プラスチックの背後の光源がオフ状態にある場合、環境光301は光学プラスチック110で反射し、観察者はプラスチックのマットグレイン又はワニス120を知覚する。そのような状態では、グラフィック表示又はマスク130は観察者には見えず、可視表面は観察者には連続的に見える。
図3Bに示すように、プラスチックの背後の光源がオン状態にある場合、光源はグラフィックマスク131の周りの空間、光学プラスチック110、次いでマットグレイン又はワニス120を通過する。そのような状態では、グラフィック表示又は照明が観察者には見える。
【0035】
光源は、1つの色の光又は異なる色の光のいずれか必要な量の光を提供するのに使用することができる任意の光源であってよい。少なくとも1つの光源が使用されてよく、2つ以上の光源が使用されてもよい。例えば、2つ以上の光源が使用される場合、各光源は、異なる色又は異なる輝度の光を提供してよい。いくつかの実施形態では、光源は、照明が表示基準によって制御されるように制御可能であることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、光源は、マスクとして機能するグラフィック又はプロジェクタであってもよい。
図4に示すように、光源はマスクとして機能する。暗い又は点灯していない領域401は、表示上の黒画素の結果であってもよく、および/又は個々の光源がオフ状態にある。逆に、オン状態の個々の光源では、光源が光学プラスチック110を通過し、次いでマットグレイン又はワニス120を通過することを可能とさせてよく、点灯領域402を提供してよい。照明領域402は、グラフィック表示又は照明が観察者によって見えることを可能にする。いくつかの実施形態では、光源は、変更可能又はプログラム可能であることができる照射パターンを提供してもよい。これにより、例えば、車両の状態の反映などであってよい色およびアニメーションを表示することが可能になってよい。
図5は、照明がオフの場合は隠れたグラフィックを有し、照明がオンの場合は点灯したグラフィックを有するマット仕上げの光学プラスチックの例を提供する。
【0037】
本発明開示のいくつかの実施形態は、信号601がプラスチック112のA面からプラスチック114のB面を通過することを許容し得る、マスクされた光学プラスチック100に関する。いくつかの実施形態では、センサ602(すなわち、カメラ又はIRセンサ)は、プラスチックの背後に配置してもよい。
図6に示すように、信号は、プラスチック120の前面のマットグレイン又はワニス仕上げを通過してよい。いくつかの実施形態では、信号はその後、光学プラスチック110を通過してよい。いくつかの実施形態では、信号は、プラスチック603のマスクされていない部分を通過してよい。いくつかの実施形態では、信号は部分的にプラスチックを通過してよい。他の実施形態では、信号の一部がプラスチックを通過してもよい。いくつかの実施形態では、信号はセンサに到達する前に遮断される。さらなる実施形態では、信号は、センサに到達する前に部分的に遮断される。またさらなる実施形態では、信号の一部は、センサに到達する前に遮断される。
【0038】
本発明開示のいくつかの実施形態では、マスクされた光学プラスチック700は、
図7に示すように、光源をプラスチック114のB面からプラスチック112のA面に通過させることを可能にし、同時に信号601をプラスチック112のA面からプラスチック114のB面に通過させることを可能にしてよい。いくつかの実施形態では、光源はプラスチックを部分的に通過してよく、および/又は信号はプラスチックを部分的に通過してよい。
図7は、本発明開示の一実施形態によるマスクされた光学プラスチック700を示す。マスクされた光学プラスチック700は、光源701にプラスチック114のB面からプラスチック112のA面を通過させることを可能にする。さらに、マスクされた光学プラスチック700は、信号703にプラスチック112のA面からプラスチック114のB面を通過させることを可能にする。光源702のマスクされた部分は、観察者に到達する前に遮断される。同様に、信号704のマスクされた部分は、センサに到達する前に遮断される。
【0039】
本発明開示のいくつかの実施形態は、本明細書に開示の多層表示素子を作製する方法に関する。
図8は、一実施形態による、多層表示素子を作製するプロセス800のフローチャートである。本方法は、光学用グレード樹脂を成形するステップ802と、光学用グレードプラスチックを形成するステップ804を含む。光学用グレードプラスチックが形成されると、プラスチックはマスクされる(ステップ806)。次いで、プラスチックをマットクリアコートワニスでコーティングして(ステップ808)、多層表示素子を形成する(ステップ810)。
【0040】
図9はまた、一実施形態による、多層表示素子を作製する代替プロセス900のフローチャートである。本方法は、光学用グレード樹脂を成形するステップ902と、グレインマット仕上げを有する光学用グレードプラスチックを形成するステップ904とを含む。次いで、光学用グレードプラスチックをマスクして(ステップ906)、多層表示素子を形成する(ステップ908)。
【0041】
いくつかの実施形態では、(i)光学用グレード樹脂を所望の形状に成形し、プラスチックを得るステップと、(ii)プラスチックのB面をマスクするステップと、そして(iii)プラスチックのA面をマットクリアコートワニスでコーティングするステップと、を備える、グラフィックの輪郭を隠すことができる多層表示素子を製造する方法を提供する。
【0042】
いくつかの実施形態では、(i)光学用グレード樹脂を所望の形状に成形し、プラスチックを得るステップであって、ここで、プラスチックが型から外のグレインマット仕上げを有するステップと、(ii)プラスチックのB面をマスクするステップと、を備える、グラフィックの輪郭を隠すことができる多層表示素子を製造する方法を提供する。
【0043】
本発明開示の様々な実施形態は、任意の可能な技術的詳細レベルの統合におけるシステム、方法、および/又はコンピュータプログラム製品であってよい。コンピュータプログラム製品には、プロセッサに本発明開示の態様を実行させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)を含んでよい。例えば、本明細書に記載の機能は、1つ以上のハードウェアプロセッサおよび/又は他の任意の適切なコンピューティングデバイスが、ソフトウェア命令を実行するとき、および/又はソフトウェア命令を実行するのに応答して、実行してよい。ソフトウェア命令および/又は他の実行可能コードは、コンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)から読み込んでよい。
【0044】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスが使用するデータおよび/又は命令を保持および格納することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス(任意の揮発性および/又は不揮発性の電子記憶デバイスを含む)、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又はこれらの任意の適切な組合せであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記録されたパンチカード又は溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および上記の任意の適切な組合せを含む。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波若しくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路若しくは他の伝送媒体(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)を伝搬する電磁波、又はワイヤを介して伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0045】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、それぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/又は無線ネットワークを介して、外部コンピュータ若しくは外部記憶デバイスに、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/又はエッジサーバを備えてもよい。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体の記憶装置に対してコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0046】
本発明開示の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令(本明細書では例えば、「コード」、「命令」、「モジュール」、「アプリケーション」、「ソフトウェアアプリケーション」などとも呼ばれる)は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、又はJava、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであってよい。コンピュータ可読プログラム命令は、他の命令から、又はそれ自体から呼び出し可能であってよく、および/又は検出された動作又は割り込みに応答して呼び出し可能であってよい。コンピューティングデバイス上で実行するように構成されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体上に、および/又はその後コンピュータ可読記憶媒体に記憶してよいデジタルダウンロードとして(実行前にインストール、解凍、又は復号を必要とする圧縮形式又はインストール可能な形式で元々格納されていてもよい)提供してもよい。このようなコンピュータ可読プログラム命令は、コンピューティングデバイスによる実行用に、実行中のコンピューティングデバイスのメモリデバイス(例えば、コンピュータ可読記憶媒体)に部分的に又は完全に格納してよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にコンピュータ(例えば、実行中のコンピューティングデバイス)上で、部分的にコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にコンピュータ上および部分的にリモートコンピュータ上で又は完全にリモートコンピュータ上若しくはサーバ上で実行してよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続してもよく、又は外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)接続してもよい。いくつかの実施形態では、本発明開示の態様を実施するために、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路では、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによってコンピュータ可読プログラム命令を実行してよい。
【0047】
本発明開示の態様は、本発明開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/又はブロック図を参照して本明細書で説明されている。コンピューティング機能又はコントローラに関連するフローチャート図および/又はブロック図の個々のブロック、ならびにフローチャート図および/又はブロック図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装することができることが理解されよう。
【0048】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生成してもよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、フローチャートおよび/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実装する手段を生成する。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、特定の方法で機能するようにコンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、および/又は他のデバイスに指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶してもよく、その結果、格納された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートで指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品、および/又はブロック図の1つ以上のブロックを備える。
【0049】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成してよく、その結果、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行する命令が、フローチャートおよび/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実装する。例えば、命令は、最初にリモートコンピュータの磁気ディスク又はソリッドステートドライブ上に運んでもよい。リモートコンピュータは、命令および/又はモジュールをその動的メモリにロードし、モデムを使用して電話、ケーブル、又は光回線を介して命令を送信してよい。サーバコンピューティングシステムにとってローカルなモデムは、電話/ケーブル/光回線上でデータを受信し、適切な回路を含むコンバータデバイスを使用してデータをバス上に配置してよい。バスは、データをメモリに運んでよく、メモリからプロセッサが命令を取り出して実行してよい。メモリが受信した命令は、任意選択的に、コンピュータプロセッサによる実行の前又は後のいずれかで、記憶デバイス(例えば、ソリッドステートドライブ)上に記憶してもよい。
【0050】
図中におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明開示の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装する1つ以上の実行可能命令を備えるモジュール、セグメント、又は命令の一部を表してもよい。いくつかの代替実装態様では、ブロックに記載された機能は、図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行してもよく、又はブロックは、関連する機能に応じて、時には逆の順序で実行してもよい。さらに、いくつかの実装形態では、特定のブロックを省略してよい。本明細書に記載の方法およびプロセスはまた、いかなる特定のシーケンスにも限定されず、それに関連するブロック又は状態は、適切な他のシーケンスで実行することができる。
【0051】
また、コンピューティング機能に関連するブロック図および/又はフローチャート図の個々のブロック、ならびにブロック図および/又はフローチャート図におけるブロックの組合せは、指定された機能又は動作を実行するか、専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。例えば、前述のセクションで説明したプロセス、方法、アルゴリズム、要素、ブロック、アプリケーション、又は他の機能(又は機能の一部)のいずれかは、特定用途向けプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、プログラマブルプロセッサ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、特定用途向け回路など(これらのうちのいずれかは、技術を達成するために、カスタムハードワイヤードロジック、論理回路、ASIC、FPGAなどを、ソフトウェア命令のカスタムプログラミング/実行と組み合わせてもよい)の電子ハードウェアで具現化し、および/又は完全に若しくは部分的に自動化してもよい。
【0052】
上記の実施形態に対して多くの変形および修正を行ってよく、その要素は他の許容可能な例の中にあると理解されるべきである。そのような修正および変形はすべて、本発明開示の範囲内で本明細書に含まれることを意図している。上記の説明は、特定の実施形態を詳述している。しかしながら、前述の内容がいかに詳細に記載されていても、システムおよび方法は多くの方法で実施することができることを理解されよう。また上述したように、システムおよび方法の特定の特徴又は態様を説明するときの特定の用語の使用は、その用語が関連付けられているシステムおよび方法の特徴又は態様に関して任意の特定の特性を含むことに限定されるように用語が本明細書で再定義されていることを意味すると解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0053】
とりわけ、「できる("can")」、「できた("could")」、「かもしれない("might")」、又は「してよい("may")」などの条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/又はステップを含むが、他の実施形態は含まなくてもよいことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素および/又はステップが1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、ユーザ入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素および/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるべきかを決定する論理を必然的に含むことを意味することを意図するものではない。
【0054】
句「X、YおよびZの少なくとも1つ」又は「X、Y、又はZの少なくとも1つ」などの接続語は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれか、又はそれらの組合せであってよいことを伝えるため一般に使用する文脈で理解するべきである。例えば、「又は」という用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用し、例えば、かなりの数の素子を接続することに使用する場合、「又は」という用語は、その多数の素子の1つ、いくつか、又はすべてを意味する。したがって、そのような接続語は、一般に、特定の実施形態がそれぞれ存在するために、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つを必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0055】
本明細書で使用される「1つ("a")」という用語は、排他的な解釈ではなく包括的な解釈が与えられるべきである。例えば、特に明記しない限り、「1つ("a")」という用語は、「正確に1つ」又は「1つのみ」を意味すると理解するべきではなく、代わりに、「1つ("a")」という用語は、特許請求の範囲又は明細書の他の場所で使用されるかどうかにかかわらず、また特許請求の範囲又は明細書の他の場所で「少なくとも1つ」、「1つ以上」又は「複数」などの数量詞の使用にかかわらず、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」を意味する。
【0056】
本明細書で使用される「備える("comprising")」という用語は、排他的な解釈ではなく包括的な解釈が与えられるべきである。例えば、1つ以上のプロセッサを備える汎用コンピュータは、他のコンピュータ構成要素を除外するものとして解釈されるべきではなく、とりわけ、メモリ、入出力デバイス、および/又はネットワークインターフェースなどの構成要素を含む可能性があってよい。同様に、1つ以上の層を備えるシステムは、多層表示素子内の付加的な層又は素子を除外すると解釈されるべきではない。
【0057】
上記の詳細な説明では、様々な実施形態に適用される新規な特徴を示し、説明し、指摘してきたが、例示されたデバイス又はプロセスの形態および詳細における様々な省略、置換、および変更が、本発明開示の精神から逸脱することなく行われてよいと理解してよい。認識してよいように、本明細書に記載された本発明の特定の実施形態は、いくつかの特徴が他の特徴とは別個に使用又は実施できるため、本明細書に明記された特徴および利益のすべてを提供しない形態内で具体化してよい。本明細書に開示された特定の発明の範囲は、前述の説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲に示されている。特許請求の範囲の均等性の意味および範囲内にあるすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【国際調査報告】