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特表2024-544533RIPK1阻害剤としてのイソオキサゾリジン及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】RIPK1阻害剤としてのイソオキサゾリジン及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20241126BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61K45/00
A61K31/506
A61P1/00
A61P17/06
A61P17/00
A61P1/18
A61P37/00
A61P43/00 111
A61P29/00 101
A61P29/00
A61P19/02
A61P17/02
A61P19/00
A61P1/16
A61P9/00
A61P25/00
A61P13/12
A61P9/10
A61P11/06
A61P25/16
A61P25/28
A61P3/10
A61P31/12
A61P31/04
A61P1/02
A61P37/06
A61P9/10 101
A61P25/24
A61P27/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527549
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022081226
(87)【国際公開番号】W WO2023083847
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】21315242.4
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】500034653
【氏名又は名称】ジェンザイム・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】エリーザベト・デフォッサ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ハイネルト
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・マター
(72)【発明者】
【氏名】マリア・メンデス-ペレス
(72)【発明者】
【氏名】ニルス・ラッケルマン
(72)【発明者】
【氏名】クルト・リッター
(72)【発明者】
【氏名】ハウケ・シュツィラート
(72)【発明者】
【氏名】ゲーアノート・セッヒ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA012
4C084ZA021
4C084ZA022
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZA121
4C084ZA122
4C084ZA151
4C084ZA152
4C084ZA161
4C084ZA162
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA671
4C084ZA672
4C084ZA751
4C084ZA752
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZA971
4C084ZA972
4C084ZB081
4C084ZB082
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB131
4C084ZB132
4C084ZB151
4C084ZB152
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZC201
4C084ZC202
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC67
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA75
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC20
4C086ZC35
4C086ZC75
(57)【要約】
RIPK1阻害剤としてのイソオキサゾリジン及びその使用。本開示は、イソオキサゾリジン、並びに例えばRIPキナーゼ1によって媒介される疾患及び障害の治療における受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤としてのそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】

式中、
Aは、2又は3個の環原子が窒素から独立して選択され、R3及びR4で場合により置換されている5員ヘテロアリール環を表し、
R1は、H又はCHを表し、
R2は、Cl、F又はCNを表し、
R3は、H又はCHを表し、
R4は、H、CH又はシクロプロピルを表し、
R5は、H又はFを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項2】
Aが、R3及びR4で場合により置換されているイミダゾール、ピラゾール及びトリアゾールから選択される、
請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項3】
Aが、
【化2】

【化3】

【化4】

から選択されるヘテロアリールを表し、式中、破線は、式Iのピリミジン環への結合を示し、
R3が、H又はCHを表し、
R4が、H、CH又はシクロプロピルを表す、
請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項4】
Aが、
R3及びR4で場合により置換されている、1-イミダゾリル及び3-ピラゾリルから選択されるヘテロアリールを表す、
請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項5】
Aが、1-イミダゾリル及び3-ピラゾリルから選択されるヘテロアリールを表し、
R1がHを表し、
R2がCNを表し、
R3がCHを表し、
R4がHを表し、
R5が、H又はFを表す、
請求項1~4のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項6】
前記式Iの化合物が、
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-2-メチル-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン;
[(3S)-3-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-[(3S)-2-[1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル;
5-[(3S)-2-[1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル;
3-[(3S)-2-[1-[6-(2,5-ジメチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチルトリアゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(4-メチルピラゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル;及び
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン;
から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項7】
前記式Iの化合物が、3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリルである、請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項8】
前記式Iの化合物が、3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリルである、請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項9】
前記式Iの化合物が、3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリルである、請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項10】
ヒト医薬品に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体と、血栓溶解剤、組織プラスミノーゲン活性化因子、抗凝固剤、血小板凝集阻害剤、抗菌剤(抗生物質、広域スペクトル抗生物質、ラクタム、抗マイコバクテリア剤、殺菌性抗生物質、抗MRSA治療)、長時間作用型βアゴニスト、吸入型コルチコステロイドと長時間作用型βアゴニストとの組合せ、短時間作用型βアゴニスト、ロイコトリエン修飾剤、抗IgE、メチルキサンチン気管支拡張剤、肥満細胞阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、CRTH2/Dプロスタノイド受容体アンタゴニスト、エピネフリン吸入エアロゾル、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ-3阻害剤とホスホジエステラーゼ-4阻害剤との組合せ、長時間作用型吸入型抗コリン剤、ムスカリンアンタゴニスト、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト、低用量ステロイド、吸入型コルチコステロイド、経口コルチコステロイド、局所コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、サリドマイド、クロラムブシル、カルシウムチャネル遮断薬、局所皮膚軟化剤、ACE阻害剤、セロトニン再取り込み阻害剤、エンドセリン-I受容体阻害剤、抗線維化剤、プロトンポンプ阻害剤、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子増強剤、粘液溶解剤、膵酵素、気管支拡張剤、眼硝子体内注射剤、抗血管内皮増殖因子阻害剤、毛様体神経栄養増殖因子剤、3価(IIV3)不活性化インフルエンザワクチン、4価(IIV4)不活性化インフルエンザワクチン、3価組換えインフルエンザワクチン、4価生弱毒インフルエンザワクチン、抗ウイルス剤、不活性化インフルエンザワクチン、毛様神経栄養増殖因子、遺伝子導入剤、局所免疫調節剤、カルシニューリン阻害剤、インターフェロンガンマ、抗ヒスタミン薬、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗T細胞抗体、抗胸腺細胞ガンマグロブリン-ウマ抗体、抗胸腺細胞グロブリン-ウサギ抗体、抗CD40アンタゴニスト、JAK阻害剤及び抗TCRマウスmAbから選択される1つ以上の追加の活性医薬剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項13】
RIPキナーゼ1媒介疾患又は障害の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
壊死性腸炎、結節性硬化症、タンジール病、ウォルマン症候群、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性、黄斑変性、膵炎(例えば、急性膵炎)、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、脊椎関節炎、痛風、SoJIA、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質症候群、血管炎、変形性関節症、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎、腎炎、セリアック病、自己免疫性ITP、移植拒絶、虚血、固形臓器の虚血再灌流障害、脳虚血、敗血症、全身性炎症反応症候群、脳血管障害、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素関連発熱症候群、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、歯周炎、感染症、細菌感染症、ブドウ球菌感染症、マイコバクテリウム感染症、インフルエンザ、移植拒絶、熱傷、低酸素症、外傷、脳卒中、心筋梗塞、リソソーム蓄積症、ニーマン・ピック病、ゴーシェ病、クラッベ病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリック病)、HIV関連認知症、脳症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性、フリードライヒ運動失調症、レビー小体病、糖尿病性ニューロパチー、ポリグルタミン(ポリQ)病、ファール病、メンケ病、ウィルソン病、プリオン障害、アテローム性動脈硬化症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、大うつ病性障害、双極性障害、精神遅滞、術後認知障害、自閉症、統合失調症、化膿性汗腺炎及び色素失調症の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び色素失調症の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項16】
アルツハイマー病の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項17】
多発性硬化症の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項18】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項19】
色素失調症の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
炎症は、病原体の侵入及び組織損傷等の有害な刺激に応答する保護機構であり得るが、慢性炎症は、神経変性、関節リウマチ、自己免疫疾患及び炎症性疾患、並びに癌等の多くのヒト疾患における重要な基礎因子である。同様に、感染細胞又は損傷細胞を排除するのに有用な壊死及びアポトーシス等の細胞死経路の活性化もまた、急性及び慢性神経変性疾患を含むヒト疾患の重要な基礎機構である。受容体相互作用プロテインキナーゼ1(UniProtKB Q13546)は、炎症、アポトーシス、及びネクロトーシスの重要な調節因子である。受容体相互作用プロテインキナーゼ1は、活性化B細胞の核因子κ軽鎖エンハンサ(NF-κB)によって媒介される炎症応答の調節において重要な役割を有する。より最近の研究は、そのキナーゼ活性が、伝統的に受動的且つ非制御的であると考えられていた壊死性細胞死の一形態であるネクロトーシスを制御し、独特の形態を特徴とすることを示している。更に、受容体相互作用プロテインキナーゼ1は、アポトーシスを調節するその活性を示すアポトーシス促進性複合体の一部である。
【0002】
受容体相互作用プロテインキナーゼ1は、ユビキチン化、脱ユビキチン化、及びリン酸化を含む複雑で入り組んだ調節機構を受ける。これらの調節事象は、細胞が生存し、炎症応答を活性化するか、又はアポトーシス若しくはネクロトーシスによって死亡するかを集合的に決定する。受容体相互作用プロテインキナーゼ1シグナル伝達の調節不全は、過剰な炎症又は細胞死をもたらし得、逆に、研究は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1の阻害が、炎症又は細胞死を伴う疾患の有効な治療法であり得ることを示している。RIPK1阻害は、関節リウマチ(RA)、乾癬、多発性硬化症、アルツハイマー病、及び炎症性腸疾患、例えばクローン病又は潰瘍性大腸炎(UC)等の様々な疾患に対処するための有望な原理として同定されている。多発性硬化症(MS)及びアルツハイマー病等のこれらの疾患のいくつかを治療するためには、中枢神経系(CNS)へのアクセスが必要であるが、関節リウマチ、乾癬、クローン病又はUC等の炎症性腸疾患(IBD)のような他の疾患の場合、CNSへのアクセスは本質的に必要ではない。最も進行したRIPK1阻害剤であるGSK2982772(国際公開第2014/125444号パンフレットに開示されているオキサゼピノン誘導体)が、第II相臨床試験でRA、乾癬、及びUCについて評価された。
【0003】
RIPK1阻害剤としてのジヒドロピラゾール及びイソオキサゾリジンは周知である(GSK国際公開第2018092089号パンフレット、国際公開第2019130230号パンフレット)。GSKは、イソオキサゾリジン及びピリミジン上にフェニル置換基を有するジヒドロピラゾールを公開し、RIPK1の阻害に対して良好な有効性を示した(比較化合物A、国際公開第2018092089号パンフレット、実施例4、pIC50=8-9(GSKデータ)、IC50(U937)=8nM、独自データ)。類似のイソオキサゾリジン、比較化合物Bは、同じ有効性を有する(IC50(U937)=9nM、独自のデータ)。ピリミジン環上のヘテロアリール環への置換基の交換は、あまり効果的でないジヒドロピラゾール(比較化合物C、国際公開第2018092089号パンフレット、実施例129、pIC50=7-9(GSKデータ)、pIC50(U937)=59nM、独自のデータ)をもたらす。イソオキサゾリジンシリーズの同じ置換パターンでは、有効性は、比較化合物Bのフェニル置換と比較して更に低下した(比較化合物D、IC50(U937)=92nM、独自のデータ)。イソオキサゾリジン上のフェニル残基にF、Cl、CH又はCN等の置換基を導入すると、化合物の有効性が低下する(比較化合物E、IC50(U937)=197nM、独自のデータ)。驚くべきことに、1,3,4-オキサジアゾールの場合により置換されたイミダゾール、ピラゾール及びトリアゾールヘテロ芳香族5員環への交換は、RIPK1阻害に対して高い有効性を有する化合物、例えばIC50(U937)=1nM(独自のデータ)を有する実施例8をもたらす(スキームA及び表1を参照されたい)。
スキームA:
【化1】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
式Iの化合物であって、
【化2】

式中、
Aは、2又は3個の環原子が窒素から独立して選択され、R3及びR4で場合により置換されている5員ヘテロアリール環を表し、
R1は、H又はCHを表し、
R2は、Cl、F又はCNを表し、
R3は、H又はCHを表し、
R4は、H、CH又はシクロプロピルを表し、
R5は、H又はFを表す、
化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が本明細書で開示される。
【0005】
別の態様では、化合物及びその中間体を製造する方法が提供される。
【0006】
関連する態様では、本開示の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物が本明細書で提供される。
【0007】
別の態様では、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害する方法が本明細書で提供される。受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の本明細書に記載の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が更に提供される。本開示はまた、受容体相互作用プロテインキナーゼ1によって媒介される(又は少なくとも部分的に媒介される)疾患、障害又は状態を治療するための医薬品の製造における化合物又はその組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
本明細書で使用される場合、他に定義されていない化学命名法は、本技術分野で使用される意味を有する。本明細書で使用される場合、「2~3個の環原子が窒素から選択される5員ヘテロアリール環」という用語は、単独で、又は別の置換基の一部として、5個の原子を含む単環式芳香族環集合体を指し、ここで、2~3個の環原子は窒素ヘテロ原子である。
【0009】
例えば、ヘテロアリール基は、2個の炭素環原子が窒素ヘテロ原子で置き換えられたC5ヘテロアリール、又は3個の炭素環原子が窒素ヘテロ原子で置き換えられたC5ヘテロアリールであり得る。ヘテロアリール基は、イミダゾール、ピラゾール及びトリアゾール等の基を含むことができる。ヘテロアリール基は、置換又は非置換であり得る。ヘテロアリール基は、環上の任意の位置を介して連結することができる。例えば、イミダゾールは、1-、2-、4-及び5-イミダゾールを含み、ピラゾールは、1-、3-、4-及び5-ピラゾールを含み、トリアゾールは、1-、4-及び5-トリアゾールを含む。
【0010】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、対象への活性剤の投与を助ける物質を指す。「薬学的に許容される」とは、賦形剤が医薬組成物の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに有害ではないことを意味する。本開示において有用な医薬賦形剤には、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、コーティング、甘味料、フレーバー及び着色剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0011】
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、本明細書に開示される化合物の酸塩又は塩基塩を指す。薬学的に許容される塩の例示的な例は、鉱酸塩、有機酸塩、第4級アンモニウム塩である。薬学的に許容される塩は非毒性であると理解される。
【0012】
本明細書に開示される酸性化合物の薬学的に許容される塩は、塩基と形成される塩、すなわちアルカリ及びアルカリ土類金属塩等のカチオン性塩である。同様に、ピリジル等の塩基性基が構造の一部を構成する場合、鉱酸、有機カルボン酸及び有機スルホン酸、例えば塩酸、メタンスルホン酸、マレイン酸等の酸付加塩も可能である。化合物の中性形態は、塩を塩基又は酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解度等の特定の物理的特性において様々な塩形態とは異なるが、そうでなければ、塩は本開示の目的のために化合物の親形態と等価である。塩形態に加えて、プロドラッグ形態である化合物が本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、本開示の化合物を提供するために生理学的条件下で容易に化学変化を受ける化合物である。更に、プロドラッグは、エキソビボ環境において化学的又は生化学的方法によって本開示の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬と共に経皮パッチリザーバに配置されると、本開示の化合物にゆっくりと変換され得る。
【0013】
「治療」又は「治療すること」は、臨床結果を含む有益な又は所望の結果を得るためのアプローチである。有益な又は所望の臨床結果には、以下の1つ以上が含まれ得る。a)疾患又は状態を阻害すること(例えば、疾患若しくは状態に起因する1つ以上の症状を減少させること、及び/又は疾患若しくは状態の程度を減少させること);b)疾患又は状態に関連する1つ以上の臨床症状の発生を遅延又は停止させること(例えば、疾患若しくは状態を安定化させること、疾患若しくは状態の悪化若しくは進行を予防若しくは遅延させること、及び/又は疾患若しくは状態の拡大(例えば、転移)を予防若しくは遅延させること);並びに/或いはc)疾患を軽減すること、すなわち、臨床症状の後退を引き起こすこと(例えば、疾患状態を改善すること、疾患又は状態の部分的又は完全な寛解を提供すること、別の薬物の効果を増強すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を高めること、及び/又は生存期間を延長すること)。
【0014】
「予防」又は「予防すること」は、疾患又は状態の臨床症状を発症させない疾患又は状態のあらゆる治療を意味する。いくつかの実施形態では、化合物は、疾患又は状態のリスクがあるか、又は疾患若しくは状態の家族歴を有する対象に投与され得る。
【0015】
「対象」は、治療の対象であった又は対象となるヒトを指す。本明細書に記載の方法は、ヒト治療に有用であり得る。本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物の「治療有効量」又は「有効量」という用語は、症状の改善又は疾患進行の遅延等の治療上の利益を提供するために、対象に投与された場合に治療を行うのに十分な量を意味する。例えば、治療有効量は、本明細書に記載の疾患又は状態の症状を減少させるのに十分な量であり得る。治療有効量は、対象、及び治療される疾患又は状態、対象の体重及び年齢、疾患又は状態の重症度、並びに投与方法に応じて異なり得、これは当業者によって容易に決定することができる。
【0016】
式Iの化合物であって、
【化3】

式中、
Aは、2又は3個の環原子が窒素から独立して選択され、R3及びR4で場合により置換されている5員ヘテロアリール環を表し、
R1は、H又はCHを表し、
R2は、Cl、F又はCNを表し、
R3は、H又はCHを表し、
R4は、H、CH又はシクロプロピルを表し、
R5は、H又はFを表す、
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは立体異性体が本明細書で開示される。
【0017】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、イミダゾール、ピラゾール、及びトリアゾールの群から選択され、R3及びR4で場合により置換されているヘテロアリールである、
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0018】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、R3及びR4で場合により置換されているイミダゾールである、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0019】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、R3及びR4で場合により置換されているピラゾールである、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0020】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、R3及びR4で場合により置換されているトリアゾールである、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0021】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル;
1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、
1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、
1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル及び1,2,4-トリアゾール-5-イルから選択され、
R3及びR4で場合により置換されているヘテロアリールを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0022】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
【化4】

【化5】

【化6】

から選択されるヘテロアリールを表し、式中、破線は、式Iのピリミジン環への結合を示し、
R3は、H又はCHを表し、
R4は、H、CH又はシクロプロピルを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0023】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
1-イミダゾリル、
1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、
1,2,3-トリアゾール-4-イル、及び
1,2,4-トリアゾール-1-イルから選択され、
R3及びR4で場合により置換されているヘテロアリールを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0024】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
【化7】

から選択されるヘテロアリールを表し、式中、破線は、式Iのピリミジン環への結合を示し、
R3は、H又はCHを表し、
R4は、H、CH又はシクロプロピルを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0025】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
1-イミダゾリル及び3-ピラゾリルから選択され、
R3及びR4で場合により置換されているヘテロアリールを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0026】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R3又はR4の一方はHを表さない、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0027】
一実施形態は、式Iの化合物であって、
R3はHを表し、
R4はCH又はシクロプロピルを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0028】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R3はCHを表し、
R4はHを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0029】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R3はCHを表し、及び
R4はCHを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0030】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R3はCHを表し、
R4はCH又はシクロプロピルを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0031】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
2-メチルピラゾール-3-イル、
3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル、
4-メチルピラゾール-1-イル
2,5-ジメチルピラゾール-3-イル、
2-メチルイミダゾール-1-イル、
4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル、
3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル、
5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル及び
3-メチルトリアゾール-4-イルから選択されるヘテロアリールを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0032】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R1はCHを表し、
R2はCNを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0033】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R1はHを表し、
R2はCNを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0034】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R1はHを表し、
R2はFを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0035】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R1はHを表し、
R2はClを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0036】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aはイミダゾール又はピラゾールを表し、
R1はHを表し、
R2はCNを表し、
R3はCHを表し、
R4はHを表し、
R5は、H又はFを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0037】
一実施形態は式Iの化合物であって、
Aは、
1-イミダゾリル及び3-ピラゾリルから選択されるヘテロアリールであり、
R1はHを表し、
R2はCNを表し、
R3はCHを表し、
R4はHを表し、
R5は、H又はFを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0038】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R5はHを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0039】
一実施形態は式Iの化合物であって、
R5はFを表す、
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0040】
別の実施形態は、
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-2-メチル-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン;
[(3S)-3-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-[(3S)-2-[1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル;
5-[(3S)-2-[1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル;
3-[(3S)-2-[1-[6-(2,5-ジメチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチルトリアゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(4-メチルピラゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル;及び
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン;
から選択される式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0041】
別の実施形態は、
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;及び
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
から選択される式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0042】
別の実施形態は、化合物
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0043】
別の実施形態は、化合物
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0044】
別の実施形態は、化合物
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル;
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0045】
化合物の合成
式Iの化合物は、本明細書に開示される方法及びその日常的な改変を用いて調製することができ、これは本明細書の開示及び当技術分野で周知の方法を考慮すれば明らかであろう。
【0046】
スキーム1~7は、式Iの実施例化合物を得るための主な反応工程を示す。
【0047】
スキーム1は、合成が実施例の節に詳細に記載されている中間体を指す。中間体I-01、I-02a、I-02b及びI-03は、R1/R2置換フェニルを有するイソキサリジン誘導体である。中央中間体I-04に、R3/R4置換Aヘテロアリール構築ブロックが結合し、中間体I-05、I-06、I-07、I-08、I-09及びI-10が得られる。
【0048】
スキーム2~7は、実施例化合物を得るための主な反応工程を示す。
【0049】
スキーム1
【化8】
【0050】
スキーム2(中間体-05からの実施例)
【化9】
【0051】
スキーム3(中間体-06からの実施例)
【化10】
【0052】
スキーム4(中間体-07からの実施例)
【化11】
【0053】
スキーム5(中間体-08からの実施例)
【化12】
【0054】
スキーム6(中間体-09及び中間体-10からの実施例)
【化13】
【0055】
スキーム7(中間体-11a及び中間体-11bからの実施例)
【化14】
【0056】
本明細書に記載される典型的な化合物の合成は、以下の実施例に記載されるように達成することができる。入手可能な場合、試薬は、例えばSigma Aldrich又は他の化学供給業者から商業的に購入することができる。典型的又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)が与えられる場合、特に明記しない限り、他のプロセス条件も使用できることが理解されよう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物又は溶媒によって異なり得るが、そのような条件は、日常的な最適化手順によって当業者によって決定することができる。
【0057】
更に、当業者に明らかなように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐために必要であり得る。様々な官能基のための適切な保護基、並びに特定の官能基を保護及び脱保護するための適切な条件は、当技術分野で周知である。例えば、多数の保護基が、Wuts,P.G.M.,Greene,T.W.,& Greene,T.W.(2006),Greene’s protective groups in organic synthesis,Hoboken,N.J.,Wiley-Interscience、及びその中で引用される参考文献に記載される。
【0058】
更に、本開示の化合物は、1つ以上のキラル中心を含み得る。したがって、所望であれば、そのような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマー若しくはジアステレオマーとして、又は立体異性体濃縮混合物として調製又は単離することができる。そのような立体異性体(及び濃縮混合物)は全て、別段示されない限り、本開示の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(又は濃縮混合物)は、例えば、当該分野で周知の光学活性出発物質又は立体選択的試薬を用いて調製され得る。或いは、このような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィ、キラル分割剤等を用いて分離することができる。
【0059】
以下の反応のための出発材料は、一般に公知の化合物であるか、又は公知の手順若しくはその明白な改変によって調製することができる。例えば、出発材料の多くは、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wisconsin,USA)、Bachem(Torrance,California,USA)、Emka- Chemce or Sigma(St.Louis,Missouri,USA)等の商業的供給業者から入手可能である。他のものは、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1-15(John Wiley,and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5,and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989)Organic Reactions,Volumes 1-40(John Wiley,and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley,and Sons,5th Edition,2001)、及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)等の標準的な参照テキストに記載されている手順又はその明白な改変によって調製され得る。用語「溶媒」、「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、それと併せて記載される反応条件下で不活性な溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(又はジクロロメタン、「DCM」)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジン等を含む)を指す。特に明記しない限り、本開示の反応で使用される溶媒は不活性有機溶媒であり、反応は不活性ガス、好ましくはアルゴン下で行われる。
【0060】
医薬組成物
本開示の化合物は、通常、医薬組成物の形態で投与される。したがって、本明細書では、本開示の化合物の1つ以上、又はその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物、並びに1つ以上の薬学的に許容される担体、アジュバント及び賦形剤を含有する医薬組成物も提供される。適切な薬学的に許容される担体としては、例えば、不活性固体希釈剤及び充填剤、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過増強剤、可溶化剤及びアジュバントが挙げられ得る。そのような組成物は、医薬分野で周知の方法で調製される。本開示の医薬組成物は、以下のために適合されたものを含む、固体又は液体形態での投与のために特別に製剤化され得る。経口投与、例えば、水薬(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下及び全身吸収を標的とするもの、ボーラス、散剤、顆粒剤、舌に塗布するためのペースト;例えば皮下、筋肉内、静脈内、又は硬膜外注射による、例えば滅菌溶液若しくは懸濁液又は徐放性医薬組成物としての非経口投与;例えば、皮膚に適用されるクリーム、軟膏又は制御放出パッチ若しくはスプレーとしての局所適用;例えばペッサリー、クリーム又はフォームとして膣内又は直腸内;舌下;眼;経皮的;又は肺及び他の粘膜表面に対して経鼻的。
【0061】
「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしにヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すために本明細書で使用される。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という語句は、対象化合物を1つの臓器又は身体の一部から別の臓器又は身体の一部に運搬又は輸送することに関与する、液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤又は溶媒封入材料等の薬学的に許容される材料、組成物又は担体を意味する。各担体は、医薬組成物の他の成分と適合性であり、対象に有害ではないという意味で「許容」でなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース及びスクロース等の糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;ポリソルベート80(すなわち、Tween80)等の界面活性剤;トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐剤ワックス等の賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル類;寒天;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝剤;ポリエステル、ポリカルボナート及び/又はポリ無水物;及び医薬組成物に使用される他の非毒性の適合性物質が挙げられる。そのような医薬組成物の例には、DMSO、10mMのDMSO、PBS中8%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、プロピレングリコール等が含まれるが、これらに限定されない。例えば、特定の実施形態では、本開示の化合物は、非経口投与のためのPBS中8%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン中4mM溶液として使用することができる。別の特定の実施形態では、本開示の化合物を、0.1%TWEEN80を含有する0.5%水性CMC中の懸濁液として使用することができる。
【0062】
本明細書に記載されるように、本化合物の特定の実施形態は、アミノ又はメチルアミノ(NCH3)等の塩基性官能基を含有し得、したがって、薬学的に許容される酸と共に薬学的に許容される塩を形成することができる。これに関して「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示の化合物の比較的非毒性の無機及び有機酸付加塩を指す。これらの塩は、投与担体又は剤形製造プロセスにおいてその場で、又は遊離塩基形態の本開示の精製化合物を適切な有機又は無機酸と別々に反応させ、その後の精製中にこのように形成された塩を単離することによって調製することができる。
【0063】
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム等の湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤、並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤及び酸化防止剤も組成物中に存在することができる。薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、以下が挙げられる。アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等の油溶性酸化防止剤;及びクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤。本開示の医薬組成物には、経口、経鼻、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣及び/又は非経口投与に適したものが含まれる。医薬組成物は、単位剤形で都合よく提供され得、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製され得る。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性化合物の量は、治療される宿主、特定の投与様式に応じて変化する。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性化合物の量は、一般に、治療効果を生じる化合物の量である。一般に、この量は、活性化合物の約1%~約99%、好ましくは約5%~約70%、最も好ましくは約10%~約30%の範囲である。特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、シクロデキストリン、リポソーム、ミセル形成剤、例えば胆汁酸及びポリマー担体、例えばポリエステル及びポリ無水物の1つ以上;及び本開示の化合物を含む。特定の実施形態では、前述の医薬組成物は、本開示の化合物を経口で生物学的に利用可能にする。これらの医薬組成物を調製する方法は、本開示の化合物を担体及び場合により1つ以上の補助成分と会合させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、本開示の化合物を液体担体又は細かく分割された固体担体又はその両方と均一且つ密接に会合させ、次いで、必要に応じて生成物を成形することによって調製される。経口投与に適した本開示の医薬組成物は、カプセル、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(フレーバーベース、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカントを使用する)、粉末、顆粒の形態であってもよく、又は水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油型若しくは油中水型液体エマルジョンとして、又はエリキシル剤若しくはシロップ剤として、又はトローチ剤(ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア等の不活性塩基を使用)として、及び/又は洗口剤等としてであってもよく、それぞれが活性化合物として所定量の本開示の化合物を含有する。本開示の化合物はまた、ボーラス、舐剤又はペーストとして投与されてもよい。経口投与(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤等)のための本開示の固体剤形では、活性化合物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム及び/又はデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び/又はケイ酸等の充填剤又は増量剤;カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/又はアカシア等の結合剤;グリセロール等の湿潤剤;寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリカート及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤;パラフィン等の溶液遅延剤;四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール及び非イオン性界面活性剤等の湿潤剤;カオリン及びベントナイトクレイ等の吸収剤;例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物等の潤滑剤;及び着色剤のいずれかと混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、医薬組成物は緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用して、軟殻及び硬殻ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。錠剤は、場合により1つ以上の補助成分と共に、圧縮又は成形によって作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤又は分散剤を使用して調製され得る。成形錠剤は、粉末化合物の混合物が不活性液体希釈剤で湿らされる適切な機械で作製され得る。本開示の医薬組成物の錠剤及び他の固体剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、任意選択で、腸溶コーティング及び医薬製剤分野で周知の他のコーティング等のコーティング及びシェルを用いて刻み目を付けるか又は調製することができる。それらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを提供するために様々な割合でヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/又はミクロスフェアを使用して、その中の活性化合物の徐放又は制御放出を提供するように製剤化され得る。それらは、急速放出、例えば凍結乾燥のために製剤化され得る。それらは、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、又は使用直前に滅菌水若しくは何らかの他の滅菌注射用媒体に溶解することができる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌され得る。これらの組成物はまた、場合により乳白剤を含有してもよく、胃腸管の特定の部分において、場合により遅延様式で、活性化合物(複数可)のみ又は活性化合物(複数可)を優先的に放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。活性化合物はまた、適切な場合には、上記の賦形剤の1つ以上と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。本開示の化合物の経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル並びにそれらの混合物を含有し得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤及び保存剤等のアジュバントも含むことができる。懸濁液は、活性化合物に加えて、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント並びにそれらの混合物として懸濁化剤を含有し得る。
【0064】
直腸投与又は膣投与のための本開示の医薬組成物は、坐剤として提供され得、これは、本開示の1つ以上の化合物を、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス又はサリシラートを含む1つ以上の適切な非刺激性賦形剤又は担体と混合することによって調製され得、室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸又は膣腔で融解し、活性化合物を放出する。
【0065】
膣内投与に適した本開示の医薬組成物には、適切であることが当技術分野で知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーも含まれる。本開示の化合物の局所又は経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が含まれる。活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容される担体及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤又は噴射剤と混合され得る。軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、本開示の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛又はそれらの混合物を含有し得る。粉末及びスプレーは、本開示の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末又はこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有することができる。スプレーは、クロロフルオロ炭化水素及びブタン及びプロパン等の揮発性非置換炭化水素等の慣用的な噴射剤を更に含むことができる。経皮パッチは、本開示の化合物の身体への制御された送達を提供するという追加の利点を有する。化合物を適切な媒体に溶解又は分散させることにより、そのような剤形を作製することができる。吸収促進剤を使用して、皮膚を横切る化合物の流動を増加させることもできる。速度制御膜を提供するか、又は化合物をポリマーマトリックス又はゲルに分散させるかのいずれかが、そのような流動の速度を制御することができる。
【0066】
眼科用医薬組成物、眼軟膏、粉末、溶液等も、本開示の範囲内であると考えられる。非経口投与に適した本開示の医薬組成物は、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、医薬組成物を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質又は懸濁剤若しくは増粘剤を含有し得る、使用直前に滅菌注射液若しくは分散液に再構成され得る1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液若しくは非水溶液、分散液、懸濁液若しくはエマルジョン又は滅菌粉末と組み合わせて、本開示の1つ以上の化合物を含む。
【0067】
本開示の医薬組成物に使用され得る適切な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びそれらの適切な混合物、植物油、例えばオリーブ油及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料の使用、分散液の場合には必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0068】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤等のアジュバントを含有し得る。対象化合物に対する微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェニルソルビン酸等を含めることによって確実にすることができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を組成物に含めることも望ましい場合がある。更に、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤を含めることによって、注射用医薬形態の長期吸収がもたらされ得る。場合によっては、薬物の効果を延長するために、皮下注射又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶性又は非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、溶解速度は結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。或いは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性担体に溶解又は懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中に主題化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用医薬組成物はまた、体組織と適合性であるリポソーム又はマイクロエマルジョンに薬物を封入することによって調製される。
【0069】
治療用途
他の実施形態では、受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害を治療する方法が本明細書で提供される。この方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害は、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、感染症、ゴーシェ病、クラッベ病、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、HIV関連認知症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性、関節リウマチ、乾癬若しくはアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、乾癬性関節炎、又は炎症性腸疾患である。
【0070】
本明細書で使用される「外傷」という用語は、暴力、事故、骨折等によって引き起こされる身体へのあらゆる物理的損傷を指す。「虚血」という用語は、通常は動脈血供給の閉塞又は組織内の低酸素症をもたらす不十分な血流に起因する低酸素状態を特徴とする心血管障害を指す。「脳卒中」という用語は、脳内の血餅又は出血によって引き起こされる心血管障害を指し、最も一般的には、血管を遮断する血餅等による脳内の血流の遮断によって引き起こされ、本開示の特定の実施形態では、脳卒中という用語は虚血性脳卒中又は出血性脳卒中を指す。「心筋梗塞」という用語は、血液供給の閉塞に起因する局所壊死を特徴とする心血管障害を指す。本明細書に記載の方法は、インビボ又はエクスビボで細胞集団に適用され得る。「インビボ」とは、動物又はヒト内等、生きている個体内を意味する。これに関連して、本明細書に記載される方法は、個体において治療的に使用され得る。「エクスビボ」は、生きている個体の外部を意味する。エクスビボ細胞集団の例としては、インビトロ細胞培養物、及び個体から得られた体液又は組織試料を含む生物学的試料が挙げられる。そのような試料は、当技術分野で周知の方法によって得ることができる。例示的な生体液試料には、血液、脳脊髄液、尿及び唾液が含まれる。これに関連して、本明細書に記載される化合物及び組成物は、治療目的及び実験目的を含む様々な目的のために使用され得る。例えば、本明細書に記載される化合物及び組成物は、所与の適応症、細胞型、個体及び他のパラメーターについての本開示の化合物の投与の最適なスケジュール及び/又は投与量を決定するためにエクスビボで使用され得る。そのような使用から収集された情報は、インビボ治療のためのプロトコルを設定するために実験目的又は診療所で使用され得る。本明細書に記載される化合物及び組成物が適し得る他のエクスビボ使用は、以下に記載されるか、又は当業者に明らかになるであろう。選択された化合物は、ヒト又は非ヒト対象における安全性又は寛容性用量を調べるために更に特徴付けられ得る。そのような特性は、当業者に一般的に知られている方法を使用して検査することができる。ノックアウト動物モデル及び受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤であるネクロスタチン1を用いた実験は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、網膜剥離誘発性光受容体壊死、網膜色素変性、セルレイン誘発性急性膵炎、及び敗血症/全身性炎症反応症候群(SIRS)から組織を保護すること、並びに虚血性脳損傷、網膜虚血/再灌流損傷、ハンチントン病、腎虚血再灌流損傷、シスプラチン誘発性腎損傷、外傷性脳損傷、血液及び固形臓器悪性腫瘍、細菌感染症及びウイルス感染症(例えば、結核及びインフルエンザ又はSARS-コロナウイルス)、並びにリソソーム蓄積症を軽減することにおける受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害の有効性を実証した。したがって、本開示の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、RIPK1キナーゼ駆動性炎症及び細胞死の両方が、全身性炎症反応症候群(SIRS)の重要な寄与因子であることを示唆している。血管透過性及び内皮機能不全がSIRS/ショック及び致死に寄与するという理論的根拠もある。したがって、本開示の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、限定するものではないが、炎症性疾患又は障害、壊死性細胞疾患、神経変性疾患、中枢神経系(CNS)疾患、眼疾患、感染症、及び悪性腫瘍を含む、受容体相互作用プロテインキナーゼ1によって媒介される疾患及び状態を治療するのに有用である。特定の実施形態では、本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、炎症を阻害し、組織又は細胞を損傷又は望ましくない細胞死(例えば、壊死又はアポトーシス)から保護し、症状を改善し、規定された疾患又は状態のいずれかに罹患している対象の免疫応答又は神経機能を改善することができる。更に、化合物は、限定されないが、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、及び移植拒絶の予防等の免疫媒介疾患の治療に適し得る。
【0071】
医薬品に使用するための化合物及び組成物が本明細書で提供される。特定の実施形態では、化合物及び組成物は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害の治療に使用するためのものである。受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法も提供される。特定の実施形態では、疾患又は障害は、A20SNPに関連する炎症性疾患である。様々な特定の疾患及び障害を以下に記載する。特定の実施形態では、疾患又は障害は、壊死性腸炎、結節性硬化症、タンジール病、ウォルマン症候群、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、網膜剥離、網膜色素変性、黄斑変性、膵炎(例えば、急性膵炎)、界面皮膚炎(例えば、皮膚エリテマトーデス、扁平苔癬、毛孔性扁平苔癬、中毒性表皮壊死症(TEN)、スティーブンス・ジョンソン症候群、移植片対宿主病(GvHD)、円形脱毛症、白斑)、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風、SoJIA、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質症候群、血管炎、変形性関節症、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎、腎炎、セリアック病、自己免疫性ITP、移植拒絶、固形臓器の虚血再灌流障害、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、脳血管障害、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素関連発熱症候群、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、歯周炎、細菌感染症、ブドウ球菌感染症、マイコバクテリウム感染症、網膜色素変性症、インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、急性呼吸反応症候群(ARDS)、移植拒絶、熱傷又は低酸素症である。特定の実施形態では、疾患又は障害は、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、感染症、リソソーム蓄積症、ニーマン・ピック病、ゴーシェ病、クラッベ病、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリック病)、ハンチントン病、HIV関連認知症、脳症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性、関節リウマチ、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、乾癬性関節炎又は炎症性腸疾患である。
【0072】
特定の実施形態では、疾患は、壊死性腸炎、結節性硬化症、タンジール病、ウォルマン症候群、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性、黄斑変性、膵炎(例えば、急性膵炎)、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、脊椎関節炎、痛風、SoJIA、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質症候群、血管炎、変形性関節症、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎、腎炎、セリアック病、自己免疫性ITP、移植拒絶、虚血、固形臓器の虚血再灌流障害、脳虚血、敗血症、全身性炎症反応症候群、脳血管障害、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素関連発熱症候群、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、歯周炎、感染症、細菌感染症、ブドウ球菌感染症、マイコバクテリウム感染症、インフルエンザ、移植拒絶、熱傷、低酸素症、外傷、脳卒中、心筋梗塞、リソソーム蓄積症、ニーマン・ピック病、ゴーシェ病、クラッベ病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリック病)、HIV関連認知症、脳症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性、フリードライヒ運動失調症、レビー小体病、糖尿病性ニューロパチー、ポリグルタミン(ポリQ)病、ファール病、メンケ病、ウィルソン病、プリオン障害、アテローム性動脈硬化症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、大うつ病性障害、双極性障害、精神遅滞、術後認知障害、自閉症、統合失調症、化膿性汗腺炎又は色素失調症である。
【0073】
特定の実施形態では、疾患又は障害は、アルツハイマー病、ALS、フリードライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパチー、ポリグルタミン(ポリQ)病、脳卒中、ファール病、メンケ病、ウィルソン病、脳虚血、リソソーム蓄積症、又はプリオン障害である。特定の実施形態では、疾患はALSである。特定の実施形態では、疾患はアルツハイマー病である。特定の実施形態では、疾患はリソソーム蓄積症である。特定の実施形態では、疾患はパーキンソン病である。特定の実施形態では、障害は、脳、心臓、腎臓及び肝臓を含むがこれらに限定されない臓器の虚血性疾患である。いくつかの異なる実施形態では、障害は、網膜変性疾患、緑内障又は加齢黄斑変性等の眼障害である。いくつかの異なる実施形態では、障害は、中枢神経系(CNS)障害である。
【0074】
特定の実施形態では、関節リウマチ(Lawlor KE,et al.,Nat Commun.2015,6282;Lee SH,et al.,Sci Rep.,7,2017,10133を参照されたい)、全身型若年性特発性関節炎(SoJIA)、脊椎関節炎、変形性関節症、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、又は多発性硬化症を治療する方法が提供され、治療有効量の本明細書で提供される化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む。特定の実施形態では、自己免疫性肝炎、アテローム性動脈硬化症、好中球性皮膚疾患、又はA20、NEMO、及び/若しくはLUBAC変異によって引き起こされる希な疾患を治療する方法であって、治療有効量の本開示の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が提供される。
【0075】
特定の実施形態では、化合物及び組成物は、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)を治療するのに有用である。特定の実施形態では、障害は、クローン病又は潰瘍性大腸炎(両方とも一般に炎症性腸疾患、IBDとしてともに知られている)等の腸の炎症性疾患である。理論に拘束されることを望むものではないが、本開示の化合物による受容体相互作用プロテインキナーゼ1の阻害は、少なくとも部分的に、それらの抗炎症活性の原因であると考えられる。したがって、本開示の実施形態はまた、インビトロ又はそれを必要とする対象において、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害するための方法を含み、この方法は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を本明細書に開示される化合物と接触させることを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害することは、TNF及び/又はIL6等の炎症性メディエーターの放出を(部分的又は完全に)遮断するのに有効である。
【0076】
Dondelinger et al,Molecular Cell 60,1 October 2015,Pages 63-76は、RIPK1の細胞死への寄与を調節する分子機構は、はるかに理解されていないと報告している。NEMO/IKKyを含むIKK複合体は、NF-κB活性化におけるその機能とは無関係に、リン酸化によってTNFR1複合体IにおけるRIPK1活性化を負に調節し、RIPK1キナーゼ依存性死から細胞を保護することが示されている。Dirk A.Ridder et al,J Exp Med(2015)212(10):1529-1549は、マウスの脳内皮細胞のNEMO又はTAK1を欠失させると、IPに関連する神経症状を連想させる表現型がもたらされることを示す。Smahi A,et al.NEMOにおけるゲノム再編成はNF-κB活性化を損ない、色素失調症の原因である。The International Incontinentia Pigmenti(IP)Consortium.Nature.2000;405:466-72.また、IPの概要は、Fusco et al.Orphanet Journal of Rare Diseases 2014,9:93.に与えられている。色素失調症(IP)は、皮膚及び他の身体系に影響を及ぼす遺伝的状態である。皮膚症状は経時的に変化し、乳児期の水疱性発疹から始まり、その後、いぼ状の皮膚増殖が続く。増殖は、小児期には渦巻き状の灰色又は茶色の斑点になり、その後、成人期には渦巻き状の薄い斑点になる。他の徴候及び症状には、脱毛、小さい歯又は欠けている歯、視力喪失につながり得る眼の異常、及び爪のしわ又はくぼみが含まれ得る。IPを有するほとんどの人々は、正常な知能を有するが、一部の人々は、発達遅延、知的障害、発作、及び/又は他の神経学的問題を有する。IPは、IKBKG遺伝子の突然変異によって引き起こされ、X連鎖優性様式で遺伝する。別の実施形態では、式Iの化合物及び組成物は、色素失調症の治療に有用である。
【0077】
炎症性疾患又は障害
本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、炎症性疾患及び障害を治療するために使用され得る。炎症性疾患及び障害は、典型的には、結合組織における高レベルの炎症又はこれらの組織の変性を示す。炎症性疾患及び障害の非限定的な例には、アルツハイマー病、強直性脊椎炎、変形性関節症を含む関節炎、関節リウマチ(RA)、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、喘息、アテローム性動脈硬化症、クローン病、大腸炎、皮膚炎、憩室炎、線維筋痛症、肝炎、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、全身性エリテマトーデス(SLE)、腎炎、パーキンソン病及び潰瘍性大腸炎が含まれる。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、自己免疫障害、例えば関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、脳炎、同種移植片拒絶反応、自己免疫性甲状腺疾患(グレーブス病及び橋本甲状腺炎等)、自己免疫性網膜ぶどう膜炎、巨細胞性動脈炎、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、肉芽腫性腸炎、遠位回腸炎、限局性回腸炎、及び終末回腸炎を含む)、インスリン依存性真性糖尿病、多発性硬化症、悪性貧血、サルコイドーシス、強皮症、及び全身性エリテマトーデスを治療するのに有用である。一実施形態では、本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、自己免疫性脳炎の治療に有用である。特定の実施形態では、化合物及び組成物は、関節リウマチ(RA)の治療に有用である。特定の実施形態では、本化合物及び組成物は、潰瘍性大腸炎の治療に有用である。特定の実施形態では、化合物及び組成物は、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)の治療に有用である。
【0078】
特定の実施形態では、障害は、クローン病又は潰瘍性大腸炎(両方とも一般に炎症性腸疾患としてともに知られている)等の腸の炎症性疾患である。特定の実施形態では、哺乳動物は、霊長類、イヌ又はネコの対象である。特定の実施形態では、哺乳動物はヒト対象である。理論に拘束されることを望むものではないが、本開示の化合物による受容体相互作用プロテインキナーゼ1の阻害は、少なくとも部分的に、それらの抗炎症活性の原因であると考えられる。
【0079】
したがって、本開示の実施形態はまた、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害するための方法を、インビトロ又はそれを必要とする対象において含み、この方法は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を本明細書に開示される化合物と接触させることを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害することは、TNF及び/又はIL6等の炎症性メディエーターの放出を(部分的又は完全に)遮断するのに有効である。
【0080】
別の実施形態では、本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、関節リウマチ(RA)、乾癬、クローン病又は潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患(IBD)のような炎症性疾患及び障害を治療するために使用され得る。
【0081】
別の実施形態では、本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤を、皮膚エリテマトーデス(CLE)、扁平苔癬(LP)、中毒性表皮壊死症(TEN)又はスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)のような界面皮膚炎を治療するために使用することができる。
【0082】
別の実施形態では、本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、コロナウイルス疾患19(COVID-19)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、全身性炎症反応症候群(SIRS)等のウイルス感染中の過炎症を治療するために使用され得る。
【0083】
別の実施形態では、本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤を、コロナウイルス疾患19(COVID-19)を治療するために使用することができる。
【0084】
別の実施形態では、本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤を、インフルエンザ(例えば、豚インフルエンザ、H7N9)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、呼吸器-合胞体-ウイルス(RSV)又は細気管支炎等の呼吸器疾患を治療するために使用することができる。
【0085】
壊死性細胞疾患
本明細書に記載される化合物は、細胞壊死を引き起こすか、そうでなければ細胞壊死に関連する疾患/障害の治療に使用され得る。特に、本開示は、哺乳動物における細胞壊死に関連する障害を予防又は治療する方法であって、治療有効量の本明細書に記載の化合物又は組成物を当該哺乳動物に投与する工程を含む方法を提供する。「壊死性細胞疾患」という用語は、細胞壊死に関連する又はそれによって引き起こされる疾患、例えば外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、感染症、ゴーシェ病、クラッベ病、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、HIV関連認知症、網膜変性疾患、緑内障、加齢黄斑変性、関節リウマチ、乾癬若しくはアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)、乾癬性関節炎、又は炎症性腸疾患を指す。壊死性細胞疾患は、外傷、虚血、脳卒中、心筋梗塞、炭疽致死毒素誘発敗血症性ショック、敗血症、全身性呼吸反応症候群(SIRS)、LPSによって誘発される細胞死、及び免疫不全を引き起こすHIV誘発T細胞死等の急性疾患であり得る。特定の実施形態では、障害は、脳、心臓、腎臓及び肝臓を含むがこれらに限定されない臓器の虚血性疾患である。壊死性細胞疾患には、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、感染性脳症、HIV関連認知症等の認知症等の慢性神経変性疾患も含まれる。いくつかの異なる実施形態では、障害は、網膜変性疾患、緑内障又は加齢黄斑変性等の眼障害である。いくつかの異なる実施形態では、障害は、中枢神経系(CNS)障害である。
【0086】
神経変性疾患及びCNS疾患
本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤はまた、神経変性疾患を治療するために使用され得る。神経変性疾患は、バランス、動き、会話、呼吸、及び心機能等の身体の活動の多くに影響を及ぼし得る。神経変性疾患は遺伝性であり得るか、又はアルコール依存症、腫瘍、脳卒中、毒素、化学物質、及びウイルス等の医学的状態によって引き起こされ得る。神経変性疾患の非限定的な例には、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、フリードライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、及び脊髄性筋萎縮症が含まれる。特定の実施形態では、神経変性疾患及びCNS疾患には、ニーマン・ピック病、C1型(NPC1)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、フリードライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、及び脊髄性筋萎縮症が含まれる。特定の実施形態では、本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、ニューロン喪失を引き起こすネクロトーシスを阻害することによってNPC1を治療するために使用され得る。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、アルツハイマー病の治療に有用である。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、パーキンソン病を治療するのに有用である。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療するのに有用である。より一般的には、本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、ニューロン生存性を保存し、中枢神経系(CNS)内の軸索成長及び神経機能を促進するために使用することができる。したがって、化合物は、ニューロンの生存性を維持すること、及び/又は軸索再生及び/又は神経機能を促進することによって、CNSの疾患又は障害に関連する認知機能、運動機能、及び感覚機能の喪失を減少させるか、又は更には回復させるために使用され得る。本明細書に記載の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、CNS感覚ニューロン、運動ニューロン、皮質ニューロン、小脳ニューロン、海馬ニューロン、及び中脳ニューロン等のCNSニューロンにおける軸索再生を促進する方法に使用することができる。本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、神経機能を促進するための方法又はCNSニューロンに対する損傷後の生存能力を保存するための方法において使用することができる。別の実施形態では、これらの化合物を使用して、CNS疾患又は障害において変性したCNSニューロンにおける軸索の再生を促進することができる。RIP受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤は、任意の従来の手段、例えば、ニューロンに局所的に投与されてもよく、又は再移植前にエクスビボで適用されてもよい。したがって、一態様では、本開示は、CNS障害の症状がCNSニューロン内の軸索変性又は傷害である、CNS障害の治療を必要とする対象におけるCNS障害を治療する方法を提供する。方法は、CNS障害に冒されたCNSニューロンにおける軸索の再生を促進するために、有効量の本明細書に開示される化合物又は組成物を対象に投与することを含む。投与後、神経機能を、例えば、軸索再生の指標として測定することができる。化合物又は組成物の投与後、CNSニューロンのニューロン機能は、投与前のニューロン機能と比較して保存又は改善されることも企図される。
【0087】
CNS疾患又は障害の非限定的な例としては、脳損傷、脊髄損傷、認知症、脳卒中、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリック病)、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパチー、ポリグルタミン(ポリQ)病、脳卒中、ファール病、メンケ病、ウィルソン病、脳虚血及びプリオン障害が挙げられる。例示的な実施形態では、CNS障害は脳損傷又は脊髄損傷である。
【0088】
CNSにおいてニューロン生存及び軸索再生を促進するための方法も本明細書で提供される。軸索成長の障害又は不全又は軸索変性を特徴とするCNS障害は、CNSニューロン損傷(例えば、外傷、手術、神経圧迫、神経挫傷、神経離断、神経毒性又は脳若しくは脊髄への他の物理的損傷)又は神経変性CNS疾患から生じることがあり、障害の症状は軸索変性(例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリック病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパチー、ポリグルタミン(ポリQ)病、脳卒中、ファール病、メンケ病、ウィルソン病、脳虚血、プリオン障害(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病)である。特定の実施形態では、CNS障害は、脳損傷(例えば、外傷性脳損傷)又は脊髄損傷(例えば、慢性、急性又は外傷性脊髄損傷)である。特定の実施形態では、CNS障害は、呼吸、心拍及び血圧、例えば脳幹の損傷又は動脈瘤等の対象の基本的な生命機能に影響を及ぼす。特定の実施形態では、CNS疾患又は障害は、対象の認知能力に影響を及ぼす。特定の実施形態では、CNS疾患又は障害は、対象の運動及び/又は強度に影響を及ぼす。特定の実施形態では、CNS疾患又は障害は、対象の協調に影響を及ぼす。
【0089】
特定の実施形態では、CNS障害は、大脳皮質への脳損傷又は神経変性CNS障害、例えばアルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺及びプリオン障害等、対象の認知能力に影響を及ぼす。特定の実施形態では、CNS障害は、脳若しくは脊髄の損傷、又はパーキンソン病、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、皮質基底核変性症、核上性麻痺の進行、ハンチントン病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症及び遺伝性痙性不全麻痺等の神経変性CNS障害等、対象の運動及び/又は強度に影響を及ぼす。特定の実施形態では、CNS障害は、小脳の脳損傷又は脊髄小脳萎縮症、フリードライヒ運動失調症及びプリオン障害等の神経変性CNS障害等の対象の協調に影響を及ぼす。前述の方法の各々において、CNS障害には、脳損傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリック病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパチー、ポリグルタミン(ポリQ)病、脳卒中、ファール病、メンケ病、ウィルソン病、脳虚血、プリオン障害(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病)、認知症(例えば、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、遺伝性痙性不全麻痺及び脊髄小脳萎縮症が含まれるが、これらに限定されない。神経変性疾患の非限定的な例としては、アルツハイマー病、リソソーム蓄積症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、フリードライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病及び脊髄性筋萎縮症が挙げられる。
【0090】
特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、アルツハイマー病の治療に有用である。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、パーキンソン病を治療するのに有用である。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療するのに有用である。特定の実施形態では、本開示の化合物及び組成物は、リソソーム蓄積症を治療するのに有用である。特定の実施形態では、障害は、限定するものではないが、アルツハイマー病、ALS、前頭側頭型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、進行性核上性麻痺、多発性硬化症、視神経脊髄炎、虚血性脳損傷(脳卒中)、低酸素性脳損傷、外傷性脳損傷、脊髄損傷、敗血症誘発性脳損傷、CNS感染症、CNS膿瘍、多形性膠芽腫、てんかん、神経因性疼痛、大うつ病、双極性うつ病、統合失調症、自閉症、ニーマン・ピック病、神経ベーチェット病等の脳障害である。特定の実施形態では、CNS疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が提供される。特定の実施形態では、疾患又は障害は、アルツハイマー病又は筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。
【0091】
眼の状態
本明細書に記載される受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害剤はまた、眼の状態を治療するために、例えば、光受容体及び/又は網膜色素上皮細胞の生存性の喪失を低減又は防止するために使用され得る。特定の実施形態では、本開示は、眼の状態を有する対象の眼の視覚機能を維持する方法を提供し、ここで、眼の状態の症状は、その状態を有する眼の網膜における光受容体細胞生存性の喪失である。方法は、対象の眼に有効量の本明細書に記載の化合物又は組成物を投与し、それにより、眼の網膜内に位置する光受容体細胞の生存率を維持することを含む。投与後、眼の視覚機能(例えば、視力)は、投与前の眼の視覚機能と比較して保存又は改善され得る。眼の状態は、加齢黄斑変性(AMD)、色素性網膜症(RP)、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性円形脈絡膜ジストロフィー、BEST疾患、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、近視性変性、中心性漿液性網膜症、シュタルガルト病、コーンロッド型ジストロフィー、ノースキャロリナ型ジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、毒性網膜炎、又は光誘発毒性であり得る。AMDは、AMDの新生血管型又は乾燥型であり得る。網膜剥離は、角膜原性、漿液性及び牽引性の網膜剥離であり得る。特定の実施形態では、眼の状態は、地図状萎縮、緑内障、又は別の虚血性眼疾患であり得る。特定の実施形態では、本開示は、本開示の化合物の投与により眼状態を有する対象の網膜内の網膜色素上皮(RPE)細胞の生存性を保存する方法を提供する。治療されている対象は、この状態を有する眼の網膜において網膜色素上皮細胞の喪失を有し得、眼の状態は、加齢黄斑変性(AMD)、BEST疾患、近視性変性、シュタルガルト病、ブドウ膜炎、成人中心窩黄斑ジストロフィー、鎌状眼底、多発性エバネッセント性白点症候群、蛇行性脈絡膜症、急性多巣性後部小板状上皮症(AMPPE)、又は別のブドウ膜炎障害であり得る。特定の実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載の化合物又は組成物を対象の眼に投与し、それにより網膜色素上皮細胞の生存率を維持することを含む。別の実施形態では、加齢黄斑変性(AMD)、色素性網膜症(RP)、黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、中心性円形脈絡膜ジストロフィー、BEST疾患、成人卵黄様疾患、パターンジストロフィー、近視性変性、中心性漿液性網膜症、シュタルガルト病、コーンロッドジストロフィー、ノースキャロリナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、毒性網膜炎、又は光誘発性毒性を有する対象の網膜内に位置する光受容体細胞の生存性を保存する方法が提供される。したがって、特定の実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される化合物又は組成物を眼に投与し、それにより、状態を有する対象の網膜内に位置する光受容体細胞の生存性を維持することを含む。別の実施形態では、網膜剥離後の哺乳動物眼の網膜内に位置する光受容体細胞の生存性を保存する方法が提供される。網膜剥離は、裂孔原性網膜剥離、牽引性網膜剥離、又は漿液性網膜剥離であり得る。他の実施形態では、網膜剥離は、網膜裂孔、網膜芽細胞腫、黒色腫又は他の癌、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎、脈絡膜血管新生、網膜虚血、病的近視、又は外傷の結果として起こり得る。特定の実施形態では、方法は、網膜の領域が剥離した眼に、剥離した網膜の領域内に位置する光受容体細胞の生存性を保存するのに十分な量で、本明細書に記載の化合物又は組成物を投与することを含む。別の実施形態では、加齢黄斑変性(AMD)、色素性網膜症(RP)、黄斑浮腫、中心性円形脈絡膜ジストロフィー、網膜剥離、糖尿病性網膜症、BEST疾患、成人硝子体疾患、パターンジストロフィー、近視性変性、中心性漿液性網膜症、シュタルガルト病、コーンロッドジストロフィー、ノースキャロリナジストロフィー、感染性網膜炎、炎症性網膜炎、ブドウ膜炎、毒性網膜炎、又は光誘発性毒性を有する対象の眼の視覚機能を保存する方法であって、眼の状態の症状が眼の網膜における光受容体細胞生存性の喪失であり、方法が、対象を対象に対して本明細書に記載の化合物又は組成物で治療することを含む、方法が提供される。別の態様では、本開示は、眼状態を有する対象の眼の視覚機能を保存する方法であって、眼症状の症状が眼の網膜における光受容体細胞生存性及び/又はRPE生存性の喪失であり、対象を対象に対して本明細書に記載の化合物又は組成物で治療することを含む、方法が提供される。
【0092】
特定の実施形態では、眼状態を有する対象の眼の視覚機能を維持する方法であって、眼状態の症状が、状態を有する眼の網膜における網膜神経節細胞生存性の喪失である方法が提供される。方法は、有効量の化合物又は組成物を対象の眼に投与し、それによって眼の網膜内に位置する網膜神経節細胞の生存率を維持することを含む。化合物又は組成物の投与後、眼の視覚機能は、投与前の眼の視覚機能と比較して保存又は改善され得る。更に、投与後、保存された網膜神経節細胞は軸索再生を支援することができる。
【0093】
眼の状態に関連する症状の非限定的な例としては、眼の網膜における網膜神経節細胞生存能の喪失、緑内障、視神経損傷、視神経炎、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞及び網膜中心静脈閉塞が挙げられる。本明細書に記載される化合物はまた、虚血性視神経症(例えば、動脈炎又は非動脈炎前部虚血性ニューロパシー及び後部虚血性視神経症)、圧縮性視神経症、浸潤性視神経症、外傷性視神経症、ミトコンドリア視神経症(例えば、レーバー視神経症)、栄養性視神経症、毒性視神経症及び遺伝性視神経症(例えば、レーバー視神経症、優性視神経萎縮、ベール症候群)等の視神経症の治療のために使用され得る。緑内障、視神経損傷、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞又は網膜中心静脈閉塞を有する対象の眼の視覚機能を維持する方法も開示される。方法は、有効量の本明細書に記載の化合物又は組成物を対象の眼に投与し、それにより、眼の網膜内に位置する網膜神経節細胞の生存率及び眼の視覚機能を維持することを含む。別の態様では、例えば、緑内障、視神経損傷、視神経炎、視神経症、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞症及び網膜中心静脈閉塞症に罹患した哺乳動物の眼の網膜内に位置する網膜神経節細胞の生存を維持する方法が本明細書に開示される。方法は、本明細書に記載の化合物又は組成物を、網膜の領域が冒された眼に、冒された網膜の領域内に位置する網膜神経節細胞の生存性を保存するのに十分な量で投与することを含む。保存された網膜神経節細胞は、軸索再生、線状ユビキチン鎖アセンブリ複合体(LUBAC)欠損症候群、血液及び固形臓器悪性腫瘍、細菌感染症及びウイルス感染症(例えば、結核及びインフルエンザ又はSARS-コロナウイルス)、並びにリソソーム蓄積症を支援することができる。リソソーム蓄積症の非限定的な例としては、ゴーシェ病、GM2ガングリオシド症、アルファ-マンノース症、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステリルエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠損症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシド症、ガラクトシアリダーゼ症、GM1ガングリオシド症、ムコリピド症、乳児遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠損症、クラッベ病、リソソーム酸リパーゼ欠損症、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症、多発性スルファターゼ欠損症、ニーマン・ピック病、ニューロンセロイドリポフスチン症、ポンペ病、ピクノディスオスタット症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸蓄積症、テイ・サックス病及びウォルマン病が挙げられる。特定の実施形態では、医薬品に使用するための化合物及び組成物が提供される。特定の実施形態では、化合物及び組成物は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害の治療に使用するためのものである。受容体相互作用プロテインキナーゼ1媒介疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法も提供される。別の実施形態では、本開示は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害する方法を提供する。方法は、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を有効量の本開示の化合物と接触させることを含む。受容体相互作用プロテインキナーゼ1を阻害することは、一般に、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を、化合物の非存在下での受容体相互作用プロテインキナーゼ1活性と比較して、受容体相互作用プロテインキナーゼ1の活性を低下させるのに十分な量の本開示の化合物と接触させることを含む。例えば、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を本開示の化合物と接触させることにより、約1%~約99%の受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害がもたらされ得る(すなわち、阻害された酵素の活性は、本開示の化合物の非存在下における酵素活性の99%~1%の範囲である)。受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害のレベルは、約1%~約10%、又は約10%~約20%、又は約20%~約30%、又は約30%~約40%、又は約40%~約50%、又は約50%~約60%、又は約60%~約70%、又は約70%~約80%、又は約80%~約90%、又は約90%~約99%の範囲であり得る。受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害のレベルは、約5%~約95%、又は約10%~約90%、又は約20%~約80%、又は約30%~約70%、又は約40%~約60%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、受容体相互作用プロテインキナーゼ1を本開示の化合物と接触させることは、完全な(すなわち、100%)阻害をもたらすであろう。
【0094】
併用療法
特定の実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも1つの他の治療活性薬剤と組み合わせて投与され得る。2つ以上の薬剤は、同時投与、同時製剤化、又は別々に投与することができる。特定の実施形態では、他の治療活性薬剤は、血栓溶解剤、組織プラスミノーゲン活性化因子、抗凝固剤、血小板凝集阻害剤、抗菌剤(抗生物質、広域スペクトル抗生物質、ラクタム、抗マイコバクテリア剤、殺菌性抗生物質、抗MRSA治療)、長時間作用型βアゴニスト、吸入型コルチコステロイドと長時間作用型βアゴニストとの組合せ、短時間作用型βアゴニスト、ロイコトリエン修飾剤、抗IgE、メチルキサンチン気管支拡張剤、肥満細胞阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、CRTH2/Dプロスタノイド受容体アンタゴニスト、エピネフリン吸入エアロゾル、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ-3阻害剤とホスホジエステラーゼ-4阻害剤との組合せ、長時間作用型吸入型抗コリン剤、ムスカリンアンタゴニスト、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト、低用量ステロイド、吸入型コルチコステロイド、経口コルチコステロイド、局所コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、サリドマイド、クロラムブシル、カルシウムチャネル遮断薬、局所皮膚軟化剤、ACE阻害剤、セロトニン再取り込み阻害剤、エンドセリン-I受容体阻害剤、抗線維化剤、プロトンポンプ阻害剤、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子増強剤、粘液溶解剤、膵酵素、気管支拡張剤、眼硝子体内注射剤、抗血管内皮増殖因子阻害剤、毛様体神経栄養増殖因子剤、3価(IIV3)不活性化インフルエンザワクチン、4価(IIV4)不活性化インフルエンザワクチン、3価組換えインフルエンザワクチン、4価生弱毒インフルエンザワクチン、抗ウイルス剤、不活性化インフルエンザワクチン、毛様神経栄養増殖因子、遺伝子導入剤、局所免疫調節剤、カルシニューリン阻害剤、インターフェロンガンマ、抗ヒスタミン薬、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗T細胞抗体、抗胸腺細胞ガンマグロブリン-ウマ抗体、抗胸腺細胞グロブリン-ウサギ抗体、抗CD40アンタゴニスト、JAK阻害剤及び抗TCRマウスmAbから選択される。例示的な他の治療活性薬剤としては、ヘパリン、クマジン、クロピドロゲル、ジピリダモール、チクロピジンHCL、エプチフィバチド、アスピリン、バコマイシン、セフェプライム、ピペラシリンとタゾバクタムとの組合せ、イミペネム、メロペネム、ドリペネム、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、モキシフロキサシン、ヒドロコルチゾン、ベドリズマブ、アリカフォルセン、レメステムセル-L、イキセキズマブ、チルドラキズマブ、セクキヌマブ、クロルヘキシジン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、フルチカゾン(プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン)、ベクロメタゾンジプロピオナート、ブデソニド、トリシノロンアセトニド、フルニソリド、モメタゾンフラート、シクレソニド、アロホルモテロールタルトラート、フマル酸ホルモテロール、キシナホ酸サルメテロール、アルブテロール(硫酸アルブテロール)、酒石酸レバルブテロール、臭化イプラトロピウム、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、ジロートン、オマリズマブ、テオフィリン、クロムリンナトリウム、ネドクロミルナトリウム、マシチニブ、AMG853、インダカテロール、E004、レスリズマブ、サルブタモール、臭化チオトロピウム、VR506、レブリキズマブ、RPL554、アフィベルセプト、ウメクリジニウム、マレイン酸インダクテロール、臭化アクリジニウム、ロフルミラスト、SCH527123、臭化グリコプロニウム、オロダテロール、フロ酸フルチカゾンとビランテロールとの組合せ、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールとの組合せ、フロ酸フルチカゾンとプロピオン酸フルチカゾンとの組合せ、プロピオン酸フルチカゾンとフマル酸エホルモテロール二水和物との組合せ、ホルモテロールとブデソニドとの組合せ、ジプロピオン酸ベクロメタゾンとホルモテロールとの組合せ、フロ酸モメタゾンとフマル酸ホルモテロール二水和物との組合せ、ウメクリジニウムとビランテロールとの組合せ、臭化イプラトロピウムと硫酸アルブテロールとの組合せ、臭化グリコピロニウムとマレイン酸インダカテロールとの組合せ、グリコピロラートとフマル酸ホルモテロールとの組合せ、アクリジニウムとホルモテロールとの組合せ、イソニアジド、エブトール、リファミン、ピラジナミド、リファブチン、リファペンチン、カプレオマイシン、レボフロキサシン、モキシフロキシシン、オフロキサシン、エヒオンアミド、シクロスポリン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ビオマイシン、ベダキリンフマラート、PNU-100480、デラマニド、イマチニブ、ARG201、トシリズマブ、ムロモナブ-CD3、バシリキシマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、プレドニゾロン、抗胸腺細胞グロブリン、FK506(タクロリムス)、メトトレキサート、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸ナトリウム、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、アザチオプリン、サリドマイド、クロラムブシル、ニフェジピン、ニカルジピン、ニトグリセリン、リシノプリル、ジルタイゼム、フルオキセチン、ボセンタン、エポプロステノール、コルヒチン、パラ-アミノ安息香酸、ジメチルスルホキシド、D-ペニシラミン、インターフェロンアルファ、インターフェロンガンマ(INF-g)、オメプラゾール、メトクロプラミド、ランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、イマチニブ、ベリムマブ、ARG201、トシリズマブ、イヴァカフトール、ドルナーゼアルファ、パンクレリパーゼ、トブラマイシン、アズトレオナム、コリスチメタートナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファゾリン、セファレキシン、セファゾリン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、ゲミフロキサシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、セフタジジム、トリメトプリムとスルファメトキサゾールとの組合せ、クロラムフェニコール、イバクタとルマカフトールとの組合せ、アタルレン、NT-501-CNTF、ミオシンVIIA(MY07A)をコードする遺伝子導入剤、ラニビズマブ、ペガプタニブナトリウム、NT501、ヒト化スフィンゴマブ、ベバシズマブ、オセルタミビル、ザナミビル、リマンタジン、アマンタジン、ナフシリン、スルファメトキサゾレム、トリメトプリム、スルファサラジン、アセチルスルフィソキサゾール、バンコマイシン、ムロモナブ-CD3、ASKP-1240、ASP015K、TOL101、ピメクロリムス、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、フルラントレノリド、トリアムシノロン、フルオシノニド、クロベタゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、組換え合成I型インターフェロン、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、フルクロキサシリン、ジクロキサシリン、及びエリスロマイシンが挙げられる。
【0095】
本開示の化合物は、経口又は局所コルチコステロイド、抗TNF剤、5-アミノ脂環式酸及びメサラミン製剤、ヒドロキシクロロキン、チオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、シクロスポリン、カルシニューリン阻害剤、ミコフェノール酸、mTOR阻害剤、JAK阻害剤、Syk阻害剤、抗炎症生物剤(抗IL6生物製剤、抗IL1剤、抗IL17生物製剤、抗CD22、抗インテグリン剤、抗IFNa、抗CD20又はCD4生物製剤、及び他のサイトカイン阻害剤又は生物製剤を含む)を含む、上記の適応症のいずれかのための他の抗炎症剤と組み合わせて、T細胞又はB細胞受容体又はインターロイキンに投与され得る。
【0096】
ALSの治療では、本開示の化合物はリルゾールと組み合わせて投与され得る。
【0097】
パーキンソン病の治療において、本開示の化合物は、レボドパ、カルボドパ又はそれらの組合せ、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、セレギリン、ラサギリン、エンタカポン、トルカポン、ベンズトロピン、トリヘキシフェニジル又はアマンタジンと組み合わせて投与され得る。
【0098】
アルツハイマー病の治療では、本開示の化合物は、ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン、アデュカヌマブ、クレネズマブ、ソラネズマブ、及びガンテネルマブを含む抗ABeta(アミロイドベータ)療法、ベルベセスタットを含むBACE1の小分子阻害剤、AZD3293(LY3314814)、エレンベセスタット(E2609)、LY2886721、PF-05297909、JNJ-54861911、TAK-070、VTP-37948、HPP854、CTS-21166、又はLMTM(ロイコ-メチルチオニウム-ビス(hydromethanesulfonate(登録商標)))等の抗タウ療法と組み合わせて投与され得る。
【0099】
関節リウマチの治療では、本開示の化合物は、イブプロフェン、ナプロキセン、プレドニゾン、メトトレキサート、レフルノミド、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、アバタセプト、アダリムマブ、アナキンラ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、トシリズマブ又はトファシチニブと組み合わせて投与され得る。
【0100】
CVAの治療において、本開示の化合物は、血栓溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子)、抗凝固剤(例えば、ヘパリン、クマジン、クロピドロゲル及び血小板凝集阻害剤(例えば、ジピリダモール、チクロピジンHCL、エプチフィバチド、及び/又はアスピリン等)と組み合わせて投与され得る。
【0101】
SIRSの治療では、本開示の化合物は、広域スペクトル抗生物質(バコマイシン等)又は他の抗MRSA治療(セフェプライム、ピペラシリン/タゾバクタム、カルバペネム(イミペネム、メロペネム、ドリペネム)、キノロン(シプロフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、モキシフロキサシン等)、及びヒドロコルチゾン等の低用量ステロイドと組み合わせて投与され得る。
【0102】
炎症性腸疾患(特に、クローン病及び/又は潰瘍性大腸炎)の治療において、本明細書に記載される任意の式の化合物は、ベドリズマブ、アリカフォルセン、又はレメステムセル-Lと組み合わせて投与され得る。具体的には、炎症性腸疾患(特に、クローン病及び/又は潰瘍性大腸炎)の治療において、本開示の化合物は、アリカフォルセン、又はレメステムセル-Lと組み合わせて投与され得る。
【0103】
乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)の治療において、本開示の化合物は、イキセキズマブ、チルドラキズマブ(MK-3222)、又はセクキヌマブ(AIN457)と組み合わせて投与され得る。
【0104】
具体的には、本開示の化合物は、乾癬やアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)の治療において、イキセキズマブ若しくはチルドラキズマブ(MK-3222)と組み合わせて投与され得る。歯周炎の治療では、本明細書に記載の任意の式の化合物は、抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン又は抗生物質(例えば、ドキシサイクリン又はミノサイクリン)と組み合わせて投与され得る。
【0105】
喘息の治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、吸入型コルチコステロイド((ICS)、例えばプロピオン酸フルチカゾン、ベクロメタゾンジプロピオナート、ブデソニド(Pulmicort)、トリアムシノロンアセトニド、フルニソリド、フロ酸モメタゾン又はシクレソニド、長時間作用型βアゴニスト((LABA)例えば、ホルモテロールフラマート、サルメテロールキシナホエート)、ICSとLABAとの組合せ(例えばフルチカゾンフロエートとビランテロール、ホルモテロール/ブデソニド吸入、ベクロメタゾンジプロピオナート/ホルモテロール及びフルチカゾンプロピオナート/サルメロール、短時間作用型βアゴニスト((SABA)、例えば硫酸アルブテロール、酒石酸レバルブテロール、臭化イプラトロピウム/アルブテロール、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン修飾剤(モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、又はジロートン等)、及び抗IgE(オマリズマブ等)、メチルキサンチン気管支拡張剤(テオフィリン等、肥満細胞阻害剤(クロムリンナトリウム及びネドクロミルナトリウム等)、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト((LAMA)、例えばフロ酸モメタゾン/フマル酸ホルモテロール二水和物等)と組み合わせて投与され得る。
【0106】
喘息の治療における併用療法での使用に適し得る他の薬剤としては、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(マシチニブ)、CRTH2/D-プロスタノイド受容体アンタゴニスト(AMG853)、インダカテロール、エピネフリン吸入エアロゾル(E004)、フロ酸フルチカゾン/プロピオン酸フルチカゾン、ビランテロール吸入/フロ酸フルチカゾン粉末、プロピオン酸フルチカゾン/フマル酸エホルモテロール二水和物、レスリズマブ、サルブタモール乾燥粉末吸入、臭化チオトロピウム、ホルモテロール/ブデソニド、フロ酸フルチカゾン、VecturaのVR506、レブリキズマブ(RG3637)、ホスホジエステラーゼ(PDE)-3及び(PDE)-4阻害剤(RPL554)が挙げられる。
【0107】
COPDの治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、LABA(例えば、サルメテロールキシナホエート、ウメクリジニウム/ビランテロール、ウメクリジニウム、酒石酸アルホルモテロール、フマル酸ホルモテロール吸入粉末、マレイン酸インダクテロール、又はプロピオン酸フルチカゾン/フマル酸エホルモテロール二水和物、長時間作用型吸入型抗コリン剤(又は臭化チオトロピウム等のムスカリンアンタゴニスト、及び臭化アクリジニウム、ホスホジエステラーゼ(PDE-r)阻害剤(例えば、ロフルミラスト、ダリレップ)、ICS/LABAの組合せ(例えば、フロ酸フルチカゾン及びビランテロール、プロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール、ブデソニド/ホルモテロール、モメタゾン/ホルモテロール、イプラトロピウムブロミド/硫酸アルブテロール、アルブテロール/イプラトロピウム、SABA(イプ臭化ラトロピウム及び硫酸アルブテロール等)、及びICS(ブデソニド及びプロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン等)と組み合わせて投与され得る。
【0108】
COPDの治療における併用療法での使用に適し得る他の薬剤としては、SCH527123(CXCR2アンタゴニスト)、臭化グリコピロニウム(NVA237)、臭化グリコピロニウム及びマレイン酸インダカテロール(QVA149)、フマル酸グリコピロラート及びフマル酸ホルモテロール(PT003)、マレイン酸インダカテロール(QVA149)、オロダテロール、チオトロピウム/オロダテロール、並びにアクリジニウム/ホルモテロール吸入が挙げられる。
【0109】
マイコバクテリウム感染症(結核)の治療では、本明細書に記載の任意の式の化合物は、抗マイコバクテリア剤(例えば、イソニアジド(INH)、エハンブトール、リファンピン、及びピラジナミド、殺菌性抗生物質(例えば、リファブチン又はリファペンチン、アミノグリコシド(カプレオマイシン)、フルオロキノロン(レボフロキサシン、モキシフロキシシン、オフロキサシン)、チオアミド(エヒオンアミド)、シクロスポリン、パラ-アミノ脂環式酸、シクロスポリン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ビオマイシン、カプレオマイシン、ベタキリンフマラート、オキサゾリジノン、又はデラマニド(OPC-67683)と組み合わせて投与され得る。
【0110】
具体的には、マイコバクテリウム感染症(結核)の治療において、本開示の化合物は、抗マイコバクテリア剤(例えば、イソニアジド(INH)、エハンブトール、リファンピン及びピラジナミド、殺菌性抗生物質(例えば、リファブチン又はリファペンチン、アミノグリコシド(カプレオマイシン)、フルオロキノロン(レボフロキサシン、モキシフロキシシン、オフロキサシン)、チオアミド(エヒオンアミド)、シクロセリン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ビオマイシン、カプレオマイシン、ベタキリンフマラート、オキサゾリジノン又はデラマニド(OPC-67683)と組み合わせて投与され得る。
【0111】
全身性強皮症の治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、経口コルチコステロイド(プレドニゾロン、免疫抑制剤(メトトレキサート、シクロスポリン、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、FK506(タクロリムス)、サリドマイド、クロラムブシル、アザチオプリン等)カルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピン又はニカルジピン等)、局所皮膚軟化剤(ニトログリセリン軟膏)、ACE阻害剤(リシノプリル等)、セロトニン再取り込み阻害剤(フルオキセチン等)、エンドセリン-I受容体阻害剤(ボセンタン又はエポプロステノール等)、抗線維化剤(コルヒチン、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びD-ペニシラミン、インターフェロンアルファ及びインターフェロンガンマ(INF-g)等)、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、メトクロプラミド、ランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール又はイマチニブ、ARG201(arGentis Pharmaceutical)、ベリムマブ、トシリズマブ等)と組み合わせて投与され得る。
【0112】
具体的には、全身性強皮症の治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、経口コルチコステロイド(プレドニゾロン等)、抗胸腺細胞グロブリン、FK506(タクロリムス)、サリドマイド、クロラムブシル、カルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピン又はニカルジピン等)、局所皮膚軟化剤(ニトログリセリン軟膏)、ACE阻害剤(リシノプリル等)、ジルタイゼム、セロトニン再取り込み阻害剤(フルオキセチン等)、エンドセリン-I受容体阻害剤(ボセンタン又はエポプロステノール等)、抗線維化剤(コルヒチン(Colcrys)、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びD-ペニシラミン、インターフェロンアルファ及びインターフェロンガンマ(INF-g)等)、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、メトクロプラミド、ランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール又はイマチニブ、ARG201(arGentis Pharmaceutical)又はトシリズマブ等)と組み合わせて投与され得る。
【0113】
嚢胞性線維症の治療では、本開示の化合物は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)増強剤(イヴァカフトール、粘液溶解剤(例えばドルナーゼアルファ)、膵酵素(例えばパンクレリパーゼ)、気管支拡張剤(例えばアルブテロール)、抗生物質(吸入、経口又は非経口、例えば吸入用トブラマイシン溶液、アズトレオナム吸入、コリスチメタートナトリウム、セファロスポリン(セファドロキシル一水和物、セファゾリン、セファレキシン、セファゾリン、フルオロキノロン(モキシフロキサシン、レボフロキサシン、ゲミフロキサシン等)、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、ピペラシリン/タゾバカム、セファレキシン、セフタジジム、シプロフロキシン、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、又はイバクフトール/ルマカフトール(VX-809)、アタルレン、又は標準的な治療に加えるとして、臭化チオプロピウムと組み合わせて投与され得る。
【0114】
網膜色素変性症の治療では、本開示の化合物は、毛様神経栄養増殖因子(NT-501-CNTF)又は遺伝子導入剤UshStatと組み合わせて投与され得る。
【0115】
黄斑変性症の治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、眼科用硝子体内注射(アフィベルセプト)又は抗血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤(ラニビズマブ若しくはペガプタニブナトリウム、毛様体神経栄養増殖因子剤(NT501)、iSONEP若しくはベバシズマブ等)と組み合わせて投与され得る。
【0116】
インフルエンザの治療では、本開示の化合物は、3価(IIV3)不活性化インフルエンザワクチン(例えば、Afluria、Fluarix、Flucelvax、FluLaval、Fluvirin、Fluzone)、4価(IIV4)不活性化インフルエンザワクチン(Fluarix Quadrivalent、Flulaval Quadrivalent、Fluzone Quadrivalent等)、3価組換えインフルエンザワクチン(FluBlok等)、4価生弱毒インフルエンザワクチン(FluMist Quadrivalent等)、抗ウイルス剤(オセルタミビル、ザナミビル、リマンタジン又はアマンタジン等)、又はFluad、Fludase、FluNhance、Preflucel、若しくはVaxiGripと組み合わせて投与され得る。
【0117】
ブドウ球菌感染症の治療では、本明細書に記載の任意の式の化合物は、抗生物質(a-ラクタムセファロスポリン、ナフシリン、スルホンアミド(スルファメトキサゾール及びトリメトプリム、スルファサラジン、アセチルスルフィソキサゾール)、又はバンコマイシンと組み合わせて投与され得る。
【0118】
移植拒絶の治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、高用量コルチコステロイド(プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、カルシニューリン阻害剤(シクロスポリン等)、タクロリムス、mTor阻害剤(シロリムス又はエベロリムス等)、抗増殖剤(アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル又はミコフェノール酸ナトリウム等)、モノクローナル抗体(ムロモナブ-CD3、インターロイキン-2受容体アンタゴニスト、ダクリズマブ又はリツキシマブ等)、ポリクローナル抗T細胞抗体(抗胸腺細胞ガンマグロブリン-ウマ又は抗胸腺細胞グロブリン-ウサギ等)、抗CD40アンタゴニスト(ASKP-1240)、JAK阻害剤(ASP015K)又は抗TCRマウスmAb(TOL101)と組み合わせて投与され得る。
【0119】
具体的には、移植拒絶の治療において、本明細書に記載される任意の式の化合物は、モノクローナル抗体(例えば、ムロモナブ-CD3、ポリクローナル抗T細胞抗体(例えば、抗胸腺細胞ガンマグロブリン-ウマ又は抗胸腺細胞グロブリン-ウサギ)、抗CD40アンタゴニスト(ASKP-1240)、JAK阻害剤(ASP015K)又は抗TCRマウスmAb(TOL101)と組み合わせて投与され得る。
【0120】
アトピー性皮膚炎の治療では、本明細書に記載される任意の式の化合物は、局所免疫調節剤又はカルシニューリン阻害剤(ピメクロリムス又はタクロリムス軟膏等、局所コルチコステロイド(ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、フルランドレノリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、フルオシノニド及びクロベタゾール等)、経口コルチコステロイド(ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はプレドニゾロン等)、免疫抑制薬(シクロスポリン又はインターフェロンガンマ等)(Alferon N、Infergen、Intron A、Roferon-A(登録商標))、抗ヒスタミン薬(Atarax、Vistaril、Benadryl等の痒み用)、抗生物質(ペニシリン誘導体フルクロキサシリン又はジクロキサシリン等、エリスロマイシン、非ステロイド性免疫抑制剤(アザチオプリン等)、メトトレキサート、シクロスポリン又はミコフェノール酸モフェチルと組み合わせて投与され得る。
【0121】
具体的には、アトピー性皮膚炎の治療において、本明細書に記載されるいずれかの式の化合物は、局所免疫調節剤若しくはカルシニューリン阻害剤(例えば、ピメクロリムス)若しくはタクロリムス軟膏、局所コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、フルランドレノリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、フルオシノニド及びクロベタゾール、経口コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン又はプレドニゾロン、インターフェロンガンマ(Alferon N、Infergen、Intron A、Roferon-A)、抗ヒスタミン薬(Atarax、Vistaril、Benadryl等の痒み用)又は抗生物質(例えば、ペニシリン誘導体フルクロキサシリン又はジクロキサシリン、エリスロマイシン)と組み合わせて投与され得る。
【0122】
熱傷、例えば熱傷損傷又は熱傷ショックの治療では、本明細書に記載の任意の式の化合物は、単独で、又は抗菌剤、典型的には局所抗生物質(マフェニドアセタートクリーム、スルファジアジンクリーム銀)及び/又は鎮痛薬(オピオイド鎮痛剤、例えばモルヒネ、オキシコドン)と組み合わせて投与され得る。熱傷の治療に有用であり得る他の治療薬には、レチノイド及びピルフェニドンが含まれる。
【0123】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、血栓溶解剤、組織プラスミノーゲン活性化因子、抗凝固剤、及び血小板凝集阻害剤から選択される。
【0124】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、ヘパリン、クマジン、クロピドロゲル、ジピリダモール、チクロピジンHCL、エプチフィバチド、及びアスピリンから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療されるキナーゼ媒介疾患又は障害は、脳血管障害である。
【0125】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、広域スペクトル抗生物質、抗MRSA治療及び低用量ステロイドから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、バコマイシン、セフェプライム、ピペラシリンとタゾバクタムとの組合せ、イミペネム、メロペネム、ドリペネム、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、モキシフロキサシン、及びヒドロコルチゾンから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、全身性炎症反応症候群である。
【0126】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、アリカフォルセン又はレモステムセル-Lである。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、クローン病又は潰瘍性大腸炎である。
【0127】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、イキセキズマブ又はチルドラキズマブである。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療されるキナーゼ媒介疾患又は障害は、乾癬又はアトピー性皮膚炎等の非伝染性炎症性皮膚疾患(ncISD)のものである。
【0128】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、抗菌剤又は抗生物質である。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、クロルヘキシジン、ドキシサイクリン及びミノサイクリンから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、歯間炎である。
【0129】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、吸入型コルチコステロイド、長時間作用型βアゴニスト、吸入型コルチコステロイドと長時間作用型βアゴニストとの組合せ、短時間作用型βアゴニスト、ロイコトリエン修飾剤、抗IgE、メチルキサンチン気管支拡張剤、肥満細胞阻害剤、及び長時間作用型ムスカリンアンタゴニストから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、プロピオン酸フルチカゾン、ベクロメタゾンジプロピオナート、ブデソニド、トリムシノロンアセトニド、フルニソリド、フロ酸モメタゾン、又はシクレソニド、フマル酸ホルモテロール、キシナホ酸サルメテロール、フロ酸フルチカゾンとビランテロールとの組合せ、ホルモテロールとブデソニド吸入との組合せ、ジプロピオン酸ベクロメタゾンとホルモテロールとの組合せ、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールとの組合せ、硫酸アルブテロール、酒石酸ルブテロール、臭化イプラトロピウムとアルブテロールとの組合せ、臭化イプラトロピウム、モンテルカストナトリウム、ザウルカスト、ジロートン、オマリズマブテオフィリン、クロムリンナトリウム、ネドクロミルナトリウム、及びフロ酸モメタゾンとフマル酸ホルモテロール二水和物との組合せから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、CRTH2/D-プロスタノイド受容体アンタゴニスト、エピネフリン吸入エアロゾル、及びホスホジエステラーゼ-3阻害剤とホスホジエステラーゼ-4阻害剤との組合せから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、マシチニブ、AMG853、インダカテロール、E004、フロ酸フルチカゾンとプロピオン酸フルチカゾンとの組合せ、フロ酸ビナンテロールの組合せ、プロピオン酸フルチカゾンとフマル酸エホルモテロール二水和物との組合せ、レスリズマブ、サルブタモール、臭化チオトロピウム、ホルモテロールとブデソニドとの組合せ、フロ酸フルチカゾン、VR506、レブリキズマブ、及びRPL554から選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療されるキナーゼ媒介疾患又は障害は、喘息である。
【0130】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、長時間作用型βアゴニスト、長時間作用型吸入型抗コリン剤又はムスカリンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、吸入型コルチコステロイド長時間作用型βアゴニスト、短時間作用型βアゴニスト、及び吸入型コルチコステロイドの組合せから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、サルメテロールキシナホエート、ウメクリジニウムとビランテロールとの組合せ、ウメクリジニウム、酒石酸アルホルモテロール、フマル酸ホルモテロール、マレイン酸インダステロール、プロピオン酸フルチカゾンとフマル酸エホルモテロール二水和物との組合せ、臭化チオトロピウム、臭化アクリジニウム、ロフルミラスト、フロ酸フルチカゾンとビランテロールとの組合せ、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールとの組合せ、ブデソニドとホルモテロールとの組合せ、モメタゾンとホルモテロールとの組合せ、臭化イプラトロピウムと硫酸アルブテロールとの組合せ、アルブテリウムとイプラトロピテロールとの組合せ、イプラトロピウムブロミド、硫酸アルブテロール、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン及びジプロピオン酸ベクロメタゾンから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、SCH527123、臭化グリコプロニウム、臭化グリコピロニウムとマレイン酸インダカテロールとの組合せ、グリコピロラートとフマル酸ホルモテロールとの組合せ、マレイン酸インダカテロール、オロダテロール、チオトロピウム、オロダテロール、及びアクリジニウムとホルモテロールとの組合せから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、COPDである。
【0131】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、抗マイコバクテリア剤又は殺菌性抗生物質である。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、イソニアジド、エハンブトール、リファンピン、ピラジナミド、リファブチン、リファペンチン、カプレオマイシン、レボフロキサシン、モキシフロキシシン、オフロキサシン、エヒオンアミド、シクロセリン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ビオマイシン、ベダキリンフマラート、PNU-100480、及びデラマニドから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療されるキナーゼ媒介疾患又は障害は、マイコバクテリウム感染症である。
【0132】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、経口コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、サリドマイド、クロラムブシル、カルシウムチャネル遮断薬、局所皮膚軟化剤、ACE阻害剤、セロトニン再取り込み阻害剤、エンドセリン-I受容体阻害剤、抗線維化剤、プロトンポンプ阻害剤又はイマチニブ、ARG201、及びトシリズマブから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの活性剤は、プレドニゾロン、抗胸腺細胞グロブリン、FK506(タクロリムス)、サリドマイド、クロラムブシル、ニフェジピン、ニカルジピン、ニトログリセリン軟膏、リシノプリル、ジルタイゼム、フルオキセチン、ボセンタン、エポプロステノール、コルヒチン、パラアミノ安息香酸、ジメチルスルホキシド、D-ペニシラミン、インターフェロンアルファ、インターフェロンガンマ(INF-g)、オメプラゾール、メトクロプラミド、ランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、イマチニブ、ARG201、及びトシリズマブから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、全身性強皮症である。
【0133】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子増強剤、粘液溶解剤、膵酵素、気管支拡張剤、抗生物質、又はイヴァカフトール/ルマカフトール、アタルレン、及び臭化チオプロピウムから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、イヴァカフトール、ドルナーゼα、パンクレリパーゼ、アルブテロール、トブラマイシン、アズトレオナム、コリスチメタートナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファゾリン、セファレキシン、セファゾリン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、ゲミフロキサシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、ピペラシリン/タゾバカム、セフタジジム、シプロフロキシン、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、クロラムフェニコール、又はイヴァカフトール/ルマカフトール、アタルレン、及び臭化チオプロピウムから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、嚢胞性線維症である。
【0134】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、毛様神経栄養増殖因子又は遺伝子導入剤である。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、NT-501-CNTF又はミオシンVIIA(MY07A)をコードする遺伝子導入剤である。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、網膜色素変性である。
【0135】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、眼科用硝子体内注射、抗血管内皮増殖因子阻害剤、及び毛様体神経栄養増殖因子剤から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、アフィベルセプト、ラニビズマブ、ペガプタニブナトリウム、NT501、ヒト化スフィンゴマブ、及びベバシズマブから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は黄斑変性である。
【0136】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、3価(IIV3)不活性化インフルエンザワクチン、4価(IIV4)不活性化インフルエンザワクチン、3価組換えインフルエンザワクチン、4価生弱毒インフルエンザワクチン、抗ウイルス剤、又は不活性化インフルエンザワクチンから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、オセルタミビル、ザナミビル、リマンタジン、又はアマンタジンから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療されるキナーゼ媒介疾患又は障害は、インフルエンザである。
【0137】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、β-ラクタム、ナフシリン、スルファメトキサゾラム、トリメトプリム、スルファサラジン、アセチルスルフィソキサゾール、及びバンコマイシンから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、ブドウ球菌感染症である。
【0138】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗T細胞抗体、抗胸腺細胞ガンマグロブリン-ウマ抗体、抗胸腺細胞グロブリン-ウサギ抗体、抗CD40アンタゴニスト、JAK阻害剤、及び抗TCRマウスmAbから選択される。
【0139】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、ムロモナブ-CD3、ASKP-1240、ASP015K及びTOL101から選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤により治療される疾患又は障害は、移植拒絶である。
【0140】
特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、局所免疫調節剤若しくはカルシニューリン阻害剤、局所コルチコステロイド、経口コルチコステロイド、インターフェロンガンマ、抗ヒスタミン薬、又は抗生物質から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の治療活性薬剤は、ピメクロリムス、タクロリムス、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、フルランドレノリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、フルオシノニド、クロベタゾール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、インターフェロンアルファタンパク質、組換え合成I型インターフェロン、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、フルクロキサシリン、ジクロキサシリン、及びエリスロマイシンから選択される。特定の実施形態では、これらの薬剤で治療される疾患又は障害は、アトピー性皮膚炎である。
【0141】
投与
本明細書で使用される「非経口投与」及び「非経口投与される」という語句は、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内及び胸骨内の注射及び注入が含まれるが、これらに限定されない、通常は注射による、経腸及び局所投与以外の投与様式を意味する。
【0142】
本明細書で使用される「全身投与」、「全身投与される」、「末梢投与」及び「末梢投与される」という語句は、化合物、薬物又は他の物質が対象のシステムに入り、したがって代謝及び他の同様のプロセスを受けるように、中枢神経系に直接投与される以外の、化合物、薬物又は他の物質の投与、例えば皮下投与を意味する。これらの化合物は、治療のために、経口、経鼻を含む任意の適切な投与経路によって、例えば、スプレー、直腸、膣内、非経口、嚢内及び局所的に、粉末、軟膏又は滴剤(口腔及び舌下を含む)によって、ヒト及び他の動物に投与され得る。
【0143】
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本開示の化合物及び/又は本開示の医薬組成物は、当業者に公知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。
【0144】
本開示の医薬組成物中の活性化合物の実際の投与量レベルは、対象に有毒ではなく、特定の対象、組成物及び投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効な活性化合物の量を得るように変化し得る。
【0145】
選択される投与量レベルは、使用される本開示の特定の化合物又はそのエステル、塩若しくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄又は代謝の速度、治療の期間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は物質、治療される対象の年齢、性別、体重、状態、全般的な健康状態及び以前の病歴、並びに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存する。毎日、毎週又は毎月の投薬量(又は他の時間間隔)を使用することができる。
【0146】
当業者であれば、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師又は獣医は、所望の治療効果を達成するのに必要なレベルよりも低いレベルで医薬組成物に使用される本開示の化合物の用量を開始し、次いで所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることができる。
【0147】
一般に、本開示の化合物の適切な1日用量は、治療効果(例えば、壊死を阻害する)をもたらすのに有効な最低用量である化合物の量である。そのような有効用量は、一般に、上記の因子に依存する。
【0148】
一般に、対象に対する本開示の化合物の用量は、示された効果のために使用される場合、約0.0001~約100mg/kg体重/日の範囲である。好ましくは、1日投与量は、体重1kg当たり化合物0.001~50mg、更により好ましくは体重1kg当たり化合物0.01~10mgの範囲である。
【0149】
所望であれば、活性化合物の有効1日用量は、1日を通して適切な間隔で別々に投与される2、3、4、5、6又はそれを超えるサブ用量として、任意選択で単位剤形で投与され得る。特定の実施形態では、本開示は、細胞死を阻害するための化合物に関し、ここで、その化合物は、構造(I)によって表される。特定の実施形態では、本開示の化合物は、細胞死の阻害剤である。いずれの場合でも、本開示の化合物は、好ましくは、約50マイクロモル未満の濃度、より好ましくは約10マイクロモル未満の濃度、最も好ましくは1マイクロモル未満の濃度で細胞死の阻害に対してそれらの効果を発揮する。本開示の化合物は、脳卒中の標準的な動物モデル及びHara,H.,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1997.94(5):2007-12.によって記載されているような標準的なプロトコルで試験することができる。
【0150】
本開示の化合物を医薬品としてヒト及び動物に投与する場合、それらはそれ自体で、又は例えば0.1%~99.5%(より好ましくは0.5%~90%)の活性化合物を薬学的に許容される担体と組み合わせて含有する医薬組成物として与えることができる。
【0151】
本出願の化合物又はその組成物は、上記の任意の適切な様式を使用して、1日1回、2回、3回又は4回投与され得る。また、化合物による投与又は治療を数日間継続してもよく、例えば、一般に、治療は、治療の1サイクルの間、少なくとも7日間、14日間又は28日間継続するであろう。治療サイクルは周知であり、サイクル間に約1~28日間、一般に約7日間又は約14日間の休止期間を頻繁に交互に設ける。特定の実施形態では、治療サイクルは連続的であってもよい。
【0152】
経口投与される場合、ヒト対象の総1日投与量は、1mg~1,000mg、約1,000~2,000mg/日、約10~500mg/日、約50~300mg/日、約75~200mg/日又は約100~150mg/日であり得る。
【0153】
1日投与量はまた、用量当たり又は1日当たりに投与される本開示の化合物の総量として記載され得る。化合物の1日投与量は、約1mg~4,000mg、約2,000~4,000mg/日、約1~2,000mg/日、約1~1,000mg/日、約10~500mg/日、約20~500mg/日、約50~300mg/日、約75~200mg/日又は約15~150mg/日であり得る。特定の実施形態では、方法は、約1~800mgの本開示の化合物の初回1日用量を対象に投与し、臨床的有効性が達成されるまで用量を増分で増加させることを含む。用量を増加させるために、約5、10、25、50又は100mgの増分を使用することができる。投与量は、毎日、1日おきに、週に2回又は週に1回増加させることができる。
【0154】
特定の実施形態では、化合物又は医薬製剤は経口投与される。特定の実施形態では、化合物又は医薬製剤は静脈内投与される。別の投与経路としては、舌下、筋肉内及び経皮投与が挙げられる。
【0155】
本開示の製剤は、経口的、非経口的、局所的又は直腸的に投与され得る。それらは当然、各投与経路に適した形態で与えられる。例えば、それらは、錠剤又はカプセルの形態で、注射、吸入、点眼、軟膏、座薬等によって、注射、注入又は吸入;ローション又は軟膏による局所;及び坐剤による直腸によって投与される。特定の実施形態では、投与は経口である。
【実施例
【0156】
略語:
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
シリカゲルクロマトグラフィ
シリカゲルクロマトグラフィは、CombiFlash(登録商標)Rf(Teledyne ISCO)、Biotage Isolera One自動フラッシュ精製システム又は予め充填されたカートリッジを備えた2つのビュッヒシステム(C-660、C-605、C-620、C-635の組合せ及びC-660、C-605、C-615、C-630の組合せ)を使用して行った。
【0160】
分取逆相HPLC
分取逆相HPLCのために、Agilent1200分取HPLC装置、Gilson装置(GX-271液体ハンドラー、331/332ポンプ、UV/VIS-155)又はWaters自動精製LC分取システムを使用した。
【0161】
分取RP-LC
C18カラム及び水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル勾配を使用するBiotage装置を用いて逆相液体クロマトグラフィを行った。
【0162】
NMR
400MHz:NMRスペクトルは、400.23MHzのプロトン周波数で動作するBruker AVANCE II 400分光計で記録した。機器は、5mmのBBI室温プローブヘッドを備えていた。或いは、Bruker AVANCE III HD 400MHz又はBruker AVANCE NEO 400MHzを使用した。
【0163】
600MHz:NMRスペクトルは、600.05MHzのプロトン周波数で動作するBruker AVANCE III 600分光計で記録した。機器は、5mmのBBI室温プローブヘッドを備えていた。方法Aのための分析用LC/MS装置
【0164】
方法Aのための分析用LC/MS装置
保持時間及び質量検出は、Waters SQD質量検出器と組み合わせたWaters Acquity UHPLCシステムで行った。注入量は1.0μlであった。分子量は、グラム/モル[g/mol]で与えられ、検出された質量は、質量/電荷[m/z]で与えられる。
【0165】
方法B、C、Dの分析用LC/MS装置
保持時間及び質量検出のために、Agilent(LC1200シリーズ/MS6120四重極LC/MS、LC1260 infinity/MS6120四重極LC/MS又はLC1260 Infinity II/MSD Infinity Lab)製のLC/MSシステムを使用した。分子量は、グラム/モル[g/mol]で与えられ、検出された質量は、質量/電荷[m/z]で与えられる。
【0166】
LC/MS-方法A
勾配:98%HO(0.05%ギ酸)/2%アセトニトリル(0.035%ギ酸)で0.2分間、次いで98%HO(0.05%ギ酸)から98%アセトニトリル(0.035%ギ酸)で3.6分間、次いで98%アセトニトリル(0.035%ギ酸)で0.5分間、流量:1.0ml/分、カラム:2.1×50mm Waters ACQUITY UPLC BEH C18、1.7μm、55℃。
UVデータ:保持時間adλ=220nm(分で与えられる)
MSデータ:ES+イオン化、特に明記しない限り[M+H]として与えられるm/z
【0167】
LC/MS-方法B
勾配:1.0分で93%HO(0.05%TFA)/7%アセトニトリルから95%アセトニトリル、次いで0.45分で95%アセトニトリルから、流量:1.1ml/分、カラム:2.0×10mm LunaC18、3μm、30℃、注入量0.2μl
UVデータ:分で与えられる保持時間adλ220nm
MSデータ:ES+イオン化、特に明記しない限り[M+H]として与えられるm/z
【0168】
LC/MS-方法C
勾配:0.8分で95%HO(0.0375%TFA)/5%アセトニトリル(0.01875%TFA)から5%HO(0.0375%TFA)/95%アセトニトリル(0.01875%TFA)、流量:1.5ml/分、カラム:Kinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm、50℃
UVデータ:分で与えられる保持時間adλ220nm
MSデータ:ES+イオン化、特に明記しない限り[M+H]として与えられるm/z
【0169】
LC/MS-方法D
勾配:0.8分で100%HO(0.0375%TFA)/0%アセトニトリル(0.01875%TFA)から40%HO(0.0375%TFA)/60%アセトニトリル(0.01875%TFA)、次いで0.4分間で40%HO(0.0375%TFA)/60%アセトニトリル(0.01875%TFA)、流量:1.5ml/分、カラム:Kinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm、50℃
UVデータ:分で与えられる保持時間adλ220nm
MSデータ:ES+イオン化、特に明記しない限り[M+H]として与えられるm/z
【0170】
分析用キラルHPLC
SFC:島津LC-30AD sfシステム
LC:Agilent 1100シリーズシステム
【0171】

HCl-、TFA-又は別の塩として記載される化合物では、それぞれの塩の正確な量は通常決定されない。したがって、塩の量は、化学構造(例えば、基本中心の数)によって、0.01当量という低いものから最大5.0当量の範囲であり得る。
【0172】
キラル純度
エナンチオマー比が90:10を超える場合、化合物を取り出し、単一のエナンチオマーとして命名する。90:10未満のエナンチオマー比の場合、ラセミ体を使用する。
【0173】
合成方法:
比較化合物の合成:
【0174】
比較実施例A(GSK 国際公開第2018092089号パンフレット、実施例4):
(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル)-[1-(4-フェニルピリミジン-2-イル)-4-ピペリジル]メタノン
【化15】

工程1:
tert-ブチル4-(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-カルボニル)ピペリジン-1-カルボキシラート
【化16】

5-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール(500mg、3.42mmol、1.0当量)、
1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸(862.58mg、0.74ml、3.76mmol、1.1当量)及びHATU(1950.7mg、5.13mmol、1.5当量)のDMF(5ml、64.6mmol)中混合物に、DIPEA(1105.1mg、1.49ml、8.5mmol、2.5当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、酢酸エチルで希釈し、0.1NのHCl水溶液及び水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィ(40gのSiO、溶出液:ヘプタン及び酢酸エチル、勾配:0%~50%酢酸エチル、流量:40ml/分)によって精製して、標題化合物(1.22g、収率94%)を得た。
LC/MS:m/z = [M-56+H];tR:0.89 min (LC/MS-方法B).
【0175】
工程2:
(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル)-(4-ピペリジル)メタノン
【化17】

tert-ブチル4-(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-カルボニル)ピペリジン-1-カルボキシラート(1.145g、3.204mmol、1.0当量)、DCM(25mg、0.2944mmol、0.1当量)及びTFA(3.653g、2.47ml、32.04mmol、10.00当量)の溶液を室温で24時間撹拌した。反応混合物をトルエン(10ml)で希釈し、蒸発させた。粗生成物を水及びアセトニトリルで希釈し、凍結乾燥させた。粗物質を飽和NaHCO溶液で希釈し、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物(824mg、収率76%)を得た。
LC/MS:m/z = 258.1 [M+H];tR:0.87 min (LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 7.27(m,4H),7.10(m,2H),5.29(dd,J=11.92,4.58Hz,1H),3.48(m,1H),3.23(m,1H),3.10(m,1H),3.00(m,1H),2.69(m,2H),1.91(m,1H),1.81(m,1H),1.47-1.75(m,4H)
【0176】
工程3:
(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル)-[1-(4-フェニルピリミジン-2-イル)-4-ピペリジル]メタノン
【化18】

(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル)-(4-ピペリジル)メタノン(77.2mg、0.300mmol、1.00当量)及び2-クロロ-4-フェニル-ピリミジン(62.9mg、0.330mmol、1.10当量)のアセトニトリル(4ml)中溶液に、DIPEA(96.9mg、0.131ml、0.750mmol、2.50当量)を添加した。反応混合物をマイクロ波照射下で100℃に30分間加熱した。再びDIPEA(96.9mg、0.131ml、0.750mmol、2.50当量)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下で100℃に30分間加熱した。触媒量のKCO及びDMF(0.5ml)を添加した後、反応混合物をマイクロ波照射下で30分間100℃に加熱した。反応混合物を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(カラム:Luna(r)5μm C18(2)100Å100×30mm、AXIAL;溶出液:水及びアセトニトリル;勾配:20分で5%~100%のアセトニトリル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(55mg、収率45%)を得た。
LC/MS:m/z=412.2 [M+H];tR:2.51 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.42(d,J=5.14Hz,1H),8.11(m,2H),7.51(m,3H),7.31(m,2H),7.18(m,5H),5.31(dd,J=11.86,4.65Hz,1H),4.80(br d,J=13.08Hz,2H),3.48(m,2H),3.05(m,2H),2.68(m,1H),1.92(br d,J=11.00Hz,1H),1.80(br d,J=11.49Hz,1H),1.51(m,2H)
【0177】
比較実施例B(比較実施例Aのイソオキサゾリジン):
[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]-[1-(4-フェニルピリミジン-2-イル)-4-ピペリジル]メタノン
【化19】

工程1:
tert-ブチル4-[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシラート
【化20】

(S)-3-フェニルイソオキサゾリジン(500mg、3.35mmol)、1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸(922mg、4.02mmol)及びHATU(1.91g、5.03mmol)のDMF(10ml)中混合物に、DIPEA(1.46ml、8.38mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を半飽和NHCl溶液及び酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィ(40gのSiO、溶出液:DCM及びDCM/メタノール=9/1、勾配:0%~50%DCM/メタノール=9/1、流量:40ml/分)によって精製して、標題化合物(920mg、収率76%)を得た。
LC/MS:m/z=381.3 [M+H];tR:2.28 min(LC/MS-方法A).
【0178】
工程2:
[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]-(4-ピペリジル)メタノン
【化21】

tert-ブチル4-[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシラート
(920mg、2.55mmol)、DCM(20ml)及びTFA(2.9g、1.96ml、25.47mmol)の溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物をトルエン(5ml)で希釈し、蒸発させ、2回凍結乾燥させて、標題化合物(850mg、収率84%)を得た。
LC/MS:m/z=261.2 [M+H];tR:0.90 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.50(br s,1H),8.24(br s,1H),7.34(m,2H),7.27(m,3H),5.31(m,1H),4.27(td,J=7.64,7.64,3.06Hz,1H),3.91(m,1H),3.25(m,1H),2.93(m,3H),2.55(m,1H),2.20(m,1H),1.98(br t,J=9.66,9.66Hz,2H),1.80(br s,1H),1.71(m,2H)
【0179】
工程3:
[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]-[1-(4-フェニルピリミジン-2-イル)-4-ピペリジル]メタノン
【化22】

[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]-(4-ピペリジル)メタノントリフルオロ酢酸塩(116mg、0.300mmol、1.00当量)及び2-クロロ-4-フェニル-ピリミジン(62.9mg、0.330mmol、1.10当量)のアセトニトリル(4ml)中溶液に、DIPEA(136mg、0.183ml、1.05mmol、3.50当量)を添加して、マイクロ波照射下で30分間100℃に加熱した。再びDIPEA(96.9mg、0.131ml、0.750mmol、2.50当量)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下で100℃に30分間加熱した。触媒量のKCO及びDMF(0.5ml)を添加した後、反応混合物をマイクロ波照射下で30分間100℃に加熱した。反応混合物を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(カラム:Luna(r)5μm C18(2)100Å100×30mm、AXIAL;溶出液:水及びアセトニトリル;勾配:20分で5%~100%のアセトニトリル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(73mg、収率59%)を得た。
LC/MS:m/z=415.2 [M+H];tR:2.58 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.43(d,J=5.14Hz,1H),8.12(m,2H),7.51(m,3H),7.30(m,5H),7.18(d,J=5.14Hz,1H),5.33(br t,J=7.46,7.46Hz,1H),4.78(br dd,J=8.99,3.97Hz,2H),4.29(td,J=7.73,7.73,3.00Hz,1H),3.92(m,1H),3.08(br t,J=11.43,11.43Hz,3H),2.89(m,1H),2.20(m,1H),1.94(br d,J=11.49Hz,1H),1.75(br s,1H),1.53(m,2H)
【0180】
比較実施例C(GSK 国際公開第2018092089号パンフレット、実施例129):
[1-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]-[(3S)-3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル]メタノン
【化23】

工程1
N’-アセチル-6-クロロ-ピリミジン-4-カルボヒドラジド
【化24】

6-クロロピリミジン-4-カルボン酸(500mg、3.00mmol、1.00当量)のTHF(30ml)中溶液に、DMF(4.38mg、4.6μl、59.9μmol、0.02当量)をアルゴン雰囲気下で添加し、反応混合物を0℃に冷却した。塩化オキサリル(DCM中2M)(2.25ml、4.49mmol、1.5当量)を滴下した。その後、反応物を室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を1,4-ジオキサン(30ml)に溶解し、0℃に冷却した。アセチドラジド(444mg、5.99mmol、2.00当量)を添加し、反応混合物を室温に加温させ、1時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、精製せずに次の工程で使用した。
【0181】
工程2:
2-(6-クロロピリミジン-4-イル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール
【化25】

N’-アセチル-6-クロロ-ピリミジン-4-カルボヒドラジド(工程1、粗製)のアセトニトリル(30ml)中溶液を0℃に冷却し、DIPEA(774mg、1.04ml、5.99mmol、2.0当量)を滴下した。p-トルエンスルホニルクロリド(1.713g、8.99mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を室温に加温し、20分間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィ(80gのSiO、溶出液:n-ヘプタン及び酢酸エチル、勾配:0%~100%酢酸エチル、流量:60ml/分)によって精製して、標題化合物(両工程で83mg、収率14%)を得た。未反応試薬N’-アセチル-6-クロロ-ピリミジン-4-カルボヒドラジド(355mg、収率55%)を単離した。
再単離した試薬を上記の標題化合物に変換して、254mg(収率79%)を得た。
LC/MS:m/z=197 [M+H];tR:0.99 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 9.26(d,J=0.98Hz,1H),8.33(d,
J=0.98Hz,1H),2.66(s,3H)
【0182】
工程3
[1-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]-[(3S)-3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル]メタノン
【化26】

(3-フェニル-3,4-ジヒドロピラゾール-2-イル)-(4-ピペリジル)メタノン(比較実施例A、工程2、154.4mg、0.600mmol、1.00当量)及び2-(6-クロロピリミジン-4-イル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール(123.85mg、0.63mmol、1.05当量)のアセトニトリル(20ml)中混合物に、DIPEA(193.86mg、0.261ml、1.5mmol、2.5当量)を添加した。反応混合物をマイクロ波照射下で30分間100℃に加熱し、減圧下で蒸発させ、分取HPLC(カラム:Luna(r)5μm C18(2)100Å100×30mm、AXIAL;溶出液:水及びアセトニトリル;勾配:12分で10%~100%のアセトニトリル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(153mg、収率61%)のラセミ体を得た。
異性体をキラルHPLC(カラム:Chiralpak IB/83、250×4.6mm;溶出液:ヘプタン:EtOH:MeOH 2:1:1;イソクラティックグラジエント)によって精製して、標題化合物(67mg、収率27%)を得た。
LC/MS:m/z=418.2 [M+H];tR:1.68 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.61(d,J=0.98Hz,1H),7.42(d,
J=0.98Hz,1H),7.27(m,4H),7.11(d,J=7.49Hz,2H),5.31(dd,J=11.86,4.65Hz,1H),4.49(br s,2H),3.48(m,2H),3.13(m,2H),2.68(m,1H),2.60(s,3H),1.94(br d,J=11.62Hz,1H),1.82(br d,J=10.88Hz,1H),1.51(m,2H)
【0183】
比較実施例D(比較実施例Cのイソオキサゾリジン):
[1-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]-[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]メタノン
【化27】

[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]-(4-ピペリジル)メタノントリフルオロ酢酸塩(比較実施例B、工程2、116mg、0.300mmol、1.00当量)及び2-(6-クロロピリミジン-4-イル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール(61.9mg、0.315mmol、1.05当量)のアセトニトリル(10ml)中溶液に、DIPEA(136mg、0.183ml、1.05mmol、3.50当量)を添加した。反応混合物をマイクロ波照射下で100℃に30分間加熱し、分取HPLC(カラム:Luna(r)5μm C18(2)100Å100×30mm、AXIAL;溶出液:水及びアセトニトリル;勾配:12分で10%~100%のアセトニトリル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(89mg、収率71%)を得た。
LC/MS:m/z=421.2 [M+H];tR:1.75 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.62(s,1H),7.43(s,1H),7.30(m,5H),5.33(m,1H),4.47(br s,2H),4.28(m,1H),3.92(m,1H),3.19(br s,1H),3.14(m,2H),2.89(m,1H),2.61(s,3H),2.20(m,1H),1.96(br d,J=12.96Hz,1H),1.77(br s,1H),1.54(m,2H)
【0184】
比較実施例E(比較実施例Cの置換フェニル-イソオキサゾリジン):
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化28】

比較実施例Eを、カップリング試薬として、[(3S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-イル]-(4-ピペリジル)メタノンの代わりに3-フルオロ-5-[(3S)-2-(ピペリジン-4-カルボニル)イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル(比較実施例Bについて記載されるように中間体-1から合成)及びHATUの代わりにHBTUを用いて比較実施例Dと同様に合成して、14.8mg(31.9μmol、収率32%)を得た。
LC/MS:m/z=464.3 [M+H];tR:1.77 min(LC/MS-方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.62(d,J=0.86Hz,1H),7.77(d,J=8.62Hz,1H),7.62(s,1H),7.49(br d,J=9.66Hz,1H),7.43(s,1H),5.40(m,1H),4.46(m,2H),4.30(td,J=7.70,7.70,2.93Hz,1H),3.95(m,1H),3.14(m,3H),2.91(m,1H),2.61(s,3H),2.27(m,1H),1.99(br d,J=11.62Hz,1H),1.80(br d,J=11.62Hz,1H),1.54(m,2H),1.24(s,1H)
【0185】
中間体の合成:
中間体-01
3-フルオロ-5-[(3S)-イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化29】

工程1
3-フルオロ-5-[(E)-3-オキソプロパ-1-エニル]ベンゾニトリル
【化30】

3-フルオロ-5-ホルミル-ベンゾニトリル(90g、603.53mmol、1当量)のTHF(900ml)中溶液に、2-(トリフェニルラムダ5-ホスファニリデン)アセトアルデヒド(183.67g、603.53mmol、1当量)を添加した。混合物を70℃で12時間撹拌し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~3:1)によって精製して、標題化合物(72g、収率68%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 9.76(d,J=7.3Hz,1H),7.67-7.63(m,1H),7.52(td,J=1.8,9.0Hz,1H),7.46-7.39(m,2H),6.74(dd,J=7.4,16.1Hz,1H)
【0186】
工程2
tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート
【化31】

[ジフェニル-[(2S)-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-トリメチル-シラン(26.02g、79.93mmol、0.2当量)のCHCl(300ml)中溶液に、3-フルオロ-5-[(E)-3-オキソプロパ-1-エニル]ベンゾニトリル(70g、399.64mmol、1当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で0.5時間撹拌し、tert-ブチルN-ヒドロキシカルバマート(58.53g、439.60mmol、1.1当量)を添加した。混合物を20℃に円滑に加温し、12時間撹拌した。残渣を分取逆相HPLC(カラム:Phenomenex luna C18、15μm、100Å、I.D.150×H400mm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:53分で60%~47%アセトニトリル及び32分で47%アセトニトリル、流量:600ml/分)によって精製して、標題化合物(77.5g、収率63%)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z=191.1 [M-100-18+H];tR:0.900 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.46(s,1H),7.34(td,J=1.7,9.2Hz,1H),7.31-7.28(m,1H),5.90(d,J=4.4Hz,1H),5.34(t,J=8.3Hz,1H),2.83(dd,J=8.5,12.5Hz,1H),2.21(ddd,J=4.4,8.1,12.5Hz,1H),1.51-1.41(m,9H)
【0187】
工程3
tert-ブチルN-[(1S)-1-(3-シアノ-5-フルオロ-フェニル)-3-ヒドロキシ-プロピル]-N-ヒドロキシカルバマート
【化32】

tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート(77.5g、251.38mmol、1当量)のMeOH(750ml)中溶液に、NaBH(10.46g、276.51mmol、1.1当量)を0℃で添加した。混合物をN下、0℃で3時間撹拌した。混合物を飽和NHCl溶液(100ml)でクエンチし、水(800ml)で希釈し、酢酸エチル(1L×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(カラム:Phenomenex luna C18、15μm、100Å、I.D.150×H400mm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:50分で70%~50%アセトニトリル、26分で50%アセトニトリル、流量:400ml/分)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~1:1)によって精製して、標題化合物(59.5g)を赤褐色固体として得、これを石油エーテル/酢酸エチル(4:1、500ml)で研和して、標題化合物(白色固体として濾過ケーク41g及び赤色固体として濾液18g)を得た。
LC/MS:m/z=211.1 [M-100+H];tR:0.850 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.52(s,1H),7.43(td,J=1.9,9.3Hz,1H),7.30-7.27(m,1H),5.25(dd,J=5.0,10.8Hz,1H),3.93-3.73(m,2H),2.45-2.33(m,1H),2.05-1.97(m,1H),1.46(s,9H)
【0188】
工程4
tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート
【化33】

tert-ブチルN-[(1S)-1-(3-シアノ-5-フルオロ-フェニル)-3-ヒドロキシ-プロピル]-N-ヒドロキシカルバマート(41g、132.12mmol、1当量)のTHF(410ml)中溶液に、トリブチルホスファン(42.77g、211.39mmol、52.16ml、1.6当量)及びDIAD(34.73g、171.76mmol、33.40ml、1.3当量)を0℃で添加した。混合物を20℃に円滑に加温し、N雰囲気下で12時間撹拌した。残渣を分取逆相HPLC(カラム:Phenomenex luna C18、15μm、100Å、I.D.150×H400mm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:50分で70%~50%アセトニトリル、26分で50%アセトニトリル、流量:400ml/分)により精製し、石油エーテル/酢酸エチル(10:1、500mL)を用いて研和して、標題化合物(濾過ケーク29.6g、収率77%、>99.9%e.e)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z=193.2 [M-100+H];tR:0.901 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.47(s,1H),7.36(td,J=1.8,9.3Hz,1H),7.27-7.24(m,1H),5.25(dd,J=5.6,8.9Hz,1H),4.20(dt,J=3.2,8.0Hz,1H),3.95-3.83(m,1H),2.85(dddd,J=3.3,7.0,8.9,12.3Hz,1H),2.24(dddd,J=5.6,7.8,9.2,12.3Hz,1H),1.50(s,9H)
SFC(カラム:Chiralcel AD-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR=0.97分(100%);tR(R-エナンチオマー)=0.72分(0%)
【0189】
工程5
3-フルオロ-5-[(3S)-イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化34】

tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート(5.00g、17.11mmol)のDCM(100ml)中溶液に、TFA(14.8g、10.0ml、129.8mmol)を添加した。室温で16時間後、トルエン(10ml)を添加し、反応混合物を蒸発させ、飽和NaHCO溶液で10分間撹拌した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィによって精製した(カラム:220gのSiO、溶出液:n-ヘプタン及び酢酸エチル、勾配:23分で0%~100%の酢酸エチル)によって精製して、標題化合物(2.64g、13.7mmol、収率84%)を得た。
LC/MS:m/z=193.1 [M+H];tR:1.19 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 7.71(m,1H),7.68(s,1H),7.58(br d,J=10.03Hz,1H),6.62(br s,1H),4.53(br s,1H),3.92(m,1H),3.66(m,1H),2.63(m,1H),2.11(m,1H).
【0190】
中間体02a
(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソキサゾリジン
【化35】

工程1
tert-ブチル(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート
【化36】

標題化合物を、出発物質として3,5-ジ-フルオロ-ベンズアルデヒドを使用して中間体-01工程1~4と同様に合成して、17g(59.6mmol、収率79%)の標題化合物を得た。
LC/MS:m/z=230.1 [M-56+H];tR:0.936 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 6.90(dd,J=1.9,8.0Hz,2H),6.70(tt,J=2.3,8.9Hz,1H),5.19(dd,J=5.5,8.8Hz,1H),4.18(dt,J=3.6,7.9Hz,1H),3.94-3.82(m,1H),2.85-2.73(m,1H),2.33-2.19(m,1H),1.49(s,9H)
SFC(カラム:Chiralcel AD-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR=0.66分(100%)
【0191】
工程2
(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソキサゾリジン
【化37】

tert-ブチル(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート(5.00g、17.53mmol、1.0当量)のDCM(100ml)中溶液に、TFA(19.64g、15.7ml、175.30mmol、10.0当量)を添加した。室温で16時間後、トルエン(10ml)を添加し、反応混合物を蒸発させ、飽和NaHCO溶液と10分間撹拌した。水相をDCMで2回抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物(3.24g、17.50mmol、定量的)を得た。
LC/MS:m/z=186.0 [M+H];tR:1.32 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 7.07(m,3H),6.54(br s,1H),4.45(br s,1H),3.90(m,1H),3.66(m,1H),2.61(m,1H),2.08(m,1H)
【0192】
中間体02b
(3S)-3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン
【化38】

中間体-02a及び3-クロロ-5-フルオロ-ベンズアルデヒドについて記載される方法を使用して標題化合物を合成してエナンチオマーの混合物を得、これをSFC(カラム:REGIS(s,s)WHELK-O1、250×50mm、10μm、溶出液CO中15%EtOH(0.1%NHO)、2回の連続注入の間に3.8分の遅延時間、総持続時間120分を用いた単一バッチサイクルプロセス)により精製して、標題化合物(3.9g、収率86%)を黄色油として得、R-エナンチオマー78mg(収率1.6%)を黄色油として得た。
LC/MS:m/z=246.3 [M-56+H],tR:0.900 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.16(s,1H),6.95-7.03(m,2H),5.18(dd,J=5.6,8.7Hz,1H),4.18(dt,J=3.5,8.0Hz,1H),3.87(dt,J=7.2,8.6Hz,1H),2.79(dddd,J=3.5,7.0,8.8,12.3Hz,1H),2.19-2.30(m,1H),1.49(s,9H)
SFC(カラム:Kromasil(S,S)Whelk-O1 50×4.6mmI.D.、3.5μm、勾配:CO中5%~40%EtOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR=1.069分(100%)
【0193】
R-エナンチオマー:
LC/MS m/z 246.3 [M-56+H],tR:0.890 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.16(s,1H),6.96-7.03(m,2H),5.18(dd,J=5.6,8.8Hz,1H),4.18(dt,J=3.6,7.9Hz,1H),3.83-3.92(m,1H),2.74-2.84(m,1H),2.20-2.31(m,1H),1.49(s,9H)
SFC(カラム:Kromasil(S,S)Whelk-O1 50×4.6mmI.D.、3.5μm、勾配:CO中5%~40%EtOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR=0.890分(100%)
【0194】
中間体-03
3-フルオロ-5-[(3S)-イソオキサゾリジン-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル
【化39】

工程1
5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル-ベンズアルデヒド
【化40】

5-ブロモ-1-フルオロ-3-ヨード-2-メチル-ベンゼン(5g、15.88mmol、1当量)のTHF(50ml)中溶液に、i-PrMgCl(2M、8.73ml、1.1当量)を-60°Cで添加し、15分間撹拌し、次いで、DMF(3.48g、47.63mmol、3.66ml、3当量)を添加した。反応混合物を-10℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(50mlx3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~10:1)によって精製して、標題化合物(3.2g、収率93%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 10.20(s,1H),7.78-7.72(m,1H),7.44(dd,J=1.9,8.7Hz,1H),2.53(d,J=2.1Hz,3H)
【0195】
工程2
5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル
【化41】

5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル-ベンズアルデヒド(9.5g、43.77mmol、1当量)のEtOH(95ml)中溶液に、TBHP(デカン中5M、9.63ml、1.1当量)、I(277.74mg、1.09mmol、0.025当量)、NHOAc(5.06g、65.66mmol、1.5当量)及びNaCO(4.64g、43.77mmol、1当量)を添加し、次いで、混合物を50℃で12時間撹拌した。反応混合物を飽和NaSO溶液(20ml)でクエンチし、水(100ml)で希釈し、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~10:1)によって精製して、標題化合物(8g、収率85%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.59-7.55(m,1H),7.44(dd,J=1.9,8.6Hz,1H),2.44(d,J=2.1Hz,3H)
【0196】
工程3
5-[(E)-3,3-ジエトキシプロパ-1-エニル]-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル
【化42】

5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル(10.1g、47.19mmol、1当量)、3,3-ジエトキシプロパ-1-エン(18.43g、141.57mmol、21.58ml、3当量)、Pd(t-BuP)(1.21g、2.36mmol、0.05当量)及びトリエチルアミン(14.32g、141.57mmol、19.70ml、3当量)のDMF(100ml)中混合物を、N雰囲気下で80℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水(100ml)で希釈し、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100ml×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(13g、粗製)を得た。
【0197】
工程4:
3-フルオロ-2-メチル-5-[(E)-3-オキソプロパ-1-エニル]ベンゾニトリル
【化43】

5-[(E)-3,3-ジエトキシプロパ-1-エニル]-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル(13g、粗製)のHCl(1M、94.38ml、2当量)及びアセトン(80ml)中混合物を25℃で0.5時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO溶液でpH7~8に調整し、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~3:1)によって精製して、標題化合物(5.5g、収率62%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 9.74(d,J=7.5Hz,1H),7.60(s,1H),7.46(dd,J=1.5,9.7Hz,1H),7.38(d,J=16.0Hz,1H),6.70(dd,J=7.4,16.1Hz,1H),2.53(d,J=2.1Hz,3H)
【0198】
工程5:
tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-4-メチル-フェニル)-5-ヒドロキシ-イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート
【化44】

[ジフェニル-[(2S)-ピロリジン-2-イル]メトキシ]-トリメチル-シラン(1.82g、5.60mmol、0.2当量)のCHCl(53ml)中溶液に、3-フルオロ-2-メチル-5-[(E)-3-オキソプロパ-1-エニル]ベンゾニトリル3-フルオロ-2-メチル-5-[(E)-3-オキソプロパ-1-エニル]ベンゾニトリル(5.3g、28.01mmol、1当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で30分間撹拌し、tert-ブチルN-ヒドロキシカルバマート(4.48g、33.62mmol、1.2当量)を0℃で添加した。混合物を20℃に円滑に加温し、12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、分取逆相HPLC(カラム:Welch Ultimate XB_C18、20~40μm;120Å、I.D.95×H365mm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:30分で20%~50%アセトニトリル及び20分で50%アセトニトリル、流量:200ml/分)によって精製して、標題化合物(5.8g、収率64%)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z=205.2 [M-100-18+H];tR:0.896 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.40(s,1H),7.27(s,1H),5.86(d,J=4.3Hz,1H),5.28(t,J=8.2Hz,1H),2.80(dd,J=8.5,12.5Hz,1H),2.46(d,J=2.0Hz,3H),2.19(ddd,J=4.3,8.1,12.5Hz,1H),1.51-1.42(m,9H)
【0199】
工程6
tert-ブチルN-[(1S)-1-(3-シアノ-5-フルオロ-4-メチル-フェニル)-3-ヒドロキシプロピル]-N-ヒドロキシカルバマート
【化45】

tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-4-メチル-フェニル)-5-ヒドロキシ-イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート(4.8g、14.89mmol、1当量)のMeOH(48ml)中溶液に、NaBH(619.68mg、16.38mmol、1.1当量)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和NHCl溶液(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~0:1)によって精製して、標題化合物(3.6g、収率73%)を白色固体として得た。これを石油エーテル/酢酸エチル(3:1、50ml)を用いて研和して、白色固体として濾過ケーク2.7g及び黄色固体として濾液1.1gを得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.46(s,1H),7.40-7.33(m,1H),6.75(br s,1H),5.22(dd,J=5.1,10.8Hz,1H),3.93-3.73(m,2H),2.46(d,J=2.0Hz,3H),2.37(dddd,J=3.4,7.5,10.9,14.6Hz,1H),2.12(br s,1H),1.48(s,9H)
【0200】
工程7
tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-4-メチル-フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート
【化46】

tert-ブチルN-[(1S)-1-(3-シアノ-5-フルオロ-4-メチル-フェニル)-3-ヒドロキシ-プロピル]-N-ヒドロキシカルバマート(2.7g、8.32mmol、1当量)のTHF(27ml)中溶液に、n-BuP(2.69g、13.32mmol、3.29ml、1.6当量)及びDIAD(2.19g、10.82mmol、2.10ml、1.3当量)を0℃で添加した。混合物を25℃に円滑に加温し、N雰囲気下で12時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、分取逆相HPLC(カラム:Welch Ultimate XB_C18 20~40μm;120Å、I.D.75×H348mm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:28分で10%~65%アセトニトリル、5分で65%アセトニトリル、流量:200ml/分)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~0:1)によって精製して、標題化合物(2g、収率78%、94.1%e.e)を白色固体として得た。生成物をSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD、250×30mm、10μm;移動相:CO中25%メタノール(0.1%NHO)、2回の連続した注入の間に3.0分の遅延時間、総持続時間75分を用いた単一バッチサイクルプロセス)により精製して、標題化合物(1.7g、収率85%、>99.9%e.e)をオフホワイト色固体として得た。
LC/MS:m/z=251.1 [M-56+H];tR:0.949 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.41(s,1H),7.29(dd,J=1.4,10.0Hz,1H),5.20(dd,J=5.6,8.8Hz,1H),4.18(dt,J=3.4,8.0Hz,1H),3.88(dt,J=7.2,8.7Hz,1H),2.81(dddd,J=3.4,7.0,8.8,12.3Hz,1H),2.45(d,J=2.0Hz,3H),2.23(dddd,J=5.5,7.8,9.1,12.3Hz,1H),1.49(s,9H)
SFC(カラム:Chiralcel AD-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR=1.22分(100%);tR(R-エナンチオマー)=0.86分(0%)
【0201】
工程8
3-フルオロ-5-[(3S)-イソオキサゾリジン-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル
【化47】

tert-ブチル(3S)-3-(3-シアノ-5-フルオロ-4-メチル-フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシラート(1.36g、4.44mmol、1.0当量)のDCM(40ml)中溶液に、TFA(4.975g、3.974ml、44.40mmol、10.0当量)を添加した。室温で16時間後、トルエン(5ml)を添加し、反応混合物を蒸発させ、飽和NaHCO溶液で10分間撹拌した。水相をDCM(10ml×2)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物(860mg、4.17mmol、収率94%)を得た。
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 7.62(s,1H),7.52(br d,J=10.64Hz,1H),6.55(br s,1H),4.47(br s,1H),3.90(td,J=7.95,7.95,5.14Hz,1H),3.67(br s,1H),2.60(m,1H),2.36(d,J=1.83Hz,3H),2.09(m,1H)
【0202】
中間体-04
メチル1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート
【化48】

4,6-ジクロロピリミジン(80g、536.99mmol、1当量)、メチルピペリジン-4-カルボキシラート(96.47g、536.99mmol、1当量、HCl)、DIEA(208.21g、1.61mol、280.60ml、3当量)のn-BuOH(700ml)中混合物を脱気し、Nでパージし、次いで、混合物をN雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、n-BuOHを除去した。次いで、HO(100ml)及びEA(200ml)で希釈し、1NのHCl溶液でpH6に調整し、酢酸エチル(200ml×3)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO水溶液(500ml)、ブライン(500ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題化合物(粗生成物135.4g、529.53mmol、収率97%)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z=256.1 [M+H];tR:0.737 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.32(s,1H),6.97(s,1H),4.38-4.19(m,2H),3.62(s,3H),3.16-3.02(m,2H),2.71(tt,J=4.0,10.8Hz,1H),1.96-1.84(m,2H),1.60-1.44(m,2H)
【0203】
中間体-05
1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化49】

工程1
メチル1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化50】

中間体-04(3.97g、15.53mmol、1当量)、2-メチル-1H-イミダゾール(2.55g、31.05mmol、2当量)、KCO(8.58g、62.10mmol、4当量)及びCuI(1.48g、7.76mmol、0.5当量)のDMSO(40ml)中混合物を脱気し、Nで3回パージした。混合物をN雰囲気下で120℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、水(400ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:35%~70%の酢酸エチル及び溶出液:MeOH及びDCM、勾配、5%~15%MeOH)によって精製して、標題化合物(2.3g、7.63mmol、収率49%)を黄色油として得た。
LC/MS:m/z=302.1 [M+H];tR:0.615 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.54(s,1H),7.30(s,1H),7.04(s,1H),6.41(s,1H),4.32(br d,J=13.1Hz,2H),3.73(s,3H),3.18(ddd,J=3.0,11.0,13.7Hz,2H),2.67(s,3H),2.08-2.03(m,2H),1.84-1.74(m,3H)
【0204】
工程2
1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化51】

メチル1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(4.46g、14.80mmol、1当量)のTHF(50ml)中溶液に、LiOH・HO(1M、29.60ml、2当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を4NのHCl水溶液でpH3に調整し、混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Welch Ultimate XB_C18、20~40μm、120Å;溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:20分で100%~10%アセトニトリル、20分で10%アセトニトリル、流量:100ml/分)によって精製して、標題化合物(3.5g、10.81mmol、収率73%、HCl)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z=288.2 [M+H];tR:0.700 min(LC/MS 方法D).
H NMR(400MHz,DO):δ ppm 8.50(s,1H),7.70(d,J=2.3Hz,1H),7.47(d,J=2.2Hz,1H),7.08(s,1H),4.34-4.17(m,2H),3.34-3.26(m,2H),2.83-2.76(m,1H),2.73(s,3H),2.06(br dd,J=3.4,13.5Hz,2H),1.75-1.65(m,2H)
【0205】
中間体-06
1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化52】

工程1
メチル1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化53】

中間体-04(25g、97.77mmol、1当量)のジオキサン(200ml)及びHO(40ml)中溶液に、KCO(27.03g、195.54mmol、2当量)、1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(20.34g、97.77mmol、1当量)及びPd(dppf)Cl(7.15g、9.78mmol、0.1当量)を添加した。混合物をN雰囲気下で120℃で2時間撹拌した。残渣をHO(200ml)で希釈し、酢酸エチル(300ml×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(カラム:220gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュ、溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:0%~20%酢酸エチル、流量:100ml/分)によって精製して、標題化合物(29.3g、86.44mmol、収率88%)を黄色油として得た。
LC/MS:m/z=302.1 [M+H];tR:0.644 min(LC/MS 方法C).
【0206】
工程2
1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化54】

メチル1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(29.3g、97.23mmol、1当量)のTHF(250ml)及びHO(50ml)中溶液に、LiOH・HO(12.24g、291.69mmol、3当量)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌し、1NのHCl溶液でpH5に調整し、減圧下で濃縮し、濾過した。濾過ケークをHO(50ml)で洗浄し、酢酸エチルを用いて20℃で1時間研和して、標題化合物(19.4g、64.89mmol、収率67%)を灰色固体として得た。
LC/MS:m/z=288.4 [M+H];tR:0.295 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.30(s,1H),8.57(d,J=0.9Hz,1H),7.48(d,J=2.0Hz,1H),7.13(d,J=0.9Hz,1H),6.95(d,J=2.0Hz,1H),4.37(d,J=12.6Hz,2H),4.14(s,3H),3.17-3.02(m,2H),2.64-2.54(m,1H),1.97-1.83(m,2H),1.58-1.41(m,2H)
【0207】
中間体-07
1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化55】

工程1
4-シクロプロピル-2-メチル-1H-イミダゾール
【化56】

アセトアミジン(10.3g、108.94mmol、5当量、HCl)のMeOH(100ml)中溶液に、NaOH(4.36g、108.94mmol、5当量)を0℃で添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮し、残渣をアセトニトリル(60ml)に溶解した。25℃で、KCO(6.02g、43.58mmol、2当量)のHO溶液(30ml)及び2-ブロモ-1-シクロプロピル-エタノン(3.55g、21.79mmol、1当量)のアセトニトリル(10ml)中溶液を添加し、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、濾過した。濾過ケークを水で洗浄して、標題化合物が粗生成物(1.5g、12.28mmol、収率56%)として白色固体として得、これを次の工程に直接使用した。
H NMR:(400MHz,CDCl):δ ppm 9.43-8.77(m,1H),6.52(s,1H),2.28(s,3H),1.79-1.66(m,1H),0.79-0.69(m,2H),0.63-0.55(m,2H)
【0208】
工程2
メチル1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化57】

4-シクロプロピル-2-メチル-1H-イミダゾール(573.33mg、4.69mmol、1.2当量)のDMF(10ml)中溶液に、CsCO(2.55g、7.82mmol、2当量)及び中間体-04(1g、3.91mmol、1当量)をN雰囲気下で添加した。反応混合物を120℃で12時間撹拌し、25℃に冷却した。MeI(275mg、19.5mmol、5当量)を添加し、反応混合物をN下、25℃で2時間保持し、飽和NaHCO水溶液(100ml)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:10/1~0/1)によって精製して、標題化合物(1g、粗製)を黄色油として得た。
LC/MS:m/z=342.3 [M+H];tR:0.739 min(LC/MS 方法C).
【0209】
工程3
1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化58】

メチル1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(900mg、2.64mmol、1当量)のTHF(4ml)及びHO(4ml)中溶液に、LiOH・HO(331.87mg、7.91mmol、3当量)をN雰囲気下で添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌し、1NのHCl溶液でpH4に調整し、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を逆相HPLC(カラム:330gフラッシュカラムWelch Ultimate XB_C18 20~40μm、120Å、溶出液:水(0.1%HCl)及びアセトニトリル、勾配:20分で0%~20%アセトニトリル、10分で20%アセトニトリル、流量:100ml/分)により精製して、25℃で石油エーテル/酢酸エチル(1:1、7ml)を用いて研和して、標題化合物(540mg、1.62mmol、収率53%)が白色固体として得た。
LC/MS:m/z=328.2 [M+H];tR:0.685 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.54(s,1H),7.94(s,1H),7.13(s,1H),4.45-4.35(m,2H),3.24-3.11(m,2H),2.81(s,3H),2.70-2.60(m,1H),2.07-1.84(m,3H),1.62-1.41(m,2H),1.09-0.98(m,2H),0.93-0.83(m,2H)
【0210】
中間体-08
3-[(3S)-2-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル
【化59】

工程1:
1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化60】

THF(10ml)及びHO(10ml)中の中間体-04(3g、11.73mmol、1当量)の混合物に、LiOH・HO(1M、23.46ml、2当量)を添加し、反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を1MのHClでpH3~4に調整し、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(2.43g、収率86%)を得、これを次の工程に直接使用した。
LC/MS:m/z=242.0 [M+H];tR:0.835 min(LC/MS 方法D).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.43 -12.20(m,1H),8.32(s,1H),6.97(s,1H),4.37 -4.14(m,2H),3.16 -3.05(m,2H),2.62 -2.55(m,1H),1.88(br dd,J=13.5,3.5Hz,2H),1.55 -1.42(m,2H)
【0211】
工程2:
3-[(3S)-2-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル
【化61】

1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(4g、16.55mmol、1当量)、3-フルオロ-5-[(3S)-イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル(3.97g、17.38mmol、1.05当量、HCl)のDMF(40ml)中溶液に、HATU(12.59g、33.10mmol、2当量)及びDIEA(10.70g、82.76mmol、14.41ml、5当量)を添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィ(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=4/1~3/1)によって精製して、標題化合物(4g、収率58%)を褐色固体として得た。
LC/MS:m/z=214.0 [M+H];tR:0.637 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.39(s,1H),7.42(s,1H),7.31 -7.29(m,1H),7.27(br d,J=1.6Hz,1H),6.55(s,1H),5.42(dd,J=8.8,6.4Hz,1H),4.35(td,J=7.9,3.0Hz,3H),4.01 -3.89(m,1H),3.21 -3.08(m,4H),2.99 -2.90(m,1H),2.41 -2.30(m,1H),2.14 -2.07(m,1H),1.89 -1.76(m,3H)
SFC(カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR=1.42分(100%)
【0212】
中間体-09
1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化62】

工程1
メチル1-(6-ヒドラジノピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート
【化63】

中間体-04(1g、3.91mmol、1当量)のi-PrOH(10ml)中溶液に、DIEA(1.01g、7.82mmol、1.36ml、2当量)及びN・HO(253.36mg、4.30mmol、245.98μl、純度85%、1.1当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌し、水(50ml)で希釈し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50ml×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題化合物(980mg、粗)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z=252.3 [M+H];tR:0.703 min(LC/MS 方法D).
【0213】
工程2
メチル1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化64】

メチル1-(6-ヒドラジノピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート(980mg、3.90mmol、1当量)及びp-トルエンスルホン酸(671.57mg、3.90mmol、1当量)のEtOH(10ml)中溶液に、N-(ジメチルアミノメチレン)アセトアミド(890.33mg、7.80mmol、2当量)を25℃で添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌し、濃縮して溶媒の大部分を除去した。NaHCO飽和水溶液(30ml)を添加し、水層を酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(カラム:20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:10%~40%酢酸エチル、流量:60ml/分)によって精製して、標題化合物(475mg、1.56mmol、収率40%)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z=303.2 [M+H];tR:0.799 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.51(s,1H),7.90(s,1H),7.07(s,1H),4.45-4.31(m,2H),3.72(s,3H),3.17(br t,J=11.9Hz,2H),2.92(s,3H),2.70-2.61(m,1H),2.03(br s,1H),1.77(q,J=10.4Hz,2H)
【0214】
工程3
1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化65】

メチル1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(475mg、1.57mmol、1当量)のTHF(5ml)中溶液に、LiOH・HO(1M、3.14ml、2当量)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌し、1NのHCl水溶液でpH3に調整し、濃縮して溶媒の大部分を除去し、濾過した。濾過ケークを回収し、乾燥して、標題化合物(470mg、粗製)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z=289.0 [M+H];tR:0.729 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.31(br s,1H),8.51(s,1H),8.09(s,1H),7.08(s,1H),4.31(br d,J=2.3Hz,2H),3.15(br t,J=11.1Hz,2H),2.77(s,3H),2.60(ddd,J=4.1,6.8,10.7Hz,1H),1.91(br dd,J=3.2,13.2Hz,2H),1.57-1.47(m,2H)
【0215】
中間体-10
1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化66】

工程1
メチル1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化67】

5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール(1.17g、14.08mmol、1.2当量)のDMF(30ml)中溶液に、CsCO(7.65g、23.46mmol、2当量)、中間体-04(3g、11.73mmol、1当量)及びモレキュラーシーブ4Å(3g、11.73mmol、1当量)をN雰囲気下で添加した。反応混合物を120℃で12時間撹拌し、25℃に冷却した。MeI(833mg、58.6mmol、5当量)を添加し、反応混合物をN雰囲気下、25℃で2時間保持した。反応混合物を濾過し、水(300ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300ml×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN250×50mm、10μm、溶出液:ヘキサン中2%EtOH(0.1%ギ酸)、18分)によって精製して、標題化合物を、二生成物メチル1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(中間体-09、工程2)(5g、15.05mmol、収率87%)との混合物として白色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 9.05(s,1H),8.52(s,1H),7.93(s,1H),7.08(s,1H),4.42-4.32(m,2H),3.72(s,3H),3.22-3.15(m,2H),2.94(s,3H),2.70-2.64(m,1H),2.05(br dd,J=2.8,13.8Hz,2H),1.82-1.78(m,2H)
【0216】
工程2
1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化68】

メチル1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート及び副生成物メチル1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(4.9g、16.21mmol、1当量)のTHF(50ml)中溶液に、LiOH・HO(1M、32.41ml、2当量)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌し、1NのHCl水溶液でpH3に調整し、濃縮して溶媒の大部分を除去し、濾過した。濾過ケークをDMF(50ml)から80℃で1時間再結晶し、濾過して、標題化合物(4g、13.87mmol、収率86%)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z=289 [M+H];tR:0.649 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 12.35(br s,1H),9.20(s,1H),8.45(s,1H),6.99(s,1H),4.33(br dd,J=4.6,2.1Hz,2H),3.15(br t,J=11.5Hz,2H),2.66 -2.56(m,1H),2.39(s,3H),1.98 -1.87(m,2H),1.60 -1.46(m,2H)
【0217】
中間体11a
メチル1-(6-クロロ-5-フルオロ-ピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート
【化69】

4,6-ジクロロ-5-フルオロ-ピリミジン(1g、5.99mmol、1当量)、メチルピペリジン-4-カルボキシラート(806.21mg、5.63mmol、0.94当量)、DIEA(2.32g、17.97mmol、3.13ml、3当量)のジオキサン(10ml)中混合物を脱気し、Nでパージし、次いで混合物をN雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。残渣をHO(30ml)で希釈し、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(カラム:20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:0%~50%酢酸エチル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(1.45g、5.30mmol、収率88%)を黄色油として得た。
LC/MS:m/z=374.1[M+H];tR:0.894 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.20-8.12(m,1H),4.51-4.34(m,2H),3.75-3.69(m,3H),3.31-3.15(m,2H),2.72-2.57(m,1H),2.09-1.98(m,2H),1.89-1.75(m,2H)
【0218】
中間体11b
エチル1-(6-クロロ-5-フルオロ-ピリミジン-4-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート
【化70】

4,6-ジクロロ-5-フルオロ-ピリミジン(1.06g、6.36mmol、1当量)、エチルピペリジン-4-カルボキシラート(1.00g、6.36mmol、1.0当量)、DIEA(3.29g、25.44mmol、4.43ml、4当量)のアセトニトリル(20ml)中混合物を室温で1時間撹拌した。残渣をHO(30ml)で希釈し、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1NのHClで2回洗浄した。合わせた有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(1.65g、5.73mmol、収率90%)を得た。
LC/MS:m/z=288.1 [M+H];tR:2.14 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.19(d,J=1.34Hz,1H),4.29(m,2H),4.08(q,J=7.09Hz,2H),3.24(m,2H),2.71(m,1H),1.93(m,2H),1.62(m,2H),1.19(t,J=7.09Hz,3H)
【0219】
実施例の合成:
実施例1
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化71】

DMF(3ml)中の中間体-05(300mg、926.56μmol、1当量、HCl)、中間体-01(222.45mg、972.89μmol、1.05当量、HCl)、HATU(528.46mg、1.39mmol、1.5当量)及びDIEA(838.24mg、6.49mmol、1.13ml、7当量)の混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(20ml)で希釈し、酢酸エチル(10ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15ml×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(溶出液:DCM及びMeOH、勾配:0%~10%MeOH)、次いで、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm、3μm、溶出液:水(0.225%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:5分で12%~42%アセトニトリル)により精製して、標題化合物(229mg、491.16μmol、収率53)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z=462.1 [M+H];tR:0.501 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.48(s,1H),7.78(br d,J=8.4Hz,1H),7.66-7.60(m,2H),7.49(br d,J=9.7Hz,1H),6.90(s,2H),5.39(br t,J=7.5Hz,1H),4.48(br d,J=3.9Hz,2H),4.30(dt,J=2.8,7.6Hz,1H),3.97-3.90(m,1H),3.16-3.06(m,3H),2.95-2.87(m,1H),2.55(s,3H),2.28-2.19(m,1H),2.00-1.94(m,1H),1.77(br d,J=10.8Hz,1H),1.58-1.48(m,2H)
SFC(カラム:Chiralpak AD-3 50×4.6mmI.D.、3μm、溶出液:CO中40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.05分(100%)
【0220】
実施例2
3-フルオロ-2-メチル-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化72】

中間体-05及び中間体-03を試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、10mg(0.021mmol、収率21%)を得た。
LC/MS:m/z=476.3 [M+H];tR:1.57 min(LC/MS 方法A).
H NMR(600.05MHz,DMSO-d):δ ppm 8.48(d,J=0.92Hz,1H),7.64(d,J=1.47Hz,1H),7.55(s,1H),7.43(d,J=10.27Hz,1H),6.90(dd,J=5.78,1.19Hz,2H),5.35(m,1H),4.48(br s,1H),4.29(td,J=7.70,7.70,2.93Hz,1H),3.93(m,1H),3.28(m,1H),3.11(m,3H),2.89(m,1H),2.54(s,3H),2.37(d,J=1.83Hz,3H),2.23(m,1H),1.96(br d,J=11.19Hz,1H),1.77(br d,J=12.65Hz,1H),1.53(m,2H)
【0221】
実施例3
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化73】

中間体-06及び中間体-01を試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、240mg(0.52mmol、収率77%)を得た。
LC/MS:m/z=463.2 [M+H];tR:0.66 min(LC/MS 方法B).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.57(d,J=0.98Hz,1H),7.77(d,J=8.62Hz,1H),7.62(s,1H),7.50(s,1H),7.48(d,J=1.96Hz,1H),7.13(s,1H),6.94(d,J=1.96Hz,1H),5.40(m,1H),4.49(br s,2H),4.30(td,J=7.67,7.67,3.00Hz,1H),4.14(s,3H),3.94(m,1H),3.09(m,3H),2.91(dddd,J=12.18,9.15,6.42,3.06Hz,1H),2.50(u),2.25(m,1H),1.97(br d,J=10.51Hz,1H),1.77(br d,J=12.84Hz,1H),1.53(m,2H)
【0222】
実施例4
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン
【化74】

中間体-06及び中間体-02aを試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、180mg(0.40mmol、収率57%)を得た。
LC/MS:m/z=455.1 [M+H];tR:0.55 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.66(s,1H),7.50(d,J=2.0Hz,1H),6.86-6.79(m,2H),6.74-6.68(m,2H),6.59(d,J=2.0Hz,1H),5.38(dd,J=6.1,8.7Hz,1H),4.51-4.39(m,2H),4.30(dt,J=3.2,7.7Hz,1H),4.22(s,3H),3.97-3.89(m,1H),3.17-3.08(m,3H),2.94-2.80(m,1H),2.42-2.27(m,1H),2.09(br dd,J=2.4,13.4Hz,1H),1.87-1.79(m,3H)
SFC(カラム:Chiralpak OJ-3 50×4.6mmI.D.、3μm、溶出液:CO中5~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.389分(100%)
【0223】
実施例5
[(3S)-3-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン
【化75】

中間体-06及び中間体-02bを試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、37mg(0.08mmol、収率78%)を得た。
LC/MS:m/z=471.2 [M+H];tR:2.00 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.59(s,1H),7.50(d,J=1.96Hz,1H),7.34(dt,J=8.68Hz,J=2.08Hz,1H),7.20(s,1H),7.15(s,1H),7.11(br d,J=9.41Hz,1H),6.93(d,J=1.96Hz,1H),5.35(m,1H),4.49(br s,2H),4.29(m,1H),4.13(s,3H),3.92(m,1H),3.11(m,3H),2.90(m,1H),2.22(m,1H),1.97(br d,J=11.13Hz,1H),1.77(br d,J=12.23Hz,1H),1.53(m,2H)
【0224】
実施例6
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化76】

中間体-08(41.58mg、0.10mmol、1.0当量)、3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(38.22mg、0.18mmol、1.8当量)、炭酸ナトリウム(40.28mg、0.38mmol、3.8当量)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(16.33mg、0.02mmol、0.2当量)のDME(3.0ml)及び水(1ml)中混合物をマイクロ波照射下で100℃に30分間加熱した。反応混合物を濾過し、分取HPLC(カラム:Luna(r)5μm C18(2)100Å 100×30mm、AXIAL、溶出液:水及びアセトニトリル、勾配:12分で10%~100%のアセトニトリル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(18mg、収率39%)を得た。
LC/MS:m/z=462.2 [M+H];tR:1.34 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.45(s,1H),8.14(s,1H),7.77(br d,J=7.98Hz,1H),7.62(s,1H),7.49(br d,J=9.41Hz,1H),6.93(s,1H),5.40(m,1H),4.45(br d,J=9.90Hz,2H),4.30(td,J=7.58,2.81Hz,1H),3.94(m,1H),3.09(br d,J=7.09Hz,1H),3.03(m,2H),2.91(m,1H),2.27(m,2H),1.95(br d,J=11.37Hz,1H),1.76(br d,J=11.74Hz,1H),1.52(m,2H),1.24(s,3H)
【0225】
実施例7
3-[(3S)-2-[1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル
【化77】

中間体-07及び中間体-02aを試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、77mg(0.23mmol、収率36%)を得た。
LC/MS:m/z=502.2 [M+H];tR:0.81 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.45(s,1H),8.13(s,1H),7.80-7.74(m,1H),7.62(s,1H),7.49(br d,J=9.5Hz,1H),7.43(s,1H),6.84(s,1H),5.42-5.36(m,1H),4.54-4.39(m,2H),4.30(dt,J=2.8,7.7Hz,1H),3.96-3.90(m,1H),3.14-3.05(m,3H),2.95-2.88(m,1H),2.52(s,3H),2.27-2.21(m,1H),1.99-1.94(m,1H),1.80-1.73(m,2H),1.56-1.48(m,2H),0.80-0.76(m,2H),0.68-0.64(m,2H)
SFC(カラム:Chiralpak OJ-3 50×4.6mmI.D.、3μm、溶出液:CO中5~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.73分(98.8%)
【0226】
実施例8
5-[(3S)-2-[1-[6-(4-シクロプロピル-2-メチル-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-3-フルオロ-2-メチル-ベンゾニトリル
【化78】

中間体-07及び中間体-03を試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、28mg(0.08mmol、収率81%)を得た。
LC/MS:m/z=516.3 [M+H];tR:1.67 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.45(s,1H),7.55(s,1H),7.44
(m,2H),6.83(s,1H),5.35(m,1H),4.47(br s,2H),4.29(td,J=7.64,
7.64,3.18Hz,1H),3.93(m,1H),3.10(m,3H),2.89(m,1H),2.50(s,3H,in DMSO peak),2.37(d,J=1.71Hz,3H),2.24(m,1H),1.96(br d,J=12.84Hz,1H),1.77(m,2H),1.52(m,2H),0.78(m,2H),0.67(m,2H)
【0227】
実施例9
3-[(3S)-2-[1-[6-(2,5-ジメチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-5-フルオロ-ベンゾニトリル
【化79】

中間体-08(100mg、240.47μmol、1当量)、1,3-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(58.75mg、264.52μmol、1.1当量)、KCO(66.47mg、480.95μmol、2当量)及びPd(dppf)Cl・CHCl(19.64mg、24.05μmol、0.1当量)のジオキサン(0.8ml)及びHO(0.2ml)中混合物を脱気し、Nで3回パージした。反応混合物をN雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(8ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex C18 75×30mm、3μm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:7分で25%~55%アセトニトリル)により精製して、標題化合物(62mg、130.38μmol、収率54%)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z=476.3 [M+H];tR:0.822 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.69(s,1H),7.40(s,1H),7.30-7.27(m,1H),7.26(br d,J=1.4Hz,1H),6.67(s,1H),6.54(br s,1H),5.41(dd,J=6.4,8.6Hz,1H),4.58-4.27(m,3H),4.14(s,3H),3.95(dt,J=6.8,8.7Hz,1H),3.32-3.10(m,3H),2.93(dddd,J=3.1,6.6,9.2,12.2Hz,1H),2.40-2.32(m,1H),2.30(s,3H),2.16-2.08(m,1H),1.91-1.82(m,3H)
SFC(カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.54分(100%)
【0228】
実施例10
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化80】

中間体-07及び中間体-03を試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、62mg(0.13mmol、収率38%)を得た。
LC/MS:m/z=463.3 [M+H];tR:0.820 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 9.20(s,1H),8.43(s,1H),7.32(s,1H),7.21(br d,J=1.1Hz,1H),7.18(br d,J=1.6Hz,1H),6.96(s,1H),5.34(dd,J=8.7,6.3Hz,1H),5.20 -5.09(m,1H),4.47 -4.34(m,1H),4.27(td,J=7.8,2.9Hz,1H),3.93 -3.85(m,1H),3.26 -3.14(m,2H),3.13 -3.04(m,1H),2.86(dddd,J=12.3,9.2,6.4,2.9Hz,1H),2.48(s,3H),2.33 -2.21(m,1H),2.05(br dd,J=13.5,3.3Hz,1H),1.88 -1.72(m,3H)
SFC(カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.418分(100%)
【0229】
実施例11
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(5-メチル-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化81】

中間体-09及び中間体-01を試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、38mg(0.12mmol、収率24%)を得た。
LC/MS:m/z 463.1 [M+H];tR:0.874 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.52(s,1H),7.92(s,1H),7.40(s,1H),7.28(br d,J=2.1Hz,1H),7.26(br d,J=1.5Hz,1H),7.09(s,1H),5.41(dd,J=6.4,8.8Hz,1H),4.50(br d,J=2.1Hz,2H),4.34(dt,J=2.9,7.9Hz,1H),3.94(dt,J=6.7,8.8Hz,1H),3.24-3.10(m,3H),2.94(s,3H),2.93-2.87(m,1H),2.39-2.29(m,1H),2.09(br dd,J=2.7,13.1Hz,1H),1.87-1.80(m,3H)
SFC(カラム:Chiralcel OD-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.926分(100%)
【0230】
実施例12
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチルトリアゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化82】

工程1
トリブチル-(3-メチルトリアゾール-4-イル)スタンナン
【化83】

n-BuLi(2.5M、2.41ml、1当量。)のTHF(5ml)中溶液に、5-メチルシクロヘキサ-1,3-ジエン(566.57mg、6.02mmol、5ml、1当量)を-70℃で滴下し、引き続いて1-メチルトリアゾール(500mg、6.02mmol、1当量)のTHF(2ml)中溶液をN雰囲気下で滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、トリブチル(クロロ)スタンナン(1.96g、6.02mmol、1.62ml、1当量)を添加した。反応混合物を25℃まで円滑に加温した。10時間後、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(カラム:20gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:0%~20%酢酸エチル、流量:50ml/分)によって精製して、標題化合物(1.3g、3.49mmol、収率58%)を無色油として得た。
LC/MS:m/z 374.1 [M+H];tR:0.831 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 7.61(s,1H),4.10(s,3H),1.57-1.49(m,6H),1.37-1.31(m,6H),1.21-1.16(m,6H),0.90(t,J=7.3Hz,9H)
【0231】
工程2
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[6-(3-メチルトリアゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化84】

中間体-08(100mg、240.47μmol、1当量)、トリブチル-(3-メチルトリアゾール-4-イル)スタンナン(178.98mg、480.95μmol、2当量)、トリエチルアミン(48.67mg、480.95μmol、66.94μl、2当量)、CuI(4.58mg、24.05μmol、0.1当量)及びPd(PPh(27.79mg、24.05μmol、0.1当量)のジオキサン(1ml)中混合物を脱気し、Nで3回パージした。反応混合物をN雰囲気下で100℃で12時間撹拌し、飽和KF水溶液(3ml)の添加によってクエンチし、水(5ml)で希釈し、酢酸エチル(5ml×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex C18 75×30mm、3μm、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:7分で28%~58%アセトニトリル)により精製して、標題化合物(26mg、56.22μmol、収率23%)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z 463.1 [M+H];tR:0.626 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.60(d,J=1.0Hz,1H),8.39(s,1H),7.80-7.75(m,1H),7.62(s,1H),7.49(br d,J=9.2Hz,1H),7.28(d,J=0.9Hz,1H),5.39(br dd,J=6.5,8.1Hz,1H),4.58-4.42(m,2H),4.32(s,3H),4.31-4.27(m,1H),3.98-3.89(m,1H),3.16-3.08(m,3H),2.91(tdd,J=3.1,5.8,8.8Hz,1H),2.24(dtd,J=2.0,4.6,9.3Hz,1H),2.01-1.94(m,1H),1.82-1.74(m,1H),1.56-1.47(m,2H)
SFC(カラム:Chiralcel OD-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:2.380分(100%)
【0232】
実施例13
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化85】

工程1
メチル1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化86】

中間体-11a(5.38g、19.66mmol、1当量)、2-メチル-1H-イミダゾール(2.10g、25.55mmol、1.3当量)、KCO(10.87g、78.63mmol、4当量)、CuI(1.87g、9.83mmol、0.5当量)のDMSO(50ml)中混合物を脱気し、Nで3回パージした。反応混合物を120℃で16時間撹拌し、HO(60ml)で希釈し、酢酸エチル(60ml×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(カラム:8gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:0%~80%酢酸エチル、流量:40ml/分)によって精製して、標題化合物(6g、17.85mmol、収率91%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.30(d,J=1.3Hz,1H),7.18-7.10(m,1H),7.02(s,1H),4.52-4.40(m,2H),3.75-3.65(m,3H),3.32-3.17(m,2H),2.71-2.64(m,2H),2.49(s,3H),2.05(br d,J=3.5Hz,1H),1.89-1.77(m,2H)
【0233】
工程2
1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化87】

メチル1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(3g、9.39mmol、1当量)のTHF(24ml)中溶液に、LiOH・HO(1.58g、37.58mmol、4当量)及びHO(6ml)を添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、HO(60ml)で希釈し、酢酸エチル(60ml×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相HPLC(カラム:330gフラッシュカラムWelch Ultimate XB_C18 20~40μm、120Å、溶出液:水(0.1%ギ酸)及びアセトニトリル、勾配:15分で0%~25%アセトニトリル、10分で25%アセトニトリル、流量:100mL/分)によって精製して、標題化合物(1.4g、4.58mmol、収率49%)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z 306.2 [M+H];tR:0.226 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 12.49-12.14(m,1H),8.36(d,J=1.4Hz,1H),7.47(dd,J=1.6,2.4Hz,1H),7.04(d,J=1.5Hz,1H),4.34(br d,J=13.4Hz,2H),3.27-3.21(m,2H),2.64-2.61(m,1H),2.40(s,3H),1.97-1.91(m,2H),1.69-1.61(m,2H)
【0234】
工程3
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化88】

1-[5-フルオロ-6-(2-メチルイミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸(工程2)及び中間体-01を試薬として使用して実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、112mg(228.7μmol、収率78%)を黄色固体として得た。
LC/MS:m/z 480.1 [M+H];tR:0.512 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.33(d,J=1.5Hz,1H),7.40(s,1H),7.34(s,1H),7.28(br s,2H),7.26(br s,1H),5.42(dd,J=6.4,8.7Hz,1H),4.62(br d,J=13.3Hz,2H),4.34(dt,J=2.9,7.8Hz,1H),4.02-3.91(m,1H),3.34-3.28(m,2H),3.22-3.13(m,1H),2.95(dddd,J=3.0,6.4,9.2,12.3Hz,1H),2.68(s,3H),2.40-2.28(m,1H),2.13(br dd,J=3.2,13.6Hz,1H),1.93-1.85(m,3H)
SFC(カラム:Chiralcel OJ-3 50×4.6mmI.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.294分(100%)
【0235】
実施例14
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(4-メチルピラゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル
【化89】

工程1
エチル1-[5-フルオロ-6-(4-メチルピラゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化90】

中間体-11b(300mg、1.04mmol、1当量)、4-メチル-1H-ピラゾール(171.22mg、0.168ml、2.085mmol、2.0当量)、炭酸カリウム(576.42mg、4.171mmol、4.0当量)及びヨウ化銅(I)(99.3mg、0.521mmol、0.5当量)のDMSO(1.5ml)中混合物をマイクロ波照射下にて120℃で4時間撹拌した。反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈し、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて、標題化合物(294mg、0.75mmol、収率72%)を得、これを次の工程で直接使用した。
【0236】
工程2
1-[5-フルオロ-6-(4-メチルピラゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化91】

工程1からの粗生成物(294mg、0.75mmol、1当量)のNaOH(水/THF/MeOH=1/1/1中2N、5.7ml、3.75mmol、5当量)中溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を1NのHSOで酸性化し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、分取HPLC(カラム:YMC-Actus Triart Prep C18-S 250×30mm、5~10μm、溶出液:水(0.05%TFA)及びアセトニトリル、勾配:24分で5%~100%のアセトニトリル、流量:70ml/分)によって精製して、標題化合物(156mg、収率68%)を得た。
LC/MS:m/z=306.1 [M+H];tR:1.61 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 12.28(br s,1H),8.26(d,J=1.47Hz,1H),8.23(s,1H),7.71(s,1H),4.29(br d,J=13.45Hz,2H),3.25(m,2H),2.61(m,1H),2.10(s,3H),1.93(br dd,J=13.20,3.30Hz,2H),1.63(m,2H)
【0237】
工程3
3-フルオロ-5-[(3S)-2-[1-[5-フルオロ-6-(4-メチルピラゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボニル]イソオキサゾリジン-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル
【化92】

工程2からの化合物及び中間体-03を試薬として用いて実施例1に記載されるHATUカップリング条件を用い、標題化合物を合成して、36mg(0.072mmol、収率72%)を得た。
LC/MS:m/z=494.2 [M+H];tR:2.40 min(LC/MS 方法A).
H NMR(400.23MHz,DMSO-d):δ ppm 8.26(d,J=1.47Hz,1H),8.23(s,1H),7.70(s,1H),7.56(s,1H),7.43(d,J=10.27Hz,1H),5.35(m,1H),4.40(m,2H),4.29(m,1H),3.93(m,1H),3.24(m,2H),3.13(br s,1H),2.88(m,1H),2.37(d,J=1.83Hz,3H),2.23(m,1H),2.10(s,3H),1.98(br d,J=11.74Hz,1H),1.80(m,1H),1.64(m,2H)
【0238】
実施例15
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン
【化93】

工程1
メチル1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート
【化94】

中間体-11a(1.4g、5.12mmol、1当量)のジオキサン(16ml)及びHO(4ml)中溶液に、KCO(1.41g、10.23mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl(374.29mg、511.53μmol、0.1当量)及び1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(1.17g、5.63mmol、1.1当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌し、HO(30ml)で希釈し、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(カラム:4gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、溶出液:石油エーテル及び酢酸エチル、勾配:0%~30%酢酸エチル、流量:50ml/min)によって精製して、標題化合物(1.66g、4.05mmol、収率79%)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z 320.12 [M+H];tR:0.875 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.44(d,J=2.3Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),6.73(dd,J=2.1,3.9Hz,1H),4.46(td,J=3.4,13.7Hz,2H),4.19(s,3H),3.83(s,1H),3.72(s,3H),3.32-3.18(m,2H),2.67(s,1H),2.03-2.01(m,1H),1.86-1.79(m,2H)
【0239】
工程2
1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボン酸
【化95】

メチル1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-4-カルボキシラート(1.16g、2.83mmol、1当量)のTHF(8ml)及びHO(2ml)中溶液に、LiOH・HO(237.80mg、5.67mmol、2当量)を添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、1NのHCl溶液でpH3に調整し、THFを減圧下で除去した。混合物を濾過し、濾過ケークを1NのHCl溶液で洗浄して、標題化合物(380mg、1.24mmol、収率44%)を白色固体として得た。
LC/MS:m/z 306.1 [M+H];tR:0.899 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.44(d,J=2.5Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),6.72(dd,J=2.0,3.8Hz,1H),4.44-4.21(m,2H),4.05(s,3H),3.21-3.16(m,2H),2.64-2.54(m,2H),1.93(br dd,J=3.3,13.3Hz,2H),1.68-1.57(m,2H)
【0240】
工程3
[(3S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-イル]-[1-[5-フルオロ-6-(2-メチルピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-イル]-4-ピペリジル]メタノン
【化96】

中間体-11a及び中間体-01を試薬として使用して、実施例1に記載されるHATUカップリング条件を使用して標題化合物を合成して、120mg(0.25mmol、収率78%)を得た。
LC/MS:m/z=473.1 [M+H];tR:0.942 min(LC/MS 方法C).
H NMR(400MHz,CDCl):δ ppm 8.43(s,1H),7.57(d,J=1.7Hz,1H),6.87-6.79(m,2H),6.77-6.67(m,2H),5.38(dd,J=6.3,8.7Hz,1H),4.70-4.47(m,2H),4.30(dt,J=3.2,7.7Hz,1H),4.17(s,3H),4.01-3.87(m,1H),3.35-3.21(m,2H),3.19-3.07(m,1H),2.93-2.81(m,1H),2.40-2.29(m,1H),2.17-2.06(m,1H),2.00-1.88(m,3H)
SFC:(カラム:Chiralcel OD50×4.6mm I.D.、3μm、勾配:CO中5%~40%MeOH(0.05%DEA)、流量:3ml/分、カラム温度:35℃、100bar):tR:1.581分(100%)
【0241】
受容体相互作用プロテインキナーゼ1阻害の評価。
RIPK1の触媒活性を、ADP-Gloキナーゼキット(Promega、カタログ番号V9104)を使用して、自己リン酸化によるアデノシン三リン酸(ATP)からアデノシン二リン酸(ADP)への変換をモニタリングすることによって測定した。詳細には、2μlの組換え生産hRIPK1(aa1-375)融合タンパク質(最終濃度3.6μg/ml)及び2μlの化合物(最終濃度33300-1.69nM;DMSO最終濃度1%)を室温で30分間インキュベートし、次いで2μlのATP(ADP Gloキット、最終濃度50μM)を添加した。室温で更に240分間インキュベートした後、5μlのPromega ADP-Glo試薬Iを添加して反応をクエンチし、未消費ATPを枯渇させた。30分間のインキュベーション期間の後、10μlのPromega ADP-Glo検出試薬IIを添加すると、ADPがATPに変換され、ルシフェラーゼとルシフェリンとの間に光反応が生じる。30分後、Pherastar FS(BMG LABTECH,Ortenberg)を用いて発光を定量した。用量反応実験のために、95%信頼区間を有するIC50値を、Ratkowsky及びReedyに従って4パラメータロジスティックモデルを使用して、0%及び100%の下及び上の漸近値に対する制約を用いて計算した。調整は、Levenberg Marquardtアルゴリズムを用いた非線形回帰によって得た。
【0242】
細胞死(ネクロトーシス)に対するRIPK1阻害剤の活性を測定するためのU937細胞における細胞アッセイ。
TNF-受容体Iライゲーション時に、Ser/ThrキナーゼRIPK1は一過性受容体複合体Iに動員される。RIPK1の活性化を促進するRIPK1の修飾時に、複合体IIbが形成され得、これは、RIPK3及びMLKL(混合系列キナーゼドメイン様タンパク質)の動員に関与し、次いで、細胞質ゾルから原形質膜に移行して細胞死を実行する(Cai,Z.et al,Nat.Cell Biol.(2014)16:55-65)。テトラゾリウム化合物[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム、内部塩;MTS]をホルマザンに還元することによって生細胞の量を測定する熱量測定法であるCellTiter 96 AQueous試薬(Promega)を使用して生細胞の量を決定することによって、96ウェルプレートにおいて細胞死を定量した。ホルマザンの吸光度を490nmで読み取った。試験化合物の阻害活性を濃度応答曲線(CRC)実験で定量した。
化合物を10mMストック溶液として得、DMSOで1から10体積に希釈して1mM溶液を得た。この溶液から2μlを998μlの増殖培地で希釈した。100μlの2μM化合物溶液を、150μlの増殖培地を添加することによって2.5の希釈係数で順次更に希釈した。10μM~0.26nM又は1μM~0.07nMの範囲の合計10の濃度を試験した。U937細胞をRPMI 1640 Glutamax及び10%熱不活性化FBS中で培養した。50μMのzVAD.fmk(ベンジルオキシカルボニル-Val-Ala-Asp(OMe)フルオロメチルケトン)及び100ng/mlの組換えヒトTNFαを補充した1×106細胞/mlを含有する50μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに分注した。50μlの化合物希釈液(上記参照)を添加し、細胞懸濁液を加湿雰囲気(95%rH)中37℃、5%COで一晩(18~24時間)インキュベートした。高対照(化合物なし)及び低対照(TNFα、zVAD.fmkなし)を7連で試験し、全ての化合物濃度を各実験プレートで2連で試験した。CellTiter96水性試薬を混合し(PMS(フェナジンメトサルファート)溶液100μl/MTS(3-(4,5-ジメチルジアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム、内部塩)溶液2ml)、ウェル当たり20μlを添加した。37℃(5%CO 95%rH)で4時間インキュベートした後、マイクロプレートリーダー(Tecan Infinite M1000)で490nmで光学密度を測定した。阻害%は、TNFα/zVAD.fmcの非存在下で得られた最大阻害値の百分率として表される。各用量反応実験について、95%信頼区間を有するIC50値を、内部アプリケーション(Biost@t-Speed LTS V2.3)を使用して制約なしでRatkowsky及びReedyに従って4パラメータロジスティックモデルを使用して計算した。生物学的活性の結果を表1に示す(ADP-Glo IC50(μM)及びU937 IC50(μM))。
【0243】
【表3】

【国際調査報告】