(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】リンスオフパーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20241126BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241126BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241126BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20241126BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20241126BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20241126BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20241126BHJP
A61Q 17/02 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K8/41
A61K8/19
A61K8/92
A61Q13/00 100
A61Q17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024527329
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022079350
(87)【国際公開番号】W WO2023099078
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/130217
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】パン,シャオユン
(72)【発明者】
【氏名】タン,シュエジ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジンファン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC691
4C083AC781
4C083AC782
4C083BB05
4C083BB41
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD14
4C083DD16
4C083DD23
4C083EE07
4C083EE23
(57)【要約】
(a)層間距離1~10nmを有するインターカレート層状粒子及び当該粒子内の活性物質を含むマイクロカプセル;及び(b)アニオン性界面活性剤を含むリンスオフパーソナルケア組成物であって、当該活性物質が天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択されるリンスオフパーソナルケア組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)層間距離1~10nmを有するインターカレート層状粒子及び当該粒子内の活性物質を含むマイクロカプセル;及び
(b)アニオン性界面活性剤、
を含むリンスオフパーソナルケア組成物であって、
当該活性物質が天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択される、リンスオフパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記粒子がインターカレート粘土、好ましくはインターカレートベントナイトである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記粒子が脂肪族アンモニウム、好ましくはオクタデシルトリメチルアンモニウムによってインターカレートされている、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記活性物質が蚊忌避活性物質であり、好ましくは前記活性物質がシトロネラ油である、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記粒子対前記活性物質の重量比が1:8~5:1、好ましくは1:3~3:1の範囲である、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、又はそれらの混合物、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウム又はそれらの混合物、最も好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記層間距離が2~8nm、好ましくは1~4nmである、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が非球形形状を有し、好ましくは球形度0.01~0.15を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記マイクロカプセルがコア-シェル構造ではない、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記マイクロカプセルが当該組成物の0.1重量%~2重量%の量で存在する、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
個体の皮膚、頭皮又は毛髪をクレンジングするための泡立ちを高める方法であって、個体の皮膚の表面に、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物を適用する段階を含む方法。
【請求項12】
個体の皮膚、頭皮又は毛髪をクレンジングするための泡立ち促進を提供するための、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリンスオフパーソナルケア組成物に関する。特に、本発明は、泡立ち効力を高めるためのリンスオフパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
リンスオフパーソナルケア製品は通常、ヒトの皮膚、頭皮及び毛髪のクレンジングに使用され、例えば、スキンクレンジング製品及びヘアクレンジング製品である。泡立ちがより多いということはその製品がクレンジングにおいて有効であることを示唆するので、一部の消費者は、泡立ちがより多いことを好む。クレンジングに加えて、一部の消費者はまた、スキン及びヘアクレンジング製品からの各種の利益も望む。したがって、有益活性物質を製剤に加えることができる。しかしながら、一部の有益活性物質は、泡の量又は質などの泡立ちに悪影響を与え得る。有益活性物質の性能を改善するために、その活性物質のマイクロカプセル中へのカプセル化が検討されている。
【0003】
カプセル化は、カプセル材料中に物質をカプセル化することで、ナノサイズ、ミクロサイズ又はミリメートルサイズのマイクロカプセルを形成するプロセスを指す。従来のマイクロカプセルは、活性物質(コア)がカプセル材料(シェル)によって囲まれているコア-シェル構造を有することができる。皮膚、頭皮又は毛髪に適用した時に、マイクロカプセルが堆積し、次に圧力及び/又は摩擦によって破壊され得る。次に、活性物質が放出されて各種有益剤、例えば蚊を忌避させる忌避剤、フケを低減するフケ防止活性物質、及び優れた感覚を提供する香料をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
界面活性剤はリンスオフパーソナルケア製品で一般的に使用され、発泡を起こし、製品、特にアニオン性界面活性剤の使用時に洗浄を助ける。しかしながら、ある種のアニオン性界面活性剤は水道水からのCa2+と錯体を形成し得るものであり、それも泡立ち低下をもたらす。
【0005】
したがって、現在もなお、泡立ち効力に関してリンスオフパーソナルケア製品を改善する余地がある。
【0006】
本発明者らは、層間距離1~10nmを有する粒子、当該粒子内部の活性物質、及びアニオン性界面活性剤を含むマイクロカプセルを含むリンスオフパーソナルケア組成物を開発した。本発明者らは驚くべきことに、リンスオフパーソナルケア組成物が増強された泡立ち効果を提供したことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本発明は、
(a)層間距離1~10nmを有するインターカレート層状粒子及び当該粒子内の活性物質を含むマイクロカプセル;及び
(b)アニオン性界面活性剤
を含むリンスオフパーソナルケア組成物であって、当該活性物質が天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択されるリンスオフパーソナルケア組成物を提供する。
【0008】
第2の態様において、本発明は、個人の皮膚をクレンジングするための泡立ち強化方法であって、本発明の組成物を個人の皮膚、頭皮又は毛髪を適用する段階を含む方法を提供する。
【0009】
第3の態様において、本発明は、個体の皮膚、頭皮又は毛髪をクレンジングするための泡立ち強化を提供するための本発明の組成物の使用を提供する。
【0010】
本発明のすべての他の態様は、以下の詳細な説明及び実施例を考慮することにより、より容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例を除き、又は別断で明示的に示されている場合を除き、材料の量又は反応条件、材料の物理特性及び/又は使用を示す本明細書のすべての数字は、任意に、「約」という言葉によって修飾されるものとして理解され得る。
【0012】
別断の指定がない限り、すべての量は組成物の重量基準である。
【0013】
留意すべき点として、値の範囲を指定する場合、特定の上限値を特定の下限値に関連付けることができる。
【0014】
疑義を回避するため、「含む(comprising)」の語は「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」又は「から構成される(composed of)」ではない。言い換えれば、列記されている段階又は選択肢は網羅的である必要はない。
【0015】
本明細書における本発明の開示は、請求項が多重従属又は冗長性なしで見出され得るという事実とは無関係に、相互に多重従属しているものとして請求項に見出されるすべての実施形態を網羅するものとみなされるべきである。
【0016】
用語
層間距離
本明細書で使用される層間距離は、隣接する粘土層間の距離を意味し、X線回折(XRD)によって測定することができる。層間距離の好適な測定方法は、30kV及び15mAでのCuKα放射線を用いるRiraku Miniflex II(Tokyo, Japan)を使用するものである。サンプルは、2.5°/分の速度で5~80°の2θ範囲で観察される(Colloids and Surfaces A: Physicochem. Eng. Aspects 507, 2016, 143ページを参照する)。
【0017】
球形度
球形度は、対象の形状が数学的に完全な球の形状にどの程度近づいているかの尺度である。粒子の球形度は、粒子の表面積に対する球(所定の粒子と同じ体積)の表面積の比率である。
【0018】
LogP
LogPは、本明細書で使用される場合、n-オクタノールと水との間の分子の分配係数を意味する。LogPは分子の親油性を示す。logPが高いほど、その分子の親油性が高くなる。
【0019】
マイクロカプセル
本発明の組成物はマイクロカプセルを含む。マイクロカプセルは、有効成分を含むのに使用される小さなカプセルである。本明細書のマイクロカプセルはインターカレート層粒子を含み、その粒子はさらに活性物質を含む。その活性物質は粒子の中間層の間に存在する。
【0020】
好ましくは、マイクロカプセルは板状形状を有し、これは平らで板状であることを意味する。好ましくは、マイクロカプセルはコア-シェル構造ではない。
【0021】
マイクロカプセルは、1以上のインターカレート粒子を含んでもよい。マイクロカプセルは、任意の好適なプロセスで製造され得る。一般的に使用されるマイクロカプセルの製造方法には、複合コアセルベーション法、イオンゲル法、マイクロエマルション重合法、多層集合法、エアサスペンション法、及び吸収カプセル化法などがある。マイクロカプセルの製造方法が、0~40℃で粒子と活性物質を混合する段階を含むことが好ましい。好ましくは、混合の段階は撹拌下で行われる。マイクロカプセルは、好ましくは、超音波処理によって達成され得る一つの単一粒子を含む。マイクロカプセルの大きさは、好ましくは100nm~50μmであり、より好ましくは1~20μmである。
【0022】
代表的には、組成物は、全組成物の0.001重量%~10重量%、より好ましくは0.005重量%~8重量%、さらにより好ましくは0.01重量%~5重量%、最も好ましくは0.1重量%~2重量%のレベルでマイクロカプセルを含む。
【0023】
好ましくは、粒子はインターカレート層状粒子である。当該粒子の好ましい形状は板状である。好ましくは、活性物質は粒子の中間層間に均一に分布している。粒子については、合成層状化合物と天然層状化合物の両方を使用することができ、例えば、フィロケイ酸塩又は粘土鉱物又はベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、セリサイト、モンモリロナイト、スメクタイト、ヘクトライト、サポナイト、タルク、バーミキュライト、アレバルダイト、アメサイト、バイデライト、フルオルヘクトライト、フルオルバーミキュライト、マイカ、イライト、白雲母、ノントロナイト、パリゴルスカイトセ、ピオライト、スティーブンサイトを含む粘土鉱物、及び合成タイプのタルク及びアルカリケイ酸塩マグヘマイト、マガディアイト、ケニヤアイト、マカタイト、シリナイト、グルマンタイト、レブダイト及びそれらの水和形態及び相当する結晶シリカ又は他の無機層状化合物、例えばハイドロタルサイト、複水酸化物及びヘテロポリ酸、好ましくはフィロケイ酸塩及び複水酸化物である。
【0024】
好ましくは、当該粒子はインターカレート層状粘度である。当該粒子がベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、セリサイト、モンモリロナイト、スメクタイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、又はタルクを含むことがより好ましい。当該粒子は最も好ましくはインターカレートベントナイトである。このような粒子は、Zhejiang Fenghong new material Co. Ltd.から市販されている。
【0025】
粒径は、例えば、ISO13320に定められた要件を満たすシステム(例えば、Malvern Instruments Ltdから入手可能なMastersizer(商標)2000)を使用するレーザー回折粒径分析装置によって測定することができる。好ましくは、粒子は10~20μmの粒径を有する。好ましくは、粒子は非球形の形状を有する。粒子の球形度は好ましくは0.01~0.74であり、より好ましくは0.01~0.5であり、最も好ましくは0.01~0.15である。
【0026】
粒子の層間距離は、好ましくは1~10nmであり、2~8nmであることがさらに好ましく、1~4nmであることが最も好ましい。
【0027】
粒子は、好ましくは、一般式R1R2R3R4N+を有する脂肪族アンモニウムによってインターカレートされ、式中、R基は長鎖又は短鎖の炭化水素鎖、代表的にはアルキル、ヒドロキシアルキル又はエトキシル化アルキル基である。例えば、R1がC10~C22アルキル基、好ましくはC16~C20アルキル基であり、R2がメチル又はアルキル基であり、R3及びR4が、同一又は異なっていることができ、メチル基又はヒドロキシエチル基である脂肪族アンモニウムである。脂肪族アンモニウムは、好ましくはオクタデシルトリメチルアンモニウムである。
【0028】
本明細書における活性物質は、蚊忌避効果を提供する防蚊剤及びスキンクレンジング組成物に好ましい感覚を提供する香料などの各種皮膚効果剤を含む。
【0029】
各種活性物質を粒子に組み込むことができる。当該活性物質は、天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択され、好ましくは当該活性物質は、蚊忌避剤活性物質である。好ましくは当該活性物質は1.5~20のlogP値を有する。
【0030】
本組成物での使用に好適な蚊忌避活性物質は、シトロネラ油、ペパーミント油、ユーカリ油、ラベンダー油、ベルガモット油、レモングラス油、N,N-ジエチル-メタ-トルアミド(DEET)、又はそれらの混合物を含む。好ましくは、活性物質は、シトロネラ油、ペパーミント油、ユーカリ油、ラベンダー油、ベルガモット油、又はそれらの混合物である。より好ましくは、活性物質はシトロネラ油である。
【0031】
組成物中での使用に適した代表的なフケ防止活性物質は、金属ピリチオン、例えば亜鉛ピリチオン(ZPTO)、オクトピロックス(登録商標)(ピロクトンオラミン)、アゾール系抗菌剤(例えばクリンバゾール)、硫化セレン、及びそれらの組み合わせを含む。さらに、ヒノキチオール及びヤナギ樹皮抽出物などのいくつかの天然活性物質も、フケ状態を軽減するためにヘアケア組成物に使用され得る。
【0032】
本発明の実施形態で用いる上で有利である代表的な香料成分には、比較的低い沸点を有するもの、好ましくは1気圧で測定して300℃未満、好ましくは100~250℃の沸点を有するものなどがある。
【0033】
プロフレグランスは脂質であることができる。脂質は代表的には、顕著な疎水性を有する構造単位を含む。脂質の大部分は脂肪酸に由来する。これらの「アシル」脂質では、脂肪酸は主にエステルとして存在し、モノ、ジ、トリアシルグリセロール、リン脂質、糖脂質、ジオール脂質、ロウ、ステロールエステル及びトコフェロールなどがある。
【0034】
粒子対活性物質の重量比は、1:8~5:1、好ましくは1:3~3:1の範囲である。
【0035】
界面活性剤
当該組成物はアニオン性界面活性剤を含む。2以上のアニオン性界面活性剤を組成物中で使用してもよい。アニオン性界面活性剤は、石鹸界面活性剤、非石鹸アニオン性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0036】
好適な非石鹸アニオン性界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、一級及び二級アルキル硫酸塩、特にC8~C15の一級アルキル硫酸塩;アルキルエーテル硫酸塩;オレフィンスルホネート;アルキルキシレンスルホネート;ジアルキルスルホコハク酸塩;脂肪酸エステルスルホネート;又はそれらの混合物などがある。一般にナトリウム塩が好ましい。
【0037】
好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、又はそれらの混合物であり、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウム又はそれらの混合物であり、最も好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
【0038】
ラウリルエーテル硫酸ナトリウムのレベルは、全組成物の0重量%~30重量%、より好ましくは1重量%~25重量%、最も好ましくは2重量%~15重量%であることが好ましい。
【0039】
使用できるノニオン性界面活性剤には、一級及び二級アルコールエトキシレート、特にアルコール1モル当たり平均1~20モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC8~C20脂肪族アルコール、より特にはアルコール1モル当たり平均1~10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC10~C15の一級及び二級脂肪族アルコールなどがある。非エトキシル化ノニオン性界面活性剤には、アルキルポリグリコシド、グリセロールモノエーテル、及びポリヒドロキシアミド(グルカミド)などがある。ノニオン性界面活性剤のレベルは、組成物の重量基準で、好ましくは0%~30%、より好ましくは1%~25%、最も好ましくは2%~15%である。
【0040】
好適な両性界面活性剤は、好ましくはベタイン界面活性剤である。好適な両性界面活性剤の例には、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルスルタイン及びアルキルアミドスルタイン;好ましくは、アルキル基及びアシル基に8~約18個の炭素を有するものなどがあるが、これらに限定されるものではない。両性界面活性剤の量は、組成物の重量基準で0%~2%であることが好ましく、より好ましくは1%~10%である。
【0041】
他の成分
組成物はさらに、コンディショナー及び保湿剤、例えば非水溶性皮膚有益剤を含むことができる。水不溶性皮膚有益剤の例としては、シリコーンオイル;流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス及び鉱油などの炭化水素類;ヒマワリ種油及び綿実油などの植物性トリグリセリドなどがある。
【0042】
増粘剤もまた、一部の組成物中に配合され得る。増粘剤は、セルロース誘導体、天然ゴム及びアクリルポリマーから選択することができるが、これらに限定されない。セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びそれらの組み合わせを使用することができる。好適なガムには、キサンタン、ペクチン、カラヤ、寒天、アルギン酸ガム及びそれらの組み合わせなどがある。アクリル増粘剤の中には、Lubrizol Corporationから入手可能なCarbopol 1382、Carbopol 982、Ultrez、Aqua SF-1及びAqua SF-2などのカルボマーを含むアクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー及びコポリマーがある。増粘剤の量は、組成物中の活性ポリマー(溶媒や水を除く)の0.01重量%~3重量%の範囲であることができる。
【0043】
組成物は、潜在的に有害な微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含むことが望ましい。適切な従来の防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、及び各種の四級アンモニウム化合物などがある。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム及びベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の使用及び防腐剤と他の成分との間の起こり得る不適合性を考慮して選択されるべきである。防腐剤は好ましくは、組成物の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用する。
【0044】
当該組成物はまた、各種他の任意の材料を含んでもよい。例えば、2-ヒドロキシ-4,2’,4’-トリクロロジフェニルエーテル(トリクロサン)、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシクロロベンゼン、及び3,4,4’-トリクロロカルバニリドなどの抗菌剤;ポリエチレン及びシリカ又はアルミナなどのスクラブ粒子及び角質除去粒子;メントールなどの冷却剤;アロエベラなどの皮膚鎮静剤;ビタミンB3化合物などの皮膚光沢剤;ビタミンC化合物などの抗酸化剤;及び着色剤である。
【0045】
組成物はさらに、0.5重量%~10重量%のエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、EHDP又は混合物などの金属イオン封鎖剤;エチレングリコールジステアレート、二酸化チタン、又はLytron621(スチレン/アクリレートコポリマー)などの乳白剤及びパールライザーを含むことができ、これらはすべて、製品の外観や特性を高めるのに役立つ。
【0046】
好ましくは、組成物は、組成物の少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、さらにより好ましくは40重量%~90重量%、さらにより好ましくは少なくとも60重量%~85重量%の量で水を含む。
【0047】
スキンクレンジング組成物の方法及び使用
本明細書で使用されるリンスオフパーソナルケア組成物には、哺乳動物、特にヒトの皮膚、頭皮又は毛髪に局所適用するための組成物などがある。リンスオフはウォッシュオフと称される場合もある。リンスオフ組成物は、所望の皮膚、頭皮又は毛髪の表面に、比較的短時間、例えば数秒又は数分間適用してから、その後に、大量の水で洗い流される組成物を意味する。リンスオフパーソナルケア組成物は、スキンクレンジング組成物又はヘアクレンジング組成物であることができ、好ましくはスキンクレンジング組成物である。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、泡剤、スクラブ、又はゲルの形態である。
【0048】
本明細書で使用される「皮膚」という用語は、顔(まぶた及び唇を除く)、首、胸、腹部、背、腕、脇の下、手及び足の皮膚を含む。好ましくは、「皮膚」は、顔(まぶた及び唇を除く)及び脇の下の皮膚を意味し、より好ましくは、皮膚は、唇及びまぶた以外の顔の皮膚を意味する。本明細書で使用される「毛髪」という用語には、頭部の毛髪などがある。リンスオフパーソナルケア組成物の適用時に、マイクロカプセルが圧力及び/又は摩擦の作用によって破壊されると、活性物質が放出される。
【0049】
本発明はまた、強化された起泡効果を提供するために使用される、
(a)層間距離1~10nmを有するインターカレート層状粒子及び当該粒子内の活性物質を含むマイクロカプセル;及び
(b)アニオン性界面活性剤、
を含むリンスオフパーソナルケア組成物であって、前記活性物質が天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択されるリンスオフパーソナルケア組成物も提供する。
本発明はまた、増強された起泡効果を提供する医薬の製造における、
(a)層間距離1~10nmを有するインターカレート層状粒子及び当該粒子内の活性物質を含むマイクロカプセル;及び
(b)アニオン性界面活性剤
の組み合わせであって、前記活性物質が天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択される組み合わせも提供する。
【0050】
好ましくは、前記方法は非治療的である。好ましくは、前記使用は非治療的である。非治療的という用語は、美容目的のためのものであり、治癒又は治療目的のためのものではないことを意味する。
【0051】
以下の実施例は、本発明の理解を容易にするために提供される。これら実施例は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0052】
材料:
【0053】
【0054】
実施例1
本実施例は、サンプルの発泡試験を示すものである。
【0055】
一連のマイクロカプセルを、以下の手順を使用して表1に従って製造した。シトロネラ油1.25gを容器内のカプセル材料2.5gに加え、5分間高撹拌すると、すべての液体がカプセル材料に吸収された。次いで、さらなる使用のために容器を密封した。
【0056】
【0057】
表2に従って、一連のボディウォッシュ組成物を製造した。サンプルDでは、シトロネラ油及びインターカレートベントナイトをSLES及び脱イオン水と直接混合した。
【0058】
【0059】
発泡量を以下の手順で評価した。50mLメスシリンダーに、サンプル1mL及び脱イオン水9mLを加えた。栓を施して密封した後、サンプルスラリーの入ったシリンダーを20回上下に振った。2分間静置した後、総体積を記録した。発泡体積を、下記等式によって計算した。
発泡体積=総体積-10
【0060】
【0061】
表3は、サンプルの発泡体積を示している。驚くべきことに、本発明(サンプル1)が比較例より高い発泡体積を有していることが認められた。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)層間距離1~10nmを有するインターカレート層状粒子及び当該粒子内の活性物質を含むマイクロカプセル;及び
(b)アニオン性界面活性剤、
を含むリンスオフパーソナルケア組成物であって、
当該活性物質が天然エッセンシャルオイル、プロフレグランス、香料、蚊忌避活性物質、フケ防止活性物質又はそれらの混合物から選択され
、
前記粒子が脂肪族アンモニウムによってインターカレートされている、リンスオフパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記粒子がインターカレート粘土、好ましくはインターカレートベントナイトである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記粒子
がオクタデシルトリメチルアンモニウムによってインターカレートされている、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記活性物質が蚊忌避活性物質であり、好ましくは前記活性物質がシトロネラ油である、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記粒子対前記活性物質の重量比が1:8~5:1、好ましくは1:3~3:1の範囲である、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、又はそれらの混合物、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウム又はそれらの混合物、最も好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項7】
前記層間距離が2~8nm、好ましくは1~4nmである、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が非球形形状を有し、好ましくは球形度0.01~0.15を有する、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項9】
前記マイクロカプセルがコア-シェル構造ではない、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項10】
前記マイクロカプセルが当該組成物の0.1重量%~2重量%の量で存在する、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
個体の皮膚、頭皮又は毛髪をクレンジングするための泡立ちを高める方法であって、個体の皮膚の表面に、
請求項1又は2に記載の組成物を適用する段階を含む方法。
【請求項12】
個体の皮膚、頭皮又は毛髪をクレンジングするための泡立ち促進を提供するための、
請求項1又は2に記載の組成物の使用。
【国際調査報告】