(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】サニタリ装置の利用領域における人を識別するためのセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G01V 8/20 20060101AFI20241126BHJP
G01S 15/86 20200101ALI20241126BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G01V8/20 Q
G01S15/86
E03C1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527168
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2022079804
(87)【国際公開番号】W WO2023078739
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021128980.7
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン プシビラ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド マインカ
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン ゾボッタ
(72)【発明者】
【氏名】ゲアノート ベッカー
【テーマコード(参考)】
2D060
2G105
5J083
【Fターム(参考)】
2D060BA00
2D060CA04
2G105BB09
2G105BB16
2G105CC01
2G105CC04
2G105DD01
2G105DD03
2G105EE02
2G105GG01
2G105HH01
2G105JJ01
5J083AA02
5J083AB14
5J083AC40
5J083AD04
5J083AE08
5J083AF01
5J083AG04
5J083BA01
(57)【要約】
サニタリ装置(3)の利用領域(2)における人(8)を識別するためのセンサ装置(1)を作動させる方法であって、本方法は少なくとも次のステップ、すなわち、a)センサ装置(1)の第1センサ(4)とは別の第2センサ(5)により、サニタリ装置(3)の周囲に少なくとも一人の人(8)が存在することが検出されると、センサ装置(1)の第1センサ(4)をスイッチオンするステップであって、スイッチオンには、前に完全に遮断した、第1センサ(4)への電力供給を行うことが含まれており、第1センサ(4)はToFセンサであるステップと、b)第1センサ(4)を用いて、人(8)とサニタリ装置(3)との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出するステップであって、第1センサ(4)から送信された信号の伝搬時間測定を行うステップと、c)サニタリ装置(3)の周囲に少なくとも一人の人(8)が存在することがもはや検出されなくなると、第1センサ(4)をスイッチオフするステップであって、このスイッチオフには、第1センサ(4)への電力供給を完全に遮断することが含まれているステップとが含まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サニタリ装置(3)の利用領域(2)における人(8)を識別するためのセンサ装置(1)を作動させる方法であって、前記方法は、少なくとも次のステップ、すなわち、
a)前記センサ装置(1)の第1センサ(4)とは別の第2センサ(5)により、前記サニタリ装置(3)の周囲に少なくとも一人の人(8)が存在することが検出されると、前記センサ装置(1)の前記第1センサ(4)をスイッチオンするステップであって、前記スイッチオンは、前に完全に遮断した、前記第1センサ(4)への電力供給を行うことを含み、前記第1センサ(4)は、ToFセンサであるステップと、
b)前記第1センサ(4)を用いて、前記人(8)と前記サニタリ装置(3)との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出するステップであって、前記第1センサ(4)から送信された信号の伝搬時間測定を行うステップと、
c)前記サニタリ装置(3)の前記周囲に少なくとも一人の人(8)が存在することがもはや検出されなくなると、前記第1センサ(4)をスイッチオフするステップであって、前記スイッチオフは、前記第1センサ(4)への電力供給を完全に遮断することを含むステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2センサ(5)は、前記第1センサ(4)よりも電力消費が少ない、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電力供給を行うために、前記サニタリ装置(3)の電気エネルギ蓄積器(7)に前記第1センサ(4)を接続する、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記第1センサ(4)への電力供給を行うかまたは遮断するために電子スイッチ(10)を操作する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記電子スイッチ(10)は、少なくとも1つのトランジスタによって形成されている、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記センサ装置(1)の制御装置(6)によって前記電子スイッチ(10)を操作する、
請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
前記制御装置(6)により、前記第2センサ(5)のセンサ出力に応じて、前記電子スイッチ(10)を操作する、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
サニタリ装置(3)の利用領域(2)における人(8)を識別するためのセンサ装置(1)であって、前記センサ装置(1)は、少なくとも、
-人(8)と前記サニタリ装置(3)との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出するための、ToFセンサである第1センサ(4)と、
-前記サニタリ装置(3)の周囲に少なくとも一人の人(8)が存在することを検出するための、前記第1センサ(4)とは別の第2センサ(5)と、
-電気エネルギ蓄積器(7)から前記第1センサ(4)への電力供給を行うかまたは遮断するための電子スイッチ(10)と、
-前記サニタリ装置(3)の前記周囲に少なくとも一人の人(8)が存在することが前記第2センサ(5)によって検出されるか否かに応じて、前記電子スイッチ(10)を操作するための制御装置(6)と、
を含むセンサ装置(1)。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されている、請求項8記載のセンサ装置(1)。
【請求項10】
請求項8または9記載のセンサ装置を備えたサニタリ装置(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サニタリ装置の利用領域における人を識別するためのセンサ装置を作動させる方法と、サニタリ装置の利用領域における人を識別するためのセンサ装置と、このようなセンサ装置を備えたサニタリ装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
プレゼンスセンサを備えた電気的に作動可能なサニタリ部品は公知である。サニタリ部品の利用領域において一人または複数人の人が存在することを可能な限りに全面的に監視するためには一般に、比較的長い到達距離を有するプレゼンスセンサが使用される。しかしながら、長い到達距離は、これらのセンサの精度を犠牲にしていることが多い。特に、人が部品から遠ざかる方向に移動する場合に、有利な機能、例えば自動洗浄等を実現するためには、ますますより正確な測定が必要となるが、これらの測定は、長い到達距離を有するセンサによって常に実現できるわけではない。これにより、少なくとも到達距離の短いセンサもサニタリ部品に組み込まれることが多い。
【0003】
到達距離の短いセンサ、例えば、いわゆるToFセンサ(ToF=Time of Flight)が、例えば部品に組み込まれる場合にはまさに、このセンサが、電力網に接続されるのではなく、バッテリまたは蓄電池によって作動されることが望ましいことが多い。しかしながらバッテリまたは蓄電池は、限られた寿命しか有しないか、もしくはしばらく経つと再充電しなればならないため、望ましくかつ有利であるのは、部品においてあまりにも頻繁に交換する必要がないようにするために、電力消費を可能な限り少なく維持することである。
【0004】
しかしながら特に、連続して測定を行うために、ToFセンサには、バッテリ使用には大きすぎるエネルギが必要である。これにより、エネルギ需要量を低減させるために、ストラテジが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことから出発すると、本発明の課題は、従来技術に関して述べた問題を少なくとも部分的に解決することである。特に、可能な限りにエネルギ効率的かつ有利には確実に、サニタリ装置の監視および/または操作を可能にする、技術的に可能な限り簡単な解決手段を提供したい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの課題は、独立請求項に記載の方法と、センサ装置と、サニタリ装置と、によって解決される。有利な発展形態は、従属請求項に示されている。特許請求の範囲に挙げる特徴は、技術的に意味がある任意の仕方で互いに組み合わせ可能であり、場合によっては、明細書の特徴により、さらに明瞭化することができる。本明細書により、特に図面を参照して、本発明を具体的に示し、別の実施例を示す。
【0007】
サニタリ装置の利用領域における人を識別するためのセンサ装置を作動させる方法は、これに役立ち、この方法には、少なくとも次のステップ、すなわち、
a)センサ装置の第1センサとは別の第2センサにより、サニタリ装置の周囲に(特に利用領域に)少なくとも一人の人の存在することが検出されると、センサ装置の第1センサをスイッチオンするステップであって、このスイッチオンには、前に完全に遮断した、第1センサへの電力供給を行うことが含まれており、第1センサがToFセンサであるステップと、
b)第1センサを用いて、人とサニタリ装置との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出するステップであって、第1センサから送信された信号の伝搬時間測定を行うステップと、
c)特に第1センサおよび/または第2センサにより、サニタリ装置の周囲に(特に利用領域に)少なくとも一人の人が存在することがもはや検出されなくなると、第1センサをスイッチオフするステップであって、このスイッチオフには、第1センサへの電力供給を完全に遮断することが含まれるステップと、が含まれている。このことは、換言すると、特に、利用領域にもはや人を検知することができなくなると、スイッチオフを行うことを意味する。
【0008】
ステップa)、b)およびc)は、本方法を実施するために、例えば、少なくとも1回および/または示した順序で繰り返して行うことができる。本方法は、例えば、本明細書でも説明するセンサ装置を用いて実施することができる。本方法は、サニタリ装置の利用領域における人を識別するために使用される。本方法はさらに、サニタリ装置の(電子的な)制御、特にトリガもしくは(水供給の)アクティブ化に役立てることができ、またはこれらを行うことができる。
【0009】
サニタリ装置は、例えば、水栓、シャワー、浴槽等の形態の水洗部品であってよい。さらに、サニタリ装置は、例えば、トイレもしくは水洗便器、ビデおよび/もしくは小便器またはこのための部品であってよい。利用領域は特に、人(例えば手)が進入した際にサニタリ装置が、使用準備完了状態に切り換えられ、かつ/または(水供給)がアクティブ化される、サニタリ装置における、もしくはサニタリ装置の周りの(あらかじめ定められた)周囲領域を意味する。センサ装置、または第1センサおよび/もしくは第2センサは、その検出フィールドが、あらかじめ定めた利用領域とほぼ一致するように、もしくは少なくとも部分的に利用領域を覆うように、サニタリ装置の傍らにまたはサニタリ装置に利用される。
【0010】
センサ装置には、例えば、ハイブリッドセンサの形態の第1センサおよび第2センサが含まれていてよい。これに関連して、第1センサおよび第2センサは、センサ装置のハイブリッドセンサを形成することができる。「ハイブリッドセンサ」という用語は、これに関連して特に、異なる2つのセンサ技術が使用されることを意味する。特に、第1センサは、距離測定を行うのに適している。これに対して、第2センサは、対象体、例えば人等が利用領域に存在することを識別するためだけ適していてよい。第1センサと第2センサとは特に、物理的に異なる測定方式に従って動作可能である。
【0011】
ToF(Time of Flight)センサによって有利には、プレゼンスの非接触の検出、もしくは物理的な対象体および人との距離の測定が可能になる。ToFセンサは、センサから対象体もしくは人に、またこの逆の経路で光子の運行を時間的に検出することにより、目標対象体までの距離を測定することができる(伝搬時間測定)。ToFセンサは、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)および/または単一光子アバランシェダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Photodiode)を有するアレイによって構成可能である。ToFセンサは、複数の、例えば3つの間隔モード機能、例えば、近距離モード、中距離モードおよび近接領域モードを実現することができる。ToFセンサは、例えば、1mm(ミリメートル)の分解能で距離測定を行うことができ、特に、センサの制御接続部としても使用可能であるデジタルI2Cインタフェースを介して、制御装置に通知することができる。ToFセンサは、例えばToFレーザセンサであってよい。
【0012】
ToFセンサおよび/またはセンサ装置はさらに、好適には所定の波長、または(レーザビームとは別の)別の波長を有する光をフィルタリングすることができる覗き窓を有していてよい。
【0013】
特に、例えば、小便器またはトイレを離れる際に水洗をトリガするために、利用領域における、もしくは利用領域から出る人の移動を追跡することを目的として、ToFセンサを用い、複数の(時間的に順次に行われる)間隔測定もしくは距離測定を行うこともできる。
【0014】
本方法は有利には、対象体が利用領域(検出領域もしくは検知領域)に存在している場合にのみ、ToF測定を行うのに役立つ。これにより、有利には、センサ装置の(総)エネルギ需要量を低減させることができる。検出領域に何かが存在するか否かの識別は、特に、有利にはわずかなエネルギしか必要としない(第2)センサによって行われる。ToFセンサは、必要でない場合、このために適切な手段によって完全にスイッチオフすることができる(パワーオフ)。特に、制御装置により、付加的なセンサを用いて、検出領域に何かが存在するか否かを検査することができる。検出領域に対象体が識別されると直ちに、ToFセンサをスイッチオンし、距離測定を行うことができる。検出領域を離れたことが制御装置によって識別されると直ちに、ToFセンサをスイッチオフすることができる。検出領域を離れたことは、ToFセンサによっても、付加的なセンサによっても検出することができる。
【0015】
有利な1つの実施形態によると、第2センサは、第1センサよりも電力消費量が少ないことが提案される。第2センサはさらに、第1センサよりも長い到達距離を有していてよい。第1センサはさらに、第2センサよりも高い測定精度を有していてよい。例えば、第2センサは、超音波センサまたは赤外線センサであってよい。好適には、第2センサは赤外線センサである。第2センサは特に、第1センサ(ToFセンサ)には依存せずに配置可能である。第1センサと第2センサとは、直接に並んで配置されていてもよい。第1センサおよび第2センサは、共通のケーシングに配置されていてよい。
【0016】
有利な1つの実施形態によると、電力供給を行うために、サニタリ装置の電気エネルギ蓄積器に第1センサを接続することが提案される。電気エネルギ蓄積器には、例えば、少なくとも1つの電気バッテリおよび/または少なくとも1つの蓄電池が含まれていてよい。
【0017】
有利な1つの実施形態によると、第1センサへの電力供給を行うかまたは遮断するために電子スイッチを操作することが提案される。このスイッチは、第1センサへの電力供給を完全に遮断し(給電電圧を遮断し)、必要に応じてこれを再び行えるように配置および構成されていてよい。電子スイッチは、例えば、少なくとも1つのトランジスタによって形成されていてよい。さらに電子スイッチは、例えば、センサ装置の制御装置によって操作することができる。制御装置により、例えば、第2センサのセンサ出力に応じて、電子スイッチを操作することができる。制御装置は、例えば、制御ユニットの形態で、例えばマイクロコントローラ等によって形成されていてよい。
【0018】
いずれにせよ、電力供給を完全に遮断することと、センサが依然として電気エネルギもしくは電力を消費し得る「スタンバイ」モードに移行することと、は異なる。ここでは第1センサの操作はさらに、有利には常にスイッチもしくは制御装置を介して行われる。いずれにせよ、第2センサから第1センサへの直接のソフトウェアによる命令は行われない。特に第2センサは、第1センサと通信しない。ここでは、スイッチオンの場合に有利には単純なバイナリ信号によってトランジスタを導通させて、第1センサに再び電力を供給することができる。
【0019】
別の1つの態様によると、サニタリ装置の利用領域における人を識別するためのセンサ装置が提案され、このセンサ装置には少なくとも、
-人とサニタリ装置との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出するための、ToFセンサである第1センサと、
-サニタリ装置の周囲に少なくとも一人の人が存在することを検出するための、第1センサとは別の第2センサと、
-電気エネルギ蓄積器から第1センサへの電力供給を行うかまたは遮断するための電子スイッチと、
-サニタリ装置の周囲に少なくとも一人の人が存在することが第2センサによって検出されるか否かに応じて、電子スイッチを操作するための制御装置と、が含まれている。
【0020】
センサ装置は、有利には、本明細書で説明する方法を実施するように構成されていてよい。
【0021】
別の1つの態様によると、本明細書で説明するセンサ装置を備えたサニタリ装置が提案される。
【0022】
本方法に関連して論じた詳細、特徴および有利な実施形態は、相応に、本明細書で提示したセンサ装置および/またはサニタリ装置においても生じ得るものであり、その逆もまた同様である。この限りにおいて、より詳細に特徴を特徴付けるために、該当する箇所の説明を全面的に参照されたい。
【0023】
以下では複数の図に基づき、本明細書で示した解決手段およびその技術的な周辺事情を詳しく説明する。本発明は、図示した実施例によって制限されるべきでないことに注意されたい。特に、明示的に別に示さない限り、図面で説明した状況の部分的な側面を抽出し、また別の図面および/または本明細書の説明からの別の構成部分および/または知識と組み合わせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本明細書で示した方法の例示的なフローを略示する図である。
【
図2】本明細書で説明するセンサ装置を備えた例示的なサニタリ装置を略示する図である。
【
図3】本明細書で示したセンサ装置の例示的な構造を略示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本明細書で示した方法の例示的なフローが略示されている。本方法は、サニタリ装置3(
図2、
図3を参照されたい)の利用領域2における人8を識別するためのセンサ装置1を作動させるために使用される。ブロック110,120および130で示したステップa)、b)およびc)の順序は、例示的であり、本方法を実施するために、例えば、図示した順序で少なくとも1回、行うことができる。
【0026】
ブロック110では、ステップa)にしたがい、センサ装置1の第1センサ4とは別の第2センサ5により、サニタリ装置3の周囲に少なくとも一人の人8が存在することが検出されると、センサ装置1の第1センサ4をスイッチオンし、このスイッチオンには、前に完全に遮断した、第1センサ4への電力供給を行うことが含まれており、ここで第1センサ4はToFセンサである。ブロック120では、ステップb)にしたがい、第1センサ4を用いて、人8とサニタリ装置3との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出し、ここで第1センサ4から送信された信号の伝搬時間測定を行う。ブロック130では、ステップc)にしたがい、サニタリ装置3の周囲に少なくとも一人の人8が存在することがもはや検出されなくなると、第1センサ4をスイッチオフし、このスイッチオフには、第1センサ4への電力供給を完全に遮断することが含まれている。
【0027】
図2には、本明細書で説明するセンサ装置1を備えた例示的なサニタリ装置3が略示されている。ここでは、サニタリ装置3は、サニタリ部品の形態で構成されており、このサニタリ部品は、その前に位置決めされた洗面台に例えば水を放出することができる。
【0028】
図3には、サニタリ装置3の利用領域2における人8を識別するための、本明細書で示したセンサ装置1の例示的な構造が略示されている。センサ装置1には、人8とサニタリ装置3との間の空間距離に関する少なくとも1つの距離情報を検出するための、ToF(Time of Flight)センサである第1センサ4が含まれている。センサ装置1にはさらに、サニタリ装置3の周囲に少なくとも一人の人8が存在することを検出するための、第1センサ4とは別の第2センサ5が含まれている。センサ装置1にはさらに、電気エネルギ蓄積器7から第1センサ4への電力供給を行うかまたは遮断するための電子スイッチ10が含まれている。センサ装置1にはさらに、サニタリ装置3の周囲に少なくとも一人の人8が存在することが第2センサ5によって検出されるか否かに応じて、電子スイッチ10を操作するための制御装置6が含まれている。センサ装置1は例示的に、ここでは窓ガラス9または覗き窓も有し、その後ろにセンサ4,5が配置されている。
【0029】
例えば、第2センサ5は、第1センサ4よりも電力消費が少なくてよい。さらに、電力供給を行うために、第1センサ4はサニタリ装置3の電気エネルギ蓄積器7に接続されていてよい。例えば、第1センサ4への電力供給を行うかまたは遮断するために、電子スイッチ10を操作することができる。電子スイッチ10は、これに関連して、例示的にトランジスタによって形成されていてよい。電子スイッチ10は、センサ装置1の制御装置6によって操作可能である。ここでは、制御装置6により、第2センサ5のセンサ出力に応じて、電子スイッチ10を操作することができる。
【0030】
センサ装置1は特に、ハイブリッドセンサの形で構成されていてよく、ここでは、第2センサ5は、第1センサ4(メインセンサ)よりも格段に少ないエネルギしか必要としない、第1(ToF)センサ4に付加的なセンサである。この付加的なセンサは、ここでは特に、必要時においてのみ、測定のためにToFセンサをオンにするために使用される。残りの期間では、ToFセンサはオフされたままである(すなわち、完全に無電力または「パワーオフ」状態にある)。これにより、センサ装置1もしくはハイブリッドセンサの(総)エネルギ需要量を有利に低減させることできる。
【0031】
したがって本明細書において、従来技術に関して述べた問題を少なくとも部分的に解決する解決手段が示された。特に、可能な限りにエネルギ効率的かつ有利には確実にサニタリ装置の監視および/または操作を可能にする、技術的に可能な限り簡単な解決手段が示された。
【符号の説明】
【0032】
1 センサ装置
2 利用領域
3 サニタリ装置
4 第1センサ
5 第2センサ
6 制御装置
7 エネルギ蓄積器
8 人
9 窓ガラス
10 スイッチ
【国際調査報告】