IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グーグル インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-544536電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系
<>
  • 特表-電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系 図1
  • 特表-電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系 図2
  • 特表-電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系 図3
  • 特表-電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系 図4
  • 特表-電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系 図5
  • 特表-電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】電子機器のアンダーディスプレイ画像センサ用光学系
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20241126BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241126BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20241126BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20241126BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20241126BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241126BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241126BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20241126BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B17/02
H10K59/65
H10K50/858
H10K59/12
H10K50/844
H10K59/95
G09F9/302 Z
G09F9/00 366Z
G09F9/30 308Z
G09F9/30 309
G09F9/00 313
G09F9/00 350Z
H04N23/55
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527587
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 US2021061953
(87)【国際公開番号】W WO2023107088
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,チュンホ
(72)【発明者】
【氏名】ハード,トリトン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5C122
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC05
3K107CC41
3K107EE29
3K107EE30
3K107EE46
3K107EE68
3K107FF15
5C094BA29
5C094CA20
5C094DA05
5C094DA07
5C094FA01
5C094HA08
5C094JA08
5C122DA03
5C122DA04
5C122DA09
5C122EA54
5C122FB02
5C122FB03
5C122FC00
5C122FK12
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE11
5C122HA35
5G435BB05
5G435CC09
5G435DD11
5G435EE02
5G435EE03
5G435GG02
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
電子機器が提供される。電子機器は、複数のピクセルを有するディスプレイを含む。ディスプレイは、複数のピクセルの第1のピクセルと、複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を規定する。電子機器は、ディスプレイの下に配置された画像センサを含む。画像センサは、ディスプレイによって規定された透明領域と位置合わせされる。電子機器は、ディスプレイ上に、及びディスプレイによって規定された透明領域にわたって配置された光学系をさらに含む。光学系は、外部光をディスプレイの透明領域に向けるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
複数のピクセルを含むディスプレイを備え、前記ディスプレイは前記複数のピクセルの第1のピクセルと、前記複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を規定し、前記電子機器はさらに、
前記ディスプレイの下に配置された画像センサを備え、前記画像センサは、前記ディスプレイによって規定された前記透明領域と位置合わせされており、前記電子機器はさらに、
前記ディスプレイの上に、及び前記ディスプレイによって規定された前記透明領域にわたって配置された光学系を備え、前記光学系は外部光を前記ディスプレイの前記透明領域に向けるように構成されている、前記電子機器。
【請求項2】
前記透明領域は、垂直方向に沿って前記画像センサから前記ディスプレイの上部まで延びる開口を備える、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数のピクセルは複数の行に配置され、前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルは、前記複数の行の第1の行において互いに隣り合う、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記光学系は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを備える、任意の先行請求項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記光学系は、前記ディスプレイの上部に配置される、任意の先行請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記ディスプレイの前記上部は、薄膜カプセル化層を備える、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記光学系の形状はドームに一致する、任意の先行請求項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記光学系の断面形状は三角形に一致する、任意の先行請求項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記ディスプレイに配置された複数の追加の光学系をさらに備え、前記複数の追加の光学系のそれぞれは、前記複数のピクセルの対応するピクセル上に配置されている、任意の先行請求項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記ディスプレイの前記透明領域上に配置された前記光学系は、第1の形状を有し、
前記複数の追加の光学系の1つ以上は、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記追加の光学系の1つ以上は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを備える、請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記透明領域上に配置された前記光学系、及び前記複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成されている、請求項9に記載の電子機器。
【請求項13】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
筐体と、
第1の位置で前記筐体に結合された第1のバンドと、
第2の位置で前記筐体に結合された第2のバンドとを備え、前記第2のバンドは前記第1のバンドに結合可能であり、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
複数のピクセルを含むディスプレイを備え、前記ディスプレイは前記複数のピクセルの第1のピクセルと、前記複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を規定し、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
前記ディスプレイの下に配置された画像センサを備え、前記画像センサは前記ディスプレイによって規定された前記透明領域と位置合わせされており、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
前記ディスプレイの上に、及び前記ディスプレイによって規定された前記透明領域にわたって配置された光学系を備え、前記光学系は、外部光を前記ディスプレイの前記透明領域に向けるように構成されている、前記ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記複数のピクセルは複数の行に配置され、前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルは、前記複数の行の第1の行において互いに隣り合う、請求項13に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記光学系は、前記ディスプレイの上部に配置されている、任意の先行請求項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記ディスプレイの前記上部は、薄膜カプセル化層を備える、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記ディスプレイに配置された複数の追加の光学系をさらに備え、前記複数の追加の光学系のそれぞれは、前記複数のピクセルの対応するピクセル上に配置されている、任意の先行請求項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記追加の光学系の1つ以上は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを備える、請求項17に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記ディスプレイの前記透明領域上に配置された前記光学系、及び前記複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成されている、請求項17に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記透明領域は、前記画像センサと前記ディスプレイの上部との間に規定された開口を備える、任意の先行請求項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してアンダーディスプレイ画像センサを有する電子機器用のディスプレイに関する。より具体的には、本開示は、アンダーディスプレイ画像センサ用の光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器(例えば、スマートフォン、ラップトップ、スマートウォッチ、タブレットなど)は、ユーザーに対してコンテンツ(例えば、時刻、日付など)を表示するためのディスプレイを含むことができる。電子機器は、さらに1つ以上のカメラを含むことができる。例えば、電子機器はアンダーディスプレイカメラを含むことができる。アンダーディスプレイカメラは画像データを取得するように構成できる。例えば、アンダーディスプレイのカメラは、電子機器を使用しているユーザーの画像データ(ビデオ、写真など)を取り込むことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態の態様及び利点は、以下の説明に部分的に示されるか、または説明から学習できるか、もしくは実施形態の実践を通して学習できる。
【0004】
一態様では、電子機器が提供される。電子機器は、複数のピクセルを有するディスプレイを含む。ディスプレイは、複数のピクセルの第1のピクセルと、複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を画定する。電子機器は、ディスプレイの下に配置された画像センサを含む。画像センサは、ディスプレイによって規定された透明領域と位置合わせされる。電子機器は、ディスプレイ上に、及びディスプレイによって規定された透明領域にわたって配置された光学系をさらに含む。光学系は、外部光をディスプレイの透明領域に向けるように構成される。
【0005】
いくつかの実施態様では、透明領域は、垂直方向に沿って画像センサからディスプレイの上部まで延びる開口を含む。いくつかの実施態様では、複数のピクセルは複数の行に配置される。さらに、そのような実施態様では、第1のピクセル及び第2のピクセルは、複数の行の第1の行において互いに隣り合う。いくつかの実施態様では、光学系は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを含む。
【0006】
いくつかの実施態様では、光学系はディスプレイの上部に配置される。さらに、いくつかの実施態様では、ディスプレイの上部は、薄膜カプセル化層を含む。いくつかの実施態様では、光学系の形状はドームに一致する。代替の実施態様では、光学系の断面形状は三角形に一致する。
【0007】
いくつかの実施態様では、ディスプレイは、ディスプレイ上に配置された複数の追加の光学系を含む。さらに、複数の追加の光学系のそれぞれは、複数のピクセルの対応するピクセル上に配置できる。いくつかの実施態様では、ディスプレイの透明領域上に配置された光学系は第1の形状を有する場合があり、一方、追加の光学系の1つ以上は、第1の形状とは異なる第2の形状を有する場合がある。いくつかの実施態様では、追加の光学系の1つ以上は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを含む。いくつかの実施態様では、透明領域上に配置された光学系、及び複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成される。
【0008】
別の態様では、ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、筐体と、第1のバンドと、第2バンドとを含む。第1のバンドは、第1の位置で筐体に結合される。第2のバンドは、第2の位置で筐体に結合される。さらに、第2のバンドは第1のバンドに結合可能である。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、複数のピクセルを有するディスプレイを含む。ディスプレイは、複数のピクセルの第1のピクセルと、複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を規定する。電子機器は、ディスプレイの下に配置された画像センサを含む。画像センサは、ディスプレイによって規定された透明領域と位置合わせされる。電子機器は、ディスプレイ上に、及びディスプレイによって規定された透明領域にわたって配置された光学系をさらに含む。光学系は、外部光をディスプレイの透明領域に向けるように構成される。
【0009】
いくつかの実施態様では、複数のピクセルは複数の行に配置される。さらに、第1のピクセル及び第2のピクセルは、複数の行の第1の行において互いに隣り合う。いくつかの実施態様では、光学系はディスプレイの上部に配置される。さらに、いくつかの実施態様では、ディスプレイの上部は、薄膜カプセル化層を含む。
【0010】
いくつかの実施態様では、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ディスプレイ上に配置された複数の追加の光学系をさらに含む。さらに、複数の追加の光学系のそれぞれは、複数のピクセルの対応するピクセル上に配置できる。いくつかの実施態様では、ディスプレイの透明領域上に配置された光学系は第1の形状を有する場合があり、一方、追加の光学系の1つ以上は、第1の形状とは異なる第2の形状を有する場合がある。いくつかの実施態様では、追加の光学系の1つ以上は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを含む。いくつかの実施態様では、透明領域上に配置された光学系、及び複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成される。
【0011】
本開示の様々な実施形態のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるようになる。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を説明し、説明と併せて、関連する原理を説明する役目を果たしている。
【0012】
当業者を対象にした実施形態の発明を実施するための形態は、添付図面を参照する本明細書に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示のいくつかの実施態様による電子機器を示す図である。
図2】本開示のいくつかの実施態様による電子機器のディスプレイの断面図を示す図である。
図3】本開示のいくつかの実施態様による電子機器のディスプレイ上に配置された光学系の側面図を示す図である。
図4】本開示のいくつかの実施態様によるウェアラブルコンピューティングデバイスを示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施態様によるウェアラブルコンピューティングデバイスの分解組立図を示す図である。
図6】本開示のいくつかの実施態様によるウェアラブルコンピューティングデバイスの断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで本開示の実施形態を詳細に参照し、その例の1つ以上を図面に示す。各例は、本開示の説明として提供され、本開示の限定ではない。実際、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変形をなし得ることが当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明されている特徴を別の実施形態と使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るような修正及び変形を網羅することを意図する。
【0015】
本開示の例示的な態様は、コンテンツ(例えば、電子メール、テキストメッセージを表示するように構成されたディスプレイ(例えば、有機発光ダイオードディスプレイ)を有する電子機器(例えば、スマートフォン、ラップトップ、スマートウォッチ、タブレットなど)を対象とする。電子機器は、ディスプレイの下に配置された画像センサ(例えば、カメラ)をさらに含むことができる。このようにして、画像センサは、アンダーディスプレイ画像センサと呼ぶことができる。
【0016】
アンダーディスプレイ画像センサは、例えば、ディスプレイの下に配置されていない画像センサと比較してより少ない外部光(例えば、電子機器を取り囲む環境からの光)を受け取る。したがって、アンダーディスプレイ画像センサを介して取得される画像の質は、電子機器の他の画像センサを使用して取得される画像の質と比較して劣る可能性がある。例えば、アンダーディスプレイの画像センサを介して取得された画像は、ディスプレイの下に配置されていない画像センサを介して取得された画像と比較してぼやける可能性がある。
【0017】
本開示の例示的な態様は、ディスプレイの隣接するピクセル間に規定された透明領域を規定するディスプレイを有する電子機器を対象とする。例えば、透明領域は、ピクセルの行内の隣接するピクセル間に規定できる。ディスプレイの透明領域にはピクセルは含まれないことを理解されたい。いくつかの実施態様では、透明領域は、アンダーディスプレイ画像センサとディスプレイの上部(例えば、薄いカプセル化層)との間に規定された開口である場合がある。より具体的には、開口は、ディスプレイの上部から画像センサまで延びる場合がある。このようにして、ディスプレイは、ディスプレイの上部を通過する外部光を、アンダーディスプレイ画像センサ上に向けるための専用の経路(例えば、開口)を提供できる。
【0018】
電子機器は、ディスプレイによって規定された透明領域(例えば、開口)に外部光を向けるために、ディスプレイの透明領域上に配置された光学系をさらに含むことができる。例えば、いくつかの実施態様では、光学系はディスプレイの上部(例えば、薄膜カプセル化層)に配置できる。光学系の1つ以上のパラメータ(例えば、形状)が、外部光をディスプレイの透明領域に向ける(例えば、屈折させる)ように構成できることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、光学系はドーム形状を有する場合がある。代替の実施態様では、光学系は三角形に一致する形状を有する場合がある。より具体的には、光学系の断面形状は三角形に一致する場合がある。いくつかの実施態様では、光学系はマイクロレンズを含むことができる。本明細書で使用する場合、「マイクロレンズ」は、1ミリメートル未満である直径を有するレンズを指す。
【0019】
いくつかの実施態様では、電子機器は複数の追加の光学系を含むことができる。追加の光学系のそれぞれは、ディスプレイに含まれる複数のピクセルの対応するピクセル上に配置できる。さらに、追加の光学系のそれぞれは、対応するピクセルから発せられる光を、電子機器を取り囲む環境に向けるように構成できる。例えば、追加の光学系のそれぞれのパラメータ(例えば、形状、屈折率)は、対応するピクセルから発せられる光を集束するように構成できる。このようにして、ディスプレイと関連付けられた「スクリーンドア」効果を低減または排除できる。
【0020】
いくつかの実施態様では、ディスプレイの透明領域上に配置された光学系、及びディスプレイの対応するピクセル上に配置された複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成できる。例えば、そのような実施態様では、モノリシック構造はディスプレイの上部(例えば、薄膜カプセル化層)に配置できる。このようにして、ディスプレイの上部(例えば、薄膜カプセル化層)にモノリシック構造を配置することによって、光学系は、ディスプレイの透明領域と位置合わせすることができ、追加の光学系は、ディスプレイの対応するピクセルと位置合わせできる。
【0021】
いくつかの実施態様では、光学系及び複数の追加の光学系は同じ形状を有する場合がある。例えば、光学系及び複数の追加の光学系は、ドームに一致する形状を有する場合がある。代替の実施態様では、光学系は第1の形状を有する場合があり、追加の光学系の1つ以上は、第1の形状とは異なる第2の形状を有する場合がある。例えば、透明領域上に配置された光学系は、三角形に一致する断面形状を有する場合があり、一方、追加の光学系の1つ以上はドームに一致する断面形状を有する場合がある。
【0022】
本開示の例示的な態様による電子機器は、多数の技術的な効果及び利点を提供できる。例えば、ディスプレイの透明領域(例えば、開口)は、外部光とアンダーディスプレイ画像センサとの間に直接的な経路を提供できる。さらに、透明領域上に配置された光学系(例えば、マイクロレンズ)は、外部光を透明領域に向ける(例えば、屈折する)ことができる。このようにして、少なくとも部分的に、光学系が外部光をディスプレイの透明領域に向けることにより、アンダーディスプレイ画像センサを介して取得された画像の質を向上させることができる。外部光をディスプレイの透明領域に向けることによって、特に、ディスプレイがオフであるとき(すなわち、ディスプレイがコンテンツを表示していないとき)にアンダーディスプレイ画像センサが取得する画像の質を向上させることができることを理解されたい。
【0023】
ここで図を参照すると、図1は、本開示のいくつかの実施態様によるディスプレイ110を有する電子機器100を示す。いくつかの実施態様では、ディスプレイ110は有機発光ダイオードディスプレイである場合がある。図示のように、ディスプレイ110は、複数のピクセル120(2つのみを図示)を含むことができる。ピクセル120が、複数の異なる色の光を出力するように構成できることを理解されたい。このようにして、ディスプレイ110のピクセル120は、電子機器100のユーザーが見るためのコンテンツ(例えば、画像、ビデオ)を表示するために制御できる。
【0024】
いくつかの実施態様では、複数のピクセル120は、行-列構成に配置できる。例えば、ディスプレイ110は、複数行のピクセル120と、複数列のピクセル120とを含むことができる。ただし、ディスプレイ110の複数のピクセル120が任意の適切な構成で配置できることを理解されたい。
【0025】
電子機器100が、ディスプレイ110を有する任意の適切な電子機器を含むことができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、電子機器100はモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップなど)である場合がある。
【0026】
図示のように、ディスプレイ110は、隣接するピクセル120間に配置された透明領域130を規定できる。例えば、ピクセル120が行-列構成で配置される実施態様では、透明領域130は、複数の行の第1の行において隣接するピクセル間に規定できる。より具体的には、透明領域130は、第1の行において互いに隣り合うピクセル120間に規定できる。透明領域130にピクセル120がない可能性があることを理解されたい。透明領域の詳細は、以下により詳細に説明する。
【0027】
図示のように、電子機器100は、ディスプレイ110の下に配置された(破線の円で示される)画像センサ140を含むことができる。画像センサ140は、ディスプレイ110の透明領域130と位置合わせできる。このようにして、画像センサ140は、ディスプレイ110の透明領域130を出る光を受け取ることができる。いくつかの実施態様では、画像センサ140は、画像データ(例えば、ビデオ、写真)を取得するように構成されたカメラを含むことができる。
【0028】
ここで図2を参照すると、本開示のいくつかの実施態様による電子機器100(図1)のディスプレイ110の断面図が提供されている。ディスプレイ110は、水平方向Hと垂直方向Vを規定できる。図示のように、ディスプレイ110は、下部200と、上部210と、下部200と上部210との間に配置された中間部分220とを含むことができる。下部200は、例えば基板を含むことができる。いくつかの実施態様では、基板はフレキシブル基板(例えば、ポリイミド基板)である場合がある。上部210は、薄膜カプセル化層を含むことができる。ディスプレイ110が、器官発光ダイオードディスプレイである実施態様では、薄膜カプセル化層は、第1の無機層と、第2の無機層と、第1の無機層と第2の無機層との間に配置された有機層とを含むことができる。
【0029】
ピクセル120を含むディスプレイ110の位置の場合、その中間部分220は複数の層を含むことができる。例えば、ディスプレイ110が有機発光ダイオードディスプレイである実施態様では、中間部分220は、カソード222と、アノード244と、カソード222とアノード224との間に配置された1つ以上の層(例えば、発光層、導電層)とを含むことができる。
【0030】
図示のように、透明領域130は、画像センサ140とディスプレイ110の上部210との間に規定できる。例えば、透明領域130は、垂直方向Vに沿って画像センサ140からディスプレイ110の上部210まで延びる開口である場合がある。さらに、開口は、水平方向Hに沿ってディスプレイ110の隣接ピクセル120間に延びる場合もある。このようにして、透明領域130(例えば、開口)は、外部光230(例えば、電子機器100を取り囲む環境内の光)に、ディスプレイ110の下に配置された画像センサ140への専用経路を提供できる。
【0031】
図示のように、電子機器100(図1)は、ディスプレイ110の透明領域130に外部光230を向ける(例えば、屈折させる)ために、ディスプレイ110の透明領域130の真上に配置された光学系300をさらに含むことができる。より具体的には、光学系300は、外部光230をディスプレイ110の透明領域130に向けることができる。いくつかの実施態様では、光学系300は、ディスプレイ110の上部210に配置できる。光学系300の1つ以上のパラメータ(例えば、形状)が、外部光230をディスプレイ110の透明領域130に向ける(例えば、屈折させる)ように構成できることを理解されたい。例えば、図2に示すように、光学系300は、ドームに一致する形状を有する場合がある。代わりにまたはさらに、光学系300は、いくつかの実施態様では、マイクロレンズ(例えば、1ミリメートル未満の直径を有するレンズ)である場合がある。
【0032】
いくつかの実施態様では、電子機器100(図1)は、複数の追加の光学系310(2つのみ図示)を含むことができる。追加の光学系310のそれぞれは、ディスプレイ110の対応するピクセル120上に配置できる。さらに、追加の光学系310のそれぞれは、対応するピクセル120と関連付けられた光を操作するように構成できる。例えば、追加の光学系310のそれぞれは、対応するピクセルと関連付けられた光を集束するように構成できる。このようにして、ディスプレイ110と関連付けられた「スクリーンドア」効果を低減または排除できる。
【0033】
いくつかの実施態様では、ディスプレイ110の透明領域130上に配置された光学系300、及びディスプレイ110の対応するピクセル120上に配置された追加の光学系310は、モノリシック構造として一体的に形成できる。そのような実施態様では、モノリシック構造はディスプレイ110の上部210(例えば、薄膜カプセル化層)に配置できる。いくつかの実施態様では、光学系300及び複数の追加の光学系310は同じ形状を有する場合がある。例えば、ディスプレイ110の透明領域130上に配置された光学系300、及び複数の追加の光学系310は、ドームに一致する形状を有する場合がある。代替の実施態様では、ディスプレイ110の透明領域130上に配置された光学系300は第1の形状を有する場合があり、追加の光学系300の1つ以上は、第1の形状とは異なる第2の形状を有する場合がある。
【0034】
いくつかの実施態様では、電子機器100は複数の画像センサ140を含むことができることを理解されたい。そのような実施態様では、電子機器100のディスプレイ110は、複数の透明領域130を含むことができる。さらに、電子機器100は、複数の光学系300を含むことができる。例えば、光学系300のそれぞれは、複数の透明領域130の対応する透明領域上に配置できる。このようにして、外部光230は、対応する光学系300を介して透明領域130のそれぞれに向けることができる。外部光230をディスプレイ110の透明領域130に向けると、画像センサ140に向けられる外部光230の量が増加し、それによって画像センサ140を介して取得される画像の質が向上できることを理解されたい。
【0035】
ここで図3を参照すると、ディスプレイ110の透明領域130の真上に配置された光学系300は、いくつかの実施態様では、三角形に一致する断面形状を有する場合がある。図示のように、光学系300の第1の側面は、外部光230をディスプレイ110の透明領域130に向けることができる。さらに、光学系300の第2の側面は、外部光230をディスプレイ110の透明領域に向けることができる。光学系300が、外部光230をディスプレイ110の透明領域130に向ける(例えば、屈折させる)ことを容易にするように構成された任意の適切な形状を有する場合があることを理解されたい。
【0036】
ここで図4図6を参照すると、本開示のいくつかの実施態様に従ってウェアラブルコンピューティングデバイス400が提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイス400が、図1及び図2を参照して上述した電子機器100のディスプレイ110を含むことができることを理解されたい。さらに、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、図1及び図2を参照して上述した電子機器100の画像センサ140を含むことができる。なおさらに、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、図1及び図2を参照して上述した光学系300、310を含むことができる。特に、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、ディスプレイ110の透明領域130(図2)上に配置された光学系300(図2)を含むことができる。ウェアラブルコンピューティングデバイス400の詳細をここで説明する。
【0037】
図示のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、例えば、ユーザーの腕402(例えば、手首)に装着できる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、筐体410を含むことができる。筐体410は、1つ以上の電子部品(例えば、プリント回路基板上に配置される)が配置される空洞411を規定できる。例えば、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、空洞411内に配置されたプリント回路基板420を含むことができる。さらに、1つ以上の電子部品をプリント回路基板420に配置できる。
【0038】
ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、第1のバンド430と、第2のバンド432とを含むことができる。図示のように、第1のバンド430は、筐体410にその第1の位置で結合できる。逆に、第2のバンド432は、筐体410にその第2の位置で結合できる。さらに、第1のバンド430と第2のバンド432は、筐体410をユーザーの腕402に固定するために互いに結合できる。
【0039】
いくつかの実施態様では、第1のバンド430はバックルまたは留め金(図示せず)を含むことができる。さらに、第2のバンド432は、第2のバンド432の長さに沿って互いから離間された複数の開口(図示せず)を含むことができる。そのような実施態様では、第1のバンド430と関連付けられたバックルの突起は、第2のバンド432によって規定された複数の開口部の1つを通って延びて、第1のバンド430を第2のバンド432に結合できる。
【0040】
任意の適切なタイプの固締具を使用して、第1のバンド430を第2のバンド432に結合できることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、第1のバンド430及び第2のバンド432は、磁石を含むことができる。そのような実施態様では、第1のバンド430及び第2のバンド432は、筐体410をユーザーの腕402に固定するために互いに磁気で結合できる。
【0041】
ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、ユーザーが見るためのコンテンツ(例えば、時刻、日付、生体認証、通知など)を表示するように構成されたディスプレイ110を含むことができる。例えば、ディスプレイ110は複数のピクセルを含むことができる。いくつかの実施態様では、ディスプレイ110は有機発光ダイオードディスプレイを含むことができる。ただし、ディスプレイ110は任意の適切なタイプのディスプレイを含むことができることを理解されたい。
【0042】
いくつかの実施態様では、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、カバー450がディスプレイ110の上に配置されるように、筐体410上に配置されたカバー450を含むことができる。このようにして、カバー450は、ディスプレイ110を傷つくことから保護できる。いくつかの実施態様では、ウェアラブルコンピューティングデバイス400は、筐体410とカバー450との間に配置されたシール(図示せず)を含むことができる。例えば、シールの第1の表面は筐体410に接触し、シールの第2の表面はカバー450に接触できる。このようにして、筐体410とカバー450との間のシールは、液体(例えば、水)が筐体410によって規定された空洞411に進入するのを防ぐことができる。
【0043】
ユーザーがディスプレイ110上に表示されている情報を見ることができるように、カバー450が光学的に透明であり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、カバー450はガラス材料を含むことができる。ただし、カバー450は、任意の適切な光学的に透明な材料を含むことができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、カバー450はプラスチック材料を含むことができる。
【0044】
本主題は、その様々な具体的な例示的な実施形態を参照して詳細に説明されてきたが、各例は、説明のために提供されており、本開示の制限ではない。当業者は、上述の内容を理解すると、そのような実施形態の修正、変形を容易に行い、均等物を容易に作成できる。したがって、本開示は、当業者にとって容易に明らかであろうように、本主題に対するそのような修正、変更、及び/または追加を含めることを除外しない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明されている特徴を別の実施形態と使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。したがって、本開示は、そのような変更、変形、及び均等物を網羅することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
複数のピクセルを含むディスプレイを備え、前記ディスプレイは前記複数のピクセルの第1のピクセルと、前記複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を規定し、前記電子機器はさらに、
前記ディスプレイの下に配置された画像センサを備え、前記画像センサは、前記ディスプレイによって規定された前記透明領域と位置合わせされており、前記電子機器はさらに、
前記ディスプレイの上に、及び前記ディスプレイによって規定された前記透明領域にわたって配置された光学系を備え、前記光学系は外部光を前記ディスプレイの前記透明領域に向けるように構成されている、前記電子機器。
【請求項2】
前記透明領域は、垂直方向に沿って前記画像センサから前記ディスプレイの上部まで延びる開口を備える、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数のピクセルは複数の行に配置され、前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルは、前記複数の行の第1の行において互いに隣り合う、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記光学系は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを備える、請求項1~3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記光学系は、前記ディスプレイの上部に配置される、請求項1~4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記ディスプレイの前記上部は、薄膜カプセル化層を備える、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記光学系の形状はドームに一致する、請求項1~6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記光学系の断面形状は三角形に一致する、請求項1~7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記ディスプレイに配置された複数の追加の光学系をさらに備え、前記複数の追加の光学系のそれぞれは、前記複数のピクセルの対応するピクセル上に配置されている、請求項1~8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項10】
前記ディスプレイの前記透明領域上に配置された前記光学系は、第1の形状を有し、
前記複数の追加の光学系の1つ以上は、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記追加の光学系の1つ以上は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを備える、請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記透明領域上に配置された前記光学系、及び前記複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成されている、請求項9に記載の電子機器。
【請求項13】
ウェアラブルコンピューティングデバイスであって、
筐体と、
第1の位置で前記筐体に結合された第1のバンドと、
第2の位置で前記筐体に結合された第2のバンドとを備え、前記第2のバンドは前記第1のバンドに結合可能であり、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
複数のピクセルを含むディスプレイを備え、前記ディスプレイは前記複数のピクセルの第1のピクセルと、前記複数のピクセルの第2のピクセルとの間に配置された透明領域を規定し、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
前記ディスプレイの下に配置された画像センサを備え、前記画像センサは前記ディスプレイによって規定された前記透明領域と位置合わせされており、前記ウェアラブルコンピューティングデバイスはさらに、
前記ディスプレイの上に、及び前記ディスプレイによって規定された前記透明領域にわたって配置された光学系を備え、前記光学系は、外部光を前記ディスプレイの前記透明領域に向けるように構成されている、前記ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記複数のピクセルは複数の行に配置され、前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルは、前記複数の行の第1の行において互いに隣り合う、請求項13に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記光学系は、前記ディスプレイの上部に配置されている、請求項13または14に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記ディスプレイの前記上部は、薄膜カプセル化層を備える、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記ディスプレイに配置された複数の追加の光学系をさらに備え、前記複数の追加の光学系のそれぞれは、前記複数のピクセルの対応するピクセル上に配置されている、請求項13~16のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記追加の光学系の1つ以上は、1ミリメートル未満の直径を有するレンズを備える、請求項17に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記ディスプレイの前記透明領域上に配置された前記光学系、及び前記複数の追加の光学系は、モノリシック構造として一体的に形成されている、請求項17に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記透明領域は、前記画像センサと前記ディスプレイの上部との間に規定された開口を備える、請求項13~19のいずれかに記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【国際調査報告】